説明

制御装置

【課題】警備対象領域に存在する機器に対して、侵入者による被害を防止しつつ、利便性の低下を抑制可能な制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置50は、警備対象領域が複数に分割された各小エリアに配設されたセンサから検知信号を受信すると、当該検知信号に基づいて、第1警戒エリア及び第2警戒エリアを設定して、第1警戒エリアに配設された機器及び第2警戒エリアに配設された機器に対して、利用禁止信号を送信する。制御装置50は、第1警戒エリアに設定してからいずれのセンサからも検知信号を受信していない経過時間が第1所定時間に達した場合、第1警戒エリアに配設された機器に対して利用禁止解除信号を送信し、第2警戒領域に設定してからいずれのセンサからも検知信号を受信していない経過時間が第2所定時間に達した場合、第2警戒エリアに配設された機器に対して利用禁止解除信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、警備対象領域を複数のブロックに分割し、侵入者の現在位置をブロック単位で把握可能にする技術がある(例えば特許文献1参照)。また、警備対象領域である住宅内に侵入者を検知した際に、住宅内に入ろうとしている居住者に対して、住宅内に侵入者が存在することを報知して、居住者が侵入者から危害を加えられることを防止可能にする技術がある(例えば特許文献2参照)。また、警備対象領域において侵入者を検知した際に、警備対象領域に存在するシステムの利用等を禁止し、侵入者による被害を防止可能にする技術がある(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−280177号公報
【特許文献2】特開2005−004633号公報
【特許文献3】特開2009−237813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献3の技術のように、侵入者の検知時にシステムの利用を禁止した場合、当該システムの管理者が復旧作業を行うまで当該システムは利用停止状態となり、当該システムが第三者に何らかのサービスを提供しているような場合は、甚大な被害が発生するという恐れがあった。このようなシステムとしては、例えば、銀行等の資金管理システムや企業内の通信インフラ管理システム等が挙げられる。また、侵入の状況として、例えば、侵入自体が誤検知であったり侵入された期間が短期間であったりした場合であっても、当該システムの管理者が復旧作業を行うまで当該システムは利用停止状態となってしまい、システムの利便性を損ねる恐れがあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、警備対象領域に存在する機器に対して、侵入者による被害を防止しつつ、利便性の低下を抑制可能な制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、警備対象領域が複数に分割された各領域に配設されたセンサ及び複数の前記領域のうち少なくとも1つの領域に配設された機器が接続された制御装置であって、前記領域内の人体を検知した旨を示す検知信号を前記センサから受信する受信手段と、前記受信手段が受信した検知信号に基づいて、人体が検知された領域を第1警戒領域に設定し、前記第1警戒領域以外の少なくとも1つの領域を第2警戒領域に設定する設定手段と、前記設定手段が設定した前記第1警戒領域に配設された前記機器及び前記第2警戒領域に配設された前記機器に対して、利用を禁止する第1制御信号を各々送信し、前記設定手段が前記領域を前記第1警戒領域に設定してからいずれの前記センサからも前記検知信号を前記受信手段が受信していない経過時間が第1所定時間に達した場合、前記第1警戒領域に配設された前記機器に対して利用の禁止を解除する第2制御信号を送信し、前記設定手段が前記領域を前記第2警戒領域に設定してからいずれの前記センサからも前記検知信号を前記受信手段が受信していない経過時間が第2所定時間に達した場合、前記第2警戒領域に配設された前記機器に対して前記第2制御信号を送信する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、警備対象領域に存在する機器に対して、侵入者による被害を防止しつつ、利便性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施の形態にかかる制御装置を含む警備システムの構成を例示する図である。
【図2】図2は、制御装置50の機能的構成を例示する図である。
【図3】図3は、制御装置50が行う機器制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は、各小エリアの警戒状態を例示する図である。
【図5】図5は、各小エリアの警戒状態を例示する図である。
【図6】図6は、各小エリアの警戒状態を例示する図である。
【図7】図7は、第2の実施の形態にかかる制御装置50が行う機器制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、各小エリアの警戒状態を例示する図である。
【図9】図9は、各小エリアの警戒状態を例示する図である。
【図10】図10は、各小エリアの警戒状態を例示する図である。
【図11】図11は、各小エリアの警戒状態を例示する図である。
【図12】図12は、各小エリアの警戒状態を例示する図である。
【図13】図13は、第3の実施の形態にかかる制御装置50が行う機器制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、各小エリアの警戒状態を例示する図である。
【図15】図15は、各小エリアの警戒状態を例示する図である。
【図16】図16は、各小エリアの警戒状態を例示する図である。
【図17】図17は、各小エリアの警戒状態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる制御装置の一実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態にかかる制御装置を含む警備システムの構成を例示する図である。本実施の形態においては、警備対象領域が複数のエリア(小エリア)に分割されており、各小エリアに少なくとも1つのセンサが配設されている。各小エリアをA〜Iとし、各小エリアに配設されるセンサを各々60A〜60Iとする。また、この小エリアのうち少なくとも1つの小エリア(ここでは小エリアIとする)に、機器200が配設されている。警備システムは、この機器200及び複数のセンサ60A〜60Iが接続された制御装置50と、監視センタ100とを備え、これらがネットワークNTを介して接続される。ネットワークNTは、例えば、LAN(Local Area Network)、イントラネット、イーサネット(登録商標)又はインターネットなどである。センサ60A〜60Iはそれぞれ、自身が配設された小エリアA〜I内に存在する人体を検知して、その旨を示す検知信号を制御装置50に送信する。センサ60A〜60Iは、例えば、検知対象となる物体が通過する検知領域に対して検知波を照射して検知対象との距離を測定する測距センサ、赤外線の受光量の変化をもとに人を検知する焦電型赤外線センサ、赤外線などが遮られることで人を検知する遮断センサ、電磁波の乱れで人を検知する気配センサなどにより構成される。センサ60A〜60Iには各々を識別するためのセンサ番号が付与されている。尚、センサ60A〜60Iを各々区別する必要がない場合には、単にセンサ60と記載する。機器200は、インフラ(通信)、ライフライン(電気、ガス)、情報機器(サーバ、端末)等を制御している機器や情報機器自体である。尚、同図では、1つの小エリアに機器200は1つのみ示されているが、1つの小エリアに複数の機器が配設されても良いし、複数の小エリアに各々機器が配設されても良い。
【0011】
ここで、制御装置50のハードウェア構成について説明する。本実施の形態の制御装置50は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)等の制御部と、各種データや各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の主記憶部と、各種データや各種プログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)やCD(Compact Disk)ドライブ装置等の補助記憶部と、これらを接続するバスとを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。尚、CPUは、時間を計るタイマ機能を有する。また、制御装置50には、情報を表示する表示部と、ユーザの指示入力を受け付けるキーボードやマウス等の操作入力部と、監視センタ100などの外部装置の通信を制御する通信I/F(interface)とが有線又は無線により各々接続される。
【0012】
次に、制御装置50の機能的構成について図2を用いて説明する。制御装置50は、信号受信部51と、警報送信部52と、警戒エリア設定部53と、機器制御部54と、情報記憶部55とを有する。信号受信部51と、警報送信部52と、警戒エリア設定部53と、機器制御部54とは、CPUのプログラム実行時にRAMなどの主記憶部上に生成されるものである。情報記憶部55は、HDDなどの補助記憶部に記憶されるものである。情報記憶部55は、小エリアA〜Iと、各センサ60A〜60Iとの対応関係を示す小エリア情報と、機器200が配設された小エリア(ここでは小エリアHである)を特定する機器エリア情報とを記憶する。
【0013】
信号受信部51は、警備対象領域内に存在する人体(侵入者という)を検知したセンサ60から送信された検知信号を受信する。警備対象領域内の侵入者の移動に応じて、時間の経過と共に、異なる小エリアに配設された各々異なるセンサ60から検知信号が送信され得る。検知信号には、センサ60に付与されたセンサ番号が含まれている。警報送信部52は、信号受信部51が検知信号を受信した場合、異常を検知した旨を示す警報を監視センタ100に送信する。警報には、検知信号に含まれるセンサ番号が含まれる。
【0014】
警戒エリア設定部53は、小エリアA〜I毎にタイマを有しており、小エリアA〜I毎に、以下の処理を行う。警戒エリア設定部53は、処理対象の各小エリアにおいて、信号受信部51が検知信号を受信したか否かを監視して、自身のエリア又は他の小エリアで侵入者が検知されたか否かを判断し、当該判断結果に応じて、各小エリアを第1警戒エリア又は第2警戒エリアに設定する。第1警戒エリアとは、小エリアA〜Iのうち人体が検知された小エリアであり、第2警戒エリアとは、小エリアA〜Iのうち第1警戒エリア以外の小エリアである。尚、信号受信部51が検知信号を受信した場合、警戒エリア設定部53は、当該検知信号に含まれるセンサ番号と、情報記憶部55に記憶された小エリア情報とを用いて、処理対象の各小エリアにおいて、侵入者が検知されたのが自身の小エリアか他の小エリアかを判断することができる。また、警戒エリア設定部53は、第2警戒エリアに設定した処理対象の小エリアについて、その設定後から信号受信部51が検知信号を新たに受信していない経過時間を、当該小エリアに対応するタイマにより各々カウントし、当該経過時間が第2所定時間(例えば5分)に達した場合、当該小エリアに対する第2警戒エリアの設定を解除する。また、警戒エリア設定部53は、第1警戒エリアに設定した処理対象の小エリアについて、その設定後から信号受信部51が検知信号を新たに受信していない経過時間を、当該小エリアに対応するタイマにより各々カウントし、当該経過時間が第1所定時間(例えば15分)に達した場合、当該小エリアに対する第1警戒エリアの設定を解除する。
【0015】
機器制御部54は、機器200を制御するものであり、警戒エリア設定部53が設定した第1警戒エリアに配設された機器及び第2警戒エリアに配設された機器に対して、その利用を禁止する制御信号(利用禁止信号という)を送信する。尚、機器制御部54は、情報記憶部55に記憶された機器エリア情報を参照して、警戒エリア設定部53が設定した第1警戒エリア及び第2警戒エリアについて、機器が配設された小エリアであるか否かを各々判断することができる。図1の例では、小エリアIが第1警戒エリア又は第2警戒エリアに設定された場合に、当該小エリアIに配設された機器200に対して利用禁止信号が送信される。また、機器制御部54は、警戒エリア設定部53が第1警戒エリアの設定を解除した小エリアに配設された機器及び第2警戒エリアの設定を解除した小エリアに配設された機器に対して、利用の禁止を解除する制御信号(利用禁止解除信号という)を送信する。図1の例では、小エリアIが第2警戒エリアに設定されている場合、検知信号が受信されなくなってから5分後に、当該小エリアに対する第2警戒エリアの設定が解除され、当該小エリアIに配設された機器200に対して利用禁止解除信号が送信される。小エリアIが第1警戒エリアに設定されている場合、検知信号が受信されなくなってから15分後に、当該小エリアIに対する第1警戒エリアの設定が解除され、機器200に対して利用禁止解除信号が送信される。即ち、第2警戒エリアは、実際には侵入者が検知されておらず、第1警戒エリアに比べて侵入の危険性が低いため、どのセンサ60からも検知信号が受信されなくなってから、第1警戒エリアに比べて早く機器200の利用の禁止を解除することで、機器200の利便性の低下を抑制することができる。
【0016】
図2の説明に戻る。機器200は、制御装置50から送信された利用禁止信号に応じて、利用を禁止する制御を行い、制御装置50から送信された利用禁止解除信号に応じて、利用の禁止を解除する制御を行う。
【0017】
監視センタ100は、所定の監視処理を実行する装置であり、異常を検知した旨を示す警報を制御装置50から受信した場合に、待機中の警備員に対して異常が検知された警備対象領域へ向かう旨の指示を出すとともに、必要に応じて警察や消防など関係機関への通報を行う。また、監視センタ100にネットワークNTを介して利用者端末や警備端末が接続されるようにしても良く、制御装置50から警報を受信した場合、異常が検知された旨を当該利用端末や警備端末へ表示させるようにしても良い。例えば、利用者端末は、例えば、警備対象領域の入り口付近に配設され、警備端末は、警備員の待機している場所に配設される。
【0018】
次に、本実施の形態にかかる制御装置50が行う機器制御処理の手順について図3を用いて説明する。制御装置50は、小エリアA〜I毎に以下の処理を行う。尚、制御装置50は、センサ60から検知信号を受信した場合、警報を監視センタ100に送信するが、説明の簡略化のため、以下の処理ではこの説明を省略している。制御装置50は、センサ60から検知信号を受信したか否かを監視し、処理対象の小エリアにおいて、他の小エリアで侵入者が検知されたか否かを判断する(ステップS1)。他の小エリアで侵入者が検知されたと判断した場合(ステップS1:YES)、制御装置50は、処理対象の小エリアを第2警戒エリアに設定し、当該小エリアのタイマを初期化する(ステップS2)。その後、制御装置50は、当該処理対象の小エリアに機器200が配設されている場合、当該機器200に対する制御処理Bを行う(ステップS10)。具体的には、制御装置50は、当該機器200に対して利用禁止信号を送信していない場合、当該利用禁止信号を送信する。その後、ステップS1に戻る。一方、他の小エリアで侵入者が検知されていないと判断した場合(ステップS1:NO)、制御装置50は、処理対象の小エリア自身で侵入者が検知されたか否かを判断する(ステップS3)。処理対象の小エリア自身で侵入者が検知されたと判断した場合(ステップS3:YES)、制御装置50は、処理対象の小エリアを第1警戒エリアに設定し、当該小エリアのタイマを初期化する(ステップS4)。その後、制御装置50は、当該処理対象の小エリアに機器200が配設されている場合、当該機器200に対する制御処理Aを行う(ステップS16)。具体的には、制御装置50は、当該機器200に対して利用禁止信号を送信していない場合、当該利用禁止信号を送信する。その後、ステップS1に戻る。
【0019】
処理対象の小エリア自身で侵入者が検知されていないと判断した場合(ステップS3:NO)、制御装置50は、処理対象の小エリアが第2警戒エリアに設定されているか否かを判断する(ステップS5)。処理対象の小エリアが第2警戒エリアに設定されていると判断した場合(ステップS5:YES)、制御装置50は、処理対象の小エリアのタイマにより、第2所定時間をカウントしている最中か否かを判断する(ステップS6)。第2所定時間をカウントしている最中ではないと判断した場合(ステップS6:NO)、制御装置50は、処理対象の小エリアのタイマに第2所定時間をセットして第2所定時間のカウントを開始して(ステップS7)、ステップS10に進む。一方、第2所定時間をカウントしている最中であると判断した場合(ステップS6:YES)、制御装置50は、第2所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS8)。処理対象の小エリアのタイマが初期化されており、第2所定時間が経過したと判断した場合(ステップS8:YES)、制御装置50は、処理対象の小エリアに対する第2警戒エリアの設定を解除して、当該処理対象の小エリアに機器200が配設されている場合、当該機器200に対して、利用禁止解除信号を送信する(ステップS9)。一方、第2所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS8:NO)、ステップS10に進む。
【0020】
処理対象の小エリアが第2警戒エリアに設定されていないと判断した場合(ステップS5:NO)、制御装置50は、処理対象の小エリアが第1警戒エリアに設定されているか否かを判断する(ステップS11)。処理対象の小エリアが第1警戒エリアに設定されていると判断した場合(ステップS11:YES)、制御装置50は、処理対象の小エリアのタイマにより、第1所定時間をカウントしている最中か否かを判断する(ステップS12)。第1所定時間をカウントしている最中ではないと判断した場合(ステップS12:NO)、制御装置50は、処理対象の小エリアのタイマに第1所定時間をセットして第1所定時間のカウントを開始して(ステップS13)、ステップS16に進む。一方、第1所定時間をカウントしている最中であると判断した場合(ステップS12:YES)、制御装置50は、第1所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS14)。処理対象の小エリアのタイマが初期化されており、第1所定時間が経過したと判断した場合(ステップS14:YES)、制御装置50は、処理対象の小エリアに対する第1警戒エリアの設定を解除して、当該処理対象の小エリアに機器200が配設されている場合、当該機器200に対して、利用禁止解除信号を送信する(ステップS15)。一方、第1所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS14:NO)、ステップS16に進む。
【0021】
ここで、侵入者が検知された際侵入者の移動に応じた各小エリアの警戒状態について説明する。図4は、小エリアAで侵入者が検知され、各小エリアにおいてステップS1又はステップS3で侵入者が検知されたと判断された後、次回のステップS1及びステップS3で侵入者が検知されていないと判断された場合の各小エリアの警戒状態を例示する図である。同図では、小エリアAで10時20分05秒に侵入者が検知されて、ステップS1,S3を経てステップS4で第1警戒エリアに設定されて、ステップS16で制御処理Aが行われた後、次回のステップS1,S3,S5,S11を経てステップS12で第1所定時間(ここでは15分である)のカウントが開始されたことが示されている。また、小エリアB〜Iについてはそれぞれ、ステップS1を経てステップS2で第2警戒エリアに設定されて、ステップS10で制御処理Bが行われた後、次回のステップS1,S3,S6を経てステップS7で第2所定時間(ここでは5分である)のカウントが開始されたことが示されている。
【0022】
図5は、図4で示された状態の後、侵入者が検知されていないと判断されてから5分が経過した場合の各小エリアの警戒状態を例示する図である。同図では、小エリアAについては、第1所定時間がカウントされている最中であることが示されている。また、小エリアB〜Iについてはそれぞれ、第2所定時間のカウントが終了し、ステップS8を経てステップS9で第2警戒エリアの設定が解除されていることが示されている。このとき、小エリアHに配設された機器200に対して利用禁止解除信号が送信されて、機器200の利用が可能になる。
【0023】
図6は、図4で示された状態の後、侵入者が検知されていないと判断されてから15分が経過した場合の各小エリアの警戒状態を例示する図である。同図では、小エリアAについては、第1所定時間のカウントが終了し、ステップS14を経てステップS15で第1警戒エリアの設定が解除されていることが示されている。仮に、小エリアAに機器が配設されている場合、この時点で、当該機器に対して利用禁止解除信号が送信されて、当該機器の利用が可能になる。
【0024】
以上のように、警備対象領域において侵入者を検知した際に、警備対象領域に配設された機器200の利用を禁止して、機器200に対する侵入者による被害を防止すると共に、侵入者の存在した位置に応じて、機器200の利用の禁止を解除して、機器200自体や機器200による制御の復旧を自動的かつ迅速に行うことにより、機器200の利便性の低下を抑制することができる。
【0025】
また、制御装置50から警報を受信した監視センタ100では、どの小エリアに侵入者が存在するのかや最終的に存在していたのかを確認することができると共に、利用を禁止している対象の機器を把握することができる。また、それを利用者や警備員に対して伝えることが可能になる。
【0026】
[第2の実施の形態]
次に、制御装置の第2の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0027】
本実施の形態においては、第2警戒エリアの設定が上述の第1の実施の形態と異なり、更に、小エリアA〜Iのうち第1警戒エリア及び第2警戒エリア以外の非警戒エリアを設定して、侵入の危険性が更に低い非警戒エリアに配設された機器に対する利用を禁止しない。
【0028】
具体的には、制御装置50の警戒エリア設定部53は、小エリアA〜Iのうち、侵入者を検知した小エリアを第1警戒エリアに設定し、第1警戒エリアに隣接する小エリアを第2警戒エリアに設定し、更に、第1警戒エリア及び第2警戒エリア以外の小エリアを非警戒領域に設定する。また、警戒エリア設定部53は、第2警戒エリアに設定した処理対象の小エリアについて、その設定後から、当該小エリアに配設されたセンサ60及び当該小エリアに隣接する小エリアに配設されたセンサ60から信号受信部51が検知信号を新たに受信していない経過時間を、当該処理対象の小エリアに対応するタイマにより各々カウントし、当該経過時間が第2所定時間に達した場合、当該処理対象の小エリアに対する第2警戒エリアの設定を解除する。また、警戒エリア設定部53は、第1警戒エリアに設定した処理対象の小エリアについて、その設定後から、当該小エリアに配設されたセンサ60及び当該小エリアに隣接する小エリアに配設されたセンサ60から信号受信部51が検知信号を新たに受信していない経過時間を、当該処理対象の小エリアに対応するタイマにより各々カウントし、当該経過時間が第1所定時間に達した場合、当該処理対象の小エリアに対する第1警戒エリアの設定を解除する。信号受信部51、警報送信部52及び機器制御部54の各機能は上述の第1の実施の形態と同様である。
【0029】
次に、本実施の形態にかかる制御装置50が行う機器制御処理の手順について図7を用いて説明する。制御装置50は、小エリアA〜I毎に以下の処理を行う。ステップS20では、制御装置50は、センサ60から検知信号を受信したか否かを監視し、処理対象の小エリアにおいて、自身の小エリアに隣接する小エリアで侵入者が検知されたか否かを判断する。自身の小エリアに隣接する小エリアで侵入者が検知されたと判断した場合(ステップS20:YES)、制御装置50は、ステップS2で上述の第1の実施の形態と同様にして、処理対象の小エリアを第2警戒エリアに設定し、当該小エリアのタイマを初期化する。その後ステップS10は上述の第1の実施の形態と同様である。一方、自身の小エリアに隣接する小エリアで侵入者が検知されていないと判断した場合(ステップS20:NO)、制御装置50は、ステップS3で上述の第1の実施の形態と同様にして、処理対象の小エリア自身で侵入者が検知されたか否かを判断する。ステップS4〜S16も上述の第1の実施の形態と同様である。尚、ステップS9,S15の後は、ステップS21に進む。ステップS11の判断結果が否定的である場合、即ち、処理対象の小エリアが第1警戒エリア及び第2警戒エリアに設定されていないと判断した場合(ステップS11:NO)も、ステップS21に進む。ステップS21では、制御装置50は、処理対象の小エリアを非警戒エリアに設定し、当該小エリアのタイマを初期化する。その後、ステップS20に戻る。
【0030】
ここで、侵入者が検知された際侵入者の移動に応じた各小エリアの警戒状態について説明する。図8は、小エリアAで侵入者が検知され、各小エリアにおいてステップS20又はステップS3で侵入者が検知されたと判断された後、次回のステップS20及びステップS3で侵入者が検知されていないと判断された場合の各小エリアの警戒状態を例示する図である。同図では、小エリアAで11時45分20秒に侵入者が検知されて、ステップS20,S3を経てステップS4で第1警戒エリアに設定されて、ステップS16で制御処理Aが行われた後、次回のステップS20,S3,S5,S11を経てステップS12で第1所定時間(15分)のカウントが開始されたことが示されている。また、小エリアAに隣接する小エリアB〜Dについてはそれぞれ、ステップS20を経てステップS2で第2警戒エリアに設定されて、ステップS10で制御処理Bが行われた後、次回のステップS20,S3,S6を経てステップS7で第2所定時間(5分)のカウントが開始されたことが示されている。更に、小エリアA〜D以外の小エリアE〜Iについては、ステップS20,S3,S5,S11を経てステップS21で非警戒エリアに設定されたことが示されている。
【0031】
図9は、図8で示された状態の後5分以内に小エリアBで侵入者が検知された場合の各小エリアの警戒状態を例示する図である。図9では、小エリアBで11時46分10秒に侵入者が検知されると、第2警戒エリアに設定されていた小エリアBは、ステップS20,S3を経てステップS4で第1警戒エリアに新たに設定されて、ステップS16で制御処理Aが行われた後、次回のステップS20,S3,S5,S11を経てステップS12で第1所定時間のカウントが開始されたことが示されている。また、第1警戒エリアに設定されていた小エリアAについては、ステップS20を経てステップS2で第2警戒エリアに新たに設定されて、ステップS10で制御処理Bが行われた後、次回のステップS20,S3,S6を経てステップS7で第2所定時間のカウントが開始されたことが示されている。小エリアBに隣接する小エリアE〜Fについてはそれぞれ、ステップS20を経てステップS2で第2警戒エリアに設定されて、ステップS10で制御処理Bが行われた後、次回のステップS20,S3,S6を経てステップS7で第2所定時間のカウントが開始されたことが示されている。小エリアDについては、図8で示された状態の後、小エリアBで侵入者が検知されたとき、小エリアBに対しては隣接しておらず且つ第2所定時間がカウントされた最中であるため、ステップS20,S2,S5,S6,S8を経て、そのカウントが継続され、ステップS10で制御処理Bが行われることが示される。更に、小エリアA〜F以外の小エリアG〜Iについては、ステップS20,S3,S5,S11を経てステップS21で非警戒エリアに設定されたことが示されている。
【0032】
図10は、図9で示された状態の後5分以内に小エリアEで侵入者が検知された場合の各小エリアの警戒状態を例示する図である。図10では、小エリアEで11時46分40秒に侵入者が検知されると、第2警戒エリアに設定されていた小エリアEは、ステップS20,S3を経てステップS4で第1警戒エリアに新たに設定されて、ステップS16で制御処理Aが行われた後、次回のステップS20,S3,S5,S11を経てステップS12で第1所定時間のカウントが開始されたことが示されている。また、第1警戒エリアに設定されていた小エリアBについては、ステップS20を経てステップS2で第2警戒エリアに新たに設定されて、ステップS10で制御処理Bが行われた後、次回のステップS20,S3,S6を経てステップS7で第2所定時間のカウントが開始されたことが示されている。小エリアEに隣接する小エリアC,H,Iについてはそれぞれ、ステップS20を経てステップS2で第2警戒エリアに設定されて、ステップS10で制御処理Bが行われた後、次回のステップS20,S3,S6を経てステップS7で第2所定時間のカウントが開始されたことが示されている。小エリアDについては、図9で示された状態の後、小エリアEで侵入者が検知されたとき、小エリアEに対しても隣接しておらず且つ第2所定時間がカウントされた最中であるため、ステップS20,S2,S5,S6,S8を経て、そのカウントが継続され、ステップS10で制御処理Bが行われることが示される。更に、小エリアA〜F,H〜I以外の小エリアGについては、ステップS20,S3,S5,S11を経てステップS21で非警戒エリアに設定されたことが示されている。
【0033】
図11は、図10で示される状態の小エリアEで最後に侵入者が検知された後5分が経過した場合の各小エリアの警戒状態を例示する図である。図11では、図10で示される状態において、第2警戒エリアに設定され第2所定時間のカウントが開始された小エリアA〜D,F〜Iについては、第2所定時間のカウントが終了し、ステップS9で第2警戒エリアの設定が解除されて、ステップS21で非警戒エリアに設定されたことが示されている。一方、最終検知エリアである小エリアEについては、第1所定時間がカウントされている最中であることが示されている。
【0034】
図12は、図10で示された状態の後侵入者が検知されずに15分が経過した場合の各小エリアの警戒状態を例示する図である。図12では、図11で示される状態において、第1所定時間がカウントされている最中であった小エリアEについて、第1所定時間のカウントが終了し、ステップS15で第1警戒エリアの設定が解除されて、ステップS21で非警戒エリアに設定されたことが示されている。
【0035】
即ち、警備対象領域内の侵入者の移動に応じて、侵入者の検知された小エリアが替わっていくため、以上のような構成によれば、侵入者が検知されて第1警戒エリアに設定されてそこに配設された機器の利用が禁止され、その後、自身及び自身に隣接する小エリアで侵入者が検知されていない小エリアについては、第1警戒エリアに設定されてからの経過時間が第1所定時間に達すると、当該小エリアに配設された機器に対して利用の禁止が解除される。また、侵入者が検知されて第1警戒エリアに設定されてそこに配設された機器の利用が禁止され、その後自身に隣接する小エリアで侵入者が検知されて第2警戒エリアに新たに設定され、その後自身及び自身に隣接する小エリアで侵入者が検知されていない小エリアについては、第2警戒エリアに設定されてからの経過時間が第2所定時間に達すると、当該小エリアに配設された機器に対して利用の禁止が解除される。即ち、機器が配設された小エリア(機器エリアという)又は機器エリアに隣接する小エリアで侵入者が検知された後、当該機器の利用を禁止するが、機器エリア及び機器エリアに隣接する小エリアで侵入者が検知されていない場合、警備対象領域内の他の小エリアで侵入者が検知されたとしても、機器エリアへの侵入の危険性が低いため、当該機器の利用の禁止を解除する。これにより、侵入者による被害を防止しつつ、利便性の低下を抑制することができる。
【0036】
[第3の実施の形態]
次に、制御装置の第3の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態又は第2の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0037】
上述した第1の実施の形態において、ある小エリアで侵入者が検知された後、どの小エリアでも侵入者が検知されなくなった場合、侵入者が警備対象領域から立ち去った可能性と、侵入者が最後に検知された小エリア(最終検知エリアという)に留まっている可能性とが有り得る。後者の可能性がある場合、最終検知エリアに配設された機器に対して、侵入者によって被害が与えられる恐れがある。このため、本実施の形態においては、制御装置50は、最終検知エリアに対して警戒状態を維持するセキュリティ強化モードを設定可能にし、セキュリティ強化モードに設定された場合には、第1警戒エリアに設定された小エリアに配設された機器に対しては、第1警戒エリアに設定された後から、当該小エリア及び当該小エリアに隣接する小エリアで人体が新たに検知されていない経過時間が第1所定時間に達しても、利用禁止解除信号を送信しない。尚、セキュリティ強化モードの設定及びその設定の解除は、例えば、制御装置50の操作入力部を介したユーザの操作入力に応じて行うようにしても良いし、制御装置50のレジスタの値の書き換えによって行うようにしても良い。
【0038】
具体的には、制御装置50の警戒エリア設定部53は、第2の実施の形態と同様にして、小エリアA〜Iのうち、侵入者を検知した小エリアを第1警戒エリアに設定し、第1警戒エリアに隣接する小エリアを第2警戒エリアに設定し、更に、第1警戒エリア及び第2警戒エリア以外の小エリアを非警戒領域に設定する。また、警戒エリア設定部53は、第2警戒エリアに設定した処理対象の小エリアについて、その設定後から、当該小エリアに配設されたセンサ60及び当該小エリアに隣接する小エリアに配設されたセンサ60から信号受信部51が検知信号を新たに受信していない経過時間を、当該処理対象の小エリアに対応するタイマにより各々カウントし、当該経過時間が第2所定時間に達した場合、当該処理対象の小エリアに対する第2警戒エリアの設定を解除する。また、警戒エリア設定部53は、セキュリティ強化モードが設定されていない場合、上述の第1の実施の形態と同様にして、第1警戒エリアに設定した処理対象の小エリアについて、その設定後から、当該小エリアに配設されたセンサ60及び当該小エリアに隣接する小エリアに配設されたセンサ60から信号受信部51が検知信号を新たに受信していない経過時間を、当該処理対象の小エリアに対応するタイマにより各々カウントし、当該経過時間が第1所定時間に達した場合、当該処理対象の小エリアに対する第1警戒エリアの設定を解除する。一方、セキュリティ強化モードが設定されている場合、警戒エリア設定部53は、第1警戒エリアに設定した処理対象の小エリアについて、その設定後から、当該小エリアに配設されたセンサ60及び当該小エリアに隣接する小エリアに配設されたセンサ60から信号受信部51が検知信号を新たに受信していない経過時間が第1所定時間を経過したとしても、当該処理対象の小エリアに対する第1警戒エリアの設定を解除しない。信号受信部51、警報送信部52及び機器制御部54の各機能は上述の第1の実施の形態と同様である。
【0039】
次に、本実施の形態にかかる制御装置50が行う機器制御処理の手順について図13を用いて説明する。制御装置50は、小エリアA〜I毎に以下の処理を行う。ステップS20〜S21,S3〜S11は第2の実施の形態と同様である。ステップS11の判断結果が肯定的である場合、即ち、処理対象の小エリアが第1警戒エリアに設定されており、当該小エリアに配設されたセンサ60及び隣接する小エリアに配設されたセンサ60からの検知信号が受信されていない場合(ステップS11:YES)、当該処理対象の小エリアは、侵入者が検知された後、自身及び隣接する小エリアで侵入者が新たに検知されていない最終検知エリアである。この場合、ステップS30では、制御装置50は、セキュリティ強化モードが設定されているか否かを判断する。制御装置50は、セキュリティ強化モードが設定されていないと判断した場合(ステップS30:NO)、ステップS12に進み、セキュリティ強化モードが設定されていると判断した場合(ステップS30:YES)、ステップS12〜S15を経ずに、ステップS16に進む。ステップS12〜S16は第1の実施の形態又は第2の実施の形態と同様である。即ち、セキュリティ強化モードが設定されている場合、制御装置50は、最終検知エリアに対する第1警戒モードの設定を解除せず、従って、最終検知エリアに配設されている機器に対して利用禁止解除信号を送信しない。
【0040】
ここで、セキュリティ強化モードが設定されている場合に侵入者が検知された際侵入者の移動に応じた各小エリアの警戒状態について説明する。図14は、小エリアAで侵入者が検知され、各小エリアにおいてステップS20又はステップS3で侵入者が検知されたと判断された後、次回のステップS20及びステップS3で侵入者が検知されていないと判断された場合の各小エリアの警戒状態を例示する図である。同図では、小エリアAで11時45分20秒に侵入者が検知されて、ステップS20,S3を経てステップS4で第1警戒エリアに設定されて、ステップS16で制御処理Aが行われた後、次回のステップS20,S3,S5,S11,S30を経て、ステップS12〜S15を経ずにステップS16を経て、最終検知エリアとして第1警戒モードの設定が解除されずに、警戒状態が継続されていることが示されている。小エリアB〜Iについては、図8と同様であるため、その説明を省略する。
【0041】
図15は、図14で示された状態の後5分以内に小エリアBで侵入者が検知された場合の各小エリアの警戒状態を例示する図である。図15では、小エリアBで11時46分10秒に侵入者が検知されると、第2警戒エリアに設定されていた小エリアBは、ステップS20,S3を経てステップS4で第1警戒エリアに新たに設定されて、ステップS16で制御処理Aが行われた後、次回のステップS20,S3,S5,S11,S30を経て、ステップS12〜S15を経ずにステップS16を経て、最終検知エリアとして第1警戒モードの設定が解除されずに、警戒状態が継続されていることが示されている。小エリアA,C〜Iについては、図9と同様であるため、その説明を省略する。
【0042】
図16は、図15で示された状態の後5分以内に小エリアEで侵入者が検知された場合の各小エリアの警戒状態を例示する図である。図16では、小エリアEで11時46分40秒に侵入者が検知されると、第2警戒エリアに設定されていた小エリアEは、ステップS20,S3を経てステップS4で第1警戒エリアに新たに設定されて、ステップS16で制御処理Aが行われた後、次回のステップS20,S3,S5,S11,S30を経て、ステップS12〜S15を経ずにステップS16を経て、最終検知エリアとして第1警戒モードの設定が解除されずに、警戒状態が継続されていることが示されている。小エリアA〜D,F〜Iについては、図10と同様であるため、その説明を省略する。
【0043】
図17は、図16で示された状態の後侵入者が検知されずに15分が経過した場合の各小エリアの警戒状態を例示する図である。図17では、図16で示される状態において、第2警戒エリアに設定され第2所定時間(5分)のカウントが開始された小エリアA〜D,F〜Iについては、第2所定時間のカウントが終了し、ステップS9で第2警戒エリアの設定が解除されて、ステップS21で非警戒エリアに設定されていることが示されている。一方、最終検知エリアである小エリアEについては、第1警戒エリアの設定が解除されていないことが示されている。
【0044】
以上のように、制御装置50は、セキュリティ強化モードが設定されていれば、侵入者が検知されなくなった場合であっても、最終検知エリアに対する警戒状態を継続して、最終検知エリアに配設された機器の利用を禁止した状態にする。このため、最終検知エリアに留まっている可能性のある侵入者による当該機器に対する被害を防止して、安全性を維持することができる。
【0045】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0046】
上述した各実施の形態において、制御装置50で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
【0047】
上述した各実施の形態において、第1警戒エリアで行う制御処理A及び第2警戒エリアで行う制御処理Bを分けて説明したが、これらの処理内容は同じであっても良いし、異なっても良い。例えば、制御処理Bでは、第2警戒エリアに配設された機器自体の利用を禁止し、制御処理Aでは、第1警戒エリアに配設された機器自体の利用を禁止すると共に、当該機器が制御する対象(例えば、インフラ(通信)、ライフライン(電気、ガス)、情報機器(サーバ、端末)である)の利用も禁止するようにしても良い。
【0048】
上述した第2の実施の形態又は第3の実施の形態において、第2警戒エリアは、第1警戒エリアに隣接する小エリアであるとしたが、これに限らず、第1警戒エリアに近接する小エリアであっても良い。例えば、第2警戒エリアは、第1警戒エリアに隣接する小エリア及び当該小エリアに隣接する小エリアであっても良い。
【0049】
上述した第1の実施の形態において、制御装置50は、図3に示した処理を行う際、図4〜6に示したような、検知信号が受信された時刻、警戒状態及びタイマの時間を小エリア毎に示す情報をRAMなどの主記憶部に記憶させるようにし、処理の進行に応じて、この情報を適宜更新するようにしても良い。第2の実施の形態においても同様に、制御装置50は、図7に示した処理を行う際、図8〜13に示したような、検知信号が受信された時刻、警戒状態及びタイマの時間を小エリア毎に示す情報をRAMなどの主記憶部に記憶させるようにし、処理の進行に応じて、この情報を適宜更新するようにしても良い。第3の実施の形態においても同様に、制御装置50は、図14に示した処理を行う際、図15〜17に示したような、検知信号が受信された時刻、警戒状態及びタイマの時間を小エリア毎に示す情報をRAMなどの主記憶部に記憶させるようにし、処理の進行に応じて、この情報を適宜更新するようにしても良い。
【符号の説明】
【0050】
50 制御装置
51 信号受信部
52 警報送信部
53 警戒エリア設定部
54 機器制御部
55 情報記憶部
60,60A〜60I センサ
100 監視センタ
200 機器
NT ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
警備対象領域が複数に分割された各領域に配設されたセンサ及び複数の前記領域のうち少なくとも1つの領域に配設された機器が接続された制御装置であって、
前記領域内の人体を検知した旨を示す検知信号を前記センサから受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した検知信号に基づいて、人体が検知された領域を第1警戒領域に設定し、前記第1警戒領域以外の少なくとも1つの領域を第2警戒領域に設定する設定手段と、
前記設定手段が設定した前記第1警戒領域に配設された前記機器及び前記第2警戒領域に配設された前記機器に対して、利用を禁止する第1制御信号を各々送信し、前記設定手段が前記領域を前記第1警戒領域に設定してからいずれの前記センサからも前記検知信号を前記受信手段が受信していない経過時間が第1所定時間に達した場合、前記第1警戒領域に配設された前記機器に対して利用の禁止を解除する第2制御信号を送信し、前記設定手段が前記領域を前記第2警戒領域に設定してからいずれの前記センサからも前記検知信号を前記受信手段が受信していない経過時間が第2所定時間に達した場合、前記第2警戒領域に配設された前記機器に対して前記第2制御信号を送信する制御手段とを備える
ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
警備対象領域が複数に分割された各領域に配設されたセンサ及び複数の前記領域のうち少なくとも1つの領域に配設された機器が接続された制御装置であって、
前記領域内の人体を検知した旨を示す検知信号を前記センサから受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した検知信号に基づいて、人体が検知された領域を第1警戒領域に設定し、前記第1警戒領域に隣接又は近接する領域を第2警戒領域に設定する第1設定手段と、
前記設定手段が設定した前記第1警戒領域に配設された前記機器及び前記第2警戒領域に配設された前記機器に対して、利用を禁止する第1制御信号を各々送信し、前記第1設定手段が前記領域を前記第2警戒領域に設定してから前記領域に配設された前記センサ及び前記領域に隣接又は近接する領域に配設された前記センサから前記検知信号を前記受信手段が受信していない経過時間が第2所定時間に達した場合、前記第2警戒領域に配設された前記機器に対して利用の禁止を解除する第2制御信号を送信する制御手段とを備える
ことを特徴とする制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1設定手段が設定した前記第1警戒領域に配設された前記機器及び前記第2警戒領域に配設された前記機器に対して、前記第1制御信号を各々送信し、前記第1設定手段が前記領域を前記第2警戒領域に設定してから前記領域に配設された前記センサ及び前記領域に隣接又は近接する領域に配設された前記センサから前記検知信号を前記受信手段が受信していない経過時間が第2所定時間に達した場合、前記第2警戒領域に配設された前記機器に対して前記第2制御信号を送信し、前記第1設定手段が前記領域を前記第1警戒領域に設定してから前記領域に配設された前記センサ及び前記領域に隣接又は近接する領域に配設された前記センサから前記検知信号を前記受信手段が受信していない経過時間が第1所定時間に達した場合、前記第1警戒領域に配設された前記機器に対して前記第2制御信号を送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1設定手段は、更に、前記領域を前記第2警戒領域に設定してから前記領域に配設された前記センサ及び前記領域に隣接又は近接する領域に配設された前記センサから前記検知信号を前記受信手段が受信していない経過時間が第2所定時間に達した場合、前記領域に対する前記第2警戒領域の設定を解除し、
前記制御手段は、前記第1設定手段が設定した前記第1警戒領域に配設された前記機器及び前記第2警戒領域に配設された前記機器に対して、前記第1制御信号を各々送信し、前記第1設定手段が前記第2警戒領域の設定を解除した前記領域に配設された前記機器に対して前記第2制御信号を送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1設定手段は、更に、前記領域を前記第1警戒領域に設定してから前記領域に配設された前記センサ及び前記領域に隣接又は近接する領域に配設された前記センサから前記検知信号を前記受信手段が受信していない経過時間が第1所定時間に達した場合、前記領域に対する前記第1警戒領域の設定を解除し、
前記制御手段は、前記第1設定手段が設定した前記第1警戒領域に配設された前記機器及び前記第2警戒領域に配設された前記機器に対して、前記第1制御信号を各々送信し、前記第1設定手段が前記第2警戒領域の設定を解除した前記領域に配設された前記機器に対して前記第2制御信号を送信し、前記第1設定手段が前記第1警戒領域の設定を解除した前記領域に配設された前記機器に対して前記第2制御信号を送信する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の制御装置。
【請求項6】
人体を最後に検知した前記領域に対する警戒状態を維持するモードを設定する第2設定手段を更に備え、
前記第1設定手段は、更に、前記モードが設定されていない場合且つ前記領域を前記第1警戒領域に設定してから前記領域に配設された前記センサ及び前記領域に隣接又は近接する領域に配設された前記センサから前記検知信号を前記受信手段が受信していない経過時間が第1所定時間に達した場合、前記領域に対する前記第1警戒領域の設定を解除し、前記モードが設定されている場合、前記第1警戒領域に設定してから前記領域に配設された前記センサ及び前記領域に隣接又は近接する領域に配設された前記センサから前記検知信号を前記受信手段が受信していない経過時間が第1所定時間に達したとしても、前記領域に対する前記第1警戒領域の設定を解除しない
ことを特徴とする請求項5に記載の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−215820(P2011−215820A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82774(P2010−82774)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】