説明

冷却空気供給設備

【課題】霜が蒸発器の表面に付着しにくく、また霜が付着しても蒸発器の冷却性能が低下せずに長時間連続して0℃以下まで空気を冷却可能な冷却空気供給設備を提供する。
【解決手段】冷凍サイクルシステム10を構成する冷凍機の蒸発器として機能する熱交換器2に空気流を供給し、該熱交換器2で空気を冷却する冷却空気供給設備において、前記空気流の流れに沿って、前記熱交換器で構成される熱交換ブロックを少なくとも2つ以上設け、上流側から少なくとも1つ以上の熱交換ブロックの出口空気温度が0℃より高くなり、下流側から少なくとも1つ以上の熱交換ブロックの出口空気温度が0℃以下となるように蒸発冷媒量を調整し、空気流の出口温度が0℃より高くなる第1の冷却ブロック21と、空気流の出口温度が0℃以下となる第2の冷却ブロック22の間に、上流側熱交換ブロック内で発生する凝縮水の下流側熱交換ブロックへの移動を防ぐ隙間24を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐機中の航空機等へ冷却空気を送気する冷却空気供給設備に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機が駐機場など地上にいるとき、航空機のキャビンや航空機内部に搭載された機器を冷却する必要があり、このような航空機の内部の冷却には従来より冷却空気が用いられている。特に近年の航空機の運用状況では、駐機して乗客を降ろしてから次の乗客を乗せるまでの時間を短縮し、航空機の運用効率を高めることが求められていることから、低温の冷却空気を供給することが必要となる。特に夏場においては、冷却空気を航空機へ供給ホースを用いて供給する場合、前記供給ホースが置かれる駐機場の地面付近の温度は70℃程度まで上昇することもあり、機内に適切な温度の冷却空気を送風するためには冷却空気温度を−2〜−4℃程度まで冷却する必要がある。
【0003】
冷却空気を得るための方法として、送風機で送られた外気(空気)を冷水熱交換器により直接冷水コイルの外側を通して冷風として供給する方法をあげることができ、例えば特許文献1には、送風機によって送られる外気を送風機と冷水熱交換器の間に挿入されたヒートパイプによって冷却して、送風機によって生じた圧縮熱を除去してから冷水熱交換器で冷水と熱交換することで、冷水熱交換器の冷却負荷を軽減する装置が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された方法は、外気(空気)を冷水と熱交換するため、水の凝固点(0℃)以下に空気を冷却することができず、要求される冷却空気温度(−2〜−4℃)を満たすことができない。
【0005】
そのため0℃以下まで冷却した冷却空気を得るための方法として、冷媒ガスをコンプレッサで断熱圧縮し、高温高圧となった冷媒ガスをコンデンサで冷却して液化し、膨張弁で断熱膨張させ低温の気液混合状態とし、その液相部の蒸発器での気化潜熱を冷却源とする冷凍サイクルによって送風機で送られた外気(空気)を冷却して冷風を供給する方法をあげることができ、例えば特許文献2に開示されている。さらに、特許文献3には、送風機の前後にプレクーラとアフタークーラを直列に配置し、予備冷却と本冷却によって導入した空気を冷却することで効率よく空気を冷却することのできる装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平3−291430号公報
【特許文献2】実開平1−75769号公報
【特許文献3】特開2004−232979号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献2及び特許文献3に開示された方法は何れも、0℃以下まで空気を冷却すると、空気中の水分が蒸発及び昇華して、蒸発器の表面に霜の状態で付着する。この霜の堆積により、被冷却空気が流れにくくなり、冷却能力が低下するという問題が発生するため、除霜する必要がある。
除霜には例えば従来よりホットガスによる除霜や、電熱や温水スプレーによる除霜が用いられているが、前記何れの除霜方法も冷却能力を低下させないためには3時間に1度程度の除霜を行う必要があり、長時間の連続運転が困難である。さらに1回の除霜に1時間程度の時間を要するため、冷却空気供給装置の稼働率が低いという問題がある。
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、従来よりも霜が蒸発器の表面に付着しにくく、さらに霜が付着した場合においても蒸発器の冷却性能を低下させずに運転できるため、長時間連続して0℃以下まで空気を冷却することのできる冷却空気供給設備を供給することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明における冷却空気供給設備は、冷媒が圧縮機から吐出され凝縮器と膨張弁と蒸発器を経て前記圧縮機に戻る冷凍サイクルシステムを構成する冷凍機の蒸発器として機能する熱交換器に空気流を供給し、該熱交換器で熱交換して空気を冷却する冷却空気供給設備において、前記空気流の流れに沿って、前記熱交換器で構成される熱交換ブロックを少なくとも2つ以上設け、上流側から少なくとも1つ以上の熱交換ブロックの出口空気温度が0℃より高くなり、下流側から少なくとも1つ以上の熱交換ブロックの出口空気温度が0℃以下となるように蒸発冷媒量を調整し、空気流の出口温度が0℃より高くなる上流側熱交換ブロックと、空気流の出口温度が0℃以下となる下流側熱交換ブロックの間に、上流側熱交換ブロック内で発生する凝縮水の下流側熱交換ブロックへの移動を防ぐ隙間を設けたことを特徴とする。
このことにより、空気を冷却することによって発生する凝縮水を前記隙間によって排除することができるため、凝縮水の下流への流入を防いでいる。また、出口部の空気温度が0℃より高い熱交換ブロックと、出口部の空気温度が0℃以下である熱交換ブロックを設けることで、空気温度を0℃以下に冷却する熱交換ブロックでの冷却温度幅を小さくすることができるため、最下流の熱交換ブロックでは霜ができにくくなる。出口部の空気温度を0℃以下まで冷却する熱交換ブロックでの冷却温度幅は小さいほどこの効果は高いため、出口空気温度が0℃より高くなる熱交換ブロック出口部の空気温度は0℃より高く且つできる限り低い温度にすることが好ましい。
【0009】
さらに、前記熱交換ブロックを構成する熱交換器をそれぞれフィン型熱交換器で構成し、前記出口空気温度が0℃以下である下流側熱交換ブロックを構成する熱交換器のフィンピッチを前記出口空気温度が0℃より高い上流側熱交換器のフィンピッチよりも広くすることを特徴とする。このことで、即ち霜の付着する0℃以下まで空気を冷却するブロックでは、霜が付着した場合においても、霜によってピッチ間が目詰まりして空気の流れを阻害することを防ぐことができ、冷気供給設備の長時間連続運転が可能となる。
【0010】
前記空気流を加圧押し込み型送風機で供給するとともに、前記空気流の出口温度が0℃より高くなる上流側熱交換ブロックと、空気流の出口温度が0℃以下となる下流側熱交換ブロックの間に設けた隙間下方の床面にドレン排出口を設けて前記凝縮水を排出することを特徴とする。空気流を加圧押し込み型送風機で供給することで、熱交換器内は静圧の状態となる。そのため、前記隙間下方の床面にドレン排出口を設けると、凝縮水が排出されやすくなる。
【0011】
前記最下流の熱交換ブロックの下流側出口部に水平な床面と該床面より下流側に上昇する傾斜面を設け、該傾斜面に冷却空気供給ダクトを設けるとともに、該床面に空気逃がしダクトを設け、これらのダクトを交互に開閉可能なダンパを設けて該冷却空気供給ダクトを閉じた時に該空気逃がしダクトを開けて冷却空気を逃がすように構成したことを特徴とする。
冷却設備稼働時は冷却空気供給ダクトに取り付けたダンパを開とし、逃がしダクト取り付けたダンパを閉としており、冷却設備稼動停止後直ちに冷却空気供給ダクトに取り付けたダンパを閉とし、逃がしダクトに取り付けたダンパを開とすると、設備稼働停止後、逃がしダクトから例えば送風機等の空気流を供給する手段の惰性運転による送風を逃がしながら、冷却空気供給ダクト先端から冷却空気供給先へと繋いだホース等を片付けて作業を迅速化することができる。
【0012】
また、前記冷凍サイクルを構成する冷凍機と、前記空気流を供給する手段を一つの車体内に収め、該車体と連結した運転席によって移動可能とし、前記車体を駐機航空機の近くに駐車し、前記最下流の熱交換ブロックの下流側と駐機航空機間をホースで接続し、前記最下流の熱交換ブロックの下流側と駐機航空機間を接続したホースを通じて冷却空気を駐機航空機に供給して駐機航空機内部を冷却することを特徴とする。
このことで、冷却空気供給設備を自由な場所に移動させることができるため、航空機の駐機場所に係わらず、冷却空気を用いることができる。
【0013】
また、前記各熱交換ブロックに供給する冷媒は、それぞれ独立して冷凍サイクルを構成する冷凍機の冷媒を供給し、各熱ブロック毎の蒸発冷媒量をそれぞれ独自に設定してもよく、前記冷凍サイクルシステムの凝縮器下流で冷媒通路を分岐し、各分岐ラインに膨張弁及び前記熱交換ブロックを開設するとともに、該熱交換ブロック下流側で該分岐冷媒通路を合流させ、前記膨張弁により各熱交換ブロックに流入する蒸発冷媒量を調整することによって、熱交換ブロックの個数よりも冷凍サイクルを構成する冷凍機の個数を少なくしてもよい。このような冷凍サイクルの構成は、既存設備の能力、装置製造コスト等の状況に応じてどちらの構成としてもよい。
また、蒸発圧力を一定値に保つため、前記熱交換ブロックの下流側分岐ラインの少なくとも一箇所に蒸発圧力調整弁を設けるとさらに好ましい。
【発明の効果】
【0014】
以上記載のごとく本発明によれば、熱交換器で構成される熱交換ブロックを少なくとも2つ以上設けて、上流側から少なくとも1つ以上の熱交換ブロックの出口空気温度が0℃より高くなり、下流側から少なくとも1つ以上の熱交換ブロックの出口空気温度が0℃以下となるように蒸発冷媒量を調整し、空気流の出口温度が0℃より高くなる上流側熱交換ブロックと、空気流の出口温度が0℃以下となる下流側熱交換ブロックの間に、上流側熱交換ブロック内で発生する凝縮水の下流側熱交換ブロックへの移動を防ぐ隙間を設けることで、上流からの凝縮水の流入を防いでいるため、出口温度が0℃以下となる熱交換ブロックでの霜の発生を最小限に抑えることができる。
さらに、前記熱交換ブロックを構成する熱交換器をそれぞれフィン型熱交換器で構成し、前記出口空気温度が0℃以下である下流側熱交換ブロックを構成する熱交換器のフィンピッチを前記出口空気温度が0℃より高い上流側熱交換器のフィンピッチよりも広くすることを特徴とする。このことで、即ち霜の付着する0℃以下まで空気を冷却するブロックでは、霜が付着した場合においても、霜によってピッチ間が目詰まりして空気の流れを阻害することを防ぐことができ、冷気供給設備の長時間連続運転が可能となる。
【0015】
従って、本発明によって、従来よりも霜が蒸発器の表面に付着しにくく、さらに霜が付着した場合においても蒸発器の冷却性能が低下せずに運転ができるため、長時間連続して0℃以下まで空気を冷却することのできる冷却空気供給設備を供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【実施例1】
【0017】
図1は、実施例1に係る冷気供給設備の概略構成図である。まず、図1により本実施例の冷却空気供給設備の構成について説明する。本実施例の冷却空気供給設備は、冷凍サイクル10と、冷凍サイクル10の蒸発器として機能し空気を冷却して冷却空気とする熱交換器2と、前記熱交換器に空気を供給し、前記熱交換器2によって冷却された冷却空気を駐機航空機などに送る送風機1から構成される。
【0018】
また、前記冷凍サイクル10は、圧縮機11と、コンデンサ12と、膨張弁14及び15と、蒸発器として機能する熱交換器2と、これらを繋ぐ冷媒配管から構成されている。本実施例では用いなかったが、前記圧縮機11の下流且つコンデンサ12の上流にオイルを分離するオイルセパレーターを設けたり、前記コンデンサ12の下流且つ膨張弁14及び15の上流にコンデンサで凝縮した冷媒を貯留するとともに液相冷媒と気相冷媒とを分離するレシーバータンクを設けてもよい。
【0019】
一方、送風機1によって取り込まれた空気(外気)は、熱交換器2に導入されて前記冷凍サイクル10の冷媒の気化潜熱によって冷却された後、冷却空気として、出口部3に設けた供給空気ダクト31より冷却空気として供給されるように構成されている。
このとき、前記送風機1によって取り込まれた空気の流れ方向に対して、前記冷凍サイクル10中の冷媒の流れがカウンターフローとなるように流通している。このことで、冷媒と冷却用空気との温度差が空気通路入口側では大きくなり、出口側では小さくなって全体として高い熱交換効率が得られなくなることを防ぎ、空気通路全体にわたって冷却用空気と冷媒との温度差を充分に確保し、高い熱交換効率を得ることができる。
また、出口部3は水平面よりかけ上がり傾斜構造としており、その傾斜面に供給空気ダクト31、水平面に逃がしダクト32を取り付けてある。設備稼働時は供給空気ダクト31に取り付けた図示しないダンパを開とし、逃がしダクト32に取り付けた図示しないダンパを閉としており、設備稼動停止後直ちに供給空気ダクト31に取り付けたダンパを閉とし、逃がしダクトに取り付けたダンパを開とする。このようにして、設備稼働停止後、逃がしダクト32から送風機1の惰性運転による送風を逃がしながら、供給空気ダクト31先端から冷却空気供給先へと繋いだホース等を片付けて作業を迅速化している。
【0020】
前記冷凍サイクル10の蒸発器として機能し、送風機1によって取り込まれた空気を冷却する熱交換器2は、前記送風機1によって取り込まれた空気の流れの上流側から順に、第1の冷却ブロック21と第2の冷却ブロック22を1つのケーシング内に設けたものであり、前記第1の冷却ブロック21及び第2の冷却ブロック22の間には隙間24が設けられている。さらに、前記隙間24下方の床面にはドレン口を設け、該ドレン口にドレン管25を接続している。
送風機1は、押し込み型送風機とすると、熱交換器2内部が静圧となり、前記ドレン管よりドレンを排出しやすくなるため好ましい。
また、前記第1の冷却ブロック21及び第2の冷却ブロック22は何れもフィンチューブ型の熱交換器であり、図2に示したように、空気流と略平行であり、所定の間隔(以下ピッチという)で互いに平行に配列された複数の板状フィン26と、該板状フィン26を貫通する冷媒通路であるチューブ27から構成される。また、第1の冷却ブロック21のピッチP1は、第2の冷却ブロック22のピッチP2よりも狭くしてある。
【0021】
次に、このような構成の本実施例1の冷気供給設備の動作について説明する。
冷凍サイクル10では、冷媒ガスは先ず圧縮機11で断熱圧縮され、高温高圧となった冷媒はファン13によって冷却されたコンデンサ12で凝縮して液化される。そして、凝縮液化した高圧状態の冷媒は膨張弁14及び15に導かれる。膨張弁14で冷媒が断熱膨張することによって、低温の気液混合状態になり、熱交換器2の第1冷却ブロック21のガイド21aに設けた入口部より第1の冷却ブロック21のチューブ27内に流入し、該チューブ27内で冷媒の液相が気化して、気化潜熱によって、フィン26間を通過する空気を冷却する。また同様に膨張弁15で冷媒が断熱膨張することによって、低温の気液混合状態になり、熱交換器2の第2冷却ブロック22のガイド22aに設けた入口部より第2の冷却ブロック22のチューブ内に流入し、該チューブ内で冷媒の液相が気化して、気化潜熱によって、フィン26間を通過する空気を冷却する。第1冷却ブロック21及び第2冷却ブロック22で気化した冷媒ガスは、第1冷却ブロック21及び第2冷却ブロック22のガイド21b及び22bより出て、再び圧縮機11に導かれ、循環して利用される。
【0022】
一方、送風機1によって取り込まれて熱交換器2へ送られる空気(外気)は、送風機の圧縮熱を含むため、外気温度よりも約10℃上昇し、例えば38℃の空気(外気)を取り込んで熱交換器へ送った場合、熱交換器2入口部での空気温度は約48℃となる。例えばこの48℃の空気は前記熱交換器2へ送風され、まず第1冷却ブロック21では出口部で空気温度が0℃以上、例えば5℃まで、前記膨張弁14によって第1冷却ブロック21を通過する冷媒量を調整して冷却される。
さらに、第1冷却ブロック21で0℃以上、例えば5℃まで冷却された空気は、第2冷却ブロック22で出口部が0℃以下、例えば−2℃まで前記膨張弁15によって第2冷却ブロック22を通過する冷媒量を調整して冷却される。
なお、外気中に浮遊する異物が送風機1を通じて熱交換器2へ取り込まれないために、送風機1の上流側にエアフィルターを設けておくとよい。
【0023】
ここで、特に外気の湿度及び温度の高い夏場は、例えば東京では平均気温26℃、平均湿度76%であり、26℃における飽和水蒸気量は24.4g/mであるから、空気1m中には水蒸気が24.4×0.76=18.5g/m含まれている。この外気を前記の通り、送風機1の圧縮熱で一旦温度が上昇した後、第1冷却ブロック21出口で5℃まで冷却したとき、5℃の空気の飽和水蒸気量は6.8g/mであるから、少なくとも18.5−6.8=11.7g/mの水が凝縮水として析出する。例えば送風機1によって面風速4m/sの空気流を形成し、熱交換器2の該空気流と垂直な断面積を1mとしたとき、析出する水は11.7×1×4=46.8g/sであり、仮に1時間の連続運転を実施した場合、第1冷却ブロック21の出口部では、46.8g/s×3600s=168480g≒168Lが析出することとなる。
この水が、仮に第2の冷却ブロック22へ流入し、0℃以下まで冷却された場合、凝固して霜となって空気通路を塞ぎ、冷却能力を低下させることから、第1の冷却ブロック21と第2の冷却ブロック22の間に隙間24を設け、さらに該隙間24の下方の床面にドレン排出口を設けて該ドレン排出口にドレン管25を設けることにより、第1の冷却ブロック21で析出した水を排出するようにしてある。隙間の幅Wは、面風速が4m/sの空気流であれば50mm以上あれば析出した水を確実にドレン口から排出することができる。
【0024】
このように第1の冷却ブロック21と第2の冷却ブロック22の間に隙間24を設けることによって、第1の冷却ブロック21で析出した水を排出することができるため、第2の冷却ブロックで析出する水は、第2の冷却ブロック22の入口部から第2の冷却ブロック出口部で5℃から−2℃まで冷却する間に析出する水分のみとなり、第2の冷却ブロック22での霜の発生量を少なくすることができる。第2の冷却ブロック22で発生する水の量は−2℃での飽和水蒸気量が4.2g/mであるから、(6.8−4.2)×1×4=10.4g/sであり、隙間24を設けなかった場合と比べると、10.4/(10.4+46.8)=18.2%にまで削減することができる。
【0025】
さらに、図2に示した通り、第1の冷却ブロック21のピッチ間隔P1よりも第2の冷却ブロック22のピッチ間隔P2を広くしている。このことで、第1の冷却ブロック21では48℃→5℃と43℃温度を下げ、第2の冷却ブロックでは5℃→−2℃と7℃温度を下げるために、第1の冷却ブロック21の方が第2の冷却ブロック22よりも広い伝熱面積が必要であるが、この伝熱面積を確保することができる。さらに、前記の通り、第2の冷却ブロック22での霜の発生量は少なくなっており、さらにピッチ間隔P2を広くしたため、霜によってピッチ間が目詰まりして空気の流れを阻害することを防ぐことができ、冷気供給設備の長時間連続運転が可能となる。
【実施例2】
【0026】
図3は、実施例2に係る冷気供給設備の概略構成図である。冷凍サイクル10の第1冷却ブロック21の出口に蒸発圧力調整弁17を設けたこと以外は実施例1と同様の構成とした。動作についても蒸発圧力調整弁17以外は実施例1と同様である。
蒸発圧力調整弁は、例えば第1冷却ブロック21の冷房負荷が大きいときは、第1冷却ブロック21の蒸発圧力が大きくなり、弁開度が全開となる。一方、第1冷却ブロック21の冷房負荷が小さいときには、第1冷却ブロック21の蒸発圧力が小さくなって、弁開度も小さくなり、第1冷却ブロック21の蒸発圧力を一定値に保つように構成されている。
【0027】
実施例1のように、冷却温度の異なる2台の蒸発器(第1冷却ブロック21及び第2冷却ブロック22)がある場合、蒸発温度は両方とも同じになるため、冷却温度を高くするほうの蒸発器(第1冷却ブロック21)は、冷房負荷の小さいときには、温度が下がりすぎる傾向があるが、本実施例2においては、冷却温度の高い第1冷却ブロック21の下流に蒸発圧力調整弁17を取り付けて、蒸発圧力を一定に保っているため、冷房負荷に係らず第1冷却ブロック21の温度が下がりすぎることがなくなる。
【0028】
また、本実施例2においても、実施例1と同様に、第1の冷却ブロック21と第2の冷却ブロック22の間に隙間24を設けることによって、第1の冷却ブロック21で析出した水を排出することができるため、第2の冷却ブロックで析出する水は、第2の冷却ブロック22の入口部から第2の冷却ブロック出口部で5℃から−2℃まで冷却する間に析出する水分のみとなり、第2の冷却ブロック22での霜の発生量を少なくすることができる。第2の冷却ブロック22で発生する水の量は実施例1と同様に計算すると隙間24を設けなかった場合と比べると、10.4/(10.4+46.8)=18.2%にまで削減することができる。
【0029】
さらに、第1の冷却ブロック21のピッチ間隔P1よりも第2の冷却ブロック22のピッチ間隔P2を広くしていることで、第1の冷却ブロック21では48℃→5℃と43℃温度を下げ、第2の冷却ブロックでは5℃→−2℃と7℃温度を下げるために、第1の冷却ブロック21の方が第2の冷却ブロック22よりも広い伝熱面積が必要であるが、この伝熱面積を確保することができる。さらに、前記の通り、第2の冷却ブロック22での霜の発生量は少なくなっており、さらにピッチ間隔P2を広くしたため、霜によってピッチ間が目詰まりして空気の流れを阻害することを防ぐことができ、冷気供給設備の長時間連続運転が可能となる。
【実施例3】
【0030】
図4は、実施例3に係る冷気供給設備の概略構成図である。2つの冷凍サイクル10a及び10bを構成し、第1の冷却ブロック21は第1の冷凍サイクル10aの蒸発器として機能し、第2の冷凍サイクル10bは第2の冷却ブロック22の蒸発器として機能するように構成した。その他の構成は実施例1と同様である。
【0031】
また、前記第1の冷凍サイクル10aは、圧縮機11a、コンデンサ12aと、膨張弁14a、蒸発器として機能する熱交換器2の第1の冷却ブロック21と、これらを繋ぐ冷媒配管から構成されており、前記第2の冷凍サイクル10bは、圧縮機11b、コンデンサ12bと、膨張弁15a、蒸発器として機能する熱交換器2の第2の冷却ブロック22と、これらを繋ぐ冷媒配管から構成されている。
【0032】
このような構成の本実施例1の冷気供給設備の動作について説明する。
第1の冷凍サイクル10aでは、冷媒ガスは先ず圧縮機11aで断熱圧縮され、高温高圧となった冷媒はファン13aによって冷却されたコンデンサ12aで凝縮して液化される。そして、凝縮液化した高圧状態の冷媒は膨張弁14aに導かれる。膨張弁14aで冷媒が断熱膨張することによって、低温の気液混合状態になり、熱交換器2の第1冷却ブロック21のガイド21aに設けた入口部より第1の冷却ブロック21のチューブ27内に流入し、該チューブ27内で冷媒の液相が気化して、気化潜熱によって、フィン26間を通過する空気を冷却する。また同様に第2の冷凍サイクル10aでは、冷媒ガスは先ず圧縮機11bで断熱圧縮され、高温高圧となった冷媒はファン13bによって冷却されたコンデンサ12bで凝縮して液化される。そして、凝縮液化した高圧状態の冷媒は膨張弁15aに導かれる。膨張弁15aで冷媒が断熱膨張することによって、低温の気液混合状態になり、熱交換器2の第2冷却ブロック22のガイド22aに設けた入口部より第1の冷却ブロック22のチューブ27内に流入し、該チューブ27内で冷媒の液相が気化して、気化潜熱によって、フィン26間を通過する空気を冷却する。
第1冷却ブロック21及び第2冷却ブロック22で気化した冷媒ガスは、第1冷却ブロック21及び第2冷却ブロック22のガイド21b及び22bより出て、それぞれ圧縮機11a及び圧縮機11bに導かれ、循環して利用される。
【0033】
また、送風機1によって取り込まれて熱交換器2へ送られる空気(外気)の流れ、冷却については実施例1と同様であるのでここでは説明を省略する。
【0034】
このとき、実施例3においても、実施例1及び実施例2と同様に、第1の冷却ブロック21と第2の冷却ブロック22の間に隙間24を設けることによって、第1の冷却ブロック21で析出した水を排出することができるため、第2の冷却ブロックで析出する水は、第2の冷却ブロック22の入口部から第2の冷却ブロック出口部で5℃から−2℃まで冷却する間に析出する水分のみとなり、第2の冷却ブロック22での霜の発生量を少なくすることができる。第2の冷却ブロック22で発生する水の量は実施例1及び実施例2と同様に計算すると、隙間24を設けなかった場合と比べて、10.4/(10.4+46.8)=18.2%にまで削減することができる。
【0035】
さらに、図2に示した通り、第1の冷却ブロック21のピッチ間隔P1よりも第2の冷却ブロック22のピッチ間隔P2を広くしている。このことで、第1の冷却ブロック21では48℃→5℃と43℃温度を下げ、第2の冷却ブロックでは5℃→−2℃と7℃温度を下げるために、第1の冷却ブロック21の方が第2の冷却ブロック22よりも広い伝熱面積が必要であるが、この伝熱面積を確保することができる。さらに、前記の通り、第2の冷却ブロック22での霜の発生量は少なくなっており、さらにピッチ間隔P2を広くしたため、霜によってピッチ間が目詰まりして空気の流れを阻害することを防ぐことができ、冷気供給設備の長時間連続運転が可能となる。
【0036】
また、第1の冷却ブロック21と第2の冷却ブロック22はそれぞれ別の冷凍サイクルの蒸発器として機能するため、第1の冷却ブロック21と第2の冷却ブロック22で独立して温度調整することができるため、実施例1及び2よりもさらに精密に冷却空気の温度を調整することができる。
【実施例4】
【0037】
図5は、実施例4に係る冷気供給設備の概略構成図である。まず、図4により本実施例の冷却空気供給設備の構成について説明する。本実施例の冷却空気供給設備は、2つの冷凍サイクル(第1の冷凍サイクル10a及び第2の冷凍サイクル10b)と、冷凍サイクル10a及び10bの蒸発器として機能し空気を冷却して冷却空気とする熱交換器2と、前記熱交換器に空気を供給し、前記熱交換器2によって冷却された冷却空気を駐機航空機などに送る送風機1から構成される。
【0038】
また、前記第1の冷凍サイクル10aは、圧縮機11a、コンデンサ12aと、膨張弁14b及び15bと、蒸発器として機能する熱交換器2の第1冷却ブロック21及び第2冷却ブロック22と、これらを繋ぐ冷媒配管から構成されている。また前記第2の冷凍サイクル10bは、圧縮機11b、コンデンサ12bと、膨張弁15aと、蒸発器として機能する熱交換器2の第3冷却ブロック23と、これらを繋ぐ冷媒配管から構成されている。
【0039】
一方、送風機1によって取り込まれた空気(外気)は、熱交換器2に導入されて前記冷凍サイクル10の冷媒の気化潜熱によって冷却された後、冷却空気として、出口部3に設けた供給空気ダクト31より冷却空気として供給されるように構成されている。
【0040】
前記冷凍サイクル10a及び冷凍サイクル10bの蒸発器として機能し、送風機1によって取り込まれた空気を冷却する熱交換器2は、前記送風機1によって取り込まれた空気の流れの上流側から順に、第1の冷却ブロック21と第2の冷却ブロック22と第3の冷却ブロック23を1つのケーシング内に設けたものであり、前記第1の冷却ブロック21、第2の冷却ブロック22及び第3の冷却ブロック23の間にはそれぞれ隙間24a及び24bが設けられている。さらに、前記隙間24a及び24b下方の床面にはドレン口を設け、該ドレン口にドレン管25a及び25bを接続している。
また、前記第1の冷却ブロック21、第2の冷却ブロック22、及び第3の冷却ブロック23は何れもフィンチューブ型の熱交換器であり、第1の冷却ブロック21のフィンピッチ間隔をP1、第2の冷却ブロック22のフィンピッチ間隔をP2、第3の冷却ブロック23のフィンピッチ間隔をP3としたとき、P3>P2>P1となるようにしている。
【0041】
次に、このような構成の本実施例1の冷気供給設備の動作について説明する。
冷凍サイクル10aでは、冷媒ガスは先ず圧縮機11aで断熱圧縮され、高温高圧となった冷媒はファン13aによって冷却されたコンデンサ12aで凝縮して液化される。そして、凝縮液化した高圧状態の冷媒は膨張弁14b及び14cに導かれる。膨張弁14bで冷媒が断熱膨張することによって、低温の気液混合状態になり、熱交換器2の第1冷却ブロック21のガイド21aに設けた入口部より第1の冷却ブロック21のチューブ27内に流入し、該チューブ27内で冷媒の液相が気化して、気化潜熱によって、フィン26間を通過する空気を冷却する。また同様に膨張弁14cで冷媒が断熱膨張することによって、低温の気液混合状態になり、熱交換器2の第2冷却ブロック22のガイド22aに設けた入口部より第2の冷却ブロック22のチューブ内に流入し、該チューブ内で冷媒の液相が気化して、気化潜熱によって、フィン26間を通過する空気を冷却する。第1冷却ブロック21及び第2冷却ブロック22で気化した冷媒ガスは、第1冷却ブロック21及び第2冷却ブロック22のガイド21b及び22bより出て、再び圧縮機11に導かれ、循環して利用される。
さらに、冷凍サイクル10bでは、冷媒ガスは先ず圧縮機11bで断熱圧縮され、高温高圧となった冷媒はファン13bによって冷却されたコンデンサ12bで凝縮して液化される。そして、凝縮液化した高圧状態の冷媒は膨張弁15aに導かれる。膨張弁15aで冷媒が断熱膨張することによって、低温の気液混合状態になり、熱交換器2の第3冷却ブロック23のガイド23aに設けた入口部より第1の冷却ブロック23のチューブ27内に流入し、該チューブ27内で冷媒の液相が気化して、気化潜熱によって、フィン26間を通過する空気を冷却する。第3冷却ブロック23で気化した冷媒ガスは、第3冷却ブロック23のガイド23bより出て、再び圧縮機11bに導かれ、循環して利用される。
【0042】
一方、送風機1によって取り込まれて熱交換器2へ送られる空気(外気)は、送風機の圧縮熱を含むため、外気温度よりも約10℃上昇し、例えば38℃の空気(外気)を取り込んで熱交換器へ送った場合、熱交換器2入口部での空気温度は約48℃となる。例えばこの48℃の空気は前記熱交換器2へ送風され、まず第1冷却ブロック21及び第2冷却ブロック22で第2冷却ブロック出口部で空気温度が0℃以上、例えば5℃まで、前記膨張弁14b及び14cによって第1冷却ブロック21及び第2冷却ブロック22を通過する冷媒量を調整して冷却される。
さらに、第1冷却ブロック21及び第2冷却ブロック22で0℃以上、例えば5℃まで冷却された空気は、第3冷却ブロック23で出口部が0℃以下、例えば−2℃まで前記膨張弁15aによって第3冷却ブロック23を通過する冷媒量を調整して冷却される。
【0043】
ここで、実施例1と同様の条件で、第2冷却ブロック22出口で5℃まで冷却したときの第1冷却ブロック21入口から第2冷却ブロック22の出口までの凝縮水の量は、実施例1と同じく46.8g/sとなる。
この水が、仮に第3の冷却ブロック23へ流入し、0℃以下まで冷却された場合、凝固して霜となって空気通路を塞ぎ、冷却能力を低下させることから、第2の冷却ブロック22と第3の冷却ブロック23の間に隙間24bを設け、さらに該隙間24bの下方の床面にドレン排出口を設けて該ドレン排出口にドレン管25bを設けることにより、第2の冷却ブロック22まで析出した水を排出するようにしてある。また、第1の冷却ブロック21と第2の冷却ブロック22の間にも同様に隙間24aを設けて、第1冷却ブロック21で発生した凝縮水は該隙間24bで排出している。
【0044】
このように第2の冷却ブロック22と第3の冷却ブロック23の間に隙間23を設けることによって、第2の冷却ブロック22で析出した水を排出することができるため、第3の冷却ブロックで析出する水は、第3の冷却ブロック23の入口部から第3の冷却ブロック出口部で5℃から−2℃まで冷却する間に析出する水分のみとなり、第3の冷却ブロック23での霜の発生量を少なくすることができる。第3の冷却ブロック22で発生する水の量は−2℃での飽和水蒸気量が4.2g/mであるから、(6.8−4.2)×1×4=10.4g/sであり、隙間24a及び24bを設けなかった場合と比べると、10.4/(10.4+46.8)=18.2%にまで削減することができる。
また、前記第1の冷却ブロック21入口から第2の冷却ブロック22出口までの凝縮水は、隙間24aと隙間24bで分散して排出し、各隙間から排出する凝縮水量を少なくすることができるため、隙間下部に設けるドレン口を大きくする必要がなくなる。
【0045】
さらに、前記第1の冷却ブロック21のピッチ間隔P1、第2の冷却ブロック22のピッチ間隔P2及び第3の冷却ブロック23のピッチ間隔P3をP3>P2>P1の関係としているため、第1の冷却ブロック21及び第2の冷却ブロックでは48℃→5℃と43℃温度を下げ、第3の冷却ブロックでは5℃→−2℃と7℃温度を下げるために、空気流上流側の熱交換ブロック程、広い伝熱面積が必要であるが、この伝熱面積を確保することができる。また、第1の冷却ブロック21及び第2の冷却ブロック22の2つのブロックで48℃→5℃まで冷却するため、実施例1〜3と比べるとさらに広い伝熱面積で48℃→5℃まで冷却することができ、効率的である。さらに、前記の通り、第2の冷却ブロック22での霜の発生量は少なくなっており、さらにピッチ間隔P3を広くしたため、霜によってピッチ間が目詰まりして空気の流れを阻害することを防ぐことができ、冷気供給設備の長時間連続運転が可能となる。
【0046】
(冷却空気の駐機航空機への供給)
次に、例えば上記実施例1〜4で説明した冷却空気供給設備を用いた、駐機航空機への冷却空気供給の一例について説明する。図6は、本発明の冷気供給設備を用いた駐機航空機への冷却空気の供給の概略構成図である。例えば上記実施例1〜4で説明した冷凍サイクル10、熱交換器2、送風機1から構成される冷却空気供給設備と、前記送風機1、冷凍サイクル10を構成する圧縮機等の駆動に必要な電気を供給する発電機42が1つの車体40に収められており、該車体40は、車体40と連結された運転席41で移動可能な構成となっている。このように構成することで、航空機の駐機位置に係わらず、冷却空気供給設備を移動して駐機航空機へ冷却空気を供給することができる。
【0047】
そして、駐機航空機への冷却空気の供給は、前記冷却空気供給装置を収めた車体40を駐機航空機43の近くに駐車させ、熱交換器2で冷却した空気(外気)を、供給空気ダクト31及び該供給空気ダクト31と駐機航空機43に接続した供給空気ホース44によって駐機航空機43に供給することで駐機航空機43のキャビンや航空機内部に搭載された機器を冷却する。即ち、外気は、送風機1→熱交換器2→供給空気ダクト31→供給空気ホース44→駐機航空機43と、冷却に用いられている。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明によって、従来よりも霜が蒸発器の表面に付着しにくく、さらに霜が付着した場合においても蒸発器の冷却性能が低下せずに運転ができるため、長時間連続して0℃以下まで空気を冷却することのできる冷却空気供給設備を供給することができ、駐機中の航空機等へ冷却空気を送気する冷却空気供給設備として用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施例1に係る冷気供給設備の概略構成図である。
【図2】第1の冷却ブロック及び第2の冷却ブロックの一部斜視図である。
【図3】実施例2に係る冷気供給設備の概略構成図である。
【図4】実施例3に係る冷気供給設備の概略構成図である。
【図5】実施例4に係る冷気供給設備の概略構成図である。
【図6】本発明の冷気供給設備を用いた駐機航空機への冷却空気の供給の概略構成図である。
【符号の説明】
【0050】
1 送風機
2 熱交換器
10 冷凍サイクル
11 圧縮機
12 コンデンサ(凝縮器)
14、15 膨張弁
17 蒸発圧力調整弁
21 第1冷却ブロック
22 第2冷却ブロック
23 第3冷却ブロック
24、24a、24b 隙間
26 フィン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が圧縮機から吐出され凝縮器と膨張弁と蒸発器を経て前記圧縮機に戻る冷凍サイクルシステムを構成する冷凍機の蒸発器として機能する熱交換器に空気流を供給し、該熱交換器で熱交換して空気を冷却する冷却空気供給設備において、
前記空気流の流れに沿って、前記熱交換器で構成される熱交換ブロックを少なくとも2つ以上設け、上流側から少なくとも1つ以上の熱交換ブロックの出口空気温度が0℃より高くなり、下流側から少なくとも1つ以上の熱交換ブロックの出口空気温度が0℃以下となるように蒸発冷媒量を調整し、
空気流の出口温度が0℃より高くなる上流側熱交換ブロックと、空気流の出口温度が0℃以下となる下流側熱交換ブロックの間に、上流側熱交換ブロック内で発生する凝縮水の下流側熱交換ブロックへの移動を防ぐ隙間を設けたことを特徴とする冷却空気供給設備。
【請求項2】
前記熱交換ブロックを構成する熱交換器をそれぞれフィン型熱交換器で構成し、前記出口空気温度が0℃以下である下流側熱交換ブロックを構成する熱交換器のフィンピッチを前記出口空気温度が0℃より高い上流側熱交換器のフィンピッチよりも広くすることを特徴とする請求項1記載の冷却空気供給設備。
【請求項3】
前記空気流を加圧押し込み型送風機で供給するとともに、前記空気流の出口温度が0℃より高くなる上流側熱交換ブロックと、空気流の出口温度が0℃以下となる下流側熱交換ブロックの間に設けた隙間下方の床面にドレン排出口を設けて前記凝縮水を排出することを特徴とする請求項1又は2記載の冷却空気供給設備。
【請求項4】
前記最下流の熱交換ブロックの下流側出口部に水平な床面と該床面より下流側に上昇する傾斜面を設け、
該傾斜面に冷却空気供給ダクトを設けるとともに、該床面に空気逃がしダクトを設け、これらのダクトを交互に開閉可能なダンパを設けて該冷却空気供給ダクトを閉じた時に該空気逃がしダクトを開けて冷却空気を逃がすように構成したことを特徴とする請求項1〜3記載の冷却空気供給設備。
【請求項5】
前記冷凍サイクルを構成する冷凍機と、前記空気流を供給する手段を一つの車体内に収め、該車体と連結した運転席によって移動可能とし、
前記車体を駐機航空機の近くに駐車し、前記最下流の熱交換ブロックの下流側と駐機航空機間をホースで接続し、
前記最下流の熱交換ブロックの下流側と駐機航空機間を接続したホースを通じて冷却空気を駐機航空機に供給して駐機航空機内部を冷却することを特徴とする請求項1〜4記載の冷却空気供給設備。
【請求項6】
前記各熱交換ブロックに、それぞれ独立して冷凍サイクルを構成する冷凍機の冷媒を供給し、各熱交換ブロック毎の蒸発冷媒量をそれぞれ独自に設定することができるように構成したことを特徴とする請求項1〜5何れかに記載の冷却空気供給設備。
【請求項7】
前記冷凍サイクルシステムの凝縮器下流で冷媒通路を分岐し、各分岐通路に膨張弁及び前記熱交換ブロックを介設するとともに、該熱交換ブロック下流側で該分岐冷媒通路を合流させ、
前記膨張弁により各熱交換ブロックに流入する蒸発冷媒量を調整することによって、熱交換ブロックの個数よりも冷凍サイクルを構成する冷凍機の個数を少なくしたことを特徴とする請求項1〜5何れかに記載の冷却空気供給設備。
【請求項8】
前記熱交換ブロックの下流側分岐ラインの少なくとも一箇所に蒸発圧力調整弁を設けたことを特徴とする請求項7記載の冷却空気供給設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−39208(P2008−39208A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210375(P2006−210375)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(000148357)株式会社前川製作所 (267)
【Fターム(参考)】