説明

分光画像装置

【課題】露光処理の処理期間に光学基板の面間隔が変動せず、分光精度の高い画像を取得でき、高速で波長を切り替えて複数の波長からなる動画を取得しても、波長分解能が高いエタロン型の可変分光素子を用いた分光画像装置の提供。
【解決手段】対向する光学基板の面間隔を可変として複数の波長を選択して透過させる可変分光素子1、撮像素子2、撮像素子からの信号を用いて画像を生成する分光画像生成部3を有する分光画像装置であって、複数の波長の値を入力するための入力部4、入力された波長の値に基づいて光学基板間の面間隔を制御する面間隔制御部5、入力された複数の波長の値を用いて面間隔制御部に対し、撮像素子による当該時点での対象となっている波長での露光処理期間の終了よりも早い所定時期に、撮像素子による次の対象となる波長に対する光学基板間の面間隔制御の開始を指示する開始時期制御部6を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エタロン型の可変分光素子を用いて複数の波長を切り替えて動画像を取得する分光画像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空間を隔てて対向するように配置された一対の光学基板のいずれか一方又は両方を、ピエゾ素子のようなアクチュエータを用いて移動させることにより、それらの光学基板の対向する面同士又はその面上に形成された反射膜同士の面間隔(以下、総称して「光学基板の面間隔」という。)を変化させ、光学特性を変化させることのできる可変分光素子として、エタロン装置と制御部とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
そして、このようなエタロン型の可変分光素子を用いて複数の波長を切り替えて動画像を取得する分光画像装置として、例えば、次の特許文献2に記載の内視鏡装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−129149号公報
【特許文献2】特開2006−25802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されている内視鏡装置を用いて複数の波長を切り替えて動画で分光画像を得たい場合、連続的且つ高速にエタロン型の可変分光素子の光学特性を変化させなければならず、そのためには、画像取得のサンプリング周期の1フレームという極めて短い時間内に、アクチュエータを制御して光学基板の面間隔を変化させなければならない。
【0006】
エタロン型の可変分光素子を用いて波長を選択する場合、撮像素子による露光処理期間の間、エタロン型の可変分光素子を構成する光学基板の面間隔が取得すべき波長に対応する面間隔と一致している必要がある。また、エタロン型の可変分光素子を用いて複数の波長を切り替えて動画像を取得する場合、ある波長の露光処理期間が終了して遮光処理期間に入ってから、エタロン型の可変分光素子を構成する光学基板の面間隔の変更を開始し、面間隔の変更が完了した状態で、撮像素子が次の波長の露光を開始することが必要となる。
【0007】
図17はエタロン型の可変分光素子を備えた分光画像装置を用いて動画で分光画像を得る場合における、カメラシーケンスと、エタロン型の可変分光素子を構成する光学基板の面間隔制御との理想的な関係の一例を示すタイミングチャートである。
理想的には、図17に示すように、エタロン型の可変分光素子が、構成する光学部材の面間隔を、カメラの露光処理期間中は所定の分光波長に応じた間隔に保持し、カメラの遮光処理期間内に、次の分光波長に応じた間隔への変更動作を完了することが望まれる。
【0008】
しかし、実際には、面間隔の制御指令が出てから、エタロン型の可変分光素子を構成する光学基板が動き出すまでに、ある程度の時間がかかるため、光学基板の移動が遮光処理期間内に完了せず、露光処理期間に入ってからもアクチュエータが所定時間移動しつづけることによって、取得を所望する波長以外の波長成分が含まれて、波長分解能が悪くなり易い。
【0009】
この点に関し、図18を用いて詳しく説明する。
図18はエタロン型の可変分光素子を備えた分光画像装置を用いて動画で分光画像を得る場合において、カメラシーケンスと、エタロンを構成する光学基板の面間隔制御とに生じるタイムラグの一例を示すタイミングチャートである。
図18に示すように、面間隔の制御指令に対してエタロン型の可変分光素子を構成する光学基板が動き出すまでには、例えば、アクチュエータそのものが持っている遅れ時間、サンプリング周期による遅れ時間、制御アルゴリズムで発生する遅れ時間等の遅れ時間T1が存在する。そして、この遅れ時間T1が遮光処理期間よりも大きい場合、遮光処理期間の開始と同時に面間隔制御の制御指令を出したときに、エタロン型の可変分光素子を構成する光学基板が露光処理期間の開始時点において、必要とされる面間隔に到達していない状態が生じ得る。これでは、露光処理期間に入ってからもアクチュエータが移動を完了するまでの間T2は、所望の設定波長とは異なる不要の波長成分まで分光されてしまうことになる。
【0010】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、露光処理期間に光学基板の面間隔が変動せず、分光精度の高い画像を取得でき、高速で波長を切り替えて複数の波長からなる動画を取得しても、波長分解能が高いエタロン型の可変分光素子を用いた分光画像装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明による分光画像装置は、対向する光学基板の面間隔を可変とすることで、複数の波長を選択して透過させる可変分光素子と、前記可変分光素子を透過した光を画像信号に変換して出力する撮像素子と、前記撮像素子から出力された画像信号を用いて、複数の波長の画像を生成する分光画像生成部を有する分光画像装置であって、画像取得の条件として少なくとも複数の波長の値を入力するための画像取得条件入力部と、前記画像取得条件入力部を介して入力された波長の値に基づいて、前記対向する光学基板間の面間隔を制御する面間隔制御部と、前記画像取得条件入力部を介して入力された複数の波長の値を少なくとも用いて、前記面間隔制御部に対し、前記撮像素子による当該時点での画像信号変換出力対象となっている波長での露光処理期間の終了よりも早い所定時期に、前記撮像素子による次の画像信号変換出力対象となるべき波長に対する前記対向する光学基板間の面間隔制御の開始を指示する面間隔制御開始時期制御部を有することを特徴としている。
【0012】
また、本発明の分光画像装置においては、前記画像取得条件入力部は、さらに、前記撮像素子の露光タイミングを入力可能に構成され、前記面間隔制御開始時期制御部は、前記画像取得条件入力部を介して入力された複数の波長の値と前記撮像素子の露光時間及び遮光時間の値を用いて、前記対向する光学基板間の面間隔制御の開始時期を検出し、前記面間隔制御部に対し、前記対向する光学基板間の面間隔制御を、前記検出した開始時期に開始するように指示するのが好ましい。
【0013】
また、本発明の分光画像装置においては、前記面間隔制御開始時期制御部は、前記画像取得条件入力部を介して入力される複数の波長の値と、前記対向する光学基板間の面間隔制御の開始の前倒し時間の値とが対応づけてあらかじめ記録されたテーブルを有するのが好ましい。
【0014】
また、本発明の分光画像装置においては、前記面間隔制御開始時期制御部は、前記画像取得条件入力部を介して入力される複数の波長の値及び前記撮像素子の露光タイミングの値と、前記対向する光学基板間の面間隔制御の開始の前倒し時間の値とが対応づけてあらかじめ記録されたテーブルを有するのが好ましい。
【0015】
また、本発明の分光画像装置においては、前記撮像素子の露光タイミングを制御する撮像素子制御部をさらに有し、前記面間隔制御開始時期制御部は、前記画像取得条件入力部を介して入力された複数の波長の値と前記撮像素子の露光時間及び遮光時間の値を用いて、前記対向する光学基板間の面間隔制御の開始時期及び前記撮像素子の露光処理の開始の遅延時間を検出し、前記面間隔制御部に対し、前記対向する光学基板間の面間隔制御を、前記検出した開始時期に開始するように指示するとともに、前記撮像素子制御部に対し、前記撮像素子の露光処理の開始時期を、前記検出した遅延時間分遅らせるように指示するのが好ましい。
【0016】
また、本発明の分光画像装置においては、前記撮像素子の露光タイミングを制御する撮像素子制御部と、前記面間隔制御部が前記対向する光学基板間の面間隔を制御しているときの前記光学基板間の面間隔の値をリアルタイムで取得し、取得した前記光学基板間の面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、前記撮像素子制御部に対し、その時点を基準とする所定の時期に前記撮像素子の露光処理を開始するように指示する露光処理開始時期制御部を、さらに有するのが好ましい。
【0017】
また、本発明の分光画像装置においては、前記露光処理開始時期制御部は、前記リアルタイムで取得した前後の時点の面間隔の値を用いて前記光学基板の移動速度を算出し、算出した前記光学基板の移動速度が0となっている時点における面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、前記撮像素子制御部に対し、その時点を基準とする所定の時期に前記撮像素子の露光処理を開始するように指示するのが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、露光処理期間に光学基板の面間隔が変動せず、分光精度の高い画像を取得でき、高速で波長を切り替えて複数の波長からなる動画を取得しても、波長分解能が高いエタロン型の可変分光素子を用いた分光画像装置が得られる。
なお、本発明の分光画像装置は、動画を取得する場合に最も効果が大きいが、高速で波長を切り替えて静止画を取得する場合にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態にかかる分光画像装置の要部の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明の各実施例に共通に適用される分光画像装置の一例としてのビデオ内視鏡システムの全体構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1の分光画像装置におけるカメラシーケンスとエタロン型の可変分光素子を構成する光学基板の動作を示すタイミングチャートで、(a)はその一例にかかる図、(b)はその第1変形例にかかる図である。
【図4】実施例1の分光画像装置における全体の制御構成を模式的に示すブロック図である。
【図5】実施例1の分光画像装置における面間隔制御開始時期制御部の内部構成を模式的に示すブロック図である。
【図6】実施例1の分光画像装置における面間隔制御開始時期制御部の処理ステップを示すフローチャートで、(a)はその一例にかかる図、(b)はその第1変形例にかかる図である。
【図7】実施例1の第2変形例の分光画像装置におけるカメラシーケンスとエタロン型の可変分光素子を構成する光学基板の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】実施例1の第2変形例の分光画像装置における全体の制御構成を模式的に示すブロック図である。
【図9】実施例1の第2変形例の分光画像装置における面間隔制御開始時期制御部の処理ステップを示すフローチャートである。
【図10】実施例2の分光画像装置におけるカメラシーケンスとエタロン型の可変分光素子を構成する光学基板の動作を示すタイミングチャートである。
【図11】実施例2の分光画像装置における全体の制御構成を模式的に示すブロック図である。
【図12】実施例2の分光画像装置における露光処理開始時期制御部の処理ステップを示すフローチャートである。
【図13】実施例2の変形例の分光画像装置におけるカメラシーケンスとエタロン型の可変分光素子を構成する光学基板の動作を示すタイミングチャートである。
【図14】図13のタイミングチャートにおける期間Aにおける光学基板の面間隔及び移動速度を拡大して示す説明図である。
【図15】実施例2の変形例の分光画像装置における全体の制御構成を模式的に示すブロック図である。
【図16】実施例2の変形例の分光画像装置における露光処理開始時期制御部の処理ステップを示すフローチャートである。
【図17】エタロン型の可変分光素子を備えた分光画像装置を用いて動画で分光画像を得る場合における、カメラシーケンスと、エタロン型の可変分光素子を構成する光学基板の面間隔制御との理想的な関係の一例を示すタイミングチャートである。
【図18】エタロン型の可変分光素子を備えた分光画像装置を用いて動画で分光画像を得る場合において、カメラシーケンスと、エタロンを構成する光学基板の面間隔制御とに生じるタイムラグの一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明の一実施形態にかかる分光画像装置の要部の構成を概略的に示すブロック図である。
本発明の分光画像装置は、可変分光素子1と、撮像素子2と、分光画像生成部3と、画像取得条件入力部4と、面間隔制御部5と、面間隔制御開始時期制御部6を有している。なお、図1中、7は撮像素子制御部、8は露光処理開始時期制御部、10は生体組織等の被写体である。
【0021】
可変分光素子1は、被写体10からの光の光路上に対向配置された一対の光学基板を有し、一対の光学基板同士の面間隔を変えることにより分光特性が可変となる、エタロン型の可変分光素子として構成されている。
撮像素子2は、露光処理期間において可変分光素子1を透過した光を画像信号に変換して出力する。
分光画像生成部3は、撮像素子2を介して出力された画像信号を用いて、複数の波長の画像(複数の波長の合成画像や夫々の波長の画像)を生成する。
画像取得条件入力部4は、可変分光素子1が透過させる光の波長、撮像素子2の露光タイミングなどの画像取得条件を、操作者が例えば画面入力等により設定することができるように構成されている。
面間隔制御部5は、画像取得条件入力部4を介して入力された波長の値に基づいて、対向する光学基板間の面間隔を制御するように構成されている。
面間隔制御開始時期制御部6は、画像取得条件入力部4を介して入力された複数の波長の値を少なくとも用いて、面間隔制御部5に対し、撮像素子2による当該時点での画像信号変換出力対象となっている波長での露光処理期間の終了よりも早い所定時期に、撮像素子2による次の画像信号変換出力対象となるべき波長に対する対向する光学基板間の面間隔制御の開始を指示するように構成されている。
なお、撮像素子2には、画像取得条件入力部4を介して入力された露光タイミングの値に基づいて、撮像素子2の露光タイミング(露光時間、遮光時間)を制御する撮像素子制御部7が接続されている。
【0022】
上述したように、面間隔制御部5による制御指令に対してエタロン型の可変分光素子1を構成する光学基板が動き出すまでには、所定の遅れ時間T1が存在し、その遅れ時間T1を原因として、次の露光処理期間に入ってからもアクチュエータが移動を完了するまでの間T2は、所望の設定波長とは異なる不要の波長成分まで分光されてしまうことが起こりうる。
しかるに、本実施形態の分光画像装置によれば、面間隔制御開始時期制御部6が、面間隔制御部5に対し、撮像素子2による当該時点での画像信号変換出力対象となっている波長での露光処理期間の終了よりも早い所定時期に、撮像素子2による次の画像信号変換出力対象となるべき波長に対する対向する光学基板間の面間隔制御の開始を指示する。このため、この露光処理期間の終了よりも早い所定時期を、上述した次の露光処理期間に入ってからアクチュエータが移動を完了するまでの間T2の遅れ時間分を前倒しした時期とすることで、光学基板の移動を遮光処理期間内に完了させることができる。その結果、撮像素子2の露光処理の全処理期間において、光学基板の面間隔が変動しない状態を保持でき、所望の設定波長の波長成分のみを分光して、分光精度の高い画像を得ることができ、高速で波長を切り替える複数波長からなる動画を取得した場合でも、高い波長分解能が得られる。
【0023】
なお、本実施形態の分光画像装置においては、画像取得条件入力部4は、さらに、撮像素子2の露光タイミングを入力可能に構成され、面間隔制御開始時期制御部6は、画像取得条件入力部4を介して入力された複数の波長の値と撮像素子2の露光時間及び遮光時間の値を用いて、対向する光学基板間の面間隔制御の開始時期を検出し、面間隔制御部5に対し、対向する光学基板間の面間隔の制御を、検出した開始時期に開始するように指示するのが好ましい。
このようにすれば、複数の波長の値に加えて、撮像素子2の露光時間及び遮光時間の値を用いる分、面間隔制御開始時期制御部6が、対向する光学基板間の面間隔の制御の開始時期をより正確に検出でき、その結果、得られる画像の分光精度をより高精度に向上させることができる。
【0024】
また、本実施形態の分光画像装置においては、面間隔制御開始時期制御部6は、画像取得条件入力部4を介して入力される複数の波長の値と、対向する光学基板間の面間隔の制御の開始の前倒し時間の値とが対応づけてあらかじめ記録されたテーブル(図示省略)を有するのが好ましい。
このようにすれば、多様な波長に対する面間隔制御開始時期が検出し易くなる。
【0025】
また、本実施形態の分光画像装置においては、面間隔制御開始時期制御部6は、画像取得条件入力部4を介して入力される複数の波長の値及び撮像素子2の露光タイミングの値と、対向する光学基板間の面間隔制御の開始の前倒し時間の値とが対応づけてあらかじめ記録されたテーブルを有するのが好ましい。
このようにすれば、多様な波長に対する面間隔制御開始時期が検出し易くなり、しかも、複数の波長の値に加えて、撮像素子2の露光時間及び遮光時間の値を用いる分、面間隔制御開始時期制御部6が、対向する光学基板間の面間隔の制御の開始時期をより正確に検出でき、その結果、得られる画像の分光精度をより高精度に向上させることができる。
【0026】
また、本実施形態の分光画像装置においては、面間隔制御開始時期制御部6は、画像取得条件入力部4を介して入力された複数の波長の値と撮像素子2の露光時間及び遮光時間の値を用いて、対向する光学基板間の面間隔制御の開始時期及び撮像素子2の露光処理の開始の遅延時間を検出し、面間隔制御部5に対し、対向する光学基板間の面間隔制御を、検出した開始時期に開始するように指示するとともに、撮像素子制御部7に対し、撮像素子2の露光処理の開始時期を、検出した遅延時間分遅らせるように指示するのが好ましい。
【0027】
露光条件入力部4で入力した露光タイミングによっては、図18に示した面間隔の制御指令に対してエタロン型の可変分光素子を構成する光学基板が動き出すまでの遅れ時間T1が露光処理期間に対して長くなり過ぎ、次の露光処理期間に入る前にアクチュエータの移動を完了させるために必要な光学基板間の面間隔制御を開始させる前倒し時間を十分にとることができない場合が起こりうる。
そのような場合、面間隔制御部5が面間隔制御開始時期制御部6の指示した時間分前倒しして面間隔制御を開始しても、次の露光処理期間に入る以前にアクチュエータの移動を完了させることができず、次の露光処理期間開始後もアクチュエータの移動が完了するまでの間、所望の設定波長とは異なる不要の波長成分が分光されてしまう。
しかるに、対向する光学基板間の面間隔制御の開始時期及び撮像素子2の露光処理の開始の遅延時間を検出し、面間隔制御部5に対し、対向する光学基板間の面間隔制御を、検出した開始時期に開始するように指示するとともに、撮像素子制御部7に対し、撮像素子2の露光処理の開始時期を、検出した遅延時間分遅らせるように指示するようにすれば、露光タイミングとの相対的な関係において、光学基板が動き出すまでの遅れ時間T1が長くなるような場合であっても、撮像素子2の露光処理の全処理期間において、光学基板の面間隔が変動しない状態を保持できる。その結果、所望の設定波長の波長成分のみを分光して、分光精度の高い画像を得ることができ、高速で波長を切り替える複数波長からなる動画を取得した場合でも、高い波長分解能が得られる。
【0028】
また、本実施形態の分光画像装置においては、面間隔制御部5が対向する光学基板間の面間隔を制御しているときの光学基板間の面間隔の値をリアルタイムで取得し、取得した光学基板間の面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、撮像素子制御部7に対し、その時点を基準とする所定の時期に撮像素子2の露光処理を開始するように指示する露光処理開始時期制御部8を、さらに有するのが好ましい。
【0029】
光学基板間の面間隔制御においては、面間隔制御開始時期制御部6が、面間隔制御部5に対し上述した遅れ時間T2だけ前倒しした時間を面間隔制御の開始時期として指示しても、実際には光学基板の移動を遮光処理期間内に完了させることができず、所望の設定波長とは異なる不要の波長成分が分光されてしまうことが起こりうる。
しかるに、露光処理開始時期制御部8が、面間隔制御部5が対向する光学基板間の面間隔を制御しているときの光学基板間の面間隔の値をリアルタイムで取得し、取得した光学基板間の面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、撮像素子制御部7に対し、その時点を基準とする所定の時期に撮像素子2の露光処理を開始するように指示すれば、光学基板間が殆ど所望の面間隔になった後に露光処理を開始することで露光処理期間における所望の波長成分以外の不要な波長成分の分光を極力少なくすることができ、分光精度の高い画像を得ることができる。
【0030】
また、本実施形態の分光画像装置においては、露光処理開始時期制御部8は、リアルタイムで取得した前後の時点の面間隔の値を用いて光学基板の移動速度を算出し、算出した光学基板の移動速度が0となっている時点における面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、撮像素子制御部7に対し、その時点を基準とする所定の時期に撮像素子2の露光処理を開始するように指示するのが好ましい。
【0031】
光学基板の面間隔制御においては、面間隔制御が完了するまでに、光学基板の移動量がオーバーシュートして面間隔の目標値を上下し、ある時点で光学基板間の面間隔の値が所定の範囲内の値になっても、次の時点では所定の範囲から外れるといったことが起こり得る。そのような場合、露光処理開始時期制御部8が、撮像素子制御部7に対し、リアルタイムで取得した光学基板間の面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、その時点を基準とする所定の時期に撮像素子2の露光処理を開始するように指示しても、撮像素子2の露光処理が開始された後の時点において光学基板間の面間隔の値が所定の範囲を外れ、所望の設定波長とは異なる不要の波長成分が分光されてしまい易い。
しかるに、露光処理開始時期制御部8が、リアルタイムで取得した前後の時点の面間隔の値を用いて光学基板の移動速度を算出し、算出した光学基板の移動速度が0となっている時点における面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、撮像素子制御部7に対し、その時点を基準とする所定の時期に撮像素子2の露光処理を開始するように指示するようにすれば、撮像素子2の露光処理が開始された後の時点において光学基板間の面間隔の値が所定の範囲を外れることがなくなるので、所望の波長成分以外の不要な波長成分の分光を極力少なくすることができ、分光精度の高い画像を得ることができる。
【0032】
以下、本発明の実施例について、図面を用いて詳細に説明する。
図2は本発明の各実施例に共通に適用される分光画像装置の一例としてのビデオ内視鏡システムの全体構成を示すブロック図である。
図2の分光画像装置11は、生体の体腔内に挿入される挿入部12と、挿入部12内に配置される撮像ユニット13と、複数種類の波長帯域の光を発する光源ユニット14と、撮像ユニット13および光源ユニット14を制御する制御ユニット15と、撮像ユニット13により取得された画像を表示する表示ユニット16を備えている。
【0033】
挿入部12は、その内部に撮像処理ユニット13と、光源ユニット14からの光を先端12aまで伝播するライトガイド17を備えている。
【0034】
光源ユニット14は、複数種類の波長の光を射出する複数の光源18,19と、これらの光源18,19を制御する光源制御回路20を備え、例えば、可視波長帯域、近赤外励起波長帯域等、観察用途に応じた所定波長帯域の光を照射することができるように構成されている。
【0035】
撮像ユニット13は、挿入部12の先端部に配置されており、観察対象からの光を集光する撮像光学系(図示省略)、フィルタ類(図示省略)、分光特性を変化させる可変分光素子(図示省略)、撮像光学系により集光された光を撮影して電気信号に変換する撮像素子(図示省略)等を有している。撮像素子は、図1の分光画像装置における撮像素子2に相当する。
【0036】
可変分光素子は、図1の分光画像装置における可変分光素子1に相当し、間隔をあけて対向配置された光学基板と、対向配置された光学基板の面間隔を変化させることができるアクチュエータを有するエタロン型の光学フィルタである。そして、可変分光素子は、アクチュエータが対向配置された光学基板の面間隔を変化させることで、軸方向に透過する波長を変化させることができるようになっている。
より詳しくは、可変分光素子は、例えば、一対の光学基板と、一対の光学基板における対向する面同士の面間隔を測定するための4組の一対の静電容量センサと、一対の光学基板の一方を移動させるためのアクチュエータであり、後述の可変分光素子制御回路29により駆動を制御される4つのピエゾ素子を有している。4組の一対の静電容量センサ同士、4つのピエゾ素子同士は、夫々、一対の光学基板の対向する面の各々の重心を結んだ線を軸として対称となる位置に配置されている。
【0037】
制御ユニット15は、内視鏡本体と接続するパーソナルコンピュータの中央処理演算部及び記憶領域とソフトウェアとで構成されており、撮像素子を駆動制御する撮像素子駆動回路28と、可変分光素子を駆動制御する可変分光素子制御回路29と、撮像素子により取得された複数波長の分光画像情報を記憶するメモリ30a,30bを有するフレームメモリ30と、フレームメモリ30に記憶された画像情報を処理して表示ユニット16に出力する画像処理回路31と、画像取得条件入力部32を有している。
撮像素子駆動回路28および可変分光素子制御回路29は、光源制御回路20に接続され、光源制御回路20による光源18,19の切り替えに同期して可変分光素子および撮像素子を駆動制御するようになっている。
【0038】
また、撮像素子駆動回路28は、図1の分光画像装置における撮像素子制御部7に相当する。
可変分光素子制御回路29は、図1の分光画像装置における面間隔制御部5、面間隔制御開始時期制御部6を有している。
また、撮像素子駆動回路28及び可変分光素子制御回路29は、画像取得条件入力部32に接続されている。
フレームメモリ30及び画像処理回路31は、図1の分光画像生成部3に相当する。
画像取得条件入力部32は、例えば、内視鏡本体と接続するパーソナルコンピュータのディスプレイ装置に表示・入力可能な入力画面等で構成されており、図1の分光画像装置における画像取得条件入力部4に相当する。
表示ユニット16は、例えば、パーソナルコンピュータに接続されたディスプレイ装置で構成され、画像処理回路31が処理した画像を表示する。なお、画像処理回路31は、表示ユニット16は、例えば、500、600、700nmの波長を連続で切り替えて撮影した場合において、それらの複数の波長を合成した画像を表示する他に、夫々の波長の画像を独立して表示することも可能に構成されている。
【0039】
実施例1及び実施例1の第1変形例
図3は実施例1の分光画像装置におけるカメラシーケンスとエタロン型の可変分光素子を構成する光学基板の動作を示すタイミングチャートで、(a)はその一例にかかる図、(b)はその第1変形例にかかる図である。図4は実施例1の分光画像装置における全体の制御構成を模式的に示すブロック図である。図5は実施例1の分光画像装置における面間隔制御開始時期制御部の内部構成を模式的に示すブロック図である。図6は実施例1の分光画像装置における面間隔制御開始時期制御部の処理ステップを示すフローチャートで、(a)はその一例にかかる図、(b)はその第1変形例にかかる図である。なお、実施例1及び実施例1の第1変形例の分光画像装置の基本的な構成は、図2に示したとおりである。また、説明の便宜上、図1に相当する構成については図1の符号を用いて説明することとする。
【0040】
実施例1の分光画像装置では、図3(a)に示すように、面間隔制御開始時期制御部6は、例えば、図18に示した次の露光処理期間の開始後アクチュエータがエタロン型の可変分光素子を構成する光学基板の面間隔の移動を完了するまでの間の遅れ時間T2、などの所定の遅れ時間分だけ前倒しした(進ませた)時期に面間隔制御を開始するように、面間隔制御部5に対し面間隔制御の開始時期を指示する。
前倒しする時間T3は、例えば、予め、面間隔の制御指令に対してエタロン型の可変分光素子を構成する光学基板が動き出すまでの遅れ時間T1や、次の露光処理期間に入ってからもアクチュエータが移動を完了するまでの間T2について、予め実験的な測定を行うことによって求めておき設定値として所定の記憶領域に記憶されている。なお、ここでの光学基板の動作時間は、例えば、初期状態の面間隔から所望の波長に対応する面間隔となるまでの時間である。
面間隔制御開始時期制御部6は、画像取得条件入力部32(4)で入力された波長に応じて、所定の記憶領域に記憶された前倒し時間T3を検出し、検出した時間T3だけ前倒しした時期を面間隔制御の開始時期として検出する。そして、面間隔制御部5に対し面間隔制御の開始時期を指示する。
【0041】
なお、複数の波長に対応する面間隔となるように、対向する光学基板の面間隔を制御する場合、アクチュエータが光学基板を移動させる距離は、切り替える前後の波長によって異なる。その際に、光学基板の面間隔を初期状態にしてから所望の面間隔に移動させるのでは、面間隔を完了するまでの時間が遅くなってしまう。
【0042】
そこで、例えば、図3(b)に第1変形例として示すように、前後する複数の波長の差に基づく光学基板の移動距離の違いを考慮して面間隔制御の開始時期を検出するようにするのが好ましい。図3(b)の第1変形例では、光学基板の移動量が100nmのときには、前倒し時間を100μm、光学基板の移動量が200nmのときには、前倒し時間を150μmとしている。
そのようにすれば、光学基板の移動時間を最小限にすることができ、面間隔制御の開始から終了までの時間を短縮化できるので、より高速で波長を切り替える複数波長からなる動画を取得した場合でも、高い波長分解能が得られる。
【0043】
また、面間隔制御開始時期制御部6は、画像取得条件入力部32(4)を介して入力される複数の波長の値と、対向する光学基板間の面間隔制御の開始の前倒し時間の値とが対応づけてあらかじめ記録されたテーブルを有するのが好ましい。
【0044】
また、面間隔制御開始時期制御部6は、画像取得条件入力部32(4)を介して入力された複数の波長の値に加えて、撮像素子2の露光時間及び遮光時間の値を用いて、面間隔制御の開始時期を検出するようにするのが好ましい。
【0045】
本実施例では、図5に示すように、面間隔制御開始時期制御部6は、画像取得条件入力部32(4)を介して入力される複数の波長の値及び撮像素子2の露光タイミングの値と、対向する光学基板間の面間隔制御の開始の前倒し時間の値とが対応づけてあらかじめ記録されたテーブルを有している。
【0046】
このように構成された実施例1の分光画像装置における可変分光素子1及び撮像素子2の制御動作について図4を用いて説明する。
直前の画像の露光処理が開始したときをトリガーとして、まず、内視鏡全体のコントローラが、画像取得条件入力部32(4)を介して入力された波長の値を用いて、一対の光学基板の対向する面の重心同士の間隔の目標値g、それらの重心同士を結んだ線に垂直な面と一方の光学基板の対向する面とがなす第1の角度の目標値φ1及び第2の角度の目標値φ2を入力する。
【0047】
また、内視鏡全体のコントローラは、上記目標値g、φ1、φ2の入力に同期して、画像取得条件入力部32を介して入力された露光タイミングの値を撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)に送信する。
撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)は、画像取得条件入力部32(4)で入力された露光タイミングの値に基づいて、所定の露光タイミング(露光時間、遮光時間)で撮像素子2の露光処理を制御する。撮像素子2は所定の露光タイミング(露光時間、遮光時間)によるカメラシーケンスでもって露光処理期間において可変分光素子1を透過した光を画像信号に変換して出力する。
【0048】
ここで、本実施例に特有の制御動作の説明に先立ち、面間隔制御部5等による制御を開始後の可変分光素子の動作について説明する。
上記目標値g、φ1、φ2が入力された後、図示しないセンサ出力変換部が、4組の静電容量センサにより測定された各静電容量センサの配置位置における一対の光学基板の面間隔x1,x2,x3,x4を取得し、それらの面間隔x1,x2,x3,x4を、一対の光学基板の対向する面の各々の重心同士の間隔の現在値g’、一対の光学基板の対向する面の重心同士を結んだ線に垂直な面と一方の光学基板の対向する面がなす第1の角度の現在値φ1’及び第2の角度の現在値φ2’に変換する。
重心同士の間隔の現在値g’、第1の角度の現在値φ1’及び第2の角度の現在値φ2’は、夫々次の式により求まる。
g’=(x1+x2+x3+x4)/4
φ1’=(x3−x1)/2r
φ2’=(x4−x2)/2r
ここで、rは光学基板1の面上における重心から4組の静電容量センサ2の配置位置までの距離である。
【0049】
次に、図示しない差分値算出部において、目標値g、φ1、φ2と変換値g’、φ1’、φ2’との、それぞれの差分値を算出する。
次に、図示しない指令値算出部において、差分値に基づいてPID制御を行い、指令値を求める。
【0050】
次に、図示しない指令値変換部において、指令値を4つのピエゾ素子のそれぞれに対する指令値に変換する。変換した指令値はそれぞれ対応する4つのピエゾ素子を駆動する図示しないピエゾ素子ドライバに入力され、このピエゾ素子入力ドライバにより4つのピエゾ素子のそれぞれに駆動電圧が印加される。
【0051】
その後、4つのピエゾ素子は、それぞれに対する指令値に基づいてピエゾ素子ドライバにより印加される電圧により駆動され、光学基板を移動させて、面間隔を変化させる。
【0052】
そして、センサ出力変換部、差分値算出部、指令値算出部、指令値変換部におけるこれらの制御処理及びその制御処理に基づく4つのピエゾ素子の駆動を、面間隔及び角度が目標値g、φ1、φ2に到達するまで繰り返す。
なお、本実施例における面間隔制御部5は、センサ出力変換部、差分値算出部、指令値算出部、指令値変換部におけるこれらの制御処理及びその制御処理に基づく4つのピエゾ素子の駆動のうち、一対の光学基板の対向する面の重心同士の間隔についての制御動作を行う構成を指している。
【0053】
このとき実施例1の分光画像装置では、上記目標値g、φ1、φ2が入力された後、面間隔制御部5等による制御に先立ち、面間隔制御開始時期制御部6が次の処理を行う。
面間隔制御開始時期制御部6は、その一例として、図6(a)に示すように、画像取得条件入力部32(4)を介して入力された波長に対応する所定の前倒し時間T3を検出する(ステップS1)。次に、面間隔制御部5に対し、検出した前倒し時間T3だけ早い時期に面間隔制御を開始するように、指令信号を送信する(ステップS2)。面間隔制御部5は、指令信号に従った時期に面間隔制御を開始する(ステップS3)。
以下、上述したセンサ出力変換部、差分値算出部、指令値算出部、指令値変換部におけるこれらの制御処理及びその制御処理に基づく4つのピエゾ素子の駆動が繰り返される。
【0054】
また、図3(b)に示したように前後する複数の波長の差に基づく光学基板の移動距離の違いを考慮して面間隔制御の開始時期を検出するように構成された第1変形例の面間隔制御開始時期制御部6の場合は、例えば、図6(b)に示すように、画像取得条件入力部32(4)を介して入力された前後の波長から目標とする面間隔にするために必要な光学基板の移動距離を指令距離として検出する(ステップS1’)。次に、検出した指令距離を用いてルックアップテーブルを検索し、面間隔制御の前倒し時間T3を検出する(ステップS2’)。次に、面間隔制御部5に対し、検出した前倒し時間T3だけ早い時期に面間隔制御を開始するように、指令信号を送信する(ステップS3’)。面間隔制御部5は、指令信号に従った時期に面間隔制御を開始する(ステップS4’)。
以下、上述したセンサ出力変換部、差分値算出部、指令値算出部、指令値変換部におけるこれらの制御処理及びその制御処理に基づく4つのピエゾ素子の駆動が繰り返される。
【0055】
本実施形態の分光画像装置によれば、面間隔制御開始時期制御部6が、面間隔制御部5に対し、撮像素子2による当該時点での画像信号変換出力対象となっている波長での露光処理期間の終了よりも早い所定時期に、撮像素子2による次の画像信号変換出力対象となるべき波長に対する対向する光学基板間の面間隔制御の開始を指示するようにしたので、光学基板の移動を遮光処理期間内に完了させることができる。その結果、撮像素子の露光処理の全処理期間において、光学基板の面間隔が変動しない状態を保持でき、所望の設定波長の波長成分のみを分光して、分光精度の高い画像を得ることができ、高速で波長を切り替える複数波長からなる動画を取得した場合でも、高い波長分解能が得られる。
【0056】
第2変形例
図7は実施例1の第2変形例の分光画像装置におけるカメラシーケンスとエタロン型の可変分光素子を構成する光学基板の動作を示すタイミングチャートである。図8は実施例1の第2変形例の分光画像装置における全体の制御構成を模式的に示すブロック図である。図9は実施例1の第2変形例の分光画像装置における面間隔制御開始時期制御部の処理ステップを示すフローチャートである。なお、実施例1の第2変形例の分光画像装置の基本的な構成は、図2に示したとおりである。また、説明の便宜上、図1に相当する構成については図1の符号を用いて説明することとする。
【0057】
第2変形例の分光画像装置では、図7に示すように、面間隔制御開始時期制御部6は、画像取得条件入力部32(4)を介して入力された複数の波長の値と撮像素子2の露光時間及び遮光時間の値を用いて、対向する光学基板間の面間隔制御の(時間T3前倒しした)開始時期及び撮像素子2の露光処理の開始の遅延時間T4を検出し、面間隔制御部5に対し、対向する光学基板間の面間隔制御を、検出した開始時期に開始するように指示するとともに、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)に対し、撮像素子2の露光処理の開始時期を、検出した遅延時間T4分遅らせるように指示するように構成されている。
その他の構成は実施例1の分光画像装置と略同じである。
【0058】
このように構成された第2変形例の分光画像装置に特有の可変分光素子1及び撮像素子2の制御動作について図8、図9を用いて説明する。
第2変形例の分光画像装置では、上述した目標値g、φ1、φ2が入力された後、面間隔制御部5、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)等による制御に先立ち、面間隔制御開始時期制御部6が次の処理を行う。
面間隔制御開始時期制御部6は、図9に示すように、画像取得条件入力部32(4)を介して入力された前後の波長から目標とする面間隔にするために必要な光学基板の移動距離を指令距離として検出する(ステップS1”)。次に、検出した指令距離を用いてルックアップテーブルを検索し、面間隔制御の前倒し時間T3を検出する(ステップS2”)。次に、画像取得条件入力部32(4)を介して入力された露光タイミング(露光時間、遮光時間)が、検出した前倒した前倒し時間T3を用いて、検出した前倒し時間T3だけ面間隔制御の開始時期を早めることで、光学基板の移動を遮光処理期間内に完了させることが可能な露光タイミングであるか否かをチェックする(ステップS3”)。遮光処理期間内に完了させることができない露光タイミングである場合、次のステップS4”,S5”の処理を行う。露光期間における光学基板の移動完了までに要すると予測される時間T4を撮像素子2の露光処理の開始の遅延時間として検出する(ステップS4”)。次いで、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)に対し、撮像素子2の露光処理の開始時期を、検出した遅延時間T4だけ遅らせるように指示する(ステップS5”)。次に、面間隔制御開始時期制御部6は、面間隔制御部5に対し、検出した前倒し時間T3だけ早い時期に面間隔制御を開始するように、指令信号を送信する(ステップS6”)。面間隔制御部5は、指令信号に従った時期に面間隔制御を開始する(ステップS7”)。
以下、上述したセンサ出力変換部、差分値算出部、指令値算出部、指令値変換部におけるこれらの制御処理及びその制御処理に基づく4つのピエゾ素子の駆動が繰り返される。
また、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)は、面間隔制御開始時期制御部6により指示された遅延時間T4だけ遅らせて撮像素子2の露光処理を開始する。
【0059】
上述したように、露光条件入力部32(4)で入力した露光タイミングによっては、図18で示した面間隔の制御指令に対してエタロン型の可変分光素子を構成する光学基板が動き出すまでの遅れ時間T1が露光処理期間に対して長くなり過ぎ、次の露光処理期間に入る前にアクチュエータの移動を完了させるために必要な光学基板間の面間隔制御を開始させる前倒し時間を十分にとることができない場合が起こりうる。
そのような場合は、面間隔制御部5が面間隔制御開始時期制御部6の指示した時間分前倒しして面間隔制御を開始しても、次の露光処理期間に入る以前にアクチュエータの移動を完了させることができず、次の露光処理期間開始後もアクチュエータの移動が完了するまでの間(例えば、図7に示したような遅れ時間T4)、所望の設定波長とは異なる不要の波長成分が分光されてしまう。
【0060】
第2変形例の分光画像装置によれば、対向する光学基板間の面間隔制御の開始時期及び撮像素子2の露光処理の開始の遅延時間T4を検出し、面間隔制御部5に対し、対向する光学基板間の面間隔制御を、検出した開始時期に開始するように指示するとともに、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)に対し、撮像素子2の露光処理の開始時期を、検出した遅延時間T4分遅らせるように指示するようにしたので、露光タイミングとの相対的な関係において、光学基板が動き出すまでの遅れ時間T1が大きくなるような場合であっても、撮像素子2の露光処理の全処理期間において、光学基板の面間隔が変動しない状態を保持できる。その結果、所望の設定波長の波長成分のみを分光して、分光精度の高い画像を得ることができ、高速で波長を切り替える複数波長からなる動画を取得した場合でも、高い波長分解能が得られる。
その他の作用効果は、実施例1の分光画像装置と略同じである。
【0061】
実施例2
図10は実施例2の分光画像装置におけるカメラシーケンスとエタロン型の可変分光素子を構成する光学基板の動作を示すタイミングチャートである。図11は実施例2の分光画像装置における全体の制御構成を模式的に示すブロック図である。図12は実施例2の分光画像装置における露光処理開始時期制御部の処理ステップを示すフローチャートである。なお、実施例2の分光画像装置の基本的な構成は、図2に示したとおりである。また、説明の便宜上、図1に相当する構成については図1の符号を用いて説明することとする。
【0062】
実施例2の分光画像装置では、可変分光素子制御回路29は、露光処理開始時期制御部8をさらに備えている。
露光処理開始時期制御部8は、面間隔制御部5が対向する光学基板間の面間隔を制御しているときの光学基板間の面間隔の値をリアルタイムで取得し、取得した光学基板間の面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)に対し、その時点を基準とする所定の時期に撮像素子2の露光処理を開始するように指示する。
例えば、図10に示すように、露光処理開始時期制御部8は、光学基板が目標とする面間隔の10nm手前に近づいたときに、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)に対し、その100μs後に撮像素子2の露光処理を開始するように指示する。
その他の構成は図3〜6に示した実施例1及び第1変形例の分光画像装置と略同じである。
【0063】
このように構成された実施例2の分光画像装置に特有の可変分光素子1及び撮像素子2の制御動作について図11、図12を用いて説明する。
実施例2の分光画像装置では、面間隔制御開始時期制御部32(4)による面間隔制御開始時期が面間隔制御部5に指示され(ステップS11)、面間隔制御が開始し(ステップS12)、光学基板の移動が開始した(ステップS13)後、露光処理開始時期制御部8が、光学基板の面間隔をリアルタイムで取得する(ステップS14)。具体的な取得方法としては、可変分光素子制御回路29に備わる図示しないセンサ出力変換部が、4組の静電容量センサにより測定された各静電容量センサの配置位置における一対の光学基板の面間隔x1,x2,x3,x4を取得し、それらの面間隔x1,x2,x3,x4を、重心同士の間隔の現在値g’に変換する。露光処理開始時期制御部8に対して、その値をリアルタイムで入力する。なお、このとき撮像素子2は遮光されている。次いで、露光処理開始時期制御部8は、取得した現在の面間隔g’が目標値gの−10nmとなったか否かをチェックする(ステップS15)。取得した現在の面間隔g’が目標値gの−10nmとなっていないときは、この面間隔の検出(ステップS14)及び取得した面間隔の所定値到達チェック(ステップS15)の各処理を繰り返す。検出した現在の面間隔g’が目標値gの−10nmとなったとき、100μs待機(ステップS16)した後、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)に対し、撮像素子2の露光処理を開始するように露光指令を発する(ステップS17)。これにより、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)を介して、光学基板の面間隔g’が目標値gとなるときと略同時期に撮像素子2の露光が開始される。
以下、異なる波長ごとに同様の処理を繰り返す。
【0064】
光学基板間の面間隔制御においては、面間隔制御開始時期制御部6が、面間隔制御部5に対し上述した遅れ時間T2だけ前倒しした時間を面間隔制御の開始時期として指示しても、実際には光学基板の移動を遮光処理期間内に完了させることができず、所望の設定波長とは異なる不要の波長成分が分光されてしまうことが起こりうる。
実施例2の分光画像装置によれば、露光処理開始時期制御部8が、対向する光学基板間の面間隔の値をリアルタイムで取得し、取得した面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)に対し、その時点を基準とする所定の時期に撮像素子2の露光処理を開始するように指示するので、光学基板間が殆ど所望の面間隔になった後に露光処理を開始することで露光処理期間における所望の波長成分以外の不要な波長成分の分光を極力少なくすることができ、分光精度の高い画像を得ることができる。
その他の作用効果は、実施例1の分光画像装置と略同じである。
【0065】
実施例2の変形例
図13は実施例2の変形例の分光画像装置におけるカメラシーケンスとエタロン型の可変分光素子を構成する光学基板の動作を示すタイミングチャートである。図14は図13のタイミングチャートにおける期間Aにおける光学基板の面間隔及び移動速度を拡大して示す説明図である。図15は実施例2の変形例の分光画像装置における全体の制御構成を模式的に示すブロック図である。図16は実施例2の変形例の分光画像装置における露光処理開始時期制御部の処理ステップを示すフローチャートである。なお、実施例2の変形例の分光画像装置の基本的な構成は、図2に示したとおりである。また、説明の便宜上、図1に相当する構成については図1の符号を用いて説明することとする。
【0066】
実施例2の変形例の分光画像装置では、露光処理開始時期制御部8は、リアルタイムで取得した前後の時点の面間隔の値を用いて光学基板の速度を算出し、算出した光学基板の速度が0となった時点における面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)に対し、その時点を基準とする所定の時期に撮像素子2の露光処理を開始するように指示する。
例えば、図13,図14に示すように、可変分光素子1が500nmから700nmへ透過波長を切り替える場合において、露光処理開始時期制御部8は、光学基板の速度が0nm/secのときの面間隔が目標値と面間隔の±3nmとなったときに、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)に対し、露光を開始するようにしている。
その他の構成は図10〜図12に示した実施例2の分光画像装置と略同じである。
【0067】
このように構成された実施例2の変形例の分光画像装置に特有の可変分光素子1及び撮像素子2の制御動作について図15、図16を用いて説明する。
実施例2の変形例の分光画像装置では、面間隔制御開始時期制御部32(4)による面間隔制御開始時期が面間隔制御部5に指示され(ステップS21)、面間隔制御が開始し(ステップS22)、光学基板の移動が開始した(ステップS23)後、露光処理開始時期制御部8が、光学基板の面間隔をリアルタイムで取得する(ステップS24)。具体的な取得方法は、図10〜図12に示した例と同じである。なお、このとき撮像素子2は遮光されている。次いで、露光処理開始時期制御部8は、前後の時点で取得した面間隔を用いて光学基板の速度を演算する(ステップS25)。次いで、演算した光学基板の速度が0nm/secであるか否かをチェックする(ステップS26)。演算した光学基板の速度が0nm/secでないときは、面間隔の取得(ステップS24)、光学基板の速度演算(ステップS25)、光学基板の速度チェック(ステップS26)の各処理を繰り返す。演算した光学基板の速度が0nm/secであるときは、その時点での光学基板の面間隔g’が目標値g±3nmとなっているか否かをチェックする(ステップS27)。光学基板の面間隔g’が目標値g±3nmとなっていないときは、面間隔の取得(ステップS24)、光学基板の速度演算(ステップS25)、光学基板の速度チェック(ステップS26)、面間隔の所定値到達チェック(ステップS27)の各処理を繰り返す。光学基板の面間隔g’が目標値g±3nmとなったときに、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)に対し、直ちに撮像素子2の露光処理を開始する指令を発する(ステップS28)。これにより、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)を介して、光学基板の面間隔g’が目標値gとなるときと略同時期に撮像素子2の露光が開始される。
以下、異なる波長ごとに同様の処理を繰り返す。
【0068】
実施例2の変形例の分光画像装置は、可変分光素子を構成する光学基板の面間隔制御におけるオーバーシュートによる分光精度の低下を改善させたものである。
光学基板間の面間隔制御においては、面間隔制御が完了するまでに、光学基板の移動量がオーバーシュートして面間隔の目標値を上下し、ある時点で光学基板間の面間隔の値が所定の範囲内の値になっても、次の時点では所定の範囲から外れるといったことが起こり得る。そのような場合、露光処理開始時期制御部8が、リアルタイムで取得した光学基板間の面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、撮像素子制御部7に対し、その時点を基準とする所定の時期に撮像素子2の露光処理を開始するように指示しても、撮像素子2の露光処理が開始された後の時点において光学基板間の面間隔の値が所定の範囲を外れ、所望の設定波長とは異なる不要の波長成分が分光されてしまい易い。
【0069】
実施例2の変形例の分光画像装置によれば、露光処理開始時期制御部8が、リアルタイムで取得した前後の時点の面間隔の値を用いて前記光学基板の速度を算出し、算出した前記光学基板の速度が0となった時点における面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、撮像素子制御回路28(撮像素子制御部7)に対し、その時点を基準とする所定の時期に前記撮像素子の露光処理を開始するように指示するので、撮像素子2の露光処理が開始された後の時点において光学基板間の面間隔の値が所定の範囲を外れることがなくなるので、所望の波長成分以外の不要な波長成分の分光を極力少なくすることができ、分光精度の高い画像を得ることができる。
【0070】
なお、実施例2及び変形例における露光処理開始時期制御部8は、例えば、静止画の撮像等、露光タイミングが遅く、可変分光素子における光学基板の面間隔制御動作が、露光開始までに完了する場合であれば、面間隔制御始動時期制御部6を備えない分光画像装置にも有用である。
【0071】
以上、本発明の分光画像装置の実施例について説明したが、本発明の分光画像装置は、上記各実施例及び変形例の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的特徴を備えた構成であればどのような構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の分光画像装置は、エタロン型の可変分光素子を用いて複数の波長を切り替えて動画像を取得することが必要とされる分野に有用である。
【符号の説明】
【0073】
1 可変分光素子
2 撮像素子
3 分光画像生成部
4 画像取得条件入力部
5 面間隔制御部
6 面間隔制御始動時期制御部
7 撮像素子制御部
8 露光処理開始時期制御部
10 被写体
11 分光画像装置
12 挿入部
12a 先端
13 撮像ユニット
14 光源ユニット
15 制御ユニット
16 表示ユニット
17 ライトガイド
18,19 光源
20 光源制御回路
28 撮像素子駆動回路
29 可変分光素子制御回路
30 フレームメモリ
30a,30b メモリ
31 画像処理回路
32 画像取得条件入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する光学基板の面間隔を可変とすることで、複数の波長を選択して透過させる可変分光素子と、前記可変分光素子を透過した光を画像信号に変換して出力する撮像素子と、前記撮像素子から出力された画像信号を用いて、複数の波長の画像を生成する分光画像生成部を有する分光画像装置であって、
画像取得の条件として少なくとも複数の波長の値を入力するための画像取得条件入力部と、
前記画像取得条件入力部を介して入力された波長の値に基づいて、前記対向する光学基板間の面間隔を制御する面間隔制御部と、
前記画像取得条件入力部を介して入力された複数の波長の値を少なくとも用いて、前記面間隔制御部に対し、前記撮像素子による当該時点での画像信号変換出力対象となっている波長での露光処理期間の終了よりも早い所定時期に、前記撮像素子による次の画像信号変換出力対象となるべき波長に対する前記対向する光学基板間の面間隔制御の開始を指示する面間隔制御開始時期制御部を有することを特徴とする分光画像装置。
【請求項2】
前記画像取得条件入力部は、さらに、前記撮像素子の露光タイミングを入力可能に構成され、
前記面間隔制御開始時期制御部は、前記画像取得条件入力部を介して入力された複数の波長の値と前記撮像素子の露光時間及び遮光時間の値を用いて、前記対向する光学基板間の面間隔制御の開始時期を検出し、前記面間隔制御部に対し、前記対向する光学基板間の面間隔制御を、前記検出した開始時期に開始するように指示することを特徴とする請求項1に記載の分光画像装置。
【請求項3】
前記面間隔制御開始時期制御部は、前記画像取得条件入力部を介して入力される複数の波長の値と、前記対向する光学基板間の面間隔制御の開始の前倒し時間の値とが対応づけてあらかじめ記録されたテーブルを有することを特徴とする請求項1に記載の分光画像装置。
【請求項4】
前記面間隔制御開始時期制御部は、前記画像取得条件入力部を介して入力される複数の波長の値及び前記撮像素子の露光タイミングの値と、前記対向する光学基板間の面間隔制御の開始の前倒し時間の値とが対応づけてあらかじめ記録されたテーブルを有することを特徴とする請求項2に記載の分光画像装置。
【請求項5】
前記撮像素子の露光タイミングを制御する撮像素子制御部をさらに有し、
前記面間隔制御開始時期制御部は、前記画像取得条件入力部を介して入力された複数の波長の値と前記撮像素子の露光時間及び遮光時間の値を用いて、前記対向する光学基板間の面間隔制御の開始時期及び前記撮像素子の露光処理の開始の遅延時間を検出し、前記面間隔制御部に対し、前記対向する光学基板間の面間隔制御を、前記検出した開始時期に開始するように指示するとともに、前記撮像素子制御部に対し、前記撮像素子の露光処理の開始時期を、前記検出した遅延時間分遅らせるように指示することを特徴とする請求項1に記載の分光画像装置。
【請求項6】
前記撮像素子の露光タイミングを制御する撮像素子制御部と、
前記面間隔制御部が前記対向する光学基板間の面間隔を制御しているときの前記光学基板間の面間隔の値をリアルタイムで取得し、取得した前記光学基板間の面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、前記撮像素子制御部に対し、その時点を基準とする所定の時期に前記撮像素子の露光処理を開始するように指示する露光処理開始時期制御部を、さらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の分光画像装置。
【請求項7】
前記露光処理開始時期制御部は、前記リアルタイムで取得した前後の時点の面間隔の値を用いて前記光学基板の移動速度を算出し、算出した前記光学基板の移動速度が0となっている時点における面間隔の値が所定の範囲内の値となったときに、前記撮像素子制御部に対し、その時点を基準とする所定の時期に前記撮像素子の露光処理を開始するように指示することを特徴とする請求項6に記載の分光画像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−17507(P2013−17507A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150818(P2011−150818)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】