分散性に優れた粉末茶の製造方法
【課題】水又はお湯に、ダマ(玉状の塊)を生じることなく容易に分散・懸濁する粉末茶を製造するための方法を提供する
【解決手段】茶葉を、デキストリン及びデンプンの少なくともいずれか一方を含む溶液で処理した後、乾燥を行い、その後、粉砕することを特徴とし、この際、上記のデキストリンまたはデンプン若しくはデキストリンおよびデンプンを含む溶液中のデキストリンまたはデンプン若しくはデキストリンおよびデンプンの重量%が処理前の茶葉に対して0.5〜20重量%であることが好ましい。
【解決手段】茶葉を、デキストリン及びデンプンの少なくともいずれか一方を含む溶液で処理した後、乾燥を行い、その後、粉砕することを特徴とし、この際、上記のデキストリンまたはデンプン若しくはデキストリンおよびデンプンを含む溶液中のデキストリンまたはデンプン若しくはデキストリンおよびデンプンの重量%が処理前の茶葉に対して0.5〜20重量%であることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水やお湯に対する分散性に優れた粉末茶(粉茶を含む)を製造するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粉末茶の製造方法は、基本的には、乾燥した茶葉を挽臼機等によって微粉末化する方法であるが、保存性、水やお湯に対する分散性等を改善するために、これまでに種々の方法が提案されてきている。例えば、下記特許文献1には、粉砕茶葉を乾燥助剤を含む水性溶媒中に分散させ、得られた茶葉分散液を噴霧乾燥して、耐光性、保存性、流動性や分散性の良い粉末茶を製造する方法が提案されており、また、下記の特許文献2には、茶葉を粉砕して1ミクロン以下の微粉末とし、この微粉末に水を噴霧して攪拌し、更に遠赤外線によって加熱して、栄養素の消化吸収に優れた微粉末茶を得ることが提案されている。
しかしながら、これら引用文献記載の方法によって製造された粉末茶はいずれも、水やお湯に対する分散性が未だ十分ではなく、分散・懸濁させる際に、しばしばダマ、即ち、玉状の塊を生じ易いという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−274859号公報
【特許文献2】特開2001−45971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、水又はお湯に、ダマ(玉状の塊)を生じることなく容易に分散・懸濁する粉末茶の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、茶葉を、デキストリン及びデンプンの少なくともいずれか一方を含む溶液で処理した後、乾燥を行い、その後、粉砕することを特徴とする。
又、本発明は、上記の特徴を有した製造方法において、上記溶液中のデキストリンまたはデンプン若しくはデキストリンおよびデンプンの重量が、処理前の茶葉の0.5〜20重量%であることを特徴とするものである。
更に、本発明の粉末茶の製造方法は、所定の工程(生葉を蒸してから揉工程及び捻工程を経て、乾燥させる)を経て製造された茶葉を水とよく混合する、あるいは上記茶葉に水を噴霧する処理を行った後、乾燥を行い、その後、粉砕することを特徴とするものでもある。
【発明の効果】
【0006】
本発明の製造方法は、茶葉に処理を施すことにより、粉砕して粉末茶とした時の溶媒への分散性を向上させることができ、特に水又はお湯に、ダマを生じることなく容易に分散・懸濁可能な、風味と滋味に優れた粉末茶が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】pH7の水への、実施例に記載の各試料の分散試験前の状態を示す写真である。
【図2】実施例に記載の各試料を水に投入して自然溶解させた場合の様子を示す写真である。
【図3】pH7の水への、実施例に記載の各試料の分散試験後、超音波洗浄機で分散した際の状態を示す写真である。
【図4】電気泳動直後のアルミニウムの陽極(正極)極板に付着した粉末茶粒子の様子を示す写真である。
【図5】電気泳動後のアルミニウムの陰極(負極)極板に付着した粒子を乾燥させた後の様子を示す写真である。
【図6】電気泳動後のアルミニウムの陽極(正極)極板に付着した粉末茶粒子を乾燥させた後の重量とデキストリン濃度の関係を示す図である。
【図7】粉末茶粒子を水中に分散させて45時間放置した場合の粒子の沈降状態を示す写真である。
【図8】電気泳動直後のアルミニウムの陽極(正極)極板に付着した粉末茶粒子の様子を示す写真である。
【図9】本発明の製法において粉砕を行なう際に使用されるボールミル装置の好ましい一例を示す斜視図であり、回転テーブル上に、ボールが収容されたポットがセットされた状態を示している。なお、図中、ボールミル装置の操作パネル部、および運転中に回転するポットを保護する保護カバー等は省略してある。
【図10】本発明の製法において粉砕を行なう際に使用されるボールミル装置のポットの一実施例を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は縦断面図である。
【図11】本発明の製法において粉砕を行なう際に使用されるボールミル装置のポット内にボールが収容された状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の製法において使用される茶原料は特に限定されるものではなく、一般的な緑茶(玄米茶含む)、半発酵茶、発酵茶などの茶葉、及び、麦茶、ハトムギ茶、ハブ茶などの各種健康茶・雑穀茶がいずれも使用できる。
【0009】
茶葉と上記溶液とをよく混合する、あるいは上記茶葉に上記溶液を噴霧する。この際、上記溶液に含まれる、デキストリンまたはデンプン若しくはデキストリンおよびデンプンの重量%は処理前の茶葉に対して0.5〜20重量%までであることが好ましく、上記重量(デキストリンおよび/またはデンプンの重量)が20重量%を極端に超えると、茶葉に付着するデキストリンまたはデンプン若しくはデキストリンおよびデンプンの量が多くなって、最終製品(粉末茶)の味に強く影響を与える傾向が見られるので好ましくない。尚、本発明では、茶葉を処理する際、デキストリンとしては、難消化性デキストリンを使用するのが一般的であるが、これに限定されるものではない。
【0010】
上記工程の後に行われるデキストリン処理茶葉の乾燥工程は、一般的には40〜110℃で30分〜24時間の乾燥を行なうのが好ましく、乾燥後の茶葉は、その後、粉砕機を用いて微粉末化する。粉砕を行なう際の方法や手段は特に限定されるものではないが、粉砕により得られる粉末茶の粒径が0.2〜100μmの範囲となるように粉砕を行なうのが好ましい。
本発明において粉砕を行なうのに用いることのできる粉砕機としては、石臼、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル、振動ミル、ローラミル、高速回転粉砕機等の乾式の粉砕機を挙げることができる。これらの中でも合成樹脂製のポットと合成樹脂製のボールを備えているボールミルを用いると、温度上昇の少ない状態での粉砕が可能となり、お茶の風味を損なうことなく、微粉砕できるので好ましい。このような合成樹脂製のポットと合成樹脂製のボールを備えたボールミルの例としては、図9〜図11に示すボールミルを挙げることができる。
図9は、ポットを公転および自転運動させることが可能なボールミルであり、回転テーブル上にポットがセットされた状態を示す斜視図である。なお、図9においては、ボールミルの操作パネル部、および運転中に回転するポットを保護する保護カバー等は省略してある。
【0011】
このボールミルは、ポットおよびボールを除き、公知のボールミルと同じ構成を有している。したがって、以下では、ボールミルのポットおよびボール以外の構成要素に関する詳細な説明は省略する。
図9において、ボールミルは、円盤状の回転テーブル1と、回転テーブル1上に配置されたポット回転台2を備えている。回転テーブル1は、その中心軸のまわりに回転駆動され、ポット回転台2は、それぞれ、その中心軸のまわりに、回転テーブル1に対して回転駆動されるようになっている。ポット回転台2には、内部にボールおよび粉末茶の原料が封入されたポット3が、起立状態で強固に固定され、回転テーブル1の回転駆動によって公転運動せしめられ、また、ポット回転台2の回転駆動によって自転運動せしめられるようになっている。
【0012】
図10は、ポットの一実施例を示した図であり、(A)は斜視図、(B)は縦断面図である。図10に示されるように、ポット3は、一端が閉じられた円筒形状のポット本体4と、ポット本体4の他端開口をリング状のパッキン7を介して密閉し得る蓋体5からなっている。また、ポット本体4の内側空洞部6の周壁面4aから底壁面4bへの移行部分4cは、所定の曲率半径rをもって湾曲して形成されている。
【0013】
ポット3およびボール8は、合成樹脂から形成されている。合成樹脂は、人体に対する毒性がなく、耐摩耗性に優れたものであればいずれも使用可能であるが、特に、ポリアセタール、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリメチルペンテン、ポリエーテルスルホンおよびポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミドからなるグループより選ばれたポリマーであることが好ましく、あるいは、これらのポリマーを配合したものよりなる混合物であってもよいし、あるいは、これらのポリマーの構成モノマーからなるコポリマーであってもよい。
なお、同一種類の合成樹脂から形成されたポット3およびボール8を常に組み合わせて使用する必要はなく、異なる種類の合成樹脂から形成されたポット3およびボール8を組み合わせて使用してもよい。
ポット3は、内壁面が合成樹脂製であればよく、変形防止等のために、内壁面を形成する合成樹脂層の外側に、ステンレスや鉄等の金属からなる外皮を有するポットとしてもよい。
【0014】
良好な粉砕を実現するために、ボール8およびポット3の寸法、並びに粉末茶の原料の種類に応じて、ボール8の比重を適宜変化させて用いればよい。ボール8の比重を変化させる方法としては、互いに比重の異なる2種類の合成樹脂を用意し、ボール8を、第1の合成樹脂から形成された球形の核と、核の外側を取り巻く、第2の合成樹脂から形成された外皮層からなる2層構造として比重を変化させる方法、あるいは、ボール8の内部に金属球からなる芯を組み込みんで比重を大きくする方法、あるいは、ボール8の内部を中空とすることで比重を小さくする方法がある。
【0015】
図11は、ポット内にボールが収容された状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は縦断面図である。図11を参照して、ポット3の内側空洞部6の周壁面4aから底壁面4bへの移行部分4cの曲率半径rは、ボール8の曲率半径と等しいかまたはそれよりも大きくなっている。
さらに、ポット3の内側空洞部6の径sは、ボール8の直径Rの2.6〜4倍の大きさを有し、かつ、ポット3には4〜8個のボール8が収容されるようになっている。
【0016】
上記のようなボールミルを用いて茶葉を粉砕すると、茶葉の葉脈が、他の粉砕機を使用した場合と同程度に細かく切断され、他の粉砕方法で製造されたものと同程度の品質の粉末茶が得られる。
【0017】
ところで、何ら処理されていない粉末茶の分散性が低い原因としては、水中での粒子の表面電位(いわゆるゼータ電位)が関係していると考えられ、一般に、ゼータ電位の絶対値が低くなるほど粒子間に反発力が働きにくくなって粒子同士が凝集しやすくなり、逆に、ゼータ電位の絶対値が高くなるほど粒子間に大きな反発力が働いて粒子同士が凝集しにくくなる。本発明では、前述のデキストリン溶液による処理によって、粉末茶粒子の表面あるいは内部も含めて改質することにより表面電位が制御され、水への分散性が向上する。水への分散性試験においては、目視で数秒で粉末茶の分散が完了し、本発明の製造方法にて得られた粉末茶の高分散性が確認された。また沈殿速度も比較的遅いことが確認され、コロイド粒子の存在が示唆され、分散性が優れていることが確認された。
【実施例】
【0018】
〔粉末茶の水への分散性評価実験〕
処理の違いによる粉末茶の水への分散性の違いを調べるために、以下の5つの試料を作製した。
試料1:てん茶100gに、水20mlを加えよく混ぜ、55℃の乾燥機にて乾燥させ、その後、粉砕したもの(水処理品)。
試料2: てん茶100gに、デキストリンを水20mlに3gの割合で溶かした溶液を加えよく混ぜ、55℃の乾燥機にて乾燥させ、その後、粉砕したもの。デキストリンは全ててん茶に付着する。
試料3: てん茶100gに、デキストリンを水20mlに5gの割合で溶かした溶液を加えよく混ぜ、55℃の乾燥機にて乾燥させ、その後、粉砕したもの。デキストリンは全ててん茶に付着する。
試料4: てん茶100gに、デキストリンを水20mlに10gの割合で溶かした溶液を加えよく混ぜ、55℃の乾燥機にて乾燥させ、その後、粉砕したもの。デキストリンは全ててん茶に付着する。
試料5: てん茶100gをそのまま粉砕したもの(未処理品)。
尚、デキストリンとしては、松谷化学工業株式会社製のファイバーゾル2(商品名)を使用した。また粉砕は、図9〜図11に示した合成樹脂製ポットおよび合成樹脂製ボールを備えた遊星ボールミルを用いて行った。ポットは内径s=135mm、深さd=70mmのポリエステル製ポットで、ボールとしては直径R=36.5mmのポリエステル製ボールを6個用いた。粉砕条件は、粉砕を行なう前の原料各30gを用い、公転600rpmおよび自転600rpmの回転数で、かつ公転および自転の回転方向を互いに逆向きにして、10分間粉砕した。
【0019】
粉末茶の水への分散性評価は、下記にて行った。
上記試料1〜5それぞれ1.0gを、水(pH7のイオン交換水)200mlの入ったビーカ内に投入した。
図1には、同量の水が入ったビーカと、分散試験を行なう前の各試料が示されており、左から、試料1(水処理品)、試料2(3%デキストリン処理品)、試料3(5%デキストリン処理品)、試料4(10%デキストリン処理品)、試料5(未処理品)である。
図2は、5個のビーカに同時に粉末茶を投入して、自然溶解させた場合の様子を示す写真である。結果的には、水処理を施したもの及びデキストリン3%溶液で処理を施した試料がより早く沈殿し、しかも粒子の一部は落下中に水中に分散した。一方5%および10%デキストリン溶液で処理した試料は、沈殿までに要する時間が長かった。しかし、未処理の試料と比較して、ほとんどの粒子が沈殿した。未処理のものは沈殿せずに水面上に浮遊停留した。
【0020】
次に、自然溶解した試料を超音波により分散させることを試みた。図3は超音波洗浄機にビーカを設置、超音波をビーカに照射して水中の試料粉末を分散させ放置した場合の様子を示す写真である。未処理の試料は一部依然として水面を浮遊しているが、他の4種の試料は浮遊せずに水中に分散した。
この実験結果から、少なくとも未処理の試料では高い分散性は望めないことがわかった。水処理品、およびデキストリン溶液処理品は粒子の分散性が良好であることがわかった。
【0021】
次に水処理およびデキストリン溶液処理の4種の試料について、電気泳動法を用いて、粒子の分散の様子を調べた。水処理のみ,3,5,10%デキストリン溶液処理を施し乾燥させて粉砕した粉末茶を200mlのpH7のイオン交換水に分散させた。泳動電流を20mAとした。
水処理により茶葉表面に適度な水分が供給され粉末化したときに、粉末粒子表面の水中における帯電状態が変化する。粉末茶は水処理の有無にかかわらずpH7の水中では負に帯電した。一方、デキストリン溶液による茶葉表面へのデキストリンの付着により、同様の現象が発生する。しかし、この場合水処理のみの場合と異なる。図5に示すように粉末茶粒子に付着したデキストリンは、陰極に引かれたので、デキストリンは正に帯電し、図4に示すように粉末茶粒子は陽極に引かれたので負に帯電していることがわかった。またデキストリン溶液のデキストリンの濃度が増加するに従い、陰極上に堆積するデキストリンの量が増加した。その時、図6に示すように陽極上に堆積する粉末茶粒子の量はデキストリン3%で極小を示した後、デキストリンの濃度が増加するに従い増加した。図8に示すようにデキストリン濃度が増加するに従い、極板に付着する粒子の集合体のサイズが小さくなった。特にデキストリン10%溶液で処理した場合顕著にサイズが小さくなった。これは水中での粉末茶粒子がデキストリンが陰極にひかれ粒子の集合体が解離したためであると考えられる。この解離が攪拌によってもおこなわれるか確認するために、試料を十分に攪拌した後約45時間放置した場合の粒子の沈降状態を調べたものを図7に示す。デキストリン3%、5%、10%の順に沈降が遅くなった。
【0022】
上記の実験結果から、以下のことがわかった。
1.茶葉を水処理あるいはデキストリン溶液で処理することにより、その粉末は分散性が未処理の場合と比較して向上する。デキストリン溶液で処理を行うと粒子の沈殿するまでに要する時間がより長くなる。
2.水中で茶葉と異なる極性で帯電するデキストリンのような可食の物質で処理することにより分散性が向上する。このような物質としてはデキストリンの他にデンプンが挙げられる。
又、いずれも処理を行っていない茶葉とデキストリン乾燥粉末を混合して粉砕を行って粉末茶を製造しても、高分散化において良好な結果は得られないことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の製法は、水又はお湯に入れた際にダマを生じず、分散性に優れた粉末茶を製造するのに好適である。
【符号の説明】
【0024】
1 回転テーブル
2 ポット回転台座
3 ポット
4 ポット本体
4a 周壁面
4b 底壁面
4c 移行部分
5 蓋体
6 内側空洞部
7 リング状パッキン
8 ボール
【技術分野】
【0001】
本発明は、水やお湯に対する分散性に優れた粉末茶(粉茶を含む)を製造するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粉末茶の製造方法は、基本的には、乾燥した茶葉を挽臼機等によって微粉末化する方法であるが、保存性、水やお湯に対する分散性等を改善するために、これまでに種々の方法が提案されてきている。例えば、下記特許文献1には、粉砕茶葉を乾燥助剤を含む水性溶媒中に分散させ、得られた茶葉分散液を噴霧乾燥して、耐光性、保存性、流動性や分散性の良い粉末茶を製造する方法が提案されており、また、下記の特許文献2には、茶葉を粉砕して1ミクロン以下の微粉末とし、この微粉末に水を噴霧して攪拌し、更に遠赤外線によって加熱して、栄養素の消化吸収に優れた微粉末茶を得ることが提案されている。
しかしながら、これら引用文献記載の方法によって製造された粉末茶はいずれも、水やお湯に対する分散性が未だ十分ではなく、分散・懸濁させる際に、しばしばダマ、即ち、玉状の塊を生じ易いという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−274859号公報
【特許文献2】特開2001−45971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、水又はお湯に、ダマ(玉状の塊)を生じることなく容易に分散・懸濁する粉末茶の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、茶葉を、デキストリン及びデンプンの少なくともいずれか一方を含む溶液で処理した後、乾燥を行い、その後、粉砕することを特徴とする。
又、本発明は、上記の特徴を有した製造方法において、上記溶液中のデキストリンまたはデンプン若しくはデキストリンおよびデンプンの重量が、処理前の茶葉の0.5〜20重量%であることを特徴とするものである。
更に、本発明の粉末茶の製造方法は、所定の工程(生葉を蒸してから揉工程及び捻工程を経て、乾燥させる)を経て製造された茶葉を水とよく混合する、あるいは上記茶葉に水を噴霧する処理を行った後、乾燥を行い、その後、粉砕することを特徴とするものでもある。
【発明の効果】
【0006】
本発明の製造方法は、茶葉に処理を施すことにより、粉砕して粉末茶とした時の溶媒への分散性を向上させることができ、特に水又はお湯に、ダマを生じることなく容易に分散・懸濁可能な、風味と滋味に優れた粉末茶が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】pH7の水への、実施例に記載の各試料の分散試験前の状態を示す写真である。
【図2】実施例に記載の各試料を水に投入して自然溶解させた場合の様子を示す写真である。
【図3】pH7の水への、実施例に記載の各試料の分散試験後、超音波洗浄機で分散した際の状態を示す写真である。
【図4】電気泳動直後のアルミニウムの陽極(正極)極板に付着した粉末茶粒子の様子を示す写真である。
【図5】電気泳動後のアルミニウムの陰極(負極)極板に付着した粒子を乾燥させた後の様子を示す写真である。
【図6】電気泳動後のアルミニウムの陽極(正極)極板に付着した粉末茶粒子を乾燥させた後の重量とデキストリン濃度の関係を示す図である。
【図7】粉末茶粒子を水中に分散させて45時間放置した場合の粒子の沈降状態を示す写真である。
【図8】電気泳動直後のアルミニウムの陽極(正極)極板に付着した粉末茶粒子の様子を示す写真である。
【図9】本発明の製法において粉砕を行なう際に使用されるボールミル装置の好ましい一例を示す斜視図であり、回転テーブル上に、ボールが収容されたポットがセットされた状態を示している。なお、図中、ボールミル装置の操作パネル部、および運転中に回転するポットを保護する保護カバー等は省略してある。
【図10】本発明の製法において粉砕を行なう際に使用されるボールミル装置のポットの一実施例を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は縦断面図である。
【図11】本発明の製法において粉砕を行なう際に使用されるボールミル装置のポット内にボールが収容された状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の製法において使用される茶原料は特に限定されるものではなく、一般的な緑茶(玄米茶含む)、半発酵茶、発酵茶などの茶葉、及び、麦茶、ハトムギ茶、ハブ茶などの各種健康茶・雑穀茶がいずれも使用できる。
【0009】
茶葉と上記溶液とをよく混合する、あるいは上記茶葉に上記溶液を噴霧する。この際、上記溶液に含まれる、デキストリンまたはデンプン若しくはデキストリンおよびデンプンの重量%は処理前の茶葉に対して0.5〜20重量%までであることが好ましく、上記重量(デキストリンおよび/またはデンプンの重量)が20重量%を極端に超えると、茶葉に付着するデキストリンまたはデンプン若しくはデキストリンおよびデンプンの量が多くなって、最終製品(粉末茶)の味に強く影響を与える傾向が見られるので好ましくない。尚、本発明では、茶葉を処理する際、デキストリンとしては、難消化性デキストリンを使用するのが一般的であるが、これに限定されるものではない。
【0010】
上記工程の後に行われるデキストリン処理茶葉の乾燥工程は、一般的には40〜110℃で30分〜24時間の乾燥を行なうのが好ましく、乾燥後の茶葉は、その後、粉砕機を用いて微粉末化する。粉砕を行なう際の方法や手段は特に限定されるものではないが、粉砕により得られる粉末茶の粒径が0.2〜100μmの範囲となるように粉砕を行なうのが好ましい。
本発明において粉砕を行なうのに用いることのできる粉砕機としては、石臼、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル、振動ミル、ローラミル、高速回転粉砕機等の乾式の粉砕機を挙げることができる。これらの中でも合成樹脂製のポットと合成樹脂製のボールを備えているボールミルを用いると、温度上昇の少ない状態での粉砕が可能となり、お茶の風味を損なうことなく、微粉砕できるので好ましい。このような合成樹脂製のポットと合成樹脂製のボールを備えたボールミルの例としては、図9〜図11に示すボールミルを挙げることができる。
図9は、ポットを公転および自転運動させることが可能なボールミルであり、回転テーブル上にポットがセットされた状態を示す斜視図である。なお、図9においては、ボールミルの操作パネル部、および運転中に回転するポットを保護する保護カバー等は省略してある。
【0011】
このボールミルは、ポットおよびボールを除き、公知のボールミルと同じ構成を有している。したがって、以下では、ボールミルのポットおよびボール以外の構成要素に関する詳細な説明は省略する。
図9において、ボールミルは、円盤状の回転テーブル1と、回転テーブル1上に配置されたポット回転台2を備えている。回転テーブル1は、その中心軸のまわりに回転駆動され、ポット回転台2は、それぞれ、その中心軸のまわりに、回転テーブル1に対して回転駆動されるようになっている。ポット回転台2には、内部にボールおよび粉末茶の原料が封入されたポット3が、起立状態で強固に固定され、回転テーブル1の回転駆動によって公転運動せしめられ、また、ポット回転台2の回転駆動によって自転運動せしめられるようになっている。
【0012】
図10は、ポットの一実施例を示した図であり、(A)は斜視図、(B)は縦断面図である。図10に示されるように、ポット3は、一端が閉じられた円筒形状のポット本体4と、ポット本体4の他端開口をリング状のパッキン7を介して密閉し得る蓋体5からなっている。また、ポット本体4の内側空洞部6の周壁面4aから底壁面4bへの移行部分4cは、所定の曲率半径rをもって湾曲して形成されている。
【0013】
ポット3およびボール8は、合成樹脂から形成されている。合成樹脂は、人体に対する毒性がなく、耐摩耗性に優れたものであればいずれも使用可能であるが、特に、ポリアセタール、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリメチルペンテン、ポリエーテルスルホンおよびポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミドからなるグループより選ばれたポリマーであることが好ましく、あるいは、これらのポリマーを配合したものよりなる混合物であってもよいし、あるいは、これらのポリマーの構成モノマーからなるコポリマーであってもよい。
なお、同一種類の合成樹脂から形成されたポット3およびボール8を常に組み合わせて使用する必要はなく、異なる種類の合成樹脂から形成されたポット3およびボール8を組み合わせて使用してもよい。
ポット3は、内壁面が合成樹脂製であればよく、変形防止等のために、内壁面を形成する合成樹脂層の外側に、ステンレスや鉄等の金属からなる外皮を有するポットとしてもよい。
【0014】
良好な粉砕を実現するために、ボール8およびポット3の寸法、並びに粉末茶の原料の種類に応じて、ボール8の比重を適宜変化させて用いればよい。ボール8の比重を変化させる方法としては、互いに比重の異なる2種類の合成樹脂を用意し、ボール8を、第1の合成樹脂から形成された球形の核と、核の外側を取り巻く、第2の合成樹脂から形成された外皮層からなる2層構造として比重を変化させる方法、あるいは、ボール8の内部に金属球からなる芯を組み込みんで比重を大きくする方法、あるいは、ボール8の内部を中空とすることで比重を小さくする方法がある。
【0015】
図11は、ポット内にボールが収容された状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は縦断面図である。図11を参照して、ポット3の内側空洞部6の周壁面4aから底壁面4bへの移行部分4cの曲率半径rは、ボール8の曲率半径と等しいかまたはそれよりも大きくなっている。
さらに、ポット3の内側空洞部6の径sは、ボール8の直径Rの2.6〜4倍の大きさを有し、かつ、ポット3には4〜8個のボール8が収容されるようになっている。
【0016】
上記のようなボールミルを用いて茶葉を粉砕すると、茶葉の葉脈が、他の粉砕機を使用した場合と同程度に細かく切断され、他の粉砕方法で製造されたものと同程度の品質の粉末茶が得られる。
【0017】
ところで、何ら処理されていない粉末茶の分散性が低い原因としては、水中での粒子の表面電位(いわゆるゼータ電位)が関係していると考えられ、一般に、ゼータ電位の絶対値が低くなるほど粒子間に反発力が働きにくくなって粒子同士が凝集しやすくなり、逆に、ゼータ電位の絶対値が高くなるほど粒子間に大きな反発力が働いて粒子同士が凝集しにくくなる。本発明では、前述のデキストリン溶液による処理によって、粉末茶粒子の表面あるいは内部も含めて改質することにより表面電位が制御され、水への分散性が向上する。水への分散性試験においては、目視で数秒で粉末茶の分散が完了し、本発明の製造方法にて得られた粉末茶の高分散性が確認された。また沈殿速度も比較的遅いことが確認され、コロイド粒子の存在が示唆され、分散性が優れていることが確認された。
【実施例】
【0018】
〔粉末茶の水への分散性評価実験〕
処理の違いによる粉末茶の水への分散性の違いを調べるために、以下の5つの試料を作製した。
試料1:てん茶100gに、水20mlを加えよく混ぜ、55℃の乾燥機にて乾燥させ、その後、粉砕したもの(水処理品)。
試料2: てん茶100gに、デキストリンを水20mlに3gの割合で溶かした溶液を加えよく混ぜ、55℃の乾燥機にて乾燥させ、その後、粉砕したもの。デキストリンは全ててん茶に付着する。
試料3: てん茶100gに、デキストリンを水20mlに5gの割合で溶かした溶液を加えよく混ぜ、55℃の乾燥機にて乾燥させ、その後、粉砕したもの。デキストリンは全ててん茶に付着する。
試料4: てん茶100gに、デキストリンを水20mlに10gの割合で溶かした溶液を加えよく混ぜ、55℃の乾燥機にて乾燥させ、その後、粉砕したもの。デキストリンは全ててん茶に付着する。
試料5: てん茶100gをそのまま粉砕したもの(未処理品)。
尚、デキストリンとしては、松谷化学工業株式会社製のファイバーゾル2(商品名)を使用した。また粉砕は、図9〜図11に示した合成樹脂製ポットおよび合成樹脂製ボールを備えた遊星ボールミルを用いて行った。ポットは内径s=135mm、深さd=70mmのポリエステル製ポットで、ボールとしては直径R=36.5mmのポリエステル製ボールを6個用いた。粉砕条件は、粉砕を行なう前の原料各30gを用い、公転600rpmおよび自転600rpmの回転数で、かつ公転および自転の回転方向を互いに逆向きにして、10分間粉砕した。
【0019】
粉末茶の水への分散性評価は、下記にて行った。
上記試料1〜5それぞれ1.0gを、水(pH7のイオン交換水)200mlの入ったビーカ内に投入した。
図1には、同量の水が入ったビーカと、分散試験を行なう前の各試料が示されており、左から、試料1(水処理品)、試料2(3%デキストリン処理品)、試料3(5%デキストリン処理品)、試料4(10%デキストリン処理品)、試料5(未処理品)である。
図2は、5個のビーカに同時に粉末茶を投入して、自然溶解させた場合の様子を示す写真である。結果的には、水処理を施したもの及びデキストリン3%溶液で処理を施した試料がより早く沈殿し、しかも粒子の一部は落下中に水中に分散した。一方5%および10%デキストリン溶液で処理した試料は、沈殿までに要する時間が長かった。しかし、未処理の試料と比較して、ほとんどの粒子が沈殿した。未処理のものは沈殿せずに水面上に浮遊停留した。
【0020】
次に、自然溶解した試料を超音波により分散させることを試みた。図3は超音波洗浄機にビーカを設置、超音波をビーカに照射して水中の試料粉末を分散させ放置した場合の様子を示す写真である。未処理の試料は一部依然として水面を浮遊しているが、他の4種の試料は浮遊せずに水中に分散した。
この実験結果から、少なくとも未処理の試料では高い分散性は望めないことがわかった。水処理品、およびデキストリン溶液処理品は粒子の分散性が良好であることがわかった。
【0021】
次に水処理およびデキストリン溶液処理の4種の試料について、電気泳動法を用いて、粒子の分散の様子を調べた。水処理のみ,3,5,10%デキストリン溶液処理を施し乾燥させて粉砕した粉末茶を200mlのpH7のイオン交換水に分散させた。泳動電流を20mAとした。
水処理により茶葉表面に適度な水分が供給され粉末化したときに、粉末粒子表面の水中における帯電状態が変化する。粉末茶は水処理の有無にかかわらずpH7の水中では負に帯電した。一方、デキストリン溶液による茶葉表面へのデキストリンの付着により、同様の現象が発生する。しかし、この場合水処理のみの場合と異なる。図5に示すように粉末茶粒子に付着したデキストリンは、陰極に引かれたので、デキストリンは正に帯電し、図4に示すように粉末茶粒子は陽極に引かれたので負に帯電していることがわかった。またデキストリン溶液のデキストリンの濃度が増加するに従い、陰極上に堆積するデキストリンの量が増加した。その時、図6に示すように陽極上に堆積する粉末茶粒子の量はデキストリン3%で極小を示した後、デキストリンの濃度が増加するに従い増加した。図8に示すようにデキストリン濃度が増加するに従い、極板に付着する粒子の集合体のサイズが小さくなった。特にデキストリン10%溶液で処理した場合顕著にサイズが小さくなった。これは水中での粉末茶粒子がデキストリンが陰極にひかれ粒子の集合体が解離したためであると考えられる。この解離が攪拌によってもおこなわれるか確認するために、試料を十分に攪拌した後約45時間放置した場合の粒子の沈降状態を調べたものを図7に示す。デキストリン3%、5%、10%の順に沈降が遅くなった。
【0022】
上記の実験結果から、以下のことがわかった。
1.茶葉を水処理あるいはデキストリン溶液で処理することにより、その粉末は分散性が未処理の場合と比較して向上する。デキストリン溶液で処理を行うと粒子の沈殿するまでに要する時間がより長くなる。
2.水中で茶葉と異なる極性で帯電するデキストリンのような可食の物質で処理することにより分散性が向上する。このような物質としてはデキストリンの他にデンプンが挙げられる。
又、いずれも処理を行っていない茶葉とデキストリン乾燥粉末を混合して粉砕を行って粉末茶を製造しても、高分散化において良好な結果は得られないことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の製法は、水又はお湯に入れた際にダマを生じず、分散性に優れた粉末茶を製造するのに好適である。
【符号の説明】
【0024】
1 回転テーブル
2 ポット回転台座
3 ポット
4 ポット本体
4a 周壁面
4b 底壁面
4c 移行部分
5 蓋体
6 内側空洞部
7 リング状パッキン
8 ボール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散性に優れた粉末茶を製造するための方法であって、茶葉を、デキストリン及びデンプンの少なくともいずれか一方を含む溶液で処理した後、乾燥を行い、その後、粉砕することを特徴とする粉末茶の製造方法。
【請求項2】
上記のデキストリン及びデンプンの少なくともいずれか一方を含む溶液中のデキストリンまたはデンプン若しくはデキストリンおよびデンプンの重量%が処理前の茶葉に対して0.5〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載の粉末茶の製造方法。
【請求項3】
分散性に優れた粉末茶を製造するための方法であって、茶葉を、水で処理した後、乾燥を行い、その後、粉砕することを特徴とする粉末茶の製造方法。
【請求項1】
分散性に優れた粉末茶を製造するための方法であって、茶葉を、デキストリン及びデンプンの少なくともいずれか一方を含む溶液で処理した後、乾燥を行い、その後、粉砕することを特徴とする粉末茶の製造方法。
【請求項2】
上記のデキストリン及びデンプンの少なくともいずれか一方を含む溶液中のデキストリンまたはデンプン若しくはデキストリンおよびデンプンの重量%が処理前の茶葉に対して0.5〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載の粉末茶の製造方法。
【請求項3】
分散性に優れた粉末茶を製造するための方法であって、茶葉を、水で処理した後、乾燥を行い、その後、粉砕することを特徴とする粉末茶の製造方法。
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2010−213601(P2010−213601A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62426(P2009−62426)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、経済産業省、「地域イノベーション創出研究開発事業」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(503027931)学校法人同志社 (346)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【出願人】(592074175)株式会社福寿園 (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、経済産業省、「地域イノベーション創出研究開発事業」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(503027931)学校法人同志社 (346)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【出願人】(592074175)株式会社福寿園 (11)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]