説明

列車運行管理装置

【課題】 駅の現場設備が故障した場合でも、応急運転への対応を自動制御により実現し、列車群を円滑に運行する手段を備えた列車運行管理装置を提供する。
【解決手段】 駅の信号機5,軌道回路7,転てつ器8などの現場設備の設備状態管理DB11と、信号機状態管理DB12と、駅を走行する列車40のダイヤ情報DB13と、これらDBの情報により現場設備に制御指示を出力し列車に走行指示を出力する演算処理手段10とからなり、設備状態管理DB11が、現場設備の故障状態を記憶する故障状態欄を備え、信号機状態管理DB12が、信号機5に付随する手信号代用信号機6の代用可否を記憶する手信号代用許可欄を備え、演算処理手段10が、駅の現場設備の偶発故障/計画的交換による使用不可能な状態が生じた時、使用可能な現場設備および手信号代用信号機6の情報に基づき現場設備に対する制御指示および列車40に対する走行指示を演算する列車運行管理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車運行管理装置に係り、特に、駅の現場設備が故障した場合に、他の正常な現場設備を制御し、信号機の自動制御を継続するための手段に関する。
【背景技術】
【0002】
列車運行管理装置は、制御対象の各駅に設置され、信号機を制御するために、日々の列車ダイヤの情報と軌道回路の落下・扛上状態から各列車の在線位置を特定する。各駅に接近した列車については、当該列車の列車番号と日々のダイヤ情報とから、自動制御すべき信号機を決定する。
【0003】
信号機の自動制御においては、列車運行管理装置は、連動条件すなわち各信号機固有の制御条件と、駅構内の現場設備の状態情報と、現場設備の情報および列車ダイヤの情報に基づく自動制御の可否判断の情報とにより、制御対象とする信号機が真に制御可能か否かを判断する。制御可能と判断した場合は、連動装置に対して制御指示を出力し、列車に対して走行を指示する。
【0004】
列車運行管理装置が参照する現場設備の状態情報には、軌道回路の落下または扛上の状態,転てつ器の向き,信号機の点灯状態,信号機の制御に伴う現場設備の鎖錠状態などが含まれる。列車運行管理装置は、これら現場設備の情報をビットまたは数値として管理する。
【0005】
現場設備が故障した場合または交換などで現場設備を使用不可の状態にした場合に備えて、現場設備の情報は、安全側の値を定常値として設定されている。例えば、軌道回路は、落下状態とし、信号機の現示すなわち信号機が指し示す進行または停止の指示は、停止状態にするなどである。したがって、現場設備の故障が発生すると、上記理由から、従来の列車運行管理装置では、信号機の自動制御が不可能となる。
【0006】
自動制御が不可能となる状況に対応する手段として、応急運転がある。応急運転は、現場設備の故障により列車運行管理装置が信号機を制御できなくなった場合に、駅員による手旗信号の表示または手信号代用信号機の操作により、列車を制御する代替手段である。
【0007】
転てつ器などが故障した場合に当該転てつ器を含む軌道回路区間を応急運転範囲として軌道回路区間予約テーブルに登録する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この登録により、連動装置は、故障した転てつ器の情報を無視でき、その他の関係する転てつ器の自動制御による転換を可能としている。
【0008】
また、軌道回路の故障状態を記憶し、その記憶情報に基づき、故障した現場設備の情報をマスクし、故障機器が正常であるときの連動処理をし、応急運転が可能な状態とする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】特開平06−286613号公報 (第4〜6頁 図1〜図7)
【特許文献2】特開平10−181601号公報 (第3〜4頁 図1〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の列車運行管理装置では、手信号代用信号機は、自動制御の対象設備には含まれていない。このため、信号機,転てつ器,軌道回路などの現場設備の故障により手信号代用信号機を扱う場合は、駅員が各駅に進入する列車とそのとるべき進路とを逐一確認し、駅員の手動制御により扱わなければならない。この手動制御は、列車の円滑な走行の妨げとなり、列車ダイヤが乱れる原因となる。
【0011】
また、列車運行管理装置は、列車の在線位置の変化を軌道回路を用いて検知し、列車の走行実績を取得する。軌道回路が故障した場合、故障した軌道回路の位置によっては列車の走行実績を正しく取得できない場合がある。この場合、列車は出発済みであるにもかかわらず、システム上は未出発とみなすため、実際の走行との差異が生じる。
【0012】
さらに、列車運行管理装置は、当該列車が駅を出発したとみなすことができないので、制御すべき列車の順序情報を更新できず、後続列車の走行が不可能な状態となる。
【0013】
特許文献2の連動方法は、列車走行中に現場設備の故障が発生した場合、故障した軌道回路の状態情報を無視し、制御済み信号機による進路鎖錠を解除する。したがって、現場設備の故障後に進入する列車については、列車ダイヤの情報を参照して、駅に進入する列車の順序情報を作成できず、信号機の自動制御も不可能である。
【0014】
本発明の第1の目的は、駅の現場設備が故障した場合でも、応急運転への対応を自動制御により実現し、列車群を円滑に運行する手段を備えた列車運行管理装置を提供することである。
【0015】
本発明の第2の目的は、軌道回路が故障した場合であっても、列車の走行実績を取得し、列車運行管理装置による列車の自動制御を継続できる状態にする手段を備えた列車運行管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記2つの目的を達成するために、連動装置を介して接続された駅の信号機,軌道回路,転てつ器などの現場設備の状態を記憶する設備状態管理データベースと、信号機状態管理データベースと、駅を走行する列車のダイヤ情報を管理するダイヤ情報データベースと、これらデータベースの情報に基づき現場設備に制御指示を出力し列車に走行指示を出力する演算処理手段とからなる列車運行管理装置において、設備状態管理データベースが、現場設備の故障状態を記憶する故障状態欄を備え、信号機状態管理データベースが、信号機に付随する手信号代用信号機の代用可否を記憶する手信号代用許可欄を備え、演算処理手段が、駅の現場設備の偶発故障または計画的な交換による使用不可能な状態が発生した場合に、使用可能な現場設備および手信号代用信号機の情報に基づき現場設備に対する制御指示および列車に対する走行指示を演算する列車運行管理装置を提案する。
【0017】
本発明は、また、それぞれの連動装置を介して接続された複数の駅の信号機,軌道回路,転てつ器などの現場設備の状態を記憶する設備状態管理データベースと、信号機状態管理データベースと、複数の駅を走行する列車のダイヤ情報を管理するダイヤ情報データベースと、これらデータベースの情報に基づき各駅の現場設備に制御指示を出力し列車に走行指示を出力する演算処理手段とからなる中央集中型列車運行管理装置において、設備状態管理データベースが、各駅の現場設備の故障状態を記憶する故障状態欄を備え、信号機状態管理データベースが、各駅の信号機に付随する手信号代用信号機の代用可否を記憶する手信号代用許可欄を備え、演算処理手段が、各駅の現場設備の偶発故障または計画的な交換による使用不可能な状態が発生した場合に、各駅の使用可能な現場設備および手信号代用信号機の情報に基づき各駅の現場設備に対する制御指示および列車に対する走行指示を演算する中央集中型列車運行管理装置を提案する。
【0018】
現場設備の故障状態および当該現場設備に対する制御指示の結果に基づき現場設備の故障状態を推定し設備状態管理データベースの故障状態欄を更新する故障状態自動検知手段を備えることができる。
【0019】
演算処理手段は、駅の構内における旅客乗降位置,列車留置位置,その近傍の軌道回路が故障した場合に、隣接する軌道回路の状態に基づき列車の在線状況を推定する手段と、当該列車の在線位置の推定結果により列車の発車または到着の時刻を推定する手段とを含むことも可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、駅の信号機,軌道回路,転てつ器などの駅の現場設備の故障が発生した場合でも、応急運転を自動制御により実施するので、円滑な列車運行を継続できる。また、列車の走行実績についても、故障前の状態と同様に取得できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、図1〜図14を参照して、本発明による列車運行管理装置の実施形態を説明する。
≪実施形態1≫
図1は、本発明による列車運行管理装置の実施形態1の系統構成を示すブロック図である。列車運行管理装置1は、演算処理手段10と、設備状態を記憶する設備状態管理テーブル11と、信号機の手信号代用許可(手代許可)状態を記憶する信号機状態管理テーブル12と、日々の列車ダイヤを格納するダイヤ情報DB13とを含む。列車運行管理装置1の制御用端末2は、列車の在線状態を表示するとともに、駅員の列車運行管理装置1に対する入力手段となっている。
【0022】
列車運行管理装置1と連動装置20とは、各駅に設置され、各駅の現場設備30を制御する。
【0023】
各駅の現場設備30としては、信号機51,52、信号機51,52の故障時に使用する手信号代用信号機61,62、在線位置を検知するための軌道回路71〜75、転てつ器81,82がある。また、各駅には、旅客ホーム45,46がある。
【0024】
列車を制御する際に、列車運行管理装置1は、列車40の列車番号の情報とダイヤ情報DB13に格納されるダイヤ情報とをもとに、制御対象の信号機を決定する。例えば、列車40が列車ダイヤで旅客ホーム45に到着し出発する場合は、制御対象の信号機は、信号機51,52となる。
【0025】
列車運行管理装置1は、これらの信号機51,52を制御するために、連動装置20に対して制御指示を出力する。連動装置20は、各駅の現場設備30のうち、制御対象の信号機51,52の制御可否をチェックする。具体的には、信号機51の場合は、使用する軌道回路71,72,73が落下状態でないことをチェックし、旅客ホーム45の列車ダイヤ上の使用順序、転てつ器81のある軌道回路71の列車ダイヤ上の使用順序などの自動制御に必要な条件をチェックする。
【0026】
チェックOKである場合は、転てつ器81を旅客ホーム45の側に転換し、各々の現場設備の鎖錠を確認できた時点で、信号機51を進行の現示にする制御指示を連動装置20に対して出力する。これら設備状態の一連の状態については、設備状態管理テーブル11に周期的に記憶する。
【0027】
図2は、列車運行管理装置1が保有する設備状態管理テーブル11の構成の一例を示す図表である。設備状態管理テーブル11は、設備名称欄201、設備状態欄202、故障状態欄203からなる。設備状態欄202には、信号機の進行・停止,転てつ器の向き,軌道回路の落下・扛上などの各種状態を記憶する。故障状態欄203には、各設備が故障状態にあるときに、故障状態を記憶する。
【0028】
図3は、列車運行管理装置1が保有する信号機状態管理テーブル12の構成の一例を示す図表である。信号機状態管理テーブル12は、設備名称欄211、手信号代用許可欄212からなる。手信号代用許可欄212には、各信号機が手信号代用許可の状態にある場合に、その旨を記憶する。
【0029】
図1〜図3により、故障状態の登録方法を説明する。各駅の現場設備30の故障が発生した場合、その故障を次のように登録する。
【0030】
第1に、信号機51が故障した場合、列車運行管理装置1が、連動装置20に対して制御指示を出したにもかかわらず、所定時間経過しても、信号機51の現示が停止のままであるとする。この場合、設備状態管理テーブル11に変化が生じないため、列車運行管理装置1は、信号機51に何らかの異常が発生したことを認識できる。
【0031】
この場合、列車運行管理装置1は制御用端末2に対して、信号機51が異常である旨の警報を出力する。これを各駅の駅員が認識し、制御用端末2から、当該信号機が故障したことを列車運行管理装置1に入力する。この情報は、設備状態管理テーブル11の故障状態欄203に記憶される。そこで、列車運行管理装置1は、信号機51が故障状態になったものとみなす。
【0032】
第2に、転てつ器81が故障した場合、その故障を次のように登録する。
【0033】
列車運行管理装置1が、連動装置20に対して制御指示を出力した場合に、信号機51が使用する現場設備の範囲内に列車がいないにもかかわらず、所定時間経過しても、転てつ器81が転換できない状態が継続したとする。この場合、転てつ器81について設備状態管理テーブル11の設備状態欄202に記憶される情報が、本来変化すべきところ、当該情報に変化がないので、列車運行管理装置1は、転てつ器81に何らかの異常が発生したことを認識できる。
【0034】
この場合、列車運行管理装置1は、制御用端末2に対して、転てつ器81が異常である旨の警報を出力する。これを各駅の駅員が認識し、制御用端末2から、当該転てつ器81が故障したことを列車運行管理装置1に入力する。この情報は、設備状態管理テーブル11の故障状態欄203に記憶される。そこで、列車運行管理装置1は、転てつ器81が故障状態になったものとみなす。
【0035】
第3に、軌道回路72が故障した場合、その故障を次のように登録する。列車40が軌道回路72,73の順に進入し、それから軌道回路73が扛上した後も、軌道回路72が落下したままの状態であるとする。または、軌道回路72に隣接する軌道回路71,73が扛上状態にもかかわらず、突然軌道回路72のみが落下したとする。いずれの場合も、当該軌道回路72だけが単独で軌道回路が落下していると考えられる。
【0036】
この場合には、列車運行管理装置1は、制御用端末2に対して、軌道回路72が不正に落下した旨の警報を出力する。駅員が、当該警報の出力を確認し、または制御用端末2の目視により、軌道回路72が故障であると認識した場合には、制御用端末2から、当該軌道回路72が故障したことを列車運行管理装置1に入力する。この情報は、設備状態管理テーブル11の故障状態欄203に記憶される。そこで、列車運行管理装置1は、軌道回路72が故障状態になったものとみなす。
【0037】
次に信号機が故障状態となった場合または転てつ器や軌道回路が故障状態になったことにより、当該現場設備を使用する信号機を制御できなくなった場合に、制御すべき信号機を手信号代用信号機に変更し、自動制御を継続する方法を説明する。
【0038】
例として、信号機51が制御不可能な状態となった場合を説明する。信号機51に付随する手信号代用信号機61の制御を許可する場合は、制御用端末2から列車運行管理装置1に、手信号代用信号機61の手信号代用許可の情報を入力する。この情報は、信号機状態管理テーブル12の手信号代用許可欄212に記憶される。列車運行管理装置1は、信号機51の替わりに手信号代用信号機61を制御すべき信号機として認識する。
【0039】
図4は、手信号代用信号機による応急運転の処理手順を示すフローチャートである。応急運転の処理手順は、図4のA−0からA−8までの各ステップからなる。
【0040】
応急運転の自動制御論理は、手信号代用信号機について自動制御に必要な条件をチェックし、当該条件が成立した場合に、設備状態管理テーブル11の故障状態欄203に故障情報が入力されているものを除いて、当該手信号代用信号機が使用する設備の鎖錠を確認できた時点で、手信号代用信号機を制御する。既に故障状態にある設備については、当該設備の設備状態欄202をチェックしない。
【0041】
まず、ステップA−0で、駅に接近した列車40の列車番号情報と列車運行管理装置1が管理するダイヤ情報DB13に格納されるダイヤ情報とから、制御対象とする信号機を決定する。
【0042】
ステップA−1では、制御対象信号機に手信号代用許可が設定されているかをチェックする。例えば、信号機51について、信号機状態管理テーブル12の手信号代用許可欄212に手信号代用許可の情報が設定されている場合は、この処理により、ステップA−2に進む。信号機状態管理テーブル12の手信号代用許可欄212に手信号代用許可の情報がない場合は、ステップA−11に進み、信号機51を制御対象の信号機とし、ステップA−12で通常の信号機制御を実施する。
【0043】
ステップA−2では、ステップA−1により制御対象信号機に手信号代用許可されていることを確認した場合、制御対象の信号機を手信号代用信号機とする。
【0044】
ステップA−3では、故障状態転てつ器をチェックする。この処理は、手信号代用信号機61が使用する設備に故障状態の転てつ器が含まれる場合に、その転てつ器の開通方向が列車40の走行する方向と一致するかをチェックする。
【0045】
図5は、図4の手信号代用信号機による応急運転のうちで、故障状態転てつ器チェックA−3の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【0046】
図5の故障状態転てつ器チェックA−3は、A3−0〜A3−6の各ステップからなる。手信号代用信号機61が使用する転てつ器81には、設備状態管理テーブル11の故障状態欄203に故障情報が設定されているとする。
【0047】
ステップA3−0は、故障状態転てつ器チェックA−3の処理の開始を示す。
【0048】
ステップA3−1では、故障状態にある転てつ器が、手信号代用信号機61が使用する設備に含まれるかをチェックする。故障状態の転てつ器が含まれない場合は、ステップA−6に進む。
【0049】
ステップA3−2では、故障状態にある転てつ器の向きをチェックする。通常は駅員が当該転てつ器の向きを手動転換し、故障状態にある転てつ器81を制御する。転てつ器81の故障状態欄203は、故障状態であるため、ステップA−5においては、当該転てつ器の状態は考慮していない。そのため、転てつ器81の向きが現在どちらの方向に開通しているかは、列車運行管理装置1には判別がつかない。
【0050】
そこで、ステップA3−2では、故障した転てつ器81について、設備状態管理テーブル11の設備状態欄202を参照し、この202の欄に記載された転てつ器81の開通方向が、列車40による開通方向と一致しているかをチェックする。開通方向が一致する場合は、ステップA3−6に移動し、異なる場合は、ステップA3−3に移動する。
【0051】
ステップA3−3では、故障状態にある転てつ器81の開通方向を確認する問いかけを制御用端末2に対して出力する。このとき、駅員は現場設備の実際の転てつ器81の開通方向を確認し、問いかけに対して制御用端末2から承認(YES)か拒否(NO)かのいずれかを応答する。
【0052】
ステップA3−4では、当該問いかけに対する応答を確認する。問いかけの応答が承認である場合は、ステップA3−5に進む。問いかけの応答が拒否である場合は、ステップA3−10に進み、故障状態軌道回路チェックA−3は、条件不成立とする。
【0053】
ステップA3−5では、転てつ器81について列車40の走行方向に転換した状態を確認できたので、当該転てつ器81について設備状態管理テーブル11における設備状態欄202を更新する。
【0054】
ステップA3−6では、故障状態転てつ器チェックA−3は、条件成立とする。
【0055】
以上の故障状態転てつ器チェックA−3の結果をステップA−4で判定する。条件不成立の場合には、ステップA−14に進み、手信号代用信号機61の制御を所定時間保留した後、再度ステップA−3に戻る。
【0056】
ステップA−5では、設備状態管理テーブル11に故障状態欄203に故障情報が入力されている設備を除いて、手信号代用信号機61が使用する設備の鎖錠状態を確認し、すべて鎖錠できたかをチェックする。ここで、一部の設備でも鎖錠できていない場合は、ステップA−15に進み、手信号代用信号機61の制御を所定時間保留した後、再度ステップA−5に戻る。
【0057】
図6は、図4の手信号代用信号機による応急運転のうちで、故障状態軌道回路チェックA−6の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【0058】
ステップA−6では、故障状態軌道回路をチェックする。この処理は、手信号代用信号機61が使用する設備に故障状態の軌道回路が含まれる場合に、当該手信号代用信号機61を制御するためにチェックする処理手順である。
【0059】
図6に示す故障状態軌道回路チェックA−6は、A6−0〜A6−4の各ステップからなる。ここでは、手信号代用信号機61が使用する軌道回路72には、設備状態管理テーブル11の故障状態欄203に故障情報が設定されているとする。
【0060】
ステップA6−0は、故障状態軌道回路チェックA−6の処理の開始を示す。
【0061】
ステップA6−1では、手信号代用信号機61が使用する設備に、故障状態にある軌道回路が含まれるかをチェックする。故障状態の軌道回路が含まれない場合は、ステップA6−4に進む。
【0062】
ステップA6−2では、手信号代用信号機61の制御可否の問いかけを制御用端末2に出力する。故障状態にある軌道回路72について、その落下状態が、列車40が在線することによるものか、軌道回路故障によるものか、いずれであるかを駅員が確認する余地を確保するためである。
【0063】
ステップA6−3では、当該問いかけに対する応答を確認する。問いかけの応答が承認である場合は、ステップA6−4に進む。問いかけの応答が拒否である場合は、ステップA6−10に進み、故障状態軌道回路チェックA−6は条件不成立とする。
【0064】
ステップA6−4では、故障状態軌道回路チェックA−6は、条件成立とする。
【0065】
以上の故障状態軌道回路チェックA−6の結果をステップA−7で判定する。条件不成立の場合には、ステップA−17に進み、手信号代用信号機61の制御を所定時間保留した後、再度ステップA−6に戻る。
【0066】
ステップA−8では、手信号代用信号機61を制御する。
【0067】
図4に示す一連の処理のうち、ステップA−3,A−4,A−14が属する処理群A1−1、ステップA−5,A−15が属する処理群A1−2、ステップA−6,A−7,A−17が属する処理群A1−3の各処理群については、その順序を入れ替えた場合でも、図4に示すステップA−8と同等の処理結果が得られる。
【0068】
現場設備30の各々の設備の故障状態が回復した場合は、制御用端末2から列車運行管理装置1に対して、各設備単位で故障状態からの回復情報または手信号代用許可の解除情報を入力する。この入力により、設備状態管理テーブル11における故障状態欄203または信号機状態管理テーブルにおける手信号代用許可欄212の情報をクリアし、故障状態の回復または手信号代用許可の解除とみなす。
【0069】
続いて、軌道回路が故障した場合における列車の追跡方法についての実施形態を説明する。
【0070】
列車運行管理装置1が保有する設備状態管理テーブル11において、軌道回路71〜75の設備状態欄202に記載される各設備の現在情報は、列車40の在線位置を示す。軌道回路が故障した場合、列車運行管理装置1は、列車40の正確な在線位置を把握できず、列車40の走行実績(到着時刻および出発時刻)を取得できないことは、既に説明した。
【0071】
図7は、旅客ホーム45に相当する位置の軌道回路73の進入側の軌道回路72が故障し軌道回路72が落下状態となった場合の列車40の到着時刻の取得方法を説明する図である。
【0072】
通常状態においては、列車40について軌道回路72および73が落下状態にあるときに、進入側の軌道回路72が落下状態から扛上状態に変化したことを到着とみなす。このときの列車40のタイムチャート300を示すと、軌道回路72の状態変化は点線301に示す通りとなる。
【0073】
図7のタイムチャート300における2点鎖線302ように進入側の軌道回路72が故障により落下状態のままである場合は、列車が旅客ホームの軌道回路73に収容しても、旅客ホーム45の軌道回路73と進入側の軌道回路72とが連続して落下した状態のままであり、軌道回路73への列車40の収容を正確には検知できない。そこで、次のような方法で列車40の在線位置を推定し、到着時刻を取得する。
【0074】
前に説明したように、列車運行管理装置1は、設備状態管理テーブル11の軌道回路の設備に対する設備状態欄202を周期的にチェックし、各列車の在線状況をチェックする。列車が進入側の軌道回路72から旅客ホームの軌道回路73に進入した際、進入側軌道回路72が故障状態の場合は、設備状態管理テーブル11において、軌道回路73の設備状態欄202に落下の情報が記憶されたことを確認する。列車運行管理装置1が設備状態管理テーブル11を確認する時刻304で、設備状態管理テーブルを再度確認し、状態に変化がなければ、列車40が旅客ホーム45に到着したと判断して、列車40の到着時刻を取得する。
【0075】
図8は、旅客ホーム45に相当する位置の軌道回路73の進出側の軌道回路74が故障した場合における出発時刻の取得方法を説明する図である。
【0076】
通常状態においては、列車40について軌道回路73が落下状態にあるとき、進出側の軌道回路74が扛上状態から落下状態に変化したことを出発とみなす。このときの列車40のタイムチャート310を示すと、軌道回路74の状態変化は、点線311に示す通りとなる。
【0077】
しかし、2点鎖線312のように進出側の軌道回路74が故障により落下状態のままである場合は、列車が進出側の軌道回路74に進入しても、軌道回路74が扛上から落下に変化したことを検知できない。このため、次のような方法で列車40の在線位置を推定し、出発時刻の情報を取得する。
【0078】
列車40は、進出側軌道回路74に進入しても設備状態管理テーブル11の設備状態欄202は変化しない。しかし、進出側軌道回路74に収容した段階で、旅客ホームの軌道回路73は扛上する。ここで設備状態管理テーブル11のうち軌道回路73の設備状態欄202は落下から扛上に変化する。このタイミングで列車40が出発した判断し、出発時刻を取得する。
≪実施形態2≫
図9は、本発明による列車運行管理装置の実施形態2の系統構成を示すブロック図である。
【0079】
列車運行管理装置101は、中央集中型の列車運行管理装置である。この列車運行管理装置101は、駅31から33までを管理し、各駅の現場設備との間では連動情報伝送回線25を介して制御を指示する。
【0080】
列車運行管理装置101には、演算処理手段110と、駅31から33までの各駅の設備状態を記憶する設備状態管理テーブル111と、信号機の手信号代用許可(手代許可)状態を記憶する信号機状態管理テーブル112と、駅31から33までの各駅の列車ダイヤを格納するダイヤ情報DB113とを含む。
【0081】
図10は、中央集中型列車運行管理装置101が保有する設備状態管理テーブル111の構成の一例を示す図表であり、図11は、中央集中型列車運行管理装置101が保有する信号機状態管理テーブル112の構成の一例を示す図表である。
【0082】
設備状態管理テーブル111は、駅名称欄200を含んでおり、信号機状態管理テーブル112は、駅名称欄210を含んでいるので、複数の駅の現場設備の情報を管理できる。
【0083】
駅31から33までの各駅の現場設備の故障状態については、駅員が制御用端末2から当該故障状態にある設備の故障情報を列車運行管理装置101に入力し、設備状態管理テーブル111の故障状態欄203に故障状態を記憶させると、列車運行管理装置101は、当該設備の故障状態を認識できる。
【0084】
応急運転時の手信号代用信号機の制御方法については、図4のフローチャートを用いて説明した図1の列車運行管理装置1の例と同様である。
【0085】
また、軌道回路故障時の到着時刻および出発時刻の取得方法についても、図7および図8を用いて説明した図1の列車運行管理装置1の例と同様である。
≪実施形態3≫
図12は、本発明による列車運行管理装置の実施形態3の系統構成を示すブロック図である。
【0086】
図12の列車運行管理装置102は、故障状態自動検知手段18を保有する。
【0087】
列車運行管理装置1は、現場設備の異常が発生した場合に、制御用端末2に警報を出力し、故障の疑いのある設備が当該駅に存在する旨の注意を駅員に喚起する。
【0088】
この列車運行管理装置1では、駅員が、故障状態にある設備が各駅の現場設備30のいずれであるかをを確認し、制御用端末2で故障状態にある設備を選択し、列車運行管理装置1に故障状態を入力しなければならない。
【0089】
これに対して、列車運行管理装置102では、故障の疑いがある設備を故障状態自動検知手段18が自動検知して、いずれの設備に故障の疑いがあるかを明確にする。この結果、故障の疑いのある設備の駅員による確認作業を効率化するとともに、故障状態でない設備について誤って故障状態を入力するなどの誤りを防止できる。
【0090】
図13は、故障状態自動検知手段18の処理手順を示すフローチャートである。
【0091】
信号機や転てつ器について故障状態の自動認識方法について述べる。以下の説明で、故障の疑いがある設備とは、列車運行管理装置102が連動装置20に対して制御指示を出力した信号機について、当該信号機が使用する現場設備のうち故障状態の設定がないにもかかわらず、設備状態管理テーブル11の設備情報欄202の変化を検知できない信号機や転てつ器を意味する。
【0092】
ステップB−0は、図4のステップA−0と同様であり、駅に接近した列車40の列車番号情報と列車運行管理装置102が管理するダイヤ情報DB13に格納されるダイヤ情報とから、制御対象とする信号機を決定する。
【0093】
ステップB−1では、故障の疑いがある設備の有無を確認する。
【0094】
ステップB−2では、故障の疑いがある設備について、真に故障状態にある設備であるか否かを制御用端末2に問いかけとして出力し、駅員の確認を促す。
【0095】
ステップB−3では、問いかけに対する応答を確認する。応答結果が故障である場合は、ステップB−4に進む。正常である場合は、ステップB−5に進む。
【0096】
ステップB−4では、当該故障の疑いのある設備について、設備状態管理テーブル11の故障状態欄203に故障情報を記憶する。
【0097】
ステップB−5では、故障状態の認識処理を終了する。
【0098】
軌道回路73について故障状態の自動認識方法について説明する。軌道回路71〜75がすべて扛上状態であったところから、軌道回路73のみが突然落下した場合のように、特定の軌道回路が落下したときに、両隣接の軌道回路が扛上状態である場合は、当該落下した軌道回路は故障状態であると推定される。このとき、図13のステップB−0〜B−5に準じて、当該落下軌道回路について故障状態の問いかけを出力し、応答結果が承認である場合は、当該落下軌道回路の設備状態管理テーブル11の故障状態欄203に故障情報を記憶する。
【0099】
図14は、旅客ホーム45に相当する位置の軌道回路73が故障し軌道回路73が落下状態となった状態を示す図である。
【0100】
軌道回路の故障状態の自動認識方法の別の実施例としては、列車の移動に伴うものがある。列車40は、軌道軌道回路71〜75を順に使用する。
【0101】
軌道回路73および74について着目すると、軌道回路73の落下状態において軌道回路74が落下し、その後、軌道回路74が落下状態である状態で軌道回路73が扛上するはずである。
【0102】
これに対して、軌道回路73の落下状態において軌道回路74が扛上状態から落下状態に変化し、再び軌道回路74が扛上した場合は、列車40に列車の併合や分割の運用がない限り、列車40が退行して軌道回路73に再度収容したか、軌道回路73が故障し列車40の移動により軌道回路74が扛上したかのいずれかである。
【0103】
そこで、分割や併合の運用モードを持たない列車について、上記軌道回路変化が生じた場合に、故障状態の問いかけを出力し、駅員の判断を求める方法が自動認識方法の実施例として考えられる。
≪実施形態4≫
図1の実施形態1の列車運行管理装置1に故障状態自動検知手段18を設置して図12の実施形態3としたように、図9の実施形態1の中央集中型列車運行管理装置101に故障状態自動検知手段18を設置すると、ここでは図示していないが、故障状態自動検出手段を備えた中央集中型列車運行管理装置103を実現できることは、明らかであろう。
【0104】
これらの実施例によれば、駅の信号機,軌道回路,転てつ器などの駅の現場設備の故障が発生した場合に、手信号代用信号機への切替をシステム内部で実施でき、手信号代用信号機を自動制御できる。また、列車の走行実績を継続して取得でき、走行実績の欠落を防止できる。したがって、応急運転時であっても、列車運行を円滑に継続できる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明による列車運行管理装置の実施形態1の系統構成を示すブロック図である。
【図2】列車運行管理装置1が保有する設備状態管理テーブル11の構成の一例を示す図表である。
【図3】列車運行管理装置1が保有する信号機状態管理テーブル12の構成の一例を示す図表である。
【図4】手信号代用信号機による応急運転の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図4の手信号代用信号機による応急運転のうちで、故障状態転てつ器チェックA−3の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図4の手信号代用信号機による応急運転のうちで、故障状態軌道回路チェックA−6の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図7】旅客ホーム45に相当する位置の軌道回路73の進入側の軌道回路72が故障し軌道回路72が落下状態となった場合の列車40の到着時刻の取得方法を説明する図である。
【図8】旅客ホーム45に相当する位置の軌道回路73の進出側の軌道回路74が故障した場合における出発時刻の取得方法を説明する図である。
【図9】本発明による列車運行管理装置の実施形態2の系統構成を示すブロック図である。
【図10】中央集中型列車運行管理装置101が保有する設備状態管理テーブル111の構成の一例を示す図表である。
【図11】中央集中型列車運行管理装置101が保有する信号機状態管理テーブル112の構成の一例を示す図表である。
【図12】本発明による列車運行管理装置の実施形態3の系統構成を示すブロック図である。
【図13】故障状態自動検知手段18の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】旅客ホーム45に相当する位置の軌道回路73が故障し軌道回路73が落下状態となった状態を示す図である。
【符号の説明】
【0106】
1 列車運行管理装置
2 制御用端末
10 演算処理手段
11 設備状態管理テーブル
12 信号機状態管理テーブル
13 ダイヤ情報DB
18 故障状態自動検知手段
20〜23 連動装置
25 連動情報伝送回線
30 各駅の現場設備
31〜33 中央集中型列車運行管理装置101の制御対象駅
40 列車
45,46 旅客ホーム
51,52 信号機
61,62 手信号代用信号機
71〜75 軌道回路
81,82 転てつ器
101 中央集中型列車運行管理装置
102 故障状態自動検知手段を備えた列車運行管理装置
103 故障状態自動検出手段を備えた中央集中型列車運行管理装置
110 中央集中型列車運行管理装置101の演算処理手段
111 中央集中型列車運行管理装置101の設備状態管理テーブル
12 中央集中型列車運行管理装置101の信号機状態管理テーブル
13 中央集中型列車運行管理装置101のダイヤ情報DB
200 設備状態管理テーブル111の駅名称欄
201 設備状態管理テーブル11または111の設備名称欄
202 設備状態管理テーブル11または111の設備状態欄
203 設備状態管理テーブル11または111の故障状態欄
210 信号機状態管理テーブル112の駅名称欄
211 信号機状態管理テーブル12または112の設備名称欄
212 信号機状態管理テーブル12または112の手信号代用許可欄
300 列車40の到着時のタイムチャート
301 軌道回路72の通常時の設備状態変化
302 軌道回路72の故障時の状態
303 軌道回路73の設備状態変化
304 軌道回路73落下時期の次の設備状態管理テーブル11の参照時刻
310 列車40の出発時のタイムチャート
311 軌道回路74の通常時の設備状態変化
312 軌道回路74の故障時の状態
313 軌道回路73の設備状態変化

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連動装置を介して接続された駅の信号機,軌道回路,転てつ器などの現場設備の状態を記憶する設備状態管理データベースと、信号機状態管理データベースと、駅を走行する列車のダイヤ情報を管理するダイヤ情報データベースと、これらデータベースの情報に基づき前記現場設備に制御指示を出力し前記列車に走行指示を出力する演算処理手段とからなる列車運行管理装置において、
前記設備状態管理データベースが、前記現場設備の故障状態を記憶する故障状態欄を備え、
前記信号機状態管理データベースが、前記信号機に付随する手信号代用信号機の代用可否を記憶する手信号代用許可欄を備え、
前記演算処理手段が、駅の現場設備の偶発故障または計画的な交換による使用不可能な状態が発生した場合に、使用可能な前記現場設備および前記手信号代用信号機の情報に基づき前記現場設備に対する制御指示および前記列車に対する走行指示を演算することを特徴とする列車運行管理装置。
【請求項2】
それぞれの連動装置を介して接続された複数の駅の信号機,軌道回路,転てつ器などの現場設備の状態を記憶する設備状態管理データベースと、信号機状態管理データベースと、前記複数の駅を走行する列車のダイヤ情報を管理するダイヤ情報データベースと、これらデータベースの情報に基づき各駅の現場設備に制御指示を出力し前記列車に走行指示を出力する演算処理手段とからなる中央集中型列車運行管理装置において、
前記設備状態管理データベースが、各駅の前記現場設備の故障状態を記憶する故障状態欄を備え、
前記信号機状態管理データベースが、各駅の前記信号機に付随する手信号代用信号機の代用可否を記憶する手信号代用許可欄を備え、
前記演算処理手段が、各駅の現場設備の偶発故障または計画的な交換による使用不可能な状態が発生した場合に、各駅の使用可能な前記現場設備および前記手信号代用信号機の情報に基づき各駅の前記現場設備に対する制御指示および前記列車に対する走行指示を演算することを特徴とする中央集中型列車運行管理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の列車運行管理装置において、
前記現場設備の故障状態および当該現場設備に対する制御指示の結果に基づき前記現場設備の故障状態を推定し前記設備状態管理データベースの前記故障状態欄を更新する故障状態自動検知手段を備えたことを特徴とする列車運行管理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の列車運行管理装置において、
前記演算処理手段が、駅の構内における旅客乗降位置,列車留置位置,その近傍の軌道回路が故障した場合に、隣接する軌道回路の状態に基づき列車の在線状況を推定する手段と、当該列車の在線位置の推定結果により列車の発車または到着の時刻を推定する手段とを含むことを特徴する列車運行管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−62513(P2006−62513A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−247066(P2004−247066)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【出願人】(000153443)株式会社 日立ハイコス (359)
【Fターム(参考)】