説明

初期設定画面表示装置および自動初期設定方法

【課題】機器を設置後自律的にその地域を推定し適切な初期設定画面を表示して作業者の初期設定にかかる負担を軽減する。
【解決手段】制御部30は、電源投入を契機にネットワーク20に接続し、特定のサーバ10にアクセスして得られる情報に基づき推定される地域に従い、記憶部31から該当する仕向け地用の初期設定画面情報を読み出して表示部32に表示する。このように、機器を設置後、最初に電源を投入したときに自律的にその地域を推定して仕向け地に適した最適な初期設定画面を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源投入を契機に、仕向け地に適した初期設定画面を表示する、初期設定画面表示装置および自動初期設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ショッピングスーパー等の店舗に設置される複数種類の機器を一括して管理し、制御可能な集中コントローラは、配下の機器について各種設定が必要とされる。店舗に設置される機器としては、例えば、販売食品を貯蔵する冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース、冷凍機、調理場に設けた業務用冷蔵庫、食品売り場などの空気調和を行なう空調機、照明機器、電力計等がある。
【0003】
これら機器に対する初期設定は、専用の入力・編集画面を使用して行なわれるが、機器の出荷先である仕向け地によっては、普段使用する言語とは違った言語を使用する設定が必要であり、または、文化の違いによってそれぞれの国に適した設定があるため、初期設定作業が煩雑であり、作業者にかかる負担が大きかった。
【0004】
ところで、従来、世界各地で用いられる言語について、ユーザが特別な知識なしに地域名を入力し、または選択することで、適切な言語切替えを可能にする言語切替え装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、世界の都市毎に予め定められた複数言語の優先順位と言語毎の文字データを記憶するメモリを備えており、CPUが、選択された都市における言語の優先順位によって決定される言語の文字データをLCD(Liquid Crystal Display)に優先的に表示させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−154774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術によれば、例えば、図10に示す初期設定画面において、利用者が英語表記された国名又は地域名を選択することにより、あるいは、直接、国名や地域名を入力することで、その国、もしくは地域で主に使用されている言語に表示を切り替えることができる。したがって、例えば、利用者自らがコンピュータに対して行なう初期設定作業等において、一定の効果が得られる。
【0007】
しかしながら、この言語切り替えにあたり、作業者に地域名の入力、または選択操作を強いるものであって、言語切替え装置自体が自律的に言語を切替えるものではない。したがって、機器を出荷する世界中のどの地域を仕向け地としても、電源投入時に自動的にその地域に適した初期設定画面を表示可能な初期設定画面表示装置および自動初期設定方法の出現が望まれていた。
【0008】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、機器を設置後、最初に電源を投入したときに、自律的にその地域を推定し適切な初期設定画面を表示することにより、作業者の初期設定にかかる負担を軽減した、初期設定画面表示装置および自動初期設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために本発明は、仕向け地に適した初期設定画面を表示部に表示するネットワーク接続環境を有する初期設定画面表示装置であって、仕向け地毎に予め用意される初期設定画面情報が記憶された記憶部と、電源投入を契機に前記ネットワーク接続環境を用いてネットワークに接続し、特定のサーバにアクセスして得られる情報に基づき推定される地域に従い、前記記憶部から該当する仕向け地用の初期設定画面情報を読み出して前記表示部に表示する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、制御部は、電源投入を契機にネットワークに接続し、特定のサーバにアクセスして得られる情報に基づき推定される地域に従い、記憶部から該当する仕向け地用の初期設定画面情報を読み出して表示する。従って、機器を設置後、最初に電源を投入したときに自律的にその地域を推定して仕向け地に適した最適な初期設定画面を表示するため、作業者の初期設定にかかる負担を軽減することができる。
【0011】
本発明において、前記制御部は、前記特定のサーバにアクセスして応答を監視し、前記地域を推定することを特徴とする。本発明によれば、例えば、NTP(Network Time Protocol)サーバにアクセスして応答を監視することで地域推定に信頼性の高い情報を得ることができる。
【0012】
本発明において、前記制御部は、設置された国が予めわかっている前記特定のサーバの複数にアクセスして応答メッセージを得、前記応答メッセージのヘッダを解析して発信元の国を特定し、応答時間が短いサーバが多い国を前記地域と推定することを特徴とする。本発明によれば、複数サーバにアクセスして応答メッセージのヘッダを解析し、応答時間が短いサーバが多い国を機器が設置された地域であると推定するため、応答時間の平均をとって地域を推定する方法に比べて信頼性の高い地域推定が可能になる。
【0013】
本発明において、前記制御部は、前記特定のサーバへの経路情報を取得し、前記取得した経路情報を解析して前記地域が属する国を推定することを特徴とする。本発明によれば、ルーティングを行い経路上で国や地域を判定できる情報を入手することによって設置場所が不明な機器の大まかな地域推定が可能になる。
【0014】
本発明において、前記記憶部には、更に前記仕向け地毎の設定値情報が記憶され、前記制御部は、前記推定された地域に基づき前記記憶部を参照して該当の設定値情報を読み出し、前記読み出された設定値情報を前記表示部に表示された初期設定画面の必要設定項目に埋め込み、前記仕向け地に適した初期設定を行うことを特徴とする。本発明によれば、制御部により仕向け地に適した初期設定が自動的に行われるため、初期設定を行う作業者の負担が大幅に軽減される。
【0015】
本発明において、前記制御部は、前記推定された地域の言語によらず、選択された言語に基づく前記初期設定画面情報を表示して前記初期設定を行うことを特徴とする。本発明によれば、推定された地域の言語に固定せず、作業者により選択された言語で初期設定を行うことができるため、作業者の要求に基づく柔軟性の高い初期設定が可能になるため、作業者に利便性を提供できる。
【0016】
本発明において、前記制御部は、前記地域の推定ができなかった場合、デフォルトで設定された言語に基づく前記初期設定画面情報を表示して前記初期設定を行うことを特徴とする。本発明によれば、地域推定が失敗に終わった場合、常に所定の言語が選択できるようにしておくことで、その言語を母国語とする作業者に利便性を提供することができる。
【0017】
本発明は、仕向け地毎に予め用意される、初期設定画面情報と設定情報とが記憶された記憶部と、表示部と、ネットワーク接続環境とを少なくとも有し、電源投入を契機に前記表示部に対し仕向け地に適した初期設定画面を表示する初期設定画面表示装置に用いられる自動初期設定方法であって、前記ネットワーク接続環境を用いてネットワークに接続するステップと、前記ネットワークに接続された特定のサーバにアクセスして得られる情報に基づき推定される地域に従い、前記記憶部から該当する仕向け地用の初期設定画面情報を読み出して前記表示部に表示するステップと、前記推定された地域に基づき前記記憶部を参照して該当の設定値情報を読み出し、前記読み出された設定値情報を前記表示部に表示された初期設定画面の必要設定項目に埋め込み、前記仕向け地に適した初期設定を行うステップと、を有することを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、機器を設置後、最初に電源を投入したときに、自律的にその地域を推定し、仕向け地に適した最適な初期設定画面を表示し、かつその仕向け地に適した初期設定が自動的に行われるため、初期設定を行う作業者の負担を大幅に軽減することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、機器を設置後、最初に電源を投入したときに自律的にその地域を推定し適切な初期設定画面を表示することにより作業者の初期設定にかかる負担を軽減した、初期設定画面表示装置および自動初期設定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1に係る初期設定画面表示装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る初期設定画面表示装置が使用する外部サーバ宛先テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る初期設定画面表示装置が作成する応答時間リストの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る初期設定画面表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1に係る初期設定画面表示装置により生成される初期設定画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る初期設定画面表示装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る初期設定画面表示装置が使用する地域データテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る初期設定画面表示装置が使用する設定値テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る初期設定画面表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】従来の初期設定画面表示装置によって表示される初期設定画面の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための実施の形態(以下、単に本実施形態という)について詳細に説明する。
【0022】
(実施形態の構成)
図1は、本実施形態1に係る初期設定画面表示装置の構成を示す図である。本実施形態1に係る初期設定画面表示装置100Aは、制御部30と、記憶部31と、表示部32と、操作部33と、により構成される。制御部30は、IP(Internet Protocol)網等のネットワーク20経由でNTPサーバ等の外部サーバ10に接続される。なお、ここで、外部サーバ10としてNTPサーバを例示したが、NTPサーバに限らず、予め設置された位置が分かっているサーバであればいずれのサーバであってもNTPサーバの代用が可能である。
【0023】
記憶部31として、半導体メモリ(ROM、RAM)、磁気ディスク、光ディスクのいずれが実装されてもよい。記憶部31には、初期設定画面テーブル311と、外部サーバ宛先テーブル312と、作業領域313とが割り当てられ記憶される。初期設定画面テーブル311には、仕向け地毎に異なる初期設定画面情報が予め記憶されている。また、外部サーバ宛先テーブル312には、例えば、図2にそのデータ構造の一例が示されるように、国・地域毎に設置されている特定のサーバの番号と、サーバ名と、IPアドレスが記憶されている。ここでは、特定のサーバとしてNTPサーバが例示されている。
【0024】
なお、作業領域313には、プログラム実行過程で作成される各種情報が記憶される。例えば、制御部30が地域推定のための処理を実行する過程で作成される図3にそのデータ構造の一例が示される応答時間リストが割り当てられ記憶される。図3によれば、応答時間リストは、サーバ番号毎に、国・地域名、応答時間がリストされる。
【0025】
制御部30は、電源投入を契機にネットワーク接続環境を用いてネットワーク20に接続し、特定のサーバ10にアクセスして得られる情報に基づき推定される地域に従い、記憶部31に割り当てられ記憶される初期設定画面テーブル311の中から該当する仕向け地用の初期設定画面情報を読み出して表示部32に表示する機能を有する。このため、制御部30は、ネットワーク入出力部301と、パケット解析処理部302と、地域推定演算部303と、初期設定画面選択処理部304と、描画・表示制御部305と、により構成される。
【0026】
ネットワーク入出力部301は、ネットワーク20とのインタフェースを担い、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に基づき、応答メッセージあるいはルーティングによる経路情報を取得してパケット解析処理部302に引き渡す。パケット解析処理部302は、ネットワーク入出力部301を介して複数の外部サーバ10にアクセスして応答メッセージを得たときに、応答メッセージのヘッダを解析して発信元の国を特定して地域推定演算部303に引き渡す。あるいは、ネットワーク入出力部301を介して外部サーバ10にアクセスしてルーティングを行って経路情報を取得して地域推定演算部303に引き渡す。
【0027】
地域推定演算部303は、パケット解析処理部302による応答メッセージの解析結果に基づき、例えば、応答時間が短いサーバが多い国を地域と推定し、あるいは、経路情報を解析することによって地域を推定して初期設定画面選択処理部304を制御する。初期設定画面選択処理部304は、地域推定演算部303により推定された地域に基づき記憶部31の初期設定画面テーブル311を参照して該当の仕向け地用初期設定画面情報を選択して読み出し描画・表示制御部305へ出力する。描画・表示制御部305は、初期設定画面選択処理部304によって選択され読み出された初期設定画面情報を表示部32に表示する表示情報に変換して不図示の表示メモリに描画し、これを表示部32の表示タイミングに同期して読み出し、表示部32へ出力することで所望の仕向け地用初期設定画面表示を得る。
【0028】
なお、表示部32は、LCDや有機EL(Organic Electro-Luminescence)等の表示デバイスであり、また、操作部33は、複数の操作入力用のキースイッチからなるマンマシン装置である。
【0029】
(実施形態1の動作)
以下、図4のフローチャートを参照しながら、本実施形態1に係る初期設定画面表示装置100Aの地域推定処理の動作について詳細に説明する。
【0030】
制御部30は、まず、記憶部31の外部サーバ宛先テーブル312からNTPサーバリストを取得する(ステップS101)。そして、このNTPサーバリストの中から任意の複数の外部サーバを選択し、この選択された外部サーバ10にアクセスすべくネットワーク入出力部301、ネットワーク20経由で該当の外部サーバ10をアクセスして応答を要求する(ステップS102)。そして外部サーバ10からの応答の有無を判定し(ステップS103)、応答があれば(ステップS103“YES”)、その応答メッセージをパケット解析処理部302に引き渡す。
【0031】
パケット解析処理部302は、その応答メッセージを解析して発信元の国を特定し、例えば、図3にデータ構造の一例が示される応答時間リストを作成して応答時間順にソートして記憶部31の作業領域313に格納する(ステップS104)。なお、作業領域313に格納された応答リストは、サーバ番号毎に、国・地域、応答時間の各情報で構成される。続いて、地域推定演算部303が、作業領域313に格納された応答時間リストを参照して応答時間が短い外部サーバが多い国を現在地と推定し、初期設定画面選択処理部304による初期設定画面情報の選択を制御する(ステップS105)。初期設定画面選択処理部304は、記憶部31の初期設定画面テーブル311を参照し、地域推定演算部303から出力される現在地に基づく該当の初期設定画面情報を選択して、描画・表示制御部305に出力する。描画・表示制御部305は、初期設定画面選択処理部304によって選択された初期設定画面情報を表示情報に変換して不図示の表示メモリに描画し、表示部32の表示タイミングに同期して読み出して表示部32へ出力することで所望の表示を得る。
【0032】
このとき表示部32に表示される画面構成の一例が図5(a)(b)(c)に示されている。図5(a)によれば、地域推定演算部303により推定される現在地は日本と判定され、このため、日本語が選択され、仕向け地を日本とした場合に最適な日本語表記された初期設定画面が表示される。なお、図5(b)に示されるように、現在地が日本と推定された場合であっても、操作部33を手動操作することで、例えば、中国語を選択することも可能であり、この場合、表示部32には中国語表記の初期設定画面が表示される。また、図5(c)に示されるように、地域推定が失敗した場合にはデフォルトで設定される英語が選択できるようになっていてもよい。また、このように、自動で選択された言語によらず英語が常に選択できるようにし、あるいは作業者の都合により他の言語について手動で選択できるようになっているため使い勝手が良い。
【0033】
(実施形態1の効果)
以上説明のように本実施形態1に係る初期設定画面表示装置100Aによれば、制御部30は、ネットワーク接続環境を用い、電源投入を契機にネットワークに接続し、特定のサーバにアクセスして得られる情報に基づき推定される地域に従い、記憶部31から該当する仕向け地用の初期設定画面情報を読み出して表示する。従って、機器を設置後、最初に電源を投入したときに自律的にその地域を推定して仕向け地に適した最適な初期設定画面を表示することができる。このため、作業者の初期設定にかかる負担が軽減される。なお、ここでいうネットワーク接続環境とは、ハードウエア的には、例えば、TCP/IPに準拠してネットワーク20経由で外部サーバ10とアクセス可能なネットワーク入出力部301をいい、ソフトウエア的には、応答メッセージや経路情報を閲覧可能なブラウザプログラムをいう。
【0034】
なお、本実施形態1に係る初期設定画面表示装置100Aによれば、応答メッセージを解析することにより現在地を推定したが、ルーティングを行い、経路上で国や地域を判定できる情報を入手することによっても同様の効果が得られる。また、本実施形態1に係る初期設定画面表示装置100Aによれば、推定された地域の言語に基づく初期設定画面を表示すること無く、作業者が選択した言語に基づく初期設定画面の表示も可能であり、このため使い勝手が向上する。
【0035】
(実施形態2)
図6は、本実施形態2に係る初期設定画面表示装置100Bの構成を示すブロック図である。図1に示す実施形態1との構成上の差異は、記憶部31に、地域データテーブル314と、設定値テーブル315が割り付けられて記憶される他に、制御部30の中に、描画・表示制御部305に代わって表示入力設定処理部306が付加されたことにある。
【0036】
制御部30は、推定された地域に基づき記憶部31を参照して該当の設定値情報を読み出し、読み出された設定値情報を表示部32に表示された初期設定画面の必要設定項目に埋め込み、仕向け地に適した初期設定を行う。この初期設定は、表示入力設定処理部306が、記憶部31に記憶された設定値テーブル315を参照して必要な設定項目情報を取得して行なうものとする。
【0037】
地域データテーブル314は、図7にそのデータ構造の一例が示されるように、国・地域毎に、使用言語、言語の優先度、気候や風習等、機器設定に必要な文化に関連する情報が格納されている。また、設定値テーブル315には、仕向け地毎の設定値情報が記憶される。具体的に、図8にそのデータ構造の一例が示されるように、例えば、国・地域毎に、機器別の運転モード、設定値、季節等に関する情報が記憶される。ここでは、国・地域が日本であると推定された場合は、機器がエアコンの場合、暖房時の設定温度は20℃であるといった具合である。
【0038】
(実施形態2の動作)
以下、図9のフローチャートを参照しながら、図6に示す本実施形態2に係る初期設定画面表示装置100Bの動作について詳細に説明する。
【0039】
図9において、制御部30は、電源投入を検知するとネットワーク入出力部301により、機器がネットワークに接続されているか否かを検知する(ステップS201)。ここで、機器がネットワーク20に接続されていることが検知されると(ステップS201“YES”)、地域推定処理を実行する(ステップS202)。ここで行なわれる地域推定処理は、図6にフローチャートで示す実施形態1同様、応答メッセージを解析するか、ルーティングによる経路情報を解析することにより行うものとするため、重複を回避する意味で説明を省略する。
【0040】
地域推定演算部303で地域推定が成功すると(ステップS203“YES”)、初期設定画面選択処理部304は、記憶部31の地域データテーブル314から推定された地域のデータを読み込む(ステップS204)。同時に、初期設定画面選択処理部304では、記憶部31の初期設定画面テーブル311を参照し、地域推定演算部303から出力される現在地に基づく該当の初期設定画面情報を選択して表示入力処理部306に出力する。
【0041】
これをうけて表示入力設定処理部306は、初期設定画面選択処理部304によって選択された初期設定画面情報を表示情報に変換して不図示の表示メモリに描画し、表示部32の表示タイミングに同期して読み出して表示部32へ出力することで所望の初期設定画面を表示する(ステップS205)。また、表示入力設定処理部306は、記憶部31の設定値テーブル315を参照し(ステップS206)、地域推定演算部303で推定された地域に基づき該当の設定値情報を読み出す。そして、読み出された設定値情報を、先に表示部32に表示された初期設定画面の必要設定項目に埋め込み(ステップS207)、仕向け地に適した初期設定を行う。
【0042】
一方、ステップS201のネットワーク接続判定処理で未接続と判定された場合(ステップS201“NO”)、あるいはステップS203の地域推定成功判定処理で地域推定が失敗に終わった場合(ステップS203“NO”)、表示入力設定処理部306は、デフォルトで設定された設定値に基づく初期設定を行い(ステップS208)、初期設定画面に対する設定を終了する。
【0043】
(実施形態2の効果)
以上説明のように本実施形態2に係る初期設定画面表示装置100Bによれば、制御部30は、推定された地域に基づき記憶部31(設定値テーブル315)を参照して該当の設定値情報を読み出し、読み出された設定値情報を表示部32に表示された初期設定画面の必要設定項目に埋め込み、仕向け地に適した初期設定を自動で行うため、初期設定を行う作業者の負担が大幅に軽減される。
【0044】
(自動初期設定方法)
なお、本実施形態に係る自動初期設定方法は、例えば、図6において、仕向け地毎に予め用意される、初期設定画面情報(初期設定画面テーブル311)と設定情報(設定値テーブル315)とが記憶された記憶部31と、表示部32と、ネットワーク接続環境(ネットワーク入出力部301)とを少なくとも有し、電源投入を契機に前記表示部32に対し仕向け地に適した初期設定画面を表示する初期設定画面表示装置(100B)に用いられる。そして、その自動初期設定方法は、例えば、図9のフローチャートにおいて、前記ネットワーク接続環境301を用いてネットワーク20に接続するステップ(S201)と、前記ネットワーク20に接続された特定のサーバ(外部サーバ10)にアクセスして得られる情報に基づき推定される地域に従い、前記記憶部31から該当する仕向け地用の初期設定画面情報を読み出して前記表示部32に表示するステップ(S202〜S205)と、前記推定された地域に基づき前記記憶部31を参照して該当の設定値情報を読み出し、前記読み出された設定値情報を前記表示部32に表示された初期設定画面の必要設定項目に埋め込み、前記仕向け地に適した初期設定を行うステップ(S206、S207)と、を有するものである。
【0045】
本実施形態に係る自動初期設定方法によれば、機器を設置後、最初に電源を投入したときに自律的にその地域を推定し、仕向け地に適した最適な初期設定画面を表示し、かつその仕向け地に適した初期設定が自動的に行なわれるため、初期設定を行う作業者の負担を大幅に軽減することができる。
【0046】
以上、本実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またそのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0047】
10・・・外部サーバ、20・・・ネットワーク、30・・・制御部、31・・・記憶部、32・・・表示部、33・・・操作部、301・・・ネットワーク入出力部、302・・・パケット解析処理部、303・・・地域推定処理部、304・・・初期設定画面選択処理部、305・・・描画・表示制御部、306・・・表示入力設定処理部、311・・・初期設定画面テーブル、312・・外部サーバ宛先テーブル、313・・・作業領域、314・・・地域データテーブル、315・・・設定値テーブル、100A、100B・・・初期設定画面表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕向け地に適した初期設定画面を表示部に表示するネットワーク接続環境を有する初期設定画面表示装置であって、
仕向け地毎に予め用意される初期設定画面情報が記憶された記憶部と、
電源投入を契機に前記ネットワーク接続環境を用いてネットワークに接続し、特定のサーバにアクセスして得られる情報に基づき推定される地域にしたがい、前記記憶部から該当する仕向け地用の初期設定画面情報を読み出して前記表示部に表示する制御部と、
を備えたことを特徴とする初期設定画面表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記特定のサーバにアクセスして応答を監視し、前記地域を推定することを特徴とする請求項1に記載の初期設定画面表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、
設置された国が予めわかっている前記特定のサーバの複数にアクセスして応答メッセージを得、前記応答メッセージのヘッダを解析して発信元の国を特定し、応答時間が短いサーバが多い国を前記地域と推定することを特徴とする請求項2に記載の初期設定画面表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記特定のサーバへの経路情報を取得し、
前記特定のサーバにアクセスしてルーティングを行って経路情報を取得し、前記取得した経路情報を解析して前記地域が属する国を推定することを特徴とする請求項2に記載の初期設定画面表示装置。
【請求項5】
前記記憶部には、更に前記仕向け地毎の設定値情報が記憶され、
前記制御部は、
前記推定された地域に基づき前記記憶部を参照して該当の設定値情報を読み出し、前記読み出された設定値情報を前記表示部に表示された初期設定画面の必要設定項目に埋め込み、前記仕向け地に適した初期設定を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の初期設定画面表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記推定された地域の言語によらず、選択された言語に基づく前記初期設定画面情報を表示して前記初期設定を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の初期設定画面表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記地域の推定ができなかった場合、デフォルトで設定された言語に基づく前記初期設定画面情報を表示して前記初期設定を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の初期設定画面表示装置。
【請求項8】
仕向け地毎に予め用意される、初期設定画面情報と設定情報とが記憶された記憶部と、表示部と、ネットワーク接続環境とを少なくとも有し、電源投入を契機に前記表示部に対し仕向け地に適した初期設定画面を表示する初期設定画面表示装置に用いられる自動初期設定方法であって、
前記ネットワーク接続環境を用いてネットワークに接続するステップと、
前記ネットワークに接続された特定のサーバにアクセスして得られる情報に基づき推定される地域に従い、前記記憶部から該当する仕向け地用の初期設定画面情報を読み出して前記表示部に表示するステップと、
前記推定された地域に基づき前記記憶部を参照して該当の設定値情報を読み出し、前記読み出された設定値情報を前記表示部に表示された初期設定画面の必要設定項目に埋め込み、前記仕向け地に適した初期設定を行うステップと、を有することを特徴とする自動初期設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−216075(P2012−216075A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80868(P2011−80868)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】