説明

凍結乾燥したコーヒータブレット

本発明は、コーヒー固形物の溶液を所望の形状に成形及び凍結乾燥することによって得ることができ、改良された溶解性並びに魅力的な滑らかでかつ/又は光沢のある表面外観を有するコーヒータブレットに関する。このコーヒータブレットはまた、閉じた表面孔構造と、孔の大部分が相互連絡し、大きさが5から50マイクロメートルの内部孔構造とを有する。このコーヒータブレットはまた、コーヒー、香味料、着色料又は芳香のコーティングを含むことができる。このコーヒータブレットは芳香の環境内で包装され、タブレットを長期保存した後であっても、タブレットから飲料を調製したときに新鮮で強い香味及び芳香の特性を示す製品を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒータブレット並びにその製造及びパッケージ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「インスタントコーヒー」として使用する凍結乾燥したコーヒー抽出物は通常、顆粒として製造し、これにより乾燥物質含量が約40%重量/体積の水性コーヒー抽出物を泡立てて泡重量を約450から750g/lにし、この組成物を冷凍ベルト上で約30分間冷却して泡温度を約−45℃にし、凍結した生成物を−40から−50℃で粉砕する。粒径が0.5mm未満の微粒子及び粒径が3mmより大きい粒子を除去するために、このように得た顆粒を低温でふるいにかける。微粒子、すなわち粒径が0.5mm未満の粒子の量は通常、総凍結生成物の30から35%である。ふるいにかけた後、顆粒の約95%は0.5から3mmの範囲の粒径を有するが、粒径が0.5mm以下の微粒子の最大5%までが依然として存在することが多い。0.5mmから1mmの粒子の割合は、ふるいにかけた生成物の約10から20%である。これらの顆粒は通常、トレーに移し、操作圧力0.3から0.4ミリバール(キャパシトロン(Capacitron)値、約0.4から0.6ミリバールのサーモトロン(Thermotron)値に相当する)で凍結乾燥する。凍結乾燥した最終生成物は通常、約230から260g/lのバルク密度を有する。
【0003】
湯に容易に溶解し、密封された広口瓶に入ったバルク粉末として市販されている「インスタントコーヒー」を製造するための多くの方法が従来技術で提案されている。これらは成功しているが、このような製品を改良することが求められている。例えば、好都合な量に分けることができ、得られた飲料の強さを容易に調整できる「インスタントコーヒー」の提供が求められている。そのため、従来技術では、これらの不足を改良する試みとして、コーヒータブレット又はキューブの開発を試みている。
【0004】
コーヒータブレット又はキューブは、溶解性コーヒー抽出物から一般に調製する。この方法は、粉砕したコーヒー豆に抽出溶媒を作用させること、及び濃縮抽出物を蒸発させて、タブレット形態に圧縮できる塊の状態にすることを含む。このようなコーヒータブレット及びそれを調製する抽出手順は、Hubnerの米国特許第1137265号及びEldredの米国特許第3121635号に記載されている。これらのコーヒータブレットは、主にはその脆弱性のために破損し易いので、また、このようなタブレットはその他の形態の粉末コーヒーと同じ程度の芳香や香味を有さないので、商業的に成功していない。さらに、低溶解性は塊を強く圧縮した結果として起こり易い。この場合、タブレット強度は非常に高いが、溶解性は非常に低い。
【0005】
カナダ特許第964074号及び同第918494号は、コーヒータブレットを形作る前にコーヒー抽出物を泡立てる又は部分的に凍結させることによって、より多孔性の構造が得られることを教示している。しかし、これは開放しすぎ、結果としてよく画定していない形状になる孔構造になり得ることが分かっている。魅力のない外観に加えて、これらの特許に従って作製したタブレットはまた、幾分より破損し易く、それらが提供されるパッケージ内に微粒子が生じ易い。
【0006】
タブレットの破損を減少させ、強度及び延性を増大させる研究で、そのようなタブレットに結合剤を入れることが提案されている。例えば、Hallの米国特許第1951357号は、コーヒー抽出物にゼラチン及びデキストリンを含む液体結合剤を入れることにより、圧縮したコーヒータブレットを形成する方法を記載している。しかし、このような手順で形成したコーヒータブレットは、外来性の結合剤又は媒体が飲料から完全には除去されていないので、純粋なコーヒー抽出物の香味が調製の過程で失われ、そのため飲料の望ましい味や外観が損なわれるという欠点を有する。様々な結合剤材料を活性成分と共に、タブレットを一体に保持するために、含めることは可能であるが、慣用の結合剤をコーヒータブレットに使用することは望ましくない。というのは、結果として純粋なコーヒー製品ではなくコーヒー飲料になってしまい、固有でない成分は純粋なコーヒーの味特性に悪影響を及ぼし得るからである。
【0007】
米国特許第4975295号は、焙煎し粉砕したコーヒーと凝集剤との混合物から作製した水溶性コーヒータブレットを開示している。焙煎し粉砕したコーヒーは水に完全には溶解しないので、コーヒー調製後に固形物が残る。タブレットから調製した液体コーヒーに固形物が現れるのを防ぐために、フィルター又はその他の分離手段が必要になる。
【0008】
さらに、上記の通り、既知のコーヒータブレットは吸湿性であり、水分の取込みを防ぐために特別なパッケージが必要になる。さらに、このようなタブレットは、時間とともに保存中にその芳香及び香味を失う傾向がある。米国特許第4975295号はこの問題を理解し、タブレットを不浸透性の包装材料や密封容器にパッケージすることを示唆している。しかし、タブレットの包装がきつ過ぎると、破損につながり得る。したがって、この特許の製品を超える改良が望まれる。
【0009】
コーヒーは、コーヒー飲料が新鮮なときにより望ましいことが分かる味及び芳香を有する飲料である。なぜなら、芳香は時間とともに弱まり、「気が抜ける」からである。これは、コーヒーに香味を与える化合物が本質的に有機であり、コーヒーを調製した直後は、香味を与える化合物が分解していないので香味が最も望ましい。時間とともにコーヒーの有機化合物は、コーヒーを調製した水の酸素と結び付くことによって酸化し、この酸化がコーヒーの劣化及び望ましい香味の損失につながる。これを抑制する試みとして慣用のパッケージを使用するが、依然として問題が残る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、良好な外観を有し、破損に抵抗できるように十分に強くかつ延性であり、保存中にその香味及び味を保持することが可能なコーヒータブレットが求められている。本発明はそのようなタブレットの提供を目的とする。さらなる目的は、許容可能な溶解性を有するコーヒータブレットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、表面孔構造の閉じた平滑外表面を有する三次元形状と、内部孔構造の孔の大部分は相互連絡しており、大きさが5から50マイクロメートルである前記内部孔構造とを有するコーヒータブレットに関する。タブレットはまた、中にコーヒー固形物を含み、1つ又は複数を適量の湯又はその他の液体、例えばホットミルクに加えるとコーヒー飲料を調製するのに十分な大きさを有する。一般に、タブレット1個は6オンスカップ1杯のコーヒーに相当するが、使用者はカップ中の水又は液体の体積により、タブレットをさらに加えてコーヒーの強さ及び/又は味を調整することができる。或いは、コーヒータブレットは、所望のカップの大きさに対する所望の強さに対応するタブレットの数を使用者が選択できるように、より小さな大きさであってもよい。例えば、タブレットは1単位当たり0.1gであってもよい。中位のカップ濃度では、湯100mlのカップ1杯を調製するのに15粒を使用してもよい。
【0012】
好ましくは、コーヒータブレットは円板又は多角形の形状及び滑らかな又は光沢のある表面を有し、これはタブレットを視覚的に魅力あるものにする。この形状及び滑らかな表面は、コーヒー固形物を含むコーヒー組成物を滑らかな又は研磨した型内で成形することによって得ることができる。平滑外表面は、コーヒー組成物を圧縮成形することによって得ることもできる。そのような圧縮成形としては、例えばローラープレスでの成形又はダイプレス加工による成形がある。
【0013】
さらに、平滑外表面は、コーヒー組成物を部分的に凍結させてスラッシュにすること、この部分的に凍結させたスラッシュを成形して三次元形状を形成すること、この形状をコーヒーで場合によりコーティングすることによって得ることができる。これは、凍結させたタブレットを濃縮コーヒー抽出物に−5から20℃の温度範囲で浸漬することによって実施してよい。液体コーヒー抽出物の濃度は、コーヒー固形物(乾燥物)20から60%の間で好ましくは変化して、望ましい表面特性を提供することができる。
【0014】
型内で凍結する前にコーヒー組成物に気体を加えることにより、内部孔構造の形成を助けることが好ましい。これはタブレットの平滑外表面又は形状にあまり影響することなく実施される。その後、コーヒー芳香をタブレットに近接して並びにタブレットの孔構造に与え、保存中に香味及び芳香を保持することができる。さらに、香味料、着色料又は追加の芳香を、好ましくはタブレットのコーティングの形態でタブレットに加えることができる。
【0015】
本明細書の文脈では、平滑外表面とは、表面に有意な粗さがないことを特徴とする表面である。この評価は、目視観察による判定又は走査型電子顕微鏡(SEM)を使用する判定の両方に基づくことができる。本明細書の文脈では、表面孔構造の閉じた平滑外表面とは、表面多孔度、すなわち内部粒子孔構造に通じることのできる表面開口部の割合が低い表面である。閉じた表面孔構造は、好ましくは多孔度が約10〜35%の表面孔構造であり、表面多孔度は、累積的な表面孔断面領域と粒子(又は実施形態)の総外表面領域との比と定義する。平均表面孔大きさは通常、5〜35マイクロメートル程度であり、慣用の走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して測定することができる。
【0016】
本発明によるコーヒータブレットは、上記の通り、孔の大部分が相互連絡しており、大きさが好ましくは5から50マイクロメートル、より好ましくは10から50マイクロメートルである内部孔構造を有する。これは、慣用の走査型電子顕微鏡(SEM)でタブレットの断面を分析することにより測定することができる。
【0017】
タブレットの対応する密度は、乾燥した溶解性コーヒーマトリックスの粒子密度、すなわち>1450g/lに近い値を与える粒子密度を決定するヘリウム比重びんを使用して決定することができる。ヘリウム比重びん法で測定した高密度の値は、孔構造の孔の相互連絡性がかなり高いことを示す。これは、光学的分析を使用してかなり低いと特徴付けることができる表面多孔度を含む。抽出物の固形物含量が約50%であり、孔構造の相互連絡性が100%と推測される場合、これは、多孔度を粒子の孔体積と総粒子体積との比と定義して、約60%の総多孔度に相当する。上記の前提に基づいて、タブレットの多孔度及び密度を計算することができる。
【0018】
コーヒータブレットは、好ましくは50から80%の範囲の総多孔度及び800から300g/lの密度、より好ましくはそれぞれ60から70%、600から450g/lを有する。したがって、コーヒータブレットの典型的な個々の粒子密度は、典型的には約400g/lである標準的な凍結乾燥コーヒー粒子の対応する値よりも高い。
【0019】
驚くべきことに、上記の閉じた表面特性及び内部孔構造を有する本発明によるコーヒータブレットは、望ましい平滑外表面、容易に破損することを防ぐのに十分な強度を有しながら、許容可能な溶解性を保持して得られることが分かった。例えば、0.1グラムのコーヒータブレットは典型的には数秒で湯に溶解する。
【0020】
本発明はまた、本明細書で記載した少なくとも1個のコーヒータブレットと、タブレット(単数又は複数)を中に入れるための耐湿性材料のパッケージと、コーヒータブレット(単数又は複数)の香味及び芳香を保持するのに十分な量でパッケージ内に存在するコーヒー芳香とを含む、包装コーヒー製品に関する。好ましい製品は、パッケージ内に芳香として芳香性の揮発性物質を含むコーヒー芳香と、1個から8個のタブレットとを含む。タブレットは、コーヒー、香味料、着色料又は芳香のコーティングを含むことができる。
【0021】
パッケージ材料は好ましくは、少なくとも2層を有する可撓性ラミネートを含み、気体又は水分の透過が実質的に不浸透性である。コーヒータブレット(単数又は複数)は、飲料が調製されるときまで香味及び芳香を保持するためにパッケージ内に密封されている。可撓性ラミネートのパッケージ材料の層は有利には、紙又はプラスチックフィルムを含み、場合により金属化した又は着色した紙表面を含む。
【0022】
本発明のさらに別の実施形態は、適量の湯に加えるとコーヒー飲料を調製するコーヒータブレットを形成する方法に関する。この方法は、気体を加えながらコーヒー固形物を含むコーヒー組成物を型に入れて成形し、その型の三次元形状に一致し、滑らかでかつ/又は光沢のある外表面及び閉じた表面孔構造を有する三次元形状を有するコーヒータブレットを形成することを含む。型は好ましくは滑らかな又は研磨したものである。上記の通り、コーヒー組成物に加えた気体は、孔の大部分が相互連絡しており、大きさが5から50マイクロメートル、好ましくは10から50マイクロメートルである内部孔構造を形成するのに寄与している。
【0023】
型は任意の形状に作製できるが、好ましくは、円板若しくは多角形の形状を提供するキャビティ又はコーヒー豆を模倣したキャビティを有し、タブレット(単数又は複数)の平滑外表面は、多くの方法で得ることができる。平滑外表面は、コーヒー組成物を型内で凍結させることにより、例えば、液体コーヒー組成物を型に注ぐことによって、又はコーヒー組成物をローラープレスに通すことによって、又はダイプレス加工での成形によって、又はコーヒー組成物の凍結した微粒子を型内で圧縮成形することによって得ることができる。コーヒー組成物を部分的に凍結させてスラッシュにすること、部分的に凍結させたスラッシュを成形して三次元形状を形成することによってタブレットを得る場合は、その形状をコーヒーでコーティングして滑らかな又は好ましくは光沢のある外表面を得ることが必要である。上記の通り、タブレットを濃縮コーヒー抽出物に−5から20℃の温度範囲で浸漬することができる。ここで、液体コーヒー抽出物の濃度は、コーヒー固形物(乾燥物)20から60%の間で好ましくは変化して、適切な表面特性を得ることができる。コーヒー芳香をタブレットの孔構造に提供して、保存中にタブレットの香味及び芳香を保持することができる。上記の通り、タブレットは、コーヒー、香味料、着色料又は芳香のコーティングを含むことができる。
【0024】
方法は、本明細書で開示の耐湿性材料の1つのパッケージに少なくとも1個のコーヒータブレットを入れることによって、包装コーヒー製品を提供するさらなるステップを含む。パッケージ内での長期保存中にコーヒータブレットの香味及び芳香を保持するのに十分な量で、コーヒー芳香をパッケージ内に提供することができる。好ましい芳香は、芳香性の揮発性物質を含むコーヒー芳香であり、パッケージ内には1個から8個のタブレットがに一般に存在する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本発明は、向上した溶解特性及び味を有するタブレット又はキューブ形態の「インスタント」コーヒー組成物を提供する。このタブレットは、最高の品質要件を満たす凍結乾燥したコーヒー抽出物である。さらに、本発明は、コーヒータブレットの芳香及び香味を保持するコーヒータブレット製品のパッケージを提供する。タブレット及びそのパッケージは、タブレットから形成して得られる飲料の香味、味及び芳香を増強するために必要な、タブレットの物理特性を保持するように設計されている。
【0026】
表面の特性は顧客にとってコーヒータブレット製品の受容性の重要な特徴であることが分かっている。本発明は、顧客にとって魅力ある、非常に滑らかで光沢さえある外表面を有するコーヒータブレットを提供する。タブレットが、コーヒー豆、ビーズ、星、戯画又はその他の見分けのつく形状などの独特な形状を有する場合、特に魅力がある。しかし、コーヒータブレットは、滑らかなつや消しの表面外観を有していてもよい。これは型の表面特性に左右される。
【0027】
また、タブレットの多孔度は、タブレットの良好な溶解性が達成されるように処理する。形状が形成される前に、気体を液体コーヒー溶液に加える。一般に、任意の不活性ガスを使用することができ、窒素又は二酸化炭素が好ましい。気体を加えることにより、形成した形状中に新規な多孔性の構造が得られる。さらに、タブレットの内部孔は相互連絡しており、液体コーヒー飲料を調製するときに水中でのタブレットの溶解を促進する。これらの孔の大部分は5から50マイクロメートルの大きさを有する。少なくとも約65%の孔がこの大きさを有することが好ましい。記載した孔構造は、いかなる過度の撹拌やその他のかき混ぜも必要なく、タブレットが許容可能に迅速に湯に溶解するのを可能にする。同時に、閉じた表面孔構造は、コーヒータブレットのために、粒子/タブレットの機械的強度及び破損摩耗耐性に一定の寄与をする。
【0028】
本発明はまた、コーヒータブレット製品から飲料を調製する間の芳香体験を提供する。これは、保存中にタブレットの新鮮さ、芳香及び香味を保持するためにタブレット(単数又は複数)を入れるパッケージ中にコーヒー芳香を含めることによって達成され、並びにこれにより消費者はパッケージを開封するとき、及び飲料を調製するときに芳香を体験することができる。場合によっては、これらの特性は、タブレットから形成する飲料に与えることができる。
【0029】
本発明は、コーヒー抽出物溶液を成形及び凍結乾燥して画定した形状にすることによって調製した容易に水に溶けるコーヒータブレットを提供する。コーヒータブレットは、液体コーヒー抽出物を型に入れること及びその抽出物を凍結させて不相互連絡の形状にすることによって製造する。その形状に滑らかでかつ/又は光沢のある表面を与えるためには、型の表面は十分に滑らかであるか又は研磨されてさえいるべきである。型の表面が滑らかであるほど、より滑らかで光沢のある表面が提供されるが、型は滑らか過ぎて成形した形状の乾燥特性を損ねるべきではない。型の表面は3つの機能を有する。第1は、ある表面特性をタブレット形状に与えること、第2は、凍結後、型からタブレット形状を容易に取り出すのを確実にすること、第3は、最終的なタブレットを形成する形状の乾燥を促進し高めることである。最後のものについて、凍結又は固化ステップで氷晶形成の核となるために型の表面には粗さがいくらか必要であることが認められている。ここで、これらの氷晶はタブレット形状のその後の乾燥を高める。
【0030】
本発明はまた、型のキャビティに短時間入れることによって、抽出物が型から取り出したときにその形状及び形態を保持する能力を有するのに十分な安定した稠度の半固体状態となるように、抽出物の固形物濃度及び型に入れるときの温度を調節する。この点で、周囲温度状態は、抽出物の成形が一定温度又は低温のいずれかで実施されるもののはずである。
【0031】
別の実施形態では、コーヒー抽出物を凍結及び粉砕して、2mm未満、好ましくは1mm未満の凍結微粒子を生成する。次いで、この凍結した微粒子は、平滑外表面を有するタブレットを生成するために上記の十分に滑らかな表面を有する型のキャビティで圧縮成形する。これは、表面の急な盛り上がりを有する注型や押出した製品とは区別される。また、このような製品は、気泡や小さな亀裂による孔を示す。このような製品の色はまた、わずかに不均一である。比較すると、成形したタブレット表面には急な又は一貫性のない盛り上がりはなく、代わりに表面は徐々にかつ滑らかに変化する。このような微粒子から成形したタブレットはまた、光沢のある表面色ではなく光沢のないつや消しの、外観が実質的に一定な表面色を有する。しかし、個々の又は塊状の微粒子は最終製品でいくらか目に見えるが、これはタブレットの全体的な魅力ある外観を損なわない。
【0032】
抽出物を部分的に凍結させてスラッシュにすること、そのスラッシュを凍結させて所望の形状に成形すること、次いでそれを型から取り出すことによって製造するコーヒータブレットも提供する。これらのステップは、カナダ特許第964074号に開示のものと本質的に同じであることができる。本明細書で使用する用語「スラッシュ」は、氷の形態の水が抽出物から結晶化して、凍結していない液体抽出物のマトリックス全体に分散しており、この液体抽出物は水が結晶化したために最初の冷却していない抽出物より高い濃度の溶解性固形物を有する、部分的に凍結した抽出物を意味することを意図する。
【0033】
このように調製したタブレットにもたらされた表面は、一般に粗すぎるか多孔性でありすぎるので、次いで、得られたタブレットをコーヒーでコーティングして所望の滑らかでかつ/又は光沢のある外表面を得る。所望の外表面は、凍結したタブレットを濃縮コーヒー抽出物の溶液に浸漬することによって得ることができる。次いで、抽出物を乾燥して、消費者にとって魅力ある滑らかでいくらか光沢のある表面を形成する。抽出物は−5から20℃の低温で一般に維持する。液体コーヒー抽出物の厳密な濃度は重要ではなく、濃度がコーヒー固形物(乾燥物)20から60%の範囲にあるときに良好な表面特性を得ることができる。これらの濃度は適切な表面特性を提供し、これらの特性はいくらか異なり、最終製品に所望されるわずかに異なる表面仕上げを当業者が提供できるようにする。例えば、異なる表面仕上げを使用して異なる製品間で差異を設けることができる。
【0034】
本発明の成形器具は、液体コーヒー抽出物を入れる多数の小さなキャビティを提供する。具体的な大きさは、棒又は円板、円柱、多角形、例えば長方形、正方形若しくはその他、又はこれらの組合せ、例えば円錐、星、角柱、四面体若しくは八角形、並びに人物又はキャラクターの輪郭、及びコーヒー豆を含むその他の形状で変化することができる。上方が開いたキャビティは、好ましくは約0.2から20cc、好ましくは約4から10ccの体積を有する。理解される通り、厳密な大きさは重要ではなく、使用に最も適する大きさのタブレットを形成するように主に選択される。タブレット1個はカップ1杯のコーヒーを調製するように想定しているが、使用者がカップ1杯の所望の強さのコーヒーを形成するために複数のタブレットを組み合せることができる、より小さなタブレットを提供することも本発明の範囲内である。また、消費者の望みに応じてカップの体積を大きく変化させることができ、所望の強さの最終的な飲料を調製するために複数のタブレットを加えることができるので、複数のタブレットは有用である。
【0035】
本発明によれば、成形ステップは、コーヒータブレットが高品質であることを示す、光沢のある/ガラス状のタブレット表面を作製する利点を有することが分かっている。さらに、上記の製品表面の孔構造が得られる。さらに、タブレットの凍結乾燥の利点は2つある。第1は、標準的な凍結乾燥法と比較して微粒子の形成を防ぐので、ふるい分けによるその除去、又はその再利用若しくは再処理の必要がなくなる。第2に、凍結乾燥技術は成形した形状の望ましい孔の大きさや多孔度を与えるので、最終的なタブレットに良好な溶解度を与える。
【0036】
例えば、成形器具を逆さにすることにより、及び/又は気体の噴出又は機械的に、例えばバネで排出することによりタブレット形状を型から取り出したら、次いで凍結乾燥して水を除去する。典型的には、−40から−50℃の温度で凍結乾燥室に凍結させた形状を置き、水を昇華させて乾燥タブレットを形成する。コーヒー抽出物は、まずその約25%から約30%の水含量が大きな氷晶を形成するところまでわずかに凍結させるのが好ましい。
【0037】
本発明の別の実施形態は、形状及び得られたタブレットに芳香、香味料又は着色料を加えることに関する。これらは、型内で凍結させるコーヒー組成物に加えることができるが、これを実施するより好都合な方法は、1種又は複数のこれらの添加物を、タブレットをコーティングするために使用するコーヒー抽出物溶液に入れることである。或いは、第2のコーティングステップを使用してこれらの材料をタブレットに塗布することができる。この利点は、そうすることによって香味付けされた又は異なる色の飲料を製造できることである。例えば、ミント、バニラ、ヘーゼルナッツなどの香味をコーティングによってタブレットに加えることができる。調製する飲料にこの香味を与える他に、これらの香味は、包装タブレット(単数又は複数)に与えられるパッケージ環境に芳香を与えることもできる。これらの芳香はパッケージを開封したときに放出される。香味料は甘味料であることもでき、例えば砂糖又は人工甘味料をタブレット又はその上のコーティングに加えて、飲料に甘味を与えることもできる。ある甘味料は、ある製品に望ましいわずかに異なる表面外観を与えることができる。食品色素を加えて、例えばその色を、調製する飲料の特別の香味又はタイプと関連付けるなど、タブレットに新規な効果を与えることができる。タブレット及びタブレットから調製する飲料に面白い対比を与えるために、その色又は香味はタブレットのものとは異なるものであることができる。
【0038】
完成したタブレットは計量するが、これは通常、タブレット1個当たり6オンスカップ1杯のコーヒーを作製するのに十分である。カップ1杯の沸騰水にタブレットを1個入れると、約60秒未満で撹拌することなく完全に本質的に溶解する。各タブレットは重量約0.5から4グラム、直径約26mmの厚さであることが好ましい。好ましい用量は2gである。好ましい大きさは、破損に耐えるのに十分な厚さであり、迅速な溶解に対して表面対水の体積が比較的大きな比であるタブレットを与える。タブレットは任意の所望の形状にすることができるが、コーヒータブレットは、円形又は卵形の円板又はコーヒー豆を模倣した形状であることが好ましい。
【0039】
本発明はさらに、コーヒータブレットを入れるコーヒーパッケージに関する。コーヒータブレット製品は、プラスチックフィルム、メタリックホイル又はこれらの組合せ若しくはラミネートなどの耐熱及び耐湿性材料で個々に包装することができる。或いは、コーヒータブレットは、長期間劣化することなく、個々の包装なしで気密かつ芳香密封性な容器に保存してもよい。
【0040】
好ましい実施形態では、パッケージは、側壁、端壁、長い側部と短い側部を有するほぼ長方形の底部及び重なる頂部で構成された製品の封入容器を画定するように形作られた可撓性ラミネートパッケージ材料からなる。重なる頂部は、側壁の上部及び端壁の上部を含む。該上部は折り蓋を形成し、該上部は折り込み三角片(gusset)を形成する。手で剥離可能なシールがこれら上部の内側全体に広がっている。密閉構造は折り蓋として形成され、側壁が互いに密封される三角片の最も内側の端部間の中央部と、側壁が三角片の向かい合う壁に密封されたその他の外側の部分とを残して、折り込み三角片の上に閉じる。折り蓋の中央には、中央の摘み可能な盛り上がったタブ手段が設けられており、これはヒートシール領域の上にヒートシール領域の一部として位置するように設計され、パッケージの開封を容易にする。消費者がパッケージを迅速かつ好都合に開封できるように、タブはシール領域の一部として構成されて十分に強い摘み力を与えることが好ましい。さらに、摘み可能な盛り上がったタブは、タブの実質的部分が三角片領域と重ならないように構成されていることが好ましい。このようにパッケージを構成することにより、パッケージを開封するのに必要な適切な力のみがタブに適用されること、したがって開封時のタブの不適切な引き裂きを回避することをさらに確実にする。
【0041】
実際には、パッケージの実際の大きさ及び形状は大きく変化することができ、その中にパッケージする製品の大きさ及びタイプに大きく左右される。最もよく認められたところでは、パッケージは、側壁、端壁、底部及び密封可能な領域と盛り上がった摘み可能なタブとを含む頂部を有する袋状の封入容器の形状に形成することができる。この直立した袋状の製品封入容器は、当技術分野でよく知られた慣用の手段を使用して詰め、折り曲げ、密封することができる。本発明の一実施形態では、所望の乾燥顆粒製品を詰めたパッケージは袋状の封入容器の形態のままである。しかし好ましい実施形態では、パッケージ材料は、煉瓦形状に形成した食物製品のまわりにしっかりと引き寄せられており、パッケージは真空密封されている。次いで、このタブの付いたパッケージを積み重ね、カートンに梱包し、最終的にこの形態で消費者に市販する。
【0042】
本発明のパッケージは、乾燥顆粒食物製品を入れるのに適したパッケージに形成することができる当技術分野でよく知られた任意の可撓性ラミネート材料から作製することができる。パッケージは、真空を保持することが可能な、手で剥離可能なヒートシールで形成したものであることが好ましい。米国特許第4944409号(Buscheら)及び同第4488647号(Davis)に記載のパッケージ及び剥離可能なシールの実施形態など、多くの材料及び形態が本発明のパッケージとして考えられる。
【0043】
別の好ましい実施形態では、本発明のパッケージは、米国特許第4944409号(Buscheら)に開示のものなど、剥離可能なヒートシールで構成することができる。この実施形態では、パッケージは約3つの端部と接合した第1及び第2パッケージ壁を有し、開封上部を備えた袋状の製品封入容器を形成する。これらの壁の第1は、3層の熱可塑性ポリマーフィルムを好ましくは含み、その中間層は内側密封材層と外側層との間に配置する。中間層は内側層又は外側層の一方と剥離可能に結合し、その他方とは不変に結合している。第2のパッケージ壁は外側層と内側密封材層とを含む。両壁の外側層は、エチレン酢酸ビニルコポリマー、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中和したエチレン・酸コポリマー又はその他の適切な押出成形可能なポリオレフィンポリマー又はコポリマーからなることが好ましい。内側密封材層は、密封が所望されるときにこれらの2層が互いに隣り合い、慣用の密封機を使用して熱で結合されるように設計されている。内側層は、上記の外側層を構成するのに使用した材料など、それ自体をよく密封することが知られている任意の適切な材料からなる。一般に、外側層は厚さが約0.2から1.6mmであり、内側層は厚さがほぼ約0.04から0.2mmである。
【0044】
この好ましい実施形態の第1パッケージ壁の中間層は、第1壁の第1外側層又は内側密封材層のいずれかと剥離可能に結合したときに比較的低い剥離強度を有するように選択する。中間層は、ポリブチレンと、エチレン酢酸ビニルコポリマー、線状低密度ポリエチレン、中和したエチレン・酸コポリマー又は中和していないエチレン・酸コポリマーのいずれかとの組合せから構成され、厚さが約0.04から0.2mmであることが好ましい。この好ましい実施形態では、結合が最も弱い第1内側密封材層と中間層との間で剥離しないように設計されており、剥離しないようにするのに必要な好ましい力は、幅1インチ当たり約600から1800グラムである。
【0045】
本発明のパッケージはまた、米国特許第4488647号(Davis)に開示のものなどの可撓性ラミネート材料から形成することができる。この実施形態では、ラミネート材料は、印刷可能な層、外部層をラミネートするバリア層、及びパッケージ封入容器の内側表面を形成する密封層を有する。熱可融性プラスチックポリマーコーティングによりパッケージの頂部に、手で剥離可能な密封を提供する。この密封は、輸送及び取扱いの際にパッケージ内の真空を保持するのに十分な強度を提供するように構成されているが、同時にパッケージの折り蓋を引き離すためのタブの付いた摘み領域を使用して手で開封可能である。
【0046】
上記のパッケージの密封は、場合によりケイ酸マグネシウムを加えたエチレン酢酸ビニルからなることができる。そのような一実施形態では、本発明のラミネートパッケージを密封する材料は、エチレン−酢酸ビニル約80から90%及びケイ酸マグネシウム約10から20%からなる。密封領域に適用したヒートシールは、パッケージに製品を詰めた後、当技術分野で知られている任意の慣用の密封機、例えば密封領域に熱及び圧力を加えることができるヒートシールバーを使用して結合する。ヒートシールは、真空を保持できるが、消費者によって摘み可能なタブの付いた領域を使用して容易に剥離開封されるような適切なシール強度で形成することが好ましい。一般に、本発明のこの実施形態のヒートシールでは、幅1インチ当たり約600から1800グラムのシール力が好ましい。
【0047】
別の実施形態では、本発明のパッケージ10はまた、外側透明ポリエステル層、そのポリエステル層の隣のアルミニウムホイル層、ナイロン中間層及びポリエチレンの内側層を有する4層構造を含む可撓性ラミネート材料から構成される。このラミネートの製造では、ポリエステル、アルミニウムホイル、ナイロン及びポリエチレン層を単一のウェブ構造に形成することができ、慣用の多色グラビア又はその他の適切な方法を使用してポリエステル層に印刷してもよい。さらに、製品の名称又はその他の適切な情報をその上に印刷した外側ホイル層を有するウェブ構造を形成することができ、ホイル上に透明なポリエステル層を適用してラミネートを仕上げることができる。
【0048】
上記の通り、本発明のパッケージは好ましくは、既知の種々の慣用方法のいずれかにより袋状の製品封入容器に形成した可撓性ラミネート材料をまず作製することによって構成する。このように、パッケージは、すべて製品の封入容器を画定する、底、側壁及び密封可能な頂部を含む典型的な「直立」の正方形の底の袋の形状にまず形成する。次いで、この袋状の封入容器を使用して、当技術分野で知られた任意の慣用の方法で所望の製品の周りに煉瓦型パッケージを形成することができる。好ましい実施形態では、パッケージは、完全なコーヒー豆、焙煎し粉砕したコーヒー又は乾燥形態のその他のコーヒー製品などのコーヒー製品を含むように設計されているが、このパッケージは、ココア、茶、脱脂粉乳及び粉末飲料ミックスなど、密封可能な真空パッケージで包装することが望まれる任意のその他の乾燥顆粒食物製品を入れるのに使用することができる。
【0049】
当業者には明らかなように、上記の可撓性ラミネート材料で作製したパッケージは、慣用の折りたたみ、三角片及びヒートシール技術で形成する。好ましい実施形態では、向かい合う折り蓋及び三角片を一緒にして、その間にヒートシールを形成する。三角片は、中央に向かって内側に延びるのが好ましいが、端部同士は接しない。当業者には明らかな通り、慣用の手段でパッケージに詰めている間に認められる通り、袋は開いた形を保ち、製品が所望のレベルに達した後、パッケージを折り曲げ、密封する。特に好ましい実施形態では、当技術分野で知られた真空密封手段を使用してパッケージを密封することができる。
【0050】
本発明のパッケージの大きさは可変であり、パッケージする製品の容積及び大きさに左右されることは当業者によく理解される。タブの付いた領域の好ましい実施形態では、密封可能領域の上端からタブの端部までの最大の高さは約14mmである。この実施形態では、密封可能な頂部はその最大の高さでほぼ約30mmであり、密封可能領域の厚さは約6mmであり、ほぼ水平な上端部と密封可能領域の上端との間の凹部はその最短幅で約6mmである。密封可能領域の上の摘み可能なタブ領域は約16mmに延ばすことができる。良好な開け易いパッケージを得るためには、摘み可能なタブ領域はその最大幅(頂部から密封領域まで)で少なくとも約12mmであるべきである。
【0051】
本発明のタブの付いた開け易いパッケージは多種多様な製品に使用することができ、摘み性及び開け易さにおいて明確な利点を提供する。本発明のパッケージは上記の具体的な実施形態について記載したが、本明細書で特に記載していない多くの別の実施形態及び材料が可能であり、それらが本発明の範囲にあることは当業者には明らかである。
【0052】
コーヒータブレット製品のパッケージは、成形ステップで作製したタブレットの光沢性/ガラス質の表面をよく保持するという利点を有する。パッケージはまた水分から製品を保護するのにも重要であり、したがって製品の良好な溶解性の維持にも寄与する。さらに、コーヒータブレットの個々のパッケージは、1回分のパッケージという大きな便宜を与える。
【0053】
上記の通り、有限数のタブレットをパッケージすることができる。最も好ましい実施形態では、芳香の損失や望ましくない水分の取込みを引き起こす密封し直しの問題を回避するために、個々の包装は好ましい選択である。しかし、2から8個などのわずかな数は、コーヒーの調製を望む一部の人々用に想定できる。これらは、タブレットの機械的保護を提供するパッケージに含めることができる。場合によっては、これはハードキャンディーと同様に実施できる。多くのコーヒータブレットを広口瓶に入れることは可能だが、タブレットを取り出すときに広口瓶の芳香環境を保持するのは困難なので好ましくない。
【0054】
また、コーヒータブレットの密封したパッケージは、供する用意ができるまで、コーヒータブレット製品を芳香中に維持することを可能にする。コーヒータブレット製品が曝露される芳香は、コーヒー豆の焙煎からの芳香から生じたもの又はそれに類似したものであるべきである。この芳香は、パッケージを密封する前にパッケージに入れることができる。或いは、コーヒータブレット製品とは別のパッケージの仕切りに入れることもできる。さらに、芳香は、コーヒータブレットに入れる代わりに、成形する前のコーヒースラッシュ又は粉末混合物に加えることによって入れることもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面孔構造の閉じた平滑外表面を有する三次元形状と、
内部孔構造の孔の大部分は相互連絡しており、大きさが5から50マイクロメートルである前記内部孔構造と
を有し、中にコーヒー固形物を含み、1つ又は複数を適量の湯に加えるとコーヒー飲料を調製するのに十分な大きさを有するコーヒータブレット。
【請求項2】
前記形状は円板又は多角形又はコーヒー豆であり、前記平滑外表面は、コーヒー固形物を含むコーヒー組成物を滑らかな又は研磨した型内で成形することによって得られる、請求項1に記載のコーヒータブレット。
【請求項3】
前記平滑外表面は、前記コーヒー組成物を圧縮成形することによって得られる、請求項2に記載のコーヒータブレット。
【請求項4】
前記平滑外表面は、前記コーヒー組成物を部分的に凍結させてスラッシュにすること、前記部分的に凍結させたスラッシュを成形して前記三次元形状を形成すること、前記形状をコーヒーでコーティングすることによって得られる、請求項2に記載のコーヒータブレット。
【請求項5】
コーティングは、前記凍結させた三次元形状を−5から20℃の温度範囲で濃縮コーヒー抽出物中に浸漬することによってなされ、前記液体コーヒー抽出物が30から60%のコーヒー濃度を有する、請求項4に記載のコーヒータブレット。
【請求項6】
前記型に導入する前に、ある気体を前記コーヒー組成物に導入して前記孔構造を作製する請求項2に記載のコーヒータブレット。
【請求項7】
保存中に香味及び芳香を保持するために、コーヒー芳香が前記タブレットに近接して存在する請求項1に記載のコーヒータブレット。
【請求項8】
香味料、着色料又は追加の芳香を前記タブレットに加えた、請求項1に記載のコーヒータブレット。
【請求項9】
前記香味料、着色料又は追加の芳香を前記タブレットのコーティング内に入れる、請求項8に記載のコーヒータブレット。
【請求項10】
総多孔度が50から80%の範囲にあり、密度が800から300g/lの範囲にある請求項1から11までのいずれかに記載のコーヒータブレット。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれかに記載の少なくとも1個のコーヒータブレットと、前記少なくとも1個のタブレットを中に入れるための耐湿性材料のパッケージと、前記コーヒータブレットの前記香味及び芳香を保持するのに十分な量で前記パッケージ内に存在するコーヒー芳香とを含む、包装コーヒー製品。
【請求項12】
前記芳香が芳香性の揮発性物質を含むコーヒー芳香であり、1個から8個のタブレットが前記パッケージ内に存在する請求項11に記載の製品。
【請求項13】
前記パッケージ材料が少なくとも2層を有する可撓性ラミネートを含み、前記材料が気体又は水分による透過に対して実質的に不浸透性であり、その中に前記コーヒータブレットが密封されている請求項11又は12に記載の製品。
【請求項14】
前記可撓性ラミネートのパッケージ材料の層が、金属化表面を場合により有する紙又はプラスチックフィルムを含む請求項11、12又は13に記載の製品。
【請求項15】
適量の湯に加えてコーヒー飲料を調製するためのコーヒータブレットを形成する方法であって、コーヒー固形物を含むコーヒー組成物を、ある気体を加えながら成形し、成形型に一致し、平滑外表面及び閉じた表面孔構造を有する三次元形状を有するコーヒータブレットを形成することを含み、前記コーヒー組成物に加えた気体の量が、内部孔構造の孔の大部分が相互連絡しており、大きさが5から50マイクロメートルの前記孔構造を形成するのに十分である形成方法。
【請求項16】
前記型が、円板若しくは多角形の形状を与えるキャビティ又はコーヒー豆を模倣したキャビティを有する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記平滑外表面は、前記コーヒー組成物を前記型内で凍結させることによって得られる請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記平滑外表面は、前記コーヒー組成物を前記型内で圧縮成形することによって得られる請求項15又は16に記載の方法。
【請求項19】
前記平滑外表面は、前記コーヒー組成物を部分的に凍結させてスラッシュにすること、前記部分的に凍結させたスラッシュを成形して前記三次元形状を形成すること、及び前記形状をコーヒーでコーティングすることによって得られる請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記コーティングは、前記凍結させた三次元形状を−5から20℃の温度範囲で、コーヒー濃度が30から60%の液体コーヒー抽出物に浸漬することによって得られる請求項19に記載の方法。
【請求項21】
保存中に前記タブレットの香味及び芳香を保持するために、コーヒー芳香を前記タブレットに近接させておくことをさらに含む請求項15から20までのいずれかに記載の方法。
【請求項22】
香味料、着色料又は追加の芳香を前記タブレットに加えることをさらに含む、請求項15から21までのいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記香味料、着色料又は追加の芳香を前記タブレット上のコーティングに入れる請求項22に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1個のコーヒータブレットを耐湿性材料のパッケージに入れることによって、包装コーヒー製品を提供することをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記パッケージ内での保存中に、前記コーヒータブレットの前記香味及び芳香を保持するのに十分な量のコーヒー芳香を、前記パッケージ内に提供することをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記芳香が芳香性の揮発性物質を含むコーヒー芳香であり、1個から8個のタブレットが前記パッケージ内に存在する請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記パッケージ材料が少なくとも2層を有する可撓性ラミネートを含み、前記材料が気体又は水分による透過に対して実質的に不浸透性であり、その中に前記コーヒータブレットが密封されている請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記可撓性ラミネートのパッケージ材料の層が、金属化表面を場合により有する紙又はプラスチックフィルムを含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
請求項15から28までのいずれかに記載の方法で製造したコーヒータブレット。

【公表番号】特表2006−502721(P2006−502721A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−544217(P2004−544217)
【出願日】平成15年10月14日(2003.10.14)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011359
【国際公開番号】WO2004/034798
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】