説明

写真プリント装置

【課題】従来の写真プリント装置の仕様に大きな変更を加えずにシートマガジンのオプション装填数を増加することができる技術を提供する
【解決手段】印画紙を収納する印画紙マガジンからマイコン制御によって送り出された印画紙に撮影画像をプリントする写真プリント装置。印画紙マガジンにはマイコン30からの信号によって動作する動作機器19a、Maが備えられ、マイコンのIOポート33と動作機器との間の信号線の間には複数の動作機器を共通のIOポートに選択的に接続するためにマイコンからの切替制御信号によって操作される信号線切替回路60が介装されている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成シートを収納するシートマガジンからマイコン制御によって送り出された画像形成シートに撮影画像をプリントする写真プリント装置であって、前記シートマガジンを複数装填可能であるとともに各シートマガジンには前記マイコンからの信号によって動作する動作機器が備えられているものに関する。
【背景技術】
【0002】
上述したタイプの一般的な写真プリント装置では、画像形成シートとしてロール状に巻き付けられた長尺印画紙が用いられており、ロール状印画紙は巻芯に巻かれた状態でシートマガジンとしてのペーパーマガジンに収納されている。ペーパーマガジンから引き出された印画紙はプリントサイズに基づいて適当な長さにカットされ、露光現像処理を施されることにより写真プリントの形となる。その際、プリントサイズの一方の長さは送り長さによって任意に設定されるが、プリントサイズの他方の長さは元のロール状印画紙の幅に規定されるのでペーパーマガジンを変更しない限り所望の長さを選択することができない。さらに、ユーザ嗜好の多様化から種々の材質の印画紙や種々のプリントサイズが要求され、これらの要求を満たすためにそれぞれ異なる印画紙を収納した多くのペーパーマガジンを備えることになる。さらに、手間のかかるペーパーマガジンの装填換え作業をできるだけ抑制するためには、1台の写真プリント装置に同時に装填できるペーパーマガジンの数を増やす必要があり、例えば2台のペーパーマガジンを本体内部に装填可能とするとともにさらに1台のペーパーマガジンを本体外部にオプション装填可能とするものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−309226号公報(段落番号0012−0017、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デジタルカメラやカメラ付き携帯電話の普及につれてプリントソースの多様化が進み、1台の写真プリント装置に同時に装填できるシートマガジンの増加の要求はますます強まっている。そのため、少なくともオプションとしてより多くのシートマガジンを装填可能に構成することが望まれている。シートマガジンには収納されている画像形成シートの送り出し制御等の目的でマイコンと信号のやり取りを行う機器が備えられており、シートマガジンが追加されると、追加されたシートマガジンとの信号のやり取りのためにマイコンのIOポートを確保する必要が生じるが、写真プリント装置の制御のために搭載されているマイコンに用意されているIOポートの数は十分ではない。しかしながら、従来の写真プリント装置の仕様を大幅に変更して、例えば、シートマガジンのオプション装填のためにマイコンを増やすようなことをして、シートマガジンのオプション装填数を増加させることはコスト的に許容しがたい。
【0005】
上記実状に鑑み、本発明の課題は、従来の写真プリント装置の仕様に大きな変更を加えずにシートマガジンのオプション装填数を増加することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、画像形成シートを収納するシートマガジンからマイコン制御によって送り出された画像形成シートに撮影画像をプリントする写真プリント装置において、本発明では、前記シートマガジンを複数装填可能であるとともに各シートマガジンには前記マイコンからの信号によって動作する動作機器が備えられ、前記マイコンのIOポートと前記動作機器との間の信号線の間には複数の動作機器を共通のIOポートに選択的に接続するために前記マイコンからの切替制御信号によって操作される信号線切替回路が介装されている。
【0007】
この構成では、シートマガジンに関する制御のために予め割り与えられているIOポートからの信号線と1つのシートマガジンに付属する動作機器の間を接続する信号線に、予め信号線切替回路を介装しておき、この信号線切替回路の2次側に本来のシートマガジンに付属する動作機器への信号線のための入出力端子以外に少なくとももう1つのオプショナルなシートマガジンに付属する動作機器への信号線のための入出力端子を用意しておく。この信号線切替回路をマイコンからの切替制御信号によって操作することにより、1つのシートマガジンのために割り当てられていたIOポートを他のオプショナルなシートマガジンのためにも選択的に利用することが可能になる。例えば、AとBとCの3つのシートマガジンが標準装備され、Cのシートマガジンのために割り当てられたIOポートからの信号線に前述した信号線切替回路を介装した写真プリント装置に、追加的にDのシートマガジンを装填する場合には、Dのシートマガジンに付属する動作機器を信号線切替回路の予備の入出力端子に接続することで、Cのシートマガジンとの間でCのシートマガジンに割り当てられていたIOポートを選択的に利用することができる。これにより、IOポート消費するシートマガジンのオプション装填数を増加したいという要望に対して、写真プリント装置に設けられていたマイコンはそのままでも、対応することができる。
【0008】
写真プリント装置には、制御用マイコンとして一般的にはワンチップマイコンが利用されており、そのマイコンのIOポートの数はあまり余裕がないので、本発明は好都合である。しかしながら、IOポートの問題は上記解決策で解消されるが、信号線切替回路に対するパルス形状の切替制御信号を生成するためには内部タイマーが必要となり、この内部タイマーも他の処理のために使用可能なものが残っていないというケースがある。このような問題を解消するため、マイコンのCPUがADコンバータ内蔵型CPUである場合、信号線切替回路のための切替制御信号を内蔵ADコンバータのADスタートとADエンドのタイミングによって作り出すことが、好適な実施形態の1つとして提案される。
【0009】
本発明による信号線切替回路を介してIOポートに接続される動作機器として、本発明の好適な実施形態の1つでは、シートマガジン内で画像形成シートを搬送するためのモータと、各シートマガジンに収納されている画像形成シートの仕様を識別するために設けられたコードを読み取るコードリーダとが対象となっている。切替制御信号を生成するだけで同一のIOポートと複数のシートマガジンのモータやコードリーダとの間でデータのやり取りが可能となる。なお、切替先が2系統の場合は信号線切替回路を単純なフリップフロップ形式で構成してもよいが、切替先が3系統以上の場合は切替制御信号に加えて複数ビットの切替先指定コードデータを受け取り、そのビットコードに適応する切替先にIOポートを割り当てるような構成を採用してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明によるIOポート切替技術を採用している写真プリント装置を示す外観図であり、この写真プリント装置は、画像形成シートとしての印画紙Pに対して露光処理と現像処理とを行って撮影画像を印画紙Pに焼き付ける写真プリンタとしてのプリントステーション1Bと、現像済み写真フィルム2aやデジタルカメラ用メモリカードなどの画像入力メディアから取り込んだ撮影画像データ(以下、単に撮影画像と略称する)を処理してプリントステーション1Bで使用されるプリントデータの生成・転送などを行う操作ステーション1Aとから構成されている。
【0011】
この写真プリント装置はデジタルミニラボとも称せられるものであり、図2からよく理解できるように、この実施形態では、プリントステーション1Bは3つのシートマガジン10を装備しているとともに、もう1つのシートマガジン10がオプションとして装填可能となっている。これらのシートマガジン10には画像形成シートとしての印画紙Pが収納されているので、以後シートマガジン10を印画紙マガジンと呼ぶとともに、それぞれを区別する場合には、装置内部に装填されている2つを第1印画紙マガジン10A及び第2印画紙マガジン10Bと呼び、外部に装填されているものを第3印画紙マガジン10C、さらに、第3印画紙マガジン10Cの上方に追加装填されるものをオプション印画紙マガジン又は第4印画紙マガジン10Dと呼ぶことにする。これらの印画紙マガジン10には収納されたロール状の印画紙Pを引き出すために、マガジン内搬送モータMaによって駆動される圧着型の駆動ローラ11が設けられている。印画紙マガジン10から引き出された印画紙Pはマガジン外搬送モータMbによって駆動される圧着型の駆動ローラユニット12によってシートカッター13の方へ送られる。
【0012】
さらに、各印画紙マガジン10には、数ビットのディジット表示可能なマガジンIDコード設定器19bが設けられているとともに、このマガジンIDコード設定器19bによって設定されたマガジンIDコードを読み取るためにマガジンIDコード設定器19bに対向してコードリーダ19aが写真プリント装置の筐体側に設けられている。後で詳しく説明するように、このコードリーダ19aから送られるマガジンIDコードを解釈することで、各印画紙マガジン10に収納されている印画紙Pの仕様などの各種情報が取得可能となる。
【0013】
印画紙マガジン10から引き出されシートカッター13でプリントサイズにカットされた印画紙Pは、バックプリント部で色補正情報やコマ番号などのプリント処理情報を印画紙Pの裏面に印字される。さらに、プリント露光部14で印画紙Pの表面に撮影画像の露光が施され、この露光後の印画紙Pは複数の現像処理槽を有した処理槽ユニット15に送り込まれることで現像処理される。処理槽ユニット15を出た印画紙Pは乾燥の後に装置上部の横送りコンベア16からソータ17に送られ、いわゆる写真プリントPとして、ソータ17の各トレイにオーダ単位で集積される。
【0014】
上述したように、印画紙Pに対する各種処理に合わせた搬送速度で印画紙Pを搬送するために印画紙搬送ライン18が敷設されている。この印画紙搬送ライン18に沿って、各印画紙マガジン10に収納された印画紙Pがその使用の際に印画紙マガジン10から引き出され、使用終了時には再び印画紙マガジン10に引き戻される。印画紙搬送方向に関してプリント露光部14の前後の印画紙搬送ラインにはチャッカー式印画紙搬送ユニット18aを含む複数の挟持搬送ローラ対が配置されている。
【0015】
また、図1から理解できるように、プリントステーション1Bの筐体の前面側には内部を開放する扉が設けられており、筐体に設けられた扉を開放することで第1印画紙マガジン10A又は第2印画紙マガジン10Bを手前に引き出してのマガジン交換つまり印画紙交換を行うことが可能となり、筐体外側のサブ筐体の扉を開放することで第3印画紙マガジン10Cを手前に引き出してのマガジン交換を行うことが可能となる。同様に、オプショナルな第4印画紙マガジン10Dのマガジン交換は、この第4印画紙マガジン10Dを納めるサブ筐体の扉を開放することで可能となる。
【0016】
プリント露光部14には、副走査方向に搬送される印画紙Pに対して、主走査方向に沿って操作ステーション1Aからのプリントデータに基づいてR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色のレーザ光線の照射を行うライン露光ヘッドが設けられている。処理槽ユニット15は、発色現像処理液を貯留する発色現像槽15aと、漂白定着処理液を貯留する漂白定着槽15bと、安定処理液を貯留する安定槽15cを備えている。
【0017】
前記操作ステーション1Aのデスク状コンソールの上部位置には、写真フィルム2aの撮影画像コマから撮影画像データ(以下特別な場合を除いて単に撮影画像と略称する)を取得するフィルムスキャナ4が配置されており、デジタルカメラ等に装着される撮影画像記録媒体として用いられている各種半導体メモリやCD−Rなどから画像データを取得するメディアリーダ6は、この写真プリント装置の操作制御コントローラ3としても機能する汎用パソコンに組み込まれている。この汎用パソコンには、さらに各種情報を表示するモニタ5、各種設定や調整を行う際に用いる操作入力部として利用される操作入力デバイスとしてのキーボードやマウスも接続されている。
【0018】
図3に示すように、プリントステーション1Bの印画紙搬送ライン18における印画紙Pの搬送制御のための搬送用マイコン30やプリント露光部14における露光制御のための露光用マイコン40が備えられ、これらのマイコン30と40は、互いに連係しているとともに、操作ステーション1Aの操作制御コントローラ3とも連係して動作する。
【0019】
搬送用マイコン30はADコンバータ30aを内蔵したワンチップマイコンで構成されており、印画紙マガジン管理を含む印画紙搬送制御のための種々の機能をハードウエア又はソフトウエアあるいはその両方で構築しているが、その代表的なものとして、コードリーダ19aから送られる各印画紙マガジン10のマガジンIDコードを用いて収納印画紙Pの印画紙仕様などのマガジン情報を認識するマガジン情報認識部51、この写真プリント装置に装填されている複数の印画紙マガジン10からその都度のプリントオーダで使用する印画紙マガジン10を選択するマガジン選択部52、各印画紙マガジン10内に設けられている駆動ローラ11を駆動するマガジン内搬送モータMaを制御するマガジン内搬送制御部53、印画紙搬送ライン18に配置された駆動ローラユニット12を駆動するマガジン外搬送モータMbを制御するマガジン外搬送制御部54が挙げられる。
【0020】
マガジン情報認識部51は、各印画紙マガジン10に設けられたマガジンIDコード設定器19bからコードリーダ19aを通じて読み取られたマガジンIDコード検出信号を受け取り、マガジンIDコードを生成し、このマガジンIDコードをキーとして、マガジン情報を格納したマガジン情報テーブルから各印画紙マガジン10に収納されている印画紙Pの情報(印画紙サイズ幅、新品時の印画紙長さ、印画紙残量など)を引き出すように構築されている。
【0021】
なお、図示されていないが、各印画紙マガジン10又は印画紙搬送ライン18には印画紙マガジン10から引き出される印画紙Pの後端を検出する、つまり印画紙切れを検出するセンサが設けられており、このセンサが作動するとオペレータにマガジン交換を促すために、モニタ5やその他の報知手段(ブザーやランプなど)を通じてその旨の警告がなされるように印画紙切れ信号を操作ステーション1Aに送る機能も、搬送用マイコン30には構築されている。
【0022】
搬送用マイコン30は、ADコンバータ30aを内蔵したワンチップマイコンで構成されており、比較的多くのIOポートが備えられているが、この写真プリント装置のように2つ以上の印画紙マガジン10を装備するとともにさらに1又は複数のオプショナルな印画紙マガジン10の装填を可能にしている場合、オプション分を含めると印画紙マガジン10に割り当てるIOポート、詳しくはIOポートの端子(以下IOピンと称する)が不足することになる。このため、図4で示されているように、この搬送用マイコン30のIOピンからの信号線の少なくとも一部は信号線切替回路60によって複数の印画紙マガジン10、つまり複数の印画紙マガジン10に設けられている動作機器が選択的に使用できるように構成されている。
【0023】
図4で示された例では、第1印画紙マガジン10AにはIOポート31が割り当てられており、そのIOピンPA01〜PA03が第1印画紙マガジン10Aの搬送用モータMaを駆動するドライバAと信号線で接続されており、そのIOピンPA04〜PA07が第1印画紙マガジン10Aのコードリーダ19aと信号線で接続されている。同様に、第2印画紙マガジン10BにはIOポート32が割り当てられており、そのIOピンPB01〜PB03が第2印画紙マガジン10Bの搬送用モータMaを駆動するドライバBと信号線で接続されており、そのIOピンPB04〜PB07が第2印画紙マガジン10Bのコードリーダ19aと信号線で接続されている。これに対して、第3印画紙マガジン10Cとオプションとしての第4印画紙マガジン10Bの両者にはIOポート33が割り当てられており、その信号線に信号線切替回路60が介装されている。信号線切替回路60の出力端子群61aには第3印画紙マガジン10Cの搬送用モータMaを駆動するドライバCがつながっており、信号線切替回路60の出力端子群61bには第4印画紙マガジン10Dの搬送用モータMaを駆動するドライバDが接続可能であり、さらに信号線切替回路60の出力端子群62aには第3印画紙マガジン10Cのコードリーダ19aと接続されており、信号線切替回路60の出力端子群62bには第4印画紙マガジン10Dのコードリーダ19aと接続可能である。
【0024】
信号線切替回路60にはIOポート33が割り当てられており、そのIOピンPC01〜PC03が信号線切替回路60の1次側入出力端子群63と信号線で接続され、そのIOピンPC04〜PC07が信号線切替回路60の1次側入出力端子群64と信号線で接続され、そのIOピンPC08〜PC09が信号線切替回路60の切替モード入力端子群65と信号線で接続され、そのIOピンPC10が信号線切替回路60の切替制御信号入力端子66と信号線で接続されている。
【0025】
切替モード入力端子群65は、IOピンPC10に生じて切替制御信号入力端子66に入るHレベルのタイミングをトリガーとして、IOピンPC08〜PC09に生じている2ビットの切替モードを受け取り、1次側入出力端子群63と1次側入出力端子群64の切替先を決定する。この例では、切替先は2次側入出力端子群61a又は61b、2次側入出力端子群62a又は62bであり、結果的には切替モード信号と切替制御信号により、信号線切替回路60は、IOポート3を第3印画紙マガジン10Cと第4印画紙マガジン10Dのいずれかが使用できるようにする。もちろん、切替モード信号として2ビットを与えているので、この構成のままで、第5、第6の印画紙マガジンをさらに追加することもできるし、また、第1印画紙マガジン10A〜第4マガジン10Dを切り替えてIOポート3で共通使用することも可能である。
【0026】
なお、信号線切替回路60の切替制御信号入力端子66に入る切替制御信号はある長さのHレベルを維持したパルス信号であり、この切替制御信号をマイコン30内で生成するためにはタイマーを用いることになる。しかしながら、マイコン30に内蔵されているタイマーは他の処理に使用されている可能性が高く、通常この切替制御信号の生成のために使用することができない。このため、マイコン30に内蔵されているADコンバータ30aの機能を利用し、このADコンバータ30aのADスタートとADエンドのタイミングを該当レジスタから読み取って、例えば、ADスタートのタイミングでLレベルからHレベルに立ち上がり、ADエンドのタイミングでHレベルからLレベルに立ち下がるパルス信号を生成し、これを切替制御信号としてIOピンPC10に与える構成を採用している。なお、このような信号線切替回路60は、FPGA(Field Programmable Gate Array)で簡単に構成することができる。
【0027】
このように構成されたIOポート兼用技術において、IOポート33を第3印画紙マガジン10Cと第4印画紙マガジン10Dで選択使用するアルゴリズムの一例を以下に説明する。
第4印画紙マガジン10Dの搬送モータMaを駆動する場合(ドライバDへのモータ制御用信号の供給):
(1) IOポート33のIOピンPC01〜PC03を出力モードとしてモータ制御用信号のデータを与える。
(2) IOポート33のIOピンPC08〜PC09に第4印画紙マガジン10Dを選択するための切替モードを示すビットをたてる。
(3) IOポート33のIOピンPC10の状態をADコンバータ30aのADスタートとADエンドのタイミングを用いてLレベル−Hレベル−Lレベルに変化させる。
(4) 切替制御信号としてのIOピンPC10の状態変化に基づいて、信号線切替回路60はIOピンPC08〜PC09のビット値から切替モードを決定する。
(5) 信号線切替回路60は、決定された切替モードに基づき、入力端子群63を出力端子群61bに、1次側入出力端子群64を2次側入出力端子群62bに接続する。その結果、IOポート33のPC01〜PC03に与えられたモータ制御用信号のための1次側入出力端子群63は2次側入出力端子群61bに接続されるので、モータ制御用信号はドライバDに送られる。
(6)ドライバDは受け取ったモータ制御用信号に基づき、第4印画紙マガジン10Dの搬送モータMaを駆動する。
第4印画紙マガジン10Dのコードリーダ19aの値を読み取る場合(ドライバDへのモータ制御用信号の供給):
(1) IOポート33のIOピンPC04〜PC07入力モードとしてマガジンIDコードの受け取り準備をする。
(2) IOポート33のIOピンPC08〜PC09に第4印画紙マガジン10Dを選択するための切替モードを示すビットをたてる。
(3) IOポート33のIOピンPC10の状態をADコンバータ30aのADスタートとADエンドのタイミングを用いてLレベル−Hレベル−Lレベルに変化させる。
(4) 切替制御信号としてのIOピンPC10の状態変化に基づいて、信号線切替回路60はIOピンPC08〜PC09のビット値から切替モードを決定する。
(5) 信号線切替回路60は、決定された切替モードに基づき、1次側入出力端子群63を2次側入出力端子群61bに、1次側入出力端子群64を2次側入出力端子群62bに接続する。その結果、IOポート33のPC04〜PC07と接続されている1次側入出力端子群64は2次側入出力端子群62bに接続されるので、第4印画紙マガジン10Dのコードリーダ19aからの検出信号はIOピンPC04〜PC07に入る。
(6) マイコン30は、受け取ったマガジンIDコードから、第4印画紙マガジン10Dに収納されている印画紙Pの仕様、製造メーカ、印画紙幅、紙質などを把握する。
【0028】
第3印画紙マガジン10Cの搬送モータMaを駆動する場合や第3印画紙マガジン10cのコードリーダ19aの値を読み取る場合に関しては、IOポート33のIOピンPC08〜PC09に第3印画紙マガジン10Cを選択するための切替モードを示すビットをたてるだけが異なるだけで、後は類似の手順で行えるため、ここでは説明の繰り返しは省略する。
【0029】
このように、本願発明の写真プリント装置では、印画紙マガジン10の追加が生じても、制御系の構成を変える必要がなく、印画紙マガジン10のオプション装填数をマガジン制御用のマイコンのIOポートの数や、使用可能タイマーの数に限定されずに、増加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による写真プリント装置の外観模式図
【図2】写真プリント装置を構成するプリントステーションの構成を示す模式断面図
【図3】マガジン内印画紙搬送やマガジン外印画紙搬送の仕組みを説明する説明図
【図4】印画紙マガジン管理用マイコンにおけるIOポート選択を説明する説明図
【符号の説明】
【0031】
10:印画紙マガジン(シートマガジン)
10A:第1印画紙マガジン(シートマガジン)
10B:第2印画紙マガジン(シートマガジン)
10C:第3印画紙マガジン(シートマガジン)
10D:第4印画紙マガジン(シートマガジン)
19a:コードリーダ(動作機器)
30:マイコン
30a:マイコン内蔵ADコンバータ
51:マガジン情報認識部
52:マガジン選択部
53:マガジン内搬送制御部
54:マガジン外搬送制御部
60:信号線切替回路
Ma:マガジン内搬送モータ(動作機器)
P:印画紙(画像形成シート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成シートを収納するシートマガジンからマイコン制御によって送り出された画像形成シートに撮影画像をプリントする写真プリント装置であって、前記シートマガジンを複数装填可能であるとともに各シートマガジンには前記マイコンからの信号によって動作する動作機器が備えられているものにおいて、
前記マイコンのIOポートと前記動作機器との間の信号線の間には複数の動作機器を共通のIOポートに選択的に接続するために前記マイコンからの切替制御信号によって操作される信号線切替回路が介装されていることを特徴とする写真プリント装置。
【請求項2】
前記マイコンはADコンバータ内蔵型CPUからなるワンチップマイコンであり、前記切替制御信号は前記ADコンバータのADスタートとADエンドのタイミングによって作り出されるパルス信号であることを特徴とする請求項1に記載の写真プリント装置。
【請求項3】
前記動作機器が前記シートマガジン内で画像形成シートを搬送するためのモータと各シートマガジンに収納されている画像形成シートの仕様を識別するために設けられたコードを読み取るコードリーダであることを特徴とする請求項1又は2に記載の写真プリント装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−204257(P2007−204257A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28478(P2006−28478)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】