説明

凝固状健康食品

【課題】こんにゃく成分を含み、従来のこんにゃく製品とは異なり、多孔質で、特に流動食を製造したときに水分を一段と多く吸収でき味しみが良く食べ易く、主食としても美味しく戴ける食品を提供する。
【解決手段】穀類、おから及びこんにゃく成分を含有する混合物を粒状にゲル化することにより得られる粒状多孔質食品が吸水性に富み、各種スープと組み合わせることもできる。特に、穀類に米を選択しご飯粒にした多孔質健康食品をご飯スープと組み合わせて流動食にすることによりスープの味しみが極めて良く、食し易い流動食を提供することができる。粒状多孔質食品に米粉及び乾燥おからを使用することにより、吸水性、食感等が更に改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規粒状多孔質健康食品、更に詳しくは米、麦、芋等の穀類、おから及びこんにゃく粉から得られうるようなこんにゃく成分を含有し、これをこんにゃく成分等の作用により粒状(特にご飯粒状)にゲル化せしめて得られうる、多孔質で吸水性に富んだ健康食品及びそれを使用した健康流動食に関する。
【背景技術】
【0002】
こんにゃく製品(以下、簡単に「こんにゃく」と称することがある。)は、食しても殆ど消化・吸収されず、胃や腸に優しく、低カロリーで満腹感が持続するため、飽食の現代にあっては、自然な健康食品として注目されている。しかしながら、従来知られているこんにゃく製品は強いゲルを有し、硬くてこんにゃく特有の臭いがあり、煮込んでも味がしみ込み難く、そのまま簡単な味付けでは食し難いという問題が残されている。
【0003】
既に、粒状にゲル化してご飯と混ぜて炊き上げ、カロリーを抑えるこんにゃく製品(以下、「粒こんにゃく」と称する。)もあるが、形が変わっただけで上記の問題は改善されていない。同様に、米様或いは米類似の食品が提案されている(特開平6−197712号、特開平6−225719号、特開平6−315356号等公報参照。)が、色調や食感をよりご飯に似せたもので、味しみに注力したものは無かった。
【0004】
また、グルコマンナンやこんにゃくマンナン等水溶性又は吸水性を有する食物繊維の塊状ゲルをお粥に加えて特に糖尿病患者に適したお粥を製造する方法が提案されている(特開2000−50819号公報参照。)が、お粥の歯ごたえを良くするもので硬く、お粥本来の嚥下し易さと相反するばかりか、ゲル化したものは吸水性が無くお粥に入れても水分が塊状ゲルにしみ込むことがないのでゲルと水分が分離して、お粥を美味しく戴けないとの問題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−197712号公報
【特許文献2】特開平6−225719号公報
【特許文献3】特開平6−315356号公報
【特許文献4】特開2000−50819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上からも明らかな如く従来のこんにゃく製品は、こんにゃくが主成分ということで、こんにゃく特有の臭いと味があり、煮込んでも味がしみ込まず、硬くてゴムのような弾力を有していた。粒こんにゃくも同様であった。このように従来品は何れも吸水性に乏しく、水分をバランス良く含んだ食品が見当たらない。
【0007】
一方、こんにゃく成分については詳しく説明をするまでもなく、できるだけ美味しく食したいとの健康上又は美容上(ダイエット等)の要請が極めて大きい。
【0008】
従って、こんにゃく成分を含み、従来のこんにゃく製品とは異なり、多孔質で、特に流動食を製造したときに水分を一段と多く吸収でき、主食として何時でも簡単に美味しく戴ける食品が求められている。
【0009】
本発明の目的は、食物繊維が多いこんにゃく粉(「こんにゃく精粉」ともいう。)から得られうるようなこんにゃく成分を豊富に使用し多孔質で吸水性に富み美味しく戴ける食品、特に主食として戴ける食品を開発することにあり、上記従来のこんにゃく製品に見られる問題点の解決、例えば煮込んだときに短時間に味がしみ込み易く流動食としても美味しく戴け、従来のこんにゃく製品に見られる特有の臭い等を改善し、満腹感があってカロリーの過剰摂取を改善できる流動食に適用可能な健康食品の開発にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、米、麦、芋等の穀類、おから及びこんにゃく粉を少なくとも混合後、これをよく混ぜ合わせてゲル化させ粒状にした製品が、多孔質で吸水性に優れていることを見出した。例えば、スープと混合したときに、短時間にスープの成分を吸収して一体化し、しかも従来のこんにゃく製品とは異なりゲル化が弱く柔らかくて、特有の臭いも無く、短時間でスープの味がしみ込み極めて美味なる食品を提供し、味、香りに優れ、適当な歯ごたえ、舌触りを可能とし、スープをご飯味にすることによって主食にも適用可能であることを見出し、これ等の知見に基づいて本発明を完成するに到った。食塩等の添加もなく美味しく戴けるので腹持ちのする健康食品として有用である。
【0011】
即ち、本発明は、穀類、おから及びこんにゃく成分を含有することに特徴を有する、流動食に使用可能な粒状多孔質健康食品に存し、穀類(米、麦、芋等。)及びおからを使用してこんにゃく粉から得られうるようなこんにゃく成分とを少なくとも含有する混合物を粒状にゲル化することにより得られる。
【0012】
本発明に使用するこんにゃく成分については、製造段階でこんにゃく粉や、こんにゃく糊を使用することができ、このようなこんにゃく粉(こんにゃく精粉)から得られうるようなこんにゃく成分であればよい。同様に、こんにゃく芋やその主成分であるグルコマンナンを使用することもでき、勿論本発明に含まれる。
【0013】
本発明に使用する穀類としては、米、麦、芋、種実、豆類、特にこれら穀類の粉末を挙げることができるが、こんにゃく特有の弾力のある食感を抑えるために、また離水防止の観点から米粉を使用すると食感が改良されてより好ましい。
【0014】
一方、穀類の加工品は好ましくない。こんにゃく製品の製造においてよく使用される、穀類から精製された澱粉(方栗粉、コーンスターチ等)は、本発明で使用する穀類に代えて使用すると、加熱調理時に溶出したり製品が著しく痩せる等の問題があるので、好ましくない。
【0015】
尚、おからは、一般に「おから」と称しているものであればよく、特に制限は無い。豆腐製造過程で得られるおからであればどのようなおからでも本発明のおからとして採用することができる。但し、本発明においては通常のおからに比べて乾燥おからの方が味のしみ込みがより改善されるので、乾燥おからを使用するのが好ましい。乾燥おからとしては、約330℃の熱風で焦げないように急速乾燥(約3秒間)させたものを使用することができる。このように乾燥させたものは、味のしみ込みが良く、使用量を通常のおからに比べて少な目にすることができる。真空乾燥法で乾燥おからを調製することもできる。
【0016】
このような本発明に使用する穀類及びおからと、こんにゃく成分との両者の含有比率に関しては、こんにゃく成分として使用する場合のこんにゃく粉に換算したときに、水又は湯1Lに対し、こんにゃく粉(こんにゃく精粉):穀類、特に米粉:おから(乾燥状態の重量比で)を10〜40g:5〜100g:0.1〜20g程度、より好ましくは15g〜25:20〜50g:1〜5g程度となるように使用するとよい。乾燥おからでなく通常の水分を含んだおからや米として炊飯米を使用する場合は上記乾燥状態にある乾燥おから或いは米粉に換算して相当量使用すればよい。この場合、水分は別途全体1Lとなるよう換算する必要がある。
【0017】
こんにゃく糊を使用する場合の使用量についても同様に、こんにゃく粉に換算して実質的にその凝固作用で対応させて算定することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上から明らかなように、米粉等の穀類、乾燥おから等のおから及びこんにゃく粉(こんにゃく精粉)又はこんにゃく糊を含有する混合物を粒状にゲル化させて得られるような本発明の粒状多孔質健康食品は、従来のこんにゃく製品特有の臭いと味が改善されて、簡単に周りの味と香りに一体化する等、組み合わせによって主食としても利用することができる。吸水性に富み各種スープと組み合わせて使用することができる。穀類として特に米を使用して、ご飯粒状の多孔質健康食品を製造し、これをご飯スープに混合すると、ご飯のうま味成分がご飯粒状多孔質健康食品に極めて良くしみ込み、程良く混ざり合い流動食としてそのままでも、また簡単な味付け程度で容易に食することができる。
【0019】
このように、本発明品はこんにゃく成分、米粉等穀類、おから等を含み、特にご飯スープと組み合わせるとスープの味が粒状の消化の良い健康食品として健常者のみならず、また胃腸疾患者等の胃腸の消化に難がある者や栄養改善を求められる疾患者にとって、食べ易い食品として好適に利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について実施の形態を説明する。本発明の粒状多孔質健康食品は、穀類及びおからと、こんにゃく粉より得られうるようなこんにゃく成分とを少なくとも含有する多孔質で粒状に凝固した食品である。各種スープと組み合わせると、スープの味しみが極めて良く、特にスープをご飯味(後述するご飯スープ)に置き換えることによって、飽きることなく毎日でも食べられ、消化器系に負担が少ない低カロリーの健康食品として健常者のみならず、また胃腸疾患者等の胃腸の消化に難がある者や栄養改善を求められる疾患者にとって好適に利用することができる。
【0021】
(粒状多孔質健康食品の製造)
穀類として米粉を、おからとして乾燥おからを、こんにゃく成分としてこんにゃく精粉を使用し、粒状多孔質健康食品を製造する場合の例を中心に説明するが、代表例を示すもので、これにより何ら本発明が制限されることはない。
【0022】
水(湯でも可。)1Lに対して、こんにゃく精粉を好ましくは10〜40g、より好ましくは15〜25g、米粉を好ましくは5〜100g、より好ましくは20〜50g、乾燥おからを好ましくは0.1〜20g、より好ましくは1〜5gを少なくとも含んだものを混合し、良くかき混ぜて適度に粘度が出たところで、好ましくは30分〜20時間、より好ましくは1〜2時間膨潤させる。
【0023】
前記材料(穀類、おから及びこんにゃく成分等)の混合は、一度に全種類の混合すべき材料を水に溶解させて混合してもよいし、それぞれ段階的に、順不同に水又は湯に混合することもできる。各材料を別途水に溶解して混合することもできる。本発明の目的を阻害しない範囲では、水並びに穀類、おから及びこんにゃく成分の必須成分に加えて他の食品成分を上記混合材料に加えることもできる。
【0024】
本発明の粒状の多孔質健康食品を製造するには特に困難は無く、成分の組成比は大きく異なるが、ゲル化する方法、即ちこんにゃく粉又はこんにゃく糊を作用させる以降については、慣用されるこんにゃく製品の製造方法、特に粒こんにゃくの製造方法に付すればよい。一般には、水に米粉とおからを良く混合し、これにこんにゃく粉を加えて同様に良く混合して膨潤させ、必要により水酸化カルシウム等の凝固剤を混合し、湯の中に押し出して粒状又はご飯状に凝固させればよい。
【0025】
従来のこんにゃく製品を製造する場合に比較してこんにゃく粉を少な目に使用できる結果、歯ごたえ、吸水性、臭いが著しく改善される。
【0026】
こんにゃく粉を水で膨潤して使用するのが簡便であるが、こんにゃく粉に代えて、こんにゃく芋を使用することもでき、その場合には、こんにゃく芋を原料にすりつぶしたりして使用することができる。その場合、前記こんにゃく粉に関する好ましい使用比率を参考にする場合、こんにゃく粉換算でこんにゃく芋の使用量に対応させるとよい。
【0027】
本発明に含まれる水に関して、単なる水(水道水等)でもよいが、アルカリイオン水等アルカリ水(pH値7〜11程度、好ましくは7.5〜10程度)を使用することができる。アルカリ食品の相性と凝固剤の反応に影響を与えないためにはアルカリ性の水を使用することが好ましい。
【0028】
水酸化カルシウム等の凝固剤は、前記のこんにゃく粉他を溶解する水(又はお湯)に事前に溶解しておくこともできるし、少量の水(又はお湯)に溶解して、後から前記混合物に添加混合することもできる。また、前記混合物を凝固させるお湯の中に凝固剤を溶解しておいてもよい。勿論、これらを組み合わせて添加、使用することもできる。
【0029】
通常、水酸化カルシウムを凝固剤として使用する場合、こんにゃく精粉100gに対して好ましくは1〜40g程度、より好ましくは2.5〜20g程度を少量の水(湯でも可。)に溶解して、前記混合物が一定時間膨潤した後、添加混合するとよい。
【0030】
使用する水酸化カルシウムは特に制限は無いが、食用に供されているものが好ましい。安全性の観点からは、不純物の少ない高純度の水酸化カルシウムを使用する必要がある。凝固させて本発明の粒状多孔質健康食品を製造する点では水酸化カルシウム以外の凝固剤を使用することもできる。
【0031】
上記のようにして得られた混合物は、60〜95℃程度の湯の中に、粒状、好ましくはご飯粒状に押し出して、3分〜1時間程度加熱凝固させるとよい。加熱時間は湯の温度や原料となる混合物の状態等により適宜選択すればよい。混合物は、上記温度範囲の湯の中に糸状に押し出して、凝固した後切断して粒状、好ましくはご飯粒状にすることもできる。
【0032】
このように凝固した粒状食品は、水(又は湯)にさらすとこんにゃく特有の臭いと凝固剤(アルカリ成分)を容易に除去することができる。また、必要に応じてクエン酸等の食用の酸等で中和することもできる。
【0033】
前記混合物の材料に関して、こんにゃく精粉の使用量が少ない方が柔らかく、喉越しのよい製品を製造することができる。米粉は、後述の加圧加熱殺菌時又は経時的に、製品が離水して硬くなるのを防止する効果も有している。前述の如く、米粉に代えて炊飯米を使用することもできるが、その場合の使用量は乾燥状態で記載した前記好ましい範囲になるように調整するのが好ましい。おからは多孔質で吸水性の製品製造のために有用であり、かつこんにゃく特有の臭いや凝固剤の除去(抜け)を良くし例えばスープと混合したときに、スープの味や香りがしみ込み、一体感のある食品に仕上げる働きを有しているので、特に重要である。
【0034】
前記混合物の膨潤時間に関し、短か過ぎると凝固が不完全となり、また加熱殺菌時に離水が多くなったり、くっつき合ったりして好ましくない。また、長過ぎると、食感が硬くなる傾向があるので、適当な時間を選択する必要がある。
【0035】
(健康流動食の製造)
各種スープに前記粒状多孔質健康食品を混合するとスープ味が程良く吸収され流動食として好適であるが、特にご飯味のスープにご飯粒状多孔質健康食品を混合すると、主食としても食することができる健康流動食を製造することができる。このようなご飯味のスープに混ぜて使用される前記粒状多孔質健康食品については、その成分としての穀類としては米(米粉、炊飯米等)が好ましく使用され、形状についてもご飯粒状の多孔質健康食品が好ましく採用される。
【0036】
得られた全流動食に占める粒状多孔質健康食品の比率(重量)については、好ましくは10〜60%程度、より好ましくは20〜50%程度となるように調整するとよい。
【0037】
(ご飯スープの製造)
本発明に使用するご飯スープは、ご飯が水中に溶解したものであればよく、その製造には特に困難は無い。特に、ご飯を粉砕し、当該粉砕の前、粉砕の後及び粉砕時の少なくとも一つの段階でご飯(ご飯、粉砕されたご飯等)に加水して得られたご飯スープが艶、透明感、香り等でより好ましい。より具体的には下記の通りである。
【0038】
ご飯には炊飯米を使用すればよく、炊飯したご飯に水(又は湯)を加えて、ご飯をミキサー等で粉砕するとよい。ご飯と水との比率(重量)については、好ましくは1:1〜1:40、より好ましくは1:4〜1:9である。水を加える際一度に加水してもよいし、濃いスープを調製後、前記粒状多孔質健康食品と混合する段階で残量を加水してもよい。ご飯スープを粒状多孔質健康食品と混ぜてそのまま加圧加熱殺菌すると、スープの仕上がり粘度が著しく低下することがある。この場合、加圧加熱殺菌に先立って、一旦ご飯、ご飯スープ、この両者或いは目的とする流動食全体(ご飯スープを粒状多孔質健康食品と混ぜたもの等。)を、好ましくは高くとも15℃(15℃以下)に、より好ましくは5〜10℃に一定時間、例えば2時間程度冷却すると上記粘度低下を防止することができる。
【0039】
尚、ご飯の粉砕の程度や前記冷却前温度によって、「仕上がり粘度」や「粘度低下防止のための冷却時間」が影響されるので、粘度が最適になるように条件設定を行う。この条件設定は、予備実験等で容易に見出すことができる。
【0040】
このようにして得られた流動食品は、容器包装、好ましくは透明又は光を遮蔽した袋か、缶詰、瓶詰等にして加圧加熱殺菌を行うとよい。この殺菌処理により、常温での長期保存が可能となる。
【0041】
以上の如く得られた流動食については、温めるだけで特に味付けをする必要が無くそのまま主食として食することができる。また、漬物や佃煮を添える等、好みの味付けで食することもできる。
【0042】
事前に味付けをする場合、ご飯スープとご飯粒状多孔質健康食品とを混合する段階で、調味料や薬味を添加することもできる。更に、肉類、野菜類、果物類、魚介類等の各種具材を適宜配合してもよい。
【実施例】
【0043】
次に、実施例及び比較例に基づき本発明を詳細に説明する。
【0044】
(実施例1)
ご飯粒状食品の製造水30Lに対して、こんにゃく精粉540g、米粉1200g及び乾燥おから60gを混合し、これを良くかき混ぜて適度に粘度が出たところで、1時間30分間程膨潤させた。得られた混合物に、水酸化カルシウムを2重量%溶解した水(アク水)を1割程度添加混合しながら練り上げた。
【0045】
上記練り上げた混合物を粒こんにゃくを製造する機械に通して、80℃のお湯の中に押し出して、ご飯粒状に凝固させた。このようにして得られたご飯粒状多孔質健康食品を200Lのお湯と200Lの水で各1回さらして凝固剤(水酸化カルシウム=アルカリ成分)を除去した。次に、クエン酸20gを添加して残存アルカリ分を中和した。
【0046】
(実施例2)
流動健康食品の製造炊飯した暖かいご飯にぬるま湯(30〜40℃)を1対2.5の比率で加えてご飯をミキサーで粉砕した後、5〜10℃の温度に2時間冷却してご飯スープを調製した。得られたスープに水と前記で製造したご飯粒状多孔質健康食品をそれぞれ、3.5:1.5:5の比率になるよう混合した。
【0047】
得られた混合物をレトルト包装((株)遠興製1kg用ラミネート三方シール袋)に入れて、これに加圧加熱殺菌を行い流動健康食品を製造した。
【0048】
以上のように製造した流動食品をご飯用カップに入れ、電子レンジで加熱し食した。こんにゃく特有の味、臭い等が無く、代わってご飯のうま味と香りが一体化して従来のお粥と比較して、滑らかで食し易く極めて美味しく戴くことができた。
【0049】
ご飯の風味が生きており、塩分他、調味料等を一切使用していないが、美味しくしかも低カロリーで腹持ちが良かった。更に、これに漬物や佃煮を添えると一層美味しく戴くことができた。また、加熱に関しては鍋により通常の加熱により暖めることも当然できる。
【0050】
次に、四訂日本食品標準成分表に基づいて、栄養成分(対100g)を分析した。結果は下記表1の通りである。
【0051】
【表1】

【0052】
以上の結果から明らかなように、本発明の粒状多孔質健康食品はご飯スープと組み合わせることにより美味しくて低カロリーの健康食として優れており、消化し易い流動食として利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米粉、乾燥おから及びこんにゃく成分を含有し、穀類から精製された澱粉が使用されないことを特徴とする、流動食に使用可能な粒状多孔質健康食品。
【請求項2】
吸水性を有する請求項1記載の健康食品。
【請求項3】
粒状がご飯粒状である請求項1記載の健康食品。
【請求項4】
こんにゃく成分として使用される場合のこんにゃく粉に換算したときに、こんにゃく粉、米粉及びおからを、乾燥状態の重量比率が10〜40:5〜100:0.1〜20となるように含む請求項1記載の健康食品。
【請求項5】
請求項1記載の健康食品を含有することを特徴とする健康流動食。
【請求項6】
ご飯スープを含有する請求項5記載の流動食。
【請求項7】
ご飯スープが、ご飯を粉砕し、当該粉砕前、粉砕後及び粉砕時の少なくとも一つの段階でご飯に加水して得られたものである請求項6記載の流動食。
【請求項8】
加圧加熱殺菌された請求項7記載の流動食。
【請求項9】
ご飯、ご飯スープ及び当該流動食の少なくとも1種が高くとも15℃に冷却された後に加圧加熱殺菌された請求項7記載の流動食。

【公開番号】特開2009−297043(P2009−297043A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225760(P2009−225760)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【分割の表示】特願2000−112870(P2000−112870)の分割
【原出願日】平成12年4月14日(2000.4.14)
【出願人】(594066110)株式会社冨士エンタープライズ (5)
【出願人】(599024355)
【出願人】(500172380)
【出願人】(500172438)
【Fターム(参考)】