説明

出力制御装置、制御方法及びプログラム

【課題】データ用ROM(104)のメモリ容量を増大させることなく、大容量のデータを出力することが可能な出力制御装置を提供する。
【解決手段】データを圧縮した圧縮データを格納するデータ用ROM(104)と、制御プログラムに従って圧縮データの読み出しを行う出力制御手段(103)と、圧縮データを伸張するデコーダ(106)と、を有する出力制御装置であって、制御プログラムには、圧縮データの情報と、圧縮データをデコーダ(106)で伸張した後のデータの情報と、が指定されており、出力制御手段(103)は、制御プログラムに指定された圧縮データの情報を基に、デコーダ(106)を介した圧縮データの読み出しを開始し、制御プログラムに指定されたデータの情報を基に、デコーダ(106)を介した圧縮データの読み出しを終了することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ROM(Read Only Memory)に格納されたデータを出力する出力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
出力制御装置の一例である、本発明と関連する遊技機用の表示制御装置100は、例えば、図7に示すように、表示制御用CPU(Central Processing Unit)101と、プログラム用ROM(Read Only Memory)102と、VDP(Video Display Processor)103と、画像データ用ROM104と、VDP用RAM(Random Access Memory)105と、を含んで構成している。
【0003】
表示制御用CPU101は、プログラム用ROM102に格納されている制御プログラムに従って、VDP103を制御するものである。
【0004】
プログラム用ROM102は、表示制御用CPU101が実行する制御プログラムを格納するための記憶装置である。
【0005】
VDP103は、表示装置200に出力する画像データの画像処理を行う画像処理用LSI(Large Scaled Integration)である。
【0006】
画像データ用ROM104は、VDP103専用の圧縮画像データを格納するための記憶装置であり、VDP103は、制御プログラムに従って、画像データ用ROM104に格納された圧縮画像データを読み出し、表示装置200に表示することになる。
【0007】
VDP用RAM105は、VDP103がワーキングメモリ等として使用する記憶装置である。
【0008】
図7に示す表示制御装置100では、VDP103毎に用意された開発ツール300で作成したオリジナルの画像データを圧縮し、VDP103専用の圧縮画像データを生成し、その生成した圧縮画像データを画像データ用ROM104に格納する。圧縮画像データの格納は、オフライン処理で行う。圧縮画像データを画像データ用ROM104に格納した状態の例を図8(a)に示す。
【0009】
図8(a)では、圧縮画像データAは、0番地〜1999番地に格納されており、圧縮画像データBは、2000番地〜3999番地に格納されており、圧縮画像データCは、4000番地〜7999番地に格納されており、圧縮画像データDは、8000番地〜11999番地に格納されている。このため、圧縮画像データAの読み出し開始アドレスは、0番地であり、読み出し終了アドレスは、1999番地となる。また、圧縮画像データBの読み出し開始アドレスは、2000番地であり、読み出し終了アドレスは、3999番地となる。また、圧縮画像データCの読み出し開始アドレスは、4000番地であり、読み出し終了アドレスは、7999番地となる。また、圧縮画像データDの読み出し開始アドレスは、8000番地であり、読み出し終了アドレスは、11999番地となる。
【0010】
また、図7に示す表示制御装置100では、開発ツール300で作成した制御プログラムをプログラム用ROM102に格納する。開発ツール300は、図8(a)に示す画像データ用ROM104に格納された圧縮画像データのアドレス情報(読み出し開始アドレス、読み出し終了アドレス)を基に、画像データ用ROM104に格納した圧縮画像データをVDP103が読み出せる制御プログラムを作成し、該作成した制御プログラムをプログラム用ROM102に格納する。制御プログラムの格納は、オフライン処理で行う。
【0011】
図8(b)は、画像データを表示装置200に表示する際に使用する制御プログラムを実行した際の各部の読み出しアドレス番地の例を示しており、例えば、VDP103が画像データBを表示装置200に表示する際は、画像データ用ROM104に格納された圧縮画像データBをVDP103が読み出せるように、画像データ用ROM104に格納された圧縮画像データBの読み出し開始アドレス(2000番地)と、読み出し終了アドレス(3999番地)と、を基に、図8(b)に示す読み出しアドレス番地(2000〜3999番地)を指定した制御プログラムを作成する。なお、VDP103が画像データDを表示装置200に表示する際も、画像データ用ROM104に格納された圧縮画像データDをVDP103が読み出せるように、画像データ用ROM104に格納された圧縮画像データDの読み出し開始アドレス(8000番地)と、読み出し終了アドレス(11999番地)と、を基に、図8(b)に示す読み出しアドレス番地(8000〜11999番地)を指定した制御プログラムを作成する。
【0012】
図7に示す表示制御装置100において、画像データを表示装置200に表示する際は、表示制御用CPU101がプログラム用ROM102に格納された制御プログラムを読み出し、該読み出した制御プログラムを基に、表示対象の画像データの読み出し指示をVDP103に行う。
【0013】
VDP103は、画像データの読み出し指示を表示制御用CPU101から受け付けた場合に、図9に示す処理動作を行う。図9に示す処理動作は、画像データの読み出し処理に特化した処理動作例を示している。
【0014】
VDP103は、画像データの読み出し指示を表示制御用CPU101から受け付けた場合に、表示対象の画像データの読み出し開始アドレスを基に、画像データ用ROM104から画像データ(圧縮画像データ)の読み出しを開始する(ステップS1)。画像データ(圧縮画像データ)の読み出しは、フレーム単位で行う。VDP103は、画像データ用ROM104から読み出した画像データ(圧縮画像データ)をVDP103で伸張し、オリジナルの画像データに変換し、オリジナルの画像データをVDP用RAM105で表示装置200に表示可能な画像データに変換し、その変換した画像データを表示装置200に表示する。
【0015】
VDP103は、表示対象の画像データの読み出し終了アドレスの画像データ(圧縮画像データ)を画像データ用ROM104から読み出したか否かを判定し(ステップS2)、表示対象の画像データの読み出し終了アドレスの画像データ(圧縮画像データ)を画像データ用ROM104から読み出すまで、画像データの読み出しを継続する(ステップS2/No→S3)。そして、VDP103は、表示対象の画像データの読み出し終了アドレスの画像データ(圧縮画像データ)を画像データ用ROM104から読み出した場合に(ステップS2/Yes)、画像データの読み出し処理を終了する(End)。
【0016】
例えば、図8(b)に示す制御プログラムを基に、画像データBを表示装置200に表示する場合は、表示制御用CPU101は、画像データBの読み出し指示をVDP103に行う。この時、表示制御用CPU101は、画像データBの読み出し開始アドレス(2000番地)と、読み出し終了アドレス(3999番地)と、の情報をVDP103に通知する。
【0017】
VDP103は、画像データBの読み出し指示を表示制御用CPU101から受け付けた場合に、図9に示す処理動作を行い、画像データBの読み出し開始アドレス(2000番地)を基に、画像データ用ROM104から画像データB(圧縮画像データB)の読み出しを開始する(ステップS1)。VDP103は、画像データ用ROM104から読み出した画像データB(圧縮画像データB)をVDP103で伸張し、オリジナルの画像データBに変換し、オリジナルの画像データBをVDP用RAM105で表示装置200に表示可能な画像データBに変換し、その変換した画像データBを表示装置200に表示する。
【0018】
VDP103は、画像データBの読み出し終了アドレス(3999番地)の画像データB(圧縮画像データB)を画像データ用ROM104から読み出すまで、画像データB(圧縮画像データB)の読み出しを継続して行い、画像データBを表示装置200に表示することになる(ステップS2/No→S3)。そして、VDP103は、画像データBの読み出し終了アドレス(3999番地)の画像データB(圧縮画像データB)を画像データ用ROM104から読み出した場合に(ステップS2/Yes)、画像データBの読み出しを終了する(End)。
【0019】
これにより、VDP103は、画像データBの読み出し指示を表示制御用CPU101から受け付けた場合に、表示対象の画像データB(圧縮画像データB)を画像データ用ROM104から読み出し、該読み出した画像データB(圧縮画像データB)を伸張してオリジナルの画像データBに変換し、オリジナルの画像データBを表示装置200に表示することができる。
【0020】
なお、近年では、表示装置200で表示する画像データの演出が多機能化、多様化しており、大容量の画像データを表示装置200に表示しているのが現状である。このため、画像データ用ROM104に格納される圧縮画像データのデータ容量も増大しており、画像データ用ROM104のメモリ容量を増大させる必要が迫られているのが現状である。
【0021】
しかし、画像データ用ROM104は、表示制御装置100の価格の約半分を占めるため、画像データ用ROM104のメモリ容量を増大させてしまうと、表示制御装置100自体の価格も高くなってしまうことになる。このため、画像データ用ROM104のメモリ容量を増大させることなく、大容量の画像データを表示装置200に表示するための仕組みの開発が必要視されることになる。
【0022】
なお、本発明より先に出願された技術文献として、物理的なROMの数を減らしてコスト(基板の単価)を削減する技術について開示された文献がある(例えば、特許文献1参照)。
【0023】
上記特許文献1(特開2008-229240号公報)では、表示制御用CPUが実行する制御プログラムと、画像処理用LSIが処理する画像データと、を1つのデータ格納手段に記憶しておき、表示制御用CPUは、画像処理用LSI経由で制御プログラムを読み込むようにすることで、物理的なROMの数を減らすことにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2008−229240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
しかし、上記特許文献1には、表示制御用CPUが実行する制御プログラムと、画像処理用LSIが処理する画像データと、を1つのデータ格納手段に記憶し、物理的なROMの数を減らすことで、コスト(基板の単価)を削減する点だけが開示されており、データ格納手段に記憶するデータ自体の容量を低減することで、コスト(基板の単価)を削減する点については言及していない。
【0026】
このため、上記特許文献1では、データを格納するデータ用ROM104のメモリ容量を増大させることなく、大容量のデータを出力するための仕組みについては何ら記載も示唆もされていない。
【0027】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、データ用ROMのメモリ容量を増大させることなく、大容量のデータを出力することが可能な出力制御装置、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0029】
<出力制御装置>
本発明にかかる出力制御装置は、
データを圧縮した圧縮データを格納するデータ用ROMと、
制御プログラムに従って前記圧縮データの読み出しを行う出力制御手段と、
前記圧縮データを伸張するデコーダと、を有する出力制御装置であって、
前記制御プログラムには、前記圧縮データの情報と、前記圧縮データを前記デコーダで伸張した後の前記データの情報と、が指定されており、
前記出力制御手段は、
前記圧縮データの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを開始し、前記データの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを終了することを特徴とする。
【0030】
<制御方法>
本発明にかかる制御方法は、
データを圧縮した圧縮データを格納するデータ用ROMと、
制御プログラムに従って前記圧縮データの読み出しを行う出力制御手段と、
前記圧縮データを伸張するデコーダと、を有する出力制御装置で行う制御方法であって、
前記制御プログラムには、前記圧縮データの情報と、前記圧縮データを前記デコーダで伸張した後の前記データの情報と、が指定されており、
前記出力制御手段は、
前記圧縮データの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを開始し、前記データの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを終了することを特徴とする。
【0031】
<プログラム>
本発明にかかるプログラムは、
データを圧縮した圧縮データを格納するデータ用ROMと、
制御プログラムに従って前記圧縮データの読み出しを行う出力制御手段と、
前記圧縮データを伸張するデコーダと、を有する出力制御装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記制御プログラムには、前記圧縮データの情報と、前記圧縮データを前記デコーダで伸張した後の前記データの情報と、が指定されており、
前記圧縮データの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを開始し、前記データの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを終了する処理を、前記出力制御手段に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、データ用ROMのメモリ容量を増大させることなく、大容量のデータを出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施形態の出力制御装置100の概要を説明するための図である。
【図2】本実施形態の出力制御装置100の一例である表示制御装置100の構成例を示す図である。
【図3】本実施形態の表示制御装置100の画像データ用ROM104に格納される再圧縮画像データの格納例と、その再圧縮画像データの読み出しアドレス情報の例を示す図である。
【図4】本実施形態の表示制御装置100の処理動作例を示す図である。
【図5】デコーダ106に実装可能な変換テーブル400の構成例を示す図である。
【図6】第2の実施形態の表示制御装置100のVDP103の処理動作例を示す図である。
【図7】本発明と関連する出力制御装置100の一例である表示制御装置100の構成例を示す図である。
【図8】図7に示す表示制御装置100の画像データ用ROM104に格納される圧縮画像データの格納例と、その圧縮画像データの読み出しアドレス情報の例を示す図である。
【図9】図7に示す表示制御装置100の処理動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
<本実施形態の出力制御装置100の概要>
まず、図1を参照しながら、本実施形態の出力制御装置100について説明する。
【0035】
本実施形態の出力制御装置100は、制御プログラムを格納するプログラム用ROM102と、データを格納するデータ用ROM104と、データを伸張するデコーダ106と、制御プログラムに従って、データの読み出し指示を行う制御用CPU101と、制御用CPU101からのデータの読み出し指示に基づいて、データ用ROM104からデータを読み出し、該読み出したデータを出力装置200に出力する出力制御手段103と、を有して構成する。
【0036】
本実施形態の出力制御装置100のデータ用ROM104は、出力制御手段103から出力するための出力制御手段103専用のデータを圧縮した圧縮データを格納している。また、プログラム用ROM102は、データ用ROM104に格納された圧縮データを出力制御手段103が読み出せる制御プログラムを格納している。具体的には、制御プログラムには、圧縮データの情報と、圧縮データをデコーダ106で伸張した後のデータの情報と、が指定されている。
【0037】
本実施形態の出力制御装置100の制御用CPU101は、制御プログラムに従って、圧縮データの読み出し指示を行う。また、出力制御手段103は、制御用CPU101からの圧縮データの読み出し指示に基づいて、制御プログラムに指定された圧縮データの情報を基に、デコーダ106を介した圧縮データの読み出しを開始し、デコーダ106において圧縮データが伸張されたデータをデコーダ106から受け付け、該受け付けたデータを出力装置200に出力する。そして、制御プログラムに指定されたデータの情報を基に、デコーダ106を介した圧縮データの読み出しを終了する。
【0038】
このように、本実施形態の出力制御装置100は、出力制御手段103から出力するための出力制御手段103専用のデータを圧縮した圧縮データをデータ用ROM104に格納する。また、データ用ROM104に格納された圧縮データを出力制御手段103が読み出せる制御プログラムをプログラム用ROM102に格納する。そして、制御用CPU101は、プログラム用ROM102に格納された制御プログラムに従って、圧縮データの読み出し指示を出力制御手段103に行い、出力制御手段103は、制御用CPU101からの圧縮データの読み出し指示に基づいて、制御プログラムに指定された圧縮データの情報を基に、デコーダ106を介した圧縮データの読み出しを開始し、制御プログラムに指定されたデータの情報を基に、デコーダ106を介した圧縮データの読み出しを終了する。
【0039】
これにより、本実施形態の出力制御装置100は、データを格納するデータ用ROM104のメモリ容量を増大させることなく、大容量のデータを出力装置200に出力することができる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の出力制御装置100について説明する。なお、以下の説明では、上述した出力制御装置100を、遊技機用の表示制御装置100として説明する。但し、本実施形態の出力制御装置100は、以下に説明する表示制御装置100に限定するものではなく、データ用ROM104に格納されたデータを出力装置200に出力するあらゆる装置に適用可能である。
【0040】
(第1の実施形態)
<表示制御装置100の構成例>
まず、図2を参照しながら、本実施形態の表示制御装置100の構成例について説明する。図2に示す表示制御装置100は、遊技機用の表示制御装置100を示している。
【0041】
本実施形態の表示制御装置100は、表示制御用CPU(Central Processing Unit)101と、プログラム用ROM(Read Only Memory)102と、VDP(Video Display Processor)103と、画像データ用ROM104と、VDP用RAM(Random Access Memory)105と、デコーダ106と、を含んで構成している。
【0042】
本実施形態の表示制御装置100は、表示制御用CPU101と、プログラム用ROM102と、VDP103と、画像データ用ROM104と、VDP用RAM105と、の機能は、図7に示す表示制御装置100と同様な機能で構成し、VDP103と、画像データ用ROM104と、の間にデコーダ106を新たに実装した点が異なる。なお、VDP用RAM105は、VDP103の内部に実装することも可能である。
【0043】
また、本実施形態の表示制御装置100は、プログラム用ROM102に格納する制御プログラムと、画像データ用ROM104に格納する画像データと、が図7に示す表示制御装置100と異なる。
【0044】
本実施形態の表示制御装置100は、VDP103毎に用意された開発ツール300で作成したオリジナルの画像データを圧縮し、VDP103専用の圧縮画像データを生成し、その圧縮画像データを更に再圧縮し、再圧縮画像データを画像データ用ROM104に格納している。圧縮画像データの格納は、オフライン処理で行う。これにより、画像データ用ROM104に格納する画像データのデータ容量を低減することを可能にしている。
【0045】
図8(a)に示す圧縮画像データを再圧縮率50%で更に再圧縮した再圧縮画像データを画像データ用ROM104に格納した状態の例を図3(a)に示す。なお、再圧縮を行う際は、可逆であることは重要であるが、再圧縮を行う手法は特に限定せず、あらゆる再圧縮方法を適用することが可能である。但し、再圧縮を行う際は、画像データ用ROM104に格納する画像データのデータ容量を低減するため、再圧縮率の高い圧縮方法を用いることが好ましい。
【0046】
図3(a)では、再圧縮画像データAは、0番地〜999番地に格納されており、再圧縮画像データBは、1000番地〜1999番地に格納されており、再圧縮画像データCは、2000番地〜3999番地に格納されており、再圧縮画像データDは、4000番地〜5999番地に格納されている。このため、再圧縮画像データAの読み出し開始アドレスは、0番地であり、読み出し終了アドレスは、999番地となる。また、再圧縮画像データBの読み出し開始アドレスは、1000番地であり、読み出し終了アドレスは、1999番地となる。また、再圧縮画像データCの読み出し開始アドレスは、2000番地であり、読み出し終了アドレスは、3999番地となる。また、再圧縮画像データDの読み出し開始アドレスは、4000番地であり、読み出し終了アドレスは、5999番地となる。
【0047】
また、本実施形態の表示制御装置100では、開発ツール300で作成した制御プログラムをプログラム用ROM102に格納する。制御プログラムの格納は、オフライン処理で行う。開発ツール300は、図3(a)に示す画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データの読み出し開始アドレスと、その再圧縮画像データをデコーダ106で伸張した際の圧縮画像データに相当する読み出し終了アドレスと、を基に、画像データ用ROM104に格納した再圧縮画像データをVDP103が読み出せる制御プログラムを作成する。
【0048】
図3(b)は、画像データを表示装置200に表示する際に使用する制御プログラムを実行した際の各部の読み出しアドレス番地の例を示しており、例えば、VDP103が画像データBを表示装置200に表示する際は、画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データBをVDP103が読み出せるように、画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データBの読み出し開始アドレス(1000番地)と、その再圧縮画像データBをデコーダ106で伸張した際の圧縮画像データに相当する読み出し終了アドレス(2999番地)と、を基に、図3(b)に示す読み出しアドレス番地(1000〜2999番地)を指定した制御プログラムを作成する。
【0049】
図3(a)では、画像データ用ROM104に格納した再圧縮画像データBの読み出し開始アドレスは、1000番地であるため、再圧縮画像データBの読み出し指示を行う際に用いる読み出し開始アドレスは、1000番地となる。また、画像データ用ROM104に格納した再圧縮画像データBの読み出し終了アドレスは、1999番地であるが、VDP103は、画像データ用ROM104からデコーダ106が読み出した再圧縮画像データBをデコーダ106で伸張した後の圧縮画像データBを受け付けることになるため、再圧縮画像データBの読み出し指示を行う際に用いる読み出し終了アドレスは、再圧縮画像データBを伸張した際の圧縮画像データBに相当する読み出し終了アドレス(2999番地)を用いる。このため、開発ツール300は、再圧縮画像データBの読み出し開始アドレス(1000番地)と、その再圧縮画像データBをデコーダ106で伸張した際の圧縮画像データBの読み出し終了アドレス(2999番地)と、を基に、画像データ用ROM104に格納した再圧縮画像データBをVDP103が読み出せる制御プログラムを作成することになる。
【0050】
なお、VDP103が画像データDを表示装置200に表示する際も、画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データDをVDP103が読み出せるように、画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データDの読み出し開始アドレス(4000番地)と、その再圧縮画像データDをデコーダ106で伸張した際の圧縮画像データDの読み出し終了アドレス(7999番地)と、を基に、図3(b)に示す読み出しアドレス番地(4000〜7999番地)を指定した制御プログラムを作成する。
【0051】
<表示制御装置100の処理動作例>
次に、図3、図4を参照しながら、本実施形態の表示制御装置100の処理動作例について説明する。図4は、本実施形態の表示制御装置100の処理動作例を示す。
【0052】
まず、VDP103毎に用意された開発ツール300で作成したオリジナルの画像データを圧縮し、VDP103専用の圧縮画像データを生成し、その圧縮画像データを更に再圧縮した再圧縮画像データを画像データ用ROM104に格納する(ステップA1)。これにより、図3(a)に示すように、再圧縮画像データを画像データ用ROM104に格納することができる。
【0053】
また、開発ツール300は、図3(a)に示す画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データの読み出し開始アドレスと、その再圧縮画像データをデコーダ106で伸張した際の圧縮画像データの読み出し終了アドレスと、を基に、画像データ用ROM104に格納した再圧縮画像データをVDP103が読み出せる制御プログラムを作成し、その作成した制御プログラムをプログラム用ROM102に格納する(ステップA2)。
【0054】
次に、表示制御用CPU101は、プログラム用ROM102に格納された制御プログラムを基に、表示対象の画像データの読み出し指示をVDP103に行う(ステップA3)。
【0055】
VDP103は、表示対象の画像データの読み出し指示を表示制御用CPU101から受け付けた場合に、デコーダ106を経由して、表示対象の画像データをデータ用ROM104から読み出し、その読み出した画像データを表示装置200に表示する(ステップA4)。
【0056】
具体的には、VDP103は、図9に示すように、画像データの読み出し指示を表示制御用CPU101から受け付けた場合に、表示対象の画像データの読み出し開始アドレスを基に、デコーダ106を経由して、画像データ用ROM104から画像データ(圧縮画像データ)の読み出しを開始する(ステップS1)。デコーダ106を経由した画像データ(圧縮画像データ)の読み出しは、フレーム単位で行う。
【0057】
この時、VDP103は、表示対象の画像データの読み出し指示をデコーダ106に通知し、デコーダ106は、表示対象の画像データの読み出し指示をVDP103から受け付けた場合に、表示対象の画像データの読み出し開始アドレスを基に、画像データ用ROM104から画像データ(再圧縮画像データ)を読み出す。デコーダ106は、画像データ用ROM104から読み出した再圧縮画像データをデコーダ106で伸張し、VDP103専用の圧縮画像データに戻してからVDP103に出力する。VDP103は、デコーダ106から受け付けた圧縮画像データを伸張し、オリジナルの画像データに変換し、オリジナルの画像データをVDP用RAM105で表示装置200に表示可能な画像データに変換し、その変換した画像データを表示装置200に表示する。
【0058】
VDP103は、表示対象の画像データの読み出し終了アドレスの画像データ(圧縮画像データ)を画像データ用ROM104から読み出したか否かを判定し(ステップS2)、表示対象の画像データの読み出し終了アドレスの画像データ(圧縮画像データ)をデコーダ106から受け付けるまで、表示対象の画像データの読み出しを継続する(ステップS2/No→S3)。そして、表示対象の画像データの読み出し終了アドレスの画像データ(圧縮画像データ)をデコーダ106から受け付けた場合に、表示対象の画像データの読み出し終了アドレスの画像データ(圧縮画像データ)を画像データ用ROM104から読み出したと判定し(ステップS2/Yes)、画像データの読み出し処理を終了する(End)。
【0059】
例えば、図3(b)に示す制御プログラムを基に、画像データBを表示装置200に表示する場合は、表示制御用CPU101は、画像データBの読み出し指示をVDP103に行う。この時、表示制御用CPU101は、画像データBの読み出し開始アドレス(1000番地)と、読み出し終了アドレス(2999番地)と、の情報をVDP103に通知する。
【0060】
VDP103は、画像データBの読み出し指示を表示制御用CPU101から受け付けた場合に、図9に示す処理動作を開始し、画像データBの読み出し開始アドレス(1000番地)を基に、デコーダ106を経由して、画像データ用ROM104から画像データB(圧縮画像データB)の読み出しを開始する(ステップS1)。
【0061】
この時、VDP103は、画像データBの読み出し指示をデコーダ106に通知し、デコーダ106は、画像データBの読み出し指示をVDP103から受け付けた場合に、画像データBの読み出し開始アドレス(1000番地)を基に、画像データ用ROM104から画像データB(再圧縮画像データB)を読み出す。デコーダ106は、画像データ用ROM104から読み出した再圧縮画像データBをデコーダ106で伸張し、VDP103専用の圧縮画像データBに戻してからVDP103に出力する。VDP103は、デコーダ106から受け付けた圧縮画像データBを伸張し、オリジナルの画像データBに変換し、オリジナルの画像データBをVDP用RAM105で表示装置200に表示可能な画像データBに変換し、その変換した画像データBを表示装置200に表示する。
【0062】
VDP103は、画像データBの読み出し終了アドレス(2999番地)の画像データB(圧縮画像データB)をデコーダ106から受け付けるまで、画像データB(圧縮画像データB)の読み出しを継続して行い、画像データBを表示装置200に表示することになる(ステップS2/No→S3)。
【0063】
この場合、VDP103は、画像データBの読み出し終了アドレス(2999番地)の画像データB(圧縮画像データB)をデコーダ106から受け付けるまで、画像データBの読み出し指示をデコーダ106に通知し、デコーダ106は、画像データBの読み出し指示を受け付ける度に、画像データ用ROM104から再圧縮画像データBを読み出し、その読み出した再圧縮画像データBをデコーダ106で伸張し、VDP103専用の圧縮画像データBに戻してからVDP103に出力する。
【0064】
VDP103は、デコーダ106から受け付けたVDP専用の圧縮画像データBを伸張し、オリジナルの画像データBに変換する。そして、オリジナルの画像データBをVDP用RAM105で表示装置200に表示可能な画像データBに変換し、その変換した画像データBを表示装置200に表示することになる。そして、VDP103は、画像データBの読み出し終了アドレス(2999番地)の画像データB(圧縮画像データB)をデコーダ106から受け付けた場合に、画像データBの読み出し終了アドレス(2999番地)の画像データB(圧縮画像データB)を画像データ用ROM104から読み出したと判定し(ステップS2/Yes)、画像データBの読み出しを終了する(End)。
【0065】
なお、VDP103は、画像データBの読み出しを行う場合は、図3(b)に示すように、デコーダ106を経由して1000番地〜2999番地の画像データの読み出し動作を行うことになるが、実際にデコーダ106が画像データ用ROM104から読み出す画像データは、1000番地〜1999番地の画像データであり、2000番地〜2999番地の画像データを読み出すことはない。これは、デコーダ106は、画像データ用ROM104から読み出した1000番地〜1999番地の再圧縮画像データBをデコーダ106で伸張し、VDP103専用の1000番地〜2999番地の圧縮画像データBに戻してからVDP103に出力しているためである。
【0066】
これにより、画像データ用ROM104に格納された各画像データA〜Dの読み出しアドレス情報が変わってしまっても、VDP103は、画像データBの読み出し指示を表示制御用CPU101から受け付けた場合に、従来と同様な図9に示す処理動作を行い、デコーダ103を経由して、オリジナルの画像データBを表示装置200に表示することができる。
【0067】
このように、本実施形態の表示制御装置100は、VDP103毎に用意された開発ツール300で作成したオリジナルの画像データを圧縮し、VDP103専用の圧縮画像データを生成し、その圧縮画像データを更に再圧縮した再圧縮画像データを画像データ用ROM104に格納する。
【0068】
また、再圧縮画像データの読み出し開始アドレスと、再圧縮画像データをデコーダ106で伸張した際の圧縮画像データの読み出し終了アドレスと、を基に、VDP103が画像データ用ROM104から画像データを読み出す際に用いる各画像データの読み出しアドレス情報を作成し、その読み出しアドレス情報を基に、画像データ用ROM104に格納した再圧縮画像データをVDP103が読み出せる制御プログラムを作成し、その作成した制御プログラムをプログラム用ROM102に格納する。
【0069】
そして、表示制御用CPU101は、プログラム用ROM102に格納された制御プログラムを基に、VDP103を制御し、表示装置200に表示する画像データの読み出し指示をVDP103に行う。VDP103は、画像データの読み出し指示を表示制御用CPU101から受け付けた場合に、表示装置200に表示する画像データの読み出しアドレス情報を基に、デコーダ106を経由して、画像データ用ROM104から再圧縮画像データを読み出し、デコーダ106において再圧縮画像データが伸張され、VDP103専用の圧縮画像データに変換された圧縮画像データをデコーダ106から受け付ける。そして、VDP103は、デコーダ106から受け付けた圧縮画像データをVDP103で伸張し、オリジナルの画像データに変換し、表示装置200にオリジナルの画像データを表示する。
【0070】
これにより、本実施形態の表示制御装置100は、データ用ROM104のメモリ容量を増大させることなく、大容量の画像データをデータ用ROM104に格納することができる。
【0071】
例えば、表示制御装置100において、16bit幅、4G bitの画像データ用ROM104を2つ設け、32bit幅で使用していたと仮定する。この場合、画像データ用ROM104のメモリ容量は、合計で8G bitになる。
【0072】
もし、開発ツール300で作成したオリジナルの画像データを圧縮し、VDP103専用の圧縮画像データを作成し、その圧縮画像データのデータ容量が10G bitになったと仮定する。この場合、2つの画像データ用ROM104のメモリ容量では10G bitの圧縮画像データを格納することができないため、その10G Bitのデータ容量の圧縮画像データを格納するためには、画像データ用ROM104を新たに2つ増設し、4つの画像データ用ROM104を使用しなければならない。しかし、画像データ用ROM104を増設すると、表示制御装置100自体のサイズが大きくなると共に、表示制御装置100自体のコストも増大することになる。
【0073】
このため、本実施形態の表示制御装置100のように、開発ツール300で作成した10G bitの圧縮画像データを、例えば、再圧縮率20%で更に再圧縮し、8G bitの再圧縮画像データとして画像データ用ROM104に格納する。これにより、2つの画像データ用ROM104のメモリ容量で8G bitの再圧縮画像データを格納することができるため、画像データ用ROM104を増設しなくて済むことになる。従って、本実施形態の表示制御装置100は、データ用ROM104のメモリ容量を増大させることなく、大容量の画像データをデータ用ROM104に格納することができる。また、本実施形態の表示制御装置100は、わずか数%の再圧縮率の再圧縮であっても、データ用ROM104のメモリ容量を増大させることなく、画像データをデータ用ROM104に格納することが可能となる。
【0074】
また、本実施形態の表示制御装置100では、画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データの読み出し開始アドレスと、その再圧縮画像データをデコーダ106で伸張した際の圧縮画像データの読み出し終了アドレスと、を基に、画像データ用ROM104に格納した再圧縮画像データをVDP103が読み出せる制御プログラムを作成し、その作成した制御プログラムをプログラム用ROM102に格納する。そして、表示制御用CPU101は、プログラム用ROM102に格納された制御プログラムに従って、画像データの読み出し指示をVDP103に行い、VDP103は、表示制御用CPU101からの画像データの読み出し指示に基づいて、デコーダ106を経由して、画像データ用ROM104から再圧縮画像データを読み出し、デコーダ106において再圧縮画像データが伸張され、VDP専用の圧縮画像データに変換された圧縮画像データをデコーダ106から受け取る。そして、VDP103は、デコーダ106から受け付けた圧縮画像データを伸張し、オリジナルの画像データに変換し、表示装置200にオリジナルの画像データを表示する。
【0075】
これにより、本実施形態の表示制御装置100は、VDP103専用の圧縮画像データを再圧縮した再圧縮画像データを画像データ用ROM104に格納しても、VDP103は、表示対象の画像データを、デコーダ106を経由して画像データ用ROM104から読み出し、該読み出した画像データを表示装置200に表示することができる。
【0076】
なお、図7に示す『制御プログラム』は、図7に示す画像データ用ROM104に格納した圧縮画像データのアドレス情報(読み出し開始アドレス、読み出し終了アドレス)を基に作成している。このため、本実施形態の表示制御装置100において、図7に示す『制御プログラム』を用いた場合には、VDP103は、画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データを読み出すことができない。しかし、図5に示す変換テーブル400を用いることで、図7に示す『制御プログラム』を用いた場合でも、VDP103は、画像データ用ROM104から再圧縮画像データを読み出して、表示装置200に表示することができる。
【0077】
図5に示す変換テーブル400は、圧縮画像データの読み出しアドレス情報(読み出し開始アドレス、読み出し終了アドレス)と、再圧縮画像データの読み出しアドレス情報(読み出し開始アドレス、読み出し終了アドレス)と、の関係を示す変換テーブルであり、この図5に示す変換テーブル400をデコーダ106に実装する。そして、デコーダ106は、例えば、VDP103から圧縮画像データBの読み出し指示を受け付けた場合に、図5に示す変換テーブル400を用いて、圧縮画像データBの読み出しアドレス情報を、再圧縮画像データBの読み出しアドレス情報に変換する。そして、変換した再圧縮画像データBの読み出しアドレス情報を基に、画像データ用ROM104から再圧縮画像データBを読み出し、その読み出した再圧縮画像データBをデコーダ106で伸張し、VDP103専用の圧縮画像データBに戻してからVDP103に出力する。これにより、VDP103は、図7に示す『制御プログラム』を用いた場合でも、デコーダ106を経由して、表示対象の画像データB(再圧縮画像データB)を画像データ用ROM104から読み出すことができる。
【0078】
但し、図5に示す変換テーブル400をデコーダ106に実装し、デコーダ106でアドレス情報の変換処理を行う構成にした場合は、デコーダ106での処理量が多くなる共に、遅延が発生し、画像データ用ROM104から読み出した圧縮画像データをVDP103に出力するまでの時間がかかってしまうことになる。また、処理能力の高い高機能のデコーダ106を実装する必要がある。
【0079】
このため、本実施形態の表示制御装置100では、画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データの読み出し開始アドレスと、その再圧縮画像データをデコーダ106で伸張した際の圧縮画像データの読み出し終了アドレスと、を基に、画像データ用ROM104に格納した再圧縮画像データをVDP103が読み出せる制御プログラムを作成し、その制御プログラムを用いることにしている。これにより、デコーダ106に図5に示す変換テーブル400を実装する必要がなく、VDP103は、簡易なデコーダ106を用いて、画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データを読み出すことができる。また、本実施形態の表示制御装置100は、表示制御用CPU101やVDP103の機能を改良することなく、既存の表示制御用CPU101やVDP103を用いつつ、且つ、VDP103は、簡易なデコーダ106を用いて、画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データを読み出すことができる。従って、本実施形態の表示制御装置100は、表示制御装置100自体のコストを増大させることなく、大容量の画像データを表示装置200に表示することが可能となる。その結果、表示装置200で表示する画像データの演出の多機能化、多様化を実現することが可能となる。
【0080】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0081】
第1の実施形態では、画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データの読み出し開始アドレスと、その再圧縮画像データをデコーダ106で伸張した際の圧縮画像データの読み出し終了アドレスと、を基に、画像データ用ROM104に格納した再圧縮画像データをVDP103が読み出せる制御プログラムを作成し、その制御プログラムを用いて、画像データ用ROM104から再圧縮画像データを読み出し、表示装置200に表示することにした。
【0082】
第2の実施形態では、画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データの読み出し開始アドレスと、その再圧縮画像データをデコーダ106で伸張した際の圧縮画像データのデータサイズと、を基に、画像データ用ROM104に格納した再圧縮画像データをVDP103が読み出せる制御プログラムを作成し、その制御プログラムを用いて、画像データ用ROM104から画像データを読み出し、表示装置200に表示する。これにより、読み出し終了アドレスを用いなくとも、圧縮画像データのデータサイズを用いて、第1の実施形態と同様に、画像データ用ROM104から再圧縮画像データを読み出し、表示装置200に表示することができる。以下、図6を参照しながら、本実施形態の表示制御装置100について説明する。
【0083】
本実施形態の表示制御装置100では、開発ツール300は、図3(a)に示す画像データ用ROM104に格納された再圧縮画像データの読み出し開始アドレスと、その再圧縮画像データをデコーダ106で伸張した際の圧縮画像データのデータサイズ(データ量)と、を基に、画像データ用ROM104に格納した再圧縮画像データをVDP103が読み出せる制御プログラムを作成し、その作成した制御プログラムをプログラム用ROM102に格納する。制御プログラムの格納は、オフライン処理で行う。
【0084】
次に、表示制御用CPU101は、プログラム用ROM102に格納された制御プログラムを基に、表示対象の画像データの読み出し指示をVDP103に行う。
【0085】
VDP103は、表示対象の画像データの読み出し指示を表示制御用CPU101から受け付けた場合に、デコーダ106を経由して、表示対象の画像データをデータ用ROM104から読み出し、その読み出した画像データを表示装置200に表示する。
【0086】
具体的には、VDP103は、図6に示すように、画像データの読み出し指示を表示制御用CPU101から受け付けた場合に、表示対象の画像データの読み出し開始アドレスを基に、デコーダ106を経由して、画像データ用ROM104から画像データ(圧縮画像データ)の読み出しを開始する(ステップB1)。
【0087】
この時、VDP103は、表示対象の画像データの読み出し指示をデコーダ106に通知し、デコーダ106は、表示対象の画像データの読み出し指示をVDP103から受け付けた場合に、表示対象の画像データの読み出し開始アドレスを基に、画像データ用ROM104から画像データ(再圧縮画像データ)を読み出す。デコーダ106は、画像データ用ROM104から読み出した再圧縮画像データをデコーダ106で伸張し、VDP103専用の圧縮画像データに戻してからVDP103に出力する。
【0088】
VDP103は、デコーダ106から受け付けた圧縮画像データを伸張し、オリジナルの画像データに変換し、オリジナルの画像データをVDP用RAM105で表示装置200に表示可能な画像データに変換し、その変換した画像データを表示装置200に表示する。
【0089】
VDP103は、画像データ用ROM104から読み出した画像データのデータ量が、表示対象の画像データのデータサイズになったか否かを判定し(ステップB2)、デコーダ106から受け付けた画像データのデータ量が、表示対象の画像データのデータサイズになるまで、表示対象の画像データの読み出しを継続する(ステップB2/No→B3)。そして、デコーダ106から受け付けた画像データのデータ量が、表示対象の画像データのデータサイズになった場合に、画像データ用ROM104から読み出した画像データのデータ量が、表示対象の画像データのデータサイズになったと判定し(ステップB2/Yes)、画像データの読み出し処理を終了する(End)。
【0090】
例えば、本実施形態の制御プログラムを基に、画像データBを表示装置200に表示する場合は、表示制御用CPU101は、画像データBの読み出し指示をVDP103に行う。この時、表示制御用CPU101は、画像データBの読み出し開始アドレス(1000番地)と、圧縮画像データBのデータサイズと、の情報をVDP103に通知する。
【0091】
VDP103は、画像データBの読み出し指示を表示制御用CPU101から受け付けた場合に、図6に示す処理動作を開始し、画像データBの読み出し開始アドレス(1000番地)を基に、デコーダ106を経由して、画像データ用ROM104から画像データB(圧縮画像データB)の読み出しを開始する(ステップB1)。
【0092】
この時、VDP103は、画像データBの読み出し指示をデコーダ106に通知し、デコーダ106は、画像データBの読み出し指示をVDP103から受け付けた場合に、画像データBの読み出し開始アドレス(1000番地)を基に、画像データ用ROM104から画像データB(再圧縮画像データB)を読み出す。デコーダ106は、画像データ用ROM104から読み出した再圧縮画像データBをデコーダ106で伸張し、VDP103専用の圧縮画像データBに戻してからVDP103に出力する。VDP103は、デコーダ106から受け付けた圧縮画像データBを伸張し、オリジナルの画像データBに変換し、オリジナルの画像データBをVDP用RAM105で表示装置200に表示可能な画像データBに変換し、その変換した画像データBを表示装置200に表示する。
【0093】
VDP103は、圧縮画像データBのデータサイズに相当するデータ量をデコーダ106から受け付けるまで、圧縮画像データBの読み出しを継続して行い、画像データBを表示装置200に表示することになる(ステップB2/No→B3)。
【0094】
この場合、VDP103は、画像データB(圧縮画像データB)のデータサイズに相当するデータ量をデコーダ106から受け付けるまで、画像データBの読み出し指示をデコーダ106に通知し、デコーダ106は、画像データBの読み出し指示を受け付ける度に、画像データ用ROM104から圧縮画像データBを読み出し、その読み出した再圧縮画像データBをデコーダ106で伸張し、VDP103専用の圧縮画像データBに戻してからVDP103に出力する。
【0095】
VDP103は、デコーダ106から受け付けたVDP専用の圧縮画像データBを伸張し、オリジナルの画像データBに変換する。そして、オリジナルの画像データBをVDP用RAM105で表示装置200に表示可能な画像データBに変換し、その変換した画像データBを表示装置200に表示することになる。そして、VDP103は、圧縮画像データBのデータサイズに相当するデータ量をデコーダ106から受け付けた場合に、画像データ用ROM104から読み出した画像データB(圧縮画像データB)のデータ量が、表示対象の画像データBのデータサイズになったと判定し(ステップB2/Yes)、画像データBの読み出し処理を終了する(End)。
【0096】
これにより、画像データ用ROM104に格納された各画像データA〜Dの読み出しアドレス情報が変わってしまっても、VDP103は、画像データBの読み出し指示を表示制御用CPU101から受け付けた場合に、図6に示す処理動作を行い、デコーダ103を経由して、オリジナルの画像データBを表示装置200に表示することができる。
【0097】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0098】
例えば、上述した実施形態では、表示制御装置100を例に説明した。しかし、本実施形態の技術は、表示制御装置100に限定するものではなく、音声データ等を出力する装置等にも適用することが可能である。この場合は、上述した画像データが音声データになるだけであり、処理動作は、上述した処理動作を行い、音声データの出力対象が表示装置200ではなくスピーカ等の出力装置200になるだけである。即ち、本発明の技術思想は、画像データに限定するものではなく、大容量のデータをROM104に格納し、そのROM104に格納したデータを出力装置200に出力する出力制御装置に適用可能である。
【0099】
また、上述した本実施形態における表示制御装置100を構成する各部における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
【0100】
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0101】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。なお、リムーバブル記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。
【0102】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することになる。
【0103】
また、本実施形態における表示制御装置100は、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【0104】
本発明は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機、スロットマシン、パチスロ機等の回胴式遊技機、ポーカーゲーム機等の各種ゲーム機で使用される遊技機に好適である。また、デジタルサイネージ等の大容量のデータを出力する装置等にも好適である。
【符号の説明】
【0105】
100 表示制御装置(出力制御装置)
101 表示制御用CPU(制御用CPU)
102 プログラム用ROM
103 VDP(出力制御手段)
104 画像データ用ROM(データ用ROM)
105 VDP用RAM
106 デコーダ
200 表示装置(出力装置)
300 開発ツール
400 変換テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを圧縮した圧縮データを格納するデータ用ROMと、
制御プログラムに従って前記圧縮データの読み出しを行う出力制御手段と、
前記圧縮データを伸張するデコーダと、を有する出力制御装置であって、
前記制御プログラムには、前記圧縮データの情報と、前記圧縮データを前記デコーダで伸張した後の前記データの情報と、が指定されており、
前記出力制御手段は、
前記圧縮データの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを開始し、前記データの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを終了することを特徴とする出力制御装置。
【請求項2】
前記圧縮データの情報は、前記データ用ROMに格納された前記圧縮データの読み出し開始アドレスの情報であり、
前記データの情報は、前記データ用ROMに格納された前記圧縮データを前記デコーダにおいて伸張した後の前記データに相当する読み出し終了アドレスの情報であり、
前記出力制御手段は、
前記読み出し開始アドレスの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを開始し、前記読み出し終了アドレスの情報に相当する前記データを前記デコーダから受け付けた場合に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを終了することを特徴とする請求項1記載の出力制御装置。
【請求項3】
前記圧縮データの情報は、前記データ用ROMに格納された前記圧縮データの読み出し開始アドレスの情報であり、
前記データの情報は、前記データ用ROMに格納された前記圧縮データを前記デコーダにおいて伸張した後の前記データに相当するデータサイズの情報であり、
前記出力制御手段は、
前記読み出し開始アドレスの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを開始し、前記デコーダから受け付けた前記データのデータサイズが前記データサイズの情報になった場合に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを終了することを特徴とする請求項1記載の出力制御装置。
【請求項4】
データを圧縮した圧縮データを格納するデータ用ROMと、
制御プログラムに従って前記圧縮データの読み出しを行う出力制御手段と、
前記圧縮データを伸張するデコーダと、を有する出力制御装置で行う制御方法であって、
前記制御プログラムには、前記圧縮データの情報と、前記圧縮データを前記デコーダで伸張した後の前記データの情報と、が指定されており、
前記出力制御手段は、
前記圧縮データの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを開始し、前記データの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを終了することを特徴とする制御方法。
【請求項5】
データを圧縮した圧縮データを格納するデータ用ROMと、
制御プログラムに従って前記圧縮データの読み出しを行う出力制御手段と、
前記圧縮データを伸張するデコーダと、を有する出力制御装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記制御プログラムには、前記圧縮データの情報と、前記圧縮データを前記デコーダで伸張した後の前記データの情報と、が指定されており、
前記圧縮データの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを開始し、前記データの情報を基に、前記デコーダを介した前記圧縮データの読み出しを終了する処理を、前記出力制御手段に実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−215411(P2011−215411A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84171(P2010−84171)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】