制御回路、及び制御方法
【課題】発電機の回転数が低回転の場合であってもランプの明るさのちらつきを低減する制御回路、及び制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】発電機10から出力された交流電圧を整流してバッテリ50の充電とランプ60の点灯を制御する制御回路20であって、発電機の出力部とバッテリとの間に接続される第1のスイッチ21と、発電機の出力と前記ランプとの間に接続される第2のスイッチ23と、第1のスイッチとバッテリとの接続点、および第2のスイッチとランプとの接続点の間に接続される第3のスイッチ25と、を備える。
【解決手段】発電機10から出力された交流電圧を整流してバッテリ50の充電とランプ60の点灯を制御する制御回路20であって、発電機の出力部とバッテリとの間に接続される第1のスイッチ21と、発電機の出力と前記ランプとの間に接続される第2のスイッチ23と、第1のスイッチとバッテリとの接続点、および第2のスイッチとランプとの接続点の間に接続される第3のスイッチ25と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御回路、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両などにおいて、エンジンに連動して回転する発電機により交流発電を行い、発電された交流電圧でランプを点灯すると共に、バッテリを充電する制御回路がある。このような、制御回路の整流方式としては、単相半波方式がある。
【0003】
図13は、従来技術に係るランプ点灯・バッテリ充電装置の回路図である。
図13に示すランプ点灯・バッテリ充電装置900において、制御回路911は、発電機902、ランプ905、バッテリ903、DC負荷904に接続されている。制御回路911は、発電機902から出力された交流電圧VAをサイリスタSCR1で半波整流した出力電圧VOに変換して、バッテリ903と車体負荷(ランプ負荷、及び各種電装負荷)であるDC負荷904に供給する。また、制御回路911は、サイリスタSCR1、サイリスタSCR2、バッテリ電圧検出回路906、ランプ電圧検出回路912を備えている。
【0004】
発電機902で発電された交流電圧VAは、発電機902の端子902−1が正電圧、端子902−2の電圧が負電圧の場合、破線921のようにサイリスタSCR1により半波整流される。半波整流された出力電圧VOは、DC負荷904とバッテリ903に供給されている。一方、発電機902で発電された交流電圧VAは、発電機の端子902−1が負電圧、端子902−2の電圧が正電圧の場合、破線922のようにサイリスタSCR2がオン状態になり、ランプ905に供給されている。
なお、サイリスタSCR1のゲート端子は、バッテリ電圧検出回路906により検出された電圧に基づき制御されている。また、サイリスタSCR2のゲート端子は、ランプ電圧検出回路912により検出された電圧に基づき制御されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−93680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の従来技術では、発電機902の交流電圧を用いてランプ905を点灯させているため、ランプ905に供給される交流電圧の実効値と周期が変動する。このため、発電機902の回転数が規定電圧に達するまで、ランプ905の明るさは、回転数に応じてちらつきが発生する。また、この規定回転数に達するまでの回転数が高いため、例えば、車両のアイドリング時に、ランプ905の明るさが暗く、さらにちらつきが発生していた。
また、特許文献1に記載の従来技術では発電機902が回転していない場合に、ランプ905を点灯させることができなかった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、発電機の回転数が低回転の場合であってもランプの明るさのちらつきを低減することを可能にする制御回路、及びランプ点灯制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御回路は、発電機から出力された交流電圧を整流してバッテリの充電とランプの点灯を制御する制御回路であって、前記発電機の出力部と前記バッテリとの間に接続される第1のスイッチと、前記発電機の出力と前記ランプとの間に接続される第2のスイッチと、前記第1のスイッチと前記バッテリとの接続点、および前記第2のスイッチと前記ランプとの接続点の間に接続される第3のスイッチと、を備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の制御回路において、前記第1のスイッチは、前記交流電圧の一方の相の電圧を前記バッテリに供給し、前記第2のスイッチは、前記交流電圧の他方の相の電圧を前記ランプに供給し、前記第3のスイッチは、前記発電機から前記一方の相の電圧が出力される期間において前記バッテリの電圧を前記ランプに供給するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の制御回路において、前記交流電圧の周期が短いほど前記バッテリの電圧を前記ランプに供給する期間を短くするように制御するスイッチ制御部を備えるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の制御回路において、前記スイッチ制御部は、前記発電機から交流電圧が出力されていない場合、前記第3のスイッチをオン状態にして前記バッテリの電圧を前記ランプに供給するように制御するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の制御回路において、前記スイッチ制御部は、前記発電機から出力された交流電圧の各周期に対応したピーク電圧一定の三角波電圧を発生する三角波発生回路と、前記負荷に印加される出力電圧の実効値電圧の信号を生成する電圧変換回路と、前記負荷に印加される実効値電圧と所定の目標電圧との差分電圧に基づき、前記スイッチの導通状態を制御するための第1の電圧信号を生成する差動増幅回路と、前記第1の電圧信号と前記三角波電圧とを比較し、前記スイッチの導通状態を制御する比較回路と、を備えるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の制御回路において、前記第1のスイッチ及び第1のスイッチがサイリスタ素子であり、前記第3のスイッチが電界効果トランジスタであるようにしてもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明は、発電機から出力された交流電圧を整流してバッテリの充電とランプの点灯を制御する制御回路の制御方法であって、前記発電機の出力部と前記バッテリとの間に接続される第1のスイッチを介して、前記交流電圧の一方の相の電圧を前記バッテリに供給する手順と、前記発電機の出力と前記ランプとの間に接続される第2のスイッチを介して、前記交流電圧の他方の相の電圧を前記ランプに供給する手順と、スイッチ制御部は、前記第1のスイッチと前記バッテリとの接続点、および前記第2のスイッチと前記ランプとの接続点の間に接続される第3のスイッチを、前記発電機から前記一方の相の電圧が出力される期間において前記バッテリの電圧を前記ランプに供給するように制御するスイッチ制御手順と、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の制御回路、及び制御方法によれば、発電機の出力部とバッテリとの間に接続される第1のスイッチと、発電機の出力とランプとの間に接続される第2のスイッチと、第1のスイッチとバッテリとの接続点、および第2のスイッチとランプとの接続点の間に接続される第3のスイッチとを設けるようにしたので、ランプにバッテリの電圧を供給できる。さらに、スイッチ制御部が、発電機が発電した交流電圧の周期に基づき、発電機が発電した交流電圧の一方の相の期間、第3のスイッチをオン状態にしてバッテリ電圧をランプに供給するようにした。この結果、発電機の電圧の周期が低い場合でも、バッテリの電圧をランプに供給できるため、発電機の回転数が低回転の場合であってもランプの明るさのちらつきを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係るランプ点灯・バッテリ充電装置の回路図である。
【図2】同実施形態に係るスイッチ制御回路のブロック図である。
【図3A】同実施形態に係る増幅回路の増幅度である倍率係数Mを「1」とした場合の三角波電圧VBと差分電圧VD’(=VD)との相対的な開係を説明する図である。
【図3B】同実施形態に係る増幅回路の増幅度である倍率係数Mを「2」に設定した場合の三角波電圧VBと差分電圧VD’(=2×VD)との相対的な関係を示している。
【図3C】同実施形態に係る増幅回路の増幅度である倍率係数Mを「1」とした場合の三角波電圧VB/2と差分電圧VD’(=VD)との相対的な開係を説明する図である。
【図4】同実施形態に係る交流電圧VAの周波数が低い場合の波形図の一例である。
【図5】同実施形態に係る交流電圧VAの周波数が図4と図6の中間の場合の波形図の一例である。
【図6】同実施形態に係る交流電圧VAの周波数が図5より高い場合の波形図の一例である。
【図7】同実施形態に係る三角波発生回路における三角波の発生メカニズム(スロープ部分の生成過程)を説明するための波形図である。
【図8】同実施形態に係る回転数が数百回転時のランプ電圧と、発電機の交流電圧の波形図である。
【図9】同実施形態に係る回転数が約1000回転時のランプ電圧と、発電機の交流電圧の波形図である。
【図10】同実施形態に係る回転数が約2000回転時のランプ電圧と、発電機の交流電圧の波形図である。
【図11】同実施形態に係る第1ゲート制御回路のブロック図である。
【図12A】同実施形態に係る発電機10の回転数が低い場合の制御回路20における各部の波形を示す図である。
【図12B】同実施形態に係る発電機10の回転数が高い場合の制御回路20における各部の波形を示す図である。
【図13】従来技術に係るランプ点灯・バッテリ充電装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るランプ点灯・バッテリ充電装置の回路図である。
図1に示すように、ランプ点灯・バッテリ充電装置1は、発電機10、制御回路20、バッテリ50により構成されている。また、制御回路20は、ランプ60、負荷30、ヒューズ40に接続されている。また、制御回路20は、第1サイリスタ21、第2サイリスタ23、第1ゲート制御回路22、第2ゲート制御回路24、スイッチ25、スイッチ制御回路26を備えている。
【0018】
発電機10は、交流発電機であり、車両等のエンジンに連動して回転することにより、交流で発電を行う。発電機10の一方端10−1は、制御回路20に接続され、他方端10−2は、接地されている。発電機10は、発電した交流電圧を制御回路20に出力する。
ランプ60は、例えば、車両のヘッドライトである。ランプ60の一方端は、制御回路20に接続され、他方端は、接地されている。
負荷30は、車両の各種電装回路である。負荷30の一方端は、制御回路20に接続され、他方端は、接地されている。
ヒューズ40は、バッテリ50の保護をする。ヒューズ40の一方端は、制御回路20に接続され、他方端は、バッテリ50の正極端子に接続されている。
バッテリ50は、充電式の電池である。バッテリ50の正極端子は、ヒューズ40の他方端に接続され、負極端子は、接地されている。
【0019】
第1サイリスタ21(第1のスイッチ)のゲート端子は、第1ゲート制御回路22の出力端子out2に接続されている。第1サイリスタ21のアノード端子は、発電機10の一方端10−1に接続されている。また、第1サイリスタ21のカソード端子は、スイッチ25のソース端子とバックゲート端子、負荷30の一方端、およびヒューズ40の一方端に接続されている。
これにより、第1サイリスタ21は発電機10が出力する交流電圧VAを第1ゲート制御回路22の制御に基づき半波整流し、一点破線71のように、半波整流した出力電圧VOを負荷30、ヒューズ40に供給する。
【0020】
第2サイリスタ23(第2のスイッチ)のゲート端子は、第2ゲート制御回路24の出力端子out1に接続されている。第2サイリスタ23のカソード端子は、発電機10の一方端10−1に接続されている。また、第2サイリスタ23のアノード端子は、スイッチ25のドレイン端子、ランプ60の一方端に接続されている。
これにより、第2サイリスタ23は、発電機10が出力する交流電圧VAを第2ゲート制御回路24の制御に基づき半波整流し、一点破線72のように、半波整流した出力電圧をランプ60に供給する。
【0021】
第1ゲート制御回路22の入力端子in2は、発電機10の一方端10−1に接続されている。また、第1ゲート制御回路22の出力端子out2は、第1サイリスタ21のゲート端子に接続されている。
これにより、第1ゲート制御回路22は、発電機10の交流電流VAを検出し、バッテリ50への過充電を防止するように第1サイリスタ21のオン状態とオフ状態を制御する。
【0022】
第2ゲート制御回路24の入力端子in1は、発電機10の一方端10−1に接続されている。また、第2ゲート制御回路24の出力端子out1は、第2サイリスタ23のゲート端子に接続されている。
これにより、第2ゲート制御回路24は、ランプ60通電時の実効電圧が制限値(例えば−12[V])以上(負側に大)になったことを検出した場合、ランプ60を保護するために第2サイリスタ23のオフを維持する制御を行う。
【0023】
スイッチ25(第3のスイッチ)のソース端子とバックゲート端子は、第1サイリスタ21のカソード端子とヒューズ40の一方端との接続点に接続されている。スイッチ25のドレイン端子は、第2サイリスタ23のアノード端子とランプ60の一方端との接続点に接続されている。また、スイッチ25のゲート端子は、スイッチ制御回路26の出力端子out3に接続されている。また、スイッチ25は、例えば、FET(電界効果トランジスタ)である。
これにより、スイッチ25は、スイッチ制御回路26の制御に基づき、バッテリ50に充電されている電圧を、一点破線73のように、ランプ60に供給する。
【0024】
スイッチ制御回路26(スイッチ制御部)の入力端子in3は、発電機10の一方端10−1に接続されている。また、スイッチ制御回路26の出力端子out3は、スイッチ25のゲート端子に接続されている。
これにより、スイッチ制御回路26は、発電機10の交流電圧VAを検出し、検出した交流電圧のレベルと周期に基づき、後述するようにスイッチ25の制御信号を生成する。スイッチ制御回路26は、生成したスイッチ25の制御信号により、スイッチ25の制御を行う。
【0025】
次に、スイッチ制御回路26について、図2と図3を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係るスイッチ制御回路のブロック図である。
【0026】
図2に示すように、スイッチ制御回路26は、分圧回路26−1、電圧変換回路26−2、基準電圧発生回路26−3、差動回路26−4、増幅回路26−5、三角波発生回路26−6、比較回路26−7を備えている。
【0027】
分圧回路26−1は、発電機10から出力された交流電圧VAを分圧し、分圧した電圧VRを電圧変換回路26−2に出力する。
電圧変換回路26−2は、分圧回路26−1で分圧された電圧VRを、その実効値を表す電圧VR’に変換し、変換した電圧VR’を差動回路26−4の一方の入力端子に出力する。この電圧VR’は、ランプ60に供給される電圧VGの検出値として取り扱われる。
基準電圧発生回路26−3は、負荷30とバッテリ50に電力を供給するための目標電圧VTを発生させ、発生させた目標電圧VTを 差動回路26−4の他方の入力端子に出力する。
差動回路26−4は、電圧VR’と目標電圧VTとの差分電圧VD(=VR’−VT)を生成し、生成した差分電圧VDを増幅回路26−5に出力する。
増幅回路26−5は、差分電圧VDを増幅した差分電圧VD’を比較回路26−7の一方の端子に出力する。
三角波発生回路26−6は、発電機10から出力された交流電圧VAの各周期に対応したピーク電圧一定の三角波電圧VBを生成し、生成した三角波電圧VBを比較回路26−7の他方の端子に出力する。
比較回路26−7は、差分電圧VD’と三角波電圧VBとを比較し、この比較の結果に基づきスイッチ25の導通タイミングを規定する制御信号bを生成する。
【0028】
次に、図3を参照して、増幅回路26−5を導入することの技術的意味を説明する。
図3A〜図3Cは、増幅回路26−5の増幅度である倍率係数Mを「1」及び「2」とした場合の三角波電圧VBと差分電圧VD’(=VD)との相対的な開係を説明する図である。図3Aにおいて、倍率係数Mを「1」に設定した場合、区間W1は、三角波電圧VBが差分電圧VD’を上回る期間、すなわちスイッチ25がオン状態に制御される期間を示す。また、図3Bは、倍率係数Mを「2」に設定した場合の三角波電圧VBと差分電圧VD’(=2×VD)との相対的な関係を示している。図3Bに示すように倍率係数Mを「2」に設定して差分電圧VDを2倍に増幅すると、図3Aに示す区間W1と比較して、スイッチ25のオン状態に対応する区間W2の変動量(VD’の変動量)が2倍になり、これにより、ランプ60に供給される電圧VGの変動量に対して制御信号bの応答量(感度)が2倍になる。
【0029】
このことは、図3Cに示すように、倍率係数Mが「1」のときの差分電圧VD’(=VD)に対して三角波電圧のピーク電圧が相対的に半分(VB/2)になることと等価であり、ランプ60に供給される電圧VGの制御幅W(後述)が半分になることを意味している。従って、増幅回路26−5を導入して、差分電圧VDをM倍に増幅することにより、ランプ60に供給される電圧VGの制御幅Wが相対的にM分の1に小さくなるため、ランプ60に供給される電圧VGを精度よく目標電圧VTに制御できるようになる。
【0030】
ここで、三角波電圧VBの高さH(=ピーク電圧VP)と、倍率係数Mと、目標電圧VTと、ランプ60に供給される電圧VGの制御幅Wとの間には、制御幅Wが、目標電圧VTからVT+(H/M)の範囲の値となる関係が存在する。従って、本制御装置を実施する場合、所望の制御幅Wと目標電圧VTとに応じて、上記関係を満足するように三角波電圧VBの高さHと倍率係数Mとを適切に設定すればよい。
【0031】
図4〜図6は、本実施形態に係る制御回路20とスイッチ制御回路26の各部の波形の一例である。図4は、交流電圧VAの周波数が低い場合の波形の一例であり、図5は、交流電圧VAの周波数が図4と図6の中間の場合の波形の一例であり、図6は、交流電圧VAの周波数が図5より高い場合の波形の一例である。
【0032】
図4〜図6において、横軸は時間を表し、縦軸はそれぞれ電圧レベルを表している。なお、図4〜図6に示す波形は、説明と理解の容易さのために、負荷30が軽負荷、あるいは抵抗負荷(例えば、ランプ負荷)の場合の例を示したものである。すなわち、交流電圧VAを第1サイリスタ21により整流及び位相制御した波形が、ほぼそのまま出力電圧VOとして負荷30に印加される例を示したものである。また、交流電圧VAは、実際には発電機10の回転数に応じて、波形のレベルと周波数が徐々に変化していくが、説明と理解の容易さのために、所定の回転数の場合のみを模式的に示している。
【0033】
図4(a)は、交流電圧VAの波形S101であり、図4(b)は、第2ゲート制御回路24の制御信号dの波形S102であり、図4(c)は、第2サイリスタ23が半波整流した後の波形S103である。図4(d)は、三角波発生回路26−6の出力電圧の波形S105と増幅回路26−5の出力電圧の波形S104であり、図4(e)は、スイッチ制御回路26の出力である制御信号bの波形S106、図4(f)は、ランプ60に供給される電圧VGの波形S107である。
まず、時刻t1〜t3の期間について説明する。時刻t1〜t3の期間、発電機10は回転していない状態である。
図4(a)に示すように、発電機10が回転していないため、交流電圧VAは、0[V]である。
図4(b)に示すように、発電機10が回転していないため、交流電圧VAが0[V]であるので、第2ゲート制御信号dはローレベルである。
図4(c)に示すように、第2サイリスタ23が半波整流した後の波形も0[V]である。
図4(d)に示すように、三角波発生回路26−6の出力電圧も0[V]であり、増幅回路26−5の出力電圧も0である。
図4(e)に示すように、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ハイレベル(H)である。
図4(f)に示すように、制御信号bがハイレベルのため、スイッチ25がオン状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、バッテリ50の電圧VEである。
【0034】
次に、時刻t3〜t8の期間について説明する。時刻t3〜t8の期間、発電機10は低速で回転している状態である。なお、回転数は、例えば、100[rpm」以下である。
図4(a)に示すように、交流電圧VAの最大値は、時刻t3〜t6の期間、正電圧側にV2[V]であり、時刻t6〜t8の期間、負電圧側にV2[V]である。
図4(b)に示すように、時刻t3〜t6の期間、交流電圧VAが正電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ローレベルである。また、時刻t6〜t8の期間、交流電圧VAが負電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ハイレベルである。
図4(c)に示すように、第2サイリスタ23が半波整流した後の波形は、時刻t6〜t8の期間、負電圧側に、V2[V]のピーク電圧値を有する。
図4(d)に示すように、三角波発生回路26−6の出力電圧は、交流電圧VAの正相のサイクル期間に対応し、交流電圧VAが負電圧から正電圧に転じる時点を起点として0[V]から一定の傾きで増加し、交流電圧VAが正電圧から負電圧に転じる時点で0[V]となる三角波の波形を有する。増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t3〜t4の期間、三角波VBより高い電圧レベルである。また、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t4〜t6の期間、三角波電圧VBより低い電圧レベルである。このため、ランプ60にバッテリ50を供給する制御信号の幅(図6で説明した制御幅)Wは、時刻t3〜t8の期間である。
【0035】
図4(e)に示すように、時刻t3〜t4の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。また、時刻t4〜t6の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより低い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ハイレベルの制御信号である。また、時刻t6〜t8の期間、三角波VBは出力されておらず、比較回路26−7には0[V]が入力される。このため、増幅回路26−5の出力電圧VD’が、0[V]より高いので、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。
図4(f)に示すように、時刻t3〜t4の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧は、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため0[V]である。時刻t4〜t6の期間、制御信号bがハイレベルのためスイッチ25がオン状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、バッテリ50の電圧VEである。時刻t6〜t8の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため負電圧側にピーク電圧値V2[V]を有する。
【0036】
以上のように、スイッチ制御回路26は、発電機10の出力電圧VAが0[V]の場合、ランプ60にバッテリ50の電圧を供給するように制御する。
そして、発電機10の回転数が低い場合、スイッチ制御回路26は、交流電圧VAが正電圧側の期間、ランプ60にバッテリ50の電圧を供給し、交流電圧VAが負電圧側の期間、ランプ60に第2サイリスタ23により半波整流された発電機10からの負電圧側の電圧を供給するように制御する。
【0037】
図5(a)は、交流電圧VAの波形S111であり、図5(b)は、第2ゲート制御回路24の制御信号dの波形S112であり、図5(c)は、三角波発生回路26−6の出力電圧の波形S113と増幅回路26−5の出力電圧の波形S114である。図5(d)は、スイッチ制御回路26の出力である制御信号bの波形S115、図5(e)は、ランプ60に供給される電圧VGの波形S116である。
まず、時刻t11〜t16の期間について説明する。時刻t11〜t16の期間、発電機10は低速で回転している状態である。なお、回転数は、例えば、数百[rpm]である。
図5(a)に示すように、交流電圧VAの最大値は、時刻t11〜t14の期間、正電圧側にV3[V]であり、時刻t14〜t16の期間、負電圧側にV3[V]である。なお、電圧値V3は、図4(a)の電圧値V2より大きく、周期t2=t16−t11は、図4(a)の周期t1=t8−t4より短いものとする。
図5(b)に示すように、時刻t11〜t14の期間、交流電圧VAが正電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ローレベルである。また、時刻t14〜t16の期間、交流電圧VAが負電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ハイレベルである。
図5(c)に示すように、三角波発生回路26−6の出力電圧は、交流電圧VAの正相のサイクル期間に対応し、交流電圧VAが負電圧から正電圧に転じる時点を起点として0[V]から一定の傾きで増加し、交流電圧VAが正電圧から負電圧に転じる時点で0[V]となる三角波の波形を有する。増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t11〜t12の期間、三角波VBより高い電圧レベルである。また、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t14〜t16の期間、0[V]より高い電圧レベルである。また、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t12〜t14の期間、三角波電圧VBより低い電圧レベルである。
【0038】
図5(d)に示すように、時刻t11〜t12の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。また、時刻t12〜t14の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより低い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ハイレベルの制御信号である。また、時刻t14〜t16の期間、三角波VBは出力されておらず、比較回路26−7には0[V]が入力される。このため、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、0[V]より高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。このため、ランプ60にバッテリ50を供給する制御信号の幅Wは、時刻t12〜t14の期間である。
図5(e)に示すように、時刻t11〜t12の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧は、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため0[V]である。時刻t12〜t14の期間、制御信号bがハイレベルのためスイッチ25がオン状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、バッテリ50の電圧VEである。時刻t14〜t16の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため負電圧側にピーク電圧値V3[V]を有する。また、バッテリ電圧VEがランプ60に供給される期間は、時刻t12〜t14であり、図4(f)の時刻t4〜t6の期間よりも短い。
【0039】
次に、時刻t16〜t21の期間について説明する。時刻t16〜t21の期間、発電機10は時刻t11〜t16より高速で回転している状態である。なお、回転数は、例えば、1000[rpm」である。
図5(a)に示すように、交流電圧VAの最大値は、時刻t16〜t19の期間、正電圧側にV4[V]であり、時刻t19〜t21の期間、負電圧側にV4[V]である。なお、電圧値V4は、電圧値V3より大きく、周期t3=t21−t16は、周期t2=t16−t11より短いものとする。
図5(b)に示すように、時刻t16〜t19の期間、交流電圧VAが正電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ローレベルである。また、時刻t19〜t21の期間、交流電圧VAが負電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ハイレベルである。
図5(c)に示すように、三角波発生回路26−6の出力電圧は、交流電圧VAの正相のサイクル期間に対応し、交流電圧VAが負電圧から正電圧に転じる時点を起点として0[V]から一定の傾きで増加し、交流電圧VAが正電圧から負電圧に転じる時点で0[V]となる三角波の波形を有する。増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t16〜t18の期間、三角波VBより高い電圧レベルである。また、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t19〜t21の期間、0[V]よりも高い電圧レベルである。また、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t18〜t19の期間、三角波電圧VBより低い電圧レベルである。
【0040】
図5(d)に示すように、時刻t16〜t18の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。また、時刻t18〜t19の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより低い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ハイレベルの制御信号である。また、また、時刻t19〜t21の期間、三角波VBは出力されておらず、比較回路26−7には0[V]が入力される。このため、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、0[V]より高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。
図5(e)に示すように、時刻t16〜t18の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため0[V]である。時刻t18〜t19の期間、制御信号bがハイレベルのためスイッチ25がオン状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、バッテリ50の電圧VEである。時刻t19〜t21の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため負電圧側にピーク電圧値V4[V]を有する。このため、ランプ60にバッテリ50を供給する制御信号の幅Wは、時刻t18〜t19の期間である。
【0041】
以上のように、スイッチ制御回路26は、交流電圧VAが正電圧側の場合、交流電圧VAの電圧レベルが大きくなるか、または、交流電圧VAの周期が短くなる程、ランプ60にバッテリ50から電圧VEが供給される期間が短くなるようにスイッチ25を制御する。すなわち、交流電圧VAの周期がt3の場合のバッテリ50の電圧を供給する期間t18〜t19は、交流電圧VAの周期がt2の場合のバッテリ50の電圧を供給する期間t12〜t14より短い。また、スイッチ制御回路26は、交流電圧VAが負電圧側の期間、スイッチ25をオフ状態にするように制御し、ランプ60に第2サイリスタ23により半波整流された発電機10からの負電圧側の電圧を供給するように制御する。
【0042】
図6(a)は、交流電圧VAの波形S121であり、図6(b)は、第2ゲート制御回路24の制御信号dの波形S122であり、図6(c)は、三角波発生回路26−6の出力電圧の波形S123と増幅回路26−5の出力電圧の波形S124である。図6(d)は、スイッチ制御回路26の出力である制御信号bの波形S125であり、図6(e)は、ランプ60に供給される電圧VGの波形S126である。
なお、回転数は、例えば、2000[rpm」である。
図6(a)に示すように、交流電圧VAの最大値は、時刻t31〜t33の期間、及び時刻t33〜t34の期間、正電圧側にV5[V]であり、時刻t33〜t35の期間、及び時刻t34〜t35の期間、負電圧側にV5[V]である。なお、電圧値V5は、図5(a)の電圧値V4より大きく、周期t4=t33−t31は、図5(a)の周期t3=t21−16より短いものとする。
図6(b)に示すように、時刻t31〜t32、及び時刻t33〜t34の期間、交流電圧VAが正電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ローレベルである。また、時刻t32〜t33、及び時刻t34〜t35の期間、交流電圧VAが負電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ハイレベルである。
【0043】
図6(c)に示すように、三角波発生回路26−6の出力電圧は、交流電圧VAの正相のサイクル期間に対応し、交流電圧VAが負電圧から正電圧に転じる時点を起点として0[V]から一定の傾きで増加し、交流電圧VAが正電圧から負電圧に転じる時点で0[V]となる三角波の波形を有する。増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t31〜t32の期間、及び時刻t33〜t34の期間、三角波VBより高い電圧レベルである。また、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t32〜t33の期間、及び時刻t33〜t35の期間、0[V]より高い電圧レベルである。
【0044】
図6(d)に示すように、時刻t31〜t32の期間、及び時刻t33〜t34の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。また、時刻t32〜t33の期間、及び時刻t33〜t35の期間、0[V]より高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。
図6(e)に示すように、時刻t31〜t32の期間、及び時刻t33〜t34の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため0[V]である。時刻t32〜t33の期間、及び時刻t34〜t35の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため負電圧側にピーク電圧値V5[V]を有する。
【0045】
以上のように、スイッチ制御回路26は、交流電圧VAの正電圧側の電圧値が予め定められている電圧以上の場合、バッテリ50の電圧VEを供給しないようにスイッチ25を制御する。また、スイッチ制御回路26は、交流電圧VAが負電圧側の期間、スイッチ25をオフ状態にするように制御し、ランプ60に第2サイリスタ23により半波整流された発電機10からの負電圧側の電圧を供給するように制御する。
なお、基準電圧発生回路26−3の基準電圧値、増幅回路26−5の増幅率は、発電機10の回転数に基づき、加算するバッテリ電圧の電圧レベルと発電機10の交流電圧レベルに応じて、予め設計時に実験等により設定するようにしてもよい。
【0046】
次に、図7を参照して、三角波発生回路26−6における三角波電圧VBの発生メカニズムを説明する。図7は、本実施形態に係る三角波発生回路における三角波の発生メカニズム(スロープ部分の生成過程)を説明するための波形図である。
図7(a)は、交流電流VAと方形波Sの波形図であり、図7(b)は、三角波電圧VBの生成を説明する図である。
一般には発電機10が出力する交流電圧の周波数は急激に変化しないので、1サイクル前の波形と現在のサイクルの波形はほとんど同じと考えることができる。例えば、図7において、波形2が現在のサイクルの波形だとすれば、波形2の半周期T2と、その1サイクル前の波形1の半周期T1とはほとんど同じである。
【0047】
上述の特性を利用して、次の手順により三角波電圧VBを生成する。
(手順1)図7(a)に示すように、波形1のサイクルにおいて、発電機10が出力する交流電圧VAから方形波Sを生成する。この波形1に対応する方形波Sの半周期は、波形1のサイクルにおける交流電圧VAの半周期T1と一致する。
(手順2)続いて、方形波Sの半周期T1の時間をカウントする。
(手順3)続いて、半周期T1の時間のカウント数を所定の分解能nで除算して、時間t1(=T1/n)を得る。ここで、分解能nは、三角波電圧VBのスロープの滑らかさを規定する量であり、分解能nが高い程、三角波電圧VBのスロープが滑らかになる。
(手順4)続いて、三角波電圧VBのピーク電圧Vpを所定の分解能nで除算して、電圧v1(=Vp/n)を得る。
(手順5)続いて、図7(b)に示すように、次のサイクルの波形2の立ち上がりタイミング(T2をカウントし始めるタイミング)で、上記電圧v1だけ三角波電圧VBを上昇させ、この三角波電圧VBを上記時間t1の間だけ維持する。
【0048】
(手順6)同じ波形2のサイクルにおいて、上記時間t1が経過したタイミングで上記電圧v1だけ三角波電圧VBを更に上昇させ、これを全都でn回繰り返すと、図7(b)に示すような階段状の波形が得られ、波形2のサイクルに対応する三角波電圧のスロープ部分に相当する階段状の波形が得られる。分解能nの値を大きくすれば、階段状の波形が滑らかになり、一層良好な三角波を得ることができる。
以上の手順により、1サイクル前の交流電圧VAの波形を用いて、交流電圧VAの各周期に対応した三角波電圧であって、ピーク電圧Vpが一定の電圧波形を生成する。
【0049】
上述の三角波電圧の発生メカニズムを利用した三角波発生回路26−6は、制御装置20においてスイッチ25の導通タイミングを制御するための三角波電圧を生成するものであって、例えば、カウンタ部と、除算部と、波形生成部とから構成することができる。ここで、カウンタ部は、発電機10が出力する第1サイクルの交流電圧波形の半周期の時間(図7(a)の例えば波形1のサイクルにおける時間T1)をカウントするものである。除算部は、上記カウンタ部によるカウント数を所定の分解能n(所定値)で除算するものである。波形生成部は、第1サイクル後の第2サイクル(図7(a)の例えば波形2のサイクル)において上記第1サイクルでの除算部の除算結果で示される時間t1の経過ごとに所定電圧v1だけ上昇する階段状の電圧波形を生成するものである。この階段状の電圧波形は上記三角波電圧の波形として出力される。
【0050】
図8〜図10は、本実施形態の制御回路でランプ60を点灯させた場合の発電機10の出力電圧の波形とランプ60に供給される電圧波形の実測波形図である。
図8は、本実施形態に係る回転数が数百回転時のランプ電圧と、発電機の交流電圧の波形図である。図9は、本実施形態に係る回転数が約1000回転時のランプ電圧と、発電機の交流電圧の波形図である。図10は、本実施形態に係る回転数が約2000回転時のランプ電圧と、発電機の交流電圧の波形図である。
図8〜図10において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧レベルを表している。また、図8〜図10において、波形S301、311、321は、ランプ60の電圧波形であり、波形302、312、322は、発電機10の交流電圧の波形である。なお、図8〜図10において、ランプ60の電圧波形は、発電機10の交流電圧の表示レンジの半分である。
図8に示すように、発電機10の回転数が数百回転の場合、図4で説明したように、ランプ60に供給される電圧波形301は、交流電圧の正電圧時に、バッテリ電圧が供給されている。なお、発電機10の交流波形302が、図4と異なり正電圧時にバッテリ電圧が供給されている波形になっているのは、バッテリなどの負荷の影響である。
図9に示すように、発電機10の回転数が約1000回転の場合、図5で説明したように、ランプ60に供給される電圧波形311は、交流電圧の正電圧時に、バッテリ電圧の幅が調整されている。なお、発電機10の交流波形312が、図5と異なり正電圧時にバッテリ電圧が供給されている波形になっているのは、バッテリなどの負荷の影響である。
図10に示すように、発電機10の回転数が約2000回転の場合、図6で説明したように、ランプ60に供給される電圧波形321は、交流電圧の正電圧時に、バッテリ電圧が供給されていず、発電機10の交流電圧の負電圧側のみである。なお、発電機10の交流波形322が、図6と異なり正電圧時にパルス状の波形が供給されている波形になっているのは、バッテリなどの負荷の影響である。
【0051】
次に、第1ゲート制御回路22の動作の概略について、図11と図12を用いて説明する。図11は、本実施形態に係る第1ゲート制御回路のブロック図である。
図11に示すように、第1ゲート制御回路22は、分圧回路410、電圧変換回路420、基準電圧発生回路430、差動回路440、増幅回路450、三角波発生回路460、比較回路470を備えている。
【0052】
分圧回路410は、発電機10から出力された交流電圧VAを分圧し、分圧した電圧VRを電圧変換回路420に出力する。
電圧変換回路420は、分圧回路410で分圧された電圧VRを、その実効値を表す電圧VR’に変換し、変換した電圧VR’を差動回路440の一方の入力端子に出力する。この電圧VR’は、出力電圧VOの検出値として取り扱われる。
基準電圧発生回路430は、負荷30とバッテリ50に電力を供給するための目標電圧VTを発生させ、発生させた目標電圧VTを 差動回路440の他方の入力端子に出力する。
差動回路440は、電圧VR’と目標電圧VTとの差分電圧VD(=VR’−VT)を生成し、生成した差分電圧VDを増幅回路450に出力する。
増幅回路450は、差分電圧VDを増幅した差分電圧VD’を比較回路470の一方の端子に出力する。
【0053】
三角波発生回路460は、発電機10から出力された交流電圧VAの各周期に対応したピーク電圧一定の三角波電圧VBを生成し、生成した三角波電圧VBを比較回路470の他方の端子に出力する。三角波の生成手法は、スイッチ制御回路26の三角波発生回路26−6と同様に行う。
比較回路470は、差分電圧VD’と三角波電圧VBとを比較し、この比較の結果に基づき第1サイリスタ21の導通タイミングを規定する制御信号cを生成する。
【0054】
次に、図12を参照して、スイッチ制御回路26が動作してない場合の制御回路1の通常時(定常時)の動作について説明する。なお、通常動作時には、リミット電圧VLは0[V]まで低下しており、ここでは、比較回路470において、差分電圧VD’と三角波電圧VBのみが比較される例について説明する。
【0055】
図12Aと図12Bは、スイッチ制御回路が動作してない場合の制御回路における各部の波形を示す図である。図12Aは、発電機10の回転数が低い場合の制御回路20における各部の波形を示す図であり、図12Bは、発電機10の回転数が高い場合の制御回路20における各部の波形を示す図である。図12Aと図12Bにおいて、横軸は時間の経過を示し、縦軸は、交流電圧VA、三角波電圧VB及び差分電圧VD’、制御信号cのそれぞれを並べて示したものである。
第1ゲート制御回路22内の差動回路440では、基準電圧発生回路430で発生された目標電圧VTと、電圧変換回路420から出力された電圧VR’とを入力し、これらの差分電圧VDを生成する。増幅回路450は差分電圧VDをM倍に増幅して、比較回路470に電圧VD’(=M×VD)を供給する。
【0056】
比較回路470では、差分電圧VD’と三角波電圧VBとを比較し、この比較の結果に基づき第1サイリスタ21の導通タイミングを規定する制御信号cを生成する。そして、比較回路470は、三角波電圧VBが差分電圧VD’よりも高い区間(VB>VD’)で制御信号cをハイレベルとし、三角波電圧VBが差分電圧VD’よりも低い区間(VB<VD’)で制御信号cをローレベルとして、この制御信号cを第1サイリスタ21のゲート電極に供給する。すなわち、第1サイリスタ21は、三角波電圧VBが差分電圧VD’よりも高い区間(VB>VD’)においてオン状態とされ、それ以外の区間ではオフ状態とされる。このように、ゲート制御回路22は、三角波発生回路460で発生された三角波電圧VBと、増幅回路450から出力された差分電圧VD’とに基づき第1サイリスタ21の導通状態を制御する。
【0057】
ここで、第1サイリスタ21のオン状態の区間、すなわち三角波電圧VBが差分電圧VD’よりも高い期間は差分電圧VD’のレベルに依存し、この差分電圧VD’のレベルは、目標電圧VTに対する出力電圧VOのレベルに依存する。従って、出力電圧VOが高ければ、電圧VD’のレベルも高くなり、三角波電圧VBが差分電圧VD’より高くなる期間が減少し、第1サイリスタ21がオン状態となる期間が減少する。この結果、出力電圧VOが目標電圧VTに向けて低下する。
【0058】
逆に、出力電圧VOが低ければ、差分電圧VD’のレベルも低くなり、この結果、三角波電圧VBが差分電圧VD’よりも高い期間が増加し、第1サイリスタ21がオン状態となる期間が増加する。この結果、出力電圧VOが目標電圧VTに向けて上昇する。このように、発電機10の交流電圧VAの各周期において、出力電圧VOが目標電圧VTに安定するように第1サイリスタ21の導通期間が制御される。
【0059】
発電磯10の回転数が低い場合を説明したが、発電機10の回転数が高い場合には、図12Bに示すように、発電機10が出力する交流電圧VAの振幅が大きくなると共に、その周波数も高くなる。このため、三角波電圧VBの上昇レートが大きくなるが、その他の点では、上述の図12Aに示す発電機10の回転数が低い場合と同様であり、出力電圧VOの実効値が目標電圧VTに安定するように第1サイリスタ21のゲート制御が実施される。
【0060】
第2ゲート制御回路24の構成と動作は、第1ゲート制御回路22と同様である。
図6で説明したように、発電機10の周期が予め定められた周期より高くなった場合、スイッチ制御回路26により、交流電圧VAの正電圧側の期間、バッテリ50の電圧が供給されなくなる。そして、発電機10の周期が予め定められた周期より高くなった場合、交流電圧VAの負電圧側の期間、ランプ60に供給される電圧は、第1ゲート制御回路22及び第2ゲート制御回路24により第1サイリスタ21及び第2サイリスタ23による電圧の位相が制御されることにより、ランプ60に供給される電圧の実効値の変動を防ぐことができる。
【0061】
また、スイッチ制御回路26は、第1サイリスタ21を介してバッテリ50に供給される電圧を監視し、バッテリ50が外れたことを検出するようにしてもよい。この場合、スイッチ制御回路26は、バッテリ50が外れたことを、出力電圧VOが急激に高くなったことにより検出する。スイッチ制御回路26は、例えば、予め定められている期間内に、交流電圧VAの電圧レベルが予め定められている電圧以上の変動が生じたか否かを判別する。予め定められている期間内に、交流電圧VAの電圧レベルが予め定められている電圧以上の変動が生じたと判別された場合、スイッチ制御回路26は、バッテリ50が外れたと判別する。
そして、スイッチ制御回路26は、バッテリ50が外れたことを検出した後、スイッチ25をオン状態に制御することで、バッテリ50外れによる急激な電圧のピークをランプ60に強制的に供給することで、急激な電圧のピークが負荷30に供給されることを防ぐことができる。
【0062】
以上のように、スイッチ制御回路26は、発電機10が回転していない場合、スイッチ25をオン状態に制御してバッテリ電圧VEをランプ60に供給するように制御するので、発電機10が回転してない場合でもランプ60を点灯させることが可能になる。そして、スイッチ制御回路26は、発電機10が回転している場合、発電された交流電圧VAの正電圧側の期間、発電機10の回転数に基づきバッテリ電圧をランプ60に供給するようにスイッチ25を制御する。また、スイッチ制御回路26は、交流電圧VAの負電圧側の期間、スイッチ25をオフ状態に制御する。このように、発電機10により発電された交流電圧の正電圧側にバッテリ電圧の幅を可変しながら供給するようにしたので、発電機10の回転数によるランプ60の明るさのちらつきを軽減することが可能になる。
さらに、ランプ60は、正電圧側の期間、交流電圧の周期に応じた期間だけバッテリ50により点灯し、交流電圧の負電圧側の期間、交流電圧により点灯している。仮に、ランプ60を制御回路20の出力側に接続した場合、発電器10が回転してない場合にもランプ60を点灯させることができるが、バッテリの消費電力が大きい。一方、本実施形態によれば、スイッチ25を介して正側の期間、周期に合わせてバッテリ50の電圧をランプ60に供給しているので、バッテリ50のみでランプ60を点灯させる場合と比較して、バッテリ50のランプ60による消費電力を軽減する効果もある。
【0063】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形可能である。
【0064】
例えば、本実施形態では、制御回路を車両に用いる例を説明したが、ランプの点灯とバッテリの充電を行う装置であれば、車両以外に用いてもよい。
また、本実施形態では、発電機10から出力される交流電力の正相成分についてのみ第1サイリスタ21を介して負荷に電力を供給し、交流電力の負相成分についてのみ第2サイリスタ23を介してランプ60に供給するものとし、発電機10の出力を半波整流する場合を説明した。しかしながら、これに限定されることなく、発電機10から出力された交流電力の負相成分について同様に半波整流することにより、全波整流するように構成することもできる。また、発電機10から出力される交流電力の負相成分についてのみ第1サイリスタ21を介して負荷に電力を供給し、交流電力の正相成分についてのみ第2サイリスタ23を介してランプ60に供給するものとし、発電機10の出力を半波整流するようにしてもよい。また、本実施形態では、単相の交流電力を変換するものとしたが、多相の交流電力に対しても適用することができる。
【0065】
また、例えば、本実施形態では、出力電圧VOの実効値VR’を求める例について説明したが、本発明は、出力電圧VOの平均値を算出する場合にも同様に適用できるものである。出力電圧VOの平均値を生成するための構成としては公知技術を利用できる。
【0066】
また、制御回路20の出力側に負荷30が接続されている例を説明したが、制御回路20の出力側に不図示のランプを接続するようにしてもよい。この場合、制御回路20の入力側に接続されるランプ60は、例えば、ヘッドライト、テールランプ、フォグランプなどである。また、制御回路20の出力側に接続されるランプは、例えば、ストップランプ、ターンランプなどである。この場合においても、不図示のランプは、制御回路20の出力側に接続されているため、発電器10の回転数の影響による明るさのちらつきが発生しない。
【符号の説明】
【0067】
1・・・ランプ点灯・バッテリ充電装置、10・・・発電機、
20・・・制御回路、21・・・第1サイリスタ、23・・・第2サイリスタ、
22・・・第1ゲート制御回路、24・・・第2ゲート制御回路、
25・・・スイッチ、26・・・スイッチ制御回路、30・・・負荷、
40・・・ヒューズ、50・・・バッテリ、60・・・ランプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御回路、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両などにおいて、エンジンに連動して回転する発電機により交流発電を行い、発電された交流電圧でランプを点灯すると共に、バッテリを充電する制御回路がある。このような、制御回路の整流方式としては、単相半波方式がある。
【0003】
図13は、従来技術に係るランプ点灯・バッテリ充電装置の回路図である。
図13に示すランプ点灯・バッテリ充電装置900において、制御回路911は、発電機902、ランプ905、バッテリ903、DC負荷904に接続されている。制御回路911は、発電機902から出力された交流電圧VAをサイリスタSCR1で半波整流した出力電圧VOに変換して、バッテリ903と車体負荷(ランプ負荷、及び各種電装負荷)であるDC負荷904に供給する。また、制御回路911は、サイリスタSCR1、サイリスタSCR2、バッテリ電圧検出回路906、ランプ電圧検出回路912を備えている。
【0004】
発電機902で発電された交流電圧VAは、発電機902の端子902−1が正電圧、端子902−2の電圧が負電圧の場合、破線921のようにサイリスタSCR1により半波整流される。半波整流された出力電圧VOは、DC負荷904とバッテリ903に供給されている。一方、発電機902で発電された交流電圧VAは、発電機の端子902−1が負電圧、端子902−2の電圧が正電圧の場合、破線922のようにサイリスタSCR2がオン状態になり、ランプ905に供給されている。
なお、サイリスタSCR1のゲート端子は、バッテリ電圧検出回路906により検出された電圧に基づき制御されている。また、サイリスタSCR2のゲート端子は、ランプ電圧検出回路912により検出された電圧に基づき制御されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−93680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の従来技術では、発電機902の交流電圧を用いてランプ905を点灯させているため、ランプ905に供給される交流電圧の実効値と周期が変動する。このため、発電機902の回転数が規定電圧に達するまで、ランプ905の明るさは、回転数に応じてちらつきが発生する。また、この規定回転数に達するまでの回転数が高いため、例えば、車両のアイドリング時に、ランプ905の明るさが暗く、さらにちらつきが発生していた。
また、特許文献1に記載の従来技術では発電機902が回転していない場合に、ランプ905を点灯させることができなかった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、発電機の回転数が低回転の場合であってもランプの明るさのちらつきを低減することを可能にする制御回路、及びランプ点灯制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御回路は、発電機から出力された交流電圧を整流してバッテリの充電とランプの点灯を制御する制御回路であって、前記発電機の出力部と前記バッテリとの間に接続される第1のスイッチと、前記発電機の出力と前記ランプとの間に接続される第2のスイッチと、前記第1のスイッチと前記バッテリとの接続点、および前記第2のスイッチと前記ランプとの接続点の間に接続される第3のスイッチと、を備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の制御回路において、前記第1のスイッチは、前記交流電圧の一方の相の電圧を前記バッテリに供給し、前記第2のスイッチは、前記交流電圧の他方の相の電圧を前記ランプに供給し、前記第3のスイッチは、前記発電機から前記一方の相の電圧が出力される期間において前記バッテリの電圧を前記ランプに供給するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の制御回路において、前記交流電圧の周期が短いほど前記バッテリの電圧を前記ランプに供給する期間を短くするように制御するスイッチ制御部を備えるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の制御回路において、前記スイッチ制御部は、前記発電機から交流電圧が出力されていない場合、前記第3のスイッチをオン状態にして前記バッテリの電圧を前記ランプに供給するように制御するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の制御回路において、前記スイッチ制御部は、前記発電機から出力された交流電圧の各周期に対応したピーク電圧一定の三角波電圧を発生する三角波発生回路と、前記負荷に印加される出力電圧の実効値電圧の信号を生成する電圧変換回路と、前記負荷に印加される実効値電圧と所定の目標電圧との差分電圧に基づき、前記スイッチの導通状態を制御するための第1の電圧信号を生成する差動増幅回路と、前記第1の電圧信号と前記三角波電圧とを比較し、前記スイッチの導通状態を制御する比較回路と、を備えるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の制御回路において、前記第1のスイッチ及び第1のスイッチがサイリスタ素子であり、前記第3のスイッチが電界効果トランジスタであるようにしてもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明は、発電機から出力された交流電圧を整流してバッテリの充電とランプの点灯を制御する制御回路の制御方法であって、前記発電機の出力部と前記バッテリとの間に接続される第1のスイッチを介して、前記交流電圧の一方の相の電圧を前記バッテリに供給する手順と、前記発電機の出力と前記ランプとの間に接続される第2のスイッチを介して、前記交流電圧の他方の相の電圧を前記ランプに供給する手順と、スイッチ制御部は、前記第1のスイッチと前記バッテリとの接続点、および前記第2のスイッチと前記ランプとの接続点の間に接続される第3のスイッチを、前記発電機から前記一方の相の電圧が出力される期間において前記バッテリの電圧を前記ランプに供給するように制御するスイッチ制御手順と、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の制御回路、及び制御方法によれば、発電機の出力部とバッテリとの間に接続される第1のスイッチと、発電機の出力とランプとの間に接続される第2のスイッチと、第1のスイッチとバッテリとの接続点、および第2のスイッチとランプとの接続点の間に接続される第3のスイッチとを設けるようにしたので、ランプにバッテリの電圧を供給できる。さらに、スイッチ制御部が、発電機が発電した交流電圧の周期に基づき、発電機が発電した交流電圧の一方の相の期間、第3のスイッチをオン状態にしてバッテリ電圧をランプに供給するようにした。この結果、発電機の電圧の周期が低い場合でも、バッテリの電圧をランプに供給できるため、発電機の回転数が低回転の場合であってもランプの明るさのちらつきを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係るランプ点灯・バッテリ充電装置の回路図である。
【図2】同実施形態に係るスイッチ制御回路のブロック図である。
【図3A】同実施形態に係る増幅回路の増幅度である倍率係数Mを「1」とした場合の三角波電圧VBと差分電圧VD’(=VD)との相対的な開係を説明する図である。
【図3B】同実施形態に係る増幅回路の増幅度である倍率係数Mを「2」に設定した場合の三角波電圧VBと差分電圧VD’(=2×VD)との相対的な関係を示している。
【図3C】同実施形態に係る増幅回路の増幅度である倍率係数Mを「1」とした場合の三角波電圧VB/2と差分電圧VD’(=VD)との相対的な開係を説明する図である。
【図4】同実施形態に係る交流電圧VAの周波数が低い場合の波形図の一例である。
【図5】同実施形態に係る交流電圧VAの周波数が図4と図6の中間の場合の波形図の一例である。
【図6】同実施形態に係る交流電圧VAの周波数が図5より高い場合の波形図の一例である。
【図7】同実施形態に係る三角波発生回路における三角波の発生メカニズム(スロープ部分の生成過程)を説明するための波形図である。
【図8】同実施形態に係る回転数が数百回転時のランプ電圧と、発電機の交流電圧の波形図である。
【図9】同実施形態に係る回転数が約1000回転時のランプ電圧と、発電機の交流電圧の波形図である。
【図10】同実施形態に係る回転数が約2000回転時のランプ電圧と、発電機の交流電圧の波形図である。
【図11】同実施形態に係る第1ゲート制御回路のブロック図である。
【図12A】同実施形態に係る発電機10の回転数が低い場合の制御回路20における各部の波形を示す図である。
【図12B】同実施形態に係る発電機10の回転数が高い場合の制御回路20における各部の波形を示す図である。
【図13】従来技術に係るランプ点灯・バッテリ充電装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るランプ点灯・バッテリ充電装置の回路図である。
図1に示すように、ランプ点灯・バッテリ充電装置1は、発電機10、制御回路20、バッテリ50により構成されている。また、制御回路20は、ランプ60、負荷30、ヒューズ40に接続されている。また、制御回路20は、第1サイリスタ21、第2サイリスタ23、第1ゲート制御回路22、第2ゲート制御回路24、スイッチ25、スイッチ制御回路26を備えている。
【0018】
発電機10は、交流発電機であり、車両等のエンジンに連動して回転することにより、交流で発電を行う。発電機10の一方端10−1は、制御回路20に接続され、他方端10−2は、接地されている。発電機10は、発電した交流電圧を制御回路20に出力する。
ランプ60は、例えば、車両のヘッドライトである。ランプ60の一方端は、制御回路20に接続され、他方端は、接地されている。
負荷30は、車両の各種電装回路である。負荷30の一方端は、制御回路20に接続され、他方端は、接地されている。
ヒューズ40は、バッテリ50の保護をする。ヒューズ40の一方端は、制御回路20に接続され、他方端は、バッテリ50の正極端子に接続されている。
バッテリ50は、充電式の電池である。バッテリ50の正極端子は、ヒューズ40の他方端に接続され、負極端子は、接地されている。
【0019】
第1サイリスタ21(第1のスイッチ)のゲート端子は、第1ゲート制御回路22の出力端子out2に接続されている。第1サイリスタ21のアノード端子は、発電機10の一方端10−1に接続されている。また、第1サイリスタ21のカソード端子は、スイッチ25のソース端子とバックゲート端子、負荷30の一方端、およびヒューズ40の一方端に接続されている。
これにより、第1サイリスタ21は発電機10が出力する交流電圧VAを第1ゲート制御回路22の制御に基づき半波整流し、一点破線71のように、半波整流した出力電圧VOを負荷30、ヒューズ40に供給する。
【0020】
第2サイリスタ23(第2のスイッチ)のゲート端子は、第2ゲート制御回路24の出力端子out1に接続されている。第2サイリスタ23のカソード端子は、発電機10の一方端10−1に接続されている。また、第2サイリスタ23のアノード端子は、スイッチ25のドレイン端子、ランプ60の一方端に接続されている。
これにより、第2サイリスタ23は、発電機10が出力する交流電圧VAを第2ゲート制御回路24の制御に基づき半波整流し、一点破線72のように、半波整流した出力電圧をランプ60に供給する。
【0021】
第1ゲート制御回路22の入力端子in2は、発電機10の一方端10−1に接続されている。また、第1ゲート制御回路22の出力端子out2は、第1サイリスタ21のゲート端子に接続されている。
これにより、第1ゲート制御回路22は、発電機10の交流電流VAを検出し、バッテリ50への過充電を防止するように第1サイリスタ21のオン状態とオフ状態を制御する。
【0022】
第2ゲート制御回路24の入力端子in1は、発電機10の一方端10−1に接続されている。また、第2ゲート制御回路24の出力端子out1は、第2サイリスタ23のゲート端子に接続されている。
これにより、第2ゲート制御回路24は、ランプ60通電時の実効電圧が制限値(例えば−12[V])以上(負側に大)になったことを検出した場合、ランプ60を保護するために第2サイリスタ23のオフを維持する制御を行う。
【0023】
スイッチ25(第3のスイッチ)のソース端子とバックゲート端子は、第1サイリスタ21のカソード端子とヒューズ40の一方端との接続点に接続されている。スイッチ25のドレイン端子は、第2サイリスタ23のアノード端子とランプ60の一方端との接続点に接続されている。また、スイッチ25のゲート端子は、スイッチ制御回路26の出力端子out3に接続されている。また、スイッチ25は、例えば、FET(電界効果トランジスタ)である。
これにより、スイッチ25は、スイッチ制御回路26の制御に基づき、バッテリ50に充電されている電圧を、一点破線73のように、ランプ60に供給する。
【0024】
スイッチ制御回路26(スイッチ制御部)の入力端子in3は、発電機10の一方端10−1に接続されている。また、スイッチ制御回路26の出力端子out3は、スイッチ25のゲート端子に接続されている。
これにより、スイッチ制御回路26は、発電機10の交流電圧VAを検出し、検出した交流電圧のレベルと周期に基づき、後述するようにスイッチ25の制御信号を生成する。スイッチ制御回路26は、生成したスイッチ25の制御信号により、スイッチ25の制御を行う。
【0025】
次に、スイッチ制御回路26について、図2と図3を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係るスイッチ制御回路のブロック図である。
【0026】
図2に示すように、スイッチ制御回路26は、分圧回路26−1、電圧変換回路26−2、基準電圧発生回路26−3、差動回路26−4、増幅回路26−5、三角波発生回路26−6、比較回路26−7を備えている。
【0027】
分圧回路26−1は、発電機10から出力された交流電圧VAを分圧し、分圧した電圧VRを電圧変換回路26−2に出力する。
電圧変換回路26−2は、分圧回路26−1で分圧された電圧VRを、その実効値を表す電圧VR’に変換し、変換した電圧VR’を差動回路26−4の一方の入力端子に出力する。この電圧VR’は、ランプ60に供給される電圧VGの検出値として取り扱われる。
基準電圧発生回路26−3は、負荷30とバッテリ50に電力を供給するための目標電圧VTを発生させ、発生させた目標電圧VTを 差動回路26−4の他方の入力端子に出力する。
差動回路26−4は、電圧VR’と目標電圧VTとの差分電圧VD(=VR’−VT)を生成し、生成した差分電圧VDを増幅回路26−5に出力する。
増幅回路26−5は、差分電圧VDを増幅した差分電圧VD’を比較回路26−7の一方の端子に出力する。
三角波発生回路26−6は、発電機10から出力された交流電圧VAの各周期に対応したピーク電圧一定の三角波電圧VBを生成し、生成した三角波電圧VBを比較回路26−7の他方の端子に出力する。
比較回路26−7は、差分電圧VD’と三角波電圧VBとを比較し、この比較の結果に基づきスイッチ25の導通タイミングを規定する制御信号bを生成する。
【0028】
次に、図3を参照して、増幅回路26−5を導入することの技術的意味を説明する。
図3A〜図3Cは、増幅回路26−5の増幅度である倍率係数Mを「1」及び「2」とした場合の三角波電圧VBと差分電圧VD’(=VD)との相対的な開係を説明する図である。図3Aにおいて、倍率係数Mを「1」に設定した場合、区間W1は、三角波電圧VBが差分電圧VD’を上回る期間、すなわちスイッチ25がオン状態に制御される期間を示す。また、図3Bは、倍率係数Mを「2」に設定した場合の三角波電圧VBと差分電圧VD’(=2×VD)との相対的な関係を示している。図3Bに示すように倍率係数Mを「2」に設定して差分電圧VDを2倍に増幅すると、図3Aに示す区間W1と比較して、スイッチ25のオン状態に対応する区間W2の変動量(VD’の変動量)が2倍になり、これにより、ランプ60に供給される電圧VGの変動量に対して制御信号bの応答量(感度)が2倍になる。
【0029】
このことは、図3Cに示すように、倍率係数Mが「1」のときの差分電圧VD’(=VD)に対して三角波電圧のピーク電圧が相対的に半分(VB/2)になることと等価であり、ランプ60に供給される電圧VGの制御幅W(後述)が半分になることを意味している。従って、増幅回路26−5を導入して、差分電圧VDをM倍に増幅することにより、ランプ60に供給される電圧VGの制御幅Wが相対的にM分の1に小さくなるため、ランプ60に供給される電圧VGを精度よく目標電圧VTに制御できるようになる。
【0030】
ここで、三角波電圧VBの高さH(=ピーク電圧VP)と、倍率係数Mと、目標電圧VTと、ランプ60に供給される電圧VGの制御幅Wとの間には、制御幅Wが、目標電圧VTからVT+(H/M)の範囲の値となる関係が存在する。従って、本制御装置を実施する場合、所望の制御幅Wと目標電圧VTとに応じて、上記関係を満足するように三角波電圧VBの高さHと倍率係数Mとを適切に設定すればよい。
【0031】
図4〜図6は、本実施形態に係る制御回路20とスイッチ制御回路26の各部の波形の一例である。図4は、交流電圧VAの周波数が低い場合の波形の一例であり、図5は、交流電圧VAの周波数が図4と図6の中間の場合の波形の一例であり、図6は、交流電圧VAの周波数が図5より高い場合の波形の一例である。
【0032】
図4〜図6において、横軸は時間を表し、縦軸はそれぞれ電圧レベルを表している。なお、図4〜図6に示す波形は、説明と理解の容易さのために、負荷30が軽負荷、あるいは抵抗負荷(例えば、ランプ負荷)の場合の例を示したものである。すなわち、交流電圧VAを第1サイリスタ21により整流及び位相制御した波形が、ほぼそのまま出力電圧VOとして負荷30に印加される例を示したものである。また、交流電圧VAは、実際には発電機10の回転数に応じて、波形のレベルと周波数が徐々に変化していくが、説明と理解の容易さのために、所定の回転数の場合のみを模式的に示している。
【0033】
図4(a)は、交流電圧VAの波形S101であり、図4(b)は、第2ゲート制御回路24の制御信号dの波形S102であり、図4(c)は、第2サイリスタ23が半波整流した後の波形S103である。図4(d)は、三角波発生回路26−6の出力電圧の波形S105と増幅回路26−5の出力電圧の波形S104であり、図4(e)は、スイッチ制御回路26の出力である制御信号bの波形S106、図4(f)は、ランプ60に供給される電圧VGの波形S107である。
まず、時刻t1〜t3の期間について説明する。時刻t1〜t3の期間、発電機10は回転していない状態である。
図4(a)に示すように、発電機10が回転していないため、交流電圧VAは、0[V]である。
図4(b)に示すように、発電機10が回転していないため、交流電圧VAが0[V]であるので、第2ゲート制御信号dはローレベルである。
図4(c)に示すように、第2サイリスタ23が半波整流した後の波形も0[V]である。
図4(d)に示すように、三角波発生回路26−6の出力電圧も0[V]であり、増幅回路26−5の出力電圧も0である。
図4(e)に示すように、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ハイレベル(H)である。
図4(f)に示すように、制御信号bがハイレベルのため、スイッチ25がオン状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、バッテリ50の電圧VEである。
【0034】
次に、時刻t3〜t8の期間について説明する。時刻t3〜t8の期間、発電機10は低速で回転している状態である。なお、回転数は、例えば、100[rpm」以下である。
図4(a)に示すように、交流電圧VAの最大値は、時刻t3〜t6の期間、正電圧側にV2[V]であり、時刻t6〜t8の期間、負電圧側にV2[V]である。
図4(b)に示すように、時刻t3〜t6の期間、交流電圧VAが正電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ローレベルである。また、時刻t6〜t8の期間、交流電圧VAが負電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ハイレベルである。
図4(c)に示すように、第2サイリスタ23が半波整流した後の波形は、時刻t6〜t8の期間、負電圧側に、V2[V]のピーク電圧値を有する。
図4(d)に示すように、三角波発生回路26−6の出力電圧は、交流電圧VAの正相のサイクル期間に対応し、交流電圧VAが負電圧から正電圧に転じる時点を起点として0[V]から一定の傾きで増加し、交流電圧VAが正電圧から負電圧に転じる時点で0[V]となる三角波の波形を有する。増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t3〜t4の期間、三角波VBより高い電圧レベルである。また、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t4〜t6の期間、三角波電圧VBより低い電圧レベルである。このため、ランプ60にバッテリ50を供給する制御信号の幅(図6で説明した制御幅)Wは、時刻t3〜t8の期間である。
【0035】
図4(e)に示すように、時刻t3〜t4の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。また、時刻t4〜t6の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより低い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ハイレベルの制御信号である。また、時刻t6〜t8の期間、三角波VBは出力されておらず、比較回路26−7には0[V]が入力される。このため、増幅回路26−5の出力電圧VD’が、0[V]より高いので、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。
図4(f)に示すように、時刻t3〜t4の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧は、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため0[V]である。時刻t4〜t6の期間、制御信号bがハイレベルのためスイッチ25がオン状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、バッテリ50の電圧VEである。時刻t6〜t8の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため負電圧側にピーク電圧値V2[V]を有する。
【0036】
以上のように、スイッチ制御回路26は、発電機10の出力電圧VAが0[V]の場合、ランプ60にバッテリ50の電圧を供給するように制御する。
そして、発電機10の回転数が低い場合、スイッチ制御回路26は、交流電圧VAが正電圧側の期間、ランプ60にバッテリ50の電圧を供給し、交流電圧VAが負電圧側の期間、ランプ60に第2サイリスタ23により半波整流された発電機10からの負電圧側の電圧を供給するように制御する。
【0037】
図5(a)は、交流電圧VAの波形S111であり、図5(b)は、第2ゲート制御回路24の制御信号dの波形S112であり、図5(c)は、三角波発生回路26−6の出力電圧の波形S113と増幅回路26−5の出力電圧の波形S114である。図5(d)は、スイッチ制御回路26の出力である制御信号bの波形S115、図5(e)は、ランプ60に供給される電圧VGの波形S116である。
まず、時刻t11〜t16の期間について説明する。時刻t11〜t16の期間、発電機10は低速で回転している状態である。なお、回転数は、例えば、数百[rpm]である。
図5(a)に示すように、交流電圧VAの最大値は、時刻t11〜t14の期間、正電圧側にV3[V]であり、時刻t14〜t16の期間、負電圧側にV3[V]である。なお、電圧値V3は、図4(a)の電圧値V2より大きく、周期t2=t16−t11は、図4(a)の周期t1=t8−t4より短いものとする。
図5(b)に示すように、時刻t11〜t14の期間、交流電圧VAが正電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ローレベルである。また、時刻t14〜t16の期間、交流電圧VAが負電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ハイレベルである。
図5(c)に示すように、三角波発生回路26−6の出力電圧は、交流電圧VAの正相のサイクル期間に対応し、交流電圧VAが負電圧から正電圧に転じる時点を起点として0[V]から一定の傾きで増加し、交流電圧VAが正電圧から負電圧に転じる時点で0[V]となる三角波の波形を有する。増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t11〜t12の期間、三角波VBより高い電圧レベルである。また、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t14〜t16の期間、0[V]より高い電圧レベルである。また、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t12〜t14の期間、三角波電圧VBより低い電圧レベルである。
【0038】
図5(d)に示すように、時刻t11〜t12の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。また、時刻t12〜t14の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより低い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ハイレベルの制御信号である。また、時刻t14〜t16の期間、三角波VBは出力されておらず、比較回路26−7には0[V]が入力される。このため、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、0[V]より高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。このため、ランプ60にバッテリ50を供給する制御信号の幅Wは、時刻t12〜t14の期間である。
図5(e)に示すように、時刻t11〜t12の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧は、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため0[V]である。時刻t12〜t14の期間、制御信号bがハイレベルのためスイッチ25がオン状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、バッテリ50の電圧VEである。時刻t14〜t16の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため負電圧側にピーク電圧値V3[V]を有する。また、バッテリ電圧VEがランプ60に供給される期間は、時刻t12〜t14であり、図4(f)の時刻t4〜t6の期間よりも短い。
【0039】
次に、時刻t16〜t21の期間について説明する。時刻t16〜t21の期間、発電機10は時刻t11〜t16より高速で回転している状態である。なお、回転数は、例えば、1000[rpm」である。
図5(a)に示すように、交流電圧VAの最大値は、時刻t16〜t19の期間、正電圧側にV4[V]であり、時刻t19〜t21の期間、負電圧側にV4[V]である。なお、電圧値V4は、電圧値V3より大きく、周期t3=t21−t16は、周期t2=t16−t11より短いものとする。
図5(b)に示すように、時刻t16〜t19の期間、交流電圧VAが正電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ローレベルである。また、時刻t19〜t21の期間、交流電圧VAが負電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ハイレベルである。
図5(c)に示すように、三角波発生回路26−6の出力電圧は、交流電圧VAの正相のサイクル期間に対応し、交流電圧VAが負電圧から正電圧に転じる時点を起点として0[V]から一定の傾きで増加し、交流電圧VAが正電圧から負電圧に転じる時点で0[V]となる三角波の波形を有する。増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t16〜t18の期間、三角波VBより高い電圧レベルである。また、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t19〜t21の期間、0[V]よりも高い電圧レベルである。また、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t18〜t19の期間、三角波電圧VBより低い電圧レベルである。
【0040】
図5(d)に示すように、時刻t16〜t18の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。また、時刻t18〜t19の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより低い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ハイレベルの制御信号である。また、また、時刻t19〜t21の期間、三角波VBは出力されておらず、比較回路26−7には0[V]が入力される。このため、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、0[V]より高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。
図5(e)に示すように、時刻t16〜t18の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため0[V]である。時刻t18〜t19の期間、制御信号bがハイレベルのためスイッチ25がオン状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、バッテリ50の電圧VEである。時刻t19〜t21の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため負電圧側にピーク電圧値V4[V]を有する。このため、ランプ60にバッテリ50を供給する制御信号の幅Wは、時刻t18〜t19の期間である。
【0041】
以上のように、スイッチ制御回路26は、交流電圧VAが正電圧側の場合、交流電圧VAの電圧レベルが大きくなるか、または、交流電圧VAの周期が短くなる程、ランプ60にバッテリ50から電圧VEが供給される期間が短くなるようにスイッチ25を制御する。すなわち、交流電圧VAの周期がt3の場合のバッテリ50の電圧を供給する期間t18〜t19は、交流電圧VAの周期がt2の場合のバッテリ50の電圧を供給する期間t12〜t14より短い。また、スイッチ制御回路26は、交流電圧VAが負電圧側の期間、スイッチ25をオフ状態にするように制御し、ランプ60に第2サイリスタ23により半波整流された発電機10からの負電圧側の電圧を供給するように制御する。
【0042】
図6(a)は、交流電圧VAの波形S121であり、図6(b)は、第2ゲート制御回路24の制御信号dの波形S122であり、図6(c)は、三角波発生回路26−6の出力電圧の波形S123と増幅回路26−5の出力電圧の波形S124である。図6(d)は、スイッチ制御回路26の出力である制御信号bの波形S125であり、図6(e)は、ランプ60に供給される電圧VGの波形S126である。
なお、回転数は、例えば、2000[rpm」である。
図6(a)に示すように、交流電圧VAの最大値は、時刻t31〜t33の期間、及び時刻t33〜t34の期間、正電圧側にV5[V]であり、時刻t33〜t35の期間、及び時刻t34〜t35の期間、負電圧側にV5[V]である。なお、電圧値V5は、図5(a)の電圧値V4より大きく、周期t4=t33−t31は、図5(a)の周期t3=t21−16より短いものとする。
図6(b)に示すように、時刻t31〜t32、及び時刻t33〜t34の期間、交流電圧VAが正電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ローレベルである。また、時刻t32〜t33、及び時刻t34〜t35の期間、交流電圧VAが負電圧のため第2ゲート制御回路24の制御信号dは、ハイレベルである。
【0043】
図6(c)に示すように、三角波発生回路26−6の出力電圧は、交流電圧VAの正相のサイクル期間に対応し、交流電圧VAが負電圧から正電圧に転じる時点を起点として0[V]から一定の傾きで増加し、交流電圧VAが正電圧から負電圧に転じる時点で0[V]となる三角波の波形を有する。増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t31〜t32の期間、及び時刻t33〜t34の期間、三角波VBより高い電圧レベルである。また、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、時刻t32〜t33の期間、及び時刻t33〜t35の期間、0[V]より高い電圧レベルである。
【0044】
図6(d)に示すように、時刻t31〜t32の期間、及び時刻t33〜t34の期間、増幅回路26−5の出力電圧VD’は、三角波VBより高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。また、時刻t32〜t33の期間、及び時刻t33〜t35の期間、0[V]より高い電圧レベルのため、スイッチ制御回路26の制御信号bは、ローレベルの制御信号である。
図6(e)に示すように、時刻t31〜t32の期間、及び時刻t33〜t34の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため0[V]である。時刻t32〜t33の期間、及び時刻t34〜t35の期間、制御信号bがローレベルのためスイッチ25がオフ状態であるので、ランプ60に供給される電圧VGは、交流電圧VAを半波整流した出力電圧であるため負電圧側にピーク電圧値V5[V]を有する。
【0045】
以上のように、スイッチ制御回路26は、交流電圧VAの正電圧側の電圧値が予め定められている電圧以上の場合、バッテリ50の電圧VEを供給しないようにスイッチ25を制御する。また、スイッチ制御回路26は、交流電圧VAが負電圧側の期間、スイッチ25をオフ状態にするように制御し、ランプ60に第2サイリスタ23により半波整流された発電機10からの負電圧側の電圧を供給するように制御する。
なお、基準電圧発生回路26−3の基準電圧値、増幅回路26−5の増幅率は、発電機10の回転数に基づき、加算するバッテリ電圧の電圧レベルと発電機10の交流電圧レベルに応じて、予め設計時に実験等により設定するようにしてもよい。
【0046】
次に、図7を参照して、三角波発生回路26−6における三角波電圧VBの発生メカニズムを説明する。図7は、本実施形態に係る三角波発生回路における三角波の発生メカニズム(スロープ部分の生成過程)を説明するための波形図である。
図7(a)は、交流電流VAと方形波Sの波形図であり、図7(b)は、三角波電圧VBの生成を説明する図である。
一般には発電機10が出力する交流電圧の周波数は急激に変化しないので、1サイクル前の波形と現在のサイクルの波形はほとんど同じと考えることができる。例えば、図7において、波形2が現在のサイクルの波形だとすれば、波形2の半周期T2と、その1サイクル前の波形1の半周期T1とはほとんど同じである。
【0047】
上述の特性を利用して、次の手順により三角波電圧VBを生成する。
(手順1)図7(a)に示すように、波形1のサイクルにおいて、発電機10が出力する交流電圧VAから方形波Sを生成する。この波形1に対応する方形波Sの半周期は、波形1のサイクルにおける交流電圧VAの半周期T1と一致する。
(手順2)続いて、方形波Sの半周期T1の時間をカウントする。
(手順3)続いて、半周期T1の時間のカウント数を所定の分解能nで除算して、時間t1(=T1/n)を得る。ここで、分解能nは、三角波電圧VBのスロープの滑らかさを規定する量であり、分解能nが高い程、三角波電圧VBのスロープが滑らかになる。
(手順4)続いて、三角波電圧VBのピーク電圧Vpを所定の分解能nで除算して、電圧v1(=Vp/n)を得る。
(手順5)続いて、図7(b)に示すように、次のサイクルの波形2の立ち上がりタイミング(T2をカウントし始めるタイミング)で、上記電圧v1だけ三角波電圧VBを上昇させ、この三角波電圧VBを上記時間t1の間だけ維持する。
【0048】
(手順6)同じ波形2のサイクルにおいて、上記時間t1が経過したタイミングで上記電圧v1だけ三角波電圧VBを更に上昇させ、これを全都でn回繰り返すと、図7(b)に示すような階段状の波形が得られ、波形2のサイクルに対応する三角波電圧のスロープ部分に相当する階段状の波形が得られる。分解能nの値を大きくすれば、階段状の波形が滑らかになり、一層良好な三角波を得ることができる。
以上の手順により、1サイクル前の交流電圧VAの波形を用いて、交流電圧VAの各周期に対応した三角波電圧であって、ピーク電圧Vpが一定の電圧波形を生成する。
【0049】
上述の三角波電圧の発生メカニズムを利用した三角波発生回路26−6は、制御装置20においてスイッチ25の導通タイミングを制御するための三角波電圧を生成するものであって、例えば、カウンタ部と、除算部と、波形生成部とから構成することができる。ここで、カウンタ部は、発電機10が出力する第1サイクルの交流電圧波形の半周期の時間(図7(a)の例えば波形1のサイクルにおける時間T1)をカウントするものである。除算部は、上記カウンタ部によるカウント数を所定の分解能n(所定値)で除算するものである。波形生成部は、第1サイクル後の第2サイクル(図7(a)の例えば波形2のサイクル)において上記第1サイクルでの除算部の除算結果で示される時間t1の経過ごとに所定電圧v1だけ上昇する階段状の電圧波形を生成するものである。この階段状の電圧波形は上記三角波電圧の波形として出力される。
【0050】
図8〜図10は、本実施形態の制御回路でランプ60を点灯させた場合の発電機10の出力電圧の波形とランプ60に供給される電圧波形の実測波形図である。
図8は、本実施形態に係る回転数が数百回転時のランプ電圧と、発電機の交流電圧の波形図である。図9は、本実施形態に係る回転数が約1000回転時のランプ電圧と、発電機の交流電圧の波形図である。図10は、本実施形態に係る回転数が約2000回転時のランプ電圧と、発電機の交流電圧の波形図である。
図8〜図10において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧レベルを表している。また、図8〜図10において、波形S301、311、321は、ランプ60の電圧波形であり、波形302、312、322は、発電機10の交流電圧の波形である。なお、図8〜図10において、ランプ60の電圧波形は、発電機10の交流電圧の表示レンジの半分である。
図8に示すように、発電機10の回転数が数百回転の場合、図4で説明したように、ランプ60に供給される電圧波形301は、交流電圧の正電圧時に、バッテリ電圧が供給されている。なお、発電機10の交流波形302が、図4と異なり正電圧時にバッテリ電圧が供給されている波形になっているのは、バッテリなどの負荷の影響である。
図9に示すように、発電機10の回転数が約1000回転の場合、図5で説明したように、ランプ60に供給される電圧波形311は、交流電圧の正電圧時に、バッテリ電圧の幅が調整されている。なお、発電機10の交流波形312が、図5と異なり正電圧時にバッテリ電圧が供給されている波形になっているのは、バッテリなどの負荷の影響である。
図10に示すように、発電機10の回転数が約2000回転の場合、図6で説明したように、ランプ60に供給される電圧波形321は、交流電圧の正電圧時に、バッテリ電圧が供給されていず、発電機10の交流電圧の負電圧側のみである。なお、発電機10の交流波形322が、図6と異なり正電圧時にパルス状の波形が供給されている波形になっているのは、バッテリなどの負荷の影響である。
【0051】
次に、第1ゲート制御回路22の動作の概略について、図11と図12を用いて説明する。図11は、本実施形態に係る第1ゲート制御回路のブロック図である。
図11に示すように、第1ゲート制御回路22は、分圧回路410、電圧変換回路420、基準電圧発生回路430、差動回路440、増幅回路450、三角波発生回路460、比較回路470を備えている。
【0052】
分圧回路410は、発電機10から出力された交流電圧VAを分圧し、分圧した電圧VRを電圧変換回路420に出力する。
電圧変換回路420は、分圧回路410で分圧された電圧VRを、その実効値を表す電圧VR’に変換し、変換した電圧VR’を差動回路440の一方の入力端子に出力する。この電圧VR’は、出力電圧VOの検出値として取り扱われる。
基準電圧発生回路430は、負荷30とバッテリ50に電力を供給するための目標電圧VTを発生させ、発生させた目標電圧VTを 差動回路440の他方の入力端子に出力する。
差動回路440は、電圧VR’と目標電圧VTとの差分電圧VD(=VR’−VT)を生成し、生成した差分電圧VDを増幅回路450に出力する。
増幅回路450は、差分電圧VDを増幅した差分電圧VD’を比較回路470の一方の端子に出力する。
【0053】
三角波発生回路460は、発電機10から出力された交流電圧VAの各周期に対応したピーク電圧一定の三角波電圧VBを生成し、生成した三角波電圧VBを比較回路470の他方の端子に出力する。三角波の生成手法は、スイッチ制御回路26の三角波発生回路26−6と同様に行う。
比較回路470は、差分電圧VD’と三角波電圧VBとを比較し、この比較の結果に基づき第1サイリスタ21の導通タイミングを規定する制御信号cを生成する。
【0054】
次に、図12を参照して、スイッチ制御回路26が動作してない場合の制御回路1の通常時(定常時)の動作について説明する。なお、通常動作時には、リミット電圧VLは0[V]まで低下しており、ここでは、比較回路470において、差分電圧VD’と三角波電圧VBのみが比較される例について説明する。
【0055】
図12Aと図12Bは、スイッチ制御回路が動作してない場合の制御回路における各部の波形を示す図である。図12Aは、発電機10の回転数が低い場合の制御回路20における各部の波形を示す図であり、図12Bは、発電機10の回転数が高い場合の制御回路20における各部の波形を示す図である。図12Aと図12Bにおいて、横軸は時間の経過を示し、縦軸は、交流電圧VA、三角波電圧VB及び差分電圧VD’、制御信号cのそれぞれを並べて示したものである。
第1ゲート制御回路22内の差動回路440では、基準電圧発生回路430で発生された目標電圧VTと、電圧変換回路420から出力された電圧VR’とを入力し、これらの差分電圧VDを生成する。増幅回路450は差分電圧VDをM倍に増幅して、比較回路470に電圧VD’(=M×VD)を供給する。
【0056】
比較回路470では、差分電圧VD’と三角波電圧VBとを比較し、この比較の結果に基づき第1サイリスタ21の導通タイミングを規定する制御信号cを生成する。そして、比較回路470は、三角波電圧VBが差分電圧VD’よりも高い区間(VB>VD’)で制御信号cをハイレベルとし、三角波電圧VBが差分電圧VD’よりも低い区間(VB<VD’)で制御信号cをローレベルとして、この制御信号cを第1サイリスタ21のゲート電極に供給する。すなわち、第1サイリスタ21は、三角波電圧VBが差分電圧VD’よりも高い区間(VB>VD’)においてオン状態とされ、それ以外の区間ではオフ状態とされる。このように、ゲート制御回路22は、三角波発生回路460で発生された三角波電圧VBと、増幅回路450から出力された差分電圧VD’とに基づき第1サイリスタ21の導通状態を制御する。
【0057】
ここで、第1サイリスタ21のオン状態の区間、すなわち三角波電圧VBが差分電圧VD’よりも高い期間は差分電圧VD’のレベルに依存し、この差分電圧VD’のレベルは、目標電圧VTに対する出力電圧VOのレベルに依存する。従って、出力電圧VOが高ければ、電圧VD’のレベルも高くなり、三角波電圧VBが差分電圧VD’より高くなる期間が減少し、第1サイリスタ21がオン状態となる期間が減少する。この結果、出力電圧VOが目標電圧VTに向けて低下する。
【0058】
逆に、出力電圧VOが低ければ、差分電圧VD’のレベルも低くなり、この結果、三角波電圧VBが差分電圧VD’よりも高い期間が増加し、第1サイリスタ21がオン状態となる期間が増加する。この結果、出力電圧VOが目標電圧VTに向けて上昇する。このように、発電機10の交流電圧VAの各周期において、出力電圧VOが目標電圧VTに安定するように第1サイリスタ21の導通期間が制御される。
【0059】
発電磯10の回転数が低い場合を説明したが、発電機10の回転数が高い場合には、図12Bに示すように、発電機10が出力する交流電圧VAの振幅が大きくなると共に、その周波数も高くなる。このため、三角波電圧VBの上昇レートが大きくなるが、その他の点では、上述の図12Aに示す発電機10の回転数が低い場合と同様であり、出力電圧VOの実効値が目標電圧VTに安定するように第1サイリスタ21のゲート制御が実施される。
【0060】
第2ゲート制御回路24の構成と動作は、第1ゲート制御回路22と同様である。
図6で説明したように、発電機10の周期が予め定められた周期より高くなった場合、スイッチ制御回路26により、交流電圧VAの正電圧側の期間、バッテリ50の電圧が供給されなくなる。そして、発電機10の周期が予め定められた周期より高くなった場合、交流電圧VAの負電圧側の期間、ランプ60に供給される電圧は、第1ゲート制御回路22及び第2ゲート制御回路24により第1サイリスタ21及び第2サイリスタ23による電圧の位相が制御されることにより、ランプ60に供給される電圧の実効値の変動を防ぐことができる。
【0061】
また、スイッチ制御回路26は、第1サイリスタ21を介してバッテリ50に供給される電圧を監視し、バッテリ50が外れたことを検出するようにしてもよい。この場合、スイッチ制御回路26は、バッテリ50が外れたことを、出力電圧VOが急激に高くなったことにより検出する。スイッチ制御回路26は、例えば、予め定められている期間内に、交流電圧VAの電圧レベルが予め定められている電圧以上の変動が生じたか否かを判別する。予め定められている期間内に、交流電圧VAの電圧レベルが予め定められている電圧以上の変動が生じたと判別された場合、スイッチ制御回路26は、バッテリ50が外れたと判別する。
そして、スイッチ制御回路26は、バッテリ50が外れたことを検出した後、スイッチ25をオン状態に制御することで、バッテリ50外れによる急激な電圧のピークをランプ60に強制的に供給することで、急激な電圧のピークが負荷30に供給されることを防ぐことができる。
【0062】
以上のように、スイッチ制御回路26は、発電機10が回転していない場合、スイッチ25をオン状態に制御してバッテリ電圧VEをランプ60に供給するように制御するので、発電機10が回転してない場合でもランプ60を点灯させることが可能になる。そして、スイッチ制御回路26は、発電機10が回転している場合、発電された交流電圧VAの正電圧側の期間、発電機10の回転数に基づきバッテリ電圧をランプ60に供給するようにスイッチ25を制御する。また、スイッチ制御回路26は、交流電圧VAの負電圧側の期間、スイッチ25をオフ状態に制御する。このように、発電機10により発電された交流電圧の正電圧側にバッテリ電圧の幅を可変しながら供給するようにしたので、発電機10の回転数によるランプ60の明るさのちらつきを軽減することが可能になる。
さらに、ランプ60は、正電圧側の期間、交流電圧の周期に応じた期間だけバッテリ50により点灯し、交流電圧の負電圧側の期間、交流電圧により点灯している。仮に、ランプ60を制御回路20の出力側に接続した場合、発電器10が回転してない場合にもランプ60を点灯させることができるが、バッテリの消費電力が大きい。一方、本実施形態によれば、スイッチ25を介して正側の期間、周期に合わせてバッテリ50の電圧をランプ60に供給しているので、バッテリ50のみでランプ60を点灯させる場合と比較して、バッテリ50のランプ60による消費電力を軽減する効果もある。
【0063】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形可能である。
【0064】
例えば、本実施形態では、制御回路を車両に用いる例を説明したが、ランプの点灯とバッテリの充電を行う装置であれば、車両以外に用いてもよい。
また、本実施形態では、発電機10から出力される交流電力の正相成分についてのみ第1サイリスタ21を介して負荷に電力を供給し、交流電力の負相成分についてのみ第2サイリスタ23を介してランプ60に供給するものとし、発電機10の出力を半波整流する場合を説明した。しかしながら、これに限定されることなく、発電機10から出力された交流電力の負相成分について同様に半波整流することにより、全波整流するように構成することもできる。また、発電機10から出力される交流電力の負相成分についてのみ第1サイリスタ21を介して負荷に電力を供給し、交流電力の正相成分についてのみ第2サイリスタ23を介してランプ60に供給するものとし、発電機10の出力を半波整流するようにしてもよい。また、本実施形態では、単相の交流電力を変換するものとしたが、多相の交流電力に対しても適用することができる。
【0065】
また、例えば、本実施形態では、出力電圧VOの実効値VR’を求める例について説明したが、本発明は、出力電圧VOの平均値を算出する場合にも同様に適用できるものである。出力電圧VOの平均値を生成するための構成としては公知技術を利用できる。
【0066】
また、制御回路20の出力側に負荷30が接続されている例を説明したが、制御回路20の出力側に不図示のランプを接続するようにしてもよい。この場合、制御回路20の入力側に接続されるランプ60は、例えば、ヘッドライト、テールランプ、フォグランプなどである。また、制御回路20の出力側に接続されるランプは、例えば、ストップランプ、ターンランプなどである。この場合においても、不図示のランプは、制御回路20の出力側に接続されているため、発電器10の回転数の影響による明るさのちらつきが発生しない。
【符号の説明】
【0067】
1・・・ランプ点灯・バッテリ充電装置、10・・・発電機、
20・・・制御回路、21・・・第1サイリスタ、23・・・第2サイリスタ、
22・・・第1ゲート制御回路、24・・・第2ゲート制御回路、
25・・・スイッチ、26・・・スイッチ制御回路、30・・・負荷、
40・・・ヒューズ、50・・・バッテリ、60・・・ランプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機から出力された交流電圧を整流してバッテリの充電とランプの点灯を制御する制御回路であって、
前記発電機の出力部と前記バッテリとの間に接続される第1のスイッチと、
前記発電機の出力と前記ランプとの間に接続される第2のスイッチと、
前記第1のスイッチと前記バッテリとの接続点、および前記第2のスイッチと前記ランプとの接続点の間に接続される第3のスイッチと、
を備えることを特徴とする制御回路。
【請求項2】
前記第1のスイッチは、
前記交流電圧の一方の相の電圧を前記バッテリに供給し、
前記第2のスイッチは、
前記交流電圧の他方の相の電圧を前記ランプに供給し、
前記第3のスイッチは、
前記発電機から前記一方の相の電圧が出力される期間において前記バッテリの電圧を前記ランプに供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記交流電圧の周期が短いほど前記バッテリの電圧を前記ランプに供給する期間を短くするように制御するスイッチ制御部
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制御回路。
【請求項4】
前記スイッチ制御部は、
前記発電機から交流電圧が出力されていない場合、前記第3のスイッチをオン状態にして前記バッテリの電圧を前記ランプに供給するように制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の制御回路。
【請求項5】
前記スイッチ制御部は、
前記発電機から出力された交流電圧の各周期に対応したピーク電圧一定の三角波電圧を発生する三角波発生回路と、
前記負荷に印加される出力電圧の実効値電圧の信号を生成する電圧変換回路と、
前記負荷に印加される実効値電圧と所定の目標電圧との差分電圧に基づき、前記スイッチの導通状態を制御するための第1の電圧信号を生成する差動増幅回路と、
前記第1の電圧信号と前記三角波電圧とを比較し、前記スイッチの導通状態を制御する比較回路と、
を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の制御回路。
【請求項6】
前記第1のスイッチ及び第1のスイッチがサイリスタ素子であり、
前記第3のスイッチが電界効果トランジスタである
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の制御回路。
【請求項7】
発電機から出力された交流電圧を整流してバッテリの充電とランプの点灯を制御する制御回路の制御方法であって、
前記発電機の出力部と前記バッテリとの間に接続される第1のスイッチを介して、前記交流電圧の一方の相の電圧を前記バッテリに供給する手順と、
前記発電機の出力と前記ランプとの間に接続される第2のスイッチを介して、前記交流電圧の他方の相の電圧を前記ランプに供給する手順と、
スイッチ制御部は、前記第1のスイッチと前記バッテリとの接続点、および前記第2のスイッチと前記ランプとの接続点の間に接続される第3のスイッチを、前記発電機から前記一方の相の電圧が出力される期間において前記バッテリの電圧を前記ランプに供給するように制御するスイッチ制御手順と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項1】
発電機から出力された交流電圧を整流してバッテリの充電とランプの点灯を制御する制御回路であって、
前記発電機の出力部と前記バッテリとの間に接続される第1のスイッチと、
前記発電機の出力と前記ランプとの間に接続される第2のスイッチと、
前記第1のスイッチと前記バッテリとの接続点、および前記第2のスイッチと前記ランプとの接続点の間に接続される第3のスイッチと、
を備えることを特徴とする制御回路。
【請求項2】
前記第1のスイッチは、
前記交流電圧の一方の相の電圧を前記バッテリに供給し、
前記第2のスイッチは、
前記交流電圧の他方の相の電圧を前記ランプに供給し、
前記第3のスイッチは、
前記発電機から前記一方の相の電圧が出力される期間において前記バッテリの電圧を前記ランプに供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記交流電圧の周期が短いほど前記バッテリの電圧を前記ランプに供給する期間を短くするように制御するスイッチ制御部
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制御回路。
【請求項4】
前記スイッチ制御部は、
前記発電機から交流電圧が出力されていない場合、前記第3のスイッチをオン状態にして前記バッテリの電圧を前記ランプに供給するように制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の制御回路。
【請求項5】
前記スイッチ制御部は、
前記発電機から出力された交流電圧の各周期に対応したピーク電圧一定の三角波電圧を発生する三角波発生回路と、
前記負荷に印加される出力電圧の実効値電圧の信号を生成する電圧変換回路と、
前記負荷に印加される実効値電圧と所定の目標電圧との差分電圧に基づき、前記スイッチの導通状態を制御するための第1の電圧信号を生成する差動増幅回路と、
前記第1の電圧信号と前記三角波電圧とを比較し、前記スイッチの導通状態を制御する比較回路と、
を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の制御回路。
【請求項6】
前記第1のスイッチ及び第1のスイッチがサイリスタ素子であり、
前記第3のスイッチが電界効果トランジスタである
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の制御回路。
【請求項7】
発電機から出力された交流電圧を整流してバッテリの充電とランプの点灯を制御する制御回路の制御方法であって、
前記発電機の出力部と前記バッテリとの間に接続される第1のスイッチを介して、前記交流電圧の一方の相の電圧を前記バッテリに供給する手順と、
前記発電機の出力と前記ランプとの間に接続される第2のスイッチを介して、前記交流電圧の他方の相の電圧を前記ランプに供給する手順と、
スイッチ制御部は、前記第1のスイッチと前記バッテリとの接続点、および前記第2のスイッチと前記ランプとの接続点の間に接続される第3のスイッチを、前記発電機から前記一方の相の電圧が出力される期間において前記バッテリの電圧を前記ランプに供給するように制御するスイッチ制御手順と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【公開番号】特開2012−234705(P2012−234705A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102388(P2011−102388)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】
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