出力データ更新処理プログラム,出力データ更新処理方法,および出力データ更新処理装置
【課題】 入力データが表示されない入力域でのタイプミスをユーザが認識できるように支援する。
【解決手段】 識別情報受付部11は,入力装置2からユーザIDを受け付け,出力基準データ取得部12は,ユーザIDをもとにユーザの基準設定値を得る。入力データ取得部13は,入力操作を検知して入力された文字列を得て,基準設定値と各文字コードから,所定の出力データの出力態様を定めた出力設定値を計算する。出力処理部15は,出力設定値をもとに出力データの出力設定を変更して出力装置3に出力する。
【解決手段】 識別情報受付部11は,入力装置2からユーザIDを受け付け,出力基準データ取得部12は,ユーザIDをもとにユーザの基準設定値を得る。入力データ取得部13は,入力操作を検知して入力された文字列を得て,基準設定値と各文字コードから,所定の出力データの出力態様を定めた出力設定値を計算する。出力処理部15は,出力設定値をもとに出力データの出力設定を変更して出力装置3に出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,出力データの更新処理技術に関し,特に,入力データそのものが表示されない状態での入力操作において,タイプミスを抑止するために,入力データに対応して出力データを更新する処理に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパスワード認証処理では,一般的にエコー表示処理が利用される。ユーザによってパスワードとしている文字・数字等の組み合わせ(以下,単に文字列という)が入力されるが,入力された1つの文字,数字等(以下,単に文字という)の代わりに,黒丸,アスタリスク等のエコー文字が表示される。
【0003】
認証サーバ側では,文字列の入力操作の終了後に,入力された文字列を受け付けて認否を判定する。
【0004】
そして,入力された文字列が認証できなければ,パスワードの再入力操作を促し,入力操作の試行が規定回数に達した場合には,セキュリティの観点から,認証失敗と判断して,以降のユーザ操作の拒絶(ログイン不可)を設定したり,パスワードの無効を設定したりする処理が行われる。
【0005】
データの入力操作において単純なタイプミスが頻繁に発生することは良く知られている。しかし,エコー表示処理が採用されている場合には,ユーザは,自分が入力したデータの正誤を入力操作途中で確認することができない。そのため,タイプミスに気付かずに入力した文字列を認証サーバに送信してしまうことがある。
【0006】
そのため,従来手法として,入力キーごとに出力音を割り当てておき,キー操作の度に割り当てた音を出力して,出力音の連なりによって,キー操作のミスを識別できるようにする処理手法が知られている(例えば,特許文献1参照)。
【0007】
また,キャップスロック設定状態での文字入力操作であるかを,エコー文字種,文字色,カーソル形状等で示して,ユーザに気付かせる処理手法が知られている(例えば,特許文献2参照)。
【0008】
また,携帯電話等のキー操作時に,音以外の情報でキータッチまたはタッチしたキーをユーザに知らせる手法が知られている(例えば,特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平10−283321号公報
【特許文献2】特開2001−242991号公報
【特許文献3】特開2007−172199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
エコー表示されているような入力域での入力操作中に単純なタイプミスによる誤入力があったときに,ユーザ自身が直ちにタイプミスに気付くことができれば,入力データが処理される前に,文字列中の間違った文字を直ちに訂正することが期待できる。
【0010】
そして,タイプミスに起因する入力エラーを防止することができれば,以降の無用な処理負担を軽減することができる。
【0011】
例えばパスワード認証処理の場合に,認証サーバは,間違った文字を含む文字列を受け付けたときは,パスワード再入力指示,認証失敗判定後のログイン不可設定やパスワード無効化処理等が必要となり,さらに,ユーザによるパスワード再設定操作によって,パスワード再設定処理,ログイン不可設定の解除処理等の処理が必要となる。
【0012】
したがって,入力操作中のタイプミスをユーザに認識させて,誤入力データによる処理の発生を抑止することが強く要求されている。
【0013】
従来手法では,キー操作,文字に割り当てられている出力データが固定されているため,入力される文字が同じであれば,出力データである確認音,表示色等は常に同じであった。そのため,第三者が出力されたデータから入力データを推定しやすくなり,セキュリティ上の問題を生じさせるおそれがあった。
【0014】
本発明の目的は,入力されたデータに対応して表示すべき出力データの出力設定を固定化せず,ユーザに対応付けて決定できるようにして,セキュリティレベルの低下を招くことなく,タイプミスなどの入力操作誤りをユーザに認識させることができる出力データ更新処理を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために,ここに開示するプログラムは,コンピュータに,ユーザの識別情報を受け付ける処理を実行させ,ユーザの識別情報ごとに,出力すべきデータの基準設定値を示す出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する処理を実行させる。
【0016】
そして,ユーザの入力操作の検出の度に,検出した入力操作にもとづく入力データを取得する処理と,取得した入力データと,取得した出力基準データとをもとに,出力すべきデータの出力設定値を計算する処理と,計算された出力設定値にもとづいて出力すべきデータの設定を更新して出力する処理とを実行させるためのものである。
【0017】
また,ここに開示する方法は,前記プログラムが特定する内容の処理を実現する各処理過程を,コンピュータが実行するものである。
【0018】
さらに,ここに開示する装置は,前記プログラムが特定する内容の処理を実現する各処理手段を備える装置である。
【0019】
開示するプログラムによれば,コンピュータでは,入力データが表示されない状態においてユーザの入力操作があった場合に,例えば,入力される文字に対して出力すべきデータの出力態様を設定した出力設定値を,ユーザの識別情報に対応付けられた基準設定値を用いて計算し,出力すべきデータの出力態様を変更して出力することができる。
【0020】
開示するプログラムによる処理の説明のために,ユーザの入力操作による入力データ(1つの文字)に対して,出力すべきデータが入力画面の背景部であり,出力設定値が入力画面の背景の表示色である場合の処理を例とする。
【0021】
入力操作しているユーザの出力基準データとして設定された表示色(値u1)をもとに,文字が入力される度に,文字(文字コードc1)と表示色u1とにもとづいて,入力画面の背景の表示色d1を計算し,入力画面の背景色を,元の表示色(d0とする)から表示色d1へ更新する。
【0022】
さらに,次の文字(文字コードc2)が入力されると,この文字(文字コードc2)と表示色u1とにもとづいて,表示色d2を計算し,入力画面の背景色を,現在の表示色d1から表示色d2へ変更する。
【0023】
以降の入力操作によって,文字列c3,c4,c5が順に入力される度に,同様に処理して,入力画面の背景色を,表示色d3,d4,d5の順に更新する。
【0024】
したがって,ユーザが,文字c1,c2,c3,c4,c5を入力している場合は,入力画面の背景の表示色が「d0→d1→d2→d3→d4→d5」の順に変化する。
【0025】
一方で,ユーザが,文字c1,c2,c6(誤文字),c4,c5を入力した場合は,入力画面の背景の表示色が「d0→d1→d2→d6→d4→d5」の順に変化することになる。
【0026】
ユーザは,正しく文字を入力した場合の入力画面の背景色の変化の順序を記憶しておくことによって,タイプミス(誤文字c6)をした場合の入力画面の背景色の変化との相違に気付くことが期待される。そして,タイプミスを認識して,誤文字c6を訂正することが期待される。
【0027】
さらに,開示するプログラムでは,コンピュータに出力すべきデータの出力設定値を計算する処理において,入力データが最初の入力操作にもとづくものである場合は,ユーザの識別情報に対応する出力基準データ(u1)と入力された文字(文字コードc1)にもとづいて,出力設定値(表示色d1)を計算する。また,入力データが2回目以降の入力操作にもとづくものである場合には,入力された文字(文字コードc2)と,前回に計算した出力設定値d1とにもとづいて,新たな出力設定値dを計算することができる。
【0028】
この場合には,ユーザが文字c1,c2,c3,c4,c5を入力している場合は,文字c1の入力に応じて表示色d1が計算される。さらに,文字c2の入力に応じて,文字c2の値と表示色d1にもとづいて表示色d2′が計算される。さらに,文字c3の入力に応じて,文字c3の値と表示色d2′にもとづいて表示色d3′が,文字c4の入力に応じて,文字c4の値と表示色d3′にもとづいて表示色d4′が,文字c5の入力に応じて,文字c5の値と表示色d4′にもとづいて表示色d5′が,それぞれ計算される。その結果,入力画面の背景の表示色が「d0→d1→d2′→d3′→d4′→d5′」の順に変化する。
【0029】
ここで,文字c3の代わりに誤文字c6が入力された場合に,文字c6の値と表示色d2′に応じて表示色d6′が,文字c4の入力の場合には文字c4の値と表示色d6′にもとづいて表示色d7′が,文字c5の入力の場合には文字c5の値と表示色d7′にもとづいて表示色d8′が,それぞれ計算される。
【0030】
したがって,入力画面の背景の表示色が「d0→d1→d2′→d6′→d7′→d8′」の順に変化することになり,誤文字c6の入力以降の入力画面の背景色が,文字が正しく入力された場合と大きく異なる。
【0031】
その結果,ユーザは,文字c6の入力直後に生じる入力画面の背景色の変化によってタイプミスを認識できるだけでなく,これ以降の文字入力で生じる入力画面の背景色が正常な入力操作の場合と大きく異なってくることによっても,タイプミスを認識することができる。よって,ユーザにタイプミスをより確実に気付かせることができる。
【発明の効果】
【0032】
開示するプログラムによれば,正しい文字列が入力された場合には出力すべきデータの出力設定値が同じように変更されて出力処理されるのに対し,入力される文字列が間違っていた場合には,間違った文字の入力操作時またはそれ以降,出力すべきデータの出力設定値の変化が正常な場合と違ったものとなる。
【0033】
これにより,ユーザに,正しく文字列を入力したかどうかを,所定のデータの出力態様の変化を通じて確認させることができ,セキュリティレベルを低下させることなく,入力操作時のタイプミスを認識させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1は,本発明の一実施例における構成例を示す図である。
【0035】
開示する出力データ更新処理装置1は,出力基準データ記憶部10,識別情報受付部11,出力基準データ取得部12,入力データ取得部13,出力設定値算出部14,出力処理部15を備える。また,開示する出力データ更新処理装置1は,ユーザが使用する入力装置2,出力装置3と接続する。
【0036】
出力基準データ記憶部10は,出力すべきデータの基準設定値を示す出力基準データを,各ユーザの識別情報に対応付けて記憶する。
【0037】
出力基準データは,出力すべきデータの出力態様を特定する基準設定値が設定されたデータである。
【0038】
出力基準データは,ユーザ情報の登録処理時にランダム生成処理によって決定される。または,出力基準データは,ユーザ情報の登録時,例えばパスワード設定時に,ユーザの指定によって決定されてもよい。
【0039】
出力設定値として,表示画面の表示色のRGB系の設定値,色相・明度・彩度を示す値,予め備えられた所定の模様パターンを特定する値等である。
【0040】
出力すべきデータは,入力操作にもとづく入力データに応じて出力処理の対象となる所定のデータであり,例えば,表示画面の背景部,表示画面の所定の部分,入力データに対応するエコー表示用文字等である。
【0041】
識別情報受付部11は,入力操作を行うユーザの識別情報(ユーザID)を受け付ける。
【0042】
出力基準データ取得部12は,出力基準データ記憶部10を参照して,識別情報受付部11で受け付けたユーザの識別情報に対応する出力基準データを取得する。
【0043】
入力データ取得部13は,入力装置2でのユーザの入力操作を検出し,検出した入力操作にもとづく入力データを取得する。
【0044】
入力データは,例えばユーザが入力装置を操作して入力した文字,数字,記号等の入力値である。
【0045】
出力設定値算出部14は,入力データ取得部13が取得した入力データと,出力基準データ取得部12が取得した出力基準データとをもとに,出力すべきデータの出力設定値を計算する。
【0046】
出力設定値算出部14は,入力データが,ユーザの最初の入力操作にもとづくものである場合に,この入力データと出力基準データ取得部12が取得した出力基準データとをもとに,出力すべきデータの出力設定値を計算し,計算した出力設定値を保持しておき,入力データが,ユーザの2番目以降の入力操作にもとづくものである場合に,この入力データと,保持しておいた前回の計算で求めた出力設定値とをもとに,出力すべきデータの出力設定値を計算することができる。
【0047】
出力処理部15は,出力設定値算出部14が計算した出力設定値にもとづいて,入力データに対して出力すべきデータの設定を更新し,出力装置に出力する。
【0048】
また,出力処理部15は,計算された出力設定値をもとに,出力すべきデータを選択的に出力することができる。
【0049】
出力データ更新処理装置1は,出力装置3としてスピーカを備え,出力処理部15が音データを出力処理できるように構成されている場合に,出力すべきデータとして音声を利用することができる。
【0050】
この場合に,出力基準データおよび出力設定値は,出力する音声データを定義する音高,和音コード等の値である。
【0051】
図1に示す出力データ更新処理装置1は,直接接続する,入力装置2で検出される入力操作にもとづく入力データを取得し,出力装置3に出力すべきデータを出力させるように出力処理を行うことができるように構成されている。
【0052】
別の構成例として,出力データ更新処理装置1は,ネットワークを介して接続されたユーザが使用する端末装置に接続する入力装置2から入力データを取得し,取得した入力データをもとに出力設定値を計算し,出力設定値をユーザの端末装置へ送信して,端末装置に接続する出力装置3で出力すべきデータをこの出力設定値にもとづいて出力処理させるように処理を行うこともできる。
【0053】
以下に,出力データ更新処理装置1の実施例を,より具体的に説明する。
〔第1の実施例〕
第1の実施例では,図1に示す構成の出力データ更新処理装置1が,出力装置3に表示されたログイン画面においてユーザがパスワードを入力する場合に,入力装置2を介してパスワード入力域に入力された文字を入力データとし,ログイン画面の背景部を出力すべきデータとして,ログイン画面の背景部の表示色を変更させて出力する処理を行う。
【0054】
図2は,第1の実施例における出力基準データ記憶部10で記憶されている出力基準データの例を示す図である。
【0055】
図3は,第1の実施例におけるログイン画面の表示例を示す図である。
【0056】
第1の実施例において,出力基準データとして,図3のログイン画面100の背景部110の初期表示色をRGB系で設定した値(以下,初期表示色という)が記憶される。出力基準データは,各ユーザ識別情報(ユーザID)に対応付けられて記憶される。
【0057】
図2では,例えば,ユーザID=CD1234に対応付けて出力基準データ「初期表示色R=123,初期表示色G=79,初期表示色B=201」が格納されている。
【0058】
また,ユーザID=CD1235に対応付けて出力基準データ「初期表示色R=89,初期表示色G=111,初期表示色B=66」が格納されている。
【0059】
図4は,第1の実施例における,ログイン画面100の背景部110の表示色の変化を説明するための図である。
【0060】
図5は,本説明で用いるユーザID,ユーザIDの出力基準データ(初期表示色),パスワード,ログイン画面背景部の初期の表示色(初期背景色)の設定例を示す図である。
【0061】
ユーザの識別情報(ユーザID)=CD1234,ユーザIDの出力基準データ(初期表示色)「123,79,201」が,出力基準データ記憶部10に格納されている。
【0062】
ユーザのパスワード=ABCDとする。
【0063】
出力データ更新処理装置1は,図3に示すログイン画面100の表示を契機として,出力データ更新処理を開始する。
【0064】
ステップS1: 出力装置3にログイン画面100が表示されたときに,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB各値は,図5に示すように,「255,255,255(白)」である。
【0065】
ステップS2: ログイン画面100のユーザID入力域120がフォーカスされ,ユーザの入力操作によって,ユーザIDが入力される。この間は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB各値は「255,255,255」のままである。
【0066】
ステップS3: ユーザがユーザID「CD1234」を入力して,パスワード入力域130にフォーカスが移動すると,識別情報受付部11が,このフォーカス移動を検知して,ユーザID入力域120で入力された文字列を取得する。
【0067】
出力基準データ取得部12は,入力された文字列(CD1234)をキーに出力基準データ記憶部10を検索して,該当するユーザIDを検索した場合には,対応する「初期表示色(123,79,201)」を取得し,メモリ上に「表示色」として保持する。
【0068】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB値を「123,79,201」に変更して表示処理を行う。これにより,表示装置3のログイン画面100の背景部110の表示色が変化する。
【0069】
ステップS4: ユーザの入力操作によって,パスワード入力域130に,文字「A」が入力されると,入力データ取得部13は,入力された文字「A」を取得する。
【0070】
出力設定値算出部14は,メモリ上に保持した「表示色(123,79,201)」と入力された文字「A」の文字コード(十進で“65”)とをもとに出力設定値を計算する。具体的には,出力設定値算出部14は,以下のように表示色RGBの各値を計算する。
【0071】
表示色R=123*65/255(色階調数−1)=31余り90
表示色G=79*65/255=20余り35
表示色B=201*65/255=51余り60
そして,計算した表示色1(RGB=90,35,60)をメモリ上に「表示色」として保持する。
【0072】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定を「90,35,60」に変更して出力処理を行う。これにより,ログイン画面100の背景部110の表示色が「123,79,201」から「90,35,60」へ変化する。
【0073】
ステップS5: ユーザの入力操作によって,パスワード入力域130に,次の文字「B」が入力されると,入力データ取得部13が文字列「A,B」を取得する。
【0074】
出力設定値算出部14は,文字「A」の文字コード(十進で“65”)と「初期表示色(123,79,201)」とをもとに出力設定値を計算する。さらに,計算した表示色1(90,35,60)と入力された文字「B」の文字コード(十進で“66”)とをもとに,以下のように,出力設定値(表示色RGB)を計算する。
【0075】
表示色R=90*66/255=23余り75
表示色G=35*66/255=9余り15
表示色B=60*66/255=15余り135
そして,計算した表示色2(RGB=75,15,135)をメモリ上に「表示色」として保持する。
【0076】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定を「75,15,135」に変更して出力処理を行う。これにより,ログイン画面の背景部の表示色が「90,35,60」から「75,15,135」へ変化する。
【0077】
ステップS6: ユーザのタイプミスによって,パスワード入力域130に,文字「c」が入力されると,入力データ取得部13が文字列「A,B,c」を取得する。
【0078】
出力設定値算出部14は,ステップS5の処理と同様にして,先頭の文字「A」を取り出し,文字「A」の文字コード(十進で“65”)と「初期表示色(123,79,201)」とをもとに出力設定値を計算する。
【0079】
さらに,計算した表示色1(90,35,60)と次の文字「B」の文字コード(十進で“66”)とをもとに,出力設定値を計算する。
【0080】
さらに,計算した表示色2(75,15,135)と入力された文字「c」の文字コード(十進で“99”)とをもとに,以下のように出力設定値を計算する。
【0081】
表示色R=75*99/255=29余り30
表示色G=15*99/255=5余り210
表示色B=135*99/255=52余り105
そして,計算した表示色3(RGB=30,210,105)をメモリ上に「表示色」として保持する。
【0082】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定を「30,210,105」に変更して出力処理を行う。これにより,ログイン画面100の背景部110の表示色が「75,15,135」から「30,210,105」へ変化する。
【0083】
ステップS7: ユーザは,ログイン画面100の背景部110の表示色が「30,210,105」に変化したことによって,パスワードの3番目の文字入力操作でタイプミスをしたことに気付く。
【0084】
パスワード入力域130に正しい文字「C」が入力されている場合には,入力データ取得部13で文字列「A,B,C」が取得されるため,出力設定値算出部14では,文字「C」の文字コード(十進で“67”)から出力設定値を計算し,表示色(RGB=180,240,120)が計算され,表示色出力処理部15によって,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定が「180,240,120」に変更されるはずだからである。
【0085】
タイプミスに気付いたユーザの操作によって,バックスペース(BackSpace)キーが押下されて,直前に入力した文字「c」が消去される。
【0086】
すると,入力データ取得部13が,パスワード入力域130での文字列の変化をチェックし,文字「c」の消去を検出する。
【0087】
入力データ取得部13は,この文字消去の検出を受けて,パスワード入力域130に入力されている文字列「A,B」を取得する。
【0088】
すると,出力設定値算出部14が,ステップS5の処理と同様にして,文字列の先頭の文字の文字コードを用いて,順に出力設定値を計算し,最後に求めた表示色2(RGB=75,15,135)をメモリ上に「表示色」として保持する。
【0089】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定を「75,15,135」に変更して出力処理を行う。これにより,ログイン画面の背景部の表示色が「75,15,135」へ戻る。
【0090】
ステップS8: ユーザの入力操作によって,パスワード入力域130に,文字「C」が再入力されると,入力データ取得部13が文字「A,B,C」を取得する。
【0091】
出力設定値算出部14は,ステップS5の処理と同様にして,初期表示色(123,79,201)と先頭の文字「A」の文字コード(十進で“65”)とをもとに出力設定値を計算し,計算結果と次の文字「B」の文字コード(十進で“66”)とをもとに出力設定値を計算し,計算結果と次の文字「C」の文字コード(十進で“67”)とをもとに出力設定値を計算し,計算した表示色4(RGB=180,240,120)をメモリ上に「表示色」として保持する。
【0092】
出力処理部15は,メモリ上の表示色の書き換えを受けて,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定を「180,240,120」に変更して出力処理を行う。これにより,ログイン画面100の背景部110の表示色が「75,15,135」から「180,240,120」へ変化する。
【0093】
ユーザは,ログイン画面100の背景部110の表示色が「180,240,120」に変化したことにより,正しい文字を入力したことを確認することができる。
【0094】
ステップS9: ユーザの入力操作によって,パスワード入力域130に,文字「D」が入力されると,入力データ取得部13は,文字列「A,B,C,D」を取得する。
【0095】
出力設定値算出部14は,ステップS8の処理と同様にして,出力設定値を計算し,計算した表示色5(RGB=0,0,0)をメモリ上に「表示色」として保持する。
【0096】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定を「0,0,0」に変更して出力処理を行う。これにより,ログイン画面100の背景部110の表示色が「0,0,0」へ変化する。
【0097】
ユーザは,ログイン画面100の背景部110の表示色が,「123,79,201」,「90,35,60」,「75,15,135」,「180,240,120」の順に「0,0,0」と変化したことを見て,パスワード入力域130で文字列「ABCD」を正しく入力できたことを確認することができ,エンター(Enter)キーを押下して,パスワードの文字列の入力操作を完了することができる。
【0098】
出力データ更新処理装置1は,入力データ取得部13が,エンター(Enter)キーの操作を検出したことを契機として,出力データ更新処理の処理を終了する。
【0099】
第1の実施例において,出力設定値算出部14は,ログイン画面100の背景部110)の出力設定値として表示色のRGB値を計算する処理の他,出力基準データ記憶部10に出力基準データとして記憶された他の色情報にもとづいて出力設定値を計算してもよい。例えば,色情報が「色相,彩度,明度」の各値である場合に,これらの値を計算する。
【0100】
また,この場合に,彩度と明度とは所定の値(最大値)で固定し,色相を示す値のみを計算することによって,背景部110の表示色をパステルカラーの色調で変化させることができ,ユーザの目に優しい変化を実現することができる。
【0101】
さらに,出力設定値算出部14は,RGBの各値,または「色相,彩度,明度」の各値が“0”になることを回避する計算式を用いて計算を行ってもよい。例えば,「表示色のRGB値」と「文字コードの値」の積を「全輝度数−1(255)」で割った余りに1を加算して求めるようにしてもよい。
【0102】
また,出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色を変更する場合に,所定の出力変更時間(例えば,1秒間)で徐々に出力設定を変化させるように表示処理を行うことができる。これにより,表示色の変化が緩やかになり,ユーザの目に優しい変化を実現することができる。
〔第2の実施例〕
第2の実施例では,出力データ更新処理装置1は,第1の実施例とほぼ同様の処理を行い,ただし,出力すべきデータとして,ログイン画面100の所定の領域である出力更新表示部140の模様パターンを変更させて出力する。
【0103】
図6は,第2の実施例において,出力すべきデータの出力態様として使用する模様パターン例を示す図である。
【0104】
図7は,第2の実施例におけるログイン画面の表示例を示す図である。
【0105】
第2の実施例では,出力処理部15は,図6に示すような模様パターンデータを保持しておく。出力処理部15は,図7のログイン画面100の出力更新表示部140の出力設定値に対応する模様パターンを用いて出力処理を行う。
【0106】
図8は,第2の実施例における出力基準データ記憶部10で記憶されている出力基準データの例を示す図である。出力基準データとして,パスワード入力完了時に,図7のログイン画面100の出力更新表示部140に表示される模様パターンを示す値(初期表示模様)が,各ユーザ識別情報(ユーザID)に対応付けて格納されている。
【0107】
第2の実施例では,ユーザID入力域120がフォーカスされ,ユーザの入力操作によって,ユーザIDが入力されている間は,出力更新表示部140は無模様であるとする。
【0108】
ユーザの入力操作によってユーザID入力域120にユーザID「CD1234」が入力された後,パスワード入力域130にフォーカスが移動すると,識別情報受付部11が,このフォーカスの移動を検知し,ユーザID入力域120で入力されたユーザIDを取得する。
【0109】
出力基準データ取得部12は,入力されたユーザID(CD1234)をキーに出力基準データ記憶部10を検索して,該当する「初期表示模様(3)」を取得して,メモリ上に「表示模様」として保持する。
【0110】
出力処理部15は,図7に示すように,ログイン画面100の出力更新表示部140を出力設定値「3」に対応する模様パターンで表示する出力処理を行う。
【0111】
その後,ユーザの入力操作によって,パスワード入力域130に,文字「A」が入力されると,入力データ取得部13は,入力された文字「A」を取得する。
【0112】
出力設定値算出部14は,「初期表示模様(3)」と入力された文字「A」の文字コード(十進で“65”)とを取得し,模様パターン数=64のときに,以下のように,出力設定値を計算する。
【0113】
表示模様=(3+65)/64(模様パターン数)=1余り4
そして,計算した表示模様1(模様=4)をメモリ上に「表示模様」として保持する。
【0114】
出力処理部15は,ログイン画面100の出力更新表示部140の模様設定を「4」に変更して出力処理を行う。これにより,図9に示すように,ログイン画面100の出力更新表示部140の模様パターンは「3」から「4」へ変化する。
【0115】
以降,第1の実施例と同様に処理が行われ,ログイン画面100の出力更新表示部140の模様パターンは,「3」から順に「4」,「6」と変化し,文字「c」が入力されると模様パターンが「41」に変化するので,ユーザはタイプミスに気付くことができる。
【0116】
そして,間違った文字の消去と再入力の後,ユーザは,模様パターンが「9」,「13」と変化したことにより,パスワードの文字列「ABCD」を正しく入力できたことを確認することができる。
〔第3の実施例〕
第3の実施例では,出力データ更新処理装置1は,出力すべきデータとして,所定の和音コードを変化させた音データを用いる。
【0117】
第3の実施例において,出力処理部15は,出力設定値として設定された音高または和音コードで定義された音または和音の音データを生成して出力する。
【0118】
図10は,第3の実施例において,図3に示すログイン画面100の表示中に出力される音データを特定する出力設定値として定義される和音コード例を示す図である。
【0119】
また,第3の実施例では,出力基準データとして,図3に示すログイン画面100の表示中に,パスワード入力の完了時に出力される和音コードを示す値(初期和音コード)が,各ユーザ識別情報(ユーザID)に対応付けられて記憶される。
【0120】
第3の実施における出力設定値の算出処理は,第2の実施例とほぼ同様である。
【0121】
第3の実施例では,出力設定値算出部14は,出力基準データとして設定された初期和音コードと入力された文字の文字コードとをもとに出力設定値を計算し,出力処理部15は,出力設定値に対応する和音コードの定義によって生成した音データを出力する。ユーザは,スピーカを備えた出力装置3によってこの音データを聴取することができる。
【0122】
図11および図12は,第1の実施例の場合の出力データ更新処理装置1の処理フロー図である。
【0123】
出力データ更新処理装置1の識別情報受付部11は,ログイン画面100のパスワード入力域130にフォーカスが移ったことを検出したら(ステップS10のY),ユーザID入力域120にユーザIDが入力されているかを調べて(ステップS11),ユーザIDが入力されていれば(ステップS11のY),そのユーザIDを取得する(ステップS12)。
【0124】
出力基準データ取得部12は,出力基準データ記憶部10を参照して,取得したユーザIDに対応する初期表示色を検索する(ステップS13)。初期表示色の検索に成功したら(ステップS14のY),出力基準データ取得部12は,検索した初期表示色を「表示色」として決定し,メモリ上に格納する(ステップS15)。また,出力設定算出部14は,検索された初期表示色を保持する(ステップS16)。
【0125】
そして,入力データ取得部13は,ログイン画面100のパスワード入力域130にパスワード(文字列)が入力されていれば,これを取得し(ステップS17のY),出力設定値算出部14は,入力されたパスワード(文字列)の先頭から順に1文字ずつ着目して(ステップS18),現在メモリ上に保持している「表示色」と,着目した文字の文字コードから,新しい表示色(出力設定値)を決定し,メモリ上の「表示色」を書き換える(ステップS19)。
【0126】
そして,入力されたパスワード(文字列)に着目していない文字がある間(ステップS20のY),ステップS18およびステップS19の処理を繰り返す。そして,入力されたパスワード(文字列)に着目していない文字がなくなったら(ステップS20のN),出力処理部15に通知する。
【0127】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景色(背景部110の表示色)を,メモリ上に保持されている「表示色」に変更して出力処理し(ステップS21),処理を終了する。
【0128】
また,ユーザIDが入力されていない場合(ステップS11のN),または出力基準データ記憶部10で初期表示色の検索に成功しなかった場合(ステップS14のN)には,処理を終了する。
【0129】
図13は,第1の実施例における出力データ更新処理装置1の別の処理例の処理フロー図である。
【0130】
この別の処理例において,図13に示す処理フローは,図11に示すステップS10〜ステップS16までの処理が実行された後に実行される。
【0131】
入力データ取得部13は,ログイン画面100のパスワード入力域130に変化があったかを判定する(ステップS30)。パスワード入力域130の変化とは,入力された文字が消去されたり,追加されたりすることを示す。
【0132】
入力データ取得部13は,パスワード入力域130に変化があれば(ステップS30のY),その変化が,入力されたパスワード(文字列)の末尾に文字が追加されたことによる変化でなければ(ステップS31のN),出力基準データ記憶部10から取得した初期表示色を「表示色」に採用し(ステップS32),入力されたパスワード(文字列)の先頭から順に1文字ずつ着目して(ステップS33),現在メモリ上に保持している「表示色」と,着目した文字の文字コードから,新しい表示色(出力設定値)を決定し,メモリ上の「表示色」書き換える(ステップS34)。
【0133】
そして,入力されたパスワード(文字列)に着目していない文字がある間(ステップS35のY),ステップS33およびステップS34の処理を繰り返す。そして,入力されたパスワード(文字列)に着目していない文字がなくなったら(ステップS35のN),出力処理部15に通知する。
【0134】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景色(背景部110の表示色)を,メモリ上に保持されている「表示色」に変更して出力処理し(ステップS36),処理を終了する。
【0135】
また,入力データ取得部13は,その変化が,入力されたパスワード(文字列)の末尾に文字が追加されたことによる変化であれば(ステップS31のY),現在メモリ上に保持している「表示色」と,着目した文字の文字コードから,新しい表示色(出力設定値)を決定し,メモリ上の「表示色」書き換え(ステップS37),ステップS36の処理を行う。
【0136】
以上,本発明をその実施の形態により説明したが,本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。
【0137】
開示した出力データ更新処理装置1によれば,入力データが表示されない状態において,入力された文字に対応して出力するデータを,ユーザに対応付けて決定することができる。よって,同じ文字列が入力された場合でも,ユーザごとに異なった出力の変化を実現することができる。
【0138】
また,入力された文字に対応して出力するデータを,ユーザと,既に入力された文字の並びにもとづいて決定することができる。よって,同じ文字が入力されても,先だって入力された他の文字との関係によって異なった出力の変化を実現することができる。
【0139】
したがって,ユーザごと,入力される文字の並びごとに,さまざまな出力データの出力変化のバリエーションを生成することができ,セキュリティのレベルを低下させずに,タイプミスなどの入力操作誤りをユーザに認識させることができる。
【0140】
出力データ更新処理装置1は,コンピュータにより読み取られ実行されるプログラムとして実施することができる。このプログラムは,コンピュータが読み取り可能な,可搬媒体メモリ,半導体メモリ,ハードディスクなどの適当な記録媒体に格納することができ,これらの記録媒体に記録して提供され,または,通信インタフェースを介して種々の通信網を利用した送受信により提供されるものである。
【0141】
以上の第1〜第3の実施例を含む実施形態に関し,さらに,以下の付記を開示する。
【0142】
(付記1) ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付処理と,
ユーザの識別情報ごとに,出力すべきデータの基準設定値を示す出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得処理と,
ユーザの入力操作の検出の度に,当該検出した入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得処理と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,出力すべきデータの出力設定値を計算する出力設定値算出処理と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記出力すべきデータの設定を更新して出力する出力処理とを,
コンピュータに実行させるための
出力データ更新処理プログラム。
【0143】
(付記2) 前記出力値算出処理では,前記入力データが最初の入力操作にもとづくものである場合に,前記入力データと前記取得した出力基準データとをもとに前記出力すべきデータの出力設定値を計算し,当該計算した出力設定値を保持し,前記入力データが2番目以降の入力操作にもとづくものである場合に,当該入力データと前回の計算で求めた出力設定値とをもとに前記出力設定値を計算する処理を行う
ことを特徴とする
前記付記1記載の出力データ更新処理プログラム。
【0144】
(付記3) 前記出力処理では,
前記計算された出力設定値をもとに,前記出力すべきデータを選択的に出力する
ことを特徴とする
前記付記1または付記2記載の出力データ更新処理プログラム。
【0145】
(付記4) 前記入力データ取得処理では,エコー表示処理の対象となるデータ入力領域におけるユーザの入力操作を検出する
ことを特徴とする
前記付記1ないし付記3のいずれか一項に記載の出力データ更新処理プログラム。
【0146】
(付記5) 前記出力基準データ記憶部に,前記出力基準データとして,各ユーザに対応付けた前記出力すべきデータの表示色の設定値が記憶され,
前記出力設定値算出処理では,前記出力設定値として,前記出力すべきデータの表示色の設定値を計算し,
前記出力処理では,前記出力設定値として設定された表示色により前記出力すべきデータを出力する
ことを特徴とする
前記付記1ないし付記4のいずれか一項に記載の出力データ更新処理プログラム。
【0147】
(付記6) 前記出力基準データ記憶部に,前記出力基準データとして,各ユーザに対応付けた前記出力すべきデータの音高または和音コードを特定する値が記憶され,
前記出力設定値算出処理では,音高またはコードと出力設定値との対応関係を記憶する音設定データを記憶する音設定データ記憶手段を参照して,前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに算出した出力設定値から,出力すべきデータとなる音高または和音コードを特定し,
前記出力処理では,前記特定された音高または和音コードにもとづいて前記出力すべきデータを出力する
ことを特徴とする
前記付記1に記載の出力データ更新処理プログラム。
【0148】
(付記7) ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付処理と,
ユーザの識別情報ごとに,パスワード入力画面の所定領域の表示色値を示す出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得処理と,
パスワード入力画面においてパスワード入力域でのキー入力操作の検出の度に,当該検出したキー入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得処理と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,前記パスワード入力画面の処理領域の表示色を示す出力設定値を計算する出力設定値算出処理と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記パスワード入力画面の所定領域の表示色を更新して出力する出力処理とを,
コンピュータに実行させるための
出力データ更新処理プログラム。
【0149】
(付記8) 入力装置および出力装置を備えるコンピュータが実行する処理方法であって,
ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付処理過程と,
ユーザの識別情報ごとに,出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得処理過程と,
ユーザの入力操作の検出の度に,当該検出した入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得処理過程と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,出力データの出力設定値を計算する出力設定値算出処理過程と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記出力データの設定を更新して出力する出力処理過程とを備える
ことを特徴とする
出力データ更新処理方法。
【0150】
(付記9) ユーザの識別情報ごとに,出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部と,
ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付手段と,
前記出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得手段と,
ユーザの入力操作の検出の度に,当該検出した入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得手段と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,出力データの出力設定値を計算する出力設定値算出手段と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記出力データの設定を更新して出力する出力処理手段とを備える
ことを特徴とする
出力データ更新処理装置。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】本発明の一実施例における構成例を示す図である。
【図2】第1の実施例における出力基準データ記憶部で記憶されている出力基準データの例を示す図である。
【図3】第1の実施例におけるログイン画面の表示例を示す図である。
【図4】第1の実施例における出力データ更新処理装置の処理による,ログイン画面背景部の表示色の変化を説明するための図である。
【図5】第1の実施例の説明で用いるユーザID,ユーザIDの出力基準データ(初期表示色),パスワード,ログイン画面背景部の初期の表示色(初期背景色)の設定例を示す図である。
【図6】第2の実施例において,ログイン画面の出力更新表示部に表示される模様パターン例を示す図である。
【図7】第2の実施例におけるログイン画面の表示例を示す図である。
【図8】第2の実施例における出力基準データ記憶部で記憶されている出力基準データの例を示す図である。
【図9】第2の実施例において,出力更新表示部の模様パターンが変更されたログイン画面の表示例を示す図である。
【図10】第3の実施例において,出力すべきデータである音データを定義する和音コード例を示す図である。
【図11】第1の実施例における出力データ更新処理装置の出力データ更新処理の処理フロー図(その1)である。
【図12】第1の実施例における出力データ更新処理装置の出力データ更新処理の処理フロー図(その2)である。
【図13】第1の実施例における出力データ更新処理装置の別の出力データ更新処理の処理フロー図である。
【符号の説明】
【0152】
1 出力データ更新処理装置
10 出力基準データ記憶部
11 識別情報受付部
12 出力基準データ取得部
13 入力データ取得部
14 出力設定値算出部
15 出力処理部
2 入力装置
3 出力装置
【技術分野】
【0001】
本発明は,出力データの更新処理技術に関し,特に,入力データそのものが表示されない状態での入力操作において,タイプミスを抑止するために,入力データに対応して出力データを更新する処理に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパスワード認証処理では,一般的にエコー表示処理が利用される。ユーザによってパスワードとしている文字・数字等の組み合わせ(以下,単に文字列という)が入力されるが,入力された1つの文字,数字等(以下,単に文字という)の代わりに,黒丸,アスタリスク等のエコー文字が表示される。
【0003】
認証サーバ側では,文字列の入力操作の終了後に,入力された文字列を受け付けて認否を判定する。
【0004】
そして,入力された文字列が認証できなければ,パスワードの再入力操作を促し,入力操作の試行が規定回数に達した場合には,セキュリティの観点から,認証失敗と判断して,以降のユーザ操作の拒絶(ログイン不可)を設定したり,パスワードの無効を設定したりする処理が行われる。
【0005】
データの入力操作において単純なタイプミスが頻繁に発生することは良く知られている。しかし,エコー表示処理が採用されている場合には,ユーザは,自分が入力したデータの正誤を入力操作途中で確認することができない。そのため,タイプミスに気付かずに入力した文字列を認証サーバに送信してしまうことがある。
【0006】
そのため,従来手法として,入力キーごとに出力音を割り当てておき,キー操作の度に割り当てた音を出力して,出力音の連なりによって,キー操作のミスを識別できるようにする処理手法が知られている(例えば,特許文献1参照)。
【0007】
また,キャップスロック設定状態での文字入力操作であるかを,エコー文字種,文字色,カーソル形状等で示して,ユーザに気付かせる処理手法が知られている(例えば,特許文献2参照)。
【0008】
また,携帯電話等のキー操作時に,音以外の情報でキータッチまたはタッチしたキーをユーザに知らせる手法が知られている(例えば,特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平10−283321号公報
【特許文献2】特開2001−242991号公報
【特許文献3】特開2007−172199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
エコー表示されているような入力域での入力操作中に単純なタイプミスによる誤入力があったときに,ユーザ自身が直ちにタイプミスに気付くことができれば,入力データが処理される前に,文字列中の間違った文字を直ちに訂正することが期待できる。
【0010】
そして,タイプミスに起因する入力エラーを防止することができれば,以降の無用な処理負担を軽減することができる。
【0011】
例えばパスワード認証処理の場合に,認証サーバは,間違った文字を含む文字列を受け付けたときは,パスワード再入力指示,認証失敗判定後のログイン不可設定やパスワード無効化処理等が必要となり,さらに,ユーザによるパスワード再設定操作によって,パスワード再設定処理,ログイン不可設定の解除処理等の処理が必要となる。
【0012】
したがって,入力操作中のタイプミスをユーザに認識させて,誤入力データによる処理の発生を抑止することが強く要求されている。
【0013】
従来手法では,キー操作,文字に割り当てられている出力データが固定されているため,入力される文字が同じであれば,出力データである確認音,表示色等は常に同じであった。そのため,第三者が出力されたデータから入力データを推定しやすくなり,セキュリティ上の問題を生じさせるおそれがあった。
【0014】
本発明の目的は,入力されたデータに対応して表示すべき出力データの出力設定を固定化せず,ユーザに対応付けて決定できるようにして,セキュリティレベルの低下を招くことなく,タイプミスなどの入力操作誤りをユーザに認識させることができる出力データ更新処理を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために,ここに開示するプログラムは,コンピュータに,ユーザの識別情報を受け付ける処理を実行させ,ユーザの識別情報ごとに,出力すべきデータの基準設定値を示す出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する処理を実行させる。
【0016】
そして,ユーザの入力操作の検出の度に,検出した入力操作にもとづく入力データを取得する処理と,取得した入力データと,取得した出力基準データとをもとに,出力すべきデータの出力設定値を計算する処理と,計算された出力設定値にもとづいて出力すべきデータの設定を更新して出力する処理とを実行させるためのものである。
【0017】
また,ここに開示する方法は,前記プログラムが特定する内容の処理を実現する各処理過程を,コンピュータが実行するものである。
【0018】
さらに,ここに開示する装置は,前記プログラムが特定する内容の処理を実現する各処理手段を備える装置である。
【0019】
開示するプログラムによれば,コンピュータでは,入力データが表示されない状態においてユーザの入力操作があった場合に,例えば,入力される文字に対して出力すべきデータの出力態様を設定した出力設定値を,ユーザの識別情報に対応付けられた基準設定値を用いて計算し,出力すべきデータの出力態様を変更して出力することができる。
【0020】
開示するプログラムによる処理の説明のために,ユーザの入力操作による入力データ(1つの文字)に対して,出力すべきデータが入力画面の背景部であり,出力設定値が入力画面の背景の表示色である場合の処理を例とする。
【0021】
入力操作しているユーザの出力基準データとして設定された表示色(値u1)をもとに,文字が入力される度に,文字(文字コードc1)と表示色u1とにもとづいて,入力画面の背景の表示色d1を計算し,入力画面の背景色を,元の表示色(d0とする)から表示色d1へ更新する。
【0022】
さらに,次の文字(文字コードc2)が入力されると,この文字(文字コードc2)と表示色u1とにもとづいて,表示色d2を計算し,入力画面の背景色を,現在の表示色d1から表示色d2へ変更する。
【0023】
以降の入力操作によって,文字列c3,c4,c5が順に入力される度に,同様に処理して,入力画面の背景色を,表示色d3,d4,d5の順に更新する。
【0024】
したがって,ユーザが,文字c1,c2,c3,c4,c5を入力している場合は,入力画面の背景の表示色が「d0→d1→d2→d3→d4→d5」の順に変化する。
【0025】
一方で,ユーザが,文字c1,c2,c6(誤文字),c4,c5を入力した場合は,入力画面の背景の表示色が「d0→d1→d2→d6→d4→d5」の順に変化することになる。
【0026】
ユーザは,正しく文字を入力した場合の入力画面の背景色の変化の順序を記憶しておくことによって,タイプミス(誤文字c6)をした場合の入力画面の背景色の変化との相違に気付くことが期待される。そして,タイプミスを認識して,誤文字c6を訂正することが期待される。
【0027】
さらに,開示するプログラムでは,コンピュータに出力すべきデータの出力設定値を計算する処理において,入力データが最初の入力操作にもとづくものである場合は,ユーザの識別情報に対応する出力基準データ(u1)と入力された文字(文字コードc1)にもとづいて,出力設定値(表示色d1)を計算する。また,入力データが2回目以降の入力操作にもとづくものである場合には,入力された文字(文字コードc2)と,前回に計算した出力設定値d1とにもとづいて,新たな出力設定値dを計算することができる。
【0028】
この場合には,ユーザが文字c1,c2,c3,c4,c5を入力している場合は,文字c1の入力に応じて表示色d1が計算される。さらに,文字c2の入力に応じて,文字c2の値と表示色d1にもとづいて表示色d2′が計算される。さらに,文字c3の入力に応じて,文字c3の値と表示色d2′にもとづいて表示色d3′が,文字c4の入力に応じて,文字c4の値と表示色d3′にもとづいて表示色d4′が,文字c5の入力に応じて,文字c5の値と表示色d4′にもとづいて表示色d5′が,それぞれ計算される。その結果,入力画面の背景の表示色が「d0→d1→d2′→d3′→d4′→d5′」の順に変化する。
【0029】
ここで,文字c3の代わりに誤文字c6が入力された場合に,文字c6の値と表示色d2′に応じて表示色d6′が,文字c4の入力の場合には文字c4の値と表示色d6′にもとづいて表示色d7′が,文字c5の入力の場合には文字c5の値と表示色d7′にもとづいて表示色d8′が,それぞれ計算される。
【0030】
したがって,入力画面の背景の表示色が「d0→d1→d2′→d6′→d7′→d8′」の順に変化することになり,誤文字c6の入力以降の入力画面の背景色が,文字が正しく入力された場合と大きく異なる。
【0031】
その結果,ユーザは,文字c6の入力直後に生じる入力画面の背景色の変化によってタイプミスを認識できるだけでなく,これ以降の文字入力で生じる入力画面の背景色が正常な入力操作の場合と大きく異なってくることによっても,タイプミスを認識することができる。よって,ユーザにタイプミスをより確実に気付かせることができる。
【発明の効果】
【0032】
開示するプログラムによれば,正しい文字列が入力された場合には出力すべきデータの出力設定値が同じように変更されて出力処理されるのに対し,入力される文字列が間違っていた場合には,間違った文字の入力操作時またはそれ以降,出力すべきデータの出力設定値の変化が正常な場合と違ったものとなる。
【0033】
これにより,ユーザに,正しく文字列を入力したかどうかを,所定のデータの出力態様の変化を通じて確認させることができ,セキュリティレベルを低下させることなく,入力操作時のタイプミスを認識させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1は,本発明の一実施例における構成例を示す図である。
【0035】
開示する出力データ更新処理装置1は,出力基準データ記憶部10,識別情報受付部11,出力基準データ取得部12,入力データ取得部13,出力設定値算出部14,出力処理部15を備える。また,開示する出力データ更新処理装置1は,ユーザが使用する入力装置2,出力装置3と接続する。
【0036】
出力基準データ記憶部10は,出力すべきデータの基準設定値を示す出力基準データを,各ユーザの識別情報に対応付けて記憶する。
【0037】
出力基準データは,出力すべきデータの出力態様を特定する基準設定値が設定されたデータである。
【0038】
出力基準データは,ユーザ情報の登録処理時にランダム生成処理によって決定される。または,出力基準データは,ユーザ情報の登録時,例えばパスワード設定時に,ユーザの指定によって決定されてもよい。
【0039】
出力設定値として,表示画面の表示色のRGB系の設定値,色相・明度・彩度を示す値,予め備えられた所定の模様パターンを特定する値等である。
【0040】
出力すべきデータは,入力操作にもとづく入力データに応じて出力処理の対象となる所定のデータであり,例えば,表示画面の背景部,表示画面の所定の部分,入力データに対応するエコー表示用文字等である。
【0041】
識別情報受付部11は,入力操作を行うユーザの識別情報(ユーザID)を受け付ける。
【0042】
出力基準データ取得部12は,出力基準データ記憶部10を参照して,識別情報受付部11で受け付けたユーザの識別情報に対応する出力基準データを取得する。
【0043】
入力データ取得部13は,入力装置2でのユーザの入力操作を検出し,検出した入力操作にもとづく入力データを取得する。
【0044】
入力データは,例えばユーザが入力装置を操作して入力した文字,数字,記号等の入力値である。
【0045】
出力設定値算出部14は,入力データ取得部13が取得した入力データと,出力基準データ取得部12が取得した出力基準データとをもとに,出力すべきデータの出力設定値を計算する。
【0046】
出力設定値算出部14は,入力データが,ユーザの最初の入力操作にもとづくものである場合に,この入力データと出力基準データ取得部12が取得した出力基準データとをもとに,出力すべきデータの出力設定値を計算し,計算した出力設定値を保持しておき,入力データが,ユーザの2番目以降の入力操作にもとづくものである場合に,この入力データと,保持しておいた前回の計算で求めた出力設定値とをもとに,出力すべきデータの出力設定値を計算することができる。
【0047】
出力処理部15は,出力設定値算出部14が計算した出力設定値にもとづいて,入力データに対して出力すべきデータの設定を更新し,出力装置に出力する。
【0048】
また,出力処理部15は,計算された出力設定値をもとに,出力すべきデータを選択的に出力することができる。
【0049】
出力データ更新処理装置1は,出力装置3としてスピーカを備え,出力処理部15が音データを出力処理できるように構成されている場合に,出力すべきデータとして音声を利用することができる。
【0050】
この場合に,出力基準データおよび出力設定値は,出力する音声データを定義する音高,和音コード等の値である。
【0051】
図1に示す出力データ更新処理装置1は,直接接続する,入力装置2で検出される入力操作にもとづく入力データを取得し,出力装置3に出力すべきデータを出力させるように出力処理を行うことができるように構成されている。
【0052】
別の構成例として,出力データ更新処理装置1は,ネットワークを介して接続されたユーザが使用する端末装置に接続する入力装置2から入力データを取得し,取得した入力データをもとに出力設定値を計算し,出力設定値をユーザの端末装置へ送信して,端末装置に接続する出力装置3で出力すべきデータをこの出力設定値にもとづいて出力処理させるように処理を行うこともできる。
【0053】
以下に,出力データ更新処理装置1の実施例を,より具体的に説明する。
〔第1の実施例〕
第1の実施例では,図1に示す構成の出力データ更新処理装置1が,出力装置3に表示されたログイン画面においてユーザがパスワードを入力する場合に,入力装置2を介してパスワード入力域に入力された文字を入力データとし,ログイン画面の背景部を出力すべきデータとして,ログイン画面の背景部の表示色を変更させて出力する処理を行う。
【0054】
図2は,第1の実施例における出力基準データ記憶部10で記憶されている出力基準データの例を示す図である。
【0055】
図3は,第1の実施例におけるログイン画面の表示例を示す図である。
【0056】
第1の実施例において,出力基準データとして,図3のログイン画面100の背景部110の初期表示色をRGB系で設定した値(以下,初期表示色という)が記憶される。出力基準データは,各ユーザ識別情報(ユーザID)に対応付けられて記憶される。
【0057】
図2では,例えば,ユーザID=CD1234に対応付けて出力基準データ「初期表示色R=123,初期表示色G=79,初期表示色B=201」が格納されている。
【0058】
また,ユーザID=CD1235に対応付けて出力基準データ「初期表示色R=89,初期表示色G=111,初期表示色B=66」が格納されている。
【0059】
図4は,第1の実施例における,ログイン画面100の背景部110の表示色の変化を説明するための図である。
【0060】
図5は,本説明で用いるユーザID,ユーザIDの出力基準データ(初期表示色),パスワード,ログイン画面背景部の初期の表示色(初期背景色)の設定例を示す図である。
【0061】
ユーザの識別情報(ユーザID)=CD1234,ユーザIDの出力基準データ(初期表示色)「123,79,201」が,出力基準データ記憶部10に格納されている。
【0062】
ユーザのパスワード=ABCDとする。
【0063】
出力データ更新処理装置1は,図3に示すログイン画面100の表示を契機として,出力データ更新処理を開始する。
【0064】
ステップS1: 出力装置3にログイン画面100が表示されたときに,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB各値は,図5に示すように,「255,255,255(白)」である。
【0065】
ステップS2: ログイン画面100のユーザID入力域120がフォーカスされ,ユーザの入力操作によって,ユーザIDが入力される。この間は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB各値は「255,255,255」のままである。
【0066】
ステップS3: ユーザがユーザID「CD1234」を入力して,パスワード入力域130にフォーカスが移動すると,識別情報受付部11が,このフォーカス移動を検知して,ユーザID入力域120で入力された文字列を取得する。
【0067】
出力基準データ取得部12は,入力された文字列(CD1234)をキーに出力基準データ記憶部10を検索して,該当するユーザIDを検索した場合には,対応する「初期表示色(123,79,201)」を取得し,メモリ上に「表示色」として保持する。
【0068】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB値を「123,79,201」に変更して表示処理を行う。これにより,表示装置3のログイン画面100の背景部110の表示色が変化する。
【0069】
ステップS4: ユーザの入力操作によって,パスワード入力域130に,文字「A」が入力されると,入力データ取得部13は,入力された文字「A」を取得する。
【0070】
出力設定値算出部14は,メモリ上に保持した「表示色(123,79,201)」と入力された文字「A」の文字コード(十進で“65”)とをもとに出力設定値を計算する。具体的には,出力設定値算出部14は,以下のように表示色RGBの各値を計算する。
【0071】
表示色R=123*65/255(色階調数−1)=31余り90
表示色G=79*65/255=20余り35
表示色B=201*65/255=51余り60
そして,計算した表示色1(RGB=90,35,60)をメモリ上に「表示色」として保持する。
【0072】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定を「90,35,60」に変更して出力処理を行う。これにより,ログイン画面100の背景部110の表示色が「123,79,201」から「90,35,60」へ変化する。
【0073】
ステップS5: ユーザの入力操作によって,パスワード入力域130に,次の文字「B」が入力されると,入力データ取得部13が文字列「A,B」を取得する。
【0074】
出力設定値算出部14は,文字「A」の文字コード(十進で“65”)と「初期表示色(123,79,201)」とをもとに出力設定値を計算する。さらに,計算した表示色1(90,35,60)と入力された文字「B」の文字コード(十進で“66”)とをもとに,以下のように,出力設定値(表示色RGB)を計算する。
【0075】
表示色R=90*66/255=23余り75
表示色G=35*66/255=9余り15
表示色B=60*66/255=15余り135
そして,計算した表示色2(RGB=75,15,135)をメモリ上に「表示色」として保持する。
【0076】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定を「75,15,135」に変更して出力処理を行う。これにより,ログイン画面の背景部の表示色が「90,35,60」から「75,15,135」へ変化する。
【0077】
ステップS6: ユーザのタイプミスによって,パスワード入力域130に,文字「c」が入力されると,入力データ取得部13が文字列「A,B,c」を取得する。
【0078】
出力設定値算出部14は,ステップS5の処理と同様にして,先頭の文字「A」を取り出し,文字「A」の文字コード(十進で“65”)と「初期表示色(123,79,201)」とをもとに出力設定値を計算する。
【0079】
さらに,計算した表示色1(90,35,60)と次の文字「B」の文字コード(十進で“66”)とをもとに,出力設定値を計算する。
【0080】
さらに,計算した表示色2(75,15,135)と入力された文字「c」の文字コード(十進で“99”)とをもとに,以下のように出力設定値を計算する。
【0081】
表示色R=75*99/255=29余り30
表示色G=15*99/255=5余り210
表示色B=135*99/255=52余り105
そして,計算した表示色3(RGB=30,210,105)をメモリ上に「表示色」として保持する。
【0082】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定を「30,210,105」に変更して出力処理を行う。これにより,ログイン画面100の背景部110の表示色が「75,15,135」から「30,210,105」へ変化する。
【0083】
ステップS7: ユーザは,ログイン画面100の背景部110の表示色が「30,210,105」に変化したことによって,パスワードの3番目の文字入力操作でタイプミスをしたことに気付く。
【0084】
パスワード入力域130に正しい文字「C」が入力されている場合には,入力データ取得部13で文字列「A,B,C」が取得されるため,出力設定値算出部14では,文字「C」の文字コード(十進で“67”)から出力設定値を計算し,表示色(RGB=180,240,120)が計算され,表示色出力処理部15によって,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定が「180,240,120」に変更されるはずだからである。
【0085】
タイプミスに気付いたユーザの操作によって,バックスペース(BackSpace)キーが押下されて,直前に入力した文字「c」が消去される。
【0086】
すると,入力データ取得部13が,パスワード入力域130での文字列の変化をチェックし,文字「c」の消去を検出する。
【0087】
入力データ取得部13は,この文字消去の検出を受けて,パスワード入力域130に入力されている文字列「A,B」を取得する。
【0088】
すると,出力設定値算出部14が,ステップS5の処理と同様にして,文字列の先頭の文字の文字コードを用いて,順に出力設定値を計算し,最後に求めた表示色2(RGB=75,15,135)をメモリ上に「表示色」として保持する。
【0089】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定を「75,15,135」に変更して出力処理を行う。これにより,ログイン画面の背景部の表示色が「75,15,135」へ戻る。
【0090】
ステップS8: ユーザの入力操作によって,パスワード入力域130に,文字「C」が再入力されると,入力データ取得部13が文字「A,B,C」を取得する。
【0091】
出力設定値算出部14は,ステップS5の処理と同様にして,初期表示色(123,79,201)と先頭の文字「A」の文字コード(十進で“65”)とをもとに出力設定値を計算し,計算結果と次の文字「B」の文字コード(十進で“66”)とをもとに出力設定値を計算し,計算結果と次の文字「C」の文字コード(十進で“67”)とをもとに出力設定値を計算し,計算した表示色4(RGB=180,240,120)をメモリ上に「表示色」として保持する。
【0092】
出力処理部15は,メモリ上の表示色の書き換えを受けて,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定を「180,240,120」に変更して出力処理を行う。これにより,ログイン画面100の背景部110の表示色が「75,15,135」から「180,240,120」へ変化する。
【0093】
ユーザは,ログイン画面100の背景部110の表示色が「180,240,120」に変化したことにより,正しい文字を入力したことを確認することができる。
【0094】
ステップS9: ユーザの入力操作によって,パスワード入力域130に,文字「D」が入力されると,入力データ取得部13は,文字列「A,B,C,D」を取得する。
【0095】
出力設定値算出部14は,ステップS8の処理と同様にして,出力設定値を計算し,計算した表示色5(RGB=0,0,0)をメモリ上に「表示色」として保持する。
【0096】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色のRGB設定を「0,0,0」に変更して出力処理を行う。これにより,ログイン画面100の背景部110の表示色が「0,0,0」へ変化する。
【0097】
ユーザは,ログイン画面100の背景部110の表示色が,「123,79,201」,「90,35,60」,「75,15,135」,「180,240,120」の順に「0,0,0」と変化したことを見て,パスワード入力域130で文字列「ABCD」を正しく入力できたことを確認することができ,エンター(Enter)キーを押下して,パスワードの文字列の入力操作を完了することができる。
【0098】
出力データ更新処理装置1は,入力データ取得部13が,エンター(Enter)キーの操作を検出したことを契機として,出力データ更新処理の処理を終了する。
【0099】
第1の実施例において,出力設定値算出部14は,ログイン画面100の背景部110)の出力設定値として表示色のRGB値を計算する処理の他,出力基準データ記憶部10に出力基準データとして記憶された他の色情報にもとづいて出力設定値を計算してもよい。例えば,色情報が「色相,彩度,明度」の各値である場合に,これらの値を計算する。
【0100】
また,この場合に,彩度と明度とは所定の値(最大値)で固定し,色相を示す値のみを計算することによって,背景部110の表示色をパステルカラーの色調で変化させることができ,ユーザの目に優しい変化を実現することができる。
【0101】
さらに,出力設定値算出部14は,RGBの各値,または「色相,彩度,明度」の各値が“0”になることを回避する計算式を用いて計算を行ってもよい。例えば,「表示色のRGB値」と「文字コードの値」の積を「全輝度数−1(255)」で割った余りに1を加算して求めるようにしてもよい。
【0102】
また,出力処理部15は,ログイン画面100の背景部110の表示色を変更する場合に,所定の出力変更時間(例えば,1秒間)で徐々に出力設定を変化させるように表示処理を行うことができる。これにより,表示色の変化が緩やかになり,ユーザの目に優しい変化を実現することができる。
〔第2の実施例〕
第2の実施例では,出力データ更新処理装置1は,第1の実施例とほぼ同様の処理を行い,ただし,出力すべきデータとして,ログイン画面100の所定の領域である出力更新表示部140の模様パターンを変更させて出力する。
【0103】
図6は,第2の実施例において,出力すべきデータの出力態様として使用する模様パターン例を示す図である。
【0104】
図7は,第2の実施例におけるログイン画面の表示例を示す図である。
【0105】
第2の実施例では,出力処理部15は,図6に示すような模様パターンデータを保持しておく。出力処理部15は,図7のログイン画面100の出力更新表示部140の出力設定値に対応する模様パターンを用いて出力処理を行う。
【0106】
図8は,第2の実施例における出力基準データ記憶部10で記憶されている出力基準データの例を示す図である。出力基準データとして,パスワード入力完了時に,図7のログイン画面100の出力更新表示部140に表示される模様パターンを示す値(初期表示模様)が,各ユーザ識別情報(ユーザID)に対応付けて格納されている。
【0107】
第2の実施例では,ユーザID入力域120がフォーカスされ,ユーザの入力操作によって,ユーザIDが入力されている間は,出力更新表示部140は無模様であるとする。
【0108】
ユーザの入力操作によってユーザID入力域120にユーザID「CD1234」が入力された後,パスワード入力域130にフォーカスが移動すると,識別情報受付部11が,このフォーカスの移動を検知し,ユーザID入力域120で入力されたユーザIDを取得する。
【0109】
出力基準データ取得部12は,入力されたユーザID(CD1234)をキーに出力基準データ記憶部10を検索して,該当する「初期表示模様(3)」を取得して,メモリ上に「表示模様」として保持する。
【0110】
出力処理部15は,図7に示すように,ログイン画面100の出力更新表示部140を出力設定値「3」に対応する模様パターンで表示する出力処理を行う。
【0111】
その後,ユーザの入力操作によって,パスワード入力域130に,文字「A」が入力されると,入力データ取得部13は,入力された文字「A」を取得する。
【0112】
出力設定値算出部14は,「初期表示模様(3)」と入力された文字「A」の文字コード(十進で“65”)とを取得し,模様パターン数=64のときに,以下のように,出力設定値を計算する。
【0113】
表示模様=(3+65)/64(模様パターン数)=1余り4
そして,計算した表示模様1(模様=4)をメモリ上に「表示模様」として保持する。
【0114】
出力処理部15は,ログイン画面100の出力更新表示部140の模様設定を「4」に変更して出力処理を行う。これにより,図9に示すように,ログイン画面100の出力更新表示部140の模様パターンは「3」から「4」へ変化する。
【0115】
以降,第1の実施例と同様に処理が行われ,ログイン画面100の出力更新表示部140の模様パターンは,「3」から順に「4」,「6」と変化し,文字「c」が入力されると模様パターンが「41」に変化するので,ユーザはタイプミスに気付くことができる。
【0116】
そして,間違った文字の消去と再入力の後,ユーザは,模様パターンが「9」,「13」と変化したことにより,パスワードの文字列「ABCD」を正しく入力できたことを確認することができる。
〔第3の実施例〕
第3の実施例では,出力データ更新処理装置1は,出力すべきデータとして,所定の和音コードを変化させた音データを用いる。
【0117】
第3の実施例において,出力処理部15は,出力設定値として設定された音高または和音コードで定義された音または和音の音データを生成して出力する。
【0118】
図10は,第3の実施例において,図3に示すログイン画面100の表示中に出力される音データを特定する出力設定値として定義される和音コード例を示す図である。
【0119】
また,第3の実施例では,出力基準データとして,図3に示すログイン画面100の表示中に,パスワード入力の完了時に出力される和音コードを示す値(初期和音コード)が,各ユーザ識別情報(ユーザID)に対応付けられて記憶される。
【0120】
第3の実施における出力設定値の算出処理は,第2の実施例とほぼ同様である。
【0121】
第3の実施例では,出力設定値算出部14は,出力基準データとして設定された初期和音コードと入力された文字の文字コードとをもとに出力設定値を計算し,出力処理部15は,出力設定値に対応する和音コードの定義によって生成した音データを出力する。ユーザは,スピーカを備えた出力装置3によってこの音データを聴取することができる。
【0122】
図11および図12は,第1の実施例の場合の出力データ更新処理装置1の処理フロー図である。
【0123】
出力データ更新処理装置1の識別情報受付部11は,ログイン画面100のパスワード入力域130にフォーカスが移ったことを検出したら(ステップS10のY),ユーザID入力域120にユーザIDが入力されているかを調べて(ステップS11),ユーザIDが入力されていれば(ステップS11のY),そのユーザIDを取得する(ステップS12)。
【0124】
出力基準データ取得部12は,出力基準データ記憶部10を参照して,取得したユーザIDに対応する初期表示色を検索する(ステップS13)。初期表示色の検索に成功したら(ステップS14のY),出力基準データ取得部12は,検索した初期表示色を「表示色」として決定し,メモリ上に格納する(ステップS15)。また,出力設定算出部14は,検索された初期表示色を保持する(ステップS16)。
【0125】
そして,入力データ取得部13は,ログイン画面100のパスワード入力域130にパスワード(文字列)が入力されていれば,これを取得し(ステップS17のY),出力設定値算出部14は,入力されたパスワード(文字列)の先頭から順に1文字ずつ着目して(ステップS18),現在メモリ上に保持している「表示色」と,着目した文字の文字コードから,新しい表示色(出力設定値)を決定し,メモリ上の「表示色」を書き換える(ステップS19)。
【0126】
そして,入力されたパスワード(文字列)に着目していない文字がある間(ステップS20のY),ステップS18およびステップS19の処理を繰り返す。そして,入力されたパスワード(文字列)に着目していない文字がなくなったら(ステップS20のN),出力処理部15に通知する。
【0127】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景色(背景部110の表示色)を,メモリ上に保持されている「表示色」に変更して出力処理し(ステップS21),処理を終了する。
【0128】
また,ユーザIDが入力されていない場合(ステップS11のN),または出力基準データ記憶部10で初期表示色の検索に成功しなかった場合(ステップS14のN)には,処理を終了する。
【0129】
図13は,第1の実施例における出力データ更新処理装置1の別の処理例の処理フロー図である。
【0130】
この別の処理例において,図13に示す処理フローは,図11に示すステップS10〜ステップS16までの処理が実行された後に実行される。
【0131】
入力データ取得部13は,ログイン画面100のパスワード入力域130に変化があったかを判定する(ステップS30)。パスワード入力域130の変化とは,入力された文字が消去されたり,追加されたりすることを示す。
【0132】
入力データ取得部13は,パスワード入力域130に変化があれば(ステップS30のY),その変化が,入力されたパスワード(文字列)の末尾に文字が追加されたことによる変化でなければ(ステップS31のN),出力基準データ記憶部10から取得した初期表示色を「表示色」に採用し(ステップS32),入力されたパスワード(文字列)の先頭から順に1文字ずつ着目して(ステップS33),現在メモリ上に保持している「表示色」と,着目した文字の文字コードから,新しい表示色(出力設定値)を決定し,メモリ上の「表示色」書き換える(ステップS34)。
【0133】
そして,入力されたパスワード(文字列)に着目していない文字がある間(ステップS35のY),ステップS33およびステップS34の処理を繰り返す。そして,入力されたパスワード(文字列)に着目していない文字がなくなったら(ステップS35のN),出力処理部15に通知する。
【0134】
出力処理部15は,ログイン画面100の背景色(背景部110の表示色)を,メモリ上に保持されている「表示色」に変更して出力処理し(ステップS36),処理を終了する。
【0135】
また,入力データ取得部13は,その変化が,入力されたパスワード(文字列)の末尾に文字が追加されたことによる変化であれば(ステップS31のY),現在メモリ上に保持している「表示色」と,着目した文字の文字コードから,新しい表示色(出力設定値)を決定し,メモリ上の「表示色」書き換え(ステップS37),ステップS36の処理を行う。
【0136】
以上,本発明をその実施の形態により説明したが,本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。
【0137】
開示した出力データ更新処理装置1によれば,入力データが表示されない状態において,入力された文字に対応して出力するデータを,ユーザに対応付けて決定することができる。よって,同じ文字列が入力された場合でも,ユーザごとに異なった出力の変化を実現することができる。
【0138】
また,入力された文字に対応して出力するデータを,ユーザと,既に入力された文字の並びにもとづいて決定することができる。よって,同じ文字が入力されても,先だって入力された他の文字との関係によって異なった出力の変化を実現することができる。
【0139】
したがって,ユーザごと,入力される文字の並びごとに,さまざまな出力データの出力変化のバリエーションを生成することができ,セキュリティのレベルを低下させずに,タイプミスなどの入力操作誤りをユーザに認識させることができる。
【0140】
出力データ更新処理装置1は,コンピュータにより読み取られ実行されるプログラムとして実施することができる。このプログラムは,コンピュータが読み取り可能な,可搬媒体メモリ,半導体メモリ,ハードディスクなどの適当な記録媒体に格納することができ,これらの記録媒体に記録して提供され,または,通信インタフェースを介して種々の通信網を利用した送受信により提供されるものである。
【0141】
以上の第1〜第3の実施例を含む実施形態に関し,さらに,以下の付記を開示する。
【0142】
(付記1) ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付処理と,
ユーザの識別情報ごとに,出力すべきデータの基準設定値を示す出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得処理と,
ユーザの入力操作の検出の度に,当該検出した入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得処理と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,出力すべきデータの出力設定値を計算する出力設定値算出処理と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記出力すべきデータの設定を更新して出力する出力処理とを,
コンピュータに実行させるための
出力データ更新処理プログラム。
【0143】
(付記2) 前記出力値算出処理では,前記入力データが最初の入力操作にもとづくものである場合に,前記入力データと前記取得した出力基準データとをもとに前記出力すべきデータの出力設定値を計算し,当該計算した出力設定値を保持し,前記入力データが2番目以降の入力操作にもとづくものである場合に,当該入力データと前回の計算で求めた出力設定値とをもとに前記出力設定値を計算する処理を行う
ことを特徴とする
前記付記1記載の出力データ更新処理プログラム。
【0144】
(付記3) 前記出力処理では,
前記計算された出力設定値をもとに,前記出力すべきデータを選択的に出力する
ことを特徴とする
前記付記1または付記2記載の出力データ更新処理プログラム。
【0145】
(付記4) 前記入力データ取得処理では,エコー表示処理の対象となるデータ入力領域におけるユーザの入力操作を検出する
ことを特徴とする
前記付記1ないし付記3のいずれか一項に記載の出力データ更新処理プログラム。
【0146】
(付記5) 前記出力基準データ記憶部に,前記出力基準データとして,各ユーザに対応付けた前記出力すべきデータの表示色の設定値が記憶され,
前記出力設定値算出処理では,前記出力設定値として,前記出力すべきデータの表示色の設定値を計算し,
前記出力処理では,前記出力設定値として設定された表示色により前記出力すべきデータを出力する
ことを特徴とする
前記付記1ないし付記4のいずれか一項に記載の出力データ更新処理プログラム。
【0147】
(付記6) 前記出力基準データ記憶部に,前記出力基準データとして,各ユーザに対応付けた前記出力すべきデータの音高または和音コードを特定する値が記憶され,
前記出力設定値算出処理では,音高またはコードと出力設定値との対応関係を記憶する音設定データを記憶する音設定データ記憶手段を参照して,前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに算出した出力設定値から,出力すべきデータとなる音高または和音コードを特定し,
前記出力処理では,前記特定された音高または和音コードにもとづいて前記出力すべきデータを出力する
ことを特徴とする
前記付記1に記載の出力データ更新処理プログラム。
【0148】
(付記7) ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付処理と,
ユーザの識別情報ごとに,パスワード入力画面の所定領域の表示色値を示す出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得処理と,
パスワード入力画面においてパスワード入力域でのキー入力操作の検出の度に,当該検出したキー入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得処理と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,前記パスワード入力画面の処理領域の表示色を示す出力設定値を計算する出力設定値算出処理と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記パスワード入力画面の所定領域の表示色を更新して出力する出力処理とを,
コンピュータに実行させるための
出力データ更新処理プログラム。
【0149】
(付記8) 入力装置および出力装置を備えるコンピュータが実行する処理方法であって,
ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付処理過程と,
ユーザの識別情報ごとに,出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得処理過程と,
ユーザの入力操作の検出の度に,当該検出した入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得処理過程と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,出力データの出力設定値を計算する出力設定値算出処理過程と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記出力データの設定を更新して出力する出力処理過程とを備える
ことを特徴とする
出力データ更新処理方法。
【0150】
(付記9) ユーザの識別情報ごとに,出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部と,
ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付手段と,
前記出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得手段と,
ユーザの入力操作の検出の度に,当該検出した入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得手段と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,出力データの出力設定値を計算する出力設定値算出手段と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記出力データの設定を更新して出力する出力処理手段とを備える
ことを特徴とする
出力データ更新処理装置。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】本発明の一実施例における構成例を示す図である。
【図2】第1の実施例における出力基準データ記憶部で記憶されている出力基準データの例を示す図である。
【図3】第1の実施例におけるログイン画面の表示例を示す図である。
【図4】第1の実施例における出力データ更新処理装置の処理による,ログイン画面背景部の表示色の変化を説明するための図である。
【図5】第1の実施例の説明で用いるユーザID,ユーザIDの出力基準データ(初期表示色),パスワード,ログイン画面背景部の初期の表示色(初期背景色)の設定例を示す図である。
【図6】第2の実施例において,ログイン画面の出力更新表示部に表示される模様パターン例を示す図である。
【図7】第2の実施例におけるログイン画面の表示例を示す図である。
【図8】第2の実施例における出力基準データ記憶部で記憶されている出力基準データの例を示す図である。
【図9】第2の実施例において,出力更新表示部の模様パターンが変更されたログイン画面の表示例を示す図である。
【図10】第3の実施例において,出力すべきデータである音データを定義する和音コード例を示す図である。
【図11】第1の実施例における出力データ更新処理装置の出力データ更新処理の処理フロー図(その1)である。
【図12】第1の実施例における出力データ更新処理装置の出力データ更新処理の処理フロー図(その2)である。
【図13】第1の実施例における出力データ更新処理装置の別の出力データ更新処理の処理フロー図である。
【符号の説明】
【0152】
1 出力データ更新処理装置
10 出力基準データ記憶部
11 識別情報受付部
12 出力基準データ取得部
13 入力データ取得部
14 出力設定値算出部
15 出力処理部
2 入力装置
3 出力装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付処理と,
ユーザの識別情報ごとに,出力すべきデータの基準設定値を示す出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得処理と,
ユーザの入力操作の検出の度に,当該検出した入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得処理と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,出力すべきデータの出力設定値を計算する出力設定値算出処理と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記出力すべきデータの設定を更新して出力する出力処理とを,
コンピュータに実行させるための
出力データ更新処理プログラム。
【請求項2】
前記出力値算出処理では,前記入力データが最初の入力操作にもとづくものである場合に,前記入力データと前記取得した出力基準データとをもとに前記出力すべきデータの出力設定値を計算し,当該計算した出力設定値を保持し,前記入力データが2番目以降の入力操作にもとづくものである場合に,当該入力データと前回の計算で求めた出力設定値とをもとに前記出力設定値を計算する処理を行う
ことを特徴とする
請求項1記載の出力データ更新処理プログラム。
【請求項3】
前記出力処理では,
前記計算された出力設定値をもとに,前記出力すべきデータを選択的に出力する
ことを特徴とする
請求項1または請求項2記載の出力データ更新処理プログラム。
【請求項4】
前記入力データ取得処理では,エコー表示処理の対象となるデータ入力領域におけるユーザの入力操作を検出する
ことを特徴とする
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の出力データ更新処理プログラム。
【請求項5】
前記出力基準データ記憶部に,前記出力基準データとして,各ユーザに対応付けた前記出力すべきデータの表示色の設定値が記憶され,
前記出力設定値算出処理では,前記出力設定値として,前記出力すべきデータの表示色の設定値を計算し,
前記出力処理では,前記出力設定値として設定された表示色により前記出力すべきデータを出力する
ことを特徴とする
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の出力データ更新処理プログラム。
【請求項6】
ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付処理と,
ユーザの識別情報ごとに,パスワード入力画面の所定領域の表示色値を示す出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得処理と,
パスワード入力画面においてパスワード入力域でのキー入力操作の検出の度に,当該検出したキー入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得処理と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,前記パスワード入力画面の処理領域の表示色を示す出力設定値を計算する出力設定値算出処理と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記パスワード入力画面の所定領域の表示色を更新して出力する出力処理とを,
コンピュータに実行させるための
出力データ更新処理プログラム。
【請求項7】
入力装置および出力装置を備えるコンピュータが実行する処理方法であって,
ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付処理過程と,
ユーザの識別情報ごとに,出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得処理過程と,
ユーザの入力操作の検出の度に,当該検出した入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得処理過程と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,出力データの出力設定値を計算する出力設定値算出処理過程と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記出力データの設定を更新して出力する出力処理過程とを備える
ことを特徴とする
出力データ更新処理方法。
【請求項8】
ユーザの識別情報ごとに,出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部と,
ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付手段と,
前記出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得手段と,
ユーザの入力操作の検出の度に,当該検出した入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得手段と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,出力データの出力設定値を計算する出力設定値算出手段と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記出力データの設定を更新して出力する出力処理手段とを備える
ことを特徴とする
出力データ更新処理装置。
【請求項1】
ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付処理と,
ユーザの識別情報ごとに,出力すべきデータの基準設定値を示す出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得処理と,
ユーザの入力操作の検出の度に,当該検出した入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得処理と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,出力すべきデータの出力設定値を計算する出力設定値算出処理と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記出力すべきデータの設定を更新して出力する出力処理とを,
コンピュータに実行させるための
出力データ更新処理プログラム。
【請求項2】
前記出力値算出処理では,前記入力データが最初の入力操作にもとづくものである場合に,前記入力データと前記取得した出力基準データとをもとに前記出力すべきデータの出力設定値を計算し,当該計算した出力設定値を保持し,前記入力データが2番目以降の入力操作にもとづくものである場合に,当該入力データと前回の計算で求めた出力設定値とをもとに前記出力設定値を計算する処理を行う
ことを特徴とする
請求項1記載の出力データ更新処理プログラム。
【請求項3】
前記出力処理では,
前記計算された出力設定値をもとに,前記出力すべきデータを選択的に出力する
ことを特徴とする
請求項1または請求項2記載の出力データ更新処理プログラム。
【請求項4】
前記入力データ取得処理では,エコー表示処理の対象となるデータ入力領域におけるユーザの入力操作を検出する
ことを特徴とする
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の出力データ更新処理プログラム。
【請求項5】
前記出力基準データ記憶部に,前記出力基準データとして,各ユーザに対応付けた前記出力すべきデータの表示色の設定値が記憶され,
前記出力設定値算出処理では,前記出力設定値として,前記出力すべきデータの表示色の設定値を計算し,
前記出力処理では,前記出力設定値として設定された表示色により前記出力すべきデータを出力する
ことを特徴とする
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の出力データ更新処理プログラム。
【請求項6】
ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付処理と,
ユーザの識別情報ごとに,パスワード入力画面の所定領域の表示色値を示す出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得処理と,
パスワード入力画面においてパスワード入力域でのキー入力操作の検出の度に,当該検出したキー入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得処理と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,前記パスワード入力画面の処理領域の表示色を示す出力設定値を計算する出力設定値算出処理と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記パスワード入力画面の所定領域の表示色を更新して出力する出力処理とを,
コンピュータに実行させるための
出力データ更新処理プログラム。
【請求項7】
入力装置および出力装置を備えるコンピュータが実行する処理方法であって,
ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付処理過程と,
ユーザの識別情報ごとに,出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得処理過程と,
ユーザの入力操作の検出の度に,当該検出した入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得処理過程と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,出力データの出力設定値を計算する出力設定値算出処理過程と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記出力データの設定を更新して出力する出力処理過程とを備える
ことを特徴とする
出力データ更新処理方法。
【請求項8】
ユーザの識別情報ごとに,出力基準データが対応付けて記憶された出力基準データ記憶部と,
ユーザの識別情報を受け付ける識別情報受付手段と,
前記出力基準データ記憶部を参照して,前記受け付けた識別情報に対応する出力基準データを取得する出力基準データ取得手段と,
ユーザの入力操作の検出の度に,当該検出した入力操作にもとづく入力データを取得する入力データ取得手段と,
前記入力データと,前記取得した出力基準データとをもとに,出力データの出力設定値を計算する出力設定値算出手段と,
前記計算された出力設定値にもとづいて前記出力データの設定を更新して出力する出力処理手段とを備える
ことを特徴とする
出力データ更新処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−97374(P2010−97374A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267028(P2008−267028)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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