説明

冶金用粉末組成物

本発明は、圧縮成形部品を製造するための冶金用組成物において、(a)鉄粉又は鉄基粉末を少なくとも約80重量%と、(b)少なくとも1種類の合金粉末を約20重量%以下と、(c)C14〜C30脂肪族アルコールを含有する結合剤を約0.05〜約2重量%と、(d)流動化剤を約0.001〜約0.2重量%とを含有する、上記組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末冶金工業用の新規な金属粉末組成物に関する。本発明はとりわけ、合金元素等の添加物を鉄基粒子に結合させるための結合剤を含有する鉄基粉末組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
産業界において、鉄基粉末組成物を圧縮成形し焼結することによって製造された金属製品を使用することは、ますます広まっている。これらの金属製品の要求品質は絶え間なく高まっており、結果として、特性が改善された新規な粉末組成物が開発されている。焼結済み最終製品の最も重要な特性の1つは、密度及び寸法公差であり、それらはむらのないものでなければならない。最終製品の寸法変動はしばしば、圧縮成形される粉末混合物が不均質であることによって生じる。これらの問題は、粒度、密度及び形状が異なる粉末状成分を含有する粉末混合物に関連してとりわけ顕著であり、粉末組成物の運搬、貯蔵及び取り扱いを行う間に偏析(segregation)が生じる理由となる。この偏析は、該粉末組成物が不均質に構成されていることを意味し、このことはひいては、該粉末組成物で作られた部品が、異なって構成され、その結果として異なる特性を有することを意味する。更なる問題は、微粒子(とりわけ、黒鉛等のより低い密度の微粒子)が、粉末混合物を取り扱う間に粉化(dusting)を引き起こすことである。
【0003】
添加物の粒度が小さいことは更に、該粉末の流動性(即ち、自由流動性粉末(free−flowing powder)として挙動する、該粉末の能力)に関連する諸問題を作り出す。流動性が損なわれると、金型キャビティ(die cavity)を粉末で充填するための時間が増大する兆候が現れる。このことは、生産性がより低下すること、及び圧縮成形部品の密度が変動する危険性が増大することを意味する。このことによって、焼結工程の後、容認できない変形が引き起こされることがある。更に、金型から圧縮成形部品を取り出し、金型表面の損耗を最小限に抑え、且つ、引っ掻き傷(scratches)のない良好な表面仕上げを有する部品を得るためには、金型から該部品を取り出すのに必要な力が小さいことが非常に重要である。
【0004】
上述の諸問題を解決するに当り、粉末組成物に様々な結合剤と潤滑剤とを添加することによる様々な試みが行われてきた。結合剤の目的は、合金成分等の添加物の小さい粒度の粒子をベース金属粒子の表面に強く且つ効果的に結合させること、並びに、結果として偏析(segregation)及び粉化(dusting)の諸問題を軽減することである。潤滑剤の目的は、粉末組成物を圧縮する間、内部摩擦及び外部摩擦を減少させること、とりわけ、最終的に圧縮成形された生成物を金型から取り出すのに必要な力を減少させることである。
【0005】
様々な有機質結合剤が開発されている。例えば、米国特許第4,483,905号(エングストロム(Engstrom))、同第4,676,831号(エングストロム)、同第4,834,800号(セメル(Semel))、同第5,298,055号(セメル)、同第5,290,336号(ルック(Luk))、同第5,368,630号(ルック)明細書を参照されたい。米国特許第5,480,469号(エングストロム)明細書には、粉末冶金工業における結合剤の使用に関する概説が提供されている。
最近公開された特許公報、国際公開番号WO2005/061157号パンフレットには、ポリエチレンワックスとエチレンビスステアラミドとで作られた結合剤/潤滑剤の組合せが開示されている。圧縮のために使用される粉末組成物の中のポリエチレンワックスは、鉄粒子若しくは鉄基粒子の上の層又はコーティングとして存在し、合金要素粒子及びエチレンビスステアラミド粒子を鉄粒子又は鉄基粒子に結合させる。該組成物は脂肪酸及び流動化剤(flow agent)を更に含有することが好ましい。結合剤/潤滑剤の組合せであって、ポリエチレンワックス及びエチレンビスステアラミドを含有する該組合せを含有する粉末冶金用組成物のための、見かけ密度と流動性と結合特性と潤滑特性との優れた組合せは、ポリエチレンワックスの平均分子量が500〜750の間であるときに得られる。
【0006】
ポリエチレンワックスに代えて脂肪族アルコールを使用すれば、見かけ密度が著しく改善され且つ流動性も改善された鉄基組成物を得ることができることが、今回見出だされた。概して言えば、脂肪族アルコールが流動化剤と組み合わされれば、見かけ密度及び流動性に関して興味深い結果が提供されることが分かった。見かけ密度は、工具設計にとって不可欠である。見かけ密度が低い粉末はより高い充填高さを必要とし、このことは、より高いプレス成形用金型を使用する結果となり、無駄である。また、このことは、ひいては、より長い圧縮ストロークと取出しストロークと(compaction and ejection strokes)を生じる結果となる。前述のように、流動性は、生産性にとって重要である。結合剤及び流動化剤として脂肪族アルコールを含有する新規な粉末金属組成物が圧縮成形されるとき、得られる圧粉体は優れた重量安定性(即ち、一連の圧粉体の中での重量ばらつき(weight scatter)が低いこと)を有することが、意外にも見い出された。この特性は当然ながら、高性能製品を製造するのに最も重要である。
【0007】
特許文献には、米国特許第3,539,472号明細書に、潤滑剤に関連して脂肪族アルコールが記載されている。この米国特許明細書にはとりわけ、主としてアミド又はジアミドを含有する潤滑剤に少量の脂肪族アルコールを含有させることができることが教示されている。この米国特許明細書は、結合された混合物には関係していない。
また、日本国特許出願第04−294782号、公開番号06−145701号公報には、脂肪族アルコールを潤滑剤として使用し得ることが記載されている。とりわけ記載されているのは、C30アルコール、C50アルコール及びC60アルコールである。この特許出願明細書には更に、結合剤としてのより高級の脂肪族アルコールが記載されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、鉄粉又は鉄基粉末と、少なくとも1種類の合金化剤と、結合剤としての脂肪族アルコールとを含有する新規な冶金用粉末組成物に関する。十分に実施するために、該脂肪族アルコールは、直鎖状飽和C14〜C30脂肪族アルコール、枝分かれ飽和C14〜C30脂肪族アルコール、直鎖状不飽和C14〜C30脂肪族アルコール又は枝分かれ不飽和C14〜C30脂肪族アルコールであることが望ましく、好ましくは直鎖状飽和C14〜C30脂肪族アルコールであることが望ましい。新規な粉末組成物は、流動化剤を更に含有することが望ましい。本発明は、上記組成物の製造方法にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前記の粉末冶金用組成物は、鉄粉又は鉄基粉末を該粉末冶金用組成物の少なくとも80重量%の量で含有する。鉄基粉末は、水噴霧鉄粉、還元鉄粉、プレアロイ鉄基粉末(pre−alloyed iron−based powder:予合金鉄基粉)又は拡散合金鉄基粉末(diffusion alloyed iron−based powder)のような、いかなる種類の鉄基粉末であってもよい。そのような粉末は、例えば、鉄粉ASC100.29;Cu、Ni及びMoを含有する拡散合金鉄基粉末ディスタロイ(Distaloy)AB;Cr及びMoで予合金化された鉄基粉末アスタロイ(Astaloy)CrM及びアスタロイCrL;であり、全ては


から入手可能である。
鉄粉又は鉄基粉末の粒子は通常、約500μm以下の加重平均粒径(weight average particle size)を有している。それらの粒子は、より好ましくは約25〜150μmの範囲、最も好ましくは約40〜100μmの範囲の加重平均粒径を有している。
【0010】
前記の鉄粒子又は鉄基粒子に結合される合金元素の例は、黒鉛、Cu、Ni、Cr、Mn、Si、V、Mo、P、W、S及びNbから成る群から選ぶことができる。これらの添加物は通常、ベース鉄粉よりも小さい粒度を有する粉末であり、大抵の合金元素は、20μm未満の粒度を有する。粉末冶金用組成物中における合金元素の量は、具体的な合金元素と、焼結部品の所望の最終特性とによって決まる。その量は通常、20重量%以下である場合がある。存在し得る他の粉末状添加物は、硬質相材料、液相形成材料及び機械加工性改良剤である。
【0011】
合金元素及び/又は任意的な添加物を結合させるために使用される脂肪族アルコールは好ましくは、直鎖状飽和のものであって、14〜30個の炭素原子を含有する。なぜなら、それらの脂肪族アルコールは、合金元素及び/又は他の任意的な添加物を結合させるために使用される溶融結合技術(melt−bonding technique)にとって好都合な融点を有するからである。該脂肪族アルコールは、好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール(arachidyl alcohol)、ベヘニルアルコール(behenyl alcohol)及びリグノセリルアルコール(lignoceryl alcohol)から成る群から選ばれ、最も好ましくはステアリルアルコール、アラキジルアルコール及びベヘニルアルコールから成る群から選ばれる。使用される脂肪族アルコールの量は、冶金用組成物の0.05〜2重量%の間、好ましくは0.1〜1重量%の間、最も好ましくは0.1〜0.8重量%の間であってもよい。複数種類の脂肪族アルコールの組合せもまた、結合剤として使用することができる。
【0012】
新規な粉末組成物に十分な流動性を与えるために、流動化剤を添加する。そのような作用物質は、例えば、米国特許第3,357,818号及び米国特許第5,782,954号明細書によって既に知られている。それらの米国特許明細書には、金属、金属酸化物又は酸化ケイ素を流動化剤として使用し得ることが開示されている。
流動化剤としてカーボンブラックを使用するとき、とりわけ優れた結果が得られた。流動化剤としてカーボンブラックを使用することは、同時係属スウェーデン国出願0401778−6号明細書に開示されている。このスウェーデン国出願明細書は、言及されることによって本明細書に組み入れられる。カーボンブラックの量は0.001〜0.2重量%の間、好ましくは0.01〜0.1重量%の間であることが望ましいことが分かった。更に、カーボンブラックの一次粒度は、200nm未満であり、より好ましくは100nm未満であり、最も好ましくは50nm未満であることが望ましいことが分かった。好ましい具体例によると、それの比表面積は、BET法で測定して150〜1000m/gの間であることが望ましい。
【0013】
前記粉末の圧縮性(compressibility)を改善するために、また、未焼結部品の押出し(ejection)を容易にするために、有機質潤滑剤、又は異なる有機質潤滑剤の組合せを粉末冶金用組成物に添加することができる。該有機質潤滑剤は、遊離の微粒子粉末として存在する場合があるか、又は鉄基粉末の表面に結合させることができる。
結合剤として使用される脂肪族アルコールは潤滑性を有するが、更なる潤滑剤を使用することが好都合である場合がある。本発明の固体有機質潤滑剤の種類は、決定的に重要という訳ではない。しかし、金属−有機質の潤滑剤(metal organic lubricants)は(焼結工程の間に金属酸化物の残渣を生じて)不利であるため、該有機質潤滑剤は、金属成分を含有しないことが好ましい。ステアリン酸亜鉛は、通常に使用される潤滑剤であり、優れた流動性と高い見かけ密度とを提供する。しかし、焼結工程の間に亜鉛酸化物の残渣を生じることの他に、もう1つの欠点は、該材料が焼結部品の表面に汚れを生じることがあることである。したがって、該有機質潤滑剤は、潤滑性を有する様々な有機物質から選択することができる。そのような物質の例は、脂肪酸、ワックス、ポリマー、又は、それらの誘導体及び混合物である。好ましい潤滑剤は、ステアリン酸アミド(stearic amide)、アラキジン酸アミド(arachidic amide)及びベヘン酸アミド(behenic amide)のような第一級アミド;ステアリルステアリン酸アミド(stearylstearic amide)等の第二級アミド;並びに、エチレンビスステアラミド(ethylene bis−stearamide)等のビスアミドである。
【0014】
量に関し、脂肪族アルコールの量は、組み合わされた結合剤、流動化剤及び潤滑剤の10〜90重量%であることが望ましい。結合剤、流動化剤及び任意的に潤滑剤の全量は、粉末冶金用組成物の0.1重量%から2重量%まで変化する場合がある。
【0015】
本発明は、次の非限定的な諸実施例によって更に例示される。
【実施例1】
【0016】
表1に従って、様々な鉄基粉末冶金用組成物を調製した。鉄基粉末としては、スウェーデン国ヘガネス社から入手可能な水噴霧鉄粉ASC100.29を使用した。表1による結合剤、潤滑剤及び流動化剤の他に、全鉄基混合物の2重量%の、メイキンメタルパウダー社(Makin Metal Powder Ltd.)から入手可能な100メッシュの銅粉と、全鉄基混合物の0.8重量%の、


から入手可能な黒鉛であるUF4とを添加した。
エチレンビスステアラミド(EBS)は、クラリアント社(Clariant)(ドイツ国)からリコワックス(Licowax)(登録商標)として入手可能であり、二酸化ケイ素は、デグサ社(Degussa AG)(ドイツ国)からアエロジル(Aerosil)として入手可能であった。ベヘニルアルコール、ステアリルアルコールおよびセチルアルコールは、サソール・ドイツ社(Sasol Germany GmbH)から入手可能であり、カーボンブラックはデグサ社から入手可能であった。
【0017】
混合物A〜C、H及びIでは、炭素原子18個、20個及び22個の鎖長を有する工業銘柄の直鎖状飽和第一級アミド(例えば、ステアリン酸アミド(約40%)、アラキジン酸アミド(約40%)及びベヘン酸アミド(約20%)を含有する第一級アミド)から本質的に成る潤滑剤(以下、「C18〜C22第一級アミド」という)を全鉄基粉末混合物の0.6重量%使用した。混合物D〜Fのための潤滑剤としては、エチレンビスステアラミド(EBS)を0.6重量%、混合物Gのための潤滑剤としては、エチレンビスステアラミド(EBS)を0.8重量%使用した。混合物A〜E及びH〜Jでは、脂肪族アルコールを全鉄基粉末混合物の0.2重量%使用し(混合物Hでは、2種類の脂肪族アルコールを使用し)、また、混合物Fでは、655の分子量を有するポリエチレンワックス(polyethylene wax)(国際公開番号WO2005/061157号による結合剤)を全鉄基粉末混合物の0.2重量%使用した。
混合物A〜E及びH〜Jの諸成分は十分に混合し、混合工程の間、温度は結合剤の融点よりも高い温度に上昇させた。混合物A〜E及びH〜Jでは75℃に、混合物Fでは105℃に上昇させた。後続の冷却工程の間、混合物のより小さい粒子は、固化性結合剤(solidifying binder)によって、鉄基粉末のより大きい粒子の表面に結合させた。流動化剤を使用する場合、該流動化剤は、流動化剤混合物の冷却工程の間に結合剤が固化した後、添加した。混合物Gの諸成分は、該混合物Gが結合されないように、いかなる加熱をも行わないで混合した。
【0018】
【表1】

【0019】
ホール流動度(Hall flow rate)はISO4490に従って測定し、見かけ密度はISO3923に従って測定した。
【0020】
【表2】

【0021】
表2は、本発明による鉄基粉末組成物を使用した場合、優れた流動度が得られることに加えて、見かけ密度が実質的に増大することを示している。
圧縮成形した試料を金型から取り出すために必要な、包囲された面積(enveloped area)当りの全エネルギーだけでなく、包囲された面積当りの最大押出力(peak ejection force)をも記録することによって、混合物C、D、G、H、I及びJの潤滑性を更に測定した。諸部品は、外径55mm、内径45mm及び高さ15mmを有するリング状に形成した。加えた圧密圧力(compaction pressures)は、400、500、600及び800MPaであった。
【0022】
【表3】

【0023】
表3は、圧縮成形部品を製造するための潤滑剤/結合剤の組合せとして、セチルアルコール(炭素原子16個)若しくはベヘニルアルコール(炭素原子22個)を含有する組成物、又は、ステアリルアルコール(炭素原子18個)とベヘニルアルコールとの混合物;及び、アミド混合物(第一級脂肪酸アミド);を使用した場合、該部品を取り出すのに必要な全エネルギーは、実質的に減少することを示している。
【実施例2】
【0024】
混合物C、F及びGから部品を製造するときの重量安定性(weight stability)、即ち、製造工程の間のそれらの部品の重量のばらつき(scatter)を更に記録した。外径25mm、内径19mm及び高さ15mmのリング状部品は、600MPaの圧密圧力、及び、3つの異なる圧縮速度(compaction rates)(10、15及び20ストローク/分)での連続製造工程で圧縮成形した。各々の混合物から各々の製造速度で250個の部品を製造した(混合物Gについては、工具(tools)の不完全な充填に起因して、10ストローク/分より大きい製造速度を達成することはできなかった)。
【0025】
図1は、混合物C、F及びGに対する各々の圧縮速度で得られた重量安定性であって、それら部品の重量の標準偏差として表わされたものを示す。図1から分かるように、重量安定性の実質的改善は、国際公開番号WO2005/061157号による混合物(混合物F)から諸部品を製造した場合と比べて、また、一般に使用される潤滑剤であるエチレンビスステアラミドを含有する非結合予混合物から諸部品を製造した場合(混合物G)と比べて、本発明による混合物(混合物C)から諸部品を製造した場合に達成される。このことは、圧縮速度がより大きいときにとりわけ顕著である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による粉末冶金用組成物を使用した場合の様々な製造速度での重量のばらつきの差異を、従来の粉末冶金用組成物と比較して示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮成形部品を製造するための冶金用粉末組成物であって、
(a)鉄粉又は鉄基粉末を少なくとも約80重量%と、
(b)少なくとも1種類の合金粉末を約20重量%以下と、
(c)直鎖状飽和C14〜C30脂肪族アルコール、枝分かれ飽和C14〜C30脂肪族アルコール、直鎖状不飽和C14〜C30脂肪族アルコール又は枝分かれ不飽和C14〜C30脂肪族アルコールを含有する結合剤を約0.05〜約2重量%と、
(d)流動化剤を約0.001〜約0.2重量%と、
を含有する、上記粉末組成物。
【請求項2】
前記脂肪族アルコールは、直鎖状飽和のものである、請求項1に記載の粉末組成物。
【請求項3】
前記脂肪族アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール及びリグノセリルアルコールから成る群から選ばれている、請求項1に記載の粉末組成物。
【請求項4】
前記脂肪族アルコールは、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール及びベヘニルアルコールから成る群から選ばれている、請求項1に記載の粉末組成物。
【請求項5】
前記流動化剤は、カーボンブラック及び二酸化ケイ素から成る群から選ばれている、請求項1に記載の粉末組成物。
【請求項6】
前記流動化剤はカーボンブラックである、請求項1に記載の粉末組成物。
【請求項7】
前記カーボンブラックの粒度は、好ましくは200nm未満であり、より好ましくは100nm未満であり、最も好ましくは50nm未満である、請求項6に記載の粉末組成物。
【請求項8】
無金属有機質の粉状潤滑剤を更に含有している、請求項1に記載の粉末組成物。
【請求項9】
前記無金属有機質の粉状潤滑剤が、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド、ベヘン酸アミド、ステアリルステアリン酸アミド及びエチレンビスステアラミドから成る群から選ばれている、請求項8に記載の粉末組成物。
【請求項10】
前記無金属有機質の粉状潤滑剤がベヘン酸アミドである、請求項8に記載の粉末組成物。
【請求項11】
圧縮成形部品を製造するための冶金用粉末組成物の製造方法であって、
次の諸成分:鉄粉又は鉄基粉末を少なくとも80重量%、少なくとも1種類の合金粉末を20重量%以下、C14〜C30脂肪族アルコールを含有する結合剤を0.05〜2重量%、及び、流動化剤を0.001〜0.2重量%を提供する工程と、
前記結合剤の融点より高い温度で前記諸成分を混合する工程と、
その混合物を冷却する工程と
を含む、上記方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−522447(P2009−522447A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548460(P2008−548460)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【国際出願番号】PCT/SE2006/001443
【国際公開番号】WO2007/078232
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(595054486)ホガナス アクチボラゲット (66)
【Fターム(参考)】