説明

切断および集塵アセンブリ、並びにそのようなアセンブリを備えた加工機器

切断および集塵アセンブリであって、表側(20)と、裏側(21)、および末端部(52)をもつカバー装置(6)で構成される、回転式環状鋸刃(4)である。カバー装置の底面(36)は平面状に広がっている。鋸刃用縦向きの通路(45、46)は、カバー装置の上面から底面まで広がっている。末端部は、開口部が前記底面と同じ面にある、吸入口(45a)を有する末端空気室(60)を備える。排出口(58)は、真空源に接続される。移動する刃の回転方向は、鋸刃の後部(4a)は、カバー装置の底面を越えて、上方から後方へ、底面方向に向かって移動する。本願発明は、さらにカバー装置であって、切断および集塵アセンブリに用いられる、カバー装置および加工機器に属する密閉体に関する。
【代表図】 図1

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物に深くカーフを入れ(鋸加工)、カーフで出されるダストを収集して排出するための切断および集塵アセンブリに関するものである。本発明はまた、アセンブリに備えられた集塵ユニットと、集塵ユニットに備えられたカバー装置と、カバー装置に備えられた密閉体と、本発明による切断および集塵アセンブリを備えた加工機器に関するものである。本発明は特に、建設業界においてコンクリート、石材、レンガおよび石膏ボードの壁、天井および床といった被加工物に穴を開けたり、またコンクリート、石材といったブロックや柱を切断したりするための装置に関する。そのような対象物は大規模なものである場合が多いが、これは発明の出願の条件には一切関係ない。「切断アセンブリ」とは、単に被加工物を切断するためのアセンブリを意味するだけでなく、被加工物に穴を開けるといった、より一般的な加工を行うためのアセンブリもまた含むものであると理解する。本発明による切断アセンブリのような「切断アセンブリ」は通常、これらすべての作業を行うことが可能である。この鋸加工および切断という用語は以下鋸加工といい、本書においては、刃が備えられているかどうかを問わず外周が作業部で覆われている円盤状の回転ツールを用いて、被加工物にあらゆる種類のカーフを入れることを意味するものとする。ダイアモンド鋸刃あるいは切断ディスクから成る道具を以下鋸刃という。
【背景技術】
【0002】
コンクリート、レンガ、石材、木材、石膏ボードなどの材料を鋸加工する場合、通常大量のダストが生じる。ダストの排出を可能な限り防ぐために様々な種類の装置が使用されているがダストの周囲への飛散は解決されず、また一方でその他の装置が提案されているが使用には至っていない。こうして、公知の原理に従って、鋸刃を覆うフード型のブレードガードまたはそれと同様のものを活用して、ダストを収集し、接続されたホースによって真空装置に吸い込むという作業形態の装置に至った。そのような種類の機器および装置は WO 02/100597 で公開されている。装置が集塵機として十分に機能するためには、この既知のフード状ブレードガードで被加工物に接していない鋸刃の部分を完全に覆い、本質的に平坦であると想定される被加工物の表面にブレードガードが高い密閉作用を伴って接触していることが一般的に求められる。カーフで出されるダストはツールにより後方から上方へ吐き出されるわけではなく、これらをブレードガードへ吸い上げるためにはかなりの負圧を維持しなければならず、よってブレードガードはサクションボックスのように機能する。同時に、ダストがカーフから周囲へ飛散してはならず、またブレードガードと被加工物の表面との間からダストが漏れ出してはならない。しかしながら、この原理に基づいた装置に関して、いくつかの根本的な問題に直面する。第一の問題点はサクションボックスの容量、つまりフード状のブレードガードの内部容積が比較的大きいため、サクションボックス内で必要な負圧を維持することが困難となり、逆にサクションボックスの性能を損なわせるという欠点である。第二の問題点は、カーフが被加工物の十分な深さまで達していない場合、作業の初期段階においてブレードガードが被加工物を十分に密閉していないため、ほとんどのダストが周囲へ飛散し、装置が全く機能しないということである。これは、コンクリート、レンガ、石材、石膏ボードといったものにおける、切断ディスクを用いての大量の微粒子ダストを出す作業の場合に特に当てはまる。従って、集塵機にダストの飛散を防ぐための補助装置が備えられてければ、あるいはこの手の装置の繊細な前提条件といったその他の理由により、そのような材料で作業することは不可能になる。従って、前記 WO 02/100597 のように、周囲へのダストの飛散の防止策としてダストを留めるために、カーフが入れられるとすぐにカーフに継続的に水を吹き付けるという一般的な方法がある。これはしかし、新たな問題を生み出すスラリーを生じさせることとなる。
【0003】
US 5,167,215 では、コンクリートを鋸加工する際に出されるダストを収集および排出するための器具を備えた、装輪式コンクリート加工鋸が公開されている。この器具には、鋸加工作業の初期段階においてもダストの収集が可能である補助ユニットが搭載されている。補助ユニットはブレードガードへ枢動可能に接続されたファネルで構成される。これには、機器が前方へ移動しながら鋸刃が被加工物で作業を行っている時に、鋸刃の背後から被加工物の上面をスライドしながら前記上面に接触する下端横断エッジが備えられている。刃が被加工物へさらに深く進んだ場合、前記「ファネル」はブレードガードの後ろで上方から後方へ方向転換される。この器具の意図は、鋸加工作業中に出されるコンクリートダストを前記「ファネル」に向って後方から上方へ吐き出し、器具に接続された吸引用ホースにてファネルからダストを吸い込むことにある。この方法は、鋸刃が効果的なスリングとして機能し、また追跡装置が鋸加工作業中に出されたすべてのコンクリートダストを効率的に収集するということ前提としている。しかしながらこの前提は、空間、つまりカーフから飛散するコンクリートダストの容量を過小評価していると思われ、周囲の空間に応じた効果的な負圧を前提としているとはいえない。従って US 5,167,215 による器具および機器は、コンクリートまたは同種材料の鋸加工に関して、ダスト飛散問題の許容される解決策を提案するには至っていない。さらに、この機器および器具では、一方向、つまり前方への作業しか行うことができず、これはまた別の不便さを生むといえる。
【発明の開示】
【0004】
本発明の目的は、上記の参考にて例証されたような先行技術に代表されるものとは別の原理によって、ダストを生じさせる傾向のある材料での鋸加工においてダストが飛散することを防ぐことである。WO 02/100597 による器具は、完全に密閉しているブレードガードの全容量をサクションボックスとして利用し、ここから真空源に接続されたホースにてダストを吸い込むという原理に基づいている。また US 5,167,215 による器具は、ブレードガードの背後を追跡する「ファネル」へすべてのダストを効率的に集め、ここから吸引用ホースにてすべてのダストを効率的に排出する性能を鋸刃が備えていることを前提にしている。一方、本発明は、カーフの限定された部分に「In-situ ミニサクションボックス」を確立することを原理としている。限定された部分は前部と後部で構成され、前記前部内には鋸刃を差し込み、カーフを入れることができ、前記後部はその直後に位置する。本発明の側面によるとこれは、鋸刃側の側面の空気の通路と、前記カーフの限定された部分内におけるカバー装置と被加工物の表面との空気の通路を十分に制限するカバー装置を切断および集塵アセンブリに備えることによって達成される。また一方で、カバー装置の末端部にある空気室には、排出開口部と吸入開口部が備えられている。排出開口部は真空源と接続することが可能であり、吸入開口部は周囲から覆われるように設置されており、前記「ミニサクションボックス」つまりカーフの限定された部分、望ましくは前記後部に接続することが可能である。ダストを生じさせる傾向のあるコンクリートやその他の材料での鋸加工において、生成されたダストを効率的に収集して排出するという発明の主な目的は、そのような手段を備えたアセンブリを用いて、またそのようなアセンブリを備えた加工機器を用いて達成される。
【0005】
本発明の別の目的は、様々な種類の環状鋸刃を使用する加工機器、例えばポータブル機だけでなくレールを装着した機器、またその他の移動キャリアに装着された機器といったものに利用できるアセンブリを提供することである。
【0006】
発明の幅広い側面によると、切断および集塵アセンブリには次のような特徴がある。表側と、裏側と、鋸刃の作業部を定義する外周部と、回転の中心を備えた回転式環状鋸刃で構成され、また後部に末端部をもつカバー装置を含む。このカバー装置には、前端、後端、上面、平面状に広がる底面および鋸刃用の縦向きの通路があり、前記通路はカバー装置の前端から後端までの領域に上面から底面まで広がっている。鋸刃の一部(弧)がカバー装置の底面を通り抜けており、鋸刃は前記通路で上下に動くことが可能である。この動作の間、カバー装置の上方にある前記回転の中心のカバー装置に対する位置が変化する。末端部には、開口部が前記底面と同じ面にある吸入口と、真空源に接続することが可能な排出口とをもつ末端空気室が備えられている。また、稼動する刃の回転方向は、カバー装置の底面を超えている前記一部の後部が底面に向って上方から後方へ回転し、前記回転方向は刃の表側に向って見た場合に時計回りとなる。通路を抜ける空気の流れを大幅に減少できるように、鋸刃の外周部の内側の表面に接触、あるいはほぼ接触している密閉体が前記通路に備えられているということも代表的な特徴である。
【0007】
しかしながら、本発明は本来、手動操作式ポータブル機器のために開発されてきたものである。従って、発明のその他の目的は、前方だけでなく後方にも、また水平だけでなく垂直にも容易に操作ができる機器、つまり高い人間工学の要求を満たすような機器を視野に入れて前記種類の機器およびアセンブリを提供することである。これらの目的、またその他の目的は、切断および集塵アセンブリに以下の要素を備えることによって達成される。
a) 表側、裏側および回転の中心をもつ環状鋸刃を備えており、その回転方向は刃の表側に向って見た場合に時計回りとなり、
b)鋸刃の外周の少なくとも半分を覆っているブレードガード。刃の裏側を覆うブレードガードの側面は刃の回転の中心を覆っているか、または少なくとも十分に超えており、
c)平面状に広がる前端、後端、表面をもつ上部、底面をもつ基板、および鋸刃用の縦向きの通路をもつカバー装置を備え、前記通路はカバー装置の前端から後端までの領域に上面から底面まで広がっており、
d)ヒンジを動かしてカバー装置内で鋸刃を上下へ動かせるように、前記ヒンジにてブレードガードへ枢動可能に接続されたカバー装置を備え、また、
e)前記ヒンジの後部には末端部が備えられており、これは前記底面と同じ平面内にある吸入ポートと、真空源に接続可能な排出口とをもつ末端空気室で構成される。
【0008】
前記ヒンジはブレードガードの後方下の隅、もしくはその付近に設置されるのが望ましい。特許で保護する対象であるダスト収集ユニットの主な構成要素は、相互に組み合わさったカバー装置とブレードガードで構成され、これらの要素を相互に適合させて、様々な駆動ユニットや鋸刃に利用できる機能的協調型ユニットを形成することが可能である。
【0009】
引用された実施形態によると、カバー装置は末端部の前にある前部空気室を含んでおり、この前部空気室は細長い形をしており、上部により上方が、側面により横方向が、前記底面の底(以下、基板という)により下方が限定される。また鋸刃用の前記通路には上部に上部スロットが、基板に下部スロットが備えられている。「上部スロット」および「下部スロット」という用語はスロットの幅に関して限定の意味合いを一切もたないと解釈する。すなわちこの幅は極めて大きく、上面および底面の大部分にそれぞれ拡大されるが、スロットの長さを超えてはならない。これに関する「スロット」という用語は、要するに適正な幅でなければならない。便宜的に、前記カバー装置の部品はスチールあるいはその他の適切な金属でできている。カバー装置のスロットに対する鋸刃の位置調整に関して起こりえる問題だけでなく、これらのスロットが狭すぎる場合、鋸刃がカバー装置で回転しながら稼動する際に、鋸刃の避けられない振動により鋸刃がスロットの端に触れるという危険性が生じる。従って好適な実施形態においては、安全性のために比較的幅広いものとなる。一方でこれは、被加工物に入れられたカーフの長さの範囲においてカーフを周囲から遮断するという、カバー装置の主な課題が困難になるという新しい問題を生じさせる。
【0010】
この問題は、発明の別の側面よる、前部空気室へ挿入可能な密閉体を用いて解決される。この密閉体にはその上面から底面までに及ぶスロットが備えられている。事前に形成されるそのようなスロットは、密閉体がカバー装置において空気の流れを防ぐ、あるいは大幅に制限するように、鋸刃の外周の作業部の厚みとほぼ同じ幅をもっている。密閉体は鋸刃の磨耗を生じさせない有機物質から成ることが望ましい。当初から密閉体にスロットを入れるのではなく、密閉体をカバー装置に設置した際に、鋸刃を用いてその位置にスロットを入れることも考えられる。これは、硬質プラスティック材といった、中程度の硬さの考えられる有機物質のいずれかで密閉体を構成することで可能になる。その他に考えられる素材としては、木材を含めたセルロースがあげられる。焼結含油軸受などと同様に軟質金属も考えられる。様々な複合材料だけでなく、弾性軟質プラスティック材料、またフェルト材といった軟質で弾力性を持った材料も有益であると思われる。しかしながら、ポリエチレンなどの安価なプラスティックは、ダイアモンド鋸刃と比較すれば取るに足りない低コストで製造できるため、スロットを事前に入れるかどうかに関係なく、そのような素材で密閉体を構成することが望ましい。この場合密閉体は、消費されたと判断される場合、例えば鋸刃の磨耗によりスロットが広がりすぎた場合などに取り替えが可能な交換部品であると見なすことができる。一般に密閉体の交換は鋸刃を交換するのと同時に行われる。密閉体のスロットを事前に入れるか、または密閉体に原位置で入れるかに関係なく、密閉体をカバー装置に設置する場合、スロットはカバー装置の上部の上部スロットとカバー装置の基板の下部スロットの領域に設置される。密閉体のスロットが前記上部と基板の各スロットよりも狭い、望ましくは数倍狭いということも代表的な特徴である。
【0011】
カバー装置での空気の流れを抑えることに加えて、密閉体には末端空気室の前端を定義するという別の目的がある。望ましい実施形態によると、原則として密閉体の長さが前記前部空気室と同じであり、前記前部空気室はカバー装置の前端から後方の末端空気室まだ広がっており、前記密閉体は前部空気室に設置された際、原則的に前部空気室を充填して、少なくとも原則的に内面の上部、側面、基板に接触している。一方で、鋸刃が密閉体のスロットの側面に密着しすぎると不都合がある。しかしながら本発明の側面によるとこれに反して、鋸刃により密閉体へ運ばれるダストを密閉体のスロットから末端空気室へ向って排出できるように、鋸刃と密閉体のスロットの壁に僅かなすき間があり、またスロットが末端空気室と接続されていることが望ましい。
【0012】
別の望ましい実施形態によると、カバー装置に挿入可能な密閉体は、カバー装置の前端からカバー装置の底面の吸入ポートの後方の位置まで広がっており、また吸入ポートの位置に開口部を備えている。
【0013】
さらに別の望ましい実施形態によると、カバー装置は相互に接続可能な前部と後部という二つの個別な部分で構成される。後部には末端空気室と、末端空気室への吸入ポートと、末端空気室からの排出ポートが備えられ、前部には鋸刃用の縦向きの通路が備えられている。前部は、前部に一体化された形式の密閉体で構成され、通路を抜ける空気の流れを大幅に制限するために、鋸刃が縦向きの通路へ設置された際に、この密閉体は鋸刃の外周の内側の表面にほぼ接触している。前部は、好ましくはプラスティック本体の単体ユニットで構成されることが望ましい。鋸刃用の通路を抜ける空気の流れを制限して、前部自体が密閉体を定義する。実施形態によると、前部の底面と末端部の底面を組み合わせてカバー装置の底面を決定するようにして二つの平面を繋げると、これらは同じ平面内に存在する。便宜的に末端部の底に末端空気室への吸入ポートを備える。鋸刃の稼動中に、鋸刃に対する前部(密閉体)の通路において望ましい除去作用を保証するためには、前部を末端部に接続した際に、前記通路が末端空気室に通じていることが望ましい。前部と末端部は、適当な連結器、例えばスナップロック式連結器のような簡易連結器にて相互に接続可能である。本実施形態によるとまた、前部自体で密閉体を形成する場合、鋸刃用の通路には中央の拡張された部分があり、この中心部には、鋸刃をカバー装置の密閉体(前部)の前記スロットの極限まで入れた際に、鋸刃の各面に一つずつ備えられた駆動ディスクが収納される。
【0014】
カバー装置の密閉体(前部)のくぼみを定義する拡張部分は、密閉体(前部)の上面から所定の深さに至るまでに及ぶ。鋸加工の最大深度を制限するような駆動ディスクが切断および集塵アセンブリの構成要素である場合、鋸加工の深度を減らさないようにするために、密閉体のスロットにおいて前記拡張をもたらす密閉体のくぼみを密閉体の底面に及ぶまで拡張しなければならない。このことにより前記通路を抜ける空気の流れを増加させる恐れがあるのは事実であるが、その増加は許容されるものである。また密閉体の底面のスロットの拡張部分をごく僅かなものにすることでこの空気の流れを極小化することが可能であり、これは駆動ディスクの下端が明確であるため容易に行うことができる。しかしながら、駆動ディスクより鋸加工深度が制限されない場合、拡張部分は、密閉体の底面またはカバー装置の前部(上面)からある距離を隔てた所定の深さまで下方に及ぶ。
【0015】
さらに考えられる別の実施形態によると、スチールまたは他の素材の基板はカバー装置の前端からその後端まで及び、末端部と結合している。一方、密閉体は個別の部品で構成され、これは前記基板に取り付け可能であり、同時に末端部に接続される。最初に述べた実施形態によると、前記基板には前記通路に含まれるスロットが入れられているが、このスロットの幅は密閉体のスロットよりも広くなっている。一般的にすべての実施形態において、密閉体のスロットは原則として一意に設計される可能性がある。
【0016】
末端部と、または金属製の基板と末端部で構成されるユニットとそれぞれ接続可能である密閉体が交換部品から成るという実施形態により、カバー装置の総金属量を削減することができる。これにより、カバー装置が軽量化されるという利点が生まれる。カバー装置の底を拡大する翼状突起も含んだ前部全体をプラスティック材料の単体にした場合に特に軽量化される。密閉体をカバー装置の空気室に挿入するという最初に述べた実施形態による小形の簡素なロッドよりも、そのような部品を製作することの方がいくぶん費用がかかるとしても、そのような交換部品にかかる費用はダイアモンド鋸刃に比べると取るに足りないものといってよい。
【0017】
カーフの限定された部分にある「In-situ ミニサクションボックス」から末端空気室への吸入ポートは、カバー装置の底にある一つまたはそれ以上の開口部から成る。カバー装置の底が、密閉体を伴った前部および末端部にそれぞれ分解できる二つの部分で定められている場合に、特にこの設計ソリューションは当てはまる。しかし、カバー装置の底と底面がカバー装置の前端からその後端まで継続して伸びている場合にも、前記代替案が適用されることもある。しかしながら、本実施形態による基板に備えられたスロット部、あるいはそれを更に延長した後部で末端空気室への吸入ポートを構成すると利便性が増す。これらの代替案のどちらを採用するかに関係なく、カバー装置が末端空気室の吸入ポートから少し離れた後部の部分に広がっていることが適切である。この場合、前記後部の底面は前記通路を含むカバー装置のその部分の底面と同じ平面内に存在する。この処置により、前記限定されたカーフの部分において望ましい負圧を達成することができる。
【0018】
特にレンガの壁、石膏の壁のような表面に起伏のある対象物、あるいは非常に粗い表面構造をもつ対象物における作業に関して、カバー装置において空気が外に抜けるのを高度に防ぐためにさらなる処置が考えられる。そのような場合、カーフが入れられるラインを覆う圧縮性材料から成る粘着性の密閉板が壁あるいは該当するものに適用される。その板は 10 〜 15 ミリの厚さで、カバー装置とほぼ同じ幅であることが望ましい。裏側に粘着剤を備え、できれば表側に流動抵抗層を備えた、発砲プラスティックのような材料で構成される。技術者がカバー装置を板に向って押し付け、同時にそのアセンブリを前方へ動かすと、壁の凹凸による空気の流入を削減または解消するように、壁から突き出ている細部に圧縮性材料が押し付けられ、壁のくぼみが埋められる。密閉板をカバー装置の基板よりも狭くし、基板に密閉板のための溝を入れることも考えられる。また前記溝が板の厚みよりも浅い場合、前記の突起部において所望の密閉効果を与え、同時に板がアセンブリを誘導する役割を果たすために、壁、床、天井または作業対象となる物の突起部に板が押し付けられる。
【0019】
鋸刃が接触した際に不具合あるいは深刻な破損を与えることのない、プラスティク、木材または類似した素材の密閉体がカバー装置に提供されているとはいえ、密閉体とそのスロットが無傷のままであることが望ましい。鋸刃がカバー装置の不可欠な構造詳細を切断してしまわないことは当然ながら重要である。これは、振動などに晒された構造詳細の磨耗によって、一定期間のアセンブリの使用後に鋸刃がカバー装置の中央の位置を保っていない場合、または鋸刃の駆動ユニット、それから鋸刃が取り付けられたブレードガードとカバー装置が横向きになる場合に起こりえる。従って発明の側面によると、共同で前記ダスト収集ユニットを定義するカバー装置とブレードガードから成るユニットには、鋸刃に応じてカバー装置の位置およびそのスロットの位置を調整する手段と、その逆の調整を行う手段とが備えられている。駆動ユニットに備えられた駆動軸により鋸刃が駆動し、またそれはブレードガードに取り付けられているため、前記手段は特に、カバー装置のスロットに対して中央の真っ直ぐな位置に鋸刃を設置するようなカバー装置とブレードガードの相互の位置修正を保証するために前記手段を提供することを意図している。前記の手段においては、カバー装置およびブレードガード(鋸刃)の相互の横向きの位置ずれを防ぐために第一の場所に備えられた第一要素と、鋸刃が作業する平面に対する鋸刃の斜めの位置を防ぐために第一の場所に備えられた第二要素が含まれる。前記第一要素はブレードガードをカバー装置に枢動可能に接続する結合部の一部で構成される。
【0020】
望ましい実施形態によると、結合部はヒンジで構成され、結合部の動作は軸を中心とした平面内でのみ可能である。望ましい実施形態による結合部は、相互に枢動可能に接続されたブレードガードとカバー装置の二つの部分のいずれかに取り付けられたヒンジヘッドと、その二つの部分のもう一方に、ヒンジヘッドのそれぞれの側に一つずつ取り付けられた好ましくは側方のヒンジ要素とをさらに含む。軸は二つのヒンジ要素とそれらに挟まれるヒンジヘッドを貫通している。ヒンジヘッドの両側に取り付けられたヒンジ要素はヒンジヘッドの平らな側面に対して押圧される平らな側面をもち、また耳形をしていることが望ましい。前記平面はすべて相互に平行であり、またカバー装置の縦の中心線とも平行である。さらに、ヒンジには半径(直径)の拡張だけでなく軸方向の拡張があり、その拡張の幅はアセンブリの他の規模に比べると大きいもので、直径の拡張に関する限りは軸方向の拡張と同程度か、あるいはほぼ同じ程度であるということが言える。軸方向の拡張は少なくとも前述の密閉体の幅と同じくらいか、カバー装置に含まれるボックスガーターと同じくらい広い。相互に接触している平らな側面の直径の拡張を含む直径の拡張は、軸方向の拡張の少なくとも 50%、あるいは少なくとも軸方向の拡張の 75% であることが望ましい。つまりヒンジは非常に頑丈であり、またヒンジが位置する後部にてブレードガードを横向きに固定した状態を保つことを保証する最も重要な部品である。同時にその半径の拡張は、ブレードガードつまり鋸刃がある程度の稼動後にカバー装置の縦の中心線に対して斜めに配置されることを防ぐ役目を果たす。
【0021】
鋸刃がカバー装置の中心に対して斜めに設置されることのないようにするために、望ましい実施形態のよると、アセンブリの通常の進行方向に対してヒンジの正面付近に位置する調整要素が備えられている。これらの調整要素は、鋸刃の平面がカバー装置(スロット)の縦方向の中心線と平行になるように、必要に応じて鋸刃およびカバー装置の相対的な角度を調整し、それ以降もこの状態を維持するための装置で構成される。前記調整要素は変位要素と固定要素で構成され、これらの要素によってブレードガードをわずかに回転させてカバー装置(スロット)の縦方向の中心線に対する鋸刃の起こり得る角度のずれを解消し、また前記中心線に沿ってブレードガードと鋸刃を正しい位置に修正する。これらの作業には様々な種類の調整要素が考えられる。くさびの機能的原理に基づいた装置などが考えられる種類のものである。しかし、調整ネジを利用することが望ましい。調整ネジ、くさび、またはその他の装置うち何で構成されているかに関係なく、調整要素に望ましい効果をもたせるためには、調整要素が及ぼす外側に向う力によってブレードガードが変形しないだけの、従来とは異なった高い剛性をブレードガードにもたせる必要がある。従って、ブレードガードを鋳造アルミニウムあるいはその他の軽金属で構成するのが望ましい。代替案として、ブレードガードの側壁、または少なくとも調整要素の力の影響を受けやすい部分をサンドイッチ要素で構成する、輪郭を強化する、多重の壁にする、あるいは曲げ強度を高めるためにその他の方法で設計することが望ましい。また、調整要素の作用によって起こる圧力に耐えられるようにカバー装置の関連する部分が設計されている。
【0022】
発明の背景の導入部分で、カーフを連続して形成する際にダストを留めて周囲へ飛散することを防ぐためにそのカーフに水を噴射することは、既知の技術において伝統的であると述べられている。この実践によって形成されるスラリーが新たな問題を生じさせるということも述べられている。これは事実であるが、ダストを真空掃除機によって除去するという原理に基づいた切断および集塵アセンブリを備えた機器に対して真空源として機能する真空掃除機アセンブリへのアクセスが、多くの作業現場で成立しないということも事実である。場合によっては「権限者」の決定あるいはその他の理由でカーフへ水を供給することが望ましい場合、または必要となることもある。このような望まれる特徴は、切断および集塵のために開発された発明によるものと同じアセンブリを用いて満たされる。これは特に、密閉体がカバー装置の空気室に設置されているか、カバー装置の前部を形成しているかどうかに関係なく、密閉体へ水を供給するための導管を備えることによって達成される。この導管は鋸刃の側面と密閉体に広がるスロットの側面との狭い隙間にて末端部と接続される、または接続可能である。前記狭い隙間の前記導管の口は、縦方向に対して鋸刃の回転軸の前に設置されることが望ましい。鋸刃がカーフで下方に動かされる際に、狭い隙間に供給された水が鋸刃により移動され、これによりダストを効率的に留めることができる。発明によると、発明の原理によるサクションによるダスト収集には水を加えることと組み合わせることができる。
【0023】
発明の重要な側面をもっているカバー装置自体とそれに属する密閉体に関する説明は、切断および集塵アセンブリの説明に関連して述べられている。さらに、カバー装置、密閉体、また以下の考えられる実施形態の詳細な説明を対象とした付随する請求項でも述べられている。
【0024】
本発明は、発明による切断および集塵アセンブリ に備えられている加工機器にも関連している。加工機器は、汎用的な形態において電動モーターおよび操作要素を備えた駆動ユニットで構成され、発明によると携帯型機器から成るということが代表的である。モーターは電動、油圧式、あるいは燃焼エンジンといった種類となりえる。操作要素には主として制御要素を備えた後部ハンドルと前部ハンドルがある。発明の本側面によると、ブレードガードとそれに枢動可能に接続されたカバー装置とは、ブレードガードの裏側の前記側部にて駆動ユニットに接続される。このブレードガードの裏側の側部は、駆動ユニットの片方の前端部に接続され、また鋸刃の回転の中心の周囲で枢動可能に接続されている。一方、駆動ユニットから鋸刃の裏側の前記側部まで横に伸びる駆動軸に鋸刃は取り付けられ、また前記鋸刃は前記駆動軸によって前記回転の中心の周囲を回転可能であり、その回転方向は鋸刃をその表側に向って見た際に時計回りになる。鋸刃により削られたダストやその他の破片がカーフにおいて前記カーフの限定された部分に向って後方へ移され、ここから前記吸入ポートにて末端空気室へ、さらに末端空気室の排出ポートから真空源へ吸い取られるということになる。
【0025】
切断および集塵アセンブリ、カバー装置、密閉体および加工機器のさらなる側面は、付随の請求項および前記カバー装置の望ましい実施形態に関する下記の説明から明白である。上方、下方、また底面といったそれぞれの用語は、カバー装置を備えた切断および集塵アセンブリを水平に置いたものを参照するものと解釈する。また、前端および後端という用語に関して、通常作業を行う方向に機器を合わせたものを前端、後端とそれぞれいい、この後端は末端部と同じ端に位置する。後端とは末端部と同じ側の端になる。これらの用語は説明を分かりやすくするために採用され、天井、垂直な壁などにおける作業は一切含まない。
【発明の詳細な解説】
【0026】
まず 図 1 を参照すると、発明による加工機器は1 と指定されている。その主要部分は駆動ユニット 2 と切断および集塵アセンブリ 3 で構成されている。駆動ユニット 2 は電動モーター、燃焼エンジンまたは油圧モータで構成された既知の種類のいずれかである。実施形態によると、駆動ユニット 2 は WO 03/057395 で公開されている既知の種類の電動式駆動ユニットである。切断および集塵アセンブリ 3 は環状鋸刃 4 と、ブレードガード 5 と、カバー装置 6 とを備える。駆動ユニット 2 には前部操作ハンドル 7 と後部操作ハンドル 8 とを既知の形態でそれぞれ備え、駆動ユニット 2 および 駆動軸 22 に電動モーター(図では示されていない)のための制御装置 9 を備える。
【0027】
鋸刃 4 には駆動ユニット 2 の逆側の図 3 の表側 20 と、駆動ユニット 2 に面している図 2 の裏側 21 とが含まれる。鋸刃の前記裏側 21 に面している側壁は13 と指定する。前記側壁 13 には鋸刃の駆動軸 22 のための開口部 14 があり、またブレードガードを駆動ユニットに回転可能に固定するための手段を備える。述べられたように、駆動軸 22 は駆動ユニット 2 の一部であるため、定義によると、切断および集塵アセンブリ 3 の一部ではない。駆動軸 22 は駆動ユニットの前部から鋸刃の裏側 21 の側壁 13 にある開口部まで横方向に広がっている。鋸刃 4 は、駆動軸と鋸刃の回転の中心 23 の周囲を駆動軸 22 にて回転可能であり、この回転方向は鋸刃の表側 20 に向って鋸刃を見た場合に時計回りになる。ブレードガード 5 の側壁 13 の環状摺動面12 は駆動ユニット 2 の前部に直接的あるいは間接的に接続され、また切断および集塵アセンブリ 3 は駆動ユニット 2 に取り付けた際に前記摺動面 12 を経由して既知の形態の摩擦継ぎ手にて駆動ユニットに接続される。カバー装置 6 が被加工物に対して押し付けられると、駆動ユニット 2 を並置するように、または技術者にとって快適でカバー装置 6 から独立した位置を維持できるように、前部制御ハンドル 7 と後部制御ハンドル 8 にて、ブレードガード 5 は鋸刃の回転の中心 23 の周辺で駆動ユニット 2 に対して回転可能である。これに関して前記回転の中心 23 は切断および集塵アセンブリ 3 の第一の回転軸を定義する。
【0028】
環状駆動ディスク 28 は鋸刃 4の表側 20 に備えられており、また鋸刃の裏側 21 には、同一の駆動ディスク 28 がブレードガード 5 の内側の鋸刃の前記裏側に対して押し付けられ、またこれは図 2 の穴 14 から見える。駆動軸 22 は、鋸刃 4 を間に挟んで固定している二つの駆動ディスクを貫通している。鋸刃 4 の外周はそれ自体公知の方法でダイアモンドが装備されている。ダイアモンドの部分は 29 と指定する。
【0029】
カバー装置 6 には、線対称中心線10、前端 31、後端 32、平らな底面 36をもつ底 33 (本文では基板とも呼ばれる)、上面 34 をもつ上部、および相互に向き合う細長い側壁 35 がある。カバー装置の前端 31 から後端 32 までの全長は鋸刃 4 の直径よりも大きい。基板 33 は前端 31 から後端 32までのカバー装置 6 の全長に沿って伸びており、またカバー装置 6 の基板全体が図 9 の平らな被加工物に対して直接的に接触するように、その底面 36 は基板 33 の一面にわたって完全に平面になっている。これは底面 36 を超えるような部品、また底面 36 と被加工物の平面との直接接触を妨げるような部品が存在しないことを意味し、これは作業中の対象物に入れられたカーフを効率的に覆う前記ミニサクションボックスを確立するために重要なことである。
【0030】
回転の軸となる結合部 39はカバー装置 6 の後部の正面付近の位置で、上面 34 の少し上に配置される。実施形態によると、この結合部 はブレードガード 5 の後方下の隅とカバー装置 6 を接続するヒンジで構成される。ヒンジ 39 には、第一の回転軸23 と平行であり、また基板 33 の底面 36 とも平行である第二の回転軸40 が含まれる。ブレードガード 5 と カバー装置 6 はヒンジを調節して前記第二の回転軸 40 を中心として回転可能である。
【0031】
実施形態によるカバー装置 6 は、カバー装置の全長に沿って伸びている正方形あるいは長方形の断面をもつ小さな ボックスガーター 42 と表現され、様々な仕組みが備わっている。カバー装置の前部は、前端から測ったカバー装置の全長の少し手前まで占めており、このボックスガーター 42 の各側の下方の角(辺)から翼状部 43 が垂直に突起している。平らなカバー装置の基板 33はボックスガーター 42 の底だけでなく二つの翼状部 43 で構成され、その翼状部 43 は基板に一体化された部品を形成する。その二つの翼状部 43 はカバー装置の前部に位置する底面 36 のほぼ二倍の幅をもつ。
【0032】
基板という用語は、カバー装置のあらゆる空間の底にカバー装置の翼状部、側面補強材またはその他の突起物が存在するということを前提としない。拡張部分をもたない ボックスガーター などの底それ自体もまた基板という用語の定義に含まれる。
【0033】
縦方向の下部スロット 25 および縦方向の上部スロット 46 は基板 33 と上部 34 の中央にそれぞれ広がっており、前記上部はボックスガーター 42 の上板を形成している。前記スロットの中心線はカバー装置の対称中心線 10 と同じ平面内にある。実施形態によると、スロット 45, 46 の幅はボックスガーター 42 の内のり幅のおよそ 90% に相当する。縦方向には、下部スロット 45 が前端 31 の近くの位置 18 からヒンジ 39 のほぼ真下まで広がっている。上部スロット 46 もまた、カバー装置の前端の後方付近の位置 24 から広がっているが、ヒンジ 39 の手前の位置 25 までしか広がっていない。これは下部スロット 45 が上部スロット 46 よりもいくぶん長く後方に伸びているということになる。鋸刃 4 は以下に詳しく示したような様式で、スロット 46,45、そしてカバー装置 6 を突き抜けて動かすことが可能である。上部スロット 46 の長さは、鋸刃 4 を極限までカバー装置に挿入した際にカバー装置 6 の上面 34 によって鋸刃 4 に定義される弦よりもわずかに長くなっている。
【0034】
底面(基板) 33 には、下部スロット 45 の後部、下部スロット 45 の後端とカバー装置 6 の後端 32 の間に、開口部やスロットの入れられていない平坦な末端の部分 33 a がある。後端 32 はプラスティックのプラグ 50 によって閉じられている。よって基板の末端の部分 33a の上には、ボックスガーター 42 の後部で定義される末端の空間 49 がある。前記後部空間49 は、ヒンジ 39 にある前記後方の第二の回転軸 40 辺りからカバー装置とボックスガーター 42の後部の後端 32 (図 10A)まで広がっている。
【0035】
その空間 49 は下記で末端空気室 60 と名づけられた主要な空気室の一部を形成し、これにはボックスガーター 42の上方にある上部の空間 51 が含まれる。空間 49 および 51 は共に末端部 52 の末端空気室を形成し、この末端部の上部および下部の空間 49 および 51 にそれぞれ仕切りはない。よって末端部 52 の下部の空間 51 および上部の空間には、ボックスガーター の上部 37 に開口部 48 があり、これにより垂直方向に空気が自由に流れる。末端部 52 の上部の空間 51 は、後方に傾斜している前面壁53 と、後方に傾斜している背面壁 54 と、二つの平行した側壁とで限定されている。その上部では、末端部 52 が上方から後方に傾いた角度をなしており、吸引用ホース57 への接続部 56 まで続いている。
【0036】
カバー装置 6 の基板 33 の前記後部 33a は、末端空気室の吸入ポート 45a から少し離れた後方の位置に広がっている。この後部 33a の底面は、下部スロット 45 を含む、基板の主体を成す底面 36 と同じ平面内にある。上記の内容から明らかなように、また図に示したように、基板 33 とその平坦な底面 36 の長さは、鋸刃を被加工物 15 の最大作業深度まで挿入した際に鋸刃が基板から突き出ている部分にて定義される弦よりも大きくなる。これに関連して、後部 33a は基板の平坦な底面 36 で覆われている形成されたカーフの延長部分を形成する。
【0037】
二つの直立型イヤー 61 が末端部 52 の前面壁 53 に備えられており、そのイヤーの間には横断バー 62 が備えられている。前記イヤー 61 およびバー 62 は後端を定義し、また前記第二の回転軸 40 を中心としたブレードガード 5 の後方への回転動作を停止させる。ブレードガード 5 を後方の支柱 61,62 に対する静止位置へ戻す役目を果たすプルバック式バネは 63 と指定する。実施形態によると、前記プルバック式バネはゴム製のストラップでできている。当然ながらこの機能に対して、ヒンジ 39 と直接接続したコイルバネなどその他多くの装置を活用することが可能である。
【0038】
上記で述べられたように、末端空気室 60 には吸入ポートがあり、その開口部は前記底面 36 と同じ平面内にある。吸入ポートはヒンジ 39 の後部に位置する底面 36 の部分にある。発明によると、吸入ポートは基板 33 の下部スロット 45 の末端の部分 45a で構成される。末端空気室 60 からの排出ポート 58 は接続部 56 の後端に備えられている。
【0039】
本発明は鋸刃 4 の使用に対して特定の直径や厚さを限定するものではない。しかしながら、通常鋸刃の直径は 200 〜 1000 mm で、さらに中心部には刃の主要な部分を成す空洞部があり、またその周囲にはダイアモンドの部分が備えられており、一般的には2 〜 5 mm の厚みをもつ。ダイアモンドの部分 29 は約0.5 〜 1 mm の厚みとなる。例えば直径が 300 mmである鋸刃 4 の中心部の厚みは約2 mm で、一方この場合のダイアモンドの部分の厚みは約2.5 mm になる。当然ながら、鉄筋コンクリートや同類の材料で作業を行うこれらの寸法をもつ鋸刃は、振動や高い騒音レベルを引き起こす場合のある高度の圧力に晒される。これらの影響を軽減するために、一対の振動ダンパー 66 が鋸刃の側面に一つずつ備えられている。
【0040】
一対のホルダーのペアには振動ダンパー 66 が備えられており、これはカバー装置 6 の上面 34 から上方に突き出ており、また後方に傾斜している。振動ダンパー 66 は、例えば特定のブレーキシューライニングに使用されるものと同じ種類の一組の耐摩耗材料のブロックから成り、また鋸刃 4 の各面 20 と 21 に対して調整ネジ 68 を用いて適度の力で押し付けることができる。ブロック 66 が振動ダンパーの役目を果たすのと同時に、鋸刃の平面がカバー装置の対称中心線と平行した同じ平面内にあるようにするために、ブロック 66 は調整ネジ 68 とともに、カバー装置 6 の中心を鋸刃に合わせるためのセンタリング装置としても機能する。
【0041】
振動ダンパー 66 によって鋸刃 4 の振動を大幅に削減することができるとしても、完全に振動を避けることはできない。また、振動ダンパー(センタリング装置)にてスロット 45 と 46 の中心に鋸刃を合わせることが保証されるわけでもない。従って、鋸刃 4 がスロット 45 と 46 の端に接触することを防ぐために、スロットの幅は鋸刃の厚みの数倍広くなっている。上部スロット 45 の幅はまた、カバー装置 6 の中に鋸刃を極限まで下方に動かした際に駆動ディスク 28 を ボックスガーター 42 に挿入することも可能にする。
【0042】
導入部の公開において、発明の側面による切断および集塵アセンブリには、鋸刃の側面における空気の通路を十分に制限するカバー装置を備えると述べられている。発明の側面によると、これを達成するために、ボックスガーター 42 には硬質プラスティック材料の密閉ロッド70 が備えられており、前記ロッドの断面はボックスガーター 42 の内側の断面と同じ形状をしている。密閉ロッド 70 は前端から ボックスガーター 42 へ挿入され、これはその前端で固定され、カバー装置 6 の前端 31 の位置でボックスガーターの前方の開口部にくさびで留められている。ヘッド部分 71 のみが開口部の正面から突き出ている。密閉ロッド 70 は前端 31 から後方へ第二の回転軸 40 辺りまで及んでいる。密閉ロッド 70 の後端 72 の切り口は図 7、図 8 および図 10Aに示すように斜めの断面をしている。結果として、後端 72 の傾斜している面は、末端部 52 の前面壁 53 と同じ平面内に広がっているか、それよりも幾分傾いているか、あるいは前記平面より少し手前に位置する。下部スロット 45 の末端の部分 45A は図 4 と図 10A に示されており、密閉ロッド 70 の後端 72 の下端 75 を超えて広がっている。
【0043】
縦方向のスロット 73 は、密閉ロッド 70 にてその上面と底面の間に伸びている。スロット 73 はロッドよりもわずかに短く、前端のヘッド部分 71 の内側の少し離れた位置 76 からロッド 70 の後端 78 間近の位置 77 まで及んでいる。スロット 73 は実際のところ傾斜断面 72 のほぼ中心まで継続して広がっている。これは以下で説明する、スロット 73 が末端部 60 に接触しているという重要なことを意味している。 ロッド 70 の中心には、スロット 73 がロッドの上面から下方の一定の深さまで広げられている部分がある。しかし図 9 に示す通り、この拡張部分 74 がロッド 70 の底面まで下方に達していないことが望ましい。拡張部分 74 は駆動ディスク 28 を受けて収納するためのものである。これは、前記拡張部分 74 に位置する部分を一部図に表した、カバー装置 6 を示す図 9 にて説明される。拡張部分の最大深度における縦方向の拡張とその深さに関する限りは、これらの条件に関して前述された発明の説明において述べられている。カバー装置の後部とセンタリング手段は図に表されていないが、ブレードガード 5 の壁の位置は点線にて示されている。ブレードガード 5 を下方に極限まで動かした場合でも、前記壁 13 が ボックスガーター 42 に触れることのないように、ブレードガード 5 の側壁は鋸刃の垂直な中心面よりもかなり離れた位置にある。これはむしろ、駆動ユニット 2 に対面するボックスガーターの縦の側面 35 の脇に位置する。これもまた 図 10 で示されている。
【0044】
当初は、スロット 73 の幅は鋸刃の外周のダイアモンドを備えた作業部の幅に対応した幅、つまり2.5 〜 3 mm 程度である。ボックスガーター 42 と鋸刃 4 の側面 20,21 に対する密閉体 70 の密閉効果は当初は高いといえるが完全なものではなく、望ましいものでもない。よって鋸刃の外周の作業部の(半径方向を基準にした)内側にある主要部分には細い隙間 73 a がある。しかしながら、密閉ロッド 70 は鋸刃 4 による磨耗にさらされやすく、これによりスロット 73 や前記隙間 73 a が広げられてしまう。しかし密閉ロッド 70 は鋸刃 4 に比べると安価であり、密閉機能が十分でないと判断され次第すぐに交換できる消耗品である。この交換は鋸刃の交換に伴って行われるのが望ましい。鋸刃 4 を交換する際は、まずカバー装置 6 をブレードガードから取り外す。これはハンドル 41 にてヒンジ 39 のピン状の軸を引き抜いて行う。その後、汎用的な形態で鋸刃を駆動ディスク 28 の間で駆動軸に固定しているボルトあるいはナットを緩めるという汎用的な形態で鋸刃 4 を取り外すことができる。これが行われると、消耗した密閉ロッド 70 が前方から引き抜かれ、新しいものに交換される。新しいロッドの補充に伴い、密閉ロッド 70 が間違った向きにならないようにするためにはいくつかの形態が考えられる。間違った方向への回転を防ぐようにボックスガーター とロッドの断面を設計するという形態が考えられる。別の形態は、基板 33 の内側にストッパーを備えて、ロッド 70 が逆向きになっている場合にそれが完全に挿入されないようにするというものである。
【0045】
切断および集塵アセンブリ 3 を備えた機器 1 の意図された作動形態は以下のとおりである。機器 1 (図 1)には、床、壁、コンクリートのブロックといった被加工物の表面と密接に接触するカバー装置 6 の基板 33 の底面 36 が備えられている。駆動ユニット 2 の前部ハンドル 7 および後部ハンドル 8 それぞれを操作して、鋸刃 4 は被加工物 15 に対して下方に進められる。密閉ロッド 70 のスロット 73 の上部スロット 46 と下部スロット 45 にて鋸刃 4 が下方に進むに連れて、被加工物 15 に継続的にカーフ 16 が入れられる。ブレードガード 5 はこの動作に伴い、カバー装置 6 に対して回転の中心 40 の周辺で回転する。その基板33 を被加工物 15 の表面に押し付けると、伸縮バネ(ゴム製のストラップ)63 が引き伸ばされる。鋸刃 4 がその最大深度まで達した場合(図 10)、駆動ディスク 28 がくぼみ 74 つまり密閉ロッドのスロット 73 の拡張部分に差し込まれ、またブレードガードの側壁 13 が基板 33 の突起部として含まれる翼状部 43 に接触、あるいはほぼ接触している。翼状部 43 の厚みは極めて薄く 1 〜 1.5 mm 程度であり、これは被加工物への鋸刃の最大到達度に対する影響が取るに足りないということを意味する。技術者がハンドル 7, 8 にかける力を緩めると、ブレードガード 5 そして鋸刃 4 は伸縮バネ(ゴム製のストラップ) 63 によって開始位置に戻る。
【0046】
熟練した技術者は通常、一段階で最大深度まで作業を進めることはせずに、望ましい深さに到達するまで二回以上に渡って作業を行う。図 9 および 図 10A で最大深度まで入れられたカーフは 16 に指定されており、それまで達していないカーフは図 10A において 16a と指定されている。このようにして鋸刃 4 を被加工物 15 にさらに深く入れると同時に、人間工学の観点から望ましい位置に機器の駆動ユニット 2 を維持できるように、ブレードガード 5 は第一の回転軸 23(これは鋸刃の回転の中心と一致する)を中心に機器の駆動ユニット 2 に対して回転される。また一方でブレードガード 5 はその下方隅に位置するヒンジ 39 の第二の回転軸 40 を中心にカバー装置 6 に対して回転される。鋸刃の回転方向は図 10 の矢印 17 で示されている。 このようにして機器 1 が前方へ進められると鋸刃 4 は被加工物 15 に対してカーフを切り開く。
【0047】
ボックスガーター 42 の空間は、前部空気室(前部の空間)38 と、末端空気室 60 の一部を成す末端部(後部)の空間 49 とで構成される。密閉ロッド 70 は前端から前部空間 38 へ挿入され、これは前記前部空間を原則的に充填する。密閉ロッドは末端空気室 60 の一部を形成する後部の空間 48 まで伸びており、密閉ロッドの傾斜断面 72 が末端空気室の壁の一部を形成する。こうして末端空気室 60 は以下の壁あるいは様々な対象物の表面によって限定される。
密閉ロッド 70 の傾斜断面 72
密閉ロッド 70 の後ろに位置する基板 33 の部分
ボックスガーター 42 の縦の側面
プラグ 50
傾いた前壁 53 と傾いた背壁 54
側壁 55
接続部 56 の内側
【0048】
このように定義された末端空気室 60 へは吸入ポートがあり、実施形態によるとこれは基板 33 の下部スロット 45 の前記後端部 45a で構成される。前記吸入開口部 45a は末端空気室に対する極めて重要な吸入口となる。さらに漏れ流れと呼ばれる微量の漏れが発生するが、これは望ましいものである。密閉ロッドのスロット 73 から末端空気室 60 への空気の流れが密閉体の傾斜断面 72 を抜けている。形成されたカーフで鋸刃が後方に吐き出すのではなく、鋸刃 4 が回転する際に運ばれるダストは、この空気の流れによって運ばれる。また空気の流入は基板の底面 36 と被加工物との間にも生じるため、ダストが周囲に飛散することを防ぐ。
【0049】
末端空気室は、カバー装置 6 の基板 33 の下部スロット 45 の末端の部分 45a によって定義される吸入ポートにて、基板 33 の下で絶えず限定されるカーフ 16 の部分と直接つながっている。吸入ポート 45 の真下に位置するカーフの部分は、前方と上方を鋸刃 4 自体に、鋸刃 4 から後方までの一定の距離は基板 33 と密閉ロッド 70 で十分に密閉されている。比較的狭い(3 mm 程度)のカーフ 16 では、鋸刃自体の位置に加えて鋸刃が稼動している領域の直後の位置に、周囲の気圧に対する負圧が維持される。従ってカーフ 16 に「In-situ ミニサクションボックス」 が確立される。鋸刃により被加工物から出された物質の大部分は鋸刃 4 の直後の前記領域、つまりミニサクションボックスへ吐き出される。前記負圧は、出されたダストが微粒子であったとしても周囲へ飛散しない程の十分な圧力である。むしろ、密閉ロッド 70 の傾斜断面 72 の後部にある基板33 のスロット 45 の吸入ポート(後部)45a にて、効率的に末端空気室 60 へ吸い上げられ、さらに末端空気室から排出ポート 58 と吸込みホース 57 にて真空源へ吸い取られる。カーフ 16 からダストとともに吸込まれて末端空気室 60 に流れ込み、さらに吸込みホースにて吸込まれた空気は、カーフ 16 の後部にて後方に流れる空気と十分に入れ替えられる。これによりカーフのその部分に残っているダストが運ばれる。一方上記で述べられた微量の空気の流れはカバー装置 6 内でカバー装置 6 の基板 33 と被加工物 15 の表面との間に生じる。
【0050】
カーフ16 が壁または床まで突き抜ける場合にダストが付近の空間へ飛散することを防ぐために、鋸刃が貫通する壁の範囲を発砲プラスティックのストラント 80 のようなもので覆うこともある。これは図 10 と 10A に図解されている。また同様の目的でその他の手段、例えば板なども壁に適用される。
【0051】
図 8 A は密閉ロッドの別の考えられる実施形態を示し、これは70a と指定されている。実施形態によると、ロッド 70a は ボックスガーター 42 と同じ長さである。考えられる形態では、ロッド 70a がボックスガーター 42 の後端から挿入される。従ってロッド 70a の後端は拡張された部分をもつ。しかし、最初の実施形態による密閉ロッド 70 の場合と同様に、そのロッドを前端から挿入することも可能であり、よって対応する形態では前端に拡張部分が備えられる。密閉ロッド 70 a を特徴付けるのは、その後部に開口部 79 が備えられているということに加えて、それが実際に末端空気室 60 の一部を形成するということである。
【0052】
図 11 と 12 は前部要素 82 と末端部要素 52' で構成されるカバー装置 6 ' を示す。二つの要素 82 および 52' を相互に接続して一つのユニットを形成することができる。例えば、前部要素 82 の後端に一対の突起部 83 を備え、それを末端部要素 52’ の側面にある溝へ挿入して、そこにスナップロックやその他の形態で固定することが考えられる。末端部要素 52 ' の末端空気室への吸入ポートが末端部要素 52’ の底に備えられている。吸入ポート 84 は図 11 で図解のみされている。
【0053】
前部要素 82 は、非常に強固な、耐性記憶形状プラスティック材料の単体で構成され、便宜的に繊維強化されている。原則的にこれは、前に述べた実施形態によるカバー装置 6 と同じ形状をしている。この場合の前部要素 82 は、密閉体がユニットに一体化された構成要素である単体で構成され、一体化された下部翼状部 43’ を備えているという違いがある。前部要素 82 とは言い換えると、前に述べた実施形態のカバー装置 6 の前部と同じ形状をもったプラスティックのロッドで構成される。このプラスティックのロッド(前部要素) 82 には、前の実施形態のように駆動ディスク 28 用の拡張部分を備えた、鋸刃 4 のためのスロット 73 が入れられている。原則として前に述べた実施形態によるものと同じ形態で、カバー装置 6 ' にセンタリング装置を任意で備えることが考えられる。しかし、起こり得るセンタリング問題を解決するためにはその他の装置や手段も考えられる。次の実施形態に伴って問題解決策の例が公開されている。
【0054】
次の実施形態は図 13-16 に示されている。この場合、駆動ディスク 28 を収納する中央のくぼみ 74’ を備えた硬質プラスティック材料の密閉ロッド 70 ' が使用される。この時点で密閉ロッド 70 ' にスロットは入れられていない。これは取り付けに伴う最初の処置として鋸刃 4 にてスロットを入れることを意図している。この処置を行う前に、ロッド 70' が末端部要素 52 " から前方へ広がる基板 33'、厳密に言うと基板の前部に取り付けられる。その他の点において末端部要素 52 " は上記の末端部要素 52 ' と原則的に同じ形態で設計され、図では示されていないが末端部要素 52 " にある末端空気室への吸入ポート 84 を含んでいる。密閉ロッド 70 ' は上記の基板 33’ に取り付けることが可能で、スナップ接合にて固定できる。さらに上方に突起している二組の支え 89 をくぼみ 91 に合わせることによって、密閉ロッド 70 ' を基板の縦向きのスロット 45’ の正しい位置に固定することも考えられる。基板 33’ の幅は前の実施形態と同じであり、これは取り付けられたロッド 70’ の各側に翼状突起部が基板によって形成されることを意味する。最初の説明で述べられたように、カバー装置には、鋸刃の側面と密閉ロッド 70 のスロット 73 の内側との間の隙間 73 に水を供給する装置を備えることが可能である。これは図 17 と 18 に示されており、密閉ロッドに広がっている供給管の部分は86 と指定されている。ボックスガーター 42 の外側にそって伸びているチューブ状導管 87 はチャネル 86 に接続される共通接続 88 が後部に備えられている。
【0055】
図 19、図 20、図 21 および 図 22 では、前の図で公開された設計と同じ、または本質的に同様な設計である詳細には前の図と同じ参照番号が使用されているが、それらの図と関連しているがその設計の点で大幅に異なるその他の詳細については、同じ参照番号に「 ‘ 」を追加して示されている。つまり、前に述べられた実施形態による該当部品と比較して、例えばホルダー、ヒンジおよびブレードガードは 67'、39' および 5' とそれぞれ変更されている。
【0056】
通常の作業位置で上方に突起している二つの平行したホルダー 67' はカバー装置 6 に一体化されており、その他の点において修正はされていない。具体的にはボックスガーター 42 の外側 35 に溶接されているか、あるいはその他の形態にてスロット 45 と 46 からかなり離れた位置でボックスガーターと結合されている。各ホルダー 67' は前方下を指している先端部94 をもった矢印のような形をした板であり、第一の羽 95 はボックスガーター の外側 35 と基板 33 の各翼状部 43 に取り付けられ、また第二の羽 96 は先端部 94 から後方上に傾いている。各ホルダー 67' の厚みは羽 43 の各幅に相当しており、アルミニウムまたはその他の軽金属の均一な平面で構成され、また十分な厚さに加えてホルダーに対する横方向の曲げ強度を備えており、これは重要な特徴であるといえる。カバー装置 6 もまたアルミニウムやその他の軽金属で構成されるのが望ましい。
【0057】
ブレードガード 5 ' もまたアルミニウムやその他の軽金属で構成される。発明による切断および集塵アセンブリでは、ブレードガードは鋸刃を保護したり、集塵ユニットの一部を構成するだけでなく、カバー装置 6 と鋸刃 4 との繋ぎの役目を果たす。鋸刃の駆動ユニット 2 が左手の表側の壁 13’ に取り付けられる。ブレードガードの左手側の壁における駆動ユニットを取り付けるための穴 14 とヒンジ 39’ の間にある部位 99 と、右手の裏側の壁 10’ の該当する部位 101 の少なくとも主要部分が非常に強固であるため、変形されることなく横方向の力に十分耐えることができる。むしろ発明の側面によると、方向に関わらずそのような力によって、カバー装置 6 のスロット 45,46 とその密閉ロッド 70 のスロット 73 の縦の中心線 10 と鋸刃 4 の平面との間において生じた角度をなくすために、必要に応じてブレードガード 5 ' をわずかにずらすことができる。ブレードガード 5’ をカバー装置 6 に対して下方に下げた際に、二つのホルダー 67' がブレードガードの側壁 10' および 13' によって覆われる。実施形態によると、側壁 10' と 13' あるいは少なくとも部位 99 と 101 は、変形に対する望ましい耐性を提供するために比較的厚くなっている。具体的には、ブレードガード 5 ' の側壁の少なくとも前記部位 99 と 101 はホルダー 67' の厚みと同じ程度であると言える。 ブレードガードの前方部分 103、頂上部分 104、後方部分 105 では二つの側壁10' と 13' が接続される。後方部分 105 の終端部分は図 22 で示され、これは図 19 の点線でも示されている。
【0058】
側壁 10' と 13' の下方隅では、ヒンジ 39' の外側のヒンジ要素 107 に含まれる耳形部が形成される。ジョイント要素(耳形部)107 には平らな表面があり、その厚み (t) は側壁 10’ と 13’ の厚みよりも大きい。実質上円柱形状をしたヒンジヘッド 108 は側方のヒンジ要素 107 で挟まれており、このヒンジ要素はカバー装置 6 の上面と末端部要素 52 の傾斜断面 53 との間の境目にてカバー装置から前方上に伸びている。その半径方向の拡張 (D) は、側方の結合要素(耳形部)107 (t) の厚みの少なくとも三倍、あるいは四倍であることが望ましい。その平らな側面は側方の結合要素の対応する平らな側面と接触している。ヒンジヘッドの幅 (w)、つまり軸方向の拡張は少なくとも耳形部 107 の厚み (t) の二倍に相当する。ヒンジ 39’ の 軸の全長 (W) は底の翼状部 43 を含んだカバー装置 6 の幅に相当する。片側にハンドル 110 を備えた軸 109 はヒンジ要素 107 とヒンジヘッド 108 の穴を貫通している。軸 109 の取り外しは公知の設計の簡易結合装置を緩めて簡単に行うことができる。この結合装置はハンドルの中心の内側にピン 111を押し付ることで調節され、この時にカバー装置がブレードガードから取り外され、さらに切断および集塵アセンブリから取り外される。組み立ては前記簡易結合器にてアナログな方法で行われる。
【0059】
ブレードガード 5 ' はヒンジ 39’ の旋回軸 100 を中心に回転可能である。ヒンジ 39’ の前記旋回軸 100 は鋸刃 4 の回転の中心 11 と平行である。ストップ金具 122 が上方から後方への回転を制限する。説明されたヒンジ 39' の設計は、通常アセンブリがさらされる力によってヒンジヘッド 108 そしてカバー装置がヒンジ 39’ の軸方向に変位することを防ぐ。接触面の大きさは側方のヒンジ要素 107 とヒンジヘッド 108 の接触している側面が相互に及ぼす圧力を意味するため、ヒンジ 39’ の半径の拡張は比較的少なくなる。これはまた磨耗をわずかなものにし、さらに使用に伴ってブレが生じるのを中和する。つまり、アセンブリの激しい使用や長期間の使用にも関わらず、ヒンジヘッド 108 が側方のヒンジ要素間の元の位置を正確に維持することを意味する。同時に前に述べられたように、カバー装置 6 に対して鋸刃 4 が斜めの位置になることも中和される。
【0060】
カバー装置に対する鋸刃 4 の斜めの位置は、ブレードガード 5 ' の内部で上方に伸びるホルダー67’ によって中和される。ブレードガードの側壁 10’ と 13’ の内面にホルダー 67' が直接的または関節的に接触している場合、側壁の内面に合わせた設計が必要になる。望ましい実施形態によると、そのような間接的接触は調整要素 113 と 114 にて達成される。そのような一組の調整要素は各側壁 10’ と 13’の内面に接触している。実施形態によると調整要素 113 と114 は、ホルダー 67’ のネジ穴 115 と 116 にネジで締め付けられるトレッド式の無頭円形スタッドの形式の調整ネジで構成される。調整ネジ(スタッド).115 と 116 は磨耗耐性プラスティック材料、 好ましくはナイロンまたはテフロンといった低摩擦プラスティック材料の形態をとる。ネジの接点部分 120 はホルダーの外側に短く(1 mm 程度)伸びており、前記接点部分はブレードガード 5 ' の側壁の各内面に接触している。前記接点部分 120 には溝、Allen または Philips の穴、あるいはドライバー用のその他のグリップが備えられている。内面、つまり鋸刃 4 に面する側には、その端に突き出ている各ネジ 113 と 114 の一部 121に固定ナット 118 と 119 が留められている。
【0061】
調整要素(調整ネジ) 113 と 114 の接点部分は、ヒンジ 39’ の旋回軸 100 に対して直角である平らな面が各側壁 10’ と 13’に接触している。これはまた、問題となっている表側の壁 10’ の平らな部分が逆側の壁 13’ の該当する部分と平行になっているということを示す。平らな平行した部分には原則としてブレードガードの壁全体の表面を含むことになり、これは実際に図 19-22 に示される実施形態によって達成されているが、ヒンジ 39’ の旋回軸 100 に対して垂直な面である平らな平行した部分は原則として、図で123 と指定された部分で構成されていれば十分である。これらの考えられる最小の部分は円の弧の形をしており、また調整ネジ 113 と 114 の接点部分 120 と、ヒンジの旋回軸 100 を中心としてブレードガード 5 ' が回転可能な範囲のブレードガードの内面との間に考えられる接点の位置を定義する。旋回軸 100 を中心にブレードガード 5 ' を回転する場合、ブレードガードを中心線 10 に対して意図された正しい位置に設置した際に、ヒンジ 39’ の旋回軸 100 と垂直で、スロット 46,47,73 の中心線 10 と平行であるブレードガードの部分に対して、調整ネジ 113 と 114 が摺動する。
【0062】
よって調整ネジ 113 と 114 を備えたブレードガード 5 ' とホルダー 67' は、スロットおよびカバー装置 6 全体の中心線に対して、鋸刃がカバー装置のスロットにおいて角度をつけずに正しい方向を維持するための調整を行うことができるシステムを構成する。ヒンジ 39’ にヒンジ要素の側方のずれに対する 高い抵抗が備わっているため、また一方でこれはネジ 113 と 114 にて接続される要素の剛性によって、正しく設置された位置が維持される。この要素にはブレードガード 5 ' と二つのホルダー 67' が含まれ、それらの力を受ける部分に関する限り、少なくとも力を受ける部分にかなりの剛性が備わっている。しかしながら、調整ネジ 113 と 114 の均一ではない磨耗などが原因で、時間の経過した鋸刃 4 にいくらかの角度のずれがある場合、前記簡易連結器にてカバー装置 6 を取り外し、この際固定ナット 118 と 119 を緩めて調整ネジ 113 と 114 を新しい調整位置に合わせ、固定ナットをその固定位置で締め、カバー装置 6 を再度ブレードガード 5 ' に組み立てる。
【0063】
当然のことながら述べられた調整システムに次のような修正を行うこともできる。調整ネジ、くさび形留め具、あるいはその他のものなど調整要素が何で構成されているかに関係なく、調整要素をホルダー 67' ではなくブレードガード 5 ' の側壁に備える。また調整要素をホルダー 67' の平面に向って移動させる、または平面から移動させる。この平面に対して調整要素を押し付ける、また摺動可能にする。この場合、前記平面はヒンジ 39’ の旋回軸 100 に垂直になる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】発明の望ましい実施形態による機器の側面図を示す。
【図2】最初の望ましい実施形態による機器に含まれる切断および集塵アセンブリを示し、切断および集塵アセンブリと機器の駆動ユニット間の平面における鋸刃の駆動軸の垂直断面を切断および集塵アセンブリ図 1と同じ方向から機器を示す。
【図3】逆側から切断および集塵アセンブリを示す透視図である。
【図4】切断および集塵アセンブリに含まれる発明によるカバー装置の最初の実施形態の側面図である。
【図5】図 4 の直線 V-V に沿ったカバー装置の上面図である。
【図6】図 4 の直線 VI-VI に沿ったカバー装置の底面図である。
【図7】カバー装置に含まれる密閉ロッドの側面図である。
【図8】図 7 の直線 VIII-VIII に沿った密閉ロッドを示す底面図である。
【図8A】上記の視点から見た密閉ロッドの代替実施形態である。
【図9】カバー装置の前部と被加工物の断面を示す。
【図10】稼動中の機器を示す。
【図10A】図 10 で囲まれた部分を拡大したものである。
【図11】発明による切断および集塵アセンブリの最初の望ましい実施形態に含まれるカバー装置の第二の考えられる実施形態の側面図である。
【図12】前記カバー装置に含まれる前部ユニットを示す。
【図13】末端部と、前記末端部に含まれる基板を含む第一ユニットの側面図である。
【図14】カバー装置一式を定義するために、図 13 による第一ユニットに接続可能な第二ユニットを定義する密閉体の側面図である。
【図15】図 13 のXV-XV における第一ユニットの部分を示す。
【図16】上記の図 14 による密閉体を示す。
【図17】水の供給のための導管を備えたカバー装置の側面図である。
【図18】上記の視点から図 17 による装置を示す。
【図19】前記ユニットの第二の望ましい実施形態によるアセンブリにおける集塵ユニットを定義する切断および集塵アセンブリに含まれるユニットを左側から見た図である。アセンブリに一体化されたものとして含まれる鋸刃は点線で示されている。
【図20】集塵ユニットに含まれるブレードガードを左側から示す。
【図21】図 19 の直線 XXI-XXI に沿った視点で集塵ユニットを示す。
【図22】図 19 の矢印XXII で示された視点で、集塵ユニットに含まれるヒンジを表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断および集塵アセンブリであって、表側 (20) と、裏側 (21) と、鋸刃の作業部を定義する外周部と、回転の中心 (23) を備えた回転式環状鋸刃(4)で構成され、
さらにその後部に末端部 (52) をもつカバー装置 (6) で構成され、
このカバー装置には、前端、後端、上面、平面状に広がる底面 (36) および鋸刃用の縦向きの通路 (45,46) があり、
前記通路はカバー装置の前端から後端までの領域に上面から底面まで広がっており、
鋸刃の一部(弧) (4a) がカバー装置の底面を通り抜けており、鋸刃は前記通路で上下に動くことが可能であり、この動作の間、カバー装置の上方にある前記回転の中心のカバー装置に対する位置が変化し、
末端部には、開口部が前記底面と同じ面にある吸入口 (45a) と、真空源に接続することが可能な排出口 (58) とをもつ末端空気室(60)が備えられており、
また、稼動する刃の回転方向は、カバー装置の底面を超えている前記部分 (4a) の後部が底面に向って上方から後方へ回転し、前記回転方向は刃の表側 (20) に向って見た場合に時計回りとなる、
ことを特徴とする切断および集塵アセンブリ。
【請求項2】
前記通路での空気の流れを大幅に削減するように、鋸刃の外周の内側に接触、またはほぼ接触している通路をもつ密閉体を備えるという特徴がある、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
カバー装置に接続されるブレードガード (5) を備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
ブレードガードが鋸刃の外周の少なくともほぼ半分を覆っており、カバー装置に枢動可能に接続されているという特徴がある、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
ブレードガードが鋸刃の後方下の隅、あるいはその付近にヒンジ (40) にて接続されているという特徴がある、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
鋸刃の裏側 (21) のブレードガードの側壁 (13) が刃の回転の中心まで及んでいる、あるいは少なくとも十分に覆っているという特徴がある、請求項3ないし5のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項7】
請求項 1 ないし6のいずれかに記載のアセンブリ (3) であって、
a) 表側 (20)、裏側 (21) および回転の中心 (23) をもつ環状鋸刃 (4) を備えており、その回転方向は刃の表側に向って見た場合に時計回りとなり、
b) 鋸刃の外周の少なくともほぼ半分まで広がっているブレードガード (5) と、刃の回転の中心辺りまで覆う、あるいは少なくとも十分に超えている、刃の裏側上のブレードガードの側壁 (13) を備え、
c) 前端、後端、上面をもつ上部、平面状に広がる底面 (36) をもつ基板 (33) および鋸刃用の縦向きの通路 (45,46) をもつカバー装置 (6) を備え、前記通路はカバー装置の前端から後端の領域に上面から底面まで広がっており、
d) ヒンジ (40) を動かしてカバー装置内で鋸刃を上下に動かせるように、前記ヒンジにてブレードガードへ枢動可能に接続されたカバー装置を備え、また、
e) 前記ヒンジの後部には末端部 (52) が備えられており、これは前記底面と同じ平面内にある吸入ポートと、真空源に接続可能な排出口とをもつ末端空気室 (60) で構成される、
ことを特徴とするアセンブリ。
【請求項8】
請求項 1 ないし7のいずれかに記載のアセンブリであって、カバー装置は末端部の前にある前部空気室 (38) で構成され、また前記前部空気室は、前記上部 (37) により上方が、側面 (35) により横方向が、前記基板 (33) により下方が限定され、また鋸刃用の前記通路には前記上部に上部スロット (46) が、基板に下部スロット (45) が備えられていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項9】
カバー装置に前部空気室に挿入される密閉体 (70) が備えられていることを特徴とする請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
密閉体 (70) には、前端、後端、上面、底面およびスロット (73) を備え、密閉体のスロットは密閉体の上面と底面の間で密閉体に広がっており、密閉体がカバー装置の前部空気室に設置された場合に、前記上部の上部スロット (46) と基板の下部スロット (45) 間の領域にスロットが配置され、また密閉体のスロット (73) の幅は上部と基板の各スロット (46,45) よりも十分に狭いことを特徴とする請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
密閉体の (73) のスロットの幅が鋸刃の外周作業部の厚みとほぼ同じであるという特徴がある請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
密閉体のスロットの前端が密閉体の前端の近距離にあり、また密閉体のスロットの後端が密閉体の後端の近距離にあることを特徴とする請求項 9 または 10 に記載のアセンブリ。
【請求項13】
密閉体のスロットの前端が密閉体の前端の近距離にあり、密閉体の後端まで途切れることなく及んでいるという特徴がある請求項 9 または 10 に記載のアセンブリ。
【請求項14】
密閉体のスロットの後端が密閉体の後端の近距離にあり、密閉体の前端まで途切れることなく及んでいるという特徴がある請求項 9 または 10 に記載のアセンブリ。
【請求項15】
カバー装置に前端開口部があり、ここから密閉体を前部空気室へ挿入可能であるという特徴がある、請求項 9 ないし14 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項16】
カバー装置に後端開口部があり、ここから密閉体を前部空気室へ挿入可能であるという特徴がある、請求項 9 ないし15 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項17】
密閉体を前記前部空気室 (38) に設置した際に、密閉体が上方から下方に傾いた傾斜断面 (72) をもつという特徴がある請求項 9 ないし 16 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項18】
原則として密閉体の長さが前記前部空気室 (38) と同じであり、この前部空気室はカバー装置の前端から後方の末端空気室 (60) まで広がっており、前記密閉体が前部空気室に設置された際、原則的に前部空気室を充填して、少なくとも原則的に上部、側面、基板の内面に接触しているという特徴がある請求項 9 ないし 17 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項19】
密閉体がカバー装置の前端からカバー装置の底面の吸入ポートの後ろの位置まで広がっており、吸入ポートの位置に開口部 (79) を備えるという特徴がある、請求項 9 ないし 15 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項20】
カバー装置の位置調節を行うためのセンタリング手段 (66-68) がカバー装置の上部に備えられているという特徴がある、請求項 1 ないし 19 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項21】
カバー装置の基板にある下部スロット (45) が上部スロット (46) よりも長く、下部スロットの後部 (45a) が上部スロットの後端 (25) を超えて広がっており、また末端空気室の吸入ポートが下部スロットの前記後端部 (45a) の一部あるいは全部で構成されるという特徴がある、請求項 8 ないし 20 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記上部および下部スロット (46,45) が原則として等しい長さであり、また下部スロットの後部から少し離れたカバー装置の基板にある、一つあるいは複数の開口部で末端空気室の吸入ポートが構成されるという特徴がある、請求項 8 ないし 21 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項23】
カバー装置の基板の部分 (33 a) が末端空気室の吸入ポート (45a) から一定の距離にあり、また前記後部の底面が下部スロットを構成する基板の主要な部分の底面と同じ平面内にあるという特徴を備える、請求項 21 または 22 に記載のアセンブリ。
【請求項24】
個別ではあるが相互に接続可能な二つの部分、前部 (82) と後部を含み、後部に末端部要素 (52’)、末端空気室からの吸入ポート (84)、末端空気室への排出ポートを備え、前部に鋸刃用の縦向きの通路を備えているという特徴がある、請求項 1 に記載のアセンブリ。
【請求項25】
前部に一体化された部品の構成要素である密閉体から前部が構成され、鋸刃が縦向きの通路に挿入された際に、前記密閉体が鋸刃の外周の内側の部分に接触している、あるいはほぼ接触し、これにより通路を抜ける空気の流れが大幅に制限されるという特徴がある、請求項 24 に記載のアセンブリ。
【請求項26】
好ましくは単体のプラスティック製である棒状の密閉体で前部が構成されるという特徴がある、請求項 25 に記載のアセンブリ。
【請求項27】
前部と底面を組み立てた際に、前部の底面および末端部の底面が同じ平面内にあり、また共にカバー装置の底面を形成するという特徴がある、請求項 24 ないし 26 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項28】
末端部にある末端空気室の吸入ポート (84) が末端部の底に備えられているという特徴がある、請求項 24 ないし 27 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項29】
前部を末端部に接続した際に、前記通路が末端部と通じているという特徴がある、請求項 24 ないし 28 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項30】
好ましくはスナップロック式連結器のような簡易連結器にて、前部と末端部が相互に接続可能であるという特徴がある、請求項 24 ないし 29 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項31】
密閉体、または密閉体で構成される前記前部が、密閉体または前記前部のスロットに中央の拡張部分をそれぞれ備えて、前記拡張部分が上面から一定の深さまで広がっている。また鋸刃が密閉体の前記スロットの極限まで挿入された際に、鋸刃の各面に一つずつ備えられている一対の駆動ディスク (28) を収納するだけの十分な幅と深さをこの拡張部分がもっているという特徴がある、請求項 2 ないし 30 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項32】
密閉体の底面まで及んでいる拡張部分が底面では短く限定された部分であるという特徴がある、請求項 31 に記載のアセンブリ。
【請求項33】
鋸刃の外周の内側の部分と密閉体に入れられたスロット (73) の側面との狭い隙間 (73a) へ水を供給するための導管が備えられているという特徴がある、請求項 9 ないし 32 のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項34】
前記狭い隙間 (73) において(アセンブリの縦方向に対して)鋸刃の回転の中心 (23) の正面の位置まで導管が伸びているという特徴がある、請求項 33 に記載のアセンブリ。
【請求項35】
カバー装置とブレードガードが構成する要素のうちの一つである第一要素に調整要素 (113,114) が備えられており、鋸刃のためにカバー装置に入れられたスロットまたは溝の線対称中心線に対して鋸刃の面を平行を保つため、あるいは平行な位置を新たに調整するために、カバー装置に対してブレードガードを調整する前記要素の第二要素の位置に対して位置変えることができる前記調整要素が備えられているという特徴がある、請求項 1 に記載のアセンブリ。
【請求項36】
ブレードガードとカバー装置を相互に接続するヒンジ (39’) の旋回軸 (100) と垂直な平面を定義する一つあるいは複数の前記第二要素の表面の部位に対して、前記調整要素が押し付けられるという特徴がある、請求項 35 に記載のアセンブリ。
【請求項37】
ヒンジと鋸刃の駆動軸との間に、鋸刃とブレードガードの側壁との空間に、カバー装置から上方へブレードガードに向って突起している少なくとも一つの突起要素(67') がある。前記調整要素が前記突起要素を備えている、あるいは前記突起要素に対して押し付けられる、
ことを特徴とする請求項 36 に記載のアセンブリ。
【請求項38】
前記突起要素は前記調整要素のための ホルダー (67') で構成される。この調整要素は、ブレードガードの内面の平らな部分に対して押し付けられるのが好ましく、前記部分はヒンジの旋回軸に対して垂直な平面である、ことを特徴とする請求項 37 に記載のアセンブリ。
【請求項39】
鋸刃とブレードガードの各側壁との空間にホルダー (67') が備えられており、ブレードガードの側壁の内面のうち、少なくともブレードガードが回転可能である位置において前記調整要素に面する側壁の部分が平らであり、また前記側壁の部分の範囲の面がヒンジの旋回軸に対して垂直であるという特徴がある、請求項 38 に記載のアセンブリ。
【請求項40】
調整要素が調整ネジ (113,114) で構成されるという特徴がある、請求項 39 に記載のアセンブリ。
【請求項41】
請求項 1 ないし 40 のいずれかに記載の切断および集塵アセンブリに含めることを目的としたカバー装置であって、前端と、後端と、上面と、平面状に広がる底面と (36)、カバー装置の前端と後端の領域で上面から底面まで及ぶ縦向きの通路 (45,46) と、回動部材 (39a) と、前記回動部材の後部の末端部 (52) があり、開口部が前記底面と同じ平面上にある吸入ポート (45a) を備えた末端空気室 (60)と、真空源 に接続される排出ポート (58) で末端部が構成されることを特徴とするカバー装置。
【請求項42】
末端部の前にある前部空気室 (38) から成り、前記空気室は上部 (37) によって上方が定義されているという特徴がある、請求項 41 に記載のカバー装置。
【請求項43】
前部に挿入可能な密閉体 (70) を含むという特徴がある、請求項 42 に記載のカバー装置。
【請求項44】
密閉体 (70) が前端、後端、上面、底面、およびスロット (73) から成り、また密閉体のスロットがその上面から底面まで伸びており、密閉体がカバー装置の前部に設置された際に、スロットが前記上部の上部スロット (46) と基板の下部スロット (45) 間の領域に配置され、また密閉体のスロット (73) の幅が上部および基板のスロット (46,45) よりもそれぞれ大幅に狭くなっているという特徴がある、請求項 43 に記載のカバー装置。
【請求項45】
密閉体のスロットの前端が密閉体の前端の間近にあり、その後端が密閉体の後端の間近にあるという特徴がある、請求項 44 に記載のカバー装置。
【請求項46】
密閉体のスロットの前端が密閉体の前端の間近にあり、密閉体の後端まで伸びているという特徴がある、請求項 43 または 44 に記載のカバー装置。
【請求項47】
密閉体のスロットの後端が密閉体の後端の間近にあり、密閉体の前端まで伸びているという特徴がある、請求項 43 または 44 に記載のカバー装置。
【請求項48】
密閉体には傾斜断面 (72) があり、また密閉体を前記前部空気室に挿入した際に前記断面が上方から後方に傾斜しているという特徴がある、請求項 44 ないし 47 のいずれかに記載のカバー装置。
【請求項49】
請求項 44 ないし 48 のいずれかに記載のカバー装置であって、密閉体が前記前部空気室 (38) と原則的に同じ長さであり、前部空気室がカバー装置の前端から末端空気室 (60) まで後方へ広がり、また密閉体を挿入した際に、原則的に上部、側壁、基板に接触して前部空気室を原則的に充填していることを特徴とするカバー装置。
【請求項50】
密閉体が原則的に基板の全長まで広がり、末端空気室への前記吸入ポートの後部に開口部 (79) を備えており、そのポートが末端空気室と一体化した部分を構成しているという特徴がある、請求項 43 に記載のカバー装置。
【請求項51】
カバー装置の基板に入れられた下部スロット (45) の長さが上部スロット (46) より大きく、その後部 (45a) が上部スロットの後端 (25) を超えて伸びており、また末端空気室の吸入ポートが下部スロットの後端 (45a) の一部または全体で構成されるという特徴がある、請求項 41 ないし 50 のいずれかに記載のカバー装置。
【請求項52】
上部と下部スロット (46,45) は原則的に同じ長さで、また下部スロットの後端から少し離れた、カバー装置の基板に位置する一つあるいは複数の開口部によって末端空気室への吸入ポートが構成されるという特徴がある、請求項 41 ないし 50 のいずれかに記載のカバー装置。
【請求項53】
カバー装置の基板の部分 (33a) が吸入ポートまたは末端部への吸入ポートの付近の後方に及んでおり、前記後部の底面が下部スロットを構成する基板の主要部分の底面と同じ平面内にあるという特徴がある、請求項 51 または 52 に記載のカバー装置。
【請求項54】
末端部 (72’) と前部 (82) から成る二つの部分で構成され、相互に一つのユニットとして接続可能であり、また前部と末端部を一つのユニットへ接続した際に、それらの底面が同じ平面内にあるという特徴がある、請求項 41 に記載のカバー装置。
【請求項55】
単体ユニットである前部には、鋸刃を設置できるように中央に細長い形をした縦方向のスロットが入れられており、スロットの側面は鋸刃の側面にほぼ接触しており、底面の幅を広げる翼状部 (43’) が前記中心部から突き出ているという特徴がある、請求項 54 に記載のカバー装置。
【請求項56】
請求項 35 ないし 54 のいずれかに記載のカバー装置 (6,6’) の交換部品として含められる密閉体であって、前端、後端、上面、底面およびスロットを備えた細長い形をしており、またそのスロットが密閉体の上面から底面まで広がっているという特徴がある、密閉体。
【請求項57】
スロットの前端が密閉体の前端のすぐ近くにあり、またその後端が密閉体の後端のすぐ近くにあるという特徴がある、請求項 56 に記載の密閉体。
【請求項58】
傾斜断面をもつという特徴をもつ、請求項 56 または 57 に記載の密閉体。
【請求項59】
その前端または後端に拡張された終端部があるという特徴をもつ、請求項 56 ないし 58 のいずれかに記載の密閉体。
【請求項60】
ポリマー材料で構成されるという特徴をもつ、請求項 56 ないし 59 のいずれかに記載の密閉体。
【請求項61】
硬質プラスティック材料で構成されるという特徴がある、請求項 60 に記載の密閉体。
【請求項62】
請求項 31 ないし 49 のいずれかに記載のブレードガード (5,5’) とカバー装置で構成され、ブレードガードの後方の下方隅の辺りにヒンジ (39,39’) にて相互に枢動可能に接続されているという特徴がある、集塵ユニット。
【請求項63】
電動モーター、駆動軸 (22) および操作装置を備えた駆動ユニット (2) を含む加工機器 (1) であって、被加工物 (15) に対して十分な深さでカーフ (16) を入れ、またカーフで出されるダストを収集するために、請求項 1 ないし 34 のいずれかに記載の切断および集塵アセンブリ (3) で構成され、前記ブレードガードと、これに枢動可能に接続されている前記カバー装置が駆動ユニットに接続されており、これはブレードガードの裏側の側部 (13) が片側の駆動ユニットの前部に鋸刃の回転の中心 (23) にて枢動的に接続されており、鋸刃の裏側 (21) の前記側部にわたって駆動ユニットから横方向に広がる駆動軸 (22) には、鋸刃が取り付けられ、鋸刃は前記駆動軸にて回転の中心の周囲をその表側 (20) に向って見た場合に時計周り(17) に回転可能である、ことを特徴とする加工機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図10】
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【図10A】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2008−529817(P2008−529817A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556116(P2007−556116)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際出願番号】PCT/SE2006/050002
【国際公開番号】WO2006/088426
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(507215699)
【Fターム(参考)】