説明

分散染料及び/又はUV吸収剤を含む調製物

本発明は、分散染料及びUV吸収剤を分散させるためのポリカルボキシレートエーテルの使用、さらには、分散染料及び/又はUV吸収剤、並びに分散剤としてのポリカルボキシレートエーテルを含む調製物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分散染料及びUV吸収剤は、織物産業において、疎水性繊維材料、特にポリエステルの染色及び仕上げをするために使用されている。それらの製品は、水に不溶性であるか又は難溶性であるが、織物材料に対して水相から適用される。調製物、すなわち、たとえば商業取引のための貯蔵安定性のある配合物、並びにそれらから得られる処理液及び浴は、それらの製品を微細な分散状態に維持するための分散剤を含む必要がある。この目的のための分散剤は、常に変わらずさらなる開発の対象となり、増大していく期待に応えなければならない。
【背景技術】
【0002】
ポリカルボキシレートエーテル(PCE)は、実質的にアクリル酸又はメタクリル酸をベースとし、ポリエーテルグリコールを用いてエステル化された高分子量化合物である。それらの化合物は公知であり、コンクリートの流動化剤として使用されている。たとえば、特許文献1には、二酸化ケイ素及びポリカルボキシレートエーテルを含むコンクリート流動化剤分散体の記載があり、また特許文献2には、二酸化チタン及びポリカルボキシレートエーテルからなる類似の分散体の記載がある。特許文献3には、同様にポリカルボキシレートエーテルを含む、自己突固め性コンクリートの記載がある。それらの助剤の作用については、非特許文献1に記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2006 005 093A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2006 005 094A1号明細書
【特許文献3】独国特許第10 2005 052 817B3号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ヘミー・イン・ウンゼレル・ツアイト(Chem.Unserer Zeit)、2005、39、262〜273
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
驚くべきことには、ポリカルボキシレートエーテルが、分散染料及びUV吸収剤を分散させるために極めて有用であるということが今や見出された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、有機ピグメント、特に分散染料及びUV吸収剤を分散させるための、ポリカルボキシレートエーテルの使用を提供する。本発明はさらに、分散染料及び/又はUV吸収剤を含み、分散剤としてのポリカルボキシレートエーテルをさらに含む調製物も提供する。
【0007】
本発明の調製物には、分散染料又はUV吸収剤を含んでいてもよいが、さらには分散染料とUV吸収剤とを含んでいてもよい。分散染料及びUV吸収剤はそれぞれ、特に0.2及び5μm、好ましくは0.4及び1.2μmの粒径で存在させる。
【0008】
本発明による好ましい調製物には、1〜50重量パーセント、より好ましくは5〜40重量パーセントの分散染料及び/又はUV吸収剤と、1〜25重量パーセントのポリカルボキシレートエーテルとを含む。
【0009】
本発明の調製物にはさらに、慣用される助剤、特にアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、増粘剤、消泡成分又は抑泡成分、いわゆる「酸供与体」、濡れ剤、酸化剤、保存剤、防塵加工剤及び/又は溶媒をさらに含んでいてもよい。
【0010】
アニオン性界面活性剤としてはたとえば、リグニンスルホネート、ナフタレンスルホネートとホルムアルデヒドとの縮合反応生成物、アルキル若しくはアルキルアリールスルホネート、又はアルキルアリールポリグリコールエーテルスルフェートが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としてはたとえば、アルキレンオキシドたとえばエチレンオキシド又はプロピレンオキシドと、アルキル化可能な化合物たとえば脂肪族アルコール、脂肪族アミン、脂肪酸、フェノール、アルキルフェノール及びカルボキサミドとの反応生成物が挙げられる。「酸供与体」としてはたとえば、ブチロラクトン、モノクロロアセトアミド、クロロ酢酸ナトリウム、二クロロ酢酸ナトリウム、3−クロロプロピオン酸のナトリウム塩、硫酸のモノエステルたとえばラウリルスルフェート、さらにはエトキシル化及びプロポキシル化アルコールの硫酸エステル、たとえばブチルグリコールスルフェートが挙げられる。
【0011】
酸化剤はたとえば、m−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムであり、殺菌性保存剤はたとえば、ナトリウムo−フェニルフェノキシド、ナトリウムペンタクロロフェノキシド、並びにメチル−及びベンジルイソチアゾロンが挙げられるが、後者は置換されていてもよい。
【0012】
原理的にはいかなる分散染料も適している。分散染料は、当業者には公知であり、たとえば、ブリティッシュ・ソサイエティ・オブ・ダイヤーズ・アンド・カラリスツ(British Society of Dyers and Colourists)及びアメリカン・アソシエーション・オブ・テキスタイル・ケミスツ・アンド・カラリスツ(American Association of Textile Chemists and Colorists)によって出版されたカラー・インデックス(Colour Index)のような文献に広く記載されている。
【0013】
好適な分散染料としては、特にモノアゾ、アントラキノン、キノフタロン、及びメチン染料、さらにはクマリンが挙げられる。
特に好適な分散染料は、式(I)のアゾ染料である。
【0014】
【化1】


[式中、
Aは、ジアゾ成分の残基を表し;
は、水素、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、−NHCO(C〜C)−アルキル、−NHSO(C〜C)−アルキル、又はハロゲンを表し;
は、水素、(C〜C)−アルキル、又は(C〜C)−アルコキシを表し;そして
及びRは独立して、水素、(C〜C)−アルケニル、(C〜C)−アルキル;又はシアノ、ヒドロキシル、フェノキシ、(C〜C)−アルコキシ、−OCO(C〜C)−アルキル、−OCOフェニル、−COO(C〜C)−アルキル、−OCOO(C〜C)−アルキル、若しくは−OCOOフェニルによって置換された(C〜C)−アルキルを表す]
基Aの例は、特に
式(II)の形を有するか、
【0015】
【化2】


[式中、
及びTは独立して、水素、ハロゲン、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、シアノ、−SO(C〜C−アルキル)、又はニトロを表し;そして
及びTは独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、−SOCH、−SCN、又はニトロを表す];
又は式(III)の形を有するか、
【0016】
【化3】


[式中、
及びT5’は独立して、水素、又はハロゲンを表し;そして
は、水素、−SOCH、−SCN、(C〜C)−アルコキシ、ハロゲン、又はニトロを表す];
又は式(IV)の形を有するか、
【0017】
【化4】


[式中、
12は水素、又はハロゲンを表す];
又は式(IVa)の形を有する。
【0018】
【化5】


[式中、
は、ニトロ、−CHO、シアノ、−COCH、又は次式の基を表し、
【0019】
【化6】


(ここでT10は、水素、ハロゲン、ニトロ、又はシアノを表す);
は、水素、(C〜C)−アルキル、又はハロゲンを表し;そして
は、ニトロ、シアノ、−COCH、又は−COOT11を表す(ここでT11は(C〜C)−アルキルを表す)]
さらに特に好ましい分散染料は、式(V)のアントラキノン染料である。
【0020】
【化7】


[式中、
及びDは独立して、水素、ヒドロキシル、アミノ、又はニトロを表し;
及びDは独立して、ヒドロキシル、アミノ、又は−NHRを表し;
及びDは独立して、水素、ハロゲン、シアノ、(C〜C)−アルコキシ、ヒドロキシ−(C〜C)−アルコキシ、フェノキシ−(C〜C)−アルコキシ、フェノキシ;(C〜C)−アルキル、シアノ−(C〜C)−アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)−アルコキシ、若しくは(C〜C)−アルキル−COO−(C〜C)−アルキルによって置換されたフェノキシ;フェニル;ヒドロキシル、(C〜C)−アルキル、若しくは(C〜C)−アルコキシによって置換されたフェニル;−SOOフェニル、−CO(C〜C)−アルキル、又は−COO(C〜C)−アルキルを表し;そして
は、(C〜C)−アルキル、ヒドロキシ−(C〜C)−アルキル、フェニル;(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、ヒドロキシ−(C〜C)−アルキル、−OSO(C〜C)−アルキル若しくはハロゲンによって置換されたフェニル;−SO−フェニル;又はフェニルラジカルの中で(C〜C)−アルキルによって置換された−SO−フェニルを表すか;又は、
とDとが合体して、−CONR5’CO−を表して、結合炭素原子と組み合わさって5員環を形成するが、ここで
5’は、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルキル、又は(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルキルを表す]
さらに特に好ましい分散染料は、式(VI)のキノフタロン染料である。
【0021】
【化8】


[式中、
は、水素又はハロゲン、特に臭素を表し;
は、水素又は−COORを表し;そして
は、水素、(C〜C)−アルキル、又は(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルコキシを表す]
【0022】
さらに特に好ましい分散染料は、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、及び(VIId)のメチン染料である。
【0023】
【化9】


[式中、
は、5員又は6員の炭素環又はヘテロサイクリックラジカル、好ましくはフェニル、置換フェニル、チアゾリル、置換チアゾリル、チエニル又は置換チエニルを表すが、それらの場合有用な置換基としては、特に(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、及びハロゲンが挙げられ;そして
30は、直鎖状であっても分岐状であってもよい(C〜C20)−アルキルを表す];
【0024】
【化10】


[式中、
は、アリールを表し、そして
31は、水素、(C〜C20)−アルキル、又は(C〜C20)−アルケニルを表す];
【0025】
【化11】


[式中、
32は、水素又は(C〜C)−アルキルを表し;
33及びR34は独立して、直鎖状であっても分岐状であってもよい(C〜C20)−アルキルを表す]
【0026】
本発明の目的に対して特に好ましい染料は以下のカラー・インデックス染料である:
C.I.ディスパース・イエロー:3、4、5、7、9、13、24、30、33、34、42、49、50、51、54、56、58、60、63、64、65、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、148、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、184:1、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、230、235、241、及び246;
C.I.ディスパース・オレンジ:1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、56、57、58、59、60、61、62、66、71、73、76、78、80、89、90、91、96、97、119、127、128、130、139、142、146、148、151、及び157;
C.I.ディスパース・レッド:1、4、5、77、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、158、159、164、167、169、177、178、179、181、182、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、208、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、263、272、277、278、279、281、282、283、288、296、302、303、310、311、312、320、324、328、343、356、364、367、369、376、377、378、381、382、383、及び385;
C.I.バイオレット:1、4、8、17、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、52、56、57、59、61、63、69、77、90、93、94、95、98、及び107;
C.I.ブルー:3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、70、72、73、74、75、77、79、81、82、83、84、85、87、91、93、94、95、06、102、104、106、108、112、113、115、118、119、120、122、125、128、130、131、139、141、142、143、145、146、148、149、152、153、154、158、165、171、173、174、178、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、280、284、285、286、287、288、291、293、295、297、301、315、321、330、333、341、354、356、358、367、369、371、378、及び379;
C.I.ディスパースグリーン:9;
C.I.ディスパースブラウン:1、2、4、9、13、16、及び19;
C.I.ディスパースブラック:1、3、10、及び24;
C.I.ソルベントイエロー:163;並びに
C.I.ソルベントオレンジ:60。
【0027】
考慮の対象となるUV吸収剤、特には、置換されたベンゾフェノン、ベンゾオキサジノン、ベンゾトリアゾール、及びトリアジンの群からのものである。
特に好ましいUV吸収剤は、式(VIII)のベンゾトリアゾールである。
【0028】
【化12】


[式中、
は、水素、ハロゲン、(C〜C12)−アルキル、(C〜C12)−アルケニル、(C〜C12)−アルコキシ、又は(C〜C12)−アルケンオキシを表し;
10は、水素、ハロゲン、(C〜C12)−アルキル、(C〜C12)−アルケニル、(C〜C12)−アルコキシ、(C〜C12)−アルケンオキシ、アリール−(C〜C)−アルキル、アリール−(C〜C)−アルキル(ここでアリール基は置換されている)、又は式(IX)の基を表し;
【0029】
【化13】


11は、水素、ヒドロキシル、(C〜C10)−アラルキルオキシ、ベンゾイルオキシ、又は置換ベンゾイルオキシを表し;そして
12は、水素、ハロゲン、ベンゾイル、置換ベンゾイル、(C〜C12)−アルキル、(C〜C12)−アルケニル、(C〜C12)−アルコキシ、(C〜C10)−アラルキル、(C〜C12)−アルケンオキシ、又は式(IX)の基を表し;
13は、水素、(C〜C10)−アルキル、(C〜C12)−アルケニル、−CO(C〜C10)−アルキル、−CO(C〜C12)−アルケニル、(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C10)−アラルキル、又は(C〜C10)−アリールを表し;
14は、(C〜C20)−アルキル、(C〜C17)−アルケニル、(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C10)−アラルキル、(C〜C10)−アラルケニル、又は(C〜C10)−アリールを表し;そして
nは、1又は2を表すが;
n=1の場合には、R13とR14とが、それらの支持原子と組み合わさって単環又は多環の5員〜8員の複素環を形成していてもよい]
【0030】
特に好ましい式(VIII)のベンゾトリアゾールにおいては、
は、水素、メチル、又は塩素を表し;
10は、水素又は(C〜C)−アルキル、特にtert−ブチルを表し;そして
12は、(C〜C)−アルキル、特にメチルを表す。
特に好ましいさらなるUV吸収剤は、式(X)のトリアジンである。
【0031】
【化14】


[式中、
15は、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、ハロゲン、又はヒドロキシルを表し;
16及びR17は独立して、(C〜C)−アルキルチオ、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C18)−アルキル、ヒドロキシル−、ハロゲン−、(C〜C)−アルコキシ−、(C〜C)−アルキルチオ−、アミノ−若しくはモノ−若しくはジ−(C〜C)−アルキルアミノ−置換(C〜C18)−アルキル、フェニル、又は塩素−、ヒドロキシル−、(C〜C)−アルキル−若しくは(C〜C)−アルコキシ−モノ置換若しくはポリ置換フェニルを表し;そして
mは、0、1又は2を表す]
【0032】
式(X)のトリアジンの中のmは、好ましくは1であり、その場合R15は、ヒドロキシル基に対してメタ位に結合されているのが好ましい。
極めて特に好ましいUV吸収剤は、式(XXII)の形を有する。
【0033】
【化15】

【0034】
上述のUV吸収剤は公知であり、公知の方法によって得ることも可能であるし、また市場で入手することも可能である。
たとえば、式XのUV吸収剤は、アミジンとo−ヒドロキシベンゼンカルボン酸エステルとを、好ましくは約2:1の比率で沸騰した有機溶媒中で加熱することによって得られるが、これについは、米国特許第3,896,125号明細書及びヘルベティカ・キミカ・アクタ(Helv.Chim.Acta)、1972、55、1566〜1595を参照されたい。
【0035】
本発明において使用されるポリカルボキシレートエーテル、より正確には、本発明の調製物中に存在させるポリカルボキシレートエーテルは、特に、ポリエーテルグリコールを用いてエステル化させた、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のコポリマーである。それらには、さらなる成分が含まれているのが好ましい。それらが、以下において定義される構造繰返し単位A、B、及びCを含んでいるのがより好ましい。
構造繰返し単位Aは、モノカルボン酸又はジカルボン酸の誘導体であって、式(XIa)、(XIb)又は(XIc)の形を有する。
【0036】
【化16】


[式中、
18は、水素、又は(C〜C20)−アルキルを表し;
Xは、−OM、−O−(C2pO)−R19、及び/又は−NH−(C2pO)−R19を表し;
Yは、O、又はNR19を表し;
Mは、水素、1価又は2価の金属カチオン、アンモニウム、又は有機アミンラジカルを表し;
19は、水素、(C〜C20)−アルキル、(C〜C20)−アルケニル、(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C14)−アリール、ヒドロキシル−若しくはカルボキシル−若しくはスルホ−置換(C〜C14)−アリールを表し;
pは、2〜4の整数を表し;
qは、0〜200の数を表し;
そして
aは、Mが1価のカチオンを表す場合には1を表し、Mが2価のカチオンを表す場合には1/2を表す]
【0037】
有機アミンラジカルのMは、好ましくは、一級、二級又は三級の(C〜C20)−アルキルアミン、(C〜C20)−アルカノールアミン、又は(C〜C)−シクロアルキルアミンから誘導される置換アンモニウム基である。それに相当するアミンの例としては、プロトン化された(アンモニウム)形の、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、フェニルアミン、及びジフェニルアミンが挙げられる。
18は、メチルを表しているのが好ましい。
pは、2又は3を表しているのが好ましい。
構造繰返し単位Bは、式(XII)の形を有する。
【0038】
【化17】


[式中、
p、q、及びR19は先に定義されたものであり、そして
20は、水素又は(C〜C)−アルキル又は(C〜C)−アルケニルを表す]
構造繰返し単位Cは、式(XIIIa)又は(XIIIb)の形を有する。
【0039】
【化18】


[式中、
21は、水素、又はメチルを表し;
Uは、水素、−COOM、又は−COOR22を表し;
Qは、−COOR22を表し;
22は、(C〜C20)−アルキル、(C〜C20)−アルケニル、(C〜C)−シクロアルキル好ましくはシクロペンチル若しくはシクロヘキシル、又は(C〜C14)−アリール好ましくはフェニル若しくはナフチルを表し;
19は先に定義されたものであり;
Vは、式(XVI)のポリジメチルシロキサンラジカル、又は−O−CO−C−CO−O−を表し;そして
zは、0〜4の数値を表す]
構造繰返し単位Cは、場合によっては、式(XIV)及び/又は(XV)の基を含んでいてもよい。
式(XIV)の基においては、
【0040】
【化19】


U及びR21はそれぞれ先に定義されたものであり;
そしてQは次式の形を有する。
【0041】
【化20】


[式中、
は、−CO−NH−、−O−、又は−CH−O−を表し;
xは、1〜150の数を表し;そして
yは0〜15の数を表し;そして
23は、R19の意味合いの一つを有するか、又は次式の基を表す。
【0042】
【化21】


(式中、R21及びUはそれぞれ先に定義されたものであり、そして
は、−NH−CO−、−O−、又は−O−CH−を表す)]
式(XV)の基においては、
【0043】
【化22】


U及びR21はそれぞれ先に定義されたものであり;
Wは、式(XVI)、(XVII)又は(XVIII)の基を表す。
【0044】
【化23】


[式中、
bは、1又は2を表し;
rは、2〜100の数を表し;
zは0〜4の数を表し;そして
24は、R19の意味合いの一つを有するか、又は式(XIX)又は(XX)の基を表す]
【0045】
【化24】


(式中、R21、U、及びzは、先に定義されたものであり、sは、1又は2を表す)]
【0046】
本発明において使用されるポリカルボキシレートエーテル、より正確には、本発明の調製物中に存在するポリカルボキシレートエーテルには、構造繰返し単位A、B及びCと共に、構造繰返し単位Dをさらに含んでいてもよい。構造繰返し単位Dは、式(XXIa)又は(XXIb)の形を有する。
【0047】
【化25】


[式中、X、Y及びMはそれぞれ、先に定義されたものである]
【0048】
構造繰返し単位Dがさらに存在している場合には、存在している構造繰返し単位の比率は、構造繰返し単位Aが55〜75モル%、構造繰返し単位Bが19.5〜39.5モル%、構造繰返し単位Cが0.5〜2モル%、そして構造繰返し単位Dが5〜20モル%であるのが好ましい。
【0049】
構造繰返し単位A〜Dと共に、本発明において使用される、より正確には本発明の調製物中に存在するポリカルボキシレートエーテルは、特に好ましくは、構造繰返し単位A〜Dを合計した量を基準にして、1〜50モル%、特には1〜20モル%の、ビニル性又は(メタ)アクリル酸誘導体、たとえばスチレン、メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン、プロピレン、イソブテン、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルピロリドン、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、AMPS、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アリルヘキシルなどをベースとするモノマーに基づく構造を含む。
【0050】
式(I)〜(XXI)の化合物の上述の定義において、アルキル基は直鎖であっても分岐していてもよい。例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、アミル、イソアミル、tert−アミル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル、n−ヘプチル、イソオクチル、n−ノニル、イソノニル、n−ドデシル、ヘプタデシル、及びオクタデシルが特に挙げられる。同じ論理がアルコキシ、アルケンオキシ、及びアルキレン基にも適用され、第一のものの代表としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、又はtert−ブトキシが特に挙げられる。アルキルチオとしては、たとえばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、及びtert−ブチルチオが挙げられる。
【0051】
シクロアルキル基は、特にはシクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチル、より好ましくはシクロヘキシルである。
アラルキル基は、特にはベンジル及びフェネチルであるが、それに対してアリールは、特にはフェニル又はナフチルである。
ハロゲンは、特には塩素及び臭素であるが、中でも塩素が好ましい。
【0052】
本発明において使用される、より正確には本発明の調製物中に存在するポリカルボキシレートエーテルは、好ましくは5,000〜50,000の範囲、より好ましくは20,000〜40,000の範囲の分子量を有する。
【0053】
BASF・コンストラクション・ポリマーズ・GmbH(BASF Construction Polymers GmbH)から、メルパース(Melpers)(登録商標)9360及びメルパース(Melpers)(登録商標)9560の商品名として入手可能なポリカルボキシレートエーテルが特に好ましいということが判明した。
【0054】
本発明において使用される、より正確には本発明の調製物中に存在するポリカルボキシレートエーテルは、公知の方法、たとえば独国特許出願公開第10 2006 005 094A1号明細書に記載されている方法によって得ることも可能である。
【0055】
本発明の調製物は、公知の方法によって得ることができる。それらは、特には、液状媒体中好ましくは水中に、分散染料及び/又はUV吸収剤を分散剤と共にスラリー化させ、次いでその混合物を剪断力の作用にかけて、最初から存在していた染料及びUV吸収剤粒子を機械的に微粉砕して、最適な比表面積が達成され、沈降が最小限となる程度にすることによって得られる。これは、適切なミル、たとえばボールミル又はサンドミル中で実施される。染料及び/又はUV吸収剤の粒径は、一般的には0.5〜5μmの間、好ましくは0.8〜1.2μmの間である。
そのようにして得られた調製物は、ほとんどの用途では、流し込みが可能であるべきである。したがって、染料、UV吸収剤、及び分散剤の含量は、それらの場合においては限定される。一般的には、染料及び/又はUV吸収剤の含量が15〜50重量パーセント、分散剤の含量が5〜25重量パーセントになるように調製物を調節する。
【0056】
本発明の調製物がさらなる助剤を含むような場合には、それらを、上述の調製方法の過程において所望の量で添加する。
このようにして得られた染料分散体は、染液及び捺染糊を製造するには極めて好適である。
上述の本発明の水性、すなわち液状の調製物が好ましいが、ある種の使用分野においては粉末配合物が好ましい。それらの粉末には、染料又はUV吸収剤、分散剤、及び適切であるならばその他の助剤が含まれる。
【0057】
粉末状調製物を製造するための好適な方法は、上述の液状調製物からそれらの液体を、たとえば真空乾燥、凍結乾燥、又はドラム乾燥器上の乾燥によってストリッピングさせることからなるが、噴霧乾燥によるのが好ましい。
【0058】
本発明の調製物が分散染料を含む場合には、それらを使用して、染色媒体好ましくは水を用いて、(5:1)から(50:1)の液比が得られるように必要な量でそれらを希釈することによって染液を調製する。さらに、一般的にはその液に対して、さらなる染色助剤、たとえば分散剤、濡れ剤、及び固着助剤を添加するのが普通である。有機酸及び無機酸、たとえば酢酸、コハク酸、ホウ酸又はリン酸を加えて、pHを4〜5、好ましくは4.5に設定する。pHの設定を緩衝化させるのが有利であり、充分な量の緩衝系を添加する。酢酸/酢酸ナトリウムの系が、有利な緩衝系の一例である。
【0059】
織物の捺染において本発明の分散染料調製物を使用するために、その調製物の必要量を、増粘剤たとえばアルギン酸アルカリ金属など、及び適切であるならばさらなる添加物たとえば固着促進剤、濡れ剤、及び酸化剤と共に、常法に従って混練して捺染糊を形成させる。
【0060】
実施例1
23部の、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
14部の、ポリカルボキシレートエーテル(メルパース(Melpers)(登録商標)9560(BASF・コンストラクション・ポリマーズ・GmbH(BASF Construction Polymers GmbH)製)の60重量%溶液、
4部の、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合反応生成物、
及び
48.8部の、脱塩水、
を、ガラスビーズミル中で混合する。
その混合物を、等量の直径約0.4〜0.6mmのガラスビーズと共に摩砕して、その粒径を少なくとも5μm未満とし、次いでその分散体をガラスビーズから分離する。
その混合物を撹拌している間に、
1.4部の、殺菌剤配合物、及び
8.8部の、脱塩水、
を添加し、撹拌して均質にする。
これにより、貯蔵可能な分散体が得られる。
【0061】
実施例2
23部の、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
14部の、ポリカルボキシレートエーテル(メルパース(Melpers)9360(BASF・コンストラクション・ポリマーズ・GmbH(BASF Construction Polymers GmbH)製)の60重量%溶液、
4部の、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合反応生成物、
及び
48.8部の、脱塩水、
を、ガラスビーズミル中で混合する。
その混合物を、等量の直径約0.4〜0.6mmのガラスビーズと共に摩砕して、その粒径を少なくとも5μm未満とし、次いでその分散体をガラスビーズから分離する。
その混合物を撹拌している間に、
1.4部の、殺菌剤配合物、及び
8.8部の、脱塩水、
を添加し、撹拌して均質にする。
これにより、貯蔵可能な分散体が得られる。
【0062】
実施例3
12.5部の、式XXIIのトリアジンタイプの市販のUV吸収剤、
【0063】
【化26】


14部の、ポリカルボキシレートエーテル(メルパース(Melpers)(登録商標)9560(BASF・コンストラクション・ポリマーズ・GmbH(BASF Construction Polymers GmbH)製)の60重量%溶液、
4部の、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合反応生成物、
及び
69.5部の脱塩水、
を、ガラスビーズミル中で混合する。
その混合物を、等量の直径約0.4〜0.6mmのガラスビーズと共に摩砕して、その粒径を少なくとも5μm未満とし、次いでその分散体をガラスビーズから分離する。
これにより、貯蔵可能な分散体が得られる。
【0064】
実施例4
12.5部の、式XXIIのトリアジンタイプのUV吸収剤、
14部の、ポリカルボキシレートエーテル(メルパース(Melpers)(登録商標)9560(BASF・コンストラクション・ポリマーズ・GmbH(BASF Construction Polymers GmbH)製)の60重量%溶液、
16.6部の、変性ポリビニルピロリドンの30重量%溶液、
及び
46.7部の脱塩水、
を、ガラスビーズミル中で混合する。
その混合物を、等量の直径約0.4〜0.6mmのガラスビーズと共に摩砕して、その粒径を少なくとも5μm未満とし、次いでその分散体をガラスビーズから分離する。
その混合物を撹拌している間に、
1.4部の、殺菌剤配合物、及び
8.8部の、脱塩水、
を添加し、撹拌して均質にする。
これにより、貯蔵可能な分散体が得られる。
【0065】
実施例5
10部の、C.I.ディスパースブルー284、
10部の、ポリカルボキシレートエーテル(メルパース(Melpers)(登録商標)9560(BASF・コンストラクション・ポリマーズ・GmbH(BASF Construction Polymers GmbH)製)の60重量%溶液、
6部の、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合反応生成物、
及び
63.8部の、脱塩水、
を、ガラスビーズミル中で混合する。
その混合物を、等量の直径約0.4〜0.6mmのガラスビーズと共に摩砕して、その粒径を少なくとも5μm未満とし、次いでその分散体をガラスビーズから分離する。
その混合物を撹拌している間に、
1.4部の、殺菌剤配合物、及び
8.8部の、脱塩水、
を添加し、撹拌して均質にする。
これにより、貯蔵可能な分散体が得られる。
【0066】
実施例6
21部のC.I.ディスパースブルー60M、
14部の、ポリカルボキシレートエーテル(メルパース(Melpers)(登録商標)9560(BASF・コンストラクション・ポリマーズ・GmbH(BASF Construction Polymers GmbH)製)の60重量%溶液、及び
54.8部の、脱塩水、
を、ガラスビーズミル中で混合する。
その混合物を、等量の直径約0.4〜0.6mmのガラスビーズと共に摩砕して、その粒径を少なくとも5μm未満とし、次いでその分散体をガラスビーズから分離する。
その混合物を撹拌している間に、
1.4部の、殺菌剤配合物、及び
8.8部の、脱塩水、
を添加し、撹拌して均質にする。
これにより、貯蔵可能な分散体が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散染料及びUV吸収剤を分散させるためのポリカルボキシレートエーテルの使用。
【請求項2】
分散染料及び/又はUV吸収剤を含み、さらに、分散剤としてポリカルボキシレートエーテルをさらに含む、ことを特徴とする調製物。
【請求項3】
1〜50重量パーセントの分散染料及び/又はUV吸収剤、並びに1〜25重量パーセントのポリカルボキシレートエーテルを含む、請求項2に記載の調製物。
【請求項4】
モノアゾ、アントラキノン、キノフタロン、メチン、又はクマリン分散染料を含む、請求項2及び/又は3に記載の調製物。
【請求項5】
分散染料として、
式(I)のアゾ染料を含むか、
【化1】


[式中、
Aは、ジアゾ成分の残基を表し;
は、水素、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、−NHCO(C〜C)−アルキル、−NHSO(C〜C)−アルキル、又はハロゲンを表し;
は、水素、(C〜C)−アルキル、又は(C〜C)−アルコキシを表し;そして
及びRは独立して、水素、(C〜C)−アルケニル、(C〜C)−アルキル、又はシアノ、ヒドロキシル、フェノキシ、(C〜C)−アルコキシ、−OCO(C〜C)−アルキル;−OCOフェニル、−COO(C〜C)−アルキル、−OCOO(C〜C)−アルキル、若しくは−OCOOフェニルによって置換された(C〜C)−アルキルを表す]
式(V)のアントラキノン染料を含むか、
【化2】


[式中、
及びDは独立して、水素、ヒドロキシル、アミノ、又はニトロを表し;
及びDは独立して、ヒドロキシル、アミノ、又は−NHRを表し;
及びDは独立して、水素、ハロゲン、シアノ、(C〜C)−アルコキシ、ヒドロキシ−(C〜C)−アルコキシ、フェノキシ−(C〜C)−アルコキシ、フェノキシ;(C〜C)−アルキル、シアノ−(C〜C)−アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)−アルコキシ、若しくは(C〜C)−アルキル−COO−(C〜C)−アルキルによって置換されたフェノキシ;フェニル;ヒドロキシル、(C〜C)−アルキル、若しくは(C〜C)−アルコキシによって置換されたフェニル;−SOOフェニル、−CO(C〜C)−アルキル、又は−COO(C〜C)−アルキルを表し;そして
は、(C〜C)−アルキル、ヒドロキシ−(C〜C)−アルキル、フェニル;(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、ヒドロキシ−(C〜C)−アルキル、−OSO(C〜C)−アルキル若しくはハロゲンによって置換されたフェニル;−SO−フェニル;又はフェニルラジカルの中で(C〜C)−アルキルによって置換された−SO−フェニルを表すか;又は、
とDとが合体して、−CONR5’CO−を表して、結合炭素原子と組み合わさって5員環を形成するが、ここで
5’は、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルキル、又は(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルキルを表す]
又は式(VI)のキノフタロン染料を含むか、
【化3】


[式中、
は、水素又はハロゲン、特に臭素を表し;
は、水素又は−COORを表し;そして
は、水素、(C〜C)−アルキル、又は(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルコキシを表す]
又は、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)若しくは(VIId)のメチン染料を含む、
【化4】


[式中、
は、5員若しくは6員の炭素環又はヘテロサイクリックラジカルを表し、
30は、直鎖状であっても分岐状であってもよい(C〜C20)−アルキルを表す];
【化5】


[式中、
は、アリールを表し、そして
31は、水素、(C〜C20)−アルキル、又は(C〜C20)−アルケニルを表す];
【化6】


[式中、
32は、水素又は(C〜C)−アルキルを表し;
33及びR34は独立して、直鎖状であっても分岐状であってもよい(C〜C20)−アルキルを表す]
請求項2〜4のいずれか一項に記載の調製物。
【請求項6】
Aが
式(II)の形を有するか、
【化7】


[式中、
及びTは独立して、水素、ハロゲン、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、シアノ、−SO(C〜C−アルキル)、又はニトロを表し;そして
及びTは独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、−SOCH、−SCN、又はニトロを表す];
又は式(III)の形を有するか、
【化8】


[式中、
及びT5’は独立して、水素、又はハロゲンを表し;そして
は、水素、−SOCH、−SCN、(C〜C)−アルコキシ、ハロゲン、又はニトロを表す];
又は式(IV)の形を有するか、
【化9】


[式中、
12は水素、又はハロゲンを表す];
又は式(IVa)の形を有する、
【化10】


[式中、
は、ニトロ、−CHO、シアノ、−COCH、又は次式の基を表し、
【化11】


(ここでT10は、水素、ハロゲン、ニトロ、又はシアノを表す);
は、水素、(C〜C)−アルキル、又はハロゲンを表し;そして
は、ニトロ、シアノ、−COCH、又は−COOT11を表す(ここでT11は(C〜C)−アルキルを表す)]
請求項5に記載の調製物。
【請求項7】
UV吸収剤として、
式(VIII)のベンゾトリアゾールを含むか、
【化12】


[式中、
は、水素、ハロゲン、(C〜C12)−アルキル、(C〜C12)−アルケニル、(C〜C12)−アルコキシ、又は(C〜C12)−アルケンオキシを表し;
10は、水素、ハロゲン、(C〜C12)−アルキル、(C〜C12)−アルケニル、(C〜C12)−アルコキシ、(C〜C12)−アルケンオキシ、アリール−(C〜C)−アルキル、アリール−(C〜C)−アルキル(ここでアリール基は置換されている)、又は式(IX)の基を表し;
【化13】


11は、水素、ヒドロキシル、(C〜C10)−アラルキルオキシ、ベンゾイルオキシ、又は置換ベンゾイルオキシを表し;そして
12は、水素、ハロゲン、ベンゾイル、置換ベンゾイル、(C〜C12)−アルキル、(C〜C12)−アルケニル、(C〜C12)−アルコキシ、(C〜C10)−アラルキル、(C〜C12)−アルケンオキシ、又は式(IX)の基を表し;
13は、水素、(C〜C10)−アルキル、(C〜C12)−アルケニル、−CO(C〜C10)−アルキル、−CO(C〜C12)−アルケニル、(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C10)−アラルキル、又は(C〜C10)−アリールを表し;
14は、(C〜C20)−アルキル、(C〜C17)−アルケニル、(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C10)−アラルキル、(C〜C10)−アラルケニル、又は(C〜C10)−アリールを表し;そして
nは、1又は2を表すが;
n=1である場合には、R13とR14とが、それらの支持原子と組み合わさって単環又は多環の5員〜8員の複素環を形成していてもよい]
又は式(X)のトリアジンを含む、
【化14】


[式中、
15は、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、ハロゲン、又はヒドロキシルを表し;
16及びR17は独立して、(C〜C)−アルキルチオ、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C18)−アルキル、ヒドロキシル−、ハロゲン−、(C〜C)−アルコキシ−、(C〜C)−アルキルチオ−、アミノ−若しくはモノ−若しくはジ−(C〜C)−アルキルアミノ−置換(C〜C18)−アルキル、フェニル、又は塩素−、ヒドロキシル−、(C〜C)−アルキル−若しくは(C〜C)−アルコキシ−モノ置換若しくはポリ置換フェニルを表し;そして
mは、0、1又は2を表す]
請求項2及び/又は3に記載の調製物。
【請求項8】
ポリカルボキシレートエーテルとして、アクリル酸及び/又はメタクリル酸から誘導され、ポリエーテルグリコールを用いてエステル化されたコポリマーを含む、請求項2及び/又は3に記載の調製物。
【請求項9】
前記ポリカルボキシレートエーテルが、構造繰返し単位A、B、及びCを含み、
ここで、
前記構造繰返し単位Aが、式(XIa)、(XIb)又は(XIc)の形を有し、
【化15】


[式中、
18は、水素、又は(C〜C20)−アルキルを表し;
Xは、−OM、−O−(C2pO)−R19、及び/又は−NH−(C2pO)−R19を表し;
Yは、O、又はNR19を表し;
Mは、水素、1価又は2価の金属カチオン、アンモニウム、又は有機アミンラジカルを表し;
19は、水素、(C〜C20)−アルキル、(C〜C20)−アルケニル、(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C14)−アリール、ヒドロキシル−若しくはカルボキシル−若しくはスルホ−置換(C〜C14)−アリールを表し;
pは、2〜4の整数を表し;
qは、0〜200の数を表し;
そして、
aは、Mが1価のカチオンを表す場合には1を表し、Mが2価のカチオンを表す場合には1/2を表す]
前記構造繰返し単位Bが、式(XII)の形を有し、
【化16】


[式中、
p、q、及びR19はそれぞれ先に定義されたものであり、そして
20は、水素又は(C〜C)−アルキル又は(C〜C)−アルケニルをあらわす]
そして、
前記構造繰返し単位Cが、式(XIIIa)又は(XIIIb)の形を有する、
【化17】


[式中、
21は、水素、又はメチルを表し;
Uは、水素、−COOM、又は−COOR22を表し;
Qは、−COOR22を表し;
22は、(C〜C20)−アルキル、(C〜C20)−アルケニル、(C〜C)−シクロアルキル好ましくはシクロペンチル若しくはシクロヘキシル、又は(C〜C14)−アリール好ましくはフェニル若しくはナフチルを表し;
19は先に定義されたものであり;
Vは、式(XVI)のポリジメチルシロキサンラジカル、又は−O−CO−C−CO−O−を表し;そして
zは、0〜4の数値を表す]
請求項2、3、及び8のいずれか一項に記載の調製物。

【公表番号】特表2010−540705(P2010−540705A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526255(P2010−526255)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/062566
【国際公開番号】WO2009/040317
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(310020183)ダイスター・カラーズ・ドイッチュラント・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (11)
【Fターム(参考)】