説明

制御システム

【課題】照明の消し忘れの防止、人の異常状態、火災、不法侵入の通報が行え、かつ装置の取り付けが簡単に行える制御システムを提供する。
【解決手段】自動モードが選択された場合には、人感知センサ13により室内に人が存在するか否か判断する。扉感知センサ15の送光素子から出力された光はリフレクタ43で反射され、受光素子に入力される。扉41が開かれると扉感知センサ15の受光素子に入力される光量が減り、出力電圧が低下する。この電圧を設定電圧値と比較し、設定電圧値未満になったとき扉41が開かれたと判断する。そして、リレー51をONして電球3を点灯する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は制御システムに係わり、特に照明の消し忘れの防止、人の異常状態、火災、不法侵入の通報が行え、かつ装置の取り付けが簡単に行える制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一人暮らしのお年寄りが増加傾向にあり、お年寄りの多くは何らかの体の不安を気遣いつつ生活を送っている。特に、健康に不安のあるお年寄りにとっては、自身の体調の異常を相手先に確実かつ素早く伝えられる方法がある場合には、かなり安心した日常生活が送れる。
【0003】
また家庭内において、無駄な照明等をつけっぱなしの状態のことがよくある。更に、就寝中に生じた火災によって、特に子供や老人が逃げ遅れて犠牲となる場合が多い。一人暮らしを狙った泥棒等の不法侵入も増加傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、かかる体調異常の報知、照明の消し忘れの防止、火災や不法侵入の報知を素人でも出来る程度の簡単な工事で、かつ安価に提供出来るシステムは従来存在しない。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、照明の消し忘れの防止、人の異常状態、火災、不法侵入の通報が行え、かつ装置の取り付けが簡単に行える制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため本発明(請求項1)は、電源ラインに接続された照明器具取付用の電極端子と、該電極端子に対し取付、取り外し自在で、取り付けられたときに該電極端子より給電されるアダプタと、該アダプタに対し取り付け自在で、取り付けられたときに該アダプタより給電される照明器具と、前記アダプタに配設され人の存在を感知する人感知センサと、該人感知センサで人の存在が感知され、かつ該人の存在感知開始後所定時間経過しても前記人感知センサによる検出信号の変動のないとき人の異常と判断する人異常判断手段と、該人異常判断手段で人の異常と判断されたとき、又は該判断に伴いされる所定の案内に対し応答の無かったとき、該人の異常の報知、該人の異常の所定の相手先への連絡及び該相手先との会話のいずれか少なくとも一つを行う人異常連絡手段とを備えて構成した。
また、本発明(請求項2)は、部屋、通路、玄関等の出入口である扉の開閉を感知可能な扉感知センサと、前記人感知センサで人の存在が感知され、かつ該人の存在感知開始後所定時間経過しても前記人感知センサ及び/又は前記扉感知センサによる検出信号の変動のないとき人の異常と判断する人異常判断手段とを備えて構成した。
更に、本発明は、電源ラインに接続された照明器具取付用の電極端子と、該電極端子に対し取付、取り外し自在で、取り付けられたときに該電極端子より給電されるアダプタと、該アダプタに対し取り付け自在で、取り付けられたときに該アダプタより給電される照明器具と、前記アダプタに配設され人の存在を感知する人感知センサと、該人感知センサで検出した人感知信号を伝送する伝送手段とを有する少なくとも一つの照明ユニットと、前記伝送手段で伝送された人感知信号を受信する受信手段と、警戒モード指定手段で不法侵入警戒モードの開始が指定された後に前記受信手段で受信された人感知信号を基に人の存在を感知したとき不法侵入が行われたと判断する不法侵入判断手段を有する制御ユニットとを備え、前記電極端子に給電するため屋根裏等に配設されている電源ラインと前記制御ユニットに対し室内コンセント等を介して給電するため壁裏等に配設されている電源ライン以外に前記照明ユニットと前記制御ユニット間にはケーブルが存在しないことを特徴としてもよい。
更に、本発明は、前記人感知センサで検出された信号を基に前記照明器具に対する自動による入り切り操作が行われることを特徴としてもよい。
更に、本発明は、前記照明ユニットには、部屋、通路、玄関等の出入口である扉の開閉を感知可能な扉感知センサと、該扉感知センサで検出した扉感知信号を伝送する伝送手段とを有し、前記制御ユニットには、前記伝送手段で伝送された扉感知信号を受信する受信手段と、警戒モード指定手段で不法侵入警戒モードの開始が指定された後に前記受信手段で受信された扉感知信号を基に不法侵入が行われたと判断する不法侵入判断手段とを有することを特徴としてもよい。
更に、本発明は、前記人感知センサで人の存在が感知され、かつ該人の存在感知開始後所定時間経過しても前記人感知センサ及び/又は前記扉感知センサによる検出信号の変動のないとき人の異常と判断する人異常判断手段と、該人異常判断手段で人の異常と判断されたとき、又は該判断に伴いされる所定の案内に対し応答の無かったとき、該人の異常の報知、該人の異常の所定の相手先への連絡及び該相手先との会話のいずれか少なくとも一つを行う人異常連絡手段とを備えたことを特徴としてもよい。
更に、本発明は、前記人感知センサは前記照明ユニットから分離自在であることを特徴としてもよい。
更に、本発明は、壁に埋め込まれ又は壁に取り付けられ又はコンセントに差し込み自在の操作パネルであって、該操作パネルには、人の存在を感知可能な人感知センサと、該人感知センサで検出した人感知信号を伝送する伝送手段とを有し、前記制御ユニットには、前記伝送手段で伝送された人感知信号を受信する受信手段を有し、前記不法侵入判断手段では,前記警戒モード指定手段で不法侵入警戒モードの開始が指定された後に前記受信手段で受信された人感知信号を基に人の存在を感知したとき不法侵入が行われたと判断されることを特徴としてもよい。
なお、本発明は、電極が内蔵されたソケット又はプラグ等の照明取付部材と、該照明取付部材に対し着脱自在の電極部と、該電極部より給電されるアダプタと、該アダプタに配設された人感知センサと、該人感知センサで人の存在を感知したとき発する人存在感知信号を基に照明を含む電気器具等及び/又は人の異常を含む防災を制御する制御手段とを備えて構成されてもよい。
【0006】
照明取付部材は、電極が内蔵されたソケット又はプラグ等である。電極部は、この照明取付部材に対し着脱自在である。アダプタはこの電極部より給電される。人感知センサはアダプタに取り付けられてもよいが、アダプタから分離されるようにしてもよい。この人感知センサで人の存在を感知したとき人存在感知信号が発せられる。そして、制御手段では、この人存在感知信号を基に照明を含む電気器具等及び/又は人の異常を含む防災を制御する。アダプタは、照明用傘及び照明回路部と一体化して構成されてもよい。
以上により、アダプタ等の取り付けが容易であり、かつアダプタ等への給電が容易に行える。
【0007】
また、本発明は、前記アダプタ又は前記電極部を介して給電される照明器具等と、該照明器具等の入り切りが操作される入切操作手段と、前記制御手段では、前記人存在感知信号を基に前記入切操作手段の操作を行うことを特徴としてもよい。
照明器具等は、アダプタ又は電極部を介して給電される。入切操作手段では、照明器具等の入り切りが操作される。
【0008】
制御手段では、人存在感知信号を基に入切操作手段の操作を行う。なお、人感知センサで人の存在を感知しなくなったとき、入切操作手段の切り操作を行うが、タイマー設定時間経過した後に切り操作を行うようにしてもよい。
このことにより、照明の点灯、消灯操作が自動で行える。従って、消し忘れを防止出来、省電力である。
【0009】
更に、本発明は、壁に埋め込まれ又は壁に取り付けられ又はコンセントに差し込み自在の操作パネルと、該操作パネルに配設され、給電回路の入り切り操作を行う入切操作手段と、人の存在を感知可能な人感知センサと、該人感知センサで人の存在を感知したとき発する人存在感知信号を基に前記入切操作手段及び/又は人の異常を含む防災を制御する制御手段とを備えて構成してもよい。
【0010】
操作パネルは、壁に埋め込み又は取り付られる。また、操作パネルはコンセントに差し込み自在なものとしても構成可能である。入切操作手段は、操作パネルに配設され、照明器具やラジオ、テレビ等の給電回路の入り切り操作が行われる。人感知センサは、人の存在を感知可能である。この人感知センサで人の存在を感知したとき人存在感知信号が発せられる。そして、制御手段では、この人存在感知信号を基に入切操作手段及び/又は人の異常を含む防災を制御する。
このことにより、照明等の点灯、消灯等の操作が自動で行える。従って、消し忘れを防止出来、省電力である。
【0011】
更に、本発明は、部屋、通路、玄関等の出入口である扉の開閉を感知可能な扉感知センサを備え、前記制御手段は、前記人感知センサで感知された人の存在信号又は前記人感知センサで人の不存在が感知され、かつ前記扉感知センサで感知された前記扉の開信号を基に前記入切操作手段の入り操作が行われることを特徴としてもよい。
【0012】
扉感知センサは、照明器具等が配設された部屋、通路、玄関等の出入口である扉の開閉を感知可能である。扉感知センサは、赤外線による以外に、リミットスイッチ、振動スイッチ、磁石による磁界変化検出型スイッチ等であってもよい。
【0013】
制御手段は、人感知センサで感知された人の存在信号又は人感知センサで人の不存在が感知され、かつ扉感知センサで感知された扉の開信号を基に入切操作手段の入り操作が行われる。
【0014】
扉の開放状態が維持されているときには、人感知センサで人の存在を感知したとき入切操作手段の入り操作を行う。一方、扉の開閉が行われている場合には、人感知センサで室内等に人の不存在が感知され、かつ扉感知センサで扉の開を感知したときには、人が室内に入るときなので、入切操作手段の入り操作を行う。 以上により、精度良く照明器具等を操作可能である。
【0015】
更に、本発明は、前記人感知センサで人の存在が感知され、かつ該人の存在感知開始後所定時間経過しても前記人感知センサ及び/又は前記扉感知センサによる検出信号の変動のないとき人の異常と判断する人異常判断手段と、該人異常判断手段で人の異常と判断されたとき、又は該判断に伴いされる所定の案内に対し応答の無かったとき、該人の異常の報知、該人の異常の所定の相手先への連絡及び該相手先との会話のいずれか少なくとも一つを行う人異常連絡手段とを備えて構成してもよい。
【0016】
人異常判断手段は、人感知センサで人の存在が感知され、かつこの人の存在感知開始後所定時間経過しても人感知センサ及び/又は扉感知センサによる検出信号の変動のないとき人の異常と判断する。人が存在すれば必ず部屋等の間を移動する。この状態を人感知センサ及び/又は扉感知センサによる検出信号の変動で検出する。人の存在感知開始後、所定時間経過しても検出信号の変動を確認出来ない場合には人の異常と判断する。
【0017】
人異常連絡手段では、人異常判断手段で人の異常と判断されたとき、又はこの判断に伴いされる所定の案内に対し応答の無かったとき、この人の異常の報知、この人の異常の所定の相手先への連絡及びこの相手先との会話のいずれか少なくとも一つを可能とする。
以上により、人が倒れている等の状況を把握出来、相手先に知らせることが出来る。このため、人は安心して日常生活を送れる。
【0018】
更に、本発明は、前記人の緊急状態を知らせる緊急ボタンと、該緊急ボタンが押されたとき前記人の緊急状態の報知、該人の異常の所定の相手先への連絡及び該相手先との会話のいずれか少なくとも一つが行える人異常連絡手段とを備えて構成してもよい。
【0019】
以上により、緊急ボタンで人の緊急状態を自ら相手先等に知らせることが出来るため、更に安心である。
【0020】
更に、本発明は、人が外出中か在宅中かを操作する操作手段と、該操作手段による操作により外出中が選択され、かつ前記人感知センサ及び/又は前記扉感知センサによる検出信号の変動があったとき不法侵入と判断する不法侵入判断手段と、該不法侵入判断手段で不法侵入と判断されたとき所定の相手先に報知する通信手段とを備えて構成してもよい。
【0021】
操作手段では、人が外出中か在宅中かを操作可能である。この操作は現場におけるボタン操作で行ってもよいし、電話による遠隔操作で行ってもよい。不法侵入判断手段では、操作手段による操作により外出中が選択され、かつ人感知センサ及び/又は扉感知センサによる検出信号の変動があったとき不法侵入と判断する。
【0022】
通信手段では、不法侵入判断手段で不法侵入と判断されたとき所定の相手先に報知する。
以上により、不法侵入を素早く検出し、報知出来るので安全である。
【0023】
更に、本発明は、火災を検知する火災検知手段と、該火災検知手段により火災を検知したとき該火災の発生及び/又は該火災の発生場所を報知する火災報知手段とを備えて構成してもよい。
【0024】
火災検知手段により火災を検知可能なので安心である。また、火災が発生した場合でもどの方向に逃げたらよいのか等分かるので更に安心である。
【0025】
更に、本発明は、リモコンと、該リモコンから送られる信号を受信する受信手段とを備え、前記人異常判断手段における人の存在の感知が、前記人感知センサによる感知と共に前記受信手段で受信された信号に基づき判断されることを特徴としてもよい。
【0026】
リモコンは、照明器具、テレビ、ラジオ、ビデオ、カセットデッキ、エアコン、健康機器等の制御が可能である。ON、OFFのみならず、音量や光度の調節が可能なボリュームを備えてもよい。受信手段では、リモコンによる制御が可能なすべての対象機器についての信号を受信する。受信手段は、リモコンに対応され、赤外線、電波、超音波等のセンサで構成可能である。
【0027】
リモコンの指向性が広い場合等には十分受信可能である。そして、これらのスイッチ類が操作されている状況では人は異常状態にはないと判断できる。従って、リモコンのスイッチ類が操作されている場合を人感知センサによる人の感知に加えることで、より人保護の精度を向上させることができる。
【0028】
更に、本発明は、リモコンと、該リモコンから送られる信号を受信する受信手段とを備え、前記入切操作手段の入り切り操作が前記受信手段で受信された信号に基づき行われることを特徴としてもよい。
【0029】
リモコンからは照明器具の光度の調節を可能としてもよい。リモコンからも照明器具の入り切り操作を可能とすることで、お年寄り等には楽である。
【0030】
更に、本発明は、前記受信手段が、前記人感知センサ又は前記扉感知センサと兼用されたことを特徴としてもよい。
【0031】
受信手段を、人感知センサ又は扉感知センサと兼用することで簡素かつ安価に構成できる。
更に、本発明は、照明器具の入り切り操作が行われる入切操作手段と、人の存在を感知可能な人感知センサと、前記人が外出中か在宅中かを操作する操作手段と、該操作手段による操作により外出中が選択され、かつ前記人感知センサによる検出信号の変動があったとき不法侵入と判断する不法侵入判断手段と、該不法侵入判断手段で不法侵入と判断されたとき、前記入切操作手段の入り操作を行う制御手段とを備えて構成してもよい。
不法侵入者が侵入しようとする際には、突然照明等が点灯する。このため、被害無く退散する可能性が大きい。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように本発明によれば、照明の点灯、消灯操作が自動で行える。従って、消し忘れを防止出来、省電力である。また、人の異常状態、火災、不法侵入の通報が行え、かつ装置の取り付けが簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態の側面断面図
【図2】同上底面図
【図3】本発明の第1実施形態の回路図
【図4】扉にリフレクタを取り付けた例
【図5】リフレクタ取り付け方法の一例
【図6】リフレクタ取り付け方法の別例
【図7】自動照明点滅動作のフローチャート
【図8】本発明の第2実施形態の側面断面図
【図9】本発明の第3実施形態の構成図
【図10】本発明の第4実施形態の構成図
【図11】本発明の第5実施形態の回路構成図
【図12】同上別回路構成図
【図13】同上別回路構成図
【図14】本発明の第6実施形態の回路構成図
【図15】本発明の第7実施形態の回路構成図
【図16】本発明の第8実施形態の回路構成図
【図17】本発明の第9実施形態の回路構成図
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の第1実施形態の側面断面図を図1に、また底面図を図2に示す。図1において、アダプタ5は2層構造となっており、アダプタ上層部5Aとアダプタ下層部5Bで構成されている。アダプタ上層部5Aの中央上部には、電球3の電極部3aと形状及び電極構造を同じくする電極部7が突設されている。
【0035】
そして、この電極部7は、ソケット1に螺入されることで装着自在なようになっている。このアダプタ上層部5Aの下部中央には開口9が設けられている。そして、この開口9には、アダプタ下層部5Bの中央上部に突設された円筒部11aが貫通されている。円筒部11aの上端には、水平にかつ円盤状に折り返された折り返し片11bが配設されている。
【0036】
アダプタ下層部5Bは、折り返し片11b、開口9によりアダプタ上層部5Aに対し360度程度回動可能なようになっている。円筒部11aの内側にはケーブルが通されている。アダプタ下層部5Bの側部には人の存在を感知するための人感知センサ13が張出部材14を介して配設されている。人感知センサ13は、例えば焦電型赤外線センサである。
【0037】
また、扉感知センサ15の送光素子及び受光素子は、水平支軸16回りに俯仰角を調整可能な角状筒部17内に配設されている。角状筒部17の電球3に対向する底面は、電球3からの光が入力し難いように上面より延長されている。扉感知センサ15は例えば赤外線センサである。
【0038】
角状筒部17の下部中央にはフック21aが設けられ、このフック21aより角状筒部17の外周回りに等距離隔てた位置にフック21b、21cが設けられている。フック21cは、フック21bの図中裏側に相当する箇所に配置されている。フック21a、21b、21cには紐23a、23b、23cが掛けられている。
【0039】
そして、この紐23a、23b、23cが張られたときには、紐23aが角状筒部17の長手方向に平行となるようになっている。紐23a、23b、23cの端部にはリング25が配設されている。
【0040】
リング25には、先端部にかぎ部27aのついた金掛具27が掛け外し可能なようになっている。金掛具27の基端部には紐掛部27bが形成されており、この紐掛部27bには紐29が結ばれている。アダプタ下層部5Bの下部中央には、内側に電極部31が形成された内部ソケット33が配設されている。そして、この内部ソケット33には、ソケット1より外された電球3の電極部3aがねじ込まれることで電球3が装着可能なようになっている。
【0041】
アダプタ下層部5Bには、電球3による熱の対流を円滑にするための風胴34Bが設けられている。内部ソケット33は、この風胴34B内上部に水平に張り出された十字状のフレーム36B及びこのフレーム36Bの内側に固定された筒体38Bにより、アダプタ下層部5Bの内側に固定されている。
【0042】
アダプタ上層部5A側にも同様に風胴34Aが設けられ、十字状のフレーム36A及びこのフレーム36Aの内側に固定された筒体38Aにより、アダプタ上層部5Aの内側に固定されている。
【0043】
風胴34Bの下部周囲には傘42が配設され、電球3の光が各センサに直接入力されないようになっている。アダプタ下層部5Bの側部には手動、自動を切り換えるプルスイッチ37が設けられ、プルスイッチ37は紐39を引くことにより操作可能なようになっている。
そして、操作の結果は、アダプタ下層部5Bの側部に配設された窓部32に、手動の場合は白、自動の場合は赤等として色分け表示されるようになっている。
【0044】
本発明の第1実施形態の回路図を図3に示す。図3において、交流はソケット1を介して電極部7に給電される。そして、この交流は、自動、手動の切替えスイッチであるプルスイッチ37を介して電球3に給電されるようになっている。
【0045】
手動が選択された場合には、室内の壁に埋設された壁埋め込み型スイッチ47より入切りの操作が可能であり、自動が選択された場合にはリレー51により入り操作、リレー52により切り操作可能なようになっている。また、リレー52により、手動の場合にも電球3の消し忘れの際には、所定時間経過後に切り操作可能なようになっている。なお、プルスイッチ37の選択如何によらず、後述するリモコンによりリレー51、52を操作し点灯、消灯が可能である。
【0046】
一方、交流はトランス53を介してコンバータ55で直流に変換されるようになっている。この直流分は、演算回路54、人感知センサ13及び扉感知センサ15に給電される。人感知センサ13及び扉感知センサ15で感知された信号は、それぞれ演算回路54に入力されるようになっている。演算回路54で演算された結果によりリレー51及びリレー52が駆動されるようになっている。
【0047】
次に、本発明の第1実施形態の動作を説明する。
アダプタ5は、既存の電球3をソケット1より一旦外し、この電球3の代わりにアダプタ5の電極部7をソケット1にねじ込むことで装着する。その後、アダプタ5の内部ソケット33に対し外された電球3をねじ込む。リング25には金掛具27のかぎ部27aを予め掛けておく。
【0048】
一方、図4に示すように、扉41には赤外線を反射可能なリフレクタ43を適所に張り付ける。なお、このリフレクタ43は、図5、図6に例示するように、リフレクタ43の面が扉感知センサ15に向かうように、糊着面45より任意角度傾斜可能なアングル部材49A、49Bに張り付けられてもよい。
【0049】
リフレクタ43まで紐29を引っぱることで支軸16回りに角状筒部17を俯仰させ、扉感知センサ15がリフレクタ43に直接向かうように設定することが出来る。俯仰角を設定後にはリング25より金掛具27を外す。
【0050】
このとき、リング25は図1の点線で示すように垂下される。このため、再び角状筒部17の俯仰角の調整が必要になった場合には、金掛具27を持ち、先端部のかぎ27aをリング25に掛けることで簡単に俯仰角の再設定が可能である。
【0051】
なお、金掛具27、リング25、フック21等は、扉感知センサ15の指向性如何により設定俯仰角が粗くても十分動作可能な場合には不要である。また、張出部材14は電球3の照度等との関係如何では不要である。
以上により、アダプタ5の取り付け及び扉感知センサ15等の設定は簡単に行える。また、特別な配線工事は不要である。
【0052】
次に図7のフローチャートを基に自動照明点滅動作の説明をする。
ステップ1(図中S1と略す。以下同旨)では、自動モードか手動モードかを、紐39を引きプルスイッチ37を操作することで選択する。ステップ1で手動モードが選択された場合には、壁埋め込み型スイッチ47により電球3の入り切りが可能である。
【0053】
ステップ1で自動モードが選択された場合には、ステップ3で室内の暗さが設定値以下か否か判断される。室内の明るさが図示しない光電素子により検出され、電圧出力される。この電圧値を設定値と比較し、設定値以下か否か判断する。設定値以下のとき室内は暗いと判断され、ステップ5に進む。
【0054】
ステップ5では、人感知センサ13により室内に人が存在するか否か判断する。人が存在すれば熱が発生されるので、この熱を人感知センサ13で感知する。そして、人感知センサ13からの出力電圧を設定電圧値と比較し、設定電圧値以上のとき人が存在すると判断し、設定電圧値未満のとき人が存在しないと判断する。
【0055】
但し、ステップ3及びステップ5は、光電素子を別途配設することなく処理が可能である。例えば人感知センサ13に焦電センサを用い、背景と人からの赤外線量を比較するようにすれば、背景の明るい内は動作しないように出来る。この場合、背景が暗くなることで焦電センサが機能し、かつ人から感知される熱量が設定電圧値未満となったとき人が存在しないと判断する。
【0056】
扉感知センサ15の送光素子から出力された光はリフレクタ43で反射され、受光素子に入力される。ステップ7で扉41が開かれると扉感知センサ15の受光素子に入力される光量が減り、出力電圧が低下する。この電圧を設定電圧値と比較し、設定電圧値未満になったとき扉41が開かれたと判断する。そして、ステップ9でリレー51をONして電球3を点灯する。
【0057】
一方、扉41がもともと閉じられていない場合には、ステップ11で人感知センサ13により人の存在が検知された場合にステップ9で電球3を点灯する。その後、ステップ13で人の存在が検知され続ける限り電球3の点灯状態を継続する。
【0058】
人の存在が検知されなくなったとき、タイマー設定された時間経過後にステップ15でリレー52をONして電球3を消灯する。また、ステップ1で手動モードが選択された場合でも、ステップ13で人の存在検知を行い、人の存在が検知されなくなったとき、タイマー設定された時間経過後にステップ15でリレー52をONして電球3を消灯する。
【0059】
なお、人感知センサ13が光による影響を受ける場合には、人感知センサ13部分は取り外し可能として、延長ケーブルにより光量の少ない光による影響の少ない箇所に設置可能なようにしてもよい。
【0060】
この場合、例えば壁等に人感知センサ13の内蔵されたユニットを配置し、所定高さ以上に指向性を設定すれば、人感知センサ13が人以外の犬、猫等の動物に対して感知するのを防止出来る。アダプタ5の下部周囲には、電球3を収納可能なグローブが取り付けられるようにしてもよい。
【0061】
更に、扉感知センサ15に代えて、アダプタ5より延長コードを介して扉41にリミットスイッチ、振動スイッチ、磁石による磁界変化検出型スイッチ等を配設するようにしてもよい。
【0062】
以上により、暗い室内に人が入るとき、扉41を少し開けるだけで電球3が点灯され室内が明るくなる。このため、明るい部屋に入ることが出来る。また、扉41が開放状態のままのときは人が暗い室内に人った時点で点灯される。
【0063】
但し、人感知センサ13の指向性を広くとり、扉41まで届くように設定しておけば人が暗い室内に人る直前に点灯することも可能である。室内より人がいなくなったとき、所定時間後に室内は消灯される。特にトイレ等の電灯の消し忘れに有効である。このため、省電力である。
【0064】
また、廊下や階段等の通路であって、扉とは無関係に人の検知によってのみ照明を入切り操作したい場合には、アダプタ5に角状筒部17は不要であり、人感知センサ13のみを配設する。
【0065】
なお、電球3による光の影響を考慮して角状筒部17を配設した。しかしながら、扉感知センサ15の受光素子に対し、発光と同一の周波数の赤外線を通過させる光学フィルタを設置すれば、角状筒部17を例えば傘42の内側に配設することもできる。
【0066】
また、扉感知センサ15の送光素子からパルスを送信するようにしたり、例えばM系列信号等の符号を送信するようにしてもよい。M系列信号は、2値(0と1、1と−1等)をとる2P−1(Pは適当な正整数)を周期とする2進疑似乱数列である。受信した信号をメモリに保存し、この受信信号を送信信号との間で相関をとる。
【0067】
そして、相関の結果に従い、出力された波形を設定値と比較し、設定値以下になったときに扉41が開かれたことを判断する。
以上により、電球3による光の影響を受けても扉41の感知精度を確保することができる。
【0068】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態の側面断面図を図8に示す。なお、図1と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。ロック式シーリングプラグのボディ91には、もともと天井吊り下げ型照明器具90の角型引掛シーリングプラグ93が掛止されていたものである。
【0069】
アダプタ上層部105Aの上部には、ボディ91に対し掛止可能なように掛止電極部95が設けられている。アダプタ上層部105Aの下部には、アダプタ下層部105Bが、折り返し片11b、開口9によりアダプタ上層部105Aに対し360度程度回動可能なようになっている。
【0070】
アダプタ下層部105Bの底部には、角型引掛シーリングプラグ93が掛止可能なように掛止電極受部97が配設されている。アダプタ上層部105Aの周端上部と天井間には化粧部材99が包囲されている。
【0071】
かかる構成において、天井吊り下げ型照明器具90でもアダプタ105の取り付け及び各センサの設定が容易に行える。なお、アダプタ105は、天井吊り下げ型照明器具90の傘及び照明回路部と一体化して構成することも可能である。 次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0072】
本発明の第3実施形態は壁埋め込み型スイッチに関するものである。図9において、壁埋め込み型化粧パネル61には、自動モード、手動モードを切り換えるスイッチ63及び室内照明を入り切り操作するスイッチ65が配設されている。
【0073】
壁埋め込み型化粧パネル61の下部にはトランス収納部61Aが配設されている。また、壁埋め込み型化粧パネル61には、開口66、67が設けられており、人感知センサ69は開口66内を左右に旋回自在なようになっている。扉感知センサ71の内蔵された筒部73は開口67内を所定角度旋回自在なようになっている。
【0074】
フック75a、75b、75cには紐77a、77b、77cが掛けられている。紐77a、77b、77cの端部にはリング79が配設されている。そして、この紐77a、77b、77cが張られたときには、リング79がセンサ面の垂直上方に位置するようになっている。リング79には、先端部にかぎ81aのついた金掛具81が掛け外し可能なようになっている。
【0075】
金掛具81の基端部には紐掛部81bが形成されており、この紐掛部81bには紐83が結ばれている。リフレクタ43まで紐83を引っぱることで筒部73を旋回させ、扉感知センサ71がリフレクタ43に直接向かうように設定することが出来る。旋回角を設定後にはリング79より金掛具81を外す。
【0076】
このとき、リング79は図6の点線で示すように垂下される。なお、人感知センサ69及び筒部73の突設部分を設定後に保護するため透明な蓋を被せるようにしてもよい。
【0077】
かかる構成において、スイッチ63で自動モードが選択されたとき、図7のフローチャートに沿って照明器具の点滅操作が行われる。一方、手動モードが選択されたとき、スイッチ65により室内照明を入り切り操作可能である。人感知センサ69は水平に指向性を広く有するようにする。
【0078】
このため、1つのセンサでは指向性が狭い場合には例えば3個を水平方向に指向性中心角度を異ならせるように並べて配置する。特に下方向の指向性が抑制されるように、遮蔽物をセンサ光源入力下部に配設等するのが望ましい。
【0079】
このことにより、人以外の犬、猫等の動物に対して不感知とすることが出来る。金掛具81、リング79、フック75等は、扉感知センサ71の指向性如何により設定旋回角が粗くても十分動作可能な場合には不要である。
【0080】
また、壁埋め込み型化粧パネル61自体を壁面より突設させた場合には、図9のように壁埋め込み型化粧パネル61の表面ではなく、側面に扉感知センサ71及び人感知センサ69の内のいずれか少なくとも一方を配設することも可能である。
【0081】
更に、扉感知センサ71及び人感知センサ69は感度を良くするため旋回可能としたが、感度を犠牲としても動作可能であれば予め所定の向きに固定とされてもよい。
【0082】
なお、扉感知センサ71及び人感知センサ69の配設位置は、開口66、67及び人感知センサ69、筒部73の大きさ、形状を統一し、左右いずれの方向にも対処可能なように回動自在の基板に対し人感知センサ69、筒部73を部品として着脱自在としてもよい。
【0083】
基板と人感知センサ69、筒部73には、それぞれ電極端子、制御端子を配設し、それぞれの電極端子、制御端子同士が部品としての人感知センサ69、筒部73の装着時に当接されるようにする。但し、この場合には扉感知センサ71及び人感知センサ69の制御線の切替えスイッチを別途設ける必要がある。
【0084】
しかしながら、基板側の制御端子には予め扉感知センサ71及び人感知センサ69用に2端子配設しておき、人感知センサ69、筒部73側でいずれか一方の端子のみと当接するようにすれば切替えスイッチは不要となる。また、壁埋め込み型化粧パネル61自体を上下逆に取り付けることで左右の位置を設定するようにしてもよい。
【0085】
また、廊下や階段等の通路であって、扉とは無関係に人の検知によってのみ照明を入切り操作したい場合には、壁埋め込み型化粧パネル61に筒部73は不要であり、人感知センサ69のみを配設する。
なお、人が寝室において就寝する場合等は、スイッチ63を手動に切替えスイッチ65を入り切り操作する。
【0086】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本発明の第4実施形態は壁取り付け型スイッチに関するものである。図10に示すように壁取り付け型スイッチは、電源タップと兼用することも可能である。なお、図9と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
【0087】
パネル111は壁等に取り付け可能であり、電源プラグ113により他のコンセントから給電される。コンセント115にはスタンド117の他、ラジオ等も接続可能である。そして、人が不在となったとき不要となったこれらの電源を切ることが可能であり、また人が感知されたとき再び電源の投入が可能である。従って、省電力である。
【0088】
なお、図10において、電源プラグ113及びこの電源プラグ113に続くケーブルを省略し、パネル111の背面に電極端子を突設し、コンセントに対し直接この電極端子を差し込み自在としてもよい。また、この電極端子は、可動端子としてパネル111内に収納自在としてもよい。
【0089】
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本発明の第5実施形態は、第1〜第4実施形態を基に人の移動を検知し、静止状態が継続する場合には人身の異常を検出、報告等するものである。
【0090】
本発明の第5実施形態の回路構成図を図11に示す。図11において、人感知センサ13及び扉感知センサ15で検出された信号はそれぞれ演算回路54でパルス信号化され、変調器121により搬送波で変調され、電源ラインに乗せられるようになっている。
【0091】
パルス信号は、図示しないダイヤルスイッチの切替えにより、各機器毎にパルス幅を異ならせることが可能である。また、パルス信号は符号化するようにしてもよい。
【0092】
電源ラインに乗せられたパルス信号は、コンセント122を介して変換器120に伝えれる。変換器120は、持ち運び可能であり、コンセント接続により室内の何処でも使用可能である。
【0093】
そして、変換器120のフィルタ123で交流と分離される。その後、復調器125で搬送波が除去され、パルス整形器127でパルス整形される。このパルス信号は演算部129に入力されるようになっている。
なお、アダプタ5についての回路構成を例に説明したが、他の機器であるアダプタ105、壁埋め込み型化粧パネル61、パネル111等でも同様である。
【0094】
かかる構成において、人感知センサ13で人が検出されたとき演算回路54より人感知ON信号が発せられる。その後人が検出されなくなったとき人感知OFF信号が発せられる。また、扉感知センサ15で扉41が開になったとき演算回路54より扉感知ON信号が発せられる。
【0095】
扉41が閉になったとき扉感知OFF信号が発せられる。かかるパルス信号は昼夜を問わず発せられる必要がある。このため、室内の明るさや背景とは無関係に人が検出された場合、扉の開閉時にパルス出力されるものとする。このため、出来るだけ室内の明るさの低い位置にセンサを配置するのが望ましい。
【0096】
また、センサ出力は背景と比較しないものとする。検出されたパルス信号は、それぞれ電源ラインに乗せられ搬送される。その後、復調されたパルス信号は演算部129に入力される。なお、パルス信号はまた、手動、自動モードにかかわらず発せられる。
【0097】
人感知センサ13で人が検知され、人感知ON信号が発せられた後、所定時間を経過しても、人感知OFF信号が発せられないとき、又は人感知ON信号が発せられた後、所定時間を経過しても、その後いずれの機器からも何らのパルス信号も演算部129に入力されないとき、演算部129では人が倒れている等の異常状態と推定する。
【0098】
この場合、まずスピーカ128より、「大丈夫ですか。部屋を移動出来ますか。」等の移動を促す音声案内を行い、その後も演算部129で何らのパルス信号も受信しないとき緊急状態と判断する。
【0099】
演算部129で緊急状態と判断されたとき、電話機137がダイヤル自動接続回路135により予め設定した電話番号に接続される。その後、音声ICにより相手先に人の異常が伝えられる。
【0100】
電話機137は、各室内の移動性を考慮して携帯電話が望ましい。そして、この電話機137は変換器120と一体構成されている。また、電話機137はモデムを介して他の電話機と通信回線を共有出来るようにしてもよい。
なお、人感知センサ13又は扉感知センサ15を利用して、別途配設されるリモコンから送信される赤外線を受信可能としてもよい。
【0101】
但し、リモコンからの信号の受信のために独立したセンサを配設するようにしてもよい。この場合には、受信される信号が電波や超音波、赤外線等でも可能である。人感知センサ13や別途配設するセンサ等により受信された信号は、演算回路54に入力されるようになっている。そして、演算回路54で演算された結果によりリレー51及びリレー52が駆動されるようになっている。
【0102】
リモコンは、電球3を制御すると共にテレビ、ラジオ、ビデオ、カセットデッキ、エアコン、健康機器等の制御も兼用することが可能である。ON、OFFのみならず、音量や光度等の調節が可能なボリュームを備えてもよい。リモコンを複数の制御対象機器で兼用する場合には、各制御対象機器毎にIDコードを割り付けて制御信号と共に送信する。受信の際には、このIDコードを判断することで各制御対象機器を区別可能である。従って、例えば、電球3の制御に対し独自のIDコードを割り付ければ電球3のみを制御可能である。
【0103】
リモコンのスイッチ類が操作されている状況では人は異常状態にはないと判断できる。リモコンによる制御が可能なすべての対象機器についての信号を受信可能としたことで、いずれかの機器の制御が行われた場合に人の安全を確認できる。人の安全の確認に際しては、いずれの制御対象機器に対する信号かを区別する必要はなく、リモコンからいずれかの制御信号を受信したことを確認するだけで人が安全であると判断する。
従って、リモコンは、使用されている信号が赤外線等で共通してさえいれば、電球3の制御用リモコンとは別個に配設されたリモコンであっても適用可能である。また、「大丈夫ですか。」等の音声案内に対してリモコンを操作することでも応答可能である。
【0104】
信号は、リモコンの指向性が広い場合等には制御対象機器に向けた方向以外であっても十分受信可能である。また、リモコンの指向性が狭い場合には広くすることが望ましい。
このように、リモコンのスイッチ類が操作されている場合を人感知センサによる人の感知に加えることで、人保護の精度を一層向上させることができる。
【0105】
また、各機器単位で緊急状態を推定するようにしてもよい。図12に回路構成図を示す。図12において、演算回路54から出力された音声信号は、スピーカ56より出力されるようになっている。この場合には次のように行う。
【0106】
人感知センサ13により演算回路54で人が検知された後、所定時間を経過しても、その後人の検知が解除されず、かつこの所定時間内に扉の開閉感知がされないとき、人が倒れている等の緊急状態と推定し、演算回路54より緊急信号を発するようにしてもよい。なお、この場合には、各機器より同一仕様の緊急信号のみが発せられることとなるためダイヤルスイッチは不要である。
【0107】
例えば、人が入浴中の場合について説明する。所定時間は予めタイマー設定可能とする。このタイマー設定を30分としたとき、人感知センサ13により人が検知された後、30分を経過しても、その後人の検知が解除されず、かつ扉の開閉感知がされないとき、「大丈夫ですか。リフレクタに手をかざしてみて下さい。」の案内をスピーカ56より流す。人が体調に異常の無いとき、リフレクタ43に手をかざすことで、扉感知センサ15への赤外線の受光量が減る。
【0108】
演算回路54では、この受光量の変化を扉の開としてとらえ、人が正常であると判断する。人に体調の異常があり、リフレクタ43に手をかざすことが出来ない場合には、受光量の変化を検出出来ない。この際には、人が倒れている等の緊急状態と推定し、演算回路54より緊急信号を発する。同時にスピーカ56より電子警告音を発する。
【0109】
このことにより、風呂場以外にいる他の人に緊急状態を報知することが出来る。扉感知センサ15への赤外線の受光量の変化検出の後も30分毎にかかる処理を繰り返す。しかしながら、次の問い合わせは、時間を短縮して問い合わせるようにしてもよい。また、緊急信号を解除するにはリフレクタ43に手をかざすか、扉を開するか、又は人の退出により解除可能である。
なお、風呂場にアダプタ5等を配設する場合には、アダプタ5等を防水構造とするのが望ましい。
【0110】
以上により、電球を交換する程度の簡単な作業でアダプタ5等を配設出来る。そして、自動照明点滅動作により照明の消し忘れ等に対処可能であり、また、人の異常状態に対し注意を喚起したり、その状態を他人に報知することが出来る。なお、風呂場の他、各室内やトイレ等の場合もタイマー設定を異ならせるだけで上述と同様に適用可能である。
【0111】
また、鋭角な指向性を有する人感知センサ13を感知エリアを重複若しくは異ならせるように複数個配置することで人の動きを感知可能なようにしてもよい。この場合には、人の動きが止まってから所定時間経過したときリフレクタ43に手をかざすように音声案内を行い、それでも継続して静止状態が続き、扉が開閉されない場合には人が倒れている等の緊急状態と判断する。
【0112】
なお、電源ラインの引き込み口付近には、搬送波等が外部に漏れるのを防止するためフィルタ131が配設されるのが望ましい。
また、パルス信号は電源ラインに乗せるのではなく、各機器側よりパルス信号を変調した後電波で送信し、変換器120側で受信後復調するようにしてもよい。
【0113】
図13には、複数台の機器(アダプタ5以外は図中省略)で検出された緊急状態を変換器120に伝え、電話機137により送信する場合の構成図を示す。
この場合には、各機器で検出された緊急信号が演算回路54でパルス信号化され、変調器121により搬送波で変調され、電源ラインに乗せられる。そして、変換器120のフィルタ123で交流と分離された後、このパルス信号は演算部129に入力される。その後、電話機137を介して音声ICにより相手先に人の異常が伝えられる。
【0114】
なお、設備導入当初はアダプタ5のみを設置し、その後、必要に応じて他の機器を増設したり、変換器120を配設することも可能である。この場合の設置は増設分のみに対し簡単に行える。既存設備の改造工事は不要である。
【0115】
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
本発明の第6実施形態は、図14に示すように、人感知センサ13及び緊急ボタン133をボックス130に配設したものである。ボックス130は、アダプタ5からケーブルで延長され、壁等に取り付け可能である。
【0116】
かかる構成において、緊急ボタン133を押すことで、演算回路54に緊急信号として入力される。その後は、パルス信号として電源ラインに乗せられ、復調された後、演算部129に入力される。
【0117】
そして、電話機137で人の異常が相手先に伝えられる。但し、変調器121や変換器120によらず、アダプタ5のスピーカ56より電子警告音を発するようにしてもよい。この場合、他の同居人がいる場合に風呂場やトイレ等に設置すると効果的である。また、変換器120等の不要な分安価に構成出来る。
以上により、人の体調異常時に速やかな対応が行える。
【0118】
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
本発明の第7実施形態は、不法侵入者を検知し、報知するものである。以下、アダプタ5を例に説明するが、他の機器でも同様である。
【0119】
図15に示すように、アダプタ5には、演算回路54と接続される外部端子141が配設されている。この外部端子141には、外部ケーブル142を介して屋外の外壁等に取り付けられた外部端子ボックス143の外出中スイッチ145が接続されている。
【0120】
かかる構成において、人が外出時に外出中スイッチ145を入り操作すれば、演算回路54より所定の外出中パルスが発せられる。演算部129では、この外出中パルスが検知されたとき、不法侵入警戒モードが開始され、その後に扉感知センサ及び人感知センサからのパルス信号を受信したとき不法侵入であると推定する。
【0121】
そして、電話機137がダイヤル自動接続回路135により予め設定した電話番号に接続される。その後、音声ICにより相手先に不法侵入である旨が伝えられる。
人が家に戻ったときには外出中スイッチ145を解除する。このとき、演算回路54より所定の在宅パルスが発せられる。この在宅パルスは、演算部129に伝えられ、不法侵入警戒モードが解除される。
【0122】
なお、外部ケーブル142が切断されたりした場合を考慮し、外出中スイッチ145に並列に抵抗を配設し、わずかの電流を常時ながしておく。この電流が検出されなくなったとき、異常と判断し報知するようにしてもよい。
【0123】
外部端子ボックス143は、目立たない場所に取り付けることが望ましいが、このため、外部端子ボックス143に距離的に最も近い機器の外部端子141に外部ケーブル142を接続可能である。
また、変換器120に外出中スイッチ145を接続し、所定の外出中パルスを直接演算部129に入力するようにしてもよい。
【0124】
なお、外出先のプッシュ電話や携帯電話からこの不法侵入警戒モードを設定可能である。この場合には、電話機137に接続後、音声案内がされている間に予め設定した暗証番号を入力する。この暗証番号は、周波数分析され、番号等が認識される。暗証番号が一致したときには、現在のモードを案内する。
【0125】
このとき、例えば、不法侵入警戒モードに変更するための番号(例えば1)を入力することで不法侵入警戒モードが選択される。その後、不法侵入警戒モードが選択されたことを音声案内する。一方、不法侵入警戒モードを解除する場合には例えば0を入力する。
【0126】
以上により、不法侵入のされている旨を確認できる。なお、不法侵入者が侵入しようとする際には突然照明等が点灯する。このため、被害無く退散する可能性が非常に大きい。また、家人が寝室で就寝中に、不法侵入者が寝室以外の他の部屋に入った場合にも照明等が点灯するため、不法侵入者は退散する可能性が非常に大きい。
【0127】
更に、カメラを配置し、不法侵入のされた部屋を照明等の点灯と同時に撮像するようにしてもよい。この際には、アダプタ5、105、壁埋め込み型化粧パネル61、パネル111等又は変換器120より不法侵入の旨の信号を出力し、この信号に基づきカメラを操作するのが望ましい。アダプタ5等から不法侵入の旨の信号を出力するためには、後述の図17の緊急信号165を用いて操作することが可能である。
【0128】
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
本発明の第8実施形態は、火災を検知し、報知するものである。図16において、煙感知センサ151が天井に取り付けられる機器であるアダプタ5、105に配設されている。
【0129】
煙感知センサ151で検出された信号は演算回路54に入力されるようになっている。スピーカ153が、アダプタ5、105に設けられており、このスピーカ153は演算回路54と接続されている。但し、ボックス130が配けられる場合には、このボックス130内にスピーカ153を配設するのが望ましい。
【0130】
かかる構成において、煙感知センサ151により煙が感知された場合には、演算回路54でパルス信号が送出される。そして、スピーカ153より火災である旨の案内や警報等が音声ICより出される。パルス信号は、図示しないダイヤルスイッチの切替えにより機器毎にパルス幅を異ならせることが可能である。
【0131】
また、パルス信号は符号化するようにしてもよい。パルス信号は演算部129に伝えられる。この際にはどの機器から送信されたパルス信号であるか認識出来る。演算部129の音声ICには、機器毎に対応させて、例えば「台所が火事です」「寝室が火事です」「居間が火事です」等の予め用意した言葉を割り付ける。
【0132】
そして、スピーカ128よりこの案内をすると共に電話機137をダイヤル自動接続回路135により予め設定した電話番号に接続する。その後、音声ICにより相手先に「寝室が火事です」等の案内が伝えられる。
【0133】
誤報の場合には変換器120及びボックス130の図示しないリセットボタンを押す。リセット信号は演算回路54、演算部129に伝えられ火災信号の解除が行われる。
【0134】
以上により、どこで火事が生じたのか具体的に判断出来、逃げ口の選択や消火活動を素早く行うことが出来る。また、回路や煙感知センサ151に供給する電源等は、独立したものを用意する必要が無く、その分簡素に構成出来、安価である。
【0135】
次に、本発明の第9実施形態について説明する。
本発明の第9実施形態は、電話機137がダイヤル自動接続回路135により予め設定した電話番号に接続された後、相手先と会話することが出来るようにするものである。
【0136】
図17に本発明の第9実施形態の回路構成図を示す。なお、図11〜図16と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。図17において、演算回路54で出力されたパルス信号は、切換回路155を介して変調器121で変調され、電源ラインに乗せられる。変換器120の復調器125で復調された後、信号判別器171でパルス信号と判断された信号は、演算部129に伝えられる。
【0137】
演算部129で人異常の推定がされたとき、「大丈夫ですか。部屋を移動出来ますか。」等の移動を促す音声案内が音声ICより切換回路169を介してスピーカ128から発せられる。同時に、この音声信号は変調器157を介して電源ラインに乗せられる。そして、アダプタ5のフィルタ159、復調器161を介してスピーカ153より同じ音声案内がされる。
【0138】
この音声案内の後、何らのパルス信号の変化がないとき、演算部129で人の異常と判断され電話機137がダイヤル自動接続回路135により予め設定した電話番号に接続される。この際には、人異常信号が変調器157を介して電源ラインに乗せられる。
【0139】
そして、アダプタ5のフィルタ159、復調器161を介して信号判別器163で人異常の緊急信号165が判定される。この緊急信号165により、切換回路155はマイク167からの音声信号を通すように切り換えられる。なお、マイク167は、人感知センサ13、スピーカ153及び緊急ボタン133と同様にボックス130に配設されるのが望ましい。
【0140】
その後、「人に異常があります。」の案内が電話機137を通じて相手先に伝えられる。スピーカ128及びスピーカ153からも同じ案内がされる。所定回数の案内の後、切換回路169は電話機137と変調器157を接続する。
【0141】
これにより、電話機137で相手先より受けた話は変調器157、復調器161を介してスピーカ153から聞こえる。一方、マイク167で抽出された音声は切換回路155、変調器121、復調器125、音声増幅器173、電話機137を介して相手先に伝えられる。
【0142】
また、人が緊急ボタン133を押した場合には、この信号が演算部129で判断され、電話機137で人の異常が相手先に伝えられる。その後、切換回路155、169が切り換えられるのは前述と同様である。
【0143】
以上により、相手先からの問い合わせに答えることが出来る。なお、緊急状態の判断や音声案内が、各機器毎にされる場合には、変換器120側から各機器に対し音声案内等は行われない。この際には、信号判別器163は不要である。
【符号の説明】
【0144】
1 ソケット
3 電球
5、105 アダプタ
7、31 電極部
9 開口
13、69 人感知センサ
15、71 扉感知センサ
17 角状筒部
21 フック
33 内部ソケット
37 プルスイッチ
41 扉
43 リフレクタ
54 演算回路
56、128、153 スピーカ
61 壁埋め込み型化粧パネル
73 筒部
90 天井吊り下げ型照明器具
91 ボディ
111 パネル
120 変換器
121、157 変調器
125、161 復調器
129 演算部
130 ボックス
133 緊急ボタン
135 ダイヤル自動接続回路
137 電話機
145 外出中スイッチ
151、169 煙感知センサ
155 切換回路
165 緊急信号
167 マイク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源ラインに接続された照明器具取付用の電極端子と、
該電極端子に対し取付、取り外し自在で、取り付けられたときに該電極端子より給電されるアダプタと、
該アダプタに対し取り付け自在で、取り付けられたときに該アダプタより給電される照明器具と、
前記アダプタに配設され人の存在を感知する人感知センサと、
該人感知センサで人の存在が感知され、かつ該人の存在感知開始後所定時間経過しても前記人感知センサによる検出信号の変動のないとき人の異常と判断する人異常判断手段と、
該人異常判断手段で人の異常と判断されたとき、又は該判断に伴いされる所定の案内に対し応答の無かったとき、該人の異常の報知、該人の異常の所定の相手先への連絡及び該相手先との会話のいずれか少なくとも一つを行う人異常連絡手段とを備えたことを特徴とする制御システム。
【請求項2】
部屋、通路、玄関等の出入口である扉の開閉を感知可能な扉感知センサと、
前記人感知センサで人の存在が感知され、かつ該人の存在感知開始後所定時間経過しても前記人感知センサ及び/又は前記扉感知センサによる検出信号の変動のないとき人の異常と判断する人異常判断手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−79343(P2012−79343A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−2514(P2012−2514)
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【分割の表示】特願2001−193539(P2001−193539)の分割
【原出願日】平成13年6月26日(2001.6.26)
【出願人】(500132579)
【Fターム(参考)】