説明

制御装置の内部データの観測装置

【課題】制御装置の内部データを詳細に観測できるデータ観測装置を提供する。
【解決手段】サーボモータまたはスピンドルモータを少なくとも一つ有する工作機械、産業機械または産業用ロボットを制御する制御装置2の内部データを観測するデータ観測装置1であって、観測の対象とする観測データを指定する手段11と、観測データの取得を開始および/または終了するトリガのタイミングを決定するために用いるトリガデータを指定する手段12と、トリガデータの値に基づいてトリガを掛けるトリガ条件を設定する手段13と、トリガ条件が満たされているか否かの判断を、制御装置2の内部で行って、観測データの値の取得を開始あるいは終了し、取得した観測データを表示する手段14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーボモータまたはスピンドルモータの制御特性を調査・調整するために、工作機械、産業機械または産業用ロボットを制御する制御装置の内部データを観測するデータ観測装置に関し、特に、観測データとは別に、制御装置内部のデータ、例えば外部に出力されないモータの駆動制御装置や検出器の異常信号、警告信号、またはNCと駆動制御装置とのインターフェイスに使用しているフラグ等を使用してトリガを掛け、データ観測ができる制御装置の内部データを観測するデータ観測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、産業機械のモニタ方法およびその装置と題し、産業機械の稼動状態を測定して時系列的に連続する波形データとして記録し、この記録された波形データを処理して端末装置の画面に図形表示することを特徴とする産業機械のモニタ方法およびその装置が提案されている。
【0003】
特許文献1の[課題を解決するための手段および作用・効果]の欄には、トリガに関する記載はある。しかし、トリガに関しては、単に取得する波形に対してトリガを設定することが記載されているに過ぎず、波形取得のトリガを規定する記載はない。つまり、下記のトリガ条件に関する項目1〜3についてなんら記載されていない。
項目1:トリガ条件を、制御装置側で判断する。
項目2:トリガ条件を、取得波形とは別に指定されたデータ値がある範囲に入っていることから決定する。
項目3:トリガ条件を、複数のデータを使用して決定する。
【0004】
特許文献2には、負荷状況表示方法およびその表示装置と題する発明が開示されている。特許文献2には、制御対象装置の駆動源に供給される電気量を検出し、その電気量に基づいて負荷状態を演算して負荷状態をモニタに表示するようにしたことを特徴とする負荷状況表示方法が提案されている。特許文献2の請求項5には、所定レベルのトリガを設定し、トリガレベルへの到達前後の負荷状態を記憶表示し、トリガレベルに到達したことを報知する、という記載がある。しかしながら、波形取得のトリガ条件を制御装置側で判断するという内容についての記載はない。
【0005】
【特許文献1】特開2000−210800号公報(特許請求の範囲、明細書の段落[0006]〜[0013]、[0015]〜[0019]、図1および要約書参照)
【特許文献2】特開平11−259111号公報(特許請求の範囲の請求項1、5、明細書の段落[0011]、[0012]、[0037]〜[0040]および図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、特許文献1に記載の発明のように、サーボモータまたはスピンドルモータにより駆動される駆動軸を少なくとも一つ有する工作機械、産業機械または産業用ロボットを制御する制御装置の状態を測定する際に、オシロスコープ等、一般の測定装置を使用して、データ測定が行われていた。また、特許文献2に記載の発明のように、測定データの一つを選択し、そのデータがある値を超えたことなどを利用してトリガを掛け、データ測定を行うことも行われていた。
【0007】
しかしながら、従来技術によれば、制御装置の外部出力用として予め準備されているデータだけが観測可能であり、測定対象のデータの中の一つだけに着目してトリガを掛けることが可能であるが、制御装置の内部データを詳細に観測できないという問題がある。
【0008】
それゆえ、本発明は、サーボモータまたはスピンドルモータにより駆動される駆動軸を少なくとも一つ有する工作機械、産業機械または産業用ロボットを制御する制御装置の内部データを詳細に観測できるデータ観測装置を提供し、ひいてはサーボ・スピンドル制御系の調査・調整を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する請求項1に記載のデータ観測装置は、サーボモータまたはスピンドルモータにより駆動される駆動軸を少なくとも一つ有する工作機械、産業機械または産業用ロボットを制御する制御装置の内部データを観測するデータ観測装置であって、観測の対象とする観測データを指定する手段と、前記観測データの取得を開始および/または終了するトリガのタイミングを決定するために用いるトリガデータを指定する手段と、前記トリガデータの値に基づいて前記トリガを掛けるトリガ条件を設定する手段と、前記トリガ条件が満たされているか否かの判断を、前記制御装置の内部で行って、前記観測データの値の取得を開始あるいは終了し、取得した該観測データを表示する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成する請求項2に記載のデータ観測装置は、サーボモータまたはスピンドルモータにより駆動される駆動軸を少なくとも一つ有する工作機械、産業機械または産業用ロボットを制御する制御装置の内部データを観測するデータ観測装置であって、観測の対象とする観測データを指定する手段と、前記観測データの取得を開始および/または終了するトリガのタイミングを決定するために用いるトリガデータを指定する手段と、前記トリガデータの値に基づいて前記トリガを掛けるトリガ条件を設定する手段と、前記トリガ条件が満たされているか否かの判断を、前記制御装置の内部で行って、前記観測データの値を該制御装置の内部に設けられたバッファメモリ内への蓄積を開始あるいは終了し、蓄積された該観測データを表示する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項1および2に記載のデータ観測装置において、前記観測データおよび前記トリガデータは、サーボ制御部、スピンドル制御部およびサーボ・スピンドル制御部に指令を与える上位コントローラ部内の全てまたは何れかに含まれているデータである。
【0012】
上記データ観測装置において、前記トリガは、前記指定手段により指定された一つのトリガデータの値が、別途指定された値以上あるいは該値以下となった時に掛けられる。
上記データ観測装置において、前記トリガ条件として用いる複数のトリガデータを指定し、該複数のトリガデータの各々に対し該トリガデータの値が、別途指定された値以上あるいは該値以下となったことでトリガを掛けるトリガ条件とするように設定し、全てのトリガ条件が成立したことにより、前記観測データのトリガ条件が成立したとする。
【0013】
上記データ観測装置において、前記トリガ条件として用いる複数のトリガデータを指定し、該複数のトリガデータの各々に対し該トリガデータの値が、別途指定された値以上あるいは該値以下となったことでトリガを掛けるトリガ条件とするように設定し、何れかのトリガ条件が成立したことにより、前記観測データのトリガ条件が成立したとする。
上記データ観測装置において、前記トリガ条件として用いる複数のトリガデータを指定し、指定した複数のトリガデータに対して加減乗除の演算を行い、その演算結果が、別途指定された値以上あるいは値以下となったことを観測データのトリガ条件とする。
【0014】
上記データ観測装置において、前記データ観測装置は、NC制御装置内に設けられ、前記観測データおよび前記トリガデータは共に該NC制御装置のパラメータで指定できる。
上記データ観測装置において、前記データ観測装置は、NC制御装置内のNC制御部と、該NC制御部に接続されたパーソナルコンピュータとからなり、前記観測データおよび前記トリガデータは共に該パーソナルコンピュータから指定できる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、制御装置内部の観測対象の観測データを、別途指定されたトリガのタイミングを決定する制御装置内部のトリガデータの値に応じてトリガを掛けることにより取得できるので、観測データに異常が生じている場合、その異常の原因と思われるデータの値をトリガとして観測データを取得することにより異常の原因の解析が容易となる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、観測データは一旦制御装置内部に設けたバッファに蓄積した後に蓄積した観測データを出力できるので、非常に間欠的な事象の解決を容易に行うことができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、制御装置内部のトリガデータとして、サーボ制御部、スピンドル制御部、サーボ・スピンドル制御部およびこれらの制御部に指令を与える上位コントローラ部内のデータであるので、サーボ・スピンドル制御に関する事象、上位コントローラとのインターフェースに関連する事象を解析することを容易に行うことができる。
【0018】
請求項4に記載の発明では、トリガ用に指定するデータは、一つ用意しておき、この一つのデータの値が、例えば、第1の所定値以上でありかつ第2の所定値以下であるというトリガ条件を設定し、そのデータが上記トリガ条件を満たしたときに、トリガを掛ける。
【0019】
請求項5に記載の発明では、トリガ用に指定するデータは、複数用意しておき、それぞれのデータに対してトリガ条件を設定し、それらのデータが全てトリガ条件(AND条件)を満たしたときに、トリガを掛ける。
【0020】
請求項6に記載の発明では、トリガ用に指定するデータは、複数用意しておき、それぞれのデータに対してトリガ条件を設定し、それらのデータのうち一つでもトリガ条件(OR条件)を満たしたときに、トリガを掛ける。
【0021】
請求項7に記載の発明では、トリガ用に指定するデータは、複数用意しておき、それらのデータの四則演算を行った結果がある条件を満たしたときに、トリガを掛ける。
したがって、請求項4〜7に記載の発明によれば、トリガ用に指定した一つまたは複数の内部データが所定の条件を満たしたとき、トリガを掛けるので、種々の目的に応じて観測データを取得できる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、請求項2に記載の構成を全てNC制御装置内に設けるので、NC制御装置以外の装置を必要とせず、安価に制御装置内部のデータを取得できる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、これらを、NC制御装置内のNC制御部とこれに接続されるパーソナルコンピュータとを通信可能に接続し、操作性のよいパーソナルコンピュータ内で観測データとトリガデータを指定するとともにトリガ条件を指定し、NC制御装置内にデータ取得部を設けることで、NC制御装置に直接操作をせずにNC制御装置内のデータを観測できる。
【0024】
以上のように、本発明によれば、制御装置内部の状態に応じて、自由にトリガを掛けることができるようになり、観測内容も自由度の高いものが可能となる。それゆえ、制御装置内部の状態をより詳細に知ることができ、特にサーボ・スピンドル制御系の調査・調整が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の本発明の実施形態において一形式の工作機械を例に挙げて説明するが、本発明はこの形式の工作機械の他、産業機械および産業用ロボットにも適用できる。
【0026】
図1は本発明の第1実施形態に係る制御装置の内部データ観測装置のブロック構成図である。図1に示すデータ観測装置1は、工作機械の制御装置2の内部のデータを観測するデータ観測装置である。この工作機械は例えばテーブルをX軸方向とY軸方向にそれぞれサーボモータを駆動して送り、主軸をZ軸方向にサーボモータを駆動して送り、テーブル上に固定したワークを加工するものである。ここで、X軸、Y軸およびZ軸はXYZの3軸直交座標系の各軸である。
【0027】
データ観測装置1は、制御装置2と通信可能に接続されており、観測データ指定手段11とトリガデータ指定手段12とトリガ条件設定手段13とデータ表示部14とを有する。観測データ指定手段11は観測の対象とする観測データを指定する。トリガデータ指定手段12は観測データの取得を開始および/または終了するトリガの(引き金となる)タイミングを決定するために用いるトリガデータを指定する。トリガ条件設定手段13はトリガデータの値に基づいてトリガを掛けるトリガ条件を設定する。データ表示部14はデータ取得部30で取得した観測データをCRTまたはLCD等の表示装置により表示する。観測データおよびトリガデータは共に制御装置2がNC制御装置であれば、パラメータで指定できる。ここで、パラメータとは、数値制御に必要な、座標系や軸制御や画面表示を指定するデータである。
【0028】
制御装置2は制御部20とデータ取得部30とを有する。制御部20は上位コントローラ21とサーボ制御部22とスピンドル制御部23とを有する。上位コントローラ21はワークの加工プログラムを解析しサーボ制御部22にサーボモータを駆動する指令を送り、スピンドル制御部23にスピンドルモータを駆動する指令を送る。上位コントローラ21は、サーボ制御部22、スピンドル制御部23から、指令に応じてフィードバックデータを受ける。データ取得部30はトリガ判断部32で後述するトリガ条件が満たされているか否かの判断を行なって、制御部20から観測データの取得を開始あるいは終了し、観測データを取得する。
【0029】
図2は本発明の第2実施形態に係る制御装置の内部データ観測装置のブロック構成図である。図2に示す制御装置3は図1に示す制御装置2とデータ取得部40が異なる点を除き同様に構成される。データ取得部40はバッファ41を有し、トリガ判断部42で後述するトリガ条件が満たされているか否かの判断を行なって、観測データのバッファ41への蓄積を開始あるいは終了することで、観測データを取得する。データ表示部14はデータ取得部40のバッファ41で蓄積した観測データをCRTまたはLCD等の表示装置により表示する。バッファ41は取得したデジタルデータを複数のレジスタ内に順次格納し、レジスタが満杯になったとき古い順に廃棄する形式のFIFOを用いる。
【0030】
次に、トリガ条件について以下に説明する。観測データのトリガタイミングを決定するために用いるトリガデータとは、具体的には観測データをZ軸スピンドルモータの回転数と電流値とした場合、トリガデータをX軸およびY軸の各サーボモータの位置フィードバックデータとすることができる。この場合、X軸およびY軸の各サーボモータの位置フィードバックデータが所定の範囲内にあることをトリガ条件と設定できる。以下に、トリガ条件の判定処理について第1〜第4の具体例を挙げて説明する。
【0031】
以下に示すフローチャートにおいてSに続く数字はステップ番号を示す。
図3は本発明による第1のトリガ条件判定処理のフローチャートである。
ステップS301では、トリガ対象データD1を認識する。
ステップS302では、トリガ条件(a≦D1≦b)を認識する。
ステップS303では、トリガ対象データD1をモニタする。
ステップS304では、トリガ対象データD1がトリガ条件a≦D1≦bを満たしているか否かを判定し、判定結果がYESのときはステップS305に進み、NOのときはステップS303に戻る。
ステップS305では、観測データの取得を開始または終了する。
【0032】
図4は本発明による第2のトリガ条件判定処理のフローチャートである。
ステップS401では、トリガ対象データD1、D2、…、Dxを認識する。
ステップS402では、トリガ条件(a≦D1≦bとc≦D2≦dとx≦Dx≦yの全てが成立)を認識する。
ステップS403では、トリガ対象データD1をモニタする。
ステップS404では、トリガ対象データD1がステップS402で認識したトリガ条件(a≦D1≦b)を満たしているか否かを判定し、判定結果がYESのときはステップS405に進み、NOのときはステップS403に戻る。
【0033】
ステップS405では、トリガ対象データD2をモニタする。
ステップS406では、トリガ対象データD2がステップS402で認識したトリガ条件(c≦D2≦d)を満たしているか否かを判定し、判定結果がYESのときはステップS407に進み、NOのときはステップS403に戻る。
ステップS407では、トリガ対象データDxをモニタする。
ステップS408では、トリガ対象データDxがステップS402で認識したトリガ条件(x≦Dx≦y)を満たしているか否かを判定し、判定結果がYESのときはステップS409に進み、NOのときはステップS403に戻る。
ステップS409では、観測データの取得を開始または終了する。
【0034】
図5は本発明による第3のトリガ条件判定処理のフローチャートである。
ステップS501では、トリガ対象データD1、D2、…、Dxを認識する。
ステップS502では、トリガ条件(a≦D1≦bとc≦D2≦dとx≦Dx≦yの何れか一つの条件が成立)を認識する。
ステップS503では、トリガ対象データD1をモニタする。
ステップS504では、トリガ対象データD1がステップS502で認識したトリガ条件(a≦D1≦b)を満たしているか否かを判定し、判定結果がYESのときはステップS509に進み、NOのときはステップS505に進む。
【0035】
ステップS505では、トリガ対象データD2をモニタする。
ステップS506では、トリガ対象データD2がステップS502で認識したトリガ条件(c≦D2≦d)を満たしているか否かを判定し、判定結果がYESのときはステップS509に進み、NOのときはステップS507に進む。
ステップS507では、トリガ対象データDxをモニタする。
ステップS508では、トリガ対象データDxがステップS502で認識したトリガ条件(x≦Dx≦y)を満たしているか否かを判定し、判定結果がYESのときはステップS509に進み、NOのときはステップS503に戻る。
ステップS509では、観測データの取得を開始または終了する。
【0036】
図6は本発明による第4のトリガ条件判定処理のフローチャートである。
ステップS601では、トリガ対象データD1、D2、…、Dxを認識する。
ステップS602では、トリガ対象データD1、D2、…、Dxの関数y=f(D1、D2、…、Dx)のトリガ条件(a≦y≦b)を認識する。
【0037】
ステップS603では、トリガ対象データD1、D2、…、Dxをモニタする。
ステップS604では、関数y=f(D1、D2、…、Dx)を計算する。
ステップS605では、トリガ対象データD1、D2、…、Dxの関数yがトリガ条件a≦y≦bを満たしているか否かを判定し、判定結果がYESのときはステップS606に進み、NOのときはステップS603に戻る。
ステップS606では、観測データの取得を開始または終了する。
【0038】
図7は本発明の第3実施形態に係る制御装置の内部データ観測装置のブロック構成図である。図7に示す本発明の第3実施形態に係る制御装置3の内部データ観測装置1は、図2に示す本発明の第2実施形態に係る制御装置3の内部データ観測装置1と同様に構成され、全ての構成要素がNC制御装置100内に設けられる。
【0039】
図8は本発明の第4実施形態に係る制御装置の内部データ観測装置のブロック構成図である。図8に示す本発明の第4実施形態に係るNC制御装置300の制御部3の内部データ観測装置200は、図2に示す本発明の第2実施形態に係る制御装置3の内部データ観測装置1において、データ観測部1がパーソナルコンピュータ(PC)200に設けられ、制御装置3がNC制御装置300内に設けられる。また、PC200とNC制御装置300との間は相互に通信可能に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態に係る制御装置の内部データ観測装置のブロック構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る制御装置の内部データ観測装置のブロック構成図である。
【図3】本発明による第1のトリガ条件判定処理のフローチャートである。
【図4】本発明による第2のトリガ条件判定処理のフローチャートである。
【図5】本発明による第3のトリガ条件判定処理のフローチャートである。
【図6】本発明による第4のトリガ条件判定処理のフローチャートである。
【図7】本発明の第3実施形態に係る制御装置の内部データ観測装置のブロック構成図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る制御装置の内部データ観測装置のブロック構成図である。
【符号の説明】
【0041】
1 データ観測装置
2、3 制御装置
11 観測データ指定手段
12 トリガデータ指定手段
13 トリガ条件設定手段
14 データ表示部
20 制御部
21 上位コントローラ部
22 サーボ制御部
23 スピンドル制御部
30、40 データ取得部
41 バッファ
32、42 トリガ判断部
100、300 NC制御装置
200 パーソナルコンピュータ(PC)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーボモータまたはスピンドルモータにより駆動される駆動軸を少なくとも一つ有する工作機械、産業機械または産業用ロボットを制御する制御装置の内部データを観測するデータ観測装置であって、
観測の対象とする観測データを指定する手段と、
前記観測データの取得を開始および/または終了するトリガのタイミングを決定するために用いるトリガデータを指定する手段と、
前記トリガデータの値に基づいて前記トリガを掛けるトリガ条件を設定する手段と、
前記トリガ条件が満たされているか否かの判断を、前記制御装置の内部で行って、前記観測データの値の取得を開始あるいは終了し、取得した該観測データを表示する手段と、
を備えたことを特徴とするデータ観測装置。
【請求項2】
サーボモータまたはスピンドルモータにより駆動される駆動軸を少なくとも一つ有する工作機械、産業機械または産業用ロボットを制御する制御装置の内部データを観測するデータ観測装置であって、
観測の対象とする観測データを指定する手段と、
前記観測データの取得を開始および/または終了するトリガのタイミングを決定するために用いるトリガデータを指定する手段と、
前記トリガデータの値に基づいて前記トリガを掛けるトリガ条件を設定する手段と、
前記トリガ条件が満たされているか否かの判断を、前記制御装置の内部で行って、前記観測データの値を該制御装置の内部に設けられたバッファメモリ内への蓄積を開始あるいは終了し、蓄積された該観測データを表示する手段と、
を備えたことを特徴とするデータ観測装置。
【請求項3】
前記観測データおよび前記トリガデータは、サーボ制御部、スピンドル制御部およびサーボ・スピンドル制御部に指令を与える上位コントローラ部内の全てまたは何れかに含まれているデータである、
請求項1または2に記載のデータ観測装置。
【請求項4】
前記トリガは、前記指定手段により指定された一つのトリガデータの値が、別途指定された値以上あるいは該値以下となった時に掛けられる、
請求項1乃至3の何れか一つに記載のデータ観測装置。
【請求項5】
前記トリガ条件として用いる複数のトリガデータを指定し、該複数のトリガデータの各々に対し該トリガデータの値が、別途指定された値以上あるいは該値以下となったことでトリガを掛けるトリガ条件とするように設定し、全てのトリガ条件が成立したことにより、前記観測データのトリガ条件が成立したとする、
請求項1乃至3の何れか一つに記載のデータ観測装置。
【請求項6】
前記トリガ条件として用いる複数のトリガデータを指定し、該複数のトリガデータの各々に対し該トリガデータの値が、別途指定された値以上あるいは該値以下となったことでトリガを掛けるトリガ条件とするように設定し、何れかのトリガ条件が成立したことにより、前記観測データのトリガ条件が成立したとする、
請求項1乃至3の何れか一つに記載のデータ観測装置。
【請求項7】
前記トリガ条件として用いる複数のトリガデータを指定し、指定した複数のトリガデータに対して加減乗除の演算を行い、その演算結果が、別途指定された値以上あるいは値以下となったことを観測データのトリガ条件とする、
請求項1乃至3の何れか一つに記載のデータ観測装置。
【請求項8】
前記データ観測装置は、NC制御装置内に設けられ、前記観測データおよび前記トリガデータは共に該NC制御装置のパラメータで指定できる、
請求項1乃至7の何れか一つに記載のデータ観測装置。
【請求項9】
前記データ観測装置は、NC制御装置内のNC制御部と、該NC制御部に接続されたパーソナルコンピュータとからなり、前記観測データおよび前記トリガデータは共に該パーソナルコンピュータから指定できる、
請求項1〜7の何れか一つに記載のデータ観測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−328431(P2007−328431A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157494(P2006−157494)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(390008235)ファナック株式会社 (1,110)
【Fターム(参考)】