説明

冷陰極管用ソケット

【課題】冷陰極管のジメット線を、大きな力を必要とすることなく、また傷めることもなく容易に接続させることを可能とし、冷陰極管の伸縮に対しても対応可能であり、安定した電気的接続を可能とする冷陰極管用ソケットを提供する。
【解決手段】ベースハウジング10と、該ベースハウジング10の中空空間内で第1の位置と第2の位置との間を上下動可能な駆動部材41aを有するカバーハウジング40と、ベースハウジング10の中空空間内に該ベースハウジング10に取り付けられ、冷陰極管のジメット線91を弾性的に挟持し得る一対の接触片及び配線基板の外部接点と電気的に接続される接続端子部を有するコンタクト70とを備える冷陰極管用ソケットであって、駆動部材41aは、カバーハウジング40が第1の位置から第2の位置へ下降するとき、冷陰極管のジメット線91をコンタクト70の一対の接触片間に挿入し得るように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルのバックライトなどに用いる冷陰極管の両端に形成されるジメット線を挟持する冷陰極管用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルのバックライトなどに用いられる冷陰極管は、その両端において、ガラス管内部から突出するピン状の端子電極としてのジメット線を有する。冷陰極管は、このジメット線を介して印刷回路等が形成された配線基板に電気的に接続される。近年、この電気的接続を容易に実行できるようにするため、特許文献1、2に示されるようなジメット線を一対のコンタクトで挟持するタイプのソケットまたはコネクタが開発されてきた。
【0003】
図8に典型的な従来の冷陰極管用ソケットの断面図が示されている。図では、冷陰極管用ソケットが1つだけ示されているが、該ソケットは、冷陰極管の両端に配置される。
【0004】
図において、冷陰極管用ソケット100は、ベースハウジング110、カバーハウジング120、及びコンタクト130を備えている。
【0005】
ベースハウジング110は、配線基板(不図示)の所定位置に取り付けられている。ベースハウジング110上方には、カバーハウジング120を上下動自在に収容し得る空間が形成されている。
【0006】
カバーハウジング120には、その上方内部に対をなす傾斜面122a、122bを有する上下に貫通する空洞121が形成されている。カバーハウジング120には、さらに、上方に開放する案内スリット123が形成されている。
【0007】
コンタクト130は、その一端に設けられている一対の接触部131a、131bがカバーハウジング120の内部空間内に配置されるように、ベースハウジング110に固定されている。一対の接触部131a、131bは、通常、冷陰極管のジメット線140の直径より若干大きい距離離れて配置されている。すなわち、一対の接触部131a、131bは、図8の状態では開いている。また、一対の接触部131a、131bは、左右方向に弾性変形可能であるように構成されている。なお、冷陰極管用ソケット100のコンタクト130の他端は、ベースハウジング110を通って配線基板に電気的に接続されている。
【0008】
冷陰極管を配線基板に装着する場合、図8に示されるように、冷陰極管のジメット線140を、案内スリット123を介して、コンタクト130の一対の接触部131a、131b間に設置する。この状態から、カバーハウジング120を下方に押し下げると、一対の傾斜面122a、122bが対応する一対の接触部131a、131bを押し、一対の接触部131a、131bが閉じ、ジメット線140に接触すると共に、該ジメット線140を挟持する。結果として、冷陰極管と配線基板とが電気的に接続される。
【0009】
【特許文献1】特開2005−259370号公報
【特許文献2】特開2006−244749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記従来の冷陰極管用ソケット100においては、冷陰極管の端子電極であるジメット線がコンタクト130の一対の接触部131a、131bから抜けないようにするため、カバーハウジング120を充分に押し下げるべく大きな力を必要とする。それにより、カバーハウジング120は、傾斜面122a、122bを介してコンタクト130を強固に固定する。結果として、コンタクト130の一対の接触部131a、131bが図8において図面に垂直方向に移動することを拘束する。
【0011】
ところで、冷陰極管は、使用時、温度が上昇することで熱膨張し、長手方向(図8において、紙面に垂直方向)に伸びる。このため、冷陰極管のジメット線140は、図8において、紙面に垂直方向に移動しようとする。しかしながら、コンタクト130の一対の接触部131a、131bがカバーハウジング120により強固に押さえられているため、ジメット線140は、一対の接触部131a、131bの間で、強制的に摺動することになる。また、冷陰極管の使用後においては、冷陰極管は、冷却され、温度が下降し、元の状態にまで縮む。この時にも、ジメット線140は、一対の接触部131a、131bの間で、摺動することになる。このような冷陰極管の伸縮に伴うジメット線140の摺動は、ジメット線140自身やコンタクト130の一対の接触部131a、131bを磨耗させ、メッキを剥離させる。それにより、コンタクト130とジメット線140との電気的接続が不良となる恐れが発生する。特に、近年のように冷陰極管が長く形成されるようになると、冷陰極管の熱膨張量は無視できなくなると共に、冷陰極管へのオン、オフが繰り返されることにより、摩擦による磨耗やメッキの剥離が、より顕著に発生し得る。
【0012】
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、冷陰極管と配線基板との電気的接続を行うに際し、脆弱で変形し易い冷陰極管のジメット線を、大きな力を必要とすることなく、またこれを傷めることなく容易に接続させることができると共に、冷陰極管の加熱冷却による伸縮に対しても対応可能であり、安定した電気的接続を可能とする冷陰極管用ソケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明に係る冷陰極管用ソケットは、前壁、後壁及び左右の側壁を有し、少なくとも上方に向かって開放する中空空間が形成されているベースハウジングと、前記ベースハウジングの中空空間内で第1の位置と第2の位置との間を上下動可能な少なくとも1つの駆動部材を有するカバーハウジングと、前記ベースハウジングの中空空間内に該ベースハウジングに取り付けられ、冷陰極管のジメット線を弾性的に挟持し得る一対の接触片及び配線基板の外部接点と電気的に接続される接続端子部を有するコンタクトとを備える冷陰極管用ソケットであって、前記駆動部材は、前記カバーハウジングが第1の位置から第2の位置へ下降するとき、前記冷陰極管の前記ジメット線を前記コンタクトの前記一対の接触片間に挿入し得るように構成されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る冷陰極管用ソケットの上記駆動部材は、冷陰極管のジメット線を収容、支持する端子収容室が形成されている左駆動部、該左駆動部との間にジメット線を前記端子収容室に案内する案内通路を形成し得る右駆動部及び前記左駆動部及び前記右駆動部を連結する略U字形弾性変形部を有し、前記U字形弾性変形部は、前記駆動部材が前記第1の位置にあるとき、前記案内通路を形成し、前記駆動部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移行するとき及び該第2の位置にあるとき、前記案内通路を閉じるように弾性変形し得ることが好ましい。
【0015】
本発明に係る冷陰極管用ソケットの上記駆動部材は、さらに、前記U字形弾性変形部から上方に突出形成されるプリロード板を有し、該プリロード板は、前記駆動部材が前記第1の位置にあるとき、前記コンタクトの前記一対の接触片の間に挟持され、前記駆動部材が前記第2の位置にあるとき該一対の接触片の間から外れているように構成されることが好ましい。
【0016】
さらに、コンタクトは、前記一対の接触片の揺動を許容するつなぎ部を前記一対の接触片を連結する連結部と前記接続端子部との間に有していることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る冷陰極管用ソケットの上記駆動部材は、前記冷陰極管のジメット線が延在する方向に、前記コンタクトを挟んで前後に配置され、前記左操作板及び右操作板が、前後に配置される前記駆動部材を連結するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る冷陰極管用ソケットは、カバーハウジングが第1の位置から第2の位置へ下降するとき、該カバーハウジングの駆動部材が冷陰極管のジメット線をコンタクトの前記一対の接触片間に挿入し得るように構成されていることで、冷陰極管のジメット線を容易に且つ確実に冷陰極管用ソケットに装着することが可能となる。また、ジメット線を傷めることもない。
【0019】
また、カバーハウジングが第1の位置にあるとき、案内通路が形成され、カバーハウジングが第2の位置へ移行するとき及び第2の位置にあるとき、案内通路が閉じられることで、力を要することなくジメット線を端子収容室まで案内することができ、続いてジメット線をコンタクトの一対の接触片の間の所定の位置まで確実に挿入できると共に、冷陰極管をソケットに装着時、ソケットから外れることがない。
【0020】
さらに、プリロード板を設けることで、コンタクトの一対の接触片の間に導入することが可能である。
【0021】
また、一対の接触片の揺動を許容するつなぎ部をコンタクトに設けることで、ジメット線が一対の接触片との間で摺動することが無くなり、摩擦による磨耗や、メッキの剥離が防止され、電気的に安定した接続が保持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1ないし7を用いて、本発明に係る冷陰極管用ソケットの好ましい実施態様につき以下詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る冷陰極管用ソケットに冷陰極管を装着する直前の状態(第1の状態)を示し、(a)は、冷陰極管側から見た正面図であり、(b)は、側面図である。図2は、図1の冷陰極管用ソケットの外観を示す上方左斜め前方から見た斜視図であり、(a)は、図1と同様に、第1の状態であるソケットに冷陰極管を装着する直前の状態を示し、(b)は、第2の状態である装着完了後の状態を示す。図3は、図1(a)のIII−III線に沿う断面図であり、図4は、図1(a)のIV−IV線に沿う断面図である。図5は、冷陰極管がソケットに装着されていく態様を示し、(a)は、第1の状態である装着直前の状態を示す図1(b)のV−V線に沿う断面図であり、(b)は、装着途中の状態を示す図5(a)と同様の断面図であり、(c)は、第2の状態である装着完了後の状態を示す図5(a)と同様の断面図である。図6は、図5と断面位置が異なる、冷陰極管がソケットに装着されていく態様を示し、(a)は、第1の状態である装着直前の状態を示す図1(b)のVI−VI線に沿う断面図であり、(b)は、装着途中の状態を示す図6(a)と同様の断面図であり、(c)は、第2の状態である装着完了後の状態を示す図6(a)と同様の断面図である。図7は、図1に示される冷陰極管用ソケットの特徴を説明するための図であり、(a)は、冷陰極管の熱膨張対策を示す要部拡大側面図であり、(b)は、冷陰極管のジメット線とコンタクトとの接触構造を示す要部拡大上面図である。なお、1つの冷陰極管の両端からジメット線が突出しており、したがって、本来2つの冷陰極管用ソケットが必要とされるが、いずれの図においても、冷陰極管の一端のみが示されており、冷陰極管用ソケットも1つしか示されていない。
【0024】
なお、本明細書において、用語「前」及び「後」は、それぞれ、図2(a)において、+x方向及び−x方向を示し、用語「左」及び「右」は、それぞれ、図2(a)において、+y方向及び−y方向を示し、用語「上」及び「下」は、それぞれ、図2(a)において、+z方向及び−z方向を示すものとする。また、「幅」は、冷陰極管用ソケット1の左右方向の長さを言い、「高さ」は、該ソケット1の上下方向の長さを言い、「奥行」は、該ソケット1の前後方向の長さを言う。さらに、図1(a)に示される断面線IV−IV線は、冷陰極管用ソケット1の幅方向(左右方向)の中心線であり、「中心線IV−IV」と表現される場合もある。
【0025】
図1ないし4に示されるように、冷陰極管用ソケット1は、概略、ベースハウジング10、カバーハウジング40、及びコンタクト70を備えている。
【0026】
ベースハウジング10は、電気絶縁性の合成樹脂からなり、上下方向に貫通する概略角筒形状をなすように形成されている。図3に明瞭に示されるように、ベースハウジング10は、前壁12、後壁14、左側壁16及び右側壁18を含んでいる。該前壁12、後壁14、左側壁16及び右側壁18で、後述するカバーハウジング40が上下方向に移動可能に収容される中空空間20を形成している。
【0027】
具体的には、該中空空間20は、前方より、カバーハウジング40の第1駆動部材41aを上下動可能に収容する第1収容室21、コンタクト70を収容する第2収容室22及びカバーハウジング40の第2駆動部材41bを上下動可能に収容する第3収容室23の3つの収容室を含んでいる。第1収容室21及び第3の収容室23は、同じ高さ、幅、奥行を有している。
【0028】
前壁12の上部中央には、冷陰極管90のジメット線(以下、「端子」という。)91の挿入を案内するスリット31が形成されている。該スリット31は、上方及び前後方向に開放している。すなわち、スリット31は、前壁12を前後方向に貫通している。該スリット31は、その幅方向(左右方向)の中心線が前壁12の中心でもある中心線IV−IVより若干右側壁18寄りに位置するように形成されている。スリット31は、また、その下端部32で装着後の端子91を支持する(図2(b)参照)。したがって、スリット31の前壁12の上面からの高さ(上下方向の長さ)は、後述するように、カバーハウジング40の上下動のストロークの長さより若干短く設定されている。スリット31の幅は、概略、端子91の直径の2倍の長さに設定されることが好ましい。なお、スリット31の上方開放部は、端子91の挿入を容易にするため、上方に向かって広がるように形成されていることが好ましい。また、前壁12の下部中央には、配線基板に半田付けなどで固定される断面略L字形の固定金具28が取り付けられる。
【0029】
後壁14の上部中央には、上記前壁12に形成されるスリット31に対応する収容凹部35が形成されている。該収容凹部35は、前方及び上方に向かって開放しており、上述したスリット31と同じ幅及び後壁14の上面からの高さを有している。また、収容凹部35の前面からの奥行は、冷陰極管90や該冷陰極管90両端から突出する端子91自身の長さなどに応じて適宜設定される。
【0030】
左右の側壁16、18は、中心線IV−IVに対して左右対称をなしている。したがって、本明細書では、左側壁16を中心にその構造を説明し、右側壁18については詳細な説明を省略する。
【0031】
左側壁16は、その上面が、概ね、後述するカバーハウジング40の左操作板53の厚さ分、前、後壁12、14の上面よりより低く位置するように構成される。左側壁16の下面は、前、後壁12、14の下面と面一に構成されている。左側壁16上面には、前後に、上方及び左右が開放している係合凹部26a、26bが設けられる。係合凹部26a、26bは、図2(a)に示されるように、冷陰極管用ソケット1に冷陰極管90を装着する直前の状態(以下、「第1の状態」という。)にあるとき、後述するカバーハウジング40の係止突起48a、48bがそれぞれ係合する。なお、係合凹部26a、26bは、必ずしも形成されていなくてもよい。係合凹部26a、26b真下には、それぞれ、左側壁16を貫通する矩形状の係合窓27a、27bが形成される。係合窓27a、27bの下側面には、ソケット1が第1の状態にあるとき後述するカバーハウジング40の仮止め突起49a、49bが係合する。係合窓27a、27bの上側面には、端子91とコンタクト70を接触させるためカバーハウジング40が押し込まれたとき、カバーハウジング40の係止突起48a、48bが係止する。この時、ソケット1は、図2(b)に示されるように、冷陰極管90のソケット1への装着完了後の状態(以下、「第2の状態」という。)にある。なお、図1(b)に示される26c、26dは、右側壁18に形成される係合凹部であり、同じく27c、27dは、右側壁18に形成される係合窓である。係合凹部26c、26d、係合窓27c、27dは、それぞれ、左側壁16に形成される係合凹部26a、26b、係合窓27a、27bとソケットの中心線IV−IVを挟んで対称位置に設けられている。
【0032】
左側壁16の内側は、中空空間20に面しており、該中空空間20の第2収容室22に面している部分は、第1収容室21及び第3収容室23に面する部分より内側に突出する左突出壁25aが形成されている。左側壁16の左突出壁25a及びこれに対向して右側壁18から中空空間20内に突出する右突出壁25bにより第2収容室22が画成されている。なお、第1収容室22及び第3収容室23は、それぞれ、前壁12、左右の側壁16、18、左右の突出壁25a、25b及び後壁14、左右の側壁16、18、左右の突出壁25a、25bにより画成されている。左右の突出壁25a、25b間には、補強部材24が設けられ、ベースハウジング10を強固な構造とすると共に、後述するようにコネクタ70を支持、固定する。
【0033】
次に、カバーハウジング40について説明する。カバーハウジング40は、ベースハウジング10と同じ電気絶縁性合成樹脂から作られ、ベースハウジング10に対して上下動可能な移動体として形成される。カバーハウジング40は、概略、前方に配置される第1駆動部材41a、後方に配置される第2駆動部材41b、上方左側に配置される左操作板52及び上方右側に配置される右操作板54を備えている。左操作板52及び右操作板54は、前後方向に延在し、第1駆動部材41aと第2駆動部材41bとを連結している。
【0034】
第1駆動部材41aは、図5(a)に明瞭に示されるように、断面略U字形状をなし、後述する左操作板52及び右操作板54に対して直交して延在する板状体であり、左駆動部42a、弾性変形部43a、右駆動部44aを含んでいる。第1駆動部材41aは、ベースハウジング10に形成される第1収容室21内に上下動可能に収容される。
【0035】
左駆動部42aは、左操作板52前端から該左操作板52に直角に下方に延在する部分である。右駆動部44aは、右操作板54前端から該右操作板54に直角に下方に延在する部分である。弾性変形部43aは、U字形状をなしており、左駆動部42aと右駆動部44aの下方にこれらと一体に形成され、左駆動部42aと右駆動部44aを連結している。
【0036】
左駆動部42aは、外側、すなわち、左側壁16に面する側に、係止突起48a及び仮止め突起49aが設けられる。係止突起48aは、ソケット1が第1の状態にあるとき、左側壁16の係合凹部26aに係止し、第2の状態にあるとき、係合窓27aの上側面に係止する。仮止め突起49aは、ソケット1が第1の状態にあるとき、係合窓27aの下側面に係止する。係止突起48aの先端は、仮止め突起49aの先端より左側に突出するように形成されている。また、係止突起48aの先端から下方は傾斜面として形成されていることが好ましい。
【0037】
左駆動部42aの内側、すなわち、右駆動部44aに面する側、の上部は、端子91をコンタクト70に接触させるべく、端子収容部46aに端子を案内する案内通路56aを画成する垂直面57として形成されている。該垂直面57は、冷陰極管用ソケット1の中心線IV−IVに沿うように配置される。左駆動部42aの内側の下部には、図5(a)に明瞭に示されるように、略C字形の端子収容部46が形成されている。端子収容部46は、垂直面57と左駆動部42a下部において内側に向けて突出形成される端子支持部47aの水平面59とが直交する部分を、円弧で切り取ったような形状を有している。なお、円弧の曲率半径は、端子91の直径に設定することが好ましいが、これに限られるものではない。要は、端子91が挿入され、位置決めされる大きさがあればよい。
【0038】
右駆動部44aは、外側、すなわち、右側壁18に面する側に、係止突起50a及び仮止め突起51aが設けられる。係止突起50a及び仮止め突起51aは、左駆動部42aに形成される係止突起48a及び仮止め突起49aとソケット1の中心線IV−IVを挟んで対称位置に設けられる。したがって、係止突起50aの先端は、仮止め突起51aの先端より右側に突出するように形成されている。また、係止突起50aの先端から下方は傾斜面として形成されていることが好ましい。係止突起50aは、ソケット1が第1の状態にあるとき、右側壁18の係合凹部26cに係止し、第2の状態にあるとき、係合窓27cの上側面に係止する。仮止め突起51aは、ソケット1が第1の状態にあるとき、係合窓27cの下側面に係止する。
【0039】
右駆動部44aの内側、すなわち、左駆動部42aに面する側、の上部は、端子91をコンタクト70に接触させるべく、端子収容部46aに端子を案内する案内通路56aを画成する垂直面58aとして形成されている。該垂直面58aは、ベースハウジング10のスリット31の右側の側面に沿い、該側面と面一を構成するように配置される。右駆動部44aの内側の下部は、垂直面58aに直交し、外側に向かって延びる段差水平面60aが形成され、弾性変形部43aにつながっている。該段差水平面60aは、左駆動部42aに形成される端子支持部46aの水平面59aより若干上方に設けられる。
【0040】
案内通路56aは、左駆動部42aの垂直面57aと右駆動部44aの垂直面58aとで形成され、左駆動部42aに形成される端子収容部46aに端子を案内する。したがって、案内通路56aの幅、すなわち、垂直面57aと垂直面58aとの間隔は、端子91の直径より大きければよい。
【0041】
略U字形の弾性変形部43aは、左駆動部42a及び右駆動部44aに一体に連結されるとともに、該左駆動部42a及び右駆動部44aが内側に向かって閉じることができるように弾性的に左駆動部42a及び右駆動部44aを連結している。U字形弾性変形部43aは、図2(a)に示されるように、ソケット1が第1の状態にあるとき、該左駆動部42a及び右駆動部44aを開いた状態に保持している。また、該弾性変形部43aは、その水平下部から上方に向かって突出するプリロード板45aを備えている。プリロード板45aは、ソケット1の中心線IV−IVに沿って設けられ、該プリロード板45aの幅は、冷陰極管90の端子91の直径より若干大きく設定される。プリロード板45aは、ソケット1が第1の状態にあるとき、後述するコンタクト70の対をなす左接触片71及び右接触片82の間に挟持され、左接触片71及び右接触片82が所定の間隔を保持するように、該左接触片71及び右接触片82を変形させている。
【0042】
カバーハウジング40の第2駆動部材41bは、上述したように、カバーハウジング40の後方に配置され、ベースハウジング10の第3収容室23内に上下動可能に収容される。該第2駆動部材41bは、第1駆動部材41aと全く同一形状であるので説明は省略する。なお、第2駆動部材41bの第1駆動部材41aに対応する同じ構成要素は、数字に添付される添付符号aに代えて添付符号bが付されることで、表示されている。第2駆動部材41bは、第1駆動部材41aに設けられているプリロード板45aは省略されてもよい。
【0043】
カバーハウジング40の左操作板52は、第1駆動部材41aの左駆動部42aの上部と第2駆動部材41bの左駆動部42bの上部を連結する。左操作板52は、図2(a)に明瞭に示されるように、第1駆動部材41aの左駆動部42aの上部と第2駆動部材41bの左駆動部42bの上部を覆うように前後方向水平に延在する。左操作板52は、また、外側(図2(a)において左側)には、左側壁16上方を覆うように延在している。
【0044】
左操作板52の内側には、ソケット1が第1の状態から第2の状態に移行するとき、端子91に当接しこれを押し下げる押圧部材53が形成されている。該押圧部材53は、第1駆動部材41aの左駆動部42aと第2駆動部材41bの左駆動部42bの間に設けられ、第1駆動部材41aの左駆動部42aと第2駆動部材41bの左駆動部42bを連結している。該押圧部材53は、左操作板52に直交して下方に向けて延びている。該押圧部材53の下端は、第1駆動部材41aの左駆動部42aに形成される端子収容部46a及び第2駆動部材41bの左駆動部42bに形成される端子収容部46bの天井面と面一をなしている。さらに、該押圧部材53の内側垂直面は、第1駆動部材41aの左駆動部42aの案内通路56aを形成する垂直面57a及び第2駆動部材41bの左駆動部42bの案内通路56bを形成する垂直面57bと面一をなしている。なお、押圧部材53の幅は、端子91を押し下げることができる大きさを有していればよい。
【0045】
カバーハウジング40の右操作板54は、第1駆動部材41aの右駆動部44aの上部と第2駆動部材41bの右駆動部44bの上部を連結する。右操作板54は、図2(a)に示されるように、第1駆動部材41aの右駆動部44aの上部と第2駆動部材41bの右駆動部44bの上部を覆うように前後方向水平に延在する。右操作板54は、また、外側(図2(a)において右側)には、右側壁18上方を覆うように延在している。右操作板54の内側は、第1駆動部材41aの右駆動部44aの案内通路56aを形成する垂直面58a及び第2駆動部材41bの右駆動部44bの案内通路56bを形成する垂直面58bと面一をなしている。右操作板54は、左操作板52との間に案内通路56を形成している。
【0046】
次に、コンタクト70について説明する。コンタクト70は、冷陰極管90の端子91と接触し、配線基板に電気的に接続する部材であり、所定形状に打ち抜きされた1枚の導電性の薄い金属板を折り込むことで形成される。コンタクト70は、概略、一対の接触片71、81、連結部75、固定部77及び接続端子部78を有し、固定部77を介してベースハウジング10の第2収容室22内に取り付けられる。
【0047】
一対の接触片71及び81は、それぞれ、概略逆U字形に形成され、ソケット1の中心線IV−IVを挟んで左右の相対向するように配置される。接触片71、81は、各々、接触部72、82、折れ曲がり部73、83、直立部74、84を含んでいる。接触部72、82は、いずれも垂直方向(上下方向)に延在し、端子91を所定の接圧で挟持し得るように所定の間隔を置いて平行に配置される。対をなす接触部72、82の奥行は、本実施例では、いずれも、第2収容室22の奥行より若干短い長さを有し、それぞれ、垂直方向に延びる接点用突条72a、82aが形成されている。
【0048】
該接点用突条72a、82aのみ、図3及び図7(b)に明瞭に示されるように、中心線IV−IVを挟んで相対して配置されておらず、これらの図に示されるように、前後方向にずれて配置される。このように構成することで、接点突条72a、82a同士が何らかの原因で接着することを防止する。本実施例では、接点用突条72a、82aは、一対の接触部72、82にそれぞれ一つずつしか設けられていないが、これに限られるものではない。一対の接触部72、82は、それぞれ、複数の接点用突条を備えてもよい。要は、設けられた全ての接点用突条が前後方向にずれていればよい。
【0049】
接触部72、82は、上述したように、ソケット1が第1の状態にあるときは、プリロード板45を挟持している。それにより、接触部72、82が互いに接触することを防止すると共に、一対の接触部72、82は、冷陰極管90の端子91の挿入を容易にすべく該端子91の直径より若干大きく開かれた状態に保持されている。また、ソケット1が第2の状態にあるときは、対をなす接触部72、82は、所定に接圧で、端子91を挟持する。なお、接触部72、82の下端部は、プリロード板45の出入りを容易にするため、下方に向かって拡開する末端部72b、82bとして形成されていることが好ましい。
【0050】
接触部72、82の上方は、それぞれ、該接触部72、82の左右への弾性変位を付与する折れ曲がり部73、83に続く。接触部72、82から折れ曲がり部73、83へ続く部分は、図6(a)に明瞭に示されるように、傾斜面として形成されていることが好ましい。さらに、折れ曲がり部73、83で逆U字形に折り返された接触片71、81は、それぞれ、直立部74、84につながっている。対をなす直立部74、84は、左右の側壁16、18から突出し、第2収容室22を画成する突出壁25a、25bに沿って立設されている。
【0051】
一対の接触片71、81は、その直立部74、84の下端部後端において、連結部75により連結されている。該連結部75の下部中央には、弾性変形可能なつなぎ部76、ベース部材10の補強部材24に固定される固定部77を介して、配線基板の外部接点に半田付けなどで接続される端子部78が設けられる。
【0052】
連結部75及びつなぎ部76は、図7(a)に明瞭に示されるように、冷陰極管90の端子91が延びる方向(本実施例では、前後方向)に対して直交するように設けられている。弾性変形可能なつなぎ部76がこのように設けられることで、連結部75を介して該つなぎ部に支持されている一対の接触部72、82を含む一対の接触片71、81は、前後方向(図7(a)において、矢印+x、−x方向)への揺動を許容される。コンタクト70をこのように構成することで、冷陰極管90の加熱及び冷却に伴い冷陰極管90が伸縮し、それにより端子91が前後方向に移動するとき、冷陰極管90の端子91を挟持する一対の接触部72、82の揺動を可能にする。したがって、冷陰極管90の伸縮による端子91の移動が、上述した従来例のように、一対の接触部72、82との間での摺動を引き起こすことがない。
【0053】
次に、上述した構成を有する冷陰極管用ソケット1に冷陰極管90を装着する動作につき、図2(a)、(b)、図5(a)〜(c)、図6(a)〜(c)を中心に説明する。
【0054】
図2(a)、図5(a)、図6(a)は、いずれも、冷陰極管用ソケット1に冷陰極管90を装着する直前の第1の状態を示している。
【0055】
この第1の状態にあるとき、図2(a)、図5(a)、図6(a)に示されるように、ソケット1のカバーハウジング40は、開いている。より詳細には、第1駆動部材41aのU字形変形部材43a及び第2駆動部材41bのU字形変形部材43bの付勢力により、それぞれの左駆動部42a、42b及び右駆動部44a、44bが所定の間隔をおいて開いている。それにより、左駆動部42a、42b及び右駆動部44a、44bは、案内通路56a、56bを形成している。冷陰極管90の端子91は、案内通路56a、56b及びスリット31や収容凹部35、さらにはコンタクト70の対をなす接触部72、82の上方に形成される傾斜面等を通り抜ける。続いて、冷陰極管90の端子91は、第1駆動部材41aの左駆動部42a及び第2駆動部材41bの左駆動部42bに形成される端子収容室46a及び46bを構成する端子支持台47a、47b上に案内されている。端子支持台47a、47bの上面は、上述したように、円弧状に形成されていることから、冷陰極管90の端子91は、結局、コンタクト70の対をなす接触部72、82の直上であって、所定の位置(ソケット1の中心線IV−IV線上)に自動的に位置決めされる。
【0056】
また、カバーハウジング40の第1駆動部材41aの左駆動部42aに形成されている係止突起48aがベースハウジング10の左側壁16に形成される係合凹部26aに係止し、左駆動部42aの仮止め突起49aが係合窓27a下面に係止している。なお、第1の駆動部材41aの右駆動部44a及び第2駆動部材41bの左右の駆動部42b、44bも同様である。したがって、カバーハウジング40は、図に示されるように、ベースハウジング10に対して上昇した第1の位置にある。
【0057】
また、カバーハウジング40が上昇している第1の位置にあるとき、カバーハウジング40の第1駆動部材41aに設けられているプリロード板45aが、コンタクト70の一対の接触片71、81の接触部72、82間に入り込み、該接触部72、82に挟持されている。したがって、対をなす接触部72、82は、開いた状態に弾性変位している。
【0058】
図2(a)などに示される第1の状態から、カバーハウジング40の左操作板52及び右操作板54に下方に向けて力を加え、ベースハウジング10に対してカバーハウジング40を押し下げる。カバーハウジング40の第1駆動部材41aの左駆動部42aと右駆動部44aは、上述したように、U字形変形部材43aの存在により、内側に向かって移動し、案内通路56aを閉じることが可能に形成されている。
【0059】
したがって、カバーハウジング40が押し下げられることで、左駆動部42aの係止突起48a及び仮止め突起49aは、それぞれ係合凹部26a及び係合窓27aとの係止が解除され、左側壁16の内側に入り込む。同様に、右駆動部44aの係止突起50a及び仮止め突起51aも、それぞれ係合凹部26c及び係合窓27cとの係止が解除され、右側壁18の内側に入り込む。それにより、図5(b)に明瞭に示されるように、カバーハウジング40の第1駆動部材41aの左駆動部42aと右駆動部44aが内側に向かって移動し、案内通路56aを閉じる。
【0060】
第2駆動部材41bも同様の動作をする。この結果、左操作板52及び右操作板54も内側に向かって移動する。第1、第2駆動部材41a、41bそれぞれの左駆動部42a、42b及び左操作板52の内側への移動により、端子収容室46a、46bそれぞれの天井面及び押圧部材53の下面がソケット1の中心に位置する冷陰極管90の端子91の上を覆う。
【0061】
カバーハウジング40が押し下げられ、下降することで、端子支持台47a、47b上に載置されている冷陰極管の端子91は、開いている一対の接触部72、82の間に入り込む。このとき、一対の接触部72、82は、プリロード板45aを挟持しているので、端子91の直径より若干大きく開いている。したがって、端子91は、該一対の接触部72、82の間に何の抵抗もなく入り込み、一対の接触部72、82の間を円滑に下降することができる。カバーハウジング40の押し下げがさらに進むと、プリロード板91が、一対の接触部72、82の間から抜け、それにより、一対の接触部72、82が直接冷陰極管90の端子91を挟持し、端子91の下降を阻止する。しかしながら、第1、第2駆動部材41a、41bそれぞれの左駆動部42a、42bに形成される端子収容室46a、46bの天井面及び左操作板52に形成される押圧部材53の下面が、上述したように、冷陰極管90の端子91の上を覆っている。したがって、図5(b)及び図6(b)に示されるように、カバーハウジング40の下降に伴い、端子収容室46a、46bの天井面及び押圧部材53の下面が該端子91に当接し、該端子91を変形させること無く所定位置まで押し下げることができる。
【0062】
カバーハウジング40がさらに押し下げられることで、その第1駆動部材41aの左駆動部42aに形成される係止突起48a及び右駆動部44aに形成される係止突起50aが、それぞれ係合窓27a、27c上面に到達する。同様に、第2駆動部材41bの左駆動部42bに形成される係止突起48b及び右駆動部44bに形成される係止突起50bは、それぞれ係合窓27b、27d上面に到達する。上述したように、係止突起48a、48b、50a及び50bは、仮止め突起49a、49b、51a及び51bより外側(左右方向)に突出している。したがって、第1及び第2駆動部材41a及び41bそれぞれのU字形変形部材43a及び43bの復元力により、カバーハウジング40の左駆動部41a、41bと右駆動部44a、44bとが若干開く。それにより、係止突起48a、48b、50a及び50bは、対応する係止窓27a、27b、27c及び27dに係合する。また、カバーハウジング40の左操作板52及び右操作板54も若干開き、カバーハウジング40は、ベースハウジング10に対して下降し、上昇を阻止された第2の位置に保持される。この時、端子収容室46aの天井面及び押圧部材53の下面は、端子91を覆った状態を維持する。また、冷陰極管90の端子91は、コンタクト70の一対の接触部72、82に所定の接圧で挟持され、その位置が維持される。すなわち、ソケット1は、図2(b)、図5(c)及び図6(c)に示されるように、冷陰極管90の端子91のソケット1への装着が完了した第2の状態にある。
【0063】
冷陰極管90をソケット1から取り外すときは、上記動作を逆に行えばよい。以下に、簡単に説明する。図2(b)、図5(c)及び図6(c)に示される第2の状態にあるソケット1において、カバーハウジング40の左右の操作板52、54を内側に若干閉じ、それにより、係止突起48a、48b、50a及び50bは、対応する係止窓27a、27b、27c及び27dとの係合を解除される。続いて、カバーハウジング40を、係止突起48a、48b、50a及び50bが対応する係合凹部26a、26b、26c及び26dに係合する第1の位置まで上方に引き上げる。同時に、冷陰極管90の端子91も端子支持台46a、46bに保持されてコンタクト70の一対の接触部72、82の間から引き上げられる。なお、この時、プリロード板45aが一対の接触部72、82の間に入り込み、端子91の引き上げを助けることはいうまでもない。
【0064】
カバーハウジング40が第1の位置に達すると、カバーハウジング40の左右の操作板52、54及び第1、第2駆動部材41a、41bは、U字形変形部材43a及び43bの復元力により完全に開く。それにより、案内通路56a、56bが形成されるので、該案内通路56a、56bを介して冷陰極管90の端子91を取り外すことが可能となる。その結果、冷陰極管90をソケット1から取り外すためには、冷陰極管90を単に上に持ち上げればよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る冷陰極管用ソケットに冷陰極管を装着する直前の状態(第1の状態)を示し、(a)は、冷陰極管側から見た正面図であり、(b)は、側面図である。
【図2】図1の冷陰極管用ソケットの外観を示す上方左斜め前方から見た斜視図であり、(a)は、図1と同様に、第1の状態であるソケットに冷陰極管を装着する直前の状態を示し、(b)は、第2の状態である装着完了後の状態を示す。
【図3】図1(a)のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図1(a)のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】冷陰極管がソケットに装着されていく態様を示し、(a)は、第1の状態である装着直前の状態を示す図1(b)のV−V線に沿う断面図であり、(b)は、装着途中の状態を示す図5(a)と同様の断面図であり、(c)は、第2の状態である装着完了後の状態を示す図5(a)と同様の断面図である。
【図6】図5と断面位置が異なる、冷陰極管がソケットに装着されていく態様を示し、(a)は、第1の状態である装着直前の状態を示す図1(b)のVI−VI線に沿う断面図であり、(b)は、装着途中の状態を示す図6(a)と同様の断面図であり、(c)は、第2の状態である装着完了後の状態を示す図6(a)と同様の断面図である。
【図7】図1に示される冷陰極管用ソケットの特徴を説明するための図であり、(a)は、冷陰極管の熱膨張対策を示す要部拡大側面図であり、(b)は、冷陰極管のジメット線とコンタクトとの接触構造を示す要部拡大上面図である。
【図8】従来の冷陰極管用ソケットの断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 冷陰極管用ソケット
10 ベースハウジング
12 前壁
14 後壁
16 左側壁
18 右側壁
20 中空空間
40 カバーハウジング
41a 第1駆動部材
41b 第2駆動部材
42a (第1駆動部材の)左駆動部
43a (第1駆動部材の)U字形弾性変形部
44a (第1駆動部材の)右駆動部
45a (第1駆動部材の)プリロード板
46a (第1駆動部材の)端子収容室
52 左操作板
54 右操作板
56a 案内通路
70 コンタクト
71、81 一対の接触片
75 連結部
76 つなぎ部
78 端子接続部
90 冷陰極管
91 ジメット線(冷陰極管の端子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前壁、後壁及び左右の側壁を有し、少なくとも上方に向かって開放する中空空間が形成されているベースハウジングと、
前記ベースハウジングの中空空間内で第1の位置と第2の位置との間を上下動可能な少なくとも1つの駆動部材を有するカバーハウジングと、
前記ベースハウジングの中空空間内に該ベースハウジングに取り付けられ、冷陰極管のジメット線を弾性的に挟持し得る一対の接触片及び配線基板の外部接点と電気的に接続される接続端子部を有するコンタクトと、
を備える冷陰極管用ソケットであって、
前記駆動部材は、前記カバーハウジングが第1の位置から第2の位置へ下降するとき、前記冷陰極管の前記ジメット線を前記コンタクトの前記一対の接触片間に挿入し得るように構成されていることを特徴とする冷陰極管用ソケット。
【請求項2】
前記駆動部材は、冷陰極管のジメット線を収容、支持する端子収容室が形成されている左駆動部、該左駆動部との間にジメット線を前記端子収容室に案内する案内通路を形成し得る右駆動部及び前記左駆動部及び前記右駆動部を連結する略U字形弾性変形部を有し、
前記U字形弾性変形部は、前記駆動部材が前記第1の位置にあるとき、前記案内通路を形成し、前記駆動部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移行するとき及び該第2の位置にあるとき、前記案内通路を閉じるように弾性変形し得ることを特徴とする請求項1に記載される冷陰極管用ソケット。
【請求項3】
前記駆動部材は、さらに、前記U字形弾性変形部から上方に突出形成されるプリロード板を有し、
該プリロード板は、前記駆動部材が前記第1の位置にあるとき、前記コンタクトの前記一対の接触片の間に挟持され、前記駆動部材が前記第2の位置にあるとき該一対の接触片の間から外れているように構成されることを特徴とする請求項2に記載される冷陰極管用ソケット。
【請求項4】
前記コンタクトは、さらに、前記一対の接触片の揺動を許容するつなぎ部を前記一対の接触片を連結する連結部と前記接続端子部との間に有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載される冷陰極管用ソケット。
【請求項5】
前記駆動部材は、前記左駆動部及び前記右駆動部の上部に、それぞれ、左操作部及び右操作部をさらに有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載される冷陰極管用ソケット。
【請求項6】
前記駆動部材は、前記冷陰極管のジメット線が延在する方向に、前記コンタクトを挟んで前後に配置され、前記左操作板及び右操作板が、前後に配置される前記駆動部材を連結することを特徴とする請求項5に記載される冷陰極管用ソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−166040(P2008−166040A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−352268(P2006−352268)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】