説明

加入者装置のグローバルに一意的な識別子の生成

第1ネットワークにあるモバイル装置をパケット交換サービスネットワークに登録するため、第1ネットワークのアグリゲーション装置からの登録リクエストが受信される。登録リクエストは、アグリゲーション装置の識別子とモバイル装置の識別情報とを含み、識別情報は、パケット交換サービスネットワークに以前に知られていない。モバイル装置のグローバルに一意的な識別子が、アグリゲーション装置の識別子とモバイル装置の識別情報とに基づき動的に生成され、グローバルに一意的な識別子は、パケット交換サービスネットワークにおいてモバイル装置を一意的に識別するのに使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に加入者装置のグローバルに一意的な識別子の生成に関する。
【背景技術】
【0002】
電子メール、ウェブブラウジング、ファイルダウンロード、電子商取引、音声又は他の形態のリアルタイムインタラクティブ通信などを含む多数のタイプの通信が、データネットワーク(無線及び/又は有線ネットワーク)を介し実行可能である。ネットワークにおける通信セッションの確立を可能にするため、ネットワークにおいて各種制御機能が配備されている。一部の規格団体は、このような制御機能を含む通信ネットワーク内のサブシステムを規定した。このような規格団体の1つは、オーディオ、ビデオ、テキスト、チャット又はこれらの何れかの組み合わせを含む、IPパケット交換マルチメディアサービスを提供するための各種制御機能を含むインターネットプロトコル(IP)マルチメディアサブシステム(IMS)を規定した3GPP(Third Generation Partnership Project)である。
【0003】
他の規格団体は、パケット交換マルチメディアサービスを提供するためマルチメディアドメイン(MMD)ネットワークを規定した3GPP2(Third Generation Partnership Project 2)である。有線においては、IPマルチメディアサブシステムの同義語は、NGN(Next Generation Network)と呼ばれることもある。
【0004】
パケット交換サービスネットワーク(IMSネットワーク、MMDネットワーク又はNGNネットワークなど)のサービスは、企業ネットワーク内のユーザによりアクセスされる。“企業ネットワーク”は、会社、教育機関又は政府機関などの企業に関するネットワークを示す。“企業ネットワーク”はまた、ホームネットワークやスモールオフィスネットワークなどのカスタマネットワークを示す。1つのシナリオでは、パケット交換サービスネットワークは、企業ネットワークのユーザによりアクセス可能なサービスを提供するサービス“オーバレイ(overlay)”ネットワークとみなすことが可能である。典型的には、企業ネットワークはアグリゲーション装置(フェムトセル基地局、複数のセットトップボックスを提供するセットトップボックスプロキシサーバなど)を有し、これを介して、企業ネットワークのユーザは外部のパケット交換サービスネットワークにアクセスすることができる。しかしながら、企業ネットワークのユーザは、パケット交換サービスネットワークにおいて準備される明示的な識別情報を有しないかもしれない。アグリゲーション装置はパケット交換サービスネットワークにおいて準備される識別情報を有するが、アグリゲーション装置の識別情報を使用することだけでは、ターミネーティングコールリクエストを特定の加入者装置にルーティングするためなど、通信を実行するのに十分なコンテクストをパケット交換サービスネットワークに提供するものでない。
【発明の概要】
【0005】
一般に、第1ネットワークにある加入者装置をサービスネットワークに登録する方法は、第1ネットワークのアグリゲーション装置から、アグリゲーション装置の識別子と加入者装置の識別情報とを含む登録リクエストを受信することを含む。加入者装置のグローバルに一意的な識別子は、アグリゲーション装置の識別子と加入者装置の識別情報とに基づき生成され、グローバルに一意的な識別子は、サービスネットワークにおいて加入者装置を一意的に識別するのに使用される。
【0006】
他の特徴は、以下の説明、図面及び請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の実施例を搭載する通信ネットワークのブロック図である。
【図2】図2は、実施例により使用されるSIP.INSTANCEパラメータを示す。
【図3】図3は、実施例による加入者装置を登録するためのメッセージフロー図である。
【図4】図4は、実施例による図3の登録処理の一部として生成されるグローバルに一意的な識別子を用いてセッションリクエストを処理するためのメッセージフロー図である。
【図5】図5は、本発明の実施例が搭載可能なノードのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、いくつかの実施例の理解を提供するため、多数の詳細が提供される。しかしながら、いくつかの実施例はこれらの詳細なしに実施されてもよく、開示された実施例からの多数の変形又は改良が可能であることは、当業者に理解されるであろう。
【0009】
一般に、いくつかの実施例によると、グローバルに一意的な識別子が外部のパケット交換サービスネットワークのサービスにアクセスすることを可能にする企業ネットワークにおいて、モバイル加入者装置のグローバルに一意的な識別子を生成するための技術又は機構が提供される。“加入者装置”は、ユーザに関連する装置を示す。モバイル加入者装置の具体例として、コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話などがあげられる。“企業ネットワーク”は、会社、組織又は政府機関などの企業に関連するネットワークを示す。あるいは、企業ネットワークはまた、限定的な地理的エリア又は限定数のユーザを有するホーム、スモールビジネス環境又は他の環境を示しうる。
【0010】
企業ネットワークは、企業ネットワーク内の加入者装置が外部のパケット交換サービスネットワークにアクセス可能なアグリゲーション装置を有する。“アグリゲーション装置(aggregation device)”は、複数の加入者装置が企業ネットワークの外部のサービスにアクセスするため、アグリゲーション装置に接続可能な企業ネットワークのエッジに設けられる何れかの装置を示す。アグリゲーション装置の一例は、住居又はスモールビジネス環境における仕様のために設計される無線アクセスポイントであるフェムトセル基地局である。アグリゲーション装置の他の具体例は、複数のセットトップボックスにサービスを提供するセットトップボックスプロキシサーバである。あるいは、アグリゲーション装置は、企業ネットワークにより提供される大規模環境において利用可能な他のタイプの無線又は有線アクセスポイントとすることも可能である。
【0011】
いくつかの実施例によると、企業ネットワーク内の加入者装置は、アグリゲーション装置の識別情報を用いて外部のパケット交換サービスネットワークに登録することができる。登録の一部として、パケット交換サービスネットワークは、パケット交換サービスネットワークにおいて加入者装置を特定するためのグローバルに一意的な識別子を生成することができる。このグローバルに一意的な識別子は、アグリゲーション装置の識別情報と共に、登録処理において登録メッセージにより提供される加入者装置の識別情報とに基づき動的に生成された一意的な識別子である。この技術を利用して、加入者装置はパケット交換サービスネットワークに明示的に準備される必要はなく、これは、パケット交換サービスネットワークにアクセス可能な多数の加入者装置が各種企業ネットワークに存在しうるために非効率なものとなるかもしれない。
【0012】
図1は、企業ネットワーク100とパケット交換サービスネットワーク102とを含む一例となる通信ネットワークを示す。企業ネットワーク100は、移動局106、PDA108、ポータブルコンピュータ110などの各種加入者装置に接続可能なアグリゲーション装置(又は複数のアグリゲーション装置)を有する。
【0013】
パケット交換サービスネットワーク102の一例は、オーディオ、ビデオ、テキスト、チャット又はこれらの何れかの組み合わせを含む、IPマルチメディアサービスを提供するための各種制御機能を含むインターネットプロトコル(IP)マルチメディアサブシステム(IMS)である。IMSは、3GPPにより規定される。あるいは、パケット交換サービスネットワーク102は、3GPP2により規定されるマルチメディアドメイン(MMD)ネットワーク又は有線において用いられるNGNとすることも可能である。
【0014】
図1はまた、回線交換ネットワーク112を示す。回線交換ネットワーク112の一例は、3GPP2により規定されるCDMA2000(Code Division Multiple Access 2000)により1×RTT無線アクセスネットワークである。他のタイプの回線交換ネットワークが、他の実現形態において配備可能である。
【0015】
パケット交換サービスネットワーク102により提供されるサービスの1つは、企業ネットワーク100の加入者装置が回線交換ネットワーク112のエンドポイントと通信セッションを確立することを可能にすることである。あるいは、企業ネットワークの加入者装置は、パケット交換サービスネットワーク102を用いてパケット交換ネットワーク(インターネット、パケット交換無線アクセスネットワークなど)のエンドポイントと通信可能である。
【0016】
以下の説明では、“IMSネットワーク102”が参照される。他の実施例では、同一又は同様の技術が他のタイプのパケット交換サービスネットワークに適用可能であることが考えられる。
【0017】
IMSネットワーク102は、IMSネットワークによりサポートされる各種パケット交換サービスを提供するIMSコアノードを有する。例えば、IMSコアノードは、SIP(Session Initiation Protocol)通信セッションを確立するために用いられるノードとすることが可能である。SIPは、IPマルチメディアセッションを確立するために用いられるプロトコルである。SIPは、2002年6月付けの“SIP:Session Initiation Protocol”というタイトルのRFC(Request for Comments)3261に記載される。
【0018】
IMSコアノードは、IMSネットワーク102にアクセスすることを所望するネットワークエンティティのための第1SIPアウェアコントロールコンテクトポイントであるプロキシコールセッションコントロールファンクション(P−CSCF)114を有する。次に、P−CSCF114は、IMSネットワーク102においてI−CSCF(Interrogating CSCF)116又はS−CSCF(Serving CSCF)118とSIPシグナリングを通信する。I−CSCFは、サービスオペレータのネットワークにおける送信先宛の接続のためのサービスオペレータのネットワーク内のコンタクトポイントである。I−CSCFにより実行されるタスクの具体例として、HSS(Home Subscriber Server)120を照会することによる初期登録、他のネットワークから受信したコールコントロールメッセージのS−CSCF118へのルーティング及び他のタスクがあげられる。S−CSCF118は、ネットワークエンティティのため、IMSネットワーク102内のセッションコントロールを処理する。
【0019】
HSS120は、パケット交換サービスネットワーク102の加入者のための認証秘密及び他のユーザプロファイル情報を格納する。パケット交換サービスネットワーク102内の他のノードは、VCC(Voice Call Continuity)アプリケーションサーバ(AS)122と、メディアゲートウェイコントロールファンクション(MGCF)124と、メディアゲートウェイ(MG)126とである。IMSネットワーク102はまた他のノードを含むことが可能であることに留意されたい。
【0020】
回線交換ネットワーク112は、回線交換ネットワーク112を使用することが許可されている各加入者の秘密を格納するための回線交換ネットワーク112の中央データベースであるホームロケーションレジスタ(HLR)128を有する。回線交換ネットワーク112はまた、モバイルスイッチングセンタ(MSC)、基地局コントロール(BSC)、加入者による回線交換アクセスを可能にする基地局(図示せず)などの他のノードを含む。
【0021】
いくつかの実施例によると、IMSネットワーク102は、企業ネットワーク100に付属する加入者装置のために動的に生成されるグローバルな一意的な識別子を生成可能である。グローバルに一意的な識別子は、2007年10月11日付けの“Obtaining and Using Globally Routable User Agent(UA) URIs GRUU in the Session Initiation Protocol(SIP)”draft−ietf−sip−gruu−15というタイトルのJ.Rosenberg,Internet−Draftに記載される形式のGlobally Routable User Agent Uniform Resource Identifier(GRUU)とすることができる。他の実施例では、他のタイプのグローバルに一意的な識別子が、IMSネットワーク102などの外部のパケット交換サービスネットワークにアクセスすることを所望する企業ネットワーク内の加入者装置を特定するのに利用可能である。
【0022】
GRUUは、アグリゲーション装置104のSIP AOR(Address Of Record)と、加入者装置のためにアグリゲーション装置104により生成される識別情報との組み合わせである。一実施例では、アグリゲーション装置104により生成される加入者装置の識別情報は、2008年10月29日付のC.JenningsらによるInternet−Draft“Managining Client Initiated Connections in the Session Initiation Protocol(SIP)”draft−ietf−sip−outbound−16に記載されるようなSIP.INSTANCEパラメータである。
【0023】
モバイル装置のためにアグリゲーション装置104により生成可能なSIP.INSTANCEパラメータの具体例が、図2に示される。SIP.INSTANCEパラメータは、アグリゲーション装置104のMAC(Media Access Control)アドレス(202)、アタッチしたモバイル加入者装置のモバイル識別番号(MIN)(204)及びアタッチしたモバイル加入者装置の電子シリアル番号(206)の連結である。アグリゲーション装置のMACアドレス202、モバイル加入者装置のMIN204及びモバイル加入者装置のESN206の連結は、一実施利では、図2のSIP.INSTANCEパラメータの形式により提供される識別情報を構成する。
【0024】
その後、SIP.INSTANCEパラメータの識別情報は、GRUUを構成するため、アグリゲーション装置104のAORと組み合わされる。アグリゲーション装置104のAORは、アグリゲーション装置104が自らの所定のSIP AORをアグリケーション装置が初期的に電源オンされたときにIMSネットワーク102に登録する際に提供される。アグリゲーション装置104の登録中、アグリゲーション装置104は、アグリゲーション装置のIPアドレスとシグナリングに用いられるアグリゲーション装置のポートとを含む自らのコンタクト情報を提供する。この情報は、IMSネットワーク102がアグリゲーション装置104と通信することを可能にする。
【0025】
アグリゲーション装置104が収容する各モバイル加入者装置に対して、アグリゲーション装置104はさらに、追加的なコンタクトをIMSネットワーク102に登録する。この追加的なコンタクトは、上述されたSIP.INSTANCEパラメータの形式による識別情報を含む。この識別情報はモバイル装置を一意的に識別することに留意されたい。
【0026】
図3は、実施例によるGRUUが企業ネットワークの加入者装置(図1の加入者装置106,108又は110など)に対して動的に生成される実施例に従って実行される登録処理を示す。まず加入者装置が電源オン又は企業ネットワーク100に入ると、加入者装置は、登録リクエストを図3においてフェムトセル基地局104であるアグリゲーション装置104に送信する(302)。加入者装置からの登録リクエストに応答して、フェムトセル基地局104は、SIP登録メッセージをIMSネットワーク102に送信する(304)。より詳細には、304において送信されるSIP登録メッセージは、IMSネットワーク102のP−CSCF114に送信される。
【0027】
いくつかの実施例によると、304において送信される登録メッセージは、登録メッセージの被サポートフィールドをGRUUのサポートを示す値に設定することによって、GRUUがサポートされる指標を含む。さらに、登録メッセージは、<sip:callee@192.0.2.2>;+SIP.INSTANCEという値を有するコンタクトフィールドを含む。ここで、SIP.INSTANCEは、一例による図2に示されるパラメータである。<sip:callee@192.0.2.2>という値は、フェムトセル基地局104のコンタクト情報である。さらに、304において送信される登録メッセージはまた、SIP.INSTANCEパラメータの形式によるフェムトセル基地局104に登録している加入者装置の一意的な識別情報を含む。
【0028】
P−CSCF114は、登録メッセージをI−CSCF116に転送する(306)。登録メッセージ(306において送信された)を受信すると、I−CSCF116は、登録を実行するのに使用されるS−CSCFを特定するため、HSS120とやりとりを実行する。これは、I−CSCF116がUAR(User Authorization Request)メッセージをHSS120に送信する
ことによって実行される(308)。HSS120は、S−CSCF118を特定するUAA(User Authorization Answer)メッセージにより応答する(310)。UAR/UAAメッセージは、3GPP29.228に記載される。これに応答して、I−CSCF116は、登録メッセージをUAAメッセージにおいて特定されるS−CSCFに転送する(312)。
【0029】
次に、S−CSCFは、認証データを要求し、登録フローを開始したフェムトセル基地局(アグリゲーション装置)のアクセス許可をチェックするため、MAR(Multimedia Authentication Request)メッセージをHSS120に送信する(314)。HSS120は、認証チャレンジを構成するため、S−CSCF118により用いられる認証ベクトルを含むMAA(Multimedia Authentication Answer)メッセージによりMARメッセージに応答する(316)。MAR/MAAメッセージは、3GPP29.228に記載される。
【0030】
MAAメッセージを受信すると、S−CSCF118は、SIP 401未許可メッセージをP−CSCF114に送信する(318)。401未許可メッセージは、ユーザ認証が要求されていることを示し、S−CSCFにより生成された認証チャレンジを含むSIPメッセージである。P−CSCF114は、401未許可メッセージをフェムトセル基地局104に転送する(320)。
【0031】
認証チャレンジを含む401未許可メッセージに応答して、フェムトセル基地局104は、登録メッセージをP−CSCF114に再送する(322)。322において送信された登録メッセージは、チャレンジに対するフェムトセル基地局のレスポンスを含む。
【0032】
P−CSCF114は、登録メッセージをI−CSCF116に転送する(324)。I−CSCF116は、UARメッセージを用いてI−CSCF116がコンタクトすべきS−CSCF118を特定することにより、HSS120に再びアクセスする(326)。S−CSCFの識別情報は、UAAメッセージにより戻される(328)。これに応答して、I−CSCF116は、登録メッセージをS−CSCF118に送信する(330)。330において登録メッセージを受信すると、S−CSCF118は、サーバ割当リクエスト(SAR)をHSS120に送信する(332)。HSS120は、SAAメッセージにより応答する(334)。SAR/SAAメッセージは、3GPP29.228に記載されている。
【0033】
この点において、S−CSCF118は、フェムトセル基地局104を介し登録しているモバイル加入者装置のためにGRUUを生成可能である。生成されたGRUUは、フェムトセル基地局のAOR(sip:callee@example.comなど)と、図2に示されるSIP.INSTANCEに含まれる識別情報との組み合わせであるパブリックGRUUである。S−CSCF118により生成されるパブリックGRUUは、フェムトセル基地局104に転送される(338)200 OKメッセージによりS−CSCF118からP−CSCF114に送信される。
【0034】
フェムトセル基地局104は、GRUUを使用して、企業ネットワークの加入者装置に着呼を提供することができる。デスティネーションとして企業ネットワークの加入者装置を指定するコール終了中、発信元のゲートウェイは、S−CSCF118にインバイトメッセージを送信する前に、インバイトメッセージのRequest−URIにパブリックGRUUを挿入可能である。S−CSCF118は、その後にP−CSCF114及びフェムトセル基地局104へのインバイトメッセージの送信前に、SIP.INSTANCEパラメータをRequest URIに挿入する。その後、フェムトセル基地局104は、インバイトメッセージのSIP.INSTANCEパラメータを用いて、アラートすべき正しい加入者装置を特定する。
【0035】
VCC ASが新たに登録された企業ネットワークの加入者装置を識別できるように、動的に生成されたGRUUはまたIMSネットワーク102のVCC AS122に送信される。その後、VCC AS122は、加入者装置とセッションを確立しようするノードによってコンタクト可能である。図3においてさらに示されるように、S−CSCF118は、第三者の登録メッセージをVCC AS122に送信する(340)。VCC AS122は、200 OKメッセージによりアクノリッジする(342)。また、VCC AS122は、SIP加入メッセージをS−CSCF118に送信する(346)。ここで、SIP加入メッセージは、第三者の登録の対象となる加入者装置のGRUUを取得するのにVCC AS122が関心があることを示すための登録イベントパッケージを含む。S−CSCF118は、200 OKメッセージにより加入メッセージに応答する(346)。
【0036】
次に、加入メッセージに応答して、S−CSCF118は、通知メッセージをVCC ASに送信する(348)。ここで、通知メッセージは、企業ネットワークの加入者装置の新たに生成されたGRUUを含む登録イベントパッケージを含む(他のアクティブな加入者装置の以前に生成されたGRUUに加えて)。この新たに生成されたGRUUは、VCC AS122により維持されるデータベースに追加される。最後に、VCC AS122は、200 OKメッセージ(350において送信される)により通知メッセージをアクノリッジする。
【0037】
図4は、フェムトセル基地局104の後方にある企業ネットワークの加入者装置宛の入力セッションリクエストを示す。この入力セッションリクエストは回線交換ネットワーク112(図1)のノードからのものであることが仮定される。回線交換ネットワーク112において発信されたコールに応答して、回線交換ネットワーク112のHLR128は、企業ネットワークの加入者装置の送信先情報を特定するためコンタクトされる。
【0038】
これに応答して、HLR128は、IMSネットワーク102のVCC AS122にROUTEREQメッセージを送信する(402)。ROUTEREQメッセージは、送信先の加入者装置を特定するモバイルディレクトリ番号(MDN)を有する。これに応答して、VCC AS122は、HLR128への対応するIMRN(IMS Routing Number)を含むROUTEREQメッセージを送信する(404)。VCC AS122はまたROUTEREQメッセージを介し提供されるMDNをキャッシュすることに留意されたい。
【0039】
IMRNがHLR128に戻されると、HLR128は、回線交換ネットワーク112がIMSネットワーク102のMGCF124に発信元メッセージ(図示せず)を送信することを可能にする。MGCF124により受信されたコールリクエストに応答して、MGCF124は、IMRNを含むRequest−URIを有するSIPインバイトメッセージを送信する(406)。
【0040】
その後、I−CSCFは、IMRNを収容するアプリケーションサーバを特定するため、HSSに照会する。これを実行するため、I−CSCF116はLIR(Location Information Request)メッセージをHSS120に送信する(408)。HSS120は、VCC AS122のアドレスを含むレスポンスLIA(Location Information Answer)メッセージをI−CSCF116に送り返す(410)。その後、I−CSCF116は、インバイトメッセージをVCC AS122に転送する(412)。
【0041】
VCC AS122は、入力されたリクエストを認識し、入力されたインバイトリクエストのMDNをフェムトセル基地局104の識別情報と送信先加入者装置に対応するGRUUとにマッピングする。その後、VCC AS122は、フェムトセル基地局104のAORを参照するためのRequest−URIを変更するため、インバイトメッセージと共に、インバイトメッセージの“gr”パラメータに含まれる識別情報とを変更する。
【0042】
インバイトメッセージは、その後にI−CSCF116に送信される(414)。I−CSCF116は、その後にフェムトパブリックアイデンティティ(femoto_impu)にサービス提供するS−CSCFを特定するため、HSS120とのLIR/LIA交換(416,418)を構成する。これに応答して、I−CSCF116は、変更されたインバイトメッセージをS−CSCFに転送し(420)、S−CSCFはさらに変更されたインバイトメッセージをVCC AS122に転送する(422)。その後、VCC AS122は、当該インバイトメッセージをS−CSCFに送り返す。422,424における交換は、初期的なフィルタ基準を終了する評価を含む加入者装置の通常の終了処理の一部である。加入者のプロファイル内に、VCC AS122は、可能性のある以降のハンドオフリクエストのためのシグナリングを固定する必要があるため、すべてのインバイトメッセージを要求するものとして特定される。S−CSCFは、初期的なフィルタ基準のためインバイトメッセージをVCC AS122にルーティング氏、VCC AS122は、リクエストをS−CSCF118にルーティングする際にバック・ツーバックユーザエージェントとして機能する。
【0043】
次に、S−CSCF118は、フェムトセル基地局のコンタクトアドレスを参照するためのインバイトメッセージのRequest−URIを変更し、変更されたインバイトメッセージをP−CSCF114に送信する(426)。次に、P−CSCF114は、インバイトメッセージをフェムトセル基地局に転送する(428)。426及び428において送信されたインバイトメッセージは、SIP.INSTANCEパラメータを含む。フェムトセル基地局は、インバイトメッセージに含まれるGRUU情報を用いて、入力されたセッションリクエストを適切な加入者装置に送信する。
【0044】
上記タスクは、アグリゲーション装置104、IMSネットワーク102のノード及び回線交換ネットワーク112のノードを含む通信ネットワークの各種ノードにより実行される。
【0045】
図5は、上述されたノードの何れかを表す汎用ノード500を示す。ノード500は、ストレージ506に接続される1以上の中央処理ユニット(CPU)504上で実行可能なソフトウェアを有する。ノード500はまた、ノード500が他のノードと通信することを可能にするための1以上のインタフェースを有する。
【0046】
ソフトウェア502の命令は、CPU504などのプロセッサ上での実行のためロードされる。プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プロセッサモジュール又はサブシスステム(1以上のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを含む)又は他の制御若しくは計算装置を含む。“プロセッサ”は、単一又は複数のコンポーネントを示すことが可能である。
【0047】
データ及び命令(ソフトウェアの)は、1以上のコンピュータ可読記憶媒体又はコンピュータ利用可能な記憶媒体として実現される記憶装置に格納される。記憶媒体は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)若しくはSRAM(Static Random Access Memory)、EPROM(Erasable and Programmable Read−Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read−Only Memory)及びフラッシュメモリなどの半導体記憶装置、固定、フロッピー(登録商標)及び着脱可能なディスクなどの磁気ディスク、テープを含む他の磁気媒体、及びCD(Compact Disk)やDVD(Digital Video Disk)などの光媒体を含む各種形態のメモリを含む。
【0048】
上述した説明では、本発明の理解を提供するため、多数の詳細が与えられた。しかしながら、本発明がこれらの詳細なしに実施されてもよいことは当業者に理解されるであろう。本発明は限られた実施例に関して開示されたが、当業者は、多数の改良及び変形を理解するであろう。添付した請求項はこのような改良及び変形を本発明の真の趣旨及び範囲内に属するものとしてカバーすることが意図される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ネットワークにあるモバイル装置をパケット交換サービスネットワークに登録する方法であって、
前記第1ネットワークのアグリケーション装置から、前記アグリゲーション装置の識別子と、前記パケット交換サービスネットワークに以前には知られていない前記モバイル装置の識別情報とを含む登録リクエストを受信するステップと、
前記アグリゲーション装置の識別子と前記モバイル装置の識別情報とに基づき前記モバイル装置のグローバルに一意的な識別子を動的に生成するステップと、
を有し、
前記グローバルに一意的な識別子は、前記パケット交換サービスネットワークにおいて前記モバイル装置を一意的に識別するのに使用される方法。
【請求項2】
アプリケーションサーバが前記モバイル装置宛のコールをルーティングすることを可能にするため、前記アプリケーションサーバにおける格納のため、前記グローバルに一意的な識別子を前記アプリケーションサーバに送信するステップをさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記グローバルに一意的な識別子を前記アプリケーションサーバに送信するステップは、前記グローバルに一意的な識別子をVCC(Voice Call Continuity)アプリケーションサーバに送信することを含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記アグリゲーション装置が前記サービスネットワークへの登録処理を実行することに応答して、前記アグリゲーション装置の識別子を受信するステップをさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記モバイル装置の識別情報は、前記モバイル装置のモバイル識別番号と電子シリアル番号とを有し、
前記識別情報を含む登録リクエストを受信するステップは、前記アグリケーション装置の識別子と、前記モバイル識別番号と、前記電子シリアル番号との連結を含むパラメータを有する登録リクエストを受信することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記パラメータは、SIP.INSTANCEパラメータである、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記グローバルに一意的な識別子を生成するステップは、GRUU(Grobally Routable User agent Uniform resource locator)を生成することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記グローバルに一意的な識別子を生成するステップは、前記登録リクエストにより開始される前記パケット交換サービスネットワークにおいて実行される登録処理の一部である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記サービスネットワークにおける登録処理の実行は、SIP(Session Initiation Protocol)ネットワークにおいて前記登録処理を実行することを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記受信するステップと前記生成するステップとは、前記パケット交換サービスネットワークのノードにより実行される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
パケット交換サービスネットワークにおいて使用されるノードであって、
前記サービスネットワークにおいてモバイル装置を登録するため、企業ネットワークに関連するアグリゲーション装置により送信される登録リクエストを受信するためのインタフェースであって、前記モバイル装置の一意的な識別子は前記パケット交換サービスネットワークに以前は知られておらず、前記登録リクエストは前記アグリゲーション装置の識別子と前記モバイル装置の識別情報とを有する、インタフェースと、
前記アグリゲーション装置の識別子と前記モバイル装置の識別情報とに基づき前記モバイル装置のグローバルに一意的な識別子を動的に生成するプロセッサと、
を有するノードであって、
前記グローバルに一意的な識別子は、前記パケット交換サービスネットワークにおいて前記モバイル装置を一意的に識別するのに使用されるノード。
【請求項12】
S−CSCF(Serving Call Session Control Function)のタスクを実現するロジックをさらに有する、請求項11記載のノード。
【請求項13】
前記モバイル装置の識別情報は、前記モバイル装置のモバイル識別番号と電子シリアル番号とを有し、
前記登録リクエストは、前記アグリケーション装置の識別子と、前記モバイル識別番号と、前記電子シリアル番号との連結を含むパラメータを有する、請求項11記載のノード。
【請求項14】
前記パラメータは、SIP.INSTANCEパラメータである、請求項13記載のノード。
【請求項15】
前記グローバルに一意的な識別子は、GRUU(Grobally Routable User agent Uniform resource locator)である、請求項11記載のノード。
【請求項16】
前記プロセッサはさらに、
前記モバイル装置と通信セッションを確立するため、前記モバイル装置のモバイルディレクトリ番号を含むリクエストを受信し、
前記リクエストをVCCアプリケーションサーバに転送し、
前記VCCアプリケーションサーバから前記リクエストの変更されたバージョンを受信し、
前記リクエストの変更されたバージョンは、前記モバイル装置のグローバルに一意的な識別子を含む、請求項11記載のノード。
【請求項17】
前記プロセッサはさらに、前記モバイル装置のグローバルに一意的な識別子を含む通知をVCCアプリケーションサーバに送信する、請求項11記載のノード。
【請求項18】
第1ネットワークのアグリケーション装置から、前記アグリゲーション装置の識別子と、パケット交換サービスネットワークに以前には知られていない前記第1ネットワークにアタッチしたモバイル装置の識別情報とを含む登録リクエストを受信するステップと、
前記アグリゲーション装置の識別子と前記モバイル装置の識別情報とに基づき前記モバイル装置のグローバルに一意的な識別子を動的に生成するステップと、
を前記パケット交換サービスネットワークのノードに実行させる命令を含む少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体からなる物であって、
前記グローバルに一意的な識別子は、前記パケット交換サービスネットワークにおいて前記モバイル装置を一意的に識別するのに使用される物。
【請求項19】
前記アグリゲーション装置は、フェムトセル基地局である、請求項18記載の物。
【請求項20】
前記グローバルに一意的な識別子は、GRUU(Grobally Routable User agent Uniform resource locator)である、請求項18記載の物。
【請求項21】
前記モバイル装置の識別情報は、前記モバイル装置のモバイル識別番号と電子シリアル番号とを有し、
前記登録リクエストは、前記アグリケーション装置の識別子と、前記モバイル識別番号と、前記電子シリアル番号との連結を含むパラメータを有する、請求項18記載の物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−514409(P2012−514409A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544088(P2011−544088)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【国際出願番号】PCT/IB2009/007684
【国際公開番号】WO2010/076619
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(390023157)ノーテル・ネットワークス・リミテッド (153)
【Fターム(参考)】