説明

冷風発生装置

【課題】真夏の屋外においても満足すべき冷風感が得られ、又、病院等において患者のどこの患部でも、又どの角度においても患部を連続的に冷やすことができる冷風発生装置を提供すること。
【解決手段】筒状の本体1内に送風穴を有する仕切壁を介して複数の冷凍剤収納室が区画形成され、この各収納室内に冷凍された冷凍剤がそれぞれセット内蔵され、冷凍剤の一方の面側よりファン31により空気が強制的に送風されて、この空気が冷凍剤により冷却され、この冷却された冷風が冷風送風管49より導出されて冷房に供されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、猛暑のなか冷房のない部屋や屋外で過ごす場合、更には病院等において氷又は冷凍剤を用いて身体を部分的に冷やす場合等において用いられる冷風発生装置に関し、更には、本発明装置と公知の冷凍機をセットにし、夜間の電力で冷凍剤を冷凍し、昼間はこの冷凍剤を用いて冷風を作り、この冷風を冷房に供するようにした冷風発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、真夏の屋外競技場等において観客は体温の上昇を防ぐため、うちは、携帯の扇風機又は冷凍帯、ひんやりシート等を使用していた。又、病院等で患者の患部を部分的に冷やすために、氷のうを用いていた。
【0003】
しかし、真夏は温度がもともと高いために、うちはや扇風機等では満足すべき冷風感を得ることができない。又、患者の患部を部分的に氷のうで冷やす場合において、氷のうでは患部のどこの部位でも、又どんな角度でも自在に連続的に冷やすことは困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題点は、真夏の屋外における冷房として、うちはや携帯の扇風機等では満足すべき冷風感が得られないいという点である。
【0005】
又、病院等において、患者の患部を部分的に氷のうで冷やすには、患部のどこの部位でもどん角度でも自在に連続的に冷やすことができないという点である。
【0006】
従って、本発明の目的は、温度の高い真夏の屋外においても満足すべき冷風感が得られ、又、病院等において患者のどこの患部でも、又どの角度においても患部を連続的に冷やすことができる冷風発生装置を提供することにある。
【0007】
この目的のため、本発明の請求項1に記載の冷風発生装置は、対向する両側壁面の同軸上中央部に送風穴が設けられた筒状の本体と、
前記本体にセット内蔵された冷凍剤と、前記本体における一方の送風穴を介して前記冷凍剤に空気を送風するファンと、前記本体における他方の送風穴を介して前記冷凍剤により冷却された冷風を送風する冷風送風管とを備えた構成を特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項2に記載の冷風発生装置は、前記本体内が、前記送風穴と連通する送風穴を有するそれぞれの仕切壁を介して複数の前記冷凍剤の収納室に区画形成され、該複数の冷凍剤収納室にそれぞれ前記冷凍剤がセット内蔵された構成を特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項3に記載の冷風発生装置は、前記本体が、軸心方向に着脱可能に2分割された構成を特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項4に記載の冷風発生装置は、前記本体内における側面壁と前記各仕切壁面に、前記セット内蔵された冷凍剤が、前記側面壁と仕切壁面とのに常に均等な空間が維持されるように複数の片寄り防止部が設けられた構成を特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項5に記載の冷風発生装置は、前記本体は、一体的に重合された複数の容器ユニットと、該複数の容器ユニットを閉塞状に収納固着している容器ユニット収納庫の二重構造であって、前記容器ユニットは、一方の面が開口され、かつ他方の閉塞面壁の中央部に送風穴を有する断面コ字形の冷凍剤収納容器と、該冷凍剤収納容器内に設けられた前記複数の片寄り防止部と、該片寄り防止部により容器壁面との間に均等な空間が維持されるようにして前記冷凍剤収納容器内にセット収納された冷凍剤とを含む構成を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、ファンにより本体内に送風された空気が本体内にセット収納されている冷凍剤によって冷風化され、これが冷風送風管を介して冷房に供されるものであるから、真夏の屋外においても満足すべき冷風感が得られる。
【0013】
又、冷凍剤は夜間の電力を使って冷凍庫で冷凍され、昼間冷房として本体内にセット収納されて使用さるものであるから、経済性に優れる。
【0014】
又、装置全体の小型化が可能で、かつ携帯化も可能であるから、使用上において至便である。
【0015】
上記請求項1に従属する請求項2に記載の発明によれば、各仕切壁の送風穴から吹き込まれた空気は放射状に広がって規則正しく各冷凍剤の全表面を無駄なく流れて冷風化されるものであるから、冷風化効果が高く、長時間に亘り満足すべき冷風感が得られる。
【0016】
上記請求項1または2いずれか1項に従属する請求項3に記載の発明によれば、冷凍剤の収納と取り出しを極めて簡単に行うことができる。
【0017】
上記請求項1から3いずれか1項に従属する請求項4に記載の発明によれば、各冷凍剤収納室内にそれぞれ冷凍剤がセット収納された場合に、冷凍剤の両面と各仕切り壁及び両側面壁との間に常に均等な空間部が維持されて風の流れが良好となり、送風された空気が冷凍剤の全表面を効果的に流れて効率的に冷却される。
【0018】
又、上記請求項1に従属する請求項5に記載の発明によれば、本体が一体的に重合された複数の容器ユニットと、該複数の容器ユニットを閉塞状に収納固着している容器ユニット収納庫の二重構造として構成されているから、本体が変形又は損傷等した場合においては本体の全部を交換することなく、変形又は損傷した部所だけを交換すればよく、経済性に優れる。
【0019】
又、本発明に係る冷風発生装置は、ベビーカーに付設して子供に涼しさを与えることができる。真夏の炎天下歩き移動時に大人の上半身辺りの気温と舗装されている道路の地面近くの温度とは数度の温度差があり、ベビーカーの子供は地面に近い位置を移動していることになり、脱水症を引き起こす危険がある。そこで、本冷風発生装置により、ベビーカーの敷物等の中に冷風を通して用いれば体温上昇を防ぐことになり、脱水症予防等に効果的となる。理想的にはベビーカーを被って小さな部屋を形成し、その部屋内に冷風を循環させるようにすることが望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る冷風発生装置は、筒状の本体内に冷凍した単一の冷凍剤がセット内蔵され、又は送風穴を有する仕切壁を介して複数の冷凍剤収納室に区画形成された本体の各収納室内に冷凍された冷凍剤がそれぞれセット内蔵され、冷凍剤の一方の面側より空気が強制的に送風されて、この空気が冷凍剤により冷却され、この冷却された空気が冷凍剤の他方の面側より冷風として導出されるものである。
【0021】
又、筒状の本体は、軸心方向(長手方向)に着脱可能の2分割構造とされて、冷凍剤の出し入れが容易になし得るようになっている。
【0022】
又、筒状の本体は、一体的に重合された複数の容器ユニットと、該複数の容器ユニットを閉塞状に収納固着している容器ユニット収納庫の二重構造となっており、容器ユニットが損傷等した場合には、この損傷等した一部の容器ユニットだけの交換で済むようになっている。
【0023】
以下、本発明の具体的な実施例を図面に基づきその作用と共に説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る冷風発生装置の一例での一部を断面し、かつ省略して示す正面図、図2は、図1の右側部分の拡大図、図3は、図1の左側部分の拡大図、図4は、図1における上本体部と下本体部の2分割分離状態を示す正面図、図5は、本体部分を断面して示す正面図、図6は、図4の6方向から見た端面図、図7は、図5における本体の冷凍剤収納室を示す一部断面の側面図、図8は、図1の8−8線に沿った拡大断面図、図9は、開閉蓋の側面図、図10は、図1の10−10線に沿った拡大断面図である。
【0025】
これら図において、本冷風発生装置は本体1を備えている。
【0026】
本体1は、好ましくは、硬質樹脂製での成形品であって全体横長の筒状を呈し、図2及び図4に示されているように、上本体部2と下本体部3での着脱可能な2分割構造となっている。
【0027】
本体1は上下本体部2、3の合体により一体的に形成されるが、この合体のため、上本体部2の相対向する両側面壁4、5の中央部には切欠部6が形成され、下本体部3の相対向する両側面壁7、8の中央部には側面壁7、8と一体にやや上部に延設され、かつその中心に送風穴9を有する切欠部6と一体的に接合する突出接続部10と、該突出接続部10と段部を介して一体にして側面壁7、8の外側面の上下方向に形成された送風穴9と連通する外向きハ字状の送風穴11を有する接続部12が設けられている。
【0028】
なお、冷風を得るための冷凍剤が1個でよい場合には、本体1の構造は上記の構造でよいが、冷凍剤を複数個用いる場合には、本体1内は各仕切壁を介して複数の冷凍剤収納室に区画されている。
【0029】
即ち、上下本体部2、3内はそれぞれ複数の仕切壁13を介して複数の冷凍剤収納室14に区画形成され、各仕切壁13の下端(下本体部3においては上端)には、送風穴9、11と連通する送風用切欠部15が形成されている。
【0030】
又、上下本体部2、3における各冷凍剤収納室14の上部(下本体部3においては下部)内面壁の横方向二箇所には、間隔を有して二つの片寄り防止部16が設けられるとともに、各冷凍剤収納室14を形成する各仕切壁13と両側面壁4、5(下本体部3にあっては両側面壁7、8)の縦方向には間隔を有して、送風用切欠部6(下本体部3においては送風穴9)に向け放射状にそれぞれテーパー面17を有する三つの片寄り防止部18が設けられている。
【0031】
なお、片寄り防止部16、18は、各冷凍剤収納室14内にそれぞれ冷凍剤19がセット収納された場合に、冷凍剤19の両面と各仕切り壁13及び両側面壁4、5(7、8)との間に常に均等な空間部20が維持されて風の流れが良好となり、送風された空気が効率的に冷却されるようにしたものである。
【0032】
又、片寄り防止部18のテーパー面17は、冷凍剤収納室14内に冷凍剤19を収納する場合において、そのガイドとなってスムーズにして、かつ損傷等を与えることなく、安全、容易に収納し得るようにしたものである。
【0033】
なお、図示の実施例において、片寄り防止部16、18は上下本体部2、3を合わせて12個所に設けられているが、これに限定されず、その数は適宜である。
【0034】
そして、下本体部3の各冷凍剤収納室14内にそれぞれ冷凍された冷凍剤19が上方からセット収納され、上本体部2がその送風用切欠部6と下本体部3の突出接続部10との嵌合による上下本体部2、3の分割端面の接合をもって一体的に合体され、この合体により上下の送風用切欠部15、15によって各仕切壁13の中心部に送風穴が形成される。そして、この合体状態を維持するため、本体1の外周三個所において、ゴム又は螺旋状スプリングのワッカ21が巻着されている。
【0035】
なお、上下本体部2、3の外周にはずれ防止突起部22が設けられ、これら二つのずれ防止突起部22、22間にそれぞれのワッカ21が巻着されて、各ワッカ21がずれないようになっている。
【0036】
各冷凍剤収納室14内にセット収納される冷凍剤19は、ナイロンフィルム等の袋にゼリー状の冷凍剤が密閉された公知のものであって、この冷凍剤は、好ましくは冷凍庫において夜間の電力で凍らせて使用される。
【0037】
以上のようにして、各冷凍剤収納室14内にそれぞれ冷凍剤19がセット収納され、上下本体部2、3が接合合体されて複数のワッカ21により巻着された本体1はボックス23内に固定的に収納される。
【0038】
ボックス23は、好ましくは硬質合成樹脂材による一体成形品として得られるもので、一側面が開口した筒状体であって、その閉塞面壁の中央内側には、本体1における送風穴9、11、15と連通するテーパー付送風穴24を有するゴムパッキン装着突出部25が一体に膨出形成されるとともに、開口側端縁外周には突起部26が一体に周設されている。
【0039】
ボックス23のゴムパッキン装着突出部25には厚板のゴムパッキン27が固定的に装着されるとともに、外周全体には断面方形多角形状の断熱材28がその開口側先端29を突起部26に押し当て、かつ閉塞面壁中央部に設けられた送風管挿通穴30をゴムパッキン装着突出部25と略適合させ、送風管挿通穴30がテーパー付送風穴24と送風穴9、11、15とに連通した状態で外装着されている。
【0040】
断熱材28の閉塞面壁の外側には、本体1内の冷凍剤19に空気を送るためのファン31が設けられている。
【0041】
ファン31は、送風管32を有し、その先端テーパー部33が断熱材28の送風管挿通穴30を介してゴムパッキン装着突出部25のテーパー付送風穴24に嵌めこまれ、そのファン部が取付部材34を介して両面開口の設置ボックス35の天井に取り付けられている。
【0042】
設置ボックス35は、その略中央部内周に補強鍔部36を一体に有し、この補強鍔部36が断熱材28の閉塞面壁に押し付けられて断熱材28に強固に外挿着されている。
【0043】
設置ボックス35内の底面上には、バッテリ等のファン電源37が設けられ、ファン電源37は電気配線38を介してファン部と電気接続され、ファン電源37のオン(ON)、(OFF)オフにより送風し、送風を停止するようになっている。
【0044】
なお、ゴムパッキン27が設けられているのは、本体1の接続部12との接触面で送風漏れを防止し、かつ後述の本体1がボックス32に内挿される場合において、両者の衝撃を和らげるためである。
【0045】
又、ファン31、ファン電源37が断熱材28を介してボックス23の外側に配設したのは、本体1に対するファン31、ファン電源37からの発生熱の伝導を可能な限り防ぐためである。
【0046】
設置ボックス35におけるファン31、ファン電源37側の開口部は、その中央部の上下二個所に通気口39を有する開閉蓋40によって閉塞されている。
【0047】
各冷凍剤19がセット収納された本体1が、その接続部12をゴムパッキン27に当接させてボックス23内に固定的に挿入された後、ボックス23の開口部には開閉蓋41が密閉的に嵌合される。
【0048】
開閉蓋41は、外向き鍔部42、凹陥部43を有し、かつ凹陥部43の中央内側には本体1における送風穴9、11、15と連通するテーパー付送風穴44を有するゴムパッキン装着突出部45が一体に膨出形成されており、ゴムパッキン装着突出部45には厚板のゴムパッキン46が固定的に装着されるとともに、凹陥部43には中央部に冷風送風管挿通穴47を有する断熱材48が充填され、この状態で開閉蓋41は、そのゴムパッキン46を本体1の接続部12に当接させ、かつ冷風送風管挿通穴47がテーパー付送風穴44と送風穴9、11、15とに連通した状態で凹陥部43がボックス23の開口部に密閉的に嵌合されて取り付けられている。
【0049】
なお、ゴムパッキン46が設けられているのは、ゴムパッキン27の場合と同様に、本体1の接続部12との接触面で送風漏れを防止し、かつ開閉蓋41がボックス32内に嵌合される場合において、両者の衝撃を和らげるためである。
【0050】
ゴムパッキン装着突出部45のテーパー付送風穴44には、断熱材48の冷風送風管挿通穴47を介して冷風送風管49の先端テーパー部50が嵌め込まれている。
【0051】
このように構成された本冷風発生装置は、ファン31の駆動により空気が送風管33、先端テーパー部32、送風穴9、11、15を通って本体1内の冷凍剤収納室14内の空間部20に流れて、冷凍剤19により冷風化され、この冷風化された冷気は仕切壁13の送風用切欠部15、15で形成の送風穴を通って順次に各冷凍剤収納室14内の各空間部20を流れて、セット収納の冷凍剤19によって更に冷風化され、最終的に冷風化された冷気は、送風穴9、11より冷風送風管49を通って外部に導出され、使用者の冷房に供される。
【0052】
このようにして冷風は得られるが、上記構成の本装置を図11に例示されているように、携帯用とする場合には本装置は保冷用バック51に納められて用いられる。
【0053】
保冷用バック51は、その全体が保冷用生地ではなく、ファン31側における開閉蓋40の通気口39の周りは部分的に通気性を考慮した生地が用いられ、ファン31、ファン電源37側には通気口52が設けられている。そして、この保冷バック51はチャック53によって底部分54を除いて開閉可能となっており、本体1内の冷凍剤19等が交換される場合には、保冷バック51が開放されることにより、開閉蓋41が挿脱されて本体1がボックス23内から挿脱されて冷凍剤19等の交換ができるようになっている。
【0054】
又、冷風送風管49は保冷用バック51の穴55から出されてバック側面に沿い上方に向けられ、不使用時においては、冷風送風管49の立ち上がり部分が、バック側面にマジックチャック56により着脱可能として取り付けの保護カバー57、58によって起立状に保持され、使用時においては、保護カバー57、58が取り外されて、冷風送風管49が任意の方向に向けることができるようになっている。
【0055】
又、保冷用バック51にはベルト59が取り付けられており、このベルト59によって手提げや肩掛けが可能となっている。
【0056】
図13から図19は、本発明の他例を示したもので、本例は、本体1が一体的に重合された複数の容器ユニットと、該複数の容器ユニットを閉塞状に収納固着している容器ユニット収納庫の二重構造としたもので、本例によれば、本体1が変形又は損傷等した場合において、本体1の全部を交換することなく、変形又は損傷した部所だけを交換すればよく、経済性に優れるものである。
【0057】
図13において、断面円形の容器ユニットは、一個用容器ユニットと複数用容器ユニットを含み、これら容器ユニットは好ましくは、硬質合性樹脂材による一体成形品として得られる。
【0058】
一個用容器ユニット60は、図13、図14及び図17に示されているように、一方の面が開口され、かつ他方の閉塞面壁61の中央部に送風穴62を有する断面コ字形の冷凍剤収納容器63と、該冷凍剤収納容器63の内周壁にして、かつ送風穴62に向け放射状に設けられた長短複数のテーパー部付の片寄り防止部64と、これら片寄り防止部64により容器壁面との間に均等な空間が維持されるようにしてセット収納された冷凍剤19とを含むものである。
【0059】
又、複数用容器ユニット65は、図13、図15及び図17に示されているように、一方の面が開口され、かつ他方の閉塞面壁66の中央部に送風穴67を有する断面コ字形の冷凍剤収納容器68と、該冷凍剤収納容器68の内周壁と閉塞面壁66にして、かつ送風穴67に向け放射状に設けられた長短複数のテーパー部付の片寄り防止部69これら片寄り防止部69により容器壁面との間に均等な空間が維持されるようにしてセット収納された冷凍剤19とを含むものである。
【0060】
図16及び図17は、一個用容器ユニット60又は複数用容器ユニット65の開口部を閉塞する開閉蓋70の正面図で、この開閉蓋70はその中央部に、一個用容器ユニット60と複数用容器ユニット65の中央送風穴62、67と適合する送風穴71を有するとともに、その片面には、一個用容器ユニット60と複数用容器ユニット65と同様に長短複数のテーパー部付の片寄り防止部72が設けられている。
【0061】
そして、冷凍剤19が一個だけ用いられる場合には、一個用容器ユニット60内に冷凍剤19がセット収納されて、容器ユニット60の開口側に開閉蓋70がその片面に突設されている長短の片寄り防止部72が嵌め込まれることによって取り付けられる。
【0062】
冷凍剤19が複数個用いられる場合には、先ず、一個用容器ユニット60が用いられ、これが上向きに据え置かれてこれに冷凍剤19がセット収納される。
【0063】
次いで、二個目からは複数用容器ユニット65が用いられて、この複数用容器ユニット65内に冷凍剤19がセット収納され、複数容器ユニット65の外側に設けられている複数の片寄り防止部69が一個用容器ユニット60内に嵌め込まれて、複数用容器ユニット65が一個用容器ユニット60の蓋となる。
【0064】
次いで、同様にして順次に複数用容器ユニット65が連結され、最後には一個用容器ユニット60が用いられ、この一個用容器ユニット60の開口側に開閉蓋70の外側に設けられている複数の片寄り防止部72が嵌め込まれることによって開閉蓋70が取り付けられる。
【0065】
このようにして、所要数の容器ユニットの連結が完全に終わった後、これら容器ユニットは容器ユニット収納庫73内に収納される。
【0066】
容器ユニット収納庫73は、図13及び図19に示されているように、その閉塞面壁の中央に各容器ユニット60、65の送風穴62、67と適合する送風穴74を有するとともに、閉塞面壁の内側には送風穴74を中心として送風穴75を有するパッキン76が固着され、更に、開口側外周端縁にはネジ部77が設けられ、内外壁の長手方向にはそれぞれ交互に突起部78が設けられている。
【0067】
そして、連結を完了して上向きに据え置かれた容器ユニット60、65と開閉蓋70に容器ユニット収納庫73が上方より、そのパッキン76が最上の開閉蓋70に当接するまで被せられると、容器ユニット60、65と開閉蓋70は内面壁の突起部78との点接触によって容器ユニット収納庫73内に完全に収納される。
【0068】
このようにして、上方より容器ユニット収納庫73が被せられ、次いで、容器ユニット収納庫73は若干傾けられ、これに手を添えながら全体が横にされて容器ユニット収納庫73の開口側にネジ蓋79が取り付けられる。
【0069】
ネジ蓋79は、図13及び図20に示されているように、断面略コ字形であって、その閉塞面壁の中央に各容器ユニット60、65の送風穴62、67と適合する送風穴80を有するとともに、閉塞面壁の内側には送風穴80を中心として送風穴81を有するパッキン82が固着され、更に、内周面壁には容器ユニット収納庫73のネジ部77と螺合するネジ部83が設けられている。
【0070】
ネジ蓋79は、容器ユニット収納庫73のネジ部77に対するネジ部83の螺合により、かつパッキン82を一個用容器ユニット60の容器閉塞面壁61に当接させて取り付けられている。
【0071】
このようにして構成された本体1は、図1に示されている本体1に代えてボックス23内に挿入され、ファン31の駆動により空気が送風管33、先端テーパー部32、送風穴74、75、71を通って一個用容器ユニット60の冷凍剤収納容器63内の空間部に流れて、セット収納されている冷凍剤19により冷風化され、この冷風化された冷気は送風穴62から次の複数用容器ユニット65の冷凍剤収納容器68内の空間部を流れてセット収納されている冷凍剤19により冷やされ、以下順次に送風穴67を通って複数用容器ユニット65、一個用容器ユニット60の各空間部を流れて、それぞれにセット収納の冷凍剤19によって更に冷風化され、最終的に冷風化された冷気は、送風穴67、81、80より冷風送風管49を通って外部に導出され、使用者の冷房に供される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係る冷風発生装置の一例での一部を断面し、かつ省略して示す正面図である。
【図2】図1の右部分の部分拡大図である。
【図3】図1の左部分の部分拡大図である。
【図4】図1における上本体部と下本体部の2分割分離状態を示す正面図である。
【図5】本体部分を断面して示す正面図である。
【図6】図4の6方向から見た端面図である。
【図7】図5における本体の冷凍剤収納室を示す一部断面の側面図である。
【図8】図1の8−8線に沿った拡大断面図である。
【図9】開閉蓋の側面図である。
【図10】図1の10−10線に沿った拡大断面図である。
【図11】本冷風発生装置を携帯用とした概略斜視図である。
【図12】図11における部分拡大図である。
【図13】本冷風発生装置における本体の他例を示す断面図である。
【図14】図13における一個用容器ユニットの拡大正面図である。
【図15】図13における複数用容器ユニットの拡大正面図である。
【図16】一個用容器ユニットと複数用容器ユニットの平面図である。
【図17】図13における開閉蓋の拡大正面図である。
【図18】開閉蓋の裏面側からの平面図である。
【図19】容器ユニット収納庫に対する容器ユニットの収納状態を示す一部断面の側面図である。
【図20】図13における開閉蓋の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 本体
2 上本体部
3 下本体部
6 切欠部
9 送風穴
10 突出接続部
11 送風穴
12 接続部
13 仕切壁
14 冷凍剤収納室
15 送風用切欠部
16、18 片寄り防止部
19 冷凍剤
20 空間部
21 ワッカ
22 ずれ防止突起部
23 ボックス
24 テーパー付送風穴
25 ゴムパッキン装着突出部
26 突起部
27 ゴムパッキン
28 断熱材
30 送風管挿通穴
31 ファン
32 送風管
35 設置ボックス
36 補強鍔部
37 電源
38 電気配線
39 通気口
40、41 開閉蓋
44 テーパー付送風孔
45 ゴムパッキン装着突出部
46 ゴムパッキン
47 冷風送風管挿通穴
48 断熱材
49 冷風送風管
51 保冷バック
52 通気口
53 チャック
54 底部分
59 ベルト
60 一個用容器ユニット
61、66 閉塞面壁
62、67 送風穴
63、68 冷凍剤収納容器
64、69 片寄り防止部
65 複数用容器ユニット
70 開閉蓋
71 送風穴
72 片寄り防止部
73 容器ユニット収納庫
74、75 送風穴
76 パッキン
78 突起部
79 ネジ蓋
80、81 送風穴
82 パッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する両側壁面の同軸上中央部に送風穴が設けられた筒状の本体と、
前記本体にセット内蔵された冷凍剤と、
前記本体における一方の送風穴を介して前記冷凍剤に空気を送風するファンと、
前記本体における他方の送風穴を介して前記冷凍剤により冷却された冷風を送風する冷風送風管と
を備えた構成を特徴とする冷風発生装置。
【請求項2】
前記本体内が、前記送風穴と連通する送風穴を有するそれぞれの仕切壁を介して複数の前記冷凍剤の収納室に区画形成され、該複数の冷凍剤収納室にそれぞれ前記冷凍剤がセット内蔵された構成を特徴とする請求項1の冷風発生装置。
【請求項3】
前記本体が、軸心方向に着脱可能に2分割された構成を特徴とする請求項1または2いずれか1項の冷風発生装置。
【請求項4】
前記本体内における側面壁と前記各仕切壁面に、前記セット内蔵された冷凍剤が、前記側面壁と仕切壁面とのに常に均等な空間が維持されるように複数の片寄り防止部が設けられた構成を特徴とする請求項1から3いずれか1項の冷風発生装置。
【請求項5】
前記本体は、一体的に重合された複数の容器ユニットと、該複数の容器ユニットを閉塞状に収納固着している容器ユニット収納庫の二重構造であって、
前記容器ユニットは、一方の面が開口され、かつ他方の閉塞面壁の中央部に送風穴を有する断面コ字形の冷凍剤収納容器と、
該冷凍剤収納容器内に設けられた前記複数の片寄り防止部と、
該片寄り防止部により容器壁面との間に均等な空間が維持されるようにして前記冷凍剤収納容器内にセット収納された冷凍剤と
を含む構成を特徴とする請求項1の冷風発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−329524(P2006−329524A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−153537(P2005−153537)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(397067901)
【Fターム(参考)】