説明

刈込機

【課題】刈込効率のよい刈込機の提供。
【解決手段】上刃の切刃と下刃の切刃とが重なった状態(ピッチ間距離がP、回転角度が0度)から相対的に距離L離間する状態になるまでに偏心カムは45度回転する。さらに偏心カム4が回転して回転角度が約155度になるときピッチ間距離はLである。回転角度が約155度の状態からさらに約25度回転して、回転角度が180度に至ると上刃の切刃と下刃の切刃とが相対的に距離L移動して重なる状態(ピッチ間距離が0、回転角度が180度)となる。つまり、偏心カム及び係合部の形状は、刈込動作を行う直前には上刃及び下刃の移動速度が速く、初期位置から移動し始めた直後には上刃及び下刃の移動速度が遅くなるように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は枝葉を刈込む刈込機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の刈込機では、刈込刃に形成された長孔とエンジン等に接続される偏心カムとによって刈込刃を往復運動させる機構が用いられている。例えば、特許文献1に記載の刈込機ではくし状をなす2枚の刈込刃の移動速度は図6に示されるように正弦曲線に沿って変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−149312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように刈込刃の移動速度が正弦曲線に沿って変化する場合には、刈込刃の移動速度が速過ぎてしまい、くし状の部分に十分に枝葉を侵入させられない場合があった。このため、枝葉の刈残しが発生してしまうという問題があった。よって、本発明は、より多くの枝葉を刈込み、枝葉の刈残しのない刈込機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、駆動源と、該駆動源から動力を出力する出力軸と、該出力軸の出力を受けて回転し、該出力軸から伝達される回転運動を往復運動に変換する偏心カムと、複数の第1の切刃を有する第1の刈込刃と、複数の第2の切刃を有し、該第1の切刃と該第2の切刃とが互いに近接するときに該第1の刈込刃と共に対象物を刈込む第2の刈込刃と、を備え、該第1の刈込刃及び該第2の刈込刃のうち少なくともいずれか一方には該偏心カムに係合する係合部が設けられ、該係合部が該偏心カムに係合することにより該第1の刈込刃と該第2の刈込刃とが相対的に往復移動し、該偏心カムは該第1の切刃と該第2の切刃とが重なった状態から該第1の切刃と該第2の切刃とが所定距離離間する状態までの間に第1の角度回転し、該偏心カムは該第1の切刃と該第2の切刃とが離間した状態から該所定距離移動して該第1の切刃と該第2の切刃とが互いに重なる状態までに第2の角度回転し、該偏心カム及び該係合部の形状は、該第2の角度よりも該第1の角度の方が大きくなるように設定されていることを特徴とする刈込機を提供する。
【0006】
上記構成の刈込機において、該第1の刈込刃及び該第2の刈込刃は該偏心カムが1回転する間に1回の往復移動を行い、該第1の刈込刃及び該第2の刈込刃は、該偏心カムが0度回転した状態において初期位置に配置され、該偏心カムが180度回転した状態において第1の位置に配置され、該偏心カムが360度回転した状態において第2の位置に配置され、該第1の切刃と該第2の切刃とは該初期位置及び該第1の位置、該第2の位置において互いに重なり、該偏心カム及び該係合部の形状は、該初期位置から該第1の位置までの間、及び該第1の位置から該第2の位置までの間のいずれの場合においても、該第2の角度よりも該第1の角度の方が大きくなるように設定されていることが好ましい。
【0007】
上記構成の刈込機において、該係合部は、該第1の刈込刃に設けられる第1の係合部と、該第2の刈込刃に設けられる第2係合部と、を有し、該偏心カムは、該第1の係合部及び該第2の係合部にそれぞれ係合し、該第1の刈込刃と該第2の刈込刃とを互いに反対の方向に移動させることが好ましい。
【0008】
上記構成の刈込機において、該偏心カムは、該偏心カムの外周のうち回転中心から最も離間する接触点を有し、該係合部は、該第1の切刃と該第2の切刃とが重なった状態から該第1の切刃と該第2の切刃とが所定距離離間する状態までの間に該接触点に接触する部分が、該第1の切刃と該第2の切刃とが離間した状態から該所定距離移動して該第1の切刃と該第2の切刃とが互いに重なる状態までの間に該接触点と接触する部分よりもなだらかな曲線により形成されていることが好ましい。
【0009】
上記構成の刈込機において、該係合部は、該係合部のうち該第1の切刃と該第2の切刃とが重なった状態から該第1の切刃と該第2の切刃とが所定距離離間する状態までの間に該接触点に接触する部分が、該偏心カムが回転する際に該接触点が通る軌跡に略沿うように形成されていることが好ましい。
【0010】
上記構成の刈込機において、該係合部は、該第1の切刃と該第2の切刃とが離間した状態から該所定距離移動して該第1の切刃と該第2の切刃とが互いに重なる状態までの間に該接触点と接触する部分は、該軌跡よりも該偏心カムの回転中心に近接するように設けられていることが好ましい。
【0011】
上記構成の刈込機において、該係合部は、該第1の切刃と該第2の切刃とが重なる状態から90度回転した状態で、該偏心カムの外周に嵌合するような形状を有することが好ましい。
【0012】
上記構成の刈込機において、該係合部は、該偏心カムの回転中心を通り該往復運動の方向と平行に延びる軸線を有し、該軸線上の任意の点に対して略点対称な曲線によって規定されることが好ましい。
【0013】
上記構成の刈込機において、さらに、該係合部及び該偏心カムのうちいずれか一方を他方に向けて付勢し、該係合部及び該偏心カムの係合を維持する付勢手段を備えることが好ましい。
【0014】
該偏心カムは、該第1の切刃と該第2の切刃とが重なった状態から該第1の切刃と該第2の切刃とが所定距離離間する状態までの間に該係合部と接触する部分が、該第1の切刃と該第2の切刃とが離間した状態から該所定距離移動して該第1の切刃と該第2の切刃とが互いに重なる状態までの間に該係合部と接触する部分よりもなだらかな曲線により形成されていることが好ましい。
【0015】
また、上記課題を解決するために本発明は、駆動源と、該駆動源から動力を出力する出力軸と、該出力軸の出力を受けて回転し、該出力軸から伝達される回転運動を往復運動に変換する偏心カムと、複数の第1の切刃を有する第1の刈込刃と、複数の第2の切刃を有し、該第1の切刃と該第2の切刃とが互いに近接するときに該第1の刈込刃と共に対象物を刈込む第2の刈込刃と、を備え、該第1の刈込刃と、該第2の刈込刃とが互いに離間するときの相対速度が、近接するときの相対速度より遅いことを特徴とする刈込機を提供する。
【0016】
これらのような構成によると、偏心カム及び係合部の形状が第2の角度よりも第1の角度の方が大きくなるように設定されているので、第1の切刃と第2の切刃との間をゆっくりと広げることができる。よって、より多くの枝葉を第1の切刃と第2の切刃との間に侵入させて刈残しを防止することができ、作業者の作業効率及び使い勝手を向上させることができる。
【0017】
また、偏心カムが1回転する間に2度第1の切刃及び第2の切刃が重なるため、第1の刈込刃及び第2の刈込刃がそれぞれ1往復する間に2度の切断動作を行うことができる。
【0018】
また、偏心カムは第1の係合部及び第2の係合部にそれぞれ係合して第1の刈込刃と第2の刈込刃とを互いに反対の方向に移動させるので、第1の刈込刃及び第2の刈込刃のうちいずれか一方のみを移動させる場合と比較して、第1の切刃及び第2の切刃とが互いに重なる際及び離間する際に偏心カムの回転に応じて第1の刈込刃及び第2の刈込刃を移動させる距離を半分に設定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の刈込機によれば、より多くの枝葉を刈込むことができ、枝葉の刈残しを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る刈込機の側面断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る刈込機の上面図。
【図3】本発明の実施の形態に係る刈込機の偏心カム周辺を示す断面図。
【図4】本発明の実施の形態に係る刈込機の刈込刃の係合部を示す説明図。
【図5(a)】本発明の実施の形態に係る刈込機の偏心カムの回転角度が0度の際の偏心カムと刈込刃との位置を示す説明図。
【図5(b)】本発明の実施の形態に係る刈込機の偏心カムの回転角度が30度の際の偏心カムと刈込刃との位置を示す説明図。
【図5(c)】本発明の実施の形態に係る刈込機の偏心カムの回転角度が45度の際の偏心カムと刈込刃との位置を示す説明図。
【図5(d)】本発明の実施の形態に係る刈込機の偏心カムの回転角度が90度の際の偏心カムと刈込刃との位置を示す説明図。
【図5(e)】本発明の実施の形態に係る刈込機の偏心カムの回転角度が180度の際の偏心カムと刈込刃との位置を示す説明図。
【図5(f)】本発明の実施の形態に係る刈込機の偏心カムの回転角度が210度の際の偏心カムと刈込刃との位置を示す説明図。
【図5(g)】本発明の実施の形態に係る刈込機の偏心カムの回転角度が270度の際の偏心カムと刈込刃との位置を示す説明図。
【図6】本発明の実施の形態に係る刈込機の偏心カムの回転角度と刈込刃のピッチ間距離との関係を示す説明図。
【図7(a)】本発明の実施の形態に係る刈込機の変形例に係る偏心カムの回転角度が0度の際の偏心カムと刈込刃との位置を示す説明図。
【図7(b)】本発明の実施の形態に係る刈込機の変形例に係る偏心カムの回転角度が90度の際の偏心カムと刈込刃との位置を示す説明図。
【図7(c)】本発明の実施の形態に係る刈込機の変形例に係る偏心カムの回転角度が180度の際の偏心カムと刈込刃との位置を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る刈込機1について図1乃至図6に基づき説明する。図1に示される刈込機1は、ハウジング2と、原動機部3と、偏心カム4と、2枚の刈込刃5とから主に構成されており、刈込刃5で枝葉等を刈込む工具である。以下の説明においては、刈込刃5の先端側を前側とし、刈込刃5に対して原動機部3側を上側とし、刈込刃5の延びる方向を前後方向とし、刈込刃5の延びる面において前後方向に直交する方向を幅方向として説明する。
【0022】
ハウジング2は、原動機部3を内蔵するケーシング21と、ケーシング21を支持する主ハウジング22と、主ハウジング22の後端部に接続されるハンドル部23と、主ハウジング22の前端部分に接続される保護カバー24とを備えている。ケーシング21は主ハウジング22に組付けられている。ケーシング21の外側には、図2に示されるように、後述のエンジン31に供給される燃料が貯留される燃料タンク36が設けられている。
【0023】
主ハウジング22は、ケーシング21の下方に配置され、原動機部3及び偏心カム4、刈込刃5を支持している。主ハウジング22のうち出力軸35と刈込刃5との間には偏心カム4の回転中心となる回転軸22Bが設けられている。
【0024】
ハンドル部23は、後述のエンジン31と図示せぬスロットルケーブルを介して接続されてエンジン31の出力調整を行うスロットル23Aとを有している。保護カバー24には下側が開口した略コ字形状の補助ハンドル24Aが設けられている。作業者はハンドル部23及び補助ハンドル24Aを把持することにより、安定した姿勢で刈込作業を行うことができる。
【0025】
原動機部3は、エンジン31と、フライホイール32と、遠心クラッチ33と、コイル34と、出力軸35とから主に構成されている。エンジン31は、スロットル23Aによって指定された値に応じた定速回転力を出力する2サイクルエンジンであって、シリンダ31Aと、シリンダ31A内を往復動するピストン31Bと、ピストン31Bに接続されるコンロッド31Cと、コンロッド31Cの往復動を回転運動に変換するクランク31Dと、シリンダ31A部と協働してクランク31Dを収容するクランクケース31Eとを有している。シリンダ31Aにはシリンダボア内に点火する点火プラグが設けられており、クランク31Dは回転力を出力するクランクシャフト31Fを備えている。
【0026】
フライホイール32は、略円板状に構成され、略円板状の中心軸が、クランクシャフト31Fの中心軸と一致するように、エンジン31の上側でクランクシャフト31Fに同軸一体回転するように装着されている。フライホイール32の外周であってコイル34に近接可能な位置には、マグネトー32Aが設けられている。またフライホイール32の内周部分はファン状に構成され、フライホイール32が回転することによりエンジン31に冷却風を送風している。
【0027】
遠心クラッチ33は、フライホイール32の上側でクランクシャフト31Fに接続していると共に、その下端で出力軸35と接続しており、クランクシャフト31Fの回転数が一定回転数以下では出力軸35に回転を伝達せず、クランクシャフト31Fの回転数が一定回転数より大きくなると出力軸35に回転を伝達する公知の装置である。
【0028】
コイル34は、フライホイール32近傍位置であってフライホイール32が回転した際に、マグネトー32Aがコイル34近傍を横切る位置に配置されている。マグネトー32Aがコイル34近傍を横切ることにより、コイル34で誘導起電力が発生して点火プラグの点火を行う。
【0029】
出力軸35は、エンジン31と偏心カム4との間に介在し、主ハウジング22に設けられたベアリング22Aによって回転可能に支持され、エンジン31によって定速回転駆動されている。出力軸35の下端部にはギヤ部35Aが設けられている。出力軸35は、上端が遠心クラッチ33に接続していると共に下端がギヤ部35Aを介して偏心カム4に係合している。
【0030】
偏心カム4は、図3に示されるように、略円板状に構成され、第1カム部41と第2カム部42とを有し、刈込刃5と出力軸35との間に設けられている。偏心カム4には、回転軸22Bの外径よりも略大きい径を有する貫通孔4aが形成されている。回転軸22Bは貫通孔4aに挿通されており、偏心カム4は主ハウジング22によって回転軸22Bを中心に回転可能に支持されている。また、偏心カム4の略円板状の外周にはギヤ部4Aが設けられており、ギヤ部4Aと出力軸35のギヤ部35Aとが噛合することにより、偏心カム4は出力軸35の回転力を受けて一定の角速度で回転する。
【0031】
第1カム部41は偏心カム4の上面側に設けられ、第2カム部42は偏心カム4の下面側に設けられている。第1カム部41及び第2カム部42は、円柱形状を有し、互いに180度の位相差を有するよう設定されている。第1カム部41及び第2カム部42は、偏心カム4が回転すると、回転軸22Bを回転中心として偏心回転する。第1カム部41は後述の上刃51に係合し、第2カム部42は後述の下刃52に係合している。偏心カム4が上刃51及び下刃52に係合することにより、出力軸35から伝達される回転運動は刈込刃5の往復運動に変換される。
【0032】
刈込刃5は、上側に配置されている上刃51と、下側に配置されている下刃52とから構成される。上刃51及び下刃52は、前後方向において互いに逆向きに移動し、上下方向において後述の切刃53A及び56Aが互いに近接し重なったときに枝葉等の対象物を刈込む。上刃51及び下刃52は、金属製であって、前後方向に延びる板状に形成されており、略同一の形状を有している。上刃51は、図5(a)〜図5(g)に示されるように、刃部53と、第1カム部41と係合される係合部54と、刃部53と係合部54との間に位置する接続部55とを有している。
【0033】
刃部53は、上刃51のうち前方部分に位置し、その幅方向両端縁には幅方向一方と他方に突出して鋸刃状をなす切刃53Aを、前後方向に並んで複数有している。複数の切刃53Aは、幅方向一方と他方との交互に突出しており、隣り合う切刃53Aの間隔が距離P/2となるよう構成されている。換言すれば、幅方向一方に突出する切刃53Aは距離P間隔で設けられ、その一方側の隣り合う切刃53Aの中間に他方側から切刃53Aが突出している。切刃53Aはその両側面に刃を有している。切刃53Aは、後述する切刃56Aから離間する際に枯葉を切刃53Aと切刃56Aとの間に侵入させ、切刃56Aに近接して重なる際には切刃53Aと切刃56Aとの間に位置する枝葉等を切断する。刃部53には、前後方向を距離Pとする長径とし、幅方向を後述するボルト59Aの径よりも僅かに大きい小径とする長孔53aが複数形成されている。
【0034】
係合部54は、前後方向を短径とし幅方向を長径とする略楕円形状をなし、上刃51のうち後方部分に位置している。図4に示されるように、係合部54には係合孔54aが形成され、係合孔54a内に第1偏心カム部41が係合するように偏心カム4が配置されている。係合部54は、偏心カム4の回転中心(回転軸22Bの中心)を通り前後方向に延びる軸線AXを有している。係合部54の内周面は曲線C1及びC2によって規定されている。曲線C1及びC2は、軸線AX上の任意の点に対して略点対称な形状を有している。第1カム部41が係合孔54a内において係合部54に係合しながら回転することにより、上刃51は付勢されて前後方向に往復移動する。
【0035】
ここで、偏心カム4の外周のうち回転中心(回転軸22B)から最も離間する点を接触点41A、回転軸22Bから最も近接する点を近接点41Bとする。図4は、偏心カム4の回転角度が0度のとき、つまり、偏心カム4が初期位置に配置されている状態を示している。このとき、偏心カム4は、接触点41Aが係合部54のうち曲線C1の始点と軸線AXとが交差する点に接触し、かつ、接触点41Aが曲線C1の終点と軸線AXとが交差する点に接触するように、配置されている。偏心カム4は、一定の角速度で紙面反時計回りに回転する。
【0036】
曲線C1は、曲線C11及びC12を有している。曲線C11は、係合部54のうち偏心カム4の回転角度が0度から45度に至るまでの間に接触点41Aが接触する部分であって、偏心カム4を回転させた場合に接触点41Aが通る軌跡に略沿う曲線である。曲線C12は、第1カム部41の半径と略等しい曲率半径の円弧である。よって、係合部54のうち曲線C12によって規定される内周面は、偏心カム4の外周に嵌合する形状を有し、接触点41Aの軌跡よりも第1カム部41の回転中心に近接するように設けられている。換言すると、曲線C11の曲率半径は曲線C12の曲率半径よりも大きく、曲線C11は曲線C12よりもなだらかな曲線である。また、曲線C11及びC12は、第1カム部41の外周上の少なくとも2点が係合部54の内周面に常に接触するように設定されている。
【0037】
曲線C2は、曲線C1の終点を始点とし曲線C1の始点を終点とする曲線であって、曲線C1を軸線上の一点について点対称に配した曲線である。曲線C2は、曲線C11に対応する曲線C21と、曲線C12に対応する曲線C22を有している。
【0038】
接続部55は、図5(a)〜図5(g)に示されるように、前後方向に延び、刃部53と係合部54との間に位置している。なお、下刃52は、上刃51と同一であるため説明を省略するが、複数の切刃56Aを有し長孔56a(図1)が形成された刃部56と、第2カム部42が挿入される係合孔57aが形成された係合部57と、接続部58とを有している。
【0039】
図1及び図2に示されるように、上刃51の上方には上刃51を覆うようにガイドプレート59が設けられている。ガイドプレート59にはボルト59Aの径と略等しい径の貫通孔59aが形成されている。ボルト59Aは、貫通孔59a及び長孔53a、長孔56aに挿通され、ナット59Bによって固定されている。上刃51及び下刃52は、ボルト59Aによって前後方向にのみ移動するよう案内され幅方向における移動可能な範囲を規定される。
【0040】
以上の構成によって、偏心カム4が回転して第1カム部41及び第2カム部42が偏心回転することにより、上刃51及び下刃52を前後方向に沿って往復移動させることができる。第1カム部41と第2カム部42の位相差は180度であるので、上刃51と下刃52とは互いに反対の方向に移動する。つまり、上刃51が前方へ移動するとき下刃52は後方へ移動し、上刃51が後方へ移動するとき下刃52は前方へ移動する。
【0041】
次に、図5乃至図6を用いて、刈込機1の動作について説明する。図5(a)に示す初期状態において作業者がハンドル部23を把持してスロットル23Aを操作すると、エンジン31の回転力が出力軸35の回転として伝達される。出力軸35が回転すると、図5(a)〜(g)に示すように偏心カム4が矢印の方向に回転する。図5(a)〜(g)はそれぞれ、偏心カム4の回転角度が図5(a)0度、図5(b)30度、図5(c)45度、図5(d)90度、図5(e)180度、図5(f)210度、図5(g)270度の時の上刃51及び下刃52、偏心カム4の位置関係を示している。なお、偏心カム4は一定の角速度で回転している。図6は偏心カム4の回転角度とピッチ間距離との関係を示す。ここで、ピッチ間距離について説明する。図5(a)に示す初期状態(回転角度が0度の状態)において、上刃51のうち最も後方に設けられた切刃を第1の上切刃53A1とし、上刃51のうち第1の上切刃53A1と同じ側の縁に設けられ第1の上切刃53A1の次の切刃53Aを第2の上切刃53A2とし、現在第2の上切刃53A2に重なっている下刃52の切刃56Aを下切刃56A1として説明する。第1の上切刃53A1と第2の上切刃53A2との間の距離をPとする。以下、ピッチ間距離とは第1の上切刃53A1と下切刃56A1との間の距離を示している。例えば、図5(a)に示す回転角度0度の状態(初期位置)ではピッチ間距離はP、図5(e)に示す回転角度180度の状態(第1の位置)では第1の上切刃53A1と下切刃56A1とが重なるためピッチ間距離は0となる。なお、第1の上切刃53A1及び第2の上切刃53A2、下切刃56A1の関係について説明したが、隣合う切刃同士については同一の関係となる。
【0042】
偏心カム4が回転すると第1カム部41と第2カム部42とが180度の位相差を持って偏心回転し、上刃51及び下刃52を前後方向に往復移動させる。偏心カム4が図5(a)に示される初期位置から45度回転するまでの間は、第1カム部41は、図5(b)及び図5(c)に示すように係合部54のうち曲線C11によって規定される部分と係合しながら回転する。このとき、第1カム部41は上刃51の係合部54を近接点41B近傍及び離間点41Aにおいて接触しながら僅かに付勢して前方に移動させ、同様に第2カム部42は下刃52の係合部57を僅かに付勢して後方へと移動させる。偏心カム4がさらに回転し回転角度が90度に至ると、図5(d)に示されるように、第1カム部41は係合部54のうち曲線C12によって規定される部分に嵌合する。さらに偏心カム4が回転し回転角度が180度に至ると、図5(e)に示されるように切刃53Aと切刃56Aが重なり、切刃53A及び56Aの間にある枝葉等を切断する刈込み動作を行う。回転角度が90度から180度までの間は、第1カム部41(第2カム部42)は、上刃51(下刃52)の係合部54(係合部57)を付勢して、回転角度が0度から90度までの間と比較して大きく前方(後方)に移動させる。
【0043】
ここで、偏心カム4の角速度が一定の際の偏心カム4の回転角度とピッチ間距離との関係を図6に示す。図6に示されるように、偏心カム4の回転角度が45度の際のピッチ間距離を距離P−Lとする。換言すると、切刃53Aと切刃56Aとが重なった状態(ピッチ間距離がP、回転角度が0度)から切刃53Aと切刃56Aとが相対的に距離L離間する状態になるまでに偏心カム4は45度回転する。さらに偏心カム4が回転して回転角度が約155度になるときピッチ間距離はLとなる。回転角度が約155度の状態からさらに約25度回転して、回転角度が180度に至ると切刃53Aと56Aとが相対的に距離L移動して重なる状態(ピッチ間距離が0、回転角度が180度)となる。つまり、偏心カム4及び係合部54及び57の形状は、刈込動作を行う直前には上刃51及び下刃52の相対速度が速く、初期位置から移動し始めた直後には上刃51及び下刃52の相対速度が遅くなるように設定されている。
【0044】
さらに、偏心カム4が図5(e)に示される回転角度180度の状態(第1の位置)から45度回転するまでの間は、第1カム部41は係合部54のうち曲線C21によって規定される部分と係合しながら回転する。このとき、第1カム部41は上刃51の係合部54を僅かに付勢して後方に移動させ、第2カム部42は下刃52の係合部57を僅かに付勢して前方へと移動させる。偏心カム4がさらに回転し回転角度が210度に至ると、図5(f)に示されるように、第1カム部41は係合部54のうち曲線C22によって規定される部分に嵌合する。さらに偏心カム4が回転し回転角度が360度に至り初期位置(第2の位置)に戻ると、図5(a)に示されるように切刃53A及び56Aが再度重なり、切刃53A及び56Aの間にある枝葉等を切断する刈込み動作を行う。
【0045】
上述の通り、曲線C11と曲線C21とは対応しており、曲線C12と曲線22とは対応しているため、回転角度180度から360度までの間の動作は、上刃51及び下刃52の移動する方向が逆向きである点を除き、回転角度が0度から180度までの間の動作と同一である。図6に示されるように、偏心カム4の回転角度が225度の際のピッチ間距離は距離Lである。換言すると、切刃53A及び56Aが重なった状態(ピッチ間距離が0、回転角度が180度、第1の位置)から相対的に距離L離間する状態になるまでに偏心カム4は45度回転する。さらに偏心カム4が回転して回転角度が335度になると、ピッチ間距離はP−Lとなる。偏心カムがピッチ間距離P−Lの状態(約335度)から偏心カムがさらに約25度回転すると、切刃53Aと切刃56Aとが距離L分移動して、切刃53Aと切刃56Aとが重なる状態(ピッチ間距離がP、回転角度が360度、第2の位置)となる。つまり、偏心カム4及び係合部の形状は、刈込動作を行う直前には上刃51及び下刃52の移動速度が速く、刈込動作直後には上刃51及び下刃52の移動速度が遅くなるように設定されている。その後は上記動作を繰り返す。
【0046】
上刃51及び下刃52は、偏心カム4が1回転する間に、1回の往復移動を行い2度の刈込動作を行う。具体的には、偏心カム4の回転角度が180度、360度(0度)の際に切刃53A及び56Aは互いに重なり刈込動作を行う。偏心カム4及び係合部54、57の形状は、回転角度が0度の際の上刃51及び下刃52の位置(初期位置)から180度の際の位置(第1の位置)までの間、及び180度の際の位置(第1の位置)から360度の際の位置(第2の位置)までの間のいずれの場合においても、上刃51及び下刃52が相対的に距離L分移動するために必要な偏心カム4の回転角度が初期状態及び刈込動作直後よりも刈込動作直前の方が大きくなるように設定されている。
【0047】
本実施形態の刈込機1によれば、偏心カム4及び係合部54及び57の形状が、上刃51及び下刃52が相対的に距離L分移動するために必要な偏心カム4の回転角度が初期状態及び刈込動作直後よりも刈込動作直前の方が大きくなるように設定されているので、初期状態及び刈込動作直後において重なっている切刃53Aと切刃56Aとの間をゆっくりと広げることができる。よって、より多くの枝葉を切刃53A及び56Aとの間に侵入させて刈残しを防止することができ、作業者の作業効率及び使い勝手を向上させることができる。
【0048】
また、偏心カム4が1回転する間に2度切刃53Aと56Aとが重なるため、上刃51及び下刃52がそれぞれ1往復する間に2度の刈込動作を行うことができる。
【0049】
また、偏心カム4は係合部54及び係合部57にそれぞれ係合して上刃51と下刃52とを互いに反対の方向に移動させるので、上刃51及び下刃52のうちいずれか一方のみを移動させる場合と比較して、切刃53A及び56Aとが互いに重なる際及び離間する際に、偏心カム4の回転に応じて上刃51及び下刃52を移動させる距離を、半分に設定することができる。
【0050】
本発明による刈込機は上述の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の改良や変形が可能である。例えば、図7に示される刈込機101のように、バネ155B及び158Bによって上刃151及び下刃152を付勢することにより、偏心カム104と係合部154及び157との係合を維持する構成であってもよい。主ハウジング122は、主ハウジング22の構成に加え、上刃151及び下刃152の幅方向において所定距離離間して設けられる一対の固定部122Cを有している。偏心カム104は、第1カム部141と第2カム部142とを有し、回転軸22Bを中心に回転可能に設けられている。第1カム部141と第2カム部142とは同一の形状を有し、180度の位相差に設定されている。上刃151は、刃部53と、係合部154と、接続部155とを有する。同様に、下刃152は、刃部56と、係合部157と、接続部158とを有する。上刃151は、係合部54の代わりに係合部154を有する点を除いて上刃51と同一である。下刃152は、係合部57の代わりに係合部157を有する点を除いて下刃52と同一である。係合部154及び157にはそれぞれ略D字形状の係合孔154a及び略逆D字形状の貫通孔157aが形成されている。係合孔154a及び157a内には、第1カム部141及び第2カム部142がそれぞれ配置されている。接続部155及び158には、バネ155B及び158Bの一端を固定する固定片155A及び158Aがそれぞれ設けられている。バネ155B及び158Bの他端は固定部122Cに固定されている。バネ155Bは、係合部154が常に第1カム部141に係合するように、上刃151を固定部122Cに対して後方に付勢している。バネ158Bは、係合部157が常に第2カム部142に係合するように、下刃152を固定部122Cに対して前方に付勢している。このような構成によれば、図6に示すような偏心カム104の回転角度と上刃151及び下刃152のピッチ間距離との関係になるため、上述の刈込機1と同様の効果を得ることができる。ただし、上述の実施例では偏心カム4及び上刃51が第1カム部41と係合部54とが常に少なくとも2点で接触するような形状であるので、バネ155B及び158Bのような付勢手段を設ける必要がなく、部品点数や組立性の点においてより多くの効果を得ることができる。また、図7に示される偏心カム104は、上刃151と下刃152とが重なった状態から上刃151と下刃152とが所定距離離間する状態までの間に係合部154及び157のうち接触する部分が、上刃151と下刃152とが離間した状態から該所定距離移動して上刃151と下刃152とが互いに重なる状態までの間に係合部154及び157に接触する部分よりもなだらかな曲線により形成されていてもよい。
【0051】
また、上述の実施例では上刃51及び下刃52の両方が偏心カム4と係合されて前後方向に往復移動を行ったが、どちらか一方が往復移動を行うようにしてもよい。例えば、下刃52を主ハウジング22に対して移動不能に固定し、偏心カムが初期位置から180度回転した際に上刃が距離P移動するように偏心カム及び係合部の形状を設定してもよい。また、刈込機は、前後方向に往復駆動されることで上刃と下刃とが摺り合わされる所謂ヘッジトリマについて説明したが、略扇形形状の円周部に複数の鋸状の刃を有した上刃と下刃とが左右方向に往復駆動され摺り合わせにより切断を行う園芸バリカンの形態であってもよい。
【0052】
また、曲線C11は、係合部54のうち偏心カム4の回転角度が0度から45度までの間に接触点41Aが接触する面を規定するとしたが、曲線C11によって規定される面が、45度に限定されず回転角度が0度から所定角度の間に、接触点41Aと接触するように設定されてもよい。例えば、所定角度を30度とした場合には、曲線C12を回転角度が150度から180度の間において接触点41Aと係合部54とが接触するように設定すればよい。また、エンジン31の変わりに電動モータを駆動源としてもよい。この場合、例えばマイコン等により刈刃の速度を制御することで、本実施形態の動作を実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1、101・・・刈込機、2・・・ハウジング、3・・・原動機部、4、104・・・偏心カム、4a・・・貫通孔、4A・・・ギヤ部、5・・・刈込刃、21・・・ケーシング、22、122・・・主ハウジング、22A・・・ベアリング、22B・・・回転軸、23・・・ハンドル部、23A・・・スロットル、24・・・保護カバー、24A・・・補助ハンドル、31・・・エンジン、31A・・・シリンダ、31B・・・ピストン、31C・・・コンロッド、31D・・・クランク、31E・・・クランクケース、31F・・・クランクシャフト、32・・・フライホイール、32A・・・マグネトー、33・・・遠心クラッチ、34・・・コイル、35・・・出力軸、35A・・・ギヤ部、36・・・燃料タンク、41、141・・・第1カム部、41A・・・接触点、41B・・・近接点、42、142・・・第2カム部、51、151・・・上刃、52、152・・・下刃、53、56・・・刃部、53A、56A・・・切刃、53A1・・・上切刃、53A2・・・上切刃、53a、56a・・・長孔、54、57、154、157・・・係合部、54a、57a、154a、157a・・・係合孔、55、58、155、158・・・接続部、56A1・・・下切刃、59・・・ガイドプレート、59A・・・ボルト、59a・・・貫通孔、59B・・・ナット、155A、158A・・・固定片、155B、158B・・・バネ、AX・・・軸線、C1、C11、C12、C2、C21、C22・・・曲線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源と、
該駆動源から動力を出力する出力軸と、
該出力軸の出力を受けて回転し、該出力軸から伝達される回転運動を往復運動に変換する偏心カムと、
複数の第1の切刃を有する第1の刈込刃と、
複数の第2の切刃を有し、該第1の切刃と該第2の切刃とが互いに近接するときに該第1の刈込刃と共に対象物を刈込む第2の刈込刃と、を備え、
該第1の刈込刃及び該第2の刈込刃のうち少なくともいずれか一方には該偏心カムに係合する係合部が設けられ、該係合部が該偏心カムに係合することにより該第1の刈込刃と該第2の刈込刃とが相対的に往復移動し、
該偏心カムは該第1の切刃と該第2の切刃とが重なった状態から該第1の切刃と該第2の切刃とが所定距離離間する状態までの間に第1の角度回転し、
該偏心カムは該第1の切刃と該第2の切刃とが離間した状態から該所定距離移動して該第1の切刃と該第2の切刃とが互いに重なる状態までに第2の角度回転し、
該偏心カム及び該係合部の形状は、該第2の角度よりも該第1の角度の方が大きくなるように設定されていることを特徴とする刈込機。
【請求項2】
該第1の刈込刃及び該第2の刈込刃は該偏心カムが1回転する間に1回の往復移動を行い、
該第1の刈込刃及び該第2の刈込刃は、該偏心カムが0度回転した状態において初期位置に配置され、該偏心カムが180度回転した状態において第1の位置に配置され、該偏心カムが360度回転した状態において第2の位置に配置され、該第1の切刃と該第2の切刃とは該初期位置及び該第1の位置、該第2の位置において互いに重なり、
該偏心カム及び該係合部の形状は、該初期位置から該第1の位置までの間、及び該第1の位置から該第2の位置までの間のいずれの場合においても、該第2の角度よりも該第1の角度の方が大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の刈込機。
【請求項3】
該係合部は、該第1の刈込刃に設けられる第1の係合部と、該第2の刈込刃に設けられる第2係合部と、を有し、
該偏心カムは、該第1の係合部及び該第2の係合部にそれぞれ係合し、該第1の刈込刃と該第2の刈込刃とを互いに反対の方向に移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の刈込機。
【請求項4】
該偏心カムは、該偏心カムの外周のうち回転中心から最も離間する接触点を有し、
該係合部は、該第1の切刃と該第2の切刃とが重なった状態から該第1の切刃と該第2の切刃とが所定距離離間する状態までの間に該接触点に接触する部分が、該第1の切刃と該第2の切刃とが離間した状態から該所定距離移動して該第1の切刃と該第2の切刃とが互いに重なる状態までの間に該接触点と接触する部分よりもなだらかな曲線により形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の刈込機。
【請求項5】
該係合部は、該係合部のうち該第1の切刃と該第2の切刃とが重なった状態から該第1の切刃と該第2の切刃とが所定距離離間する状態までの間に該接触点に接触する部分が該偏心カムが回転する際に該接触点が通る軌跡に略沿うように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の刈込機。
【請求項6】
該係合部は、該第1の切刃と該第2の切刃とが離間した状態から該所定距離移動して該第1の切刃と該第2の切刃とが互いに重なる状態までの間に該接触点と接触する部分は、該軌跡よりも該偏心カムの回転中心に近接するように設けられていることを特徴とする請求項5に記載の刈込機。
【請求項7】
該係合部は、該第1の切刃と該第2の切刃とが重なる状態から90度回転した状態で、該偏心カムの外周に嵌合するような形状を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれかに記載の刈込機。
【請求項8】
該係合部は、該偏心カムの回転中心を通り該往復運動の方向と平行に延びる軸線を有し、該軸線上の任意の点に対して略点対称な曲線によって規定されることを特徴とする請求項1乃至請求項1乃至請求項7のうちいずれかに記載の刈込機。
【請求項9】
該係合部及び該偏心カムのうちいずれか一方を他方に向けて付勢し、該係合部及び該偏心カムの係合を維持する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のうちいずれかに記載の刈込機。
【請求項10】
該偏心カムは、該第1の切刃と該第2の切刃とが重なった状態から該第1の切刃と該第2の切刃とが所定距離離間する状態までの間に該係合部と接触する部分が、該第1の切刃と該第2の切刃とが離間した状態から該所定距離移動して該第1の切刃と該第2の切刃とが互いに重なる状態までの間に該係合部と接触する部分よりもなだらかな曲線により形成されていることを特徴とする請求項9に記載の刈込機。
【請求項11】
駆動源と、
該駆動源から動力を出力する出力軸と、
該出力軸の出力を受けて回転し、該出力軸から伝達される回転運動を往復運動に変換する偏心カムと、
複数の第1の切刃を有する第1の刈込刃と、
複数の第2の切刃を有し、該第1の切刃と該第2の切刃とが互いに近接するときに該第1の刈込刃と共に対象物を刈込む第2の刈込刃と、を備え、
該第1の刈込刃と、該第2の刈込刃とが互いに離間するときの相対速度が、近接するときの相対速度より遅いことを特徴とする刈込機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図5(c)】
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【図5(d)】
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【図5(e)】
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【図5(f)】
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【図5(g)】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図7(c)】
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【公開番号】特開2012−10665(P2012−10665A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152441(P2010−152441)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】