説明

分岐止水栓

【課題】分岐用配管の大きな引回しを不要とし、分岐用配管の接続作業を容易に行え、誤操作も生じ難い分岐止水栓を提供すること。
【解決手段】筒状部23を有し、筒状部23に分岐口43が設けられた主管9と、主管9に連結される分岐管10とを備え、分岐管10は、筒状部23に外嵌され、分岐口43に連通する連通空間を筒状部23の外壁面との間に形成する連結筒部24と、内側空間が前記連通空間に連通する管接続部33とを有し、分岐管10における連結筒部24と管接続部33との間の部分に分岐栓34が装着され、筒状部23に連結筒部24が外嵌された状態の分岐管10は、筒状部23の軸心回りに回動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、浄水器、食器洗浄器、洗濯機等への給水及び止水を行うための分岐止水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
洗面台に設置された水栓本体の上流側に設けられ、この水栓本体への湯水の供給及びその停止を行うための止水栓に関しては、その操作部を洗面台のキャビネット内に配し、かつ前側に向けて、キャビネットの前扉を開放すれば操作可能となるようにするのが一般的である。
【0003】
また、洗面台の水栓本体の上流側において、この水栓本体以外の他の水栓器具(水栓機器)への湯水の供給及びその停止を行えるように、止水栓の他に分岐栓を設ける技術も知られているところであり、特許文献1には、止水栓及び分岐栓の操作部(ハンドル)を共に前側に向けた状態でキャビネット内に配し、かつ両者を上下に並べる技術が開示されている。
【0004】
斯かる技術によれば、止水栓のみならず止水栓の操作性をも向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−115668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1による技術では、分岐用配管を接続するための管接続口が二つ有るものの、それぞれの向きは固定されているので、分岐用配管を水受けタンク等と干渉しない方の管接続口に接続したとしても、接続後の分岐用配管の大きな引き回し等を余儀なくされる虞がある。
【0007】
また、特許文献1による技術では、各管接続口が横向きで固定されており、管接続口に対する分岐用配管の接続作業は、キャビネット内の狭い空間で行うこととなって困難になり兼ねない。
【0008】
さらに、特許文献1による技術では、止水栓及び分岐栓の操作部が上下に並び、各操作部が止水栓、分岐栓の何れに対応するのかを直観的に把握し難く、誤操作が起こり易い。
【0009】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、分岐用配管の大きな引回しを不要とし、分岐用配管の接続作業を容易に行え、誤操作も生じ難い分岐止水栓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る分岐止水栓は、筒状部を有し、該筒状部に分岐口が設けられた主管と、該主管に連結される分岐管とを備え、前記分岐管は、前記筒状部に外嵌され、前記分岐口に連通する連通空間を該筒状部の外壁面との間に形成する連結筒部と、内側空間が前記連通空間に連通する管接続部とを有し、前記分岐管における前記連結筒部と前記管接続部との間の部分に分岐栓が装着され、前記筒状部に前記連結筒部が外嵌された状態の前記分岐管は、前記筒状部の軸心回りに回動可能である(請求項1)。
【0011】
上記分岐止水栓において、前記主管に止水栓が装着され、また、前記主管内には、前記止水栓とによって該主管内を該止水栓よりも上流側の空間と下流側の空間とに区画する区画壁が設けられ、前記分岐口は、前記筒状部において前記止水栓よりも上流側の空間を形成する部分に設けられていてもよい(請求項2)。
【発明の効果】
【0012】
請求項1,2に係る発明では、分岐用配管の大きな引回しを不要とし、分岐用配管の接続作業を容易に行え、誤操作も生じ難い分岐止水栓が得られる。
【0013】
すなわち、請求項1,2に係る発明の分岐止水栓では、分岐管の向きを主管の筒状部の軸心回りに変更可能であり、分岐管の管接続部に接続される分岐用配管を所望の方向に向けて延ばすことができるので、分岐用配管と周辺の部材等との干渉回避の他、分岐用配管の大きな引き回しや分岐用配管自体の捩じれの解消・防止を容易に図ることができる。
【0014】
この分岐止水栓ではまた、分岐管の管接続部に分岐用配管を接続する際に、管接続部を例えば作業者の手前側に向ければ配管接続作業の容易化を図れる。従って、この分岐止水栓では、分岐管に分岐用配管を接続する際には、この接続作業に適した方向(例えば前方)に分岐管を向け、接続作業後は分岐用配管が周辺の部材等に干渉せず他の作業の邪魔にならないように分岐管を回転させるといったことが可能となり、分岐止水栓周辺のスペースを極めて有効に利用することができる。
【0015】
上記特許文献1記載の技術では、分岐止水栓に二つ有る管接続口のうちの使用しない方を閉塞するめくら蓋が別途必要となり、めくら蓋の着脱のためのスペースが周辺にある部材により制限されてその着脱作業に支障を来したり、めくら蓋の装着忘れや装着不良により漏水が起こる虞がある。しかし、本発明の分岐止水栓ではめくら蓋が不要であり、上記種々の問題が発生し得ない。
【0016】
請求項2に係る発明の分岐止水栓では、分岐栓の操作は分岐栓を手前側に位置させた状態で行うことができるので、止水栓を例えば前側に向けるだけで、止水栓及び分岐栓の両方の操作性の向上を図ることができる。
【0017】
この分岐止水栓ではさらに、不動の主管に止水栓を設け、回動する分岐管に分岐栓を設けるので、止水栓と分岐栓とを直観的に(イメージ的に)区別して各々操作することができ、止水栓と分岐栓との取り違えに基づく誤操作が起こり難く、この効果は、止水栓と分岐栓の操作部の向きが互いに異なるようにすることにより、一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る分岐止水栓の使用状態を概略的に示す説明図である。
【図2】前記分岐止水栓の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図3】(A)及び(B)は、互いに90°異なる方向からみたときの前記分岐止水栓の構成を概略的に示す斜視図である。
【図4】(A)及び(B)は、図3(A)及び(B)にそれぞれ対応する前記分岐止水栓の分解斜視図である。
【図5】(A)及び(B)は、前記分岐止水栓の正面図及び背面図である。
【図6】(A)及び(B)は、前記分岐止水栓の平面図及び底面図である。
【図7】(A)及び(B)は、前記分岐止水栓の右側面図及び左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
【0020】
図1に示すように、本形態に係る分岐止水栓1は、洗面台の取付台部(カウンター)2に立設される湯水混合水栓の水栓本体(図1に一部のみを図示してある)3の上流側に設けられる。本形態では、水栓本体3に、給湯配管4を通り止水栓5及び湯供給管6を経た湯が供給されると共に、給水配管7を通り分岐止水栓1及び水供給管8を経た水が供給される。尚、図1に示す分岐止水栓1以外の部材については、従来公知のものを使用することができるので、それらの詳細な説明は省略する。
【0021】
分岐止水栓1は、図1〜図7に示すように、主管9と分岐管10とを備え、主管9は水栓本体3への給水流路の一部を構成し、分岐管10は、主管9が形成する水栓本体3への給水流路を分岐させ、水栓本体3以外の図示していない洗濯機等の水栓器具(水栓機器)への給水流路(分岐流路)を形成する。
【0022】
主管9には、図2に示すように、上流側管接続口11が一端(下端)側に設けられると共に、下流側管接続口12が他端(上端)側に設けられ、これらの間の部分に、水栓本体3への給水及び止水を行うための無ハンドル型の止水栓13が装着される。
【0023】
止水栓13は軸状の栓本体(スピンドル)14を備える。栓本体14は、主管9に設けられた止水栓保持筒部15の雌ねじ15aに螺合する雄ねじ14aを有するので、栓本体14の先端面に設けられた溝14bを利用して、専用の工具等(図示していない)により栓本体14をその軸心回りに回動させると、主管9内の弁座16に対して栓本体14が接近離間移動する。栓本体14が弁座16に接近し、ねじ17により栓本体14に取り付けられたリング状の弁体18が弁座16に圧接されれば、閉弁状態となる。
【0024】
栓本体14には、止水栓保持筒部15の開口縁に当接し、栓本体14の抜け止めを行うための座金19と、止水栓保持筒部15の開口縁のシールを行うためのパッキン20とが外嵌装着され、これらの部材19,20は、止水栓保持筒部15とこの止水栓保持筒部15の外周面に螺合連結される袋ナット21とにより挟持される。
【0025】
図2に示すように、主管9内には、閉弁状態にある止水栓13とによって主管9内を止水栓13よりも上流側の空間(室)S1と下流側の空間(室)S2とに区画する区画壁22が設けられ、この区画壁22は前出の弁座16を有する。
【0026】
斯かる主管9に対する分岐管10の接続は、図2、図4(A)及び(B)に示すように、主管9の筒状部23に対する分岐管10の連結筒部24の外嵌によって行われる。この外嵌を妨げないように、下流側管接続口12の外径は、連結筒部24の内径よりも小となる。
【0027】
筒状部23に連結筒部24が外嵌された状態の分岐管10が、筒状部23の軸心回りに回動可能となるように、筒状部23の外周側部分の上下に、第一環状突出部分25、第二環状突出部分26が同軸状に突設されると共に、これらの部分25,26の外周側にシール部材(例えばOリング)27が装着され、シール部材27を介してこれらの部分25,26に外嵌される第一環状内壁部分28、第二環状内壁部分29が連結筒部24の上下に設けられる。
【0028】
筒状部23の第一環状突出部分25の外径と、第一環状突出部分25に外嵌される第一環状内壁部分28の内径とは略同一であるのに対して、これらよりも第二環状突出部分26の外径が大であり(図2参照)、第二環状突出部分26に対する第一環状内壁部分28の外嵌は不可能であるので、筒状部23に連結筒部24が外嵌される際の分岐管10の上下の向きは必然的に定まる。
【0029】
図2、図4(A)及び(B)に示すように、筒状部23に外嵌された連結筒部24がその外嵌位置に止まるように、主管9には、筒状部23よりも側方(径外方向)に突出し、筒状部23に外嵌された連結筒部24が当接保持される保持部分30が設けられる。主管9にはまた、筒状部23に外嵌された連結筒部24の抜け止めのために、抜け止め部材(本形態では略C字状のスナップリング)31が着脱自在に装着される被装着部分(本形態では周回溝)32が設けられる。
【0030】
図2に示すように、分岐管10の先端には管接続部33が設けられ、分岐管10における管接続部33と連結筒部24との間の部分には、管接続部33に接続される分岐用配管(図示していない)の先に繋がる水栓器具(水栓機器)への給水及び止水を行うための分岐栓34が装着される。
【0031】
分岐栓34は軸状の栓本体(スピンドル)35を備える。栓本体35は、分岐管10の分岐栓保持筒部36に螺着されるガイドスリーブ37の雌ねじ37aに螺合する雄ねじ35aを有するので、栓本体35の先端面に設けられた溝35bを利用して、専用の工具等(図示していない)により栓本体35をその軸心回りに回動させると、分岐管10内の弁座38に対して栓本体35が接近離間移動する。栓本体35が弁座38に接近し、栓本体35に取り付けられたリング状の弁体39が弁座38に圧接されれば、閉弁状態となる。尚、栓本体35とガイドスリーブ37との間からの水漏れはシール部材(例えばOリング)40により、ガイドスリーブ37と分岐栓保持筒部36との間からの水漏れはシール部材(例えばOリング)41により、それぞれ防止される。
【0032】
図2に示すように、分岐管10内には、閉弁状態にある分岐栓34とによって分岐管10内を分岐栓34よりも上流側の空間(室)S3と下流側の空間(室)S4とに区画する区画壁42が設けられ、この区画壁42は前出の弁座38を有する。
【0033】
次に、本形態の分岐止水栓1の作用について、分岐止水栓1のより具体的な構成にも言及しながら説明する。
【0034】
止水栓13が開弁状態にある場合、上流側管接続口11から主管9の空間S1内に至った水は、区画壁22の弁座16と止水栓13の弁体18との間を通って空間S2内に至り、下流側管接続口12から導出される(図2参照)。この開弁状態にある止水栓13を閉弁状態に切り替えると、空間S1内の水の空間S2への移動が不可能となる。
【0035】
分岐栓34が開弁状態または閉弁状態の何れにある場合であっても、上流側管接続口11から主管9の空間S1内に至った水は、主管9の筒状部23において空間S1を形成する部分に設けられる分岐口43(図2参照)を通り、分岐管10の空間S3内に至る。すなわち、分岐口43により、分岐管10は主管9に対して連通された状態となり、連結筒部24は、分岐口43に連通し空間S3の一部である環状の連通空間を筒状部23の外壁面との間に形成することになる。
【0036】
分岐栓34が開弁状態にある場合、管接続部33の内側空間が空間S3と連通する状態となり、空間S3内に至った水は、区画壁42の弁座38と止水栓34の弁体39との間を通って空間S4内に至り、管接続部33から導出される(図2参照)。この開弁状態にある止水栓34を閉弁状態に切り替えると、空間S3内の水の空間S4への移動が不可能となる。
【0037】
本形態の分岐止水栓1では、分岐管10の向きを主管9の筒状部23の軸心回りに自在に変更可能であり、分岐管10の管接続部33に接続される分岐用配管(図示していない)を所望の方向に向けて延ばすことができるので、分岐用配管と周辺の部材等との干渉回避の他、分岐用配管の大きな引き回しや分岐用配管自体の捩じれの解消・防止を容易に図ることができる。
【0038】
この分岐止水栓1ではまた、管接続部33に分岐用配管を接続する際に、管接続部33を例えば作業者の手前側に向ければ配管接続作業の容易化を図れる。従って、本形態の分岐止水栓1では、分岐管10に分岐用配管を接続する際には、この接続作業に適した方向(例えば前方)に分岐管10を向け、接続作業後は分岐用配管が周辺の部材等に干渉せず他の作業の邪魔にならないように分岐管10を回転させるといったことが可能となり、分岐止水栓1周辺のスペースを極めて有効に利用することができる。
【0039】
その上、分岐止水栓1では、止水栓13を常時前側に向けることができると共に、分岐栓34を手前側に位置させた状態で栓本体35の回動操作を行うことができ、止水栓13及び分岐栓34の両方の操作性にも優れる。
【0040】
上記特許文献1記載の技術では、分岐止水栓に二つ有る管接続口のうちの使用しない方を閉塞するめくら蓋が別途必要となり、めくら蓋の着脱のためのスペースが周辺にある部材により制限されてその着脱作業に支障を来したり、めくら蓋の装着忘れや装着不良により漏水が起こる虞がある。しかし、本形態の分岐止水栓1ではめくら蓋が不要であり、上記種々の問題が発生し得ない。
【0041】
本形態の分岐止水栓1ではさらに、不動の主管9に止水栓13を設け、回動する分岐管10に分岐栓34を設けるので、止水栓13と分岐栓34とを直観的に(イメージ的に)区別して各々操作することができ、止水栓13と分岐栓34との取り違えに基づく誤操作が起こり難く、この効果は、止水栓13と分岐栓34の操作部(栓本体の先端面)の向きが互いに異なる本形態では、一層向上したものとなる。
【0042】
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
【0043】
本形態の水栓本体3は洗面台に設置されるものであるが、これに限られず、例えば、水栓本体3がキッチンシンクに設置されるものでもよく、この場合、分岐管10の接続先となる水栓器具(水栓機器)の例としては浄水器や食器洗浄器を挙げることができる。
【0044】
本形態の分岐止水栓1は給水配管7の下流側に設けられているが、給湯配管4の下流側に設けることもできる。
【0045】
本形態の給湯配管4、給水配管7は、図1に示すように床面から立ち上がるタイプのものであるが、これに限られず、例えば両配管4,7が壁面から前方に向けて取り出されるタイプのものであってもよく、この場合、例えば、主管9の上流側管接続口11は後側に向けて設けられていればよく、主管9を図示していない壁面に固定するための取付ねじ部44(図2等参照)は不要となる。
【0046】
本形態の止水栓13、分岐栓34の構成は種々に変形することができ、例えば、止水栓13の構成を分岐栓34と同一としたり、逆に、分岐栓34の構成を止水栓13と同一としてもよく、共に無ハンドル型である止水栓13、分岐栓34を、特許文献1に開示されている止水ハンドル、分岐ハンドルが取り付けられるようなタイプ(ハンドルタイプ)としてもよい。
【0047】
本形態では管接続部33が分岐管10の先端側を向き、分岐栓34(栓本体35の先端面)が上方を向いているが、これに限らず、例えば、管接続部33と分岐栓34(栓本体35の先端面)との向きが相互に入れ替わった構成としてもよい。
【0048】
本形態では、分岐管10の向きを主管9の筒状部23の軸心回りに自在に360°変更可能であるが、分岐管10が筒状部3の軸心回りに360°以上回転しないように構成し、分岐管10の管接続部33に接続される分岐用配管の捩じれを確実に防止するようにしてもよい。
【0049】
本形態では、筒状部23と連結筒部24との間からの水漏れを、筒状部23側に装着した二つのシール部材27により防止しているが、連結筒部24側にシール部材を設けてもよく、他のシール構造を採用してもよい。
【0050】
本形態では、抜け止め部材31によって、筒状部23に外嵌された連結筒部24の抜け止めを図っているが、抜け止め部材31以外の手段により連結筒部24の抜け止めを行うようにしてもよく、例えば、筒状部23に外嵌された連結筒部24が筒状部23から抜ける方向に移動しようとするときに、主管9の下流側管接続口12に接続された管等(接続対象)がこの連結筒部24の端縁に当接して連結筒部24の抜け止め機能を発揮し、漏水が防止されるような場合には、抜け止め部材31を省略することもできる。
【0051】
本形態では、分岐管10の連結筒部24が主管9の保持部分30に当接保持されるが、例えば、主管9において保持部分30が設けられている位置に別途用意した抜け止め部材31が装着されるようにし、この抜け止め部材31によって連結筒部24を保持するようにして、連結筒部24の回動性能(摺動性能)の向上を図ってもよい。
【0052】
本形態では、筒状部23の第一環状突出部分25の外径よりも第二環状突出部分26の外径を大としてあるが、両外径は同一であってもよい。
【0053】
本形態の分岐口43は、筒状部23において空間S1を形成する部分に設けられ、これにより、止水栓13の弁の開閉と分岐栓34の弁の開閉とは互いに独立して行われるが、ているが、分岐口43を筒状部23において空間S2を形成する部分に設けてもよく、この場合、止水栓13を閉弁状態にすると、分岐栓34が開弁状態または閉弁状態の何れにあっても、分岐管10の管接続部33からの水の導出は停止(止水)されることになる。
【0054】
主管9に止水栓13を設けず、既設の止水栓(例えば図1に示す止水栓5)の上流側や下流側に後付け可能な構造としてもよい。
【0055】
なお、上記変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0056】
1 分岐止水栓
9 主管
10 分岐管
23 筒状部
24 連結筒部
33 管接続部
34 分岐栓
43 分岐口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部を有し、該筒状部に分岐口が設けられた主管と、
該主管に連結される分岐管とを備え、
前記分岐管は、
前記筒状部に外嵌され、前記分岐口に連通する連通空間を該筒状部の外壁面との間に形成する連結筒部と、
内側空間が前記連通空間に連通する管接続部とを有し、
前記分岐管における前記連結筒部と前記管接続部との間の部分に分岐栓が装着され、
前記筒状部に前記連結筒部が外嵌された状態の前記分岐管は、前記筒状部の軸心回りに回動可能である分岐止水栓。
【請求項2】
前記主管に止水栓が装着され、
また、前記主管内には、前記止水栓とによって該主管内を該止水栓よりも上流側の空間と下流側の空間とに区画する区画壁が設けられ、
前記分岐口は、前記筒状部において前記止水栓よりも上流側の空間を形成する部分に設けられている請求項1に記載の分岐止水栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−52608(P2012−52608A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196067(P2010−196067)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000144072)株式会社三栄水栓製作所 (111)
【Fターム(参考)】