説明

切替スイッチおよびそれを用いた表示装置

【課題】従来に比べて操作性のよい切替スイッチおよびそれを用いた表示装置を提供する。
【解決手段】押圧部51bが設けられた、柱上のノブ51と、
ノブ51を回動可能、かつ軸方向に移動可能に取り付ける取付部材5と、
ノブ51の周囲に配置されると共に、ノブ51を軸方向に操作したとき押圧部51bに押圧される第1、第2の接点部52a、53aを有する第1、第2のスイッチ素子52、53とを備え、
ノブ51の回動位置を選択後に、ノブ51を押動操作することで第1、第2のスイッチ素子52、53のいずれかを選択作動させる構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1本のノブを操作することにより2個以上のスイッチ素子のいずれかを選択作動させることが可能な切替スイッチおよびそれを用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の切替スイッチとして、柱上に延びるノブを右方向もしくは左方向に回転させつつ、利用者がノブを回転させる回転力を用いて、このノブに連動するフランジ部を接点部に押し付けることで第1または第2のスイッチ素子を作動させる構成、およびノブを軸方向に押動操作することで第3のスイッチ素子を作動させる構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−194588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この切替スイッチでは、第1または第2のスイッチ素子を作動させるためにノブを回転させる回転力を用いており、この回転力を発生させるためには利用者の巧みな操作が必要となり、操作性があまりよいとはいえない。
【0004】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、従来に比べて操作性のよい切替スイッチおよびそれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項9に記載の技術的手段を採用する。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、押圧部が設けられた、柱上のノブと、ノブを回動可能、かつ軸方向に移動可能に取り付ける取付部材と、ノブの周囲に配置されると共に、ノブを軸方向に操作したとき押圧部に押圧される第1、第2の接点部を有する第1、第2のスイッチ素子とを備え、ノブの回動位置を選択後に、ノブを押動操作することで第1、第2のスイッチ素子のいずれかを選択作動させる構成であることを特徴とする。
それにより、本発明の切替スイッチでは、従来のように利用者によるノブの回動力を用いてスイッチを作動させるのに対し、ノブを押す構造とし操作性を向上させることが可能になる。
【0007】
請求項2に記載の発明によれば、取付部材は、回路基板で構成され、第1、第2の接点部は、回路基板上のノブを中心とする同一円周上に配置されることで、各接点部に対し同レベルの押圧力を安定して与えることが可能になる。
請求項3に記載の発明によれば、第1、第2の接点部がノブを中心とする同一円周上に配置された回路基板を有し、取付部材は、ノブを第1、第2の接点部と対向した位置関係に設定するケース部材の一部で構成されることで、ノブを回路基板に取り付ける必要がなくなり、従って回路基板の実装密度を落とすことなく、各接点部に対し同レベルの押圧力を安定して与えることが可能になる。
【0008】
請求項4に記載の発明によれば、ノブに、押圧部を通常位置に復帰させる弾性部材を設けたことで、ノブの非操作時もしくは非押圧時には、確実に押圧部を接点部から離間させ、第1または第2のスイッチ素子からオンオフ信号を安定して発生させることが可能になる。
【0009】
請求項5に記載の発明によれば、ノブの先端側に、ノブの回動位置を示す回動位置指示部を設けたことで、ノブの回動位置が見て分かり、回動操作がし易くなる。
【0010】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の切替スイッチを用いた表示装置であって、
所定情報を表示する表示素子を備え、ノブの操作に連動して第1または第2のスイッチ素子を作動させ、第1または第2のスイッチ素子の選択作動に応じて、表示素子の表示情報を切り替えることを特徴とする。
【0011】
それにより、ノブを回動して押すという簡便な操作により、表示情報の切り替え指示が容易に行えるようになる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の切替スイッチを用いた表示装置であって、
複数の情報を切替え表示する表示素子と、ノブの操作に連動して第1または第2のスイッチ素子を作動させ、第1または第2のスイッチ素子のオン信号またはオフ信号を受けて、表示素子の表示情報を切り替える制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
それにより、ノブを回動して押すという簡便な操作により、各スイッチ素子をオンオフさせることが可能になり、このオンオフ信号を用いて表示素子の表示情報の切り替えが可能になる。
【0013】
請求項8に記載の発明によれば、制御手段は、選択された第1または第2のスイッチ素子のオンオフ信号のオン時間またはオフ時間の長さを判定して、表示素子の表示情報を切り替えることで、少ないスイッチ素子でもってその個数以上の切り替え指示を行うことが可能になる。
【0014】
請求項9に記載の発明によれば、制御手段は、第1のスイッチ素子が作動する毎に表示素子の表示情報を切り替える第1の切替制御手段と、表示素子において特定の表示情報を表示中に、第2のスイッチ素子を作動させて特定表示情報の表示内容を修正する第2の切替制御手段とを有することで、各スイッチ素子の役割が明確化され、表示情報の切り替え指示と、特定した表示情報の表示内容の修正指示が混同しにくくなり、操作がより確実に行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の一実施形態を図に基いて説明する。
【0016】
本発明は、車両用に限らず他の用途の表示装置にも適用可能であるが、ここでは本発明の切替スイッチを自動車用コンビネーションメータ内の表示装置に適用した例について説明する。
【0017】
図1は、本発明を適用するコンビネーションメータ1の正面図、図2は、図1中のX−X線断面図、図3は、図1中のY部分に該当し、プリント基板3への切替スイッチ50の実装(組付け)状態を示す模式的要部平面図、図4は、図3に示す切替スイッチ50の組付け状態を示す模式的要部斜視図、図5は、図3中のZ−Z線に沿った切替スイッチ50の模式的要部断面図、および図6は、ガイド部3bの模式的要部斜視図である。
【0018】
図1において、コンビネーションメータ1は、自動車の運転席前方もしくは中央部のインスツルメントパネル内に配置され、各種車両情報等を表示するものであり、検出情報として例えば車速に応じて指針10aを回動する指針計器10、燃料タンク内の残存燃料量を表示する燃料計20、自動車内の各種警告情報を絵文字で表示する警告表示器30、オドメータ表示や第1、第2のトリップメータ表示や時刻表示を利用者の選択指示に応じて切替表示する電子式表示素子を構成する液晶表示器40、利用者が手動操作することでこの液晶表示器40の表示内容を選択したり、もしくは表示内容の調整操作等を行うための例えば樹脂製のノブ51を有する切替スイッチ50を備えている。
【0019】
また、図2に示すように、例えば樹脂製の第1、第2、第3のケース部材2、3、4および透明材料からなるフロントパネル7が順次組み付けられてメータ1のケースが構成されている。このケース内には、回路基板であるリジッドなプリント基板5が第1、第2のケース部材2、3で挟みつける形で組み付けられ、また記号や文字等が印刷された表示盤6が第2、第3のケース部材3、4で挟みつける形で組み付けられている。
【0020】
第2のケース部材3には、その一部がプリント基板5の表面側に延びてプリント基板5表面と当接する突き出し部3aが一体的に形成されている。この突き出し部3aの一部には筒状のガイド部3bが形成され、ノブ51に一体的に形成された鍔部51cを筒内に案内することで、ノブ51をその軸方向に移動可能にしている。
【0021】
このノブ51の下端部には、プリント基板5から抜け防止するために弾性変形可能な抜け止め部51dが、ノブ51と一体的に形成され、プリント基板5の取付孔5aに挿入されている。鍔部51cの下方のノブ51の外周部には、弾性部材としてノブ51の軸方向に沿って伸縮するコイルスプリング54が挿入されている。
【0022】
プリント基板5には、指針計器10および各機器20、30、40等を制御する制御装置60等が実装されている。指針計器10は、シャフト10bを介して指針10aを駆動するムーブメント10cを備え、また制御装置60は、切替スイッチ50による選択スイッチ信号を受けて液晶表示器40の表示内容を制御する構成である。
【0023】
(切替スイッチ50の構造)
次に、本発明の切替スイッチ50の構造について、図3〜6を用いて説明する。
各図は、プリント基板5への切替スイッチ50の実装状態を示し、利用者が手動操作するノブ51は、例えば樹脂にて円柱状に形成されており、図2に示すように、フロントパネル7の外側までノブ51の先端部が突き出るように配置され、利用者が操作可能になっている。ノブ51の先端部には、ノブ51の回動位置が利用者から見て分かるように、回動位置指示部として半円部51aが一体的に形成されている。回動位置指示部としては、それ以外にも矢印状の凸状部やマークなど回動位置が指示できるものであれば、いずれの形状、もしくは印刷やシール表示等であってもよい。
【0024】
また、ノブ51の下方には、鍔部51cから延びるひさし状の押圧部51bがノブ51と一体的に形成され、図3〜6に示すようにノブ51が軸方向に移動すると共に、ノブ51の軸を中心に回動する。ここではプリント基板5の方向に押動することで、押圧部51bがスイッチ素子52の接点部52aを押圧する。その際、押圧部51bはガイド部3bの外周部に開けた切欠部3cの形状に沿って移動する。
【0025】
ノブ51の下端にある抜け止め部51dは、下端が複数部分に分割されており取付孔5aへの挿入時に弾性変形することで貫通でき、その後元の形状に復元してプリント板5からの抜け防止を行う構成である。
【0026】
ガイド部3b内には、鍔部51cが配置されて、ノブ51の軸方向の案内を行うと共に、径方向の振れを抑えている。また鍔部51cの下方のノブ51の外周部には、弾性部材としてノブ51の軸方向に沿って伸縮するコイルスプリング54が挿入され、かつこのコイルスプリング54の上端部を鍔部51cに当接させる形体で、鍔部51cとプリント基板5の上面との間に挿入されている。それにより、利用者の押圧力が解除されたときコイルスプリング54の復元力でノブ51を上方に移動させ、押圧部51bと第1のスイッチ素子52の接点部52aとが確実に離間することになり、第1のスイッチ素子52からオンオフ信号を安定して発生させることが可能となる。
【0027】
また、第1のスイッチ素子52の接点部52aと第2のスイッチ素子53の接点部53aとはノブ51を中心とする同一円周上に配置されており、この場合90度だけ離間されている。このように各接点部52a、53aが同一円周上に配置されることで、各接点部52a、53aに対し同レベルの押圧力を安定して与えることが可能になる。
【0028】
そこで利用者はノブ51を接点部52a、53aのある選択した位置(記号A、B)まで回動操作し、その後ノブ51を押動(押込み)するという比較的簡便な操作で、選択したスイッチ素子52または53を作動させることができる。なお、接点部を備えるスイッチ素子は2個に制限されず、ノブ51を中心とする同一円周上に3個以上配置するようにしてもよい。
【0029】
またノブ51の回動に制動をかける回転制動手段をノブ51の外周部に設け、利用者が回動位置を選択するとき、および選択した後にノブ51の回動位置を安定させるようにしてもよい。
【0030】
なお、第1、第2のスイッチ素子52、53の接点部52a、53aとしては、機械的なスイッチを構成する可動片に限らず、押圧部51bの接触により電気信号を流す構成としたり、圧力により導通状態が変化する感圧スイッチの押圧部や、磁気により導通状態が変化する磁気スイッチの感磁部から構成してもよい。
【0031】
そこで、切替スイッチ50の操作方法を説明すると、利用者はノブ51を摘み、まず希望する機能を示す位置(記号A、B)まで回動操作する。その後ノブ51を押動(押込み)操作することで、スイッチ素子52または53を作動させ、制御装置60を介して選択した機能A、Bを作動させることができる。とりわけ、ノブ51の押動(押込み)時間の長さに応じた時間幅信号(0.8s、3sなど)を発生させる必要があるときには、単純な押動(押込み)操作に注力するだけでよく、回動力でスイッチさせる場合よりも操作性がよい。
【0032】
しかも、1つのスイッチ素子52、53で時間幅信号を複数種類だけ発生させることができ、その結果、少ないスイッチ素子でもってその個数以上の指示信号を発生させることができる。
【0033】
(切替スイッチ50の構造の変形例)
上記実施形態では、ノブ51の下端部をプリント基板5に取り付けていたが、例えば図7に示すように、メータ1のケース部材の一部である有底筒状のガイド部3b1の底部に取り付けるようにしてもよい。この有底筒状のガイド部3b1は、例えば樹脂製の第2のケース部材3の突き出し部3aに一体的に形成し、このガイド部3b1の底部に取付孔5a1を設け、ノブ51の下端に一体的に形成した抜け止め部51dを弾性変形させて挿入している。
【0034】
なお、上記実施形態では、押圧部51bを通常位置に復帰させる弾性部材として、コイルスプリング54を用いているが、このコイルスプリング54を廃止し、ノブ51と一体的に形成された弾性変形可能な板状突き出し部を設け、この板状突き出し部の軸方向の復元力を用いるようにしてもよい。つまり、押圧部51bの押動操作時に、弾性変形させた状態でこの板状突き出し部の下端部をプリント基板5の上面に当接させる構成とし、押動操作の終了時には板状突き出し部の復元力により、ノブ51をプリント基板5から離れる方向に移動させ、押圧部51bと接点部52aとを確実に離間させることができる。
【0035】
(切替スイッチの適用例)
次に、上記した切替スイッチ50を用いて電子式表示素子の液晶表示器40を作動させる適用例について説明する。とりわけ、本例では、上記切替スイッチ50で生成が容易な所定時間幅のオン信号またはオフ信号の時間幅信号に応じて、表示内容を制御する適用例を示す。
【0036】
図8は、切替スイッチ50を用いた制御装置60の概略構成を示す全体構成図、図9は、制御回路100により液晶表示器40に表示させる4つの表示機能の切替順序を示す説明図、図10は、液晶表示器40で時計表示を選択したときの時刻調整フローを示すフローチャートである。
【0037】
図8において、制御回路100は、CPU、ROM、RAMを含むマイクロコンピュータから構成され、切替スイッチ50および各種検出情報を受けて、図1に示す指針計器10、燃料計20、警告表示器30、および液晶表示器40の作動を制御する。この制御回路100には、イグニッションスイッチ102のオフ中も作動させる機能維持のために、バッテリ101よりイグニッションスイッチ102を介さずに常時バッテリ電圧VBが供給されると共に、イグニッションスイッチ102を介してバッテリ電圧VBが供給される経路がある。
【0038】
図9に示すように、イグニッションスイッチ102が投入されたときに作動し、ノブ51の回動操作により切替スイッチ50の第1のスイッチ素子52が選択され、しかもノブ51の押動(押込み)操作時間が所定時間幅(例えば0.04秒以上で0.8秒未満)となるオン信号(この場合Lレベル信号)が制御回路100に入力される毎に、制御回路100はオドメータ表示A1→第1のトリップメータ表示A2→第2のトリップメータ表示A3→時計表示A4→オドメータ表示A1の順序で表示機能を切り替える。ちなみに、制御回路100において、この表示機能の切替機能が、請求項9に記載した第1の切替制御手段を構成する。
【0039】
しかも、第1のトリップメータ表示A2または第2のトリップメータ表示A3の状態において、第1のスイッチ素子52が前記所定時間幅(例えば0.8秒)以上オンするオン信号が制御回路100に入力されると、現在選択されているトリップメータ表示A2またはA3がリセットされる。
【0040】
なお、第1のトリップメータ表示A2または第2のトリップメータ表示A3の状態において、切替スイッチ50の第2のスイッチ素子53が前記所定時間幅(例えば0.8秒)以上オンとなるオン信号が制御回路100に入力されると、現在選択されているトリップメータ表示A2またはA3がリセットされるように構成してもよい。
【0041】
(時刻調整処理)
次に、図10は、制御回路100において、時計表示A4を選択したときの時刻調整フローを示す。
【0042】
この時計表示A4を選択するには、図9で説明したように、利用者がノブ51の回動操作により切替スイッチ50の第1のスイッチ素子52(以下、SW1という)を選択し、しかもノブ51の押動(押込み)操作を繰り返すことで時計表示を選択する。この時計表示を選択した時点で、図10に示す時刻調整フローがスタートする。この時刻調整フローが、請求項9に記載した第2の切替制御手段を構成する。
【0043】
そこで、時刻調整処理について説明する。
【0044】
まず、少なくとも時間表示と分表示を含む時計表示を行う(ステップ201)。このとき、切替スイッチ50の第2のスイッチ素子53(以下、SW2という)が所定時間幅t1(例えば、40ms<t<800ms)だけオンしたオン信号(Lレベル信号)が入力されると、正時合せを行い(ステップ202、203)、一方、SW2のオフ信号(Hレベル信号)、または極短時間t2(例えば、t≦40ms)だけオンしたオン信号が入力されても時計表示を継続する。他方、SW2が所定時間幅t3(例えば、800ms≦t)だけオンした1回目オン信号が入力されると、分桁修正モードに進み、その準備に入る(ステップ202、204)。
【0045】
続いて、SW2による2回目オン信号が入力され、そのオン信号の時間幅tが所定時間幅t1(例えば、40ms<t<800ms)のときは、分数字をステップ送りし(ステップ205、206)、そのオン信号の時間幅tが所定時間幅t4(例えば、800ms<t<3s)のときは、分数字を2Hz連続送りし(ステップ207)、さらにそのオン信号の時間幅tが所定時間幅t5(例えば、3s≦t)のときは、分数字を5Hz連続送りとする(ステップ208)。一方、極短時間t2(例えば、t≦40ms)だけオンしたオン信号が入力されても分桁修正モードを継続する。他方、SW2のオフ信号が入力されるとステップ209に進み、オフ信号のオフ時間が5秒以上になると、時間桁修正モードに進み、その準備に入る(ステップ209、210)。
【0046】
続いて、SW2による3回目オン信号が入力され、そのオン信号の時間幅tが所定時間幅t1(例えば、40ms<t<800ms)のときは、時間数字をステップ送りし(ステップ211、212)、そのオン信号の時間幅tが所定時間幅t3(例えば、800ms≦t)のときは、時間数字を2Hz連続送りとする(ステップ213)。一方、極短時間t2(例えば、t≦40ms)だけオンしたオン信号が入力されても時間桁修正モードを継続する。他方、SW2のオフ信号が入力されるとステップ214に進み、オフ信号のオフ時間が5秒以上になると、時刻調整処理を終了し、始めに戻る(ステップ214)。
【0047】
他方、時計表示Aを選択後、SW2を操作せずオフさせたままにしたときには、ステップ201、201、204、205、209、210、211、214を進んで始めに戻り、時刻調整することなく時計表示を継続することになる。
【0048】
上記したように、ノブ51の回動操作と押動操作により、第1のスイッチ素子52(SW1)を作動させて時計表示を選択した後、再びノブ51の回動操作により第2のスイッチ素子53(SW2)を選択する。その後はノブ51の押動操作するだけで、ノブ51に連動して第2のスイッチ素子53(SW2)を作動させ、必要とする所定時間幅t1、t2、t3、t4、t5のオン信号またはオフ信号を比較的容易に形成し、操作性のよい時刻調整が可能になる。
【0049】
しかも、上記切替スイッチ50で生成が容易なオン信号またはオフ信号の時間幅信号に応じて、表示内容を制御することにより、少ないスイッチ素子でもってその個数以上の切り替え指示を行うことが可能になる。
【0050】
なお、上記適用例では、第1のスイッチ素子52(SW1)にて複数の表示情報を切り替え、この選択した表示情報の表示内容を、第2のスイッチ素子53(SW2)にて修正する構成とすることで、各スイッチ素子52(SW1)、53(SW2)の役割が明確化され、表示情報の切り替え指示と、特定した表示情報の表示内容の修正指示が混同しにくくなり、操作の確実性を高める構成である。この構成に限らず、各スイッチ素子52(SW1)、53(SW2)毎に、複数の表示情報から特定の表示情報を選択することと、選択した表示情報の表示内容を修正することの両方を行うように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明を適用するコンビネーションメータ1の正面図である。
【図2】図1中のX−X線断面図である。
【図3】図1中のY部分に該当し、プリント基板3への切替スイッチ50の実装状態を示す模式的要部平面図である。
【図4】図3に示す切替スイッチ50の組付け状態を示す模式的要部斜視図である。
【図5】図3中のZ−Z線に沿った切替スイッチ50の模式的要部断面図である。
【図6】ガイド部3bの模式的要部斜視図である。
【図7】切替スイッチ50の変形例を示す模式的要部断面図である。
【図8】切替スイッチ50を用いた制御装置60の概略構成を示す全体構成図である。
【図9】制御回路100により液晶表示器40に表示させる4つの表示機能の切替順序を示す説明図である。
【図10】液晶表示器40で時計表示を選択したときの時刻調整フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1 コンビネーションメータ
2、3、4 第1、第2、第3のケース部材
3b ガイド部
5 プリント基板(回路基板)
6 表示盤
40 液晶表示器(表示素子)
50 切替スイッチ
51 ノブ
51a 半円部(回動位置指示部)
51b 押圧部
51c 鍔部
52、53 第1、第2のスイッチ素子
52a、53a 接点部(第1、第2の接点部)
54 コイルスプリング(弾性部材)
60 制御装置(制御手段)
100 制御回路(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧部が設けられた、柱上のノブと、
前記ノブを回動可能、かつ軸方向に移動可能に取り付ける取付部材と、
前記ノブの周囲に配置されると共に、前記ノブを軸方向に操作したとき前記押圧部に押圧される第1、第2の接点部を有する第1、第2のスイッチ素子とを備え、
前記ノブの回動位置を選択後に、前記ノブを押動操作することで前記第1、第2のスイッチ素子のいずれかを選択作動させる構成であることを特徴とする切替スイッチ。
【請求項2】
前記取付部材は、回路基板で構成され、
前記第1、第2の接点部は、前記回路基板上の前記ノブを中心とする同一円周上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の切替スイッチ。
【請求項3】
前記第1、第2の接点部が前記ノブを中心とする同一円周上に配置された回路基板を有し、
前記取付部材は、前記ノブを前記第1、第2の接点部と対向した位置関係に設定するケース部材の一部で構成されることを特徴とする請求項1に記載の切替スイッチ。
【請求項4】
前記ノブに、前記押圧部を通常位置に復帰させる弾性部材を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の切替スイッチ。
【請求項5】
前記ノブの先端側に、前記ノブの回動位置を示す回動位置指示部を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の切替スイッチ。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の切替スイッチを用いた表示装置であって、
所定情報を表示する表示素子を備え、
前記ノブの操作に連動して前記第1または前記第2のスイッチ素子を作動させ、前記第1または第2のスイッチ素子の選択作動に応じて、前記表示素子の表示情報を切り替えることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の切替スイッチを用いた表示装置であって、
複数の情報を切替え表示する表示素子と、
前記ノブの操作に連動して前記第1または前記第2のスイッチ素子を作動させ、前記第1または第2のスイッチ素子のオン信号またはオフ信号を受けて、前記表示素子の表示情報を切り替える制御手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記制御手段は、選択された前記第1または前記第2のスイッチ素子の前記オンオフ信号のオン時間またはオフ時間の長さを判定して、前記表示素子の表示情報を切り替えることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記第1のスイッチ素子が作動する毎に前記表示素子の表示情報を切り替える第1の切替制御手段と、前記表示素子において特定の表示情報を表示中に、前記第2のスイッチ素子を作動させて前記特定表示情報の表示内容を修正する第2の切替制御手段とを有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−120576(P2006−120576A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−309937(P2004−309937)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】