分子および組織診断のためのマルチチャンバー組織収納システム
生体試料を保管するための容器が開示される。容器は、試料保持器を収容するように構成された第1のチャンバー内部を画定する開放端と閉鎖端との間に延在する側壁を有する第1のチャンバーを備える。容器は、開放端と閉鎖端との間に延在して試料保持器をその後収容するように構成された第2のチャンバー内部を画定する側壁を有する第2のチャンバーも備える。第2のチャンバー内部は、第1のチャンバー内部から流体的に絶縁している。取り外し可能閉鎖部は、試料保持器が第1のチャンバー内部および第2のチャンバー内部の一方の中に配設されている間に第1のチャンバーの開放端および第2のチャンバーの開放端のうちの少なくとも一方を取り囲む。第1の流体を第1のチャンバー内部内に配設し、第2の異なる流体を第2のチャンバー内部内に配設することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている、2007年10月23日に出願した米国仮特許出願第60/982,062号、名称「Multi−Chambered Tissue Containment System For Molecular and Histology Diagnostics」の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、生体試料を保管するための容器に関する。より具体的には、本発明は、分子もしくは診断試験および/または組織学的試験のために、1つの試薬中に、またはそうするのが望ましければ複数の試薬中に生体組織標本を保管するための容器に関する。
【背景技術】
【0003】
生体試料は、特定の疾病の存在を判定し、また疾病の適切な治療を決定するために、研究者または臨床医が診断的評価を目的として採取することが多い。数多くの疾病の治療の研究において今では当たり前のことになっている分子診断および核酸分析、特にRNAおよびDNA分析のために、組織試料を患者から採取することはよくある。正確なRNAおよびRNA分析を行ううえで欠かせない要求条件は、生体試料内に良質の、無傷のRNAおよびDNAが存在することである。
【0004】
多くの場合、組織学的または細胞学的分析は、保管時に生じる可能性のある分子変化を回避するために患者または供給元から試料を採取した後ただちに実行される。遺伝子転写などのこれらの変化は、いくつかの環境ストレスへの未処理試料の曝露によって引き起こされる試料内の核酸の分解の結果生じる。しかし、試料を採取した直後の試料の分析は、多くの場合不可能であるか、または現実的でない。したがって、試料の構造的および分子的完全性を維持しながら一定期間にわたって制御された状態下で試料を保管するためのシステムを実現することが必要である。
【0005】
従来、このような保管を達成する一方法は、単一の固定試薬中に試料を浸けることによって行われる。典型的な固定試薬は、10%のホルマリンであるが、水、混和アルコール、エタノール/アセトン混合液、およびエタノール/酢酸混合液を含みうる。このような保管に使用される容器は、一般的に、特定の生体組織試料を処理するための試薬の有効量を収納することが可能な単一の一体となったキャビティからなる。生体組織試料は、試薬とともに容器内に入れられ、容器が閉じられ、次いで、試料が保管され、固定試薬により保存しながら輸送される。このような容器の一例は、Haywoodらの特許文献1に見られる。このような容器は、業界において一定の成功を収めているが、いくつかの制限もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,147,826号明細書
【特許文献2】米国特許第4,220,252号明細書
【特許文献3】米国特許第4,034,884号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、生体試料を保管するための容器アセンブリは、第1の端部と第2の端部との間に延在する、開放端と閉鎖端との間に延在し試料保持器を収容するように構成された第1のチャンバー内部を画定する側壁を有する第1のチャンバーを備える、1つの容器を具備する。容器は、開放端と閉鎖端との間に延在して試料保持器をその後収容するように構成された第2のチャンバー内部を画定する側壁を有する第2のチャンバーも備える。第2のチャンバー内部は、第1のチャンバー内部から流体的に絶縁している。容器は、試料保持器を第1のチャンバー内部および第2のチャンバー内部の一方の中に配設したまま第1のチャンバーの開放端および第2のチャンバーの開放端のうちの少なくとも一方を取り囲むように容器の第1の端部と係合させるための取り外し可能な閉鎖部も備える。
【0008】
一構成において、試料保持器は、閉鎖部に着脱可能なように接続される。他の構成において、試料保持器は、閉鎖部に関して回転可能である。プラットフォームが、適宜、閉鎖部に取り付けられ、試料保持器を収容するように構成されうる。プラットフォームは、閉鎖部に関して回転可能であるものとすることができる。
【0009】
試料保持器は、生体試料を保持するための内部キャビティを画定する閉鎖可能ハウジングを備えることができる。ハウジングは、第1のチャンバー内部および第2のチャンバー内部の少なくとも一方の中に配設された流体を内部キャビティ内に入れられるように構成された複数の流体開口部を備えることができる。他の構成において、試料保持器は、組織カセットである。
【0010】
閉鎖部および容器は、螺合可能なように嵌合可能であるものとすることができる。適宜、閉鎖部は、第1のチャンバーの開放端および第2のチャンバーの開放端のうちの少なくとも一方の周と係合可能でありこの係合により液体不透過性シールを形成するシールを備えることができる。容器は、長手方向軸を画定することができ、第1のチャンバーを長手方向軸の第1の側に配設することができ、第2のチャンバーを長手方向軸の対向する第2の側に配設することができる。第1のチャンバーの側壁と第2のチャンバーの側壁は、容器の外側側壁を確定するように結合することができる。他の構成では、容器は、第1の端部と第2の端部とを有し、閉鎖部は、容器の第1の端部と係合し、第1のチャンバーの開放端および第2のチャンバーの開放端を取り囲む。
【0011】
容器は、第1のチャンバーを第2のチャンバーと区別するための視覚的標識を備えることもできる。視覚的標識は、容器の外面上に選択的に位置決めされたラベルとすることができる。あるいは、視覚的標識は、容器の一部と一緒に形成することもできる。視覚的標識を、第1のチャンバーの開放端および第2のチャンバーの開放端のうちの少なくとも一方に隣接する位置で容器と一体化できる。適宜、視覚的標識は、英数字表現である。
【0012】
容器の第1のチャンバー内部は、第1の意図された充填容積を有し、容器の第2のチャンバー内部は、第2の意図された充填容積を有するものとすることができる。第2の意図された充填容積は、第1の意図された充填容積と異なることがある。容器は、第1のチャンバー内部内に配設された第1の流体、および第2のチャンバー内部内に配設された第2の流体を含むこともできる。第1の流体は、第2の流体と異なっていてもよい。他の構成では、容器は、第1の濃度を有する第1のチャンバー内部内に配設された流体、および第2の濃度を有する第2のチャンバー内部内に配設された流体を含むことができる。第1の濃度は、第2の濃度と異なっていてもよい。
【0013】
容器の閉鎖部は、第1のチャンバーの開放端および第2のチャンバーの開放端のうちの少なくとも一方を取り囲む膜であってもよい。あるいは、容器は、閉鎖部と、第1のチャンバーの開放端および第2のチャンバーの開放端のうちの少なくとも一方を取り囲む膜の両方を備えることができる。膜は、部分的に取り外し可能であるか、または穿刺可能であるものとすることができる。
【0014】
本発明の他の実施形態によれば、生体試料を保管するための容器は、第1の端部、第2の端部、および容器内部を画定する第1の端部と第2の端部との間に延在する側壁を備える。容器は、容器内部内に画定され、容器の第1の端部に隣接する開口部を有する第1のチャンバーも備える。容器は、容器の第1の端部に隣接する開口部を有する容器内部内に画定された第2のチャンバーをさらに備える。第2のチャンバーは、第1のチャンバーから流体的に絶縁している。容器は、容器の第1の端部と封止係合するための閉鎖部も備え、生体試料を中に入れて保管するための試料保持器を備える。閉鎖部は、試料保持器が第1のチャンバー内に収容される第1の方向で、またそれと同じ試料保持器が第2のチャンバー内にその後収容される第2の方向で、容器と係合するように構成される。
【0015】
他の構成において、試料保持器は、閉鎖部に関して回転可能である。試料保持器は、生体試料を保持するための内部キャビティを画定する閉鎖可能ハウジングを備えることができる。ハウジングは、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーの少なくとも一方の中に配設された流体を内部キャビティ内に入れられるように構成された複数の流体開口部を備えることができる。特定の一構成において、試料保持器は、組織カセットである。
【0016】
閉鎖部は、第1のチャンバーの開口部および第2のチャンバーの開口部のうちの少なくとも一方の周と係合可能でありこの係合により液体不透過性シールを形成するシールを備えることもできる。さらに他の構成では、容器は、第1のチャンバーを第2のチャンバーと区別するための視覚的標識を備えることもできる。視覚的標識は、容器の外面上に選択的に位置決めされたラベルとすることができる。視覚的標識は、容器の一部と一緒に形成することもできる。
【0017】
適宜、容器は、第1のチャンバー内に配設された第1の流体、および第2のチャンバー内に配設された第2の流体を含むことができる。第1の流体は、第2の流体と異なっていてもよい。あるいは、容器は、第1の濃度を有する第1のチャンバー内に配設された流体、および第2の濃度を有する第2のチャンバー内に配設された流体を含むことができる。第1の濃度は、第2の濃度と異なっていてもよい。容器は、第1のチャンバーの開口部および第2のチャンバーの開口部のうちの少なくとも一方を取り囲む膜を備えることもできる。
【0018】
本発明のさらに他の実施形態によれば、生体試料を収納する方法は、第1のチャンバー内部を画定する開放端と閉鎖端との間に延在する側壁を有する第1のチャンバーを有する容器を形成するステップを含む。第1のチャンバー内部は、中に配設された第1の流体を含む。容器は、第2のチャンバー内部を画定する開放端と閉鎖端との間に延在する側壁を有する第2のチャンバーも備える。第2のチャンバー内部は、中に配設された第2の流体を含む。第1の流体は、第2の流体と異なり、また第2のチャンバー内部は第1のチャンバー内部から流体的に絶縁している。この方法は、試料保持器を第1のチャンバー内部内に挿入するステップも含む。この方法は、試料保持器を第2のチャンバー内部内にその後移送するステップをさらに含む。
【0019】
適宜、この方法は、試料保持器が第1のチャンバー内部および第2のチャンバー内部のうちの少なくとも一方の中に配設されている間に試料保持器が着脱可能なように接続されている閉鎖部を容器の一部と螺合可能なように係合するステップをさらに含む。
【0020】
他の一実施形態では、生体試料を中に収納するように構成されている試料保持器を支持するための支持アセンブリが備えられる。支持アセンブリは、試料保持器を中に収容するように構成されたフレームを有し、フレームは試料保持器と係合し、試料保持器をフレーム内に支持するための構造物を備える、収容部材を備える。支持アセンブリは、収容部材と接続され収容部材を支持するプラットフォームも備え、このプラットフォームは、収容部材内に収容された試料保持器が容器の内部内に延在するように容器と係合するように構成されている。プラットフォームは、好ましくは、収容部材内に収容されている試料保持器が容器の第1の内部内に延在するような第1の位置で、また収容部材内に収容されている試料保持器が容器の第2の内部内に延在するような第2の位置で容器と係合するように構成される。フレームは、流体をフレーム内に貫流させ、フレームによって支持されている試料保持器と接触させられるように構成された少なくとも1つの開口部を備えることができる。さらに、プラットフォームは、望ましくは、収容部材に対し横方向に延在する。
【0021】
望ましくは、収容部材は、試料保持器を開放可能なように中に収容する。さらに、収容部材は、収容部材のフレーム内で試料保持器を支持するため試料保持器と係合する少なくとも1つの指状部を備えることができる。このような指状部は、収容部材のフレーム内に試料保持器を維持し、支持するために試料保持器にバイアス力を加えるように構成される。いくつかの実施形態において、支持アセンブリの収容部材は、試料保持器と係合するための複数の指状部を備えることができ、これら指状部の少なくとも1つは収容部材のフレームに対し試料保持器を維持し、支持するため試料保持器に対しバイアス力を加えるように構成されている。このようにして、複数の指状部が、収容部材のフレームに対してさまざまなサイズおよび形状の複数の試料保持器を維持し、支持するように構成される。
【0022】
さらに他の実施形態では、容器を取り囲むための閉鎖アセンブリが形成され、この閉鎖アセンブリは上記のように支持アセンブリを備える。このような閉鎖アセンブリでは、プラットフォームは、収容部材を閉鎖アセンブリに相互接続する。プラットフォームは、好ましくは、閉鎖アセンブリ上で回転可能なように支持され、閉鎖アセンブリは、容器と螺合可能なように係合可能であり、これにより、閉鎖部を容器上に螺合する作業は、プラットフォームが容器内の指定された位置に維持されている間に達成されることが可能である。
【0023】
他の一実施形態では、複数の閉じ込め面を備える一般的に平面状のフレームを備える試料保持器収容部材を企図しており、閉じ込め面は試料保持器の先細端部および試料保持器の先細でない端部を閉じ込めることができる。この部材は、フレームから延在する、少なくとも1つの、および好ましくは、複数の片持ち指状部をさらに備え、試料保持器が閉じ込め面内で係合したときにこれらの片持ち指状部は応力の低い状態から応力の高い状態へ偏向可能であり、これにより、試料保持器を収容部材のフレーム内に維持する。閉じ込め面の少なくとも1つは、閉じ込めラッチとすることができ、閉じ込めラッチは試料保持器の先細端部など、試料保持器のエッジを受け入れるように偏向可能である。
【0024】
本発明の他の一実施形態では、アセンブリは、ドアによって選択的に取り囲むことができるキャビティを備える組織カセットの形態の試料保持器を備え、組織カセットは先細端部と先細でない端部とをさらに備える。アセンブリは、試料保持器を取り外し可能なように収容するための収容部材をさらに備え、収容部材は収容部材の基部フレームから延在する少なくとも1つの偏向可能表面を備え、少なくとも1つの偏向可能表面は、試料保持器が収容部材内に位置決めされたときに収容部材に関して試料保持器を一時的に位置決めする。試料保持器のドアは、試料保持器が収容部材の中に位置決めされている間にキャビティに対して開くことができる。
【0025】
本発明の他の詳細および利点は、全体を通して類似の部品は類似の参照番号で指定されている付属の図面とともに以下の詳細な説明を読むと、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態による生体組織試料を保管するための容器の斜視図である。
【図2】図1の容器の分解斜視図である。
【図3】図1の容器の容器ハウジングの斜視図である。
【図4A】開放位置で示されている、試料保持器の一実施形態の斜視図である。
【図4B】閉鎖位置で示されている、図4Aの試料保持器の斜視図である。
【図5】試料保持器が取り付けられている図1の閉鎖部の底部の斜視図である。
【図6】試料保持器が入っていない状態で示されている、図1の直線6−6にそって切り取った容器の断面図である。
【図7】試料保持器が入っていない状態で示されている、図1の直線7−7にそって切り取った容器の断面図である。
【図8】試料保持器が第1のチャンバー内に挿入されている状態で示されている、図1の容器の部分分解斜視図である。
【図9】本発明の他の一実施形態による容器の斜視図である。
【図10】容器の上端の上に閉鎖部がある状態で示されている、図9の容器の側面図である。
【図11A】英数字識別記号を有する本発明の他の一実施形態による容器の上面図である。
【図11B】これもまた英数字識別記号を有する本発明のさらに他の一実施形態による容器の上面図である。
【図12A】構造識別記号を有する本発明の他の一実施形態による容器ハウジングの斜視図である。
【図12B】図12Aの容器ハウジングの上面図である。
【図13】第1のチャンバーの底端が第2のチャンバーの底端と一体になっている、本発明の他の一実施形態による容器の正面図である。
【図14】閉鎖部が第1のチャンバーの開放端と第2のチャンバーの開放端との間に配設されている、本発明の他の一実施形態による容器の正面図である。
【図15A】本発明に関連して使用するための収容要素の一実施形態の斜視図である。
【図15B】図15Aの収容要素の正面図である。
【図15C】図15Bの直線15C−15Cにそって切り取った収容要素の側断面図である。
【図15D】図15Aの収容要素の側面図である。
【図15E】図15Aの収容要素の上面図である。
【図16A】閉鎖部の一部およびそれに合わせて成形されたプラットフォームを有する本発明の一実施形態による容器の部分概略断面図である。
【図16B】図16Aの容器の部分分解斜視図である。
【図17】識別記号を有するラベルが付けられている本発明の一実施形態による容器の斜視図である。
【図18】図17の容器の代替斜視図である。
【図19A】周囲シールを示す本発明の他の一実施形態による容器の部分概略断面図である。
【図19B】周囲シールを詳細に示す図19Aの拡大図である。
【図19C】周囲シールを示す図19Bの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
これ以降の説明を目的として、空間的な向きを示す用語が使用されている場合、この用語は、付属の図面において配向されているか、または以下の詳細な説明で別の形で記述されているときの参照されている実施形態に関係するものとする。しかし、これ以降において説明されている実施形態では、多くの代替変更形態および実施形態を想定することがあることを理解されたい。また、付属の図面に示され、本明細書において説明されている特定のデバイスは、単なる例であって、制限するものとしてみなされるべきではないことも理解されたい。
【0028】
本発明の容器には、分子および組織診断、および特に、組織病理試験のために組織試料などの生体試料を保管することができる。特に、この容器は、開放端および閉鎖端を備え、容器の内部は互いに流体的に絶縁する第1のチャンバーおよび第2のチャンバーを備える。したがって、液状媒質を、第2のチャンバーなど、これらのチャンバーのうちの少なくとも1つに収納することができる。この方法で、例えば、第1のチャンバー内に収納されている組織試料を、組織を第2のチャンバー内の溶液に接触させる前に取り扱うか、または処理することができる。本明細書でさらに詳しく説明されるように、本発明の一実施形態では、第1のチャンバーは、空であって保管チャンバーであるものとすることができ、第2のチャンバーには、組織病理診断のために試料を固定する組織固定溶液の形態の試薬など液状媒質を入れることができる。このようにして、組織試料を第1のチャンバー内に入れ、必要ならば、その後試料を第2のチャンバーに移して、組織試料を第2のチャンバー内の溶液と流体的に接触させることができる。あるいは、第1のチャンバーに、第2のチャンバーが空になっている状態で試薬を入れ、これにより、組織試料を最初に、試薬が入っている第1のチャンバーに配置することができ、組織試料を所望の期間にわたって試薬と接触させた後、組織試料を空の第2のチャンバーに移送して、保管し、さらに分析する。
【0029】
本発明の他の一実施形態では、第1のチャンバーは、組織固定溶液などの第1の溶液または試薬を収納し、第2のチャンバーは、核酸安定化溶液などの第2の溶液または試薬を収納して、組織試料を所望の期間にわたって第1の溶液と流体的に接触している第1のチャンバー内に入れ、その後、組織試料を第2のチャンバーに移して、組織試料を第2のチャンバー内の溶液と接触させることができる。本明細書で説明されている実施形態は、これらの方法のどれかで使用することができる容器を表している。
【0030】
類似の参照文字がいくつかの図面全体を通して同じ部品を指している図面を参照すると、図1〜3は、生体組織試料の保管のための容器1を一般的に示している。容器1は、容器底部2にある第1の端部、容器頂部3にある第2の端部、および容器頂部3と容器底部2の間に延在し、容器内部5を画定する、外側側壁4を一般的に備える。容器内部5は、第1のチャンバー内部を有する第1のチャンバー6、および第2のチャンバー内部を有する第2のチャンバー7を備え、容器1内に収納される。図1に示されているような一実施形態では、容器1は、容器1の対向側に配設された湾曲指状収容部を有する正方形の形状を有する。本明細書では、容器1は、本明細書の説明の意図された使用と一致する任意の形状として形成することができることも企図されている。
【0031】
例えば、図9〜図10に示されている代替実施形態では、容器1の外部は、少なくとも1つの、望ましくは一対の平坦な側部29を備えることができ、これにより、ユーザーが容易に把持することができるか、またはラベルを貼り付けることができる表面が形成され、平坦な側部であるためラベルに書きやすくなっている。容器1は、ガラスまたはプラスチックなどの任意の公知の材料で製作することができ、また望ましくは、ポリマー材料で成形される。容器底部2は、好ましくは平坦であり、したがって、容器1は、テーブルまたは実験台などの表面上に直立させて置くことができる。しかし、その代わりに、容器底部2は他の形状をとることもでき、例えば、対応する保持装置内に収容されるように円錐形などに形状をとることもできる。容器頂部3も好ましくは平坦であるが、他の形状もとることができる。
【0032】
図1〜図3を再び参照すると、容器内部5は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7などの少なくとも2つのチャンバーを備えている。第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、閉鎖端8、開放端9、および閉鎖端8から開放端9へ延在するチャンバー側壁10によって画定された中空キャビティを有する。一実施形態では、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、キャビティの全長にわたって延在する実質的に矩形の断面を有しているが、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、円形または正方形などの他の断面形状を有することもできることも企図されている。本明細書においてさらに詳しく説明されるように、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のそれぞれは、図2および図4A〜4Bに示されている同じ試料保持器11を中に収容し、受け入れることができるような寸法を有する。さらに、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の全体的なサイズは、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7内に収納される試料保持器11の予想容積サイズに合うように変化させることができる。
【0033】
一実施形態では、図3に示されているように、チャンバー側壁10の少なくとも一部は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の閉鎖端8が、容器底部2と一体になり、また容器底部2の一部をなすように容器底部2へ延在している。あるいは、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の閉鎖端8は、容器底部2から独立していてもよく、その場合、チャンバー側壁10は、容器底部2へ延在していない。図3を再び参照すると、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の開放端9は、使用者がその開放端9を通して第1のチャンバー6および第2のチャンバー7にアクセスできるように、遮られていない。一実施形態では、チャンバー側壁10は、チャンバー側壁10が容器側壁4の一部をなすように容器1の外側側壁4へ延在する。この実施形態では、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のチャンバー側壁10は、外側容器側壁4を形成するように結合されている。容器1の上面は、平面状の表面を形成し、その際に第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の開放端9はその表面を延在する。例えば、図3に示されているように、チャンバー側壁10の上端部分10aは、外側容器側壁4から隔てられ、平面状表面12はチャンバー側壁10の上端部分10aと容器頂部3に隣接する容器側壁4との間に延在する。
【0034】
第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、互いに流体的に絶縁される形で容器1内に設けられている。例えば、障壁13を第1のチャンバー6と第2のチャンバー7との間に配設することができる。障壁13は、チャンバー側壁10が第1のチャンバー6と第2のチャンバー7との間の共通側壁をなすようにするか、または第1のチャンバー6および第2のチャンバー7が独立した壁構造を有する異なるチャンバーとなるようにすることなどによって、第1のチャンバー6と第2のチャンバー7との間に形成できる。第1のチャンバー6および第2のチャンバー7を流体的に絶縁することによって、使用者は、液体または溶液をうっかり混ぜ合わせてしまうことなく、異なる液体または溶液をチャンバーのそれぞれの中に入れることができる。第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、任意の公知の材料から形成することができるが、望ましくは、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、容器1と同じ材料から一体形成される。
【0035】
一実施形態では、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、互いに関して実質的に平行な向きで容器1内に配設することができる。この向きは、直線A−Aで表される第1のチャンバー6の長手方向軸および直線B−Bで表される第2のチャンバー7の長手方向軸が平行であるように、図6の断面図において表されている。容器1内での第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の位置決めに関して、図6に示されている実施形態において、容器1は、直線C−Cで示されている中央の長手方向軸を有し、第1のチャンバー6は、軸C−Cを切断する平面の第1の側に全体的に配設され、第2のチャンバー7は、この軸C−Cを切断する同じ平面の第2の対向側に全体的に配設される。また、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、容器1の長手方向軸C−Cを切断する平面の同じ側に配設することができることが本明細書で企図されている。
【0036】
図2および図5に示されている、一実施形態において、容器1は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のうちの少なくとも一方の開放端9のうちの少なくとも1つを取り囲むためのカバーまたは閉鎖部も備える。容器1は、容器頂部3と嵌合する成形ポリマー材料で好ましくは製作される、キャップまたは蓋をなす明確な閉鎖部14を備えることができる。閉鎖部14は、容器上端3のところで容器1と係合することができ、この容器上端3に隣接するように開放端9の1つまたは複数が配向されている。閉鎖部14は、摩擦嵌め、スナップ嵌め、連動する構造的係合などの方法、または他の方法で容器1と係合し、液密シールを形成することができる。望ましくは、閉鎖部14および容器1は、閉鎖部14が容器1内にねじ込まれて液密シールをそれらの間に形成できるように対応するネジ山を備える。例えば、図5に示されているような閉鎖部14は、図2に示されているように、閉鎖部14内に配設されている第1のネジ切り部材16および容器頂部3の近くの容器1の外側に配設されている対応する第2のネジ切り部材17を使って容器1と螺合可能なように嵌合可能であるものとすることができる。あるいは、そのような対応するネジ山を閉鎖部14の外面の周に、また容器頂部3の近くの容器1の側壁4の内面の周内に設けることもできる。
【0037】
他の実施形態では、閉鎖部またはカバーは、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の開放端9を取り囲むように容器1の上端3に貼り付けられた、箔またはロウ状物質などの取り外し可能な、または穿刺可能な膜とすることができる。単一の膜で、容器1内の第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の両方の開放端9を取り囲むことができるか、またはその代わりに、複数の膜を使用することができ、その際に、それぞれの膜は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の個別の開放端9をそれぞれ取り囲む。膜は、特定の第1のチャンバー6および/または第2のチャンバー7にアクセスできるのが望ましい場合に、使用者が取り外すことができる。
【0038】
図9〜図10に示されているように、取り外し可能な膜30を第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の開放端9の一方または両方の上に設けることができる。例えば、図9の実施形態で示されているように、箔またはラベルなどの、剥離式カバー30の形態の取り外し可能な膜を、第2のチャンバー7などのチャンバーの1つの上に設けることができる。
【0039】
この方法で、第1のチャンバー6および/または第2のチャンバー7の内部は、使用前の保管時に滅菌状態または非汚染状態に維持することができる。箔またはラベルなどの剥離式カバー30は、使用する直前に、第1のチャンバー6および/または第2のチャンバー7のいずれかから取り外すことができる。このような箔で、第1のチャンバー6と第2のチャンバー7とを区別することもできる。
【0040】
図2を再び参照すると、容器1は、試料保持器11内に収納されている生体組織試料を試験、保存、または処置するために、試料保持器11と併せて使用することを意図されている。生体組織試料を保持することができる任意の好適な試料保持器11は、容器1とともに使用できる。試料保持器11は、容器1の第1のチャンバー6内に収容するように構成され、また第2のチャンバー7内にその後収容されるように構成される。試料保持器11は、閉鎖部14の一部を形成することができるか、または容器1とともに使用するように別に備えることができる。試料保持器11は、診断試験で試料を調製する際に生体組織試料を保管するための当技術分野で知られているような従来の組織カセット(「ヒストカセット」)の形態であるものとすることができる。標本を作製し後から分析するために流体で処理する際に生体標本を収納しておくものとして、このような試料保持器またはヒストカセットは知られている。典型的には、このような試料保持器またはヒストカセットは、内部キャビティを有する一般的に矩形平面状のハウジング構造であり、壁面を貫通する複数の開口部が備えられ、ハウジングに流体を貫流させる。多くの場合、取り外し可能または開放可能なカバーが、ドア状カバーをハウジング構造物に設けるためにハウジング構造物の一方の端部にそって配置されている蝶番などを介して、構造物を取り囲む。また、傾斜していてもよい、平面状の表面が、そのような試料保持器またはヒストカセット内に設けられることが多く、これはラベル付けまたは書き込み用の表面として機能する。例えば、そのような試料保持器の寸法は、約0.3インチ(0.76cm)(±0.1インチ(0.25cm))の高さ、約1.73インチ(4.39cm)(±0.1インチ(0.25cm))の長さ、および約1.12インチ(2.85cm)(±0.1インチ(0.25cm))の幅を含みうる。本明細書において有益と思われる試料保持器の実施例は、参照により明確に本明細書に組み込まれている、Beallらの特許文献2およびWhiteの特許文献3に示されている。
【0041】
例えば、図4Aおよび図4Bに示されているように、試料保持器11は、生体組織試料を中に保持するために内部キャビティ24を画定する対向壁を有する一般的に矩形の平面状ハウジング23を備える。ハウジング23の壁の少なくとも1つは、ラベルを貼り付けるか、または書き込むための表面を形成する、傾斜壁22などの傾斜した壁であってもよく、適宜、試料保持器11内に収納されている試料を識別するための機構をなす。試料保持器11のハウジング23は、閉鎖可能な構造物であり、ハウジング23に取り付けられている蝶番で連結されたドア状構造物20を備えることができ、これにより、内部キャビティ24にアクセスして内部キャビティ24内に組織試料を保管するか、または内部キャビティ24から組織試料を取り出すことができる。ドア状構造物20は、フラップを通じてドア20がハウジング23に接続されている一体構造物を形成し、ハウジング23に関してドア20を枢動するための機構を備えるようにハウジング23とともに一体形成することができるか、またはドア20は、ハウジング23の片側からドア20を開いて内部キャビティ24にアクセスできるようにするための蝶番として機能する枢動点21などを通じて、他の何らかの方法でハウジング23に接続可能であるものとしてもよい。試料保持器11のハウジング23は、流体を貫流させることができるように構成された、少なくとも1つの、および好ましくは複数の流体開口部25を備える。この方法では、ハウジング23が第1のチャンバー6内に位置決めされたときに、第1のチャンバー6内の流体は、開口部25内を貫流し、内部キャビティ24内に収納されている生体組織試料と接触することができる。
【0042】
試料保持器11は、第1のチャンバー6内で使用するために独立した要素として形成することができるか、または容器1の一部分と相互接続することができる。容器1の一態様は、使用者が生体組織試料および試料保持器11との間で有する接触の量を制限して、試料の汚染を回避することに関係する。このような接触を制限するために、容器1は、試料保持器11を閉鎖部14に嵌合させるための構造を適宜備え、これにより、使用者が閉鎖部14のみと直接接触することで試料保持器11を第1のチャンバー6と第2のチャンバー7との間に移送することができる。望ましくは、試料保持器11は閉鎖部14と嵌合する。そのような嵌合は、試料保持器11を閉鎖部14に接続されるか、または閉鎖部14とともに形成された一体部品として形成することによって達成することができるか、または試料保持器11は、閉鎖部14と取り外し可能なように嵌合可能であるか、または着脱可能なように接続されている独立した構造物とすることができる。
【0043】
図2および図5に示されているように、閉鎖部14は、試料保持器11を中に受け入れるための、閉鎖部14の底面から延在する収容部材26を画定するフレームまたはラック要素を備えることができる。収容部材26は、スナップ嵌め係合などで、図5に示されているような閉鎖部14に取り付けられている試料保持器11を維持するための構造物を備えることができ、試料保持器11は、収容部材26から解放可能なものとすることができる。特に、収容部材26は、試料保持器11の一般的なサイズおよび形状を受け入れるための矩形陥凹部を画定する構造を備えることができる。収容部材26は、そこから延在する少なくとも1つの閉じ込めラッチまたは指状部27を備え、閉じ込めラッチまたは指状部27が試料保持器11のエッジと係合し、これにより試料保持器11を収容部材26によって画定された陥凹部内に維持することができる。このような指状部27は、偏向可能であるものとすることができ、これにより、試料保持器11のエッジが収容部材26の対応する壁面に当たって適所に保持され、試料保持器11が収容部材26の陥凹部内に押し込まれたときに、指状部27が試料保持器11の壁から偏向し、次いで、少なくとも部分的には初期位置に向かって戻り、これにより、試料保持器11がスナップ式に適所に嵌め込まれる。指状部27は、必要なときに試料保持器11を収容部材26から取り外せるように望ましくは偏向可能である。
【0044】
収容部材26は、試料保持器11のハウジング23を中に収納したまま試料保持器11のドア20を開けられるような一般的形状を備えることもでき、これにより、試料保持器11を閉鎖部14に対して、収容部材26内の適所に保持しながら試料保持器11の内部キャビティ24にアクセスすることができることがさらに企図されている。例えば、収容部材26は、ドア20のハンドル状突起部28を受け入れるための壁切欠部分50を有することができ、また収容部材26の壁の全体的寸法および高さは、ハンドル28を接触させ、干渉することなく収容部材26上でドア20を枢動させることによってドア20を手動で開けられるように設計することができる。収容部材26は、流体を収容部材26内に通して試料保持器11およびその中に収納されている試料に接触させるための複数の穴38を備えることができる。
【0045】
収容部材は、異なるサイズおよび形状のヒストカセットまたは試料保持器を受け入れることができるようにする構造を備えることができる。収容部材26は、試料保持器を収容し支持するための複数の閉じ込め面を備える一般的な配置構成を有するフレーム構造を画定することができる。例えば、図15A〜図15Eに示されている一実施形態に示されているように、収容部材26aは、1つのフレームを画定することができ、またさまざまなサイズの試料保持器の壁表面に圧接するための圧縮可能要素として機能する、片持ち指状部40aおよび42aを備えることができる。このような指状部40aおよび42aは、応力の低い状態から応力の高い状態に偏向可能である、つまり、収容部材26a内に配置されている試料保持器の壁面にバイアス力を加え、収容部材26aの側壁に押し付けられるように試料保持器にバイアスをかけて試料保持器を適所に保持するためのバイアス要素または板バネとして機能することができる。より具体的には、指状部40aは、バイアス力を収容部材26a内に収納されている試料保持器に加え、その一方で、対向面41aは、試料保持器の端部を中に保持し、指状部27aは、試料保持器の別のエッジを中に保持する。また、指状部42aは、試料保持器にバイアス力を加え、その一方で、対向する指状部27aは、試料保持器の端部を適所に保持する。このような対向する、等しい力が、さまざまなサイズおよび形状の試料保持器を適所に維持するのを助ける。さらに、上述のように、試料保持器のドアのハンドル部分を受け入れるために壁切欠部分50aを設けることもできるが、このときに、必要ならば試料保持器が収容部材内の適所にある間にドアを開くためにハンドル部分にアクセスすることもできる。このようにして、容器1は、容器1とともに使用するためにさまざまなサイズおよび形状のヒストカセットを中に受け入れることができる単一の収容部材を備えることができる。それに加えて、収容部材26aは、上述のように、流体を貫流させるための複数の穴38aを備えることができる。このような穴38aは、プラットフォームを通り試料保持器に向かう流体の流れが、試料保持器のサイズ、形状、および/または幾何学的配置に関係なく試料保持器の中に収納されている試料と接触するのに十分な流れとなるようなパターンまたは向きを有することができる。
【0046】
図2および図5を再び参照すると、収容要素26は、プラットフォーム31を通して閉鎖部14の底面に取り付けることができることがわかる。プラットフォーム31は、間にある係合部を枢動させるためにプラットフォーム31から閉鎖部14へ延在する瘤、あるいは枢動接続部32などを介して、閉鎖部14に関してプラットフォーム31が回転可能になるように閉鎖部14に取り付けることができる。一実施形態では、試料保持器11は、直接、またはプラットフォーム31に接続されている収容部材26を通じて、プラットフォーム31に取り付けることができ、これにより、試料保持器11も閉鎖部14に関して回転可能にすることができる。収容部材26は、一体形成された構造物、スナップ嵌めを形成する機械式接続部、接着ボンド、および同様のものなどの任意の機構を用いてアットホーム31と適宜接続することができる。図15A〜図15Eの実施形態において、収容部材26aは、プラットフォーム内に延在する対応する開口部内に収容することができる、瘤44aのところの突起を含み、これにより、プラットフォーム内で収容部材26aを機械的な相互係合状態に維持することができ、プラットフォーム31は収容部材26aの横方向に延在する。この方法により、プラットフォーム31は、収容部材26内に収容され、支持されている試料保持器が容器1の第1のチャンバー6内に延在するような第1の位置、また試料保持器が容器1の第2のチャンバー7内に延在するような第2の位置において、容器1の上端のところで容器1と係合するように構成される。
【0047】
図5に示されているように、収容部材26は、閉鎖部14の主中心軸D−Dからオフセットされている位置および方法でプラットフォーム31と接続することができる。このようなオフセットされた向きにより、場合によっては、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7に関して閉鎖部の向きと無関係に、容器1の各第1のチャンバー6および第2のチャンバー7内で試料保持器11が適切に揃えられる。特に、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、図6に示されているように、容器1の中心軸C−Cの周りで容器1内において揃えられる。収容部材26を中心軸C−Cからオフセットされているプラットフォーム31に関するある位置に置くことで、試料保持器11を収容部材26内に適切に収納し、閉鎖部1が容器1の頂部の上で適切な向きになるようにして、容器1の第1のチャンバー6または第2のチャンバー7のいずれかの中に入れることができる。回転可能な接続部をプラットフォーム31と閉鎖部14との間に置いて、試料保持器11を第1のチャンバー6または第2のチャンバー7のいずれかの中に挿入した場合、収容部材26および/または試料保持器11の一方または両方が、閉鎖部14の回転の後チャンバーの側壁10に軽く接触し、それにより、試料保持器11が閉鎖部14に対して回転し、閉鎖部14が容器1と螺合可能なように係合することができる。これにより、閉鎖部14とハウジング1との係合時に試料保持器11内に収納されている試料に対し行われる攪拌の量を大幅に低減できる。
【0048】
図16A〜図16Bに示されているように、プラットフォーム31は、容器1に関して閉鎖部14の流体密封シールを形成する働きをしうる。プラットフォーム31は、閉鎖部14が容器1内に嵌合したときに容器頂部3のところで表面12と封止係合するように構成された材料から製作することができる。例えば、少なくともプラットフォーム31の底面は、弾性材料で製作することができ、これは閉鎖部14が容器1と嵌合し、それと係合したときに、図2に示されている、容器1の平面状表面12の少なくとも一部と嵌合するようにシール面15を形成する。閉鎖部14に、容器1と係合したときにトルクを受けるので、シール面15は、平面状表面12と封止係合し、流体密封シールを形成する。望ましくは、図16Aの断面からわかるように、プラットフォーム31は、2回成形材料を使用し、シール面15は容器1と係合したときに封止特性をもたらすように弾性材料で成形され、対向する表面12aは収容部材26と接続するようにポリマー材料で形成される。他の一実施形態では、図16A〜図16Bに示されているように、シール面15は、容器1の(すでに説明されているように)第1のチャンバーの開放端および/または第2のチャンバーの開放端の周と係合可能であり、閉鎖部14が容器1と係合したときに液体不透過性シールを形成する。適宜、シール面15は、ゴム引きの、または他の何らかの形態の偏向可能な材料で作ることができ、このため、容器1との封止を形成しやすくなる。
【0049】
より具体的には、図16Bに表されている実施形態では、それぞれ第1のチャンバーおよび第2のチャンバーの開放端の周でそれぞれ封止係合するように2つの別々のシール面15、15’が備えられている。シール面15、15’は、これらのチャンバーの開放端との流体密封係合を形成するための第1および第2の周囲シールとなっている。さらに、収容部材26aは、プラットフォーム31の表面からシール面15’の周内のある位置に延在する。この方法で、試料保持器が、収容部材26aによって支持され、第1のチャンバーまたは第2のチャンバーのうちの一方の中に位置決めされた場合、シール面15’は、収容部材26aを収納するチャンバーの開放端の周上で封止し、他のシール面15は、収容部材26aを収納しない他のチャンバーの開放端の周上で封止する。したがって、シール面15、15’は、それぞれ、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーとともに液体不透過性シールを形成する。さらに、シール面15、15’は、同じ構造を有し、したがって、第1のチャンバーまたは第2のチャンバーのいずれかを封止するように構成される。この点に関して、使用時に収容部材26aが一方のチャンバーから他方のチャンバーへ移送される場合、シール面15、15’は、最初のチャンバーとの封止係合を外され、その後、他のチャンバーを封止するように構成されている。
【0050】
他の一実施形態では、プラットフォームは、容器1の頂部に対してシールとして機能するように構成された他のシール要素を備えることができる。例えば、図19A〜図19Cに示されているように、プラットフォーム31aは、プラットフォーム31aの周上に延在する周囲シール33aを備えることができる。周囲シール33aは、閉鎖部14が容器1に嵌合したときに、容器1の周上に延在する、つまり容器頂部表面の周上に延在する、リム5aと封止係合するように構成されている。周囲シール33aは、プラットフォーム31aの周に接続されるか、または他の何らかの手段で取り付けられた独立した要素であるか、または一体形成するか、もしくは共成形することができる。周囲シール33aは、閉鎖部14が容器1と嵌合するときにリム5aに当たるシール面を形成することができる材料で製作される。望ましくは、周囲シール33aは、リム5aに関して移動するときに曲がるように、および/または偏向するように構成された材料で製作され、望ましくは、周囲シールを形成するのに十分な柔軟性を有している一方、プラットフォームを支持するのに十分な構造的頑丈さを有する材料でプラットフォーム31aとともに一体形成される。この方法では、閉鎖部14が容器1と嵌合すると、周囲シール33aは、リム5aと係合し、流体密封シールを形成する。閉鎖部14が、容器1と嵌合すると、周囲シール33aは、リム5aにところで容器1の頂部との効果的なシールを形成し、閉鎖部14と容器1との間に有効な封止特性を付与し、それにより、流体が容器1の閉鎖部14のところから漏出するのを防ぐことができる。さらに、周囲シール33aは、上述のように、閉鎖部14の唯一の独立したシールとして機能するか、または第1のチャンバーの開放端および/または第2のチャンバーの開放端の周上で係合するシール面15aと併せて二次シールとして働くことができる。
【0051】
図11A〜図11Bおよび図17〜図18を参照すると、容器1は、視覚的標識53などの、第1のチャンバー6と第2のチャンバー7とを区別するための特徴を備えることもできることがわかる。視覚的標識53は、使用者から見える容器1上の任意の位置に配設できる。そのような標識は、容器側壁4上に配設することができる。他の実施形態では、標識は、1つまたは複数の容器側壁上に配設することができる。例えば、視覚的標識53は、英数字記号、直線、または一連の直線、カラー区別、異なる表面仕上げ、および同様のものの形態とすることができる。視覚的標識53は、第1のチャンバー6および/または第2のチャンバー7の特定の開放端を覆う膜内に一体化できる。
【0052】
あるいは、図17〜図18に示されているように、視覚的標識53は、第1の数値標識55が第1のチャンバー6に隣接する位置に物理的に配設され、第2の数値標識56が第2のチャンバー7に隣接する位置に物理的に配設される容器側壁4の一部の周りに配設されたラベル54を備えることができる。一構成において、同じラベル54が、第1の数値標識55および第2の数値標識56の両方を含むことができる。他の構成では、容器側壁4の平坦な部分など、容器1の一部は、ラベル貼り付け面を備え、これにより、ラベル54の第1の数値標識55および第2の数値標識56が容器1上に適切に揃っているかどうかを判定することができる。
【0053】
他の実施形態では、図11Aおよび図11Bに示されているように、視覚的標識53は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のそれぞれの開放端9の近くの容器頂部3上に配設されている。特に、番号「1」などの視覚的標識53(例えば、手順の第1のステップを指定する)は、第1のチャンバー6を識別するために使用され、番号「2」などの視覚的標識53(例えば、手順の第2のステップを指定する)は、第2のチャンバー7を識別するために使用されうる。図11Aのように、第1の視覚的標識53「1」は、初回使用のために閉鎖部14が容器1から取り外されたときに使用者からはっきりと見える、瘤を形成する、正の突起部とすることができ、第2の視覚的標識53「2」は、その逆の陥凹とすることができ、これは箔またはラベルなどの剥離式カバー30で部分的に遮られている。さらに、第1のチャンバー6を備える容器1の部分は、第1のチャンバー6を第2のチャンバー7と区別するために、霜で覆われたような表面などの、変化のある、および/または視覚的に認識可能な外観の表面仕上げを含むこともできる。このような区別により、容器10のどの部分が最初に使用されることになっているのかが使用者にとって明確になる。
【0054】
あるいは、図12A〜図12Bに示されているように、視覚的標識53は、容器幾何学的形状内に成形された区別要素を含むことができる。このような視覚的標識の正確な配置構成は、さまざまな形態をとりうる。例えば、容器1は、第1のチャンバー6に向かって延在するリブ33a、およびリブ33aと異なる方向で第2のチャンバー7に向かって延在する異なるリブ33bを備えることができる。適宜、リブ33aの第1の群を、第1のチャンバー6の側壁に対して実質的に垂直な向きを有する第1のチャンバー6に隣接する位置に配設し、リブ33bの第2の群は、第2のチャンバー7の側壁に対して実質的に平行な向きを有する第2のチャンバー7に隣接する位置に配設することができる。あるいは、リブ33aの第1の群を、第1のチャンバー6の側壁に対して実質的に平行な向きを有する第1のチャンバー6に隣接する位置に配設し、リブ33bの第2の群を、第2のチャンバー7の側壁に関して実質的に垂直な向きを有する第2のチャンバー7に隣接する位置に配設することができる。さらに他の構成では、リブ33aの第1の群またはリブ33bの第2の群のうちの一方を、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のうちの一方の側壁に対してある角度で配設することができ、リブ33aの第1の群およびリブ33bの第2の群のうちの他方を、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のうちの他方の側壁に対して異なる角度で配設することができる。さらに他の構成では、リブ33aの第1の群およびリブ33bの第2の群のうちの一方は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のうちの一方の側壁に対してある角度で配設され、リブ33aの第1の群およびリブ33bの第2の群のうちの他方は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のうちの他方の側壁に対して実質的に平行な向きまたは実質的に垂直な向きで配設される。このようにリブの向きが異なることで、第1のチャンバー6と第2のチャンバー7との区別を明確に示すそのような視覚的標識53が得られる。リブの向きの正確な配置構成は、さまざまな形態および配置構成をとりうる。適宜、視覚的標識53は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の一方または両方の上に取り外し可能な膜を備えることもできる。他の実施形態では、視覚的標識53は、第1の着色材料から第1のチャンバー6を形成することと、異なる着色材料から第2のチャンバー7を形成することとを含むことができる。
【0055】
図8を参照すると、容器1を組み立てて、製造時に、第1のチャンバー6および/または第2のチャンバー7の中に、溶液または試薬などの液体を入れることができることがわかる。あるいは、そのような液体を、組織試料を試料保持器11内に挿入する直前など、使用前の任意の時点において、第1のチャンバー6および/または第2のチャンバー7に充填してもよい。
【0056】
容器1は、1試薬システムとともに使用するように構成することもできる。この方法で、ホルマリンのような組織固定剤などの単一の試薬溶液を第2のチャンバー7内に入れることができる。このような固定液は、組織試料内のRNAを安定化し、これを利用して分子診断試験を実施する。あるいは、容器1は、2溶液または2試薬システムとともに使用するように構成することもできる。例えば、洗浄液を第2のチャンバー7内に入れ、第1のチャンバー6内の第1の試薬固定剤を希釈することができる。第1のチャンバー6および第2のチャンバー7に同じ試薬を入れることも可能であるが、それは、生体試料を、一定期間の経過後に一方の試薬から新鮮な一定量の同じ試薬に移送すると都合がよい場合があるからである。または、ホルマリンのような組織固定剤などの第1の試薬溶液を第1のチャンバー6内で使用し、組織試料の形態を安定化するための核酸安定化試薬の形態の安定剤などの第2の試薬溶液を第2のチャンバー7内に入れることができる。
【0057】
本明細書の容器では、任意の試薬を使用できる。例えば、固定剤は、ホルマリン、エタノール溶液、カルノア液I(エタノールと酢酸)、カルノア液II(エタノール、クロロホルム、および酢酸)、メタカルン(メタノール、クロロホルム、および酢酸)、クラーク固定剤、Boonfix、および同様のものとすることができる。市販の固定剤の非限定的なリストには、限定はしないが、MIRSKY’S FIXATIVE(ジョージア州アトランタ所在のNational Diagnostics,Inc.社から市販されている)、GLYOFIX(ペンシルバニア州ピッツバーグ所在のShandon Lipshaw,Inc.社から市販されている)、HISTOCHOICE(Amresco社から市販されている)、HISTOFIX(ミネソタ州ニューブライトン所在のTrend Scientific社から市販されている)、KRYOFIX(Merck社から市販されている)、MICROFIX(コネチカット州イーストグランビー所在のEnergy Beam Sciences,Inc.社から市販されている)、NEOFIX(Merck社から市販されている)、NOTOX(ニュージャージー州ベルミード所在のEarth Safe Industries,Inc.社から市販されている)、OMNIFIX IIおよびOMNIFIX 2000(ニューヨーク州メルビル所在のAnCon Genetics,Inc.社から市販されている)、PREFER(ミシガン州バトルクリーク所在のAnatech Ltd社から市販されている)、PRESERVE(コネチカット州イーストグランビー所在のEnergy Beam Sciences,Inc.社から市販されている)、SAFEFIX II(Thermo Fischer Scientific,Inc.社から市販されている)、STATFIX(テキサス州ルイスビル所在のStatLab Medical Products,Inc.社から市販されている)、STF(Streck Tissue Fixative、ネブラスカ州オマハ所在のStreck Laboratories社から市販されている)、UMFIX(カリフォルニア州トーランス所在のSakura Finetek USA,Inc.社から市販されている)、およびFINEFIX(コネチカット州シェルトン所在のMilestone Medical社から市販されている)が含まれる。市販の安定剤としては、限定はしないが、RNALATER(テキサス州オースチン所在のAmbion,Inc.社から市販されている)およびRNEASY(カリフォルニア州バレンシア所在のQiagen,Inc.社から市販されている)が挙げられる。固定剤および/または安定剤として使用することが知られているか、またはこれ以降発見された他の試薬は、本発明において有用であることが意図されている。
【0058】
一実施形態では、容器1の第2のチャンバー7は、所望の液体を充填され、図9に示されているような剥離式カバー30をその上に接着するように配置することができる。これ以降、第1のチャンバー6は、異なる液体媒質を充填することができる(例えば、2試薬システムを伴う実施形態において)。閉鎖部14は、試料保持器11がそこから延在しているか、または延在していない場合に、容器頂部3の上に配置され、図10に示されているように、その容器頂部3に螺合可能なように嵌合する。こうして組み立てられた容器1は、必要ならば、別のパッケージとしてパッケージングし、使用するまで保管しておくことができる。
【0059】
図8を再び参照すると、使用時に、分子または組織診断試験のために患者から採取した組織試料などの生体試料を試料保持器11内のキャビティ24(図4Aに示されている)内に配置する。試料保持器11が、別の要素として用意されている実施形態では、閉鎖部14を容器1から取り外し、次いで試料保持器11を閉鎖部14の収容部材26内に挿入することができる。あるいは、試料保持器11に閉鎖部14を備える場合、試料保持器11が接続された状態で、または試料保持器11を取り外し、次いで再び取り付けることによって、閉鎖部14が容器1から取り外された後に組織試料を試料保持器11内に配置することができる。
【0060】
試料保持器11が組織試料を収納している閉鎖部14は、これ以降、容器頂部3の上に配置され、図8に示されているように、試料保持器11は第1のチャンバー6内で揃えられて第1のチャンバー6内に配置されている。次いで、閉鎖部14および/または容器ハウジングを互いに関して回転させて螺合させることなどにより、閉鎖部14を容器1と嵌合させる。このような各回転において、第1のチャンバー6が試料保持器11の特定の形状を受け入れるようなサイズおよび向きを有しているため、試料保持器11は、第1のチャンバー6内でその向きを維持することができる。閉鎖部14にトルクを与えて容器1へ下げると、シール面15は、容器1の表面12と係合し、流体密封シールを形成する。
【0061】
上述のような1試薬システムを備える実施形態では、組織試料は、この時点において、第2のチャンバー7内の試薬から絶縁状態にある第1のチャンバー6内の試料保持器11内に収納されている。組織試料を試薬に接触させたい場合、使用者は、閉鎖部14を容器1から取り外し、そうして、試料保持器11を第1のチャンバー6から取り外す。次いで、箔またはラベルなどの剥離式カバー30が使用されていれば、これを取り外して、第2のチャンバー7を露出させ、次いで、図7に示されているように、試料保持器11を第2のチャンバー7内に挿入することができる。試料保持器11が容器1の閉鎖部14に取り付けられた状態で、試料保持器11を第1のチャンバー6から第2のチャンバー7へ移送することができ、その際に、使用者は閉鎖部14に取り付けられた後の試料保持器11に直接触れることはなく、したがって、生体試料が汚染されることが回避される。さらに、組織試料を第2のチャンバー7内に収納されている流体または試薬から流体的に絶縁されている状態に維持することによって、望む時間が来るまで試料と流体との接触を正確に調節することができる。さらに、組織試料が流体または試薬に接触する時間の長さも正確に調節し、監視することができる。
【0062】
図8を再び参照すると、上述のような2試薬システムを備える実施形態において、試料保持器11が第1のチャンバー6内に入れられたときに、組織試料は第1のチャンバー6内に収納されている第1の試薬と接触し、そのような試薬は試料保持器11の流体開口部25を通って流れ、これにより、内部キャビティ24(図4Aに示されている)内に収納されている組織試料と接触する。組織試料を、指定された期間の間、第1のチャンバー6内で流体または試薬と接触したままにすることができ、その後、閉鎖部14を取り外し、図7に関して上で説明されているように、試料保持器11が第2のチャンバー7内に入るように再度位置決めすることができる。こうして、第2のチャンバー7内に維持されている第2の流体または試薬は、試料保持器11内に収納されている組織試料と接触することができる。所望の期間にわたって第2の流体または試薬と接触した後、所望の診断試験のため、閉鎖部14を取り外して試料保持器11から組織試料を取り出すことができる。
【0063】
試料保持器11は、閉鎖部14に接続されているため、試料保持器11内に収納されている組織試料へのアクセスは、閉鎖部14を容器1から取り外して反転し、外面をカウンター上に置き、それにより、試料保持器11が露出するのを防ぐという方法で行うことができる。試料保持器11内に収納されている流体は、閉鎖部14の底面または内面内で下方に滴り、これを、閉鎖部14を囲むリムで捕捉し、これによりカウンター表面上に漏れたりこぼれたりするのを防ぐことができる。試料保持器11は、閉鎖部14と試料保持器11とが接続されている間に、開けることができるものとしてよく、これにより、中に収納されている組織試料に簡単にアクセスすることができ、また試料にアクセスしている間適所に保持するため試料保持器の一部を物理的に接触させなくても試料保持器11を適所に維持するように適切に支持することができ、したがって使用者が接触することで生じる試料の汚染の発生の可能性を排除できる。この後、容器1を洗浄して再利用することができるか、またはより好ましくは、他の試料との相互汚染を防ぐために廃棄される。
【0064】
次に図13を参照すると、容器の代替的実施形態が示されている。この実施形態では、容器101は、第1のチャンバー106および第2のチャンバー107を備え、その中で、それぞれのチャンバーは、開放上端109、閉鎖底端108a〜b、および開放端109と閉鎖端108a〜bとの間に延在する側壁110を有する。第1のチャンバー106および第2のチャンバー107は、第1のチャンバー108aの底端が第2のチャンバー108bの底端に直接隣接するか、または接するように配置されている。この配置構成において、第1のチャンバー108aの底端は、共通平面Zに沿って第2の容器108bの底端と結合する。第1のチャンバー108aの底端は、このようにして、第2のチャンバー108bの底端と一体化される。第1のチャンバー106および第2のチャンバー107は、同じ試料保持器11がその中に配設できるような寸法を有する。第1のチャンバー106には、開放端109を取り囲むように閉鎖部114が結合されている。閉鎖部114は、第1のチャンバー106および第2のチャンバー107の開放端109を相互排他的に係合することができる。この実施形態における閉鎖部114は、他の実施形態に関連して上で開示されている閉鎖部114と一致している。
【0065】
次に図14を参照すると、容器のもう1つの代替的実施形態が示されている。この実施形態では、容器201は、第1のチャンバー206および第2のチャンバー207を備え、それぞれのチャンバーは、開放上端209a〜b、閉鎖底端208、および開放端209a〜bと閉鎖端208との間に延在する側壁210を有する。第1のチャンバー206および第2のチャンバー207は、同じ試料保持器11がその中に配設できるような寸法を有する。第1のチャンバー206および第2のチャンバー207は、閉鎖部214が第1のチャンバー206と第2のチャンバー207との間に配設されるように配置される。閉鎖部214は、摩擦嵌め、スナップ嵌め、螺合可能な係合、連動する構造的係合などの方法、または他の方法で、開放上端209aのところで第1のチャンバー206と嵌合可能であり、また開放上端209bのところで第2のチャンバー207と嵌合可能であり、これにより液密シールを形成する。
【0066】
本発明の実施形態は多くの異なる形態で満たされるが、図に示され、また本明細書において詳しく説明されているのは、本開示が本発明の原理の例であるとみなされ、本発明を例示されている実施形態に制限することを意図していないという了解の下で、本発明の特定の実施形態である。さまざまな他の実施形態は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者にとっては、明らかなことであり、また容易に製作できる。例えば、2つのチャンバーが本明細書で説明されているが、本明細書で説明されている容器は、さまざまな試薬を中に収納するために任意の数のチャンバーを備えることができると考えられる。本発明の範囲は、付属の請求項およびその等価物により定められる。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている、2007年10月23日に出願した米国仮特許出願第60/982,062号、名称「Multi−Chambered Tissue Containment System For Molecular and Histology Diagnostics」の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、生体試料を保管するための容器に関する。より具体的には、本発明は、分子もしくは診断試験および/または組織学的試験のために、1つの試薬中に、またはそうするのが望ましければ複数の試薬中に生体組織標本を保管するための容器に関する。
【背景技術】
【0003】
生体試料は、特定の疾病の存在を判定し、また疾病の適切な治療を決定するために、研究者または臨床医が診断的評価を目的として採取することが多い。数多くの疾病の治療の研究において今では当たり前のことになっている分子診断および核酸分析、特にRNAおよびDNA分析のために、組織試料を患者から採取することはよくある。正確なRNAおよびRNA分析を行ううえで欠かせない要求条件は、生体試料内に良質の、無傷のRNAおよびDNAが存在することである。
【0004】
多くの場合、組織学的または細胞学的分析は、保管時に生じる可能性のある分子変化を回避するために患者または供給元から試料を採取した後ただちに実行される。遺伝子転写などのこれらの変化は、いくつかの環境ストレスへの未処理試料の曝露によって引き起こされる試料内の核酸の分解の結果生じる。しかし、試料を採取した直後の試料の分析は、多くの場合不可能であるか、または現実的でない。したがって、試料の構造的および分子的完全性を維持しながら一定期間にわたって制御された状態下で試料を保管するためのシステムを実現することが必要である。
【0005】
従来、このような保管を達成する一方法は、単一の固定試薬中に試料を浸けることによって行われる。典型的な固定試薬は、10%のホルマリンであるが、水、混和アルコール、エタノール/アセトン混合液、およびエタノール/酢酸混合液を含みうる。このような保管に使用される容器は、一般的に、特定の生体組織試料を処理するための試薬の有効量を収納することが可能な単一の一体となったキャビティからなる。生体組織試料は、試薬とともに容器内に入れられ、容器が閉じられ、次いで、試料が保管され、固定試薬により保存しながら輸送される。このような容器の一例は、Haywoodらの特許文献1に見られる。このような容器は、業界において一定の成功を収めているが、いくつかの制限もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,147,826号明細書
【特許文献2】米国特許第4,220,252号明細書
【特許文献3】米国特許第4,034,884号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、生体試料を保管するための容器アセンブリは、第1の端部と第2の端部との間に延在する、開放端と閉鎖端との間に延在し試料保持器を収容するように構成された第1のチャンバー内部を画定する側壁を有する第1のチャンバーを備える、1つの容器を具備する。容器は、開放端と閉鎖端との間に延在して試料保持器をその後収容するように構成された第2のチャンバー内部を画定する側壁を有する第2のチャンバーも備える。第2のチャンバー内部は、第1のチャンバー内部から流体的に絶縁している。容器は、試料保持器を第1のチャンバー内部および第2のチャンバー内部の一方の中に配設したまま第1のチャンバーの開放端および第2のチャンバーの開放端のうちの少なくとも一方を取り囲むように容器の第1の端部と係合させるための取り外し可能な閉鎖部も備える。
【0008】
一構成において、試料保持器は、閉鎖部に着脱可能なように接続される。他の構成において、試料保持器は、閉鎖部に関して回転可能である。プラットフォームが、適宜、閉鎖部に取り付けられ、試料保持器を収容するように構成されうる。プラットフォームは、閉鎖部に関して回転可能であるものとすることができる。
【0009】
試料保持器は、生体試料を保持するための内部キャビティを画定する閉鎖可能ハウジングを備えることができる。ハウジングは、第1のチャンバー内部および第2のチャンバー内部の少なくとも一方の中に配設された流体を内部キャビティ内に入れられるように構成された複数の流体開口部を備えることができる。他の構成において、試料保持器は、組織カセットである。
【0010】
閉鎖部および容器は、螺合可能なように嵌合可能であるものとすることができる。適宜、閉鎖部は、第1のチャンバーの開放端および第2のチャンバーの開放端のうちの少なくとも一方の周と係合可能でありこの係合により液体不透過性シールを形成するシールを備えることができる。容器は、長手方向軸を画定することができ、第1のチャンバーを長手方向軸の第1の側に配設することができ、第2のチャンバーを長手方向軸の対向する第2の側に配設することができる。第1のチャンバーの側壁と第2のチャンバーの側壁は、容器の外側側壁を確定するように結合することができる。他の構成では、容器は、第1の端部と第2の端部とを有し、閉鎖部は、容器の第1の端部と係合し、第1のチャンバーの開放端および第2のチャンバーの開放端を取り囲む。
【0011】
容器は、第1のチャンバーを第2のチャンバーと区別するための視覚的標識を備えることもできる。視覚的標識は、容器の外面上に選択的に位置決めされたラベルとすることができる。あるいは、視覚的標識は、容器の一部と一緒に形成することもできる。視覚的標識を、第1のチャンバーの開放端および第2のチャンバーの開放端のうちの少なくとも一方に隣接する位置で容器と一体化できる。適宜、視覚的標識は、英数字表現である。
【0012】
容器の第1のチャンバー内部は、第1の意図された充填容積を有し、容器の第2のチャンバー内部は、第2の意図された充填容積を有するものとすることができる。第2の意図された充填容積は、第1の意図された充填容積と異なることがある。容器は、第1のチャンバー内部内に配設された第1の流体、および第2のチャンバー内部内に配設された第2の流体を含むこともできる。第1の流体は、第2の流体と異なっていてもよい。他の構成では、容器は、第1の濃度を有する第1のチャンバー内部内に配設された流体、および第2の濃度を有する第2のチャンバー内部内に配設された流体を含むことができる。第1の濃度は、第2の濃度と異なっていてもよい。
【0013】
容器の閉鎖部は、第1のチャンバーの開放端および第2のチャンバーの開放端のうちの少なくとも一方を取り囲む膜であってもよい。あるいは、容器は、閉鎖部と、第1のチャンバーの開放端および第2のチャンバーの開放端のうちの少なくとも一方を取り囲む膜の両方を備えることができる。膜は、部分的に取り外し可能であるか、または穿刺可能であるものとすることができる。
【0014】
本発明の他の実施形態によれば、生体試料を保管するための容器は、第1の端部、第2の端部、および容器内部を画定する第1の端部と第2の端部との間に延在する側壁を備える。容器は、容器内部内に画定され、容器の第1の端部に隣接する開口部を有する第1のチャンバーも備える。容器は、容器の第1の端部に隣接する開口部を有する容器内部内に画定された第2のチャンバーをさらに備える。第2のチャンバーは、第1のチャンバーから流体的に絶縁している。容器は、容器の第1の端部と封止係合するための閉鎖部も備え、生体試料を中に入れて保管するための試料保持器を備える。閉鎖部は、試料保持器が第1のチャンバー内に収容される第1の方向で、またそれと同じ試料保持器が第2のチャンバー内にその後収容される第2の方向で、容器と係合するように構成される。
【0015】
他の構成において、試料保持器は、閉鎖部に関して回転可能である。試料保持器は、生体試料を保持するための内部キャビティを画定する閉鎖可能ハウジングを備えることができる。ハウジングは、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーの少なくとも一方の中に配設された流体を内部キャビティ内に入れられるように構成された複数の流体開口部を備えることができる。特定の一構成において、試料保持器は、組織カセットである。
【0016】
閉鎖部は、第1のチャンバーの開口部および第2のチャンバーの開口部のうちの少なくとも一方の周と係合可能でありこの係合により液体不透過性シールを形成するシールを備えることもできる。さらに他の構成では、容器は、第1のチャンバーを第2のチャンバーと区別するための視覚的標識を備えることもできる。視覚的標識は、容器の外面上に選択的に位置決めされたラベルとすることができる。視覚的標識は、容器の一部と一緒に形成することもできる。
【0017】
適宜、容器は、第1のチャンバー内に配設された第1の流体、および第2のチャンバー内に配設された第2の流体を含むことができる。第1の流体は、第2の流体と異なっていてもよい。あるいは、容器は、第1の濃度を有する第1のチャンバー内に配設された流体、および第2の濃度を有する第2のチャンバー内に配設された流体を含むことができる。第1の濃度は、第2の濃度と異なっていてもよい。容器は、第1のチャンバーの開口部および第2のチャンバーの開口部のうちの少なくとも一方を取り囲む膜を備えることもできる。
【0018】
本発明のさらに他の実施形態によれば、生体試料を収納する方法は、第1のチャンバー内部を画定する開放端と閉鎖端との間に延在する側壁を有する第1のチャンバーを有する容器を形成するステップを含む。第1のチャンバー内部は、中に配設された第1の流体を含む。容器は、第2のチャンバー内部を画定する開放端と閉鎖端との間に延在する側壁を有する第2のチャンバーも備える。第2のチャンバー内部は、中に配設された第2の流体を含む。第1の流体は、第2の流体と異なり、また第2のチャンバー内部は第1のチャンバー内部から流体的に絶縁している。この方法は、試料保持器を第1のチャンバー内部内に挿入するステップも含む。この方法は、試料保持器を第2のチャンバー内部内にその後移送するステップをさらに含む。
【0019】
適宜、この方法は、試料保持器が第1のチャンバー内部および第2のチャンバー内部のうちの少なくとも一方の中に配設されている間に試料保持器が着脱可能なように接続されている閉鎖部を容器の一部と螺合可能なように係合するステップをさらに含む。
【0020】
他の一実施形態では、生体試料を中に収納するように構成されている試料保持器を支持するための支持アセンブリが備えられる。支持アセンブリは、試料保持器を中に収容するように構成されたフレームを有し、フレームは試料保持器と係合し、試料保持器をフレーム内に支持するための構造物を備える、収容部材を備える。支持アセンブリは、収容部材と接続され収容部材を支持するプラットフォームも備え、このプラットフォームは、収容部材内に収容された試料保持器が容器の内部内に延在するように容器と係合するように構成されている。プラットフォームは、好ましくは、収容部材内に収容されている試料保持器が容器の第1の内部内に延在するような第1の位置で、また収容部材内に収容されている試料保持器が容器の第2の内部内に延在するような第2の位置で容器と係合するように構成される。フレームは、流体をフレーム内に貫流させ、フレームによって支持されている試料保持器と接触させられるように構成された少なくとも1つの開口部を備えることができる。さらに、プラットフォームは、望ましくは、収容部材に対し横方向に延在する。
【0021】
望ましくは、収容部材は、試料保持器を開放可能なように中に収容する。さらに、収容部材は、収容部材のフレーム内で試料保持器を支持するため試料保持器と係合する少なくとも1つの指状部を備えることができる。このような指状部は、収容部材のフレーム内に試料保持器を維持し、支持するために試料保持器にバイアス力を加えるように構成される。いくつかの実施形態において、支持アセンブリの収容部材は、試料保持器と係合するための複数の指状部を備えることができ、これら指状部の少なくとも1つは収容部材のフレームに対し試料保持器を維持し、支持するため試料保持器に対しバイアス力を加えるように構成されている。このようにして、複数の指状部が、収容部材のフレームに対してさまざまなサイズおよび形状の複数の試料保持器を維持し、支持するように構成される。
【0022】
さらに他の実施形態では、容器を取り囲むための閉鎖アセンブリが形成され、この閉鎖アセンブリは上記のように支持アセンブリを備える。このような閉鎖アセンブリでは、プラットフォームは、収容部材を閉鎖アセンブリに相互接続する。プラットフォームは、好ましくは、閉鎖アセンブリ上で回転可能なように支持され、閉鎖アセンブリは、容器と螺合可能なように係合可能であり、これにより、閉鎖部を容器上に螺合する作業は、プラットフォームが容器内の指定された位置に維持されている間に達成されることが可能である。
【0023】
他の一実施形態では、複数の閉じ込め面を備える一般的に平面状のフレームを備える試料保持器収容部材を企図しており、閉じ込め面は試料保持器の先細端部および試料保持器の先細でない端部を閉じ込めることができる。この部材は、フレームから延在する、少なくとも1つの、および好ましくは、複数の片持ち指状部をさらに備え、試料保持器が閉じ込め面内で係合したときにこれらの片持ち指状部は応力の低い状態から応力の高い状態へ偏向可能であり、これにより、試料保持器を収容部材のフレーム内に維持する。閉じ込め面の少なくとも1つは、閉じ込めラッチとすることができ、閉じ込めラッチは試料保持器の先細端部など、試料保持器のエッジを受け入れるように偏向可能である。
【0024】
本発明の他の一実施形態では、アセンブリは、ドアによって選択的に取り囲むことができるキャビティを備える組織カセットの形態の試料保持器を備え、組織カセットは先細端部と先細でない端部とをさらに備える。アセンブリは、試料保持器を取り外し可能なように収容するための収容部材をさらに備え、収容部材は収容部材の基部フレームから延在する少なくとも1つの偏向可能表面を備え、少なくとも1つの偏向可能表面は、試料保持器が収容部材内に位置決めされたときに収容部材に関して試料保持器を一時的に位置決めする。試料保持器のドアは、試料保持器が収容部材の中に位置決めされている間にキャビティに対して開くことができる。
【0025】
本発明の他の詳細および利点は、全体を通して類似の部品は類似の参照番号で指定されている付属の図面とともに以下の詳細な説明を読むと、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態による生体組織試料を保管するための容器の斜視図である。
【図2】図1の容器の分解斜視図である。
【図3】図1の容器の容器ハウジングの斜視図である。
【図4A】開放位置で示されている、試料保持器の一実施形態の斜視図である。
【図4B】閉鎖位置で示されている、図4Aの試料保持器の斜視図である。
【図5】試料保持器が取り付けられている図1の閉鎖部の底部の斜視図である。
【図6】試料保持器が入っていない状態で示されている、図1の直線6−6にそって切り取った容器の断面図である。
【図7】試料保持器が入っていない状態で示されている、図1の直線7−7にそって切り取った容器の断面図である。
【図8】試料保持器が第1のチャンバー内に挿入されている状態で示されている、図1の容器の部分分解斜視図である。
【図9】本発明の他の一実施形態による容器の斜視図である。
【図10】容器の上端の上に閉鎖部がある状態で示されている、図9の容器の側面図である。
【図11A】英数字識別記号を有する本発明の他の一実施形態による容器の上面図である。
【図11B】これもまた英数字識別記号を有する本発明のさらに他の一実施形態による容器の上面図である。
【図12A】構造識別記号を有する本発明の他の一実施形態による容器ハウジングの斜視図である。
【図12B】図12Aの容器ハウジングの上面図である。
【図13】第1のチャンバーの底端が第2のチャンバーの底端と一体になっている、本発明の他の一実施形態による容器の正面図である。
【図14】閉鎖部が第1のチャンバーの開放端と第2のチャンバーの開放端との間に配設されている、本発明の他の一実施形態による容器の正面図である。
【図15A】本発明に関連して使用するための収容要素の一実施形態の斜視図である。
【図15B】図15Aの収容要素の正面図である。
【図15C】図15Bの直線15C−15Cにそって切り取った収容要素の側断面図である。
【図15D】図15Aの収容要素の側面図である。
【図15E】図15Aの収容要素の上面図である。
【図16A】閉鎖部の一部およびそれに合わせて成形されたプラットフォームを有する本発明の一実施形態による容器の部分概略断面図である。
【図16B】図16Aの容器の部分分解斜視図である。
【図17】識別記号を有するラベルが付けられている本発明の一実施形態による容器の斜視図である。
【図18】図17の容器の代替斜視図である。
【図19A】周囲シールを示す本発明の他の一実施形態による容器の部分概略断面図である。
【図19B】周囲シールを詳細に示す図19Aの拡大図である。
【図19C】周囲シールを示す図19Bの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
これ以降の説明を目的として、空間的な向きを示す用語が使用されている場合、この用語は、付属の図面において配向されているか、または以下の詳細な説明で別の形で記述されているときの参照されている実施形態に関係するものとする。しかし、これ以降において説明されている実施形態では、多くの代替変更形態および実施形態を想定することがあることを理解されたい。また、付属の図面に示され、本明細書において説明されている特定のデバイスは、単なる例であって、制限するものとしてみなされるべきではないことも理解されたい。
【0028】
本発明の容器には、分子および組織診断、および特に、組織病理試験のために組織試料などの生体試料を保管することができる。特に、この容器は、開放端および閉鎖端を備え、容器の内部は互いに流体的に絶縁する第1のチャンバーおよび第2のチャンバーを備える。したがって、液状媒質を、第2のチャンバーなど、これらのチャンバーのうちの少なくとも1つに収納することができる。この方法で、例えば、第1のチャンバー内に収納されている組織試料を、組織を第2のチャンバー内の溶液に接触させる前に取り扱うか、または処理することができる。本明細書でさらに詳しく説明されるように、本発明の一実施形態では、第1のチャンバーは、空であって保管チャンバーであるものとすることができ、第2のチャンバーには、組織病理診断のために試料を固定する組織固定溶液の形態の試薬など液状媒質を入れることができる。このようにして、組織試料を第1のチャンバー内に入れ、必要ならば、その後試料を第2のチャンバーに移して、組織試料を第2のチャンバー内の溶液と流体的に接触させることができる。あるいは、第1のチャンバーに、第2のチャンバーが空になっている状態で試薬を入れ、これにより、組織試料を最初に、試薬が入っている第1のチャンバーに配置することができ、組織試料を所望の期間にわたって試薬と接触させた後、組織試料を空の第2のチャンバーに移送して、保管し、さらに分析する。
【0029】
本発明の他の一実施形態では、第1のチャンバーは、組織固定溶液などの第1の溶液または試薬を収納し、第2のチャンバーは、核酸安定化溶液などの第2の溶液または試薬を収納して、組織試料を所望の期間にわたって第1の溶液と流体的に接触している第1のチャンバー内に入れ、その後、組織試料を第2のチャンバーに移して、組織試料を第2のチャンバー内の溶液と接触させることができる。本明細書で説明されている実施形態は、これらの方法のどれかで使用することができる容器を表している。
【0030】
類似の参照文字がいくつかの図面全体を通して同じ部品を指している図面を参照すると、図1〜3は、生体組織試料の保管のための容器1を一般的に示している。容器1は、容器底部2にある第1の端部、容器頂部3にある第2の端部、および容器頂部3と容器底部2の間に延在し、容器内部5を画定する、外側側壁4を一般的に備える。容器内部5は、第1のチャンバー内部を有する第1のチャンバー6、および第2のチャンバー内部を有する第2のチャンバー7を備え、容器1内に収納される。図1に示されているような一実施形態では、容器1は、容器1の対向側に配設された湾曲指状収容部を有する正方形の形状を有する。本明細書では、容器1は、本明細書の説明の意図された使用と一致する任意の形状として形成することができることも企図されている。
【0031】
例えば、図9〜図10に示されている代替実施形態では、容器1の外部は、少なくとも1つの、望ましくは一対の平坦な側部29を備えることができ、これにより、ユーザーが容易に把持することができるか、またはラベルを貼り付けることができる表面が形成され、平坦な側部であるためラベルに書きやすくなっている。容器1は、ガラスまたはプラスチックなどの任意の公知の材料で製作することができ、また望ましくは、ポリマー材料で成形される。容器底部2は、好ましくは平坦であり、したがって、容器1は、テーブルまたは実験台などの表面上に直立させて置くことができる。しかし、その代わりに、容器底部2は他の形状をとることもでき、例えば、対応する保持装置内に収容されるように円錐形などに形状をとることもできる。容器頂部3も好ましくは平坦であるが、他の形状もとることができる。
【0032】
図1〜図3を再び参照すると、容器内部5は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7などの少なくとも2つのチャンバーを備えている。第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、閉鎖端8、開放端9、および閉鎖端8から開放端9へ延在するチャンバー側壁10によって画定された中空キャビティを有する。一実施形態では、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、キャビティの全長にわたって延在する実質的に矩形の断面を有しているが、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、円形または正方形などの他の断面形状を有することもできることも企図されている。本明細書においてさらに詳しく説明されるように、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のそれぞれは、図2および図4A〜4Bに示されている同じ試料保持器11を中に収容し、受け入れることができるような寸法を有する。さらに、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の全体的なサイズは、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7内に収納される試料保持器11の予想容積サイズに合うように変化させることができる。
【0033】
一実施形態では、図3に示されているように、チャンバー側壁10の少なくとも一部は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の閉鎖端8が、容器底部2と一体になり、また容器底部2の一部をなすように容器底部2へ延在している。あるいは、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の閉鎖端8は、容器底部2から独立していてもよく、その場合、チャンバー側壁10は、容器底部2へ延在していない。図3を再び参照すると、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の開放端9は、使用者がその開放端9を通して第1のチャンバー6および第2のチャンバー7にアクセスできるように、遮られていない。一実施形態では、チャンバー側壁10は、チャンバー側壁10が容器側壁4の一部をなすように容器1の外側側壁4へ延在する。この実施形態では、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のチャンバー側壁10は、外側容器側壁4を形成するように結合されている。容器1の上面は、平面状の表面を形成し、その際に第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の開放端9はその表面を延在する。例えば、図3に示されているように、チャンバー側壁10の上端部分10aは、外側容器側壁4から隔てられ、平面状表面12はチャンバー側壁10の上端部分10aと容器頂部3に隣接する容器側壁4との間に延在する。
【0034】
第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、互いに流体的に絶縁される形で容器1内に設けられている。例えば、障壁13を第1のチャンバー6と第2のチャンバー7との間に配設することができる。障壁13は、チャンバー側壁10が第1のチャンバー6と第2のチャンバー7との間の共通側壁をなすようにするか、または第1のチャンバー6および第2のチャンバー7が独立した壁構造を有する異なるチャンバーとなるようにすることなどによって、第1のチャンバー6と第2のチャンバー7との間に形成できる。第1のチャンバー6および第2のチャンバー7を流体的に絶縁することによって、使用者は、液体または溶液をうっかり混ぜ合わせてしまうことなく、異なる液体または溶液をチャンバーのそれぞれの中に入れることができる。第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、任意の公知の材料から形成することができるが、望ましくは、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、容器1と同じ材料から一体形成される。
【0035】
一実施形態では、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、互いに関して実質的に平行な向きで容器1内に配設することができる。この向きは、直線A−Aで表される第1のチャンバー6の長手方向軸および直線B−Bで表される第2のチャンバー7の長手方向軸が平行であるように、図6の断面図において表されている。容器1内での第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の位置決めに関して、図6に示されている実施形態において、容器1は、直線C−Cで示されている中央の長手方向軸を有し、第1のチャンバー6は、軸C−Cを切断する平面の第1の側に全体的に配設され、第2のチャンバー7は、この軸C−Cを切断する同じ平面の第2の対向側に全体的に配設される。また、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、容器1の長手方向軸C−Cを切断する平面の同じ側に配設することができることが本明細書で企図されている。
【0036】
図2および図5に示されている、一実施形態において、容器1は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のうちの少なくとも一方の開放端9のうちの少なくとも1つを取り囲むためのカバーまたは閉鎖部も備える。容器1は、容器頂部3と嵌合する成形ポリマー材料で好ましくは製作される、キャップまたは蓋をなす明確な閉鎖部14を備えることができる。閉鎖部14は、容器上端3のところで容器1と係合することができ、この容器上端3に隣接するように開放端9の1つまたは複数が配向されている。閉鎖部14は、摩擦嵌め、スナップ嵌め、連動する構造的係合などの方法、または他の方法で容器1と係合し、液密シールを形成することができる。望ましくは、閉鎖部14および容器1は、閉鎖部14が容器1内にねじ込まれて液密シールをそれらの間に形成できるように対応するネジ山を備える。例えば、図5に示されているような閉鎖部14は、図2に示されているように、閉鎖部14内に配設されている第1のネジ切り部材16および容器頂部3の近くの容器1の外側に配設されている対応する第2のネジ切り部材17を使って容器1と螺合可能なように嵌合可能であるものとすることができる。あるいは、そのような対応するネジ山を閉鎖部14の外面の周に、また容器頂部3の近くの容器1の側壁4の内面の周内に設けることもできる。
【0037】
他の実施形態では、閉鎖部またはカバーは、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の開放端9を取り囲むように容器1の上端3に貼り付けられた、箔またはロウ状物質などの取り外し可能な、または穿刺可能な膜とすることができる。単一の膜で、容器1内の第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の両方の開放端9を取り囲むことができるか、またはその代わりに、複数の膜を使用することができ、その際に、それぞれの膜は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の個別の開放端9をそれぞれ取り囲む。膜は、特定の第1のチャンバー6および/または第2のチャンバー7にアクセスできるのが望ましい場合に、使用者が取り外すことができる。
【0038】
図9〜図10に示されているように、取り外し可能な膜30を第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の開放端9の一方または両方の上に設けることができる。例えば、図9の実施形態で示されているように、箔またはラベルなどの、剥離式カバー30の形態の取り外し可能な膜を、第2のチャンバー7などのチャンバーの1つの上に設けることができる。
【0039】
この方法で、第1のチャンバー6および/または第2のチャンバー7の内部は、使用前の保管時に滅菌状態または非汚染状態に維持することができる。箔またはラベルなどの剥離式カバー30は、使用する直前に、第1のチャンバー6および/または第2のチャンバー7のいずれかから取り外すことができる。このような箔で、第1のチャンバー6と第2のチャンバー7とを区別することもできる。
【0040】
図2を再び参照すると、容器1は、試料保持器11内に収納されている生体組織試料を試験、保存、または処置するために、試料保持器11と併せて使用することを意図されている。生体組織試料を保持することができる任意の好適な試料保持器11は、容器1とともに使用できる。試料保持器11は、容器1の第1のチャンバー6内に収容するように構成され、また第2のチャンバー7内にその後収容されるように構成される。試料保持器11は、閉鎖部14の一部を形成することができるか、または容器1とともに使用するように別に備えることができる。試料保持器11は、診断試験で試料を調製する際に生体組織試料を保管するための当技術分野で知られているような従来の組織カセット(「ヒストカセット」)の形態であるものとすることができる。標本を作製し後から分析するために流体で処理する際に生体標本を収納しておくものとして、このような試料保持器またはヒストカセットは知られている。典型的には、このような試料保持器またはヒストカセットは、内部キャビティを有する一般的に矩形平面状のハウジング構造であり、壁面を貫通する複数の開口部が備えられ、ハウジングに流体を貫流させる。多くの場合、取り外し可能または開放可能なカバーが、ドア状カバーをハウジング構造物に設けるためにハウジング構造物の一方の端部にそって配置されている蝶番などを介して、構造物を取り囲む。また、傾斜していてもよい、平面状の表面が、そのような試料保持器またはヒストカセット内に設けられることが多く、これはラベル付けまたは書き込み用の表面として機能する。例えば、そのような試料保持器の寸法は、約0.3インチ(0.76cm)(±0.1インチ(0.25cm))の高さ、約1.73インチ(4.39cm)(±0.1インチ(0.25cm))の長さ、および約1.12インチ(2.85cm)(±0.1インチ(0.25cm))の幅を含みうる。本明細書において有益と思われる試料保持器の実施例は、参照により明確に本明細書に組み込まれている、Beallらの特許文献2およびWhiteの特許文献3に示されている。
【0041】
例えば、図4Aおよび図4Bに示されているように、試料保持器11は、生体組織試料を中に保持するために内部キャビティ24を画定する対向壁を有する一般的に矩形の平面状ハウジング23を備える。ハウジング23の壁の少なくとも1つは、ラベルを貼り付けるか、または書き込むための表面を形成する、傾斜壁22などの傾斜した壁であってもよく、適宜、試料保持器11内に収納されている試料を識別するための機構をなす。試料保持器11のハウジング23は、閉鎖可能な構造物であり、ハウジング23に取り付けられている蝶番で連結されたドア状構造物20を備えることができ、これにより、内部キャビティ24にアクセスして内部キャビティ24内に組織試料を保管するか、または内部キャビティ24から組織試料を取り出すことができる。ドア状構造物20は、フラップを通じてドア20がハウジング23に接続されている一体構造物を形成し、ハウジング23に関してドア20を枢動するための機構を備えるようにハウジング23とともに一体形成することができるか、またはドア20は、ハウジング23の片側からドア20を開いて内部キャビティ24にアクセスできるようにするための蝶番として機能する枢動点21などを通じて、他の何らかの方法でハウジング23に接続可能であるものとしてもよい。試料保持器11のハウジング23は、流体を貫流させることができるように構成された、少なくとも1つの、および好ましくは複数の流体開口部25を備える。この方法では、ハウジング23が第1のチャンバー6内に位置決めされたときに、第1のチャンバー6内の流体は、開口部25内を貫流し、内部キャビティ24内に収納されている生体組織試料と接触することができる。
【0042】
試料保持器11は、第1のチャンバー6内で使用するために独立した要素として形成することができるか、または容器1の一部分と相互接続することができる。容器1の一態様は、使用者が生体組織試料および試料保持器11との間で有する接触の量を制限して、試料の汚染を回避することに関係する。このような接触を制限するために、容器1は、試料保持器11を閉鎖部14に嵌合させるための構造を適宜備え、これにより、使用者が閉鎖部14のみと直接接触することで試料保持器11を第1のチャンバー6と第2のチャンバー7との間に移送することができる。望ましくは、試料保持器11は閉鎖部14と嵌合する。そのような嵌合は、試料保持器11を閉鎖部14に接続されるか、または閉鎖部14とともに形成された一体部品として形成することによって達成することができるか、または試料保持器11は、閉鎖部14と取り外し可能なように嵌合可能であるか、または着脱可能なように接続されている独立した構造物とすることができる。
【0043】
図2および図5に示されているように、閉鎖部14は、試料保持器11を中に受け入れるための、閉鎖部14の底面から延在する収容部材26を画定するフレームまたはラック要素を備えることができる。収容部材26は、スナップ嵌め係合などで、図5に示されているような閉鎖部14に取り付けられている試料保持器11を維持するための構造物を備えることができ、試料保持器11は、収容部材26から解放可能なものとすることができる。特に、収容部材26は、試料保持器11の一般的なサイズおよび形状を受け入れるための矩形陥凹部を画定する構造を備えることができる。収容部材26は、そこから延在する少なくとも1つの閉じ込めラッチまたは指状部27を備え、閉じ込めラッチまたは指状部27が試料保持器11のエッジと係合し、これにより試料保持器11を収容部材26によって画定された陥凹部内に維持することができる。このような指状部27は、偏向可能であるものとすることができ、これにより、試料保持器11のエッジが収容部材26の対応する壁面に当たって適所に保持され、試料保持器11が収容部材26の陥凹部内に押し込まれたときに、指状部27が試料保持器11の壁から偏向し、次いで、少なくとも部分的には初期位置に向かって戻り、これにより、試料保持器11がスナップ式に適所に嵌め込まれる。指状部27は、必要なときに試料保持器11を収容部材26から取り外せるように望ましくは偏向可能である。
【0044】
収容部材26は、試料保持器11のハウジング23を中に収納したまま試料保持器11のドア20を開けられるような一般的形状を備えることもでき、これにより、試料保持器11を閉鎖部14に対して、収容部材26内の適所に保持しながら試料保持器11の内部キャビティ24にアクセスすることができることがさらに企図されている。例えば、収容部材26は、ドア20のハンドル状突起部28を受け入れるための壁切欠部分50を有することができ、また収容部材26の壁の全体的寸法および高さは、ハンドル28を接触させ、干渉することなく収容部材26上でドア20を枢動させることによってドア20を手動で開けられるように設計することができる。収容部材26は、流体を収容部材26内に通して試料保持器11およびその中に収納されている試料に接触させるための複数の穴38を備えることができる。
【0045】
収容部材は、異なるサイズおよび形状のヒストカセットまたは試料保持器を受け入れることができるようにする構造を備えることができる。収容部材26は、試料保持器を収容し支持するための複数の閉じ込め面を備える一般的な配置構成を有するフレーム構造を画定することができる。例えば、図15A〜図15Eに示されている一実施形態に示されているように、収容部材26aは、1つのフレームを画定することができ、またさまざまなサイズの試料保持器の壁表面に圧接するための圧縮可能要素として機能する、片持ち指状部40aおよび42aを備えることができる。このような指状部40aおよび42aは、応力の低い状態から応力の高い状態に偏向可能である、つまり、収容部材26a内に配置されている試料保持器の壁面にバイアス力を加え、収容部材26aの側壁に押し付けられるように試料保持器にバイアスをかけて試料保持器を適所に保持するためのバイアス要素または板バネとして機能することができる。より具体的には、指状部40aは、バイアス力を収容部材26a内に収納されている試料保持器に加え、その一方で、対向面41aは、試料保持器の端部を中に保持し、指状部27aは、試料保持器の別のエッジを中に保持する。また、指状部42aは、試料保持器にバイアス力を加え、その一方で、対向する指状部27aは、試料保持器の端部を適所に保持する。このような対向する、等しい力が、さまざまなサイズおよび形状の試料保持器を適所に維持するのを助ける。さらに、上述のように、試料保持器のドアのハンドル部分を受け入れるために壁切欠部分50aを設けることもできるが、このときに、必要ならば試料保持器が収容部材内の適所にある間にドアを開くためにハンドル部分にアクセスすることもできる。このようにして、容器1は、容器1とともに使用するためにさまざまなサイズおよび形状のヒストカセットを中に受け入れることができる単一の収容部材を備えることができる。それに加えて、収容部材26aは、上述のように、流体を貫流させるための複数の穴38aを備えることができる。このような穴38aは、プラットフォームを通り試料保持器に向かう流体の流れが、試料保持器のサイズ、形状、および/または幾何学的配置に関係なく試料保持器の中に収納されている試料と接触するのに十分な流れとなるようなパターンまたは向きを有することができる。
【0046】
図2および図5を再び参照すると、収容要素26は、プラットフォーム31を通して閉鎖部14の底面に取り付けることができることがわかる。プラットフォーム31は、間にある係合部を枢動させるためにプラットフォーム31から閉鎖部14へ延在する瘤、あるいは枢動接続部32などを介して、閉鎖部14に関してプラットフォーム31が回転可能になるように閉鎖部14に取り付けることができる。一実施形態では、試料保持器11は、直接、またはプラットフォーム31に接続されている収容部材26を通じて、プラットフォーム31に取り付けることができ、これにより、試料保持器11も閉鎖部14に関して回転可能にすることができる。収容部材26は、一体形成された構造物、スナップ嵌めを形成する機械式接続部、接着ボンド、および同様のものなどの任意の機構を用いてアットホーム31と適宜接続することができる。図15A〜図15Eの実施形態において、収容部材26aは、プラットフォーム内に延在する対応する開口部内に収容することができる、瘤44aのところの突起を含み、これにより、プラットフォーム内で収容部材26aを機械的な相互係合状態に維持することができ、プラットフォーム31は収容部材26aの横方向に延在する。この方法により、プラットフォーム31は、収容部材26内に収容され、支持されている試料保持器が容器1の第1のチャンバー6内に延在するような第1の位置、また試料保持器が容器1の第2のチャンバー7内に延在するような第2の位置において、容器1の上端のところで容器1と係合するように構成される。
【0047】
図5に示されているように、収容部材26は、閉鎖部14の主中心軸D−Dからオフセットされている位置および方法でプラットフォーム31と接続することができる。このようなオフセットされた向きにより、場合によっては、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7に関して閉鎖部の向きと無関係に、容器1の各第1のチャンバー6および第2のチャンバー7内で試料保持器11が適切に揃えられる。特に、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7は、図6に示されているように、容器1の中心軸C−Cの周りで容器1内において揃えられる。収容部材26を中心軸C−Cからオフセットされているプラットフォーム31に関するある位置に置くことで、試料保持器11を収容部材26内に適切に収納し、閉鎖部1が容器1の頂部の上で適切な向きになるようにして、容器1の第1のチャンバー6または第2のチャンバー7のいずれかの中に入れることができる。回転可能な接続部をプラットフォーム31と閉鎖部14との間に置いて、試料保持器11を第1のチャンバー6または第2のチャンバー7のいずれかの中に挿入した場合、収容部材26および/または試料保持器11の一方または両方が、閉鎖部14の回転の後チャンバーの側壁10に軽く接触し、それにより、試料保持器11が閉鎖部14に対して回転し、閉鎖部14が容器1と螺合可能なように係合することができる。これにより、閉鎖部14とハウジング1との係合時に試料保持器11内に収納されている試料に対し行われる攪拌の量を大幅に低減できる。
【0048】
図16A〜図16Bに示されているように、プラットフォーム31は、容器1に関して閉鎖部14の流体密封シールを形成する働きをしうる。プラットフォーム31は、閉鎖部14が容器1内に嵌合したときに容器頂部3のところで表面12と封止係合するように構成された材料から製作することができる。例えば、少なくともプラットフォーム31の底面は、弾性材料で製作することができ、これは閉鎖部14が容器1と嵌合し、それと係合したときに、図2に示されている、容器1の平面状表面12の少なくとも一部と嵌合するようにシール面15を形成する。閉鎖部14に、容器1と係合したときにトルクを受けるので、シール面15は、平面状表面12と封止係合し、流体密封シールを形成する。望ましくは、図16Aの断面からわかるように、プラットフォーム31は、2回成形材料を使用し、シール面15は容器1と係合したときに封止特性をもたらすように弾性材料で成形され、対向する表面12aは収容部材26と接続するようにポリマー材料で形成される。他の一実施形態では、図16A〜図16Bに示されているように、シール面15は、容器1の(すでに説明されているように)第1のチャンバーの開放端および/または第2のチャンバーの開放端の周と係合可能であり、閉鎖部14が容器1と係合したときに液体不透過性シールを形成する。適宜、シール面15は、ゴム引きの、または他の何らかの形態の偏向可能な材料で作ることができ、このため、容器1との封止を形成しやすくなる。
【0049】
より具体的には、図16Bに表されている実施形態では、それぞれ第1のチャンバーおよび第2のチャンバーの開放端の周でそれぞれ封止係合するように2つの別々のシール面15、15’が備えられている。シール面15、15’は、これらのチャンバーの開放端との流体密封係合を形成するための第1および第2の周囲シールとなっている。さらに、収容部材26aは、プラットフォーム31の表面からシール面15’の周内のある位置に延在する。この方法で、試料保持器が、収容部材26aによって支持され、第1のチャンバーまたは第2のチャンバーのうちの一方の中に位置決めされた場合、シール面15’は、収容部材26aを収納するチャンバーの開放端の周上で封止し、他のシール面15は、収容部材26aを収納しない他のチャンバーの開放端の周上で封止する。したがって、シール面15、15’は、それぞれ、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーとともに液体不透過性シールを形成する。さらに、シール面15、15’は、同じ構造を有し、したがって、第1のチャンバーまたは第2のチャンバーのいずれかを封止するように構成される。この点に関して、使用時に収容部材26aが一方のチャンバーから他方のチャンバーへ移送される場合、シール面15、15’は、最初のチャンバーとの封止係合を外され、その後、他のチャンバーを封止するように構成されている。
【0050】
他の一実施形態では、プラットフォームは、容器1の頂部に対してシールとして機能するように構成された他のシール要素を備えることができる。例えば、図19A〜図19Cに示されているように、プラットフォーム31aは、プラットフォーム31aの周上に延在する周囲シール33aを備えることができる。周囲シール33aは、閉鎖部14が容器1に嵌合したときに、容器1の周上に延在する、つまり容器頂部表面の周上に延在する、リム5aと封止係合するように構成されている。周囲シール33aは、プラットフォーム31aの周に接続されるか、または他の何らかの手段で取り付けられた独立した要素であるか、または一体形成するか、もしくは共成形することができる。周囲シール33aは、閉鎖部14が容器1と嵌合するときにリム5aに当たるシール面を形成することができる材料で製作される。望ましくは、周囲シール33aは、リム5aに関して移動するときに曲がるように、および/または偏向するように構成された材料で製作され、望ましくは、周囲シールを形成するのに十分な柔軟性を有している一方、プラットフォームを支持するのに十分な構造的頑丈さを有する材料でプラットフォーム31aとともに一体形成される。この方法では、閉鎖部14が容器1と嵌合すると、周囲シール33aは、リム5aと係合し、流体密封シールを形成する。閉鎖部14が、容器1と嵌合すると、周囲シール33aは、リム5aにところで容器1の頂部との効果的なシールを形成し、閉鎖部14と容器1との間に有効な封止特性を付与し、それにより、流体が容器1の閉鎖部14のところから漏出するのを防ぐことができる。さらに、周囲シール33aは、上述のように、閉鎖部14の唯一の独立したシールとして機能するか、または第1のチャンバーの開放端および/または第2のチャンバーの開放端の周上で係合するシール面15aと併せて二次シールとして働くことができる。
【0051】
図11A〜図11Bおよび図17〜図18を参照すると、容器1は、視覚的標識53などの、第1のチャンバー6と第2のチャンバー7とを区別するための特徴を備えることもできることがわかる。視覚的標識53は、使用者から見える容器1上の任意の位置に配設できる。そのような標識は、容器側壁4上に配設することができる。他の実施形態では、標識は、1つまたは複数の容器側壁上に配設することができる。例えば、視覚的標識53は、英数字記号、直線、または一連の直線、カラー区別、異なる表面仕上げ、および同様のものの形態とすることができる。視覚的標識53は、第1のチャンバー6および/または第2のチャンバー7の特定の開放端を覆う膜内に一体化できる。
【0052】
あるいは、図17〜図18に示されているように、視覚的標識53は、第1の数値標識55が第1のチャンバー6に隣接する位置に物理的に配設され、第2の数値標識56が第2のチャンバー7に隣接する位置に物理的に配設される容器側壁4の一部の周りに配設されたラベル54を備えることができる。一構成において、同じラベル54が、第1の数値標識55および第2の数値標識56の両方を含むことができる。他の構成では、容器側壁4の平坦な部分など、容器1の一部は、ラベル貼り付け面を備え、これにより、ラベル54の第1の数値標識55および第2の数値標識56が容器1上に適切に揃っているかどうかを判定することができる。
【0053】
他の実施形態では、図11Aおよび図11Bに示されているように、視覚的標識53は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のそれぞれの開放端9の近くの容器頂部3上に配設されている。特に、番号「1」などの視覚的標識53(例えば、手順の第1のステップを指定する)は、第1のチャンバー6を識別するために使用され、番号「2」などの視覚的標識53(例えば、手順の第2のステップを指定する)は、第2のチャンバー7を識別するために使用されうる。図11Aのように、第1の視覚的標識53「1」は、初回使用のために閉鎖部14が容器1から取り外されたときに使用者からはっきりと見える、瘤を形成する、正の突起部とすることができ、第2の視覚的標識53「2」は、その逆の陥凹とすることができ、これは箔またはラベルなどの剥離式カバー30で部分的に遮られている。さらに、第1のチャンバー6を備える容器1の部分は、第1のチャンバー6を第2のチャンバー7と区別するために、霜で覆われたような表面などの、変化のある、および/または視覚的に認識可能な外観の表面仕上げを含むこともできる。このような区別により、容器10のどの部分が最初に使用されることになっているのかが使用者にとって明確になる。
【0054】
あるいは、図12A〜図12Bに示されているように、視覚的標識53は、容器幾何学的形状内に成形された区別要素を含むことができる。このような視覚的標識の正確な配置構成は、さまざまな形態をとりうる。例えば、容器1は、第1のチャンバー6に向かって延在するリブ33a、およびリブ33aと異なる方向で第2のチャンバー7に向かって延在する異なるリブ33bを備えることができる。適宜、リブ33aの第1の群を、第1のチャンバー6の側壁に対して実質的に垂直な向きを有する第1のチャンバー6に隣接する位置に配設し、リブ33bの第2の群は、第2のチャンバー7の側壁に対して実質的に平行な向きを有する第2のチャンバー7に隣接する位置に配設することができる。あるいは、リブ33aの第1の群を、第1のチャンバー6の側壁に対して実質的に平行な向きを有する第1のチャンバー6に隣接する位置に配設し、リブ33bの第2の群を、第2のチャンバー7の側壁に関して実質的に垂直な向きを有する第2のチャンバー7に隣接する位置に配設することができる。さらに他の構成では、リブ33aの第1の群またはリブ33bの第2の群のうちの一方を、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のうちの一方の側壁に対してある角度で配設することができ、リブ33aの第1の群およびリブ33bの第2の群のうちの他方を、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のうちの他方の側壁に対して異なる角度で配設することができる。さらに他の構成では、リブ33aの第1の群およびリブ33bの第2の群のうちの一方は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のうちの一方の側壁に対してある角度で配設され、リブ33aの第1の群およびリブ33bの第2の群のうちの他方は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7のうちの他方の側壁に対して実質的に平行な向きまたは実質的に垂直な向きで配設される。このようにリブの向きが異なることで、第1のチャンバー6と第2のチャンバー7との区別を明確に示すそのような視覚的標識53が得られる。リブの向きの正確な配置構成は、さまざまな形態および配置構成をとりうる。適宜、視覚的標識53は、第1のチャンバー6および第2のチャンバー7の一方または両方の上に取り外し可能な膜を備えることもできる。他の実施形態では、視覚的標識53は、第1の着色材料から第1のチャンバー6を形成することと、異なる着色材料から第2のチャンバー7を形成することとを含むことができる。
【0055】
図8を参照すると、容器1を組み立てて、製造時に、第1のチャンバー6および/または第2のチャンバー7の中に、溶液または試薬などの液体を入れることができることがわかる。あるいは、そのような液体を、組織試料を試料保持器11内に挿入する直前など、使用前の任意の時点において、第1のチャンバー6および/または第2のチャンバー7に充填してもよい。
【0056】
容器1は、1試薬システムとともに使用するように構成することもできる。この方法で、ホルマリンのような組織固定剤などの単一の試薬溶液を第2のチャンバー7内に入れることができる。このような固定液は、組織試料内のRNAを安定化し、これを利用して分子診断試験を実施する。あるいは、容器1は、2溶液または2試薬システムとともに使用するように構成することもできる。例えば、洗浄液を第2のチャンバー7内に入れ、第1のチャンバー6内の第1の試薬固定剤を希釈することができる。第1のチャンバー6および第2のチャンバー7に同じ試薬を入れることも可能であるが、それは、生体試料を、一定期間の経過後に一方の試薬から新鮮な一定量の同じ試薬に移送すると都合がよい場合があるからである。または、ホルマリンのような組織固定剤などの第1の試薬溶液を第1のチャンバー6内で使用し、組織試料の形態を安定化するための核酸安定化試薬の形態の安定剤などの第2の試薬溶液を第2のチャンバー7内に入れることができる。
【0057】
本明細書の容器では、任意の試薬を使用できる。例えば、固定剤は、ホルマリン、エタノール溶液、カルノア液I(エタノールと酢酸)、カルノア液II(エタノール、クロロホルム、および酢酸)、メタカルン(メタノール、クロロホルム、および酢酸)、クラーク固定剤、Boonfix、および同様のものとすることができる。市販の固定剤の非限定的なリストには、限定はしないが、MIRSKY’S FIXATIVE(ジョージア州アトランタ所在のNational Diagnostics,Inc.社から市販されている)、GLYOFIX(ペンシルバニア州ピッツバーグ所在のShandon Lipshaw,Inc.社から市販されている)、HISTOCHOICE(Amresco社から市販されている)、HISTOFIX(ミネソタ州ニューブライトン所在のTrend Scientific社から市販されている)、KRYOFIX(Merck社から市販されている)、MICROFIX(コネチカット州イーストグランビー所在のEnergy Beam Sciences,Inc.社から市販されている)、NEOFIX(Merck社から市販されている)、NOTOX(ニュージャージー州ベルミード所在のEarth Safe Industries,Inc.社から市販されている)、OMNIFIX IIおよびOMNIFIX 2000(ニューヨーク州メルビル所在のAnCon Genetics,Inc.社から市販されている)、PREFER(ミシガン州バトルクリーク所在のAnatech Ltd社から市販されている)、PRESERVE(コネチカット州イーストグランビー所在のEnergy Beam Sciences,Inc.社から市販されている)、SAFEFIX II(Thermo Fischer Scientific,Inc.社から市販されている)、STATFIX(テキサス州ルイスビル所在のStatLab Medical Products,Inc.社から市販されている)、STF(Streck Tissue Fixative、ネブラスカ州オマハ所在のStreck Laboratories社から市販されている)、UMFIX(カリフォルニア州トーランス所在のSakura Finetek USA,Inc.社から市販されている)、およびFINEFIX(コネチカット州シェルトン所在のMilestone Medical社から市販されている)が含まれる。市販の安定剤としては、限定はしないが、RNALATER(テキサス州オースチン所在のAmbion,Inc.社から市販されている)およびRNEASY(カリフォルニア州バレンシア所在のQiagen,Inc.社から市販されている)が挙げられる。固定剤および/または安定剤として使用することが知られているか、またはこれ以降発見された他の試薬は、本発明において有用であることが意図されている。
【0058】
一実施形態では、容器1の第2のチャンバー7は、所望の液体を充填され、図9に示されているような剥離式カバー30をその上に接着するように配置することができる。これ以降、第1のチャンバー6は、異なる液体媒質を充填することができる(例えば、2試薬システムを伴う実施形態において)。閉鎖部14は、試料保持器11がそこから延在しているか、または延在していない場合に、容器頂部3の上に配置され、図10に示されているように、その容器頂部3に螺合可能なように嵌合する。こうして組み立てられた容器1は、必要ならば、別のパッケージとしてパッケージングし、使用するまで保管しておくことができる。
【0059】
図8を再び参照すると、使用時に、分子または組織診断試験のために患者から採取した組織試料などの生体試料を試料保持器11内のキャビティ24(図4Aに示されている)内に配置する。試料保持器11が、別の要素として用意されている実施形態では、閉鎖部14を容器1から取り外し、次いで試料保持器11を閉鎖部14の収容部材26内に挿入することができる。あるいは、試料保持器11に閉鎖部14を備える場合、試料保持器11が接続された状態で、または試料保持器11を取り外し、次いで再び取り付けることによって、閉鎖部14が容器1から取り外された後に組織試料を試料保持器11内に配置することができる。
【0060】
試料保持器11が組織試料を収納している閉鎖部14は、これ以降、容器頂部3の上に配置され、図8に示されているように、試料保持器11は第1のチャンバー6内で揃えられて第1のチャンバー6内に配置されている。次いで、閉鎖部14および/または容器ハウジングを互いに関して回転させて螺合させることなどにより、閉鎖部14を容器1と嵌合させる。このような各回転において、第1のチャンバー6が試料保持器11の特定の形状を受け入れるようなサイズおよび向きを有しているため、試料保持器11は、第1のチャンバー6内でその向きを維持することができる。閉鎖部14にトルクを与えて容器1へ下げると、シール面15は、容器1の表面12と係合し、流体密封シールを形成する。
【0061】
上述のような1試薬システムを備える実施形態では、組織試料は、この時点において、第2のチャンバー7内の試薬から絶縁状態にある第1のチャンバー6内の試料保持器11内に収納されている。組織試料を試薬に接触させたい場合、使用者は、閉鎖部14を容器1から取り外し、そうして、試料保持器11を第1のチャンバー6から取り外す。次いで、箔またはラベルなどの剥離式カバー30が使用されていれば、これを取り外して、第2のチャンバー7を露出させ、次いで、図7に示されているように、試料保持器11を第2のチャンバー7内に挿入することができる。試料保持器11が容器1の閉鎖部14に取り付けられた状態で、試料保持器11を第1のチャンバー6から第2のチャンバー7へ移送することができ、その際に、使用者は閉鎖部14に取り付けられた後の試料保持器11に直接触れることはなく、したがって、生体試料が汚染されることが回避される。さらに、組織試料を第2のチャンバー7内に収納されている流体または試薬から流体的に絶縁されている状態に維持することによって、望む時間が来るまで試料と流体との接触を正確に調節することができる。さらに、組織試料が流体または試薬に接触する時間の長さも正確に調節し、監視することができる。
【0062】
図8を再び参照すると、上述のような2試薬システムを備える実施形態において、試料保持器11が第1のチャンバー6内に入れられたときに、組織試料は第1のチャンバー6内に収納されている第1の試薬と接触し、そのような試薬は試料保持器11の流体開口部25を通って流れ、これにより、内部キャビティ24(図4Aに示されている)内に収納されている組織試料と接触する。組織試料を、指定された期間の間、第1のチャンバー6内で流体または試薬と接触したままにすることができ、その後、閉鎖部14を取り外し、図7に関して上で説明されているように、試料保持器11が第2のチャンバー7内に入るように再度位置決めすることができる。こうして、第2のチャンバー7内に維持されている第2の流体または試薬は、試料保持器11内に収納されている組織試料と接触することができる。所望の期間にわたって第2の流体または試薬と接触した後、所望の診断試験のため、閉鎖部14を取り外して試料保持器11から組織試料を取り出すことができる。
【0063】
試料保持器11は、閉鎖部14に接続されているため、試料保持器11内に収納されている組織試料へのアクセスは、閉鎖部14を容器1から取り外して反転し、外面をカウンター上に置き、それにより、試料保持器11が露出するのを防ぐという方法で行うことができる。試料保持器11内に収納されている流体は、閉鎖部14の底面または内面内で下方に滴り、これを、閉鎖部14を囲むリムで捕捉し、これによりカウンター表面上に漏れたりこぼれたりするのを防ぐことができる。試料保持器11は、閉鎖部14と試料保持器11とが接続されている間に、開けることができるものとしてよく、これにより、中に収納されている組織試料に簡単にアクセスすることができ、また試料にアクセスしている間適所に保持するため試料保持器の一部を物理的に接触させなくても試料保持器11を適所に維持するように適切に支持することができ、したがって使用者が接触することで生じる試料の汚染の発生の可能性を排除できる。この後、容器1を洗浄して再利用することができるか、またはより好ましくは、他の試料との相互汚染を防ぐために廃棄される。
【0064】
次に図13を参照すると、容器の代替的実施形態が示されている。この実施形態では、容器101は、第1のチャンバー106および第2のチャンバー107を備え、その中で、それぞれのチャンバーは、開放上端109、閉鎖底端108a〜b、および開放端109と閉鎖端108a〜bとの間に延在する側壁110を有する。第1のチャンバー106および第2のチャンバー107は、第1のチャンバー108aの底端が第2のチャンバー108bの底端に直接隣接するか、または接するように配置されている。この配置構成において、第1のチャンバー108aの底端は、共通平面Zに沿って第2の容器108bの底端と結合する。第1のチャンバー108aの底端は、このようにして、第2のチャンバー108bの底端と一体化される。第1のチャンバー106および第2のチャンバー107は、同じ試料保持器11がその中に配設できるような寸法を有する。第1のチャンバー106には、開放端109を取り囲むように閉鎖部114が結合されている。閉鎖部114は、第1のチャンバー106および第2のチャンバー107の開放端109を相互排他的に係合することができる。この実施形態における閉鎖部114は、他の実施形態に関連して上で開示されている閉鎖部114と一致している。
【0065】
次に図14を参照すると、容器のもう1つの代替的実施形態が示されている。この実施形態では、容器201は、第1のチャンバー206および第2のチャンバー207を備え、それぞれのチャンバーは、開放上端209a〜b、閉鎖底端208、および開放端209a〜bと閉鎖端208との間に延在する側壁210を有する。第1のチャンバー206および第2のチャンバー207は、同じ試料保持器11がその中に配設できるような寸法を有する。第1のチャンバー206および第2のチャンバー207は、閉鎖部214が第1のチャンバー206と第2のチャンバー207との間に配設されるように配置される。閉鎖部214は、摩擦嵌め、スナップ嵌め、螺合可能な係合、連動する構造的係合などの方法、または他の方法で、開放上端209aのところで第1のチャンバー206と嵌合可能であり、また開放上端209bのところで第2のチャンバー207と嵌合可能であり、これにより液密シールを形成する。
【0066】
本発明の実施形態は多くの異なる形態で満たされるが、図に示され、また本明細書において詳しく説明されているのは、本開示が本発明の原理の例であるとみなされ、本発明を例示されている実施形態に制限することを意図していないという了解の下で、本発明の特定の実施形態である。さまざまな他の実施形態は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者にとっては、明らかなことであり、また容易に製作できる。例えば、2つのチャンバーが本明細書で説明されているが、本明細書で説明されている容器は、さまざまな試薬を中に収納するために任意の数のチャンバーを備えることができると考えられる。本発明の範囲は、付属の請求項およびその等価物により定められる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器アセンブリであって、
第1の端部と第2の端部との間に延在する容器であって、
開放端と閉鎖端との間に延在して試料保持器を収容するように構成された第1のチャンバー内部を画定する側壁を有する第1のチャンバーと、
開放端と閉鎖端との間に延在して前記試料保持器をその後収容するように構成された第2のチャンバー内部を画定する側壁を有する第2のチャンバーとを備え、前記第1のチャンバー内部と前記第2のチャンバー内部は前記容器の前記第1の端部を通じてアクセス可能である、容器と、
前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端のうちの少なくとも一方を取り囲むために前記容器の前記第1の端部と係合する閉鎖部とを備えることを特徴とする容器アセンブリ。
【請求項2】
前記閉鎖部は、前記閉鎖部が前記容器の前記第1の端部と係合し、前記試料保持器が前記第1のチャンバー内部および前記第2のチャンバー内部のうちの一方の中に配設されたときに、前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端のうちの少なくとも一方を選択的に封止することを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項3】
前記試料保持器は、前記閉鎖部に着脱可能なように接続されることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項4】
前記試料保持器は、前記閉鎖部に対して回転可能であることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項5】
前記閉鎖部は、前記試料保持器を収容するように構成されたプラットフォームをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項6】
前記プラットフォームは、前記閉鎖部に対して回転可能であることを特徴とする請求項5に記載の容器アセンブリ。
【請求項7】
前記試料保持器を収容するように構成された収容部材をさらに備え、前記収容部材は前記プラットフォームに接続されていることを特徴とする請求項5に記載の容器アセンブリ。
【請求項8】
前記試料保持器は、前記収容部材に取り外し可能なように収容されることを特徴とする請求項5に記載の容器アセンブリ。
【請求項9】
前記試料保持器は、生体試料を保持するための内部キャビティを画定する閉鎖可能なハウジングを備え、前記ハウジングは前記第1のチャンバー内部および前記第2のチャンバー内部の少なくとも一方の中に配設された流体を前記内部キャビティ内に入れられるように構成された複数の流体開口部を備えることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項10】
前記試料保持器は、組織カセットであることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項11】
前記閉鎖部および前記容器は、螺合可能なように嵌合可能であることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項12】
前記閉鎖部と前記容器とを螺合可能なように嵌合することで、前記第1のチャンバー内部および前記第2のチャンバー内部の中で試料保持器を縦方向に移動させることを特徴とする請求項11に記載の容器アセンブリ。
【請求項13】
前記閉鎖部は、前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端のうちの少なくとも一方の周と係合可能であり、この係合により液体不透過性シールを形成するシールをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項14】
前記閉鎖部と回転可能なように係合するプラットフォームをさらに備え、前記プラットフォームは前記閉鎖部が前記容器の前記第1の端部と係合しているときに前記第1のチャンバーと封止係合するための第1のシールおよび前記第2のチャンバーと封止係合するための第2のシールを備えることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項15】
前記第1のシールは、前記第1のチャンバーの前記開放端の前記周と係合する周囲シールを含み、前記第2のシールは、前記第2第1のチャンバーの前記開放端の前記周と係合する周囲シールを含むことを特徴とする請求項14に記載の容器アセンブリ。
【請求項16】
前記プラットフォームは、前記試料保持器を収容するように構成された収容部材をさらに備え、前記収容部材は前記第1のシールまたは前記第2のシールの一方の周内で前記プラットフォームに接続されていることを特徴とする請求項15に記載の容器アセンブリ。
【請求項17】
前記容器は、長手方向軸を有し、前記第1のチャンバーは、前記長手方向軸の第1の側に配設され、前記第2のチャンバーは、前記長手方向軸の対向する第2の側に配設されることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項18】
前記第1のチャンバーの前記側壁および前記第2のチャンバーの前記側壁は、前記容器の外側側壁を確定するように結合することを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項19】
前記容器は、第1の端部と第2の端部とを有し、前記閉鎖部は、前記容器の前記第1の端部と係合し、前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端を取り囲むことを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項20】
前記第1のチャンバーを前記第2のチャンバーと区別するための視覚的標識をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項21】
前記視覚的標識は、前記容器の外面上に選択的に位置決めされたラベルであることを特徴とする請求項20に記載の容器アセンブリ。
【請求項22】
前記視覚的標識は、前記容器の一部と一緒に形成されることを特徴とする請求項20に記載の容器アセンブリ。
【請求項23】
前記視覚的標識は、前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端のうちの少なくとも一方に隣接する位置で前記容器と一体化されることを特徴とする請求項22に記載の容器アセンブリ。
【請求項24】
前記視覚的標識は、英数字表現であることを特徴とする請求項20に記載の容器アセンブリ。
【請求項25】
前記第1のチャンバー内部は、第1の意図された充填容積を有し、前記第2のチャンバー内部は、第2の意図された充填容積を有し、前記第2の意図された充填容積は前記第1の意図された充填容積と異なることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項26】
前記第1のチャンバー内部内に配設された第1の流体、および前記第2のチャンバー内部内に配設された第2の流体をさらに含み、前記第1の流体は前記第2の流体と異なることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項27】
第1の濃度を有する前記第1のチャンバー内部内に配設された流体、および第2の濃度を有する前記第2のチャンバー内部内に配設された流体をさらに含み、前記第1の濃度は前記第2の濃度と異なることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項28】
前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端のうちの少なくとも一方を取り囲む膜をさらに備え、前記部材は少なくとも部分的に取り外し可能であるか、または穿刺可能であることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項29】
生体試料を保管するための容器アセンブリであって、
第1の端部、第2の端部、および容器内部を画定する前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する側壁を備える容器と、
前記容器内部内に画定され、前記容器の前記第1の端部に隣接する開口部を有する第1のチャンバーと、
前記容器内部内に画定され、前記容器の前記第1の端部に隣接する開口部を有する、前記第1のチャンバーと流体的に絶縁している第2のチャンバーと、
前記容器の前記第1の端部と封止係合し、生体試料を中に保管するための試料保持器を備えるための、前記試料保持器が前記第1のチャンバー内に収容される第1の向きで、また前記同じ試料保持器が前記第2のチャンバー内にその後収容される第2の向きで前記容器と係合するように構成されている閉鎖部とを備えることを特徴とする生体試料を保管するための容器アセンブリ。
【請求項30】
前記試料保持器は、前記閉鎖部に関して回転可能であることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項31】
前記試料保持器は、生体試料を保持するための内部キャビティを画定する閉鎖可能なハウジングを備え、前記ハウジングは前記第1のチャンバーおよび前記第2のチャンバーの少なくとも一方の中に配設された流体を前記内部キャビティ内に入れられるように構成された複数の流体開口部を備えることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項32】
前記試料保持器は、組織カセットであることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項33】
前記閉鎖部は、前記第1のチャンバーの前記開口部および前記第2のチャンバーの前記開口部のうちの少なくとも一方の周と係合可能であり、この係合により液体不透過性シールを形成するシールをさらに備えることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項34】
前記第1のチャンバーを前記第2のチャンバーと区別するための視覚的標識をさらに備えることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項35】
前記視覚的標識は、前記容器の外面上に選択的に位置決めされたラベルであることを特徴とする請求項34に記載の容器アセンブリ。
【請求項36】
前記視覚的標識は、前記容器の一部と一緒に形成されることを特徴とする請求項34に記載の容器アセンブリ。
【請求項37】
前記第1のチャンバー内に配設された第1の流体、および前記第2のチャンバー内に配設された第2の流体をさらに含み、前記第1の流体は前記第2の流体と異なることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項38】
第1の濃度を有する前記第1のチャンバー内に配設された流体、および第2の濃度を有する前記第2のチャンバー内に配設された流体をさらに含み、前記第1の濃度は前記第2の濃度と異なることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項39】
前記第1のチャンバーの前記開口部および前記第2のチャンバーの前記開口部のうちの少なくとも一方を取り囲む膜をさらに備えることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項40】
生体試料を収納する方法であって、
第1の流体が中に配設されている第1のチャンバー内部を画定する開放端と閉鎖端との間に延在する側壁を有する第1のチャンバー、第2の流体が中に配設されている第2のチャンバー内部を画定する開放端と閉鎖端との間に延在する側壁を有する第2のチャンバーを備え、前記第1の流体は前記第2の流体と異なり、前記第2のチャンバー内部は前記第1のチャンバー内部から流体的に絶縁されている、容器を形成するステップと、
試料保持器を前記第1のチャンバー内部内に挿入するステップと、
その後前記試料保持器を前記第2のチャンバー内部内に移送するステップと、を含むことを特徴とする生体試料を収納する方法。
【請求項41】
前記試料保持器が前記第1のチャンバー内部および前記第2のチャンバー内部のうちの少なくとも一方の中に配設されている間に前記試料保持器が着脱可能なように接続されている閉鎖部を前記容器の一部と螺合可能なように係合するステップをさらに含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
容器を組み立てる方法であって、
容器、閉鎖部、収容部材、およびプラットフォームを形成するステップであって、
前記容器は第1のチャンバー内部を画定する開放端と閉鎖端との間に延在する側壁を有する第1のチャンバー、第2のチャンバー内部を画定する開放端と閉鎖端との間に延在する側壁を有する第2のチャンバーを備える、ステップと、
前記プラットフォームを前記閉鎖部に取り付けるステップと、
前記収容部材を前記第1のチャンバーまたは前記第2のチャンバーのうちの一方に揃えるステップと、
前記閉鎖部を前記容器に嵌合するステップと、を含むことを特徴とする容器を組み立てる方法。
【請求項43】
前記収容部材は、前記プラットフォームと一緒に形成されることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記収容部材を前記プラットフォームに接続するステップをさらに含むことを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記収容部材は、前記プラットフォームと一体であることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記プラットフォームは、前記閉鎖部に関して回転可能なように移動可能であることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記閉鎖部と前記容器との嵌合を通じて前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端のうちの少なくとも一方を互いから流体的に封止するステップを含むことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記プラットフォームは、熱可塑性エラストマーで形成され、前記熱可塑性エラストマーは前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーのうちの1つまたは複数の間に封止係合をもたらすことを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
生体試料を中に収納するように構成されている試料保持器を支持するための支持アセンブリであって、
前記試料保持器を中に収容するように構成されたフレームを有し、前記フレームは前記試料保持器と係合し、前記試料保持器を前記フレーム内に支持するための構造物を備える、収容部材と、
前記収容部材と接続され、前記収容部材を支持する、前記収容部材内に収容された前記試料保持器が容器の内部内に延在するように前記容器と係合するように構成されているプラットフォームとを備えることを特徴とする支持アセンブリ。
【請求項50】
前記プラットフォームは、前記収容部材内に収容されている前記試料保持器が前記容器の第1の内部部分内に延在するような第1の位置で、また前記収容部材内に収容されている前記試料保持器が前記容器の第2の内部部分内に延在するような第2の位置で前記容器と係合するように構成されることを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項51】
前記収容部材は、前記試料保持器を解放可能なように収容することを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項52】
前記収容部材は、前記収容部材の前記フレーム内で前記試料保持器を支持するため前記試料保持器と係合する少なくとも1つの指状部を備えることを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項53】
前記指状部は、前記収容部材の前記フレーム内に前記試料保持器を維持し、支持するために前記試料保持器にバイアス力を加えるように構成されることを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項54】
前記収容部材は、前記試料保持器と係合するための複数の指状部を備え、前記指状部の少なくとも1つは前記収容部材の前記フレームに対し前記試料保持器を維持し、支持するため前記試料保持器に対しバイアス力を加えるように構成されていることを特徴とする請求項52に記載のアセンブリ。
【請求項55】
前記複数の指状部は、前記収容部材の前記フレームに対してさまざまなサイズおよび形状の複数の試料保持器を維持し、支持するように構成されることを特徴とする請求項54に記載のアセンブリ。
【請求項56】
前記フレームは、流体を前記フレーム内に貫流させ、前記フレームによって支持されている前記試料保持器と接触させられるように構成された少なくとも1つの開口部を備えることを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項57】
前記プラットフォームは、前記収容部材に対し横方向に延在することを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項58】
容器を取り囲むための閉鎖部アセンブリであって、前記プラットフォームが前記収容部材を前記閉鎖部アセンブリに相互接続する、請求項49に記載の支持アセンブリを備えることを特徴とする閉鎖部アセンブリ。
【請求項59】
前記プラットフォームは、前記閉鎖部アセンブリ上に回転可能なように支持されることを特徴とする請求項58に記載の閉鎖部アセンブリ。
【請求項60】
試料保持器収容部材であって、
試料保持器の先細端部および試料保持器の先細でない端部を閉じ込めることができる複数の閉じ込め面と、
前記フレームから延在する少なくとも1つの片持ち指状部であって、試料保持器が前記閉じ込め面内で係合したときに応力の低い状態から応力の高い状態へ偏向可能であり、これにより、前記試料保持器を前記収容部材の前記フレーム内に維持する、少なくとも1つの片持ち指状部と、を備える一般的に平面状のフレームを備えることを特徴とする試料保持器収容部材。
【請求項61】
前記閉じ込め面の少なくとも1つは、閉じ込めラッチであり、前記閉じ込めラッチは前記試料保持器のエッジを受け入れるように偏向可能であることを特徴とする請求項60に記載の試料保持器。
【請求項62】
前記閉じ込めラッチは、試料保持器の前記先細端部のみと係合することができることを特徴とする請求項61に記載の試料保持器。
【請求項63】
前記フレームから延在する複数の片持ち指状部を備えることを特徴とする請求項60に記載の試料保持器。
【請求項64】
アセンブリであって、
試料保持器であって、前記試料保持器は、ドアによって選択的に取り囲むことができるキャビティを備える組織カセットであり、前記組織カセットは先細端部と先細でない端部とをさらに備える、試料保持器と、
前記試料保持器を取り外し可能なように収容するための収容部材であって、前記収容部材は収容部材基部フレームから延在する少なくとも1つの偏向可能表面を備え、前記少なくとも1つの偏向可能表面は、前記試料保持器が前記収容部材内に位置決めされたときに前記収容部材に関して前記試料保持器を一時的に位置決めする、収容部材とを備えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項65】
前記試料保持器の前記ドアは、前記試料保持器が前記収容部材の中に位置決めされている間に前記キャビティに関して開くことができることを特徴とする請求項64に記載のアセンブリ。
【請求項1】
容器アセンブリであって、
第1の端部と第2の端部との間に延在する容器であって、
開放端と閉鎖端との間に延在して試料保持器を収容するように構成された第1のチャンバー内部を画定する側壁を有する第1のチャンバーと、
開放端と閉鎖端との間に延在して前記試料保持器をその後収容するように構成された第2のチャンバー内部を画定する側壁を有する第2のチャンバーとを備え、前記第1のチャンバー内部と前記第2のチャンバー内部は前記容器の前記第1の端部を通じてアクセス可能である、容器と、
前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端のうちの少なくとも一方を取り囲むために前記容器の前記第1の端部と係合する閉鎖部とを備えることを特徴とする容器アセンブリ。
【請求項2】
前記閉鎖部は、前記閉鎖部が前記容器の前記第1の端部と係合し、前記試料保持器が前記第1のチャンバー内部および前記第2のチャンバー内部のうちの一方の中に配設されたときに、前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端のうちの少なくとも一方を選択的に封止することを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項3】
前記試料保持器は、前記閉鎖部に着脱可能なように接続されることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項4】
前記試料保持器は、前記閉鎖部に対して回転可能であることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項5】
前記閉鎖部は、前記試料保持器を収容するように構成されたプラットフォームをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項6】
前記プラットフォームは、前記閉鎖部に対して回転可能であることを特徴とする請求項5に記載の容器アセンブリ。
【請求項7】
前記試料保持器を収容するように構成された収容部材をさらに備え、前記収容部材は前記プラットフォームに接続されていることを特徴とする請求項5に記載の容器アセンブリ。
【請求項8】
前記試料保持器は、前記収容部材に取り外し可能なように収容されることを特徴とする請求項5に記載の容器アセンブリ。
【請求項9】
前記試料保持器は、生体試料を保持するための内部キャビティを画定する閉鎖可能なハウジングを備え、前記ハウジングは前記第1のチャンバー内部および前記第2のチャンバー内部の少なくとも一方の中に配設された流体を前記内部キャビティ内に入れられるように構成された複数の流体開口部を備えることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項10】
前記試料保持器は、組織カセットであることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項11】
前記閉鎖部および前記容器は、螺合可能なように嵌合可能であることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項12】
前記閉鎖部と前記容器とを螺合可能なように嵌合することで、前記第1のチャンバー内部および前記第2のチャンバー内部の中で試料保持器を縦方向に移動させることを特徴とする請求項11に記載の容器アセンブリ。
【請求項13】
前記閉鎖部は、前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端のうちの少なくとも一方の周と係合可能であり、この係合により液体不透過性シールを形成するシールをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項14】
前記閉鎖部と回転可能なように係合するプラットフォームをさらに備え、前記プラットフォームは前記閉鎖部が前記容器の前記第1の端部と係合しているときに前記第1のチャンバーと封止係合するための第1のシールおよび前記第2のチャンバーと封止係合するための第2のシールを備えることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項15】
前記第1のシールは、前記第1のチャンバーの前記開放端の前記周と係合する周囲シールを含み、前記第2のシールは、前記第2第1のチャンバーの前記開放端の前記周と係合する周囲シールを含むことを特徴とする請求項14に記載の容器アセンブリ。
【請求項16】
前記プラットフォームは、前記試料保持器を収容するように構成された収容部材をさらに備え、前記収容部材は前記第1のシールまたは前記第2のシールの一方の周内で前記プラットフォームに接続されていることを特徴とする請求項15に記載の容器アセンブリ。
【請求項17】
前記容器は、長手方向軸を有し、前記第1のチャンバーは、前記長手方向軸の第1の側に配設され、前記第2のチャンバーは、前記長手方向軸の対向する第2の側に配設されることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項18】
前記第1のチャンバーの前記側壁および前記第2のチャンバーの前記側壁は、前記容器の外側側壁を確定するように結合することを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項19】
前記容器は、第1の端部と第2の端部とを有し、前記閉鎖部は、前記容器の前記第1の端部と係合し、前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端を取り囲むことを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項20】
前記第1のチャンバーを前記第2のチャンバーと区別するための視覚的標識をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項21】
前記視覚的標識は、前記容器の外面上に選択的に位置決めされたラベルであることを特徴とする請求項20に記載の容器アセンブリ。
【請求項22】
前記視覚的標識は、前記容器の一部と一緒に形成されることを特徴とする請求項20に記載の容器アセンブリ。
【請求項23】
前記視覚的標識は、前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端のうちの少なくとも一方に隣接する位置で前記容器と一体化されることを特徴とする請求項22に記載の容器アセンブリ。
【請求項24】
前記視覚的標識は、英数字表現であることを特徴とする請求項20に記載の容器アセンブリ。
【請求項25】
前記第1のチャンバー内部は、第1の意図された充填容積を有し、前記第2のチャンバー内部は、第2の意図された充填容積を有し、前記第2の意図された充填容積は前記第1の意図された充填容積と異なることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項26】
前記第1のチャンバー内部内に配設された第1の流体、および前記第2のチャンバー内部内に配設された第2の流体をさらに含み、前記第1の流体は前記第2の流体と異なることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項27】
第1の濃度を有する前記第1のチャンバー内部内に配設された流体、および第2の濃度を有する前記第2のチャンバー内部内に配設された流体をさらに含み、前記第1の濃度は前記第2の濃度と異なることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項28】
前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端のうちの少なくとも一方を取り囲む膜をさらに備え、前記部材は少なくとも部分的に取り外し可能であるか、または穿刺可能であることを特徴とする請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項29】
生体試料を保管するための容器アセンブリであって、
第1の端部、第2の端部、および容器内部を画定する前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する側壁を備える容器と、
前記容器内部内に画定され、前記容器の前記第1の端部に隣接する開口部を有する第1のチャンバーと、
前記容器内部内に画定され、前記容器の前記第1の端部に隣接する開口部を有する、前記第1のチャンバーと流体的に絶縁している第2のチャンバーと、
前記容器の前記第1の端部と封止係合し、生体試料を中に保管するための試料保持器を備えるための、前記試料保持器が前記第1のチャンバー内に収容される第1の向きで、また前記同じ試料保持器が前記第2のチャンバー内にその後収容される第2の向きで前記容器と係合するように構成されている閉鎖部とを備えることを特徴とする生体試料を保管するための容器アセンブリ。
【請求項30】
前記試料保持器は、前記閉鎖部に関して回転可能であることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項31】
前記試料保持器は、生体試料を保持するための内部キャビティを画定する閉鎖可能なハウジングを備え、前記ハウジングは前記第1のチャンバーおよび前記第2のチャンバーの少なくとも一方の中に配設された流体を前記内部キャビティ内に入れられるように構成された複数の流体開口部を備えることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項32】
前記試料保持器は、組織カセットであることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項33】
前記閉鎖部は、前記第1のチャンバーの前記開口部および前記第2のチャンバーの前記開口部のうちの少なくとも一方の周と係合可能であり、この係合により液体不透過性シールを形成するシールをさらに備えることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項34】
前記第1のチャンバーを前記第2のチャンバーと区別するための視覚的標識をさらに備えることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項35】
前記視覚的標識は、前記容器の外面上に選択的に位置決めされたラベルであることを特徴とする請求項34に記載の容器アセンブリ。
【請求項36】
前記視覚的標識は、前記容器の一部と一緒に形成されることを特徴とする請求項34に記載の容器アセンブリ。
【請求項37】
前記第1のチャンバー内に配設された第1の流体、および前記第2のチャンバー内に配設された第2の流体をさらに含み、前記第1の流体は前記第2の流体と異なることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項38】
第1の濃度を有する前記第1のチャンバー内に配設された流体、および第2の濃度を有する前記第2のチャンバー内に配設された流体をさらに含み、前記第1の濃度は前記第2の濃度と異なることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項39】
前記第1のチャンバーの前記開口部および前記第2のチャンバーの前記開口部のうちの少なくとも一方を取り囲む膜をさらに備えることを特徴とする請求項29に記載の容器アセンブリ。
【請求項40】
生体試料を収納する方法であって、
第1の流体が中に配設されている第1のチャンバー内部を画定する開放端と閉鎖端との間に延在する側壁を有する第1のチャンバー、第2の流体が中に配設されている第2のチャンバー内部を画定する開放端と閉鎖端との間に延在する側壁を有する第2のチャンバーを備え、前記第1の流体は前記第2の流体と異なり、前記第2のチャンバー内部は前記第1のチャンバー内部から流体的に絶縁されている、容器を形成するステップと、
試料保持器を前記第1のチャンバー内部内に挿入するステップと、
その後前記試料保持器を前記第2のチャンバー内部内に移送するステップと、を含むことを特徴とする生体試料を収納する方法。
【請求項41】
前記試料保持器が前記第1のチャンバー内部および前記第2のチャンバー内部のうちの少なくとも一方の中に配設されている間に前記試料保持器が着脱可能なように接続されている閉鎖部を前記容器の一部と螺合可能なように係合するステップをさらに含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
容器を組み立てる方法であって、
容器、閉鎖部、収容部材、およびプラットフォームを形成するステップであって、
前記容器は第1のチャンバー内部を画定する開放端と閉鎖端との間に延在する側壁を有する第1のチャンバー、第2のチャンバー内部を画定する開放端と閉鎖端との間に延在する側壁を有する第2のチャンバーを備える、ステップと、
前記プラットフォームを前記閉鎖部に取り付けるステップと、
前記収容部材を前記第1のチャンバーまたは前記第2のチャンバーのうちの一方に揃えるステップと、
前記閉鎖部を前記容器に嵌合するステップと、を含むことを特徴とする容器を組み立てる方法。
【請求項43】
前記収容部材は、前記プラットフォームと一緒に形成されることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記収容部材を前記プラットフォームに接続するステップをさらに含むことを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記収容部材は、前記プラットフォームと一体であることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記プラットフォームは、前記閉鎖部に関して回転可能なように移動可能であることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記閉鎖部と前記容器との嵌合を通じて前記第1のチャンバーの前記開放端および前記第2のチャンバーの前記開放端のうちの少なくとも一方を互いから流体的に封止するステップを含むことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記プラットフォームは、熱可塑性エラストマーで形成され、前記熱可塑性エラストマーは前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーのうちの1つまたは複数の間に封止係合をもたらすことを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
生体試料を中に収納するように構成されている試料保持器を支持するための支持アセンブリであって、
前記試料保持器を中に収容するように構成されたフレームを有し、前記フレームは前記試料保持器と係合し、前記試料保持器を前記フレーム内に支持するための構造物を備える、収容部材と、
前記収容部材と接続され、前記収容部材を支持する、前記収容部材内に収容された前記試料保持器が容器の内部内に延在するように前記容器と係合するように構成されているプラットフォームとを備えることを特徴とする支持アセンブリ。
【請求項50】
前記プラットフォームは、前記収容部材内に収容されている前記試料保持器が前記容器の第1の内部部分内に延在するような第1の位置で、また前記収容部材内に収容されている前記試料保持器が前記容器の第2の内部部分内に延在するような第2の位置で前記容器と係合するように構成されることを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項51】
前記収容部材は、前記試料保持器を解放可能なように収容することを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項52】
前記収容部材は、前記収容部材の前記フレーム内で前記試料保持器を支持するため前記試料保持器と係合する少なくとも1つの指状部を備えることを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項53】
前記指状部は、前記収容部材の前記フレーム内に前記試料保持器を維持し、支持するために前記試料保持器にバイアス力を加えるように構成されることを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項54】
前記収容部材は、前記試料保持器と係合するための複数の指状部を備え、前記指状部の少なくとも1つは前記収容部材の前記フレームに対し前記試料保持器を維持し、支持するため前記試料保持器に対しバイアス力を加えるように構成されていることを特徴とする請求項52に記載のアセンブリ。
【請求項55】
前記複数の指状部は、前記収容部材の前記フレームに対してさまざまなサイズおよび形状の複数の試料保持器を維持し、支持するように構成されることを特徴とする請求項54に記載のアセンブリ。
【請求項56】
前記フレームは、流体を前記フレーム内に貫流させ、前記フレームによって支持されている前記試料保持器と接触させられるように構成された少なくとも1つの開口部を備えることを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項57】
前記プラットフォームは、前記収容部材に対し横方向に延在することを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項58】
容器を取り囲むための閉鎖部アセンブリであって、前記プラットフォームが前記収容部材を前記閉鎖部アセンブリに相互接続する、請求項49に記載の支持アセンブリを備えることを特徴とする閉鎖部アセンブリ。
【請求項59】
前記プラットフォームは、前記閉鎖部アセンブリ上に回転可能なように支持されることを特徴とする請求項58に記載の閉鎖部アセンブリ。
【請求項60】
試料保持器収容部材であって、
試料保持器の先細端部および試料保持器の先細でない端部を閉じ込めることができる複数の閉じ込め面と、
前記フレームから延在する少なくとも1つの片持ち指状部であって、試料保持器が前記閉じ込め面内で係合したときに応力の低い状態から応力の高い状態へ偏向可能であり、これにより、前記試料保持器を前記収容部材の前記フレーム内に維持する、少なくとも1つの片持ち指状部と、を備える一般的に平面状のフレームを備えることを特徴とする試料保持器収容部材。
【請求項61】
前記閉じ込め面の少なくとも1つは、閉じ込めラッチであり、前記閉じ込めラッチは前記試料保持器のエッジを受け入れるように偏向可能であることを特徴とする請求項60に記載の試料保持器。
【請求項62】
前記閉じ込めラッチは、試料保持器の前記先細端部のみと係合することができることを特徴とする請求項61に記載の試料保持器。
【請求項63】
前記フレームから延在する複数の片持ち指状部を備えることを特徴とする請求項60に記載の試料保持器。
【請求項64】
アセンブリであって、
試料保持器であって、前記試料保持器は、ドアによって選択的に取り囲むことができるキャビティを備える組織カセットであり、前記組織カセットは先細端部と先細でない端部とをさらに備える、試料保持器と、
前記試料保持器を取り外し可能なように収容するための収容部材であって、前記収容部材は収容部材基部フレームから延在する少なくとも1つの偏向可能表面を備え、前記少なくとも1つの偏向可能表面は、前記試料保持器が前記収容部材内に位置決めされたときに前記収容部材に関して前記試料保持器を一時的に位置決めする、収容部材とを備えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項65】
前記試料保持器の前記ドアは、前記試料保持器が前記収容部材の中に位置決めされている間に前記キャビティに関して開くことができることを特徴とする請求項64に記載のアセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
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【図16B】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【公表番号】特表2011−501198(P2011−501198A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531251(P2010−531251)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/081003
【国際公開番号】WO2009/055603
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/081003
【国際公開番号】WO2009/055603
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
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