説明

凧揚げ竿

【課題】 従来の凧揚げ竿は、収納に不便であり、凧に比較して高価であり扱いが難しいという問題があった。これは釣りの道具を流用したり、それに近い形状であって、部品の構成要素が多く、収納が困難で、収納時の平面に対して薄く出来ない構造のためである。
【解決手段】 取っ手部と、取っ手部の先端に取り付けられた竿と、取っ手部の基端に設けられて竿を撓ませて、竿の先端を基端に繋止する繋止手段と、竿の先端に設けられた凧の糸目を繋止する連結部とからなり、収納時に、竿を撓ませて、従来品に比較して厚みを薄く収納面積を小さく収納できる凧揚げ用の竿を手段とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凧揚げに便利で、収納し易い凧揚げ竿に関する。
【背景技術】
【0002】
魚釣りの竿を図6,7に示したように凧揚げ竿に流用したものがある(例えば、特許文献1、2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭50−78390
【特許文献2】実開平01−126299
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に述べた従来の凧揚げ竿には、次のような欠点があった。
魚釣りの道具のような竿とリールを使用した図6及び図7の凧揚げ竿に関しては、扱いが難しく、誰でも揚げられるという物ではなかった、また構成要素が多いために、凧に比較して高価になって、凧一個一個と一緒に、提供できるものではなかった。また、荷姿が大きくて、収納し難いという欠点があった。
【0005】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題や、欠点を解決しようとするものであり、室内においても使用でき、従来品に比較して、安価に凧一個一個と一緒に提供でき、収納に際しては、従来の凧揚げ竿に比較して、荷姿が小さく、収納し易くすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、本発明の凧揚げ竿は、取っ手部1と、取っ手部の先端に取り付けられた竿2と、取っ手部の基端に設けられ、撓ませた竿の先端を基端に係止する係止手段3と、竿の先端に設けられ、凧の糸目を連結する連結部4とからなることを特徴とした。
【0007】
また、第2の解決手段は、前記取っ手部に、凧糸が巻かれた糸巻き部を平板状に配置する構成としたことを特徴とした。
【0008】
上記第1の解決手段による作用は、次の通りである。収納時は、竿2を曲げた状態で竿2の先端側を取っ手部1の基端側に係止部3によって係止することが出来る。
【0009】
また、第2の解決手段による作用は、次の通りである。すなわち屋外での使用時には、取っ手部1に設けられた糸巻き部5から伸ばした凧糸6を、連結部4を介して凧の糸目7に連結して、凧を揚げる作用がある。また収納時には、平板状に極めて薄く小さく収納出来る作用がある。
【発明の効果】
【0010】
本発明の凧揚げ竿は、収納時には、竿2を撓ませて、竿2の先端の連結部4を取っ手部1の基端に近づけ、係止手段3を基端に係止することで、使用時に比較して薄く小さく収納できる効果がある。
【0011】
また、第2の問題解決手段による作用は、屋外で揚げるに際して、収納時は使用時に比較して、小さく収納できるうえ、更に凧揚げ竿2と糸巻き部5が、平板状に配置されているので、薄く収まり、手軽に持ち運べる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】 本発明にかかる凧揚げ竿の収納状態を示す平面図
【図2】 凧揚げ竿の使用状態を示す説明図
【図3】 凧揚げ竿の他の使用状態を示す説明図
【図4】 他の凧揚げ竿の収納状態を示す平面図
【図5】 他の凧揚げ竿の収納状態を示す平面図
【図6】 従来の凧揚げ竿を示す図
【図7】 従来の凧揚げ竿を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための、最良の形態を図1に基づいて説明する。
【0014】
図1は、凧揚げ竿が収納された状態を示す図である。凧揚げ竿は取っ手部1の先端に可撓性を有する竿2を差し込んで、連結固定し、その先端に、眼などの怪我を防止する保護部材を取り付けて、これに連結部としての輪4を取り付けている。収納時は竿2を曲げた状態で竿2の先端側を取っ手部1の基端側に係止するストラップ紐3が設けられている。この竿の材質には、グラスファイバーの棒に被服を施した、農業用ビニールトンネルの支えに曲げて用いる直径4ミリメートル程度の棒材を流用している。糸巻き部6は、取っ手1の、木製の棒状角材と釘を使用しているが、糸巻き部分の形状は、回転する糸巻き部分を付けても構わない。また樹脂製にする方法もある。また環状に維持する方法には、この例のように、ストラップ紐を用いる以外に、取っ手部1の基端に、フックを取り付けるとか、ストラップ紐以外の材料を用いることも出来る。なお図1において、竿の太さ及び凧糸の太さは、省略して1本の線で表している。
【0015】
以下、上記構成の動作を説明する、図1の最良の形態によれば、使用時は図2に示したとおり、魚釣りの竿のように先端部分だけが大きく撓むことがなく、振り始めに、床面に置いた幟凧に素早く初速を与えることが出来、糸目部分を曳かれて生じた揚力で、舞い上がった幟凧が長さ方向の中間で上下にうねるために、振られる竿の先端の接線方向に抵抗力を与え、凧揚げ竿が撓んでエネルギーを蓄え、続いて竿の撓みが戻る際に凧の頭部骨格を主とした幟凧の質量に加速度を加えて、その結果生じた慣性力で、上半身と腕と竿と糸目の部分の長さとを合算した長さの半径の大きな円弧を描く動作によって、糸目に付いた糸の長さ眼一杯に幟凧が大きく頭上に遊泳する。これによって日常凧を使う場面が拡大される。なお図2において、竿の太さ及び凧糸の太さは、省略して1本の線で表している。
【0016】
また、第1と第2の問題解決手段を総合して用いることで、初心者や幼児でも、簡単に動き、屋外で用いるに際しては、屋内用と同じ凧揚げ竿がそのまま使用できて、体が風を遮る影響が少なく、手元から直接にその場で揚がるので、事故の原因となり易い駆け出す凧揚げの動作が不要となる。したがって、図3に示したように、屋内用と同じ凧揚げ竿を使用して車椅子の上からでも、容易に揚がるという効果を発揮するものである。なお図3において、竿の太さ及び凧糸の太さは、省略して1本の線で表している。
【0017】
さらに、以上の効果以外にも、雪国などで、屋内の冬季の楽しみとして室内で揚がり、凧揚げをする環境の無い都会に於いても、凧に絵を描く行事などと共に、絵を描いた凧が室内のその場で頭上に遊泳する。学校や団体の行事においても。天候に影響されずに、教室内などに遊泳するので、凧に関する行事の計画が立てやすくなり凧が活用され易くなるものである。
【0018】
また、図1の最良の形態によれば、例えば3メートル以上の長さの幟凧などを、狭い教室や、家庭のリビングルームなどでも、前記輪と凧の糸目を繋ぎ、糸巻き部分を握って、腕の延長方向に伸ばして、頭上に振り、室内で遊泳させることで、感動を伴った、考える教材として、新しい分野を開くものである。
【0019】
また、図1の最良の形態によれば、野外の使用に関しても、従来の、凧揚げの経験のある人が、駆け出さないでも揚がる特許第3668890号の幟凧の、特徴を理解できず、いきなり駆け出す危険を避ける上で、竿に吊り下げた段階で、風を受ける部分が広くなって、うねって揚がり始めるので、駆け出さないでも済むという、安全上の効果があり、凧揚げを、暮らしの中に取り込めて、一つの産業として復活できるものである。
【0020】
また、図1の最良の形態によれば、野外で車椅子に乗った人が、風を受け流して軽く揚がる特徴を持った特許第3668890号の幟凧を揚げるに際して、竿に吊り下げたことで、体が風を遮らず、風をより受け易くなり、感動できる位に大きな凧を、より安全に揚げることが出来るという効果がある。また屋内で幟凧などを、頭上に遊泳させる人に対して、糸巻きが付いていることから、この糸巻きを使って、屋外で揚げてみたくなるように、誘導して、屋外に出ることを促すという効果がある。
【0021】
また、図1の最良の形態によれば、前記凧揚げ竿を使って、ホームパーティーをはじめ、あらゆるパーティーで、凧に寄せ書きをして、その場で皆の頭上に遊泳させて、披露し、座を盛り上げる効果があって、パーティー用品としての分野を開拓できるものである。
【0022】
また、図1の最良の形態によれば、野外の団体ハイキング行事等で誘導の目印の役割を果たすなど、新しい分野の用途が生まれる。
【0023】
また、同じ野外行事の仲間が、各地から集まるなどした際に、共通の幟凧に、チーム名のサインなどを施して、凧揚げ竿の先端に掲げ、チーム旗として使うなど、野外グループ活動の備品になる。
【0024】
図4は、他の凧揚げ竿の収納された状態を示す図である。竿2には、ばねワイヤーを用いているが、同様に曲げて収納できれば、この材料には拘らない。糸巻きの部分は、樹脂製のものを用いているが、図1と同様の木製のものにすることも出来る。なお図4において、竿の太さ及び凧糸の太さは、省略して1本の線で表している。
【0025】
図5は、図1及び図4に示したものとは異なる凧揚げ竿の、収納状態を示す図である。竿2には、ばねワイヤーを使用し、取っ手部と糸巻き部にも同じばねワイヤーを使って、一筆書きの構造で構成している。なお一筆書き構造の一端を、竿の途中まで延ばして最適なしなりを選択設定できる構造である。ばねワイヤーの交点の結束は例えばビニール被覆された針金であり、竿2のばねワイヤーに比較して極めて細い針金が用いられるが、図の上では省いている。なお図5において、竿の太さ及びばねワイヤーの太さ及び凧糸の太さは、省略して1本の線で表している。
【符合の説明】
【0026】
1 取っ手部
2 竿
3 ストラップ紐(係止手段)
4 輪(連結部)
5 糸巻き部
6 凧糸
7 糸目
8 凧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凧揚げ用の竿であって、取っ手部と、取っ手部の先端に取り付けられた竿と、取っ手部の基端に設けられ、撓ませた竿の先端を基端に係止する係止手段と、竿の先端に設けられ、凧の糸目を連結する連結部とからなることを特徴とした凧揚げ竿。
【請求項2】
前記取っ手部に、凧糸が巻かれた糸巻き部を平板状に配置する構成としたことを特徴とした請求項1記載の凧揚げ竿。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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