説明

冷媒回路装置

【課題】休止中の熱交換器に冷媒が滞留してしまうことを防止しながら、断熱材で覆う領域を減少させることで製造コストの低減化を図ることができる冷媒回路装置を提供すること。
【解決手段】庫内熱交換器24、圧縮機21、庫外熱交換器22を冷媒配管25で接続した主経路20と、圧縮機21で圧縮した冷媒を導入して所定の庫内熱交換器24に供給する高圧冷媒導入経路30と、庫内熱交換器24で凝縮した冷媒を加熱側熱交換器42を経て主経路20の庫内熱交換器24の上流側に戻す戻経路40,50を備え、主経路20における戻経路50との合流個所よりも下流側で、かつ庫内熱交換器24の上流側に配設され、庫内熱交換器24に向けて流れる冷媒を断熱膨張させる膨張機構231,232,233と、自身に設けられた62が開成する場合に庫外熱交換器22を通過した冷媒を導入して、右庫内熱交換器24aに供給するバイパス経路60を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒回路装置に関し、より詳細には、ヒートポンプ機能を有する冷媒回路を備えた冷媒回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒートポンプ機能を有する冷媒回路を備えた冷媒回路装置として次のようなものが知られている。すなわち、主経路と、高圧冷媒導入経路と、放熱経路と、戻経路とを有する冷媒回路を備えたものである。
【0003】
主経路は、庫内熱交換器、圧縮機及び庫外熱交換器が冷媒配管で順次接続されて環状に構成されている。庫内熱交換器は、対象となる室の内部に配設されている。圧縮機は、庫内熱交換器を通過した冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出するものである。庫外熱交換器は、圧縮機で圧縮した冷媒を導入して凝縮させるものである。
【0004】
高圧冷媒導入経路は、圧縮機で圧縮した冷媒を導入し、加熱対象となる室に配設された庫内熱交換器に供給することにより該庫内熱交換器で冷媒を凝縮させるものである。これにより該庫内熱交換器が配設された室の内部空気は加熱されることになる。
【0005】
放熱経路は、庫内熱交換器で凝縮した冷媒を導入して加熱側熱交換器に供給するものである。これにより加熱側熱交換器では、通過する冷媒が周囲空気と熱交換を行って放熱することになる。
【0006】
戻経路は、加熱側熱交換器で放熱した冷媒を導入して、上記主経路の庫内熱交換器の上流側に戻すものである。これにより戻経路を通過した冷媒は、主経路に至り、その後に主経路における所定の庫内熱交換器を通過して圧縮機に送出されることになる。
【0007】
このような冷媒回路装置においては、上記主経路における庫外熱交換器の出口側配管や、上記戻経路との合流個所の下流側配管に膨張機構が設けられている。膨張機構は、庫外熱交換器で凝縮した冷媒を減圧して断熱膨張、あるいは加熱側熱交換器で放熱した冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。
【0008】
以上のような構成を有する冷媒回路装置においては、各室の内部空気の冷却のみを行う場合(冷却単独運転を行う場合)には、主経路のみに冷媒を循環させればよい。すなわち、圧縮機で圧縮された冷媒が庫外熱交換器で凝縮し、凝縮した冷媒が膨張機構で断熱膨張され、庫内熱交換器で蒸発する。この庫内熱交換器で蒸発した冷媒は、圧縮機により吸引されて再び圧縮されて循環する。これにより庫内熱交換器が配設された室の内部空気は冷却される。
【0009】
一方、一の室の内部空気を冷却して他の室の内部空気を加熱する場合(冷却加熱運転を行う場合)には、高圧導入経路及び戻経路を経由して主経路に冷媒を循環させればよい。すなわち、圧縮機で圧縮された冷媒が庫内熱交換器に至り、該庫内熱交換器で凝縮する。凝縮した冷媒が加熱側熱交換器で放熱し、その後に膨張機構で断熱膨張され、庫内熱交換器で蒸発する。この庫内熱交換器で蒸発した冷媒は、圧縮機により吸引されて再び圧縮されて循環する。これにより冷媒を凝縮させた庫内熱交換器が配設された室の内部空気は加熱される一方、冷媒を蒸発させた庫内熱交換器が配設された室の内部空気は冷却される。
【0010】
そして、かかる冷媒回路装置では、運転中(圧縮機の駆動中)において、庫外熱交換器や加熱側熱交換器の下流側に膨張機構を配設することにより該下流側を低圧状態に保持しており、これにより休止中の熱交換器(庫外熱交換器若しくは加熱側熱交換器)に冷媒が滞留してしまう、いわゆる寝込みを防止している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−43757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、膨張機構から下流側では冷媒が低温低圧状態となってしまうから、該膨張機構から下流側の配管や機器に結露が生じないよう、配管や機器を断熱材で覆う必要がある。上述した冷媒回路装置では、庫外熱交換器の出口側、並びに加熱側熱交換器の下流側に膨張機構が配設されていることにより、庫外熱交換器及び加熱側熱交換器の出口側近傍より下流側の配管等を断熱材で覆わなくてはならず、断熱材で覆う領域が長大なものになってしまう。これにより、用いられる断熱材が過大なものになるだけでなく、製造作業にも長時間を要し、結果的に製造コストの増大化を招来するものであった。
【0013】
本発明は、上記実情に鑑みて、休止中の熱交換器に冷媒が滞留してしまうことを防止しながら、断熱材で覆う領域を減少させることで製造コストの低減化を図ることができる冷媒回路装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る冷媒回路装置は、対象室の内部に配設された庫内熱交換器と、前記庫内熱交換器を通過した冷媒を吸引して圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮した冷媒を凝縮させる庫外熱交換器とを冷媒配管で順次接続して構成した主経路と、自身に設けられた導入バルブが開成することにより前記圧縮機で圧縮した冷媒を導入し、かつ前記庫内熱交換器のうち加熱対象となる室に配設されたものに供給することにより該庫内熱交換器で冷媒を凝縮させる高圧冷媒導入経路と、前記庫内熱交換器で凝縮した冷媒を加熱側熱交換器を経て前記主経路の庫内熱交換器の上流側に戻す戻経路とを備えた冷媒回路装置において、前記主経路における前記戻経路との合流個所よりも下流側で、かつ前記庫内熱交換器の上流側に配設され、該庫内熱交換器に向けて流れる冷媒を断熱膨張させる膨張機構と、自身に設けられたバイパスバルブが開成する場合に前記庫外熱交換器を通過した冷媒を導入して、自身を通過する冷媒を蒸発させる冷却専用の庫内熱交換器に供給するバイパス経路とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項2に係る冷媒回路装置は、上述した請求項1において、前記バイパス経路は、前記庫外熱交換器とその下流側に設けられた逆止弁との間における冷媒配管の途中から分岐し、かつ前記膨張機構から前記冷却専用の庫内熱交換器に至る所定個所に合流する態様で配設されたバイパス配管と、前記バイパス配管に配設され、開成する場合にはバイパス配管に冷媒が通過することを許容する一方、閉成する場合にはバイパス配管に冷媒が通過することを規制するバイパスバルブとを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項3に係る冷媒回路装置は、上述した請求項2において、前記バイパス経路は、前記バイパスバルブの下流側のバイパス配管に配設され、かつ通過する冷媒を断熱膨張させるバイパス膨張機構を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項4に係る冷媒回路装置は、対象室の内部に配設された庫内熱交換器と、前記庫内熱交換器を通過した冷媒を吸引して圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮した冷媒を凝縮させる庫外熱交換器とを冷媒配管で順次接続して構成した主経路と、自身に設けられた導入バルブが開成することにより前記圧縮機で圧縮した冷媒を導入し、かつ前記庫内熱交換器のうち加熱対象となる室に配設されたものに供給することにより該庫内熱交換器で冷媒を凝縮させる高圧冷媒導入経路と、前記庫内熱交換器で凝縮した冷媒を加熱側熱交換器を経て前記主経路の庫内熱交換器の上流側に戻す戻経路とを備えた冷媒回路装置において、前記戻経路における加熱側熱交換器の出口側配管に設けられ、該加熱側熱交換器を通過した冷媒を周囲温度と同程度となるまで減圧させる減圧機構と、前記主経路における前記戻経路との合流個所よりも下流側で、かつ前記庫内熱交換器の上流側に配設され、該庫内熱交換器に向けて流れる冷媒を断熱膨張させて低温低圧冷媒にさせる膨張機構とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の冷媒回路装置によれば、バイパス経路が自身に設けられたバイパスバルブが開成する場合に庫外熱交換器を通過した冷媒を導入して、冷却専用の庫内熱交換器に供給するので、庫外熱交換器が休止中であっても該庫外熱交換器に冷媒が滞留することを防止することができる。また、膨張機構が主経路における戻経路との合流個所よりも下流側で、かつ庫内熱交換器の上流側に配設され、該庫内熱交換器に向けて流れる冷媒を断熱膨張させるので、低温低圧状態の冷媒が通過する領域を減少させることができ、これにより断熱材で覆う領域を減少させることができる。従って、休止中の熱交換器に冷媒が滞留してしまうことを防止しながら、断熱材で覆う領域を減少させることで製造コストの低減化を図ることができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明の冷媒回路装置によれば、減圧機構が戻経路における加熱側熱交換器の出口側配管に設けられ、該加熱側熱交換器を通過した冷媒を周囲温度と同程度となるまで減圧させ、膨張機構が主経路における戻経路との合流個所よりも下流側で、かつ庫内熱交換器の上流側に配設され、該庫内熱交換器に向けて流れる冷媒を断熱膨張させて低温低圧冷媒にさせるので、主経路との合流点は庫外熱交換器よりも低圧にすることができ、庫外熱交換器が休止中の熱交換器であっても、該庫外熱交換器に滞留する冷媒を圧縮機の吸引力と相俟って吸い出すことができ、これにより休止中の庫外熱交換器に冷媒が滞留することを防止することができる。しかも、減圧機構で冷媒を周囲温度と同程度に減圧させるだけなので、該減圧機構の下流側に結露等の発生を防止するための断熱材を覆う必要がない。従って、休止中の熱交換器に冷媒が滞留してしまうことを防止しながら、断熱材で覆う領域を減少させることで製造コストの低減化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1である冷媒回路装置が適用された自動販売機の内部構造を正面から見た場合を示す断面図である。
【図2】図2は、図1に示した自動販売機の内部構造を示すものであり、右側の商品収容庫の断面側面図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示した自動販売機に適用された冷媒回路装置を概念的に示す概念図である。
【図4】図4は、図3に示した冷媒回路装置においてCCC運転を行う場合の冷媒の流れを示す概念図である。
【図5】図5は、図3に示した冷媒回路装置においてHCC運転を行う場合の冷媒の流れを示す概念図である。
【図6】図6は、図5に示したHCC運転においてバイパスバルブを開成させた場合の冷媒の流れを示す概念図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態2である冷媒回路装置を概念的に示す概念図である。
【図8】図8は、図7に示した冷媒回路装置においてHCC運転を行う場合の冷媒の流れを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る冷媒回路装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である冷媒回路装置が適用された自動販売機の内部構造を正面から見た場合を示す断面図である。ここで例示する自動販売機は、本体キャビネット1を備えている。
【0023】
本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の形態を成すものである。この本体キャビネット1には、その内部に例えば2つの断熱仕切板2によって仕切られた3つの独立した商品収容庫3が左右に並んだ態様で設けてある。この商品収容庫3は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度に維持した状態で収容するためのもので、断熱構造を有している。
【0024】
図2は、図1に示した自動販売機の内部構造を示すものであり、右側の商品収容庫3の断面側面図である。尚、ここでは右側の商品収容庫3(以下、適宜右庫3aとも称する)の内部構造について示すが、中央の商品収容庫3(以下、適宜中庫3bとも称する)及び左側の商品収容庫3(以下、適宜左庫3cとも称する)の内部構造も右庫3aと略同じような構成である。尚、本明細書における右側とは、自動販売機を正面から見た場合の右方を示し、左側とは、自動販売機を正面から見た場合の左方を示す。
【0025】
かかる図2に示すように、本体キャビネット1の前面には、外扉4及び内扉5が設けてある。外扉4は、本体キャビネット1の前面開口を開閉するためのものであり、内扉5は、商品収容庫3の前面を開閉するためのものである。この内扉5は、上下に分割してあり、上側の扉5aは商品を補充する際に開閉するものである。
【0026】
上記商品収容庫3には、商品収納ラック6、搬出機構7及び搬出シュータ8が設けてある。商品収納ラック6は、商品を上下方向に沿って並ぶ態様で収納するためのものである。搬出機構7は、商品収納ラック6の下部に設けてあり、この商品収納ラック6に収納された商品群の最下位にある商品を1つずつ搬出するためのものである。搬出シュータ8は、搬出機構7から搬出された商品を外扉4に設けられた商品取出口4aに導くためのものである。
【0027】
図3は、図1及び図2に示した自動販売機に適用された冷媒回路装置を概念的に示す概念図である。ここで例示する冷媒回路装置は、主経路20、高圧冷媒導入経路30、第1戻経路40及び第2戻経路50を有する冷媒回路10を備えて構成してある。冷媒回路10は、内部に冷媒(例えばR134a)が封入されている。
【0028】
主経路20は、圧縮機21、庫外熱交換器22及び庫内熱交換器24を冷媒配管25にて順次接続して構成してある。
【0029】
圧縮機21は、図2にも示すように機械室9に配設してある。機械室9は、本体キャビネット1の内部であって商品収容庫3と区画され、かつ商品収容庫3の下方側の室である。この圧縮機21は、吸引口を通じて冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態(高温高圧冷媒)にして吐出口より吐出するものである。本実施の形態1における圧縮機21としては、駆動回転数を変更可能なインバータ式のものを適用している。
【0030】
庫外熱交換器22は、図2にも示すように圧縮機21と同様に機械室9に配設してある。この庫外熱交換器22は、圧縮機21で圧縮された冷媒が通過する場合には、該冷媒を凝縮させるものである。
【0031】
この庫外熱交換器22と圧縮機21とを接続する冷媒配管25には、三方弁261が設けてある。かかる三方弁261については後述する。
【0032】
庫内熱交換器24は、複数(図示の例では3つ)設けてあり、各商品収容庫3の内部低域であって、背面ダクトD(図2参照)の前面側に配設してある。これら庫内熱交換器24と庫外熱交換器22とを接続する冷媒配管25は、その途中の第1分岐点P1で分岐して、右庫3aに配設された庫内熱交換器24(以下、右庫内熱交換器24aとも称する)の入口側に、中庫3bに配設された庫内熱交換器24(以下、中庫内熱交換器24bとも称する)の入口側に、左庫3cの内部に配設された庫内熱交換器24(以下、左庫内熱交換器24cとも称する)の入口側にそれぞれ接続してある。
【0033】
また、この冷媒配管25においては、第1分岐点P1から右庫内熱交換器24a、中庫内熱交換器24b及び左庫内熱交換器24cのそれぞれに至る途中に入口側低圧電磁弁262a,262b,262c及び膨張機構231,232,233が設けてある。入口側低圧電磁弁262a,262b,262cは、開閉可能な弁体であり、図示せぬコントローラから開指令が与えられた場合には開成して冷媒の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して冷媒の通過を規制するものである。膨張機構231,232,233は、例えばキャピラリーチューブや電子膨張弁のようなもので、通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。
【0034】
上記庫内熱交換器24の出口側に接続された冷媒配管25は、途中の第1合流点P2で合流し、アキュムレータ27を介して圧縮機21に接続している。ここでアキュムレータ27は、通過する冷媒が気液混合冷媒である場合に、液相冷媒を貯留して気相冷媒を通過させる気液分離手段である。尚、中庫内熱交換器24b及び左庫内熱交換器24cの出口側から第1合流点P2に至る冷媒配管25の途中には出口側低圧電磁弁263b,263cが配設してある。かかる出口側低圧電磁弁263b,263cは、開閉可能な弁体であり、コントローラから開指令が与えられた場合には開成して冷媒の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して冷媒の通過を規制するものである。
【0035】
このような主経路20において、図3中の符号28は、内部熱交換器である。内部熱交換器28は、高圧冷媒と低圧冷媒との間で熱交換させるものである。
【0036】
高圧冷媒導入経路30は、三方弁261に連結され、その途中で分岐して、一方が中庫内熱交換器24bの入口側の冷媒配管25に、他方が左庫内熱交換器24cの入口側の冷媒配管25にそれぞれ合流する高圧冷媒導入配管31により構成された経路である。この高圧冷媒導入経路30は、圧縮機21で圧縮された冷媒(高圧冷媒)を導入する経路である。
【0037】
ここで三方弁261は、圧縮機21で圧縮した冷媒を庫外熱交換器22へ送出する第1送出状態と、圧縮機21で圧縮した冷媒を高圧冷媒導入経路30へ送出する第2送出状態との間で択一的に切り換え可能な切換バルブである。かかる三方弁261の切換動作は、コントローラから与えられる指令に応じて行われる。
【0038】
上記高圧冷媒導入配管31においては、分岐個所の下流側にそれぞれ高圧導入バルブ321,322が設けてある。高圧導入バルブ321,322は、開閉可能な弁体であり、コントローラから開指令が与えられた場合には開成して冷媒の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して冷媒の通過を規制するものである。
【0039】
つまり、中庫内熱交換器24b及び左庫内熱交換器24cは、高圧冷媒導入経路30を通じて圧縮機21で圧縮された冷媒が供給された場合には、通過する冷媒を凝縮させて対象となる商品収容庫3(中庫3b、左庫3c)の内部空気を加熱するものである。
【0040】
第1戻経路40は、中庫内熱交換器24b及び左庫内熱交換器24cの出口側に接続された冷媒配管25のそれぞれの途中で分岐され、第2合流点P3で合流し、庫外熱交換器22に隣接する態様で配設された加熱側熱交換器42の入口側に接続された第1戻配管41により構成された経路である。この第1戻経路40は、中庫内熱交換器24b及び左庫内熱交換器24cの少なくとも一方で凝縮した冷媒を加熱側熱交換器42に供給するためのものである。
【0041】
加熱側熱交換器42は、上記庫外熱交換器22に隣接する態様で配設してあり、自身を通過する冷媒と周囲空気との間で熱交換させるものである。すなわち、第1戻経路40は、庫内熱交換器24で凝縮した冷媒を導入して加熱側熱交換器42に供給するものである。
【0042】
このような第1戻経路40を構成する第1戻配管41の途中、すなわち中庫内熱交換器24b及び左庫内熱交換器24cの出口側に接続された冷媒配管25との分岐点から第2合流点P3に至る途中に、それぞれ逆止弁431,432が設けてある。
【0043】
第2戻経路50は、加熱側熱交換器42の出口側に接続され、かつ主経路20を構成する冷媒配管25、すなわち庫外熱交換器22(図示の例では内部熱交換器28)と第1分岐点P1との間の冷媒配管25の第3合流点P4に接続する第2戻配管51により構成されたものである。この第2戻経路50は、加熱側熱交換器42を通過した冷媒を導入し、主経路20の庫内熱交換器24の上流側に戻すためのものである。
【0044】
尚、図中の符号264,521は、逆止弁である。逆止弁264は、庫外熱交換器22の出口側に接続された冷媒配管25に設けてあり、逆止弁521は、第2戻配管51に設けてある。
【0045】
以上のような構成を有する冷媒回路10においては、上記構成の他に、バイパス経路60を備えている。
【0046】
バイパス経路60は、庫外熱交換器22の出口側の冷媒配管25において、該庫外熱交換器22から逆止弁264に至る途中の分岐点から分岐し、右庫内熱交換器24aの入口側に接続された冷媒配管25における膨張機構231の下流側の右庫内熱交換器24aの入口近傍の合流点に合流する態様で設けられたバイパス配管61により構成してある。このようなバイパス配管61には、バイパスバルブ62及びバイパス膨張機構63が設けてある。
【0047】
バイパスバルブ62は、開閉可能な弁体であり、コントローラから開指令が与えられた場合には開成して冷媒の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して冷媒の通過を規制するものである。
【0048】
バイパス膨張機構63は、例えばキャピラリーチューブで、通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。
【0049】
以上のような構成を有する冷媒回路装置は、次のようにして商品収容庫3に収容された商品を冷却、あるいは加熱する。
【0050】
まず、CCC運転(すべての商品収容庫3の内部空気を冷却する運転)を行う場合について説明する。この場合、コントローラは、圧縮機21に駆動指令を与えるとともに三方弁261を第1送出状態にさせる。また、コントローラは、高圧導入バルブ321,322及びバイパスバルブ62に閉指令を与え、入口側低圧電磁弁262a,262b,262c及び出口側低圧電磁弁263b,263cに対して開指令を与える。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は、図4に示すように循環する。
【0051】
すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒は、第1送出状態となる三方弁261を通過して庫外熱交換器22に至る。庫外熱交換器22に至った冷媒は、該庫外熱交換器22を通過中に、周囲空気(外気)に放熱して凝縮する。庫外熱交換器22で凝縮した冷媒は、内部熱交換器28を経て第1分岐点P1で3つに分岐した後、膨張機構231,232,233でそれぞれ断熱膨張し、右庫内熱交換器24a、中庫内熱交換器24b及び左庫内熱交換器24cに至り、各庫内熱交換器24で蒸発して商品収容庫3の内部空気から熱を奪い、該内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、各庫内送風ファンF1の駆動により内部を循環し、これにより各商品収容庫3に収容された商品は、循環する内部空気に冷却される。各庫内熱交換器24で蒸発した冷媒は、第1合流点P2で合流した後、アキュムレータ27を介して圧縮機21に吸引され、圧縮機21に圧縮されて上述した循環を繰り返す。
【0052】
かかるCCC運転においては、加熱側熱交換器42が休止中の熱交換器である。そして、圧縮機21の吸引力により加熱側熱交換器42に滞留する冷媒は、第2戻配管51を経由して主経路20に至り、その後に圧縮機21に吸引されるので、該加熱側熱交換器42に冷媒が滞留することを防止することができる。また、加熱側熱交換器42の上流側に滞留する冷媒は、第1戻配管41に設けられた逆止弁431,432を通過して、主経路20における庫内熱交換器24の出口側冷媒配管25に流入し、その後に圧縮機21に吸引されるので、第1戻経路40に冷媒が滞留することを防止することができる。
【0053】
次に、HCC運転(左庫3cの内部空気を加熱し、かつ右庫3a及び中庫3bの内部空気を冷却する運転)を行う場合について説明する。この場合、コントローラは、圧縮機21に駆動指令を与えるとともに三方弁261を第2送出状態にさせる。また、コントローラは、入口側低圧電磁弁262c、出口側低圧電磁弁263c、高圧導入バルブ321及びバイパスバルブ62に対して閉指令を与え、高圧導入バルブ322、入口側低圧電磁弁262a,262b及び出口側低圧電磁弁263bに対して開指令を与える。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は、図5に示すように循環する。
【0054】
すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒は、第2送出状態となる三方弁261を通過して左庫内熱交換器24cに至る。左庫内熱交換器24cに至った冷媒は、該熱交換器を通過中に、左庫3cの内部空気と熱交換し、該内部空気に放熱して凝縮する。これにより左庫3cの内部空気を加熱する。加熱された内部空気は、庫内送風ファンF1の駆動により、左庫3cの内部を循環し、これにより左庫3cに収容された商品は、循環する内部空気に加熱される。
【0055】
左庫内熱交換器24cで凝縮した冷媒は、第1戻経路40を構成する第1戻配管41を通過して加熱側熱交換器42に至り、該加熱側熱交換器42で周囲空気に放熱する。加熱側熱交換器42で放熱した冷媒は、第2戻配管51を通過して第3合流点P4より主経路20に流入し、開成する入口側低圧電磁弁262a,262bを通過する。入口側低圧電磁弁262a,262bを通過した冷媒は、膨張機構231,232でそれぞれ断熱膨張して右庫内熱交換器24a及び中庫内熱交換器24bに至り、これら右庫内熱交換器24a及び中庫内熱交換器24bでそれぞれ蒸発して各商品収容庫3の内部空気から熱を奪い、該内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、各庫内送風ファンF1の駆動により各商品収容庫3の内部を循環し、これにより各商品収容庫3(右庫3a及び中庫3b)に収容された商品は冷却される。右庫内熱交換器24a及び中庫内熱交換器24bで蒸発した冷媒は、アキュムレータ27を介して圧縮機21に吸引され、圧縮機21に圧縮されて上述した循環を繰り返す。
【0056】
このようなHCC運転を行う場合において、コントローラが断続的に、あるいは予め決められた時間だけ継続的にバイパスバルブ62に開指令を与えると、図6に示すように、HCC運転では休止中の熱交換器である庫外熱交換器22に滞留する冷媒が、圧縮機21の吸引力でバイパス配管61に流入し、バイパス膨張機構63で断熱膨張して低温低圧の冷媒となる。断熱膨張した冷媒は、バイパス配管61から主経路20に至り冷却専用の熱交換器である右庫内熱交換器24aに進入して蒸発し、その後にアキュムレータ27を介して圧縮機21に吸引される。
【0057】
このように本実施の形態1である冷媒回路装置においては、バイパス経路60は、自身に設けられたバイパスバルブ62が開成する場合に庫外熱交換器22を通過した冷媒を導入して、冷却専用の右庫内熱交換器24aに供給するものである。
【0058】
そして、バイパスバルブ62を断続的に、あるいは予め決められた時間だけ継続的に開成させることで、HCC運転で休止中の庫外熱交換器22にある冷媒をバイパス配管61から吸い出すことができ、該庫外熱交換器22に冷媒が滞留する、いわゆる寝込みが生ずることを防止することができる。
【0059】
以上説明したような本実施の形態1である冷媒回路装置によれば、バイパス経路60は、自身に設けられたバイパスバルブ62が開成する場合に庫外熱交換器22を通過した冷媒を導入して、冷却専用の右庫内熱交換器24aに供給するので、休止中の庫外熱交換器22に冷媒が滞留することを防止することができ、しかも膨張機構231,232,233が庫内熱交換器24の入口側冷媒配管25に設けてあるので、低温低圧状態の冷媒が通過する領域を減少させることができ、これにより断熱材で覆う領域を減少させることができ、製造コストの低減化を図ることができる。
【0060】
上記冷媒回路装置によれば、バイパス経路60を構成するバイパス配管61においてバイパス膨張機構63が該バイパス配管61を通過する冷媒を断熱膨張させるので、該バイパス配管61から供給される冷媒を低温低圧状態にすることができ、右庫内熱交換器24aを通過する際に蒸発させることができ、これにより吸い出した冷媒を有効活用して省エネルギー化を図ることができる。
【0061】
<実施の形態2>
図7は、本発明の実施の形態2である冷媒回路装置を概念的に示す概念図である。尚、上述した実施の形態1と同様の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を省略する。ここで例示する冷媒回路装置は、主経路20、高圧冷媒導入経路30、第1戻経路40及び第2戻経路50′を有する冷媒回路10′を備えて構成してある。この冷媒回路10′は、内部に冷媒(例えばR134a)が封入されている。つまり、本実施の形態2である冷媒回路装置では、実施の形態1である冷媒回路装置と、第2戻経路50′の構成が異なり、しかもバイパス経路60が設けられていない点で相違する。
【0062】
第2戻経路50′は、加熱側熱交換器42の出口側に接続され、かつ主経路20を構成する冷媒配管25、すなわち庫外熱交換器22(図示の例では内部熱交換器28)と第1分岐点P1との間の冷媒配管25の第3合流点P4に接続する第2戻配管51により構成されたものである。この第2戻経路50′は、加熱側熱交換器42を通過した冷媒を導入し、主経路20の庫内熱交換器24の上流側に戻すためのものであり、その途中における逆止弁264の下流側に減圧機構が配設してある。すなわち第3合流点P4よりも上流側に減圧機構522が配設してある。
【0063】
この減圧機構522は、例えばキャピラリーチューブ等のものから構成され、加熱側熱交換器42を通過した冷媒を周囲温度と同程度となるまで減圧させるものである。
【0064】
このような構成を有する冷媒回路装置において、HCC運転(左庫3cの内部空気を加熱し、かつ右庫3a及び中庫3bの内部空気を冷却する運転)を行う場合について説明する。この場合、コントローラは、圧縮機21に駆動指令を与えるとともに三方弁261を第2送出状態にさせる。また、コントローラは、入口側低圧電磁弁262c、出口側低圧電磁弁263c及び高圧導入バルブ321に対して閉指令を与え、高圧導入バルブ322、入口側低圧電磁弁262a,262b及び出口側低圧電磁弁263bに対して開指令を与える。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は図8に示すように循環する。
【0065】
すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒は、第2送出状態となる三方弁261を通過して左庫内熱交換器24cに至る。左庫内熱交換器24cに至った冷媒は、該熱交換器を通過中に、左庫3cの内部空気と熱交換し、該内部空気に放熱して凝縮する。これにより左庫3cの内部空気を加熱する。加熱された内部空気は、庫内送風ファンF1の駆動により、左庫3cの内部を循環し、これにより左庫3cに収容された商品は、循環する内部空気に加熱される。
【0066】
左庫内熱交換器24cで凝縮した冷媒は、第1戻経路40を構成する第1戻配管41を通過して加熱側熱交換器42に至り、該加熱側熱交換器42で周囲空気に放熱する。加熱側熱交換器42で放熱した冷媒は、第2戻配管51を通過してその途中で減圧機構522により周囲温度と同程度となるよう減圧される。減圧された冷媒は、第3合流点P4より主経路20に流入し、開成する入口側低圧電磁弁262a,262bを通過する。開成する入口側低圧電磁弁262a,262bを通過した冷媒は、膨張機構231,232でそれぞれ断熱膨張して右庫内熱交換器24a及び中庫内熱交換器24bに至り、これら右庫内熱交換器24a及び中庫内熱交換器24bでそれぞれ蒸発して各商品収容庫3の内部空気から熱を奪い、該内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、各庫内送風ファンF1の駆動により各商品収容庫3の内部を循環し、これにより各商品収容庫3(右庫3a及び中庫3b)に収容された商品は冷却される。右庫内熱交換器24a及び中庫内熱交換器24bで蒸発した冷媒は、アキュムレータ27を介して圧縮機21に吸引され、圧縮機21に圧縮されて上述した循環を繰り返す。
【0067】
このようなHCC運転を行う場合において、圧縮機21の吸引力と、第3合流点P4が減圧機構522で減圧された冷媒の通過域となって庫外熱交換器22よりも低圧となっていることから、HCC運転では休止中の熱交換器である庫外熱交換器22に滞留した冷媒が内部熱交換器28及び第1分岐点P1を経て開成する入口側低圧電磁弁262a,262bの下流側の膨張機構231,232に至る。膨張機構231,232に至った冷媒は、断熱膨張して低温低圧状態となり、右庫内熱交換器24a及び中庫内熱交換器24bに至り、これら右庫内熱交換器24a及び中庫内熱交換器24bでそれぞれ蒸発して各商品収容庫3の内部空気から熱を奪い、該内部空気を冷却する。右庫内熱交換器24a及び中庫内熱交換器24bで蒸発した冷媒は、アキュムレータ27を介して圧縮機21に吸引される。
【0068】
これにより休止中の庫外熱交換器22に冷媒が滞留することを防止することができる。しかも、減圧機構522で冷媒を周囲温度と同程度に減圧させるだけなので、該減圧機構522の下流側に結露等の発生を防止するための断熱材を覆う必要がなく、上述した実施の形態1と同様に、膨張機構231,232,233の下流側だけでよい。これにより断熱材で覆う領域を減少させることができ、製造コストの低減化を図ることができる。
【0069】
従って、本実施の形態2である冷媒回路装置によれば、休止中の熱交換器に冷媒が滞留してしまうことを防止しながら、断熱材で覆う領域を減少させることで製造コストの低減化を図ることができる。
【0070】
以上、本発明の好適な実施の形態1及び実施の形態2について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0071】
上述した実施の形態1では、バイパス経路60を構成するバイパス配管61は、右庫内熱交換器24aの入口側冷媒配管25における該右庫内熱交換器24aの入口近傍の合流点に合流するよう設けられていたが、本発明においては、バイパス経路を構成するバイパス配管は、膨張機構から冷却専用の庫内熱交換器までの間に合流するよう設けられていればよい。より具体的には、バイパス配管は、冷却専用の熱交換器に連結されるように設けられていてもよい。
【0072】
また、上述した実施の形態1では、バイパス配管61にバイパス膨張機構63が配設してあったが、本発明においては、バイパス膨張機構は必須の構成要素ではなく、バイパス配管に設けられていなくても構わない。
【0073】
また、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、内部熱交換器28を設けてあったが、本発明では内部熱交換器はなくても構わない。
【0074】
また、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、CCC運転を行う場合とHCC運転を行う場合とにおける冷媒の流れについて説明したが、HHC運転(中庫3b及び左庫3cの内部空気を加熱し、かつ右庫3aの内部空気を冷却する運転)を行う場合であってもバイパスバルブ62を開成させることにより庫外熱交換器22に冷媒を滞留することが防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上のように、本発明に係る冷媒回路装置は、例えば缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を販売する自動販売機に有用である。
【符号の説明】
【0076】
1 本体キャビネット
10 冷媒回路
20 主経路
21 圧縮機
22 庫外熱交換器
231 膨張機構
232 膨張機構
233 膨張機構
24 庫内熱交換器
24a 右庫内熱交換器
24b 中庫内熱交換器
24c 左庫内熱交換器
25 冷媒配管
261 三方弁
262a 入口側低圧電磁弁
262b 入口側低圧電磁弁
262c 入口側低圧電磁弁
263b 出口側低圧電磁弁
263c 出口側低圧電磁弁
30 高圧冷媒導入経路
31 高圧冷媒導入配管
321 高圧導入バルブ
322 高圧導入バルブ
40 第1戻経路
41 第1戻配管
42 加熱側熱交換器
50 第2戻経路
51 第2戻配管
60 バイパス経路
61 バイパス配管
62 バイパスバルブ
63 バイパス膨張機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象室の内部に配設された庫内熱交換器と、前記庫内熱交換器を通過した冷媒を吸引して圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮した冷媒を凝縮させる庫外熱交換器とを冷媒配管で順次接続して構成した主経路と、
自身に設けられた導入バルブが開成することにより前記圧縮機で圧縮した冷媒を導入し、かつ前記庫内熱交換器のうち加熱対象となる室に配設されたものに供給することにより該庫内熱交換器で冷媒を凝縮させる高圧冷媒導入経路と、
前記庫内熱交換器で凝縮した冷媒を加熱側熱交換器を経て前記主経路の庫内熱交換器の上流側に戻す戻経路と
を備えた冷媒回路装置において、
前記主経路における前記戻経路との合流個所よりも下流側で、かつ前記庫内熱交換器の上流側に配設され、該庫内熱交換器に向けて流れる冷媒を断熱膨張させる膨張機構と、
自身に設けられたバイパスバルブが開成する場合に前記庫外熱交換器を通過した冷媒を導入して、自身を通過する冷媒を蒸発させる冷却専用の庫内熱交換器に供給するバイパス経路と
を備えたことを特徴とする冷媒回路装置。
【請求項2】
前記バイパス経路は、
前記庫外熱交換器とその下流側に設けられた逆止弁との間における冷媒配管の途中から分岐し、かつ前記膨張機構から前記冷却専用の庫内熱交換器に至る所定個所に合流する態様で配設されたバイパス配管と、
前記バイパス配管に配設され、開成する場合にはバイパス配管に冷媒が通過することを許容する一方、閉成する場合にはバイパス配管に冷媒が通過することを規制するバイパスバルブと
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の冷媒回路装置。
【請求項3】
前記バイパス経路は、前記バイパスバルブの下流側のバイパス配管に配設され、かつ通過する冷媒を断熱膨張させるバイパス膨張機構を備えたことを特徴とする請求項2に記載の冷媒回路装置。
【請求項4】
対象室の内部に配設された庫内熱交換器と、前記庫内熱交換器を通過した冷媒を吸引して圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮した冷媒を凝縮させる庫外熱交換器とを冷媒配管で順次接続して構成した主経路と、
自身に設けられた導入バルブが開成することにより前記圧縮機で圧縮した冷媒を導入し、かつ前記庫内熱交換器のうち加熱対象となる室に配設されたものに供給することにより該庫内熱交換器で冷媒を凝縮させる高圧冷媒導入経路と、
前記庫内熱交換器で凝縮した冷媒を加熱側熱交換器を経て前記主経路の庫内熱交換器の上流側に戻す戻経路と
を備えた冷媒回路装置において、
前記戻経路における加熱側熱交換器の出口側配管に設けられ、該加熱側熱交換器を通過した冷媒を周囲温度と同程度となるまで減圧させる減圧機構と、
前記主経路における前記戻経路との合流個所よりも下流側で、かつ前記庫内熱交換器の上流側に配設され、該庫内熱交換器に向けて流れる冷媒を断熱膨張させて低温低圧冷媒にさせる膨張機構と
を備えたことを特徴とする冷媒回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−17913(P2012−17913A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155584(P2010−155584)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】