説明

分析装置および分析方法

【課題】割り込み処理検体に対する分析処理時間そのものを短縮し、さらに迅速に割り込み処理検体を分析することができる分析装置および分析方法を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、割り込み処理検体である緊急検体の分析が指示された場合には、通常検体SA,SB用として既に試薬が分注されたキュベット301〜307の中に緊急検体SEの分析に用いる試薬が分注されているキュベット303があった場合には、このキュベット303内に緊急検体SEを分注し、このキュベット303をそのまま緊急検体用として用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、反応容器内に検体と試薬とを分注して検体を分析する分析装置および分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や体液等の検体を自動的に分析する装置として、試薬が分注されたキュベットに検体を加え、キュベット内の試薬と検体の間で生じた反応を光学的に検出する分析装置が知られている。このような分析装置においては、通常検体の分析中に、緊急に分析結果を取得すべき緊急検体が受け付けられた場合には、通常検体が収容された検体ラックに優先して、緊急検体が収容された緊急検体ラックを測定機構に搬送することによって、緊急検体の分析開始を早め、緊急検体の分析結果の早期取得を実現している(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−30618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の分析装置では、緊急検体を収容した緊急検体ラックを追い越し搬送することによって緊急検体の分析開始を早めているだけであって、通常検体と緊急検体とで分析処理工程そのものには変わりないため、測定機構における分析処理時間全体は、緊急検体であっても通常検体と同じ時間を要していた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、緊急検体などの割り込み処理検体に対する分析処理時間そのものを短縮し、さらに迅速に割り込み処理検体を分析することができる分析装置および分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、検体と試薬とを反応容器内に分注して前記検体を分析する分析装置において、前記試薬を前記反応容器内に分注する試薬分注機構と、分析内容に対応した前記試薬が分注された反応容器内に前記検体を分注する検体分注機構と、割り込み処理検体の分析が指示された場合、通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器があったときには前記検体分注機構に対して該反応容器内に前記割り込み処理検体を分注させる制御機構と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、この発明にかかる分析装置は、前記反応容器を試薬分注位置から検体分注位置に搬送する搬送機構をさらに備え、前記制御機構は、前記通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器が複数あったときに、前記検体分注機構に対して、該複数の反応容器のうち前記搬送機構によって前記検体分注位置に最も早く搬送される反応容器内に前記割り込み処理検体を分注させることを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる分析装置は、前記制御機構は、前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器を通常検体用の反応容器から割り込み処理検体用の反応容器として設定を変更した後に、前記検体分注機構に対して、該設定を変更した反応容器内に前記割り込み処理検体を分注させることを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる分析装置は、前記制御機構は、前記割り込み処理検体の分析が指示された場合、通常検体用の反応容器に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されていなかったときには、前記試薬分注機構に対し、前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬を空の反応容器内に分注させることを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる分析方法は、検体と試薬を反応容器内に分注して前記検体を分析する分析方法において、前記試薬を前記反応容器内に分注する試薬分注ステップと、割り込み処理検体の分析が指示された場合に、通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器があるか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて、前記通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器があると判断された場合に、該反応容器内に前記割り込み処理検体を分注する割り込み処理検体分注ステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる分析方法は、前記割り込み処理検体分注ステップは、前記判断ステップにおいて、前記通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器が複数あると判断されたときに、該複数の反応容器のうち検体分注位置に最も早く搬送される反応容器内に前記割り込み処理検体を分注することを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる分析方法は、前記判断ステップにおいて通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器があると判断されたときには、該反応容器を通常検体用の反応容器から割り込み処理検体用の反応容器に設定を変更する設定変更ステップをさらに含み、前記設定変更ステップが行なわれた後に前記割り込み処理検体分注ステップが行なわれることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる分析方法は、前記判断ステップにおいて、前記通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器がなかったと判断されたときには、前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬を空の反応容器内に分注させる割り込み処理検体用試薬分注ステップをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、割り込み処理検体の分析が指示された場合には、割り込み処理検体の分析が指示されてから緊急検体の分析に用いる試薬を反応容器に分注するのではなく、通常検体用として既に試薬が分注された反応容器の中に割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器があった場合には、この反応容器内に割り込み処理検体を分注し、この反応容器をそのまま割り込み処理検体用として用いることによって、第1試薬分注処理から割り込み処理検体分注処理までに要する待機時間を短縮することができるため、割り込み処理検体に対する分析処理時間そのものを短縮し、さらに迅速に割り込み処理検体を分析することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について、血液や尿などの検体に対して生化学分析を行なう分析装置を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0016】
図1は、本実施の形態にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる分析装置1は、検体移送機構2と、測定機構3と、制御機構4とを有する。
【0017】
検体移送機構2は、検体が収容された検体容器を順次測定機構3に供給する。測定機構3は、検体移送機構2から供給された検体容器内の検体および試薬をキュベット内にそれぞれ分注し、キュベット30で生じる反応を光学的に測定する。制御機構4は、検体移送機構2および測定機構3を含む分析装置1全体の制御を行なうとともに測定機構3における測定結果の分析を行なう。分析装置1は、これら各部が連携することによって検体内における検出対象物を分析する生化学分析を順次自動的に行なう。なお、キュベット30は測光部18の光源から出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する透明素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス,環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂が使用される。キュベット30は、側壁と底壁とによって液体を保持する水平断面が四角形の液体保持部が形成され、液体保持部の上部に開口を有する四角筒形状である。
【0018】
図1に示すように、検体移送機構2は、血液や尿などの検体を収容した複数の検体容器21を保持し、図中の矢印方向に順次移送する複数の検体ラック22を備える。検体移送機構2におけるレーン25上の所定位置に移送された検体容器21内の検体は、検体分注部32によって、反応テーブル33上に配列して搬送されるキュベット30に分注される。
【0019】
検体ラック22に収容された検体容器21の側面には、この検体容器21に収容された検体を識別する識別情報(検体の通し番号、採血日など)、あるいは検体の種類(血清、尿など)が記録された記録媒体が付されている。
【0020】
レーン25の入り口には、この検体容器21に付された記録媒体を読み取る検体情報読取部24が設けられている。検体情報読取部24は、光学的に記録媒体を読み取る。または、検体情報読取部24は、所定周波数の電波を介して記録媒体を読み取る。検体情報読取部24は、読み取った記録媒体の識別情報および分析項目を制御部41に出力する。
【0021】
測定機構3は、緊急用テーブル31、検体分注部32、反応テーブル33、第1試薬庫34、第1試薬分注部35、第2試薬庫36、第2試薬分注部37、測光部38および洗浄部39を有する。
【0022】
緊急用テーブル31は、緊急に分析結果を取得すべき緊急検体が収容された緊急検体容器23を着脱自在に複数収納できる。緊急用テーブル31は、制御部41の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、緊急用テーブル31の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の緊急検体容器23を検体分注部32による検体吸引位置まで移送する。なお、緊急検体容器23は、分析装置1の操作者によって緊急用テーブル31にセットされた後、操作者が入力部42を操作することによって、この緊急検体容器23内に収容された緊急検体に対する分析処理が受け付けられ、緊急検体に対する分析処理が開始される。
【0023】
検体分注部32は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム32aを備える。このアーム32aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なう検体ノズルが取り付けられている。検体分注部32は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。検体分注部32は、上述した検体移送機構2におけるレーン25上の検体吸引位置に移送された検体容器21の中から検体ノズルによって検体を吸引し、矢印Y21のようにアーム32aを図中時計回りに旋回させ、反応テーブル33によって所定の検体分注位置に搬送されたキュベット30に検体を吐出して分注を行なう。また、検体分注部32は、上述した緊急用テーブル31上の緊急検体吸引位置に移送された緊急検体容器23の中から検体ノズルによって緊急検体を吸引し、矢印Y22のようにアーム32aを図中反時計回りに旋回させ、キュベット30に緊急検体を吐出して分注を行なう。
【0024】
反応テーブル33は、キュベット30への検体や試薬の分注、キュベット30内での検体、試薬の攪拌、洗浄または測光を行なうためにキュベット30を所定の位置まで移送する。たとえば、反応テーブル33は、キュベット30を試薬分注位置から検体分注位置に搬送する。この反応テーブル33は、制御部41の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、反応テーブル33の中心を通る鉛直線を回転軸として回動自在である。反応テーブル33は、上方に、各液体吐出位置や攪拌・洗浄位置に対応する箇所に孔がそれぞれ設けられた開閉自在な外蓋を備え、下方に恒温槽を備える。
【0025】
第1試薬庫34は、キュベット30内に分注される2種類以上の試薬のうち、最初に分注される第1試薬が収容された第1試薬容器を着脱自在に複数収納できる。第1試薬庫34は、制御部41の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、第1試薬庫34の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の第1試薬容器を第1試薬分注部35による試薬吸引位置まで移送する。第1試薬庫34の上方には、開閉自在な蓋が設けられている。また、第1試薬庫34は、保冷機能を備えている。
【0026】
第1試薬分注部35は、検体分注部32と同様に、キュベット30内に分注される2種類の試薬のうち検体分注前にキュベット30内に分注される第1試薬の吸引および吐出を行なう試薬ノズルが先端部に取り付けられたアーム35aを備える。アーム35aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なう。第1試薬分注部35は、第1試薬庫34上の試薬吸引位置に移動された第1試薬容器34a内の試薬をノズルによって吸引し、アーム35aを図中時計回りに旋回させ、反応テーブル33上の所定位置に搬送されたキュベット30に分注する。
【0027】
第2試薬庫36は、キュベット30内に分注される2種類の試薬のうち、第1試薬の次に分注される第2試薬が収容された第2試薬容器を着脱自在に複数収納できる。第2試薬庫36は、第1試薬庫34と同様に、制御部41の制御のもと、時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の第2試薬容器を第2試薬分注部37による試薬吸引位置まで移送する。第2試薬庫36の上方には、開閉自在な蓋が設けられている。また、第2試薬庫36は、保冷機能を備えている。
【0028】
第2試薬分注部37は、第1試薬分注部35と同様に、第2試薬の吸引および吐出を行なう試薬ノズルが先端部に取り付けられたアーム37aを備える。アーム37aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なう。第2試薬分注部37は、第2試薬庫36上の試薬吸引位置に移動された第2試薬容器36a内の試薬をノズルによって吸引し、アーム37aを図中反時計回りに旋回させ、反応テーブル33上の所定位置に搬送されたキュベット30に分注する。
【0029】
測光部38は、図示しない攪拌部による攪拌処理によって反応を促進されたキュベット30に対して、所定波長の光を発し、このキュベット30内の試薬と検体との反応液を通過した光を受光して分光強度測定などを行なう。測光部38による測定結果は、制御部41に出力され、分析部43において分析される。
【0030】
洗浄部39は、図示しない洗浄ノズルによって、測光部38による測定が終了したキュベット30内の混合液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで洗浄を行なう。この洗浄したキュベット30は再利用されるが、検査内容によっては1回の測定終了後にキュベット30を廃棄してもよい。
【0031】
つぎに、制御機構4について説明する。制御機構4は、制御部41と、入力部42と、分析部43と、記憶部44と、出力部45とを備える。検体移送機構2、測定機構3および制御機構4が備えるこれらの各部は、制御部41に電気的に接続されている。
【0032】
制御部41は、CPU等を用いて構成され、分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部41は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行ない、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行なう。制御部41は、緊急検体の分析が指示された場合であって、通常検体用として既に試薬が分注されたキュベット30の中に緊急検体の分析に対応した試薬が分注されているキュベット30があった場合には、検体分注部32に対し、このキュベット30内に緊急検体を分注させる。
【0033】
入力部42は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。入力部42は、図示しない通信ネットワークを介し、外部装置から検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を取得してもよい。
【0034】
分析部43は、測光部38によって測定された測定結果をもとに、吸光度等を演算し検体内における検出対象物の濃度を求め、検体の成分分析等を行なう。記憶部44は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部44は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。出力部45は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力する。また、出力部45は、図示しない通信ネットワークを介し、外部装置に検体の分析結果を含む諸情報を出力してもよい。
【0035】
以上のように構成された分析装置1では、列をなして順次搬送される複数のキュベット30に対して、第1試薬分注部35が第1試薬庫34内の試薬容器中の試薬を分注する。この場合、制御部41は、入力部42による分析受付処理および検体情報読取部24から出力された検体に関する情報をもとに、反応テーブル33内のキュベット30に対し、分析を指示された通常検体および分析項目にそれぞれ対応づける。そして、制御部41は、第1試薬分注部35に対し、検体情報読取部24の読取処理を終了した通常検体の分析項目に対した第1試薬を、対応するキュベット30内にそれぞれ分注させる。
【0036】
次いで、検体分注部32は、検体移送機構2によって移送された検体容器21内の通常検体を、該通常検体の分析項目に対応した第1試薬が分注されたキュベット30内に分注する。そして、第2試薬分注部37が第2試薬庫36内の試薬容器中の試薬を分注した後、測光部38が検体と試薬とを反応させた状態の検体の分光強度測定を行ない、この測定結果を分析部43が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。また、洗浄部39が測光部38による測定が終了した後に搬送されるキュベット30を搬送させながら洗浄することで、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0037】
ところで、検体分注部32は、緊急用テーブル31によって移送された緊急検体容器23内の緊急検体に対しても、第1試薬が分注されたキュベット30内に分注する分注処理を行なっている。分析装置1においては、この緊急検体容器23内の緊急検体の分注処理において、緊急検体の分析が指示されてから該緊急検体の分析内容に対応する第1試薬分注をキュベット30に分注してから緊急検体を分注するのではない。分析装置1は、緊急検体の分析が指示されたときに通常検体用として既に第1試薬が分注されたキュベット30であって該緊急検体の分析に対応した試薬が分注されているキュベット30内に緊急検体を分注している。
【0038】
具体的に、図2を参照して分析装置1における緊急検体分注処理について説明する。図2は、検体容器21A内の通常検体SAおよび検体容器21B内の通常検体SBについて、分析処理が指示された後に緊急検体容器23E内の緊急検体SEに対して分析処理が指示された場合を例に示す。
【0039】
図2に示すように、たとえば、通常検体SAの分析項目に対応する第1試薬R1e,R1fがそれぞれキュベット301,302に分注されており、通常検体SBの分析項目に対応する第1試薬R1a,R1b,R1a,R1d,R1eがキュベット303〜307に分注されている。
【0040】
この状態において、緊急検体容器23E内の緊急検体SEに対して、第1試薬R1aを用いた分析が指示された場合、制御部41は、通常検体SA,SB用として既に第1試薬R1a〜R1fが分注されたキュベット301〜307の中に緊急検体SEの分析に用いる第1試薬R1aが分注されているキュベットがあるか否かを判断する。図2に示すように、キュベット301〜307のうちキュベット303,305に、緊急検体SEの分析に用いる第1試薬R1aが分注されている。
【0041】
そして、制御部41は、検体分注部32に対し、緊急検体SEの分析に用いる試薬R1aが分注されているキュベット303,305のうち、反応テーブル33によって検体分注位置に最も早く搬送されるキュベット内に緊急検体SEを分注させる。図2に示す場合には、図3に示すように、反応テーブル33によって、キュベット303,305のうちキュベット303の方が先に検体分注位置Psに搬送されることから、検体分注部32は、緊急検体容器23E内の緊急検体SEをキュベット303内に分注する。
【0042】
この場合、各検体の分注処理は、以下の順序で行なわれる。図2に示すように、検体分注部32は、まず、検体容器21A内の通常検体SAを矢印YA1,YA2に示すようにキュベット301,302内に分注する。そして、検体分注部32は、緊急検体容器23E内の緊急検体を、矢印YE1のように次に試薬分注が行なわれるキュベット308内に第1試薬R1aを分注してから分注するのではなく、矢印YE2に示すように、既に通常検体SB用として第1試薬が分注されているキュベット303内に分注する。
【0043】
すなわち、図3に示すように、緊急検体SEの分析に用いる試薬R1aが分注されているキュベット303,305のうち先に検体分注位置Psに搬送されるキュベット303が反応テーブル33によって検体分注位置Psに搬送された場合、検体分注部32は、矢印Y21aのように、通常検体SBが収容された検体容器21B上にアーム32aを旋回させるのではなく、矢印Y22aのように、緊急検体SEが収容された緊急検体容器23E上にアーム32aを旋回させる。そして、検体分注部32は、アーム32a先端の検体ノズルによって緊急検体を吸引し、アームをキュベット303上に旋回させてから、キュベット303内に吸引した緊急検体SEを吐出して緊急検体SEの分注を行なう。
【0044】
次いで、図2に示すように、検体分注部32は、検体容器21B内の通常検体SBを矢印YB2〜YB5に示すようにキュベット304〜307内に分注する。なお、分析装置1は、検体容器21B内の通常検体SBに対しては、矢印YB1に示すように第1試薬R1aが分注されたキュベット303内への検体分注が行なわれていないため、次に試薬分注が行なわれるキュベット308内に改めて通常検体SB用に第1試薬R1aを分注してから、通常検体SBをこのキュベット308内に分注して通常検体SBに対する分析処理を進めてもよい。また、分析装置1は、通常検体SBにリマークを付して通常検体SBに対して再検査を実行してもよい。
【0045】
つぎに、図4を参照して、分析装置1における分析処理の処理手順について説明する。図4に示すように、分析装置1は、入力部42から入力された検体の分析処理を指示する指示情報をもとに、検体分析処理の受付処理を行なう(ステップS2)。制御部41は、分析処理を受け付けた検体が緊急検体であるか否かを判断する(ステップS4)。
【0046】
制御部41が、分析処理を受け付けた検体が緊急検体であると判断した場合には(ステップS4:Yes)、この緊急検体に指示された分析項目を確認し(ステップS6)、通常検体用として既に第1試薬が分注されたキュベット30の中に緊急検体の分析項目に応じた第1試薬が分注されているキュベット30があるか否かを判断する(ステップS8)。
【0047】
制御部41は、通常検体用として既に第1試薬が分注されたキュベット30の中に緊急検体の分析項目に対応した第1試薬が分注されているキュベット30があると判断した場合(ステップS8:Yes)、このキュベットに対応する検体を当初設定されていた通常検体から緊急検体に設定する(ステップS10)。すなわち、制御部41は、緊急検体の分析に用いる第1試薬が分注されているキュベット30を、通常検体用のキュベット30から緊急検体用のキュベット30として設定を変更し、キュベット30の取り違えを防止する。その後、制御部41は、検体分注部32に対して、この緊急検体用に設定を変更したキュベット30内に緊急検体を分注させる(ステップS12)。なお、制御部41は、通常検体用として既に第1試薬が分注されたキュベット30の中に緊急検体の分析に対応した試薬が分注されているキュベット30が複数あった場合には、検体分注部32に対し、これら複数のキュベット30のうち反応テーブル33によって所定の検体分注位置に最も早く搬送されるキュベット30内に緊急検体を分注させて、緊急検体の分析処理時間のさらなる短縮化を図る。
【0048】
制御部41は、通常検体用として既に第1試薬が分注されたキュベット30の中に緊急検体の分析項目に対応した第1試薬が分注されているキュベット30がないと判断した場合(ステップS8:No)、第1試薬分注部35に対し、この緊急検体の分析に用いる第1試薬、すなわち緊急検体に指示された分析項目に対応した第1試薬を空のキュベット30内に分注させる(ステップS14)。そして、制御部41は、検体分注部32に対し、新たに第1試薬が分注されたキュベット30内に緊急検体を分注させる(ステップS16)。
【0049】
また、制御部41は、分析処理を受け付けた検体が緊急検体でないと判断した場合(ステップS4:No)、すなわち分析処理を受け付けた検体が通常検体であると判断した場合には、通常通り分析処理を行なうため、この通常検体に指示された分析項目を確認し(ステップS18)、第1試薬分注部35に対し、この通常検体に指示された分析項目に応じた第1試薬を次に第1試薬分注対象であるキュベット30内に分注させる(ステップS20)。そして、制御部41は、検体分注部32に対し、新たに第1試薬が分注されたキュベット30内にこの通常検体を分注させる(ステップS22)。
【0050】
そして、分析装置1は、検体分注処理が終了したキュベット30に対して、攪拌処理を行なって(ステップS24)、第1試薬と検体との反応を促進させてから、第2試薬分注部37による第2試薬分注処理を行なう(ステップS26)。分析装置1は、攪拌処理を行なって(ステップS28)、第2試薬とキュベット30内の反応液との反応を促進させてから、測光部38にキュベット30内の反応液の光学的特性を測定させる測光処理を行なう(ステップS30)。分析装置1においては、分析部43は、測光部38による測定結果をもとに検体の分析処理を行ない(ステップS32)、出力部45が分析部43による分析データを出力する分析データ出力処理を行なう(ステップS34)。次いで、制御部41は、入力部42から入力された指示情報をもとに、次の検体の分析処理を受け付けたか否かを判断し(ステップS36)、次の検体の分析処理を受け付けたと判断した場合には(ステップS36:Yes)、ステップS4に戻り、この検体が緊急検体か否かを判断した上で、各分析処理を実行する。一方、制御部41は、次の検体の分析処理を受け付けていないと判断した場合には(ステップS36:No)、このまま分析処理を終了する。
【0051】
ここで、従来の分析装置における分析処理について説明する。従来の分析装置においては、緊急検体を収容した緊急検体ラックを追い越し搬送することによって緊急検体の分析開始を早めているものの、図5に示すように、第1試薬分注指示が行われた順に各キュベット301〜308内に順に第1試薬を分注してから各検体を分注していた。従来の分析装置において、たとえば、通常検体SA用および通常検体SB用各検体に対応する第1試薬R1a,R1b,R1d〜R1fがそれぞれキュベット301〜307内に分注されている場合に緊急検体SEに対する分析処理が指示された場合には、次に試薬分注が行なわれるキュベット308内に第1試薬R1aを分注する。そして、従来の分析装置においては、矢印YA1,YA2,YB1〜YB5のように通常検体SA,SBを順次キュベット301〜307内に分注した後に、矢印YE1のように、緊急検体SEを分注する。このように、従来の分析装置においては、緊急検体であっても分析が指示されてから緊急検体の分析に用いる試薬をキュベット30に分注して各分析処理を行なっており、通常検体と緊急検体とで分析処理工程そのものには変わりないため、測定機構における分析処理時間全体は、緊急検体であっても通常検体と同じ時間を要していた。
【0052】
これに対して、実施の形態1にかかる分析装置1においては、緊急検体の分析が指示された場合には、緊急検体の分析が指示されてから緊急検体の分析に対応した試薬をキュベット30に分注するのではない。分析装置1は、通常検体用として既に試薬が分注されたキュベット30の中に緊急検体の分析に対応した試薬が分注されているキュベット30があった場合には、このキュベット30内に緊急検体を分注し、このキュベット30をそのまま緊急検体用として用いている。すなわち、分析装置1においては、緊急検体の分析項目に対応する第1試薬が既に分注された通常検体用のキュベット30を緊急検体用として用いる。このため、分析装置1によれば、たとえば図2および図5の期間TEに示すような従来の分析装置で必要となっていた第1試薬分注処理から緊急検体分注処理までに要する待機時間、すなわち、先行する通常検体における試薬分注処理および検体分注処理が終了するまでの待機時間を短縮することができる。
【0053】
したがって、分析装置1においては、通常検体に対する分析処理と比較して緊急検体に対する分析処理時間そのものを短縮することができ、従来よりもさらに迅速に緊急検体を分析することができるという効果を奏する。
【0054】
なお、分析装置1においては、複数の項目数に対応させて複数回にわたって通常検体を分注している途中で、緊急検体容器23が緊急用テーブル31によって緊急検体分注位置に搬送された場合には、緊急検体容器23が緊急検体分注位置に搬送された時点で即時にこの通常検体分注処理を中断して緊急検体容器23内の緊急検体の分注処理を実行してもよい。また、緊急検体容器23が緊急検体分注位置に搬送された場合であっても、通常検体を所定項目数分、分注した後に、この通常検体分注処理を中断して緊急検体容器23内の緊急検体の分注処理を実行してもよい。たとえば、図2に示すように、通常検体SAのキュベット301への分注処理中に緊急検体容器23Eが緊急検体分注位置に搬送された場合を例に説明する。所定項目数が0である場合には、分析装置1は、キュベット302への通常検体SAの分注処理を中断して、緊急検体SEの分注処理を即時行なう。また、所定項目数が1である場合には、先行する通常検体の分注処理を1回分だけ行なってから、すなわちキュベット302への通常検体SAの分注処理を1回だけ行ない、通常検体SAの検体分注処理を終了させた後で、緊急検体SEの分注処理を行なう。このように、緊急検体の緊急性や検体分注部32の分注処理状態に応じて、先行する通常検体に対する分注処理の中断タイミングを設定すればよい。
【0055】
また、実施の形態においては、単数の測定機構3を有する分析装置1を例に説明したが、図6に示すように、複数の測定機構3a〜3cが連結した分析装置201においても、緊急検体に対する分析処理の短縮化を適用することが可能である。
【0056】
図6に示すように、分析装置201は、複数の測定機構3a〜3cに検体ラックまたは緊急検体容器を収容した検体ラックを搬送する検体移送機構202を有する。検体移送機構202には、通常検体を搬送するレーン25に加え、レーン25上の検体ラックを追い越し可能である緊急レーン26と、測定が終了した検体ラックを回収するための戻りレーン27とを有する。各測定機構3a〜3cには、検体分注位置近傍に、検体ラックが退避可能である退避領域SW1〜SW3が設けられており、レーン25、緊急レーン26には、図示しない押出機構を有し、緊急レーン26上の検体ラックをレーン25上に移送して検体ラックを移送するレーンを切り替えるレーン切替機構228a〜228cが設けられている。なお、分析装置201における制御機構204は、分析装置201の各構成部位を制御する制御部241を有する。
【0057】
分析装置201において、緊急検体容器23E内の緊急検体に対して指示された分析項目に対応する第1試薬が、すでに測定機構3bにおけるキュベット303に分注されていた場合を例に説明する。この場合、制御部241は、まず検体移送機構202に、緊急ラック22Bをレーン25上の検体ラックよりも追い越すように移送させる。すなわち、検体移送機構202は、緊急検体容器23Eを収容した緊急ラック22Bを矢印Y31に示すように緊急レーン26上に移送し、さらに矢印Y32に示すように、測定機構3bに対応するレーン切替機構228上まで移送する。そして、制御部241は、図示しない押出機構に対して、レーン切替機構228bを矢印Y35のように測定機構3b側に押し出させる。この結果、レーン切替機構228上の緊急ラック22Bは、レーン25上に移動する。これにともない、それまでレーン25上の測定機構3bの検体分注位置にあった検体ラック22Aは、測定機構3bの退避領域SW2に移動することとなる。
【0058】
次いで、緊急ラック22B内の緊急検体容器23Eがレーン25によって測定機構3bの検体分注位置に移送され、測定機構3bの検体分注部32によって、緊急検体容器23E内の緊急検体に対応する第1試薬が既に分注されたキュベット303内に、緊急検体容器23Eの緊急検体が分注される。分析装置201は、この緊急検体分注処理が終了した後、図示しない押出機構がレーン切替機構228bを緊急レーン26側に押し出してレーン25上の測定機構3bの検体分注位置にあった緊急ラック22Bを緊急レーン26上に移送する。この移送にともない測定機構3bの退避領域SW2にあった検体ラック22Aは、レーン25上に移動することとなる。その後、分析装置201は、レーン25上に戻された検体ラック22Aの検体容器内の通常検体に対する分注処理を再開する。
【0059】
このように、複数の測定機構3a〜3cが連結した分析装置201においても同様に、緊急検体に対する分析が指示された場合には、既に試薬が分注されたキュベットの中に緊急検体の分析に用いる第1試薬が分注されているキュベット30をそのまま緊急検体用として用いることができる。
【0060】
また、本実施の形態においては、緊急検体を分注する場合を例に説明したが、もちろん緊急検体に限らず、他の検体の分析処理に割り込んで分析処理をする必要がある割り込み処理検体全般に適用可能である。
【0061】
また、上記実施の形態で説明した分析装置1,201は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。このコンピュータシステムは、所定の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで分析装置の処理動作を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステムの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステムによって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。また、このコンピュータシステムは、ネットワーク回線を介して接続した管理サーバや他のコンピュータシステムからプログラムを取得し、取得したプログラムを実行することで分析装置の処理動作を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施の形態にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す分析装置における緊急検体分注処理について説明する図である。
【図3】図1に示す分析装置における緊急検体分注処理について説明する図である。
【図4】図1に示す分析装置における分析処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】従来の分析装置における緊急検体分注処理について説明する図である。
【図6】実施の形態にかかる分析装置の他の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0063】
1,201 分析装置
2,202 検体移送機構
3,3a〜3c 測定機構
4 制御機構
21,21A,21B 検体容器
22,22A,22B 緊急ラック
23,23E 緊急検体容器
24 検体情報読取部
25 レーン
26 緊急レーン
27 戻りレーン
30,301〜308 キュベット
31 緊急用テーブル
32 検体分注部
33 反応テーブル
32a,35a,37a アーム
34 第1試薬庫
34a 第1試薬容器
35 第1試薬分注部
36 第2試薬庫
36a 第2試薬容器
37 第2試薬分注部
38 測光部
39 洗浄部
41,241 制御部
42 入力部
43 分析部
44 記憶部
45 出力部
228a〜228c レーン切替機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬とを反応容器内に分注して前記検体を分析する分析装置において、
前記試薬を前記反応容器内に分注する試薬分注機構と、
分析内容に対応した前記試薬が分注された反応容器内に前記検体を分注する検体分注機構と、
割り込み処理検体の分析が指示された場合、通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器があったときには前記検体分注機構に対して該反応容器内に前記割り込み処理検体を分注させる制御機構と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記反応容器を試薬分注位置から検体分注位置に搬送する搬送機構をさらに備え、
前記制御機構は、前記通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器が複数あったときに、前記検体分注機構に対して、該複数の反応容器のうち前記搬送機構によって前記検体分注位置に最も早く搬送される反応容器内に前記割り込み処理検体を分注させることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記制御機構は、前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器を通常検体用の反応容器から割り込み処理検体用の反応容器として設定を変更した後に、前記検体分注機構に対して、該設定を変更した反応容器内に前記割り込み処理検体を分注させることを特徴とする請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記制御機構は、前記割り込み処理検体の分析が指示された場合、通常検体用の反応容器に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されていなかったときには、前記試薬分注機構に対し、前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬を空の反応容器内に分注させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項5】
検体と試薬を反応容器内に分注して前記検体を分析する分析方法において、
前記試薬を前記反応容器内に分注する試薬分注ステップと、
割り込み処理検体の分析が指示された場合に、通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器があるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて、前記通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器があると判断された場合に、該反応容器内に前記割り込み処理検体を分注する割り込み処理検体分注ステップと、
を含むことを特徴とする分析方法。
【請求項6】
前記割り込み処理検体分注ステップは、前記判断ステップにおいて、前記通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器が複数あると判断されたときに、該複数の反応容器のうち検体分注位置に最も早く搬送される反応容器内に前記割り込み処理検体を分注することを特徴とする請求項5に記載の分析方法。
【請求項7】
前記判断ステップにおいて通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器があると判断されたときには、該反応容器を通常検体用の反応容器から割り込み処理検体用の反応容器に設定を変更する設定変更ステップをさらに含み、
前記設定変更ステップが行なわれた後に前記割り込み処理検体分注ステップが行なわれることを特徴とする請求項5または6に記載の分析方法。
【請求項8】
前記判断ステップにおいて、前記通常検体用試薬が分注された反応容器の中に前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬が分注されている反応容器がなかったと判断されたときには、前記割り込み処理検体の分析に対応した試薬を空の反応容器内に分注させる割り込み処理検体用試薬分注ステップをさらに含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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