説明

分析装置、分析方法および分析プログラム

【課題】分析結果の判定処理におけるユーザの負担を軽減するとともに迅速かつ正確な判定処理を実現する分析装置、分析方法および分析プログラムを提供すること。
【解決手段】本発明にかかる分析装置1は、分析対象である検体とともに既知の値である管理試料を分析する分析装置において、管理試料の分析結果をもとに該管理試料に対応する検体の分析結果が正常であるか否かを判定し、検体の各分析結果に対して判定結果を対応づけた分析情報を生成する判定部34と、生成手段が生成した分析情報を出力する出力部36とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、分析対象である検体とともに既知の値である管理試料を分析する分析装置、分析方法および分析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、多数の検体に対する分析処理を同時に行い、さらに、多成分を迅速に、かつ、高精度で分析できるため、免疫学検査、生化学検査、輸血検査などさまざまな分野での検査に用いられている(たとえば、特許文献1参照)。このような自動分析装置における分析対象となる検体は、患者の血液や尿などの生体液資料であり、この分析結果が疾病の診断や治療方針の決定のもととなるため、分析結果の高信頼性および分析結果取得の迅速性が求められている。ここで、分析装置の動作および分析結果の信頼性を管理する方法として既知の結果を示す管理試料を検体とともに測定する方法がある。これは、患者検体の測定前後あるいは測定間などに管理試料を測定し、管理試料の分析結果が既知の結果内であれば、分析装置は正常に動作していると判定し、患者検体の分析結果を保証する方法である。また、管理試料の分析結果が既知の結果でない場合には、分析装置に異常が発生している可能性があり、患者検体の分析結果を保証できないこととなる。
【0003】
【特許文献1】特公平2−16875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来においては、ユーザ自身が管理試料の分析結果を確認し、この管理試料に対応する検体群の検体ごとに分析結果を保証できるか否かを判定し、この判定結果を手動で分析結果に反映させていた。特に近年の分析装置においては、分析処理の高速化が実現されているため、一度に分析可能な検体数が大幅に増加している。この結果、多数の検体に対する分析結果の判定処理に長時間を費やすこととなり、ユーザにとって大きな負担となっていた。また、分析結果の判定処理は、ユーザが手動でおこなっていたため、ユーザの技術によっては、判定処理に誤りが含まれる場合があるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、分析結果の判定処理におけるユーザの負担を軽減するとともに迅速かつ正確な判定処理を実現する分析装置、分析方法および分析プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、分析対象である検体とともに既知の値である管理試料を分析する分析装置において、前記管理試料の分析結果をもとに該管理試料に対応する検体の分析結果が正常であるか否かを判定する判定手段と、前記検体の各分析結果に対して前記判定手段による判定結果を対応づけた分析情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された分析情報を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、この発明にかかる分析装置は、前記判定手段は、前記管理試料の分析結果が前記既知の値である場合に該管理試料に対応する検体の分析結果が正常であると判定し、前記管理試料の分析結果が前記既知の値でない場合に該管理試料に対応する検体の分析結果が異常であると判定することを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる分析装置は、前記判定手段は、前記管理試料の分析結果が前記既知の値である場合、該管理試料に対応する検体のうち所定範囲内の検体の分析結果が正常であると判定し、前記所定範囲外の検体の分析結果が異常であると判定することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる分析装置は、前記判定手段は、前記管理試料に対応する検体として該管理試料の後に分析された検体に対して分析結果を判定することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる分析装置は、前記判定手段は、前記管理試料に対応する検体として該管理試料の前に分析された検体に対して分析結果を判定することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる分析装置は、前記判定手段は、第1の前記管理試料および第2の前記管理試料がともに前記既知の値である場合であって、該第1の管理試料および該第2の管理試料の間に分析された検体が所定範囲内の数量である場合に、該検体の分析結果が正常であると判定することを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる分析装置は、前記所定範囲は、前記検体に対する分析方法の内容に応じて設定されることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる分析装置は、前記分析情報を記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる分析方法は、分析対象である検体とともに既知の値である管理試料を分析する分析方法において、前記管理試料の分析結果をもとに該管理試料に対応する検体の分析結果が正常であるか否かを判定する判定ステップと、前記検体の各分析結果に対して前記判定ステップにおける判定結果を対応づけた分析情報を生成する生成ステップと、前記生成ステップにおいて生成された分析情報を出力する出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる分析プログラムは、分析対象である検体とともに既知の値である管理試料を分析する分析プログラムにおいて、前記管理試料の分析結果をもとに該管理試料に対応する検体の分析結果が正常であるか否かを判定する判定手順と、前記検体の各分析結果に対して前記判定手順における判定結果を対応づけた分析情報を生成する生成手順と、前記生成手順において生成された分析情報を出力する出力手順と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、管理試料の分析結果をもとに該管理試料に対応する検体の分析結果が正常であるか否かを判定し、検体の各分析結果に対して判定結果を対応づけた分析情報を生成、出力するため、迅速かつ正確な判定処理を実現し、分析装置のユーザは、生成された分析情報を確認することによって、各検体の分析結果が保証される内容であるか否かを簡易かつ迅速に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について。生化学検査、輸血検査などの各分野のうち、免疫学的凝集反応を利用し被検血液の抗原抗体反応などの免疫学検査を行う分析装置を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0018】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。図1は、本実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる分析装置1は、分析対象である検体および試薬を、マイクロプレート20の所定のウェルWにそれぞれ分注し、ウェルW内で生じる反応を光学的に測定する測定機構2と、測定機構2を含む分析装置1全体の制御を行うとともに測定機構2における測定結果の分析を行う制御機構3とを備える。分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の免疫学的な分析を自動的に行う。なお、マイクロプレート20は、アクリル等の透明な材料によって構成したプレートで、その表面に開口したウェルWと称する孔を多数有する。ウェルWは、検体を収容するもので傾斜面が形成された孔であり、マイクロプレート20の表面にマトリクス状に配列されている。
【0019】
測定機構2は、大別してプレート搬送レーン10、検体移送部11、検体分注機構12、試薬移送部13、試薬分注機構14、反応促進部15、測光部16およびプレート回収部17を備える。また、制御機構3は、制御部31、入力部32、分析部33、判定部34、記憶部35、出力部36および送受信部37を備える。測定機構2および制御機構3が備えるこれらの各部は、制御部31に電気的に接続されている。
【0020】
プレート搬送レーン10は、マイクロプレート20における各ウェルWへの検体や試薬の分注、ウェルW内の液体の反応促進および測光を行うためにマイクロプレート20を所定の位置まで搬送する。このプレート搬送レーン10は、制御部31の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、たとえば図1中の矢印に示すように左方向にマイクロプレート20を搬送する。
【0021】
検体移送部11は、検体を収容した複数の検体容器11aを保持し、図中の矢印方向に順次移送される複数の検体ラック11bを備える。検体容器11aに収容された検体は、検体の提供者から採取した血液に凝固阻止剤を加え遠心分離を行い、上澄み液となる血清と堆積物となる血球(赤血球)粒子とに分離したものである。検体移送部11上の所定位置に移送された検体容器11a内の検体は、検体分注機構12によって、プレート搬送レーン10上に配列して搬送されるマイクロプレート20の所定のウェルWに分注される。
【0022】
検体容器11aの側面部には、検体容器11aに収容された検体に関する検体情報が記録された記録媒体が付されている。記録媒体は、符号化された各種の情報を表示しており、光学的に読み取られる。検体情報は、たとえば、検体を提供した患者の氏名、性別、年齢、分析項目などがある。
【0023】
検体移送部11の対応箇所には、この記録媒体を光学的に読み取る検体読取部11cが設けられている。検体読取部11cは、記録媒体に対して赤外光または可視光を発し、記録媒体からの反射光を処理することによって、記録媒体の情報を読み取る。また、検体読取部11cは、記録媒体を撮像処理し、撮像処理によって得られた画像情報を解読して、記録媒体の情報を取得してもよい。検体読取部11cは、この検体読取部11cの前を通過する際に、検体容器11aに付された記録媒体の情報を読み取る。
【0024】
検体分注機構12は、検体の吸引および吐出を行うプローブ12b,12cが先端部に取り付けられたアーム12aと、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。検体分注機構12は、上述した検体移送部11上の所定位置に移送された検体容器11aの中からプローブ12b,12cによって検体を吸引し、アーム12aを図中上下方向に移動させ、各ウェルWに検体を吐出して分注を行う。なお、プローブ12bは、検体容器11a内の血清を吸引および吐出し、プローブ12cは、検体容器11a内の血球粒子を吸引および吐出する。
【0025】
試薬移送部13は、マイクロプレート20中における各ウェルWに分注される試薬がそれぞれ収容された試薬セット13aを試薬分注機構14による試薬吸引位置まで移送する。試薬セット13aには、各種の分析項目に応じて所要の試薬がそれぞれ所定量収容され、1セットの試薬セット13aに含まれる各試薬は、所定回数の分注に対応する場合のほか、一度の分注に対応する場合もある。試薬移送部13は、所定回数の分注処理が終了した試薬セット13aを回収し、次に分注対象となる試薬セット13aを試薬吸引位置まで移送する。
【0026】
試薬セット13aの側面部には、試薬セット13aに収容された各試薬に関する試薬情報が記録された記録媒体が付されている。記録媒体は、符号化された各種の情報を表示しており、光学的に読み取られる。試薬移送部13の対応箇所には、この記録媒体を光学的に読み取る試薬読取部13bが設けられている。試薬読取部13bは、記録媒体に対して赤外光または可視光を発し、記録媒体からの反射光を処理することによって、記録媒体の情報を読み取る。また、試薬読取部13bは、記録媒体を撮像処理し、撮像処理によって得られた画像情報を解読して、記録媒体の情報を取得してもよい。
【0027】
試薬分注機構14は、試薬の吸引および吐出を行うプローブが先端部に取り付けられたアーム14aを備える。アーム14aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。試薬分注機構14は、図示しない吸排シリンジまたは圧電阻止を用いた吸排機構を備える。試薬分注機構14は、試薬移送部13上の所定位置に移動された試薬セット13a内の試薬を対応する各プローブによって吸引し、アーム14aを図中時計回りに旋回させ、プレート搬送レーン10上の所定位置に搬送されたマイクロプレート20の各ウェルWに対応する各試薬を吐出して分注を行う。
【0028】
反応促進部15は、マイクロプレート20に分注された検体および試薬の反応を促進し、抗原抗体反応を行わせ、マイクロプレート20の各ウェルW底面に凝集パターンを形成させる。反応促進部15は、たとえば、マイクロプレート20を振動させてウェルW内の検体および試薬を攪拌する。また、反応促進部15は、たとえば、分析方法の内容に対応させた所定時間の間、マイクロプレート20を静置し、血球粒子の自然沈降などを促進する。また、反応促進部15は、たとえば、所定の磁場を印加することによってウェルW内に存在する微粒子を操作する。
【0029】
測光部16は、反応促進部15において形成された凝集パターンを測光検出する。測光部16は、たとえばCCDカメラによって構成され、マイクロプレート20の各ウェルWを上方から撮像し、各ウェルWに形成された凝集パターンを撮像した画像情報を出力する。また、測光部16は、マイクロプレート20の各ウェルWに所定の光を照射する発光部と各ウェルW内の検体に発生する光を受光する受光部とを備え、検体に発生した光の輝度を測光結果として出力してもよい。
【0030】
プレート回収部17は、測光部16による測光処理が終了したマイクロプレート20を回収する。回収されたマイクロプレート20は、図示しない洗浄部によって、各ウェルWの混合液の吸引および排出、洗浄液の注入および吸引によって洗浄される。洗浄されたマイクロプレート20は再利用される。なお、検査内容によっては1回の測定終了後にマイクロプレート20が廃棄される場合もある。
【0031】
つぎに、制御機構3について説明する。制御部31は、CPU等を用いて構成され、分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部31は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。入力部32は、キーボード、マウス、マイクロフォン等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。
【0032】
分析部33は、測光部16によって測定された測光結果をもとに抗原抗体反応を分析する。なお、分析部33は、測光部16が画像情報を出力する場合、測光部16によって出力された画像情報を処理し、検体の輝度に応じた測光値を取得する。
【0033】
判定部34は、患者検体の測定前後あるいは測定間などに測定される管理試料であって、分析結果が既知の値である管理試料の分析結果をもとに該管理試料に対応する検体の分析結果が正常であるか否かを判定し、検体の各分析結果に対して判定結果を対応づけた分析情報を生成する。判定部34は、管理試料の分析結果が既知の値である場合、この管理試料の分析結果が正常であると判定し、この管理試料に対応する検体の分析結果が正常であると判定する。一方、判定部34は、管理試料の分析結果が既知の値でない場合、この管理試料の分析結果が異常であると判定し、この管理試料に対応する検体の分析結果が異常であると判定する。さらに、判定部34は、管理試料の分析結果が既知の値である場合、この管理試料に対応する検体のうち所定範囲内の検体の分析結果が正常であると判定し、所定範囲外の検体の分析結果が異常であると判定する。判定部34は、管理試料に対応する検体として、この管理試料の後に分析された検体に対して分析結果を判定する。この所定範囲は、検体に対する分析方法の内容に応じて設定される。たとえば、この所定範囲は、試薬セット13aに収容された試薬容量に応じて設定され、試薬セット13aの各試薬に100回分の分注量に対応する容量が収容されている場合には、試薬分注を開始した1本目の検体から100本目までの検体に対応する範囲となる。なお、この所定範囲は、記憶部35に予め記憶されるほか、入力部32から入力された指示情報および送受信部37から入力された指示情報をもとに設定される。
【0034】
記憶部35は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、判定部34が生成した分析情報を含む諸情報を記憶する。記憶部35は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
【0035】
出力部36は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、判定部34が生成した分析情報を含む諸情報を出力する。送受信部37は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがった情報の送受信を行うインターフェースとしての機能を有する。
【0036】
以上のように構成された分析装置1では、順次搬送される複数のマイクロプレート20に対して、検体分注機構12が検体容器11a中の検体を分注し、試薬分注機構14が試薬セット13a中の各試薬を分注した後、測光部16が検体と試薬とを反応させた状態の検体の輝度測定を行い、この測定結果を分析部33が分析することで、検体の抗原抗体反応分析等が自動的に行われる。
【0037】
つぎに、分析装置1による検体の分析結果の判定処理について説明する。図2は、分析装置1が検体の分析結果を判定する処理手順を示すフローチャートである。図2に示すように、判定部34は、判定対象である検体群の前に分析された管理試料の分析結果を取得する(ステップS2)。判定部34は、管理試料の分析結果が既知の値であるか否かをもとに、管理試料の分析結果が正常であるか否かを判断する(ステップS4)。
【0038】
判定部34は、管理試料の分析結果が異常であると判断した場合(ステップS4:異常)、判定対象である検体群の検体の分析結果は、全てエラーであると判定する(ステップS6)。一方、判定部34は、管理試料の分析結果が正常であると判断した場合(ステップS4:正常)、判定対象の検体群の検体数は、所定の設定範囲内か否かを判断する(ステップS8)。
【0039】
判定部34は、判定対象の検体群の検体数が所定の設定範囲内であると判断した場合(ステップS8:Yes)、判定対象である検体群の検体の分析結果は、正常であると判断する(ステップS10)。これに対し、判定部34は、判定対象の検体群の検体数が所定の設定範囲を超え所定の設定範囲内ではないと判断した場合(ステップS8:No)、設定範囲内の検体の分析結果は正常であり、設定範囲外の検体の分析結果はエラーであると判断する(ステップS12)。なお、出力部36は、ステップS6およびステップS12において、分析対象である検体群の分析結果にエラーが発生した場合には、このエラーを報知する音声または表示を出力する警告処理を行ってもよい。
【0040】
つぎに、判定部34は、検体の各分析結果に対して、ステップS6、ステップS10およびステップS12における判定結果を対応づけた分析情報を生成する(ステップS14)。判定部34は、生成した分析情報を記憶部35および出力部36に出力し、出力部36は、分析情報を出力する(ステップS16)。分析装置1のユーザは、検体の分析結果に対して各判定結果をそれぞれ対応づけた分析情報を確認することによって、各検体の分析結果が保証される内容であるか否かを簡易かつ迅速に認識することができる。
【0041】
つぎに、図3〜図6を参照して、判定部34の判定処理について具体的に説明する。図3に示すように、矢印方向にしたがって、管理試料群Q1、検体群S1、管理試料群Q2、検体群S2の順で測定および分析される。判定部34は、検体群S1に対する判定には、検体群S1の前に分析された管理試料群Q1の分析結果を反映し、検体群S2に対する判定には、検体群S2の前に分析された管理試料群Q2の分析結果を反映する。
【0042】
図4のテーブルT1に示すように、判定部34は、分析結果が陽性(以下、「+」とする。)である管理試料群Q1が、既知の値である「+」を示す場合、この管理試料に対する分析処理は正常であったと判定する。この場合、判定部34は、矢印Y11に示すように、検体群S1の検体の分析結果が正常であったと判定する。一方、判定部34は、管理試料群Q1が、既知の値である「+」ではなく陰性(以下、「−」と示す。)を示す場合、この管理試料群Q1に対する分析処理に異常があったと判定し、矢印Y12に示すように、検体群S1の検体の分析結果は異常であると判定する。また、判定部34は、管理試料群Q2に対しても同様に、既知の値である「+」を示す場合、矢印Y13に示すように、この管理試料群Q2に対応する検体群S2の検体の分析結果は正常であると判定し、「−」を示す場合、矢印Y14に示すように、検体群S2の検体の分析結果は異常であると判定する。
【0043】
さらに、図5に示すように、検体群S1の検体数が所定の設定範囲を超える場合、判定部34は、検体群S1のうち設定範囲内における検体群S11に対して管理試料群Q1の分析結果を反映し、設定範囲外における検体群S12の分析結果を全てエラーと判定する。同様に、判定部34は、検体群S2においても、設定範囲内における検体群S21に対して管理試料群Q2の分析結果を反映し、設定範囲外における検体群S22の分析結果を全てエラーと判定する。具体的には、図6のテーブルT2に示すように、判定部34は、管理試料群Q1が「+」を示し正常であると判断した場合、矢印Y15に示すように設定範囲内の検体群S11の分析結果は正常であると判定し、矢印Y16に示すように設定範囲外の検体群S12の分析結果は全てエラーであると判定する。また、判定部34は、この管理試料群Q1が「−」を示し異常であると判断した場合には、矢印Y17に示すように、検体群S1の分析結果は全てエラーであると判定する。分析装置1においては、判定部34は、判定結果を各検体の分析結果にそれぞれ対応させた分析情報として、たとえば図4のテーブルT1および図6のテーブルT2に示す分析情報を生成し、出力部36は、判定部34によって生成された分析情報を出力する。
【0044】
このように、分析装置1においては、検体の分析結果に対して管理試料の分析結果にもとづく各判定結果をそれぞれ対応づけた分析情報を自動的に生成、出力する。このため、分析装置においては、ユーザ自身が手動で管理試料の結果を各検体の分析結果に反映させる必要がないため、ユーザの負担を軽減することができ、ユーザが手動で行うことによって発生していた判定処理の誤りを低減することができる。したがって、分析装置1によれば、ユーザは、分析装置1によって生成された正確な分析情報を確認することによって、各検体の分析結果が保証される内容であるか否かを簡易かつ迅速に認識することができ、検体に対する再検査などの対応を適切に行うことができる。
【0045】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。実施の形態2においては、複数の管理試料の分析結果を分析対象である検体の分析結果に反映させて保証処理を行う。図7は、本実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【0046】
図7に示すように、実施の形態2にかかる分析装置201は、実施の形態1にかかる分析装置1における判定部34に代えて、判定部234を有する制御機構203を備える。判定部234は、第1の管理試料および第2の管理試料がともに既知の値である場合であって、第1の管理試料および第2の管理試料との間に分析された検体が所定範囲内の数量である場合に、該検体の分析結果が正常であると判定する。
【0047】
つぎに、分析装置201による検体の分析結果の判定処理について説明する。図8は、分析装置201が検体の分析結果を判定する処理手順を示すフローチャートである。図8に示すように、判定部234は、判定対象である検体群の前および後に分析された管理試料の分析結果を取得する(ステップS22)。まず、判定部234は、管理試料の分析結果が既知の値であるか否かをもとに、判定対象である検体群の前に分析された管理試料の分析結果が正常であるか否かを判断する(ステップS24)。
【0048】
判定部234は、判定対象である検体群の前に分析された管理試料の分析結果が異常であると判断した場合(ステップS24:異常)、判定対象である検体群の検体の分析結果は、全てエラーであると判定する(ステップS26)。一方、判定部234は、判定対象である検体群の前に分析された管理試料の分析結果が正常であると判定した場合(ステップS24:正常)、判定対象である検体群の後に分析された管理試料の分析結果が正常であるか否かを判断する(ステップS28)。
【0049】
判定部234は、判定対象である検体群の後に分析された管理試料の分析結果が異常であると判断した場合(ステップS28:異常)、判定対象である検体群の検体の分析結果は、全てエラーであると判定する(ステップS26)。一方、判定部234は、判定対象である検体群の後に分析された管理試料の分析結果が正常であると判断した場合(ステップS28:正常)、判定対象の検体群の検体数は、所定の設定範囲内か否かを判断する(ステップS30)。
【0050】
判定部234は、判定対象の検体群の検体数が所定の設定範囲を超えて所定の設定範囲内ではないと判断した場合(ステップS30:No)、判定対象の検体の分析結果は全てエラーであると判断する(ステップS26)。また、判定部234は、判定対象の検体群の検体数が所定の設定範囲内であると判断した場合(ステップS30:Yes)、判定対象である検体群の検体の分析結果は、正常であると判断する(ステップS32)。
【0051】
つぎに、図2に示すステップS14およびステップS16と同様に、判定部234は、検体の各分析結果に対して、ステップS26およびステップS32における判定結果を対応づけた分析情報を生成し(ステップS34)、出力部36は、分析情報を出力する(ステップS36)。
【0052】
つぎに、図9〜図12を参照して、判定部234の判定処理について具体的に説明する。判定部234は、図9の矢印Y21および矢印Y22に示すように、検体群S1に対する判定には検体群S1の前に分析された管理試料群Q1および検体群S1の後に分析された管理試料群Q2の分析結果を反映し、図9の矢印Y23および矢印Y24に示すように、検体群S2に対する判定には検体群S2の前に分析された管理試料群Q2および検体群S2の後に分析された管理試料群Q3の分析結果を反映する。
【0053】
図10のテーブルT3の列L1に示すように、判定部234は、管理試料群Q1および管理試料群Q2がともに既知の値である「+」を示す場合、管理試料群Q1および管理試料群Q2における分析処理は正常であったと判定する。この場合、判定部234は、矢印Y25に示すように、検体群S1の検体の分析結果が正常であったと判定する。一方、判定部234は、テーブルT3の列L2〜L4に示すように、管理試料群Q1および管理試料群Q2の少なくともいずれか一方が、「−」を示す場合、この管理試料群Q1、管理試料群Q2に対する分析処理に異常があったと判定する。この場合、判定部234は、矢印Y26〜Y28に示すように、検体群S1の検体の分析結果は異常であると判定する。
【0054】
また、図11に示すように、検体群S1の検体数が所定の設定範囲を超える場合には、検体群S1の全ての検体がエラーであると判定される。具体的には、図12のテーブルT4の矢印Y29に示すように、判定部234は、管理試料群Q1および管理試料Q2の分析結果がともに「+」を示した場合であっても、検体群S1の検体数が設定範囲を超える場合には、設定範囲を超えた検体群S12に加え設定範囲内の検体群S11についても、分析結果が全てエラーであると判定する。
【0055】
このように、分析装置201においては、検体の分析結果に対して管理試料の分析結果にもとづく各判定結果をそれぞれ対応づけた分析情報を自動的に生成、出力するため、実施の形態1と同様の効果を奏する。さらに、分析装置201においては、分析対象である検体群の前後に測定された管理試料の分析結果をもとに検体群の分析結果を判定するため、さらに確実に検体群の品質を保証することができる。
【0056】
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3について説明する。実施の形態3においては、分析対象である検体群の後に分析された管理試料の分析結果を分析結果に反映させて保証処理を行う。図13は、本実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【0057】
図13に示すように、実施の形態3にかかる分析装置301は、実施の形態1にかかる分析装置1における判定部34に代えて、判定部334を有する制御機構303を備える。判定部334は、管理試料に対応する検体として、この管理試料の前に分析された検体に対して分析結果を判定する。
【0058】
つぎに、分析装置301による検体の分析結果の判定処理について説明する。図14は、分析装置301が検体の分析結果を判定する処理手順を示すフローチャートである。図14に示すように、判定部334は、判定対象である検体群の後に分析された管理試料の分析結果を取得する(ステップS42)。判定部334は、管理試料の分析結果が既知の値であるか否かをもとに、管理試料の分析結果が正常であるか否かを判断する(ステップS44)。
【0059】
判定部334は、管理試料の分析結果が異常であると判断した場合(ステップS44:異常)、判定対象である検体群の検体の分析結果は、全てエラーであると判定する(ステップS46)。一方、判定部334は、管理試料の分析結果が正常であると判断した場合(ステップS44:正常)、判定対象の検体群の検体数は、所定の設定範囲内か否かを判断する(ステップS48)。
【0060】
判定部334は、判定対象の検体群の検体数が所定の設定範囲内であると判断した場合(ステップS48:Yes)、判定対象である検体群の検体の分析結果は、正常であると判断する(ステップS50)。これに対し、判定部34は、判定対象の検体群の検体数が所定の設定範囲を超えて所定の設定範囲内ではないと判断した場合(ステップS48:No)、設定範囲内の検体の分析結果は正常であり、設定範囲外の検体の分析結果はエラーであると判断する(ステップS52)。
【0061】
つぎに、図2に示すステップS14およびステップS16と同様に、判定部334は、検体の各分析結果に対して、ステップS46、ステップS50およびステップS52における判定結果を対応づけた分析情報を生成し(ステップS54)、出力部36は、分析情報を出力する(ステップS56)。
【0062】
つぎに、図15〜図18を参照して、判定部334の判定処理について具体的に説明する。図15に示すように、判定部334は、検体群S1に対する判定には検体群S1の後に分析された管理試料群Q1の分析結果を反映し、検体群S2に対する判定には検体群S2の後に分析された管理試料群Q2の分析結果を反映する。
【0063】
図16のテーブルT5に示すように、判定部334は、分析結果が「+」である管理試料群Q1が「+」を示す場合、管理試料群Q1における分析処理は正常であったと判定する。この場合、判定部334は、矢印Y31に示すように、管理試料群Q1の前に分析された検体群S1の検体の分析結果が正常であったと判定する。一方、判定部334は、管理試料群Q1が「−」を示す場合、矢印Y32に示すように、検体群S1の検体の分析結果は異常であると判定する。
【0064】
また、図17に示すように、実施の形態3においては、管理試料群の直前に測定された所定数の検体が所定の設定範囲内の検体に対応する。図17に示すように、検体群S1の検体数が所定の設定範囲を超える場合、判定部334は、検体群S1のうち管理試料群Q1の直前に測定された設定範囲内の検体群S13に対して管理試料群Q1の分析結果を反映し、設定範囲外における検体群S14の分析結果を全てエラーと判定する。同様に検体群S2においても、判定部334は、設定範囲内における検体群S23に対して管理試料群Q2の分析結果を反映し、設定範囲外における検体群S24の分析結果を全てエラーと判定する。具体的には、図18のテーブルT6に示すように、判定部334は、管理試料群Q1が「+」を示し正常であると判断した場合、矢印Y33に示すように設定範囲内の検体群S13の分析結果は正常であると判定し、矢印Y34に示すように設定範囲外の検体群S14の分析結果は全てエラーであると判定する。また、判定部334は、この管理試料群Q1の分析結果が「−」を示し異常であると判断した場合には、矢印Y35に示すように、検体群S1の分析結果は全てエラーであると判定する。
【0065】
このように、分析装置301においては、検体の分析結果に対して管理試料の分析結果にもとづく各判定結果をそれぞれ対応づけた分析情報を自動的に生成、出力するため、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0066】
なお、分析装置1,201,301において、判定部34,234,334は、管理試料の分析項目ごとに検体に対する判定を行う。たとえば、管理試料群が、分析項目「A」について既知の値を示す管理試料および分析項目「B」について既知の値を示す管理試料をそれぞれ有する場合には、判定部34,234,334は、分析項目「A」については、分析項目「A」に対応する管理試料の分析結果を検体群に対して反映し、分析項目「B」については、分析項目「B」に対応する管理試料の分析結果を検体群に反映すればよい。また、管理試料群が、分析結果「A」について既知の値を示す管理試料を複数有する場合には、判定部34,234,334は、分析項目「A」に対応する管理試料の分析結果の一部に異常があると判断した場合に分析項目「A」に対応する管理試料の分析結果は異常であると判定し、対応する検体群に判定結果を反映する。言い換えると、判定部34,334は、分析項目「A」に対応する全ての管理試料の分析結果が正常と判断した場合に、設定範囲内の検体群の分析結果が正常であると判定する。また、判定部234は、判定対象である検体群の前後の分析項目「A」に対応する全ての管理試料の分析結果が正常と判断した場合であって、検体数が所定の設定範囲内である場合に、判定対象の検体群の分析結果が正常であると判定する。
【0067】
また、管理試料が収納された管理試料ラックには、予め設定された収納位置にしたがって各分析項目に対応する管理試料が収納される。この場合には、分析装置1,201,301は、これらの各管理試料における既知の分析結果を、入力部32、記憶部35および送受信部37を介して取得し、判定部34,234,334は、取得した管理試料における既知の分析結果をもとに各管理試料の分析結果が正常であるか否かを判定する。また、分析装置1,201,301は、管理試料ラックまたは各管理試料が収容された検体容器11aに付された記録媒体に、対応する分析項目および分析結果を記録し、検体読取部11cにおいて記録媒体の情報を読み取ることによって、各管理試料の既知の分析結果を取得してもよい。この場合、予め設定された収納位置にしたがって各分析項目に対応する管理試料が収納される必要はない。
【0068】
また、実施の形態1〜3において説明した各判定処理内容、所定の設定範囲は、入力部32から入力された指示情報をもとに自由に選択できるとしてもよい。また、分析装置1,201,301においては、管理試料において、プレート搬送レーン10および検体移送部11における搬送エラーが発生した場合には、この管理試料の分析結果を検体の分析結果の判定処理における判定基準として扱わず、管理試料の分析結果が分析部33において受信できなかった場合と同様の処理手順で処理する。すなわち、出力された分析情報においては、管理試料の分析結果および管理試料の分析結果をもととした判定結果が含まれていないこととなり、ユーザは、このような分析情報を確認することによって、搬送エラー等の異常を把握することができる。
【0069】
また、本実施の形態1〜3にかかる分析装置1,201,301として、免疫学的凝集反応を利用し被検血液の抗原抗体反応などの免疫学検査を行う分析装置を例に説明したが、管理試料を用いる分析装置であれば、生化学検査および輸血検査を行う分析装置についても適用してもよい。
【0070】
また、上記実施の形態で説明した分析装置は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。以下、上記実施の形態で説明した分析装置と同様の機能を有する分析プログラムを実行するコンピュータシステムについて説明する。
【0071】
図19は、上述した実施の形態を用いたコンピュータシステムの構成を示すシステム構成図であり、図20は、このコンピュータシステムにおける本体部の構成を示すブロック図である。図19に示すように、本実施の形態にかかるコンピュータシステム100は、本体部101と、本体部101からの指示によって表示画面102aに画像などの情報を表示するためのディスプレイ102と、このコンピュータシステム100に種々の情報を入力するためのキーボード103と、ディスプレイ102の表示画面102a上の任意の位置を指定するためのマウス104とを備える。
【0072】
また、このコンピュータシステム100における本体部101は、図20に示すように、CPU121と、RAM122と、ROM123と、ハードディスクドライブ(HDD)124と、CD−ROM109を受け入れるCD−ROMドライブ125と、フレキシブルディスク(FD)108を受け入れるFDドライブ126と、ディスプレイ102、キーボード103並びにマウス104を接続するI/Oインターフェース127と、ローカルエリアネットワークまたは広域エリアネットワーク(LAN/WAN)106に接続するLANインターフェース128とを備える。
【0073】
さらに、このコンピュータシステム100には、インターネットなどの公衆回線107に接続するためのモデム105が接続されるとともに、LANインターフェース128およびLAN/WAN106を介して、他のコンピュータシステム(PC)111、サーバ112、プリンタ113などが接続される。
【0074】
そして、このコンピュータシステム100は、所定の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで分析装置を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)108、CD−ROM109、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステム100の内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)124や、RAM122、ROM123などの「固定用の物理媒体」、さらに、モデム105を介して接続される公衆回線107や、他のコンピュータシステム111並びにサーバ112が接続されるLAN/WAN106などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステム100によって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。
【0075】
すなわち、分析プログラムは、上記した「可搬用の物理媒体」、「固定用の物理媒体」、「通信媒体」などの記録媒体に、コンピュータ読み取り可能に記録されるものであり、コンピュータシステム100は、このような記録媒体から分析プログラムを読み出して実行することで分析装置および分析方法を実現する。なお、分析プログラムは、コンピュータシステム100によって実行されることに限定されるものではなく、他のコンピュータシステム111またはサーバ112が分析プログラムを実行する場合や、これらが協働して分析プログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す分析装置が検体の分析結果を判定する処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す判定部における処理動作を説明する図である。
【図4】図1に示す判定部における処理動作を説明する図である。
【図5】図1に示す判定部における処理動作を説明する図である。
【図6】図1に示す判定部における処理動作を説明する図である。
【図7】実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図8】図7に示す分析装置が検体の分析結果を判定する処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図7に示す判定部における処理動作を説明する図である。
【図10】図7に示す判定部における処理動作を説明する図である。
【図11】図7に示す判定部における処理動作を説明する図である。
【図12】図7に示す判定部における処理動作を説明する図である。
【図13】実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図14】図13に示す分析装置が検体の分析結果を判定する処理手順を示すフローチャートである。
【図15】図13に示す判定部における処理動作を説明する図である。
【図16】図13に示す判定部における処理動作を説明する図である。
【図17】図13に示す判定部における処理動作を説明する図である。
【図18】図13に示す判定部における処理動作を説明する図である。
【図19】実施の形態を用いたコンピュータシステムの構成を示す構成図である。
【図20】図19に示したコンピュータシステムにおける本体部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0077】
1,201,301 分析装置
2 測定機構
3,202,302 制御機構
10 プレート搬送レーン
11 検体移送部
11a 検体容器
11b 検体ラック
11c 検体読取部
12 検体分注機構
12a,14a アーム
12b,12c プローブ
13 試薬移送部
13a 試薬セット
13b 試薬読取部
15 反応促進部
16 測光部
17 プレート回収部
20 マイクロプレート
31 制御部
32 入力部
33 分析部
34,234,334 判定部
35 記憶部
36 出力部
37 送受信部
100 コンピュータシステム
101 本体部
102 ディスプレイ
102a 表示画面
103 キーボード
104 マウス
105 モデム
106 ローカルエリアネットワークまたは広域エリアネットワーク(LAN/WAN)
107 公衆回線
108 フレキシブルディスク(FD)
109 CD−ROM
111 他のコンピュータシステム(PC)
112 サーバ
113 プリンタ
121 CPU
122 RAM
123 ROM
124 ハードディスクドライブ(HDD)
125 CD−ROMドライブ
126 FDドライブ
127 I/Oインターフェース
128 LANインターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象である検体とともに既知の値である管理試料を分析する分析装置において、
前記管理試料の分析結果をもとに該管理試料に対応する検体の分析結果が正常であるか否かを判定する判定手段と、
前記検体の各分析結果に対して前記判定手段による判定結果を対応づけた分析情報を生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された分析情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記管理試料の分析結果が前記既知の値である場合に該管理試料に対応する検体の分析結果が正常であると判定し、前記管理試料の分析結果が前記既知の値でない場合に該管理試料に対応する検体の分析結果が異常であると判定することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記管理試料の分析結果が前記既知の値である場合、該管理試料に対応する検体のうち所定範囲内の検体の分析結果が正常であると判定し、前記所定範囲外の検体の分析結果が異常であると判定することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記管理試料に対応する検体として該管理試料の後に分析された検体に対して分析結果を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記管理試料に対応する検体として該管理試料の前に分析された検体に対して分析結果を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項6】
前記判定手段は、第1の前記管理試料および第2の前記管理試料がともに前記既知の値である場合であって、該第1の管理試料および該第2の管理試料の間に分析された検体が所定範囲内の数量である場合に、該検体の分析結果が正常であると判定することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項7】
前記所定範囲は、前記検体に対する分析方法の内容に応じて設定されることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項8】
前記分析情報を記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項9】
分析対象である検体とともに既知の値である管理試料を分析する分析方法において、
前記管理試料の分析結果をもとに該管理試料に対応する検体の分析結果が正常であるか否かを判定する判定ステップと、
前記検体の各分析結果に対して前記判定ステップにおける判定結果を対応づけた分析情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップにおいて生成された分析情報を出力する出力ステップと、
を含むことを特徴とする分析方法。
【請求項10】
分析対象である検体とともに既知の値である管理試料を分析する分析プログラムにおいて、
前記管理試料の分析結果をもとに該管理試料に対応する検体の分析結果が正常であるか否かを判定する判定手順と、
前記検体の各分析結果に対して前記判定手順における判定結果を対応づけた分析情報を生成する生成手順と、
前記生成手順において生成された分析情報を出力する出力手順と、
を含むことを特徴とする分析プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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