加工トーチの冷却装置
【課題】 加工トーチ100から効率よく冷却水を除去する。これを自動的におこなう。
【解決手段】 トーチ内に、冷却液槽の冷却液を循環供給するポンプ200を備える冷却装置において、加工トーチの内部の冷却液を吸引排出する吸引手段;および、加工トーチが加工を停止している間に前記吸引手段を駆動するための強制排液制御手段500;を備えることを特徴とする。前記冷却用ポンプは、ロータの正転により液体を吸入ポートから吸入して吐出ポートから吐出し、ロータの逆転により流体を前記吐出ポートから吸入して吸入ポートから吐出する可逆ポンプであり;前記吸引手段は、前記吐出ポートを前記加工トーチの給液管に接続し、前記吸入ポートを前記冷却液槽からの給液管路に接続した前記可逆ポンプであり;前記強制排液制御手段は、前記可逆ポンプを正転駆動する「冷却設定」と、前記可逆ポンプを逆転駆動する「強制排液設定」と、を選択設定する。
【解決手段】 トーチ内に、冷却液槽の冷却液を循環供給するポンプ200を備える冷却装置において、加工トーチの内部の冷却液を吸引排出する吸引手段;および、加工トーチが加工を停止している間に前記吸引手段を駆動するための強制排液制御手段500;を備えることを特徴とする。前記冷却用ポンプは、ロータの正転により液体を吸入ポートから吸入して吐出ポートから吐出し、ロータの逆転により流体を前記吐出ポートから吸入して吸入ポートから吐出する可逆ポンプであり;前記吸引手段は、前記吐出ポートを前記加工トーチの給液管に接続し、前記吸入ポートを前記冷却液槽からの給液管路に接続した前記可逆ポンプであり;前記強制排液制御手段は、前記可逆ポンプを正転駆動する「冷却設定」と、前記可逆ポンプを逆転駆動する「強制排液設定」と、を選択設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工トーチの、トーチ本体内に冷却液を供給し、加工トーチの外部に排出する冷却装置に関し、特に、これに限定する意図ではないが、トーチ本体に対して先端部材が比較的に頻繁に着脱される加工トーチの、冷却装置に関する。該加工トーチの一例は、溶接,溶削,高温加熱などの加工に用いられるプラズマトーチである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加工トーチであるプラズマトーチの一形態が記載されている。図13に示すように、このようなプラズマトーチ100には、ポンプ200から冷却水槽300の冷却水が供給され、プラズマトーチ100の内部を通った冷却水が冷却水槽300に戻る。冷却水槽300内の水は、図示を省略した水冷装置によって冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−188811号公報
【特許文献2】特開昭 55− 48474号公報
【特許文献3】特開平 1− 22718号公報。
【0004】
図14に、プラズマトーチ100の先端部の構造を示す。プラズマトーチ基体1の円筒状内空間には、陰極台2,絶縁ブッシュ3および陽極台4が挿入され、これらが基体1に一体に固着されている。陽極台4の内部には、ノズル台5が挿入され、陽極台4にノズル台キャップ6の雄ねじ61をねじ込むことによって、ノズル台5が陽極台4に固定されている。ノズル台5の下端(先端)には先端部材であるノズル部材7が装着され、ノズル台キャップ6の雄ねじ63を受け入れた雌ねじ付きの袋ナット状のノズルキャップ8によって、ノズル台キャップ6に固定されている。ノズル台キャップ6の大径雄ねじ62には、雌ねじ付きの袋ナット状のシールドキャップ9がねじ結合しており、シールドキャップ9をねじ込み方向に廻すことによって、シールドキャップ9の端面が基体1の端面に締め付けられている。
【0005】
陰極台2には導電チャック10が挿入されており、このチャック10を、タングステン電極11が貫通している。陰極台2の雄ねじを受け入れる雌ねじ穴を持つ締付けチャック12を、ねじ締め付け方向に廻すことにより、導電チャック10が圧搾されて陰極台2およびタングステン電極11に圧接する。これにより、タングステン電極11が陰極台2に固定され、しかも電気的にも接続している。
【0006】
基体1のアーム13にあるプラズマガス管14から、絶縁ブッシュ3と陽極台4の間の空間を通って、ノズル台5の中心穴空間にプラズマガスが供給され(2点鎖線矢印)、センタリングストーン15の通流孔を通ってノズル部材7の中心穴空間に至り、タングステン電極11の先端のアークで電離されてプラズマとなって、ノズル16から噴出する。
【0007】
アーム13にあるシールドガス管17から、陽極台4のリング状の溝空間に送給されたシールドガスは、更に、ノズル台キャップ6の通気孔18を通って、シールドキャップ9の内空間に至り、キャップ9からトーチ前方に噴出する(点線矢印)。
【0008】
導電性の給水管19はアーム13を通して陽極台4に繋がっており、すなわち電気的に接続されており、陽極パイプ19に供給される冷却水(実線矢印)は、陽極台4のリング状の給水溝41を通り、更にノズル台5の給水口20を通って、ノズル台5の給水路21を通ってノズル部材7のリング状の通水空間22に入る。そして通水空間22を周方向に流れてノズル台5の排水路23に至り、排水路23を通り、そしてノズル台5の排水口24から出て陽極台4の排水溝42に入り、排水溝42から絶縁体の排水管25に入る。
【0009】
先端部材であるノズル部材7は、先端チップあるいはノズルチップと呼ばれることもある。溶接中にスパッタがノズル部材7に付着するとか、プラズマ,アークあるいは高熱によりノズル部材7の一部が溶損するなどがあるので、例えば半日あるいは数時間の溶接作業を終えると、ノズル部材7をノズル台5から取り外して、点検,掃除,整形あるいは取替え、などのメンテナンスが行われる。
【0010】
図15には、ノズル台5から取り外したノズル部材7,ノズルキャップ8およびシールドキャップ9を示す。プラズマトーチ100からノズル部材7を取り外すときには、まずシールドキャップ9をねじ結合を緩める方向に回して、ノズル台キャップ6から取り外す。つぎにノズルキャップ8をねじ結合を緩める方向に廻して、ノズル台5から取り外す。そしてノズル部材7を、ノズル台5から引き抜く。プラズマトーチ100にノズル部材7を装着するときには、まずノズル部材7をノズル台5に圧入し、ノズルキャップ8をノズル台5にねじ結合して締め付ける方向に廻してノズル部材7を締め込み、そしてシールドキャップ9をノズル台キャップ6にねじ結合して締め込む方向に廻わす。
【0011】
ノズル部材7の、冷却液通流空間である通水空間22とポンプ200の吐出ポート202の間の給水路、ならびに、通水空間22から排水管25を経て冷却水槽300に至る排水路、には冷却水が滞留しているので、ノズル部材7をノズル台5から取り外すと、滞留している冷却水がトーチ外部に流出する。このとき、トーチ100が下向きの垂直姿勢でないと、冷却水が、センタリングストーンを濡らし、場合によっては、ノズル台5の中心部のガス通流空間に進入して、該空間の壁面およびタングステン電極11を濡らす。これら、トーチ内部を濡らした水を十分に除去しないでノズル部材7を再装着して溶接作業を開始しようとすると、濡れた水によってノズル台5の内部において、ノズル台5とタングステン電極11との間が絶縁支持体であるセンタリングストーン15の付着水を通じて短絡又は放電して、溶接作業ができず、センタリングストーン15又はノズル台5が損傷する。
【0012】
このような水濡れによる不具合を防止するために、特許文献2は、プラズマ用ガス供給口に、プラズマ用ガスに換えて圧縮空気を供給する弁を備えて、圧縮空気をトーチ内部に供給して滞留水を排除することを提示している。特許文献3は、トーチの給水管にアルゴンガス(センターガス)を切換え供給する弁を備えて、冷却水ポンプを停止すると滞留水をアルゴンガスで排除することを提示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、エアーやアルゴンガスなど、気体によって水などの液体を排除(パージ)するには、高圧送気が必要であり、高圧送気設備が必要となる。アルゴンガスを用いる場合は不経済ともなる。また、気体による液体の排除の場合、気流はもっとも流れやすい場所を流れるので、この流路から外れる隅や管内面に付着している水は残留しやすく、これらの残留水がなくなるまでに長時間がかかる。
【0014】
本発明は、効率よく冷却水を除去することを第1の目的とし、これを自動的に行うことを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)加工トーチ(100)の内部に、冷却液槽(300)の冷却液を循環供給するポンプ(200)を備える冷却装置において、
前記加工トーチ(100)の内部の冷却液を吸引排出する吸引手段;および、
前記加工トーチ(100)が加工を停止している間に前記吸引手段を駆動するための強制排液制御手段(500);
を備えることを特徴とする冷却装置(図1,図2/図3,図4/図5,図6/図7,図8/図11,図12)。
【0016】
なお、理解を容易にするために括弧内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は相当要素の記号を、例示として参考までに付記した。以下も同様である。
【発明の効果】
【0017】
冷却液の吸引による排出は、気体による押し出し排出よりも排出効果が高い。本発明では吸引手段によって加工トーチ(100)内の冷却液を吸引排出するので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施例を示すブロック図であり、(a)は「冷却設定」状態で溶接中の場合を示し、(b)は「強制排液設定」で、溶接は停止しプラズマトーチ100から水抜きをしている場合を示す。
【図2】(a)は、図1に示す電磁弁400およびポンプ200を駆動する電気回路の構成を示すブロック図、(b)は、(a)に示すソレノイドSOL1,SOL2の通電タイミング等を示すタイムチャートである。
【図3】本発明の第2実施例を示すブロック図であり、(a)は「冷却設定」状態で溶接中の場合を示し、(b)は「強制排液設定」で、溶接は停止しプラズマトーチ100から水抜きをしている場合を示す。
【図4】(a)は、図3に示す電磁弁400およびポンプ200,600を駆動する電気回路の構成を示すブロック図、(b)は、(a)に示すソレノイドSOL1,SOL2の通電タイミング等を示すタイムチャートである。
【図5】本発明の第3実施例を示すブロック図であり、(a)は「冷却設定」状態で溶接中の場合を示し、(b)は「強制排液設定」で、溶接は停止しプラズマトーチ100から水抜きをしている場合を示す。
【図6】(a)は、図5に示す切換え弁400およびポンプ200,600を駆動する電気回路の構成を示すブロック図、(b)は、(a)に示す切換え弁400およびポンプ200,600の通電タイミング等を示すタイムチャートである。
【図7】本発明の第4実施例を示すブロック図であり、(a)は「冷却設定」状態で溶接中の場合を示し、(b)は「強制排液設定」で、溶接は停止しプラズマトーチ100から水抜きをしている場合を示す。
【図8】(a)は、図7に示す開閉弁701,702,切換え弁703およびポンプ200を駆動する電気回路の構成を示すブロック図、(b)は、(a)に示す開閉弁701,702,切換え弁703およびポンプ200の通電タイミング等を示すタイムチャートである。
【図9】本発明の第5実施例を示すブロック図であり、(a)は「冷却設定」状態で溶接中の場合を示し、(b)は「強制排液設定」で、溶接は停止しプラズマトーチ100から水抜きをしている場合を示す。
【図10】(a)は、図9に示す切換え弁400,開閉弁702,切換え弁703およびポンプ200を駆動する電気回路の構成を示すブロック図、(b)は、(a)に示す切換え弁400,開閉弁702,切換え弁703およびポンプ200の通電タイミング等を示すタイムチャートである。
【図11】本発明の第6実施例を示すブロック図であり、(a)は「冷却設定」状態で溶接中の場合を示し、(b)は「強制排液設定」で、溶接は停止しプラズマトーチ100から水抜きをしている場合を示す。
【図12】(a)は、図11に示すポンプ200を駆動する電気回路の構成を示すブロック図、(b)は、(a)に示すポンプ200の通電タイミング等を示すタイムチャートである。
【図13】従来の冷却装置の構成の概要を示すブロック図である。
【図14】冷却液通流空間がある端部材を装備する加工トーチの、代表的な一例であるプラズマトーチ100の主要部の銃断面図である。
【図15】図14に示される、冷却液通流空間がある端部材であるノズル部材7と、ノズルキャップ8およびシールドキャップ9を、分解して示す拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(2)前記吸引手段は、前記ポンプ(200)の吐出ポート(202)を、前記加工トーチ(100)への給液管(19)と前記冷却液槽(300)への戻し管路に選択的に接続する第1弁(Va1);前記ポンプ(200)の吸入ポート(201)を、前記冷却液槽(300)からの給液管路と前記加工トーチ(100)への給液管(19)に選択的に接続する第2弁(Va2);および、前記加工トーチ(100)からの排液管(25)を、前記冷却液槽(300)への戻し管路と大気通流ポート(i)に選択的に接続する第3弁(Va3);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、第1弁(Va1)は前記ポンプ(200)の吐出ポート(202)と前記加工トーチ(100)への給液管(19)を接続し、第2弁(Va2)は前記ポンプ(200)の吸入ポート(201)と前記冷却液槽(300)からの給液管路とを接続し、第3弁(Va3)は前記加工トーチ(100)からの排液管(25)と前記冷却液槽(300)への戻し管路とを接続する、「冷却設定」(図1の(a))と、第1弁(Va1)は前記ポンプ(200)の吐出ポート(202)と前記冷却液槽(300)への戻し管路を接続し、第2弁(Va2)は前記ポンプ(200)の吸入ポート(201)と前記加工トーチ(100)への給液管(19)とを接続し、第3弁(Va3)は前記加工トーチ(100)からの排液管(25)と大気通流ポート(i)とを接続する、「強制排液設定」(図1の(b))と、を選択設定する;
上記(1)に記載の冷却装置(図1,図2)。
【0020】
前記「冷却設定」(図1の(a))では、ポンプ(200)が、第2弁(Va2)を通して冷却液槽(300)の冷却液を汲み上げて、第1弁(Va1)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)に送り込み、加工トーチ(100)の排液管(25)からの排液を第3弁(Va3)を通して冷却液槽(300)に戻すことができる。すなわち、冷却液で加工トーチ(100)を冷却することができる。
【0021】
前記「強制排液設定」(図1の(b))では、ポンプ(200)が、第2弁(Va2)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)から冷却液を吸入して、第1弁(Va1)を通して冷却液槽(300)に戻すことができる。このとき加工トーチ(100)の排液管(25)に第3弁(Va3)を通して大気が吸入される。すなわち、加工トーチ(100)内部の冷却液を加工トーチ(100)から抜き取って冷却液槽(300)に戻し、加工トーチ(100)内の冷却液通流空間を大気にすることができる。この強制排液設定では、冷却液ポンプ(200)によって加工トーチ(100)内の冷却液を強制排出するので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【0022】
(3)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)による加工中前記「冷却設定」を継続しかつ前記ポンプ(200)を冷却液送給駆動し、加工終了後に前記「強制排液設定」に切換え、該切換えから設定時間経過後に、前記ポンプ(200)の冷却液送給駆動を停止する;上記(2)に記載の冷却装置。
【0023】
(4)第1弁(Va1),第2弁(Va2)および第3弁(Va3)は、電気コイル(SOL1,SOL2)の通電制御により、前記「冷却設定」での接続から「強制排液設定」の接続に又はその逆に切換る電磁弁である;上記(2)又は(3)に記載の冷却装置。
【0024】
(5)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)に給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間(Td)の計時を行うタイマ(504),前記電源スイッチのオンの間および該タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間、前記ポンプ(200)を冷却液送給駆動するポンプドライバ(502,203)、および、第1弁(Va1),第2弁(Va2)および第3弁(Va3)を、前記電源スイッチのオンの間は前記「冷却設定」での接続とし、前記タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間は前記「強制排液設定」での接続とするように、前記電気コイル(SOL1,SOL2)への通電を制御するソレノイドドライバ(501,505)、を備える;上記(4)に記載の冷却装置。
【0025】
(6)前記吸引手段は、前記加工トーチ(100)の冷却液を排出するための吸引排出用ポンプ(600);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)への給液管(19)と前記冷却用ポンプの吐水ポートとを接続し、前記加工トーチ(100)からの排液管(25)と前記冷却液槽(300)への戻し管路とを接続する、「冷却設定」(図3,5の(a))と、前記加工トーチ(100)に前記吸引排出用ポンプ(600)を接続し加工トーチ(100)の冷却液を吸引し前記冷却液槽(300)に戻す、「強制排液設定」(図3,5の(b))と、を選択設定する;
上記(1)に記載の冷却装置(図3,4/図5,6)。
【0026】
(7)前記吸引手段はさらに、前記加工トーチ(100)への給液管(19)を、前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)と前記吸引排出用ポンプ(600)の吸入ポート(601)に選択的に接続する第1弁(Va1);および、前記加工トーチ(100)からの排液管(25)を、前記冷却液槽(300)への戻し管路と大気通流ポート(f)に選択的に接続する第2弁(Va2);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、前記「冷却設定」(図3の(a))では、第1弁(Va1)は前記加工トーチ(100)への給液管(19)と前記冷却用ポンプの吐水ポートとを接続し、第2弁(Va3)は前記加工トーチ(100)からの排液管(25)と前記冷却液槽(300)への戻し管路とを接続し(図3の(a))、前記「強制排液設定」(図3の(b))では、第1弁(Va1)は前記加工トーチ(100)への給液管(19)と前記吸引排出用ポンプ(600)の吸入ポート(601)とを接続し、第2弁(Va3)は前記加工トーチ(100)からの排液管(25)と大気通流ポート(f)とを接続する;上記(6)に記載の冷却装置(図3,図4)。
【0027】
前記「冷却設定」(図3の(a))では、冷却用ポンプ(200)が、冷却液槽(300)の冷却液を汲み上げて、第1弁(Va1)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)に送り込み、加工トーチ(100)の排液管(25)からの排液を第2弁(Va2)を通して冷却液槽(300)に戻すことができる。すなわち、冷却液で加工トーチ(100)を冷却することができる。
【0028】
前記「強制排液設定」(図3の(b))では、吸引排出用ポンプ(600)が、第1弁(Va1)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)から冷却液を吸入して、冷却液槽(300)に戻すことができる。このとき加工トーチ(100)の排液管(25)に第2弁(Va2)を通して大気が吸入される。すなわち、加工トーチ(100)内部の冷却液を加工トーチ(100)から抜き取って冷却液槽(300)に戻し、加工トーチ(100)内の冷却液通流空間を大気にすることができる。この強制排液設定では、吸引排出用ポンプ(600)によって加工トーチ(100)内の冷却液を強制排出するので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【0029】
(8)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)による加工中前記「冷却設定」を継続しかつ前記冷却用ポンプ(200)を冷却液送給駆動し、加工終了後に前記冷却用ポンプ(200)の駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換えるとともに前記吸引排出用ポンプ(600)を駆動し設定時間の駆動後に前記吸引排出用ポンプ(600)の駆動を停止する;上記(7)に記載の冷却装置。
【0030】
(9)第1弁(Va1)および第2弁(Va2)は、電気コイル(SOL1,SOL2)の通電制御により、前記「冷却設定」での接続から「強制排液設定」の接続に又はその逆に切換る電磁弁である;上記(7)又は(8)に記載の冷却装置。
【0031】
(10)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)に給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間(Td)の計時を行うタイマ(504),前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプ(200)を冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ(203),前記タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間、前記吸引排出用ポンプ(600)を駆動する吸引排出用ポンプドライバ(603)、および、第1弁(Va1)および第2弁(Va2)を、前記電源スイッチのオンの間は前記「冷却設定」での接続とし、前記タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間は前記「強制排液設定」での接続とするように、前記電気コイル(SOL1,SOL2)への通電を制御するソレノイドドライバ(501,505)、を備える;上記(9)に記載の冷却装置。
【0032】
(11)前記吸引手段はさらに、前記加工トーチ(100)への給液管(19)を、前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)と大気通流ポートに選択的に接続する切換え弁(400);および、前記加工トーチ(100)の排液管(25)から前記冷却液槽(300)への戻し管路への冷却液の通流を許し逆方向の通流は遮断する逆止弁(700);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、前記「冷却設定」(図5の(a))では、前記切換え弁(400)は前記加工トーチ(100)への給液管(19)と前記冷却用ポンプの吐水ポートとを接続し、前記「強制排液設定」(図5の(b))では、前記切換え弁(400)は前記加工トーチ(100)への給液管(19)を大気通流ポートとを接続する;上記(6)に記載の冷却装置(図5,図6)。
【0033】
前記「冷却設定」(図5の(a))では、冷却用ポンプ(200)が、冷却液槽(300)の冷却液を汲み上げて、切換え弁(400)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)に送り込む。加工トーチ(100)の排液管(25)からの排液は、逆止弁(700)を通して冷却液槽(300)に戻る。これにより、冷却液で加工トーチ(100)が冷却される。
【0034】
前記「強制排液設定」(図5の(b))では、吸引排出用ポンプ(600)が、加工トーチ(100)の排液管(25)から冷却液を吸入して、冷却液槽(300)に戻す。このとき加工トーチ(100)の給液管(17)に切換え弁(400)を通して大気が吸入される。すなわち、加工トーチ(100)内部の冷却液が加工トーチ(100)から抜き取られて冷却液槽(300)に戻り、加工トーチ(100)内の冷却液通流空間が大気になる。この強制排液設定では、吸引排出用ポンプ(600)によって加工トーチ(100)内の冷却液を強制排出するので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【0035】
(12)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)による加工中前記「冷却設定」を継続しかつ前記冷却用ポンプ(200)を冷却液送給駆動し、加工終了後に前記冷却用ポンプ(200)の駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換えるとともに前記吸引排出用ポンプ(600)を駆動し設定時間の駆動後に前記吸引排出用ポンプ(600)の駆動を停止する;上記(11)に記載の冷却装置。
【0036】
(13)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)に給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間(Td)の計時を行うタイマ(504),前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプ(200)を冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ(203),前記タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間、前記吸引排出用ポンプ(600)を駆動する吸引排出用ポンプドライバ(603)、および、前記切換え弁(400)を、前記電源スイッチのオンの間は前記「冷却設定」での接続とし、前記タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間は前記「強制排液設定」での接続とするように、前記切換え弁(400)を制御するバルブドライバ(505)、を備える;上記(12)に記載の冷却装置。
【0037】
(14)前記吸引手段は、前記加工トーチ(100)の給液管(17)から前記加工トーチ(100)の冷却液を吸引排出するための吸引シリンダ(705);該吸引シリンダ(705)を給排駆動する流体圧シリンダ(704);および、該流体圧シリンダ(704)の作動流体の流れと方向を制御する弁装置(702,703);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)を前記加工トーチ(100)の給液管(17)に対して通流とする、「冷却設定」(図7,9の(a))と、前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)を引込み駆動し前記吸引シリンダ(705)により前記加工トーチ(100)から冷却液を吸引する、「強制排液設定」(図7,9の(b))と、を選択設定する;上記(1)に記載の冷却装置(図7,8/図9,10)。
【0038】
(15)前記吸引手段はさらに、前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)を前記加工トーチ(100)の給液管(17)に対して通,断する開閉弁(701);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、前記「冷却設定」(図7の(a))では、前記開閉弁(701)が前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)を前記加工トーチ(100)の給液管(17)に対して通流とし、前記「強制排液設定」(図7の(b))では、前記開閉弁(701)が前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)と前記加工トーチ(100)の給液管(17)との間を遮断し前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)を引込み駆動し前記吸引シリンダ(705)により前記加工トーチ(100)の給液管(17)から前記加工トーチ(100)の冷却液を吸引する;上記(14)に記載の冷却装置(図7,図8)。
【0039】
前記「冷却設定」(図7の(a))では、冷却用ポンプ(200)が、冷却液槽(300)の冷却液を汲み上げて、前記開閉弁(701)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)に送り込む。加工トーチ(100)の内部を通流した冷却水は排液管(25)から冷却液槽(300)に戻る。これにより、冷却液で加工トーチ(100)が冷却される。
【0040】
前記「強制排液設定」(図7の(b))では、開閉弁(701)が給液管(19)をポンプ(200)から遮断し、吸引シリンダ(705)が加工トーチ(100)の冷却水を吸引する。このとき加工トーチ(100)の内部に排液管(25)を通して大気が吸入される。すなわち、加工トーチ(100)内部の冷却液が加工トーチ(100)から抜き取られて吸引シリンダ(705)内に滞留し、加工トーチ(100)内の冷却液通流空間が大気になる。この強制排液設定でも、加工トーチ(100)内の冷却液が吸引排出されるので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【0041】
(16)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)による加工の開始時に前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)を突き出し駆動し前記吸引シリンダ(705)の冷却液を前記加工トーチ(100)の給液管(17)に排出し、加工中は前記「冷却設定」を継続し、加工終了後に前記冷却用ポンプ(200)の駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換え、それから設定時間(Td1)後に前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)の作動を止める;上記(15)に記載の冷却装置。
【0042】
(17)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)に給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間(Td1)の計時を行う立下り遅延タイマ(504),前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプ(200)を冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ(203),前記立下り遅延タイマ(504)が設定時間(Td1)を計時している間、前記開閉弁(701)を弁閉とするバルブドライバ(505),電源スイッチのオフからオンへの切換りから設定時間(Td2)の計時を行う立上り遅延タイマ(508)、および、前記立下り遅延タイマ(504)が設定時間(Td1)を計時している間前記弁装置(702,703)を前記吸引シリンダ(705)内に冷却液を吸入する設定に定め、前記立上り遅延タイマ(508)が設定時間(Td2)を計時している間前記弁装置(702,703)を前記吸引シリンダ(705)内の冷却液を排出する設定に定めるバルブドライバ(506,507)、を備える;上記(16)に記載の冷却装置。
【0043】
(18)前記吸引手段はさらに、前記加工トーチ(100)の給液管(19)を前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)と待機連通ポートに選択的に接続する切換え弁(400);および、前記加工トーチ(100)の排液管(25)から前記冷却液槽(300)への戻し管路への冷却液の通流を許し逆方向の通流は遮断する逆止弁(700);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、前記「冷却設定」(図9の(a))では、前記切換え弁(400)が前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)を前記加工トーチ(100)の給液管(17)に対して通流とし、前記「強制排液設定」(図9の(b))では、前記切換え弁(400)が前記加工トーチ(100)の給液管(17)を待機連通ポートに接続し前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)を引込み駆動し前記吸引シリンダ(705)により前記加工トーチ(100)の給液管(17)から前記加工トーチ(100)の冷却液を吸引する;上記(14)に記載の冷却装置(図9,図10)。
【0044】
前記「冷却設定」(図9の(a))では、冷却用ポンプ(200)が、冷却液槽(300)の冷却液を汲み上げて、前記切換え弁(400)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)に送り込む。加工トーチ(100)の内部を通流した冷却水は排液管(25)から出て逆止弁(700)を通って冷却液槽(300)に戻る。これにより、冷却液で加工トーチ(100)が冷却される。
【0045】
前記「強制排液設定」(図9の(b))では、切換え弁(400)によって給液管(19)は大気連通ポートに繋がる。吸引シリンダ(705)が加工トーチ(100)の冷却水を吸引する。このとき加工トーチ(100)の内部に給液管(17)を通して大気が吸入される。すなわち、加工トーチ(100)内部の冷却液が加工トーチ(100)から抜き取られて吸引シリンダ(705)内に滞留し、加工トーチ(100)内の冷却液通流空間が大気になる。この強制排液設定でも、加工トーチ(100)内の冷却液が吸引排出されるので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【0046】
(19)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)による加工の開始時に前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)を突き出し駆動し前記吸引シリンダ(705)の冷却液を前記加工トーチ(100)の給液管(17)に排出し、加工中は前記「冷却設定」を継続し、加工終了後に前記冷却用ポンプ(200)の駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換え、それから設定時間(Td1)後に前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)の作動を止める;上記(18)に記載の冷却装置。
【0047】
(20)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)に給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間(Td1)の計時を行う立下り遅延タイマ(504),前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプ(200)を冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ(203),前記立下り遅延タイマ(504)が設定時間(Td1)を計時している間、前記切換え弁(400)を前記給液管(19)/大気通流ポート間の接続とするバルブドライバ(505),電源スイッチのオフからオンへの切換りから設定時間(Td2)の計時を行う立上り遅延タイマ(508)、および、前記立下り遅延タイマ(504)が設定時間(Td1)を計時している間前記弁装置(702,703)を前記吸引シリンダ(705)内に冷却液を吸入する設定に定め、前記立上り遅延タイマ(508)が設定時間(Td2)を計時している間前記弁装置(702,703)を前記吸引シリンダ(705)内の冷却液を排出する設定に定めるバルブドライバ(506,507)、を備える;上記(19)に記載の冷却装置。
【0048】
(21)前記冷却用ポンプ(200)は、ロータの正転により液体を吸入ポートから吸入して吐出ポートから吐出し、ロータの逆転により流体を前記吐出ポートから吸入して吸入ポートから吐出する可逆ポンプであり;
前記吸引手段は、前記吐出ポートを前記加工トーチ(100)の給液管(19)に接続し、前記吸入ポートを前記冷却液槽(300)からの給液管路に接続した前記可逆ポンプであり;
前記強制排液制御手段(500)は、前記可逆ポンプ(200)を正転駆動する「冷却設定」(図11の(a))と、前記可逆ポンプ(200)を逆転駆動する「強制排液設定」(図11の(b))と、を選択設定する;上記(1)に記載の冷却装置。
【0049】
前記「冷却設定」(図11の(a))では、可逆ポンプ(200)が、冷却液槽(300)の冷却液を汲み上げて、加工トーチ(100)の給液管(19)に送り込む。加工トーチ(100)の内部を通流した冷却水は排液管(25)から出て冷却液槽(300)に戻る。これにより、冷却液で加工トーチ(100)が冷却される。
【0050】
前記「強制排液設定」(図11の(b))では、可逆ポンプ(200)が、加工トーチ(100)の給液管(19)から加工トーチ内部の冷却液を吸引して冷却液槽(300)に吐出する。この強制排液設定でも、加工トーチ(100)内の冷却液が吸引排出されるので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【0051】
(22)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)による加工中前記可逆ポンプを正転駆動し、加工終了後に前記可逆ポンプ(200)を正転駆動から逆転駆動に切換え、それから設定時間(Td)後に可逆ポンプ(200)の駆動を止める;上記(21)に記載の冷却装置。
【0052】
(23)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)に給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間(Td)の計時を行う立下り遅延タイマ(504)、および、前記電源スイッチのオンの間前記可逆ポンプ(200)を正転駆動し、前記立下り遅延タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間前記可逆ポンプ(200)を逆転駆動するポンプドライバ(203)、を備える;上記(22)に記載の冷却装置。
【0053】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【実施例】
【0054】
−第1実施例−
図1に、第1実施例の冷却装置(プラズマトーチ100を除く部分)の機構の概要を示す。プラズマトーチ100は、本実施例では、図14に示すものであり、図15に示すように、先端部材であるノズル部材7を、ノズル台5から取り外すことができるものである。第1実施例の冷却装置は、図13に示す従来の冷却装置に、電磁弁400を加えて、数種の配管を加えたものである。電磁弁400の非磁性体シリンダ41内には、磁性体スプール402があり、シリンダ41の両端には、磁性体のストッパ402,403がある。磁性体スプール402には、多数のリング状のランドおよびリング状の溝と入出力ポートa〜iとの組合せにより、3個の切換え弁Va1〜Va3が構成されている。非磁性体シリンダ41の両端の外部にはソレノイド(電気コイル)SOL1,SOL2があり、SOL1に通電しSOL2は非通電とすると、電磁弁400は、図1の(a)に示す「冷却設定」の状態となり、逆に、SOL2に通電しSOL1は非通電とすると、電磁弁400は、図1の(b)に示す「強制排水設定」の状態となる。
【0055】
「冷却設定」の状態(図1の(a))では、第1弁Va1はポンプ200の吐出ポート202と、加工トーチであるプラズマトーチ100への給水管19を接続し、第2弁Va2はポンプ200の吸入ポート201と冷却水槽300からの給水管路とを接続し、第3弁Va3はプラズマトーチ100からの排水管25と冷却水槽300への戻し管路とを接続する。この「冷却設定」の状態でポンプ200が給水駆動されると、冷却水槽300の冷却水が第2弁Va2を通してポンプ200に吸入され、そしてポンプ200からプラズマトーチ100の給水管19に送り込まれて、ノズル部材7の通水空間22(図14)に至り、そして通水空間22を通ってから、プラズマトーチ100の排水管25に至り、そこから第3弁Va3を通って冷却水槽300に入る(戻る)。
【0056】
「強制排水設定」の状態(図1の(b))では、第1弁Va1はポンプ200の吐出ポート202と冷却水槽300への戻し管路を接続し、第2弁Va2はポンプ200の吸入ポート201とプラズマトーチ100への給水管19とを接続し、第3弁Va3はプラズマトーチ100からの排水管25と大気通流ポートiとを接続する。この「強制排水設定」の状態でポンプ200が同じく給水駆動されると、プラズマトーチ100の内部の水が給水管19から、第2弁Va2を通してポンプ200に吸引され、第1弁Va1を通して冷却水槽300に排出される。プラズマトーチ100の内部の水がこのように排出されるのに伴って、第3弁Va3を通して大気がプラズマトーチ100の排水管に吸引され、プラズマトーチ100内に大気すなわち空気が入る。10秒未満でプラズマトーチ100内の水はなくなる。
【0057】
図2の(a)に、ポンプ200を給水駆動し、電磁弁400の第1〜3弁Va1〜Va3を「強制排水設定」から「冷却設定」に、またその逆に切換える制御回路500の構成を示し、図2の(b)には、制御回路500の電磁弁400の切換えタイミングを示す。
【0058】
プラズマトーチ100の動作中は高レベルH、停止中は低レベルLのプラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、これがオアゲート502を通してポンプドライバ203にポンプ駆動指示(H)として与えられ、ソレノイドドライバ501には通電指示(H)として与えられる。これにより、ポンプドライバ203によってポンプ200が給水駆動されるとともに、ソレノイドドライバ501によってソレノイドSOL1が通電される。ソレノイドドライバ501は、通電を開始したとき、スプール402に対する吸引駆動力を大きくしてスプール402の移動を確実にするために、所定短時間dtは大電流を通電し、dtが経過するとスプール402を磁力保持してスプール402の移動を阻止する低電流に切換える。これにより、電力消費とソレノイドの過熱が抑制される。このような、ソレノイドSOL1に対する通電により、電磁弁400は、図1の(a)に示す「冷却設定」状態になり、ポンプ200によって冷却水槽300の冷却水が、プラズマトーチ100の給水管19に供給されて排水管25から冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100が冷却される。
【0059】
プラズマ電源SW信号が、H(動作中)からL(停止中)に切換ると、ソレノイドSOL1の通電が停止し、同時に、立下りTd遅延タイマ504がその出力をLからHに立ち上げ、このHに応答してソレノイドドライバ505がソレノイドSOL2に通電する。これにより、電磁弁400は、図1の(b)に示す「強制排水設定」となる。遅延タイマ504の出力Hがオアゲート502を通してポンプドライバ203に与えられるので、ポンプドライバ203によるポンプ200の給水駆動が継続する。この「強制排水設定」では、ポンプ200によってプラズマトーチ100内の冷却水が、プラズマトーチ100の給水管19から吸引排水されて冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100内には、排水管25を通して大気が入る。すなわちプラズマトーチ100内ならびに該トーチに接続した水管の冷却水が、冷却水槽に強制排出される。なお、本実施例では、立下りTd遅延タイマ504の遅延時間は10秒程度であり、従来のガスパージによってトーチ内残留水を排除するに要する時間よりも大幅に短い。
【0060】
−第2実施例−
図3に、第2実施例の冷却装置の機構の概要を示す。第2実施例では、第1実施例にプラズマトーチ100の冷却水を強制排出するための吸引排出用ポンプ600が付加され、電磁弁400は、2つの弁Va1,Va2を持つものである。第1弁Va1は、プラズマトーチ100の給液管19を、冷却用ポンプ200の吐出ポート202と吸引排出用ポンプ600の吸入ポート601に選択的に接続する。第2弁Va2は、プラズマトーチ100の排液管25を、冷却液槽300への戻し管路と大気通流ポートfに選択的に接続する。第2実施例のその他の機構は、第1実施例と同様であり、SOL1に通電しSOL2は非通電とすると、電磁弁400は、図3の(a)に示す「冷却設定」の状態となり、逆に、SOL2に通電しSOL1は非通電とすると、電磁弁400は、図3の(b)に示す「強制排水設定」の状態となる。
【0061】
「冷却設定」の状態(図3の(a))では、第1弁Va1は、プラズマトーチ100の給水管19を冷却用ポンプ200の吐出ポート202に接続し、第2弁Va2は、プラズマトーチ100の排水管25を冷却水槽300への戻し管路に接続する。。この「冷却設定」の状態で冷却用ポンプ200が給水駆動されると、冷却水槽300の冷却水がポンプ200に吸入され、そしてポンプ200から第1弁Va1を通してプラズマトーチ100の給水管19に送り込まれて、ノズル部材7の通水空間22(図14)に至り、そして通水空間22を通ってから、プラズマトーチ100の排水管25に至り、そこから第2弁Va2を通って冷却水槽300に入る。
【0062】
「強制排水設定」の状態(図3の(b))では、第1弁Va1は、プラズマトーチ100の給水管19を吸引排出用ポンプ600の吸入ポート601に接続し、第2弁Va2は、プラズマトーチ100の排水管25を大気ポートfに接続する。この「強制排水設定」の状態で吸引排出用ポンプ600が駆動されると、プラズマトーチ100の内部の水が給水管19から、第1弁Va1を通してポンプ600に吸引され、冷却水槽300に排出される。プラズマトーチ100の内部の水がこのように排出されるのに伴って、第2弁Va2を通して大気がプラズマトーチ100の排水管に吸引され、プラズマトーチ100内に大気すなわち空気が入る。
【0063】
図4の(a)に、ポンプ200,600を駆動し、電磁弁400の第1,第2弁Va1,Va2を「強制排水設定」から「冷却設定」に、またその逆に切換える制御回路500の構成を示し、図4の(b)には、制御回路500の電磁弁400の切換えタイミングを示す。
【0064】
プラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、これがポンプドライバ203にポンプ駆動指示(H)として与えられ、ソレノイドドライバ501には通電指示(H)として与えられる。これにより、ポンプドライバ203によって冷却用ポンプ200が給水駆動されるとともに、ソレノイドドライバ501によってソレノイドSOL1が通電される。この通電により、電磁弁400は、図3の(a)に示す「冷却設定」状態になり、冷却用ポンプ200によって冷却水槽300の冷却水が、プラズマトーチ100の給水管19に供給され、そして排水管25から冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100が冷却される。
【0065】
プラズマ電源SW信号が、H(動作中)からL(停止中)に切換ると、ソレノイドSOL1の通電が停止し、冷却用ポンプ200の駆動が停止する。同時に、立下りTd遅延タイマ504がその出力をLからHに立ち上げ、このHに応答してソレノイドドライバ505がソレノイドSOL2に通電する。これにより、電磁弁400は、図3の(b)に示す「強制排水設定」となる。遅延タイマ504の出力Hがポンプドライバ603に与えられるので、ポンプドライバ603によって吸引排出用ポンプ600が駆動され、プラズマトーチ100内の水が、給水管19および第1弁Va1を通して吸引排出用ポンプ600に吸引されて冷却水槽300に排出され、プラズマトーチ100内には、第2弁Va2および排水管25を通して大気が入る。すなわちプラズマトーチ100内ならびに該トーチに接続した水管の冷却水が、冷却水槽に強制排出される。
【0066】
以上に説明した第1および第2の実施例では、電磁弁400に複数の弁Va1,Va2,Va3を備えるが、それぞれの弁を個別の電磁弁にしても良い。また、その他の形態の電磁弁や、水路切換弁とそれに加える作動流体圧の印加方向を切換える電磁弁との組合せなど、各種切換弁を、電磁弁400に置き換えることもできる。
【0067】
−第3実施例−
図5に、第3実施例の冷却装置の機構の概要を示す。第3実施例では、第2実施例と同様に吸引排出用ポンプ600を用いるが、このポンプ600で、プラズマトーチ100内の冷却水を排水管25を通して吸引排出する。図5の(a)に示す「冷却設定」で排水管25から排出される冷却水をポンプ600を通さないで冷却水槽300へ戻し、図5の(b)に示す「強制排水設定」では、ポンプ600が冷却水槽300への戻り水路の空気を吸引しないように、ポンプ600をバイパスする逆止弁700を設けている。逆止弁700は、排水路25から冷却水槽300への方向の水流は通すが、その逆方向すなわち冷却水槽300への戻り水路から排水路25への水流および空気流は遮断する。
【0068】
冷却用ポンプ200の吐出ポート202とプラズマトーチ100の給水管19の間には、切換え弁400が介挿されている。この切換え弁400は、図5の(a)に示す「冷却設定」ではプラズマトーチ100の給水管19に冷却用ポンプ200の吐出ポート202を接続するが、図5の(b)に示す「強制排水設定」では給水管19に大気通流ポートを接続するものである。
【0069】
切換え弁400は、1個の電気コイル,流路切換えスプールおよび圧縮コイルスプリングを備え、該圧縮コイルスプリングで、該スプールを給水管19/冷却用ポンプ200間接続位置方向に常時駆動し、電気コイルSOL2に通電すると、それが発生する磁力が、圧縮コイルスプリングの反発力に抗してスプールを、給水管19/大気通流ポート間接続位置に駆動し該位置に保持する。
【0070】
図6の(a)に、ポンプ200,600を駆動し、切換え弁400を「冷却設定」から「強制排水設定」に、またその逆に切換える制御回路500の構成を示し、図6の(b)には、制御回路500の切換え弁400の切換えタイミングを示す。プラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、これがポンプドライバ203にポンプ駆動指示(H)として与えられる。これにより、ポンプドライバ203によって冷却用ポンプ200が給水駆動され、冷却用ポンプ200によって冷却水槽300の冷却水が、プラズマトーチ100の給水管19に供給され、そして排水管25から、逆止弁700を通して冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100が冷却される。
【0071】
プラズマ電源SW信号が、H(動作中)からL(停止中)に切換ると、冷却用ポンプ200の駆動が停止する。同時に、立下りTd遅延タイマ504がその出力をLからHに立ち上げ、このHに応答して、バルブドライバ505が切換え弁400を、ポンプ200/給水管19間接続から、大気通流ポート/給水管19間接続に切換えるとともに、ポンプドライバ603が吸引排出用ポンプ600を駆動し、プラズマトーチ100内の水が、排水管25から吸引排出用ポンプ600に吸引されて冷却水槽300に排出され、プラズマトーチ100内には、切換え弁400を通して大気が入る。すなわちプラズマトーチ100内ならびに該トーチに接続した水管の冷却水が、冷却水槽に強制排出される。
【0072】
−第4実施例−
図7に、第4実施例の冷却装置の機構の概要を示す。第4実施例では、第2,3実施例の吸引排出用ポンプ600の代わりに、開閉弁702および切換え弁703でなる弁装置と、吸引シリンダ705およびそれを吸引/排出駆動する流体圧シリンダ704がある。プラズマトーチ100の給水管19と冷却用ポンプ200の吐出ポート202との間には開閉弁701が介挿されている。図7の(a)に示す「冷却設定」では、開閉弁701が開で、冷却用ポンプ200が冷却水を開閉弁701および給水管19を通してプラズマトーチ100に送り込み、プラズマトーチ100の排水管25に出る排水は冷却水槽300に戻る。開閉弁702は閉で、流体圧シリンダ704には作動流体は供給されない。
【0073】
図7の(b)に示す「強制排水設定」では、冷却用ポンプ200は停止し、開閉弁701は閉じられ、開閉弁702が開かれ、切換え弁703が流体圧シリンダ704内のピストンで区分される左室に、作動流体である高圧エアーが入り、これにより流体圧シリンダ704が引込み動作をして、吸引シリンダ705がプラズマトーチ100の給水管19から冷却水を吸引して収容し、このときプラズマトーチ100の排水管25からトーチ内部に冷却水槽300内の空気が吸入される。
【0074】
図8の(a)に、ポンプ200を駆動/停止し、開閉弁701および弁装置702,703を操作して、それらを「冷却設定」(図7の(a))から「強制排水設定」(図7の(b))に、またその逆に切換える制御回路500の構成を示し、図8の(b)には、制御回路500の制御信号の発生タイミングを示す。
【0075】
プラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、これがポンプドライバ203にポンプ駆動指示(H)として与えられる。これにより、ポンプドライバ203によって冷却用ポンプ200が給水駆動され、冷却用ポンプ200によって冷却水槽300の冷却水が、開閉弁701を通してプラズマトーチ100の給水管19に供給され、そして排水管25から冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100が冷却される(図7の(a))。
【0076】
プラズマ電源SW信号が、H(動作中)からL(停止中)に切換ると、冷却用ポンプ200の駆動が停止する。同時に、立下りTd1遅延タイマ504がその出力をLからHに立ち上げ、このHに応答して、バルブドライバ505が開閉弁701を閉じ、バルブドライバ507が開閉弁702を開き、しかもバルブドライバ506が、切換え弁703を流体圧シリンダ704内のピストンで区分される左室に高圧エアーを供給し右室をドレイン(大気通流ポート)に接続するモードに切換える。プラズマトーチ100内の水が、給水管19から吸引シリンダ705に吸引され、プラズマトーチ100内には、排水管25を通して大気が入る。すなわちプラズマトーチ100内の冷却水が、吸引シリンダ705に吸引排出される(図7の(b))。立下りTd1遅延タイマ504がTd1の計時を完了するとその出力がHからLに戻る。すると、開閉弁701は開に戻り、開閉弁702は閉に戻る。切換え弁703は、流体圧シリンダ704内のピストンで区分される左室をドレイン(大気通流ポート)に、右室を高圧エラーラインに切換えるが、開閉弁702が閉にもどるので流体圧シリンダ704は動作せず、吸引シリンダ705には、吸引した冷却水が滞留する。
【0077】
次にプラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、ポンプ200が駆動されてプラズマトーチ100に冷却水が供給されるが、プラズマ電源SW信号のLからHへの立上がりに応答して立上がりTd2遅延タイマ508がその出力をLからHに立ち上げ、このHがオアゲート502を介してバルブドライバ507に印加され、開閉弁702を開く。これにより、流体圧シリンダ704内の右室に高圧エラーが供給されて、流体圧シリンダ704が突き出し動作をする。この突き出し動作によって吸引シリンダ705は、その中に滞留している冷却水をプラズマトーチ100の給水管19に排出する。その後立上りTd2遅延タイマ508がTd2の計時を完了すると、その出力がHからLに戻って、これにより開閉弁702が閉となり、図7の(a)に示す「冷却設定」となる。
【0078】
−第5実施例−
図9に、第5実施例の冷却装置の機構の概要を示す。第5実施例でも第4実施例と同様に、開閉弁702および切換え弁703でなる弁装置と、吸引シリンダ705およびそれを吸引/排出駆動する流体圧シリンダ704を用いている。プラズマトーチ100の給水管19と冷却用ポンプ200の吐出ポート202との間には切換え弁400が介挿されている。プラズマトーチ100の排水管25と冷却水槽300への戻し水路の間には、逆止弁700が介挿されている。この逆止弁700は、排水管25から冷却水槽300への水流は妨げないが、冷却水槽300内の空気の排水管25への流れは遮断する。
【0079】
図9の(a)に示す「冷却設定」では、切換え弁400はポンプ200/給水管19間接続であり、冷却用ポンプ200が冷却水を切換え弁400および給水管19を通してプラズマトーチ100に送り込み、プラズマトーチ100の排水管25に出る排水は逆止弁700を通って冷却水槽300に戻る。開閉弁702は閉で、流体圧シリンダ704には作動流体は供給されない。
【0080】
図9の(b)に示す「強制排水設定」では、冷却用ポンプ200は停止し、切換え弁400は大気圧ポート/給水管19間接続であり、開閉弁702が開かれ、切換え弁703が流体圧シリンダ704内のピストンで区分される左室に、作動流体である高圧エアーが入り、これにより流体圧シリンダ704が引込み動作をして、吸引シリンダ705がプラズマトーチ100の排水管5からトーチ100内の冷却水を吸引して収容し、このとき切換え弁400および給水管19を通してトーチ100内に空気が吸入される。
【0081】
図10の(a)に、ポンプ200を駆動/停止し、切換え弁400および弁装置702,703を操作して、それらを「冷却設定」(図9の(a))から「強制排水設定」(図9の(b))に、またその逆に切換える制御回路500の構成を示し、図10の(b)には、制御回路500の制御信号の発生タイミングを示す。
【0082】
プラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、これがポンプドライバ203にポンプ駆動指示(H)として与えられる。これにより、ポンプドライバ203によって冷却用ポンプ200が給水駆動され、冷却用ポンプ200によって冷却水槽300の冷却水が、切り替え弁400を通してプラズマトーチ100の給水管19に供給され、そして排水管25から、逆止弁700を通して冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100が冷却される(図9の(a))。
【0083】
プラズマ電源SW信号が、H(動作中)からL(停止中)に切換ると、冷却用ポンプ200の駆動が停止する。同時に、立下りTd1遅延タイマ504がその出力をLからHに立ち上げ、このHに応答して、バルブドライバ505が切換え弁400を大気通流ポート/給水管19間接続に切換え、バルブドライバ507が開閉弁702を開きしかもバルブドライバ506が切換え弁703を、流体圧シリンダ704内のピストンで区分される左室に高圧エアーを供給し右室をドレイン(大気通流ポート)に接続するモードに換える。プラズマトーチ100内の水が、排水管25から吸引シリンダ705に吸引され、プラズマトーチ100内には、給水管19を通して大気が入る。すなわちプラズマトーチ100内の冷却水が、吸引シリンダ705に吸引排出される(図9の(b))。立下りTd1遅延タイマ504がTd1の計時を完了するとその出力がHからLに戻る。すると、切換え弁400は、ポンプ200/給水管19間接続に戻り、開閉弁702は閉に戻る。切換え弁703は、流体圧シリンダ704内のピストンで区分される左室をドレイン(大気通流ポート)に、右室を高圧エラーラインに切換えるが、開閉弁702が閉にもどるので流体圧シリンダ704は動作せず、吸引シリンダ705には、吸引した冷却水が滞留する。
【0084】
次にプラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、ポンプ200が駆動されてプラズマトーチ100に冷却水が供給されるが、プラズマ電源SW信号のLからHへの立上がりに応答して立上がりTd2遅延タイマ508がその出力をLからHに立ち上げ、このHがオアゲート502を介してバルブドライバ507に印加され、開閉弁702を開く。これにより、流体圧シリンダ704内の右室に高圧エラーが供給されて、流体圧シリンダ704が突き出し動作をする。この突き出し動作によって吸引シリンダ705は、その中に滞留している冷却水をプラズマトーチ100の給水管19に排出する。その後立上りTd2遅延タイマ508がTd2の計時を完了すると、その出力がHからLに戻って、これにより開閉弁702が閉となり、図7の(a)に示す「冷却設定」となる。
【0085】
−第6実施例−
図11に、第6実施例の冷却装置の機構の概要を示す。第6実施例では、冷却水ポンプ200に、ロータの正転により液体を吸入ポートから吸入して吐出ポートから吐出し、ロータの逆転により流体を前記吐出ポートから吸入して吸入ポートから吐出する可逆ポンプの一種であるギアポンプを用い、その正転駆動によりプラズマトーチ100に冷却水を供給し、その逆転駆動によりプラズマトーチ100より冷却水を抜き取る。
【0086】
図11の(a)に示す「冷却設定」では、可逆ポンプである冷却水ポンプ200は正転駆動され、図11の(b)に示す「強制排水設定」では、冷却水ポンプ200は逆転駆動される。
【0087】
図12の(a)に、ポンプ200を正,逆転駆動/停止する制御回路500の構成を示し、図12の(b)には、制御回路500の制御信号の発生タイミングを示す。プラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、これがポンプドライバ203に正転駆動指示(H)として与えられる。これにより、ポンプドライバ203がポンプ200を正転駆動する。冷却用ポンプ200によって冷却水槽300の冷却水がプラズマトーチ100の給水管19に供給され、そして排水管25から冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100が冷却される(図11の(a))。
【0088】
プラズマ電源SW信号が、H(動作中)からL(停止中)に切換ると、立下りTd1遅延タイマ504がその出力をLからHに立ち上げ、このHが逆転指示信号としてポンプドライバ203に与えられる。これにより、ポンプドライバ203がポンプ200を逆転駆動する。冷却用ポンプ200によってプラズマトーチ100内の冷却水が冷却水槽300に吸引排出され、排水管25から空気がプラズマトーチ100内に吸入される(図11の(b))。立下りTd1遅延タイマ504がTdの計時を完了するとその出力がHからLに戻る。これにより、逆転駆動指示信号も消えるので、ポンプドライバ203はポンプ200の駆動を停止する。
【符号の説明】
【0089】
1:基体 2:陰極台
3:絶縁ブッシュ 4:陽極台
41:給水溝 42:排水溝
5:ノズル台 5t:先端
51:外筒 52,53:フランジ
54:内筒 55:フランジ
56:厚肉部 56t:先端
57:薄肉部 57t:先端
58:ノズル部材受け入れ空間
59:ストーン受け入れ空間
6:ノズル台キャップ 61〜63:雄ねじ
7:ノズル部材 8:ノズルキャップ
9:シールドキャップ 10:導電チャック
11:タングステン電極
12:締付けチャック 13:アーム
14:プラズマガス管 15:センタリングストーン
16:ノズル 17:シールドガス管
18:通気孔 19:給水管
20:給水口 21:給水路
22:通水空間 23:排水路
24:排水口 25:排水管
100:プラズマトーチ
200:冷却用ポンプ 300:冷却水槽
400:電磁弁 SOL1,SOL2:ソレノイド
401:シリンダ 402:スプール
403,404:ストッパ
Va1〜Vab:弁
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工トーチの、トーチ本体内に冷却液を供給し、加工トーチの外部に排出する冷却装置に関し、特に、これに限定する意図ではないが、トーチ本体に対して先端部材が比較的に頻繁に着脱される加工トーチの、冷却装置に関する。該加工トーチの一例は、溶接,溶削,高温加熱などの加工に用いられるプラズマトーチである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加工トーチであるプラズマトーチの一形態が記載されている。図13に示すように、このようなプラズマトーチ100には、ポンプ200から冷却水槽300の冷却水が供給され、プラズマトーチ100の内部を通った冷却水が冷却水槽300に戻る。冷却水槽300内の水は、図示を省略した水冷装置によって冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−188811号公報
【特許文献2】特開昭 55− 48474号公報
【特許文献3】特開平 1− 22718号公報。
【0004】
図14に、プラズマトーチ100の先端部の構造を示す。プラズマトーチ基体1の円筒状内空間には、陰極台2,絶縁ブッシュ3および陽極台4が挿入され、これらが基体1に一体に固着されている。陽極台4の内部には、ノズル台5が挿入され、陽極台4にノズル台キャップ6の雄ねじ61をねじ込むことによって、ノズル台5が陽極台4に固定されている。ノズル台5の下端(先端)には先端部材であるノズル部材7が装着され、ノズル台キャップ6の雄ねじ63を受け入れた雌ねじ付きの袋ナット状のノズルキャップ8によって、ノズル台キャップ6に固定されている。ノズル台キャップ6の大径雄ねじ62には、雌ねじ付きの袋ナット状のシールドキャップ9がねじ結合しており、シールドキャップ9をねじ込み方向に廻すことによって、シールドキャップ9の端面が基体1の端面に締め付けられている。
【0005】
陰極台2には導電チャック10が挿入されており、このチャック10を、タングステン電極11が貫通している。陰極台2の雄ねじを受け入れる雌ねじ穴を持つ締付けチャック12を、ねじ締め付け方向に廻すことにより、導電チャック10が圧搾されて陰極台2およびタングステン電極11に圧接する。これにより、タングステン電極11が陰極台2に固定され、しかも電気的にも接続している。
【0006】
基体1のアーム13にあるプラズマガス管14から、絶縁ブッシュ3と陽極台4の間の空間を通って、ノズル台5の中心穴空間にプラズマガスが供給され(2点鎖線矢印)、センタリングストーン15の通流孔を通ってノズル部材7の中心穴空間に至り、タングステン電極11の先端のアークで電離されてプラズマとなって、ノズル16から噴出する。
【0007】
アーム13にあるシールドガス管17から、陽極台4のリング状の溝空間に送給されたシールドガスは、更に、ノズル台キャップ6の通気孔18を通って、シールドキャップ9の内空間に至り、キャップ9からトーチ前方に噴出する(点線矢印)。
【0008】
導電性の給水管19はアーム13を通して陽極台4に繋がっており、すなわち電気的に接続されており、陽極パイプ19に供給される冷却水(実線矢印)は、陽極台4のリング状の給水溝41を通り、更にノズル台5の給水口20を通って、ノズル台5の給水路21を通ってノズル部材7のリング状の通水空間22に入る。そして通水空間22を周方向に流れてノズル台5の排水路23に至り、排水路23を通り、そしてノズル台5の排水口24から出て陽極台4の排水溝42に入り、排水溝42から絶縁体の排水管25に入る。
【0009】
先端部材であるノズル部材7は、先端チップあるいはノズルチップと呼ばれることもある。溶接中にスパッタがノズル部材7に付着するとか、プラズマ,アークあるいは高熱によりノズル部材7の一部が溶損するなどがあるので、例えば半日あるいは数時間の溶接作業を終えると、ノズル部材7をノズル台5から取り外して、点検,掃除,整形あるいは取替え、などのメンテナンスが行われる。
【0010】
図15には、ノズル台5から取り外したノズル部材7,ノズルキャップ8およびシールドキャップ9を示す。プラズマトーチ100からノズル部材7を取り外すときには、まずシールドキャップ9をねじ結合を緩める方向に回して、ノズル台キャップ6から取り外す。つぎにノズルキャップ8をねじ結合を緩める方向に廻して、ノズル台5から取り外す。そしてノズル部材7を、ノズル台5から引き抜く。プラズマトーチ100にノズル部材7を装着するときには、まずノズル部材7をノズル台5に圧入し、ノズルキャップ8をノズル台5にねじ結合して締め付ける方向に廻してノズル部材7を締め込み、そしてシールドキャップ9をノズル台キャップ6にねじ結合して締め込む方向に廻わす。
【0011】
ノズル部材7の、冷却液通流空間である通水空間22とポンプ200の吐出ポート202の間の給水路、ならびに、通水空間22から排水管25を経て冷却水槽300に至る排水路、には冷却水が滞留しているので、ノズル部材7をノズル台5から取り外すと、滞留している冷却水がトーチ外部に流出する。このとき、トーチ100が下向きの垂直姿勢でないと、冷却水が、センタリングストーンを濡らし、場合によっては、ノズル台5の中心部のガス通流空間に進入して、該空間の壁面およびタングステン電極11を濡らす。これら、トーチ内部を濡らした水を十分に除去しないでノズル部材7を再装着して溶接作業を開始しようとすると、濡れた水によってノズル台5の内部において、ノズル台5とタングステン電極11との間が絶縁支持体であるセンタリングストーン15の付着水を通じて短絡又は放電して、溶接作業ができず、センタリングストーン15又はノズル台5が損傷する。
【0012】
このような水濡れによる不具合を防止するために、特許文献2は、プラズマ用ガス供給口に、プラズマ用ガスに換えて圧縮空気を供給する弁を備えて、圧縮空気をトーチ内部に供給して滞留水を排除することを提示している。特許文献3は、トーチの給水管にアルゴンガス(センターガス)を切換え供給する弁を備えて、冷却水ポンプを停止すると滞留水をアルゴンガスで排除することを提示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、エアーやアルゴンガスなど、気体によって水などの液体を排除(パージ)するには、高圧送気が必要であり、高圧送気設備が必要となる。アルゴンガスを用いる場合は不経済ともなる。また、気体による液体の排除の場合、気流はもっとも流れやすい場所を流れるので、この流路から外れる隅や管内面に付着している水は残留しやすく、これらの残留水がなくなるまでに長時間がかかる。
【0014】
本発明は、効率よく冷却水を除去することを第1の目的とし、これを自動的に行うことを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)加工トーチ(100)の内部に、冷却液槽(300)の冷却液を循環供給するポンプ(200)を備える冷却装置において、
前記加工トーチ(100)の内部の冷却液を吸引排出する吸引手段;および、
前記加工トーチ(100)が加工を停止している間に前記吸引手段を駆動するための強制排液制御手段(500);
を備えることを特徴とする冷却装置(図1,図2/図3,図4/図5,図6/図7,図8/図11,図12)。
【0016】
なお、理解を容易にするために括弧内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は相当要素の記号を、例示として参考までに付記した。以下も同様である。
【発明の効果】
【0017】
冷却液の吸引による排出は、気体による押し出し排出よりも排出効果が高い。本発明では吸引手段によって加工トーチ(100)内の冷却液を吸引排出するので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施例を示すブロック図であり、(a)は「冷却設定」状態で溶接中の場合を示し、(b)は「強制排液設定」で、溶接は停止しプラズマトーチ100から水抜きをしている場合を示す。
【図2】(a)は、図1に示す電磁弁400およびポンプ200を駆動する電気回路の構成を示すブロック図、(b)は、(a)に示すソレノイドSOL1,SOL2の通電タイミング等を示すタイムチャートである。
【図3】本発明の第2実施例を示すブロック図であり、(a)は「冷却設定」状態で溶接中の場合を示し、(b)は「強制排液設定」で、溶接は停止しプラズマトーチ100から水抜きをしている場合を示す。
【図4】(a)は、図3に示す電磁弁400およびポンプ200,600を駆動する電気回路の構成を示すブロック図、(b)は、(a)に示すソレノイドSOL1,SOL2の通電タイミング等を示すタイムチャートである。
【図5】本発明の第3実施例を示すブロック図であり、(a)は「冷却設定」状態で溶接中の場合を示し、(b)は「強制排液設定」で、溶接は停止しプラズマトーチ100から水抜きをしている場合を示す。
【図6】(a)は、図5に示す切換え弁400およびポンプ200,600を駆動する電気回路の構成を示すブロック図、(b)は、(a)に示す切換え弁400およびポンプ200,600の通電タイミング等を示すタイムチャートである。
【図7】本発明の第4実施例を示すブロック図であり、(a)は「冷却設定」状態で溶接中の場合を示し、(b)は「強制排液設定」で、溶接は停止しプラズマトーチ100から水抜きをしている場合を示す。
【図8】(a)は、図7に示す開閉弁701,702,切換え弁703およびポンプ200を駆動する電気回路の構成を示すブロック図、(b)は、(a)に示す開閉弁701,702,切換え弁703およびポンプ200の通電タイミング等を示すタイムチャートである。
【図9】本発明の第5実施例を示すブロック図であり、(a)は「冷却設定」状態で溶接中の場合を示し、(b)は「強制排液設定」で、溶接は停止しプラズマトーチ100から水抜きをしている場合を示す。
【図10】(a)は、図9に示す切換え弁400,開閉弁702,切換え弁703およびポンプ200を駆動する電気回路の構成を示すブロック図、(b)は、(a)に示す切換え弁400,開閉弁702,切換え弁703およびポンプ200の通電タイミング等を示すタイムチャートである。
【図11】本発明の第6実施例を示すブロック図であり、(a)は「冷却設定」状態で溶接中の場合を示し、(b)は「強制排液設定」で、溶接は停止しプラズマトーチ100から水抜きをしている場合を示す。
【図12】(a)は、図11に示すポンプ200を駆動する電気回路の構成を示すブロック図、(b)は、(a)に示すポンプ200の通電タイミング等を示すタイムチャートである。
【図13】従来の冷却装置の構成の概要を示すブロック図である。
【図14】冷却液通流空間がある端部材を装備する加工トーチの、代表的な一例であるプラズマトーチ100の主要部の銃断面図である。
【図15】図14に示される、冷却液通流空間がある端部材であるノズル部材7と、ノズルキャップ8およびシールドキャップ9を、分解して示す拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(2)前記吸引手段は、前記ポンプ(200)の吐出ポート(202)を、前記加工トーチ(100)への給液管(19)と前記冷却液槽(300)への戻し管路に選択的に接続する第1弁(Va1);前記ポンプ(200)の吸入ポート(201)を、前記冷却液槽(300)からの給液管路と前記加工トーチ(100)への給液管(19)に選択的に接続する第2弁(Va2);および、前記加工トーチ(100)からの排液管(25)を、前記冷却液槽(300)への戻し管路と大気通流ポート(i)に選択的に接続する第3弁(Va3);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、第1弁(Va1)は前記ポンプ(200)の吐出ポート(202)と前記加工トーチ(100)への給液管(19)を接続し、第2弁(Va2)は前記ポンプ(200)の吸入ポート(201)と前記冷却液槽(300)からの給液管路とを接続し、第3弁(Va3)は前記加工トーチ(100)からの排液管(25)と前記冷却液槽(300)への戻し管路とを接続する、「冷却設定」(図1の(a))と、第1弁(Va1)は前記ポンプ(200)の吐出ポート(202)と前記冷却液槽(300)への戻し管路を接続し、第2弁(Va2)は前記ポンプ(200)の吸入ポート(201)と前記加工トーチ(100)への給液管(19)とを接続し、第3弁(Va3)は前記加工トーチ(100)からの排液管(25)と大気通流ポート(i)とを接続する、「強制排液設定」(図1の(b))と、を選択設定する;
上記(1)に記載の冷却装置(図1,図2)。
【0020】
前記「冷却設定」(図1の(a))では、ポンプ(200)が、第2弁(Va2)を通して冷却液槽(300)の冷却液を汲み上げて、第1弁(Va1)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)に送り込み、加工トーチ(100)の排液管(25)からの排液を第3弁(Va3)を通して冷却液槽(300)に戻すことができる。すなわち、冷却液で加工トーチ(100)を冷却することができる。
【0021】
前記「強制排液設定」(図1の(b))では、ポンプ(200)が、第2弁(Va2)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)から冷却液を吸入して、第1弁(Va1)を通して冷却液槽(300)に戻すことができる。このとき加工トーチ(100)の排液管(25)に第3弁(Va3)を通して大気が吸入される。すなわち、加工トーチ(100)内部の冷却液を加工トーチ(100)から抜き取って冷却液槽(300)に戻し、加工トーチ(100)内の冷却液通流空間を大気にすることができる。この強制排液設定では、冷却液ポンプ(200)によって加工トーチ(100)内の冷却液を強制排出するので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【0022】
(3)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)による加工中前記「冷却設定」を継続しかつ前記ポンプ(200)を冷却液送給駆動し、加工終了後に前記「強制排液設定」に切換え、該切換えから設定時間経過後に、前記ポンプ(200)の冷却液送給駆動を停止する;上記(2)に記載の冷却装置。
【0023】
(4)第1弁(Va1),第2弁(Va2)および第3弁(Va3)は、電気コイル(SOL1,SOL2)の通電制御により、前記「冷却設定」での接続から「強制排液設定」の接続に又はその逆に切換る電磁弁である;上記(2)又は(3)に記載の冷却装置。
【0024】
(5)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)に給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間(Td)の計時を行うタイマ(504),前記電源スイッチのオンの間および該タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間、前記ポンプ(200)を冷却液送給駆動するポンプドライバ(502,203)、および、第1弁(Va1),第2弁(Va2)および第3弁(Va3)を、前記電源スイッチのオンの間は前記「冷却設定」での接続とし、前記タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間は前記「強制排液設定」での接続とするように、前記電気コイル(SOL1,SOL2)への通電を制御するソレノイドドライバ(501,505)、を備える;上記(4)に記載の冷却装置。
【0025】
(6)前記吸引手段は、前記加工トーチ(100)の冷却液を排出するための吸引排出用ポンプ(600);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)への給液管(19)と前記冷却用ポンプの吐水ポートとを接続し、前記加工トーチ(100)からの排液管(25)と前記冷却液槽(300)への戻し管路とを接続する、「冷却設定」(図3,5の(a))と、前記加工トーチ(100)に前記吸引排出用ポンプ(600)を接続し加工トーチ(100)の冷却液を吸引し前記冷却液槽(300)に戻す、「強制排液設定」(図3,5の(b))と、を選択設定する;
上記(1)に記載の冷却装置(図3,4/図5,6)。
【0026】
(7)前記吸引手段はさらに、前記加工トーチ(100)への給液管(19)を、前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)と前記吸引排出用ポンプ(600)の吸入ポート(601)に選択的に接続する第1弁(Va1);および、前記加工トーチ(100)からの排液管(25)を、前記冷却液槽(300)への戻し管路と大気通流ポート(f)に選択的に接続する第2弁(Va2);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、前記「冷却設定」(図3の(a))では、第1弁(Va1)は前記加工トーチ(100)への給液管(19)と前記冷却用ポンプの吐水ポートとを接続し、第2弁(Va3)は前記加工トーチ(100)からの排液管(25)と前記冷却液槽(300)への戻し管路とを接続し(図3の(a))、前記「強制排液設定」(図3の(b))では、第1弁(Va1)は前記加工トーチ(100)への給液管(19)と前記吸引排出用ポンプ(600)の吸入ポート(601)とを接続し、第2弁(Va3)は前記加工トーチ(100)からの排液管(25)と大気通流ポート(f)とを接続する;上記(6)に記載の冷却装置(図3,図4)。
【0027】
前記「冷却設定」(図3の(a))では、冷却用ポンプ(200)が、冷却液槽(300)の冷却液を汲み上げて、第1弁(Va1)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)に送り込み、加工トーチ(100)の排液管(25)からの排液を第2弁(Va2)を通して冷却液槽(300)に戻すことができる。すなわち、冷却液で加工トーチ(100)を冷却することができる。
【0028】
前記「強制排液設定」(図3の(b))では、吸引排出用ポンプ(600)が、第1弁(Va1)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)から冷却液を吸入して、冷却液槽(300)に戻すことができる。このとき加工トーチ(100)の排液管(25)に第2弁(Va2)を通して大気が吸入される。すなわち、加工トーチ(100)内部の冷却液を加工トーチ(100)から抜き取って冷却液槽(300)に戻し、加工トーチ(100)内の冷却液通流空間を大気にすることができる。この強制排液設定では、吸引排出用ポンプ(600)によって加工トーチ(100)内の冷却液を強制排出するので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【0029】
(8)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)による加工中前記「冷却設定」を継続しかつ前記冷却用ポンプ(200)を冷却液送給駆動し、加工終了後に前記冷却用ポンプ(200)の駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換えるとともに前記吸引排出用ポンプ(600)を駆動し設定時間の駆動後に前記吸引排出用ポンプ(600)の駆動を停止する;上記(7)に記載の冷却装置。
【0030】
(9)第1弁(Va1)および第2弁(Va2)は、電気コイル(SOL1,SOL2)の通電制御により、前記「冷却設定」での接続から「強制排液設定」の接続に又はその逆に切換る電磁弁である;上記(7)又は(8)に記載の冷却装置。
【0031】
(10)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)に給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間(Td)の計時を行うタイマ(504),前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプ(200)を冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ(203),前記タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間、前記吸引排出用ポンプ(600)を駆動する吸引排出用ポンプドライバ(603)、および、第1弁(Va1)および第2弁(Va2)を、前記電源スイッチのオンの間は前記「冷却設定」での接続とし、前記タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間は前記「強制排液設定」での接続とするように、前記電気コイル(SOL1,SOL2)への通電を制御するソレノイドドライバ(501,505)、を備える;上記(9)に記載の冷却装置。
【0032】
(11)前記吸引手段はさらに、前記加工トーチ(100)への給液管(19)を、前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)と大気通流ポートに選択的に接続する切換え弁(400);および、前記加工トーチ(100)の排液管(25)から前記冷却液槽(300)への戻し管路への冷却液の通流を許し逆方向の通流は遮断する逆止弁(700);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、前記「冷却設定」(図5の(a))では、前記切換え弁(400)は前記加工トーチ(100)への給液管(19)と前記冷却用ポンプの吐水ポートとを接続し、前記「強制排液設定」(図5の(b))では、前記切換え弁(400)は前記加工トーチ(100)への給液管(19)を大気通流ポートとを接続する;上記(6)に記載の冷却装置(図5,図6)。
【0033】
前記「冷却設定」(図5の(a))では、冷却用ポンプ(200)が、冷却液槽(300)の冷却液を汲み上げて、切換え弁(400)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)に送り込む。加工トーチ(100)の排液管(25)からの排液は、逆止弁(700)を通して冷却液槽(300)に戻る。これにより、冷却液で加工トーチ(100)が冷却される。
【0034】
前記「強制排液設定」(図5の(b))では、吸引排出用ポンプ(600)が、加工トーチ(100)の排液管(25)から冷却液を吸入して、冷却液槽(300)に戻す。このとき加工トーチ(100)の給液管(17)に切換え弁(400)を通して大気が吸入される。すなわち、加工トーチ(100)内部の冷却液が加工トーチ(100)から抜き取られて冷却液槽(300)に戻り、加工トーチ(100)内の冷却液通流空間が大気になる。この強制排液設定では、吸引排出用ポンプ(600)によって加工トーチ(100)内の冷却液を強制排出するので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【0035】
(12)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)による加工中前記「冷却設定」を継続しかつ前記冷却用ポンプ(200)を冷却液送給駆動し、加工終了後に前記冷却用ポンプ(200)の駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換えるとともに前記吸引排出用ポンプ(600)を駆動し設定時間の駆動後に前記吸引排出用ポンプ(600)の駆動を停止する;上記(11)に記載の冷却装置。
【0036】
(13)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)に給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間(Td)の計時を行うタイマ(504),前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプ(200)を冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ(203),前記タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間、前記吸引排出用ポンプ(600)を駆動する吸引排出用ポンプドライバ(603)、および、前記切換え弁(400)を、前記電源スイッチのオンの間は前記「冷却設定」での接続とし、前記タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間は前記「強制排液設定」での接続とするように、前記切換え弁(400)を制御するバルブドライバ(505)、を備える;上記(12)に記載の冷却装置。
【0037】
(14)前記吸引手段は、前記加工トーチ(100)の給液管(17)から前記加工トーチ(100)の冷却液を吸引排出するための吸引シリンダ(705);該吸引シリンダ(705)を給排駆動する流体圧シリンダ(704);および、該流体圧シリンダ(704)の作動流体の流れと方向を制御する弁装置(702,703);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)を前記加工トーチ(100)の給液管(17)に対して通流とする、「冷却設定」(図7,9の(a))と、前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)を引込み駆動し前記吸引シリンダ(705)により前記加工トーチ(100)から冷却液を吸引する、「強制排液設定」(図7,9の(b))と、を選択設定する;上記(1)に記載の冷却装置(図7,8/図9,10)。
【0038】
(15)前記吸引手段はさらに、前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)を前記加工トーチ(100)の給液管(17)に対して通,断する開閉弁(701);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、前記「冷却設定」(図7の(a))では、前記開閉弁(701)が前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)を前記加工トーチ(100)の給液管(17)に対して通流とし、前記「強制排液設定」(図7の(b))では、前記開閉弁(701)が前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)と前記加工トーチ(100)の給液管(17)との間を遮断し前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)を引込み駆動し前記吸引シリンダ(705)により前記加工トーチ(100)の給液管(17)から前記加工トーチ(100)の冷却液を吸引する;上記(14)に記載の冷却装置(図7,図8)。
【0039】
前記「冷却設定」(図7の(a))では、冷却用ポンプ(200)が、冷却液槽(300)の冷却液を汲み上げて、前記開閉弁(701)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)に送り込む。加工トーチ(100)の内部を通流した冷却水は排液管(25)から冷却液槽(300)に戻る。これにより、冷却液で加工トーチ(100)が冷却される。
【0040】
前記「強制排液設定」(図7の(b))では、開閉弁(701)が給液管(19)をポンプ(200)から遮断し、吸引シリンダ(705)が加工トーチ(100)の冷却水を吸引する。このとき加工トーチ(100)の内部に排液管(25)を通して大気が吸入される。すなわち、加工トーチ(100)内部の冷却液が加工トーチ(100)から抜き取られて吸引シリンダ(705)内に滞留し、加工トーチ(100)内の冷却液通流空間が大気になる。この強制排液設定でも、加工トーチ(100)内の冷却液が吸引排出されるので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【0041】
(16)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)による加工の開始時に前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)を突き出し駆動し前記吸引シリンダ(705)の冷却液を前記加工トーチ(100)の給液管(17)に排出し、加工中は前記「冷却設定」を継続し、加工終了後に前記冷却用ポンプ(200)の駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換え、それから設定時間(Td1)後に前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)の作動を止める;上記(15)に記載の冷却装置。
【0042】
(17)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)に給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間(Td1)の計時を行う立下り遅延タイマ(504),前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプ(200)を冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ(203),前記立下り遅延タイマ(504)が設定時間(Td1)を計時している間、前記開閉弁(701)を弁閉とするバルブドライバ(505),電源スイッチのオフからオンへの切換りから設定時間(Td2)の計時を行う立上り遅延タイマ(508)、および、前記立下り遅延タイマ(504)が設定時間(Td1)を計時している間前記弁装置(702,703)を前記吸引シリンダ(705)内に冷却液を吸入する設定に定め、前記立上り遅延タイマ(508)が設定時間(Td2)を計時している間前記弁装置(702,703)を前記吸引シリンダ(705)内の冷却液を排出する設定に定めるバルブドライバ(506,507)、を備える;上記(16)に記載の冷却装置。
【0043】
(18)前記吸引手段はさらに、前記加工トーチ(100)の給液管(19)を前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)と待機連通ポートに選択的に接続する切換え弁(400);および、前記加工トーチ(100)の排液管(25)から前記冷却液槽(300)への戻し管路への冷却液の通流を許し逆方向の通流は遮断する逆止弁(700);を含み、
前記強制排液制御手段(500)は、前記「冷却設定」(図9の(a))では、前記切換え弁(400)が前記冷却用ポンプ(200)の吐出ポート(202)を前記加工トーチ(100)の給液管(17)に対して通流とし、前記「強制排液設定」(図9の(b))では、前記切換え弁(400)が前記加工トーチ(100)の給液管(17)を待機連通ポートに接続し前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)を引込み駆動し前記吸引シリンダ(705)により前記加工トーチ(100)の給液管(17)から前記加工トーチ(100)の冷却液を吸引する;上記(14)に記載の冷却装置(図9,図10)。
【0044】
前記「冷却設定」(図9の(a))では、冷却用ポンプ(200)が、冷却液槽(300)の冷却液を汲み上げて、前記切換え弁(400)を通して加工トーチ(100)の給液管(19)に送り込む。加工トーチ(100)の内部を通流した冷却水は排液管(25)から出て逆止弁(700)を通って冷却液槽(300)に戻る。これにより、冷却液で加工トーチ(100)が冷却される。
【0045】
前記「強制排液設定」(図9の(b))では、切換え弁(400)によって給液管(19)は大気連通ポートに繋がる。吸引シリンダ(705)が加工トーチ(100)の冷却水を吸引する。このとき加工トーチ(100)の内部に給液管(17)を通して大気が吸入される。すなわち、加工トーチ(100)内部の冷却液が加工トーチ(100)から抜き取られて吸引シリンダ(705)内に滞留し、加工トーチ(100)内の冷却液通流空間が大気になる。この強制排液設定でも、加工トーチ(100)内の冷却液が吸引排出されるので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【0046】
(19)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)による加工の開始時に前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)を突き出し駆動し前記吸引シリンダ(705)の冷却液を前記加工トーチ(100)の給液管(17)に排出し、加工中は前記「冷却設定」を継続し、加工終了後に前記冷却用ポンプ(200)の駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換え、それから設定時間(Td1)後に前記弁装置(702,703)によって前記流体圧シリンダ(704)の作動を止める;上記(18)に記載の冷却装置。
【0047】
(20)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)に給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間(Td1)の計時を行う立下り遅延タイマ(504),前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプ(200)を冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ(203),前記立下り遅延タイマ(504)が設定時間(Td1)を計時している間、前記切換え弁(400)を前記給液管(19)/大気通流ポート間の接続とするバルブドライバ(505),電源スイッチのオフからオンへの切換りから設定時間(Td2)の計時を行う立上り遅延タイマ(508)、および、前記立下り遅延タイマ(504)が設定時間(Td1)を計時している間前記弁装置(702,703)を前記吸引シリンダ(705)内に冷却液を吸入する設定に定め、前記立上り遅延タイマ(508)が設定時間(Td2)を計時している間前記弁装置(702,703)を前記吸引シリンダ(705)内の冷却液を排出する設定に定めるバルブドライバ(506,507)、を備える;上記(19)に記載の冷却装置。
【0048】
(21)前記冷却用ポンプ(200)は、ロータの正転により液体を吸入ポートから吸入して吐出ポートから吐出し、ロータの逆転により流体を前記吐出ポートから吸入して吸入ポートから吐出する可逆ポンプであり;
前記吸引手段は、前記吐出ポートを前記加工トーチ(100)の給液管(19)に接続し、前記吸入ポートを前記冷却液槽(300)からの給液管路に接続した前記可逆ポンプであり;
前記強制排液制御手段(500)は、前記可逆ポンプ(200)を正転駆動する「冷却設定」(図11の(a))と、前記可逆ポンプ(200)を逆転駆動する「強制排液設定」(図11の(b))と、を選択設定する;上記(1)に記載の冷却装置。
【0049】
前記「冷却設定」(図11の(a))では、可逆ポンプ(200)が、冷却液槽(300)の冷却液を汲み上げて、加工トーチ(100)の給液管(19)に送り込む。加工トーチ(100)の内部を通流した冷却水は排液管(25)から出て冷却液槽(300)に戻る。これにより、冷却液で加工トーチ(100)が冷却される。
【0050】
前記「強制排液設定」(図11の(b))では、可逆ポンプ(200)が、加工トーチ(100)の給液管(19)から加工トーチ内部の冷却液を吸引して冷却液槽(300)に吐出する。この強制排液設定でも、加工トーチ(100)内の冷却液が吸引排出されるので、排出効率が高く、短時間で冷却液を排除できる。
【0051】
(22)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)による加工中前記可逆ポンプを正転駆動し、加工終了後に前記可逆ポンプ(200)を正転駆動から逆転駆動に切換え、それから設定時間(Td)後に可逆ポンプ(200)の駆動を止める;上記(21)に記載の冷却装置。
【0052】
(23)前記強制排液制御手段(500)は、前記加工トーチ(100)に給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間(Td)の計時を行う立下り遅延タイマ(504)、および、前記電源スイッチのオンの間前記可逆ポンプ(200)を正転駆動し、前記立下り遅延タイマ(504)が設定時間(Td)を計時している間前記可逆ポンプ(200)を逆転駆動するポンプドライバ(203)、を備える;上記(22)に記載の冷却装置。
【0053】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【実施例】
【0054】
−第1実施例−
図1に、第1実施例の冷却装置(プラズマトーチ100を除く部分)の機構の概要を示す。プラズマトーチ100は、本実施例では、図14に示すものであり、図15に示すように、先端部材であるノズル部材7を、ノズル台5から取り外すことができるものである。第1実施例の冷却装置は、図13に示す従来の冷却装置に、電磁弁400を加えて、数種の配管を加えたものである。電磁弁400の非磁性体シリンダ41内には、磁性体スプール402があり、シリンダ41の両端には、磁性体のストッパ402,403がある。磁性体スプール402には、多数のリング状のランドおよびリング状の溝と入出力ポートa〜iとの組合せにより、3個の切換え弁Va1〜Va3が構成されている。非磁性体シリンダ41の両端の外部にはソレノイド(電気コイル)SOL1,SOL2があり、SOL1に通電しSOL2は非通電とすると、電磁弁400は、図1の(a)に示す「冷却設定」の状態となり、逆に、SOL2に通電しSOL1は非通電とすると、電磁弁400は、図1の(b)に示す「強制排水設定」の状態となる。
【0055】
「冷却設定」の状態(図1の(a))では、第1弁Va1はポンプ200の吐出ポート202と、加工トーチであるプラズマトーチ100への給水管19を接続し、第2弁Va2はポンプ200の吸入ポート201と冷却水槽300からの給水管路とを接続し、第3弁Va3はプラズマトーチ100からの排水管25と冷却水槽300への戻し管路とを接続する。この「冷却設定」の状態でポンプ200が給水駆動されると、冷却水槽300の冷却水が第2弁Va2を通してポンプ200に吸入され、そしてポンプ200からプラズマトーチ100の給水管19に送り込まれて、ノズル部材7の通水空間22(図14)に至り、そして通水空間22を通ってから、プラズマトーチ100の排水管25に至り、そこから第3弁Va3を通って冷却水槽300に入る(戻る)。
【0056】
「強制排水設定」の状態(図1の(b))では、第1弁Va1はポンプ200の吐出ポート202と冷却水槽300への戻し管路を接続し、第2弁Va2はポンプ200の吸入ポート201とプラズマトーチ100への給水管19とを接続し、第3弁Va3はプラズマトーチ100からの排水管25と大気通流ポートiとを接続する。この「強制排水設定」の状態でポンプ200が同じく給水駆動されると、プラズマトーチ100の内部の水が給水管19から、第2弁Va2を通してポンプ200に吸引され、第1弁Va1を通して冷却水槽300に排出される。プラズマトーチ100の内部の水がこのように排出されるのに伴って、第3弁Va3を通して大気がプラズマトーチ100の排水管に吸引され、プラズマトーチ100内に大気すなわち空気が入る。10秒未満でプラズマトーチ100内の水はなくなる。
【0057】
図2の(a)に、ポンプ200を給水駆動し、電磁弁400の第1〜3弁Va1〜Va3を「強制排水設定」から「冷却設定」に、またその逆に切換える制御回路500の構成を示し、図2の(b)には、制御回路500の電磁弁400の切換えタイミングを示す。
【0058】
プラズマトーチ100の動作中は高レベルH、停止中は低レベルLのプラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、これがオアゲート502を通してポンプドライバ203にポンプ駆動指示(H)として与えられ、ソレノイドドライバ501には通電指示(H)として与えられる。これにより、ポンプドライバ203によってポンプ200が給水駆動されるとともに、ソレノイドドライバ501によってソレノイドSOL1が通電される。ソレノイドドライバ501は、通電を開始したとき、スプール402に対する吸引駆動力を大きくしてスプール402の移動を確実にするために、所定短時間dtは大電流を通電し、dtが経過するとスプール402を磁力保持してスプール402の移動を阻止する低電流に切換える。これにより、電力消費とソレノイドの過熱が抑制される。このような、ソレノイドSOL1に対する通電により、電磁弁400は、図1の(a)に示す「冷却設定」状態になり、ポンプ200によって冷却水槽300の冷却水が、プラズマトーチ100の給水管19に供給されて排水管25から冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100が冷却される。
【0059】
プラズマ電源SW信号が、H(動作中)からL(停止中)に切換ると、ソレノイドSOL1の通電が停止し、同時に、立下りTd遅延タイマ504がその出力をLからHに立ち上げ、このHに応答してソレノイドドライバ505がソレノイドSOL2に通電する。これにより、電磁弁400は、図1の(b)に示す「強制排水設定」となる。遅延タイマ504の出力Hがオアゲート502を通してポンプドライバ203に与えられるので、ポンプドライバ203によるポンプ200の給水駆動が継続する。この「強制排水設定」では、ポンプ200によってプラズマトーチ100内の冷却水が、プラズマトーチ100の給水管19から吸引排水されて冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100内には、排水管25を通して大気が入る。すなわちプラズマトーチ100内ならびに該トーチに接続した水管の冷却水が、冷却水槽に強制排出される。なお、本実施例では、立下りTd遅延タイマ504の遅延時間は10秒程度であり、従来のガスパージによってトーチ内残留水を排除するに要する時間よりも大幅に短い。
【0060】
−第2実施例−
図3に、第2実施例の冷却装置の機構の概要を示す。第2実施例では、第1実施例にプラズマトーチ100の冷却水を強制排出するための吸引排出用ポンプ600が付加され、電磁弁400は、2つの弁Va1,Va2を持つものである。第1弁Va1は、プラズマトーチ100の給液管19を、冷却用ポンプ200の吐出ポート202と吸引排出用ポンプ600の吸入ポート601に選択的に接続する。第2弁Va2は、プラズマトーチ100の排液管25を、冷却液槽300への戻し管路と大気通流ポートfに選択的に接続する。第2実施例のその他の機構は、第1実施例と同様であり、SOL1に通電しSOL2は非通電とすると、電磁弁400は、図3の(a)に示す「冷却設定」の状態となり、逆に、SOL2に通電しSOL1は非通電とすると、電磁弁400は、図3の(b)に示す「強制排水設定」の状態となる。
【0061】
「冷却設定」の状態(図3の(a))では、第1弁Va1は、プラズマトーチ100の給水管19を冷却用ポンプ200の吐出ポート202に接続し、第2弁Va2は、プラズマトーチ100の排水管25を冷却水槽300への戻し管路に接続する。。この「冷却設定」の状態で冷却用ポンプ200が給水駆動されると、冷却水槽300の冷却水がポンプ200に吸入され、そしてポンプ200から第1弁Va1を通してプラズマトーチ100の給水管19に送り込まれて、ノズル部材7の通水空間22(図14)に至り、そして通水空間22を通ってから、プラズマトーチ100の排水管25に至り、そこから第2弁Va2を通って冷却水槽300に入る。
【0062】
「強制排水設定」の状態(図3の(b))では、第1弁Va1は、プラズマトーチ100の給水管19を吸引排出用ポンプ600の吸入ポート601に接続し、第2弁Va2は、プラズマトーチ100の排水管25を大気ポートfに接続する。この「強制排水設定」の状態で吸引排出用ポンプ600が駆動されると、プラズマトーチ100の内部の水が給水管19から、第1弁Va1を通してポンプ600に吸引され、冷却水槽300に排出される。プラズマトーチ100の内部の水がこのように排出されるのに伴って、第2弁Va2を通して大気がプラズマトーチ100の排水管に吸引され、プラズマトーチ100内に大気すなわち空気が入る。
【0063】
図4の(a)に、ポンプ200,600を駆動し、電磁弁400の第1,第2弁Va1,Va2を「強制排水設定」から「冷却設定」に、またその逆に切換える制御回路500の構成を示し、図4の(b)には、制御回路500の電磁弁400の切換えタイミングを示す。
【0064】
プラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、これがポンプドライバ203にポンプ駆動指示(H)として与えられ、ソレノイドドライバ501には通電指示(H)として与えられる。これにより、ポンプドライバ203によって冷却用ポンプ200が給水駆動されるとともに、ソレノイドドライバ501によってソレノイドSOL1が通電される。この通電により、電磁弁400は、図3の(a)に示す「冷却設定」状態になり、冷却用ポンプ200によって冷却水槽300の冷却水が、プラズマトーチ100の給水管19に供給され、そして排水管25から冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100が冷却される。
【0065】
プラズマ電源SW信号が、H(動作中)からL(停止中)に切換ると、ソレノイドSOL1の通電が停止し、冷却用ポンプ200の駆動が停止する。同時に、立下りTd遅延タイマ504がその出力をLからHに立ち上げ、このHに応答してソレノイドドライバ505がソレノイドSOL2に通電する。これにより、電磁弁400は、図3の(b)に示す「強制排水設定」となる。遅延タイマ504の出力Hがポンプドライバ603に与えられるので、ポンプドライバ603によって吸引排出用ポンプ600が駆動され、プラズマトーチ100内の水が、給水管19および第1弁Va1を通して吸引排出用ポンプ600に吸引されて冷却水槽300に排出され、プラズマトーチ100内には、第2弁Va2および排水管25を通して大気が入る。すなわちプラズマトーチ100内ならびに該トーチに接続した水管の冷却水が、冷却水槽に強制排出される。
【0066】
以上に説明した第1および第2の実施例では、電磁弁400に複数の弁Va1,Va2,Va3を備えるが、それぞれの弁を個別の電磁弁にしても良い。また、その他の形態の電磁弁や、水路切換弁とそれに加える作動流体圧の印加方向を切換える電磁弁との組合せなど、各種切換弁を、電磁弁400に置き換えることもできる。
【0067】
−第3実施例−
図5に、第3実施例の冷却装置の機構の概要を示す。第3実施例では、第2実施例と同様に吸引排出用ポンプ600を用いるが、このポンプ600で、プラズマトーチ100内の冷却水を排水管25を通して吸引排出する。図5の(a)に示す「冷却設定」で排水管25から排出される冷却水をポンプ600を通さないで冷却水槽300へ戻し、図5の(b)に示す「強制排水設定」では、ポンプ600が冷却水槽300への戻り水路の空気を吸引しないように、ポンプ600をバイパスする逆止弁700を設けている。逆止弁700は、排水路25から冷却水槽300への方向の水流は通すが、その逆方向すなわち冷却水槽300への戻り水路から排水路25への水流および空気流は遮断する。
【0068】
冷却用ポンプ200の吐出ポート202とプラズマトーチ100の給水管19の間には、切換え弁400が介挿されている。この切換え弁400は、図5の(a)に示す「冷却設定」ではプラズマトーチ100の給水管19に冷却用ポンプ200の吐出ポート202を接続するが、図5の(b)に示す「強制排水設定」では給水管19に大気通流ポートを接続するものである。
【0069】
切換え弁400は、1個の電気コイル,流路切換えスプールおよび圧縮コイルスプリングを備え、該圧縮コイルスプリングで、該スプールを給水管19/冷却用ポンプ200間接続位置方向に常時駆動し、電気コイルSOL2に通電すると、それが発生する磁力が、圧縮コイルスプリングの反発力に抗してスプールを、給水管19/大気通流ポート間接続位置に駆動し該位置に保持する。
【0070】
図6の(a)に、ポンプ200,600を駆動し、切換え弁400を「冷却設定」から「強制排水設定」に、またその逆に切換える制御回路500の構成を示し、図6の(b)には、制御回路500の切換え弁400の切換えタイミングを示す。プラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、これがポンプドライバ203にポンプ駆動指示(H)として与えられる。これにより、ポンプドライバ203によって冷却用ポンプ200が給水駆動され、冷却用ポンプ200によって冷却水槽300の冷却水が、プラズマトーチ100の給水管19に供給され、そして排水管25から、逆止弁700を通して冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100が冷却される。
【0071】
プラズマ電源SW信号が、H(動作中)からL(停止中)に切換ると、冷却用ポンプ200の駆動が停止する。同時に、立下りTd遅延タイマ504がその出力をLからHに立ち上げ、このHに応答して、バルブドライバ505が切換え弁400を、ポンプ200/給水管19間接続から、大気通流ポート/給水管19間接続に切換えるとともに、ポンプドライバ603が吸引排出用ポンプ600を駆動し、プラズマトーチ100内の水が、排水管25から吸引排出用ポンプ600に吸引されて冷却水槽300に排出され、プラズマトーチ100内には、切換え弁400を通して大気が入る。すなわちプラズマトーチ100内ならびに該トーチに接続した水管の冷却水が、冷却水槽に強制排出される。
【0072】
−第4実施例−
図7に、第4実施例の冷却装置の機構の概要を示す。第4実施例では、第2,3実施例の吸引排出用ポンプ600の代わりに、開閉弁702および切換え弁703でなる弁装置と、吸引シリンダ705およびそれを吸引/排出駆動する流体圧シリンダ704がある。プラズマトーチ100の給水管19と冷却用ポンプ200の吐出ポート202との間には開閉弁701が介挿されている。図7の(a)に示す「冷却設定」では、開閉弁701が開で、冷却用ポンプ200が冷却水を開閉弁701および給水管19を通してプラズマトーチ100に送り込み、プラズマトーチ100の排水管25に出る排水は冷却水槽300に戻る。開閉弁702は閉で、流体圧シリンダ704には作動流体は供給されない。
【0073】
図7の(b)に示す「強制排水設定」では、冷却用ポンプ200は停止し、開閉弁701は閉じられ、開閉弁702が開かれ、切換え弁703が流体圧シリンダ704内のピストンで区分される左室に、作動流体である高圧エアーが入り、これにより流体圧シリンダ704が引込み動作をして、吸引シリンダ705がプラズマトーチ100の給水管19から冷却水を吸引して収容し、このときプラズマトーチ100の排水管25からトーチ内部に冷却水槽300内の空気が吸入される。
【0074】
図8の(a)に、ポンプ200を駆動/停止し、開閉弁701および弁装置702,703を操作して、それらを「冷却設定」(図7の(a))から「強制排水設定」(図7の(b))に、またその逆に切換える制御回路500の構成を示し、図8の(b)には、制御回路500の制御信号の発生タイミングを示す。
【0075】
プラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、これがポンプドライバ203にポンプ駆動指示(H)として与えられる。これにより、ポンプドライバ203によって冷却用ポンプ200が給水駆動され、冷却用ポンプ200によって冷却水槽300の冷却水が、開閉弁701を通してプラズマトーチ100の給水管19に供給され、そして排水管25から冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100が冷却される(図7の(a))。
【0076】
プラズマ電源SW信号が、H(動作中)からL(停止中)に切換ると、冷却用ポンプ200の駆動が停止する。同時に、立下りTd1遅延タイマ504がその出力をLからHに立ち上げ、このHに応答して、バルブドライバ505が開閉弁701を閉じ、バルブドライバ507が開閉弁702を開き、しかもバルブドライバ506が、切換え弁703を流体圧シリンダ704内のピストンで区分される左室に高圧エアーを供給し右室をドレイン(大気通流ポート)に接続するモードに切換える。プラズマトーチ100内の水が、給水管19から吸引シリンダ705に吸引され、プラズマトーチ100内には、排水管25を通して大気が入る。すなわちプラズマトーチ100内の冷却水が、吸引シリンダ705に吸引排出される(図7の(b))。立下りTd1遅延タイマ504がTd1の計時を完了するとその出力がHからLに戻る。すると、開閉弁701は開に戻り、開閉弁702は閉に戻る。切換え弁703は、流体圧シリンダ704内のピストンで区分される左室をドレイン(大気通流ポート)に、右室を高圧エラーラインに切換えるが、開閉弁702が閉にもどるので流体圧シリンダ704は動作せず、吸引シリンダ705には、吸引した冷却水が滞留する。
【0077】
次にプラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、ポンプ200が駆動されてプラズマトーチ100に冷却水が供給されるが、プラズマ電源SW信号のLからHへの立上がりに応答して立上がりTd2遅延タイマ508がその出力をLからHに立ち上げ、このHがオアゲート502を介してバルブドライバ507に印加され、開閉弁702を開く。これにより、流体圧シリンダ704内の右室に高圧エラーが供給されて、流体圧シリンダ704が突き出し動作をする。この突き出し動作によって吸引シリンダ705は、その中に滞留している冷却水をプラズマトーチ100の給水管19に排出する。その後立上りTd2遅延タイマ508がTd2の計時を完了すると、その出力がHからLに戻って、これにより開閉弁702が閉となり、図7の(a)に示す「冷却設定」となる。
【0078】
−第5実施例−
図9に、第5実施例の冷却装置の機構の概要を示す。第5実施例でも第4実施例と同様に、開閉弁702および切換え弁703でなる弁装置と、吸引シリンダ705およびそれを吸引/排出駆動する流体圧シリンダ704を用いている。プラズマトーチ100の給水管19と冷却用ポンプ200の吐出ポート202との間には切換え弁400が介挿されている。プラズマトーチ100の排水管25と冷却水槽300への戻し水路の間には、逆止弁700が介挿されている。この逆止弁700は、排水管25から冷却水槽300への水流は妨げないが、冷却水槽300内の空気の排水管25への流れは遮断する。
【0079】
図9の(a)に示す「冷却設定」では、切換え弁400はポンプ200/給水管19間接続であり、冷却用ポンプ200が冷却水を切換え弁400および給水管19を通してプラズマトーチ100に送り込み、プラズマトーチ100の排水管25に出る排水は逆止弁700を通って冷却水槽300に戻る。開閉弁702は閉で、流体圧シリンダ704には作動流体は供給されない。
【0080】
図9の(b)に示す「強制排水設定」では、冷却用ポンプ200は停止し、切換え弁400は大気圧ポート/給水管19間接続であり、開閉弁702が開かれ、切換え弁703が流体圧シリンダ704内のピストンで区分される左室に、作動流体である高圧エアーが入り、これにより流体圧シリンダ704が引込み動作をして、吸引シリンダ705がプラズマトーチ100の排水管5からトーチ100内の冷却水を吸引して収容し、このとき切換え弁400および給水管19を通してトーチ100内に空気が吸入される。
【0081】
図10の(a)に、ポンプ200を駆動/停止し、切換え弁400および弁装置702,703を操作して、それらを「冷却設定」(図9の(a))から「強制排水設定」(図9の(b))に、またその逆に切換える制御回路500の構成を示し、図10の(b)には、制御回路500の制御信号の発生タイミングを示す。
【0082】
プラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、これがポンプドライバ203にポンプ駆動指示(H)として与えられる。これにより、ポンプドライバ203によって冷却用ポンプ200が給水駆動され、冷却用ポンプ200によって冷却水槽300の冷却水が、切り替え弁400を通してプラズマトーチ100の給水管19に供給され、そして排水管25から、逆止弁700を通して冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100が冷却される(図9の(a))。
【0083】
プラズマ電源SW信号が、H(動作中)からL(停止中)に切換ると、冷却用ポンプ200の駆動が停止する。同時に、立下りTd1遅延タイマ504がその出力をLからHに立ち上げ、このHに応答して、バルブドライバ505が切換え弁400を大気通流ポート/給水管19間接続に切換え、バルブドライバ507が開閉弁702を開きしかもバルブドライバ506が切換え弁703を、流体圧シリンダ704内のピストンで区分される左室に高圧エアーを供給し右室をドレイン(大気通流ポート)に接続するモードに換える。プラズマトーチ100内の水が、排水管25から吸引シリンダ705に吸引され、プラズマトーチ100内には、給水管19を通して大気が入る。すなわちプラズマトーチ100内の冷却水が、吸引シリンダ705に吸引排出される(図9の(b))。立下りTd1遅延タイマ504がTd1の計時を完了するとその出力がHからLに戻る。すると、切換え弁400は、ポンプ200/給水管19間接続に戻り、開閉弁702は閉に戻る。切換え弁703は、流体圧シリンダ704内のピストンで区分される左室をドレイン(大気通流ポート)に、右室を高圧エラーラインに切換えるが、開閉弁702が閉にもどるので流体圧シリンダ704は動作せず、吸引シリンダ705には、吸引した冷却水が滞留する。
【0084】
次にプラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、ポンプ200が駆動されてプラズマトーチ100に冷却水が供給されるが、プラズマ電源SW信号のLからHへの立上がりに応答して立上がりTd2遅延タイマ508がその出力をLからHに立ち上げ、このHがオアゲート502を介してバルブドライバ507に印加され、開閉弁702を開く。これにより、流体圧シリンダ704内の右室に高圧エラーが供給されて、流体圧シリンダ704が突き出し動作をする。この突き出し動作によって吸引シリンダ705は、その中に滞留している冷却水をプラズマトーチ100の給水管19に排出する。その後立上りTd2遅延タイマ508がTd2の計時を完了すると、その出力がHからLに戻って、これにより開閉弁702が閉となり、図7の(a)に示す「冷却設定」となる。
【0085】
−第6実施例−
図11に、第6実施例の冷却装置の機構の概要を示す。第6実施例では、冷却水ポンプ200に、ロータの正転により液体を吸入ポートから吸入して吐出ポートから吐出し、ロータの逆転により流体を前記吐出ポートから吸入して吸入ポートから吐出する可逆ポンプの一種であるギアポンプを用い、その正転駆動によりプラズマトーチ100に冷却水を供給し、その逆転駆動によりプラズマトーチ100より冷却水を抜き取る。
【0086】
図11の(a)に示す「冷却設定」では、可逆ポンプである冷却水ポンプ200は正転駆動され、図11の(b)に示す「強制排水設定」では、冷却水ポンプ200は逆転駆動される。
【0087】
図12の(a)に、ポンプ200を正,逆転駆動/停止する制御回路500の構成を示し、図12の(b)には、制御回路500の制御信号の発生タイミングを示す。プラズマ電源SW信号が、L(停止中)からH(動作中)に切換ると、これがポンプドライバ203に正転駆動指示(H)として与えられる。これにより、ポンプドライバ203がポンプ200を正転駆動する。冷却用ポンプ200によって冷却水槽300の冷却水がプラズマトーチ100の給水管19に供給され、そして排水管25から冷却水槽300に戻され、プラズマトーチ100が冷却される(図11の(a))。
【0088】
プラズマ電源SW信号が、H(動作中)からL(停止中)に切換ると、立下りTd1遅延タイマ504がその出力をLからHに立ち上げ、このHが逆転指示信号としてポンプドライバ203に与えられる。これにより、ポンプドライバ203がポンプ200を逆転駆動する。冷却用ポンプ200によってプラズマトーチ100内の冷却水が冷却水槽300に吸引排出され、排水管25から空気がプラズマトーチ100内に吸入される(図11の(b))。立下りTd1遅延タイマ504がTdの計時を完了するとその出力がHからLに戻る。これにより、逆転駆動指示信号も消えるので、ポンプドライバ203はポンプ200の駆動を停止する。
【符号の説明】
【0089】
1:基体 2:陰極台
3:絶縁ブッシュ 4:陽極台
41:給水溝 42:排水溝
5:ノズル台 5t:先端
51:外筒 52,53:フランジ
54:内筒 55:フランジ
56:厚肉部 56t:先端
57:薄肉部 57t:先端
58:ノズル部材受け入れ空間
59:ストーン受け入れ空間
6:ノズル台キャップ 61〜63:雄ねじ
7:ノズル部材 8:ノズルキャップ
9:シールドキャップ 10:導電チャック
11:タングステン電極
12:締付けチャック 13:アーム
14:プラズマガス管 15:センタリングストーン
16:ノズル 17:シールドガス管
18:通気孔 19:給水管
20:給水口 21:給水路
22:通水空間 23:排水路
24:排水口 25:排水管
100:プラズマトーチ
200:冷却用ポンプ 300:冷却水槽
400:電磁弁 SOL1,SOL2:ソレノイド
401:シリンダ 402:スプール
403,404:ストッパ
Va1〜Vab:弁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工トーチの内部に、冷却液槽の冷却液を循環供給するポンプを備える冷却装置において、
前記加工トーチの内部の冷却液を吸引排出する吸引手段;および、前記加工トーチが加工を停止している間に前記吸引手段を駆動するための強制排液制御手段;を備えることを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記吸引手段は、前記ポンプの吐出ポートを、前記加工トーチへの給液管と前記冷却液槽への戻し管路に選択的に接続する第1弁;前記ポンプの吸入ポートを、前記冷却液槽からの給液管路と前記加工トーチへの給液管に選択的に接続する第2弁;および、前記加工トーチからの排液管を、前記冷却液槽への戻し管路と大気通流ポートに選択的に接続する第3弁;を含み、
前記強制排液制御手段は、第1弁は前記ポンプの吐出ポートと前記加工トーチへの給液管を接続し、第2弁は前記ポンプの吸入ポートと前記冷却液槽からの給液管路とを接続し、第3弁は前記加工トーチからの排液管と前記冷却液槽への戻し管路とを接続する、「冷却設定」と、第1弁は前記ポンプの吐出ポートと前記冷却液槽への戻し管路を接続し、第2弁は前記ポンプの吸入ポートと前記加工トーチへの給液管とを接続し、第3弁は前記加工トーチからの排液管と大気通流ポートとを接続する、「強制排液設定」と、を選択設定する;請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチによる加工中前記「冷却設定」を継続しかつ前記ポンプを冷却液送給駆動し、加工終了後に前記「強制排液設定」に切換え、該切換えから設定時間経過後に、前記ポンプの冷却液送給駆動を停止する;請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
第1弁,第2弁および第3弁は、電気コイルの通電制御により、前記「冷却設定」での接続から「強制排液設定」の接続に又はその逆に切換る電磁弁である;請求項2又は3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチに給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間の計時を行うタイマ,前記電源スイッチのオンの間および該タイマが設定時間(Td)を計時している間、前記ポンプを冷却液送給駆動するポンプドライバ、および、第1弁,第2弁および第3弁を、前記電源スイッチのオンの間は前記「冷却設定」での接続とし、前記タイマが設定時間を計時している間は前記「強制排液設定」での接続とするように、前記電気コイルへの通電を制御するソレノイドドライバ、を備える;請求項4に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記吸引手段は、前記加工トーチの冷却液を排出するための吸引排出用ポンプ;を含み、
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチへの給液管と前記冷却用ポンプの吐水ポートとを接続し、前記加工トーチからの排液管と前記冷却液槽への戻し管路とを接続する、「冷却設定と、前記加工トーチに前記吸引排出用ポンプを接続し加工トーチの冷却液を吸引し前記冷却液槽に戻す、「強制排液設定」と、を選択設定する;請求項1に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記吸引手段はさらに、前記加工トーチへの給液管を、前記冷却用ポンプの吐出ポートと前記吸引排出用ポンプの吸入ポートに選択的に接続する第1弁;および、前記加工トーチからの排液管を、前記冷却液槽への戻し管路と大気通流ポートに選択的に接続する第2弁;を含み、
前記強制排液制御手段は、前記「冷却設定」では、第1弁は前記加工トーチへの給液管と前記冷却用ポンプの吐水ポートとを接続し、第2弁)は前記加工トーチからの排液管と前記冷却液槽への戻し管路とを接続し、前記「強制排液設定」では、第1弁は前記加工トーチへの給液管と前記吸引排出用ポンプの吸入ポートとを接続し、第2弁は前記加工トーチからの排液管と大気通流ポートとを接続する;請求項6に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチによる加工中前記「冷却設定」を継続しかつ前記冷却用ポンプを冷却液送給駆動し、加工終了後に前記冷却用ポンプの駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換えるとともに前記吸引排出用ポンプを駆動し設定時間の駆動後に前記吸引排出用ポンプの駆動を停止する;請求項7に記載の冷却装置。
【請求項9】
第1弁および第2弁は、電気コイルの通電制御により、前記「冷却設定」での接続から「強制排液設定」の接続に又はその逆に切換る電磁弁である;請求項8又は9に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチに給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間の計時を行うタイマ,前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプを冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ,前記タイマが設定時間を計時している間、前記吸引排出用ポンプを駆動する吸引排出用ポンプドライバ、および、第1弁および第2弁を、前記電源スイッチのオンの間は前記「冷却設定」での接続とし、前記タイマが設定時間を計時している間は前記「強制排液設定」での接続とするように、前記電気コイルへの通電を制御するソレノイドドライバ、を備える;請求項9に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記吸引手段はさらに、前記加工トーチへの給液管を、前記冷却用ポンプの吐出ポートと大気通流ポートに選択的に接続する切換え弁;および、前記加工トーチの排液管から前記冷却液槽への戻し管路への冷却液の通流を許し逆方向の通流は遮断する逆止弁;を含み、
前記強制排液制御手段は、前記「冷却設定」では、前記切換え弁は前記加工トーチへの給液管と前記冷却用ポンプの吐水ポートとを接続し、前記「強制排液設定」では、前記切換え弁は前記加工トーチへの給液管を大気通流ポートとを接続する;請求項6に記載の冷却装置。
【請求項12】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチによる加工中前記「冷却設定」を継続しかつ前記冷却用ポンプを冷却液送給駆動し、加工終了後に前記冷却用ポンプの駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換えるとともに前記吸引排出用ポンプを駆動し設定時間の駆動後に前記吸引排出用ポンプの駆動を停止する;請求項11に記載の冷却装置。
【請求項13】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチに給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間の計時を行うタイマ,前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプを冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ,前記タイマが設定時間を計時している間、前記吸引排出用ポンプを駆動する吸引排出用ポンプドライバ、および、前記切換え弁を、前記電源スイッチのオンの間は前記「冷却設定」での接続とし、前記タイマが設定時間を計時している間は前記「強制排液設定」での接続とするように、前記切換え弁を制御するバルブドライバ、を備える;請求項12に記載の冷却装置。
【請求項14】
前記吸引手段は、前記加工トーチの給液管から前記加工トーチの冷却液を吸引排出するための吸引シリンダ);該吸引シリンダを給排駆動する流体圧シリンダ;および、該流体圧シリンダの作動流体の流れと方向を制御する弁装置;を含み、
前記強制排液制御手段は、前記冷却用ポンプの吐出ポートを前記加工トーチの給液管に対して通流とする、「冷却設定」と、前記弁装置によって前記流体圧シリンダを引込み駆動し前記吸引シリンダにより前記加工トーチから冷却液を吸引する、「強制排液設定」と、を選択設定する;請求項1に記載の冷却装置。
【請求項15】
前記吸引手段はさらに、前記冷却用ポンプの吐出ポートを前記加工トーチの給液管に対して通,断する開閉弁;を含み、
前記強制排液制御手段は、前記「冷却設定」では、前記開閉弁が前記冷却用ポンプの吐出ポートを前記加工トーチの給液管に対して通流とし、前記「強制排液設定」では、前記開閉弁が前記冷却用ポンプの吐出ポートと前記加工トーチの給液管との間を遮断し前記弁装置によって前記流体圧シリンダを引込み駆動し前記吸引シリンダにより前記加工トーチの給液管から前記加工トーチの冷却液を吸引する;請求項14に記載の冷却装置。
【請求項16】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチによる加工の開始時に前記弁装置によって前記流体圧シリンダを突き出し駆動し前記吸引シリンダの冷却液を前記加工トーチの給液管に排出し、加工中は前記「冷却設定」を継続し、加工終了後に前記冷却用ポンプの駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換え、それから設定時間後に前記弁装置によって前記流体圧シリンダの作動を止める;請求項15に記載の冷却装置。
【請求項17】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチに給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間の計時を行う立下り遅延タイマ,前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプを冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ,前記立下り遅延タイマが設定時間を計時している間、前記開閉弁を弁閉とするバルブドライバ,電源スイッチのオフからオンへの切換りから設定時間の計時を行う立上り遅延タイマ、および、前記立下り遅延タイマが設定時間を計時している間前記弁装置を前記吸引シリンダ内に冷却液を吸入する設定に定め、前記立上り遅延タイマが設定時間を計時している間前記弁装置を前記吸引シリンダ内の冷却液を排出する設定に定めるバルブドライバ、を備える;請求項16に記載の冷却装置。
【請求項18】
前記吸引手段はさらに、前記加工トーチの給液管を前記冷却用ポンプの吐出ポートと待機連通ポートに選択的に接続する切換え弁;および、前記加工トーチの排液管から前記冷却液槽への戻し管路への冷却液の通流を許し逆方向の通流は遮断する逆止弁;を含み、
前記強制排液制御手段は、前記「冷却設定」では、前記切換え弁が前記冷却用ポンプの吐出ポートを前記加工トーチの給液管に対して通流とし、前記「強制排液設定」では、前記切換え弁が前記加工トーチの給液管を待機連通ポートに接続し前記弁装置によって前記流体圧シリンダを引込み駆動し前記吸引シリンダにより前記加工トーチの給液管から前記加工トーチの冷却液を吸引する;請求項14に記載の冷却装置。
【請求項19】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチによる加工の開始時に前記弁装置によって前記流体圧シリンダを突き出し駆動し前記吸引シリンダの冷却液を前記加工トーチの給液管に排出し、加工中は前記「冷却設定」を継続し、加工終了後に前記冷却用ポンプの駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換え、それから設定時間後に前記弁装置によって前記流体圧シリンダの作動を止める;請求項18に記載の冷却装置。
【請求項20】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチに給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間の計時を行う立下り遅延タイマ,前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプを冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ,前記立下り遅延タイマが設定時間を計時している間、前記切換え弁を前記給液管/大気通流ポート間の接続とするバルブドライバ,電源スイッチのオフからオンへの切換りから設定時間の計時を行う立上り遅延タイマ、および、前記立下り遅延タイマが設定時間を計時している間前記弁装置を前記吸引シリンダ内に冷却液を吸入する設定に定め、前記立上り遅延タイマが設定時間を計時している間前記弁装置を前記吸引シリンダ内の冷却液を排出する設定に定めるバルブドライバ、を備える;請求項19に記載の冷却装置。
【請求項21】
前記冷却用ポンプは、ロータの正転により液体を吸入ポートから吸入して吐出ポートから吐出し、ロータの逆転により流体を前記吐出ポートから吸入して吸入ポートから吐出する可逆ポンプであり;
前記吸引手段は、前記吐出ポートを前記加工トーチの給液管に接続し、前記吸入ポートを前記冷却液槽からの給液管路に接続した前記可逆ポンプであり;
前記強制排液制御手段は、前記可逆ポンプを正転駆動する「冷却設定」と、前記可逆ポンプを逆転駆動する「強制排液設定」と、を選択設定する;請求項1に記載の冷却装置。
【請求項22】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチによる加工中前記可逆ポンプを正転駆動し、加工終了後に前記可逆ポンプを正転駆動から逆転駆動に切換え、それから設定時間後に可逆ポンプの駆動を止める;請求項21に記載の冷却装置。
【請求項23】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチに給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間の計時を行う立下り遅延タイマ、および、前記電源スイッチのオンの間前記可逆ポンプを正転駆動し、前記立下り遅延タイマが設定時間を計時している間前記可逆ポンプを逆転駆動するポンプドライバ、を備える;請求項22に記載の冷却装置。
【請求項1】
加工トーチの内部に、冷却液槽の冷却液を循環供給するポンプを備える冷却装置において、
前記加工トーチの内部の冷却液を吸引排出する吸引手段;および、前記加工トーチが加工を停止している間に前記吸引手段を駆動するための強制排液制御手段;を備えることを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記吸引手段は、前記ポンプの吐出ポートを、前記加工トーチへの給液管と前記冷却液槽への戻し管路に選択的に接続する第1弁;前記ポンプの吸入ポートを、前記冷却液槽からの給液管路と前記加工トーチへの給液管に選択的に接続する第2弁;および、前記加工トーチからの排液管を、前記冷却液槽への戻し管路と大気通流ポートに選択的に接続する第3弁;を含み、
前記強制排液制御手段は、第1弁は前記ポンプの吐出ポートと前記加工トーチへの給液管を接続し、第2弁は前記ポンプの吸入ポートと前記冷却液槽からの給液管路とを接続し、第3弁は前記加工トーチからの排液管と前記冷却液槽への戻し管路とを接続する、「冷却設定」と、第1弁は前記ポンプの吐出ポートと前記冷却液槽への戻し管路を接続し、第2弁は前記ポンプの吸入ポートと前記加工トーチへの給液管とを接続し、第3弁は前記加工トーチからの排液管と大気通流ポートとを接続する、「強制排液設定」と、を選択設定する;請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチによる加工中前記「冷却設定」を継続しかつ前記ポンプを冷却液送給駆動し、加工終了後に前記「強制排液設定」に切換え、該切換えから設定時間経過後に、前記ポンプの冷却液送給駆動を停止する;請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
第1弁,第2弁および第3弁は、電気コイルの通電制御により、前記「冷却設定」での接続から「強制排液設定」の接続に又はその逆に切換る電磁弁である;請求項2又は3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチに給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間の計時を行うタイマ,前記電源スイッチのオンの間および該タイマが設定時間(Td)を計時している間、前記ポンプを冷却液送給駆動するポンプドライバ、および、第1弁,第2弁および第3弁を、前記電源スイッチのオンの間は前記「冷却設定」での接続とし、前記タイマが設定時間を計時している間は前記「強制排液設定」での接続とするように、前記電気コイルへの通電を制御するソレノイドドライバ、を備える;請求項4に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記吸引手段は、前記加工トーチの冷却液を排出するための吸引排出用ポンプ;を含み、
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチへの給液管と前記冷却用ポンプの吐水ポートとを接続し、前記加工トーチからの排液管と前記冷却液槽への戻し管路とを接続する、「冷却設定と、前記加工トーチに前記吸引排出用ポンプを接続し加工トーチの冷却液を吸引し前記冷却液槽に戻す、「強制排液設定」と、を選択設定する;請求項1に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記吸引手段はさらに、前記加工トーチへの給液管を、前記冷却用ポンプの吐出ポートと前記吸引排出用ポンプの吸入ポートに選択的に接続する第1弁;および、前記加工トーチからの排液管を、前記冷却液槽への戻し管路と大気通流ポートに選択的に接続する第2弁;を含み、
前記強制排液制御手段は、前記「冷却設定」では、第1弁は前記加工トーチへの給液管と前記冷却用ポンプの吐水ポートとを接続し、第2弁)は前記加工トーチからの排液管と前記冷却液槽への戻し管路とを接続し、前記「強制排液設定」では、第1弁は前記加工トーチへの給液管と前記吸引排出用ポンプの吸入ポートとを接続し、第2弁は前記加工トーチからの排液管と大気通流ポートとを接続する;請求項6に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチによる加工中前記「冷却設定」を継続しかつ前記冷却用ポンプを冷却液送給駆動し、加工終了後に前記冷却用ポンプの駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換えるとともに前記吸引排出用ポンプを駆動し設定時間の駆動後に前記吸引排出用ポンプの駆動を停止する;請求項7に記載の冷却装置。
【請求項9】
第1弁および第2弁は、電気コイルの通電制御により、前記「冷却設定」での接続から「強制排液設定」の接続に又はその逆に切換る電磁弁である;請求項8又は9に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチに給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間の計時を行うタイマ,前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプを冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ,前記タイマが設定時間を計時している間、前記吸引排出用ポンプを駆動する吸引排出用ポンプドライバ、および、第1弁および第2弁を、前記電源スイッチのオンの間は前記「冷却設定」での接続とし、前記タイマが設定時間を計時している間は前記「強制排液設定」での接続とするように、前記電気コイルへの通電を制御するソレノイドドライバ、を備える;請求項9に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記吸引手段はさらに、前記加工トーチへの給液管を、前記冷却用ポンプの吐出ポートと大気通流ポートに選択的に接続する切換え弁;および、前記加工トーチの排液管から前記冷却液槽への戻し管路への冷却液の通流を許し逆方向の通流は遮断する逆止弁;を含み、
前記強制排液制御手段は、前記「冷却設定」では、前記切換え弁は前記加工トーチへの給液管と前記冷却用ポンプの吐水ポートとを接続し、前記「強制排液設定」では、前記切換え弁は前記加工トーチへの給液管を大気通流ポートとを接続する;請求項6に記載の冷却装置。
【請求項12】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチによる加工中前記「冷却設定」を継続しかつ前記冷却用ポンプを冷却液送給駆動し、加工終了後に前記冷却用ポンプの駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換えるとともに前記吸引排出用ポンプを駆動し設定時間の駆動後に前記吸引排出用ポンプの駆動を停止する;請求項11に記載の冷却装置。
【請求項13】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチに給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間の計時を行うタイマ,前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプを冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ,前記タイマが設定時間を計時している間、前記吸引排出用ポンプを駆動する吸引排出用ポンプドライバ、および、前記切換え弁を、前記電源スイッチのオンの間は前記「冷却設定」での接続とし、前記タイマが設定時間を計時している間は前記「強制排液設定」での接続とするように、前記切換え弁を制御するバルブドライバ、を備える;請求項12に記載の冷却装置。
【請求項14】
前記吸引手段は、前記加工トーチの給液管から前記加工トーチの冷却液を吸引排出するための吸引シリンダ);該吸引シリンダを給排駆動する流体圧シリンダ;および、該流体圧シリンダの作動流体の流れと方向を制御する弁装置;を含み、
前記強制排液制御手段は、前記冷却用ポンプの吐出ポートを前記加工トーチの給液管に対して通流とする、「冷却設定」と、前記弁装置によって前記流体圧シリンダを引込み駆動し前記吸引シリンダにより前記加工トーチから冷却液を吸引する、「強制排液設定」と、を選択設定する;請求項1に記載の冷却装置。
【請求項15】
前記吸引手段はさらに、前記冷却用ポンプの吐出ポートを前記加工トーチの給液管に対して通,断する開閉弁;を含み、
前記強制排液制御手段は、前記「冷却設定」では、前記開閉弁が前記冷却用ポンプの吐出ポートを前記加工トーチの給液管に対して通流とし、前記「強制排液設定」では、前記開閉弁が前記冷却用ポンプの吐出ポートと前記加工トーチの給液管との間を遮断し前記弁装置によって前記流体圧シリンダを引込み駆動し前記吸引シリンダにより前記加工トーチの給液管から前記加工トーチの冷却液を吸引する;請求項14に記載の冷却装置。
【請求項16】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチによる加工の開始時に前記弁装置によって前記流体圧シリンダを突き出し駆動し前記吸引シリンダの冷却液を前記加工トーチの給液管に排出し、加工中は前記「冷却設定」を継続し、加工終了後に前記冷却用ポンプの駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換え、それから設定時間後に前記弁装置によって前記流体圧シリンダの作動を止める;請求項15に記載の冷却装置。
【請求項17】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチに給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間の計時を行う立下り遅延タイマ,前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプを冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ,前記立下り遅延タイマが設定時間を計時している間、前記開閉弁を弁閉とするバルブドライバ,電源スイッチのオフからオンへの切換りから設定時間の計時を行う立上り遅延タイマ、および、前記立下り遅延タイマが設定時間を計時している間前記弁装置を前記吸引シリンダ内に冷却液を吸入する設定に定め、前記立上り遅延タイマが設定時間を計時している間前記弁装置を前記吸引シリンダ内の冷却液を排出する設定に定めるバルブドライバ、を備える;請求項16に記載の冷却装置。
【請求項18】
前記吸引手段はさらに、前記加工トーチの給液管を前記冷却用ポンプの吐出ポートと待機連通ポートに選択的に接続する切換え弁;および、前記加工トーチの排液管から前記冷却液槽への戻し管路への冷却液の通流を許し逆方向の通流は遮断する逆止弁;を含み、
前記強制排液制御手段は、前記「冷却設定」では、前記切換え弁が前記冷却用ポンプの吐出ポートを前記加工トーチの給液管に対して通流とし、前記「強制排液設定」では、前記切換え弁が前記加工トーチの給液管を待機連通ポートに接続し前記弁装置によって前記流体圧シリンダを引込み駆動し前記吸引シリンダにより前記加工トーチの給液管から前記加工トーチの冷却液を吸引する;請求項14に記載の冷却装置。
【請求項19】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチによる加工の開始時に前記弁装置によって前記流体圧シリンダを突き出し駆動し前記吸引シリンダの冷却液を前記加工トーチの給液管に排出し、加工中は前記「冷却設定」を継続し、加工終了後に前記冷却用ポンプの駆動を停止し、前記「強制排液設定」に切換え、それから設定時間後に前記弁装置によって前記流体圧シリンダの作動を止める;請求項18に記載の冷却装置。
【請求項20】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチに給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間の計時を行う立下り遅延タイマ,前記電源スイッチのオンの間前記冷却用ポンプを冷却液送給駆動する冷却用ポンプドライバ,前記立下り遅延タイマが設定時間を計時している間、前記切換え弁を前記給液管/大気通流ポート間の接続とするバルブドライバ,電源スイッチのオフからオンへの切換りから設定時間の計時を行う立上り遅延タイマ、および、前記立下り遅延タイマが設定時間を計時している間前記弁装置を前記吸引シリンダ内に冷却液を吸入する設定に定め、前記立上り遅延タイマが設定時間を計時している間前記弁装置を前記吸引シリンダ内の冷却液を排出する設定に定めるバルブドライバ、を備える;請求項19に記載の冷却装置。
【請求項21】
前記冷却用ポンプは、ロータの正転により液体を吸入ポートから吸入して吐出ポートから吐出し、ロータの逆転により流体を前記吐出ポートから吸入して吸入ポートから吐出する可逆ポンプであり;
前記吸引手段は、前記吐出ポートを前記加工トーチの給液管に接続し、前記吸入ポートを前記冷却液槽からの給液管路に接続した前記可逆ポンプであり;
前記強制排液制御手段は、前記可逆ポンプを正転駆動する「冷却設定」と、前記可逆ポンプを逆転駆動する「強制排液設定」と、を選択設定する;請求項1に記載の冷却装置。
【請求項22】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチによる加工中前記可逆ポンプを正転駆動し、加工終了後に前記可逆ポンプを正転駆動から逆転駆動に切換え、それから設定時間後に可逆ポンプの駆動を止める;請求項21に記載の冷却装置。
【請求項23】
前記強制排液制御手段は、前記加工トーチに給電する電源スイッチのオンからオフへの切換りから設定時間の計時を行う立下り遅延タイマ、および、前記電源スイッチのオンの間前記可逆ポンプを正転駆動し、前記立下り遅延タイマが設定時間を計時している間前記可逆ポンプを逆転駆動するポンプドライバ、を備える;請求項22に記載の冷却装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−234435(P2010−234435A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87659(P2009−87659)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(302040135)日鐵住金溶接工業株式会社 (172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(302040135)日鐵住金溶接工業株式会社 (172)
【Fターム(参考)】
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