説明

冷却媒体循環供給システム及び冷却対象機器の冷却方法

【課題】BOG圧縮機等の冷却対象機器を冷却するための冷却水循環システムが稼動停止に陥った場合に備えて、工業用水供給システムから供給される工業用水によって臨時的に冷却対象機器を冷却するバックアップシステムを構築する際に、非常事態発生時にのみ工業用水(冷却媒体)を供給可能なバックアップシステムを提供する。
【解決手段】冷却水循環システムの稼働停止時に冷却対象物2に対して冷却水循環システム1の一部を利用して工業用水を供給する工業用水供給システム30と、を備えた冷却媒体循環供給システムにおいて、冷却水供給管の適所に配置された工業用水受入れ用の取水管6及び取水管の開閉弁7と、冷却水回帰管の適所に配置された工業用水排水用の排水管11、及び排水管の開閉弁12と、工業用水供給システムを構成する工業用水配管と取水管との間を着脱自在に接続する臨時接続管35と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLNGを利用した発電所、工場、その他、LNGタンクを備えた施設に付設されるBOG圧縮機等の冷却対象機器を冷却するための冷却媒体循環供給システムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
液化天然ガス(LNG)を燃料として用いる発電所、工場、その他、LNG貯蔵用のLNGタンクを備えた施設には、BOG圧縮機が装備される。BOG圧縮機は、LNGタンク内のLNGから自然に気化したボイルオフガス(BOG)を取り出して昇圧させてから燃焼器等の次工程に送出すための機器であり、LNGタンク内のガス圧力を一定に保持する役割を有している(特許文献1、2)。
BOG圧縮機はLNGを昇圧する際に発熱するため、その発熱部位を常に一定の許容温度以下に冷却することにより安定した稼動と安全性を確保する必要がある。このため、図4の冷却水系統図に示すように、BOG圧縮機101に対して冷却水を循環供給するための冷却水循環システム100が設けられる。
この冷却水循環システム100は、冷却水をBOG圧縮機101に供給するための冷却水供給管102と、BOG圧縮機100を冷却した後の冷却水を回帰させる冷却水回帰管103と、冷却水回帰管103を経由して回帰してきた冷却水を冷却してから冷却水供給管102に循環供給する冷却装置105と、ポンプ106と、を備えている。冷却水としては、pH値等を調整するために薬品を添加されたものが使用される。
【0003】
冷却水循環システム100の故障時、例えば冷却装置105の稼動停止等によってBOG圧縮機101に対する冷却水の供給ができなくなった場合にはBOG圧縮機の焼き付きによる稼動停止等、LNGタンクの保安上の問題が発生するため、冷却水供給管102の適所と、冷却水供給管から離隔した場所に配置された工業用水(工水)配管(工業用水システム)110との間を常時接続するバックアップ用の取水配管115が設けられている。この取水配管115には電磁弁116、117が設けられており、冷却水循環システムが稼動し得なくなった非常時にのみ電磁弁107、108が閉止し、電磁弁116、117を開放し、取水配管115を経由して工業用水を冷却水供給管102へ供給してBOG圧縮機101を冷却するように構成されている。なお、BOG圧縮機を冷却した後の工業用水は、冷却水回帰管103の適所に接続された排水管104から外部(排水溝等)へ排水される。
【0004】
しかし、冷却水循環システムが稼動停止に陥る事態は頻繁には発生しないにも拘わらず、工業用水供給システムとの間にバックアップ用の取水配管115や電磁弁107、108、116、117を常設していたため、取水配管等のための資材コスト、及び管理コストが増大したり、設置スペースを常時確保しておく必要性が発生するという問題があった。
また、取水配管115に設けた電磁弁116は、種々の理由、例えばゴミ等が挟まることにより取水配管を完全に閉止することができないことがある。このような場合に、冷却水供給管102と工業用水配管110との間に配管等が常時配設された状態にあると、工業用水配管110から冷却水供給管102への工業用水の漏れ出しや、冷却水供給管102からの冷却水の流出が発生する虞がある。
なお、このような問題はBOG圧縮機用の冷却水循環システムに限らず、LNG発電所の各所に設置されるエアー駆動の開閉弁を制御する制御用空気圧縮機を冷却するための冷却水循環システムにおいても同様に発生している。
【特許文献1】特開平11−351498号公報
【特許文献2】特開2000−213697公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のようにLNGタンクを備えた発電所、工場等においては、稼動中におけるBOG圧縮機、その他の機器の昇温を防止するために冷却水循環システムを備え、しかも冷却水循環システムが稼動停止に陥った場合に備えて工業用水供給システム(工業用水配管)との間に取水配管、電磁弁が常時配設された状態にある。しかし、冷却水循環システムの稼動停止といった非常事態は極めて希にしか発生しないため、工業用水供給システムとの間に配管、電磁弁を常設しておくと、コストアップ、設置スペースの無駄、といった問題が発生することとなる。また、冷却水循環システムと工業用水供給システムとの間を取水配管によって常時接続しておくと、取水配管に配置した電磁弁の締まりが不十分な場合に工業用水、或いは冷却水の漏れ出しが発生するという問題もある。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、LNGタンクを備えた発電所、工場等の施設において、BOG圧縮機等の冷却対象機器を冷却するための冷却水循環システムが稼動停止に陥った場合に備えて、工業用水供給システムから供給される工業用水によって臨時的に冷却対象機器を冷却するバックアップシステムを構築する際に、冷却水循環システムを構成する管体に工業用水を供給するための取水配管を常設することによるコスト増、設置スペースの増大といった不具合を招くことなく、非常事態発生時にのみ工業用水(冷却媒体)を供給可能なバックアップ体勢を構築することができる冷却媒体循環供給システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る冷却媒体循環供給システムは、冷却対象機器に対して冷却水を供給するための冷却水供給管と、前記冷却対象機器を冷却した後の冷却水を回帰させる冷却水回帰管と、該冷却水回帰管から回帰してきた冷却水を冷却してから前記冷却水供給管に循環供給する冷却装置と、を備えた冷却水循環システムと、前記冷却水循環システムの稼働停止時に前記冷却対象物に対して前記冷却水循環システムの一部を利用して工業用水を供給する工業用水供給システムと、を備えた冷却媒体循環供給システムにおいて、前記冷却水供給管の適所に配置された工業用水受入れ用の取水管及び該取水管の開閉弁と、前記冷却水回帰管の適所に配置された工業用水排水用の排水管、及び該排水管の開閉弁と、前記工業用水供給システムを構成する工業用水配管と前記取水管との間を着脱自在に接続する臨時接続管と、を備えたことを特徴とする。
常設されることにより冷却対象機器を常時冷却する冷却水循環システムが正常に機能し得なくなった非常時に、工業用水を利用して対象機器を冷却する対策が従来から採られている。しかし、従来は発生頻度の低い非常事態に備えた配管設備を常設していたため、コスト、設置スペースという点で問題があった。本発明では、必要時にのみ遅滞なく接続することが可能な臨時接続管を利用することにより、従来の不具合を一挙に解決することができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1において、前記冷却対象機器は、LNGタンクに付設されるBOG圧縮機であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記臨時接続管は、消火栓用のホースであることを特徴とする。
臨時接続管としては可撓性を有したホース等を使用することにより任意の最適な配管経路を選定することが可能となる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか一項において、前記冷却対象機器とは別に予備用冷却対象機器を備え、冷却水循環システムとは別に予備用冷却水循環システムを、備え、前記冷却水循環システムと前記予備用冷却水循環システムは、前記冷却装置を共用することを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明に係る冷却対象機器の冷却方法は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の冷却媒体循環供給システムを用いた工業用水による冷却対象機器の冷却方法であって、前記臨時接続管により前記工業用水配管と前記取水管との間を接続した状態で、前記工業用水受入れ用の取水管の開閉弁と、工業用水排水用の排水管の開閉弁とを共に開放することによって、前記冷却対象機器を工業用水により冷却開始することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5において、前記冷却対象機器の稼動を停止するステップと、前記予備用冷却対象機器を起動するステップと、前記工業用水受入れ用の取水管の開閉弁と、工業用水排水用の排水管の開閉弁とを共に閉止するステップと、前記予備用冷却水循環システムを経由して前記予備用冷却対象機器に冷却水を供給開始するステップと、前記冷却対象機器に対する冷却媒体の供給を停止するステップと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
LNGタンクを備えた発電所等の設備においては、LNGタンク内のBOG圧力を一定に保つためにBOG圧縮機が装備されている。BOG圧縮機が発熱によって稼動停止に陥ることがないように冷却水循環システムによって冷却するように構成されている。
冷却水循環システムが不調に陥った場合には保安上の必要から離隔した箇所にある工業用水を冷却水の代用としてBOG圧縮機に供給するように配管、電磁弁、インターロックを構成している。しかし、非常用のためだけの配管を常設することによるコスト増、設置スペースの増大という問題が生じていた。
本発明は、非常事態発生時にのみ工業用水(冷却媒体)を供給可能なバックアップ体勢を構築するようにしたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る冷却媒体循環供給システムの概略構成図である。
この冷却水循環システム1は、例えばLNG発電所に設置されたLNGタンクに付設されるBOG圧縮機(冷却対象機器)2に対して冷却水(冷却媒体)を循環供給して冷却を行うものである。
冷却水循環システム1は、BOG圧縮機2に対して冷却水を供給するための冷却水供給管5と、BOG圧縮機2を冷却した後の冷却水を回帰させる冷却水回帰管10と、冷却水回帰管10を経由して回帰してきた冷却水を冷却してから冷却水供給管5に循環供給する冷却装置15と、ポンプ16と、を備えている。冷却水としては、pH値等を調整するために薬品を添加されたものが使用される。
冷却水供給管5の適所には冷却水供給管を開閉する開閉弁8、及びストレーナ8a、電磁弁9等が配置され、冷却水回帰管10の適所には冷却水回帰管を開閉する開閉弁13が配置されている。
【0012】
冷却水循環システム1の故障時、例えば冷却装置15、或いはポンプ16の稼動停止等によってBOG圧縮機2に対する冷却水の供給ができなくなった場合には、BOG圧縮機の焼き付きによる稼動停止によって図示しないLNGタンク側に保安上の問題が発生するため、本発明では、冷却水供給管5の適所と、冷却水循環システム1から離隔した場所に配置された工業用水(工水)配管31(工業用水供給システム30)との間を臨時接続管35によって一時的に接続することにより冷却媒体としての工業用水をBOG圧縮機に供給してこれを冷却する。工業用水配管31を含む工業用水供給システム30は、冷却水循環システム1をバックアップするための専用手段ではなく、他の設備に工業用水を供給するための常設の供給手段である。従って、工業用水は冷却水のようにpH値を調整されていない。
【0013】
本発明に係る冷却媒体循環供給システムの特徴的な構成は、冷却水供給管5の適所(開閉弁8、及びストレーナ8aの下流側)に工業用水受入れ用の取水管6及び取水管の開閉弁7を配置し、冷却水回帰管10の適所(開閉弁13の上流側)に工業用水排水用の排水管11、及び排水管の開閉弁12を配置した構成と、更に冷却水循環システム1から離隔した位置に設置された工業用水配管31と、取水管6に対して着脱自在に接続される臨時接続管35と、を備えた構成にある。
臨時接続管35としては、例えば折り畳み自在な消火栓用のホースを使用し、消火栓用ホースの両端に設けた接続部と、取水管6及び工業用水配管31に夫々設けた接続部とを人手によって着脱自在に連結させるように構成する。この例では、工業用水配管31の適所に送出管32、及び開閉弁33を設け、この送出管32に対して臨時接続管35の一端を着脱可能に接続している。臨時接続管35は、常時においては保管に適した場所に収容された状態にあり、非常時にのみ収容場所から取り出されて取水管6と工業用水配管31との間を接続する用途に供される。
【0014】
冷却水循環システム1が稼動し得なくなった非常時にのみ臨時接続管35を取水管6と送出管32に接続した上で、各開閉弁8、13を閉止状態とし、開閉弁7、12を開放することにより、臨時接続管35を経由して工業用水を冷却水供給管5へ供給してBOG圧縮機2を冷却するように構成されている。なお、BOG圧縮機を冷却した後の工業用水は、冷却水回帰管10に接続された排水管11から外部(排水溝等)へ排水される。
臨時接続管35は、常時においては冷却水循環システム1と工業用水供給システム30との間を接続しておらず、非常時にのみ両システム間を接続するので、常時において工業用水が冷却水循環システム側へ漏れ出したり、その逆に冷却水が工業用水供給システム側へ流出することがなくなる。特に、電磁弁が常設されないため、電磁弁の閉止不良に起因した漏水が発生することがなくなる。
【0015】
なお、符号2Aは予備用BOG圧縮機であり、この予備用BOG圧縮機2Aには予備用冷却水循環システム1Aが付設されている。予備用冷却水循環システム1Aは、予備用BOG圧縮機2Aに対して冷却水を供給するための予備用冷却水供給管5Aと、予備用BOG圧縮機2Aを冷却した後の冷却水を回帰させる予備用冷却水回帰管10Aと、予備用冷却水回帰管10A、予備用BOG圧縮機2Aを経由して回帰してきた冷却水を冷却してから予備用冷却水供給管5Aに循環供給するために共通使用される冷却装置15、及びポンプ16と、を備えている。予備用冷却水供給管5Aの適所には予備用冷却水供給管を開閉する予備用開閉弁8Aと、ストレーナ8a`が配置され、予備用冷却水回帰管10Aの適所には予備用冷却水回帰管を開閉する予備用開閉弁13Aが配置されている。
この予備用BOG圧縮機2A及び予備用冷却水循環システム1Aは、BOG圧縮機2、及び冷却水循環システム1をメンテナンスのために停止させる場合に稼動させるために常設されている。
【0016】
次に、図2は冷却水循環システムが稼動を停止した場合等の非常時における工業用水の供給操作手順を示すフローチャートである。
冷却水循環システムの稼働停止等が発生した場合には、冷却対象機器としてのBOG圧縮機2を運転停止させる(ステップ1)。
次いで、冷却水入口元弁(開閉弁8)を全閉すると共に、冷却水出口弁(開閉弁13)を全閉する(ステップ2)。
ステップ3では、工業用水バックアップ入口弁(開閉弁33)を備えた送出管32と、冷却水バックアップ入口弁(開閉弁7)を備えた取水管6との間を、消火栓ホース(臨時接続管35)により接続し、ステップ4では冷却水バックアップ出口弁12を備えた排水管11に消火栓ホースを接続してその排出端を排水溝に固定する。
ステップ5では冷却水入口弁9を全開ロック状態とし、ステップ6では工業用水バックアップ入口弁33と冷却水バックアップ出口弁12を共に全開状態にする。
ステップ7では、必要に応じて冷却水バックアップ入口弁7の開放状態を調整して必要工業用水量を確保する。
ステップ8では、BOG圧縮機2を起動する。
【0017】
次に、図3はBOG圧縮機を復旧させるための操作手順を示すフローチャートであり、図2に示した手順によって工業用水の供給が開始された後で、冷却水循環システムが復旧した段階で行われる復旧手順を示している。
ステップ11では、BOG圧縮機2を停止させた上で、予備用BOG圧縮機2Aを起動することによりLNGタンクから取り出したBOGの圧縮を開始する。
ステップ12では、工業用水バックアップ入口弁33を全閉し、ステップ13では冷却水バックアップ入口弁7、及び出口弁12を共に全閉する。これにより工業用水は冷却水循環システム側に供給されることがなくなり、また工業用水が排水溝に排出されることもなくなる。
【0018】
次いで、ステップ14では冷却水元入口弁8、及び出口弁13を全開する。これにより、冷却水供給管5を経由して冷却水がBOG圧縮機2に供給され、冷却水回帰管10を経由して冷却水が冷却装置15に回帰する循環サイクルが実施されることとなる。これ以降は、BOG圧縮機2を予備用として待機状態とする。
なお、ステップ15においては冷却水入口弁9を全閉する。この冷却水入口弁9は、対応するBOG圧縮機2の起動によって自動的に開放し、当該圧縮機の停止後所定時間(例えば、5分)で自動的に閉止する機能を備えている。
このようにして復旧のための操作が終了した後は、臨時接続管35を取り外して保管する。
【0019】
以上のように本発明によれば、非常事態発生時にのみ工業用水(冷却媒体)を供給可能なバックアップ体勢を構築するようにしたので、非常用のためだけの配管を常設することによるコスト増、設置スペースの増大という問題を招来することなく、冷却水循環システムが不調に陥った場合に、離隔した箇所にある工業用水を冷却水の代用としてBOG圧縮機に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る冷却媒体循環供給システムの概略構成図。
【図2】冷却水循環システムが稼動を停止した場合等の非常時における工業用水の供給操作手順を示すフローチャート。
【図3】BOG圧縮機を復旧させるための操作手順を示すフローチャート。
【図4】従来例の説明図。
【符号の説明】
【0021】
1…冷却水循環システム、1A…予備用冷却水循環システム、2…BOG圧縮機、2A…予備用BOG圧縮機、5…冷却水供給管、5A…予備用冷却水供給管、6…取水管、7、8…開閉弁、8A…予備用開閉弁、12…開閉弁、10…冷却水回帰管、10A…予備用冷却水回帰管、11…排水管、12…開閉弁、13…開閉弁、13A…予備用開閉弁、15…冷却装置、16…ポンプ、30…工業用水供給システム、31…工業用水配管、32…送出管、33…開閉弁、35…臨時接続管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却対象機器に対して冷却水を供給するための冷却水供給管と、前記冷却対象機器を冷却した後の冷却水を回帰させる冷却水回帰管と、該冷却水回帰管から回帰してきた冷却水を冷却してから前記冷却水供給管に循環供給する冷却装置と、を備えた冷却水循環システムと、前記冷却水循環システムの稼働停止時に前記冷却対象物に対して前記冷却水循環システムの一部を利用して工業用水を供給する工業用水供給システムと、を備えた冷却媒体循環供給システムにおいて、
前記冷却水供給管の適所に配置された工業用水受入れ用の取水管及び該取水管の開閉弁と、
前記冷却水回帰管の適所に配置された工業用水排水用の排水管、及び該排水管の開閉弁と、
前記工業用水供給システムを構成する工業用水配管と前記取水管との間を着脱自在に接続する臨時接続管と、
を備えたことを特徴とする冷却媒体循環供給システム。
【請求項2】
前記冷却対象機器は、LNGタンクに付設されるBOG圧縮機であることを特徴とする請求項1に記載の冷却媒体循環供給システム。
【請求項3】
前記臨時接続管は、消火栓用のホースであることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却媒体循環供給システム。
【請求項4】
前記冷却対象機器とは別に予備用冷却対象機器を備え、
前記冷却水循環システムとは別に予備用冷却水循環システムを、備え、
前記冷却水循環システムと前記予備用冷却水循環システムは、前記冷却装置を共用することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の冷却媒体循環供給システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の冷却媒体循環供給システムを用いた工業用水による冷却対象機器の冷却方法であって、
前記臨時接続管により前記工業用水配管と前記取水管との間を接続した状態で、前記工業用水受入れ用の取水管の開閉弁と、工業用水排水用の排水管の開閉弁とを共に開放することによって、前記冷却対象機器を工業用水により冷却開始することを特徴とする冷却対象機器の冷却方法。
【請求項6】
前記冷却対象機器の稼動を停止するステップと、
前記予備用冷却対象機器を起動するステップと、
前記工業用水受入れ用の取水管の開閉弁と、工業用水排水用の排水管の開閉弁とを共に閉止するステップと、
前記予備用冷却水循環システムを経由して前記予備用冷却対象機器に冷却水を供給開始するステップと、
前記冷却対象機器に対する冷却媒体の供給を停止するステップと、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の冷却対象機器の冷却方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−175167(P2008−175167A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−10393(P2007−10393)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】