分岐部用カテーテルアセンブリのための膨出バルーンおよび方法
体内管分岐部を治療するように適合させたカテーテルアセンブリ。カテーテルアセンブリのバルーン部材は、本体部、および本体部から径方向外側に延びる円柱形状の膨出部を備える。膨出部は本体部の周面のまわりに延在する。カテーテルアセンブリのステントは、典型的にはバルーン部材に取り付けられる。体内管分岐部を治療する場合、カテーテルアセンブリは、膨出部を分枝管の口に対して軸方向に整合させた状態で、配置される。バルーン部材は、ステントの一部を分枝管内へと拡張させるように膨張させられる。バルーン部材の膨出部を周方向に構成することにより、分枝管の口に対するバルーン部材の径(回転)方向における位置合わせの必要性を低減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は体内管分岐部の治療のために構成されたカテーテルアセンブリに関する。構成例は、カテーテルアセンブリと共に用いられる膨出バルーン部材を提供する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、身体の様々な部分において、狭窄部(strictures)、狭窄(stenoses)および狭細(narrowing) のような病態を治療するために、ステントおよび膨張可能な構造体と共に用いられる。狭窄の拡張のため、および体内の治療部位にステントを搬送し展開するために、様々なカテーテル設計が開発されてきた。ステントは、体内管を拡張することにより、または体内管壁を補強することにより、例えば閉塞、狭窄、動脈瘤、解離、または弱化した、もしくは病変した、もしくは異常に拡張した体内管または管壁のような疾患を治療するために、典型的には、カテーテルによって、静脈、動脈、または他の管状体器官内において管腔内に配置される。ステントは、送達された後、バルーンのような1つ以上の膨張可能な部材を用いて拡張することができる。ステントは、弾性リコイルを防止し、管壁の再形成を行い、冠動脈のバルーン血管形成術によって生じた血管壁における解離を治療することによって、血管形成術の結果を改善することができる。ステントはまた、体内管の損傷部位の治療のための薬剤送達媒体としても用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のステント技術は比較的十分に開発されているが、体内管分岐部の領域の治療に関するステント技術は、依然として開発中である。体内管分岐部の治療に関する1つの課題は、ステントを用いて、分枝管への入口を取り囲む体内管分岐部の領域を治療することを含む。体内管分岐部の治療には、分枝管に対してステント送達システムの構造を整合させることを助けるために、複数のガイドワイヤを使用するシステムが用いられてきた。蛇行した系内において複数のガイドワイヤを整合させるのは複雑であるため、単一ワイヤを用いるシステムが好ましい。しかしながら、単一ワイヤシステム、および多くの複数のプルワイヤを用いるシステムでさえも、分枝管にアクセスするためには、展開したステントのストラット間を通してガイドワイヤを進める必要がある。体内管分岐部の治療に関するこれらおよび他の課題に対処するシステムおよび方法は、当業の進歩になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、体内管分岐部を治療するために用いられるバルーン部材およびカテーテルアセンブリに関する。バルーン部材の例は、本体部と、本体部から径方向外側に延びる円柱形状の膨出部とを備える。膨出部は、典型的には本体部の周面に延在する。ステントは、先端側開放端、基端側開放端、および先端側開放端と基端側開放端との間の位置に配置された拡張可能構造を備える。拡張可能構造は、ステントの側壁に対して径方向外側に拡張するように構成される。拡張可能構造は、典型的には、ステントの側壁の周面のまわりに拡張する。体内管分岐部を治療する場合、ステントは、拡張可能構造を分枝管口(分枝管開口とも称される)に対して軸方向において整合した状態で、配置される。バルーン部材は、拡張可能構造を分枝管へと拡張させるように、膨張させられる。バルーン部材の膨出部を周方向に構成することにより、分枝管口に対するバルーン部材の特定部分の半径(回転)方向における位置合わせの必要性が低減される。
【0005】
ステントの拡張可能構造の分枝管内への拡張により、ステントのストラット部材間に増大した間隔を生じさせることができる。ストラット部材間の増大した間隔は、医師によるステントの側壁を介した分枝管内へのガイドワイヤの進め易さを改善する。ステントの側壁を介して分枝管内に進めたガイドワイヤにより、拡張可能構造を分枝管と係合させるようにさらに拡張させるバルーン部材および/または分枝ステントを用いて分枝管のさらなる治療を行なうことができる。
【0006】
本開示による効果を得るために、一構成が本願において特徴付けられるすべての特徴を含む必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本開示の原理に従って構成されたステント送達システム用バルーンカテーテルの概略側面図であり、バルーンは周方向膨出部を備える。
【図2】バルーンが膨張状態にある図1に示したバルーンカテーテルの概略側面図。
【図3】3−3線における図2に示したバルーンカテーテルの断面図。
【図4】本開示の原理に従って構成されたステント送達システムで使用される別例のバルーンカテーテルアセンブリの概略側面図であり、バルーンカテーテルアセンブリは、拡張可能部分を提供するために複数のものを有するシースを備える。
【図5】5−5線における図4に示したバルーンカテーテルアセンブリの概略断面図。
【図6】図4に示したバルーンカテーテルアセンブリの概略側面図であり、バルーン部材は膨張状態にある。
【図7】7−7線における図6に示したバルーンカテーテルアセンブリの概略断面図。
【図8A】本開示の原理に従って構成されたステント送達システムと共に使用するための別例のバルーンカテーテルアセンブリの概略側面図であり、スリーブは、膨張時にバルーンの周方向膨出部を提供するように離間された先端側部材および基端側部材を備える。
【図8B】図8Aに示したバルーンカテーテルアセンブリの概略側面図であり、スリーブ部はらせん切り込み構造を備える。
【図9】バルーンが膨張状態にある図8Aに示したバルーンカテーテルアセンブリの概略側面図。
【図10】図1〜図8Bに示したバルーンカテーテルアセンブリの1つと共に使用するように構成されたステント部材の例の概略側面図。
【図11】図1〜図3に示したバルーンカテーテルアセンブリによって拡張されている図10に示したステント部材の概略側面図。
【図12】図1〜図3に示したバルーンカテーテルアセンブリの形成に使用されるバルーン型の例の概略斜視図。
【図13】図12に示したバルーン型の平面図。
【図14】14−14線における図13に示したバルーン型の断面図。
【図15】図13に示したバルーン型のバルーン膨出部の拡大図。
【図16】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図17】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図18】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図19】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図20】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図21】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図22】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図23】図1〜図3に示したバルーンカテーテルアセンブリを用いて、体内管分岐部を治療するいくつかの付加的な方法の例の初期工程を示す図。
【図24】図1〜図3に示したバルーンカテーテルアセンブリを用いて、体内管分岐部を治療するいくつかの付加的な方法の例の初期工程を示す図。
【図25】図23〜図24に関して記載した工程に続く、体内管分岐部を治療する方法の例のさらなる工程を示す図。
【図26】図23〜図24に関して記載した工程に続く、体内管分岐部を治療する方法の例のさらなる工程を示す図。
【図27】図23〜図24に関して記載した工程に続く、体内管分岐部を治療する方法の例のさらなる工程を示す図。
【図28】図23〜図24に関して記載した工程に続く、体内管分岐部を治療する方法のさらなる例のさらなる工程を示す図。
【図29】図23〜図24に関して記載した工程に続く、体内管分岐部を治療する方法のさらなる例のさらなる工程を示す図。
【図30】図23〜図24に関して記載した工程に続く、体内管分岐部を治療する方法のさらなる例のさらなる工程を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、分岐部治療システム、カテーテルアセンブリ、ステント送達システム、および患者の体内の分岐部を治療する関連した方法に関する。分岐部という用語は、1つの構成部分から2つ以上の構成部分へ分かれる部位を意味する。一般に、体器官の2つのタイプの分岐部としては、1)主管腔を画定する主管状部分と、前記主管状部分から延びる、または分岐する分枝管腔を画定する分枝管状部分とであって、前記主管腔および分枝管腔が互いに連通(以下、「連通」と称する)しているものと、2)主要または主管腔(親管腔とも称される)を画定し、かつ第1分枝管腔および第2分枝管腔を画定する第1分枝部分と第2分枝部分とに分離する主要または主部分とが挙げられる。管腔という用語は、管状器官(例えば血管)のような管状構造の腔または孔を意味する。
【0009】
分岐部の例は、連続した主管および分枝管を含む体内管分岐部であり、前記管は、互いに連通した主管腔と分枝管腔とをそれぞれ画定する。これに代えて、体内管分岐部は、第1分枝管と第2分枝管とに分かれる親管を含むことができ、これら管は、親管腔、並びに第1分枝管腔および第2分枝管腔をそれぞれ画定し、それらの管腔はすべて互いに連通している。
【0010】
本願において開示する本発明の原理の用途の例としては、心臓系、冠状動脈系、腎臓系、末梢血管系、胃腸系、肺系統、泌尿器系、および神経脈管系が挙げられる。本願において開示するカテーテルアセンブリ、システムおよび方法は、体内管分岐部の治療のために、体内管分岐部の分枝管の位置の特定および体内管分岐部に対するステントの留置に用いることができる。
【0011】
本願において開示するカテーテルアセンブリ、バルーン部材、ステントおよびステント送達システムの例は、単一ガイドワイヤ構成を用いた体内管分岐部の治療を提供する。一例において、カテーテルアセンブリのバルーン部材は、ステントの一部を主管から分枝管内へと径方向外側に拡張するために用いることができる。バルーン部材は、分枝管口または開口と軸方向において整合した状態で主管内に配置される。バルーンの拡張構造の形状および大きさは、バルーン部材の全周にわたってほぼ同一である。したがって、前記口に対するバルーンの径方向または回転方向の位置はあまり重要ではない。バルーン部材は、分枝管口に対する所与の回転位置において分枝管内への拡張により役立つ領域を有する特定のステント構造と共に用いることができる。
【0012】
ステントの少なくとも一部を分枝管内へ径方向外側に拡張させた後、ステントの径方向に拡張した部分を介して分枝管内にガイドワイヤが通され、体内管分岐部を治療するためにステントのさらなる拡張を支援する。ステントの径方向に拡張した部分を介して分枝管内に通されるために用いられるガイドワイヤは、主管内におけるステントの展開に用いられたものと同じガイドワイヤであってもよい。ガイドワイヤに沿って、後拡張バルーンカテーテルのような付加的な血管治療器具を、ステントの径方向に拡張した部分を介して、分枝管内に進めることができる。
【0013】
様々なバルーン部材構造、カテーテルアセンブリおよびステント、並びに体内管分岐部を治療する関連方法について、下記にさらに詳細に記載している。
(図1〜図3のカテーテルアセンブリの例)
ここで図1〜図3を参照すると、主カテーテル枝12の一例が図示され説明されている。主カテーテル枝12は、シャフト30、ガイドワイヤハウジング32、およびバルーン部材34を備える。バルーン部材34は、主バルーン部36および膨出部38を備える。主バルーン部36は、膨出部38の基端側に配置された基端部分40と、膨出部38の先端側に配置された先端部分42とに分けられる。
【0014】
図1は、収縮状態にあるバルーン部材34を有する主カテーテル枝12を示す。図2および図3は、膨張状態にある主バルーン部材34を示す。膨張したバルーン部材の基端部分および先端部分40,42は、バルーン径D1を画定する。前記部分40,42は長さL1,L2をそれぞれ有することができる。径D1は、部分40,42の各々について同一であり得る。あるいは、各部分40,42は、径D1について異なる値を有していてもよい。長さL1,L2は、代替構成において、同一であることも、異なることもできる。膨張した膨出部38は径D2を画定し、径D2は径D1より大きい。膨出部38はまた、バルーン部材34に沿って軸方向において幅W1を画定する。
【0015】
図3の断面図は、膨出部38が、主バルーン部36の周面のまわりで比較的一定の径D2を有することを示している。以下でさらに詳細に記載されるように、膨出部38は、分枝管口に対する膨出部38の径方向の向きにかかわらず、体内管分岐部の主管内から分枝管口を通って径方向外側に延在することによって、体内管分岐部を治療するために用いることができる。一例において、径D1は、約1〜3mmの範囲にあり、または別の例では、約1.5〜2.5mmの範囲にある。径D2は、約2〜6mmの範囲とすることができ、または別の例では、約3〜5mmの範囲とすることができる。径D2はまた、D1の大きさと関連して画定することができる。例えば、D2は、D1よりも約25〜約200%大きい範囲とすることができ、別の例では、D1の大きさの約50〜約150%大きい範囲とすることができる。
【0016】
幅W1は、典型的には、約0.5〜4mmの範囲にあり、一例においては、約1〜1.5mmの範囲にある。サイズ寸法D1、D2、Wは、例えば分枝管への口の大きさを含めた、体内管分岐部において治療しようとしている体内管の大きさによって変更することができる。典型的には、部分40、42の長さL1,L2の各々は、それぞれ、約2〜10mmである。L1およびL2の値は、同一であっても、異なっていてもよい。
【0017】
膨出部38は、成形プロセスを用いてバルーン部材34に形成することができる。図12〜図15は、バルーン部材34に膨出部38を形成するために用いることができるバルーン型の一部の例を示す。バルーン型本体18は、一定長の中空の円筒状カテーテル材料を受容する大きさにされた主バルーンキャビティ部80を備える。膨出部キャビティ82はバルーン型本体18に形成される。膨出部キャビティ82の両側の型インサート凹部81A,81B内には、一対の型インサート(図示せず)を配置することができる。型インサート(図示せず)の各々は、主バルーンキャビティ部80と整合した、長さを追加するバルーンキャビティを形成することができる。
【0018】
20,000psi(約137.9MPa)を超える壁強度を有する市販の高強度バルーンは、PET、ナイロン、ポリウレタンおよび様々なブロックコポリマー熱可塑性エラストマーを含む多様な種類のポリマー材料から形成されてきた。参照によって本願に援用される米国特許第4,490,421号明細書および同第5,264,260号明細書は、PETバルーンを開示している。参照によって本願に援用される米国特許第4,906,244号明細書および同第5,328,468号明細書は、ポリアミドバルーンを開示している。参照によって本願に援用される米国特許第4,950,239号明細書および同第5,500,180号明細書は、ポリウレタンブロックコポリマーから製造されたバルーンを開示している。参照によって本願に援用される米国特許第5,556,383号明細書および同第6,146,356号明細書は、ポリエーテルブロックアミドコポリマーおよびポリエステルブロックエーテルコポリマーから製造されたバルーンを開示している。参照によって本願に援用される米国特許第6,270,522号明細書は、高い曲げ弾性率のポリエステルブロックエーテルコポリマーから製造されたバルーンを開示している。参照によって本願に援用される米国特許第5,344,400号明細書は、ポリアリーレンスルフィドから製造されたバルーンを開示している。これらのバルーンは全て、ブロー成形の径方向拡張プロセスを用いて、ポリマー材料の押出チューブから製造される。参照によって本願に援用される米国特許第5,250,069号明細書、同第5,797,877号明細書、および同第5,270,086号明細書は、そのようなバルーンを製造するために用いられ得るさらなる材料を開示している。バルーンおよびカテーテルシャフトの材料のさらなる例を以下に列挙する。
【0019】
バルーン部材34のようなバルーンを製造する方法の例は、主バルーンキャビティ部80および膨出部キャビティ82内に捕捉された一定長の中空円筒状カテーテル材料に対する熱、内部圧力、および軸方向の張力の印加を含む。この方法の結果として生じる構造は、バルーン部材34に主バルーン部36および膨出部38を提供する。
【0020】
代替の方法は、主バルーン部36(すなわち約4〜5mmの径を有する主バルーン部)を形成する最初の成形プロセスの後に、第2工程において、第2成形プロセスで膨出部38を形成することを含む。第2成形プロセスは、主バルーン部36のバルーン材料を選択的に加熱し、バルーン材料を、バルーンの基端または先端において、所望の径(例えば直径約2〜3mm)に収縮させるか、またはくびれさせて、膨出部を形成することを含むことができる。この第2プロセスは、バルーン材料が収縮するために十分な程度にバルーン材料を柔らかくする特定の温度にバルーン材料を加熱することを含むことができる。この第2プロセスは、ステンレス鋼またはテフロン(登録商標)のような加熱された要素に直接接触させることによって行うことができる。あるいは、第2プロセスはバルーン材料に加熱空気を当てることによって行うことができ、これは、バルーン材料が初期の成形拡張から回復することを可能にし、径を急激に減少させる。
【0021】
(図4〜図7のカテーテルアセンブリの例)
ここで、図4〜図7を参照すると、主カテーテル枝112の一例が示されている。主カテーテル枝112は、シャフト30、ガイドワイヤハウジング32、バルーン部材134、およびスリーブアセンブリ14を備える。バルーン部材134は、基端部分40、先端部分42、および膨出部138を備える。膨出部138は、膨出部138がバルーン部材134に成形されていない点において、図1〜図3に関して上述した膨出部38とは異なる。膨出部138は、基端部分および先端部分40,42の拡張を制限すると同時に、膨出部138の領域におけるバルーン部材134のさらなる拡張を可能にするスリーブアセンブリ14を構成することによって生じる。典型的には、図4〜図7に示すバルーン部材134は、スリーブアセンブリ14がバルーン部材134上に配置されていない場合には、バルーン部材134の長さに沿って、かつバルーン部材134の周面のまわりにおいて一定の径を有するであろう。
【0022】
スリーブアセンブリ14は、先端側部分50、基端側部分52、および複数のスリーブ片56を画定する複数のスリット54を備える。スリット54の数、およびスリーブアセンブリ14の周面のまわりにおけるスリット54同士の間の放射方向における間隔は、スリーブ片56の様々な数、形状および大きさを提供するように変更することができる。
【0023】
スリーブアセンブリ14は、スリーブアセンブリ14の周面のまわりにおいて等しく離間された8つのスリット54を備え、7つのスリーブ片56を画定する。図4および図5は、バルーン部材134が収縮状態にある場合に、スリーブ片56が、バルーン部材134の周面のまわりにおいてどのように互いに隣接して配置されるかを示す。図6および図7は、バルーン部材134が膨張状態にある場合に、スリーブ片56が、バルーン部材134の膨出部138の周面のまわりにおいてどのように離間されるようになるかを示している。スリット54は、バルーン部材の周面のまわりにおけるバルーン部材134の膨出を可能にし、スリーブ片56が画定されている領域に膨出部138を形成する。膨出部138は、ステントの一部が体内管分岐部の分枝管内へと径方向外側方向に拡張することについて図1〜図3に関して記載した膨出部38と同様に機能することができる。
【0024】
スリーブアセンブリ14は、弾性材料または非弾性材料を含むことができる。一例において、スリーブアセンブリ14は、ポリウレタン(例えばTecothane またはTecophilic)またはシリコーンゴムのような弾性材料を含む。典型的には、弾性管状スリーブ部材の弛緩寸法(unstrained dimension)は、径D1よりも小さく、一部の例では、図4に示したような収縮した(すなわち、折り畳まれた)バルーンの径よりも小さい。
【0025】
(図8A〜図9の例)
図8Aおよび図9は別例の主カテーテル枝212を示す。主カテーテル枝212は、バルーン部材134およびスリーブアセンブリ214を備える。スリーブアセンブリ214は、先端側部分250および基端側部分252を備える。先端側部分250は、先端258および基端260を備え、長さL3を有する。基端側部分252は、先端262および基端264を備え、長さL4を有する。先端側部分252の基端260は、基端側部分252の先端262から軸方向において離間される。バルーン部材134の膨張前における先端側部分250と基端側部分252との間の軸方向間隔W2は、バルーン部材134が膨張する際に、バルーン部材134の膨出部238の径方向外側への拡張を可能にする(図9参照)。
【0026】
膨出部材238の結果として生じる幅W1は、ひとつには、バルーン部材134の膨張前、膨張中、および膨張後の基端260と先端262との間の間隔W2に応じて決まる。間隔W2は、例えば、バルーン部材134の全長L5、主カテーテル枝212によって治療しようとしている体内管分岐部の主管および分枝管の大きさおよび形状、並びにスリーブアセンブリ214に用いられる材料におけるコンプライアンスの程度に応じて変更することができる。典型的には、スリーブアセンブリ214の間隔W2と長さL3,L4を合わせた長さは、バルーン部材134の全長L5以下である。あるいは、間隔W2および長さL3,L4の寸法は、バルーン部材134の先端部分42を越えて先端方向に延びるスリーブ部材250の先端258と、バルーン部材134の基端部分40を越えて基端方向に延びるスリーブ部材252の基端264とを生じさせる。
【0027】
一部の実施形態では、基端および先端260,262は、バルーン部材134の膨出部238の形成を支援し得るフレア構造(図示せず)を有し得る。そのようなフレア部分はまた、バルーン部材134の膨張および収縮の間にバルーン部材134に損傷が発生することを低減するよう支援することができる。
【0028】
スリーブアセンブリ214の先端側部分および基端側部分250,252は、少なくとも1つのらせん状の切り込み259を備えることができる。らせん状切り込み259は、基端260と先端262との間に配設された、バルーン部材134の膨張の間に膨出部238が形成される領域以外におけるバルーン部材134の拡張および膨張を制限する、先端側部分および基端側部分250,252の制限された径方向の拡張を提供することができる。らせん状切り込み259はまた、カテーテル枝212に、より高い可撓性を付与することができる。典型的には、らせん状切り込み259は、スリーブ部250,252の基端260,264、先端258,262までは延びない(図8B参照)。
【0029】
らせん状切り込み259は、体内管分岐治療部位に対するカテーテル枝212の「押圧性」を増大するための高められた軸方向強度(column strength) 、バルーン部材134の拡張抵抗力のための高い径方向強度、および蛇行した解剖学的構造内を辿るためのさらに良好な可撓性を提供することができる。らせん状切り込み259はまた、バルーン収縮の際に一定レベルの弾性収縮力を維持することを助け、そのような弾性収縮力により膨出領域から膨張媒体をより急速に除去することができ、拡張したステント区域から抜去する際に、そのシステムの外形、すなわち「収縮容積」を最小にし、それにより、許容できない抜去力を必要とする可能性を低減することができる。
【0030】
(図10および図11のステントの例)
図10は、体内管分岐部の治療のために本願において開示する主カテーテル枝と共に使用するためのステント16の一例を示す。ステント16は基端側開放端および先端側開放端70,72、拡張可能構造区域74、ストラット76の複数の列、並びにストラット76の複数の列の間の複数の接続点77を備える。
【0031】
ストラット76の列の密集度と限られた数の接続点77とにより、図11に示すように、ステント16がバルーン部材34の膨出部38によって拡張されるときに、ストラット76の一部の間隔78の増大がもたらされる。間隔78により、ガイドワイヤがストラット76間を介して体内管分岐部の分枝管内へより容易に進むことができる。拡張可能構造区域76は、ステント16の周面の任意の位置において、ストラット76が分枝管内へと径方向外側に延在する配向を提供するように意図される。したがって、ステント16は任意の径方向の回転位置においても同様に機能するため、分枝管への開口に対する拡張可能構造区域74の径方向配向は重要ではない。
【0032】
ステント16のためのいくつかの構造の例は、2007年5月30日出願の「STENT WITH OVERLAP AND HIGH EXPANSION 」と題された同時係属中の米国特許出願第11/755,592号明細書、および2006年3月29日出願の「STENT WITH OVERLAP AND HIGH EXPANSION 」と題された米国特許出願第11/3920,047号明細書に開示されている。前記特許文献は、参照によって本願に援用される。
【0033】
(図16〜図22の治療方法)
図16〜図22は、体内管分岐部20を治療する方法の一例を示す。体内管分岐部20は、主管90、分枝管92、および主管90から分枝管92への開口を画定する口94、並びに主管および分枝管90,92の交点に位置するカリナ構造(carina feature)96を備える。
【0034】
初めに、ガイドワイヤ22は、主管を通って口94の遠位の位置に進められる。次に、第1カテーテルアセンブリ10が、ガイドワイヤ22を伝って、分枝管92の口94にまたがる位置に進められる。第1カテーテルアセンブリ10は、ステント16が配置された一定径のバルーン26を有する副カテーテル枝24を備える。典型的には、ステント16は、例えば、圧着またはステント16をバルーン26に解放可能に取り付ける関連方法を用いて、バルーン26に取り付けられる。次に、バルーン26を膨張させて、ステント16を、分枝管92への口94に対向する側において主管90と係合するように拡張させる。
【0035】
ここで図19を参照すると、副カテーテル枝24は、ガイドワイヤ22を伝って基端方向に後退させられ、体内管分岐部20をさらに治療するために、主カテーテル枝12がガイドワイヤ22を伝って進められる。主カテーテル枝12は、膨出部38を有するバルーン部材34を備える。主カテーテル枝12は、口94を介してステント16の一部を分枝管92内に拡張させるための膨出部を画定するカテーテル枝112,212および上述したそれらの別例のうちのいずれとも置き換えることができる。主カテーテル枝12は、膨出部38が分枝管92の口94と整合する軸方向位置に進められる。一部の構成において、バルーンは、ステント16の基端側開放端70の基端側に基端40が配置され、ステント16の先端側開放端72の先端側に先端部分42が配置されるように構成される。
【0036】
ここで、図20を参照すると、バルーン部材34は膨張しており、膨出部38は、ステント16の拡張可能構造区域74を径方向外側に向かって分枝管92内へと径方向に拡張させている。図10および図11に関して上記で検討したように、バルーン34の膨出部38の膨張は、ステント16のストラット部材の径方向外側への拡張をもたらすだけでなく、分枝管への口領域におけるストラット間の間隔の増大をもたらす。口領域においてステントストラット間の間隔が増大することにより、ガイドワイヤおよび他の治療器具を、ステント側壁を介して、分枝管92内へとより進め易くすることができる。
【0037】
バルーン部材34の基端側部分および先端側部分40,42の径D1は、主管90の内径D3よりも小さな寸法とされる。膨出部38の径D2は、主管90の内径D3よりも大きな寸法とされる。バルーン部材34が膨張すると、主カテーテル枝12の軸線Aが主管90の中心軸Bから距離Cだけずれるように、主カテーテル枝12が分枝管92に向かって移動する。主管90内において主カテーテル枝12が距離Cだけ移動することにより、膨出部38によって口94の向かい側の主管90の部分91上に加えられる応力の量を制限すると同時に、ステント16の拡張可能構造区域94の分枝管90内への拡張がもたらされる。径D1が主管90の内径D3とほぼ等しく、膨出部径D2が径D1,D3よりも大きい構成では、膨出部38は、分枝管92の口94以外の領域における拡張可能構造区域74の望ましくない拡張に加えて、主管90の領域91に望ましくない力および応力を加えることがある。
【0038】
拡張可能構造区域74をステント16から分枝管内へと径方向外側に拡張させた後、バルーン部材34を収縮させて、体内管分岐部から後退させる。前記拡張は、分枝管90の口94の領域において複数のストラット列間の離間ももたらす。ここで、図21を参照すると、ガイドワイヤ92は、拡張可能構造区域74および口94の基端側の位置へ基端方向に後退させられ、次いで、拡張可能構造区域74を介して分枝管92内へと進めることができる。分枝管92内に配置されたガイドワイヤ22により、副カテーテル枝24のようなさらなる治療器具が、ガイドワイヤ22に沿って、拡張可能構造区域74を通って進められ、少なくとも部分的に分枝管92内に延び得る。副カテーテル枝24の膨張は、拡張可能構造区域74をさらに伸張および拡張させて、ステント16に側面開口79を形成することができる。典型的には、カリナ96および分枝管92の他の部分と係合するようにステント16の係合を提供するように、拡張可能構造区域74を十分に拡張させることが望ましい。
【0039】
体内管分岐部20のさらなる治療は、分枝管92内で分枝ステントを展開させることを含むことができ、分枝ステントは拡張可能構造区域74の側面開口79を通って進められ、拡張可能構造区域70に少なくとも部分的に重なり合う。
【0040】
膨出部38,138,238の使用は、ストラット(例えばストラット76)を主管90から分枝管92に移動させるために特に重要となり得る。副バルーン26は、典型的には、ストラット76を側枝の壁に向かって押し付けることのみに有効である(図22参照)。通常、膨出部38,138,238がストラット76を分枝管90内により遠くに移動させることができるほど、カテーテル枝12,112,212は体内管分岐部20の治療を助けるのにより有効となり得る。
【0041】
(図23〜図29の治療方法)
図23〜図30は、上述した主カテーテル枝12を用いて、体内管分岐部位においてステント16を少なくとも部分的に展開させる方法工程を示す。示した例は、膨出部38を備えたバルーン部材34を有する主カテーテル枝12の使用を含むが、主カテーテル枝構成112,212、および図4〜図9に関して上述したようなそれらの別例も、体内管分岐部20の治療方法において用いることができる。
【0042】
図23〜図24は、図25〜図27および図28〜図30を参照してさらに説明する治療方法の初期工程を示す。該方法の第1工程は、ガイドワイヤ22を主管90内において分枝管92の口94を横切ってまたがる位置に進めることを含む(例えば図16参照)。次に、カテーテルアセンブリ10は、ガイドワイヤ22を伝って、バルーン部材34の膨出部38が口94と軸方向において整合する位置に進められる。バルーン部材34は、バルーン部材34の周面のまわりの膨出部38の比較的一定な形状および大きさにより、口94に対して径方向に回転した任意の位置に配置することができる。次に、図24を参照すると、バルーン部材34は、少なくとも部分的にバルーン部材34の基端側部分および先端側部分40,42並びに拡張可能構造区域74を拡張するように膨張させられる。
【0043】
典型的には、基端側部分および先端側部分40,42の外径D1は、主管90の内径D3より小さい。膨出部38の径D2は、典型的には径D3より大きい。バルーン部材34の膨張は、主カテーテル枝12を分枝管92に向かって、主カテーテル枝12の軸線Aと主管90の中心軸線Bとの間に画定される距離Cだけ移動させる傾向がある。径D1と径D3との差は、典型的には、膨出部38によって拡張される拡張可能構造区域74の領域以外において、ステント16と主管90との間に限定された係合を生じる。典型的には、膨出部38の膨張は、口94の向かい側の主管90の領域91において過度の応力を生じることなく、ステント16を口94に対して径方向位置および軸方向位置に固定する主管90との係合面を形成するために十分な拡張可能構造区域74の拡張を提供する。ステント16の拡張可能構造区域74を所望のように拡張させた後、バルーン部材34を収縮させて、主カテーテル枝12を患者から基端方向に後退させることができる。
【0044】
さらに、体内管分岐部20の治療は、図25〜図27に関して記載するような異なる方法、および図28〜図30に関して記載する別法で行なうことができる。
ここで図25〜図27を参照すると、主カテーテル枝12を後退させた後、ガイドワイヤ22は、ステント16内へと基端方向に後退させられ、次いで、拡張可能構造区域74の領域においてステント16の側壁を通って、分枝管92内へと進められる。図10および図11に関して説明したステントの例のようないくつかのステント構造の使用は、拡張可能構造区域74において隣接したストラット間の改善された間隔を提供することができる。これは、ガイドワイヤ22のステント側壁を介した分枝管92内への進め易さを改善する。
【0045】
図26を参照すると、副カテーテル枝24は、ガイドワイヤ22に沿って拡張可能構造区域74を通って進められ、少なくとも部分的に分枝管92内へと延びている。副カテーテル枝24のバルーン26の膨張は、拡張可能構造区域74に拡張された側面開口79を形成する。バルーン26の拡張はまた、カリナ96のような分枝管92の一部と係合するように拡張可能構造区域74のストラットの係合を提供することができる。拡張可能構造区域74の基端側のステント16の部分内におけるバルーン134の拡張は、側面開口または開口79を形成することができる。バルーン134の拡張はまた、拡張可能ステント構造区域74の基端側のステント16の部分を図26に示すように主管90と係合するように拡張させることができる。拡張可能構造区域74の先端側のステント16の部分は、依然として、主管90と完全には係合されていない部分的拡張状態のままであり得る。
【0046】
分枝管92内におけるバルーン26の膨張後、バルーン26は、少なくとも部分的に収縮させられ、拡張可能構造区域74の基端側の位置へ基端方向に後退させることができる。主ガイドワイヤ22も、分枝管および側面開口79から基端方向に後退させられ、次いで、ステント16の先端側開放端72を通って主管90内を先端方向に進めることができる。次に、副カテーテル枝24(または別のバルーンカテーテル)は、ガイドワイヤ22に沿って、少なくとも部分的にステント16の先端側開放端72を通って進められる。バルーン26を図27に示すように膨張させて、少なくともステント16の側面開口79の先端側に位置する部分を主管90と係合するように拡張させる。図27に示すようないくつかの構成では、バルーン部材34は、基端側開放端40から先端側開放端42までステント16の全長にわたって延びるために十分な長さを有する。バルーン26は、側面開口79の基端側および先端側の双方において主管90と係合するステント16の比較的一致した拡張を提供することができる。
【0047】
図28〜図30は、図23および図24に示す初期工程の後の体内管分岐部20を治療する別の方法を示す。主カテーテル枝12を基端方向に後退させた後に、ガイドワイヤ22は、主管90内の適所に維持され、副ガイドワイヤ枝24が、口94にまたがるように、主管ガイドワイヤ22上を伝って進められる。次に、バルーン26を膨張させて、ステント16の拡張可能構造区域74の基端側および先端側に位置する部分を、図28に示すように主管90と係合するように拡張させる。次に、副カテーテル枝24およびガイドワイヤ22は、拡張可能構造区域74および口94の基端側に後退させられる。ガイドワイヤ22は、拡張可能構造区域74を通って分枝管92内へ進められる。副カテーテル枝24は、ガイドワイヤ22を伝って拡張可能構造区域74を通って進められ、分枝管92内に少なくとも部分的に延びる。次に、バルーン26を図30に示すように膨張させて、拡張可能構造区域74をさらに拡張させて、側面開口79を形成する。膨張バルーン26は、拡張可能構造区域74を、カリナ96のような分枝管92の一部と係合するように拡張させることができる。
【0048】
体内管分岐部20は、例えば分枝管92内に配置された分枝ステントを展開させて、口94の領域において拡張可能構造区域74と少なくとも部分的に重ね合わせることによって、さらに治療され得る。
【0049】
図1〜図29に関して上述した様々な方法システムおよび方法は、単一ガイドワイヤを用いた体内管分岐部の治療を提供する。体内管分岐部の治療に単一ガイドワイヤを用いることは、2本以上のガイドワイヤを用いる場合に存在する問題(例えばガイドワイヤが絡まる問題)を回避することにより、治療過程の複雑さを低減し得る。更に、バルーン部材の全周に延びる膨出部を有するバルーン部材の使用は、分枝管の口に対して径方向および軸方向の双方において整合させなければならないバルーン部材の長さに沿った所与の位置に膨出部を有するバルーン部材を使用した場合と比較して、利点を有し得る。体内管分岐部の治療のためにバルーンの膨出部の径方向の位置決めの必要を実質的になくすことにより、分枝管内へのステントの一部の径方向外側への拡張の提供を改善し得る。
【0050】
(材料および他の考察)
本願で開示するバルーンおよびカテーテルシャフトに使用される材料は、例えば、熱可塑性ポリマー、ポリエチレン(高密度、低密度、中間密度、直鎖低密度)、ポリエチレンのコポリマーおよびブレンド、イオノマー、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリエーテル−ポリエステルコポリマー、およびポリエーテルポリアミドコポリマーを含む、好適な材料から製造され得る。好適な1つの材料は、Surlyn(登録商標)というコポリマーポリオレフィン材料(米国デラウェア州ウィルミントン所在のデュポン ド ヌムール社(DuPont de Nemours)である。さらに好適な材料としては、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマー材料、ポリ(エチレンテレフタレート)(一般にPETと称される)、熱可塑性ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレンが挙げられる。いくつかの他の材料の例としては、ポリウレタン、およびポリアミド−ポリエーテルブロックコポリマーまたはアミド−テトラメチレングリコールコポリマーのようなブロックコポリマーが挙げられる。付加的な例としては、PEBAX(登録商標)(ポリアミド/ポリエーテル/ポリエステルブロックコポリマー)ポリマー群、例えばPEBAX(登録商標)70D、72D、2533、5533、6333、7033または7233(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア所在のエルフ アトケム社(Elf AtoChem) から入手可能)が挙げられる。他の例としては、脂肪族ナイロン、例えば、Vestamid L2101 IF、ナイロン11(エルフ アトケム社(Elf Atochem) )、ナイロン6(アライド シグナル社(Allied Signal) )、ナイロン6/10(ビーエーエスエフ社(BASF))、ナイロン6/12(アシュリー ポリマーズ社(Ashley Polymers) )、ナイロン12のようなナイロンが挙げられる。ナイロンの付加的な例としては、Grivory(登録商標)(イーエムエス社(EMS))およびナイロンMXD−6のような芳香族ナイロンが挙げられる。他のナイロンおよび/またはナイロンの組み合わせを用いることもできる。さらにさらなる例としては、CELANEX(登録商標)(米国ニュージャージー州サミットに所在するティコナ社(Ticona)から入手可能)のようなポリブチレンテレフタレート(PBT)、例えばARNITEL(登録商標)EM740などのARNITEL(登録商標)(米国インディアナ州エリオンスピラ(Erionspilla) に所在するディエスエム社(DSM)から入手可能)のようなポリエステル/エーテルブロックコポリマー、Trogamid(PA6−3−T、デグッサ(Degussa) )のような芳香族アミド、およびHYTREL(登録商標)(米国デラウェア州ウィルミントンに所在するデュポン ド ヌムール社(Dupont de Nemours) )のような熱可塑性エラストマーが挙げられる。一部の実施形態において、PEBAX(登録商標)、HYTREL(登録商標)およびARNITEL(登録商標)材料は、約45D〜約82DのショアD硬度を有する。前記バルーン材料は、純粋な状態で用いてもよいし、またはブレンドとして用いてもよい。例えば、ブレンドは、PBTと、RITEFLEX(登録商標)(ティコナ社から入手可能)、ARNITEL(登録商標)またはHYTREL(登録商標)のような1種以上のPBT熱可塑性エラストマーとを含んでもよいし、またはポリエチレンテレフタレート(PET)と、PBT熱可塑性エラストマーのような熱可塑性エラストマーとを含んでもよい。バルーン材料の付加的な例は米国特許第6,146,356号明細書に見られる。個々の実施形態について以下で開示する特定の材料は、その実施形態をそれらの材料に制限するものではない。
【0051】
本願において開示するスリーブ部材は、本願で開示するバルーンおよびカテーテルシャフトに用いられるものと同一または類似した材料で形成することができる。一部の実施形態において、スリーブ部材は、内面または外面上に配置されるか、または内部に埋設された補強繊維を含むことができる。いくつかの非弾性繊維の例は、「REINFORCED AND DRUG-ELUTING BALLOON CATHETERS AND METHODS FOR MAKING SAME 」と題された同時係属中の国際公開第2006/042260号に記載されている。前記文献は参照によって本願に援用される。そのストランドは組成物中において弾性であっても、非弾性であってもよい。補強用ストランドは、スリーブ部材の軸方向または径方向の剛性を増大させるために用いることができる。補強用ストランドはまた、スリーブ部材の拡張を制限するために用いることもできる。ストランドは織成されても、巻回されてもよく、単一巻回方向または反対の巻回方向になされ得る。補強用ストランドとして用いられる製品の例は、3M(商標名)のNextel(商標名)連続セラミック酸化物繊維312、440、550、610および720である。別の補強用ストランド材料の例は、織物用ステンレス鋼線316Lである。ステンレス鋼材の例としては、大韓民国、デジョン、デジョン、ユング グ、エンヘン ドン 26−1、ハンクク ビルディング、9/F(Hungkuk Building, Enhaeng dong 26-1, Jung gu, Daejeon, Daejeon, South Korea) 所在のアイ アンド ジー トレーディング社(I & G Trading) によって販売されている35マイクロメートルのステンレス鋼316l製品、およびオランダ国 クーストラット 1−6167 RA ゲレーン ピー.オー.ボックス 18−6160 エムディ ゲレーン(Koestraat 1- 6167 RA Geleen P.O. Box 18 - 6160 MD Geleen)所在のDSM バイオメディカル マテリアルズ社(DSM Biomedical Materials)によって販売されているDyneema(登録商標)繊維が挙げられる。
【0052】
一部の実施形態において、バルーン、カテーテルシャフト、およびスリーブ部材は、生物学的作用物質または生物学的製剤で被覆されているか、またはそれらを溶出することができる。そのような用途における使用に好適ないくつかの生物学的作用物質および生物学的製剤は、米国特許出願公開第2006/45901号明細書および米国特許第5,304,121号明細書、同第5,954,706号明細書、同第6,358,556号明細書、同第6,120,847号明細書、および同第6,156,373号明細書に開示されている。前記特許文献は、参照によって本願に援用される。本願に開示されるバルーン、カテーテルシャフト、およびスリーブ部材はまた、孔、細孔、ポケット、格子、チャネル、リブ、くぼみ、凹状または凸状構造、貯蔵部、UVで除去処理した表面構造、および/または指状の構造をなす「繊維」のような突起といったナノまたはミクロ表面構造を有し得る。本願に開示されるバルーン、カテーテルシャフト、およびスリーブ部材はまた、表面エネルギー改良のための処理、および薬剤、生物学的作用物質、抗凝血剤、親水性または疎水性の被覆物および効果のコーティングを含み得る。
【0053】
上述したカテーテルアセンブリの例において、前記構造のうちのいくつかは、その外面上に潤滑性コーティングを備え得る。前記コーティングは、体内管分岐部の分枝管内への分枝バルーンの挿入を促進することができる。前記コーティングはまた、ステントの拡張後にカテーテルアセンブリを収縮させて体内管分岐部から除去する場合に、分枝管およびステントの分枝開口からの分枝バルーンの除去を改善することができる。分枝バルーンと共に使用するためのいくつかのコーティングの例としては、ポリアリーレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシルアルキルセルロース誘導体、アルギン、糖類、カプロラクトンのような親水性ポリマー、並びにそれらの混合物および組み合わせが挙げられる。親水性ポリマーは、好適な潤滑性、接着性および可溶性を備えたコーティングを生成するために、親水性ポリマー同士でブレンドしてもよいし、または処方量の水不溶性化合物(一部のポリマーを含む)とブレンドすることもできる。一部の例において、本願に記載される器具の一部は、親水性ポリマー、またはテフロン(登録商標)としてより知られているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフルオロポリマーで被覆され得る。
【0054】
図16〜図29に関して上記で検討した方法は、図10〜図11に関して説明したステント16のようなステント構造を用いて説明したが、そのような特殊なステント構造は必ずしも必要ではない。ステントの長さに沿って一貫したストラット構造を有するステント構造のような標準的なステントが、図1〜図11に関して説明した膨出部を有するバルーン部材とともに使用され得る。いくつかの標準的なステント構造の例は、ボストン サイエンティフィック コーポレイション(Boston Scientific Corp.) によって提出された米国特許第6,913,619号明細書、同第6,945,993号明細書、同第7,223,283号明細書に開示されている。前記特許文献は、参照によって本願に援用される。他のステントの例は、例えば米国特許第6,210,429号明細書および同第6,325,826号明細書、および2003年8月21日出願の「ST ENT WITH A PROTRUDING BRANCH PORTION FOR BIFURCATED VESSELS 」と題された同時係属中の米国特許出願第10/644,550号明細書に開示されている。前記特許文献は、参照によって本願に援用される。
【0055】
(結論)
本開示の一態様は、ステントおよびカテーテル枝アセンブリを備えるカテーテルアセンブリに関する。ステントは内部容積を画定し、先端側開放端、基端側開放端、およびステントの側壁を画定する拡張可能なストラット構造を有する。カテーテル枝アセンブリは、先端部分を有するカテーテルシャフトと、該カテーテルシャフトの先端部分から延びるバルーン部材とを備える。バルーン部材は、該バルーン部材が膨張するときに、本体部と膨出部とを有する。本体部は先端部分および基端部分を有する。膨出部は、本体部の先端部分と基端部分との間の位置に配置されている。膨出部は、膨張時に、ステントをステントの側壁に対して径方向外側方向に拡張させるように構成されている。
【0056】
本開示の別の態様は、先端部分を有するカテーテルシャフト、バルーン部材、ガイドワイヤハウジング、およびスリーブを備えるカテーテル枝アセンブリに関する。バルーン部材はカテーテルシャフトの先端部分から延び、かつ本体部を備える。本体部は先端部分および基端部分を有する。ガイドワイヤハウジングは、カテーテルシャフトおよびバルーン部材を通って延びる。スリーブは、バルーン部材上に配置され、かつバルーン部材の本体部の長さに沿って軸方向に離間された先端側部分および基端側部分を有する。シースの先端側部分および基端側部分は、本体部の先端部分および基端部分の径方向の拡張を制限するように構成されている。スリーブは、スリーブの軸方向に離間された先端側部分と基端側部分との間の位置において露出された本体部の部分の径方向の拡張に対する制限がより少なくなるように構成されている。スリーブは、スリーブの基端側部分と先端側部分との間の位置においてスリーブに形成された軸方向に配列された複数のスリットを備えることができる。スリットは軸方向に配列された複数のスリーブ片を画定する。
【0057】
本開示のさらなる態様は、カテーテルシャフトおよびバルーン部材を備えるバルーンカテーテルに関する。カテーテルシャフトは先端部分を有する。バルーン部材は、カテーテルシャフトの先端部分に配置され、かつ本体部および膨出部を備える。本体部は、基端部分、先端部分、および本体部の周面を画定する外面を有する。本体部は、バルーン部材が膨張したときに、最大幅寸法を有する。膨出部は、本体部の先端部分と基端部分との間の位置に配置される。膨出部は本体部の周面のまわりに延在し、かつバルーン部材が膨張すると、本体部の最大幅寸法より大きな最大幅寸法を有する。
【0058】
本開示のさらなる態様は、カテーテルアセンブリによってステントを拡張する方法に関する。カテーテルアセンブリは、バルーン部材を有するカテーテル枝アセンブリを備える。バルーン部材は、主バルーン部と、主バルーン部の周面のまわりに延在する膨出部とを備える。膨出部は、主バルーン部の最大径方向寸法より大きな最大径方向寸法を有する。ステントはバルーン上に配置され、本体部および拡張可能構造部分を有する。前記方法は、バルーン部材を膨張させることと、バルーン部材の膨張した膨出部によって、ステントの拡張可能構造部分を径方向外側方向に拡張することとを含む。前記方法はまた、ステントの本体部を拡張させることを含み得る。ステントの拡張した拡張可能構造部分の最大拡張寸法は、ステントの本体部の最大拡張寸法よりも大きい。
【0059】
本開示の別の態様は、カテーテルアセンブリによって体内管分岐部を治療する方法に関する。カテーテルアセンブリは、ガイドワイヤ、カテーテル枝およびステントを備える。カテーテル枝は、主バルーン部および膨出部を有するバルーン部材を備える。膨出部は、主バルーン部の周面のまわりに延在し、主バルーン部の基端部分と先端部分との間の位置に配置される。ステントは、膨出部と整合するようにバルーン部材上に配置される。前記方法は、ガイドワイヤを体内管分岐部の主管内で体内管分岐部の分枝管の口を越えて先端方向に進めることと、カテーテル枝およびステントを、ガイドワイヤ上を伝わせて体内管分岐部に進め、バルーン部材の膨出部を分枝管の口と軸線方向において整合させることとを含み得る。前記方法はまた、バルーン部材を膨張させて、ステントの少なくとも一部を、前記口を介して分枝管内へと拡張させることと、カテーテル枝を基端側に後退させることと、ガイドワイヤを前記口の基端側に後退させることと、ガイドワイヤを拡張したステントの一部を通して分枝管内に進めることと、副バルーンカテーテルを、ガイドワイヤを伝って拡張したステントの一部を通して進めることと、副バルーンカテーテルによって前記ステントの一部をさらに拡張させることとを含み得る。
【0060】
本開示の関連する態様は、カテーテルアセンブリによって体内管分岐部を治療する方法に関する。カテーテルアセンブリは、ガイドワイヤ、カテーテル枝およびステントを備える。カテーテル枝は、主バルーン部および膨出部を有するバルーン部材を備える。膨出部は、主バルーン部の周面のまわりに延在し、主バルーン部の基端部分と先端部分との間の位置に配置される。ステントは、膨出部と整合するようにバルーン部材上に配置される。前記方法は、ガイドワイヤを体内管分岐部の主管内で体内管分岐部の分枝管の口を越えて先端方向に進めることと、主管内のステントを前記口にまたがるように配置することと、ステントを主管と係合するように拡張させることと、カテーテル枝を、ガイドワイヤを伝って体内管分岐部まで進め、バルーン部材の膨出部を分枝管の口と軸方向において整合させることとを含み得る。前記方法は、バルーン部材を膨張させて、ステントの少なくとも一部を前記口を介して分枝管内へと拡張させることと、カテーテル枝を基端方向に後退させることと、ガイドワイヤを前記口の基端側に後退させることと、ガイドワイヤを拡張したステントの一部を介して分枝管内に進めることと、副バルーンカテーテルを、ガイドワイヤを伝って拡張したステントの一部を介して進めることと、副バルーンカテーテルによって前記ステントの一部をさらに拡張させることとをさらに含み得る。
【0061】
上記の明細書、実施例およびデータは、本発明の構成物の製造および使用の完全な説明を提供する。本発明の多くの実施形態は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、実施され得るので、本発明は以下に添付される特許請求の範囲内に存する。
【技術分野】
【0001】
本開示は体内管分岐部の治療のために構成されたカテーテルアセンブリに関する。構成例は、カテーテルアセンブリと共に用いられる膨出バルーン部材を提供する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、身体の様々な部分において、狭窄部(strictures)、狭窄(stenoses)および狭細(narrowing) のような病態を治療するために、ステントおよび膨張可能な構造体と共に用いられる。狭窄の拡張のため、および体内の治療部位にステントを搬送し展開するために、様々なカテーテル設計が開発されてきた。ステントは、体内管を拡張することにより、または体内管壁を補強することにより、例えば閉塞、狭窄、動脈瘤、解離、または弱化した、もしくは病変した、もしくは異常に拡張した体内管または管壁のような疾患を治療するために、典型的には、カテーテルによって、静脈、動脈、または他の管状体器官内において管腔内に配置される。ステントは、送達された後、バルーンのような1つ以上の膨張可能な部材を用いて拡張することができる。ステントは、弾性リコイルを防止し、管壁の再形成を行い、冠動脈のバルーン血管形成術によって生じた血管壁における解離を治療することによって、血管形成術の結果を改善することができる。ステントはまた、体内管の損傷部位の治療のための薬剤送達媒体としても用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のステント技術は比較的十分に開発されているが、体内管分岐部の領域の治療に関するステント技術は、依然として開発中である。体内管分岐部の治療に関する1つの課題は、ステントを用いて、分枝管への入口を取り囲む体内管分岐部の領域を治療することを含む。体内管分岐部の治療には、分枝管に対してステント送達システムの構造を整合させることを助けるために、複数のガイドワイヤを使用するシステムが用いられてきた。蛇行した系内において複数のガイドワイヤを整合させるのは複雑であるため、単一ワイヤを用いるシステムが好ましい。しかしながら、単一ワイヤシステム、および多くの複数のプルワイヤを用いるシステムでさえも、分枝管にアクセスするためには、展開したステントのストラット間を通してガイドワイヤを進める必要がある。体内管分岐部の治療に関するこれらおよび他の課題に対処するシステムおよび方法は、当業の進歩になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、体内管分岐部を治療するために用いられるバルーン部材およびカテーテルアセンブリに関する。バルーン部材の例は、本体部と、本体部から径方向外側に延びる円柱形状の膨出部とを備える。膨出部は、典型的には本体部の周面に延在する。ステントは、先端側開放端、基端側開放端、および先端側開放端と基端側開放端との間の位置に配置された拡張可能構造を備える。拡張可能構造は、ステントの側壁に対して径方向外側に拡張するように構成される。拡張可能構造は、典型的には、ステントの側壁の周面のまわりに拡張する。体内管分岐部を治療する場合、ステントは、拡張可能構造を分枝管口(分枝管開口とも称される)に対して軸方向において整合した状態で、配置される。バルーン部材は、拡張可能構造を分枝管へと拡張させるように、膨張させられる。バルーン部材の膨出部を周方向に構成することにより、分枝管口に対するバルーン部材の特定部分の半径(回転)方向における位置合わせの必要性が低減される。
【0005】
ステントの拡張可能構造の分枝管内への拡張により、ステントのストラット部材間に増大した間隔を生じさせることができる。ストラット部材間の増大した間隔は、医師によるステントの側壁を介した分枝管内へのガイドワイヤの進め易さを改善する。ステントの側壁を介して分枝管内に進めたガイドワイヤにより、拡張可能構造を分枝管と係合させるようにさらに拡張させるバルーン部材および/または分枝ステントを用いて分枝管のさらなる治療を行なうことができる。
【0006】
本開示による効果を得るために、一構成が本願において特徴付けられるすべての特徴を含む必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本開示の原理に従って構成されたステント送達システム用バルーンカテーテルの概略側面図であり、バルーンは周方向膨出部を備える。
【図2】バルーンが膨張状態にある図1に示したバルーンカテーテルの概略側面図。
【図3】3−3線における図2に示したバルーンカテーテルの断面図。
【図4】本開示の原理に従って構成されたステント送達システムで使用される別例のバルーンカテーテルアセンブリの概略側面図であり、バルーンカテーテルアセンブリは、拡張可能部分を提供するために複数のものを有するシースを備える。
【図5】5−5線における図4に示したバルーンカテーテルアセンブリの概略断面図。
【図6】図4に示したバルーンカテーテルアセンブリの概略側面図であり、バルーン部材は膨張状態にある。
【図7】7−7線における図6に示したバルーンカテーテルアセンブリの概略断面図。
【図8A】本開示の原理に従って構成されたステント送達システムと共に使用するための別例のバルーンカテーテルアセンブリの概略側面図であり、スリーブは、膨張時にバルーンの周方向膨出部を提供するように離間された先端側部材および基端側部材を備える。
【図8B】図8Aに示したバルーンカテーテルアセンブリの概略側面図であり、スリーブ部はらせん切り込み構造を備える。
【図9】バルーンが膨張状態にある図8Aに示したバルーンカテーテルアセンブリの概略側面図。
【図10】図1〜図8Bに示したバルーンカテーテルアセンブリの1つと共に使用するように構成されたステント部材の例の概略側面図。
【図11】図1〜図3に示したバルーンカテーテルアセンブリによって拡張されている図10に示したステント部材の概略側面図。
【図12】図1〜図3に示したバルーンカテーテルアセンブリの形成に使用されるバルーン型の例の概略斜視図。
【図13】図12に示したバルーン型の平面図。
【図14】14−14線における図13に示したバルーン型の断面図。
【図15】図13に示したバルーン型のバルーン膨出部の拡大図。
【図16】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図17】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図18】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図19】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図20】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図21】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図22】図1〜図3のバルーンカテーテルアセンブリおよび後拡張バルーンカテーテルを用いて、体内管分岐部を治療する方法の例の工程を示す図。
【図23】図1〜図3に示したバルーンカテーテルアセンブリを用いて、体内管分岐部を治療するいくつかの付加的な方法の例の初期工程を示す図。
【図24】図1〜図3に示したバルーンカテーテルアセンブリを用いて、体内管分岐部を治療するいくつかの付加的な方法の例の初期工程を示す図。
【図25】図23〜図24に関して記載した工程に続く、体内管分岐部を治療する方法の例のさらなる工程を示す図。
【図26】図23〜図24に関して記載した工程に続く、体内管分岐部を治療する方法の例のさらなる工程を示す図。
【図27】図23〜図24に関して記載した工程に続く、体内管分岐部を治療する方法の例のさらなる工程を示す図。
【図28】図23〜図24に関して記載した工程に続く、体内管分岐部を治療する方法のさらなる例のさらなる工程を示す図。
【図29】図23〜図24に関して記載した工程に続く、体内管分岐部を治療する方法のさらなる例のさらなる工程を示す図。
【図30】図23〜図24に関して記載した工程に続く、体内管分岐部を治療する方法のさらなる例のさらなる工程を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、分岐部治療システム、カテーテルアセンブリ、ステント送達システム、および患者の体内の分岐部を治療する関連した方法に関する。分岐部という用語は、1つの構成部分から2つ以上の構成部分へ分かれる部位を意味する。一般に、体器官の2つのタイプの分岐部としては、1)主管腔を画定する主管状部分と、前記主管状部分から延びる、または分岐する分枝管腔を画定する分枝管状部分とであって、前記主管腔および分枝管腔が互いに連通(以下、「連通」と称する)しているものと、2)主要または主管腔(親管腔とも称される)を画定し、かつ第1分枝管腔および第2分枝管腔を画定する第1分枝部分と第2分枝部分とに分離する主要または主部分とが挙げられる。管腔という用語は、管状器官(例えば血管)のような管状構造の腔または孔を意味する。
【0009】
分岐部の例は、連続した主管および分枝管を含む体内管分岐部であり、前記管は、互いに連通した主管腔と分枝管腔とをそれぞれ画定する。これに代えて、体内管分岐部は、第1分枝管と第2分枝管とに分かれる親管を含むことができ、これら管は、親管腔、並びに第1分枝管腔および第2分枝管腔をそれぞれ画定し、それらの管腔はすべて互いに連通している。
【0010】
本願において開示する本発明の原理の用途の例としては、心臓系、冠状動脈系、腎臓系、末梢血管系、胃腸系、肺系統、泌尿器系、および神経脈管系が挙げられる。本願において開示するカテーテルアセンブリ、システムおよび方法は、体内管分岐部の治療のために、体内管分岐部の分枝管の位置の特定および体内管分岐部に対するステントの留置に用いることができる。
【0011】
本願において開示するカテーテルアセンブリ、バルーン部材、ステントおよびステント送達システムの例は、単一ガイドワイヤ構成を用いた体内管分岐部の治療を提供する。一例において、カテーテルアセンブリのバルーン部材は、ステントの一部を主管から分枝管内へと径方向外側に拡張するために用いることができる。バルーン部材は、分枝管口または開口と軸方向において整合した状態で主管内に配置される。バルーンの拡張構造の形状および大きさは、バルーン部材の全周にわたってほぼ同一である。したがって、前記口に対するバルーンの径方向または回転方向の位置はあまり重要ではない。バルーン部材は、分枝管口に対する所与の回転位置において分枝管内への拡張により役立つ領域を有する特定のステント構造と共に用いることができる。
【0012】
ステントの少なくとも一部を分枝管内へ径方向外側に拡張させた後、ステントの径方向に拡張した部分を介して分枝管内にガイドワイヤが通され、体内管分岐部を治療するためにステントのさらなる拡張を支援する。ステントの径方向に拡張した部分を介して分枝管内に通されるために用いられるガイドワイヤは、主管内におけるステントの展開に用いられたものと同じガイドワイヤであってもよい。ガイドワイヤに沿って、後拡張バルーンカテーテルのような付加的な血管治療器具を、ステントの径方向に拡張した部分を介して、分枝管内に進めることができる。
【0013】
様々なバルーン部材構造、カテーテルアセンブリおよびステント、並びに体内管分岐部を治療する関連方法について、下記にさらに詳細に記載している。
(図1〜図3のカテーテルアセンブリの例)
ここで図1〜図3を参照すると、主カテーテル枝12の一例が図示され説明されている。主カテーテル枝12は、シャフト30、ガイドワイヤハウジング32、およびバルーン部材34を備える。バルーン部材34は、主バルーン部36および膨出部38を備える。主バルーン部36は、膨出部38の基端側に配置された基端部分40と、膨出部38の先端側に配置された先端部分42とに分けられる。
【0014】
図1は、収縮状態にあるバルーン部材34を有する主カテーテル枝12を示す。図2および図3は、膨張状態にある主バルーン部材34を示す。膨張したバルーン部材の基端部分および先端部分40,42は、バルーン径D1を画定する。前記部分40,42は長さL1,L2をそれぞれ有することができる。径D1は、部分40,42の各々について同一であり得る。あるいは、各部分40,42は、径D1について異なる値を有していてもよい。長さL1,L2は、代替構成において、同一であることも、異なることもできる。膨張した膨出部38は径D2を画定し、径D2は径D1より大きい。膨出部38はまた、バルーン部材34に沿って軸方向において幅W1を画定する。
【0015】
図3の断面図は、膨出部38が、主バルーン部36の周面のまわりで比較的一定の径D2を有することを示している。以下でさらに詳細に記載されるように、膨出部38は、分枝管口に対する膨出部38の径方向の向きにかかわらず、体内管分岐部の主管内から分枝管口を通って径方向外側に延在することによって、体内管分岐部を治療するために用いることができる。一例において、径D1は、約1〜3mmの範囲にあり、または別の例では、約1.5〜2.5mmの範囲にある。径D2は、約2〜6mmの範囲とすることができ、または別の例では、約3〜5mmの範囲とすることができる。径D2はまた、D1の大きさと関連して画定することができる。例えば、D2は、D1よりも約25〜約200%大きい範囲とすることができ、別の例では、D1の大きさの約50〜約150%大きい範囲とすることができる。
【0016】
幅W1は、典型的には、約0.5〜4mmの範囲にあり、一例においては、約1〜1.5mmの範囲にある。サイズ寸法D1、D2、Wは、例えば分枝管への口の大きさを含めた、体内管分岐部において治療しようとしている体内管の大きさによって変更することができる。典型的には、部分40、42の長さL1,L2の各々は、それぞれ、約2〜10mmである。L1およびL2の値は、同一であっても、異なっていてもよい。
【0017】
膨出部38は、成形プロセスを用いてバルーン部材34に形成することができる。図12〜図15は、バルーン部材34に膨出部38を形成するために用いることができるバルーン型の一部の例を示す。バルーン型本体18は、一定長の中空の円筒状カテーテル材料を受容する大きさにされた主バルーンキャビティ部80を備える。膨出部キャビティ82はバルーン型本体18に形成される。膨出部キャビティ82の両側の型インサート凹部81A,81B内には、一対の型インサート(図示せず)を配置することができる。型インサート(図示せず)の各々は、主バルーンキャビティ部80と整合した、長さを追加するバルーンキャビティを形成することができる。
【0018】
20,000psi(約137.9MPa)を超える壁強度を有する市販の高強度バルーンは、PET、ナイロン、ポリウレタンおよび様々なブロックコポリマー熱可塑性エラストマーを含む多様な種類のポリマー材料から形成されてきた。参照によって本願に援用される米国特許第4,490,421号明細書および同第5,264,260号明細書は、PETバルーンを開示している。参照によって本願に援用される米国特許第4,906,244号明細書および同第5,328,468号明細書は、ポリアミドバルーンを開示している。参照によって本願に援用される米国特許第4,950,239号明細書および同第5,500,180号明細書は、ポリウレタンブロックコポリマーから製造されたバルーンを開示している。参照によって本願に援用される米国特許第5,556,383号明細書および同第6,146,356号明細書は、ポリエーテルブロックアミドコポリマーおよびポリエステルブロックエーテルコポリマーから製造されたバルーンを開示している。参照によって本願に援用される米国特許第6,270,522号明細書は、高い曲げ弾性率のポリエステルブロックエーテルコポリマーから製造されたバルーンを開示している。参照によって本願に援用される米国特許第5,344,400号明細書は、ポリアリーレンスルフィドから製造されたバルーンを開示している。これらのバルーンは全て、ブロー成形の径方向拡張プロセスを用いて、ポリマー材料の押出チューブから製造される。参照によって本願に援用される米国特許第5,250,069号明細書、同第5,797,877号明細書、および同第5,270,086号明細書は、そのようなバルーンを製造するために用いられ得るさらなる材料を開示している。バルーンおよびカテーテルシャフトの材料のさらなる例を以下に列挙する。
【0019】
バルーン部材34のようなバルーンを製造する方法の例は、主バルーンキャビティ部80および膨出部キャビティ82内に捕捉された一定長の中空円筒状カテーテル材料に対する熱、内部圧力、および軸方向の張力の印加を含む。この方法の結果として生じる構造は、バルーン部材34に主バルーン部36および膨出部38を提供する。
【0020】
代替の方法は、主バルーン部36(すなわち約4〜5mmの径を有する主バルーン部)を形成する最初の成形プロセスの後に、第2工程において、第2成形プロセスで膨出部38を形成することを含む。第2成形プロセスは、主バルーン部36のバルーン材料を選択的に加熱し、バルーン材料を、バルーンの基端または先端において、所望の径(例えば直径約2〜3mm)に収縮させるか、またはくびれさせて、膨出部を形成することを含むことができる。この第2プロセスは、バルーン材料が収縮するために十分な程度にバルーン材料を柔らかくする特定の温度にバルーン材料を加熱することを含むことができる。この第2プロセスは、ステンレス鋼またはテフロン(登録商標)のような加熱された要素に直接接触させることによって行うことができる。あるいは、第2プロセスはバルーン材料に加熱空気を当てることによって行うことができ、これは、バルーン材料が初期の成形拡張から回復することを可能にし、径を急激に減少させる。
【0021】
(図4〜図7のカテーテルアセンブリの例)
ここで、図4〜図7を参照すると、主カテーテル枝112の一例が示されている。主カテーテル枝112は、シャフト30、ガイドワイヤハウジング32、バルーン部材134、およびスリーブアセンブリ14を備える。バルーン部材134は、基端部分40、先端部分42、および膨出部138を備える。膨出部138は、膨出部138がバルーン部材134に成形されていない点において、図1〜図3に関して上述した膨出部38とは異なる。膨出部138は、基端部分および先端部分40,42の拡張を制限すると同時に、膨出部138の領域におけるバルーン部材134のさらなる拡張を可能にするスリーブアセンブリ14を構成することによって生じる。典型的には、図4〜図7に示すバルーン部材134は、スリーブアセンブリ14がバルーン部材134上に配置されていない場合には、バルーン部材134の長さに沿って、かつバルーン部材134の周面のまわりにおいて一定の径を有するであろう。
【0022】
スリーブアセンブリ14は、先端側部分50、基端側部分52、および複数のスリーブ片56を画定する複数のスリット54を備える。スリット54の数、およびスリーブアセンブリ14の周面のまわりにおけるスリット54同士の間の放射方向における間隔は、スリーブ片56の様々な数、形状および大きさを提供するように変更することができる。
【0023】
スリーブアセンブリ14は、スリーブアセンブリ14の周面のまわりにおいて等しく離間された8つのスリット54を備え、7つのスリーブ片56を画定する。図4および図5は、バルーン部材134が収縮状態にある場合に、スリーブ片56が、バルーン部材134の周面のまわりにおいてどのように互いに隣接して配置されるかを示す。図6および図7は、バルーン部材134が膨張状態にある場合に、スリーブ片56が、バルーン部材134の膨出部138の周面のまわりにおいてどのように離間されるようになるかを示している。スリット54は、バルーン部材の周面のまわりにおけるバルーン部材134の膨出を可能にし、スリーブ片56が画定されている領域に膨出部138を形成する。膨出部138は、ステントの一部が体内管分岐部の分枝管内へと径方向外側方向に拡張することについて図1〜図3に関して記載した膨出部38と同様に機能することができる。
【0024】
スリーブアセンブリ14は、弾性材料または非弾性材料を含むことができる。一例において、スリーブアセンブリ14は、ポリウレタン(例えばTecothane またはTecophilic)またはシリコーンゴムのような弾性材料を含む。典型的には、弾性管状スリーブ部材の弛緩寸法(unstrained dimension)は、径D1よりも小さく、一部の例では、図4に示したような収縮した(すなわち、折り畳まれた)バルーンの径よりも小さい。
【0025】
(図8A〜図9の例)
図8Aおよび図9は別例の主カテーテル枝212を示す。主カテーテル枝212は、バルーン部材134およびスリーブアセンブリ214を備える。スリーブアセンブリ214は、先端側部分250および基端側部分252を備える。先端側部分250は、先端258および基端260を備え、長さL3を有する。基端側部分252は、先端262および基端264を備え、長さL4を有する。先端側部分252の基端260は、基端側部分252の先端262から軸方向において離間される。バルーン部材134の膨張前における先端側部分250と基端側部分252との間の軸方向間隔W2は、バルーン部材134が膨張する際に、バルーン部材134の膨出部238の径方向外側への拡張を可能にする(図9参照)。
【0026】
膨出部材238の結果として生じる幅W1は、ひとつには、バルーン部材134の膨張前、膨張中、および膨張後の基端260と先端262との間の間隔W2に応じて決まる。間隔W2は、例えば、バルーン部材134の全長L5、主カテーテル枝212によって治療しようとしている体内管分岐部の主管および分枝管の大きさおよび形状、並びにスリーブアセンブリ214に用いられる材料におけるコンプライアンスの程度に応じて変更することができる。典型的には、スリーブアセンブリ214の間隔W2と長さL3,L4を合わせた長さは、バルーン部材134の全長L5以下である。あるいは、間隔W2および長さL3,L4の寸法は、バルーン部材134の先端部分42を越えて先端方向に延びるスリーブ部材250の先端258と、バルーン部材134の基端部分40を越えて基端方向に延びるスリーブ部材252の基端264とを生じさせる。
【0027】
一部の実施形態では、基端および先端260,262は、バルーン部材134の膨出部238の形成を支援し得るフレア構造(図示せず)を有し得る。そのようなフレア部分はまた、バルーン部材134の膨張および収縮の間にバルーン部材134に損傷が発生することを低減するよう支援することができる。
【0028】
スリーブアセンブリ214の先端側部分および基端側部分250,252は、少なくとも1つのらせん状の切り込み259を備えることができる。らせん状切り込み259は、基端260と先端262との間に配設された、バルーン部材134の膨張の間に膨出部238が形成される領域以外におけるバルーン部材134の拡張および膨張を制限する、先端側部分および基端側部分250,252の制限された径方向の拡張を提供することができる。らせん状切り込み259はまた、カテーテル枝212に、より高い可撓性を付与することができる。典型的には、らせん状切り込み259は、スリーブ部250,252の基端260,264、先端258,262までは延びない(図8B参照)。
【0029】
らせん状切り込み259は、体内管分岐治療部位に対するカテーテル枝212の「押圧性」を増大するための高められた軸方向強度(column strength) 、バルーン部材134の拡張抵抗力のための高い径方向強度、および蛇行した解剖学的構造内を辿るためのさらに良好な可撓性を提供することができる。らせん状切り込み259はまた、バルーン収縮の際に一定レベルの弾性収縮力を維持することを助け、そのような弾性収縮力により膨出領域から膨張媒体をより急速に除去することができ、拡張したステント区域から抜去する際に、そのシステムの外形、すなわち「収縮容積」を最小にし、それにより、許容できない抜去力を必要とする可能性を低減することができる。
【0030】
(図10および図11のステントの例)
図10は、体内管分岐部の治療のために本願において開示する主カテーテル枝と共に使用するためのステント16の一例を示す。ステント16は基端側開放端および先端側開放端70,72、拡張可能構造区域74、ストラット76の複数の列、並びにストラット76の複数の列の間の複数の接続点77を備える。
【0031】
ストラット76の列の密集度と限られた数の接続点77とにより、図11に示すように、ステント16がバルーン部材34の膨出部38によって拡張されるときに、ストラット76の一部の間隔78の増大がもたらされる。間隔78により、ガイドワイヤがストラット76間を介して体内管分岐部の分枝管内へより容易に進むことができる。拡張可能構造区域76は、ステント16の周面の任意の位置において、ストラット76が分枝管内へと径方向外側に延在する配向を提供するように意図される。したがって、ステント16は任意の径方向の回転位置においても同様に機能するため、分枝管への開口に対する拡張可能構造区域74の径方向配向は重要ではない。
【0032】
ステント16のためのいくつかの構造の例は、2007年5月30日出願の「STENT WITH OVERLAP AND HIGH EXPANSION 」と題された同時係属中の米国特許出願第11/755,592号明細書、および2006年3月29日出願の「STENT WITH OVERLAP AND HIGH EXPANSION 」と題された米国特許出願第11/3920,047号明細書に開示されている。前記特許文献は、参照によって本願に援用される。
【0033】
(図16〜図22の治療方法)
図16〜図22は、体内管分岐部20を治療する方法の一例を示す。体内管分岐部20は、主管90、分枝管92、および主管90から分枝管92への開口を画定する口94、並びに主管および分枝管90,92の交点に位置するカリナ構造(carina feature)96を備える。
【0034】
初めに、ガイドワイヤ22は、主管を通って口94の遠位の位置に進められる。次に、第1カテーテルアセンブリ10が、ガイドワイヤ22を伝って、分枝管92の口94にまたがる位置に進められる。第1カテーテルアセンブリ10は、ステント16が配置された一定径のバルーン26を有する副カテーテル枝24を備える。典型的には、ステント16は、例えば、圧着またはステント16をバルーン26に解放可能に取り付ける関連方法を用いて、バルーン26に取り付けられる。次に、バルーン26を膨張させて、ステント16を、分枝管92への口94に対向する側において主管90と係合するように拡張させる。
【0035】
ここで図19を参照すると、副カテーテル枝24は、ガイドワイヤ22を伝って基端方向に後退させられ、体内管分岐部20をさらに治療するために、主カテーテル枝12がガイドワイヤ22を伝って進められる。主カテーテル枝12は、膨出部38を有するバルーン部材34を備える。主カテーテル枝12は、口94を介してステント16の一部を分枝管92内に拡張させるための膨出部を画定するカテーテル枝112,212および上述したそれらの別例のうちのいずれとも置き換えることができる。主カテーテル枝12は、膨出部38が分枝管92の口94と整合する軸方向位置に進められる。一部の構成において、バルーンは、ステント16の基端側開放端70の基端側に基端40が配置され、ステント16の先端側開放端72の先端側に先端部分42が配置されるように構成される。
【0036】
ここで、図20を参照すると、バルーン部材34は膨張しており、膨出部38は、ステント16の拡張可能構造区域74を径方向外側に向かって分枝管92内へと径方向に拡張させている。図10および図11に関して上記で検討したように、バルーン34の膨出部38の膨張は、ステント16のストラット部材の径方向外側への拡張をもたらすだけでなく、分枝管への口領域におけるストラット間の間隔の増大をもたらす。口領域においてステントストラット間の間隔が増大することにより、ガイドワイヤおよび他の治療器具を、ステント側壁を介して、分枝管92内へとより進め易くすることができる。
【0037】
バルーン部材34の基端側部分および先端側部分40,42の径D1は、主管90の内径D3よりも小さな寸法とされる。膨出部38の径D2は、主管90の内径D3よりも大きな寸法とされる。バルーン部材34が膨張すると、主カテーテル枝12の軸線Aが主管90の中心軸Bから距離Cだけずれるように、主カテーテル枝12が分枝管92に向かって移動する。主管90内において主カテーテル枝12が距離Cだけ移動することにより、膨出部38によって口94の向かい側の主管90の部分91上に加えられる応力の量を制限すると同時に、ステント16の拡張可能構造区域94の分枝管90内への拡張がもたらされる。径D1が主管90の内径D3とほぼ等しく、膨出部径D2が径D1,D3よりも大きい構成では、膨出部38は、分枝管92の口94以外の領域における拡張可能構造区域74の望ましくない拡張に加えて、主管90の領域91に望ましくない力および応力を加えることがある。
【0038】
拡張可能構造区域74をステント16から分枝管内へと径方向外側に拡張させた後、バルーン部材34を収縮させて、体内管分岐部から後退させる。前記拡張は、分枝管90の口94の領域において複数のストラット列間の離間ももたらす。ここで、図21を参照すると、ガイドワイヤ92は、拡張可能構造区域74および口94の基端側の位置へ基端方向に後退させられ、次いで、拡張可能構造区域74を介して分枝管92内へと進めることができる。分枝管92内に配置されたガイドワイヤ22により、副カテーテル枝24のようなさらなる治療器具が、ガイドワイヤ22に沿って、拡張可能構造区域74を通って進められ、少なくとも部分的に分枝管92内に延び得る。副カテーテル枝24の膨張は、拡張可能構造区域74をさらに伸張および拡張させて、ステント16に側面開口79を形成することができる。典型的には、カリナ96および分枝管92の他の部分と係合するようにステント16の係合を提供するように、拡張可能構造区域74を十分に拡張させることが望ましい。
【0039】
体内管分岐部20のさらなる治療は、分枝管92内で分枝ステントを展開させることを含むことができ、分枝ステントは拡張可能構造区域74の側面開口79を通って進められ、拡張可能構造区域70に少なくとも部分的に重なり合う。
【0040】
膨出部38,138,238の使用は、ストラット(例えばストラット76)を主管90から分枝管92に移動させるために特に重要となり得る。副バルーン26は、典型的には、ストラット76を側枝の壁に向かって押し付けることのみに有効である(図22参照)。通常、膨出部38,138,238がストラット76を分枝管90内により遠くに移動させることができるほど、カテーテル枝12,112,212は体内管分岐部20の治療を助けるのにより有効となり得る。
【0041】
(図23〜図29の治療方法)
図23〜図30は、上述した主カテーテル枝12を用いて、体内管分岐部位においてステント16を少なくとも部分的に展開させる方法工程を示す。示した例は、膨出部38を備えたバルーン部材34を有する主カテーテル枝12の使用を含むが、主カテーテル枝構成112,212、および図4〜図9に関して上述したようなそれらの別例も、体内管分岐部20の治療方法において用いることができる。
【0042】
図23〜図24は、図25〜図27および図28〜図30を参照してさらに説明する治療方法の初期工程を示す。該方法の第1工程は、ガイドワイヤ22を主管90内において分枝管92の口94を横切ってまたがる位置に進めることを含む(例えば図16参照)。次に、カテーテルアセンブリ10は、ガイドワイヤ22を伝って、バルーン部材34の膨出部38が口94と軸方向において整合する位置に進められる。バルーン部材34は、バルーン部材34の周面のまわりの膨出部38の比較的一定な形状および大きさにより、口94に対して径方向に回転した任意の位置に配置することができる。次に、図24を参照すると、バルーン部材34は、少なくとも部分的にバルーン部材34の基端側部分および先端側部分40,42並びに拡張可能構造区域74を拡張するように膨張させられる。
【0043】
典型的には、基端側部分および先端側部分40,42の外径D1は、主管90の内径D3より小さい。膨出部38の径D2は、典型的には径D3より大きい。バルーン部材34の膨張は、主カテーテル枝12を分枝管92に向かって、主カテーテル枝12の軸線Aと主管90の中心軸線Bとの間に画定される距離Cだけ移動させる傾向がある。径D1と径D3との差は、典型的には、膨出部38によって拡張される拡張可能構造区域74の領域以外において、ステント16と主管90との間に限定された係合を生じる。典型的には、膨出部38の膨張は、口94の向かい側の主管90の領域91において過度の応力を生じることなく、ステント16を口94に対して径方向位置および軸方向位置に固定する主管90との係合面を形成するために十分な拡張可能構造区域74の拡張を提供する。ステント16の拡張可能構造区域74を所望のように拡張させた後、バルーン部材34を収縮させて、主カテーテル枝12を患者から基端方向に後退させることができる。
【0044】
さらに、体内管分岐部20の治療は、図25〜図27に関して記載するような異なる方法、および図28〜図30に関して記載する別法で行なうことができる。
ここで図25〜図27を参照すると、主カテーテル枝12を後退させた後、ガイドワイヤ22は、ステント16内へと基端方向に後退させられ、次いで、拡張可能構造区域74の領域においてステント16の側壁を通って、分枝管92内へと進められる。図10および図11に関して説明したステントの例のようないくつかのステント構造の使用は、拡張可能構造区域74において隣接したストラット間の改善された間隔を提供することができる。これは、ガイドワイヤ22のステント側壁を介した分枝管92内への進め易さを改善する。
【0045】
図26を参照すると、副カテーテル枝24は、ガイドワイヤ22に沿って拡張可能構造区域74を通って進められ、少なくとも部分的に分枝管92内へと延びている。副カテーテル枝24のバルーン26の膨張は、拡張可能構造区域74に拡張された側面開口79を形成する。バルーン26の拡張はまた、カリナ96のような分枝管92の一部と係合するように拡張可能構造区域74のストラットの係合を提供することができる。拡張可能構造区域74の基端側のステント16の部分内におけるバルーン134の拡張は、側面開口または開口79を形成することができる。バルーン134の拡張はまた、拡張可能ステント構造区域74の基端側のステント16の部分を図26に示すように主管90と係合するように拡張させることができる。拡張可能構造区域74の先端側のステント16の部分は、依然として、主管90と完全には係合されていない部分的拡張状態のままであり得る。
【0046】
分枝管92内におけるバルーン26の膨張後、バルーン26は、少なくとも部分的に収縮させられ、拡張可能構造区域74の基端側の位置へ基端方向に後退させることができる。主ガイドワイヤ22も、分枝管および側面開口79から基端方向に後退させられ、次いで、ステント16の先端側開放端72を通って主管90内を先端方向に進めることができる。次に、副カテーテル枝24(または別のバルーンカテーテル)は、ガイドワイヤ22に沿って、少なくとも部分的にステント16の先端側開放端72を通って進められる。バルーン26を図27に示すように膨張させて、少なくともステント16の側面開口79の先端側に位置する部分を主管90と係合するように拡張させる。図27に示すようないくつかの構成では、バルーン部材34は、基端側開放端40から先端側開放端42までステント16の全長にわたって延びるために十分な長さを有する。バルーン26は、側面開口79の基端側および先端側の双方において主管90と係合するステント16の比較的一致した拡張を提供することができる。
【0047】
図28〜図30は、図23および図24に示す初期工程の後の体内管分岐部20を治療する別の方法を示す。主カテーテル枝12を基端方向に後退させた後に、ガイドワイヤ22は、主管90内の適所に維持され、副ガイドワイヤ枝24が、口94にまたがるように、主管ガイドワイヤ22上を伝って進められる。次に、バルーン26を膨張させて、ステント16の拡張可能構造区域74の基端側および先端側に位置する部分を、図28に示すように主管90と係合するように拡張させる。次に、副カテーテル枝24およびガイドワイヤ22は、拡張可能構造区域74および口94の基端側に後退させられる。ガイドワイヤ22は、拡張可能構造区域74を通って分枝管92内へ進められる。副カテーテル枝24は、ガイドワイヤ22を伝って拡張可能構造区域74を通って進められ、分枝管92内に少なくとも部分的に延びる。次に、バルーン26を図30に示すように膨張させて、拡張可能構造区域74をさらに拡張させて、側面開口79を形成する。膨張バルーン26は、拡張可能構造区域74を、カリナ96のような分枝管92の一部と係合するように拡張させることができる。
【0048】
体内管分岐部20は、例えば分枝管92内に配置された分枝ステントを展開させて、口94の領域において拡張可能構造区域74と少なくとも部分的に重ね合わせることによって、さらに治療され得る。
【0049】
図1〜図29に関して上述した様々な方法システムおよび方法は、単一ガイドワイヤを用いた体内管分岐部の治療を提供する。体内管分岐部の治療に単一ガイドワイヤを用いることは、2本以上のガイドワイヤを用いる場合に存在する問題(例えばガイドワイヤが絡まる問題)を回避することにより、治療過程の複雑さを低減し得る。更に、バルーン部材の全周に延びる膨出部を有するバルーン部材の使用は、分枝管の口に対して径方向および軸方向の双方において整合させなければならないバルーン部材の長さに沿った所与の位置に膨出部を有するバルーン部材を使用した場合と比較して、利点を有し得る。体内管分岐部の治療のためにバルーンの膨出部の径方向の位置決めの必要を実質的になくすことにより、分枝管内へのステントの一部の径方向外側への拡張の提供を改善し得る。
【0050】
(材料および他の考察)
本願で開示するバルーンおよびカテーテルシャフトに使用される材料は、例えば、熱可塑性ポリマー、ポリエチレン(高密度、低密度、中間密度、直鎖低密度)、ポリエチレンのコポリマーおよびブレンド、イオノマー、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリエーテル−ポリエステルコポリマー、およびポリエーテルポリアミドコポリマーを含む、好適な材料から製造され得る。好適な1つの材料は、Surlyn(登録商標)というコポリマーポリオレフィン材料(米国デラウェア州ウィルミントン所在のデュポン ド ヌムール社(DuPont de Nemours)である。さらに好適な材料としては、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマー材料、ポリ(エチレンテレフタレート)(一般にPETと称される)、熱可塑性ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレンが挙げられる。いくつかの他の材料の例としては、ポリウレタン、およびポリアミド−ポリエーテルブロックコポリマーまたはアミド−テトラメチレングリコールコポリマーのようなブロックコポリマーが挙げられる。付加的な例としては、PEBAX(登録商標)(ポリアミド/ポリエーテル/ポリエステルブロックコポリマー)ポリマー群、例えばPEBAX(登録商標)70D、72D、2533、5533、6333、7033または7233(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア所在のエルフ アトケム社(Elf AtoChem) から入手可能)が挙げられる。他の例としては、脂肪族ナイロン、例えば、Vestamid L2101 IF、ナイロン11(エルフ アトケム社(Elf Atochem) )、ナイロン6(アライド シグナル社(Allied Signal) )、ナイロン6/10(ビーエーエスエフ社(BASF))、ナイロン6/12(アシュリー ポリマーズ社(Ashley Polymers) )、ナイロン12のようなナイロンが挙げられる。ナイロンの付加的な例としては、Grivory(登録商標)(イーエムエス社(EMS))およびナイロンMXD−6のような芳香族ナイロンが挙げられる。他のナイロンおよび/またはナイロンの組み合わせを用いることもできる。さらにさらなる例としては、CELANEX(登録商標)(米国ニュージャージー州サミットに所在するティコナ社(Ticona)から入手可能)のようなポリブチレンテレフタレート(PBT)、例えばARNITEL(登録商標)EM740などのARNITEL(登録商標)(米国インディアナ州エリオンスピラ(Erionspilla) に所在するディエスエム社(DSM)から入手可能)のようなポリエステル/エーテルブロックコポリマー、Trogamid(PA6−3−T、デグッサ(Degussa) )のような芳香族アミド、およびHYTREL(登録商標)(米国デラウェア州ウィルミントンに所在するデュポン ド ヌムール社(Dupont de Nemours) )のような熱可塑性エラストマーが挙げられる。一部の実施形態において、PEBAX(登録商標)、HYTREL(登録商標)およびARNITEL(登録商標)材料は、約45D〜約82DのショアD硬度を有する。前記バルーン材料は、純粋な状態で用いてもよいし、またはブレンドとして用いてもよい。例えば、ブレンドは、PBTと、RITEFLEX(登録商標)(ティコナ社から入手可能)、ARNITEL(登録商標)またはHYTREL(登録商標)のような1種以上のPBT熱可塑性エラストマーとを含んでもよいし、またはポリエチレンテレフタレート(PET)と、PBT熱可塑性エラストマーのような熱可塑性エラストマーとを含んでもよい。バルーン材料の付加的な例は米国特許第6,146,356号明細書に見られる。個々の実施形態について以下で開示する特定の材料は、その実施形態をそれらの材料に制限するものではない。
【0051】
本願において開示するスリーブ部材は、本願で開示するバルーンおよびカテーテルシャフトに用いられるものと同一または類似した材料で形成することができる。一部の実施形態において、スリーブ部材は、内面または外面上に配置されるか、または内部に埋設された補強繊維を含むことができる。いくつかの非弾性繊維の例は、「REINFORCED AND DRUG-ELUTING BALLOON CATHETERS AND METHODS FOR MAKING SAME 」と題された同時係属中の国際公開第2006/042260号に記載されている。前記文献は参照によって本願に援用される。そのストランドは組成物中において弾性であっても、非弾性であってもよい。補強用ストランドは、スリーブ部材の軸方向または径方向の剛性を増大させるために用いることができる。補強用ストランドはまた、スリーブ部材の拡張を制限するために用いることもできる。ストランドは織成されても、巻回されてもよく、単一巻回方向または反対の巻回方向になされ得る。補強用ストランドとして用いられる製品の例は、3M(商標名)のNextel(商標名)連続セラミック酸化物繊維312、440、550、610および720である。別の補強用ストランド材料の例は、織物用ステンレス鋼線316Lである。ステンレス鋼材の例としては、大韓民国、デジョン、デジョン、ユング グ、エンヘン ドン 26−1、ハンクク ビルディング、9/F(Hungkuk Building, Enhaeng dong 26-1, Jung gu, Daejeon, Daejeon, South Korea) 所在のアイ アンド ジー トレーディング社(I & G Trading) によって販売されている35マイクロメートルのステンレス鋼316l製品、およびオランダ国 クーストラット 1−6167 RA ゲレーン ピー.オー.ボックス 18−6160 エムディ ゲレーン(Koestraat 1- 6167 RA Geleen P.O. Box 18 - 6160 MD Geleen)所在のDSM バイオメディカル マテリアルズ社(DSM Biomedical Materials)によって販売されているDyneema(登録商標)繊維が挙げられる。
【0052】
一部の実施形態において、バルーン、カテーテルシャフト、およびスリーブ部材は、生物学的作用物質または生物学的製剤で被覆されているか、またはそれらを溶出することができる。そのような用途における使用に好適ないくつかの生物学的作用物質および生物学的製剤は、米国特許出願公開第2006/45901号明細書および米国特許第5,304,121号明細書、同第5,954,706号明細書、同第6,358,556号明細書、同第6,120,847号明細書、および同第6,156,373号明細書に開示されている。前記特許文献は、参照によって本願に援用される。本願に開示されるバルーン、カテーテルシャフト、およびスリーブ部材はまた、孔、細孔、ポケット、格子、チャネル、リブ、くぼみ、凹状または凸状構造、貯蔵部、UVで除去処理した表面構造、および/または指状の構造をなす「繊維」のような突起といったナノまたはミクロ表面構造を有し得る。本願に開示されるバルーン、カテーテルシャフト、およびスリーブ部材はまた、表面エネルギー改良のための処理、および薬剤、生物学的作用物質、抗凝血剤、親水性または疎水性の被覆物および効果のコーティングを含み得る。
【0053】
上述したカテーテルアセンブリの例において、前記構造のうちのいくつかは、その外面上に潤滑性コーティングを備え得る。前記コーティングは、体内管分岐部の分枝管内への分枝バルーンの挿入を促進することができる。前記コーティングはまた、ステントの拡張後にカテーテルアセンブリを収縮させて体内管分岐部から除去する場合に、分枝管およびステントの分枝開口からの分枝バルーンの除去を改善することができる。分枝バルーンと共に使用するためのいくつかのコーティングの例としては、ポリアリーレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシルアルキルセルロース誘導体、アルギン、糖類、カプロラクトンのような親水性ポリマー、並びにそれらの混合物および組み合わせが挙げられる。親水性ポリマーは、好適な潤滑性、接着性および可溶性を備えたコーティングを生成するために、親水性ポリマー同士でブレンドしてもよいし、または処方量の水不溶性化合物(一部のポリマーを含む)とブレンドすることもできる。一部の例において、本願に記載される器具の一部は、親水性ポリマー、またはテフロン(登録商標)としてより知られているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフルオロポリマーで被覆され得る。
【0054】
図16〜図29に関して上記で検討した方法は、図10〜図11に関して説明したステント16のようなステント構造を用いて説明したが、そのような特殊なステント構造は必ずしも必要ではない。ステントの長さに沿って一貫したストラット構造を有するステント構造のような標準的なステントが、図1〜図11に関して説明した膨出部を有するバルーン部材とともに使用され得る。いくつかの標準的なステント構造の例は、ボストン サイエンティフィック コーポレイション(Boston Scientific Corp.) によって提出された米国特許第6,913,619号明細書、同第6,945,993号明細書、同第7,223,283号明細書に開示されている。前記特許文献は、参照によって本願に援用される。他のステントの例は、例えば米国特許第6,210,429号明細書および同第6,325,826号明細書、および2003年8月21日出願の「ST ENT WITH A PROTRUDING BRANCH PORTION FOR BIFURCATED VESSELS 」と題された同時係属中の米国特許出願第10/644,550号明細書に開示されている。前記特許文献は、参照によって本願に援用される。
【0055】
(結論)
本開示の一態様は、ステントおよびカテーテル枝アセンブリを備えるカテーテルアセンブリに関する。ステントは内部容積を画定し、先端側開放端、基端側開放端、およびステントの側壁を画定する拡張可能なストラット構造を有する。カテーテル枝アセンブリは、先端部分を有するカテーテルシャフトと、該カテーテルシャフトの先端部分から延びるバルーン部材とを備える。バルーン部材は、該バルーン部材が膨張するときに、本体部と膨出部とを有する。本体部は先端部分および基端部分を有する。膨出部は、本体部の先端部分と基端部分との間の位置に配置されている。膨出部は、膨張時に、ステントをステントの側壁に対して径方向外側方向に拡張させるように構成されている。
【0056】
本開示の別の態様は、先端部分を有するカテーテルシャフト、バルーン部材、ガイドワイヤハウジング、およびスリーブを備えるカテーテル枝アセンブリに関する。バルーン部材はカテーテルシャフトの先端部分から延び、かつ本体部を備える。本体部は先端部分および基端部分を有する。ガイドワイヤハウジングは、カテーテルシャフトおよびバルーン部材を通って延びる。スリーブは、バルーン部材上に配置され、かつバルーン部材の本体部の長さに沿って軸方向に離間された先端側部分および基端側部分を有する。シースの先端側部分および基端側部分は、本体部の先端部分および基端部分の径方向の拡張を制限するように構成されている。スリーブは、スリーブの軸方向に離間された先端側部分と基端側部分との間の位置において露出された本体部の部分の径方向の拡張に対する制限がより少なくなるように構成されている。スリーブは、スリーブの基端側部分と先端側部分との間の位置においてスリーブに形成された軸方向に配列された複数のスリットを備えることができる。スリットは軸方向に配列された複数のスリーブ片を画定する。
【0057】
本開示のさらなる態様は、カテーテルシャフトおよびバルーン部材を備えるバルーンカテーテルに関する。カテーテルシャフトは先端部分を有する。バルーン部材は、カテーテルシャフトの先端部分に配置され、かつ本体部および膨出部を備える。本体部は、基端部分、先端部分、および本体部の周面を画定する外面を有する。本体部は、バルーン部材が膨張したときに、最大幅寸法を有する。膨出部は、本体部の先端部分と基端部分との間の位置に配置される。膨出部は本体部の周面のまわりに延在し、かつバルーン部材が膨張すると、本体部の最大幅寸法より大きな最大幅寸法を有する。
【0058】
本開示のさらなる態様は、カテーテルアセンブリによってステントを拡張する方法に関する。カテーテルアセンブリは、バルーン部材を有するカテーテル枝アセンブリを備える。バルーン部材は、主バルーン部と、主バルーン部の周面のまわりに延在する膨出部とを備える。膨出部は、主バルーン部の最大径方向寸法より大きな最大径方向寸法を有する。ステントはバルーン上に配置され、本体部および拡張可能構造部分を有する。前記方法は、バルーン部材を膨張させることと、バルーン部材の膨張した膨出部によって、ステントの拡張可能構造部分を径方向外側方向に拡張することとを含む。前記方法はまた、ステントの本体部を拡張させることを含み得る。ステントの拡張した拡張可能構造部分の最大拡張寸法は、ステントの本体部の最大拡張寸法よりも大きい。
【0059】
本開示の別の態様は、カテーテルアセンブリによって体内管分岐部を治療する方法に関する。カテーテルアセンブリは、ガイドワイヤ、カテーテル枝およびステントを備える。カテーテル枝は、主バルーン部および膨出部を有するバルーン部材を備える。膨出部は、主バルーン部の周面のまわりに延在し、主バルーン部の基端部分と先端部分との間の位置に配置される。ステントは、膨出部と整合するようにバルーン部材上に配置される。前記方法は、ガイドワイヤを体内管分岐部の主管内で体内管分岐部の分枝管の口を越えて先端方向に進めることと、カテーテル枝およびステントを、ガイドワイヤ上を伝わせて体内管分岐部に進め、バルーン部材の膨出部を分枝管の口と軸線方向において整合させることとを含み得る。前記方法はまた、バルーン部材を膨張させて、ステントの少なくとも一部を、前記口を介して分枝管内へと拡張させることと、カテーテル枝を基端側に後退させることと、ガイドワイヤを前記口の基端側に後退させることと、ガイドワイヤを拡張したステントの一部を通して分枝管内に進めることと、副バルーンカテーテルを、ガイドワイヤを伝って拡張したステントの一部を通して進めることと、副バルーンカテーテルによって前記ステントの一部をさらに拡張させることとを含み得る。
【0060】
本開示の関連する態様は、カテーテルアセンブリによって体内管分岐部を治療する方法に関する。カテーテルアセンブリは、ガイドワイヤ、カテーテル枝およびステントを備える。カテーテル枝は、主バルーン部および膨出部を有するバルーン部材を備える。膨出部は、主バルーン部の周面のまわりに延在し、主バルーン部の基端部分と先端部分との間の位置に配置される。ステントは、膨出部と整合するようにバルーン部材上に配置される。前記方法は、ガイドワイヤを体内管分岐部の主管内で体内管分岐部の分枝管の口を越えて先端方向に進めることと、主管内のステントを前記口にまたがるように配置することと、ステントを主管と係合するように拡張させることと、カテーテル枝を、ガイドワイヤを伝って体内管分岐部まで進め、バルーン部材の膨出部を分枝管の口と軸方向において整合させることとを含み得る。前記方法は、バルーン部材を膨張させて、ステントの少なくとも一部を前記口を介して分枝管内へと拡張させることと、カテーテル枝を基端方向に後退させることと、ガイドワイヤを前記口の基端側に後退させることと、ガイドワイヤを拡張したステントの一部を介して分枝管内に進めることと、副バルーンカテーテルを、ガイドワイヤを伝って拡張したステントの一部を介して進めることと、副バルーンカテーテルによって前記ステントの一部をさらに拡張させることとをさらに含み得る。
【0061】
上記の明細書、実施例およびデータは、本発明の構成物の製造および使用の完全な説明を提供する。本発明の多くの実施形態は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、実施され得るので、本発明は以下に添付される特許請求の範囲内に存する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ステントであって、内部容積を画定し、かつ先端側開放端と、基端側開放端と、ステントの側壁を画定する拡張可能なストラット構造とを有するステントと、
(b)カテーテル枝アセンブリであって、
(i)先端部分を有するカテーテルシャフトと、
(ii)前記カテーテルシャフトの先端部分から延びるバルーン部材と
を有するカテーテル枝アセンブリとを備え、前記バルーン部材は、該バルーン部材が膨張したときに本体部と膨出部とを有し、前記本体部は先端部分および基端部分を有し、前記膨出部は前記本体部の先端部分と基端部分との間に配置されており、前記膨出部は、膨張時に、前記ステントをステントの側壁に対して径方向外側方向に拡張させるように構成される、カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記バルーン部材上に配置されたスリーブをさらに備え、該スリーブは、本体部の膨張を制限し、かつバルーン部材の膨出部の膨張は制限しないように構成される、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記スリーブは先端側部分および基端側部分を備え、前記先端側部分および基端側部分はバルーン部材の長さに沿って軸方向に離間されている、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記スリーブは軸方向に配列された複数のスリットを備え、前記スリットは、バルーン部材の膨出部と軸方向において整合するように配置されている、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記ステントは拡張可能構造区域を備え、拡張可能構造区域のストラットは、拡張可能構造区域外のストラットとは異なるように構成されており、前記拡張可能構造区域は、前記ステントの周面のまわりに拡張する、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項6】
(a)先端部分を有するカテーテルシャフトと、
(b)前記カテーテルシャフトの先端部分から延びるバルーン部材であって、該バルーン部材は本体部を有し、該本体部は先端部分および基端部分を有する、バルーン部材と、
(c)前記カテーテルシャフトおよびバルーン部材を通って延びるガイドワイヤハウジングと、
(d)前記バルーン部材上に配置されたスリーブとを備え、前記スリーブは、バルーン部材の本体部の長さに沿って軸方向において離間された先端側部分と基端側部分とを有し、シースの先端側部分および基端側部分は、前記本体部の先端部分および基端部分の径方向の拡張を制限するように構成され、前記スリーブは、前記スリーブの軸方向に離間された先端側部分と基端側部分との間に位置する露出した本体部の部分の径方向の拡張に対して、より少ない制限を与えるように構成される、カテーテル枝アセンブリ。
【請求項7】
前記スリーブは、該スリーブの基端側部分と先端側部分との間の位置において該スリーブに形成された、軸方向に配列された複数のスリットを備え、前記スリットは軸方向に配列された複数のスリーブ片を画定する、請求項6に記載のカテーテル枝アセンブリ。
【請求項8】
前記スリーブの基端側部分は先端を有し、前記スリーブの先端側部分は基端を有し、前記基端側部分の先端は、バルーン部材が膨張したときに、バルーン部材の本体部がスリーブに対して径方向外側に拡張してバルーン膨出部を形成するために十分な距離だけ、前記先端側部分の基端から離間されている、請求項6に記載のカテーテル枝アセンブリ。
【請求項9】
前記スリーブには複数のらせん状スリットが形成される、請求項6に記載のカテーテル枝アセンブリ。
【請求項10】
前記スリーブは、該スリーブの長さに沿って整列した補強繊維を備える、請求項6に記載のカテーテル枝アセンブリ。
【請求項11】
(a)先端部分を有するカテーテルシャフトと、
(b)前記カテーテルシャフトの先端部分に配置されたバルーン部材とを備え、前記バルーン部材は本体部および膨出部を有し、前記本体部は、基端部分、先端部分、および本体部の周面を画定する外面を有し、前記本体部は、バルーン部材が膨張すると最大幅寸法を有し、前記膨出部は、前記本体部の先端部分と基端部分との間の位置に配置されており、前記膨出部は前記本体部の周面のまわりに延在し、かつバルーン部材が膨張すると、前記本体部の最大幅寸法より大きな最大幅寸法を有する、バルーンカテーテル。
【請求項12】
前記カテーテルシャフト内およびバルーン部材内に配置されたガイドワイヤハウジングをさらに備え、前記ガイドワイヤハウジングは、カテーテルシャフトの先端部分およびバルーン部材の先端部分から先端方向に延びる先端部分を有する、請求項11に記載のバルーンカテーテル。
【請求項13】
主バルーン部は全長を有し、膨出バルーン部は長さを有し、膨出バルーン部の長さは主バルーン部の全長に満たない、請求項11に記載のバルーンカテーテル。
【請求項14】
主バルーン部の幅は約1.5〜2.5mmであり、膨出バルーン部の幅は約3.5〜4.5mmである、請求項11に記載のバルーンカテーテル。
【請求項15】
膨出バルーン部は、主バルーン部の先端部分と基端部分とから、ほぼ等距離の位置に配置されている、請求項11に記載のバルーンカテーテル。
【請求項16】
主バルーン部と膨出バルーン部とが一体形成される、請求項11に記載のバルーンカテーテル。
【請求項1】
(a)ステントであって、内部容積を画定し、かつ先端側開放端と、基端側開放端と、ステントの側壁を画定する拡張可能なストラット構造とを有するステントと、
(b)カテーテル枝アセンブリであって、
(i)先端部分を有するカテーテルシャフトと、
(ii)前記カテーテルシャフトの先端部分から延びるバルーン部材と
を有するカテーテル枝アセンブリとを備え、前記バルーン部材は、該バルーン部材が膨張したときに本体部と膨出部とを有し、前記本体部は先端部分および基端部分を有し、前記膨出部は前記本体部の先端部分と基端部分との間に配置されており、前記膨出部は、膨張時に、前記ステントをステントの側壁に対して径方向外側方向に拡張させるように構成される、カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記バルーン部材上に配置されたスリーブをさらに備え、該スリーブは、本体部の膨張を制限し、かつバルーン部材の膨出部の膨張は制限しないように構成される、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記スリーブは先端側部分および基端側部分を備え、前記先端側部分および基端側部分はバルーン部材の長さに沿って軸方向に離間されている、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記スリーブは軸方向に配列された複数のスリットを備え、前記スリットは、バルーン部材の膨出部と軸方向において整合するように配置されている、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記ステントは拡張可能構造区域を備え、拡張可能構造区域のストラットは、拡張可能構造区域外のストラットとは異なるように構成されており、前記拡張可能構造区域は、前記ステントの周面のまわりに拡張する、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項6】
(a)先端部分を有するカテーテルシャフトと、
(b)前記カテーテルシャフトの先端部分から延びるバルーン部材であって、該バルーン部材は本体部を有し、該本体部は先端部分および基端部分を有する、バルーン部材と、
(c)前記カテーテルシャフトおよびバルーン部材を通って延びるガイドワイヤハウジングと、
(d)前記バルーン部材上に配置されたスリーブとを備え、前記スリーブは、バルーン部材の本体部の長さに沿って軸方向において離間された先端側部分と基端側部分とを有し、シースの先端側部分および基端側部分は、前記本体部の先端部分および基端部分の径方向の拡張を制限するように構成され、前記スリーブは、前記スリーブの軸方向に離間された先端側部分と基端側部分との間に位置する露出した本体部の部分の径方向の拡張に対して、より少ない制限を与えるように構成される、カテーテル枝アセンブリ。
【請求項7】
前記スリーブは、該スリーブの基端側部分と先端側部分との間の位置において該スリーブに形成された、軸方向に配列された複数のスリットを備え、前記スリットは軸方向に配列された複数のスリーブ片を画定する、請求項6に記載のカテーテル枝アセンブリ。
【請求項8】
前記スリーブの基端側部分は先端を有し、前記スリーブの先端側部分は基端を有し、前記基端側部分の先端は、バルーン部材が膨張したときに、バルーン部材の本体部がスリーブに対して径方向外側に拡張してバルーン膨出部を形成するために十分な距離だけ、前記先端側部分の基端から離間されている、請求項6に記載のカテーテル枝アセンブリ。
【請求項9】
前記スリーブには複数のらせん状スリットが形成される、請求項6に記載のカテーテル枝アセンブリ。
【請求項10】
前記スリーブは、該スリーブの長さに沿って整列した補強繊維を備える、請求項6に記載のカテーテル枝アセンブリ。
【請求項11】
(a)先端部分を有するカテーテルシャフトと、
(b)前記カテーテルシャフトの先端部分に配置されたバルーン部材とを備え、前記バルーン部材は本体部および膨出部を有し、前記本体部は、基端部分、先端部分、および本体部の周面を画定する外面を有し、前記本体部は、バルーン部材が膨張すると最大幅寸法を有し、前記膨出部は、前記本体部の先端部分と基端部分との間の位置に配置されており、前記膨出部は前記本体部の周面のまわりに延在し、かつバルーン部材が膨張すると、前記本体部の最大幅寸法より大きな最大幅寸法を有する、バルーンカテーテル。
【請求項12】
前記カテーテルシャフト内およびバルーン部材内に配置されたガイドワイヤハウジングをさらに備え、前記ガイドワイヤハウジングは、カテーテルシャフトの先端部分およびバルーン部材の先端部分から先端方向に延びる先端部分を有する、請求項11に記載のバルーンカテーテル。
【請求項13】
主バルーン部は全長を有し、膨出バルーン部は長さを有し、膨出バルーン部の長さは主バルーン部の全長に満たない、請求項11に記載のバルーンカテーテル。
【請求項14】
主バルーン部の幅は約1.5〜2.5mmであり、膨出バルーン部の幅は約3.5〜4.5mmである、請求項11に記載のバルーンカテーテル。
【請求項15】
膨出バルーン部は、主バルーン部の先端部分と基端部分とから、ほぼ等距離の位置に配置されている、請求項11に記載のバルーンカテーテル。
【請求項16】
主バルーン部と膨出バルーン部とが一体形成される、請求項11に記載のバルーンカテーテル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公表番号】特表2010−537739(P2010−537739A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523117(P2010−523117)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/074500
【国際公開番号】WO2009/029674
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/074500
【国際公開番号】WO2009/029674
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]