写真撮影装置
【課題】所定方向に並設された複数のカーテン布をほぼ同じ位置に垂下する写真撮影装置を提供する。
【解決手段】写真撮影装置のカーテンユニット300は、その下面にガイド部材100を備える。ガイド部材100はカーテン布302A〜302Dの主面に対して傾斜し、その幅はカーテン布302A〜302Dの幅と同じ又はそれよりも広く、ガイド部材100の幅方向はカーテン布302A〜302Dの幅方向に並行しており、ガイド部材100の下辺はカーテン布302A〜302Dの幅方向に並行している。カーテンユニット300から垂下されたカーテン布302A〜302Dはともに、ガイド部材100の上面をすべり降り、ガイド部材の下辺を支点に下方に折れ曲がって下方に垂下する。そのため、カーテン布302A〜302Dの垂下する位置は同じになる。
【解決手段】写真撮影装置のカーテンユニット300は、その下面にガイド部材100を備える。ガイド部材100はカーテン布302A〜302Dの主面に対して傾斜し、その幅はカーテン布302A〜302Dの幅と同じ又はそれよりも広く、ガイド部材100の幅方向はカーテン布302A〜302Dの幅方向に並行しており、ガイド部材100の下辺はカーテン布302A〜302Dの幅方向に並行している。カーテンユニット300から垂下されたカーテン布302A〜302Dはともに、ガイド部材100の上面をすべり降り、ガイド部材の下辺を支点に下方に折れ曲がって下方に垂下する。そのため、カーテン布302A〜302Dの垂下する位置は同じになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は写真撮影装置に関し、さらに詳しくは、被写体をカメラで撮影し、撮影した写真をシールシートに印刷して販売する写真撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンタなどの遊戯施設には、利用者を被写体としてカメラで撮影し、その写真をシールシートに印刷して販売する写真撮影装置が設置されている。最近では、撮影画像をタブレットディスプレイなどに表示し、付属のタッチペンで文字や図形などを入力できる、「落書き」や「お絵描き」と呼ばれる編集機能を備えたものが一般的になっている。編集機能で入力された画像は撮影画像と合成され、その合成画像がプリンタでシールシートに印刷され、利用者に提供される。
【0003】
最近の写真撮影装置では、利用者が撮影時の背景を選択し、好みの背景で撮影することができる。写真撮影装置の天井には図23に示すカーテンユニット300が設置される。カーテンユニット300は撮影方向に配列された複数のロールカーテン301を備える。撮影時、利用者により選択されたロールカーテン301のカーテン布302がカーテンユニット300の下面開口部305から垂下される。これにより利用者は好みのカーテン布を撮影時の背景にすることができる。
【0004】
しかしながら、各ロールカーテン301のカーテン布302は互いに異なる位置に垂下される。図24に示すように、ロールカーテン301Aのカーテン布302Aは地点P1に垂下されるが、ロールカーテン301Eのカーテン布302Eはカーテン布302Aと異なる地点P2に垂下される。
【0005】
写真撮影装置には、利用者及びカーテン布302を照らす照明ボックスが設けられるが、カーテン布302の垂下される位置が異なれば、各カーテン布302と照明ボックスとの距離が変わる。そのため、すべてのカーテン布302を均質に発色させることができず、照明ムラができる。クロマキ処理等により撮影画像を合成処理する場合、カーテン布302に照明ムラがあれば複雑な合成処理を施さなければならない。各カーテン布の垂下される位置が異なれば、カーテン布302とカメラとの間の距離もカーテン布302ごとに異なる。そのため、カーテン布302ごとにカメラの焦点もずれる。
【0006】
さらに、複数のロールカーテン301のうちカメラに近いロールカーテン301からカーテン布302が垂下されれば、カメラとカーテン布302との間の空間である撮影空間が狭くなる。撮影空間が狭ければ、撮影時に利用者が立ち位置として選べる範囲が狭まる。写真撮影装置を大型化すれば撮影空間を広くすることができるが、遊戯施設内の占有面積も大きくなってしまう。
【0007】
また、図24において、利用者が背景としてカーテン布302Eを垂下して撮影した後、カーテン布302Aを垂下して撮影する場合、利用者の立ち位置が地点P1とP2との間であれば、利用者の手前に背景となるカーテン布302Aが下がってしまう。
【特許文献1】特開昭55−81328号公報
【特許文献2】特開2000−267179号公報
【特許文献3】特開2003−190002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、所定方向に並設された複数のカーテン布をほぼ同じ位置に垂下する写真撮影装置を提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの目的は、所定方向に並設された複数のカーテン布を垂下しても撮影空間を広く取れる写真撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0010】
本発明による写真撮影装置は、所定方向に並設され昇降可能な複数のカーテン布と、撮影手段と、写真出力手段と、第1のガイド部材とを備える。撮影手段は、降ろされたカーテン布の主面とともに被写体を撮影する。写真出力手段は、撮影手段により撮影された写真を出力する。第1のガイド部材はカーテン布の下方に配置され、ガイド部材の上面は降ろされたカーテン布の主面に対して傾斜し、ガイド部材の幅方向はカーテン布の幅方向に並行している。ここで、カーテン布はその上辺に取り付けられた巻付軸とともにロールカーテンを構成し、ロールカーテンから垂下されてもよい。また、カーテン布が蛇腹状になっており、折りたたまれることによりカーテン布が昇降されてもよい。
【0011】
本発明による写真撮影装置では、複数のカーテン布の下方に第1のガイド部材が配置される。複数のカーテン布のうち、任意のカーテン布が降ろされると、そのカーテン布は第1のガイド部材の上面に当たり、第1のガイド部材の上面をすべり降りた後、第1のガイド部材の下辺を支点に下方に垂下する。そのため、全てのカーテン布はほぼ同じ位置に垂下する。
【0012】
好ましくは、ガイド部材の幅はカーテン布の幅と同じ又はそれよりも広く、ガイド部材の下辺はカーテン布の幅方向に並行している。
【0013】
第1のガイド部材の幅をカーテン布の幅と同じ又はそれより広くし、第1のガイド部材の下辺をカーテン布の幅方向に並行にすることにより、第1のガイド部材をすべり降りたのち第1のガイド部材の下辺から下方に垂下したカーテン布の主面はゆがまない。
【0014】
好ましくは、複数のカーテン布は被写体を間に挟んで撮影手段と反対側に配置され、第1のガイド部材の上面は撮影手段側から撮影手段と反対側に向かって下降している。
【0015】
この場合、所定方向に並設された複数のカーテン布のうち、撮影手段側に並設されたカーテン布が垂下する位置は、第1のガイド部材がない場合に垂下される位置よりも撮影手段と反対側になる。そのため、垂下されたカーテン布と撮影手段との間の空間である撮影空間は、第1のガイド部材がない場合よりも広くなる。
【0016】
好ましくは、第1のガイド部材の上面は被写体側から撮影手段側に向かって下降している。
【0017】
好ましくは、第1のガイド部材の下辺近傍の上面が下方に曲がっている。
【0018】
カーテン布は、ガイド部材をすべり降り、ガイド部材の下辺で折れ曲がって下方に垂下するが、第1のガイド部材の下辺近傍の上面が下方に曲がっていれば、カーテン布の折れ曲がる部分に掛かる負荷が軽減される。そのため、カーテン布が痛みにくくなる。
【0019】
好ましくは、第1のガイド部材の上面には樹脂が形成されている。
【0020】
この場合、ガイド部材の上面に樹脂が形成されるため、カーテン布がガイド部材の上面をすべりやすくなる。
【0021】
好ましくは、第1のガイド部材は撮影手段の撮影範囲よりも外側に配置される。
【0022】
この場合、被写体及びカーテン布の主面とともに第1のガイド部材が写真に含まれるのを防止できる。
【0023】
好ましくは、写真撮影装置はさらに、複数のカーテン布を内部に収納するための筐体を備える。筐体の下面のうちカーテン布の下方に位置する部分にカーテン布の幅よりも広い開口部が形成され、第1のガイド部材は筐体の下面に固定される。複数のカーテン布を内部に収納するための筐体とは、たとえば複数のロールカーテンを内部に収納した筐体である。
【0024】
複数のカーテン布を収納した筐体を備えた写真撮影装置は市場に出ているが、その既存の筐体の下面に第1のガイド部材を固定すれば、上記効果を得ることができる。
【0025】
好ましくは、第1のガイド部材はカーテン布のうち撮影手段側に位置する1又は2以上のカーテン布の下方に配置される。写真撮影装置はさらに、第2のガイド部材を備える。第2のガイド部材は、カーテン布のうち撮影手段と反対側に位置する1又は2以上のカーテン布の下方に配置され、第2のガイド部材の上面は降ろされたカーテン布の主面に対して傾斜し、第2のガイド部材の幅方向はカーテン布の幅方向に並行している。第1及び第2のガイド部材の下辺は互いに対向し、第1のガイド部材の上面は撮影手段側から撮影手段と反対側に向かって下降し、第2のガイド部材の上面は撮影手段と反対側から撮影手段側に向かって下降している。
【0026】
この場合、写真撮影装置は2つのガイド部材を有する。ガイド部材を2つにすれば、1つのガイド部材が受けるカーテン布数を減らすことができる。ガイド部材のカーテン布の主面に対する傾斜角度が同じである場合、2つのガイド部材を配置する方が、1つのガイド部材を配置するよりもガイド部材の高さを低く抑えることができる。
【0027】
さらに、第1及び第2のガイド部材の下辺は互いに対向し、第1のガイド部材の上面は撮影手段側から撮影手段と反対側に向かって下降し、第2のガイド部材の上面は撮影手段と反対側から撮影手段側に向かって下降している。そのため、第1のガイド部材の上面をすべり降りたカーテン布が垂下する位置は、第2のガイド部材の上面をすべり降りたカーテン布が垂下する位置とほぼ同じになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[外観構成]
【0029】
まず図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態による写真撮影装置の外観構成を説明する。
【0030】
図1を参照して、この写真撮影装置は筐体1を備え、その両側に、撮影を行う撮影コーナ2と、「落書き」や「お絵描き」と呼ばれる編集を行う編集コーナ3とを有する。写真撮影装置はさらに、編集コーナ3側に設置された編集装置4と、撮影時に背景となるカーテン布を垂下する背景装置5と、撮影時に被写体を側面から照明するストロボ光源11とを備える。
【0031】
利用者6は撮影コーナ2に入り、筐体1側を向いて撮影を行なう。撮影後、利用者6は編集コーナ3に移動し、撮影した画像に編集装置4を使って編集を加える。
【0032】
撮影コーナ2は、利用者6が出入りでき、かつ筐体1と利用者6との間に必要な距離を確保できるように、筐体1と背景装置5との間に適当な撮影空間を形成している。編集コーナ3は、利用者6が出入りできるように開放されているが、利用者6のプライバシを保護し、かつ外部からの光を遮断するために、サイドカーテン(図示せず)が取り付けられている。
【0033】
写真撮影装置はさらに、筐体1の上面から両側に延びる天井フレーム7を備え、天井フレーム7は撮影コーナ2及び編集コーナ3の空間を画定している。
【0034】
図1に示した背景装置5はカーテンユニット300と、カーテンユニット300の下面に取り付けられたガイド部材100とを備える。背景装置5は写真撮影装置の上部に配設される。カーテンユニット300は撮影方向に配列された複数のロールカーテン301を収納する。利用者が好みのロールカーテン301を選択したとき、選択されたロールカーテン301のカーテン布302がカーテンユニット300の開口部から垂下される。カーテン布302は利用者6の手動操作で昇降されてもよく、また、操作部23又はロールカーテン専用の操作部を操作することで自動的に昇降されてもよい。
【0035】
ガイド部材100はカーテンユニット300の下面に固定される。ガイド部材100の上面はロールカーテン301から垂下されたカーテン布302の主面に対して傾斜する。ガイド部材100は、カーテンユニット300から垂下したカーテン布302を受け、その上面でカーテン布302をすべらせた後、その下辺からカーテン布302を下方に垂下する。詳細は後述する。
【0036】
以下、説明の便宜上、筐体1の撮影コーナ2側の面を正面とし、編集コーナ3側の面を背面とする。
【0037】
図2を参照して、筐体1の正面には、利用者6を被写体として撮像するカメラ21と、カメラ21で撮影された被写体及び背景の画像をリアルタイムで表示して利用者6に撮影される予定の画像を目視で確認させるためのライブモニタ22と、利用者6の操作を受付ける操作部23と、デモ画面や撮影中の操作手順などを表示するディスプレイ24と、対価である硬貨を投入するための硬貨投入口25と、筐体1に収容された各種制御機器のメンテナンスなどを行なうためのフロントドア26と、BGMや操作手順などのアナウンスを出力するスピーカ(図示せず)とが設けられている。
【0038】
カメラ21の周囲には、蛍光灯やストロボなどを内蔵し、被写体及び背景となるカーテン布302の主面を照明する照明ボックス27が設けられている。
【0039】
カメラ21としては一般にデジタルカメラが用いられる。撮影条件(たとえばシャッタスピード、絞り値、露出補正、ホワイトバランスなど)の設定、変更、シャッタタイミングは、操作部23からの入力又は予め設定されたデータに従って後述するコンピュータ装置(図4中の符号50)により制御される。
【0040】
筐体1には、内部の熱を逃がすためのファンのほか、撮影画像の配信やリモートメンテナンスなど、外部装置との通信を可能にするために、LAN(Local Area Network)ケーブルの差込口などが設けられていてもよい。
【0041】
図3を参照して、筐体1の背面に設置された編集装置4は、撮影コーナ2で撮影された画像を表示して画像の編集操作を受付けるタブレットディスプレイ31と、所望の図形や文字を入力するためのタッチペン32と、BGMや操作手順などのアナウンスを出力するスピーカ33とを備える。
【0042】
筐体1の側面には、箱形のプリント取出口8が設けられる。筐体1の内部にはプリンタ(図4中の符号52)が設けられ、撮影された写真がプリンタでシールシートに印刷され、排出される。プリント取出口8付近には、印刷中LED(Light Emitting Diode)9と、印刷エラーLED10とが設けられ、これらが点灯又は点滅することで、印刷中であることを通知したり、印刷中に用紙切れ、インク切れ、用紙詰り、メカニカルエラーなどのエラーが発生していることを通知したりする。
[回路構成]
【0043】
次に図4を参照して、上述した写真撮影装置の回路構成を説明する。
【0044】
図4を参照して、この写真撮影装置は、本装置全体を中枢するコンピュータ装置50と、コンピュータ装置50からの指示に従って周辺機器を制御する制御部51とを備える。
【0045】
コンピュータ装置50は、CPU(Central Processing Unit)501と、半導体メモリ502と、ドライバ503と、記憶部504と、通信部505とを備える。
【0046】
ドライバ503は、カメラ21、タブレットディスプレイ31、プリンタ52などの周辺機器を駆動する。記憶部504は、本装置を動作させるためのプログラム及び動作に必要な画像データ、音声データ、撮影された画像、入力された編集画像などを記憶する。通信部505は、LANケーブルを介して外部装置と通信する。
【0047】
コンピュータ装置50は、本装置に電源が投入されると、プログラムが起動し、カメラ21のシャッタタイミング、ライブモニタ22及びディスプレイ24の表示、プリンタ52の出力、並びにタブレットディスプレイ31の表示を制御する。
【0048】
コンピュータ装置50はまた、プログラム及びタブレットディスプレイ31から入力された編集操作に従って指示信号を制御部51に送信する。
【0049】
プリンタ52は、撮影されかつ編集された画像をシールシートに印刷する。ここでは、写真をシールシートに印刷する場合を例に挙げて説明するが、シールシートに代えて、紙、金属、プラスチック、その他の印刷媒体に印刷する場合もある。プリンタ52は用紙切れなどの状態をコンピュータ装置50に通知し、コンピュータ装置50はその通知に応じて指示信号を制御部51に送信する。プリンタ52としては一般に、昇華型、サーモオートクローム方式(光定着型直接感熱記録方式)などのプリンタが用いられる。
【0050】
この写真撮影装置はさらに、電源スイッチ53と、電源制御部54と、UPS(Uninterrupted Power Supply)55とを備える。電源の投入及び切断は電源スイッチ53で行なわれる。電源制御部54は、ライブモニタ22、スピーカ33、照明装置30などの電源系統を制御し、外部からそれらに供給される電源の電圧を安定させる。電源切断によりコンピュータ装置50で動作しているプログラムが強制的に終了されると、動作は不安定になる。そのため、電源が落とされても、しばらくはUPS55が電源をバックアップし、停電信号をコンピュータ装置50に送信する。その間に、コンピュータ装置50はプログラムの終了処理を実行し、プログラムを正常に終了させる。このとき、コンピュータ装置50は終了信号をUPS55に送信する。
【0051】
制御部51は、コンピュータ装置50及び電源制御部54の他に、操作部23、スピーカ33、サービスパネル56、コイン制御部57、背景装置5、印刷中LED9、印刷エラーLED10、及びストロボ制御部58に接続される。
【0052】
操作部23は利用者6の操作を受付け、操作信号を制御部51に送信する。コンピュータ装置50は制御部51から操作信号を受信し、操作内容に応じた処理を実行する。
【0053】
制御部51はコンピュータ装置50から受信した指示信号に従ってスピーカ33を制御し、スピーカ33は遊技中に操作案内やBGMなどを出力する。
【0054】
サービスパネル56は、投入された硬貨の枚数をカウントするコインカウンタ、印刷されたプリントの枚数をカウントするプリントカウンタ、スピーカ33から出力される音声のボリュームを調整するための音量調整つまみ、本装置をテストモードに切り換えるためのテストボタン、硬貨を投入しなくても本装置を利用可能にするためのサービスボタンなどを備える。サービスパネル56は、本装置の設置者が各種設定やメンテナンスを行なう際に用いられる。制御部51は、コンピュータ装置50から受信した指示信号に従ってサービスパネル56に制御信号を送信する。サービスパネル56は、制御信号に従ってコインカウンタやプリントカウンタを動作させる。ここでいう設置者は、本装置を設置して営業を行なっている店舗などの経営者、管理者、従業員であり、営業中に、利用者に対応できる者である。
【0055】
コイン制御部57は、硬貨投入口25に投入された硬貨の正当性を判別し、硬貨の投入を表す検出信号を制御部51に送信する。制御部51はコンピュータ装置50から受信した指示信号に従ってコイン制御部57に制御信号を送信し、コイン制御部57は制御信号に従って硬貨投入口25を遮蔽する。これにより、たとえば遊技中に硬貨の投入を禁止することができる。
【0056】
利用者6が操作部23を操作して所望のロールカーテン301を選択すると、制御部51は操作部23から受信した操作信号に従って選択されたロールカーテン301からカーテン布302を垂下させる。コンピュータ装置50から受信した指示信号に従ってロールカーテン301が自動的に選択される場合もある。
【0057】
制御部51は、プリンタ52の状態に応じた指示信号をコンピュータ装置50から受信し、印刷中LED9及び印刷エラーLED10を制御する。これにより、印刷中LED9又は印刷エラーLED10が点灯又は点滅する。
【0058】
この写真撮影装置はさらに、ストロボ59を備える。ストロボ59は、蛍光灯などの照明装置30とともに図2に示した照明ボックス27に内蔵される。照明装置30は被写体を常時照明するのに対し、ストロボ59はカメラ21のシャッタに同期して被写体を瞬間的に照明する。ストロボ制御部58はカメラ21に接続され、カメラ21のシャッタタイミングに応じてシャッタ同期信号SSを受信する。ストロボ制御部58は、シャッタ同期信号SSに応答してストロボ59を閃光させる。
【0059】
ストロボ制御部58は、制御部51からの制御信号に応じて閃光度などを設定してもよい。照明装置30も同様に、制御部51からの制御信号に応じて照度などを設定してもよい。
【0060】
図示された形態は写真撮影装置の一例に過ぎない。したがって、図示されていない他の機能が備えられていてもよく、逆に、図示された機能が必ずしも全て備えられていなくてもよい。たとえばプリンタ52は写真撮影装置本体に備えられていなくてもよい。この場合、写真撮影装置は画像データをLANなどの電気通信回線を介して外部に出力し、外部のプリンタで写真を印刷したり、携帯電話機に写真を保存したりしてもよい。
[動作]
【0061】
次に図5を参照して、上述した写真撮影装置の動作を説明する。この動作は、CPU501が記憶部504からメモリ502にプログラムを読出して実行することにより実現される。
【0062】
まず電源スイッチ53がオンにされると、各種装置に電力が供給され、記憶部504に格納されたプログラムが起動する。コンピュータ装置50は、各種装置が正常に接続されているか否かをチェックし、初期化が必要な装置に対しては初期化を行なう(S100)。その後、本装置の利用を促すタイトルデモをディスプレイ24に表示し、同時に音声をスピーカ33から出力する(S101)。
【0063】
タイトルデモの表示中にテストボタンが押下された場合(S102でYES)、本装置はメンテナンスを行なうためのテストモードに入る(S103)。テストモードでは、本装置の利用状況(たとえば硬貨の投入数など)を確認したり、カメラ21、プリンタ52などの周辺機器を調整したりすることができる。
【0064】
一方、タイトルデモの表示中にテストボタンが押下されない場合(S102でNO)、硬貨投入口25で硬貨の投入を受付け、所定の対価を受領したか否かを判定する(S104)。所定の対価を受領していない場合(S104でNO)、ステップS101に戻る。一方、コイン制御部57で硬貨の正当性や枚数などが検知され、正常に硬貨を受付け、所定の対価を受領したと判定した場合(S104でYES)、次のステップS105に進み、本装置の遊戯動作が開始される。
【0065】
遊戯動作は撮影から始まる。カメラ21で撮像される画像はライブモニタ22でリアルタイムに表示される。利用者6は、ライブモニタ22に表示された画像を見ながら、好みの表情やポーズを取る。カメラ21で撮像される画像は、そのままライブモニタ22に表示してもよいが、左右を反転して表示してもよい。左右を反転した場合、利用者6の姿を鏡に写す方向と同じ方向でライブモニタ22に表示することができる。そのため、利用者6は、ライブモニタ22を見ながら好みの表情やポーズを取るのが容易になる。
【0066】
次に、撮影方法に複数のモードがある場合、その選択肢を操作用のディスプレイ24に表示し、操作部23のボタンで好みの撮影モードを利用者6に選択させる(S105)。ここで、撮影人数など、利用者6の状況を入力させてもよい。これにより、利用者の状況に応じて一連の遊技を提供することができる。そして、選択された撮影モードで撮影を開始する(S106)。
【0067】
またここでは、撮影モードの選択だけでなく、撮影時の背景として所望のカーテン布302が選択される。利用者6の選択に基づいてロールカーテン301からカーテン布302が垂下される。カーテン布302が撮影モードに予め対応づけられており、選択された撮影モードに対応したカーテン布302が垂下されてもよい。
【0068】
また、カメラ21を好みの位置に移動させたり、カメラ21を回転させたり、カメラ21の向きを調整したりすることもできる。これらの指示は操作部23などで受付ける。さらに、カメラ21の向きやズームなどを指示するためのボタンなどがカメラ21の近傍などに設けられている場合には、それによりカメラ21の向きやズームなどの指示を受付ける。そして、選択された撮影モードや背景などで撮影を行なう。
【0069】
撮影は、時間の経過とともに「3、2、1」などのカウントダウンをディスプレイ24やスピーカに出力することにより自動で行なう。また、カメラ21の近傍に設けられた撮影ボタン(図示せず)を押下することにより手動で行なってもよい。撮影は、コンピュータ装置50からカメラ21に撮影信号が送信されることでシャッタが切られ、実行される。ステップS106では、このような撮影を所定回数繰返し行なう。
【0070】
撮影が終了すると、撮影した画像がディスプレイ24に全て表示され、その中から所望の画像を操作部23で利用者6に選択させ、キープ画像とする(S107)。
【0071】
キープ画像が選択されると、利用者6に対して編集コーナ3に移動するように促がす案内をディスプレイ24に表示する。案内に従って、利用者6は編集コーナ3に移動する。以降、利用者6の操作は編集コーナ3で行なわれる。
【0072】
利用者6がプレイしていないとき、コンピュータ装置50はタブレットディスプレイ31に待機画面を表示している。ステップS107で選択されたキープ画像の準備ができると、キープ画像をタブレットディスプレイ31に表示する。そして、キープ画像自体の明るさ調整(ハイキー調整)、回転などの画像処理を行なう画面が表示され、利用者6は好みに応じて撮影画像の画質を調整したり、撮影画像を加工したりすることができる(S108)。
【0073】
次に、選択された撮影画像に対してタッチペン32による編集入力を受付け、利用者6に所望の編集を行わせる(S109)。このとき、スピーカ33から撮影案内、BGM、効果音などを出力することにより、操作性(編集効率)を向上させることができる。
【0074】
編集入力中、タブレットディスプレイ31に、編集入力の対象とするキープ画像を切換えるためのボタンや、編集機能を選択するための「フレーム」、「ライン」、「スタンプ」、「ペン」、入力したスタンプ画像などの編集画像を消すための「けしごむ」、入力操作を1つ前の状態に戻すための「ひとつもどる」、画像入力を最初からやり直すための「はじめから」などのボタンを表示する。利用者6は、これらのボタンをタッチペン32で押すことで使用するツールを選択する。さらに、色、柄などを選択した後、編集入力の対象となる選択画面が表示された編集領域上で編集入力を行なう。
【0075】
編集中には、撮影画像と編集画像とをそれぞれ別の画層(レイヤ)に展開し、タブレットディスプレイ31上にそれらを重ねて表示する。いずれの画像を上に表示するかは用途に応じて設定される。たとえば編集画像を撮影画像の前景にする場合は、編集画像が上の画層になる。編集画像はさらに、スタンプ画像の層、フレーム画像の層など、それぞれ複数の画層で構成されていてもよい。
【0076】
編集入力時間は予め設定されている。そして、タブレットディスプレイ31上に残り時間を表示し、カウントダウンを行なう。残り時間がゼロになると編集入力が終了する。画面に表示された「終了」のボタンを押すことで、残り時間がゼロになる前に編集入力を強制的に終了させることもできる。
【0077】
編集入力時間内か、「終了」のボタンが押下されるまでは、編集を継続して行うことができる。編集入力が終了すると、キープ画像の枚数に応じて、予め決められた複数の印刷レイアウトをタブレットディスプレイ31に表示し、利用者6の選択を受付ける(S110)。印刷レイアウトの選択を受付ける前に、編集された画像をタブレットディスプレイ31に表示し、印刷対象となる画像の選択を受付けてもよい。印刷レイアウトの選択を受付けると、選択された印刷レイアウトに従って、生成された印刷画像データをプリンタ52に出力する。さらに、利用者6をプリンタ52の前に誘導するアナウンスをスピーカ33又はタブレットディスプレイ31より出力する。そして、プリンタ52で印刷を実行し(S111)、プリント取出口8より利用者6に提供する(S112)。
【0078】
以上、1組の利用者6が写真撮影装置を利用する場合の動作を説明したが、本実施の形態では編集コーナ3が撮影コーナ2と異なる場所に設置されているので、2組の利用者が同時に利用することもできる。この場合、先の利用者が撮影を終了し編集コーナ3に移動すると、ディスプレイ24は待機画面を表示し、次の利用者の硬貨投入を受付ける。コインが投入されると、次の利用者の撮影が開始される。ここでは、撮影コーナ2と編集コーナ3とが異なる位置に設置されているが、これに限定されるものではなく、一箇所で撮影及び編集が行われるようにしてもよい。
【0079】
また、2組の利用者が同時に利用する場合、コンピュータ装置50が1台では多大な負荷がかかる場合もある。このため、撮影を制御するコンピュータ装置と編集を制御するコンピュータ装置とをそれぞれ設け、利用者の操作性を向上させることもできる。この場合、撮影に必要な装置は撮影用のコンピュータに接続され、編集に必要な装置は編集用のコンピュータに接続される。制御部51やサービスパネル56など、両方に必要な装置はその機能を分割して撮影用及び編集側用のコンピュータ装置に接続されてもよいし、どちらか一方のコンピュータ装置に接続されてもよい。
【0080】
コンピュータ装置50を動作させるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録して提供してもよく、また、インターネットなどの電気通信回線を通じて提供してもよい。提供されたプログラムはハードディスクなどにインストールされ、実行される。
[背景装置]
【0081】
図1、図6及び図7を参照して、背景装置5はカーテンユニット300とガイド部材100とを備える。カーテンユニット300は撮影方向に階段状に配列された複数のロールカーテン301と、ロールカーテン301を内部に収納するユニット筐体304とを含む。
【0082】
各ロールカーテン301は、巻付軸303と、巻付軸303の外周に巻き付けられ、巻付軸303の回転に基づいて昇降するカーテン布302とで構成される。
【0083】
ユニット筐体304の下面のうち、ロールカーテン301の下方に位置する部分には、カーテン布302の幅よりも広い開口部305が形成される。各カーテン布302は開口部305を通って下方に垂下される。
【0084】
利用者6が操作部23を操作して所望のカーテン布302を選択したとき、又は、利用者6が撮影モードを選択することにより撮影モードに対応したカーテン布302が選択されたとき、制御部51が操作部23から受信した操作信号に従って背景装置5の図示しないモータを駆動する。その結果、選択されたカーテン布302を有するロールカーテン301の巻付軸303が回転し、カーテン布302が開口部305を通って下方へ垂下される。なお、隣接するカーテン布302同士が接触しないように、隣接するカーテン布302の間にはカーテン布302に平行な干渉防止板108が設置される。
【0085】
ガイド部材100は、ユニット筐体304の下面に取り付けられる。ガイド部材100
の上面101はカーテンユニット300から垂下されるカーテン布302の主面に対して傾斜し、カメラ21側からカメラ21と反対側に向かって下降している。さらに、ガイド部材100の幅方向はカーテン布302の幅方向に並行している。ガイド部材100の幅は図8に示すようにカーテン布302の幅と同じか、又は、図9に示すようにカーテン布302の幅より広い。また、ガイド部材の下辺はカーテン布302の幅方向に並行している。
【0086】
ガイド部材100は、その両側面を側面板102に接合される。ガイド部材100は側面板102によりユニット筐体304の下面に固定される。
【0087】
ガイド部材100の上面101は垂下されるカーテン布302と接触する。ガイド部材100の上面101にはフッ素樹脂やポリエチレンといった樹脂が形成されている。カーテン布302がガイド部材100の上面101をすべりやすくするためである。
【0088】
ガイド部材100は複数のカーテン布302が垂下する位置を同じにする役割を有する。図10において、ロールカーテン301Aが選択された場合、ロールカーテン301Aの巻付軸303が回転し、カーテン布302Aが開口部305から下方に垂下される。カーテン布302Aはガイド部材100の上面101に当たり、上面101をすべり降りた後、ガイド部材の下辺を支点にして折れ曲がり、下方に垂下する。
【0089】
ロールカーテン301B〜301Dが選択された場合も同様に、各カーテン布302B〜302Dはガイド部材100の上面101をすべり降り、ガイド部材100の下辺を支点にして折れ曲がり、下方に垂れる。
【0090】
以上の動作により、カーテン布302A〜302Dはすべて、ガイド部材100の下辺を支点として折れ曲がり、下方に垂下する。そのため、これらのカーテン布302A〜302Dの垂下する位置を同じにすることができる。
【0091】
なお、カーテン布302Eはガイド部材100の上面101に当たることなく垂下するが、他のカーテン布302A〜302Dがカーテン布302Eと同じ位置に垂下するようにガイド部材100の固定位置を調整すれば、すべてのカーテン布302A〜302Eが垂下する位置を同じにすることができる。
【0092】
上述したように、ガイド部材100により全てのカーテン布302が垂下する位置を同じにすることができるため、カーテン布302と照明ボックス27との距離はカーテン布302ごとに変化しない。そのため、すべてのカーテン布302を均質に発色させることができ、照明ムラが発生しない。さらに、カメラ21とカーテン布302との距離もすべてのカーテン布302で同じになるため、カメラ21の焦点がカーテン布302ごとにずれるといった問題は解消される。
【0093】
また、ガイド部材100の幅をカーテン布302の幅と同じ又はそれより広く、ガイド部材100の下辺をカーテン布302の幅方向に並行であるため、ガイド部材100の下辺から垂下したカーテン布302の主面はゆがまない。
【0094】
ガイド部材100は、既に市場に出ている写真撮影装置の既存のカーテンユニット300に取り付けることができる。そのため、既存のカーテンユニット300自体を改良したり破棄したりすることなく、既存のカーテンユニット300の下面にガイド部材100を固定すれば、上記効果を得ることができる。
【0095】
また、ガイド部材100は簡単な構造であり、複雑な機構を利用していないため、メンテナンスが容易である。
【0096】
さらに、図1、図7に示すようにガイド部材100はカメラ21側からカメラ21と反対側に向かって下降しているため、カーテン布302A〜302Dはカメラ21から従来よりも遠い位置に垂下する。そのため、垂下したカーテン布302とカメラ21との間の撮影空間は従来よりも広くなる。
【0097】
なお、背景装置5は、ガイド部材100がカメラ21の撮影範囲よりも外側となるように設置される。被写体及びカーテン布302の主面とともにガイド部材100が写真に含まれるのを防止するためである。図1ではカーテンユニット300を写真撮影装置の天井よりも高い位置に配置することにより、ガイド部材100が撮影範囲よりも外側に配置されるようにしたが、他の方法によりガイド部材100を撮影範囲の外側に配置してもよい。たとえば、図11に示すように、カーテンユニット300を写真撮影装置の天井の下に配置する場合、ガイド部材100が撮影範囲に入らないようにガイド部材100の上面101とカーテンユニット300の下面とで形成される角度を小さくすればよい。この場合、カーテン布302がガイド部材100の上面101ですべりにくくなるため、ガイド部材100の上面101には高滑性の樹脂が形成されるのが好ましい。
【0098】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上述した形態に限定されるものではない。
【0099】
上述したガイド部材100の幅は、カーテン布302の幅と同じか、又はそれよりも広いが、図12に示すようにガイド部材100の幅がカーテン布302よりも狭くてもよい。また、図13に示すようにガイド部材100の幅が上辺から下辺に向かって徐々に狭くなり、ガイド部材100の下辺の幅がカーテン布302の幅よりも狭くなってもよい。さらに、図14に示すように幅の狭い複数のガイド部材100をカーテンユニット300の下辺に並設してもよい。
【0100】
さらに、上述したガイド部材100に代えて、図15に示すようなガイド部材110を取り付けてもよい。ガイド部材110の下辺近傍の上面111は下方に曲がっているため、ガイド部材110の下辺でカーテン布302に掛かる負担が緩和される。そのため、ガイド部材100よりもカーテン布302が痛みにくい。
【0101】
また、ガイド部材100の縦断面は直線であったが、図16及び図17に示すように、縦断面が曲線のガイド部材120又は130を取り付けてもよい。また、図18のように、カーテンユニット300の下面のうち、開口部305を挟んでガイド部材110と反対側にカーテン布302の主面と並行なガイド部材140を取り付けてもよい。
【0102】
さらに、図19に示すように、ガイド部材100をロールカーテン301A及び301Bの下方に配置し、ガイド部材150をロールカーテン301D及び301Eの下方に配置してもよい。ガイド部材150の上面はカーテン布302の主面に対して傾斜しており、その幅方向はカーテン布302の幅方向に並行である。さらに、ガイド部材150の幅はカーテン布302の幅と同じ又はそれより広く、ガイド部材150の下辺はカーテン布302の幅方向に並行である。ガイド部材150の上面はカメラ21と反対側からカメラ21に向かって下降している。ガイド部材100の下辺とガイド部材150の下辺とは対向している。
【0103】
2つのガイド部材100及び150を取り付けることにより、ガイド部材が1つの場合よりもガイド部材の高さを低くできる。2つのガイド部材を取り付ける場合、1つのガイド部材の場合と比較して、1つのガイド部材が受けるカーテン布の数が減る。ガイド部材の上面とカーテンユニット300の下面との角度が同じであれば、受けるカーテン布の数が少ない程ガイド部材を下方に伸ばさなくてよい。そのため、図19のように2つのガイド部材を用いた場合、ガイド部材の高さを低くできる。
【0104】
さらに、ガイド部材100の下辺とガイド部材150の下辺とは対向し、ガイド部材150の上面はメラ21と反対側からカメラ21に向かって下降している。そのため、ガイド部材150の上面をすべり降りるカーテン布302D及び302Eが垂下する位置を、ガイド部材100の上面をすべり降りるカーテン布302A及び302Bが垂下する位置とほぼ同じにすることができる。なお、図19ではカーテン布302Cはガイド部材100及び150の上面に当たることなく、そのまま下方に垂下するが、他のカーテン布302A、302B、302D、302Eがカーテン布302Cと同じ位置に垂下するようにガイド部材100及び150の配置位置を調整すれば、すべてのカーテン布302A〜302Eが同じ位置に垂下する。
【0105】
上述した写真撮影装置では、カーテンユニット300のみを設置したが、図20に示すようにカーテンユニット300と筐体1との間の天井フレーム7上に新たなカーテンユニット400を設置し、カーテンユニット400の下にガイド部材160を取り付けてもよい。利用者6がカメラ21に近づいてクローズアップ写真を撮影するとき、カーテンユニット400のカーテン布が背景として利用される。ガイド部材160によりカーテンユニット400の全てのカーテン布はほぼ同じ位置に垂下する。そのため、利用者6が垂下したカーテン布近傍に立てば、どのカーテン布を選択しても撮影時の利用者6の立ち位置は一定になる。なお、図20ではガイド部材160の上面はカメラ21と反対側からカメラ21に向かって下降しているが、カメラ21からカメラ21と反対側に向かって下降していてもよい。
【0106】
また、上述した写真撮影装置では、カーテンユニット300は複数のロールカーテン301を収納したが、図21に示すようにカーテンユニット300が蛇腹状に折りたたまれた複数のカーテン布302を収納してもよい。
【0107】
ガイド部材は、図22に示すように複数のカーテン布のうち一部のカーテン布を受けるように設置されてもよい。この場合、ガイド部材により複数のカーテン布のうち一部のカーテン布を同じ場所に垂下させることができる。図22では、ガイド部材100によりカーテン布302A及び302Bが同じ位置に垂下する。さらに、ガイド部材100の設置場所を調整することによりカーテン布302Cもカーテン布302A及び302Bと同じ位置に垂下する。
【0108】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明による写真撮影装置は、既存のカーテンユニットを備えたシールプリント機に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の実施の形態による写真撮影装置の外観構成を示す側面図である。
【図2】図1に示した写真撮影装置を撮影コーナ側から見た斜視図である。
【図3】図1に示した写真撮影装置を編集コーナ側から見た斜視図である。
【図4】図1〜図3に示した写真撮影装置の回路構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図1〜図4に示した写真撮影装置の動作を示すフロー図である。
【図6】図1中のカーテンユニット及びガイド部材の外観を示す斜視図である。
【図7】図6に示したカーテンユニット及びガイド部材の断面図である。
【図8】図6に示したカーテンユニット及びガイド部材の正面図である。
【図9】図8に示したガイド部材と異なる別のガイド部材の正面図である。
【図10】図6に示したカーテンユニットからカーテン布を垂らした状態を示す概略図である。
【図11】図6に示したガイド材と異なる別のガイド部材の断面図である。
【図12】図6及び図11に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の正面図である。
【図13】図6、図11及び図12に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の正面図である。
【図14】図6、図11〜図13に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の正面図である。
【図15】図6、図11〜図14に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の断面図である。
【図16】図6、図11〜図15に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の断面図である。
【図17】図6、図11〜図16に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の断面図である。
【図18】図6、図11〜図17に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の断面図である。
【図19】図6、図11〜図18に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の断面図である。
【図20】図1に示した写真撮影装置と異なる、別の写真撮影装置の側面図である。
【図21】図6に示したカーテンユニットと異なる別のカーテンユニットの断面図である。
【図22】図6、図11〜図19に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の断面図である。
【図23】従来のカーテンユニットの断面図である。
【図24】従来のカーテンユニットから垂れたカーテン布の状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0111】
21 カメラ
52 プリンタ
100,110,120,130,140,150,160 ガイド部材
301 ロールカーテン
302 カーテン布
304 ユニット筐体
305 開口部
【技術分野】
【0001】
本発明は写真撮影装置に関し、さらに詳しくは、被写体をカメラで撮影し、撮影した写真をシールシートに印刷して販売する写真撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンタなどの遊戯施設には、利用者を被写体としてカメラで撮影し、その写真をシールシートに印刷して販売する写真撮影装置が設置されている。最近では、撮影画像をタブレットディスプレイなどに表示し、付属のタッチペンで文字や図形などを入力できる、「落書き」や「お絵描き」と呼ばれる編集機能を備えたものが一般的になっている。編集機能で入力された画像は撮影画像と合成され、その合成画像がプリンタでシールシートに印刷され、利用者に提供される。
【0003】
最近の写真撮影装置では、利用者が撮影時の背景を選択し、好みの背景で撮影することができる。写真撮影装置の天井には図23に示すカーテンユニット300が設置される。カーテンユニット300は撮影方向に配列された複数のロールカーテン301を備える。撮影時、利用者により選択されたロールカーテン301のカーテン布302がカーテンユニット300の下面開口部305から垂下される。これにより利用者は好みのカーテン布を撮影時の背景にすることができる。
【0004】
しかしながら、各ロールカーテン301のカーテン布302は互いに異なる位置に垂下される。図24に示すように、ロールカーテン301Aのカーテン布302Aは地点P1に垂下されるが、ロールカーテン301Eのカーテン布302Eはカーテン布302Aと異なる地点P2に垂下される。
【0005】
写真撮影装置には、利用者及びカーテン布302を照らす照明ボックスが設けられるが、カーテン布302の垂下される位置が異なれば、各カーテン布302と照明ボックスとの距離が変わる。そのため、すべてのカーテン布302を均質に発色させることができず、照明ムラができる。クロマキ処理等により撮影画像を合成処理する場合、カーテン布302に照明ムラがあれば複雑な合成処理を施さなければならない。各カーテン布の垂下される位置が異なれば、カーテン布302とカメラとの間の距離もカーテン布302ごとに異なる。そのため、カーテン布302ごとにカメラの焦点もずれる。
【0006】
さらに、複数のロールカーテン301のうちカメラに近いロールカーテン301からカーテン布302が垂下されれば、カメラとカーテン布302との間の空間である撮影空間が狭くなる。撮影空間が狭ければ、撮影時に利用者が立ち位置として選べる範囲が狭まる。写真撮影装置を大型化すれば撮影空間を広くすることができるが、遊戯施設内の占有面積も大きくなってしまう。
【0007】
また、図24において、利用者が背景としてカーテン布302Eを垂下して撮影した後、カーテン布302Aを垂下して撮影する場合、利用者の立ち位置が地点P1とP2との間であれば、利用者の手前に背景となるカーテン布302Aが下がってしまう。
【特許文献1】特開昭55−81328号公報
【特許文献2】特開2000−267179号公報
【特許文献3】特開2003−190002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、所定方向に並設された複数のカーテン布をほぼ同じ位置に垂下する写真撮影装置を提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの目的は、所定方向に並設された複数のカーテン布を垂下しても撮影空間を広く取れる写真撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0010】
本発明による写真撮影装置は、所定方向に並設され昇降可能な複数のカーテン布と、撮影手段と、写真出力手段と、第1のガイド部材とを備える。撮影手段は、降ろされたカーテン布の主面とともに被写体を撮影する。写真出力手段は、撮影手段により撮影された写真を出力する。第1のガイド部材はカーテン布の下方に配置され、ガイド部材の上面は降ろされたカーテン布の主面に対して傾斜し、ガイド部材の幅方向はカーテン布の幅方向に並行している。ここで、カーテン布はその上辺に取り付けられた巻付軸とともにロールカーテンを構成し、ロールカーテンから垂下されてもよい。また、カーテン布が蛇腹状になっており、折りたたまれることによりカーテン布が昇降されてもよい。
【0011】
本発明による写真撮影装置では、複数のカーテン布の下方に第1のガイド部材が配置される。複数のカーテン布のうち、任意のカーテン布が降ろされると、そのカーテン布は第1のガイド部材の上面に当たり、第1のガイド部材の上面をすべり降りた後、第1のガイド部材の下辺を支点に下方に垂下する。そのため、全てのカーテン布はほぼ同じ位置に垂下する。
【0012】
好ましくは、ガイド部材の幅はカーテン布の幅と同じ又はそれよりも広く、ガイド部材の下辺はカーテン布の幅方向に並行している。
【0013】
第1のガイド部材の幅をカーテン布の幅と同じ又はそれより広くし、第1のガイド部材の下辺をカーテン布の幅方向に並行にすることにより、第1のガイド部材をすべり降りたのち第1のガイド部材の下辺から下方に垂下したカーテン布の主面はゆがまない。
【0014】
好ましくは、複数のカーテン布は被写体を間に挟んで撮影手段と反対側に配置され、第1のガイド部材の上面は撮影手段側から撮影手段と反対側に向かって下降している。
【0015】
この場合、所定方向に並設された複数のカーテン布のうち、撮影手段側に並設されたカーテン布が垂下する位置は、第1のガイド部材がない場合に垂下される位置よりも撮影手段と反対側になる。そのため、垂下されたカーテン布と撮影手段との間の空間である撮影空間は、第1のガイド部材がない場合よりも広くなる。
【0016】
好ましくは、第1のガイド部材の上面は被写体側から撮影手段側に向かって下降している。
【0017】
好ましくは、第1のガイド部材の下辺近傍の上面が下方に曲がっている。
【0018】
カーテン布は、ガイド部材をすべり降り、ガイド部材の下辺で折れ曲がって下方に垂下するが、第1のガイド部材の下辺近傍の上面が下方に曲がっていれば、カーテン布の折れ曲がる部分に掛かる負荷が軽減される。そのため、カーテン布が痛みにくくなる。
【0019】
好ましくは、第1のガイド部材の上面には樹脂が形成されている。
【0020】
この場合、ガイド部材の上面に樹脂が形成されるため、カーテン布がガイド部材の上面をすべりやすくなる。
【0021】
好ましくは、第1のガイド部材は撮影手段の撮影範囲よりも外側に配置される。
【0022】
この場合、被写体及びカーテン布の主面とともに第1のガイド部材が写真に含まれるのを防止できる。
【0023】
好ましくは、写真撮影装置はさらに、複数のカーテン布を内部に収納するための筐体を備える。筐体の下面のうちカーテン布の下方に位置する部分にカーテン布の幅よりも広い開口部が形成され、第1のガイド部材は筐体の下面に固定される。複数のカーテン布を内部に収納するための筐体とは、たとえば複数のロールカーテンを内部に収納した筐体である。
【0024】
複数のカーテン布を収納した筐体を備えた写真撮影装置は市場に出ているが、その既存の筐体の下面に第1のガイド部材を固定すれば、上記効果を得ることができる。
【0025】
好ましくは、第1のガイド部材はカーテン布のうち撮影手段側に位置する1又は2以上のカーテン布の下方に配置される。写真撮影装置はさらに、第2のガイド部材を備える。第2のガイド部材は、カーテン布のうち撮影手段と反対側に位置する1又は2以上のカーテン布の下方に配置され、第2のガイド部材の上面は降ろされたカーテン布の主面に対して傾斜し、第2のガイド部材の幅方向はカーテン布の幅方向に並行している。第1及び第2のガイド部材の下辺は互いに対向し、第1のガイド部材の上面は撮影手段側から撮影手段と反対側に向かって下降し、第2のガイド部材の上面は撮影手段と反対側から撮影手段側に向かって下降している。
【0026】
この場合、写真撮影装置は2つのガイド部材を有する。ガイド部材を2つにすれば、1つのガイド部材が受けるカーテン布数を減らすことができる。ガイド部材のカーテン布の主面に対する傾斜角度が同じである場合、2つのガイド部材を配置する方が、1つのガイド部材を配置するよりもガイド部材の高さを低く抑えることができる。
【0027】
さらに、第1及び第2のガイド部材の下辺は互いに対向し、第1のガイド部材の上面は撮影手段側から撮影手段と反対側に向かって下降し、第2のガイド部材の上面は撮影手段と反対側から撮影手段側に向かって下降している。そのため、第1のガイド部材の上面をすべり降りたカーテン布が垂下する位置は、第2のガイド部材の上面をすべり降りたカーテン布が垂下する位置とほぼ同じになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[外観構成]
【0029】
まず図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態による写真撮影装置の外観構成を説明する。
【0030】
図1を参照して、この写真撮影装置は筐体1を備え、その両側に、撮影を行う撮影コーナ2と、「落書き」や「お絵描き」と呼ばれる編集を行う編集コーナ3とを有する。写真撮影装置はさらに、編集コーナ3側に設置された編集装置4と、撮影時に背景となるカーテン布を垂下する背景装置5と、撮影時に被写体を側面から照明するストロボ光源11とを備える。
【0031】
利用者6は撮影コーナ2に入り、筐体1側を向いて撮影を行なう。撮影後、利用者6は編集コーナ3に移動し、撮影した画像に編集装置4を使って編集を加える。
【0032】
撮影コーナ2は、利用者6が出入りでき、かつ筐体1と利用者6との間に必要な距離を確保できるように、筐体1と背景装置5との間に適当な撮影空間を形成している。編集コーナ3は、利用者6が出入りできるように開放されているが、利用者6のプライバシを保護し、かつ外部からの光を遮断するために、サイドカーテン(図示せず)が取り付けられている。
【0033】
写真撮影装置はさらに、筐体1の上面から両側に延びる天井フレーム7を備え、天井フレーム7は撮影コーナ2及び編集コーナ3の空間を画定している。
【0034】
図1に示した背景装置5はカーテンユニット300と、カーテンユニット300の下面に取り付けられたガイド部材100とを備える。背景装置5は写真撮影装置の上部に配設される。カーテンユニット300は撮影方向に配列された複数のロールカーテン301を収納する。利用者が好みのロールカーテン301を選択したとき、選択されたロールカーテン301のカーテン布302がカーテンユニット300の開口部から垂下される。カーテン布302は利用者6の手動操作で昇降されてもよく、また、操作部23又はロールカーテン専用の操作部を操作することで自動的に昇降されてもよい。
【0035】
ガイド部材100はカーテンユニット300の下面に固定される。ガイド部材100の上面はロールカーテン301から垂下されたカーテン布302の主面に対して傾斜する。ガイド部材100は、カーテンユニット300から垂下したカーテン布302を受け、その上面でカーテン布302をすべらせた後、その下辺からカーテン布302を下方に垂下する。詳細は後述する。
【0036】
以下、説明の便宜上、筐体1の撮影コーナ2側の面を正面とし、編集コーナ3側の面を背面とする。
【0037】
図2を参照して、筐体1の正面には、利用者6を被写体として撮像するカメラ21と、カメラ21で撮影された被写体及び背景の画像をリアルタイムで表示して利用者6に撮影される予定の画像を目視で確認させるためのライブモニタ22と、利用者6の操作を受付ける操作部23と、デモ画面や撮影中の操作手順などを表示するディスプレイ24と、対価である硬貨を投入するための硬貨投入口25と、筐体1に収容された各種制御機器のメンテナンスなどを行なうためのフロントドア26と、BGMや操作手順などのアナウンスを出力するスピーカ(図示せず)とが設けられている。
【0038】
カメラ21の周囲には、蛍光灯やストロボなどを内蔵し、被写体及び背景となるカーテン布302の主面を照明する照明ボックス27が設けられている。
【0039】
カメラ21としては一般にデジタルカメラが用いられる。撮影条件(たとえばシャッタスピード、絞り値、露出補正、ホワイトバランスなど)の設定、変更、シャッタタイミングは、操作部23からの入力又は予め設定されたデータに従って後述するコンピュータ装置(図4中の符号50)により制御される。
【0040】
筐体1には、内部の熱を逃がすためのファンのほか、撮影画像の配信やリモートメンテナンスなど、外部装置との通信を可能にするために、LAN(Local Area Network)ケーブルの差込口などが設けられていてもよい。
【0041】
図3を参照して、筐体1の背面に設置された編集装置4は、撮影コーナ2で撮影された画像を表示して画像の編集操作を受付けるタブレットディスプレイ31と、所望の図形や文字を入力するためのタッチペン32と、BGMや操作手順などのアナウンスを出力するスピーカ33とを備える。
【0042】
筐体1の側面には、箱形のプリント取出口8が設けられる。筐体1の内部にはプリンタ(図4中の符号52)が設けられ、撮影された写真がプリンタでシールシートに印刷され、排出される。プリント取出口8付近には、印刷中LED(Light Emitting Diode)9と、印刷エラーLED10とが設けられ、これらが点灯又は点滅することで、印刷中であることを通知したり、印刷中に用紙切れ、インク切れ、用紙詰り、メカニカルエラーなどのエラーが発生していることを通知したりする。
[回路構成]
【0043】
次に図4を参照して、上述した写真撮影装置の回路構成を説明する。
【0044】
図4を参照して、この写真撮影装置は、本装置全体を中枢するコンピュータ装置50と、コンピュータ装置50からの指示に従って周辺機器を制御する制御部51とを備える。
【0045】
コンピュータ装置50は、CPU(Central Processing Unit)501と、半導体メモリ502と、ドライバ503と、記憶部504と、通信部505とを備える。
【0046】
ドライバ503は、カメラ21、タブレットディスプレイ31、プリンタ52などの周辺機器を駆動する。記憶部504は、本装置を動作させるためのプログラム及び動作に必要な画像データ、音声データ、撮影された画像、入力された編集画像などを記憶する。通信部505は、LANケーブルを介して外部装置と通信する。
【0047】
コンピュータ装置50は、本装置に電源が投入されると、プログラムが起動し、カメラ21のシャッタタイミング、ライブモニタ22及びディスプレイ24の表示、プリンタ52の出力、並びにタブレットディスプレイ31の表示を制御する。
【0048】
コンピュータ装置50はまた、プログラム及びタブレットディスプレイ31から入力された編集操作に従って指示信号を制御部51に送信する。
【0049】
プリンタ52は、撮影されかつ編集された画像をシールシートに印刷する。ここでは、写真をシールシートに印刷する場合を例に挙げて説明するが、シールシートに代えて、紙、金属、プラスチック、その他の印刷媒体に印刷する場合もある。プリンタ52は用紙切れなどの状態をコンピュータ装置50に通知し、コンピュータ装置50はその通知に応じて指示信号を制御部51に送信する。プリンタ52としては一般に、昇華型、サーモオートクローム方式(光定着型直接感熱記録方式)などのプリンタが用いられる。
【0050】
この写真撮影装置はさらに、電源スイッチ53と、電源制御部54と、UPS(Uninterrupted Power Supply)55とを備える。電源の投入及び切断は電源スイッチ53で行なわれる。電源制御部54は、ライブモニタ22、スピーカ33、照明装置30などの電源系統を制御し、外部からそれらに供給される電源の電圧を安定させる。電源切断によりコンピュータ装置50で動作しているプログラムが強制的に終了されると、動作は不安定になる。そのため、電源が落とされても、しばらくはUPS55が電源をバックアップし、停電信号をコンピュータ装置50に送信する。その間に、コンピュータ装置50はプログラムの終了処理を実行し、プログラムを正常に終了させる。このとき、コンピュータ装置50は終了信号をUPS55に送信する。
【0051】
制御部51は、コンピュータ装置50及び電源制御部54の他に、操作部23、スピーカ33、サービスパネル56、コイン制御部57、背景装置5、印刷中LED9、印刷エラーLED10、及びストロボ制御部58に接続される。
【0052】
操作部23は利用者6の操作を受付け、操作信号を制御部51に送信する。コンピュータ装置50は制御部51から操作信号を受信し、操作内容に応じた処理を実行する。
【0053】
制御部51はコンピュータ装置50から受信した指示信号に従ってスピーカ33を制御し、スピーカ33は遊技中に操作案内やBGMなどを出力する。
【0054】
サービスパネル56は、投入された硬貨の枚数をカウントするコインカウンタ、印刷されたプリントの枚数をカウントするプリントカウンタ、スピーカ33から出力される音声のボリュームを調整するための音量調整つまみ、本装置をテストモードに切り換えるためのテストボタン、硬貨を投入しなくても本装置を利用可能にするためのサービスボタンなどを備える。サービスパネル56は、本装置の設置者が各種設定やメンテナンスを行なう際に用いられる。制御部51は、コンピュータ装置50から受信した指示信号に従ってサービスパネル56に制御信号を送信する。サービスパネル56は、制御信号に従ってコインカウンタやプリントカウンタを動作させる。ここでいう設置者は、本装置を設置して営業を行なっている店舗などの経営者、管理者、従業員であり、営業中に、利用者に対応できる者である。
【0055】
コイン制御部57は、硬貨投入口25に投入された硬貨の正当性を判別し、硬貨の投入を表す検出信号を制御部51に送信する。制御部51はコンピュータ装置50から受信した指示信号に従ってコイン制御部57に制御信号を送信し、コイン制御部57は制御信号に従って硬貨投入口25を遮蔽する。これにより、たとえば遊技中に硬貨の投入を禁止することができる。
【0056】
利用者6が操作部23を操作して所望のロールカーテン301を選択すると、制御部51は操作部23から受信した操作信号に従って選択されたロールカーテン301からカーテン布302を垂下させる。コンピュータ装置50から受信した指示信号に従ってロールカーテン301が自動的に選択される場合もある。
【0057】
制御部51は、プリンタ52の状態に応じた指示信号をコンピュータ装置50から受信し、印刷中LED9及び印刷エラーLED10を制御する。これにより、印刷中LED9又は印刷エラーLED10が点灯又は点滅する。
【0058】
この写真撮影装置はさらに、ストロボ59を備える。ストロボ59は、蛍光灯などの照明装置30とともに図2に示した照明ボックス27に内蔵される。照明装置30は被写体を常時照明するのに対し、ストロボ59はカメラ21のシャッタに同期して被写体を瞬間的に照明する。ストロボ制御部58はカメラ21に接続され、カメラ21のシャッタタイミングに応じてシャッタ同期信号SSを受信する。ストロボ制御部58は、シャッタ同期信号SSに応答してストロボ59を閃光させる。
【0059】
ストロボ制御部58は、制御部51からの制御信号に応じて閃光度などを設定してもよい。照明装置30も同様に、制御部51からの制御信号に応じて照度などを設定してもよい。
【0060】
図示された形態は写真撮影装置の一例に過ぎない。したがって、図示されていない他の機能が備えられていてもよく、逆に、図示された機能が必ずしも全て備えられていなくてもよい。たとえばプリンタ52は写真撮影装置本体に備えられていなくてもよい。この場合、写真撮影装置は画像データをLANなどの電気通信回線を介して外部に出力し、外部のプリンタで写真を印刷したり、携帯電話機に写真を保存したりしてもよい。
[動作]
【0061】
次に図5を参照して、上述した写真撮影装置の動作を説明する。この動作は、CPU501が記憶部504からメモリ502にプログラムを読出して実行することにより実現される。
【0062】
まず電源スイッチ53がオンにされると、各種装置に電力が供給され、記憶部504に格納されたプログラムが起動する。コンピュータ装置50は、各種装置が正常に接続されているか否かをチェックし、初期化が必要な装置に対しては初期化を行なう(S100)。その後、本装置の利用を促すタイトルデモをディスプレイ24に表示し、同時に音声をスピーカ33から出力する(S101)。
【0063】
タイトルデモの表示中にテストボタンが押下された場合(S102でYES)、本装置はメンテナンスを行なうためのテストモードに入る(S103)。テストモードでは、本装置の利用状況(たとえば硬貨の投入数など)を確認したり、カメラ21、プリンタ52などの周辺機器を調整したりすることができる。
【0064】
一方、タイトルデモの表示中にテストボタンが押下されない場合(S102でNO)、硬貨投入口25で硬貨の投入を受付け、所定の対価を受領したか否かを判定する(S104)。所定の対価を受領していない場合(S104でNO)、ステップS101に戻る。一方、コイン制御部57で硬貨の正当性や枚数などが検知され、正常に硬貨を受付け、所定の対価を受領したと判定した場合(S104でYES)、次のステップS105に進み、本装置の遊戯動作が開始される。
【0065】
遊戯動作は撮影から始まる。カメラ21で撮像される画像はライブモニタ22でリアルタイムに表示される。利用者6は、ライブモニタ22に表示された画像を見ながら、好みの表情やポーズを取る。カメラ21で撮像される画像は、そのままライブモニタ22に表示してもよいが、左右を反転して表示してもよい。左右を反転した場合、利用者6の姿を鏡に写す方向と同じ方向でライブモニタ22に表示することができる。そのため、利用者6は、ライブモニタ22を見ながら好みの表情やポーズを取るのが容易になる。
【0066】
次に、撮影方法に複数のモードがある場合、その選択肢を操作用のディスプレイ24に表示し、操作部23のボタンで好みの撮影モードを利用者6に選択させる(S105)。ここで、撮影人数など、利用者6の状況を入力させてもよい。これにより、利用者の状況に応じて一連の遊技を提供することができる。そして、選択された撮影モードで撮影を開始する(S106)。
【0067】
またここでは、撮影モードの選択だけでなく、撮影時の背景として所望のカーテン布302が選択される。利用者6の選択に基づいてロールカーテン301からカーテン布302が垂下される。カーテン布302が撮影モードに予め対応づけられており、選択された撮影モードに対応したカーテン布302が垂下されてもよい。
【0068】
また、カメラ21を好みの位置に移動させたり、カメラ21を回転させたり、カメラ21の向きを調整したりすることもできる。これらの指示は操作部23などで受付ける。さらに、カメラ21の向きやズームなどを指示するためのボタンなどがカメラ21の近傍などに設けられている場合には、それによりカメラ21の向きやズームなどの指示を受付ける。そして、選択された撮影モードや背景などで撮影を行なう。
【0069】
撮影は、時間の経過とともに「3、2、1」などのカウントダウンをディスプレイ24やスピーカに出力することにより自動で行なう。また、カメラ21の近傍に設けられた撮影ボタン(図示せず)を押下することにより手動で行なってもよい。撮影は、コンピュータ装置50からカメラ21に撮影信号が送信されることでシャッタが切られ、実行される。ステップS106では、このような撮影を所定回数繰返し行なう。
【0070】
撮影が終了すると、撮影した画像がディスプレイ24に全て表示され、その中から所望の画像を操作部23で利用者6に選択させ、キープ画像とする(S107)。
【0071】
キープ画像が選択されると、利用者6に対して編集コーナ3に移動するように促がす案内をディスプレイ24に表示する。案内に従って、利用者6は編集コーナ3に移動する。以降、利用者6の操作は編集コーナ3で行なわれる。
【0072】
利用者6がプレイしていないとき、コンピュータ装置50はタブレットディスプレイ31に待機画面を表示している。ステップS107で選択されたキープ画像の準備ができると、キープ画像をタブレットディスプレイ31に表示する。そして、キープ画像自体の明るさ調整(ハイキー調整)、回転などの画像処理を行なう画面が表示され、利用者6は好みに応じて撮影画像の画質を調整したり、撮影画像を加工したりすることができる(S108)。
【0073】
次に、選択された撮影画像に対してタッチペン32による編集入力を受付け、利用者6に所望の編集を行わせる(S109)。このとき、スピーカ33から撮影案内、BGM、効果音などを出力することにより、操作性(編集効率)を向上させることができる。
【0074】
編集入力中、タブレットディスプレイ31に、編集入力の対象とするキープ画像を切換えるためのボタンや、編集機能を選択するための「フレーム」、「ライン」、「スタンプ」、「ペン」、入力したスタンプ画像などの編集画像を消すための「けしごむ」、入力操作を1つ前の状態に戻すための「ひとつもどる」、画像入力を最初からやり直すための「はじめから」などのボタンを表示する。利用者6は、これらのボタンをタッチペン32で押すことで使用するツールを選択する。さらに、色、柄などを選択した後、編集入力の対象となる選択画面が表示された編集領域上で編集入力を行なう。
【0075】
編集中には、撮影画像と編集画像とをそれぞれ別の画層(レイヤ)に展開し、タブレットディスプレイ31上にそれらを重ねて表示する。いずれの画像を上に表示するかは用途に応じて設定される。たとえば編集画像を撮影画像の前景にする場合は、編集画像が上の画層になる。編集画像はさらに、スタンプ画像の層、フレーム画像の層など、それぞれ複数の画層で構成されていてもよい。
【0076】
編集入力時間は予め設定されている。そして、タブレットディスプレイ31上に残り時間を表示し、カウントダウンを行なう。残り時間がゼロになると編集入力が終了する。画面に表示された「終了」のボタンを押すことで、残り時間がゼロになる前に編集入力を強制的に終了させることもできる。
【0077】
編集入力時間内か、「終了」のボタンが押下されるまでは、編集を継続して行うことができる。編集入力が終了すると、キープ画像の枚数に応じて、予め決められた複数の印刷レイアウトをタブレットディスプレイ31に表示し、利用者6の選択を受付ける(S110)。印刷レイアウトの選択を受付ける前に、編集された画像をタブレットディスプレイ31に表示し、印刷対象となる画像の選択を受付けてもよい。印刷レイアウトの選択を受付けると、選択された印刷レイアウトに従って、生成された印刷画像データをプリンタ52に出力する。さらに、利用者6をプリンタ52の前に誘導するアナウンスをスピーカ33又はタブレットディスプレイ31より出力する。そして、プリンタ52で印刷を実行し(S111)、プリント取出口8より利用者6に提供する(S112)。
【0078】
以上、1組の利用者6が写真撮影装置を利用する場合の動作を説明したが、本実施の形態では編集コーナ3が撮影コーナ2と異なる場所に設置されているので、2組の利用者が同時に利用することもできる。この場合、先の利用者が撮影を終了し編集コーナ3に移動すると、ディスプレイ24は待機画面を表示し、次の利用者の硬貨投入を受付ける。コインが投入されると、次の利用者の撮影が開始される。ここでは、撮影コーナ2と編集コーナ3とが異なる位置に設置されているが、これに限定されるものではなく、一箇所で撮影及び編集が行われるようにしてもよい。
【0079】
また、2組の利用者が同時に利用する場合、コンピュータ装置50が1台では多大な負荷がかかる場合もある。このため、撮影を制御するコンピュータ装置と編集を制御するコンピュータ装置とをそれぞれ設け、利用者の操作性を向上させることもできる。この場合、撮影に必要な装置は撮影用のコンピュータに接続され、編集に必要な装置は編集用のコンピュータに接続される。制御部51やサービスパネル56など、両方に必要な装置はその機能を分割して撮影用及び編集側用のコンピュータ装置に接続されてもよいし、どちらか一方のコンピュータ装置に接続されてもよい。
【0080】
コンピュータ装置50を動作させるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録して提供してもよく、また、インターネットなどの電気通信回線を通じて提供してもよい。提供されたプログラムはハードディスクなどにインストールされ、実行される。
[背景装置]
【0081】
図1、図6及び図7を参照して、背景装置5はカーテンユニット300とガイド部材100とを備える。カーテンユニット300は撮影方向に階段状に配列された複数のロールカーテン301と、ロールカーテン301を内部に収納するユニット筐体304とを含む。
【0082】
各ロールカーテン301は、巻付軸303と、巻付軸303の外周に巻き付けられ、巻付軸303の回転に基づいて昇降するカーテン布302とで構成される。
【0083】
ユニット筐体304の下面のうち、ロールカーテン301の下方に位置する部分には、カーテン布302の幅よりも広い開口部305が形成される。各カーテン布302は開口部305を通って下方に垂下される。
【0084】
利用者6が操作部23を操作して所望のカーテン布302を選択したとき、又は、利用者6が撮影モードを選択することにより撮影モードに対応したカーテン布302が選択されたとき、制御部51が操作部23から受信した操作信号に従って背景装置5の図示しないモータを駆動する。その結果、選択されたカーテン布302を有するロールカーテン301の巻付軸303が回転し、カーテン布302が開口部305を通って下方へ垂下される。なお、隣接するカーテン布302同士が接触しないように、隣接するカーテン布302の間にはカーテン布302に平行な干渉防止板108が設置される。
【0085】
ガイド部材100は、ユニット筐体304の下面に取り付けられる。ガイド部材100
の上面101はカーテンユニット300から垂下されるカーテン布302の主面に対して傾斜し、カメラ21側からカメラ21と反対側に向かって下降している。さらに、ガイド部材100の幅方向はカーテン布302の幅方向に並行している。ガイド部材100の幅は図8に示すようにカーテン布302の幅と同じか、又は、図9に示すようにカーテン布302の幅より広い。また、ガイド部材の下辺はカーテン布302の幅方向に並行している。
【0086】
ガイド部材100は、その両側面を側面板102に接合される。ガイド部材100は側面板102によりユニット筐体304の下面に固定される。
【0087】
ガイド部材100の上面101は垂下されるカーテン布302と接触する。ガイド部材100の上面101にはフッ素樹脂やポリエチレンといった樹脂が形成されている。カーテン布302がガイド部材100の上面101をすべりやすくするためである。
【0088】
ガイド部材100は複数のカーテン布302が垂下する位置を同じにする役割を有する。図10において、ロールカーテン301Aが選択された場合、ロールカーテン301Aの巻付軸303が回転し、カーテン布302Aが開口部305から下方に垂下される。カーテン布302Aはガイド部材100の上面101に当たり、上面101をすべり降りた後、ガイド部材の下辺を支点にして折れ曲がり、下方に垂下する。
【0089】
ロールカーテン301B〜301Dが選択された場合も同様に、各カーテン布302B〜302Dはガイド部材100の上面101をすべり降り、ガイド部材100の下辺を支点にして折れ曲がり、下方に垂れる。
【0090】
以上の動作により、カーテン布302A〜302Dはすべて、ガイド部材100の下辺を支点として折れ曲がり、下方に垂下する。そのため、これらのカーテン布302A〜302Dの垂下する位置を同じにすることができる。
【0091】
なお、カーテン布302Eはガイド部材100の上面101に当たることなく垂下するが、他のカーテン布302A〜302Dがカーテン布302Eと同じ位置に垂下するようにガイド部材100の固定位置を調整すれば、すべてのカーテン布302A〜302Eが垂下する位置を同じにすることができる。
【0092】
上述したように、ガイド部材100により全てのカーテン布302が垂下する位置を同じにすることができるため、カーテン布302と照明ボックス27との距離はカーテン布302ごとに変化しない。そのため、すべてのカーテン布302を均質に発色させることができ、照明ムラが発生しない。さらに、カメラ21とカーテン布302との距離もすべてのカーテン布302で同じになるため、カメラ21の焦点がカーテン布302ごとにずれるといった問題は解消される。
【0093】
また、ガイド部材100の幅をカーテン布302の幅と同じ又はそれより広く、ガイド部材100の下辺をカーテン布302の幅方向に並行であるため、ガイド部材100の下辺から垂下したカーテン布302の主面はゆがまない。
【0094】
ガイド部材100は、既に市場に出ている写真撮影装置の既存のカーテンユニット300に取り付けることができる。そのため、既存のカーテンユニット300自体を改良したり破棄したりすることなく、既存のカーテンユニット300の下面にガイド部材100を固定すれば、上記効果を得ることができる。
【0095】
また、ガイド部材100は簡単な構造であり、複雑な機構を利用していないため、メンテナンスが容易である。
【0096】
さらに、図1、図7に示すようにガイド部材100はカメラ21側からカメラ21と反対側に向かって下降しているため、カーテン布302A〜302Dはカメラ21から従来よりも遠い位置に垂下する。そのため、垂下したカーテン布302とカメラ21との間の撮影空間は従来よりも広くなる。
【0097】
なお、背景装置5は、ガイド部材100がカメラ21の撮影範囲よりも外側となるように設置される。被写体及びカーテン布302の主面とともにガイド部材100が写真に含まれるのを防止するためである。図1ではカーテンユニット300を写真撮影装置の天井よりも高い位置に配置することにより、ガイド部材100が撮影範囲よりも外側に配置されるようにしたが、他の方法によりガイド部材100を撮影範囲の外側に配置してもよい。たとえば、図11に示すように、カーテンユニット300を写真撮影装置の天井の下に配置する場合、ガイド部材100が撮影範囲に入らないようにガイド部材100の上面101とカーテンユニット300の下面とで形成される角度を小さくすればよい。この場合、カーテン布302がガイド部材100の上面101ですべりにくくなるため、ガイド部材100の上面101には高滑性の樹脂が形成されるのが好ましい。
【0098】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上述した形態に限定されるものではない。
【0099】
上述したガイド部材100の幅は、カーテン布302の幅と同じか、又はそれよりも広いが、図12に示すようにガイド部材100の幅がカーテン布302よりも狭くてもよい。また、図13に示すようにガイド部材100の幅が上辺から下辺に向かって徐々に狭くなり、ガイド部材100の下辺の幅がカーテン布302の幅よりも狭くなってもよい。さらに、図14に示すように幅の狭い複数のガイド部材100をカーテンユニット300の下辺に並設してもよい。
【0100】
さらに、上述したガイド部材100に代えて、図15に示すようなガイド部材110を取り付けてもよい。ガイド部材110の下辺近傍の上面111は下方に曲がっているため、ガイド部材110の下辺でカーテン布302に掛かる負担が緩和される。そのため、ガイド部材100よりもカーテン布302が痛みにくい。
【0101】
また、ガイド部材100の縦断面は直線であったが、図16及び図17に示すように、縦断面が曲線のガイド部材120又は130を取り付けてもよい。また、図18のように、カーテンユニット300の下面のうち、開口部305を挟んでガイド部材110と反対側にカーテン布302の主面と並行なガイド部材140を取り付けてもよい。
【0102】
さらに、図19に示すように、ガイド部材100をロールカーテン301A及び301Bの下方に配置し、ガイド部材150をロールカーテン301D及び301Eの下方に配置してもよい。ガイド部材150の上面はカーテン布302の主面に対して傾斜しており、その幅方向はカーテン布302の幅方向に並行である。さらに、ガイド部材150の幅はカーテン布302の幅と同じ又はそれより広く、ガイド部材150の下辺はカーテン布302の幅方向に並行である。ガイド部材150の上面はカメラ21と反対側からカメラ21に向かって下降している。ガイド部材100の下辺とガイド部材150の下辺とは対向している。
【0103】
2つのガイド部材100及び150を取り付けることにより、ガイド部材が1つの場合よりもガイド部材の高さを低くできる。2つのガイド部材を取り付ける場合、1つのガイド部材の場合と比較して、1つのガイド部材が受けるカーテン布の数が減る。ガイド部材の上面とカーテンユニット300の下面との角度が同じであれば、受けるカーテン布の数が少ない程ガイド部材を下方に伸ばさなくてよい。そのため、図19のように2つのガイド部材を用いた場合、ガイド部材の高さを低くできる。
【0104】
さらに、ガイド部材100の下辺とガイド部材150の下辺とは対向し、ガイド部材150の上面はメラ21と反対側からカメラ21に向かって下降している。そのため、ガイド部材150の上面をすべり降りるカーテン布302D及び302Eが垂下する位置を、ガイド部材100の上面をすべり降りるカーテン布302A及び302Bが垂下する位置とほぼ同じにすることができる。なお、図19ではカーテン布302Cはガイド部材100及び150の上面に当たることなく、そのまま下方に垂下するが、他のカーテン布302A、302B、302D、302Eがカーテン布302Cと同じ位置に垂下するようにガイド部材100及び150の配置位置を調整すれば、すべてのカーテン布302A〜302Eが同じ位置に垂下する。
【0105】
上述した写真撮影装置では、カーテンユニット300のみを設置したが、図20に示すようにカーテンユニット300と筐体1との間の天井フレーム7上に新たなカーテンユニット400を設置し、カーテンユニット400の下にガイド部材160を取り付けてもよい。利用者6がカメラ21に近づいてクローズアップ写真を撮影するとき、カーテンユニット400のカーテン布が背景として利用される。ガイド部材160によりカーテンユニット400の全てのカーテン布はほぼ同じ位置に垂下する。そのため、利用者6が垂下したカーテン布近傍に立てば、どのカーテン布を選択しても撮影時の利用者6の立ち位置は一定になる。なお、図20ではガイド部材160の上面はカメラ21と反対側からカメラ21に向かって下降しているが、カメラ21からカメラ21と反対側に向かって下降していてもよい。
【0106】
また、上述した写真撮影装置では、カーテンユニット300は複数のロールカーテン301を収納したが、図21に示すようにカーテンユニット300が蛇腹状に折りたたまれた複数のカーテン布302を収納してもよい。
【0107】
ガイド部材は、図22に示すように複数のカーテン布のうち一部のカーテン布を受けるように設置されてもよい。この場合、ガイド部材により複数のカーテン布のうち一部のカーテン布を同じ場所に垂下させることができる。図22では、ガイド部材100によりカーテン布302A及び302Bが同じ位置に垂下する。さらに、ガイド部材100の設置場所を調整することによりカーテン布302Cもカーテン布302A及び302Bと同じ位置に垂下する。
【0108】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明による写真撮影装置は、既存のカーテンユニットを備えたシールプリント機に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の実施の形態による写真撮影装置の外観構成を示す側面図である。
【図2】図1に示した写真撮影装置を撮影コーナ側から見た斜視図である。
【図3】図1に示した写真撮影装置を編集コーナ側から見た斜視図である。
【図4】図1〜図3に示した写真撮影装置の回路構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図1〜図4に示した写真撮影装置の動作を示すフロー図である。
【図6】図1中のカーテンユニット及びガイド部材の外観を示す斜視図である。
【図7】図6に示したカーテンユニット及びガイド部材の断面図である。
【図8】図6に示したカーテンユニット及びガイド部材の正面図である。
【図9】図8に示したガイド部材と異なる別のガイド部材の正面図である。
【図10】図6に示したカーテンユニットからカーテン布を垂らした状態を示す概略図である。
【図11】図6に示したガイド材と異なる別のガイド部材の断面図である。
【図12】図6及び図11に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の正面図である。
【図13】図6、図11及び図12に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の正面図である。
【図14】図6、図11〜図13に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の正面図である。
【図15】図6、図11〜図14に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の断面図である。
【図16】図6、図11〜図15に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の断面図である。
【図17】図6、図11〜図16に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の断面図である。
【図18】図6、図11〜図17に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の断面図である。
【図19】図6、図11〜図18に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の断面図である。
【図20】図1に示した写真撮影装置と異なる、別の写真撮影装置の側面図である。
【図21】図6に示したカーテンユニットと異なる別のカーテンユニットの断面図である。
【図22】図6、図11〜図19に示したガイド部材と異なる、さらに別のガイド部材の断面図である。
【図23】従来のカーテンユニットの断面図である。
【図24】従来のカーテンユニットから垂れたカーテン布の状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0111】
21 カメラ
52 プリンタ
100,110,120,130,140,150,160 ガイド部材
301 ロールカーテン
302 カーテン布
304 ユニット筐体
305 開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に並設され、昇降可能な複数のカーテン布と、
降ろされた前記カーテン布の主面とともに被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された写真を出力する写真出力手段と、
前記カーテン布の下方に配置された第1のガイド部材とを備え、
前記ガイド部材の上面は前記降ろされたカーテン布の主面に対して傾斜し、前記ガイド部材の幅方向は前記カーテン布の幅方向に並行していることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項2】
請求項1に記載の写真撮影装置であって、
前記ガイド部材の幅は前記カーテン布の幅と同じ又はそれよりも広く、前記ガイド部材の下辺は前記カーテン布の幅方向に並行していることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の写真撮影装置であって、
前記複数のカーテン布は前記被写体を間に挟んで前記撮影手段と反対側に配置され、前記第1のガイド部材の上面は前記撮影手段側から前記撮影手段と反対側に向かって下降していることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の写真撮影装置であって、
前記第1のガイド部材の上面は前記被写体側から前記撮影手段側に向かって下降していることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の写真撮影装置であって、
前記第1のガイド部材の下辺近傍の上面が下方に曲がっていることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の写真撮影装置であって、
前記第1のガイド部材の上面には樹脂が形成されていることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の写真撮影装置であって、
前記第1のガイド部材は前記撮影手段の撮影範囲よりも外側に配置されることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の写真撮影装置であってさらに、
前記複数のカーテン布を内部に収納するための筐体を備え、
前記筐体の下面のうち前記カーテン布の下方に位置する部分にカーテン布の幅よりも広い開口部が形成され、
前記第1のガイド部材は前記筐体の下面に固定されることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項9】
請求項1に記載の写真撮影装置であって
前記第1のガイド部材は前記カーテン布のうち前記撮影手段側に位置する1又は2以上のカーテン布の下方に配置され、
前記写真撮影装置はさらに、
前記カーテン布のうち前記撮影手段と反対側に位置する1又は2以上のカーテン布の下方に配置された第2のガイド部材を備え、
前記第2のガイド部材の上面は前記降ろされたカーテン布の主面に対して傾斜し、前記第2のガイド部材の幅方向はカーテン布の幅方向に並行しており、
前記第1及び第2のガイド部材の下辺は互いに対向し、
前記第1のガイド部材の上面は前記撮影手段側から前記撮影手段と反対側に向かって下降し、
前記第2のガイド部材の上面は前記撮影手段と反対側から前記撮影手段側に向かって下降していることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項1】
所定方向に並設され、昇降可能な複数のカーテン布と、
降ろされた前記カーテン布の主面とともに被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された写真を出力する写真出力手段と、
前記カーテン布の下方に配置された第1のガイド部材とを備え、
前記ガイド部材の上面は前記降ろされたカーテン布の主面に対して傾斜し、前記ガイド部材の幅方向は前記カーテン布の幅方向に並行していることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項2】
請求項1に記載の写真撮影装置であって、
前記ガイド部材の幅は前記カーテン布の幅と同じ又はそれよりも広く、前記ガイド部材の下辺は前記カーテン布の幅方向に並行していることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の写真撮影装置であって、
前記複数のカーテン布は前記被写体を間に挟んで前記撮影手段と反対側に配置され、前記第1のガイド部材の上面は前記撮影手段側から前記撮影手段と反対側に向かって下降していることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の写真撮影装置であって、
前記第1のガイド部材の上面は前記被写体側から前記撮影手段側に向かって下降していることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の写真撮影装置であって、
前記第1のガイド部材の下辺近傍の上面が下方に曲がっていることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の写真撮影装置であって、
前記第1のガイド部材の上面には樹脂が形成されていることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の写真撮影装置であって、
前記第1のガイド部材は前記撮影手段の撮影範囲よりも外側に配置されることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の写真撮影装置であってさらに、
前記複数のカーテン布を内部に収納するための筐体を備え、
前記筐体の下面のうち前記カーテン布の下方に位置する部分にカーテン布の幅よりも広い開口部が形成され、
前記第1のガイド部材は前記筐体の下面に固定されることを特徴とする写真撮影装置。
【請求項9】
請求項1に記載の写真撮影装置であって
前記第1のガイド部材は前記カーテン布のうち前記撮影手段側に位置する1又は2以上のカーテン布の下方に配置され、
前記写真撮影装置はさらに、
前記カーテン布のうち前記撮影手段と反対側に位置する1又は2以上のカーテン布の下方に配置された第2のガイド部材を備え、
前記第2のガイド部材の上面は前記降ろされたカーテン布の主面に対して傾斜し、前記第2のガイド部材の幅方向はカーテン布の幅方向に並行しており、
前記第1及び第2のガイド部材の下辺は互いに対向し、
前記第1のガイド部材の上面は前記撮影手段側から前記撮影手段と反対側に向かって下降し、
前記第2のガイド部材の上面は前記撮影手段と反対側から前記撮影手段側に向かって下降していることを特徴とする写真撮影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2006−189652(P2006−189652A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−1779(P2005−1779)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(591237685)株式会社メイクソフトウェア (137)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(591237685)株式会社メイクソフトウェア (137)
【Fターム(参考)】
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