剤形および薬剤の投与法
【課題】薬剤を持続性かつ単位時間当たりコンスタントに上昇する速度で投与して、意図した治療効果を得、同時に所望されない効果の発現を少なくする剤形と方法の提供。
【解決手段】100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物を、メチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、複数の小丸薬を含有するヒドロゲルマトリックスを含む医薬組成物とする。
【解決手段】100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物を、メチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、複数の小丸薬を含有するヒドロゲルマトリックスを含む医薬組成物とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規な剤形、および治療効果を生むための薬剤の新規な投与法に関する。本発明は、さらに具体的には、薬剤を所定の治療作用をもたらすように持続性でかつ連続的に上昇する速度で投与する剤形、また、さらに特定すると、薬剤を所定の治療作用をもたらすように持続性でかつ連続的に上昇する速度で所定の期間にわたり投与することによって治療効果を生む方法に関する。本発明は、また、ある剤形と、薬剤を初期用量で、続いて持続性でかつ増加する用量で長期間にわたって投与することにより治療効果を達成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
あらゆる社会の薬学および医学分野で、長い間、痛み、気分、思考、感情、行動および心的人格に効果を生む薬剤が使用されていた。これらの薬剤で、オピオイド類、バルビツレート類、催眠薬、中枢神経系興奮薬、中枢神経系抑制薬、精神興奮薬、アルコール類、カンナビノイド類およびカテコールアミン類が代表的なものである。現在の医学では、これら薬剤の一群は注意欠陥障害を取り扱うための標準的な発明品、即ち中枢神経系興奮薬になっている。本発明は中枢神経系作用薬をさらに詳細に呈示するものであるが、理解されるように、本発明は一般的なものであって、本発明の剤形と方法を用いて投与される薬剤を広く包含するものである。
【0003】
中枢神経系作用薬について親、教師、医師、心理学者、ソーシャルワーカーおよび臨床医が認めている利益は劇的であり、この結果として注意欠陥障害の治療に対して中枢神経系の薬物療法の使用が広められ、許容できるものになった。一番最近の年である1994年のデータによれば、学齢女子人口の約2パーセント、学齢男子人口の約6パーセント、合計約2百万人の患者に注意欠陥障害の薬物投与がなされたと述べられている。
【0004】
本発明が出る前は、薬剤、例えば中枢神経作用薬を投与するための剤形と方法は、標準的な製剤剤形を用いるものであった。例えば、中枢神経系作用薬であるメチルフェニデートのような薬剤を投与するための、1つの従来の剤形および方法は、その薬剤を含む即時放出性錠を使用するものである。この即時放出性剤形は、薬剤を瞬時に放下する(dumping)ことによってその薬剤を送達するものであるが、これは複数のピークと谷で特徴付けられる不均一な血中レベルをもたらす。速やかな開始と予定した治療作用をもたらすための短い半減期が特徴であるメチルフェニデート含有即時放出性剤形は、薬物投与がその治療効果を失うと、それにつれて行動と注意意識に揺れが出る可能性があり、多数の服用が1日ごとに必要になる。この剤形は必要とされる治療作用を長期間にわたってはもたらさない。
【0005】
薬剤を分配するもう1つの従来剤形は持続性−放出剤形である。従来の持続性−放出剤形から分配される薬剤は初め上昇することが可能であるが、それは全投与期間にわたるものではなく、実際は経過する時間の間中下降していることがある。即ち、これらの持続性−放出剤形は、薬剤を時間の経過に対して非上昇プロフィールで分配するものである。それは、それら剤形が長期の投与期間を通じて連続増加する1時間当たりの放出速度を与えないからである。この剤形は、さらに、必要とされる治療期間と適切な血液パターンを与えない可能性もある。中枢神経系に対して作用する、持続性−放出の非上昇型剤形から分配されるメチルフェニデートのような薬剤では、許容される治療に必要とされる治療効果の持続時間が短かくなることおよび治療効果の強さが小さくなることで証明される急性薬剤耐性が患者に発現することが多い。従来の持続性−放出送達にもそれに固有の欠点を償う手段が全くない。
【0006】
上記の記載は、従来法で知られていた欠点を克服する新規な剤形と新規な薬剤投与法について決定的な必要性が存在することを教示するものである。この長い間考えられてきた必要性は、(1)1日当たりの投与頻度を同時に少なくしまたはその投与を省く持続性−増加速度で薬剤を投与するための剤形と方法、(2)薬剤を持続性−補償用量で投与して急性薬剤耐性を実質的に補い、それによって前もって選択された臨床応答を維持するための剤形と方法、(3)注意欠陥障害の管理について臨床的に示された持続性−上昇プロフィールで薬剤を投与する剤形、および(4)薬剤を、初めに投与し、授業時間、全体において持続性−上昇プロフィールとするための剤形と方法について存在するのである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の目的
従って、上記の記載に徴して、本発明の直接的な目的は、従来法で知られている欠点を克服する剤形を利用できるようにすることである。
【0008】
本発明のもう1つの目的は、患者に、薬剤を、経過する時間の間中、制御され、増加する用量で送達する新規かつ独特な剤形を提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの目的は、薬剤を、その治療効果を維持し、同時に急性耐性の発現を実質的に回避するように、経過する時間の間中、制御され、増加する用量で送達することによって、薬剤耐性を獲得している患者にその薬剤の治療効果を維持すべくある一定用量の薬剤を投与する剤形を提供することである。
【0010】
本発明のもう1つの目的は、薬剤を、経過する時間の間中、持続性かつ増加する用量で投与する剤形によって、急性耐性をもたらす薬剤の投与を受けた患者の獲得耐性の発現を本質的に回避し、またはその耐性を小さくする、ある一定用量の薬剤を送達する剤形を利用できるようにすることである。
【0011】
本発明のもう1つの目的は、従来法で知られている欠点を克服する、中枢神経系作用薬を投与するための剤形を提供することである。
【0012】
本発明のもう1つの目的は、ある剤形に改善をもたらすことであって、その改善は、注意欠陥障害を治療するために、薬剤を、経過する時間の間中、持続性かつコンスタントに上昇するプロフィールで投与する剤形が得られる点にある。
【0013】
本発明のもう1つの目的は、1〜500mgの薬剤を製剤上許容し得るキャリアーと混合された状態で含む、精神的人格の治療で使用するための、持続放出性でかつ増加する用量で放出される、固体剤形としての薬理組成物を提供することである。
【0014】
本発明のもう1つの目的は、4時間乃至8時間半と言う学校としての1日を通じて1時間当たりの中枢神経作用薬の投与量を増加させるための剤形を提供することである。
【0015】
本発明のもう1つの目的は、中枢神経系治療作用を持つ薬剤を持続性−増加速度でかつ最小限の日量で投与するための剤形を提供することである。
【0016】
本発明のもう1つの目的は、中枢神経作用薬を、この薬剤に関連した獲得耐性を補償する薬剤送達パターンで投与するための剤形を提供することである。
【0017】
本発明のもう1つの目的は、注意欠陥障害に罹っていると診断されたヒトに、その疾患の治療薬を、その疾患を治療するために、16時間にわたって100ng〜375mgと言う持続性でかつ増加する用量で経口投与することから成る、注意欠陥障害の治療用薬剤を投与する剤形を提供することである。
【0018】
本発明のもう1つの目的は、薬剤耐性を獲得している患者に薬剤の治療効果を維持するための新規かつ独特な方法にして、その治療効果を維持し、同時にその患者に急性耐性が発現するのを実質的に回避すべく、その薬剤を、制御され、増加する用量で長時間にわたって送達する剤形を患者に投与することから成る上記の方法を提供することである。
【0019】
本発明のもう1つの目的は、患者に急性耐性を発現させる薬剤が投与されたその患者の獲得耐性を本質的に発現させないようにするか、またはその発現を本質的に少なくする方法を利用できるようにすることであって、その方法は、薬剤を、意図した効果を生むべく、経過する時間の間中、持続性でかつ増加する用量で投与することから成る。
【0020】
本発明のもう1つの目的は、薬剤の投与法に改善をもたらすことであって、その改善は、薬剤を、注意欠陥障害の治療のために、長期間にわたって持続性かつコンスタントに上昇するプロフィールで投与することから成る。
【0021】
本発明のもう1つの目的は、中枢神経作用薬を、4時間乃至8時間半と言う学校としての1日を通じて、連続的に増加する時間当たり放出速度で投与するための方法を提供することである。
【0022】
本発明のもう1つの目的は、患者に耐性を生む能力を持つ薬剤について、その薬剤を、所望されない急性耐性の影響を実質的に少なくすべく、持続性−上昇用量で経口投与することによって、急性耐性の発現を補償する新規な方法を提供することである。
【0023】
本発明のもう1つの目的は、中枢神経興奮薬の治療作用を持つ薬剤を投与するための方法において、その薬剤を、注意欠陥障害の治療のために、長期間にわたって持続性かつ上昇するパターンで投与することから成る改善された方法を提供すること、さらにはその薬剤に関連した獲得耐性を治療補償することである。
【0024】
本発明のもう1つの目的は、注意欠陥障害に罹っていると診断されたヒトに、その疾患を治療するための中枢神経系作用薬を16時間にわたって、患者一人につき100ng〜500mgの持続性かつ増加する用量で、最小の1日当たり投与回数で経口投与することから成る、注意欠陥障害の治療法を提供することである。
【0025】
本発明のもう1つの目的は、注意欠陥障害、即ちADD、および注意欠陥・活動亢進障害、即ちADHDを治療するために、中枢神経作用薬が、初期に、そして連続的に、全投与期間にわたって上昇する方法でその薬剤を投与することである。
【0026】
これらの目的、ならびに本発明の他の目的、特徴および利点は、本発明の次の詳細な開示および添付される請求の範囲からさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明により提供される図面
【図1】図1において、実線は即時放出性剤形から投与された中枢神経系興奮薬の血漿中濃度を表し、また点線は持続性の非上昇性剤形から放出された中枢神経系興奮薬の血漿中濃度を示す。
【図2】図2には、点線で示される持続性放出の上昇する用量に対して、ピークと谷を含む実線で即時放出性剤形が描かれている。
【図3】中枢神経系作用薬の放出結果が示され、ここで白抜きの円は偽薬の場合を示し、黒塗りの円は即時放出性剤形の場合を示し、黒塗りの四角は持続性−非上昇性放出プロフィールの場合を示し、そして白抜きの四角は持続性−上昇性放出速度プロフィールの場合を示す。
【図4】中枢神経系作用薬の放出結果が示され、ここで白抜きの円は偽薬の場合を示し、黒塗りの円は即時放出性剤形の場合を示し、黒塗りの四角は持続性−非上昇性放出プロフィールの場合を示し、そして白抜きの四角は持続性−上昇性放出速度プロフィールの場合を示す。
【図5】中枢神経系作用薬の放出結果が示され、ここで白抜きの円は偽薬の場合を示し、黒塗りの円は即時放出性剤形の場合を示し、黒塗りの四角は持続性−非上昇性放出プロフィールの場合を示し、そして白抜きの四角は持続性−上昇性放出速度プロフィールの場合を示す。
【図6】図6には持続性−上昇放出性剤形の場合の血漿中濃度が実線で示され、かつピークと谷を含む点線で示される即時放出性剤形の場合の血漿中濃度と比較されている。
【図7】図7において、黒塗りの円は偽薬の場合を示し、白塗りの円は持続性−上昇プロフィールの場合を示し、そして黒塗りの四角は同じ中枢神経系作用薬についての1日三回の投与プログラムの場合を示す。
【図8】図8は、黒塗りの円より成る1日三回与えられる偽薬、黒塗りの四角で描かれる即時放出、および白塗りの円で描かれる、同じ薬剤についての、耐性が本質的にない持続性−上昇性放出を描くものである。
【図9】薬剤のメチルフェニデートを1日三回投与する場合、上昇する用量で投与することにより、および送達プロフィールを制御する剤形により得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図10】薬剤のメチルフェニデートを1日三回投与する場合、上昇する用量で投与することにより、および送達プロフィールを制御する剤形により得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図11】薬剤のメチルフェニデートを1日三回投与する場合、上昇する用量で投与することにより、および送達プロフィールを制御する剤形により得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図12】薬剤を、外面オーバーコートに初期用量を含む剤形からその薬剤を投与し、続いて薬剤のメチルフェニデートを内部から上昇する用量で投与することによって得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図13】薬剤を、外面オーバーコートに初期用量を含む剤形からその薬剤を投与し、続いて薬剤のメチルフェニデートを内部から上昇する用量で投与することによって得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図14】薬剤を、外面オーバーコートに初期用量を含む剤形からその薬剤を投与し、続いて薬剤のメチルフェニデートを内部から上昇する用量で投与することによって得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図15】薬剤を、外面オーバーコートに初期用量を含む剤形からその薬剤を投与し、続いて薬剤のメチルフェニデートを内部から上昇する用量で投与することによって得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図16】薬剤を、外面オーバーコートに初期用量を含む剤形からその薬剤を投与し、続いて薬剤のメチルフェニデートを内部から上昇する用量で投与することによって得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。明細書の詳細な開示 本発明の実施によれば、薬剤を、患者の耐性を実質的に少なくするか、または完全に補う新規なプログラムで投与する剤形と方法を提供し得ることがここに見いだされた。耐性は、マグローヒル社(McGraw-Hill)の刊行になる、ブリル(Brill)著・医薬品の薬理(Pharmacology in Medicine)、227頁(1965年)で定義されるとおり、薬剤投与の結果としてもたらされる効果の減少と特徴付けられるものである。非常に短い時間で1回の投薬または数回の投薬を行った後に耐性が発現した場合、それは急性耐性と称される。薬剤をさらに長い時間にわたって投与することにより明白な程度の耐性が明らかになった場合、それは慢性耐性と称される。ペルガモン プレス社(Pergamon Press)の刊行になる、グッドマン(Goodman)およびギルマン(Gilman)著・治療の薬理学的基礎(The Pharmacological Bases of Therapeutics)、第8版、72頁(1990年)に例示されるように、医学文献は、報告された耐性は多くの薬剤の効果に対して獲得される可能性があることを示し、また耐性が獲得された時点に基づいてそれを急性耐性または慢性耐性と分類している。即ち、急性耐性は1用量の投薬期中にまたは1日目に発現するものであり、一方慢性耐性は、典型的には数週間、数ヶ月また数年にわたる慢性投与により獲得されるものである。医学文献に示されている耐性は、体が大きくなることや、バイオトランスフォーメーションの際に伴われる肝酵素等々によって必要になることが多い、長期間にわたる大量投与で認められる慢性耐性を指していることが最も多い。
【0028】
本発明は薬剤を上昇する用量で与える剤形を含む。剤形の代表的なものは、ヒドロゲルマトリックスとそのマトリックスに含まれる複数の小丸薬を含んで成る剤形である。ヒドロゲルマトリックスは、多糖類、寒天、アガロース、天然ガム、アルギン酸ナトリウムを含む、アルギン酸アルカリ金属塩、カラゲナン、フューコイダン(fucoidan)、ファーセララン(furcellaran)、ラミナラン、ヒプニア(hypnea)、アラビアゴム、ガッチガム、カラヤガム、トラガカントゴム、ローカストビーンゴム(locust bean gum)、ペクチン、アミロペクチン、ゼラチンおよび親水コロイドより成る群から選ばれる親水性重合体を含む。ヒドロゲルマトリックスは4〜50個の複数の小丸薬を含み、各小丸薬は100ngから0.5mg、1mg、1.2mg、1.4mg、1.6mg、1.8mg等々のような用量で上昇する1つの増加する用量母集団(an increasing dose population)から成る。これらの小丸薬は、薬剤の時限上昇性放出に備えるために厚さ0.0〜10mmの放出速度制御用の壁を含む。壁形成性材料の代表的なものには、グリセリルトリステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジパルミテート、グリセリルラウレート(glyceryl laureate)、グルセリルジデセノエートおよびグリセリルトリデセノエートより成る群から選ばれるトリグリセリルエステルが含まれる。他の壁形成性材料に、ポリビニルアセテート・フタレート、メチルセルロースフタレートおよび微孔質ビニルオレフィンが含まれる。小丸薬の製造法は、米国特許第4,434,153号、同第4,721,613号、同第4,853,229号、同第2,996,431号、同第3,139,383号および同第4,752,470号明細書に開示される。
【0029】
薬剤を上昇する用量で送達する本発明の剤形は、薬剤放出性ビーズを含んで成る。薬剤放出性ビーズは、その0〜20%が0〜2時間で溶解してその薬剤を放出し、その20〜40%が2〜4時間で溶解してその薬剤を放出し、その40〜60%が4〜6時間で溶解してその薬剤を放出し、その60〜80%が6〜8時間で溶解してその薬剤を放出し、そしてその80〜100%が8〜10時間で溶解してその薬剤を放出する。薬剤放出性ビーズは、薬剤を含む中心組成物、即ちコアーと、滑剤、酸化防止剤および緩衝剤を含む、製剤上許容し得る組成物形成性成分とを含んで成る。これらのビーズは、薬剤を、例えば40mgまで増加する1mg、2mg、5mgおよび10mgと言った増加する用量で含む。これらのビーズは、上記に開示した溶解プロフィールを用いて選択することができる放出速度制御用重合体で被覆されている。ビーズの製造は、リウ(Liu)著・Inter. J. of Pharm.、第112巻、105−116頁(1994年);リウおよびユー(Yu)著・Inter. J. of Pharm.、第112巻、117−124頁(1994年);レミントン(Remington)著・Pharm. Sci.、第14版、1626−1628頁(1970年);フィンチャー(Fincher)著・J. Pharm. Sci.、第57巻、1825−1835頁(1968年);および米国特許第4,083,949号明細書に開示される。
【0030】
本発明により提供される剤形は1mgから100mgの薬剤濃度勾配を持つもので、その濃度勾配は重合体基材に薬剤を前者の低用量から後者の高用量まで被覆することにより達成される。重合体は侵食性重合体であってもよいし、非侵食性重合体であってもよい。被覆された基材は、それ自身で、剤形中心の後者の高用量から基材の露出外端面の前者の低用量まで巻かれている。この被覆基材は、その基材の巻きが解けまたは侵食されるにつれて低用量から高用量までの放出を提供できるように、高用量から低用量までの薬剤で巻かれているのである。例えば、1〜25mgのメチルフェニデートがポリペプチド、コラーゲン、ゼラチンまたはポリビニルアルコールのような侵食性重合体の上に被覆され、その場合重合体基材は中心位置となる内部の巻かれた高用量から外面位置をなす外側の低用量の方向に同心に巻かれている。その剤形は、施用時に、侵食され、放出されるメチルフェニデートを経過する時間の間中上昇する用量で分配する。
【0031】
本発明により提供されるもう1つの剤形は、各層が薬剤を増加する用量で有していることで特徴付けられる多数の層から成るものである。ここで、「多数の層」なる用語は接触積層状態にある2〜6層であることを意味する。これら多数の層は連続的に、即ち第一層を露出層とし、第六層を第五層と接触させ、その第六層の露出面に薬剤不透過性重合体を被覆して、1つの層が他の層の後に来るように順々に配置されている。第六層には、第一層から第六層まで薬剤を確実に放出させるために薬剤不透過性の重合体が被覆されている。第一層は1〜5mgの薬剤を含み、そして連続する各層は1〜5mgの薬剤をさらに追加して含む。生体分解性重合体は化学的分解を受けると、可溶性の単量体または可溶性の重合体単位となる。重合体の生体分解は、通常、化学的にまたは酵素的に触媒される加水分解を伴う。生体分解性重合体の代表的なものは、各層に、第一層そして順に連続層より5〜50重量%高い薬剤装填量を許容するものである。ここで、第一層は100ngの薬剤を含む。代表的な生物分解性重合体は、生体分解性ポリ(アミド類)、ポリ(アミノ酸類)、ポリ(エステル類)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(オルトエステル類)、ポリ(酸無水物類)、生体分解性ポリ(デヒドロピラン類)およびポリ(ジオキシノン類)より成る群から選ばれる重合体である。これらの重合体は、この技術分野では、ローソフ(Rosoff)著・薬剤の制御された放出(Controlled Release of Drugs)、第2章、53−95頁(1989年);ならびに米国特許第3,811,444号、同第3,962,414号、同第4,066,747号、同第4,070,347号、同第4,079,038号および同第4,093,709号明細書において公知となっている。
【0032】
本発明では、さらに、拡散、細孔を通る流動(flux)または重合体マトリックスの破断によって薬剤を放出する重合体を含んで成る剤形が使用される。その薬剤送達高分子系は、100ng〜250mgと言う、初めの濃度、即ち初期濃度から最終濃度、即ちより高い濃度までの濃度上昇である濃度勾配を含むものである。この剤形は初めの用量の所に露出表面を含み、最終用量の所に遠位非露出面を含む。非露出面は薬剤を透過させない製剤上許容し得る材料で被覆されている。この剤形構造は、薬剤を初めの送達用量から最終送達用量まで上昇する流束増加送達できるようになった構造である。
【0033】
上記剤形のマトリックスは、高分子の技術分野で公知の方法で製造することができる。1つの製造例では、各流延成形用組成物が薬剤を増加する用量で含み、そして各組成物が低用量から高用量へと層として重ねられる3つから5つまたはそれ以上の流延成形用組成物がそれぞれ独立に調製される。重ねあわせることによって、濃度勾配を持つ単位重合体マトリックスを与える一連の層が得られる。もう1つの製造例では、まずより高い用量の層を流延成形で作り、続いてその層を用量が減少している複数の層と積層して薬剤の濃度勾配を有する重合体マトリックスを得ている。剤形を提供する1つの例は、ポリエチレングリコールのような製剤上許容できるキャリアーを37℃のような昇温下で既知用量の中枢神経系興奮薬のような薬剤とブレンドし、これをオクタン酸第一錫のような架橋剤を含む医用グレードのシラスティックエラストマーに加え、続いて金型中で流延成形することから成るものである。この工程が各連続層に対して繰り返される。この系を1時間硬化させると、上記の剤形が得られる。この剤形を製造するための代表的な重合体は、ポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(アルギネート)、ポリ(アミド)およびポリ(シリコーン)で代表される、オレフィン重合体とビニル重合体、縮合重合体、炭水化物系重合体およびシリコン重合体より成る群から選ばれる重合体である。これらの重合体とその製造法は、コールマン(Coleman)らによるPolymers、第31巻、1187−1230頁(1990年);ロエルディンク(Roerdink)らによるDrug Carrier Systems、第9巻、57−109頁(1989年);レオン(Leong)らによるAdv. Drug Delivery Rev.、第1巻、199−233頁(1987年);CRCプレス社(CRC Press)刊行の、ロッフ(Roff)らの編集になるHandbook of Common Polymers;および米国特許第3,992,518号明細書で公知になっている。
【0034】
本発明の実施によれば、さらに、急性または慢性の耐性を獲得する可能性のある患者およびその方法で治療すれば患者に急性の耐性を発現させる可能性のある方法において、その耐性を減少させおよび/または回避するために、本発明に開示された薬剤投与用剤形が使用される。さらに、本発明の実施によれば、1つの態様では、注意欠陥障害の治療用薬剤をヒトに時間の関数として経口投与して、所望薬剤濃度を経過する時間の間中に達成する方法を提供できることも見いだされた。薬剤の濃度は、大循環系に吸収される時間内で単位時間当たりに送達される、1時間当たりのmgで表される薬剤の用量に関係付けられる。本発明の方法で独特な点は、急性耐性が獲得され、治療効果が低下するような場合に、薬剤の送達速度を絶えず反復調整することによって所望の薬剤効果を維持する方法が提供されることである。
【0035】
薬剤は投与と投与の間の時間にも当然治療効果を提供しなければならないということが標準的な医療の実際である。しかし、耐性が発現したり、あるいは対薬剤耐性が獲得されたりするときは、治療反応を確実に得ようとする従来技術による方法は、投与される用量を、即時大量放下方式を採って増量するものであるが、それに関連して副作用が起こりそうな場合、このタイプの投与法では、全ての効果に対して耐性がまちまちに発現する可能性があり、また治療指数も低くなる可能性がある。従来法で使用された耐性の発生を低くするもう1つの方法は、耐性の獲得を避けるように、用いられるべき量よりもしばしば少ない薬剤用量を投与するものであるが、この方法による場合、所定の時間の間は治療作用が現れない。
【0036】
医療では、中枢神経作用薬が注意欠陥障害の管理に有用であると言うことが一般に受け入れられている。この治療に有用な薬剤は緩和な中枢神経系興奮薬であって、それらにはカテコールアミン類およびそれらの作用に似ていてもよい薬剤がある。この治療に有用な薬剤は、アンフェタミン、デキストロ−アンフェタミン、メタアンフェタミン、メチルフェニデート、メチルフェニデートラセミ体、トレオ−メチルフェニデート、フェニルイソプロピルアミン、リスペリドン(risperidone)およびペモリンより成る群から選ばれる化合物を含んで成る。これらの薬剤は、また、塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、酢酸塩、臭化水素酸塩、パモエート塩およびマレエート塩より成る群から選ばれるもののような製剤上許容し得る塩も含んでいる。これら薬剤の投与を受けている患者は、一般に、これら薬剤の作用に対して耐性を獲得する。例えば、メチルフェニデートを使い、用量5mgの投与を1日2回受けている患者は耐性を獲得し、従ってもっと多い用量を投与しなければならないが、それは、その耐性発現を克服するために、その一回投与量を多くする必要があるためであり、これは所望とされない副作用を起こすことになろう。ある患者では、メチルフェニデートに対する治療反応が、メチルフェニデートが上昇はしないが一定の濃度に維持されているにも関わらず、4〜5時間で低下する。即ち、メチルフェニデートの行動および精神に及ぼす作用に対して、一般的には精神刺激薬に対して耐性が獲得されるのである。本発明は、薬剤を非補償性であるが、一定の濃度で分配する持続性放出の製品は、例えばある一定の血漿中メチルフェニデート濃度をもたらすように設計された持続性−放出剤形には、特に獲得耐性に対して効力がないので、臨床上有効ではないことを見出したものである。
【0037】
本発明は、その目的の中でも、従来法の所望されない結果を、薬剤を連続的に補って急性耐性を本質的に取り除き、それによって治療効果の安定化を生むようにすることによって実質的に打ち消す剤形と治療法の両者を利用可能にすることにより、注意欠陥障害を治療する剤形と方法を提供するものである。その注意欠陥障害には、ワシントン(Washington)D.C.の米国精神医学協会(American Psychiatric Association)の刊行になる精神障害の診断および統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)、第3版、49−56頁(1987年)に開示される、複合型、主として不注意型、主として多動衝動型の、微小脳機能不全、児童多動症候群、行動症候群、微細脳機能障害および小・脳機能障害としても知られる注意欠陥障害/活動昂進障害がある。
【0038】
薬剤の薬理効果はレセプター部位の濃度に関係する。しかして、薬剤の効果を送達時間(t)の関数(f)として考えると、ある種の薬剤では安定化の動力学は速くなる可能性があるが、他の薬剤ではその効果は、耐性として表現される反応の減少がその薬剤に対して生ずるので、安定化しない。この後者の状態がメチルフェニデートのような中枢神経作用薬に当てはまる。本発明は、獲得された急性耐性の管理に最適の薬剤送達プロフィールを提供することによりその急性耐性を補う。ある種の薬剤では、耐性の始まりが速く、例えばメチルフェニデートではそれを投与して何時間かした後に耐性が発現する。瞬間的治療(instant therapy)を達成するためにある用量の薬剤を初めに送達し、それに付随してその薬剤の効果を維持するために、経過する時間の間中、持続性−上昇放出用量を送達する薬剤送達パターンを利用可能にすることによる、上記の耐性発現に対する管理プログラムが本発明により提供される。
【0039】
薬剤のメチルフェニデートは持続性放出剤形・リタリン(Ritalin(登録商標))−SRとして商業的に入手可能であるが、この商業的形態で分配されるメチルフェニデートは急性耐性をもたらす可能性がある。急性耐性が獲得されると、薬剤なしでの数時間の洗い出し期間が必要であって、その後にその剤形による反復投与が行われることになろう。本発明は、しかし、式1:
効果=f(t,C) 式1
に従って薬剤の時間(t)における臨床効果(E)を薬剤濃度(C)の関数として考察することにより、急性耐性の発現を頻繁に補償する送達速度(mg/時)法を提供することによって、メチルフェニデートのような薬剤の治療効果の損失を補う。
【0040】
加えて、送達される薬剤の速度(A)(mg/時)は薬剤のクリアランスの濃度倍に正比例する。効果は時間と共に変わり、次いでその相関関係が本発明により表されるので、(A)を治療効果が確実に得られるように管理することが可能であり、そしてそれは臨床値に維持される。ある薬剤から得られる効果が時間と共に低下することが臨床的に見いだされる場合、この低下は、式2:
効果(t)=効果(ini) − k効果★t 式2
で表されるとおり、一次となる可能性があるだろう。ただし、上記の式において効果(ini) は薬剤の投与開始時に初めに観察される臨床効果であり、効果(t)は時間(t)時間において観察される効果であり、そしてk効果 は、一定の血漿中濃度を保ちながら時間(t1)時間における臨床効果(E1)および時間(t2)時間における臨床効果(E2)を測定し、次いで(E1)−(E2)を(t1)−(t2)で割ることによって確認される比例定数である。一定の効果を維持するためには、(A)は同じ相関関係を用いて式3:
A(t)=A(ini) + k効果★t 式3
に従って調整されなければならない。ただし、上記の式においてA(ini) は治療開始時の初めの薬剤投入量(mg/時)であり、A(t)は時間(t)時間における薬剤投入量であり、そしてk効果 は上記に与えた比例定数である。治療効果が時間と共に指数関数的に低下することが見いだされる場合、この関係は式4:
効果(t)=効果(ini) ★exp(−k効果★t) 式4
で表される。ただし、上記の式において効果(ini) と効果(t)は前記で定義したとおりであり、そしてk効果 は、一定の血漿中濃度を保ちながら時間(t1)時間における臨床効果(E1)および時間(t2)時間における臨床効果(E2)を測定し、次いで(E1)の自然対数−(E2)の自然対数を(t1)−(t2)で割ることによって確認される、時間の逆数を単位とする速度定数(時−1)である。一定の効果を維持するためには、(A)は式5:
A(t)=A(ini) ★exp(−k効果★t) 式5
に従って調整されなければならない。ただし、上記の式においてA(ini) およびA(t)は前記で定義されたとおりであり、そしてk効果 は上記に与えれれた速度定数(時−1)である。これらの式はホルフォード,N.H.G.(Holford, N.H.G.)およびシェーナー, L.E.(Sheiner, L.E.)著・Pharmac. Ther.、第16巻、143−166頁(1982年)に与えられている。
【0041】
ここに定義される効果は、SKAMPおよびCLAMのような臨床上の主観的観察により確認される、または算数のテストおよび学業成績のような活動の客観的監視により確認される、薬剤が示す薬理効果を意味する。CLAMテストは、コナーズ(Conners)、ロネッツ(Lonez)およびミルヒ(Milch)によって開発された、対社会順応性または反抗性を示す行動評価法であり、またSKAMPはスワンソンによって開発され、Psychopharmacological Bulletin、第21巻、887−890頁(1985年)に報告された、行動も測定する評価法である。
【0042】
本研究における効果の測定は、(1)SKAMPスケールによる観察者の(授業時間中の)評価と(2)コンピューター処理された算数テストによる動作評価であった。研究開始前に各児童をコンピューター処理された算数テストでテストし、研究中のこの予備テストに基づいて各児童の能力に適切な算数テスト法を得た。異常行動を確認するために、両親による朝晩のCLAM評価を採用した。夜間の治療効果、特に児童が眠りに入る時間に治療効果が存在するかどうか、および児童の睡眠が中断されるかどうかを調べるために、両親による夜間のCLAM評価を採用した。児童の全てに児童の日中の動きを記録する活動モニター[アクティグラフ(Actigraph)]も装着した。その活動(1分当たりの動きの数)は電子的に記録され、薬剤効果の関数としてモデル化されるようになっている。
【0043】
本発明により与えられる実施例の詳細な開示
次の実施例は本発明を単に例示説明するものであって、当業者には、本発明の開示と添付請求の範囲に徴して、これら実施例およびそれら実施例に均等な他の説明は明白なものであるので、これら実施例を、いかなる意味においても、本発明を限定するものと考えるべきではない。
【0044】
実施例1
メチルフェニデート5mgより成る市販の即時放出性錠を36人の学童に1日2回投与し、予測血漿中濃度(ng/mL)を、図1において黒塗りの実線で見られるとおり、時間に対してグラフにした。この錠剤は、メチルフェニデートについてピークと谷がある血漿中濃度を示す。メチルフェニデート20mgを次の投与プログラムで投与する持続性−放出の非上昇プログラムでは、図1に見られるとおり、x軸に平行な点線で示される持続性放出がもたらされた:ゼロ時間のとき8.3mg、続いて1.5時間のとき0.9mg、2時間のとき0.9mg、2.5時間のとき0.9mg、3時間のとき0.9mg、3.5時間のとき0.9mg、4時間のとき0.9mg、4.5時間のとき0.9mg、5時間のとき0.9mg、5.5時間のとき0.9mg、6時間のとき0.9mg、6.5時間のとき0.9mg、7時間のとき0.9mgおよび7.5時間のとき0.9mg。この即時放出性錠および持続性放出剤形を、メチルフェニデートを上昇プロフィールで投与する持続性放出剤形と比較した。持続性−放出の上昇プロフィールは、ゼロ時間のときに4.2mg、1.5時間のときに1.1mg、2時間のときに1.1mg、2.5時間のときに1.2mg、3時間のときに1.2mg、3.5時間のときに1.3mg、4時間のときに1.3mg、4.5時間のときに1.5mg、5時間のときに1.5mg、5.5時間のときに1.8mg、6時間のときに1.8mg、そして6.5時間のときに2.0mgを投与するプログラムに相当するもので、図2に見られる、点線で示される持続性−上昇放出がもたらされる。
【0045】
臨床研究の結果は、メチルフェニデートを含まない剤形である偽薬が投与された患者は、活動のような行動に大きな高められた振れ、不適当行動、注意散漫、算数のより低い点数および学校での無関心を示すことを証明した。メチルフェニデートが持続性−非上昇用量で投与された患者は、活動低下、算数のより高い点数および不適当行動の減少を示した。これらの効果は、しかし、患者に急性耐性の発現を伴うものであった。メチルフェニデートが、本発明に従って、制御された持続性の上昇プロフィールで投与された患者は、所望された治療効果を耐性なしに示した。添付図面に上記研究の結果を与えるものである。図3、4および5において、白塗りの円を持つ線は偽薬の場合を示し、黒塗りの円は1日2回投与された即時放出性剤形の場合を示し、黒塗りの四角は持続性の放出非上昇性剤形のプロフィールを示し、そして白塗りの四角は本発明によって与えられる持続性の上昇放出性プロフィールを示す。SKAMPの点数およびCLAMの点数は本明細書で先に定義されたとおりであり、また時間は図面に示すとおりである。図3は観察された行動を示し、図4は不注意から来る過活動を示し、そして図5はこの研究の複合型注意状態(combined attention)の結果を示す。
【0046】
実施例2
本実施例には、メチルフェニデートを2つの異なる送達プログラムに従って投与することから成る臨床研究の結果が報告される。本研究において、持続性−上昇プロフィールはメチルフェニデートを次のように投与するプログラムに相当する:ゼロ時間のとき8mg、1.5時間のとき1.4mg、2.0時間のとき1.4mg、2.5時間のとき1.7mg、3.0時間のとき1.7mg、3.5時間のとき2.0mg、4.0時間のとき2.0mg、4.5時間のとき2.2mg、5.0時間のとき2.2mg、5.5時間のとき2.2mg、6.0時間のとき2.2mg、6.5時間のとき2.4mg、7.0時間のとき2.4mg、7.5時間のとき2.6mgおよび8.0時間のとき1.9mg。メチルフェニデートは、メチルフェニデートが合計36mgで、外側のオーバーコートにその22%が含まれるオーバーコートされたカプセルとして投与された。この上昇する用量を、第一用量を0730時に、続いて1530時まで用量を30分毎に上昇させて投与し、意図した上昇する血漿中濃度をもたらした。この研究はメチルフェニデートを即時放出性剤形の形で1日3回送達する場合を含み、その場合10mgのメチルフェニデートが0730時、1130時および1530時に送達されるようにした。この研究は注意欠陥・活動昂進障害を持つ32人の児童について行われた。添付の図6はメチルフェニデートの血漿中濃度を示すもので、図中の点−鎖線は持続性−上昇投与プログラムでもたらされたものであり、また鎖線は即時放出性剤形でもたらされたものである。添付の図7において、黒塗りの円は偽薬の場合を示し、白塗りの円は持続性−上昇プログラムの場合を示し、黒塗りの四角は1日3回の投与プログラムの場合を示し、そして観察されたパラメーターは、持続性の上昇プログラムでの、耐性の獲得がなかった場合の行動であった。添付の図8は複合型注意状態のパラメーターを示すもので、図中黒塗りの円は偽薬の場合であって、耐性が獲得されており、黒塗りの四角は1日3回投与の即時放出送達の場合であって、耐性が獲得されており、そして白塗りの円は持続性−上昇放出であって、耐性の発現は本質的にない。
【0047】
実施例3
経口投与される錠剤として付形された剤形を投与することによる、注意欠陥障害を獲得耐性の低下を伴って管理するために、中枢神経系興奮薬のメチルフェニデートを持続性でかつ上昇する用量で投与する方法が提供される。この剤形は、メチルフェニデート20mgを製剤上許容し得るゼラチンと混合して含む組成物で被覆された、セバシン酸およびアゼライン酸のポリ酸無水物重合体のフィルムから成るものである。この製剤上許容し得るフィルムは、メチルフェニデート組成物により、この組成物をそれ自体の周りにその厚さを増しながら螺旋巻きすることによって被覆されている。メチルフェニデートを含んで成るその組成物は、胃腸管に経口投与された後、そのフィルムが経過する時間の間中に侵食されるにつれて、コンスタントに増加する速度で分配される。この剤形の重合体は米国特許第2,668,162号および同第2,676,945号明細書に記載され、またこの剤形は米国特許第3,625,214号明細書に記載されている。
【0048】
実施例4
ペモリンを、安定化効果を得るために、児童に明白な獲得耐性を伴わせることなく投与することによる、精神的、教育的誘導でサポートされる、活動昂進を伴う注意欠陥障害の治療法が、中枢神経興奮薬剤としてのペモリンを含んで成る本発明による生体侵食性剤形の投与により提供される。この剤形は生物侵食性のポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を5層、接触して含んで成り、その各層はペモリンを4mg、6mg、8mg、10mgおよび12mgと増加された量で含有している。これらの層は圧縮成形されて、積層された錠剤形状配置とされ、その場合層を露出させる1つの開放表面はペモリンを2mg含有しており、その錠剤の残りの層は非生体侵食性のエチレン−酢酸ビニル共重合体により包囲されている。そのため、それらの層は一定かつ連続的に生物侵食され、それに対応してペモリンは経過する時間の間中コンスタントに増加する用量で分配される。その生物侵食性重合体は米国特許第3,773,919号、EPO第0−052−510号およびカナダ特許第1,169,090号明細書において知られている。
【0049】
実施例5
多数の球状ビーズを含む、製剤上許容し得るゼラチンの2個接合カプセルとして製造された剤形を投与することによる、薬剤を持続性−増加性の放出速度で投与する方法が提供される。カプセルは、各々異なるビーズにおいて薬剤が1mg、1.25mg、1.5mg、1.75mg、2mgおよび2.25mgと順次多くなっている一連のビーズを含み、ここでそれらビーズは、上記薬剤量に対応して0.5mm、1mm、1.5mm、2.5mm、3mmおよび3.25mmと順次厚くなっているポリ(2,2−ジオキソ−トランス−1,4−シクロヘキサンジメチレンテトラヒドロフラン)重合体で被覆されている。ビーズは、それらが胃腸管の環境中で侵食されるにつれて、経過する時間の間中持続性−上昇性の放出速度で分配される。この方法で分配することができる薬剤は、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、メタアンフェタミン、メチルフェニデート、フェニルイソプロピルアミンおよびペモリンより成る群から選ばれるものを含んで成る。被覆法は、J. Am. Phar. Assoc.、Sci. Ed.、第48巻、451−454頁(1959年)ならびに米国特許第2,799,241号明細書に開示されている。
【0050】
実施例6
薬剤のメチルフェニデートを放出して、耐性を実質的に克服してその興奮剤・メチルフェニデートの所望薬理効果を所望期間にわたって維持する、上昇性血漿中メチルフェニデート濃度−時間プロフィールをもたらす送達系が本発明により提供される。例えば、毎日12時間にわたり4時間毎に与えられる3回用量の即時放出、即ちTID(1日3回)と同様の効果−時間プロフィールを達成するために、以下に示される範囲内の血漿中メチルフェニデート濃度をもたらす送達系が、耐性を克服して薬理効果を維持する。4時間毎に与えられる2回用量の即時放出と同等の送達系を作るために、その放出速度を切り詰めることができ、また、同様に、それよりもっと長い期間では、その濃度を高めることができる。その送達プロフィールが薬剤と薬理効果を具現するものである。しかし、濃度を上げると言う着想は依然として同じままである。
【0051】
表1は、この範囲を模擬実験で求めたTID濃度分の1(a fraction of the simulated TID concentration)として与えるものである。添付される図面は、そのTIDに重ね合わせた上昇プロフィールの変動と参照としての上昇(ASCEND)治療プロフィールを示すものである。
【表1】
【0052】
添付図面は本発明によって得られた治療上の利益を示すものである。図9は、1日3回、用量30mgの場合(実線)、36mgの上昇治療(ascend treatment)の場合(鎖線)、および浸透圧制御用量(osmotic controlled dose)36mgの場合(点−鎖線)の模擬実験で求めた血漿中メチルフェニデート濃度を例証するものである。図10は、この図では浸透圧制御用量が38mgであることを除けば、図9の場合と同様の血漿中メチルフェニデート濃度を示すものである。図11は、この図では浸透圧制御用量が40mgであることを除けば、図9の場合と同様の血漿中メチルフェニデート濃度を示すものである。図12は、実線で示される、30mgを1日3回送達した場合;鎖線で示される、36mgの薬剤を含む剤形から1日1回投与する上昇用量(ascend dose)の場合;および点−鎖線で示される、即時放出される8mgの用量と26mgの持続性で上昇する用量を含む剤形の場合を例証するものである。図13は、点−鎖線で表される剤形が9mgと言う瞬間放出用量のメチルフェニデートを、また25mgと言う上昇する用量のメチルフェニデートを含んでいることを除けば、図12と同様の血漿中メチルフェニデート濃度を示すものである。図14は、点−鎖線が8mgと言う瞬間放出用量および25mgと言う上昇する用量のメチルフェニデートの場合を示していることを除けば、前の各図と同様である。図15は、点−鎖線が8mgと言う即時放出用量のメチルフェニデート、続いて25mgと言う持続性の上昇する用量のメチルフェニデートの場合を例証していることを除けば、上記の各図と同様である。図16は、この研究において点−鎖線が8mgと言う即時放出用量のメチルフェニデート、続いて24mgと言う制御された−上昇する用量のメチルフェニデートの場合を例証していることを除けば、上記の臨床条件を用いている上記の各図と同様である。
【0053】
本発明は、さらに、薬剤が、本発明の剤形により、8時間までまたは12時間までの学校としての1日を通じて、制御された速度かつ持続性放出パターンで投与される、上記実施例による薬剤投与法を提供するものである。
【0054】
以上、本発明を、本発明の態様に適用したとき、本発明の特徴と利点を指摘して説明したが、医療技術分野の当業者であれば、本明細書に記載される方法には、本発明の精神から逸脱しない範囲で、色々な修正、変更、付加および省略をなし得ることが理解されるであろう。
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規な剤形、および治療効果を生むための薬剤の新規な投与法に関する。本発明は、さらに具体的には、薬剤を所定の治療作用をもたらすように持続性でかつ連続的に上昇する速度で投与する剤形、また、さらに特定すると、薬剤を所定の治療作用をもたらすように持続性でかつ連続的に上昇する速度で所定の期間にわたり投与することによって治療効果を生む方法に関する。本発明は、また、ある剤形と、薬剤を初期用量で、続いて持続性でかつ増加する用量で長期間にわたって投与することにより治療効果を達成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
あらゆる社会の薬学および医学分野で、長い間、痛み、気分、思考、感情、行動および心的人格に効果を生む薬剤が使用されていた。これらの薬剤で、オピオイド類、バルビツレート類、催眠薬、中枢神経系興奮薬、中枢神経系抑制薬、精神興奮薬、アルコール類、カンナビノイド類およびカテコールアミン類が代表的なものである。現在の医学では、これら薬剤の一群は注意欠陥障害を取り扱うための標準的な発明品、即ち中枢神経系興奮薬になっている。本発明は中枢神経系作用薬をさらに詳細に呈示するものであるが、理解されるように、本発明は一般的なものであって、本発明の剤形と方法を用いて投与される薬剤を広く包含するものである。
【0003】
中枢神経系作用薬について親、教師、医師、心理学者、ソーシャルワーカーおよび臨床医が認めている利益は劇的であり、この結果として注意欠陥障害の治療に対して中枢神経系の薬物療法の使用が広められ、許容できるものになった。一番最近の年である1994年のデータによれば、学齢女子人口の約2パーセント、学齢男子人口の約6パーセント、合計約2百万人の患者に注意欠陥障害の薬物投与がなされたと述べられている。
【0004】
本発明が出る前は、薬剤、例えば中枢神経作用薬を投与するための剤形と方法は、標準的な製剤剤形を用いるものであった。例えば、中枢神経系作用薬であるメチルフェニデートのような薬剤を投与するための、1つの従来の剤形および方法は、その薬剤を含む即時放出性錠を使用するものである。この即時放出性剤形は、薬剤を瞬時に放下する(dumping)ことによってその薬剤を送達するものであるが、これは複数のピークと谷で特徴付けられる不均一な血中レベルをもたらす。速やかな開始と予定した治療作用をもたらすための短い半減期が特徴であるメチルフェニデート含有即時放出性剤形は、薬物投与がその治療効果を失うと、それにつれて行動と注意意識に揺れが出る可能性があり、多数の服用が1日ごとに必要になる。この剤形は必要とされる治療作用を長期間にわたってはもたらさない。
【0005】
薬剤を分配するもう1つの従来剤形は持続性−放出剤形である。従来の持続性−放出剤形から分配される薬剤は初め上昇することが可能であるが、それは全投与期間にわたるものではなく、実際は経過する時間の間中下降していることがある。即ち、これらの持続性−放出剤形は、薬剤を時間の経過に対して非上昇プロフィールで分配するものである。それは、それら剤形が長期の投与期間を通じて連続増加する1時間当たりの放出速度を与えないからである。この剤形は、さらに、必要とされる治療期間と適切な血液パターンを与えない可能性もある。中枢神経系に対して作用する、持続性−放出の非上昇型剤形から分配されるメチルフェニデートのような薬剤では、許容される治療に必要とされる治療効果の持続時間が短かくなることおよび治療効果の強さが小さくなることで証明される急性薬剤耐性が患者に発現することが多い。従来の持続性−放出送達にもそれに固有の欠点を償う手段が全くない。
【0006】
上記の記載は、従来法で知られていた欠点を克服する新規な剤形と新規な薬剤投与法について決定的な必要性が存在することを教示するものである。この長い間考えられてきた必要性は、(1)1日当たりの投与頻度を同時に少なくしまたはその投与を省く持続性−増加速度で薬剤を投与するための剤形と方法、(2)薬剤を持続性−補償用量で投与して急性薬剤耐性を実質的に補い、それによって前もって選択された臨床応答を維持するための剤形と方法、(3)注意欠陥障害の管理について臨床的に示された持続性−上昇プロフィールで薬剤を投与する剤形、および(4)薬剤を、初めに投与し、授業時間、全体において持続性−上昇プロフィールとするための剤形と方法について存在するのである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の目的
従って、上記の記載に徴して、本発明の直接的な目的は、従来法で知られている欠点を克服する剤形を利用できるようにすることである。
【0008】
本発明のもう1つの目的は、患者に、薬剤を、経過する時間の間中、制御され、増加する用量で送達する新規かつ独特な剤形を提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの目的は、薬剤を、その治療効果を維持し、同時に急性耐性の発現を実質的に回避するように、経過する時間の間中、制御され、増加する用量で送達することによって、薬剤耐性を獲得している患者にその薬剤の治療効果を維持すべくある一定用量の薬剤を投与する剤形を提供することである。
【0010】
本発明のもう1つの目的は、薬剤を、経過する時間の間中、持続性かつ増加する用量で投与する剤形によって、急性耐性をもたらす薬剤の投与を受けた患者の獲得耐性の発現を本質的に回避し、またはその耐性を小さくする、ある一定用量の薬剤を送達する剤形を利用できるようにすることである。
【0011】
本発明のもう1つの目的は、従来法で知られている欠点を克服する、中枢神経系作用薬を投与するための剤形を提供することである。
【0012】
本発明のもう1つの目的は、ある剤形に改善をもたらすことであって、その改善は、注意欠陥障害を治療するために、薬剤を、経過する時間の間中、持続性かつコンスタントに上昇するプロフィールで投与する剤形が得られる点にある。
【0013】
本発明のもう1つの目的は、1〜500mgの薬剤を製剤上許容し得るキャリアーと混合された状態で含む、精神的人格の治療で使用するための、持続放出性でかつ増加する用量で放出される、固体剤形としての薬理組成物を提供することである。
【0014】
本発明のもう1つの目的は、4時間乃至8時間半と言う学校としての1日を通じて1時間当たりの中枢神経作用薬の投与量を増加させるための剤形を提供することである。
【0015】
本発明のもう1つの目的は、中枢神経系治療作用を持つ薬剤を持続性−増加速度でかつ最小限の日量で投与するための剤形を提供することである。
【0016】
本発明のもう1つの目的は、中枢神経作用薬を、この薬剤に関連した獲得耐性を補償する薬剤送達パターンで投与するための剤形を提供することである。
【0017】
本発明のもう1つの目的は、注意欠陥障害に罹っていると診断されたヒトに、その疾患の治療薬を、その疾患を治療するために、16時間にわたって100ng〜375mgと言う持続性でかつ増加する用量で経口投与することから成る、注意欠陥障害の治療用薬剤を投与する剤形を提供することである。
【0018】
本発明のもう1つの目的は、薬剤耐性を獲得している患者に薬剤の治療効果を維持するための新規かつ独特な方法にして、その治療効果を維持し、同時にその患者に急性耐性が発現するのを実質的に回避すべく、その薬剤を、制御され、増加する用量で長時間にわたって送達する剤形を患者に投与することから成る上記の方法を提供することである。
【0019】
本発明のもう1つの目的は、患者に急性耐性を発現させる薬剤が投与されたその患者の獲得耐性を本質的に発現させないようにするか、またはその発現を本質的に少なくする方法を利用できるようにすることであって、その方法は、薬剤を、意図した効果を生むべく、経過する時間の間中、持続性でかつ増加する用量で投与することから成る。
【0020】
本発明のもう1つの目的は、薬剤の投与法に改善をもたらすことであって、その改善は、薬剤を、注意欠陥障害の治療のために、長期間にわたって持続性かつコンスタントに上昇するプロフィールで投与することから成る。
【0021】
本発明のもう1つの目的は、中枢神経作用薬を、4時間乃至8時間半と言う学校としての1日を通じて、連続的に増加する時間当たり放出速度で投与するための方法を提供することである。
【0022】
本発明のもう1つの目的は、患者に耐性を生む能力を持つ薬剤について、その薬剤を、所望されない急性耐性の影響を実質的に少なくすべく、持続性−上昇用量で経口投与することによって、急性耐性の発現を補償する新規な方法を提供することである。
【0023】
本発明のもう1つの目的は、中枢神経興奮薬の治療作用を持つ薬剤を投与するための方法において、その薬剤を、注意欠陥障害の治療のために、長期間にわたって持続性かつ上昇するパターンで投与することから成る改善された方法を提供すること、さらにはその薬剤に関連した獲得耐性を治療補償することである。
【0024】
本発明のもう1つの目的は、注意欠陥障害に罹っていると診断されたヒトに、その疾患を治療するための中枢神経系作用薬を16時間にわたって、患者一人につき100ng〜500mgの持続性かつ増加する用量で、最小の1日当たり投与回数で経口投与することから成る、注意欠陥障害の治療法を提供することである。
【0025】
本発明のもう1つの目的は、注意欠陥障害、即ちADD、および注意欠陥・活動亢進障害、即ちADHDを治療するために、中枢神経作用薬が、初期に、そして連続的に、全投与期間にわたって上昇する方法でその薬剤を投与することである。
【0026】
これらの目的、ならびに本発明の他の目的、特徴および利点は、本発明の次の詳細な開示および添付される請求の範囲からさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明により提供される図面
【図1】図1において、実線は即時放出性剤形から投与された中枢神経系興奮薬の血漿中濃度を表し、また点線は持続性の非上昇性剤形から放出された中枢神経系興奮薬の血漿中濃度を示す。
【図2】図2には、点線で示される持続性放出の上昇する用量に対して、ピークと谷を含む実線で即時放出性剤形が描かれている。
【図3】中枢神経系作用薬の放出結果が示され、ここで白抜きの円は偽薬の場合を示し、黒塗りの円は即時放出性剤形の場合を示し、黒塗りの四角は持続性−非上昇性放出プロフィールの場合を示し、そして白抜きの四角は持続性−上昇性放出速度プロフィールの場合を示す。
【図4】中枢神経系作用薬の放出結果が示され、ここで白抜きの円は偽薬の場合を示し、黒塗りの円は即時放出性剤形の場合を示し、黒塗りの四角は持続性−非上昇性放出プロフィールの場合を示し、そして白抜きの四角は持続性−上昇性放出速度プロフィールの場合を示す。
【図5】中枢神経系作用薬の放出結果が示され、ここで白抜きの円は偽薬の場合を示し、黒塗りの円は即時放出性剤形の場合を示し、黒塗りの四角は持続性−非上昇性放出プロフィールの場合を示し、そして白抜きの四角は持続性−上昇性放出速度プロフィールの場合を示す。
【図6】図6には持続性−上昇放出性剤形の場合の血漿中濃度が実線で示され、かつピークと谷を含む点線で示される即時放出性剤形の場合の血漿中濃度と比較されている。
【図7】図7において、黒塗りの円は偽薬の場合を示し、白塗りの円は持続性−上昇プロフィールの場合を示し、そして黒塗りの四角は同じ中枢神経系作用薬についての1日三回の投与プログラムの場合を示す。
【図8】図8は、黒塗りの円より成る1日三回与えられる偽薬、黒塗りの四角で描かれる即時放出、および白塗りの円で描かれる、同じ薬剤についての、耐性が本質的にない持続性−上昇性放出を描くものである。
【図9】薬剤のメチルフェニデートを1日三回投与する場合、上昇する用量で投与することにより、および送達プロフィールを制御する剤形により得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図10】薬剤のメチルフェニデートを1日三回投与する場合、上昇する用量で投与することにより、および送達プロフィールを制御する剤形により得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図11】薬剤のメチルフェニデートを1日三回投与する場合、上昇する用量で投与することにより、および送達プロフィールを制御する剤形により得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図12】薬剤を、外面オーバーコートに初期用量を含む剤形からその薬剤を投与し、続いて薬剤のメチルフェニデートを内部から上昇する用量で投与することによって得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図13】薬剤を、外面オーバーコートに初期用量を含む剤形からその薬剤を投与し、続いて薬剤のメチルフェニデートを内部から上昇する用量で投与することによって得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図14】薬剤を、外面オーバーコートに初期用量を含む剤形からその薬剤を投与し、続いて薬剤のメチルフェニデートを内部から上昇する用量で投与することによって得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図15】薬剤を、外面オーバーコートに初期用量を含む剤形からその薬剤を投与し、続いて薬剤のメチルフェニデートを内部から上昇する用量で投与することによって得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。
【図16】薬剤を、外面オーバーコートに初期用量を含む剤形からその薬剤を投与し、続いて薬剤のメチルフェニデートを内部から上昇する用量で投与することによって得られるメチルフェニデートの血漿中濃度を描くものである。明細書の詳細な開示 本発明の実施によれば、薬剤を、患者の耐性を実質的に少なくするか、または完全に補う新規なプログラムで投与する剤形と方法を提供し得ることがここに見いだされた。耐性は、マグローヒル社(McGraw-Hill)の刊行になる、ブリル(Brill)著・医薬品の薬理(Pharmacology in Medicine)、227頁(1965年)で定義されるとおり、薬剤投与の結果としてもたらされる効果の減少と特徴付けられるものである。非常に短い時間で1回の投薬または数回の投薬を行った後に耐性が発現した場合、それは急性耐性と称される。薬剤をさらに長い時間にわたって投与することにより明白な程度の耐性が明らかになった場合、それは慢性耐性と称される。ペルガモン プレス社(Pergamon Press)の刊行になる、グッドマン(Goodman)およびギルマン(Gilman)著・治療の薬理学的基礎(The Pharmacological Bases of Therapeutics)、第8版、72頁(1990年)に例示されるように、医学文献は、報告された耐性は多くの薬剤の効果に対して獲得される可能性があることを示し、また耐性が獲得された時点に基づいてそれを急性耐性または慢性耐性と分類している。即ち、急性耐性は1用量の投薬期中にまたは1日目に発現するものであり、一方慢性耐性は、典型的には数週間、数ヶ月また数年にわたる慢性投与により獲得されるものである。医学文献に示されている耐性は、体が大きくなることや、バイオトランスフォーメーションの際に伴われる肝酵素等々によって必要になることが多い、長期間にわたる大量投与で認められる慢性耐性を指していることが最も多い。
【0028】
本発明は薬剤を上昇する用量で与える剤形を含む。剤形の代表的なものは、ヒドロゲルマトリックスとそのマトリックスに含まれる複数の小丸薬を含んで成る剤形である。ヒドロゲルマトリックスは、多糖類、寒天、アガロース、天然ガム、アルギン酸ナトリウムを含む、アルギン酸アルカリ金属塩、カラゲナン、フューコイダン(fucoidan)、ファーセララン(furcellaran)、ラミナラン、ヒプニア(hypnea)、アラビアゴム、ガッチガム、カラヤガム、トラガカントゴム、ローカストビーンゴム(locust bean gum)、ペクチン、アミロペクチン、ゼラチンおよび親水コロイドより成る群から選ばれる親水性重合体を含む。ヒドロゲルマトリックスは4〜50個の複数の小丸薬を含み、各小丸薬は100ngから0.5mg、1mg、1.2mg、1.4mg、1.6mg、1.8mg等々のような用量で上昇する1つの増加する用量母集団(an increasing dose population)から成る。これらの小丸薬は、薬剤の時限上昇性放出に備えるために厚さ0.0〜10mmの放出速度制御用の壁を含む。壁形成性材料の代表的なものには、グリセリルトリステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジパルミテート、グリセリルラウレート(glyceryl laureate)、グルセリルジデセノエートおよびグリセリルトリデセノエートより成る群から選ばれるトリグリセリルエステルが含まれる。他の壁形成性材料に、ポリビニルアセテート・フタレート、メチルセルロースフタレートおよび微孔質ビニルオレフィンが含まれる。小丸薬の製造法は、米国特許第4,434,153号、同第4,721,613号、同第4,853,229号、同第2,996,431号、同第3,139,383号および同第4,752,470号明細書に開示される。
【0029】
薬剤を上昇する用量で送達する本発明の剤形は、薬剤放出性ビーズを含んで成る。薬剤放出性ビーズは、その0〜20%が0〜2時間で溶解してその薬剤を放出し、その20〜40%が2〜4時間で溶解してその薬剤を放出し、その40〜60%が4〜6時間で溶解してその薬剤を放出し、その60〜80%が6〜8時間で溶解してその薬剤を放出し、そしてその80〜100%が8〜10時間で溶解してその薬剤を放出する。薬剤放出性ビーズは、薬剤を含む中心組成物、即ちコアーと、滑剤、酸化防止剤および緩衝剤を含む、製剤上許容し得る組成物形成性成分とを含んで成る。これらのビーズは、薬剤を、例えば40mgまで増加する1mg、2mg、5mgおよび10mgと言った増加する用量で含む。これらのビーズは、上記に開示した溶解プロフィールを用いて選択することができる放出速度制御用重合体で被覆されている。ビーズの製造は、リウ(Liu)著・Inter. J. of Pharm.、第112巻、105−116頁(1994年);リウおよびユー(Yu)著・Inter. J. of Pharm.、第112巻、117−124頁(1994年);レミントン(Remington)著・Pharm. Sci.、第14版、1626−1628頁(1970年);フィンチャー(Fincher)著・J. Pharm. Sci.、第57巻、1825−1835頁(1968年);および米国特許第4,083,949号明細書に開示される。
【0030】
本発明により提供される剤形は1mgから100mgの薬剤濃度勾配を持つもので、その濃度勾配は重合体基材に薬剤を前者の低用量から後者の高用量まで被覆することにより達成される。重合体は侵食性重合体であってもよいし、非侵食性重合体であってもよい。被覆された基材は、それ自身で、剤形中心の後者の高用量から基材の露出外端面の前者の低用量まで巻かれている。この被覆基材は、その基材の巻きが解けまたは侵食されるにつれて低用量から高用量までの放出を提供できるように、高用量から低用量までの薬剤で巻かれているのである。例えば、1〜25mgのメチルフェニデートがポリペプチド、コラーゲン、ゼラチンまたはポリビニルアルコールのような侵食性重合体の上に被覆され、その場合重合体基材は中心位置となる内部の巻かれた高用量から外面位置をなす外側の低用量の方向に同心に巻かれている。その剤形は、施用時に、侵食され、放出されるメチルフェニデートを経過する時間の間中上昇する用量で分配する。
【0031】
本発明により提供されるもう1つの剤形は、各層が薬剤を増加する用量で有していることで特徴付けられる多数の層から成るものである。ここで、「多数の層」なる用語は接触積層状態にある2〜6層であることを意味する。これら多数の層は連続的に、即ち第一層を露出層とし、第六層を第五層と接触させ、その第六層の露出面に薬剤不透過性重合体を被覆して、1つの層が他の層の後に来るように順々に配置されている。第六層には、第一層から第六層まで薬剤を確実に放出させるために薬剤不透過性の重合体が被覆されている。第一層は1〜5mgの薬剤を含み、そして連続する各層は1〜5mgの薬剤をさらに追加して含む。生体分解性重合体は化学的分解を受けると、可溶性の単量体または可溶性の重合体単位となる。重合体の生体分解は、通常、化学的にまたは酵素的に触媒される加水分解を伴う。生体分解性重合体の代表的なものは、各層に、第一層そして順に連続層より5〜50重量%高い薬剤装填量を許容するものである。ここで、第一層は100ngの薬剤を含む。代表的な生物分解性重合体は、生体分解性ポリ(アミド類)、ポリ(アミノ酸類)、ポリ(エステル類)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(オルトエステル類)、ポリ(酸無水物類)、生体分解性ポリ(デヒドロピラン類)およびポリ(ジオキシノン類)より成る群から選ばれる重合体である。これらの重合体は、この技術分野では、ローソフ(Rosoff)著・薬剤の制御された放出(Controlled Release of Drugs)、第2章、53−95頁(1989年);ならびに米国特許第3,811,444号、同第3,962,414号、同第4,066,747号、同第4,070,347号、同第4,079,038号および同第4,093,709号明細書において公知となっている。
【0032】
本発明では、さらに、拡散、細孔を通る流動(flux)または重合体マトリックスの破断によって薬剤を放出する重合体を含んで成る剤形が使用される。その薬剤送達高分子系は、100ng〜250mgと言う、初めの濃度、即ち初期濃度から最終濃度、即ちより高い濃度までの濃度上昇である濃度勾配を含むものである。この剤形は初めの用量の所に露出表面を含み、最終用量の所に遠位非露出面を含む。非露出面は薬剤を透過させない製剤上許容し得る材料で被覆されている。この剤形構造は、薬剤を初めの送達用量から最終送達用量まで上昇する流束増加送達できるようになった構造である。
【0033】
上記剤形のマトリックスは、高分子の技術分野で公知の方法で製造することができる。1つの製造例では、各流延成形用組成物が薬剤を増加する用量で含み、そして各組成物が低用量から高用量へと層として重ねられる3つから5つまたはそれ以上の流延成形用組成物がそれぞれ独立に調製される。重ねあわせることによって、濃度勾配を持つ単位重合体マトリックスを与える一連の層が得られる。もう1つの製造例では、まずより高い用量の層を流延成形で作り、続いてその層を用量が減少している複数の層と積層して薬剤の濃度勾配を有する重合体マトリックスを得ている。剤形を提供する1つの例は、ポリエチレングリコールのような製剤上許容できるキャリアーを37℃のような昇温下で既知用量の中枢神経系興奮薬のような薬剤とブレンドし、これをオクタン酸第一錫のような架橋剤を含む医用グレードのシラスティックエラストマーに加え、続いて金型中で流延成形することから成るものである。この工程が各連続層に対して繰り返される。この系を1時間硬化させると、上記の剤形が得られる。この剤形を製造するための代表的な重合体は、ポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(アルギネート)、ポリ(アミド)およびポリ(シリコーン)で代表される、オレフィン重合体とビニル重合体、縮合重合体、炭水化物系重合体およびシリコン重合体より成る群から選ばれる重合体である。これらの重合体とその製造法は、コールマン(Coleman)らによるPolymers、第31巻、1187−1230頁(1990年);ロエルディンク(Roerdink)らによるDrug Carrier Systems、第9巻、57−109頁(1989年);レオン(Leong)らによるAdv. Drug Delivery Rev.、第1巻、199−233頁(1987年);CRCプレス社(CRC Press)刊行の、ロッフ(Roff)らの編集になるHandbook of Common Polymers;および米国特許第3,992,518号明細書で公知になっている。
【0034】
本発明の実施によれば、さらに、急性または慢性の耐性を獲得する可能性のある患者およびその方法で治療すれば患者に急性の耐性を発現させる可能性のある方法において、その耐性を減少させおよび/または回避するために、本発明に開示された薬剤投与用剤形が使用される。さらに、本発明の実施によれば、1つの態様では、注意欠陥障害の治療用薬剤をヒトに時間の関数として経口投与して、所望薬剤濃度を経過する時間の間中に達成する方法を提供できることも見いだされた。薬剤の濃度は、大循環系に吸収される時間内で単位時間当たりに送達される、1時間当たりのmgで表される薬剤の用量に関係付けられる。本発明の方法で独特な点は、急性耐性が獲得され、治療効果が低下するような場合に、薬剤の送達速度を絶えず反復調整することによって所望の薬剤効果を維持する方法が提供されることである。
【0035】
薬剤は投与と投与の間の時間にも当然治療効果を提供しなければならないということが標準的な医療の実際である。しかし、耐性が発現したり、あるいは対薬剤耐性が獲得されたりするときは、治療反応を確実に得ようとする従来技術による方法は、投与される用量を、即時大量放下方式を採って増量するものであるが、それに関連して副作用が起こりそうな場合、このタイプの投与法では、全ての効果に対して耐性がまちまちに発現する可能性があり、また治療指数も低くなる可能性がある。従来法で使用された耐性の発生を低くするもう1つの方法は、耐性の獲得を避けるように、用いられるべき量よりもしばしば少ない薬剤用量を投与するものであるが、この方法による場合、所定の時間の間は治療作用が現れない。
【0036】
医療では、中枢神経作用薬が注意欠陥障害の管理に有用であると言うことが一般に受け入れられている。この治療に有用な薬剤は緩和な中枢神経系興奮薬であって、それらにはカテコールアミン類およびそれらの作用に似ていてもよい薬剤がある。この治療に有用な薬剤は、アンフェタミン、デキストロ−アンフェタミン、メタアンフェタミン、メチルフェニデート、メチルフェニデートラセミ体、トレオ−メチルフェニデート、フェニルイソプロピルアミン、リスペリドン(risperidone)およびペモリンより成る群から選ばれる化合物を含んで成る。これらの薬剤は、また、塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、酢酸塩、臭化水素酸塩、パモエート塩およびマレエート塩より成る群から選ばれるもののような製剤上許容し得る塩も含んでいる。これら薬剤の投与を受けている患者は、一般に、これら薬剤の作用に対して耐性を獲得する。例えば、メチルフェニデートを使い、用量5mgの投与を1日2回受けている患者は耐性を獲得し、従ってもっと多い用量を投与しなければならないが、それは、その耐性発現を克服するために、その一回投与量を多くする必要があるためであり、これは所望とされない副作用を起こすことになろう。ある患者では、メチルフェニデートに対する治療反応が、メチルフェニデートが上昇はしないが一定の濃度に維持されているにも関わらず、4〜5時間で低下する。即ち、メチルフェニデートの行動および精神に及ぼす作用に対して、一般的には精神刺激薬に対して耐性が獲得されるのである。本発明は、薬剤を非補償性であるが、一定の濃度で分配する持続性放出の製品は、例えばある一定の血漿中メチルフェニデート濃度をもたらすように設計された持続性−放出剤形には、特に獲得耐性に対して効力がないので、臨床上有効ではないことを見出したものである。
【0037】
本発明は、その目的の中でも、従来法の所望されない結果を、薬剤を連続的に補って急性耐性を本質的に取り除き、それによって治療効果の安定化を生むようにすることによって実質的に打ち消す剤形と治療法の両者を利用可能にすることにより、注意欠陥障害を治療する剤形と方法を提供するものである。その注意欠陥障害には、ワシントン(Washington)D.C.の米国精神医学協会(American Psychiatric Association)の刊行になる精神障害の診断および統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)、第3版、49−56頁(1987年)に開示される、複合型、主として不注意型、主として多動衝動型の、微小脳機能不全、児童多動症候群、行動症候群、微細脳機能障害および小・脳機能障害としても知られる注意欠陥障害/活動昂進障害がある。
【0038】
薬剤の薬理効果はレセプター部位の濃度に関係する。しかして、薬剤の効果を送達時間(t)の関数(f)として考えると、ある種の薬剤では安定化の動力学は速くなる可能性があるが、他の薬剤ではその効果は、耐性として表現される反応の減少がその薬剤に対して生ずるので、安定化しない。この後者の状態がメチルフェニデートのような中枢神経作用薬に当てはまる。本発明は、獲得された急性耐性の管理に最適の薬剤送達プロフィールを提供することによりその急性耐性を補う。ある種の薬剤では、耐性の始まりが速く、例えばメチルフェニデートではそれを投与して何時間かした後に耐性が発現する。瞬間的治療(instant therapy)を達成するためにある用量の薬剤を初めに送達し、それに付随してその薬剤の効果を維持するために、経過する時間の間中、持続性−上昇放出用量を送達する薬剤送達パターンを利用可能にすることによる、上記の耐性発現に対する管理プログラムが本発明により提供される。
【0039】
薬剤のメチルフェニデートは持続性放出剤形・リタリン(Ritalin(登録商標))−SRとして商業的に入手可能であるが、この商業的形態で分配されるメチルフェニデートは急性耐性をもたらす可能性がある。急性耐性が獲得されると、薬剤なしでの数時間の洗い出し期間が必要であって、その後にその剤形による反復投与が行われることになろう。本発明は、しかし、式1:
効果=f(t,C) 式1
に従って薬剤の時間(t)における臨床効果(E)を薬剤濃度(C)の関数として考察することにより、急性耐性の発現を頻繁に補償する送達速度(mg/時)法を提供することによって、メチルフェニデートのような薬剤の治療効果の損失を補う。
【0040】
加えて、送達される薬剤の速度(A)(mg/時)は薬剤のクリアランスの濃度倍に正比例する。効果は時間と共に変わり、次いでその相関関係が本発明により表されるので、(A)を治療効果が確実に得られるように管理することが可能であり、そしてそれは臨床値に維持される。ある薬剤から得られる効果が時間と共に低下することが臨床的に見いだされる場合、この低下は、式2:
効果(t)=効果(ini) − k効果★t 式2
で表されるとおり、一次となる可能性があるだろう。ただし、上記の式において効果(ini) は薬剤の投与開始時に初めに観察される臨床効果であり、効果(t)は時間(t)時間において観察される効果であり、そしてk効果 は、一定の血漿中濃度を保ちながら時間(t1)時間における臨床効果(E1)および時間(t2)時間における臨床効果(E2)を測定し、次いで(E1)−(E2)を(t1)−(t2)で割ることによって確認される比例定数である。一定の効果を維持するためには、(A)は同じ相関関係を用いて式3:
A(t)=A(ini) + k効果★t 式3
に従って調整されなければならない。ただし、上記の式においてA(ini) は治療開始時の初めの薬剤投入量(mg/時)であり、A(t)は時間(t)時間における薬剤投入量であり、そしてk効果 は上記に与えた比例定数である。治療効果が時間と共に指数関数的に低下することが見いだされる場合、この関係は式4:
効果(t)=効果(ini) ★exp(−k効果★t) 式4
で表される。ただし、上記の式において効果(ini) と効果(t)は前記で定義したとおりであり、そしてk効果 は、一定の血漿中濃度を保ちながら時間(t1)時間における臨床効果(E1)および時間(t2)時間における臨床効果(E2)を測定し、次いで(E1)の自然対数−(E2)の自然対数を(t1)−(t2)で割ることによって確認される、時間の逆数を単位とする速度定数(時−1)である。一定の効果を維持するためには、(A)は式5:
A(t)=A(ini) ★exp(−k効果★t) 式5
に従って調整されなければならない。ただし、上記の式においてA(ini) およびA(t)は前記で定義されたとおりであり、そしてk効果 は上記に与えれれた速度定数(時−1)である。これらの式はホルフォード,N.H.G.(Holford, N.H.G.)およびシェーナー, L.E.(Sheiner, L.E.)著・Pharmac. Ther.、第16巻、143−166頁(1982年)に与えられている。
【0041】
ここに定義される効果は、SKAMPおよびCLAMのような臨床上の主観的観察により確認される、または算数のテストおよび学業成績のような活動の客観的監視により確認される、薬剤が示す薬理効果を意味する。CLAMテストは、コナーズ(Conners)、ロネッツ(Lonez)およびミルヒ(Milch)によって開発された、対社会順応性または反抗性を示す行動評価法であり、またSKAMPはスワンソンによって開発され、Psychopharmacological Bulletin、第21巻、887−890頁(1985年)に報告された、行動も測定する評価法である。
【0042】
本研究における効果の測定は、(1)SKAMPスケールによる観察者の(授業時間中の)評価と(2)コンピューター処理された算数テストによる動作評価であった。研究開始前に各児童をコンピューター処理された算数テストでテストし、研究中のこの予備テストに基づいて各児童の能力に適切な算数テスト法を得た。異常行動を確認するために、両親による朝晩のCLAM評価を採用した。夜間の治療効果、特に児童が眠りに入る時間に治療効果が存在するかどうか、および児童の睡眠が中断されるかどうかを調べるために、両親による夜間のCLAM評価を採用した。児童の全てに児童の日中の動きを記録する活動モニター[アクティグラフ(Actigraph)]も装着した。その活動(1分当たりの動きの数)は電子的に記録され、薬剤効果の関数としてモデル化されるようになっている。
【0043】
本発明により与えられる実施例の詳細な開示
次の実施例は本発明を単に例示説明するものであって、当業者には、本発明の開示と添付請求の範囲に徴して、これら実施例およびそれら実施例に均等な他の説明は明白なものであるので、これら実施例を、いかなる意味においても、本発明を限定するものと考えるべきではない。
【0044】
実施例1
メチルフェニデート5mgより成る市販の即時放出性錠を36人の学童に1日2回投与し、予測血漿中濃度(ng/mL)を、図1において黒塗りの実線で見られるとおり、時間に対してグラフにした。この錠剤は、メチルフェニデートについてピークと谷がある血漿中濃度を示す。メチルフェニデート20mgを次の投与プログラムで投与する持続性−放出の非上昇プログラムでは、図1に見られるとおり、x軸に平行な点線で示される持続性放出がもたらされた:ゼロ時間のとき8.3mg、続いて1.5時間のとき0.9mg、2時間のとき0.9mg、2.5時間のとき0.9mg、3時間のとき0.9mg、3.5時間のとき0.9mg、4時間のとき0.9mg、4.5時間のとき0.9mg、5時間のとき0.9mg、5.5時間のとき0.9mg、6時間のとき0.9mg、6.5時間のとき0.9mg、7時間のとき0.9mgおよび7.5時間のとき0.9mg。この即時放出性錠および持続性放出剤形を、メチルフェニデートを上昇プロフィールで投与する持続性放出剤形と比較した。持続性−放出の上昇プロフィールは、ゼロ時間のときに4.2mg、1.5時間のときに1.1mg、2時間のときに1.1mg、2.5時間のときに1.2mg、3時間のときに1.2mg、3.5時間のときに1.3mg、4時間のときに1.3mg、4.5時間のときに1.5mg、5時間のときに1.5mg、5.5時間のときに1.8mg、6時間のときに1.8mg、そして6.5時間のときに2.0mgを投与するプログラムに相当するもので、図2に見られる、点線で示される持続性−上昇放出がもたらされる。
【0045】
臨床研究の結果は、メチルフェニデートを含まない剤形である偽薬が投与された患者は、活動のような行動に大きな高められた振れ、不適当行動、注意散漫、算数のより低い点数および学校での無関心を示すことを証明した。メチルフェニデートが持続性−非上昇用量で投与された患者は、活動低下、算数のより高い点数および不適当行動の減少を示した。これらの効果は、しかし、患者に急性耐性の発現を伴うものであった。メチルフェニデートが、本発明に従って、制御された持続性の上昇プロフィールで投与された患者は、所望された治療効果を耐性なしに示した。添付図面に上記研究の結果を与えるものである。図3、4および5において、白塗りの円を持つ線は偽薬の場合を示し、黒塗りの円は1日2回投与された即時放出性剤形の場合を示し、黒塗りの四角は持続性の放出非上昇性剤形のプロフィールを示し、そして白塗りの四角は本発明によって与えられる持続性の上昇放出性プロフィールを示す。SKAMPの点数およびCLAMの点数は本明細書で先に定義されたとおりであり、また時間は図面に示すとおりである。図3は観察された行動を示し、図4は不注意から来る過活動を示し、そして図5はこの研究の複合型注意状態(combined attention)の結果を示す。
【0046】
実施例2
本実施例には、メチルフェニデートを2つの異なる送達プログラムに従って投与することから成る臨床研究の結果が報告される。本研究において、持続性−上昇プロフィールはメチルフェニデートを次のように投与するプログラムに相当する:ゼロ時間のとき8mg、1.5時間のとき1.4mg、2.0時間のとき1.4mg、2.5時間のとき1.7mg、3.0時間のとき1.7mg、3.5時間のとき2.0mg、4.0時間のとき2.0mg、4.5時間のとき2.2mg、5.0時間のとき2.2mg、5.5時間のとき2.2mg、6.0時間のとき2.2mg、6.5時間のとき2.4mg、7.0時間のとき2.4mg、7.5時間のとき2.6mgおよび8.0時間のとき1.9mg。メチルフェニデートは、メチルフェニデートが合計36mgで、外側のオーバーコートにその22%が含まれるオーバーコートされたカプセルとして投与された。この上昇する用量を、第一用量を0730時に、続いて1530時まで用量を30分毎に上昇させて投与し、意図した上昇する血漿中濃度をもたらした。この研究はメチルフェニデートを即時放出性剤形の形で1日3回送達する場合を含み、その場合10mgのメチルフェニデートが0730時、1130時および1530時に送達されるようにした。この研究は注意欠陥・活動昂進障害を持つ32人の児童について行われた。添付の図6はメチルフェニデートの血漿中濃度を示すもので、図中の点−鎖線は持続性−上昇投与プログラムでもたらされたものであり、また鎖線は即時放出性剤形でもたらされたものである。添付の図7において、黒塗りの円は偽薬の場合を示し、白塗りの円は持続性−上昇プログラムの場合を示し、黒塗りの四角は1日3回の投与プログラムの場合を示し、そして観察されたパラメーターは、持続性の上昇プログラムでの、耐性の獲得がなかった場合の行動であった。添付の図8は複合型注意状態のパラメーターを示すもので、図中黒塗りの円は偽薬の場合であって、耐性が獲得されており、黒塗りの四角は1日3回投与の即時放出送達の場合であって、耐性が獲得されており、そして白塗りの円は持続性−上昇放出であって、耐性の発現は本質的にない。
【0047】
実施例3
経口投与される錠剤として付形された剤形を投与することによる、注意欠陥障害を獲得耐性の低下を伴って管理するために、中枢神経系興奮薬のメチルフェニデートを持続性でかつ上昇する用量で投与する方法が提供される。この剤形は、メチルフェニデート20mgを製剤上許容し得るゼラチンと混合して含む組成物で被覆された、セバシン酸およびアゼライン酸のポリ酸無水物重合体のフィルムから成るものである。この製剤上許容し得るフィルムは、メチルフェニデート組成物により、この組成物をそれ自体の周りにその厚さを増しながら螺旋巻きすることによって被覆されている。メチルフェニデートを含んで成るその組成物は、胃腸管に経口投与された後、そのフィルムが経過する時間の間中に侵食されるにつれて、コンスタントに増加する速度で分配される。この剤形の重合体は米国特許第2,668,162号および同第2,676,945号明細書に記載され、またこの剤形は米国特許第3,625,214号明細書に記載されている。
【0048】
実施例4
ペモリンを、安定化効果を得るために、児童に明白な獲得耐性を伴わせることなく投与することによる、精神的、教育的誘導でサポートされる、活動昂進を伴う注意欠陥障害の治療法が、中枢神経興奮薬剤としてのペモリンを含んで成る本発明による生体侵食性剤形の投与により提供される。この剤形は生物侵食性のポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を5層、接触して含んで成り、その各層はペモリンを4mg、6mg、8mg、10mgおよび12mgと増加された量で含有している。これらの層は圧縮成形されて、積層された錠剤形状配置とされ、その場合層を露出させる1つの開放表面はペモリンを2mg含有しており、その錠剤の残りの層は非生体侵食性のエチレン−酢酸ビニル共重合体により包囲されている。そのため、それらの層は一定かつ連続的に生物侵食され、それに対応してペモリンは経過する時間の間中コンスタントに増加する用量で分配される。その生物侵食性重合体は米国特許第3,773,919号、EPO第0−052−510号およびカナダ特許第1,169,090号明細書において知られている。
【0049】
実施例5
多数の球状ビーズを含む、製剤上許容し得るゼラチンの2個接合カプセルとして製造された剤形を投与することによる、薬剤を持続性−増加性の放出速度で投与する方法が提供される。カプセルは、各々異なるビーズにおいて薬剤が1mg、1.25mg、1.5mg、1.75mg、2mgおよび2.25mgと順次多くなっている一連のビーズを含み、ここでそれらビーズは、上記薬剤量に対応して0.5mm、1mm、1.5mm、2.5mm、3mmおよび3.25mmと順次厚くなっているポリ(2,2−ジオキソ−トランス−1,4−シクロヘキサンジメチレンテトラヒドロフラン)重合体で被覆されている。ビーズは、それらが胃腸管の環境中で侵食されるにつれて、経過する時間の間中持続性−上昇性の放出速度で分配される。この方法で分配することができる薬剤は、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、メタアンフェタミン、メチルフェニデート、フェニルイソプロピルアミンおよびペモリンより成る群から選ばれるものを含んで成る。被覆法は、J. Am. Phar. Assoc.、Sci. Ed.、第48巻、451−454頁(1959年)ならびに米国特許第2,799,241号明細書に開示されている。
【0050】
実施例6
薬剤のメチルフェニデートを放出して、耐性を実質的に克服してその興奮剤・メチルフェニデートの所望薬理効果を所望期間にわたって維持する、上昇性血漿中メチルフェニデート濃度−時間プロフィールをもたらす送達系が本発明により提供される。例えば、毎日12時間にわたり4時間毎に与えられる3回用量の即時放出、即ちTID(1日3回)と同様の効果−時間プロフィールを達成するために、以下に示される範囲内の血漿中メチルフェニデート濃度をもたらす送達系が、耐性を克服して薬理効果を維持する。4時間毎に与えられる2回用量の即時放出と同等の送達系を作るために、その放出速度を切り詰めることができ、また、同様に、それよりもっと長い期間では、その濃度を高めることができる。その送達プロフィールが薬剤と薬理効果を具現するものである。しかし、濃度を上げると言う着想は依然として同じままである。
【0051】
表1は、この範囲を模擬実験で求めたTID濃度分の1(a fraction of the simulated TID concentration)として与えるものである。添付される図面は、そのTIDに重ね合わせた上昇プロフィールの変動と参照としての上昇(ASCEND)治療プロフィールを示すものである。
【表1】
【0052】
添付図面は本発明によって得られた治療上の利益を示すものである。図9は、1日3回、用量30mgの場合(実線)、36mgの上昇治療(ascend treatment)の場合(鎖線)、および浸透圧制御用量(osmotic controlled dose)36mgの場合(点−鎖線)の模擬実験で求めた血漿中メチルフェニデート濃度を例証するものである。図10は、この図では浸透圧制御用量が38mgであることを除けば、図9の場合と同様の血漿中メチルフェニデート濃度を示すものである。図11は、この図では浸透圧制御用量が40mgであることを除けば、図9の場合と同様の血漿中メチルフェニデート濃度を示すものである。図12は、実線で示される、30mgを1日3回送達した場合;鎖線で示される、36mgの薬剤を含む剤形から1日1回投与する上昇用量(ascend dose)の場合;および点−鎖線で示される、即時放出される8mgの用量と26mgの持続性で上昇する用量を含む剤形の場合を例証するものである。図13は、点−鎖線で表される剤形が9mgと言う瞬間放出用量のメチルフェニデートを、また25mgと言う上昇する用量のメチルフェニデートを含んでいることを除けば、図12と同様の血漿中メチルフェニデート濃度を示すものである。図14は、点−鎖線が8mgと言う瞬間放出用量および25mgと言う上昇する用量のメチルフェニデートの場合を示していることを除けば、前の各図と同様である。図15は、点−鎖線が8mgと言う即時放出用量のメチルフェニデート、続いて25mgと言う持続性の上昇する用量のメチルフェニデートの場合を例証していることを除けば、上記の各図と同様である。図16は、この研究において点−鎖線が8mgと言う即時放出用量のメチルフェニデート、続いて24mgと言う制御された−上昇する用量のメチルフェニデートの場合を例証していることを除けば、上記の臨床条件を用いている上記の各図と同様である。
【0053】
本発明は、さらに、薬剤が、本発明の剤形により、8時間までまたは12時間までの学校としての1日を通じて、制御された速度かつ持続性放出パターンで投与される、上記実施例による薬剤投与法を提供するものである。
【0054】
以上、本発明を、本発明の態様に適用したとき、本発明の特徴と利点を指摘して説明したが、医療技術分野の当業者であれば、本明細書に記載される方法には、本発明の精神から逸脱しない範囲で、色々な修正、変更、付加および省略をなし得ることが理解されるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、複数の小丸薬を含有するヒドロゲルマトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項2】
前記ヒドロゲルマトリックスが、多糖類、寒天、アガロース、天然ガム、アルギン酸アルカリ金属塩、カラゲナン、フューコイダン、ファーセララン、ラミナラン、ヒプニア、アラビアゴム、ガッチガム、カラヤガム、トラガカントゴム、ローカストビーンゴム、ペクチン、アミロペクチン、ゼラチンおよび親水コロイドより成る群から選ばれる親水性重合体を含む、請求項1に規定される医薬組成物。
【請求項3】
前記ヒドロゲルマトリックスは4〜50個の複数の小丸薬を含み、各小丸薬は100ngからのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩の増加する用量母集団を含む、請求項1又は2に規定される医薬組成物。
【請求項4】
前記増加する用量母集団が、0.5mg、1mg、1.2mg、1.4mg、1.6mg、1.8mgのメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩から選択される用量を含む、請求項3に規定される医薬組成物。
【請求項5】
小丸薬が10mmまでの放出速度制御用の壁を含む、請求項1〜4のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項6】
前記放速度制御壁がグリセリルトリステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジパルミテート、グリセリルラウレート、グルセリルジデセノエートおよびグリセリルトリデセノエートからなる群から選択されるトリグリセリルエステルを含む、請求項5に規定される医薬組成物。
【請求項7】
前記放速度制御壁がポリビニルアセテート・フタレート、メチルセルロースフタレートおよび微孔質ビニルオレフィンからなる群から選択される材料から作られる、請求項5に規定される医薬組成物。
【請求項8】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、活性成分放出ビーズを含む、上記医薬組成物。
【請求項9】
前記ビーズが、0〜2時間で0〜20%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、2〜4時間で20〜40%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、4〜6時間で40〜60%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、6〜8時間で60〜80%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、8〜10時間で80〜100%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出する、という溶出プロファイルを特徴とする、請求項8に規定される医薬組成物。
【請求項10】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩の増加する用量を含む、請求項8又は9に規定される医薬組成物。
【請求項11】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を、1個当たり1mg、2mg、5mg、10mg、又はそれ以上であって最大で40mgまでから選択される増加する用量で含む、請求項8又は9に規定される医薬組成物。
【請求項12】
前記ビーズが、放出速度制御用重合体により被覆されている、請求項8〜11のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項13】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を含む中心コアーと、製剤上許容し得る組成物形成性成分とを含む、請求項8〜12いずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項14】
前記製剤上許容し得る組成物形成性成分は、滑剤、酸化防止剤および緩衝剤を含む、請求項13に規定される医薬組成物。
【請求項15】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、重合体基材上に第一用量1mgから第二用量100mgまで被覆されたメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩の薬剤濃度勾配を持つ、上記医薬組成物。
【請求項16】
前記重合体基材が侵食性重合体である、請求項15に規定される医薬組成物。
【請求項17】
前記侵食性重合体がポリペプチド、コラーゲン、ゼラチンまたはポリビニルアルコールからなる群から選択される、請求項16に規定される医薬組成物。
【請求項18】
前記重合体基材が非侵食性重合体である、請求項15に規定される医薬組成物。
【請求項19】
前記重合体基材はそれ自身について巻かれており、前記第一の用量が外端面で露出され且つ前記第二の用量は基材中心に配置されている、請求項15〜18のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項20】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩が通過して拡散する重合体マトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項21】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩が通過して流出する多孔性重合体マトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項22】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、重合体マトリックスを含み、その破裂がメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出する、上記医薬組成物。
【請求項23】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で6時間より長く最大で12時間までにわたり放出し、複数の小丸薬を含有するヒドロゲルマトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項24】
前記ヒドロゲルマトリックスが、多糖類、寒天、アガロース、天然ガム、アルギン酸アルカリ金属塩、カラゲナン、フューコイダン、ファーセララン、ラミナラン、ヒプニア、アラビアゴム、ガッチガム、カラヤガム、トラガカントゴム、ローカストビーンゴム、ペクチン、アミロペクチン、ゼラチンおよび親水コロイドより成る群から選ばれる親水性重合体を含む、請求項23に規定される医薬組成物。
【請求項25】
前記ヒドロゲルマトリックスは4〜50個の複数の小丸薬を含み、各小丸薬は100ngからのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩の増加する用量母集団を含む、請求項23又は24に規定される医薬組成物。
【請求項26】
前記増加する用量母集団が、0.5mg、1mg、1.2mg、1.4mg、1.6mg、1.8mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩から選択される用量を含む、請求項25に規定される医薬組成物。
【請求項27】
前記小丸薬が10mmまでの放出速度制御用の壁を含む、請求項23〜26のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項28】
前記放速度制御壁がグリセリルトリステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジパルミテート、グリセリルラウレート、グルセリルジデセノエートおよびグリセリルトリデセノエートからなる群から選択されるトリグリセリルエステルを含む、請求項27に規定される医薬組成物。
【請求項29】
前記放速度制御壁がポリビニルアセテート・フタレート、メチルセルロースフタレートおよび微孔質ビニルオレフィンからなる群から選択される材料から作られる、請求項27に規定される医薬組成物。
【請求項30】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で6時間より長く最大で12時間までにわたり放出し、活性成分放出ビーズを含む、上記医薬組成物。
【請求項31】
前記ビーズが、0〜2時間で0〜20%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、2〜4時間で20〜40%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、4〜6時間で40〜60%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、6〜8時間で60〜80%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、8〜10時間で80〜100%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出する、という溶出プロファイルを特徴とする、請求項30に規定される医薬組成物。
【請求項32】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩の増加する用量を含む、請求項30又は31に規定される医薬組成物。
【請求項33】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を、1個当たり1mg、2mg、5mg、10mg、又はそれ以上であって最大で40mgまでから選択される増加する用量で含む、請求項30又は31に規定される医薬組成物。
【請求項34】
前記ビーズが、放出速度制御用重合体により被覆されている、請求項30〜33のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項35】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を含む中心コアーと、製剤上許容し得る組成物形成性成分とを含む、請求項30〜34のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項36】
前記製剤上許容し得る組成物形成性成分は、滑剤、酸化防止剤および緩衝剤を含む、請求項35に規定される医薬組成物。
【請求項37】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で6時間より長く最大で12時間までにわたり放出し、重合体基材上に第一用量1mgから第二用量100mgまで被覆されたメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩の薬剤濃度勾配を持つ、上記医薬組成物。
【請求項38】
前記重合体基材が侵食性重合体である、請求項37に規定される医薬組成物。
【請求項39】
前記侵食性重合体がポリペプチド、コラーゲン、ゼラチンまたはポリビニルアルコールからなる群から選択される、請求項38に規定される医薬組成物。
【請求項40】
前記重合体基材が非侵食性重合体である、請求項63に規定される医薬組成物。
【請求項41】
前記重合体基材はそれ自身について巻かれており、前記第一の用量が外端面で露出され且つ前記第二の用量は基材中心に配置されている、請求項37〜40のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項42】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で6時間より長く最大で12時間までにわたり放出し、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩が通過して拡散する重合体マトリックスを含む上記医薬組成物。
【請求項43】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で6時間より長く最大で12時間までにわたり放出し、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩が通過して流出する多孔性重合体マトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項44】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で6時間より長く最大で12時間までにわたり放出し、重合体マトリックスを含み、その破裂がメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出する、上記医薬組成物。
【請求項45】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療及びメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する獲得耐性の補償のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、複数の小丸薬を含有するヒドロゲルマトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項46】
前記ヒドロゲルマトリックスが、多糖類、寒天、アガロース、天然ガム、アルギン酸アルカリ金属塩、カラゲナン、フューコイダン、ファーセララン、ラミナラン、ヒプニア、アラビアゴム、ガッチガム、カラヤガム、トラガカントゴム、ローカストビーンゴム、ペクチン、アミロペクチン、ゼラチンおよび親水コロイドより成る群から選ばれる親水性重合体を含む、請求項45に規定される医薬組成物。
【請求項47】
前記ヒドロゲルマトリックスは4〜50個の複数の小丸薬を含み、各小丸薬は100ngからのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩の増加する用量母集団を含む、請求項45又は46に規定される医薬組成物。
【請求項48】
前記増加する用量母集団が、0.5mg、1mg、1.2mg、1.4mg、1.6mg、1.8mgから選択される用量を含む、請求項47に規定される医薬組成物。
【請求項49】
小丸薬が10mmまでの放出速度制御用の壁を含む、請求項45〜48のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項50】
前記放速度制御壁がグリセリルトリステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジパルミテート、グリセリルラウレート、グルセリルジデセノエートおよびグリセリルトリデセノエートからなる群から選択されるトリグリセリルエステルを含む、請求項49に規定される医薬組成物。
【請求項51】
前記放速度制御壁がポリビニルアセテート・フタレート、メチルセルロースフタレートおよび微孔質ビニルオレフィンからなる群から選択される材料から作られる、請求項49に規定される医薬組成物。
【請求項52】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療及びメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する獲得耐性の補償のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、活性成分放出ビーズを含む、上記医薬組成物。
【請求項53】
前記ビーズが、0〜2時間で0〜20%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、2〜4時間で20〜40%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、4〜6時間で40〜60%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、6〜8時間で60〜80%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、8〜10時間で80〜100%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出する、という溶出プロファイルを特徴とする、請求項52に規定される医薬組成物。
【請求項54】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩の増加する用量を含む、請求項52又は53に規定される医薬組成物。
【請求項55】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を、1個当たり1mg、2mg、5mg、10mg、又はそれ以上であって最大で40mgまでから選択される増加する用量で含む、請求項52又は53に規定される医薬組成物。
【請求項56】
前記ビーズが、放出速度制御用重合体により被覆されている、請求項52〜55のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項57】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を含む中心コアーと、製剤上許容し得る組成物形成性成分とを含む、請求項52〜56のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項58】
前記製剤上許容し得る組成物形成性成分は、滑剤、酸化防止剤および緩衝剤を含む、請求項57に規定される医薬組成物。
【請求項59】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療及びメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する獲得耐性の補償のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、重合体基材上に第一用量1mgから第二用量100mgまで被覆されたメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩の薬剤濃度勾配を持つ、上記医薬組成物。
【請求項60】
前記重合体基材が侵食性重合体である、請求項59に規定される医薬組成物。
【請求項61】
前記侵食性重合体がポリペプチド、コラーゲン、ゼラチンまたはポリビニルアルコールからなる群から選択される、請求項60に規定される医薬組成物。
【請求項62】
前記重合体基材が非侵食性重合体である、請求項59に規定される医薬組成物。
【請求項63】
前記重合体基材はそれ自身について巻かれており、前記第一の用量が外端面で露出され且つ前記第二の用量は基材中心に配置されている、請求項59〜62のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項64】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療及びメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する獲得耐性の補償のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩が通過して拡散する重合体マトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項65】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療及びメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する獲得耐性の補償のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩が通過して流出する多孔性重合体マトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項66】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療及びメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する獲得耐性の補償のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、重合体マトリックスを含み、その破裂がメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出する、上記医薬組成物。
【請求項1】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、複数の小丸薬を含有するヒドロゲルマトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項2】
前記ヒドロゲルマトリックスが、多糖類、寒天、アガロース、天然ガム、アルギン酸アルカリ金属塩、カラゲナン、フューコイダン、ファーセララン、ラミナラン、ヒプニア、アラビアゴム、ガッチガム、カラヤガム、トラガカントゴム、ローカストビーンゴム、ペクチン、アミロペクチン、ゼラチンおよび親水コロイドより成る群から選ばれる親水性重合体を含む、請求項1に規定される医薬組成物。
【請求項3】
前記ヒドロゲルマトリックスは4〜50個の複数の小丸薬を含み、各小丸薬は100ngからのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩の増加する用量母集団を含む、請求項1又は2に規定される医薬組成物。
【請求項4】
前記増加する用量母集団が、0.5mg、1mg、1.2mg、1.4mg、1.6mg、1.8mgのメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩から選択される用量を含む、請求項3に規定される医薬組成物。
【請求項5】
小丸薬が10mmまでの放出速度制御用の壁を含む、請求項1〜4のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項6】
前記放速度制御壁がグリセリルトリステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジパルミテート、グリセリルラウレート、グルセリルジデセノエートおよびグリセリルトリデセノエートからなる群から選択されるトリグリセリルエステルを含む、請求項5に規定される医薬組成物。
【請求項7】
前記放速度制御壁がポリビニルアセテート・フタレート、メチルセルロースフタレートおよび微孔質ビニルオレフィンからなる群から選択される材料から作られる、請求項5に規定される医薬組成物。
【請求項8】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、活性成分放出ビーズを含む、上記医薬組成物。
【請求項9】
前記ビーズが、0〜2時間で0〜20%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、2〜4時間で20〜40%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、4〜6時間で40〜60%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、6〜8時間で60〜80%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、8〜10時間で80〜100%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出する、という溶出プロファイルを特徴とする、請求項8に規定される医薬組成物。
【請求項10】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩の増加する用量を含む、請求項8又は9に規定される医薬組成物。
【請求項11】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を、1個当たり1mg、2mg、5mg、10mg、又はそれ以上であって最大で40mgまでから選択される増加する用量で含む、請求項8又は9に規定される医薬組成物。
【請求項12】
前記ビーズが、放出速度制御用重合体により被覆されている、請求項8〜11のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項13】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を含む中心コアーと、製剤上許容し得る組成物形成性成分とを含む、請求項8〜12いずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項14】
前記製剤上許容し得る組成物形成性成分は、滑剤、酸化防止剤および緩衝剤を含む、請求項13に規定される医薬組成物。
【請求項15】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、重合体基材上に第一用量1mgから第二用量100mgまで被覆されたメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩の薬剤濃度勾配を持つ、上記医薬組成物。
【請求項16】
前記重合体基材が侵食性重合体である、請求項15に規定される医薬組成物。
【請求項17】
前記侵食性重合体がポリペプチド、コラーゲン、ゼラチンまたはポリビニルアルコールからなる群から選択される、請求項16に規定される医薬組成物。
【請求項18】
前記重合体基材が非侵食性重合体である、請求項15に規定される医薬組成物。
【請求項19】
前記重合体基材はそれ自身について巻かれており、前記第一の用量が外端面で露出され且つ前記第二の用量は基材中心に配置されている、請求項15〜18のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項20】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩が通過して拡散する重合体マトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項21】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩が通過して流出する多孔性重合体マトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項22】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する耐性制御用医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、重合体マトリックスを含み、その破裂がメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出する、上記医薬組成物。
【請求項23】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で6時間より長く最大で12時間までにわたり放出し、複数の小丸薬を含有するヒドロゲルマトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項24】
前記ヒドロゲルマトリックスが、多糖類、寒天、アガロース、天然ガム、アルギン酸アルカリ金属塩、カラゲナン、フューコイダン、ファーセララン、ラミナラン、ヒプニア、アラビアゴム、ガッチガム、カラヤガム、トラガカントゴム、ローカストビーンゴム、ペクチン、アミロペクチン、ゼラチンおよび親水コロイドより成る群から選ばれる親水性重合体を含む、請求項23に規定される医薬組成物。
【請求項25】
前記ヒドロゲルマトリックスは4〜50個の複数の小丸薬を含み、各小丸薬は100ngからのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩の増加する用量母集団を含む、請求項23又は24に規定される医薬組成物。
【請求項26】
前記増加する用量母集団が、0.5mg、1mg、1.2mg、1.4mg、1.6mg、1.8mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩から選択される用量を含む、請求項25に規定される医薬組成物。
【請求項27】
前記小丸薬が10mmまでの放出速度制御用の壁を含む、請求項23〜26のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項28】
前記放速度制御壁がグリセリルトリステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジパルミテート、グリセリルラウレート、グルセリルジデセノエートおよびグリセリルトリデセノエートからなる群から選択されるトリグリセリルエステルを含む、請求項27に規定される医薬組成物。
【請求項29】
前記放速度制御壁がポリビニルアセテート・フタレート、メチルセルロースフタレートおよび微孔質ビニルオレフィンからなる群から選択される材料から作られる、請求項27に規定される医薬組成物。
【請求項30】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で6時間より長く最大で12時間までにわたり放出し、活性成分放出ビーズを含む、上記医薬組成物。
【請求項31】
前記ビーズが、0〜2時間で0〜20%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、2〜4時間で20〜40%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、4〜6時間で40〜60%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、6〜8時間で60〜80%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、8〜10時間で80〜100%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出する、という溶出プロファイルを特徴とする、請求項30に規定される医薬組成物。
【請求項32】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩の増加する用量を含む、請求項30又は31に規定される医薬組成物。
【請求項33】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を、1個当たり1mg、2mg、5mg、10mg、又はそれ以上であって最大で40mgまでから選択される増加する用量で含む、請求項30又は31に規定される医薬組成物。
【請求項34】
前記ビーズが、放出速度制御用重合体により被覆されている、請求項30〜33のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項35】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を含む中心コアーと、製剤上許容し得る組成物形成性成分とを含む、請求項30〜34のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項36】
前記製剤上許容し得る組成物形成性成分は、滑剤、酸化防止剤および緩衝剤を含む、請求項35に規定される医薬組成物。
【請求項37】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で6時間より長く最大で12時間までにわたり放出し、重合体基材上に第一用量1mgから第二用量100mgまで被覆されたメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩の薬剤濃度勾配を持つ、上記医薬組成物。
【請求項38】
前記重合体基材が侵食性重合体である、請求項37に規定される医薬組成物。
【請求項39】
前記侵食性重合体がポリペプチド、コラーゲン、ゼラチンまたはポリビニルアルコールからなる群から選択される、請求項38に規定される医薬組成物。
【請求項40】
前記重合体基材が非侵食性重合体である、請求項63に規定される医薬組成物。
【請求項41】
前記重合体基材はそれ自身について巻かれており、前記第一の用量が外端面で露出され且つ前記第二の用量は基材中心に配置されている、請求項37〜40のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項42】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で6時間より長く最大で12時間までにわたり放出し、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩が通過して拡散する重合体マトリックスを含む上記医薬組成物。
【請求項43】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で6時間より長く最大で12時間までにわたり放出し、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩が通過して流出する多孔性重合体マトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項44】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で6時間より長く最大で12時間までにわたり放出し、重合体マトリックスを含み、その破裂がメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出する、上記医薬組成物。
【請求項45】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療及びメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する獲得耐性の補償のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、複数の小丸薬を含有するヒドロゲルマトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項46】
前記ヒドロゲルマトリックスが、多糖類、寒天、アガロース、天然ガム、アルギン酸アルカリ金属塩、カラゲナン、フューコイダン、ファーセララン、ラミナラン、ヒプニア、アラビアゴム、ガッチガム、カラヤガム、トラガカントゴム、ローカストビーンゴム、ペクチン、アミロペクチン、ゼラチンおよび親水コロイドより成る群から選ばれる親水性重合体を含む、請求項45に規定される医薬組成物。
【請求項47】
前記ヒドロゲルマトリックスは4〜50個の複数の小丸薬を含み、各小丸薬は100ngからのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩の増加する用量母集団を含む、請求項45又は46に規定される医薬組成物。
【請求項48】
前記増加する用量母集団が、0.5mg、1mg、1.2mg、1.4mg、1.6mg、1.8mgから選択される用量を含む、請求項47に規定される医薬組成物。
【請求項49】
小丸薬が10mmまでの放出速度制御用の壁を含む、請求項45〜48のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項50】
前記放速度制御壁がグリセリルトリステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジパルミテート、グリセリルラウレート、グルセリルジデセノエートおよびグリセリルトリデセノエートからなる群から選択されるトリグリセリルエステルを含む、請求項49に規定される医薬組成物。
【請求項51】
前記放速度制御壁がポリビニルアセテート・フタレート、メチルセルロースフタレートおよび微孔質ビニルオレフィンからなる群から選択される材料から作られる、請求項49に規定される医薬組成物。
【請求項52】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療及びメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する獲得耐性の補償のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、活性成分放出ビーズを含む、上記医薬組成物。
【請求項53】
前記ビーズが、0〜2時間で0〜20%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、2〜4時間で20〜40%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、4〜6時間で40〜60%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、6〜8時間で60〜80%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出し、8〜10時間で80〜100%のビーズが溶解してメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出する、という溶出プロファイルを特徴とする、請求項52に規定される医薬組成物。
【請求項54】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩の増加する用量を含む、請求項52又は53に規定される医薬組成物。
【請求項55】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を、1個当たり1mg、2mg、5mg、10mg、又はそれ以上であって最大で40mgまでから選択される増加する用量で含む、請求項52又は53に規定される医薬組成物。
【請求項56】
前記ビーズが、放出速度制御用重合体により被覆されている、請求項52〜55のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項57】
前記ビーズが、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を含む中心コアーと、製剤上許容し得る組成物形成性成分とを含む、請求項52〜56のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項58】
前記製剤上許容し得る組成物形成性成分は、滑剤、酸化防止剤および緩衝剤を含む、請求項57に規定される医薬組成物。
【請求項59】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療及びメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する獲得耐性の補償のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、重合体基材上に第一用量1mgから第二用量100mgまで被覆されたメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩の薬剤濃度勾配を持つ、上記医薬組成物。
【請求項60】
前記重合体基材が侵食性重合体である、請求項59に規定される医薬組成物。
【請求項61】
前記侵食性重合体がポリペプチド、コラーゲン、ゼラチンまたはポリビニルアルコールからなる群から選択される、請求項60に規定される医薬組成物。
【請求項62】
前記重合体基材が非侵食性重合体である、請求項59に規定される医薬組成物。
【請求項63】
前記重合体基材はそれ自身について巻かれており、前記第一の用量が外端面で露出され且つ前記第二の用量は基材中心に配置されている、請求項59〜62のいずれか一項に規定される医薬組成物。
【請求項64】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療及びメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する獲得耐性の補償のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩が通過して拡散する重合体マトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項65】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療及びメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する獲得耐性の補償のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、メチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩が通過して流出する多孔性重合体マトリックスを含む、上記医薬組成物。
【請求項66】
100ng〜500mgのメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を製剤上許容し得るキャリアーと共に含む、注意欠陥障害の治療及びメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩に対する獲得耐性の補償のための医薬組成物であって、該医薬組成物はメチルフェニデート又は製剤上許容し得るその塩を持続性で且つ増加する用量で長時間にわたり放出し、重合体マトリックスを含み、その破裂がメチルフェニデート又はその製剤上許容し得る塩を放出する、上記医薬組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−195822(P2010−195822A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110166(P2010−110166)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【分割の表示】特願平10−516587の分割
【原出願日】平成9年9月16日(1997.9.16)
【出願人】(500215838)アルザ コーポレイション (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【分割の表示】特願平10−516587の分割
【原出願日】平成9年9月16日(1997.9.16)
【出願人】(500215838)アルザ コーポレイション (15)
【Fターム(参考)】
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