説明

分割型弁

第1のダクト5と流体接続する第1の弁構成要素2、第2のダクト7と流体接続する第2の弁構成要素3を有する弁組立体1であって、各弁構成要素が、ハウジング17、18、及びハウジングそれぞれの中に移動可能に配設された閉鎖部材40、41を有し、第1の閉鎖部材40が、第1のダクトに対して略横方向に延びるピボット軸線9を有し、第1の閉鎖部材が、当該閉鎖部材が第1のダクトの長手方向の中心線に対して略横方向に延びる閉鎖位置と、開放位置との間で、ピボット軸線のまわりを旋回することが可能であり、第1及び第2の閉鎖部材がそれぞれ、第1の閉鎖部材をピボット軸線のまわりを旋回させるときに第2の閉鎖部材を第1の閉鎖部材と共に移動させることができるように、閉鎖部材を解放可能に相互接続するための結合手段45、46を有し、第2の閉鎖部材が、第2の閉鎖部材41の閉鎖位置において第2のハウジング18上の相補的なコネクタ手段36、37、60、61と係合するためのコネクタ手段38、39、62、63を有し、コネクタ手段は、弁構成要素2、3が分離されたとき、第2の閉鎖部材を、第2のハウジングと旋回不可能で且つ封止された取り付け部品の中に維持する弁組立体1が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のダクトと流体接続する第1の弁構成要素、第2のダクトと流体接続する第2の弁構成要素を有する弁組立体であって、各構成要素がハウジング及び閉鎖部材を有し、第1の閉鎖部材が、第1のダクトに対して横方向に延びるピボット軸線を有し、第1の閉鎖部材は、当該閉鎖部材が第1のダクトの長手方向の中心線に対して横方向に延びる閉鎖位置と、開放位置との間で、ピボット軸線のまわりを旋回することができる弁組立体に関する。本発明は、例えばLNGの移送など、炭化水素の移送システムにおける緊急時用の解放弁として使用するのに特に適している。本発明は、パイプが破損した場合、又は2つのパイプ部分を切断することが必要な任意の緊急の状況において特に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
2つのステーション間での流体の供給及び受け取りのためにパイプラインを相互接続するこのタイプの接続設備がよく知られており、ステーションの一方は、沖合の係留点など固定されたステーションとすることができ、他方は炭化水素用のタンカーなど移動可能なステーションとすることができる。周知の接続及び切断設備は、漂流又は事故(例えば火災の場合など)といった厳しい状況において、構造物が損傷を受けること又はパイプがもぎ取られることを防止すると同時に、パイプライン内の流体を確実に閉じ込めるために、固定されたパイプ部分から移動可能なパイプ部分を切り離すことができる緊急時用の切断装置を有している。
【0003】
周知の設備では、相互接続された2つのパイプ部分の弁ディスクのピボット軸線が、パイプ部分の軸線方向に互いに間隔を置いて配置される。これらのディスクはその閉鎖位置にあるとき、それらの間に流体で満たされた比較的大きい空間の範囲を定める。緊急時に切断される場合には、この量の流体が周囲環境へと失われる。そうした出来事は環境汚染を引き起こす恐れ、又は火災の危険性を伴う恐れがある。これは特に、例えば荷積み又は荷卸し用のターミナルと液化ガス用のタンカーとの間など、液化天然ガス(LNG)の移送の場合にあてはまる。
【0004】
これまで、パイプライン、管路などを通る流体の流れを制御するために、様々な環境及び用途において多くの異なるタイプの弁が用いられてきた。リニア弁のタイプには、球形弁、ゲート弁及びダイアフラムなどの弁が含まれ、4分の1回転弁のタイプには、バタフライ弁、ボール弁及びプラグ弁が含まれる。これらの弁は特定の用途に応じて、手動で操作すること又は作動させて調節することが可能である。例えばゲート弁、プラグ弁、ウェッジ弁及びボール弁はすべて、流体流れ制御の技術分野でそのそれぞれの適所を見出してきた。そうした弁では、実質的に漏れのない動作を可能にすることが根本的に重要であり、高圧流体、又は高可燃性若しくは腐食性の物質など潜在的に危険な流体の流れを調節する弁では特にそうである。場合によっては、動作、すなわち開閉が容易であることが、弁、特に高圧弁の特徴として漏れのない動作と同じぐらい重要になることがある。弁部の摩耗及び破損の他に、弁を迅速に比較的小さい力で操作することができない場合には、弁を操作すること、及びそうした高トルクの弁に伴う関連する不都合に余分な時間及び労力が費やされることによって、他の不利な結果をまねく恐れがある。したがって信頼性があり、すなわち漏れを起こさず、且つ操作が速やかで容易であり、好ましくは手のみ又は軽量の道具の利用によって得られるきわめて低いトルクを必要とする弁を使用することが望ましく、有利であることは明らかである。
【0005】
流体移送システムの2つのパイプ部分を接続及び切断するための設備の実例が米国特許第6,877,527号に見出され、その特許では、それぞれの部分が、流体流れの断面を閉鎖する閉鎖位置と、流体流れの断面を開放する開放位置との間でスイベル軸線のまわりを回転する、内部に旋回可能に取り付けられたディスクを有するバタフライ弁を含む。スイベル軸線は、パイプの軸線に垂直に且つ互いに平行に延びる。この構成は弁ごとに作動機構を含み、比較的複雑で重い。その周知の構造によって、パイプ部分の接続が行われるときに閉じ込められる流体の量は低減されるが、接続が得られた後、流体が閉じ込められたままになるのを防止することはできない。
【0006】
カムによって作動される分割型のボール弁の実例が米国特許第5,265,845号に見出され、その特許では、分割されたボールの半体が、取り付け手段のまわりを旋回することができるようにヘッド部材に旋回可能に取り付けられ、交互に半体を互いに分離したり、又はそれらを互いに向かって倒したりする。閉鎖部材は、ステム及びヘッド部材と共に回転することが可能であり、交互に流れポート部を座部と見当合わせするように配置して弁を開放したり、又は封止面を座部と整列させて弁を閉鎖したりする。作動カムを弁本体内で分割されたボールの半体間に配設して、交互にそれらを引き離したり、又は互いに向かって倒し、座部との封止係合部から離れることを可能にしたりする。この設備はきわめて高い動作圧力においても操作が容易で操作トルクが低い状態を保つが、弁に取り付けられたパイプ部分を切断することはできない。
【0007】
管路のための他の接続装置が米国特許第4,335,747号に記載されており、それは、各管路内の直径に沿って延びる貫通穴を有する球形の弁要素を開示している。一方のパイプ部分では、内部に球形要素が据え付けられたハウジングの合わせ面が開口部を有するように形成され、この開口部を貫通して弁要素の一部が突出する。他方の管路では、球形の弁要素はハウジングの合わせ面を越えて突出しないが、第1のボール弁組立体内の弁要素の突出した部分を受け入れるために、一部が球形の陥凹部を有するように形成される。こうして2つのパイプ部分の相互接続後に空気を包含しないようにすることが可能になり、それは低温の用途において特に有利である。しかしながら、各ボール弁が個々の作動部材によって駆動されるため、構造は比較的複雑で重くなる。
【0008】
米国特許第5,305,776号には緊急時用の遮断装置が記載され、ここでは2つの弁がそれぞれ、パイプの長さ方向に横向きの遮断位置、及びその遮断位置に実質的に垂直な開放位置となることができるような、パイプ本体内で平行なピボット軸線のまわりを旋回することができる閉塞物を有している。閉塞物はそれぞれ、他方の弁の閉塞物と係合するための係合装置を有し、2つの閉塞物をそれらの通常の開放位置では接触する配置として固定し、接合部が切断荷重に等しい若しくはそれより大きい荷重を受けたために弁が移動して離れるときには、閉塞物を解放してそれらがその遮断構成をとなることができるようにする。閉塞物を引き離すために2つの閉塞物を結合する手段が切断されるため、この配置は緊急時の遮断後、その都度変更しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,877,527号
【特許文献2】米国特許第5,265,845号
【特許文献3】米国特許第4,335,747号
【特許文献4】米国特許第5,305,776号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、前述の問題点を克服することである。本発明の目的は特に、繰り返し接続及び切断すると同時に、漏出を回避することができる弁組立体を提供することである。本発明の目的は特に、単純な軽量の構造であり、且つ操作が容易な弁組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
それに対して、本発明による弁組立体では、第1及び第2の閉鎖部材は、第1の閉鎖部材をピボット軸線のまわりで旋回させるときに第2の閉鎖部材を第1の閉鎖部材と共に移動させることができるように、閉鎖部材を解放可能に相互接続するための結合手段を有し、第2の閉鎖部材は、第2の閉鎖部材の閉鎖位置において、第2のハウジング上の相補的なコネクタ手段と係合するためのコネクタ手段を有し、そのコネクタ手段は、結合手段が外されて弁構成要素が分離されると、第2の閉鎖部材を、第2のハウジングとの旋回できない封止された取り付け部品の中に維持する。
【0012】
例えばバタフライ弁、ボール弁又は円筒形の弁など、ピボット軸線を有する任意のタイプの弁とすることができる第1の閉鎖部材を設けることによって、第1の閉鎖部材を回転させて開放位置又は閉鎖位置にすることができる。第2の閉鎖部材は、結合手段を介して第1の閉鎖部材に機械的に連結されると同時に、第2の閉鎖部材のコネクタ手段が第2のハウジングから外れると、開放位置と閉鎖位置の間で第1の閉鎖部材と共に旋回される。パイプ部分が分離された場合、両方の閉鎖部材がそれらの閉鎖位置となるように一緒に旋回され、その後、第2の閉鎖部材のコネクタ手段が第2のハウジングと係合する一方、結合手段が解放される。分離されている間、第2の閉鎖部材の旋回機能は不要であるため、旋回しない液密の方法で、この部材を第2のハウジングに封止状態にクランプすることが可能である。
【0013】
第1の閉鎖部材のハウジング部には、ただ1つの駆動部材を設けるだけでよいため、本発明による弁は、単純で操作が容易な軽量の構造のものとすることができる。したがって本発明による弁組立体は、炭化水素の移送アームでの使用に特に適している。さらに、第1及び第2の閉鎖部材をそれらの動作状態で機械的に結合することによって、第1の閉鎖部材と第2の閉鎖部材の間に含まれる液体が最小限となることが保証され、したがって弁構成要素の分離時の液体の流出が防止される。
【0014】
迅速に解放するために、第1及び第2のハウジングは、第1及び第2のハウジングを液密に相互接続するための外部の固定デバイスを備えることができる。外部の固定デバイスは、それぞれのハウジング上にいくつかの半径方向の突起部を備えることができ、対応するクランプ装置が一方のハウジングの突起部に蝶番式に取り付けられ、蝶番を取り付けると、対向する半径方向の突起部とクランプ式に係合することができる。
【0015】
一実施例では、第1の閉鎖部材は、貫通穴を有する本体、貫通穴の範囲を定める入口面及び出口面、並びに入口面及び出口面に対して実質的に横方向に延びる結合面を備えており、結合手段は結合面上又はその近くに位置し、その結合面では閉鎖部材同士が接触し、本体は、ピボット軸線のまわりで旋回されるように、ハウジングを貫通して外部の駆動位置まで延びる駆動シャフトに接続される。こうして、高い圧力に耐えることが可能であり且つハウジングの中にしっかりと支持される、円筒形又は球形の弁本体などの信頼できる弁本体を使用することができる。
【0016】
排出流路が、ポートからハウジング部を通って外部まで、シャフトと一直線上に延びることができ、また任意選択で圧力緩和弁を備えることが可能である。排出流路によって、流体を閉鎖ループ経由で移動させて第1のダクト部分の中に戻し、流体の流出を最小限に抑えることができる。
【0017】
第1及び第2のハウジングは球形の台座を画定し、第1及び第2の閉鎖部材はボール弁を画定し、第2の閉鎖部材のコネクタ手段は、球形の封止面に対して横方向に延びる少なくとも1つのノッチ又は突起部を備え、第2のハウジング上のコネクタ手段は、球形の封止面に対して横方向に延びる相補的な突起部又はノッチを備えることができる。分割型のボール弁が低トルクの開閉機能を与えると同時に、分離された状態において、第2のパイプ部分の球形部分が第2のパイプ部分を適切な閉鎖位置に維持することができる。
【0018】
第2の閉鎖部材の球形部分は、長手方向の中心線のそれぞれの側で、突起部を介して第2のハウジングに機械的に取り付けることが可能であり、ハウジング上の閉鎖部材は、長手方向の中心線のそれぞれの側に溝を備え、第2の閉鎖部材をピボット軸線のまわりで旋回させて閉鎖位置にすると、ノッチは溝の中に収容される。
【0019】
ピボット軸線のまわりの回転によるのではなく、第2の閉鎖部材がその閉鎖状態にあるときに、ピボット軸線を長さ方向のまわりで旋回させることによって、第2の閉鎖部材の球形部分を第2のハウジングに取り付けることができる。
【0020】
一実施例では、第1及び第2のハウジングは、ハウジングの表面上にハウジング封止部材を備え、第1及び第2の閉鎖部材は、結合面上に結合封止部材を備え、第2及び第1のハウジング並びに/又は閉鎖部材は、第1及び第2の閉鎖部材並びに/又はハウジングの対応する封止面と係合するための閉鎖封止部材を備えている。こうして、ハウジング部及び閉鎖部材は、封止された収容空間を形成し、閉鎖部材とハウジングの間の空間への流体の移動が妨げられる。
【0021】
他の実施例では、組み合わされた第1及び第2のハウジング、並びに第1及び第2の閉鎖部材は実質的に円筒形であり、ハウジング上の結合手段は、長手方向の中心線のそれぞれの側に、ピボット軸線上に中間点を有する環状溝を備え、閉鎖部材は、長手方向に対して横方向に延び、環状溝の中に至るフランジを備えている。こうして、単純な構造であり且つ容易に低トルクで動作する円筒形の弁が得られる。
【0022】
やはり他の実施例でも、閉鎖部材は実質的にプレート形であり、第2のハウジングは、内部のノッチ又は流体流れの方向に対して横方向に延びる溝を備え、第2の閉鎖部材は、その閉鎖位置において内部のリムと係合するための相補的な溝、又は流体流れの方向に対して横方向に延び、環状溝の中に至るフランジを備えている。
【0023】
本発明による弁組立体のいくつかの実施例を、非限定的な実例として図面を参照しながら詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】開放状態における本発明による分割型のボール弁の断面図である。
【図2】閉鎖状態における図1の弁の断面図である。
【図3】弁構成要素が分離された図1の弁の断面図である。
【図4】図3の線IV−IVに沿った断面上面図である。
【図5a】図3の分割型のボール弁の第2のハウジング及び第2の閉鎖部材の正面図である。
【図5b】図5aの線Vb−Vbに沿った断面図である。
【図5c】図5bの第2の閉鎖部材とハウジングの間の係止機構の詳細図である。
【図6a】弁構成要素が分離された状態における、本発明による分割型のボール弁の他の実施例の断面図である。
【図6b】第2の閉鎖部材とそれに対応するハウジング部の間の係止機構の詳細図である。
【図7a】図6aの分割型のボール弁の第2のハウジング及び関連する閉鎖部材の正面図である。
【図7b】図7aの線VIIb−VIIbに沿った断面図である。
【図8】閉鎖状態(実線)及び開放状態(点線)における、本発明による円筒形の弁の上面図である。
【図9】2つのハウジング部が分離された状態における、図8の分割型の円筒形の弁の断面図である。
【図10a】開放状態における本発明による分割型のゲート弁の断面図である。
【図10b】閉鎖状態における本発明による分割型のゲート弁の断面図である。
【図10c】2つの弁構成要素が分離された状態における、図10a及び10bの分割型のゲート弁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、第1の弁構成要素2及び第2の弁構成要素3を有する、分割型のボール弁の形の弁組立体1を示している。弁組立体1は、ピボット軸線9のまわりを旋回することが可能な本体10を有する弁ゲート8を有している。各弁構成要素2、3は、それぞれのパイプ部分5、7に接続される。弁ゲート8は、ボール内のポート11がパイプ部分5、7の流路13、14と同じ断面の大きさになるように、特大のボールの形をしており、それによって摩擦損失が著しく低減される。グリップ14を有する単一の駆動ステム15が本体10に取り付けられ、ピボット軸線9に沿って第1のハウジング部17を通って延びている。グリップ14は、弁の操作に役立つ。この操作は、手動操作又は回転アクチュエータによる自動操作とすることができる。第2のハウジング部18は、各ハウジング部17、18上の半径方向の突起部20、21、22、23を有する外部の固定デバイスによって第1のハウジング部17に接続される。突起部20、21及び22、23の対はそれぞれ、蝶番式のクランプ24、25によって互いに締められる。弁ゲート8の封止面は、ハウジング部17、18の球形の面に沿って摺動するが、シール27、28及び31、32は、流体が弁ゲート8とハウジング部17、18の間に入るのを防止する。取り外し可能なハウジング部17、18の間の境界面上のシール29、30は、弁のハウジングから流体が漏出するのを防止する。
【0026】
図1では、ポート11が流体流路13、14と一直線上にあるため、分割型のボール弁は開放されており、流体をパイプ部分5からゲート8の入口面33及び出口面34を介して、パイプ部分7に流入させることができる。ハウジング部18は、取り外し可能なゲート部41に設けられた半径方向に突出するコネクタ手段38、39を受け入れるための溝穴(陥凹部)36、37を備え、このゲート部を第2のハウジング部18に係止するようになっている。
【0027】
図1に示すボール弁8は、ハウジング部17内に外部へのパージポートを有する漏出経路42を備えることも可能であり、任意選択で圧力緩和弁を追加することができる。パージされた流体の流出を避けるために、閉ループによって漏出経路は流路13の内側に連結される。
【0028】
図2は、閉鎖状態における図1の弁組立体を示している。この構成では、ステム15は軸線9のまわりで4分の1回転だけ回転され、ここではポート11が、パイプ部分5、7を通る流体流れの方向に垂直になっている。コネクタ手段は、第2のハウジング部18内の溝穴36、37と噛み合うゲート部41上の突起部38、39の形である。溝穴36、37は、弁ゲート部40、41をピボット軸線9のまわりで一緒に回転させつつ突起部38、39を受け入れることができるように、ピボット軸線9上に中心を有する環状溝の一部として成形することができる。2つの弁部40、41は、ゲート部40上の突出部45及びゲート部41内で噛み合う陥凹部46の形である、ゲート部40、41の各結合面12、16上の結合手段を介して相互接続される。ゲート部40のピボット軸線9まわりの回転時にゲート部41が伴われるように、結合手段は、弁ゲート部40、41の間の機械的な接続を保証する。或いは結合手段は、磁気的な結合手段、摩擦材料、又は回転結合を保証すると同時にパイプ部分5、7の長さ方向Lにおけるゲート部40、41の分離を可能にする他の任意の結合手段を含むことができる。相互接続された位置になると、ばねによって負荷されるシール、すなわち弁ゲート8とハウジング部17、18の間のシール27、28及び31、32、並びにハウジング境界面上の固定シール29、30が、2つの弁ゲート部40、41の流路13、14を確実に封止する。
【0029】
ゲート部40、41の結合面12、16が、ポート11を2つの部分9に分割することも可能である(図示せず)。その場合、結合面12、16は、それらの面すべてにおいて接触しない。
【0030】
図3は、ハウジング部17、18及び弁ゲート部40、41が長さ方向Lに分離された後の弁組立体1を示している。蝶番式のクランプ24、25を旋回させてハウジング部17上の半径方向の突起部20、22から外す。突出部45が陥凹部46から取り外されると、弁ゲート部40が弁ゲート部41から外される。ゲート部41は、ハウジング部18内の溝穴36、37と係合する突起部38、39を介してハウジング部18に係止される。パイプ部分5及び7内の流路13、14は、それぞれのゲート部40、41によって閉鎖される。
【0031】
図4は、線IV−IVを通る図3の弁の構成の断面図である。漏出経路42の末端が見えるが、明らかに、ゲートが閉鎖された後、ゲート・ポート11の中に閉じ込められた流体を除去することが可能であると思われる。結合面12がゲート部41の結合面16と接触すると、ゲート部40の結合面12上のシール51、52が流体の漏出を防止する。
【0032】
図5aは、ボール弁が分割された後の、第2の閉鎖部材41及びまわりのハウジング部18の正面図を示している。この構成では、クランプ手段24は、ハウジング部18の外面のまわりに均等に分布している。この場合のコネクタ手段は、閉鎖部材41をパイプ部分7のハウジング18に封止状態で係止するように、例えばハウジング部18内の溝36、37に据え付けられるピン又はリム38、39を備えている。ピン又はリム38、39は、開口部55、56を介して溝(又は陥凹部)36、37に入り、弁ゲート8を図1に示す流れの開放位置から図2に示す閉鎖位置までピボット軸線9のまわりを4分の1回転だけ回転させることによって、それらの端部位置まで移動する。こうして、パイプ部分7が封止状態で閉鎖される。閉鎖部材41上の結合手段は、陥凹部46を含む。陥凹部46は第2のゲート部41を回転可能にゲート部40に取り付け、ここでは第2の閉鎖部材41の中心に位置するように示されている。
【0033】
クランプ手段の代替形態は、長手方向の中心線(26)のまわりで互いに対して回転することができる2つの本体部分17、18並びに10、41を有し、軸受手段を用いて2つの部分を互いに係止解除するようにすることができる(図示せず)。
【0034】
図5cは、流体がゲート部41とハウジング部18の間で漏出するのを防止するために、閉鎖部材41に対してハウジング部18の空洞内に据え付けられたばね57によってばね付勢される、シール32の拡大詳細図を示している。図5cから理解することができるように、溝36、37の端部位置には、突出部38、39の頂部と係合して、封止のための端部位置に達したときに閉鎖部材41をハウジング部18に係止する、ばねによって付勢されるボールなど追加の係止機構58、59が存在してもよい。
【0035】
図6aは、第2のハウジング部18の内側周縁部に取り付けられた半径方向の突起部又はリム60、61を備える、コネクタ手段の他の実施例の断面図である。図6bの拡大詳細図では、ゲート部41は肩部62、63を備え、閉鎖部材がその端部の閉鎖位置にあるとき、肩部62、63がハウジング上の突起部又はリム60、61と係合することが明確に示されている。この実施例では、突起部又はリム60、61がハウジング部18と一体化されていることが明らかである。ハウジング部18の内部及び肩部62、63における突起部又はリム60、61の位置は、ゲートを閉じるときに弁ゲートをピボット軸線9のまわりで回転させると同時に突起部60、61がゲート部41上の肩部62、63を受け入れ、案内するように成形される。
【0036】
図7aは、ハウジング部18内に封止状態で係止された第2のゲート部41の正面図を示している。ハウジング部18の内部にある突起部60、61は、点線で示す溝65、66を画定する。突起部60、61は、各突起部とハウジング部18の内壁の間に開口部67、68を画定し、第2のゲート部41がピボット軸線9のまわりで回転して封止状態のその閉鎖位置になると、その開口部を通って、第2のゲート部41の肩部62、63が溝65、66の中に入ることが可能になる。
【0037】
図8は、本発明による円筒形の弁組立体の閉鎖状態における上面図を示している。点線は開放位置、すなわち貫流位置を示す。
【0038】
図9は、ゲート部40がパイプ部分5を封止し、ゲート部41がパイプ部分7を閉鎖している、図8の線IX−IXを通る断面図である。弁ゲート8は、頂部のフランジ70及び底部のフランジ71を備え、それらは、ハウジング部17、18の内面の環状陥凹部70’、71’の中に案内され、弁ゲート8の部分40、41をそれぞれのハウジング17、18に封止状態で係止するコネクタ手段を形成する。シール73、72は、ハウジング部17とゲート部40の間に位置している。シール74、75は、ハウジング部17、18が相互接続された状態でハウジング外部への流体の漏出が生じないことを保証する。シール76、77は、結合面12、16の相互接続後に弁ゲート部40、41の間に流体が入るのを防止し、シール78、79は、弁構成要素2、3の分離後のゲート部41によるパイプ部分7の液密封止を保証する。
【0039】
図10a〜10cは、弁がバタフライ弁であり、弁ゲート8がディスク形である本発明の弁組立体の他の実施例を示している。弁ゲートを構成する閉鎖部材40、41は、パイプ部分5の頂部の座部89から直径に沿って対向する下部の座部90まで延びる、弁ステム15に接続される。パイプ部分5の端部にあるハウジング部17は、弁ステム15を内部に支持する座部89、90を備えている。パイプ部分7の端部にあるハウジング18は、ディスク形のゲート部41上で肩部95、96を受け入れる溝の形にすることができるコネクタ手段93、94を備えている。シール80、81は、ハウジング部17、18が接触しているとき、それらを相互に封止し、シール82、83はハウジング部17の内壁に対して第1のゲート部40を封止し、シール84、85は、第1及び第2のゲート部40、41の接続面12、16が接触しているとき、それらに沿った境界面を封止し、シール86、87は、閉鎖位置にあるとき、第2のゲート部41をハウジング部18の内壁に対して封止する。
【0040】
本発明は、図に示した実施例に限定されない。したがって、ダクト5及び/又は7を軸線26に対して傾斜させたケースも本発明によって包含される。
【0041】
弁組立体の構成要素は、例えば任意の金属、プラスチック又はエラストマーの構成要素で製造することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のダクト(5)と流体接続する第1の弁構成要素(2)、第2のダクト(7)と流体接続する第2の弁構成要素(3)を有する弁組立体(1)であって、各弁構成要素(2、3)は、ハウジング(17、18)及び該それぞれのハウジング(17、18)の中に移動可能に配設された閉鎖部材(40、41)を有し、第1の閉鎖部材(40)が、前記第1のダクト(5)に対して略横方向に延びるピボット軸線(9)を有し、前記第1の閉鎖部材(40)は、該閉鎖部材が前記第1のダクト(5)の長手方向の中心線(26)に対して略横方向に延びる閉鎖位置と、開放位置との間で、前記ピボット軸線(9)のまわりを旋回することができる弁組立体(1)において、
前記第1及び第2の閉鎖部材(40、41)はそれぞれ、前記第1の閉鎖部材を前記ピボット軸線のまわりで旋回させたときに前記第2の閉鎖部材(41)を前記第1の閉鎖部材(40)と共に移動させることができるように、前記閉鎖部材(40、41)を解放可能に相互接続するための結合手段(45、46)を有し、前記第2の閉鎖部材は、前記第2の閉鎖部材の閉鎖位置において前記第2のハウジング(18)上の相補的なコネクタ手段(36、37;60、61;72、72’;93、94)と係合するためのコネクタ手段(38、39;62、63;70’、71’;95、96)を有し、前記コネクタ手段は、前記弁構成要素(2、3)が分離されたとき、前記第2の閉鎖部材(41)を、前記第2のハウジング(18)との旋回ができず且つ封止された取り付け部品の中に維持することを特徴とする弁組立体(1)。
【請求項2】
前記第1及び第2のハウジング(17、18)は、該第1及び第2のハウジング(17、18)を液密に相互接続するための外部の固定デバイス(20、21、22、23、24、25)を有する請求項1に記載の弁組立体(1)。
【請求項3】
前記第1の閉鎖部材(40)は、貫通穴(11)を有する本体(10)と、前記貫通穴(11)の範囲を定める入口面(33)及び出口面(34)と、前記入口面及び出口面(33、34)に対して実質的に横方向に延びる、各閉鎖部材(40、31)上の結合面(12、16)とを有し、前記結合手段(45、46)は前記結合面(12、16)上又はその近くに位置し、前記閉鎖部材の前記結合面(12、16)は接触していることが好ましく、前記本体(10)は、該本体(10)を前記ピボット軸線(9)のまわりで旋回させるために、前記第1のハウジング(17)を貫通して外部の駆動位置まで延びる駆動シャフト(15)に接続されている請求項1又は2に記載の弁組立体(1)。
【請求項4】
流路(42)が、前記シャフトの方向に横向きに、前記貫通穴(11)を通って前記貫通穴(11)から前記本体の外部まで延びている請求項3に記載の弁組立体(1)。
【請求項5】
前記第1及び第2のハウジング(17、18)が球形の台座を画定し、前記第1及び第2の閉鎖部材(40、41)がボール弁を画定し、前記第2の閉鎖部材(41)の前記コネクタ手段(38、39;62、63)が、球形の封止面に対して横方向に延びる少なくとも1つのノッチ又は突起部を有し、前記第2のハウジング(18)上の前記コネクタ手段が、球形の封止面に対して横方向に延びる相補的な突起部又はノッチを有している請求項2、3又は4に記載の弁組立体(1)。
【請求項6】
前記第2の閉鎖部材(41)上の前記コネクタ手段は、前記長手方向の中心線(26)のそれぞれの側に突起部(38、39;62、63)を有し、前記第2のハウジング(18)上の前記閉鎖部材は、前記長手方向の中心線(26)のそれぞれの側に溝を有し、前記突起部は、前記第2の閉鎖部材を前記ピボット軸線のまわりで旋回させて前記閉鎖位置にしたとき、又は第2の閉鎖部材を前記長手方向の中心線(26)のまわりで旋回させてその閉鎖位置にしたとき、前記溝の中に収容される請求項5に記載の弁組立体(1)。
【請求項7】
前記閉鎖部材の前記結合面(12、16)は、前記2つの弁構成要素(2、3)の回転を許容するように設計され、前記弁を開閉するために一方が他方と比較される請求項5に記載の弁組立体(1)。
【請求項8】
前記溝は、前記ピボット軸線(9)上にその中間点を有する円の一部であり、或いは前記長手方向の中心線(26)上にその中間点を有する円の一部である請求項6に記載の弁組立体(1)。
【請求項9】
前記第1及び第2のハウジング(17、18)は、ハウジング表面上にハウジング封止部材(29、30;74、75;81、80)を有し、前記第1及び第2の閉鎖部材(40、41)は、前記結合面(12、16)上に結合封止部材(51、52;76、77;84、85)を有し、前記第2及び第1のハウジング(17、18)並びに/又は前記第1及び第2の閉鎖部材(40、41)は、前記第1及び第2の閉鎖部材(40、41)並びに/又は第1及び第2のハウジング(17、18)の対応する面と係合するための閉鎖封止部材(27、28、31、32;72、73、78、79)を有する請求項1から8までのいずれかに記載の弁組立体(1)。
【請求項10】
組み合わされた前記第1及び第2のハウジング(17、18)、並びに組み合わされた第1及び第2の閉鎖部材(40、41)は実質的に円筒形であり、前記ハウジング(17、18)上の前記コネクタ手段は、前記長手方向の中心線(26)のそれぞれの側に、前記ピボット軸線(9)上に中間点を有する環状溝(70’、71’)を有し、前記第1及び第2の閉鎖部材(40、41)は、相補的なコネクタ手段として、前記長手方向の中心線(26)に対して垂直に延び、前記環状溝(70’、71’)の中に至るフランジ(70、71)を有する請求項3又は4に記載の弁組立体(1)。
【請求項11】
前記閉鎖部材は実質的にプレート形であり、前記第2のハウジング(18)は、内部のノッチ又は前記長手方向の中心線(26)に対して横方向に延びる溝(93、94)を有し、前記第2の閉鎖部材(41)は、その閉鎖位置において前記内部のノッチ又は溝(93、94)と係合するための相補的な溝、又は前記長手方向の中心線(26)に対して横方向に延びるフランジ(95、96)を有する請求項1又は2に記載の弁組立体。
【請求項12】
前記外部の固定デバイスは、それぞれのハウジング(17、18)上にいくつかの半径方向の突起部(20〜23)を有し、対応するクランプ装置(24、25)が、一方のハウジングの前記突起部に蝶番式に取り付けられ、蝶番を取り付けると、対向する半径方向の突起部とクランプ式に係合することができる請求項1から11までのいずれかに記載の弁組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【公表番号】特表2011−501059(P2011−501059A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529357(P2010−529357)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/063824
【国際公開番号】WO2009/050173
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(510109202)シングル ブイ ムーリングス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】