説明

冷気強制送風式保冷具

【課題】載置対象物上に着座している使用者に対し高温期の長時間走行時等において、空調冷気が行き渡らないような身体の部位を効果的に冷却し、快適性を向上し得る冷気強制送風式保冷具。
【解決手段】冷気強制送風式保冷具1は、載置対象物上に載置可能な形状に形成し、内部にジェルを含む保冷媒体14を封入し、保冷媒体14の収納領域以外の領域に、複数の抜穴部13を散在状態に設けた保冷具基体と、保冷具基体の裏面側に添着した複数の通気流路を有する多穴弾性体21と、多穴弾性体21の裏面側に添着した裏面被覆材31と、保冷具基体、多穴弾性体21及び裏面被覆材31の外周部を逢着し、これらを一体化する周辺逢着材と、により保冷具本体を構成し、吸入空気を、多穴弾性体21の通気流路、多数の抜穴部13を経て保冷媒体14により生成する冷気とともに載置対象物上に載置した保冷具本体の表面前方に送風する送風手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷気強制送風式保冷具に関し、詳しくは、例えば高温期における使用者の快適性向上を図った冷気強制送風式保冷具に関するものであり、更に、例えばカーシート等の載置対象物上に着座している使用者に対し高温期における長時間走行時等において、空調による冷気が行き渡らないような身体の部位を効果的に冷却し、使用者の快適性を向上し得る冷気強制送風式保冷具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、夏場のような高温期におけるカー(自動車)の車内環境の快適性を図るために、周知のように運転者、同乗者等の身体の前方から冷気を吹き付けるカーエアコンが多く用いられている。
【0003】
しかし、従来のカーエアコンの場合、運転者、同乗者等の身体における顔、手等に対する冷却効果は十分発揮するものの、カーシートに密着する身体の背中や太腿裏側等については必ずしも冷気が行き渡らず、このため長時間走行時等において運転者、同乗者等の背中等に熱が籠り発汗による不快感が発生するような事態が多々生じている。
そして、以上のような事態は、単に長時間走行時等において運転者、同乗者等の背中等に熱が籠り発汗による不快感が発生するような事態ばかりでなく、一般生活におけるあらゆる場面において生ずることである。
【0004】
このため、例えば長時間走行時等においてカーエアコンによる冷気が行き渡らない身体の部位を冷却し快適性を向上し得るような冷気強制送風式保冷具の出現が期待されるところである。
【0005】
この種のカーシート用保冷具としては、特許文献1に、チャイルド用として、密封された袋状容器と、該袋状容器に充填された蓄冷材とを具備し、袋状容器がチャイルドカーシートのシート部形状、シートカバー形状またはシートクッション形状と略同形状の外形を有する構成としたチャイルドカーシート用防暑具が提案されている。
【0006】
しかし、このチャイルドカーシート用防暑具の場合、チャイルドカーシートのシート部形状に対応させた外形を有する袋状容器に蓄冷材のみを充填した構成であり、このチャイルドカーシート用防暑具を大人用に応用したとしても、高温期における長時間走行等において、運転者、同乗者等のカーエアコンによる冷気が行き渡らない身体の部位に対する冷却作用は必ずしも十分ではないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】登録実用新案第3064507公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする問題点は、例えば高温期における使用者の快適性向上を図った冷気強制送風式保冷具に関するものであり、例えばカーシート等の載置対象物上に着座している使用者に対し高温期における長時間走行時等において、空調による冷気が行き渡らないような身体の部位を効果的に冷却し、使用者の快適性を向上し得るような冷気強制送風式保冷具が存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る冷気強制送風式保冷具は、載置対象物(例えばカーシート等)上に載置可能な形状に形成されるとともに、内部にジェルを含む保冷媒体を封入し、かつ、保冷媒体の収納領域以外の領域に多数の抜穴部を散在状態に設けた保冷具基体と、前記保冷具基体の裏面側に添着した多数の通気流路を有する多穴弾性体と、前記多穴弾性体の裏面側に添着した裏面被覆材と、前記保冷具基体、多穴弾性体及び裏面被覆材の外周部を逢着し、これらを一体化する周辺逢着材と、により保冷具本体を構成するとともに、前記保冷具本体の端辺部に取り付けられて、吸入した空気を、前記多穴弾性体の通気流路、前記多数の抜穴部を経て前記保冷媒体により生成する冷気ととともに載置対象物上に載置した前記保冷具本体の表面前方に送風する送風手段を設けたこと、を最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、請求項2記載の発明によれば、載置対象物上に保冷具本体を載置した状態において、送風手段を動作させることにより、吸入した空気を、保冷具本体における多穴弾性体の通気流路、多数の抜穴部を経て、保冷媒体による冷気ととともに載置対象物上に載置した保冷具本体の表面前方に送風することによって、保冷具本体を使用する使用者の大腿の裏側や背中等の熱のこもり易い身体の部位を効果的に冷却することができ、快適性を確実に向上させることができる冷気強制送風式保冷具を実現し提供することができる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、保冷具本体を構成する保冷具基体を、載置対象物であるカーシートの着座部、背もたれ部に載置される保冷着座シート部、保冷背もたれシート部を有する構成とし、カーシガレット電源部からの電力供給により送風手段を動作させることにより、吸入した空気を、前記多穴弾性体の網目状通気流路、前記保冷着座シート部及び前記保冷背もたれシート部に設けた多数の抜穴部を経て、前記保冷媒体により生成する冷気ととともに前記保冷着座シート部及び前記保冷背もたれシート部の表面前方に送風することができ、夏場のような高温期において、カーシート着座者の大腿の裏側や背中等の熱のこもり易い身体の部位を効果的に冷却することができ、運転者、同乗者等のカー内のシート着座時における快適性を確実に向上させることができる冷気強制送風式保冷具を実現し提供することができる。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明と同様な構成で、かつ、繊維、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地の内から選定される表地と、高周波加熱により溶着可能な非吸水性素材であるポリ塩化ビニルからなる裏地とを有する被覆材を用いて保冷具基体を構成し、この保冷具基体内にジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤を含む保冷媒体を封入した構成の基に、請求項3記載の発明と同様、夏場のような高温期において、カーシート着座者の大腿の裏側や背中等の熱のこもり易い身体の部位を効果的に冷却することができ、運転者、同乗者等のカー内のシート着座時における快適性を確実に向上させることができる冷気強制送風式保冷具を実現し提供することができる。
【0013】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明と同様な構成で、かつ、送風手段を、吸い込み口からの空気を吐出口から吐出するファンと、カーシガレット電源部に接続するプラグと、前記プラグとファンを接続するケーブルと、前記ファンの吐出口を前記多穴弾性体の網目状通気流路に連通させるダクト部と、前記保冷着座シート部の端辺部に取り付けた前記ファンを着脱可能に収容するとともに前記ファンの吸い込み口のみを露出させる線ファスナ付の袋体と、を具備する具体的な構成として、請求項4記載の発明と同様、夏場のような高温期において、カーシート着座者の大腿の裏側や背中等の熱のこもり易い身体の部位を効果的に冷却することができ、運転者、同乗者等のカー内のシート着座時における快適性を確実に向上させることができるカーシート用保冷具を実現し提供することができる。
【0014】
請求項6、請求項7記載の発明によれば、載置対象物である寝具類上に保冷具本体を載置した状態において、送風手段を動作させることにより、吸入した空気を、保冷具本体における多穴弾性体の通気流路、多数の抜穴部を経て、保冷媒体による冷気ととともに載置対象物上に載置した保冷具本体の表面前方に送風することによって、夏場のような高温期において、寝具類上に載せた保冷具本体を使用する使用者の熱のこもり易い身体の部位を効果的に冷却することができ、快適性を確実に向上させることができる冷気強制送風式保冷具を実現し提供することができる。
【0015】
請求項8記載の発明によれば、保冷具本体を、敷布団用、ベッド用、寝具用マット用又は座布団用の各サイズの内から選定されるサイズとした構成とし、電源部からの電力供給により送風手段を動作させることにより、吸入した空気を、前記多穴弾性体の網目状通気流路、多数の抜穴部を経て、前記保冷媒体により生成する冷気ととともに前記保冷具本体の表面前方に送風することによって、夏場のような高温期において、寝具類上に載せた保冷具本体を使用する使用者の熱のこもり易い身体の部位を効果的に冷却することができ、快適性を確実に向上させることができる冷気強制送風式保冷具を実現し提供することができる。
【0016】
請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の発明と同様な構成で、かつ、繊維、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地の内から選定される表地と、高周波加熱により溶着可能な非吸水性素材であるポリ塩化ビニルからなる裏地とを有する被覆材を用いて保冷具基体を構成し、この保冷具基体内にジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤を含む保冷媒体を封入した構成の基に、請求項8記載の発明と同様、夏場のような高温期において、寝具類上に載せた保冷具本体を使用する使用者の熱のこもり易い身体の部位を効果的に冷却することができ、快適性を確実に向上させることができる冷気強制送風式保冷具を実現し提供することができる。
【0017】
請求項10記載の発明によれば、請求項9記載の発明と同様な構成で、かつ、送風手段を、吸い込み口からの空気を吐出口から吐出するファンと、商用電源部に接続するプラグと、前記プラグとファンを接続するケーブルと、前記ファンの吐出口を前記多穴弾性体の網目状通気流路に連通させるダクト部と、前記保冷着座シート部の端辺部に取り付けた前記ファンを着脱可能に収容するとともに前記ファンの吸い込み口のみを露出させる線ファスナ付の袋体と、を具備する具体的な構成として、請求項9記載の発明と同様、夏場のような高温期において、寝具類上に載せた保冷具本体を使用する使用者の熱のこもり易い身体の部位を効果的に冷却することができ、快適性を確実に向上させることができる冷気強制送風式保冷具を実現し提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の実施例1に係る冷気強制送風式保冷具の全体構成を示す概略正面図である。
【図2】図2は本実施例1に係る冷気強制送風式保冷具における保冷具本体を表面側から見た概略斜視図である。
【図3】図3は本実施例1に係る冷気強制送風式保冷具の概略裏面図である。
【図4】図4は本実施例1に係る冷気強制送風式保冷具における保冷具本体に図3に示すような裏面被覆材を装着しない構成例とした場合の裏面側から見た概略斜視図である。
【図5】図5は本実施例1に係る冷気強制送風式保冷具の送風手段及び保冷具本体の一部を示す概略部分拡大断面図である。
【図6】図6は本実施例1に係る冷気強制送風式保冷具の多穴弾性体の部分拡大図である。
【図7】図7は本実施例1に係る冷気強制送風式保冷具をカーシートに載置した状態の使用態様を示す概略斜視図である。
【図8】図8は本発明の実施例2に係る冷気強制送風式保冷具の全体構成を示す概略正面図である。
【図9】図9は本実施例2に係る冷気強制送風式保冷具の送風手段及び保冷具本体を一部を断面として示す概略部分拡大図である。
【図10】図10は本実施例2に係る冷気強制送風式保冷具の変形例を示す概略正面図である。
【図11】図11は本実施例2に係る冷気強制送風式保冷具の別の変形例を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、例えば高温期における使用者の快適性向上を図った冷気強制送風式保冷具に関するものであり、例えばカーシート等の載置対象物上に着座している使用者に対し高温期における長時間走行時等において、空調による冷気が行き渡らないような身体の部位を効果的に冷却し、使用者の快適性を向上し得る冷気強制送風式保冷具を実現し提供するという目的を、例えばカーシートの着座部、背もたれ部に対応した形状に形成された保冷着座シート部、保冷背もたれシート部を連設するとともに、前記保冷着座シート部、保冷背もたれシート部に前記被覆材を貫通する多数の抜穴部を散在状態に設け、かつ、前記保冷着座シート部、保冷背もたれシート部を形成する被覆材内部に形成した保冷媒体収納部に空気の冷却機能を発揮するジェルを含む保冷媒体を封入した保冷具基体と、前記保冷具基体の裏面側に添着した多数の網目状通気流路を有する多穴弾性体と、前記多穴弾性体の裏面側を覆う布材又は合成樹脂材からなる裏面被覆材と、前記保冷具基体の被覆材の外周部、多穴弾性体の外周部、裏面被覆材の外周部を逢着し、これらを一体化する周辺逢着材と、により保冷具本体を構成するとともに、前記保冷具本体の端辺部に取り付けられるとともに、カーシガレット電源部からの電力供給により動作し、吸入した空気を、前記多穴弾性体の網目状通気流路、前記保冷着座シート部及び前記保冷背もたれシート部に設けた多数の抜穴部を経て、前記保冷媒体により生成する冷気ととともに前記保冷着座シート部及び前記保冷背もたれシート部の表面前方に送風する送風手段を設けた構成により実現した。
【実施例】
【0020】
以下、本発明の実施例に係る冷気強制送風式保冷具について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
(実施例1)
本実施例1に係る冷気強制送風式保冷具1は、図1〜図7に示すように、図7に示す載置対象物であるカーシート61の着座部62、背もたれ部63に対応した形状に形成された保冷着座シート部3、保冷背もたれシート部4を、折り畳み可能に連設してシート状の被覆材2を積層した保冷具基体5を有する保冷具本体10を具備している。
【0022】
前記保冷具本体10は、以下に詳述するように、前記保冷具基体5と、この保冷具基体5の裏面側に添着した多数の網目状通気流路を有する多穴弾性体21と、前記多穴弾性体21の裏面側を覆う布材又は合成樹脂材からなる裏面被覆材31と、前記保冷具基体5の外周部、多穴弾性体21の外周部、裏面被覆材31の外周部を逢着し、これらを一体化する布材又は合成樹脂材からなる周辺逢着材41と、を有している。
なお、前記裏面被覆材31は必ずしもこれを必要とするものではなく、これを不要として構成しても良い。
【0023】
前記保冷具本体10における前記保冷着座シート部3の裏面側をカーシート61の着座部62に、また、前記保冷背もたれシート部4の裏面側をカーシート61の背もたれ部63に添着する状態で載置可能に構成している。
【0024】
前記保冷具基体5を構成する被覆材2は、繊維、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地の内から選定される表地11と、高周波加熱により溶着可能な非吸水性素材であるポリ塩化ビニルからなる裏地12とを有し、このような構成の被覆材2を重ね合わせて、前記保冷着座シート部3、保冷背もたれシート部4が一体に連設するように形成している。
【0025】
また、前記保冷着座シート部3、保冷背もたれシート部4に、各々平面視略四角形状を呈する保冷媒体収容部3a、4aを設け、前記保冷媒体収容部3a、4aの所定の箇所を裏地12同士の高周波加熱により円形に溶着して接合し、保冷媒体を収納した領域以外の部分に、各々2枚の被覆材2を貫通する複数又は多数の(図1に示す例では保冷着座シート部3、保冷背もたれシート部4に各々6個)抜穴部13を散在状態に設けている。
【0026】
更に、前記保冷着座シート部3、保冷背もたれシート部4の外周部分は、やはり裏地12同士の高周波加熱により溶着して周辺溶着部3b、4bとするとともに、前記保冷着座シート部3、保冷背もたれシート部4における抜穴部13以外の領域に、各々裏地12同士の高周波加熱による接合により直線状及び略十字状の内側溶着部3c、4cを散在状態に設けている。
【0027】
そして、前記保冷着座シート部3、保冷背もたれシート部4の内部の保冷媒体収容部3a、4a内に各々詳細は後述する保冷媒体14をその流動を規制する状態で封入するように構成している。
【0028】
前記保冷媒体14は、例えば、ジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤を含む構成からなり、公知のように周辺空気の冷却機能を発揮するものである。
【0029】
前記保冷具本体10は、更に、前記2枚の被覆材2の内の一方側、すなわち、裏面側全体を覆うように添着したシート状の多穴弾性体21と、前記多穴弾性体21の裏面側を覆う布材又は合成樹脂材からなるシート状の裏面被覆材31と、前記保冷具基体5における2枚の被覆材2の外周部、多穴弾性体21の外周部、裏面被覆材31の外周部を逢着して、これらを一体化する前記周辺逢着材41と、前記保冷着座シート部3のいずれかの部分、例えば保冷着座シート部3の端辺部に取り付けた送風手段51と、を有している。
【0030】
前記多穴弾性体21は、図5、図6に示すように、六角形状、円形状、楕円形状、四角形状、菱形状のような形状から選定される網目状通気流路を形成する多数の穴22が連続して連なる形態の矩形シート状の例えばポリエステル材又はナイロン材のような網目状表地23及び網目状裏地24を対向配置とし、前記網目状表地23、網目状裏地24の対向する網材23a、24a間を、各々間隔を隔て多数の弾性連結糸材25(弾性連結糸材群)により連結することにより、前記網目状表地23、網目状裏地24間に弾性(バネ性)を持たせるとともに、かつ、網目状通気流路による通気性を持たせた構成となっている。
【0031】
前記弾性連結糸材25としては、例えばナイロン又はテフロン(登録商標)のような材質からなるモノフィラメント又はマルチフィラメントを採用している。前記多穴弾性体21の厚さは、例えば3〜20mmに設定するものである。
【0032】
前記網材23a、24a間を各々間隔を隔て連結する前記弾性連結糸材25の連結態様は、例えば、ストレート、クロス、ストレート・クロス混合の各態様を挙げることができる。
【0033】
前記保冷具基体5は、更に、図3に示すように、前記裏面被覆材31側に、カーシート61の着座部62、背もたれ部63への取り付け用の取り付けベルト部32を配置している。
【0034】
前記送風手段51は、図1、図5、図7に示すように、例えば前記保冷着座シート部3の端辺部に逢着により取り付けられるとともに、図1に示す例えばDC12V又は24Vの電圧出力を有するカーシガレット電源部52からの電力供給により動作し、カー(自動車)室内から吸い込んだ空気を、前記多穴弾性体21、前記保冷着座シート部3及び保冷背もたれシート部4に設けた多数の抜穴部13を経て、前記保冷媒体14により生成する冷気ととともに前記保冷着座シート部3及び前記保冷背もたれシート部4の表面(の前方)、すなわち、着座した使用者(運転者、同乗者)の太腿裏側、背中に向けて送風するように構成している。
【0035】
更に、詳述すると、前記送風手段51は、図1、図5、図7に示すように、カー室内の空気を吸い込み口53aより吸い込んで、吐出口53bから吐出する公知のファン(例えばシロッコファン等々)53と、カーシガレット電源部52に装着するプラグ54と、前記プラグ54と前記ファン53を接続する電源ケーブル55と、前記ファン53の吐出口53bを多穴弾性体21の網目状通気流路に連通させる例えば合成樹脂管からなる送風管部56と、前記ファン53の吸い込み口53aを露出させてその他の部分を被覆するとともに例えばジッパー等の線ファスナ60により開閉する構造の袋体57と、を具備している。
【0036】
前記電源ケーブル55は、その任意位置に接続プラグ58、接続ソケット59を具備し、これにより、前記ファン53側とプラグ54側とを分離可能に構成し、冷気強制送風式保冷具1の不使用時、保管時等における電源ケーブル55の収納の便宜を図っている。
【0037】
次に、本実施例1に係る冷気強制送風式保冷具1の作用、効果をその使用態様とともに説明する。
【0038】
本実施例1に係る冷気強制送風式保冷具1の使用に際しては、図7に示すように、前記保冷具本体10における保冷着座シート部3の裏面側をカーシート61の着座部62に、また、前記保冷背もたれシート部4の裏面側をカーシート61の背もたれ部63に添着する状態で載置する。
【0039】
次に、前記カーシガレット電源部52にプラグ54を装着し、カーシガレット電源部52から電源ケーブル55を経てファン53に所定の電圧を供給する。
これにより、ファン53が回転してカー室内の空気を吸い込み、吐出口53bから送風管部56を経て多穴弾性体21の網目状通気流路に空気を送風する。
【0040】
これにより、多穴弾性体21の網目状通気流路を通過した空気は前記保冷着座シート部3及び保冷背もたれシート部4に設けた多数の抜穴部13を経て、前記保冷媒体14により生成する冷気ととともに前記保冷着座シート部3及び前記保冷背もたれシート部4の表面前方、すなわち、使用者の太腿裏側、背中に向けて送風される。
【0041】
このとき、裏面被覆材31が存在することから、前記冷気はカーシート61の着座部62や背もたれ部63側に漏れ出ることは無く、前記冷気を効率よく前記保冷着座シート部3及び前記保冷背もたれシート部4に接している使用者の太腿裏側、背中に効率よく送風することができる。
【0042】
これにより、例えば、高温期におけるカーによる長時間走行時等においても、カーシート61に着座した状態でカーエアコンによる冷気が行き渡らない運転者、同乗者等の身体における大腿の裏側や背中等の部位が効果的に冷却され、熱のこもりが解消されて当該使用者の発汗が抑えられて、カー内の着座時における使用者の快適性を、冷気強制送風式保冷具1を使用しない場合に比べると確実に向上させることができる。
【0043】
図4は、前記保冷具本体10の変形例である保冷具本体10Aの裏面の形態を示すものであり、この保冷具本体10Aは、前記保冷具本体10と略同様な構成であるが、前記多穴弾性体21の裏面側の裏面被覆材31を無くし、多穴弾性体21の裏面側を表出させて構成したことが特徴である。
【0044】
このような保冷具本体10Aを用いて冷気強制送風式保冷具1を構成することも可能であり、この場合には多穴弾性体21の裏面側がカーシート61の着座部62、背もたれ部63に直接接触することから、カーシート61の着座部62、背もたれ部63自体を前記裏面被覆材31の代わりとして作用させることができる。
【0045】
なお、この場合には、前記裏面被覆材31を無くしたことにより、冷気がカーシート61の着座部62、背もたれ部63側に若干漏れ出ることを避けることはできないが、この場合においても、カーシート61に着座しカーエアコンによる冷気が行き渡らない使用者の身体の大腿の裏側や背中等の部位が冷却され、熱のこもりが解消されて当該使用者の発汗が抑えられて、カー内の着座時の快適性を、冷気強制送風式保冷具1を使用しない場合に比べると向上させることができる。
【0046】
(実施例2)
本実施例2に係る冷気強制送風式保冷具1Aについて、図8、図9を参照して説明する。
【0047】
本実施例2に係る冷気強制送風式保冷具1Aにおいて、既述した実施例1に係る冷気強制送風式保冷具1の場合と同一の要素部分には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0048】
本実施例2に係る冷気強制送風式保冷具1Aは、基本的には実施例1に係る冷気強制送風式保冷具1と同様な構成であるが、前記保冷具本体10に替えて、載置対象物である寝具類の一種としてのベッド用(又は敷布団用)のシーツサイズ、例えば幅90cm×長さ180cmとした保冷具本体70を採用したこと、当該保冷具本体70のいずれかの部分、例えば保冷具本体70の端辺部に取り付ける送風手段81として、例えば家庭用のAC100Vの商用電源部90に対応する仕様のものを採用したことが特徴である。
本発明においては、保冷具本体70のサイズを図示例に限定するものではなく、図示例以外のサイズとしてこれを構成しても良い。
【0049】
すなわち、保冷具本体70は、シーツサイズの保冷具基体71と、前記保冷具基体71の裏面側に添着した多数の網目状通気流路を有する多穴弾性体21と、前記多穴弾性体21の裏面側を覆う布材又は合成樹脂材からなる裏面被覆材31と、前記保冷具基体5の外周部、多穴弾性体21の外周部、裏面被覆材31の外周部を逢着し、これらを一体化する布材又は合成樹脂材からなる周辺逢着材41と、を有している。
なお、前記裏面被覆材31は必ずしもこれを必要とするものではなく、これを不要として構成しても良い。
【0050】
前記保冷具基体71は、実施例1の保冷具基体5と同様な素材からなるとともに、図8に示すように、保冷具本体70を構成する裏地12同士の高周波加熱による外周圧着部72、円環状で、かつ、保冷媒体を収納した領域以外の部分に設置した抜穴部75を有する多数の部分圧着部73及び直線状の複数の中間圧着部74からなる各圧着部を設け、これら各圧着部により画される領域を保冷媒体収容部71aとして、この保冷媒体収容部71aに保冷媒体14を密封収納している。
【0051】
前記送風手段81は、図8に示すように、室内の空気を吸い込み口53aより吸い込んで、吐出口53bから吐出する公知のファン(例えばシロッコファン等:商用電源対応仕様)53と、商用電源部90に装着するACプラグ82と、前記ACプラグ82と前記ファン53を接続する電源ケーブル55と、前記ファン53の吐出口53bを多穴弾性体21の網目状通気流路に連通させる例えば合成樹脂管からなる送風管部56と、前記ファン53の吸い込み口53aを露出させその他の部分を被覆するとともにジッパー等の線ファスナ60により開閉する構造の袋体57と、を具備している。
【0052】
本実施例2に係る冷気強制送風式保冷具1Aによれば、例えば、保冷具本体70を図8に示すように、ベッド100上に載置し、ACプラグ82を商用電源部90に装着することによって、ファン53が回転して室内の空気を吸い込み、吐出口53bから送風管部56を経て多穴弾性体21の網目状通気流路に空気を送風する。
【0053】
これにより、多穴弾性体21の網目状通気流路を通過した空気は前記保冷具基体71に設けた複数又は多数の抜穴部75を経て、前記保冷媒体14により生成する冷気ととともに前記保冷具本体70上の使用者の背中、腰等に向けて送風される。
【0054】
この結果、夏季等の高温期においても、ベッド100上の冷気強制送風式保冷具1A上に就寝している使用者の身体の背中、腰等の部位が効果的に冷却され、熱のこもりが解消されて当該使用者の発汗が抑えられて、就寝時における使用者の快適性を確実に向上させることができる。
【0055】
図10は、本実施例2に係る冷気強制送風式保冷具1Aの変形例である冷気強制送風式保冷具1Bを示すものであり、この冷気強制送風式保冷具1Bは、実施例2に係る冷気強制送風式保冷具1Aと略同様な構成であるが、保冷具本体70のサイズを載置対象物である寝具類の一種としてのベッド用(又は敷布団用)のハーフシーツサイズ、例えば、幅90cm×長さ140cmとしたことが特徴であり、残余の構成は実施例2に係る冷気強制送風式保冷具1Aと同様である。
【0056】
この変形例の冷気強制送風式保冷具1Bによっても、実施例2に係る冷気強制送風式保冷具1Aの場合と同様に、夏季等の高温期においても、ベッド上の冷気強制送風式保冷具1B上に就寝している使用者の身体の背中の部位が効果的に冷却され、熱のこもりが解消されて当該使用者の発汗が抑えられて、就寝時における使用者の快適性を確実に向上させることができる。
【0057】
更には、変形例の冷気強制送風式保冷具1Bは、ハーフシーツサイズとして構成しているので、例えば、大人より身長が小さい子供等の就寝用として好適に使用できるという利点がある。
【0058】
図11は、本実施例2に係る冷気強制送風式保冷具1Aの別の変形例である冷気強制送風式保冷具1Cを示すものであり、この冷気強制送風式保冷具1Bは、実施例2に係る冷気強制送風式保冷具1Aと略同様な構成であるが、保冷具本体70のサイズを載置対象物である寝具類の一種としての座布団用のサイズ、例えば、幅45cm×長さ45cmの小型サイズとしたことが特徴であり、残余の構成は実施例2に係る冷気強制送風式保冷具1Aと同様である。
【0059】
本発明においては、保冷具本体70のサイズを図示例に限定するものではなく、図示例以外のサイズとしてこれを構成しても良い。例えば、前記保冷具本体70を、敷布団用とする場合は幅90cm×長さ140cmのサイズ、その他日常用のマットとする場合は幅90cm×長さ90cmのサイズ、座布団用のマットとする場合は幅40cm×長さ40cmのサイズ等に構成することができる。
【0060】
この変形例の冷気強制送風式保冷具1Cによれば、座布団用のサイズという小型の構成の基に、座布団上に冷気強制送風式保冷具1C上に座る使用者の腰や大腿の裏側へ冷気わ送風することができ、その部位が効果的に冷却され、熱のこもりが解消されて当該使用者の発汗が抑えられて、例えば使用者が冷気強制送風式保冷具1C上に座り読書等をしている場合の快適性を確実に向上させることができる。
【0061】
更には、この変形例の冷気強制送風式保冷具1Cは、座布団用のサイズとしているので、例えば、身長がより小さい幼児等の就寝用として好適に使用できるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の冷気強制送風式保冷具は、乗用車、トラック、バス等のカーシート用、各種作業機械の運転席シート用等として、更には、航空機、船舶等の運転席シート用等として広範に応用可能であり、また、日常的に使用される各種サイズのシート状等の保冷具に広範に適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 冷気強制送風式保冷具
1A 冷気強制送風式保冷具
1B 冷気強制送風式保冷具
1C 冷気強制送風式保冷具
2 被覆材
3 保冷着座シート部
3a 保冷媒体収容部
3b 周辺溶着部
3c 内側溶着部
4 保冷背もたれシート部
4a 保冷媒体収容部
4b 周辺溶着部
4c 内側溶着部
5 保冷具基体
10 保冷具本体
10A 保冷具本体
11 表地
12 裏地
13 抜穴部
14 保冷媒体
21 多穴弾性体
22 穴
23 網目状表地
23a 網材
24 網目状裏地
24a 網材
25 弾性連結糸材
31 裏面被覆材
32 ベルト部
41 周辺逢着材
51 送風手段
52 カーシガレット電源部
53 ファン
53a 吸い込み口
53b 吐出口
54 プラグ
55 電源ケーブル
56 送風管部
57 袋体
58 接続プラグ
59 接続ソケット
60 線ファスナ
61 カーシート
62 着座部
63 背もたれ部
70 保冷具本体
71 保冷具基体
71a 保冷媒体収容部
72 外周圧着部
73 部分圧着部
74 中間圧着部
75 抜穴部
81 送風手段
82 ACプラグ
90 商用電源部
100 ベッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置対象物上に載置可能な形状に形成されるとともに、内部にジェルを含む保冷媒体を封入し、かつ、保冷媒体を収納した領域以外の部分に、複数の抜穴部を散在状態に設けた保冷具基体と、
前記保冷具基体の裏面側に添着した多数の通気流路を有する多穴弾性体と、
前記保冷具基体及び多穴弾性体の外周部を逢着し、これらを一体化する周辺逢着材と、
により保冷具本体を構成するとともに、
前記保冷具本体に取り付けられるとともに、吸入した空気を、前記多穴弾性体の通気流路、前記複数の抜穴部を経て前記保冷媒体により生成する冷気ととともに載置対象物上に載置した前記保冷具本体の表面前方に送風する送風手段を設けたこと、
を特徴とする冷気強制送風式保冷具。
【請求項2】
載置対象物上に載置可能な形状に形成されるとともに、内部にジェルを含む保冷媒体を封入し、かつ、保冷媒体を収納した領域以外の部分に、複数の抜穴部を散在状態に設けた保冷具基体と、
前記保冷具基体の裏面側に添着した多数の通気流路を有する多穴弾性体と、
前記多穴弾性体の裏面側に添着した裏面被覆材と、
前記保冷具基体、多穴弾性体及び裏面被覆材の外周部を逢着し、これらを一体化する周辺逢着材と、
により保冷具本体を構成するとともに、
前記保冷具本体のいずれかの部分に取り付けられるとともに、吸入した空気を、前記多穴弾性体の通気流路、前記複数の抜穴部を経て前記保冷媒体により生成する冷気ととともに載置対象物上に載置した前記保冷具本体の表面前方に送風する送風手段を設けたこと、
を特徴とする冷気強制送風式保冷具。
【請求項3】
載置対象物であるカーシートの着座部、背もたれ部に載置される保冷着座シート部、保冷背もたれシート部を連設するとともに、前記保冷着座シート部、保冷背もたれシート部を形成する被覆材内部に形成した保冷媒体収納部に空気の冷却機能を発揮するジェルを含む保冷媒体を封入し、かつ、前記保冷着座シート部、保冷背もたれシート部の保冷媒体を収納した領域以外の部分に、これらの各部を貫通する複数の抜穴部を散在状態に設けた保冷具基体と、
前記保冷具基体の裏面側に添着した多数の網目状通気流路を有する多穴弾性体と、
前記多穴弾性体の裏面側を覆う布材又は合成樹脂材からなる裏面被覆材と、
前記保冷具基体の被覆材の外周部、多穴弾性体の外周部、裏面被覆材の外周部を逢着し、これらを一体化する周辺逢着材と、
により保冷具本体を構成するとともに、
前記保冷具本体の端辺部に取り付けられるとともに、カーシガレット電源部からの電力供給により動作し、吸入した空気を、前記多穴弾性体の網目状通気流路、前記保冷着座シート部及び前記保冷背もたれシート部に設けた複数の抜穴部を経て、前記保冷媒体により生成する冷気ととともに前記保冷着座シート部及び前記保冷背もたれシート部の表面前方に送風する送風手段を設けたこと、
を特徴とする冷気強制送風式保冷具。
【請求項4】
繊維、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地の内から選定される表地と、高周波加熱により溶着可能な非吸水性素材であるポリ塩化ビニルからなる裏地とを有する被覆材をもって、載置対象物であるカーシートの着座部、背もたれ部に対応した形状に形成された保冷着座シート部、保冷背もたれシート部を連設するとともに、前記保冷着座シート部、保冷背もたれシート部を形成する被覆材内部に形成した保冷媒体収納部に、空気の冷却機能を発揮するジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤を含む保冷媒体を封入し、かつ、前記保冷着座シート部、保冷背もたれシート部の保冷媒体を収納した領域以外の部分に、前記被覆材を貫通する複数の抜穴部を散在状態に設けた保冷具基体と、
合成樹脂材からなる網目状表地及び網目状裏地を対向配置とし、前記網目状表地、網目状裏地の対向する網材間を、各々間隔を隔て多数の弾性連結糸材により連結して、前記網目状表地、網目状裏地間に弾性を持たせ、かつ、網目状通気流路を形成した構成からなり、前記保冷具基体の裏面側に添着したシート状の多穴弾性体と、
前記シート状の多穴弾性体の裏面側を覆うシート状の裏面被覆材と、
前記保冷具基体の被覆材の外周部、多穴弾性体の外周部、裏面被覆材の外周部を逢着し、これらを一体化する周辺逢着材と、
により保冷具本体を構成するとともに、
前記保冷着座シート部の端辺部に取り付けられるとともに、カーシガレット電源部からの電力供給により動作し、吸入した空気を、前記多穴弾性体の網目状通気流路、前記保冷着座シート部及び前記保冷背もたれシート部に設けた多数の抜穴部を経て、前記保冷媒体により生成する冷気ととともに前記保冷着座シート部及び前記保冷背もたれシート部の表面前方に送風する送風手段を設けたこと、
を特徴とする冷気強制送風式保冷具。
【請求項5】
繊維、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地の内から選定される表地と、高周波加熱により溶着可能な非吸水性素材であるポリ塩化ビニルからなる裏地とを有する被覆材をもって、載置対象物であるカーシートの着座部、背もたれ部に対応した形状に形成された保冷着座シート部、保冷背もたれシート部を連設するとともに、前記保冷着座シート部、保冷背もたれシート部を形成する被覆材内部に形成した保冷媒体収納部に、空気の冷却機能を発揮するジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤を含む保冷媒体を封入し、かつ、前記保冷着座シート部、保冷背もたれシート部の保冷媒体を収納した領域以外の部分に、前記被覆材を貫通する複数の抜穴部を散在状態に設けた保冷具基体と、
合成樹脂材からなる網目状表地及び網目状裏地を対向配置とし、前記網目状表地、網目状裏地の対向する網材間を、各々間隔を隔て多数の弾性連結糸材により連結して、前記網目状表地、網目状裏地間に弾性を持たせ、かつ、網目状通気流路を形成した構成からなり、前記保冷具基体の裏面側に添着したシート状の多穴弾性体と、
前記シート状の多穴弾性体の裏面側を覆うシート状の裏面被覆材と、
前記保冷具基体の被覆材の外周部、多穴弾性体の外周部、裏面被覆材の外周部を逢着し、これらを一体化する周辺逢着材と、
により保冷具本体を構成するとともに、
吸い込み口からの空気を吐出口から吐出するファンと、カーシガレット電源部に接続するプラグと、前記プラグとファンを接続するケーブルと、前記ファンの吐出口を前記多穴弾性体の網目状通気流路に連通させる送風管部と、前記保冷着座シート部の端辺部に取り付けた前記ファンを着脱可能に収容するとともに前記ファンの吸い込み口のみを露出させる線ファスナ付の袋体と、を具備し、カーシガレット電源部からの電力供給により動作し、吸入した空気を、前記多穴弾性体の網目状通気流路、前記保冷着座シート部及び前記保冷背もたれシート部に設けた多数の抜穴部を経て、前記保冷媒体による冷気ととともに前記保冷着座シート部及び前記保冷背もたれシート部の表面前方に送風する送風手段を設けたこと、
を特徴とする冷気強制送風式保冷具。
【請求項6】
載置対象物である寝具類上に載置可能な形状に形成されるとともに、内部にジェルを含む保冷媒体を封入し、かつ、保冷媒体を収納した領域以外の部分に、複数の抜穴部を散在状態に設けた保冷具基体と、
前記保冷具基体の裏面側に添着した多数の通気流路を有する多穴弾性体と、
前記保冷具基体及び多穴弾性体の外周部を逢着し、これらを一体化する周辺逢着材と、
により保冷具本体を構成するとともに、
前記保冷具本体に取り付けられるとともに、吸入した空気を、前記多穴弾性体の通気流路、前記多数の抜穴部を経て前記保冷媒体により生成する冷気ととともに載置対象物である寝具類上に載置した前記保冷具本体の表面前方に送風する送風手段を設けたこと、
を特徴とする冷気強制送風式保冷具。
【請求項7】
載置対象物である寝具類上に載置可能な形状に形成されるとともに、内部にジェルを含む保冷媒体を封入し、かつ、保冷媒体を収納した領域以外の部分に、複数の抜穴部を散在状態に設けた保冷具基体と、
前記保冷具基体の裏面側に添着した多数の通気流路を有する多穴弾性体と、
前記多穴弾性体の裏面側に添着した裏面被覆材と、
前記保冷具基体、多穴弾性体及び裏面被覆材の外周部を逢着し、これらを一体化する周辺逢着材と、
により保冷具本体を構成するとともに、
前記保冷具本体のいずれかの部分に取り付けられるとともに、吸入した空気を、前記多穴弾性体の通気流路、前記複数の抜穴部を経て前記保冷媒体により生成する冷気ととともに載置対象物である寝具類上に載置した前記保冷具本体の表面前方に送風する送風手段を設けたこと、
を特徴とする冷気強制送風式保冷具。
【請求項8】
布材又は合成樹脂材からなる被覆材をもって、載置対象物である寝具類上に載置可能な形状に形成されるとともに、前記被覆材内部に形成した保冷媒体収納部に空気の冷却機能を発揮するジェルを含む保冷媒体を封入し、かつ、前記被覆材の保冷媒体を収納した領域以外の部分に、前記被覆材を貫通する複数の抜穴部を散在状態に設け保冷具基体と、
前記保冷具基体の裏面側に添着した多数の網目状通気流路を有する多穴弾性体と、
前記多穴弾性体の裏面側を覆う布材又は合成樹脂材からなる裏面被覆材と、
前記保冷具基体の被覆材の外周部、多穴弾性体の外周部、裏面被覆材の外周部を逢着し、これらを一体化する布材又は合成樹脂材からなる周辺逢着材と、
により保冷具本体を構成するとともに、
前記保冷具本体に取り付けられ、電源部からの電力供給により動作し、吸入した空気を、前記多穴弾性体の網目状通気流路、前記多数の抜穴部を経て前記保冷媒体により生成する冷気ととともに載置対象物である寝具類上に載置した前記保冷具本体の表面前方に送風する送風手段を設け、
前記保冷具本体を敷布団用、ベッド用、寝具用マット用又は座布団用の各サイズの内から選定されるサイズとしたこと、
を特徴とする冷気強制送風式保冷具。
【請求項9】
繊維、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地の内から選定される表地と、高周波加熱により溶着可能な非吸水性素材であるポリ塩化ビニルからなる裏地とを有する被覆材をもって、載置対象物である寝具類上に載置可能な形状に形成されるとともに、前記被覆材内部に形成した保冷媒体収納部に空気の冷却機能を発揮するジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤を含む保冷媒体を封入した保冷具基体と、
合成樹脂材からなる網目状表地及び網目状裏地を対向配置とし、前記網目状表地、網目状裏地の対向する網材間を、各々間隔を隔て多数の弾性連結糸材により連結して、前記網目状表地、網目状裏地間に弾性を持たせ、かつ、網目状通気流路を形成した構成からなり、前記保冷具基体の裏面側に添着した多穴弾性体と、
前記シート状の多穴弾性体の裏面側を覆う裏面被覆材と、
前記保冷具本体の被覆材の外周部、多穴弾性体の外周部、裏面被覆材の外周部を逢着し、これらを一体化する周辺逢着材と、
により保冷具本体を構成するとともに、
前記保冷具本体の端辺部に取り付けられ、電源部からの電力供給により動作し、吸入した空気を、前記多穴弾性体の網目状通気流路、前記多数の抜穴部を経て前記保冷媒体により生成する冷気ととともに載置対象物である寝具類上に載置した前記保冷具本体の表面前方に送風する送風手段を設け、
前記保冷具本体を敷布団用、ベッド用、寝具用マット用又は座布団用の各サイズの内から選定されるサイズとしたこと、
を特徴とする冷気強制送風式保冷具。
【請求項10】
繊維、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地の内から選定される表地と、高周波加熱により溶着可能な非吸水性素材であるポリ塩化ビニルからなる裏地とを有する被覆材をもって、載置対象物である寝具類上に載置可能な形状に形成されるとともに、前記被覆材内部に形成した保冷媒体収納部に空気の冷却機能を発揮するジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤を含む保冷媒体を封入した保冷具基体と、
合成樹脂材からなる網目状表地及び網目状裏地を対向配置とし、前記網目状表地、網目状裏地の対向する網材間を、各々間隔を隔て多数の弾性連結糸材により連結して、前記網目状表地、網目状裏地間に弾性を持たせ、かつ、網目状通気流路を形成した構成からなり、前記保冷具基体の裏面側に添着した多穴弾性体と、
前記シート状の多穴弾性体の裏面側を覆う裏面被覆材と、
前記保冷具本体の被覆材の外周部、多穴弾性体の外周部、裏面被覆材の外周部を逢着し、これらを一体化する周辺逢着材と、
により保冷具本体を構成するとともに、
吸い込み口からの空気を吐出口から吐出するファンと、カーシガレット電源部に接続するプラグと、前記プラグとファンを接続するケーブルと、前記ファンの吐出口を前記多穴弾性体の網目状通気流路に連通させる送風管部と、前記保冷具本体の端辺部に取り付けた前記ファンを着脱可能に収容するとともに、前記ファンの吸い込み口のみを露出させる線ファスナ付の袋体と、を具備し、商用電源部からの電力供給により動作し、吸入した空気を、前記多穴弾性体の網目状通気流路、前記多数の抜穴部を経て前記保冷媒体により生成する冷気とともに載置対象物である寝具類上に載置した前記保冷具本体の表面前方に送風する送風手段を設け、
前記保冷具本体を敷布団用、ベッド用、寝具用マット用又は座布団用の各サイズの内から選定されるサイズとしたこと、
を特徴とする冷気強制送風式保冷具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−229887(P2012−229887A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99388(P2011−99388)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(592103349)株式会社ヒラカワコーポレーション (12)
【Fターム(参考)】