説明

再発行機能を有する切断装置付き印刷装置およびそれを用いた単票用紙の再発行方法

【課題】情報の漏洩を防止できる再発行機能を有する切断装置付き印刷装置を提供する。
【解決手段】情報Dが印刷された単票用紙Pを発行する切断装置40付き印刷装置100であって、前記単票用紙Pが再搬送されるとともに、前記切断装置40が設けられる部分を共通経路5として構成される単票用紙搬送経路3と、前記単票用紙搬送経路3に設けられ前記単票用紙Pの前記情報Dを読取る情報読取り部30と、前記情報Dを格納するメモリー部94と、前記メモリー部94の前記情報Dの読み出しを制限する認証処理部96とを備え、前記情報読取り部30で処分対象の単票用紙P1の前記情報Dを読取り前記メモリー部94に格納して、前記切断装置40で前記単票用紙P1を裁断廃棄する。前記単票用紙P1を再発行する場合は、前記認証処理部96でユーザー認証し前記メモリー部94から前記情報Dを読み出し前記印刷部10で印刷して再発行する再発行機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再発行機能を有する切断装置付き印刷装置およびそれを用いた単票用紙の再発行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機密情報など重要な情報が記載されている用紙を処分する場合は、機密漏洩を防ぐため様々な対応が行われている。一般には、シュレッダーを用いて機密情報が記載された用紙を細かく裁断し判読困難な状態にして廃棄している。ところが、一旦廃棄した後にその情報が必要になることがある。そのため、近年、用紙に記載されている情報を読取ってデータ記録部に記録して、必要に応じ表示部で表示したりプリンターで印刷するシュレッダー装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−160313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、本来は判読不可にしたかった用紙であり、機密性が高い情報が記載されている場合が多い。そのため、容易に情報が再現できることは好ましくない。上述のシュレッダー装置は、機密情報の漏洩を防ぐための手法が記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
(適用例1)ロール紙が搬送されるロール紙搬送経路と、前記ロール紙搬送経路に沿って設けられ、前記ロール紙に情報を印刷する印刷部と、前記情報が印刷された前記ロール紙を所定の長さに切断する切断装置とを有し、前記情報が印刷された前記ロール紙を単票用紙として発行する切断装置付き印刷装置であって、発行済の前記単票用紙の挿入が可能であり、前記ロール紙搬送経路の少なくとも前記切断装置が設けられる部分を共通経路として構成される単票用紙搬送経路と、前記単票用紙搬送経路に沿って設けられ、前記単票用紙に印刷された前記情報を読取る情報読取り部と、前記情報読取り部で読取られた前記情報を格納するメモリー部と、前記メモリー部に格納された前記情報の読み出しを制限する認証処理部と、を備え、前記情報読取り部で、発行済であり前記単票用紙搬送経路から搬送された前記単票用紙に印刷されている前記情報を読取り、前記メモリー部に前記情報を格納して、前記切断装置で前記単票用紙を裁断して廃棄するとともに、廃棄済の前記単票用紙の再発行を行う場合は、前記認証処理部でユーザーを認証し前記メモリー部から前記情報を読み出して、前記印刷部で前記ロール紙に前記情報を印刷して再発行することを特徴とする再発行機能を有する切断装置付き印刷装置。
【0007】
この構成によれば、切断装置付き印刷装置は、情報を印刷した単票用紙を発行することができるとともに、単票用紙を細かく裁断して機密情報の漏洩を防止しつつ廃棄することができる。また、廃棄される単票用紙に記載されている情報を情報読取り部で読取り、その情報をメモリー部に格納することができる。廃棄された単票用紙の復元が必要な場合は、認証処理部においてユーザー認証を行い一致した場合のみ、単票用紙の再発行を行うことができる。すなわち、この印刷装置は、1台で単票用紙の印刷発行、切断装置による裁断しての廃棄、および必要な場合は単票用紙を再発行することができる。また、単票用紙の再発行の実施に際してユーザー認証を行うため、機密情報の漏洩を防止することができる。
【0008】
(適用例2)前記情報読取り部で読取られ前記メモリー部に格納される前記情報は、前記情報に含まれる項目もしくは付番によって識別されることを特徴とする上記の再発行機能を有する切断装置付き印刷装置。
【0009】
この構成によれば、メモリー部に格納される情報群から必要な情報を容易に特定することができる。
【0010】
(適用例3)前記認証処理部は、文字認証もしくは生体認証によってユーザーを認証し、前記情報の読み出しを許可することを特徴とする上記の再発行機能を有する切断装置付き印刷装置。
【0011】
この構成によれば、パスワード等の文字情報や指紋等の生体情報によってユーザーを認証することができ、機密情報の漏洩を防止することができる。
【0012】
(適用例4)再発行された前記単票用紙は、再発行であることを示す表記が印刷されていること特徴とする上記の再発行機能を有する切断装置付き印刷装置。
【0013】
この構成によれば、再発行された単票用紙を原本と区別できるとともに特定することができ、機密情報の管理に寄与することができる。
【0014】
(適用例5)ロール紙が搬送されるロール紙搬送経路と、前記ロール紙搬送経路に沿って設けられ、前記ロール紙に情報を印刷する印刷部と、前記情報が印刷された前記ロール紙を所定の長さに切断する切断装置とを有し、前記情報が印刷された前記ロール紙を単票用紙として発行する切断装置付き印刷装置を用いた単票用紙の再発行方法であって、発行済の前記単票用紙を、情報読取り部を備えるとともに前記ロール紙搬送経路の少なくとも前記切断装置が設けられる部分を共通経路として構成される単票用紙搬送経路に搬送する単票用紙搬送工程と、前記情報読取り部により、前記単票用紙に印刷された前記情報を読取る情報読取り工程と、前記情報読取り工程によって得られた前記情報をメモリー部に格納する情報格納工程と、前記メモリー部に格納された前記情報の読み出しを許可するか否かを決定するユーザー認証工程と、を備え、前記情報読取り工程で発行済であり前記単票用紙搬送経路から搬送された前記単票用紙に印刷されている前記情報を読取り、前記メモリー部に前記情報を格納して、前記切断装置で前記単票用紙を裁断して廃棄するとともに、廃棄済の前記単票用紙の再発行を行う場合は、前記ユーザー認証工程でユーザーを認証し前記メモリー部から前記情報を読み出して、前記印刷部で前記ロール紙に前記情報を印刷して再発行することを特徴とする単票用紙の再発行方法。
【0015】
この方法によれば、切断装置付き印刷装置を用いて、情報を印刷した単票用紙を発行することができるとともに、単票用紙を細かく裁断して機密情報の漏洩を防止しつつ廃棄することができる。また、廃棄される単票用紙に記載されている情報を情報読取り工程で読取り、その情報をメモリー部に格納することができる。廃棄された単票用紙の復元が必要な場合は、ユーザー認証工程においてユーザー認証を行い一致した場合のみ、単票用紙の再発行を行うことができる。すなわち、この方法は、1つの印刷装置を用いて、単票用紙の印刷発行、裁断しての廃棄、および必要な場合は単票用紙を再発行することができる。また、単票用紙の再発行においてユーザー認証を行うため、機密情報の漏洩を防止することができる。
【0016】
(適用例6)前記情報読取り工程で読取られ前記メモリー部に格納される前記情報は、前記情報に含まれる項目もしくは付番によって識別されることを特徴とする上記の単票用紙の再発行方法。
【0017】
この方法によれば、メモリー部に格納される情報群から必要な情報を容易に特定することができる。
【0018】
(適用例7)前記ユーザー認証工程では、文字認証もしくは生体認証によってユーザーを認証し、前記情報の読み出しを許可することを特徴とする上記の単票用紙の再発行方法。
【0019】
この方法によれば、パスワード等の文字情報や指紋等の生体情報によってユーザーを特定することができ、機密情報の漏洩を防止することができる。
【0020】
(適用例8)再発行された前記単票用紙は、再発行であることを示す表記が印刷されていること特徴とする上記の単票用紙の再発行方法。
【0021】
この方法によれば、再発行された単票用紙を原本と区別できるとともに特定することができ、機密情報の管理に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】サーマルプリンターの概略断面を示す断面図。
【図2】印刷部の構成を示す図。
【図3】紙カット部を説明する図。
【図4】サーマルプリンターの主要構成を示すブロック図。
【図5】ロール紙に対する印刷方法の流れを示すフローチャート。
【図6】単票用紙に印刷される印刷例を示す図。
【図7】発行済の単票用紙に対する切断方法の流れを示すフローチャート。
【図8】廃棄された単票用紙を再発行する再発行方法の流れを示すフローチャート。
【図9】再発行された単票用紙の印刷例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で参照する図面では、説明および図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
【0024】
(印刷装置の全体構成について)
本実施形態の印刷装置としてサーマルプリンターを適用した例を、図1〜3を参照して説明する。サーマルプリンターは、微小発熱素子が直線的に配置されたサーマルヘッドを有している。サーマルヘッドに配置された微小発熱素子は、通電により選択的に発熱する。そして、この熱エネルギーがロール紙および単票用紙としての感熱紙に含まれる発色剤と選択的に反応することにより、感熱紙上に種々の情報を印刷する。
【0025】
このサーマルプリンターは、POSシステムや発券システム等に用いられ、レシート、クーポンや金券等種々の情報を印刷して発行することに適用される。サーマルプリンターは、ロール状の感熱紙からなるロール紙を使用して、このロール紙に所望の情報を印刷して単票用紙として発行する。図1は、サーマルプリンターの概略断面を示す断面図である。図2は、印刷部の構成を示す図である。図3は紙カット部を説明する図である。なお、図1に示すY方向は、印刷部10における感熱紙Tの紙送り方向を示し、X方向はY方向と直交する方向を示す。
【0026】
図1に示すように、サーマルプリンター100は、外装ケース部200と、プリンター機構部300と、制御装置400とを備えている。プリンター機構部300は、制御装置400とともに外装ケース部200に収容される。詳しくは、外装ケース部200の下部に制御装置400が配置され、その上部にプリンター機構部300が配置される。プリンター機構部300は、印刷部10と、紙搬送機構20と、情報読取り部30と、切断装置としての紙カット部40と、ロール紙収容部50とを備えている。制御装置400は、基板等からなる制御部410を備えている。
【0027】
紙搬送機構20は、紙供給経路としてロール紙搬送経路2と単票用紙搬送経路3とを有している。ロール紙搬送経路2は、ロール紙Rが収容されるロール紙収容部50を始点とし、外装ケース部200の図1中のY方向上部に設けられた紙挿入排出口200aを終点として一部湾曲した形状に形成され、ロール紙Rの感熱紙Tを搬送する。ロール紙搬送経路2は、感熱紙Tの搬送経路に沿って順に、感熱紙Tを挟持し図示しない紙送りモーターを駆動源として回転駆動する一対の紙送りローラー21と、感熱紙Tの有無もしくは端面を検出する紙検出器23と、印刷部10と、紙挿入排出口200a近傍に設けられ感熱紙Tをカットする紙カット部40とを備えている。また、印刷部10の上流側および下流側には、紙ガイド22および紙ガイド24が設けられ、搬送される感熱紙Tをガイドする。
【0028】
単票用紙搬送経路3は、外装ケース部200の上部に位置する上記紙挿入排出口200aから図1中のY方向に沿ってほぼ直線上に形成され、印刷済の感熱紙Tからなる単票用紙Pを搬送する。単票用紙搬送経路3は、紙挿入排出口200aからY方向に沿って順に、上記紙カット部40と、単票用紙Pの有無もしくは端面を検出する単票検出器26と、単票用紙Pを挟持し、図示しない単票送りモーターを駆動源として回転駆動する一対の単票送りローラー27と、後述する情報読取り部30とを備えている。
上述のように、ロール紙搬送経路2と単票用紙搬送経路3とは、印刷部10より図1中Y(+)方向上部から紙挿入排出口200aまでを共通経路5として共有している。
【0029】
図1に示すように、印刷部10は、共通経路5のY(−)方向にロール紙搬送経路2に沿って設けられ、サーマルヘッド1と、プラテン12と、ヘッド保持機構14と、ヘッド退避機構16とを備えている。
図2(a)に示すように、サーマルヘッド1は、サーマルヘッド基板70と、ドライバーIC71と、フレキシブルなケーブルであるFPC72と、放熱板73と、を有している。サーマルヘッド基板70は、絶縁材料からなり長矩形の板状に形成され、複数の発熱素子74からなる発熱素子列74aが、一方の長辺側の端部に近い位置に形成されている。ドライバーIC71は、発熱素子74を選択的に発熱駆動させる制御回路を単一のICチップとして構成したものであり、サーマルヘッド基板70に、発熱素子列74aと平行して、列状に配設されている。
【0030】
FPC72は、一端をサーマルヘッド基板70に設けられた図示しない接続端子に接続され、サーマルプリンター100を制御する図1に示す制御部410と接続されている。放熱板73は、アルミニウム等の引き抜き材で長矩形形状に形成されている。サーマルヘッド基板70は、放熱板73の係止面73aに接着剤等で貼り付けられている。また、放熱板73の両側面には、ヘッド支持軸75が設けられている。
【0031】
図2(b)に示すように、ヘッド保持機構14は、保持フレーム60と、ヘッド押圧板62と、バネ63とから構成されている。サーマルヘッド1は、図2(a)に示すヘッド支持軸75が保持フレーム60の係合穴60aに挿入され、保持フレーム60に取り付けられる。ヘッド押圧板62には、圧縮コイルバネであるバネ63が固定されている。このヘッド押圧板62は、保持フレーム60の切り欠き部60bに取り付けられる。
【0032】
このようにすることによって、サーマルヘッド1とヘッド押圧板62とは、保持フレーム60に互いに略平行状態で保持される。ヘッド押圧板62に固定されるバネ63は、サーマルヘッド1の放熱板73の背面に当接する。このバネ63によりサーマルヘッド1はプラテン12方向に付勢される。
【0033】
ヘッド退避機構16は、サーマルヘッド1を保持した保持フレーム60が取り付けられるベース65と、ベース65を図中X方向に往復移動させるベース移動機構67とを有している。ベース移動機構67は、例えば、ラック・アンド・ピニオン機構等が好適に適用される。ベース65にラック67aを設け、ラック67aと係合するピニオン歯車67bを図示しないモーターにより回転させることによって、ベース65、すなわち、保持フレーム60に保持されたサーマルヘッド1を図中X方向に往復移動させることができる。
【0034】
プラテン12は、ゴム等の弾性部材により円筒形のローラー状に形成され、図示しないプラテン軸受を介してプリンター機構部300に回転可能に支持されている。プラテン12には、上述のヘッド退避機構16およびヘッド保持機構14により、図2(a)に示すサーマルヘッド1の発熱素子列74aが所定の圧力で押圧され密着する。また、プラテン12は、図示しないプラテンモーターを駆動源として回転駆動される。
【0035】
以上の構成により、サーマルプリンター100は、感熱紙Tをサーマルヘッド1とプラテン12とによって所定の圧力で挟持し、プラテン12を回転させて感熱紙Tを送りながら、サーマルヘッド1の発熱素子74を選択的に通電して任意の発熱素子74を発熱させることができる。その結果、感熱紙T上の発色層を発色させ、感熱紙Tに任意の情報を印刷することができる。
【0036】
情報読取り部30は、図1に示すように、単票用紙搬送経路3の単票送りローラー27の近傍に共通経路5に沿って設けられている。情報読取り部30は、CIS(Contact Image Sensor;コンタクトイメージセンサー)やCCD(電荷結合素子)等の光学式の画像読取り素子を備えたスキャナー装置28を備えている。このスキャナー装置28は、複数の画像読取り素子がライン状に配置され、単票用紙Pに印刷された情報を画像読取り素子ごとに、すなわちピクセルごとに読取ることができる。
【0037】
紙カット部40は、図1に示すように、外装ケース部200に設けられた紙挿入排出口200aの近傍に設けられている。また、図3(a),(b)に示すように、紙カット部40は、紙挿入排出口200aの紙通過口41を挟んで一方に可動刃42および図示しない可動刃駆動手段を、他方に固定刃43を備えている。なお、図3(a),(b)に示すX方向およびY方向は、図1に示すX方向およびY方向と同一な方向を示し、Z方向は、X方向およびY方向と直交する方向を示す。
【0038】
可動刃42は、薄い刃物鋼で略長方形に形成され1つの長辺には複数の山形の刃42aが形成されている。さらには、連続した山形の刃42aは、略中央近傍に凹形の切り欠き部42bが形成されている。可動刃42は駆動手段により、紙挿入排出口200aを通過する感熱紙Tの面に対して直交する方向(g方向)に移動する。そして、可動刃42と固定刃43が互いに交叉することによって感熱紙Tは横方向(図中Z方向)に切断され分割される。この紙カット部40は、可動刃42と固定刃43とが略平行に交叉する、いわゆるギロチン方式の紙カッターである。
【0039】
複数の山形の刃42aには凹形の切り欠き部42bが形成されているため、山形の刃42aによって切断される感熱紙Tは、凹形の切り欠き部42bが当接する部分が切り残し部Taとなる。すなわち、図3(c)に示すように、切断された感熱紙T1,T2,T3は、それぞれバラバラにはならず、切り残し部Taでそれぞれつながった状態になる。
【0040】
この可動刃42と固定刃43との待機時の隙間は、感熱紙Tが通過する紙挿入排出口200aに連結しており、感熱紙Tおよび単票用紙Pが通過することができる。なお、固定刃43の上部には、固定刃カバー46が設けられている。また、感熱紙Tを切断しない時は、可動刃42は紙カット部40の内部に収納されており、可動刃42の刃部は露出しない。
【0041】
また、外装ケース部200の上面の一部には、ユーザーが操作する操作部38および液晶等からなる表示部39が設けられている。操作部38には、図示しない廃棄処分ボタン、再発行ボタン、およびキーボード等が設けられている。
【0042】
(印刷装置の制御について)
次に、印刷装置としてのサーマルプリンターの制御系について、図4を参照して説明する。図4はサーマルプリンターの主要構成を示すブロック図である。サーマルプリンター100は、サーマルヘッド1とプラテン12等からなる印刷部10、ロール紙Rおよび単票用紙Pを搬送する紙搬送機構20、紙カット部40、情報読取り部30、紙検出器23および単票検出器26とを有するプリンター機構部300と、操作部38と、これらを統括制御する制御装置400と、を備えている。
【0043】
制御装置400は、制御系の主要部となる制御部410と、サーマルヘッド1を駆動制御するヘッドドライバー80と、プラテン12、ヘッド退避機構16、紙搬送機構20および紙カット部40を駆動するモータードライバー82と、インターフェース部84とを備えている。制御部410は、CPU(Central Processing Unit)90と、情報処理部92と、メモリー部94を備えている。CPU90は、操作部38および図示しない操作系や検出系からの入力信号処理、印刷処理、紙カット処理等の各種処理を実行する。情報処理部92は、認証処理部96等を含んだ構成を有している。情報処理部92は、認証番号、パスワード等によるユーザーの認証情報等の各種情報を処理する。
【0044】
メモリー部94は、RAM(Random Access Memory)98、ROM(Read-Only Memory)97、Flash ROM99などを含んだ構成を有している。RAM98は、情報読取り部30で読取られた発行済の単票用紙Pに印刷された情報等の読取り情報や、ホストコンピューター85からインターフェース部84を介して入力される印刷データ等の各種データを一時的に格納したり、CPU90によって実行される印刷処理等のプログラムを一時的に展開したりする。ここで、印刷データは、サーマルヘッド1でロール紙Rや単票用紙Pに印刷もしくは描画すべきパターンを指示するものであり、パターンがビットマップ状に表現されている。
【0045】
ROM97は、例えば不揮発性半導体メモリーで構成され、サーマルヘッド1の駆動周波数や駆動電圧を制御する駆動制御プログラムおよびサーマルヘッド1のエネルギーの印加履歴や印刷状態を管理する管理プログラム等の他、CPU90が実行する各種のプログラムが格納されている。Flash ROM99は、例えば、書換え可能であり一時的にデータを保存する不揮発可能な半導体メモリーで構成され、ユーザーの認証番号やパスワード等の認証情報および付加情報等の一定期間保存される各種データが格納される。
【0046】
ヘッドドライバー80は、CPU90からの指令に基づいて、サーマルヘッド1の各発熱素子74を個別またはグループ別に制御する。モータードライバー82は、CPU90からの指令に基づいて、プラテン12、ヘッド退避機構16、紙搬送機構20および紙カット部40のそれぞれのモーターを個別に制御する。インターフェース部84は、ホストコンピューター85から受け取った印刷データを制御部410に出力したり、制御部410から受け取った各種情報をホストコンピューター85に出力したりする。
【0047】
(印刷方法について)
次いで、本実施形態に係る印刷方法について、図5および図6を参照して説明する。図5は、ロール紙に対する印刷方法の流れを示すフローチャートであり、図6は、単票用紙に印刷される印刷例を示す図である。
【0048】
まず、上述のサーマルプリンター100を用い、ロール紙Rに対して情報を印刷して単票用紙Pとして発行する印刷方法について説明する。これらの処理は、図4に示す制御装置400の指令、制御により行われる。図5に示すように、この印刷方法は、ロール紙搬送工程S1と、ロール紙検出工程S2と、印刷工程S3と、ロール紙カット工程S4と、単票発行工程S5と、を有する。
【0049】
ロール紙Rに対して情報を印刷する場合は、図1に示すように、サーマルプリンター100のロール紙収容部50に収容されたロール紙Rの感熱紙Tの先端T0が、ロール紙搬送経路2(共通経路5)において、サーマルヘッド1を越えて紙挿入排出口200a近傍の紙ガイド24に至り、紙カット部40で切断された状態にある。このとき、ロール紙Rの感熱紙Tは、一対の紙送りローラー21同士間、サーマルヘッド1とプラテン12との間および一対の単票送りローラー27同士間に挟持されている。この状態で、図4に示すホストコンピューター85から印刷の指令が発せられる。
【0050】
図5に示すロール紙搬送工程S1では、図4に示す制御装置400のモータードライバー82からの制御信号により紙送りモーター、プラテンモーターおよび単票送りモーターが駆動され、図1に示す紙送りローラー21、プラテン12が図中矢印c方向、単票送りローラー27が図中矢印e方向に回転する。その結果、感熱紙Tは、ロール紙搬送経路2および共通経路5に沿って、矢印d方向に所定の速度で搬送される。
【0051】
図5に示すロール紙検出工程S2では、図1に示す紙検出器23を用い、サーマルヘッド1の近傍に感熱紙Tがあるか否かを検出する。これは、図2(a)に示すサーマルヘッド1が感熱紙Tが無い状態で発熱駆動した場合に発生する発熱素子74の焼損およびプラテン12の表面の劣化を防止するためである。感熱紙Tがあることを確認して次の工程S3に進む。
【0052】
図5に示す印刷工程S3では、図1に示すプラテン12を回転させて感熱紙Tを送りながら、サーマルヘッド1に配置された発熱素子74を、図4に示すヘッドドライバー80からの駆動信号に基づいて選択的に通電して所定の発熱素子74を発熱させる。このときの駆動信号は、ホストコンピューター85から指示される情報に基づいて生成される。このことによって、感熱紙Tには、情報が印刷される。
【0053】
図5に示すロール紙カット工程S4および単票発行工程S5では、図4に示す制御装置400のモータードライバー82からの制御信号により、図3(a),(b)に示す紙カット部40の駆動手段を駆動させ、可動刃42を固定刃43方向に移動させ互いに交叉させる。そのことによって、ロール紙Rの感熱紙Tは、所定の長さに切断され、単票用紙Pとして発行される。単票用紙Pが発行された場合、ユーザーは必要に応じ、前述の単票用紙Pの切り残し部Taを手でカットし1枚ずつ手に入れる。その結果、例えば、図6に示すように、情報Dが印刷された単票用紙P1を得ることができる。この単票用紙P1は、例えば、くじ等の払い戻しに用いられる帳票を示す例であり、情報Dとして、払い戻し日Da、発行番号Db、当選番号Dc・・・・等が印刷されている。
【0054】
(単票用紙の切断方法について)
次いで、上述のサーマルプリンター100を用い、発行済かつ処分対象の単票用紙P1を切断する切断方法について図7および図8を参照して説明する。図7は、発行済の単票用紙に対する切断方法の流れを示すフローチャートである。
【0055】
図7に示すように、この切断方法は、操作部38からのカット信号の入力を開始とし、ヘッドおよびロール紙退避工程S11と、単票検出工程S12と、単票搬入工程S13と、情報読取り工程S14と、情報格納工程S15と、紙送り反転工程S16と、紙カット工程S17と、紙搬出工程S18とを有する。
まず、ユーザーが機密情報が印刷されている単票用紙P1の処分を意図して操作部38の図示しない廃棄処分ボタンを押す。そのことにより本切断作業が開始される。これらの作業は、図4に示す制御装置400の指令、制御により行われる。
【0056】
図7に示すヘッドおよびロール紙退避工程S11では、単票用紙搬送経路3(共通経路5)にあるロール紙Rを退避させる。図4に示す制御装置400のモータードライバー82からの制御信号により、図1に示すヘッド退避機構16のモーターを駆動してサーマルヘッド1を図1中のX(−)方向に移動させる。そして、紙送りローラー21を矢印c’方向に、単票送りローラー27を矢印e’方向に回転させる。その結果、感熱紙Tは、ロール紙搬送経路2に沿って矢印d’方向に搬送され、単票用紙搬送経路3から退避する。なお、感熱紙Tが、単票用紙搬送経路3から退避したか否かの判定は、紙検出器23が感熱紙Tの先端T0を感知したか否かによって判定する。
【0057】
図7に示す単票検出工程S12では、処分対象の単票用紙P1が、サーマルプリンター100の紙挿入排出口200aに挿入されたか否かを検出する。紙挿入排出口200aに挿入された単票用紙P1は、図1に示す単票検出器26により先端が検出される。なお、単票検出器26は反射式の光学検出器である。
【0058】
図7に示す単票搬入工程S13では、挿入された単票用紙P1を図1に示す単票用紙搬送経路3に沿って矢印m方向、すなわちサーマルプリンター100の内部に搬入する。この処理は、単票検出器26の検出信号に基づき、図4に示すモータードライバー82からの制御信号により、単票送りローラー27を図中矢印e’方向に回転させることによって行われる。
【0059】
図7に示す情報読取り工程S14および情報格納工程S15では、図1に示す単票用紙搬送経路3に沿って搬送される単票用紙P1に印刷された情報Dを、スキャナー装置28を用いて読取る。このスキャナー装置28は、複数の画像読取り素子がライン状に配置されており、単票用紙P1に印刷された情報Dを、ライン状の画像読取り素子ごとに、すなわちピクセルごとに読取る。この読取り結果は、図4に示す制御部410のメモリー部94のRAM98等に展開され、読取った発行番号を識別番号として付与され読取りデータD1として記憶される。
【0060】
図7に示す紙送り反転工程S16では、図1中m方向に搬入され情報Dの内容が読取られた単票用紙P1を、図1中m’方向、すなわち搬出方向に移動させる。この処理は、図4に示すモータードライバー82からの制御信号により、単票送りローラー27を図中矢印e方向に回転させることによって行われる。
【0061】
図7に示す紙カット工程S17では、紙カット部40を用いて搬出方向に搬送される単票用紙P1の印刷部分を図6中Y方向に所定の間隔を空けて必要回数切断する。すなわち、単票用紙P1は、機密情報としての情報Da〜Deが印刷された部分が切断され判読困難な状態になる。なお、図3(a)に示す紙カット部40の可動刃42は、連続した山形の刃42aの略中央近傍に凹形の切り欠き部42bが形成されているため、切断された各紙片tがバラバラにはならず、図3(c)に示すように切り残し部Taでそれぞれつながった状態になっている。
【0062】
図7に示す紙搬出工程S18では、印刷部分が切断され情報Dが判読困難な状態になるとともに、各紙片tが切り残し部Taでそれぞれつながった状態になった単票用紙P1がY(+)方向に搬送され、サーマルプリンター100の紙挿入排出口200aから排出される。なお、この切り残し部Taは、切断された紙片tを取り扱う上でほとんどが切断される。このようにして、処分対象の単票用紙P1は細かく裁断され、情報Dが判読困難な状態になり廃棄される。
【0063】
(単票用紙の再発行方法について)
ここで、上述のサーマルプリンター100を用い、細かく裁断され廃棄された単票用紙P1を再発行する再発行方法について図8および図9を参照して説明する。図8は、裁断され廃棄された単票用紙を再発行する再発行方法の流れを示すフローチャートであり、図9は、再発行された単票用紙の印刷例を示す図である。
【0064】
図8に示すように、この再発行方法は、操作部38からの再発行信号の入力を開始とし、ユーザー認証工程S21と、再発行データ選択工程S22と、上述の印刷方法と同じく、ロール紙搬送工程S1と、ロール紙検出工程S2と、印刷工程S3と、ロール紙カット工程S4と、単票発行工程S5とを有する。
【0065】
まず、ユーザーが既に裁断され処分された単票用紙P1の再発行を意図して操作部38の図示しない再発行ボタンを押す。そのことにより本再発行作業が開始される。これらの作業は、図4に示す制御装置400の指令、制御により行われる。
【0066】
図8に示すユーザー認証工程S21では、操作部38の図示しない表示部でユーザー認証のための情報、例えばパスワードの入力を促す。ユーザーが操作部38の図示しないキーボードからパスワードを入力すると、入力されたパスワードが、図4に示す制御部410のメモリー部94の、例えばFlash ROM99に登録されているパスワードと一致するか否かを判定する。一致しない場合(NO)は、何の作業も実施せず終了する。一致した場合(YES)は、次の工程に進む。
【0067】
図8に示す再発行データ選択工程S22では、操作部38の表示部で、再発行を求める単票用紙P1を選択するための情報、例えば発行番号の入力を促す。ユーザーが操作部38のキーボードから発行番号を入力すると、入力された指定の単票用紙P1の発行番号に基づき、図4に示す制御部410のメモリー部94のRAM98に格納されている該当する読み取りデータD1を選択する。そして、次の工程に進む。
【0068】
以降、図8に示すように、選択された読み取りデータD1を印刷データとして用い、前述の印刷方法と同様にロール紙搬送工程S1、ロール紙検出工程S2、印刷工程S3、ロール紙カット工程S4および単票発行工程S5を経て、ロール紙Rに対して読み取りデータD1を印刷して図9に示す単票用紙P1’として発行する。
【0069】
原本の単票用紙P1は、判読不可にしたかった用紙であり、機密性が高い情報が記載されている場合が多い。容易に発行されることは機密情報の漏洩防止の観点から好ましくない。そのため、図9に示すように、この単票用紙P1’には、再発行であることを示す印刷パターン、例えば「再発行」のロゴが上書きされている。このロゴ印刷は、例えば図4に示すFlash ROM99に、予め付加情報として画像データが格納されており、再発行の指示がでた場合に読み取りデータD1に付加して印刷データを作成するとよい。また、メモリー部94で再発行の回数を記憶して、再発行の指示がでた場合は、ロゴ印刷パターンを再発行の回数に応じて、例えば「再発行」、「再発行3回」・・・等使い分けることが好ましい。
【0070】
さらには、容易に複数回発行されることも機密情報の漏洩防止の観点から好ましくない。従って、再発行の回数をメモリー部94に記憶して、所定の回数以上の再発行を禁止することが好ましい。
【0071】
以下、本実施形態の効果を記載する。
(1)上述のサーマルプリンター100は、情報Dを印刷した単票用紙P1を発行することができるとともに、単票用紙P1を細かく裁断して機密情報の漏洩を防止しつつ処分することができる。また、処分される単票用紙P1に記載されている情報Dを情報読取り部30で読取り、その情報Dを個々に識別した状態でメモリー部94に格納することができる。処分された単票用紙P1の復元が必要な場合は、認証処理部96においてパスワード等でユーザー認証を行い一致した場合のみ、単票用紙P1の再発行を行うことができる。そのため、単票用紙P1に記載された機密情報の漏洩を十分防止することができる。
【0072】
(2)上述のサーマルプリンター100は、ロール紙搬送経路2と単票用紙搬送経路3とを備え、それら搬送経路の一部を共通とする共通経路5を有している。その共通経路5に情報読取り部30および紙カット部40が設けられている。この構成によって、サーマルプリンター100は、ロール紙Rに情報Dを印刷して単票用紙P1として発行することができるとともに、処分対象の単票用紙P1に印刷された情報Dを紙カット部40により細かく裁断することにより、判別困難な状態にすることができる。さらには、情報読取り部30で情報Dを読取りメモリー部94に格納して、ユーザー認証を実施して再発行することができる。すなわち、1つのサーマルプリンター100で、機密情報の漏洩防止を確保しつつ、単票用紙P1の印刷発行、廃棄および再発行を行うことができる。そのため、スペースの有効活用および設備コストの低減が図れる。
【0073】
(3)上述のサーマルプリンター100は、再発行された単票用紙P1’に対して、再発行されたことを示すロゴを印刷することができ、原本である単票用紙P1と区別することができる。そのため、機密情報の管理を強化することができ、機密情報の漏洩防止に寄与することができる。
【0074】
(4)上述のサーマルプリンター100は、単票用紙P1の再発行の回数を規定することができる。そのため、機密情報の管理を強化することができ、機密情報の漏洩防止に寄与することができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。例えば上記実施形態以外の変形例は、以下の通りである。
【0076】
(変形例1)上記実施形態では、ユーザー認証情報としてパスワードを採用した場合を例にとり説明したが、これに限定されない。ユーザー認証情報は、指紋等による生体認証であってもよいし、特定のコマンドであってもよい。登録されている情報と照合して一致するか否かを判定できるものであればよい。また、上記実施形態で説明した情報Dおよび再発行であることを示す印刷パターンは、1実施例でありこれに限定されない。様々な変形、応用が考えられる。また、再発行を求める単票用紙P1を選択するための情報は、単票用紙P1の発行番号Dbに限定されない。情報読取り部30で読取った情報Dに連番を付してその番号を用いてもよい。また、情報Da〜Deを順次入力して絞り込んでいき、求める読み取り情報を特定してもよい。
【0077】
(変形例2)上記実施形態は、再発行機能を有する切断装置付き印刷装置をスタンドアローン的に使用する場合を例にとり説明したが、これに限定されない。ユーザーの操作は、図4に示すホストコンピューター85で行ってもよい。また、読取られた読取りデータD1は、制御部410からインターフェース部84を介してホストコンピューター85に送られ、ホストコンピューター85のメモリー部に格納されてもよい。さらには、複数のホストコンピューター85でネットワークを構成するとともにサーバーを設け、そのサーバーに格納してもよい。
【0078】
(変形例3)上記実施形態では、印刷装置がサーマルプリンター100の場合を例にとり説明したが、これに限定されない。印刷装置は、インクジェット方式のプリンターであってもよいし、電子写真方式のプリンターであってもよい。
【符号の説明】
【0079】
1…サーマルヘッド、2…ロール紙搬送経路、3…単票用紙搬送経路、5…共通経路、10…印刷部、12…プラテン、20…紙搬送機構、30…情報読取り部、38…操作部、39…表示部、40…切断装置としての紙カット部、50…ロール紙収容部、94…メモリー部、96…認証処理部、100…サーマルプリンター、200…外装ケース部、300…プリンター機構部、400…制御装置、410…制御部、D,Da〜De…情報、D1…読取りデータ、P,P1…単票用紙、T…感熱紙、Ta…切り残し部、R…ロール紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙が搬送されるロール紙搬送経路と、前記ロール紙搬送経路に沿って設けられ、前記ロール紙に情報を印刷する印刷部と、前記情報が印刷された前記ロール紙を所定の長さに切断する切断装置とを有し、前記情報が印刷された前記ロール紙を単票用紙として発行する切断装置付き印刷装置であって、
発行済の前記単票用紙の挿入が可能であり、前記ロール紙搬送経路の少なくとも前記切断装置が設けられる部分を共通経路として構成される単票用紙搬送経路と、
前記単票用紙搬送経路に沿って設けられ、前記単票用紙に印刷された前記情報を読取る情報読取り部と、
前記情報読取り部で読取られた前記情報を格納するメモリー部と、
前記メモリー部に格納された前記情報の読み出しを制限する認証処理部と、を備え、
前記情報読取り部で、発行済であり前記単票用紙搬送経路から搬送された前記単票用紙に印刷されている前記情報を読取り、前記メモリー部に前記情報を格納して、前記切断装置で前記単票用紙を裁断して廃棄するとともに、
廃棄済の前記単票用紙の再発行を行う場合は、前記認証処理部でユーザーを認証し前記メモリー部から前記情報を読み出して、前記印刷部で前記ロール紙に前記情報を印刷して再発行することを特徴とする再発行機能を有する切断装置付き印刷装置。
【請求項2】
前記情報読取り部で読取られ前記メモリー部に格納される前記情報は、前記情報に含まれる項目もしくは付番によって識別されることを特徴とする請求項1に記載の再発行機能を有する切断装置付き印刷装置。
【請求項3】
前記認証処理部は、文字認証もしくは生体認証によってユーザーを認証し、前記情報の読み出しを許可することを特徴とする請求項1または2に記載の再発行機能を有する切断装置付き印刷装置。
【請求項4】
再発行された前記単票用紙は、再発行であることを示す表記が印刷されていること特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の再発行機能を有する切断装置付き印刷装置。
【請求項5】
ロール紙が搬送されるロール紙搬送経路と、前記ロール紙搬送経路に沿って設けられ、前記ロール紙に情報を印刷する印刷部と、前記情報が印刷された前記ロール紙を所定の長さに切断する切断装置とを有し、前記情報が印刷された前記ロール紙を単票用紙として発行する切断装置付き印刷装置を用いた単票用紙の再発行方法であって、
発行済の前記単票用紙を、情報読取り部を備えるとともに前記ロール紙搬送経路の少なくとも前記切断装置が設けられる部分を共通経路として構成される単票用紙搬送経路に搬送する単票用紙搬送工程と、
前記情報読取り部により、前記単票用紙に印刷された前記情報を読取る情報読取り工程と、
前記情報読取り工程によって得られた前記情報をメモリー部に格納する情報格納工程と、
前記メモリー部に格納された前記情報の読み出しを許可するか否かを決定するユーザー認証工程と、を備え、
前記情報読取り工程で発行済であり前記単票用紙搬送経路から搬送された前記単票用紙に印刷されている前記情報を読取り、前記メモリー部に前記情報を格納して、前記切断装置で前記単票用紙を裁断して廃棄するとともに、
廃棄済の前記単票用紙の再発行を行う場合は、前記ユーザー認証工程でユーザーを認証し前記メモリー部から前記情報を読み出して、前記印刷部で前記ロール紙に前記情報を印刷して再発行することを特徴とする単票用紙の再発行方法。
【請求項6】
前記情報読取り工程で読取られ前記メモリー部に格納される前記情報は、前記情報に含まれる項目もしくは付番によって識別されることを特徴とする請求項5に記載の単票用紙の再発行方法。
【請求項7】
前記ユーザー認証工程では、文字認証もしくは生体認証によってユーザーを認証し、前記情報の読み出しを許可することを特徴とする請求項5または6に記載の単票用紙の再発行方法。
【請求項8】
再発行された前記単票用紙は、再発行であることを示す表記が印刷されていること特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の単票用紙の再発行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−188566(P2010−188566A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33595(P2009−33595)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】