説明

処理装置、通信システム、処理プログラム

【課題】通信元の処理装置のユーザーインターフェース手段よりも能力の低いユーザーインターフェース手段を有する通信先の処理装置に対し、送信元のユーザーインターフェース手段に対するユーザーの入力操作に応じた入力情報を与えること。
【解決手段】処理装置は、第1のユーザーインターフェース手段と、第2のユーザーインターフェース手段を有する他の処理装置から送信されるユーザーインターフェースにかかわる代行依頼情報を取得する取得手段と、前記取得手段が前記代行依頼情報を取得したときは、前記第1のユーザーインターフェース手段に対し前記第2のユーザーインターフェース手段に代行して機能するよう制御する制御手段と、前記第1のユーザーインターフェース手段に対するユーザーによる入力操作に応じた入力情報を前記他の処理装置に向けて出力する出力処理手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、通信システム、処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置とコンピュータ端末とモバイル端末とが通信ネットワークにより通信接続される印刷システムが知られている。
【0003】
このような印刷システムでは、印刷装置の操作部、コンピュータ端末、モバイル端末のうち一つ以上の要求元ら、操作画面の表示データ要求データが送信された場合に、印刷装置は、記憶している共通の基本表示データを要求元に対応するようにデータ変換するとともに、このデータ変換した基本表示データから要求元に対応する操作画面の表示データを形成し、当該表示データを要求元に送信する(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−227136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、通信する2つの処理装置のそれぞれのユーザーインターフェース手段に能力差が存在する場合に、能力の高いユーザーインターフェース手段が能力の低いユーザーインターフェース手段を代行することのできる処理装置、通信システム、処理プログラムを提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、通信する2つの処理装置のそれぞれの2つのユーザーインターフェース手段に能力差が存在する場合に、能力の高いユーザーインターフェース手段の能力を能力の低いユーザーインターフェース手段の能力が活用されるよう制限することのできる処理装置、通信システム、処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の処理装置は、第1のユーザーインターフェース手段と、第2のユーザーインターフェース手段を有する他の処理装置から送信されるユーザーインターフェースにかかわる代行依頼情報を取得する取得手段と、前記取得手段が前記代行依頼情報を取得したときは、前記第1のユーザーインターフェース手段に対し前記第2のユーザーインターフェース手段に代行して機能するよう制御する制御手段と、前記第2のユーザーインターフェース手段に代行して機能する前記第1のユーザーインターフェース手段に対するユーザーによる入力操作に応じた入力情報を前記他の処理装置に向けて出力する出力処理手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するため、請求項2に記載の本発明の処理装置は、第1のユーザーインターフェース手段と、第2のユーザーインターフェース手段を有する他の処理装置から送信される当該第2のユーザーインターフェース手段の能力にかかわる情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した取得情報を基に前記第1のユーザーインターフェース手段の能力が前記第2のユーザーインターフェース手段の能力よりも優位であると判断したときは、前記第2のユーザーインターフェース手段の能力が活用されるよう前記第1のユーザーインターフェース手段の能力を制限させる制御を行う制御手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するため、請求項3に記載の本発明の通信システムは、第1のユーザーインターフェース手段を有する第1の処理装置と、第2のユーザーインターフェース手段を有する第2の処理装置と、が通信回線を介して接続され、前記第1の処理装置は、前記第2の処理装置との情報の送受信を行う通信手段と、前記通信手段を介して前記第2の処理装置からのユーザーインターフェースにかかわる代行依頼情報を取得する取得手段と、前記取得手段が前記代行依頼情報を取得したときは、前記第1のユーザーインターフェース手段に対し前記第2のユーザーインターフェース手段に代行して機能するよう制御する制御手段と、前記第2のユーザーインターフェース手段に代行して機能する前記第1のユーザーインターフェース手段に対するユーザーによる入力操作に応じた入力情報を、前記通信手段を介して前記第2の処理装置に向けて出力する出力処理手段と、を有する、ことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するため、請求項4に記載の本発明の通信システムは、第1のユーザーインターフェース手段を有する第1の処理装置と、第2のユーザーインターフェース手段を有する第2の処理装置と、が通信回線を介して接続され、前記第1の処理装置は、前記第2の処理装置との情報の送受信を行う通信手段と、前記通信手段を介して前記第2の処理装置からの前記第2のユーザーインターフェース手段の能力にかかわる情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した取得情報を基に前記第1のユーザーインターフェース手段の能力が前記第2のユーザーインターフェース手段の能力よりも優位であると判断したときは、前記第2のユーザーインターフェース手段の能力が活用されるよう前記第1のユーザーインターフェース手段の能力を制限させる制御を行う制御手段と、を有する、ことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するため、請求項5に記載の本発明の処理プログラムは、通信先の処理装置からユーザーインターフェースにかかわる代行依頼情報を取得する取得処理過程と、前記取得処理過程により前記代行依頼情報が取得されたときは、前記通信元の処理装置のユーザーインターフェース手段に対し前記通信先の処理装置のユーザーインターフェース手段に代行して機能するよう制御する制御処理過程と、前記通信先の処理装置のユーザーインターフェース手段に代行して機能する前記通信元の処理装置のユーザーインターフェース手段に対するユーザーによる入力操作に応じた入力情報を前記通信先の処理装置に向けて出力する出力処理過程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するため、請求項6に記載の本発明の処理プログラムは、通信先の処理装置から当該処理装置のユーザーインターフェース手段の能力にかかわる情報を取得する取得処理過程と、前記取得処理過程により取得された取得情報を基に通信元の処理装置のユーザーインターフェース手段の能力が前記通信先の処理装置のユーザーインターフェース手段の能力よりも優位であると判断したときは、前記通信先の処理装置の第2のユーザーインターフェース手段の能力が活用されるよう前記通信元の処理装置のユーザーインターフェース手段の能力を制限させる制御を行う制御処理過程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、通信する2つの処理装置のそれぞれのユーザーインターフェース手段に能力差が存在する場合に、能力の高いユーザーインターフェース手段が能力の低いユーザーインターフェース手段を代行することができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、通信する2つの処理装置のそれぞれの2つのユーザーインターフェース手段に能力差が存在する場合に、能力の高いユーザーインターフェース手段の能力を能力の低いユーザーインターフェース手段の能力が活用されるよう制限することができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、通信する2つの処理装置のそれぞれのユーザーインターフェース手段に能力差が存在する場合に、能力の高いユーザーインターフェース手段が能力の低いユーザーインターフェース手段を代行することができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、通信する2つの処理装置のそれぞれの2つのユーザーインターフェース手段に能力差が存在する場合に、能力の高いユーザーインターフェース手段の能力を能力の低いユーザーインターフェース手段の能力が活用されるよう制限することができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、通信する2つの処理装置のそれぞれのユーザーインターフェース手段に能力差が存在する場合に、能力の高いユーザーインターフェース手段が能力の低いユーザーインターフェース手段を代行させるソフトウェアを提供することができる。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、通信する2つの処理装置のそれぞれの2つのユーザーインターフェース手段に能力差が存在する場合に、能力の高いユーザーインターフェース手段の能力を能力の低いユーザーインターフェース手段の能力が活用されるよう制限させるソフトウェアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施の形態に係る通信システムを適用した画像形成システムの構成を示す構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る画像入力装置のユーザーインターフェースの外観を示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係る画像出力装置の外観ユーザーインターフェースの外観を示す図である。
【図4】第1の実施の形態に係る画像形成システムのセキュアコピー処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態に係る画像入力装置のユーザーインターフェースにおいて代行処理される場合の画像入力装置および画像出力装置のそれぞれのユーザーインターフェースに表示される表示内容の一例を示す図である。
【図6】第1の実施の形態に係る画像入力装置のハードウェア構成を示す図である。
【図7】第2の実施の形態に係る通信システムを適用した画像形成システムの構成を示す構成図である。
【図8】第2の実施の形態に係る画像形成システムのコピー処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係る画像入力装置のユーザーインターフェースにおいて代行処理される場合の画像入力装置および画像出力装置のそれぞれのユーザーインターフェースに表示される表示内容の一例を示す図である。
【図10】第3の実施の形態に係る通信システムを適用した画像形成システムの構成を示す構成図である。
【図11】第3の実施の形態に係る画像形成システムのセキュアコピー処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態に係る画像入力装置のユーザーインターフェースに表示される表示内容の一例を示す図である。
【図13】第3の実施の形態に係る画像入力装置および画像出力装置のそれぞれのユーザーインターフェースに表示される表示内容の一例を示す図である。
【図14】第4の実施の形態に係る通信システムを適用した画像形成システムの構成を示す構成図である。
【図15】第4の実施の形態に係る画像形成システムの蓄積画像印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】第4の実施の形態に係る画像入力装置のユーザーインターフェースに表示される表示内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
(第1の実施の形態)
【0022】
図1は、第1の実施の形態に係る通信システムを適用した画像形成システムの構成を示している。
【0023】
画像形成システム1では、図1に示すように、画像入力装置100と画像出力装置200とが通信ケーブル10を介して接続されている。
【0024】
通信回線としての通信ケーブル10は、シリアルインターフェースあるいはパラレルインターフェースに準拠した伝送媒体である。
【0025】
処理装置(第1の処理装置)としての画像入力装置100は、例えばスキャナ装置であり、制御部110、画像読取部120、ユーザーインターフェース(以下「ユーザーI/F」という。)130、およびローカルインターフェース(以下「ローカルI/F」という。)140を有している。
【0026】
制御部110は、取得部111および出力処理部112を有している。
【0027】
制御部110は、制御手段の機能を有し、後述する取得部111が代行依頼情報を取得したときは、ユーザーI/F130に対し画像出力装置200に設けられるユーザーI/F230に代行して機能するよう制御する。
【0028】
また、制御部110は、後述する画像読取部120から出力される画像データを、ローカルI/F140を介して画像出力装置200に向けて送信する。
【0029】
さらに、制御部110は、画像入力装置100全体を統括的に制御する。
【0030】
取得部111は、取得手段の機能を有し、ローカルI/F140を介して画像出力装置200から送信されるユーザーインターフェースにかかわる代行依頼情報を取得する。
【0031】
出力処理部112は、出力処理手段の機能を有し、画像出力装置200に設けられるユーザーI/F230に代行して機能するユーザーI/F130に対するユーザーによる入力操作に応じた入力情報を、画像出力装置200に向けて出力する。
【0032】
画像読取部120は、原稿を光学的に読み取り画像データに変換するとともに、この画像データを制御部110へ出力する。
【0033】
ユーザーI/F130は、第1のユーザーインターフェース手段の機能を有し、詳細については後述するが、表示情報を表示する表示部と入力情報を入力する入力部とを有している。
【0034】
ローカルI/F140は、外部の装置と接続するためのシリアルインターフェースあるいはパラレルインターフェースであり、通信ケーブル10を介してローカル接続される外部装置例えば画像出力装置200との通信を司る。
【0035】
他の処理装置(第2の処理装置)としての画像出力装置200は、例えば画像形成装置であり、制御部210、印刷部220、ユーザーI/F230、およびローカルI/F240を有している。
【0036】
制御部210は、印刷部220に対し、ローカルI/F240を介して受信した画像入力装置100からの画像データを出力して印刷させる。
【0037】
また、制御部210は、ユーザーI/F230で入力不可能な入力情報についてユーザーによる入力操作が必要なときは、ユーザーインターフェースにかかわる代行依頼情報を、ローカルI/F240を介して画像入力装置100に向けて送信する。
【0038】
さらに、制御部210は、画像出力装置200全体を統括的に制御する。
【0039】
印刷部220は、制御部210から出力された画像データを基に印刷処理を実施する。
【0040】
ユーザーI/F230は、第2のユーザーインターフェース手段の機能を有し、詳細については後述するが、表示情報を表示する表示部と入力情報を入力する入力部とを有している。
【0041】
ローカルI/F240は、外部の装置と接続するためのシリアルインターフェースあるいはパラレルインターフェースであり、通信ケーブル10を介してローカル接続される外部装置例えば画像入力装置100との通信を司る。
【0042】
次に、画像入力装置100のユーザーI/F130について、図2を参照して説明する。
【0043】
ユーザーI/F130は、図2に示すように、表示部としてのLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)131、および操作部(入力部)132および操作部(入力部)133を有している。
【0044】
LCD(液晶ディスプレイ)131は、セキュアコピーを行う場合のパスワード設定用画面、画像入力装置100の状態を示す情報、ユーザーに対するメッセージなど表示情報を表示する。
【0045】
なお、セキュアコピーでは、画像入力装置100によって、画像データに対応してユーザーにより設定されるパスワードが付加され、このパスワードが付加された画像データが画像出力装置200に向けて送信される。次に、画像出力装置200によって、ユーザーによって前記付加されているパスワードと同一のパスワードが入力され、正当なパスワードであると認証された場合に、当該パスワードに対応する画像データについて印刷処理が実行され、この印刷処理の結果が出力される。
【0046】
操作部132は、テンキー(0〜9までの各数字に対応する各キー)と、数字を入力可能な数字モードとアルファベットを入力可能なアルファベットモードとを切り替えるためのキー132aと、を備えている。キー132aが押下される毎に、数字モードとアルファベットモードとが交互に切り替わるようになっている。
【0047】
操作部133は、LCD131に表示されたメニューなどの項目(セキュアコピーの選択肢など)を選択するためのカーソルを上下方向に移動、あるいは当該項目(選択肢)を含む画面など表示画面を上下方向にスクロールさせるボタン(上方向に移動させるボタンSWD3、下方向に移動させるボタンSWD6)、左右方向に移動させるボタン(左方向に移動させるボタンSWD5、右方向に移動させるボタンSWD4)、カーソルが位置する項目(選択肢)を選択することを確定するボタン(ボタンSWD1)、原稿読み取り開始あるいはコピースタートを指示するためのボタン(ボタンSWD8)、操作または処理の停止(ストップ)を指示するためのボタン(ボタンSWD2)、操作または処理の中断(キャンセル)を指示するためのボタン(ボタンSWD9)などを備えている。
【0048】
次に、画像出力装置200のユーザーI/F230について、図3を参照して説明する。
【0049】
ユーザーI/F230は、図3に示すように、表示部としてのLCD(液晶ディスプレイ)231、操作部(入力部)232を有している。
【0050】
LCD(液晶ディスプレイ)231は、画像出力装置200の状態を示す情報、ユーザーに対するメッセージなど表示情報を表示する。
【0051】
操作部232は、LCD231に表示されたメニューや数字などの項目(選択肢)を選択するためのカーソルを上下方向に移動させるボタン(上方向に移動させるボタンSWD3、下方向に移動させるボタンSWD6)、左右方向に移動させるボタン(左方向に移動させるボタンSWD5、右方向に移動させるボタンSWD4)、カーソルが位置する項目(選択肢)を選択することを確定するボタン(ボタンSWD1)、コピースタートを指示するためのボタン(ボタンSWD0)、操作の中止または停止を指示するためのボタン(ボタンSWD2)を備えている。
【0052】
この操作部132は、ボタンSWD3およびボタンSWD6を操作することで、0〜9までの各数字を入力することが可能となる。
【0053】
ユーザーI/F230においては、0〜9までの各数字を入力することはできるものの、アルファベットの文字については入力することはできない。
【0054】
第1の実施の形態において、ユーザーI/F130を高機能なユーザーI/Fと定義し、ユーザーI/F230はユーザーI/F130に比較して低機能なユーザーI/Fと定義する。
【0055】
次に、画像形成システム1でのセキュアコピー処理について、図4を参照して説明する。
【0056】
画像形成システム1において、セキュアコピーを行うときは、画像入力装置100では、ユーザーは、画像入力装置100の原稿台(図示せず)に原稿をセットし、その後、ユーザーI/F130の操作部132および操作部133を操作して、セキュアコピーである旨の指示を行うととともにパスワードを設定し、さらにコピースタートを指示するためにスタートボタン(ボタンSWD8)を押下する。ここで、パスワードは、数字とアルファベットの組み合わせで構成されているものとする。
【0057】
ここで、セキュアコピーの指示は、例えばボタンSWD3、ボタンSWD6およびボタンSWD1の操作によりセキュアコピーの項目が選択され確定されることで行われる。パスワードの設定は、例えば操作部132の操作により行われる。
【0058】
画像入力装置100において、制御部110は、図4に示すように、ユーザーI/F130からのセキュアコピーである旨、パスワードを取得するとともに(ステップS101)、ユーザーI/F130からのスタートボタンが押下されたことに起因する信号を取得すると(ステップS102)、画像読取部120に原稿読み取りを指示する。
【0059】
画像読取部120は、原稿を光学的に読み取り、この読み取り結果を画像データに変換するとともに(ステップS103)、この画像データを制御部110へ出力する。
【0060】
制御部110は、画像読取部120からの画像データにユーザーによって設定されたパスワードを付加し、当該画像データをコピージョブとして、ローカルI/F140を介して画像出力装置200に向けて送信する(ステップS104)。
【0061】
画像出力装置200では、制御部210は、ローカルI/F240を介して画像入力装置100からの画像データ(コピージョブ)を受信し(ステップS201)、この画像データに付加されているパスワードに関し、ユーザーI/F230によるパスワード入力が可能であるか否かを判断する(ステップS202)。
【0062】
ここで、上記パスワードが数字のみで構成されている場合にはパスワード入力が可能であると判断され、一方、上記パスワードが数字およびアルファベットの組み合わせで構成されている場合は、パスワード入力は不可能であると判断されるようになっている。
【0063】
制御部210は、ステップS202において、取得した画像データに付加されているパスワードが数字のみで構成されているので、パスワード入力が可能であると判断した場合は、ユーザーI/F230のLCD231にパスワードを入力させる旨を表示する(ステップS203)。
【0064】
そして、ユーザーが、画像出力装置200のユーザーI/F230の操作部232を操作して、画像入力装置100においてセキュアコピーを行うときに設定したパスワードと同一のパスワードを入力すると、この入力されたパスワードは、ユーザーI/F230から制御部210に与えられる。
【0065】
制御部210は、ユーザーI/F230からのパスワードを取得し(ステップS204)、この取得したパスワードと既に取得している画像データに付加されているパスワードとが同一であるかを解析し(ステップS205)、さらに前記2つのパスワードが一致するか否かを判断する(ステップS206)。
【0066】
制御部210は、ステップS206において、上記2つのパスワードが一致する場合には、印刷部220に対し上記画像データを出力して印刷処理を実行させ(ステップS207)、一方、上記2つのパスワードが不一致の場合は、画像出力装置200の処理を終了する。ステップS207において印刷部220による印刷処理が終了した場合、画像出力装置200での処理は終了となる。
【0067】
ところで、制御部210は、ステップS202において、取得した画像データに付加されているパスワードが数字およびアルファベットの組み合わせで構成されているので、パスワード入力が不可能であると判断した場合は、図5(a)に示すようなメッセージをユーザーI/F230のLCD231に表示するとともに、ユーザーインターフェースにかかわる代行依頼情報を、ローカルI/F240を介して画像入力装置100に向けて送信する。
【0068】
ちなみに、図5(a)に示すメッセージは、画像入力装置(スキャナ)100のユーザーI/Fにてパスワード入力させる旨を示している。
【0069】
画像入力装置100では、ローカルI/F140が画像出力装置200からの上記代行依頼情報を受信し(ステップS105)、取得部111がローカルI/F140から上記代行依頼情報を取得すると、制御部110は、ユーザーI/F130に対し、画像出力装置200のユーザーI/F230に代行して機能するよう制御する。すなわち、制御部110は、ユーザーI/F130のLCD131に、図5(b)に示すようなパスワード代行入力の旨のメッセージを表示する(ステップS106)。
【0070】
ちなみに、図5(b)に示すメッセージは、画像出力装置200のユーザーI/F230に代行して、当該ユーザーI/F130にてパスワード入力をするべき旨を示している。
【0071】
そして、ユーザーが、画像入力装置100のユーザーI/F130の操作部132を操作して、画像入力装置100においてセキュアコピーを行うときに設定したパスワードと同一のパスワードを入力すると、この入力されたパスワードは、ユーザーI/F130から制御部110に与えられる。
【0072】
制御部110は、ユーザーI/F130からのパスワードを取得し(ステップS107)、この取得したパスワードを、ローカルI/F140を介して画像出力装置200に向けて送信し(ステップS108)、画像入力装置100での処理を終了する。
【0073】
なお、ステップS108において送信されたパスワードを受信した画像出力装置200では、ステップS205以降を実行することになる。
【0074】
第1の実施の形態では、画像入力装置100と画像出力装置200とをローカル接続した場合のセキュアコピー処理における代行処理について説明しているが、本発明はこれに限定されることなく、次のようにしてもよい。
【0075】
すなわち、画像入力装置100を情報処理装置に置き換え、かつ情報処理装置と画像出力装置とをローカル接続する。そして、情報処理装置と画像出力装置とによりセキュアプリント処理を実施するようにする。このセキュアプリント処理においても、図4に示したセキュアコピー処理の場合と同様に、代行処理が実施される。
【0076】
セキュアプリントでは、情報処理装置によって、印刷データに対応してユーザーにより設定されるパスワードが付加され、このパスワードが付加された印刷データが画像出力装置に向けて送信される。次に、画像出力装置によって、ユーザーによって前記付加されているパスワードと同一のパスワードが入力され、正当なパスワードであると認証された場合に、当該パスワードに対応する印刷データについて印刷処理が実行され、この印刷処理の結果が出力される。
【0077】
また、第1の実施の形態では、画像入力装置100と画像出力装置200とをローカル接続する構成としているが、本発明はこれに限定されることなく、画像入力装置100と画像出力装置200とをネットワーク接続するようにしてもよい。
【0078】
この場合、画像入力装置100および画像出力装置200は、それぞれネットワークを介して外部の装置と通信するためのネットワークインターフェースを備える、
【0079】
以上説明したように、第1の実施の形態では、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)でも、ユーザーI/Fの能力の高い電子機器(画像入力装置あるいは情報処理装置)と接続することで高機能となる。
【0080】
また、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)においても、高機能なサービス(セキュアコピー処理、セキュアプリント処理など)が提供される。
【0081】
さらに、ユーザーI/Fの能力の高い電子機器(画像入力装置あるいは情報処理装置)のユーザーI/Fは、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)のユーザーI/Fに対する入力操作に関して代行する。
【0082】
これにより、ユーザーI/Fの能力に差のある上記2つの電子機器がローカルI/Fおよび通信ケーブルを介して接続され、当該2つの電子機器が近接する場合においては、当該2つの電子機器がネットワーク接続される場合に比較して、ユーザーがパスワード入力のために当該2つの電子機器間を移動する距離が短い分、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)による高機能なサービス(セキュアコピー処理など)の提供を早く受けられる。
【0083】
次に、第1の実施の形態に係る画像入力装置のハードウェア構成について、図6を参照して説明する。
【0084】
画像入力装置100は、図6に示すように、CPU101、記憶装置102、ROM103、RAM104、操作パネル105、スキャナ106、および通信I/F107を有している。これらの構成要素101〜107はシステムバス108に接続されている。
【0085】
記憶装置102は、例えばハードディスクであり、図1に示した制御部110(取得部111および出力処理部112を含む)の機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)、図4に示したセキュアコピー処理の処理手順における画像入力装置側での処理手順(ステップS101〜S108)に対応するソフトウェア(プログラム)、処理プログラム102Aなどインストールされた各種のプログラムを記憶している。
【0086】
処理プログラム102Aは、少なくとも次の(1)〜(3)の各処理過程を含んでいる。
【0087】
(1)通信先の処理装置(画像出力装置)からユーザーインターフェースにかかわる代行依頼情報を取得する取得処理過程。この処理過程は取得部111によって実行される。
【0088】
(2)上記取得処理過程により上記代行依頼情報が取得されたときは、通信元の処理装置(画像入力装置)のユーザーインターフェース手段に対し上記通信先の処理装置のユーザーインターフェース手段に代行して機能するよう制御する制御処理過程。この処理過程は制御部110によって実行される。
【0089】
(3)上記通信先の処理装置のユーザーインターフェース手段に代行して機能する上記通信元の処理装置のユーザーインターフェース手段に対するユーザーによる入力操作に応じた入力情報を上記通信先の処理装置に向けて出力する出力処理過程。この処理過程は出力処理部112によって実行される。
【0090】
ROM103は、読み出し専用メモリであり、通信プロトコル情報などを記憶している。
【0091】
RAM104は、随時書き込み読み出しメモリであり、記憶装置102から読み込まれた各種のプログラム(処理プログラム102Aなど)を記憶するとともに、ROM103から読み込まれた通信プロトコル情報を記憶する。
【0092】
また、RAM104は、コピージョブ(パスワードが付加された画像データ)、取得部111が取得した情報(代行依頼情報)、出力処理部112が出力する情報(パスワード)などを記憶する。
【0093】
操作パネル105は、図1に示したユーザーI/F130の機能を果たし、セキュアコピーである旨の指示、パスワード設定などの入力情報の入力機能と、パスワード代行入力である旨のメッセージなど表示情報の表示機能とを有する。
【0094】
スキャナ106は、図1に示した画像読取部120の機能を果たし、原稿を光学的に読み取り画像データに変換する。
【0095】
通信I/F107は、図1に示したローカルI/F140の機能を果たし、通信ケーブル10(図1参照)を介して外部装置、例えば画像出力装置200(図1参照)との通信を行うものであり、例えば、画像出力装置200からの上記代行依頼情報を受信するとともに、画像出力装置200に向けて制御部110から渡されたコピージョブや代行入力されたパスワードを送信する。
【0096】
CPU101は、中央演算処理装置であり、記憶装置102からRAM104へ、処理プログラム102Aを含むプログラムを読み込んで実行することにより、上述した制御部110(取得部111および出力処理部112を含む)の機能を実現するとともに、処理プログラム102Aに対応する処理機能を実現する。
【0097】
また、CPU101は、上記各構成要素102〜107を統括的に制御するとともに当該画像入力装置100全体を制御する。
【0098】
本願明細書において、処理プログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する実施形態として説明したが、当該処理プログラムを次のようにして提供してもよい。
【0099】
すなわち、上記処理プログラムをROMに格納しておき、CPUが、この処理プログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0100】
また、上記処理プログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしてもよい。この場合、その記録媒体に記録された処理プログラムを画像入力装置(処理装置)がインストールした後、この処理プログラムをCPUが実行するようにする。この処理プログラムのインストール先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)が挙げられる。そして、画像入力装置(処理装置)は、必要に応じてこの記憶装置に記憶した処理プログラムを主記憶装置にローディングして実行する。
【0101】
さらには、画像入力装置(処理装置)を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、当該画像入力装置(処理装置)が、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記処理プログラムをダウンロードした後、この処理プログラムを実行するようにしてもよい。この場合、この処理プログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)が挙げられる。そして、当該画像入力装置(処理装置)が、必要に応じてこの記憶装置に記憶された上記処理プログラムを主記憶装置にローディングして実行するようにする。
【0102】
(第2の実施の形態)
【0103】
図7は、第2の実施の形態に係る通信システムを適用した画像形成システムの構成を示している。
【0104】
図7に示す画像形成システム2は、図1に示した第1の実施の形態の画像形成システム1において、画像出力装置200のユーザーI/F230をユーザーI/F230Aに変更した構成になっている。なお、図7に示す構成要素において、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。
【0105】
他の処理装置(第2の処理装置)としての画像出力装置200において、ユーザーI/F230Aは、表示情報を表示する表示機能のみを有し、入力情報を入力する入力機能は有していない。すなわち、ユーザーI/F230Aは、例えば図3に示したようなユーザーI/Fにおいて、LCD(液晶ディスプレイ)231のみを有し、操作部232は有していないものになっている。
【0106】
処理装置(第1の処理装置)としての画像入力装置100において、制御部210は、ユーザーI/F230Aが表示機能のみを有し、入力機能を有していないことを予め認識している。
【0107】
第2の実施の形態において、ユーザーI/F130を高機能なユーザーI/Fと定義し、ユーザーI/F230AはユーザーI/F130に比較して低機能なユーザーI/Fと定義する。
【0108】
次に、画像形成システム2でのコピー処理について、図8を参照して説明する。
【0109】
画像形成システム2において、コピー(セキュアコピーとは異なる通常のコピー)を行うときは、画像入力装置100では、ユーザーは、画像入力装置100の原稿台(図示せず)に原稿をセットし、その後、ユーザーI/F130を操作して、コピースタートを指示するためにスタートボタン(ボタンSWD8)を押下する。
【0110】
画像入力装置100において、制御部110は、図8に示すように、ユーザーI/F130からのスタートボタン(ボタンSWD8)が押下されたことに起因する信号を取得すると(ステップS301)、画像読取部120に原稿読み取りを指示する。
【0111】
画像読取部120は、原稿を光学的に読み取り、この読み取り結果を画像データに変換するとともに(ステップS302)、この画像データを制御部110へ出力する。
【0112】
制御部110は、画像読取部120からの画像データをコピージョブとして、ローカルI/F140を介して画像出力装置200に向けて送信するとともに(ステップS303)、当該ユーザーI/F130の能力(特にキーなど入力機能の能力)を示す情報をローカルI/F140を介して画像出力装置200に向けて送信する(ステップS304)。
【0113】
画像出力装置200では、制御部210は、ローカルI/F240を介して、画像入力装置100から送信された画像データ(コピージョブ)を受信するとともに当該画像入力装置100のユーザーI/F130の能力情報を受信した場合(ステップS401,S402)、画像入力装置100のユーザーI/F130による中断処理の代行中断入力は可能であるか否かを判断する(ステップS403)。
【0114】
ステップS403においては、制御部210は、ユーザーI/F230Aが表示機能のみを有し、入力機能を有していないことを予め認識しているので、印刷部220によるコピー処理(印刷処理)をユーザーが中断させることを可能にするために、コピー処理(印刷処理)の依頼元つまり画像入力装置100のユーザーI/F130による中断処理の指示は可能であるか否か、つまり操作部など入力機能を有しているか否かを判断している。
【0115】
制御部210は、ステップS403において、中断処理の代行中断入力は不可能であると判断した場合は、印刷部220に対しステップS401で受信した画像データを出力して印刷処理を実行させる(ステップS404)。
【0116】
次に、制御部210は、予め設定される時間内に、ローカルI/F240を介して画像入力装置100からの中断命令を受信したか否かを判断し(ステップS405)、この判断した結果、中断命令を受信した場合は印刷部220に対し印刷処理を中断するよう制御する(ステップS406)。
【0117】
続いて、制御部210は、ステップS406を終了した場合、ステップS405において中断命令を受信していないと判断した場合は、印刷部220の状態情報を画像入力装置100に向けて送信する(ステップS407)。この状態情報としては、印刷処理中の旨、印刷終了の旨、中断処理完了の旨などが挙がられる。
【0118】
続いて、制御部210は、印刷部220による印刷処理が終了したか否かを判断し(ステップS408)、この判断した結果、前記印刷処理を終了していない場合にはステップS404に戻り、一方、前記印刷処理を終了した場合は、画像出力装置200での処理を終了する。
【0119】
ところで、制御部210は、ステップS403において、中断処理の代行中断入力は可能であると判断した場合は、図9(a)に示すようなメッセージをユーザーI/F230Aに表示するとともに、ユーザーインターフェースにかかわる代行依頼情報を画像入力装置100に向けて送信する。
【0120】
ちなみに、図9(a)に示すメッセージは、中断処理の操作を行うときは画像入力装置(スキャナ)100のユーザーI/Fを使用して操作すべき旨を示している。
【0121】
画像入力装置100では、ローカルI/F140が画像出力装置200からの上記代行依頼情報を受信し(ステップS305)、取得部111がローカルI/F140から上記代行依頼情報を取得すると、制御部110は、ユーザーI/F130に対し、画像出力装置200のユーザーI/F230Aに代行して機能するよう制御する。すなわち、制御部110は、ユーザーI/F130のLCD131に、図9(b)に示すような中断処理代行の旨のメッセージを表示する(ステップS306)。
【0122】
ちなみに、図9(b)に示すメッセージは、画像出力装置200による印刷処理(印刷ジョブ)に関し、停止(ストップ)する場合には停止キー(ストップボタン)を使用し、中断(キャンセル)する場合は中断キー(キャンセルボタン)を使用する、旨を示している。この例では、停止キーは例えばボタンSWD2であり、中断キーは例えばボタンSWD9である。
【0123】
そして、ユーザーが、画像入力装置100のユーザーI/F130の操作部132における中断キー(例えばボタンSWD9)を押下して、画像出力装置200での印刷処理にかかわる中断処理操作を行うと、この操作内容は、ユーザーI/F130から制御部110に与えられる。
【0124】
制御部110は、ステップS306の処理が終了した後、ユーザーI/F130からの中断処理操作に応じた信号を取得したか否かに基づき、中断キーが押下されたか否かを判断する(ステップS307)。
【0125】
制御部110は、ステップS307において、予め設定される時間内に、中断処理操作に応じた信号を取得したので中断キーが押下されたと判断した場合は、中断命令を、ローカルI/F140を介して画像出力装置200に向けて送信する。これにより画像出力装置200では、ステップS405以降の処理を実行することになる。
【0126】
制御部110は、ステップS307において、予め設定される時間内に、中断処理操作に応じた信号を取得しないので中断キーが押下されないと判断した場合は、ローカルI/F140を介して取得する画像出力装置200からの印刷部220の状態情報(印刷処理中の旨、印刷終了の旨、中断処理完了の旨など)を基に、画像出力装置200での印刷処理が終了したか否かを判断する(ステップS308)。
【0127】
制御部110は、ステップS308において、画像出力装置200での印刷処理が終了していないと判断した場合にはステップS307に戻り、一方、前記印刷処理が終了していないと判断した場合は、画像入力装置100での処理を終了する。
【0128】
以上説明したように、第2の実施の形態では、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)でも、ユーザーI/Fの能力の高い電子機器(画像入力装置あるいは情報処理装置)と接続することで高機能となる。
【0129】
また、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)においても、高機能なサービス(中断処理など)が提供される。
【0130】
さらに、ユーザーI/Fの能力の高い電子機器(画像入力装置あるいは情報処理装置)のユーザーI/Fは、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)のユーザーI/Fに対する入力操作に関して代行する。
【0131】
これにより、ユーザーI/Fの能力に差のある上記2つの電子機器がローカルI/Fおよび通信ケーブルを介して接続され、当該2つの電子機器が近接する場合においては、当該2つの電子機器がネットワーク接続される場合に比較して、ユーザーが中断処理の指示のために当該2つの電子機器間を移動する距離が短い分、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)による高機能なサービス(中断処理など)の提供を早く受けられる。
【0132】
第2の実施の形態の画像入力装置100のハードウェア構成も、図6に示した第1の実施の形態の画像入力装置100と同様になっている。
【0133】
第2の実施の形態において、記憶装置102に記憶されるプログラムは、図7に示した制御部110(取得部111および出力処理部112を含む)の機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)、図8に示したコピー処理の処理手順における画像入力装置側での処理手順(ステップS301〜S308)に対応するソフトウェア(プログラム)、処理プログラム102Aなどである。
【0134】
(第3の実施の形態)
【0135】
図10は、第3の実施の形態に係る通信システムを適用した画像形成システムの構成を示している。
【0136】
図10に示す画像形成システム3は、図1に示した第1の実施の形態の画像形成システム1において、画像入力装置100のローカルI/F140および画像出力装置200のローカルI/F240をそれぞれネットワークインターフェース150およびネットワークインターフェース250に変更し、画像入力装置100の出力処理部112を削除し、また通信ケーブル10を削除し、さらに通信回線20を追加した構成になっている。なお、図10に示す構成要素において、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。
【0137】
通信回線20としては、ローカルエリアネットワーク(LAN=Local Area Network)や電話回線などの有線通信回線、無線LANなどの無線通信回線、さらには、これらの通信回線を組み合わせたもの、などが挙げられる。ここでは、通信回線20はLANであるとする。
【0138】
処理装置(第1の処理装置)としての画像入力装置100において、ネットワークインターフェース(以下「ネットワークI/F」という。)I/F150は、外部の装置と接続するためのインターフェースであり、通信回線(LAN)20を介してリモート接続される外部装置例えば画像出力装置200との通信を司る。
【0139】
制御手段の機能を有する制御部110において、取得手段の機能を有する取得部111は、ネットワークI/F150を介して画像出力装置200から送信されるユーザーI/F230の能力にかかわる情報を取得する。
【0140】
制御部110は、取得部111が取得した取得情報(ユーザーI/F230の能力にかかわる情報)を基にユーザーI/F130の能力がユーザーI/F230の能力よりも優位であると判断したときは、当該ユーザーI/F230の能力が活用されるようユーザーI/F130の能力を制限させる制御を行う。
【0141】
他の処理装置(第2の処理装置)としての画像出力装置200において、ネットワークI/F250は、外部の装置と接続するためのインターフェースであり、通信回線(LAN)20を介してリモート接続される外部装置例えば画像入力装置100との通信を司る。
【0142】
第3の実施の形態において、ユーザーI/F130を高機能なユーザーI/Fと定義し、ユーザーI/F230はユーザーI/F130に比較して低機能なユーザーI/Fと定義する。
【0143】
次に、画像形成システム3でのセキュアコピー処理について、図11を参照して説明する。
【0144】
画像形成システム3において、セキュアコピーを行うときは、画像入力装置100では、ユーザーは、画像入力装置100の原稿台(図示せず)に原稿をセットし、その後、ユーザーI/F130を操作して、セキュアコピーである旨の指示を行うととともにパスワードを設定し、さらにスタートキー(ボタンSWD8)を押下する。ここで、パスワードは、ユーザーI/F130のLCD131に表示されるメッセージに従った内容のパスワードで構成されているものとする。このメッセージとは、例えば0〜9までの各数字の入力(10キーのみによる入力)とする旨、あるいは数字とアルファベットの組み合わせが可能であるものの、パスワードに関して規定の文字数に比較して少ない文字数に制限する旨(例えば規定の文字数が12文字の場合に6文字の文字数に制限する旨)、などである。
【0145】
ここで、セキュアコピーの指示は、上記第1の実施の形態で説明したように、例えばボタンSWD3、ボタンSWD6およびボタンSWD1の操作によりセキュアコピーの項目が選択され確定されることで行われる。パスワードの設定は、例えばボタン部132の操作により行われる。
【0146】
画像入力装置100において、制御部110は、ユーザーI/F130からのセキュアコピーである旨、ユーザーI/F130からのスタートボタンが押下されたことに起因する信号を取得した場合に、ネットワークI/F150、通信回線(LAN)20を介して画像出力装置200との通信を開始する。
【0147】
画像形成システム3では、画像入力装置100と画像出力装置200との間で通信接続されることが決まれると、画像入力装置100および画像出力装置200のそれぞれは、図11に示すように、画像入力装置100のユーザーI/F130と画像出力装置200のユーザーI/F230との能力差を把握するために、画像入力装置100と画像出力装置200との間でネゴシエイションが行われる(ステップS501、ステップS601)。
【0148】
画像入力装置100では、制御部110は、ステップS501でのネゴシエイションの結果つまりユーザーI/F130の能力情報およびユーザーI/F230の能力情報に基づき、上記2つのユーザーI/Fの操作部(入力部)の能力差があるか否かを判断する(ステップS502)。
【0149】
制御部110は、ステップS502において、上記2つのユーザーI/Fの操作部の能力差があると判断した場合は、当該画像入力装置100のユーザーI/F130の能力が画像出力装置200のユーザーI/F230の能力よりも高いか否か(優位であるか否か)を判断する(ステップS503)。
【0150】
制御部110は、ステップS503において、ユーザーI/F130の能力がユーザーI/F230の能力よりも高いと判断した場合は、ユーザーI/F130に対しパスワード入力に関して制限をつけるべく制御を行う(ステップS504)。
【0151】
ステップS504において、制御部110は、数字(10キーに対応する数字)およびアルファベットを入力可能な高い能力を有するユーザーI/F130の能力を、数字(10キーに対応する数字)のみを入力可能な低い能力を有するユーザーI/F230の能力に合わせるように、ユーザーI/F130に対し、操作部(操作部132)の機能を制限させる。
【0152】
具体的には、ユーザーI/F130の操作部132において、数字モードとアルファベットモードとを切り替えるキー132aについては、数字モードに固定とし、キー132aが押下されてもアルファベットモードに切り替わらないようにする。
【0153】
さて、ステップS504を終了した制御部110が、ユーザーI/F130のLCD131に、ステップS504でのパスワード入力に関する制限がある旨とともにパスワードを入力させる旨のパスワード入力画面を表示する。
【0154】
ユーザーは、ユーザーI/F130の操作部132を操作して、表示させているパスワード入力画面に対してパスワード入力に関する制限に従ってパスワードを入力するとともに、操作部133のスタートボタン(ボタンSWD8)を押下する。
【0155】
このようにして入力されたパスワードおよびスタートボタンが押下されたことに起因する信号は、ユーザーI/F130から制御部110に与えられる。
【0156】
ここで、ユーザーI/F130のLCD131に表示されたパスワード入力画面にパスワード入力に関する制限がある場合のパスワード入力画面の一例を、図12(a)に示す。
【0157】
ところで、制御部110は、ステップS502において、上記2つのユーザーI/Fの操作部の能力差がない(能力が同じである)と判断した場合、ステップS503において、自装置のユーザーI/F130の能力がユーザーI/F230の能力以下であると判断した場合、ユーザーI/F130に対してはパスワード入力に関して制限をつけない(ステップS505)。これによりユーザーI/F130の能力(特に操作部の能力)が有効に活用され、例えば数字とアルファベットが組み合わされたパスワードが入力可能となる。
【0158】
ユーザーは、ユーザーI/F130の操作部132を操作して、表示させているパスワード入力画面に対してパスワードを入力するとともに、操作部133のスタートボタン(ボタンSWD8)を押下する。
【0159】
このようにして入力されたパスワードおよびスタートボタンが押下されたことに起因する信号は、ユーザーI/F130から制御部110に与えられる。
【0160】
ここで、ユーザーI/F130のLCD131に表示されたパスワード入力画面にパスワード入力に関する制限がない場合のパスワード入力画面(通常のパスワード入力画面)の一例を、図12(b)に示す。
【0161】
上述したようにしてユーザーによってパスワードの入力およびスタートボタンが押下されると、制御部110は、ユーザーI/F130からのパスワードを取得するとともに(ステップS506)、ユーザーI/F130からのスタートボタンが押下されたことに起因する信号を取得すると、画像読取部120に原稿読み取りを指示する。
【0162】
画像読取部120は、原稿を光学的に読み取り、この読み取り結果を画像データに変換するとともに、この画像データを制御部110へ出力する。
【0163】
制御部110は、画像読取部120からの画像データにユーザーによって設定されたパスワードを付加し、当該画像データをコピーデータ(コピージョブ)として、ネットワークI/F150を介して画像出力装置200に向けて送信し(ステップS507)、その後、画像入力装置100での処理を終了する。
【0164】
画像出力装置200では、制御部210は、ネットワークI/F250を介して画像入力装置100からのコピーデータ(画像データ)を受信すると(ステップS602)、ユーザーI/F230のLCD231にパスワードを入力させる旨を表示する。
【0165】
そして、ユーザーが、画像出力装置200のユーザーI/F230の操作部232を操作して、画像入力装置100においてセキュアコピーを行うときに設定したパスワードと同一のパスワードを入力すると、この入力されたパスワードは、ユーザーI/F230から制御部210に与えられる。
【0166】
制御部210は、ユーザーI/F230からのパスワードを取得し(ステップS603)、この取得したパスワードと既に取得している画像データに付加されているパスワードとが同一であるかを解析し、さらに前記2つのパスワードが一致するか否かを判断する(ステップS604)。
【0167】
制御部210は、ステップS604において、上記2つのパスワードが一致する場合には、印刷部220に対し上記画像データを出力して印刷処理を実行させ(ステップS605)、一方、上記2つのパスワードが不一致の場合は、画像出力装置200の処理を終了する。ステップS605において印刷部220による印刷処理が終了した場合、画像出力装置200での処理は終了となる。
【0168】
上述した第3の実施の形態では、画像入力装置100のユーザーI/F130に対するパスワード入力に関する制限は入力可能な文字の種類に関する制限(10キーに対応する数字のみとする制限)であるとしているが、本発明はこれに限定されることなく、パスワード入力に関する制限は入力可能な文字数に関する制限であるとしてもよい。
【0169】
例えば、画像入力装置100と画像出力装置200とがユーザーI/Fの能力差をネゴシエイトした結果、画像入力装置100のユーザーI/F130での入力文字が12文字、一方、画像出力装置200のユーザーI/F230での入力文字が6文字であった場合、画像入力装置100の制御部110は、ユーザーI/F130に対しては6文字入力に制限する。
【0170】
ユーザーI/F230での入力画面の一例を図13(a)に示し、ユーザーI/F130において、12文字入力可能な入力画面の一例を図13(b)に、また6文字入力に制限された入力画面の一例を図13(c)にそれぞれ示す。
【0171】
以上説明したように、第3の実施の形態では、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)でも、ユーザーI/Fの能力の高い電子機器(画像入力装置)と接続することで高機能となる。
【0172】
また、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)においても、高機能なサービス(セキュアコピー処理など)が提供される。
【0173】
さらに、ユーザーI/Fの能力の高い電子機器(画像入力装置)のユーザーI/Fの能力は、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)の能力に合わせられるように制限される。
【0174】
これにより、ユーザーI/Fの能力に差のある上記2つの電子機器がネットワークI/Fおよび通信回線(LAN)を介して接続され、当該2つの電子機器が離れている場合であっても、ユーザーは、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)のユーザーI/Fを利用することで、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)による高機能なサービス(蓄積画像印刷処理など)の提供を受けられる。
【0175】
第3の実施の形態の画像入力装置100のハードウェア構成も、図6に示した第1の実施の形態の画像入力装置100と同様になっている。
【0176】
第3の実施の形態において、記憶装置102に記憶されるプログラムは、図10に示した制御部110(取得部111を含む)の機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)、図11に示したセキュアコピー処理の処理手順における画像入力装置側での処理手順(ステップS501〜S507)に対応するソフトウェア(プログラム)、処理プログラム102Aなどである。
【0177】
また、処理プログラム102Aは、少なくとも次の(1)および(2)の各処理過程を含んでいる。
【0178】
(1)通信先の処理装置(画像出力装置)から当該処理装置のユーザーインターフェース手段の能力にかかわる情報を取得する取得処理過。この処理過程は取得部111によって実行される。
【0179】
(2)上記取得処理過程により取得された取得情報を基に通信元の処理装置(画像入力装置)のユーザーインターフェース手段の能力が上記通信先の処理装置のユーザーインターフェース手段の能力よりも優位であると判断したときは、上記通信先の処理装置の第2のユーザーインターフェース手段の能力が活用されるよう上記通信元の処理装置のユーザーインターフェース手段の能力を制限させる制御を行う制御処理過程。この処理過程は制御部110によって実行される。
【0180】
(第4の実施の形態)
【0181】
図14は、第4の実施の形態に係る通信システムを適用した画像形成システムの構成を示している。
【0182】
図14に示す画像形成システム4は、図10に示した第3の実施の形態の画像形成システム3において、画像入力装置100に不揮発性メモリ160を追加し、画像出力装置200のユーザーI/F230をユーザーI/F230Bに変更した構成になっている。なお、図14に示す構成要素において、図10に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。
【0183】
処理装置(第1の処理装置)としての画像出力装置100において、不揮発性メモリ160は、画像読取部120によって読み取られた原稿画像の画像データを蓄積する。
【0184】
他の処理装置(第2の処理装置)としての画像出力装置200において、ユーザーI/F230Bは、数字のみの表示情報を表示する表示機能と、数字のみの入力情報を入力する入力機能とを有している。すなわち、ユーザーI/F230Bは、図3に示した第1の実施の形態のユーザーI/F230の如く、表示部としてのLCD(液晶ディスプレイ)231および操作部232を有しているものになっている。しかし、この場合、LCD231は、数字のみを表示する表示機能しかない。
【0185】
画像出力装置200は、画像入力装置100との通信により、画像入力装置100の不揮発性メモリ160に蓄積されている画像データを選択して印刷する機能を有している。
【0186】
第4の実施の形態において、ユーザーI/F130を高機能なユーザーI/Fと定義し、ユーザーI/F230BはユーザーI/F130に比較して低機能なユーザーI/Fと定義する。
【0187】
次に、画像形成システム4での蓄積画像印刷処理について、図15を参照して説明する。
【0188】
画像形成システム4において、蓄積画像印刷を行うときは、画像入力装置100では、ユーザーは、画像入力装置100の原稿台(図示せず)に原稿をセットし、その後、ユーザーI/F130を操作して、蓄積画像印刷である旨の指示を行うととともにドキュメント名を設定し、さらにスタートボタン(ボタンSWD8)を押下する。ここで、ドキュメント名は、ユーザーI/F130のLCD131に表示されるメッセージに従った内容のドキュメント名で構成されているものとする。このメッセージとは、例えば0〜9までの各数字の入力(10キーのみによる入力)とする旨、あるいは数字とアルファベットの組み合わせが可能であるものの、ドキュメント名に関して規定の文字数に比較して少ない文字数に制限する旨(例えば規定の文字数が12文字の場合に6文字の文字数に制限する旨)、などである。
【0189】
ここで、蓄積画像印刷の指示は、例えばボタンSWD3、ボタンSWD6およびボタンSWD1の操作により蓄積画像印刷の項目が選択され確定されることで行われる。ドキュメント名の設定は、例えば操作部132の操作により行われる。
【0190】
画像入力装置100において、制御部110は、ユーザーI/F130からの蓄積画像印刷である旨、ユーザーI/F130からのスタートボタンが押下されたことに起因する信号を取得した場合に、ネットワークI/F150、通信回線(LAN)20を介して画像出力装置200との通信を開始する。
【0191】
画像形成システム4では、画像入力装置100と画像出力装置200との間で通信接続されることが決まれると、画像入力装置100および画像出力装置200のそれぞれは、図15に示すように、画像入力装置100のユーザーI/F130と画像出力装置200のユーザーI/F230Bとの能力差を把握するために、画像入力装置100と画像出力装置200との間でネゴシエイションが行われる(ステップS701、ステップS801)。
【0192】
画像入力装置100では、制御部110は、ステップS701でのネゴシエイションの結果つまりユーザーI/F130の能力情報およびユーザーI/F230Bの能力情報に基づき、上記2つのユーザーI/Fの操作部(入力部)の能力差があるか否かを判断する(ステップS702)。
【0193】
制御部110は、ステップS702において、上記2つのユーザーI/Fの操作部の能力差があると判断した場合は、当該画像入力装置100のユーザーI/F130の能力が画像出力装置200のユーザーI/F230Bの能力よりも高いか否か(優位であるか否か)を判断する(ステップS703)。
【0194】
制御部110は、ステップS703において、ユーザーI/F130の能力がユーザーI/F230Bの能力よりも高いと判断した場合は、ユーザーI/F130に対しドキュメント名入力に関して制限をつけるべく制御を行う(ステップS704)。
【0195】
ステップS704において、制御部110は、数字(10キーに対応する数字)およびアルファベットを入力可能な高い能力を有するユーザーI/F130の能力を、数字(10キーに対応する数字)のみを表示可能な低い能力を有するユーザーI/F130の能力に合わせるように、ユーザーI/F130に対し、操作部132の機能を制限させる。
【0196】
具体的には、ユーザーI/F130の操作部132において、数字モードとアルファベットモードとを切り替えるキー132aについては、数字モードに固定とし、キー132aが押下されてもアルファベットモードに切り替わらないようにする。
【0197】
さて、ステップS704を終了した制御部110が、ユーザーI/F130のLCD131に、ステップS704でのドキュメント名入力に関する制限がある旨とともにパスワードを入力させる旨のドキュメント名入力画面を表示する。
【0198】
ユーザーは、ユーザーI/F130の操作部132を操作して、表示させているドキュメント名入力画面に対してドキュメント名入力に関する制限に従ってドキュメント名を入力するとともに、操作部133のスタートボタン(ボタンSWD8)を押下する。
【0199】
このようにして入力されたドキュメント名およびスタートボタンが押下されたことに起因する信号は、ユーザーI/F130から制御部110に与えられる。
【0200】
ここで、ユーザーI/F130のLCD131に表示されたドキュメント名入力画面にドキュメント名入力に関する制限がある場合のドキュメント名入力画面の一例を、図16(a)に示す。この例では、ドキュメント名は数字のみで構成されている。
【0201】
ところで、制御部110は、ステップS702において、上記2つのユーザーI/Fの操作部の能力差がない(能力が同じである)と判断した場合、ステップS703において、自装置のユーザーI/F130の能力がユーザーI/F230Bの能力以下であると判断した場合、ユーザーI/F130に対してはドキュメント名入力に関して制限をつけない(ステップS705)。これによりユーザーI/F130の能力(特に操作部の能力)が有効に活用され、例えば数字とアルファベットが組み合わされたパスワードが入力可能となる。
【0202】
ユーザーは、ユーザーI/F130の操作部132を操作して、表示させているドキュメント名入力画面に対してドキュメント名を入力するとともに、操作部133のスタートボタン(ボタンSWD8)を押下する。
【0203】
このようにして入力されたパスワードおよびスタートボタンが押下されたことに起因する信号は、ユーザーI/F130から制御部110に与えられる。
【0204】
ここで、ユーザーI/F130のLCD131に表示されたドキュメント名入力画面にドキュメント名入力に関する制限がない場合のドキュメント名入力画面(通常のドキュメント名入力画面)の一例を、図16(b)に示す。この例では、ドキュメント名は数字とアルファベットの組み合わせで構成されている。
【0205】
上述したようにしてユーザーによってドキュメント名の入力およびスタートボタンが押下されると、制御部110は、ユーザーI/F130からのドキュメント名を取得するとともに(ステップS706)、ユーザーI/F130からのスタートボタンが押下されたことに起因する信号を取得すると、画像読取部120に原稿読み取りを指示する。
【0206】
画像読取部120は、原稿を光学的に読み取り、この読み取り結果を画像データに変換するとともに、この画像データを制御部110へ出力する。
【0207】
制御部110は、画像読取部120からの画像データ(スキャンデータ)にユーザーによって入力されたドキュメント名(数字のみのドキュメント名)を付加し、ドキュメント名が付加された画像データ(スキャンデータ)を不揮発性メモリ160に格納するとともに(ステップS707)、不揮発性メモリ160に蓄積されている画像データ(蓄積データ)の一覧(画像データのドキュメント名の一覧)を、ネットワークI/F150を介して画像出力装置200に向けて送信する(ステップS708)。
【0208】
画像出力装置200では、制御部210は、ネットワークI/F250を介して画像入力装置100からのドキュメント名の一覧を受信すると(ステップS802)、ユーザーI/F230BのLCD231にドキュメント名(数字のみのドキュメント名)の一覧を表示する。
【0209】
そして、ユーザーが、画像出力装置200のユーザーI/F230Bの操作部232を操作して、LCD231に表示されているドキュメント名の一覧の中から、特定のドキュメント名を選択すると、この選択されたドキュメント名は、ユーザーI/F230Bから制御部210に与えられる。
【0210】
制御部210は、ユーザーI/F230Bからのドキュメント名を取得し(ステップS803)、この取得したドキュメント名の画像データ(蓄積データ)の要求を、ネットワークI/F250を介して画像入力装置100に向けて送信する(ステップS804)。
【0211】
画像入力装置100では、制御部110は、ネットワークI/F150を介して画像出力装置200からのドキュメント名を受信すると(ステップS709)、当該ドキュメント名に対応する画像データ(蓄積データ)を、不揮発性メモリ160から読み出し、ネットワークI/F150を介して画像出力装置200に向けて送信し(ステップS710)、その後、画像入力装置100での処理を終了する。
【0212】
画像出力装置200では、制御部210は、ネットワークI/F250を介して画像入力装置100からの画像データ(蓄積データ)を受信すると(ステップS805)、印刷部220に対し、前記受信した画像データを出力して印刷処理を実行させる(ステップS806)。ステップS806において印刷部220による印刷処理が終了した場合、画像出力装置200での処理は終了となる。
【0213】
以上説明したように、第4の実施の形態では、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)でも、ユーザーI/Fの能力の高い電子機器(画像入力装置)と接続することで高機能となる。
【0214】
また、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)においても、高機能なサービス(蓄積画像印刷処理など)が提供される。
【0215】
さらに、ユーザーI/Fの能力の高い電子機器(画像入力装置)のユーザーI/Fの能力は、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)の能力に合わせられるように制限される。
【0216】
これにより、ユーザーI/Fの能力に差のある上記2つの電子機器がネットワークI/Fおよび通信回線(LAN)を介して接続され、当該2つの電子機器が離れている場合であっても、ユーザーは、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)のユーザーI/Fを利用することで、ユーザーI/Fの能力の低い電子機器(画像出力装置)による高機能なサービス(蓄積画像印刷処理など)の提供を受けられる。
【0217】
第4の実施の形態の画像入力装置100のハードウェア構成も、図6に示した第1の実施の形態の画像入力装置100と同様になっている。
【0218】
第4の実施の形態において、記憶装置102に記憶されるプログラムは、図14に示した制御部110(取得部111を含む)の機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)、図15に示した蓄積画像印刷処理の処理手順における画像入力装置側での処理手順(ステップS701〜S710)に対応するソフトウェア(プログラム)、処理プログラム102Aなどである。
【0219】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0220】
本発明は、印刷機能、複写機能、スキャン機能、ファクシミリ機能など複数の画像形成機能のうち少なくとも一つの画像形成機能を有する画像形成装置と画像入力装置とが通信回線を介して接続される通信システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0221】
1,2,3,4 画像形成システム
10 通信ケーブル
20 通信回線
100 画像入力装置
101 CPU
102 記憶装置
102A 処理プログラム
103 ROM
104 RAM
105 操作パネル
106 スキャナ
107 通信インターフェース
110,210 制御部
111 取得部
112 出力処理部
120 画像読取部
130,230,230A,230B ユーザーインターフェース
131,231 LCD
132,133,232 キー部
140,240 ローカルインターフェース
150,250 ネットワークインターフェース
160 不揮発性メモリ
220 印刷部
200 画像出力装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザーインターフェース手段と、
第2のユーザーインターフェース手段を有する他の処理装置から送信されるユーザーインターフェースにかかわる代行依頼情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が前記代行依頼情報を取得したときは、前記第1のユーザーインターフェース手段に対し前記第2のユーザーインターフェース手段に代行して機能するよう制御する制御手段と、
前記第2のユーザーインターフェース手段に代行して機能する前記第1のユーザーインターフェース手段に対するユーザーによる入力操作に応じた入力情報を前記他の処理装置に向けて出力する出力処理手段と、
を有することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
第1のユーザーインターフェース手段と、
第2のユーザーインターフェース手段を有する他の処理装置から送信される当該第2のユーザーインターフェース手段の能力にかかわる情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した取得情報を基に前記第1のユーザーインターフェース手段の能力が前記第2のユーザーインターフェース手段の能力よりも優位であると判断したときは、前記第2のユーザーインターフェース手段の能力が活用されるよう前記第1のユーザーインターフェース手段の能力を制限させる制御を行う制御手段と、
を有することを特徴とする処理装置。
【請求項3】
第1のユーザーインターフェース手段を有する第1の処理装置と、
第2のユーザーインターフェース手段を有する第2の処理装置と、
が通信回線を介して接続され、
前記第1の処理装置は、
前記第2の処理装置との情報の送受信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して前記第2の処理装置からのユーザーインターフェースにかかわる代行依頼情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が前記代行依頼情報を取得したときは、前記第1のユーザーインターフェース手段に対し前記第2のユーザーインターフェース手段に代行して機能するよう制御する制御手段と、
前記第2のユーザーインターフェース手段に代行して機能する前記第1のユーザーインターフェース手段に対するユーザーによる入力操作に応じた入力情報を、前記通信手段を介して前記第2の処理装置に向けて出力する出力処理手段と、
を有する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項4】
第1のユーザーインターフェース手段を有する第1の処理装置と、
第2のユーザーインターフェース手段を有する第2の処理装置と、
が通信回線を介して接続され、
前記第1の処理装置は、
前記第2の処理装置との情報の送受信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して前記第2の処理装置からの前記第2のユーザーインターフェース手段の能力にかかわる情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した取得情報を基に前記第1のユーザーインターフェース手段の能力が前記第2のユーザーインターフェース手段の能力よりも優位であると判断したときは、前記第2のユーザーインターフェース手段の能力が活用されるよう前記第1のユーザーインターフェース手段の能力を制限させる制御を行う制御手段と、
を有する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項5】
通信先の処理装置からユーザーインターフェースにかかわる代行依頼情報を取得する取得処理過程と、
前記取得処理過程により前記代行依頼情報が取得されたときは、前記通信元の処理装置のユーザーインターフェース手段に対し前記通信先の処理装置のユーザーインターフェース手段に代行して機能するよう制御する制御処理過程と、
前記通信先の処理装置のユーザーインターフェース手段に代行して機能する前記通信元の処理装置のユーザーインターフェース手段に対するユーザーによる入力操作に応じた入力情報を前記通信先の処理装置に向けて出力する出力処理過程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする処理プログラム。
【請求項6】
通信先の処理装置から当該処理装置のユーザーインターフェース手段の能力にかかわる情報を取得する取得処理過程と、
前記取得処理過程により取得された取得情報を基に通信元の処理装置のユーザーインターフェース手段の能力が前記通信先の処理装置のユーザーインターフェース手段の能力よりも優位であると判断したときは、前記通信先の処理装置の第2のユーザーインターフェース手段の能力が活用されるよう前記通信元の処理装置のユーザーインターフェース手段の能力を制限させる制御を行う制御処理過程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする処理プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−182079(P2010−182079A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24849(P2009−24849)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】