説明

出湯量及び配湯量管理システム

【課題】保持炉単位、もしくは鋳造設備を備えた工場単位で配湯量を管理することができ、出湯重量を計測可能とすることで、配湯量だけでなく出湯量も併せて管理することのできる出湯量及び配湯量管理システムを提供する。
【解決手段】鋳造装置21と溶解炉11との間を走行可能な配湯車両30と、配湯車両に載置され、内部に保持した溶湯を保持炉22に供給することのできる配湯用容器32とを用いて、溶解炉からの溶湯の出湯量、及び鋳造装置の保持炉への溶湯の配湯量を管理するため、溶融金属配湯車両に載置した配湯用容器の重量を計測する重量計測手段と、溶融金属配湯車両との間で無線通信を行って、重量計測手段で計測した出湯及び配湯の前後における配湯用容器の重量、もしくは当該重量に基づき算出した溶湯の出湯重量及び配湯重量を取得し、複数の出湯重量及び配湯重量を記憶して出湯量及び配湯量を管理する湯量管理手段56とを具備するシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳造設備における出湯量及び配湯量管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アルミニウム溶湯などの溶融金属を鋳造装置の保持炉に供給(配湯)するための手段として、フォークリフトを使用し、フォークリフトの前方部に設けられたフォーク上に配湯用容器を保持した状態でフォークを昇降し、さらに傾動させることにより、配湯用容器内の溶融金属を保持炉に供給する方法が知られている。あるいは、従来のフォークに比べて安全でかつ配湯量を制御し易い加圧型の配湯用容器を用いた配湯手段が知られている。
【0003】
また、下記特許文献1には、各保持炉に対して必要な量の溶融金属を正確に供給するための手段として、配湯用容器を保持するフォークなどの保持部材を昇降駆動するための油圧式駆動機構と、油圧式駆動機構における油圧を計測する手段と、計測された油圧に基づき、上記容器から外部に供給された溶融金属の重量を推定する手段とを具備した配湯車両が記載されている。そして、このような車両を用いることにより、容器から外部に供給された溶融金属の重量を計測するようにしている。具体的には、油圧計測手段により検出された重量情報を車輌に設けた電気制御盤に送り、電気制御盤において上記重量情報に基づき電子レギュレータによる加圧気体の圧送圧力を制御すると共に、電磁弁で圧送のオンオフ切替えを行うようになっている。そして、電磁弁の開放動作に伴い、保持炉への溶融金属の供給を開始し、容器の重量が所定の値に達したことを油圧計測手段によって検出すると、電気制御盤により電子レギュレータをオフとして、加圧気体の圧送を停止し、溶融金属の保持炉への供給を自動的に停止させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−316225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、各保持炉における配湯量を制御する技術についての提案がなされている一方で、そもそも、この種の技術分野においては、出湯重量を計測し、配湯重量と共に管理するという発想自体が存在していなかった。そのため、例えば新たに溶湯使用量(配湯量)の歩留まり管理等を図る目的で、出湯重量のデータ管理を行おうとしても、データ管理可能な出湯重量の計測手段すら確立されていないのが現状であった。
【0006】
また、実際の配湯作業では、作業者が、溶湯の供給が必要となった保持炉を確認した上で、複数の保持炉を回って配湯作業を行い、また、供給までの残り時間や供給を必要とする複数の保持炉の配置態様も考慮して、優先的に供給すべき保持炉や、後回しできる保持炉を判断し、その配湯経路(配湯の順序)を決定する場合もある。このようにある程度の柔軟性を持たせて配湯作業を行う場合、同じ保持炉であっても、他の保持炉への配湯の兼ね合いで、1回の配湯量が異なる場合がある。そのため、保持炉ごとにどの程度の溶湯が供給されているのかを把握することは、設備全体としての配湯量を管理し、より適切な配湯経路の導出を図る上でも非常に重要となる。これに対して、上記特許文献1に記載の配湯量制御手段は、予め設定された配湯量に達すると、配湯動作を停止するよう制御したものであり、上述のように、結果として使用した溶湯量(配湯量)の計測及び管理を狙ったものではない。
【0007】
また、配湯経路の最適化、又は最適化による配湯作業の高効率化を考えた場合、配湯車輌単位ではなく、保持炉(鋳造装置)単位、もしくは鋳造設備を備えた工場単位で使用した溶湯量(配湯量)を把握し、管理する必要がある。また、1日単位など時間単位で使用する溶湯量(出湯量や配湯量)を把握し、管理することも、生産管理の面から重要となる。しかしながら、上記特許文献1では、1台の配湯車両に、溶湯重量の計測手段(油圧計測手段)から溶湯の供給制御手段(電気制御盤、電子レギュレータ)に至る一連の配湯制御手段が具備されていることから、車両単位での配湯量を制御ないし管理することはできても、鋳造装置(保持炉)単位での配湯量の管理は難しいという問題があった。特に、この種の鋳造設備においては、複数の鋳造装置(の保持炉)に対して適当な時期に効率よく配湯を行うために、複数台の配湯車両を使用するのが一般的であり、その場合、各配湯車両ごとに回った箇所の配湯量の統計管理を図ることはできても、保持炉単位、もしくは鋳造設備を備えた工場単位での配湯量の管理ができない問題があった。
【0008】
以上の事情に鑑み、保持炉単位、もしくは鋳造設備を備えた工場単位で配湯量を管理することができ、かつ、出湯重量を計測可能とすることで、配湯量だけでなく出湯量も併せて管理することのできる出湯量及び配湯量管理システムを提供することを、本発明により解決すべき技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題の解決は、本発明に係る出湯量及び配湯量管理システムにより達成される。すなわち、この管理システムは、鋳造装置と溶解炉との間を走行可能な配湯車両と、配湯車両に載置され、内部に保持した溶湯を鋳造装置の保持炉に供給することのできる配湯用容器とを用いて、溶解炉からの溶湯の出湯量、及び鋳造装置の保持炉への溶湯の配湯量を管理するためのシステムであって、配湯車両に設けられ、配湯車両に載置した状態の配湯用容器の重量を計測する重量計測手段と、配湯車両との間で無線通信を行って、重量計測手段で計測した出湯及び配湯の前後における配湯用容器の重量、もしくは当該重量に基づき算出した溶湯の出湯重量及び配湯重量を取得すると共に、複数の出湯重量及び配湯重量を記憶して出湯量及び配湯量を管理する湯量管理手段とを具備する点をもって特徴付けられる。
【0010】
このように、鋳造装置と溶解炉との間を走行可能な配湯車両を採用すると共に、この配湯車両に、載置した状態の配湯用容器の重量を計測する重量計測手段を設け、かつこの計測手段で計測した出湯及び配湯の前後における配湯用容器の重量に基づき、溶湯の出湯重量及び配湯重量を算出するようにしたので、配湯時の溶湯変化量(減少量)だけでなく、出湯時の溶湯変化量(増加量)についても簡単に計測することができる。また、配湯車両に設けた共通の重量計測手段を用いて出湯時の溶湯増加量と配湯時の溶湯減少量を計測できるので、出湯時と配湯時とで別個の計測手段を用いずに済む。そのため、設備上の無駄を省いて効率よくかつ低コストに重量計測を行うことができる。また、配湯車両と湯量管理手段との間で無線通信を行うことにより、重量計測手段で計測した配湯用容器の重量情報を湯量管理手段に送信し、該送信した重量情報に基づき出湯重量及び配湯重量を算出するようにし、もしくは上記配湯用容器の重量情報に基づき算出した出湯重量及び配湯重量を湯量管理手段に送信するようにし、これらを記憶するようにしたので、複数の配湯車両で出湯及び配湯作業を行う場合であっても、各配湯車両の出湯量及び配湯量を、一ヶ所(湯量管理手段)で集中的にデータ管理することができる。これにより、保持炉単位での湯量管理を可能として、配湯経路の最適化、ひいては当該最適化による配湯作業の高効率化を図ることができる。また、工場単位での湯量管理(出湯量及び配湯量の管理)を行うことも可能となるので、例えば溶湯使用量の歩留まり管理等を含めた生産管理の改善を図ることも可能となる。
【0011】
また、この場合、本発明に係る管理システムは、配湯車両を外部電源と接続することで、加圧気体の注入による配湯の開始操作、および重量計測手段による配湯用容器の重量計測を可能とし、配湯開始操作を行うことで、重量計測手段が起動して配湯用容器の重量が計測されるようにしたものであってもよい。
【0012】
このように外部電源と接続することにより配湯開始操作を可能とすることで、配湯車両を停止させた状態で、配湯が必要なときにのみ配湯作業を行うことができる。また、配湯開始操作が可能となる際に、併せて重量計測も可能とすることで、重量計測が必要となる配湯の前後でのみ重量計測を行うことができる。加えて、上記構成のように、配湯開始操作を行うことで、重量計測手段が起動して配湯用容器の重量が計測されるようにしたので、配湯作業に必須の操作を行うだけで、確実かつ自動的に配湯用容器の重量が計測される。これにより、作業者の計測ミス(計測操作忘れ等)を防止して、配湯前に配湯用容器の重量計測を確実に実施することができる。また、上記構成と併せて、例えば配湯終了後に電源オフスイッチ等の操作(配湯終了操作)を行うことで、重量計測手段が起動して配湯用容器の重量が計測されるようにしてもよく、この際には、配湯の前後で確実に溶湯(配湯用容器)の重量計測を実施することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、保持炉単位、もしくは鋳造設備を備えた工場単位で配湯量を管理することができ、かつ、出湯重量を計測可能とすることで、配湯量だけでなく出湯量も併せて管理することのできる出湯量及び配湯量管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る出湯量及び配湯量管理システムを適用した出湯および配湯システムの全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る出湯量及び配湯量管理システムに使用される溶融金属配湯車両の側面図である。
【図3】溶融金属配湯車両の平面図である。
【図4】溶融金属配湯車両の配湯時の動作を概念的に説明するための要部平面図である。
【図5】停止位置検知装置を溶融金属配湯車両の正面側から見た図である。
【図6】上蓋脱着ステーションにおける配湯用容器の上蓋部の脱着作業を概念的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る出湯量及び配湯量管理システムの一実施形態を図面に基づき説明する。なお、これ以降の説明においては、特に断りのない限り、鉛直方向を単に上下方向というものとする。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る出湯量及び配湯量管理システムを適用した出湯および配湯システムの全体構成を示している。同図に示すように、この出湯および配湯システムは、溶解炉11で出湯作業を行うための出湯ステーション10と、この出湯ステーション10と連絡通路12を介して隣接しており、各鋳造装置21の保持炉22に対して配湯作業を行うための配湯ステーション20とを有する(同一建屋内、同一敷地内の有無は問わない。)。そして、連絡通路12を介して、出湯ステーション10内の通路13と、配湯ステーション20内の通路23とに跨がって走行可能な溶融金属配湯車両30により、出湯ステーション10で出湯された溶融金属を、配湯ステーション20内に複数配設された鋳造装置21の保持炉22に供給(配湯)するようになっている。
【0017】
ここで、溶融金属配湯車両30は、図2に示すように、牽引車両31と、牽引車両31の後方に連結され、配湯用容器32を載置した被牽引車両33とを具備する。また、牽引車両31と被牽引車両33とは継手部34を介して連結されており、これにより、被牽引車両33を、牽引車両31に対して水平方向ないし鉛直方向に傾動自在となるように牽引して走行できるようになっている。
【0018】
このうち牽引車両31は、例えば、各保持炉22の近傍に配設された外部電源24(図4を参照)との接続部35と、加圧気体(例えば加圧エア)を配湯用容器32の内部に注入する加圧気体注入装置36、及び制御盤37を有する。接続部35は、この実施形態では、配湯ステーション20内の通路23上から見て保持炉22側となる、制御盤37の右側面部に取り付けられている。また、加圧気体注入装置36は、コンプレッサ38と、コンプレッサ38により圧縮された気体を所定の圧力に調整する圧力調整装置39とで構成されている。コンプレッサ38と圧力調整装置39とは、ホース40などの配気管を介して接続されており、コンプレッサ38で加圧した気体を圧力調整装置39に圧送できるようになっている。
【0019】
被牽引車両33は、載置した状態の配湯用容器32を鉛直軸まわりに回転させる回転機構41を有する。回転機構41は、被牽引車両33のフレーム部に固定された基部42と、基部42に対して鉛直軸まわりに相対回転する回転台43、および回転台43に回転駆動力を付与するモータ(図示は省略)とで構成されている。このうち、回転台43は、図2に示すように、配湯用容器32を載置する載置台を兼ねており、回転台43の上面から上方に突出した複数の保持部によって回転台43上に載置した配湯用容器32を、一定の高さに維持した状態で保持できるようになっている。この実施形態では、図3に示すように、回転機構41のモータを駆動させることにより、回転台43が基部42(被牽引車両33のフレーム部)に対して昇降することなく、鉛直軸まわりに相対回転するようになっている。これにより、後述する配湯用容器32の配湯用ノズル44が、牽引車両31の前後方向に沿った向きに配向した状態から時計回りに少なくとも90°旋回移動できるように構成されている。
【0020】
この回転台43上に載置される配湯用容器32は、溶融金属を内部に保持するための有底筒部45と、有底筒部45の上端開口部を塞ぐための上蓋部46とを有する。上蓋部46には、有底筒部45内に保持した溶融金属を保持炉22へ供給するための配湯用ノズル44が取り付けられている。この配湯用ノズル44は、上蓋部46の上方部からその外径側へと伸びた形状を呈しており、その下端部は有底筒部45の内部に挿入されると共に、その外径側端部は、配湯時以外(走行時)には、牽引車両31の側に配向している。そして、この上蓋部46と、牽引車両31に設けた圧力調整装置39とがホース47などの配気管で接続され、所定の圧力に調整された加圧気体が配湯用容器32の内部に供給されるようになっている。
【0021】
なお、この実施形態では、上蓋部46は、有底筒部45に対して脱着可能に取り付けられており、例えば出湯ステーション10内に設けた上蓋脱着ステーション14において、上蓋部46の脱着作業が行われるようになっている。詳述すると、図6に示すように、上蓋脱着ステーション14には、上蓋部46を保持して上方へ取り外すためのロボットアーム15が設置されており、配湯ステーション20から走行してきた溶融金属配湯車両30の配湯用容器32から上蓋部46を取り外すと共に、その後、上蓋部46を取り外した状態で出湯ステーション10内を走行し、出湯作業を終了した溶融金属配湯車両30の配湯用容器32に上蓋部46を装着するようになっている。
【0022】
また、この配湯車両30は、被牽引車両33の停止位置を検知する停止位置検知装置50をさらに具備している。この図示例では、図5に示すように、牽引車両31の側に設けた複数個の光センサ51と、保持炉22の側に設けた1又は複数個の対応する反射板52とで構成される。そして、図4に示すように、溶融金属配湯車両30を、保持炉22の開口部25に対して配湯用容器32内の溶融金属を供給可能な所定位置に停止させた場合に、光センサ51と反射板52とが車幅方向に対向し、光センサ51が反射板52からの反射光を受光できるように、溶融金属配湯車両30の停止位置が定められると共に、光センサ51と反射板52の取り付け位置がそれぞれ設定される。
【0023】
また、この実施形態では、停止位置検知装置50と制御盤37とで、配湯操作に係るインターロックが設けられている。すなわち、外部電源24を接続部35に接続することで、制御盤37を起動させ、然る後、停止位置検知装置50を構成する光センサ51を作動させる。この際、制御盤37は光センサ51と電気的に接続されており、かつ、インターロックの対象となる回転機構41のモータや加圧気体注入装置36とも電気的に接続されている。そして、この光センサ51により、被牽引車両33が上記配湯可能位置に停止していることを検知した場合、この結果を受けた制御盤37からの指令によって、作業者による回転駆動操作(例えば対応するボタンの押圧操作)が有効となる。言い換えると、作業者の操作により、回転機構41および加圧気体注入装置36を起動させることができる。一方、上記配湯可能位置から外れて停止していることを検知した場合、この結果を受けた制御盤37からの指令によって、作業者による回転駆動操作(例えば対応するボタンを押す操作)が無効となる。言い換えると、たとえ作業者が正規の操作を行ったとしても、配湯可能位置に配湯用容器32が位置していない場合には、回転機構41と加圧気体注入装置36の何れも起動させることができないようになっている。
【0024】
また、上述した光センサ51を複数配置し、これに対応する反射板52との組合せにより、検知時、何れの保持炉22の側方に位置しているのかを識別するようにしている。すなわち、図5に示すように、複数個の光センサ51を鉛直方向に沿って配設すると共に、1又は複数の反射板52を対応する位置(配湯可能位置に配湯用容器32を停止させた場合に車幅方向で光センサ51と対向する位置)に配設する。ここで、保持炉22ごとに異なる配列態様で1又は複数の反射板52を配設するようにする。この配列態様は予め制御盤37に入力しておく。そして、全ての光センサ51を作動させて、反射板52のある位置でのみ反射光を検出すると共に、検出した光センサ51の組合せを、予め入力しておいた保持炉22ごとの反射板52の配列情報と照らし合わせることにより、現在、溶融金属配湯車両30が何れの保持炉22の側方に位置しているのか、との情報を取得することができるようになっている。
【0025】
さらに、この実施形態では、被牽引車両33と保持炉22何れか一方の側にQRコード53を取り付けると共に、他方の側にQRリーダー54を取り付け、上記配湯可能位置に溶融金属配湯車両30が停止した際、QRリーダー54でQRコード53の情報を読み取るようにしている。ここで、QRコード53には、配湯用容器32内に充填した溶融金属の種類に関する情報が入力されており、これをQRリーダー54で読み取ることで、これから配湯を行おうとする溶融金属の種類を識別することができる。従って、上記した複数の光センサ51と反射板52との組合せによる位置認識システムと組合せることにより、今目の前にある保持炉22に供給すべき材料が、配湯用容器32の内部に保持されている溶融金属であるか否かを識別できるようになっている。従って、この識別結果に基づき、配湯用容器32の内部に保持されている材料(溶融金属)が配湯すべき材料でない場合には、制御盤37からの指令により、以後の配湯操作(ボタン操作)が無効となるように設定される。なお、これら一連の判定、識別動作は、牽引車両31に搭載された制御盤37で行われる。なお、QRコード53とQRリーダー54とは、上記以外の配置が可能であり、例えばQRコード53を配湯用容器32に、QRリーダー54を被牽引車両33の側に設けて、上記配湯可能位置に溶融金属配湯車両30が停止した際、あるいは、配湯用ノズル44を配湯可能位置まで旋回させた際、QRコード53に入力された上記情報をQRリーダー54で読み取るようにしてもよい。
【0026】
また、この実施形態では、配湯後の誤操作を防止するためのインターロックが設けられている。具体的には、外部電源24を差込んだまま走行できないようにするため、制御盤37に機械式のインターロックを設けている。例えば、牽引車両31の制御盤37内部に外部電源24の接続部35を設け、この制御盤37の扉を牽引車両31の駆動用キーで開ける場合、このキーの差込み口に予め機械的な係止手段を設けておき、先に外部電源24と接続部35との接続状態を解消しないと上記係止手段と駆動用キーとの係止状態が維持され、結果、駆動用キーが抜けないようになっている。そのため、先に外部電源24との接続状態を解除することではじめて駆動用キーが抜けるようになっている。配湯用ノズル44についても同様に、配湯用ノズル44を保持炉22側に回転させたままの状態で走行できないようにするための機械式のインターロックを設けている。具体的には、駆動用キーを機械的にロックする機構を設けておき、例えば配湯用ノズル44が元の位置(牽引車両31に向けて伸びる位置)に戻った際に機械的なロックが解除される一方、配湯時の位置から戻し忘れた状態では、上記機械的なロックが維持され、結果、駆動用キーが抜けないようになっている。
【0027】
本発明に係る出湯量及び配湯量管理システムは、溶融金属配湯車両30に設けられ、この配湯車両30に載置した状態の配湯用容器32の重量を計測する重量計測手段55と、溶融金属配湯車両30との間で無線通信を行って、重量計測手段55で計測した出湯及び配湯の前後における配湯用容器32の重量、もしくは当該重量に基づき算出した溶湯の出湯重量及び配湯重量を取得すると共に、複数の出湯重量及び配湯重量を記憶して出湯量及び配湯量を管理する湯量管理手段56とを具備する。
【0028】
この実施形態では、重量計測手段55としてのロードセルが、配湯用容器32が載置される回転台43の下方、正確には、回転台43の下方に位置する回転機構41の基部42と、被牽引車両33のフレーム部との間に複数個配設されている。この重量計測手段55は制御盤37と電気的に接続されており、制御盤37からの指令を受けた場合に、その上方に位置する物体(ここでは、溶融金属を内部に保持した配湯用容器32と回転機構41)の重量を計測できるようになっている。
【0029】
湯量管理手段56は、この実施形態では、溶融金属配湯車両30側に設けた無線通信手段で重量計測手段55と無線通信を行うことにより(図1中、一点鎖線で示す矢印)、重量計測手段55で計測した出湯及び配湯の前後における配湯用容器32(及び回転機構41)の重量を取得できるようになっており、この取得した重量の差分に基づき、1回当りの溶湯の出湯重量及び配湯重量を算出するようになっている。そして、このようにして算出した複数の出湯重量及び配湯重量を記憶することで、出湯量及び配湯量を管理できるようになっている。この実施形態では、複数の溶湯金属配湯車両30が使用されているので、溶融金属配湯車両30ごとの出湯時の溶湯供給量(増加量)及び配湯時の溶湯使用量(減少量)を算出し、記憶することで、全ての溶融金属配湯車両30による出湯重量及び配湯重量を記憶することができ、これにより、溶解炉11単位もしくは出湯ステーション10単位での出湯量を管理できると共に、保持炉22単位もしくは配湯ステーション20単位での配湯量を管理できるようになっている。
【0030】
また、この実施形態では、出湯ステーション10における溶湯の重量計測を、出湯ステーション10内に設けた上蓋脱着ステーション14にて行うようにしている。すなわち、上蓋脱着ステーション14における、出湯前の所定位置(上蓋取外し位置)P2に溶融金属配湯車両30を停止させると、外部電源(図示は省略)を接続部35と接続する。そして、例えば制御盤37に設けた所定のボタンを押圧操作することにより、制御盤37からの起動指令を重量計測手段55に送って、当該重量計測手段55による出湯前の配湯用容器32の重量計測が行われる。そして、溶解炉11からの出湯作業が終了して、上蓋脱着ステーション14へと戻ってきた溶融金属配湯車両30を出湯後の所定位置(上蓋装着位置)P4で停止させ、外部電源と接続して、上述の如きボタン操作を行うことにより、重量計測手段55を起動させ、これにより出湯後の配湯用容器32の重量計測が行われるようになっている。
【0031】
また、この上蓋脱着ステーション14には、データ入力装置(図示は省略)が配設されており、この入力装置から作業者が、出湯を行う(あるいは行った)溶湯の情報(比重、温度など)や配湯用容器の種類(ロットナンバーなど)を入力し、これら入力情報を無線通信により湯量管理手段56に送っておくことで、後に取得する出湯重量及び配湯重量と併せて、出湯量及び配湯量が詳細かつ正確に管理されるようになっている。
【0032】
なお、制御盤37からの指令による重量計測手段55の起動及び重量計測動作を、上述のように、制御盤37に設けた所定のスイッチ(ボタン)操作によって行う場合、重量計測のための専用ボタンを設けてもよいし、配湯作業の際に必ず押圧操作されるボタン(例えば運転準備ボタンや回転駆動ボタン、コンプレッサ起動ボタンなど)を、重量計測指令を送るためのボタンと兼用させてもよい。
【0033】
以下、上記構成の溶融金属配湯車両を用いた場合の出湯及び配湯作業の一例を説明する。
【0034】
まず、出湯ステーション10にて溶融金属の供給を受けた配湯用容器32を載置した溶融金属配湯車両30を、配湯ステーション20内の通路23に沿って走行させ、配湯が必要な保持炉22に向けて配湯用容器32を搬送する。そして、図4に示すように、目的となる保持炉22の付近に到着したら、配湯用容器32を保持炉22に横付けして、配湯用容器32と保持炉22とが凡そ車幅方向に向き合う位置P1に被牽引車両33を停止させる。この際、作業者は通路23上に示した目印(ここでは停止ライン)に合せて牽引車両31を停めることで、上記の所定位置(配湯可能位置)P1に被牽引車両33を停止させることができる。なお、上述のように正確な位置に停止することで、共に停止位置検知装置50を構成し、牽引車両31側に設けた光センサ51と、保持炉22側に設けた反射板52とが車幅方向に対向する。
【0035】
そして、この状態で、保持炉22側の外部電源24を牽引車両31の接続部35に接続して制御盤37に外部電源24から電力を供給し、然る後、制御盤37に設けた運転準備ボタンを作業者が押すことで、光センサ51を起動させる。この際、上述のように、光センサ51は対応する反射板52からの反射光を検知できる位置にあり、かつ、この際、被牽引車両33の側に取り付けたQRコード53を保持炉22の側に取り付けたQRリーダー54で読み取り、上述した材料間違いがなければ、制御盤37によるインターロックは作動しない(解除される)。これにより、以後の作業者による回転駆動操作(ここでは対応するボタン操作)が有効となる。従って、この後、作業者がコンプレッサ起動ボタンを押すことでコンプレッサ38により気体が圧縮され、また、回転ボタンを押すことで被牽引車両33の回転台43を基部42(被牽引車両33のフレーム部)に対して鉛直軸回りに回転駆動させ、回転台43上に保持された状態の配湯用容器32を軸回転させる。これにより配湯用容器32の上蓋部46に取り付けられた配湯用ノズル44を所定角度分だけ旋回移動させ(図4中、二点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで)、保持炉22の開口部25上方に配湯用ノズル44の先端部を配置する。そして、最後に、加圧エアのバルブ開放ボタンを押すことにより、コンプレッサ38で加圧したエアが圧力調整装置39を介して配湯用容器32内に注入され、配湯用容器32内を加圧する。これにより、配湯用容器32の内部に保持している溶融金属の液面を押下げ、当該溶融金属を配湯用ノズル44を通じて外部に排出することで配湯を行う。このようにして、配湯が終了したら、回転ボタンを押して、配湯用ノズル44を元の位置(図4中、二点鎖線で示す位置)に戻した上で、電源オフスイッチを押し、最後に外部電源24と接続部35との接続状態を解消する。これにより、上述した配湯後の機械的インターロックが解除され、牽引車両31による走行(前進操作)が可能となる。
【0036】
また、溶融金属配湯車両30を配湯可能位置P1に停止させ、外部電源24と接続部35とを接続した後に、運転準備ボタンを押すことにより制御盤37から重量計測手段55に起動指令が送られ、これにより、溶湯を内部に保持した状態の配湯用容器32(及び回転機構41)の重量が計測される。そして、配湯作業が終了して、配湯用ノズル44を元の位置に戻すことにより、あるいは元の位置に戻した後に、電源オフスイッチを押すことにより制御盤37から重量計測手段55に起動指令が送られ、これにより上記配湯用容器32の重量が計測される。このようにして計測した重量情報は、溶融金属配湯車両30側に設けた無線通信手段で湯量管理手段56とデータ通信を行うことにより(図1中、一点鎖線矢印)、湯量管理手段56に送信される。そして、送信された、配湯の前後における配湯用容器32の重量の差分をとることで、上記保持炉22における1回当りの溶湯の配湯重量が算出される。算出された配湯重量はデータとして湯量管理手段56に記憶される。
【0037】
このようにして、1又は複数箇所の保持炉22を回って、所定の配湯作業を行った後、連絡通路12を介して配湯ステーション20から出湯ステーション10に移動する。そして、出湯ステーション10内の通路13を走行して、溶融金属配湯車両30を上蓋脱着ステーション14内の上蓋取外し位置P2で停止させると、ロボットアーム15が駆動して、配湯用容器32の上蓋部46を取り外す。そして、上蓋部46を取り外した状態の配湯用容器32を載置した溶融金属配湯車両30を引き続き通路13に沿って走行させ、図1に示すように、溶解炉11前の出湯可能位置P3で溶融金属配湯車両30を停止させる。ここで、上蓋部46が取り除かれて上方に開口した状態の配湯用容器32内部を所定の治具を用いて真空状態とし、これにより溶解炉11内の溶融金属を配湯用容器32の内部に充填する。このようにして出湯作業が完了したら、溶融金属配湯車両30の前進を開始し、引き続き通路13上を走行させる。そして、再び上蓋脱着ステーション14内の上蓋装着位置P4で溶融金属配湯車両30を停止させる。ここで、ロボットアーム15が軸まわりに回転して、先ほど上蓋取外し位置P2で取り外した上蓋部46を再び有底筒部45の上端開口部に取り付ける。このようにして溶融金属を補給し、加圧配湯が可能な状態に戻した上で、再び配湯ステーション20に移動して、必要とする保持炉22に対して配湯を行う。なお、回転機構41をさらに昇降させる機構を被牽引車両33に設けることで、例えば上蓋部46を固定したままの状態でも(上蓋部46が脱着不能に取付けられた場合でも)出湯作業を行うことは可能である。
【0038】
また、上蓋脱着ステーション14の上蓋取外し位置P2に溶融金属配湯車両30を停止させた際、外部電源(図示は省略)を接続部35と接続すると共に、制御盤37に設けた所定のボタン(運転準備ボタン)を押圧操作することにより、制御盤37からの起動指令が重量計測手段55に送られ、当該重量計測手段55による出湯前の配湯用容器32の重量計測が行われる。そして、溶解炉11からの出湯作業が終了して、上蓋脱着ステーション14へと戻ってきた溶融金属配湯車両30を出湯後の所定位置P4で停止させた際にも、外部電源と接続して、上述の如きボタン操作を行うことにより、重量計測手段55が起動し、出湯後の配湯用容器32の重量計測が行われる。このようにして計測した重量情報は、溶融金属配湯車両30側に設けた無線通信手段で湯量管理手段56とデータ通信を行うことにより(図1中、一点鎖線矢印)、湯量管理手段56に送信される。そして、送信された、出湯の前後における配湯用容器32の重量の差分をとることで、上記溶解炉11における1回当りの溶湯の出湯重量が算出される。算出された配湯重量はデータとして湯量管理手段56に記憶される。
【0039】
このように、鋳造装置21と溶解炉11との間を走行可能な溶湯金属配湯車両30を採用すると共に、この配湯車両30に、載置した状態の配湯用容器32の重量を計測する重量計測手段55を設け、かつこの重量計測手段55で計測した出湯及び配湯の前後における配湯用容器32の重量に基づき、溶湯の出湯重量及び配湯重量を算出するようにしたので、配湯時の溶湯変化量(減少量)だけでなく、出湯時の溶湯変化量(増加量)についても簡単に計測することができる。また、上記システムによれば、溶融金属配湯車両30に設けた共通の重量計測手段55を用いて出湯時の溶湯増加量と配湯時の溶湯減少量を計測できるので、設備上の無駄を省いて効率よくかつ低コストに重量計測を行うことができる。また、溶融金属配湯車両30と湯量管理手段56との間で無線通信を行うことにより、重量計測手段55で計測した配湯用容器32の重量情報を湯量管理手段56に送信し、送信した重量情報に基づき出湯重量及び配湯重量を算出するようにし、これらを記憶するようにしたので、複数の溶融金属配湯車両30で出湯及び配湯作業を行う場合であっても、各溶融金属配湯車両30の出湯量及び配湯量を、一ヶ所(湯量管理手段56)で集中的にデータ管理することができる。これにより、保持炉22単位での湯量管理を可能として、配湯経路の最適化、ひいては当該最適化による配湯作業の高効率化を図ることができる。また、出湯ステーション10単位での出湯量管理ないし配湯ステーション20単位での配湯量管理を行うことができるので、例えば溶湯使用量の歩留まり管理等を含めた生産管理の改善を図ることも可能となる。
【0040】
また、この実施形態では、保持炉22近傍に設けた外部電源24や上蓋脱着ステーション14に設けた外部電源(図示は省略)と溶融金属配湯車両30の接続部35とを接続して、運転準備ボタンを押すことにより、あるいは配湯用ノズル44を元の位置に戻すことにより、制御盤37から重量計測手段55に起動指令が送られ、これにより、溶湯を内部に保持した状態の配湯用容器32(及び回転機構41)の重量を計測できるようにしたので、配湯作業に必須の操作を行うだけで、確実かつ自動的に配湯用容器32の重量が計測される。これにより、作業者の計測ミス(計測操作忘れ等)を防止して、配湯の前後で配湯用容器32の重量計測を確実に実施することができる。
【0041】
また、この実施形態では、フォークのように昇降する部材以外の部材(ここでは回転機構41)上に配湯用容器32が載置され、この部材(回転機構41)の下方にロードセル等の重量計測手段55を設けるようにしたので、例えばフォークリフトのフォーク上に配湯用容器32を保持し、かつ、フォークに重量計測手段を設ける場合と比べて、正確な重量を計測することができる。
【0042】
このように、溶融金属配湯車両30を、牽引車両31と、牽引車両31の後方に連結された被牽引車両33とで構成し、この被牽引車両33に配湯用容器32を載置した状態で搬送するようにしたので、従来に比べて作業者の前方視界が向上し、これにより安全性を格段に高めることができる。また、被牽引車両33に、載置した状態の配湯用容器32を鉛直軸まわりに回転させる回転機構41を設けることで、溶融金属配湯車両30を配湯ステーション20内の通路23上を前進走行して、保持炉22の側方で停止させるだけでよく、また、この停止位置で回転機構41を駆動させて配湯用容器32に設けた配湯用ノズル44を保持炉22の上方位置まで旋回移動させ、加圧気体を注入させるための操作だけで、配湯を行うことができる。また、配湯後も溶融金属配湯車両30を後退させることなく、配湯用ノズル44を元の位置に戻した状態でそのまま前進させることができる。このように、溶融金属配湯車両30の前進、停止動作と、回転機構41の駆動操作だけで配湯を行うことができるので、従来に比べて操作が非常に簡単となり、操作ミスを減らすことができる。そのため、フォークリフトの免許がなく、作業経験の浅い者であっても、簡単でかつ安全に配湯作業を行うことができる。
【0043】
また、上述のように、ボタン操作のみで溶融金属配湯車両30による加圧配湯動作を実施できるように構成したので、経験の浅い作業者であっても簡単かつ確実に配湯作業を行うことができる。
【0044】
以上、本発明に係る出湯量及び配湯量管理システムの一実施形態を説明したが、この出湯量及び配湯量管理システムは、上記例示の形態に限定されることなく、本発明の範囲内において任意の形態を採ることが可能である。
【0045】
例えば、出湯湯量及び配湯湯量の算出に関し、上記実施形態では、重量計測手段55で配湯用容器32の重量を計測し、計測した重量情報を、無線通信により湯量管理手段56に送信し、湯量管理手段56において、上記送信された、出湯の前後における配湯用容器32の重量の差分をとることで、上記溶解炉11における1回当りの溶湯の出湯重量を算出するようにしているが、重量計測手段55ないし制御盤37(すなわち溶融金属配湯車両30側)で出湯重量及び配湯重量を算出し、算出した出湯重量及び配湯重量情報を、無線通信により湯量管理手段56に送信するようにしても構わない。何れの場合にしても、出湯重量及び配湯重量はデータとして湯量管理手段56に記憶される。
【0046】
また、上記実施形態では、溶融金属配湯車両30として、図2に示すように、牽引車両31と、牽引車両31の後方に連結され、配湯用容器32を載置した被牽引車両33とを具備し、被牽引車両33は、載置した状態の配湯用容器32を鉛直軸まわりに回転させる回転機構41を有するものが記載されているが、この形態には限定されないことはもちろんである。内部に保持した溶湯を保持炉22に供給可能な配湯用容器32を載置できると共に、載置した状態の配湯用容器32の重量を計測することのできる重量計測手段55を配設し得る限りにおいて、例えば従来のフォークリフト型など、任意の形態の溶融金属配湯車両30を使用することが可能である。
【0047】
また、上記以外の事項についても、本発明の技術的意義を没却しない限りにおいて他の具体的形態を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0048】
10 出湯ステーション
11 溶解炉
12 連絡通路
13 通路
14 上蓋脱着ステーション
15 ロボットアーム
20 配湯ステーション
21 鋳造装置
22 保持炉
23 通路
24 外部電源
30 溶融金属配湯車両
30 配湯車両
31 牽引車両
32 配湯用容器
33 被牽引車両
35 接続部
36 加圧気体注入装置
37 制御盤
38 コンプレッサ
39 圧力調整装置
41 回転機構
43 回転台
44 配湯用ノズル
46 上蓋部
50 停止位置検知装置
51 光センサ
52 反射板
53 QRコード
54 QRリーダー
55 重量計測手段
56 湯量管理手段
100 通路
101 配湯車両
102 保持炉
103 配湯用容器
104 配湯用ノズル
P1 配湯可能位置
P2 上蓋取外し位置
P3 出湯可能位置
P4 上蓋装着位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造装置と溶解炉との間を走行可能な配湯車両と、該配湯車両に載置され、内部に保持した溶湯を前記鋳造装置の保持炉に供給することのできる配湯用容器とを用いて、前記溶解炉からの前記溶湯の出湯量、及び前記鋳造装置の保持炉への前記溶湯の配湯量を管理するためのシステムであって、
前記配湯車両に設けられ、該配湯車両に載置した状態の前記配湯用容器の重量を計測する重量計測手段と、
前記配湯車両との間で無線通信を行って、前記重量計測手段で計測した前記出湯及び配湯の前後における前記配湯用容器の重量、もしくは該重量に基づき算出した前記溶湯の出湯重量及び配湯重量を取得すると共に、複数の前記出湯重量及び配湯重量を記憶して出湯量及び配湯量を管理する湯量管理手段とを具備することを特徴とする出湯量及び配湯量管理システム。
【請求項2】
前記配湯車両を外部電源と接続することで、前記加圧気体の注入による配湯の開始操作、および前記重量計測手段による前記配湯用容器の重量計測を可能とし、
前記配湯開始操作を行うことで、前記重量計測手段が起動して前記配湯用容器の重量が計測されると共に、配湯終了操作を行うことで、前記重量計測手段が起動して前記配湯用容器の重量が計測されるようにした請求項1に記載の出湯量及び配湯量管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−45589(P2012−45589A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190903(P2010−190903)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】