加工対象シートのエンボス加工方法およびフレキシブルダイ
【課題】簡単な構成のダイにより、加工対象シートの凹凸量を大きくすることなく、あたかもエンボス加工部分に複数の段差が生じているように視認することができ、立体的な視覚効果が増大する。
【解決手段】表面にエンボス加工刃が設けられた一対のダイ10a、10bを対向配置し、これら一対のダイにより加工対象シートを凹凸形成によるエンボス加工を行う加工対象シートSのエンボス加工方法であって、前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部S1と第2エンボス部S4とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部S3で連接することにある。
【解決手段】表面にエンボス加工刃が設けられた一対のダイ10a、10bを対向配置し、これら一対のダイにより加工対象シートを凹凸形成によるエンボス加工を行う加工対象シートSのエンボス加工方法であって、前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部S1と第2エンボス部S4とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部S3で連接することにある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば紙シートやプラスチックシート(フィルム)などのシート材(加工対象シート)のエンボス加工方法およびエンボス加工に採用されるフレキシブルダイ(シート状刃板)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙シートやプラスチックシートなどの加工対象シートの表面にエンボスを加工する方法は従来周知である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、フレキシブルベース(強磁性体)の片面に、カッティングラインのパターンを有する加工用切断刃を有するフレキシブルダイを作製し、このフレキシブルダイを、ロータリ加工装置のマグネットシリンダに巻き付けて、加工対象シートを加工対象シートの打抜加工やハーフカット加工を行う方法も採用されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
最近では、エンボスを加工する方法においても、フレキシブルベースの片面に、エンボス形状に応じたパターンのエンボス加工用凹凸部を有するフレキシブルダイを作製し、このフレキシブルダイを、前記ロータリ加工装置のマグネットシリンダに巻き付けて、加工対象シートの表面にエンボス加工を行うという方法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−14405号公報
【特許文献2】特開2000−190284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に記載のエンボス加工方法は、図11に示すように、エンボス用凸部からなるエンボス加工刃100aを有する雄型100と、前記エンボス加工刃100aが嵌合する凹部101aを有する雌型101との協働により、加工対象シートSにエンボス加工を行うものである。このように、雄型100のエンボス加工刃100aを雌型101の凹部101aに嵌合させるため、加工対象シートSは、高いエンボス加工部分(高い部分)S1aと、低いエンボス加工部分(低い部分)S2aとが形成されることとなるが、高い部分S1aと、低い部分S2aとは、それぞれ平坦面で且つ互いに平行に加工される。
【0007】
この結果、高い部分S1aを複数形成する場合、各高い部分S1aは同等の高さに加工されることとなる。加工対象シートSの用途によっては、各高い部分S1aを装飾または文字等とする目的から複数段の高さにエンボス加工したい場合がある。仮に、加工対象シートSの高い部分S1aを複数段に加工する場合には、雄型100のエンボス加工刃100aの刃高さや、雌型101の凹部101aの深さが相違するダイを複数種類準備する必要があり、ダイの製造が複雑となるとともにコストが高くなる問題がある。単体のダイに深さの異なる凹凸部を形成する場合には、ダイが厚くなるため、特に前記マグネットシリンダに巻き付けて使用するフレキブルダイへの採用には適していない。
【0008】
また、加工対象シートの凹凸量(エンボス加工による突出量)が大きくなると、加工対象シートが延ばされてエンボス加工後の加工対象シートの強度が弱くなるおそれもある。
【0009】
本発明は、簡単な構成のダイにより、加工対象シートの凹凸量を大きくすることなく、あたかもエンボス加工部分に複数の段差が生じているように視認することができ、立体的な視覚効果が増大することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、本発明の加工対象シートのエンボス加工方法は、表面にエンボス加工刃が設けられた一対のダイを対向配置し、これら一対のダイにより加工対象シートを凹凸形成によるエンボス加工を行う加工対象シートのエンボス加工方法であって、前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接することにある。
【0011】
また、本発明の加工対象シートのエンボス加工方法は、表面にエンボス加工刃が設けられた一対のダイを、回転自在に対向配置し、これら一対のダイ間に加工対象シートを通過させて凹凸形成によるエンボス加工を行う加工対象シートのエンボス加工方法方法であって、前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接することにある。
【0012】
本発明のフレキシブルダイは、一対のローラにそれぞれ巻き付けられるフレキシブルベースと、互いに対向配置されるエンボス加工パターンとを備え、該エンボス加工パターン間に加工対象シートを通過させてエンボス加工を行うフレキシブルダイにおいて、前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接するエンボス加工刃を備えていることにある。
【0013】
前記フレキシブルダイにおいて、前記エンボス加工パターンに対応するエンボス加工刃は、環状凸部が内外に複数条形成されてなり、一方のフレキシブルベースに形成されたエンボス加工刃は、他方のフレキシブルベースに形成されたエンボス加工刃の外周面に対して間隔を有して嵌り合う構成である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、簡単な構成のダイにより、前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設することにより、加工対象シートの凹凸量を大きくすることなく、しかも、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接するため、エンボス段差部分に複数の段差が生じているように視認することができる。この結果、加工対象シートを立体的に見せることができ、立体的な視覚効果も増大する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のフレキシブルダイを使用して加工対象シートの加工をした状態を示す要部断面図である。
【図2】本発明の一方のフレキシブルダイを示し、(a)は背面図、(b)はパターンを示す要部断面図である。
【図3】本発明の他方のフレキシブルダイを示し、(a)は平面図、(b)はパターンを示す要部断面図である。
【図4】ロータリ加工装置の概略を示す斜視図である。
【図5】本発明のフレキシブルダイをローラに巻き付ける状態の斜視図である。
【図6】本発明のフレキシブルダイをローラに巻き付けた状態の斜視図である。
【図7】本発明の一対のフレキシブルダイを使用して加工対象シートをエンボス加工する概略側面図である。
【図8】(a)は本発明の加工済シートを示す斜視図、(b)はエンボス加工パターンを示す平面図である。
【図9】(a)および(b)は、本発明の他のエンボス加工パタ−ンをそれぞれ示す平面図である。
【図10】本発明のフレキシブルダイによりエンボス加工された加工対象シ−トの斜視図である。
【図11】従来のダイを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3に本発明に係るフレキシブルダイの一例を示し、図4に本実施形態のロータリ加工装置を示す。
【0017】
ロータリ加工装置1は、図4に示すように、装置フレーム2に上下一対の円筒状ローラとしてのマグネットシリンダ11a、11bが、互いに対向するように図示省略の軸受を介して回転自在に支持されている。マグネットシリンダ11a、11bには、フレキシブルダイ10a、10bがそれぞれ巻き付けられている。なお、マグネットシリンダ11a、11bは、図示省略のモータにより連動して所定速度で回転駆動するようになっている。
【0018】
また、マグネットシリンダ11a、11bとフレキシブルダイ10a、10bとにより、ダイロールが構成されている。
【0019】
両方のフレキシブルダイ10a、10bのフレキシブルベース12aの表面(互いに対向する面)には、図1〜図3に示すように、エンボス加工パターンP1、P2が、マグネットシリンダ巻き付け方向R(巻き付け方向R)およびその巻き付け方向Rと直交する方向とに所定の間隔をおいて複数個配列されている。なお、エンボス加工パターンP1、P2の配置および個数は、これに限らず任意に設定可能である。
【0020】
本実施の形態におけるエンボス加工パターンP1、P2は、矩形状のものを例示する。具体的には、図2に一方のフレキシブルダイ10aを示す。一方のフレキシブルダイ10aのフレキシブルベース12aに形成されたエンボス加工パターンP1は、環状凸部からなる内側の第1凸部(エンボス加工刃)13aと、この第1凸部13aと同心状で且つ所定の間隔を有するように相似形状に外側に形成された環状凸部からなる第2凸部(エンボス加工刃)13bとが内外複数条に形成されている。また、かかる第1凸部13aの刃高さL1と第2凸部13bの刃高さL2は、同等に設定されている。
【0021】
図3に他方のフレキシブルダイ10bを示す。他方のフレキシブルダイ10bのフレキシブルベース12bに形成されたエンボス加工パターンP2は、環状凸部からなる内側の第1凸部(エンボス加工刃)14aと、この第1凸部14aと同心状で且つ所定の間隔を有するように相似形状に外側に形成された環状凸部からなる第2凸部(エンボス加工刃)14bとが内外複数条に形成されている。また、かかる第1凸部14aの刃高さL3と、第2凸部14bの刃高さL4は、同等に設定されている。しかも、一方のフレキシブルダイ10aの第1凸部13aおよび第2凸部13bの高さL1、L2と、他方のフレキシブルダイ10bの第1凸部14aおよび第2凸部14bの高さL3、L4とは、同等に設定されているのが好ましい。
【0022】
そして、図1に示すように、一方のフレキシブルダイ10aの第1凸部13aに囲まれた領域内(内周面)に、他方のフレキシブルダイ10bの第1凸部14aの外周面が、所定間隙(クリアランス)を有して嵌合するようになっている。また、一方のフレキシブルダイ10aの第2凸部13bに囲まれた領域内に、他方のフレキシブルダイ10bの第2凸部14b外周面が、所定間隙を有して嵌合するようになっている。
【0023】
かかるフレキシブルダイ10a、10bは、金属板をエッチング加工したり、機械加工したりして製造することができる。なお、フレキシブルダイ10a、10bを、エッチング加工により形成した場合には、必要であれば、NC加工機等を使用して、さらに機械加工してもよい。
【0024】
次に、以上の構成からなるフレキシブルダイ10a、10bを備えたロータリ加工装置1を使用する場合について説明する。
【0025】
加工対象シートSをエンボス加工するに際して、先ず、一方のフレキシブルダイ10aを上方のマグネットシリンダ11aに巻き付ける。また、他方のフレキシブルダイ10bを下方のマグネットシリンダ11bに巻き付ける(図4〜図6参照)。
【0026】
このように、各フレキシブルダイ10a、10bをマグネットシリンダ11a、11bに装着することにより、それぞれのパターンP1、P2を対向させることができる。なお、各フレキシブルダイ10a、10bには、一対の位置決め孔21a、21bが形成されており(図2(a)および図3(a)参照)、この位置決め孔21a、21bをマグネットシリンダ11a、11bに設けられたピン(図示省略)に嵌合させることにより、各フレキシブルダイ10a、10bのマグネットシリンダ11a、11bに対する位置合わせを、正確且つ容易に行うことができる。
【0027】
さらに、マグネットシリンダ11a、11bを回転駆動させ、これら一対のマグネットシリンダ11a、11b間に、長尺状の加工対象シートSを通過させる(図7参照)。かかるマグネットシリンダ11a、11b間を通過することにより、加工対象シートSは連続的にエンボス加工される。
【0028】
具体的には、図1に示すように、一方のフレキシブルダイ10aの第1凸部13aと、他方のフレキシブルダイ10bの第1凸部14aとが、加工対象シートSに圧接される。このとき、加工対象シートSは、両方の第1凸部13a、14aに挟まれ圧接されることから、これら両方の第1凸部13a、14aの協働により、加工対象シートSが延伸された状態で凸部14a間にわたって掛け渡され、加工対象シートSに第1エンボス部としての水平部分S1を形成する。
【0029】
しかも、一方のフレキシブルダイ10aの第1凸部13aは、他方のフレキシブルダイ10bの第1凸部14a間にわたって掛け渡された加工対象シートSを下方に押圧する。この第1凸部13aの押圧により水平部分S1の周囲に、下向きの段差部S2を形成することとなる。
【0030】
また、一方のフレキシブルダイ10aの第2凸部13bと、他方のフレキシブルダイ10bの第2凸部14baとが、シートSに圧接される。すなわち、加工対象シートSは両方の第2凸部13b、14b間に挟まれ圧接される。前記のように第1凸部13aは加工対象シートSを上方から下向きに押圧するが、凸部14bは加工対象シートSを下方から上向きに押圧することとなるため、互いに隣り合う凸部13aと凸部14bとの間は、加工対象シートSに傾斜部S3を形成する。
【0031】
しかも、一方のフレキシブルダイ10aの凸部13bは、他方のフレキシブルダイ10bの凸部14bによって上向きに架設された加工対象シートSを下方に押圧する。この凸部13bの押圧により傾斜部S3の上端部から延設された第2エンボス加工部S4の周囲(高部側)に、下方向に突出する段差部S5を形成することができる。
【0032】
この結果、互いに隣り合う水平部分S1と第2エンボス加工部S4は、同等の高さに突設されるとともに、水平部分S1の底部側と第2エンボス加工部S4の高部側との間には、水平部分S1から第2エンボス加工部S4に向けて次第に高くなる傾斜部S3が、環状に形成されることとなる。なお、傾斜部S3は、その傾斜角度が実際には小さいため、目視において傾斜面として確認し難くなっている。
【0033】
ここで、嵌合する凸部間のクリアランス、すなわち、一方のフレキシブルダイ10aの凸部13a、13bの内周面に対する他方のフレキシブルダイ10bの凸部14a、14bの外周面の間隔は、加工対象シートSの厚さの20%〜200%の範囲に設定されているのが好ましい。
【0034】
以上のように、エンボス加工された加工対象シートSは、例えば適宜工程で所定形状にハーフカットされたり、打ち抜き加工されたりする。なお、フレキシブルダイ10a、10bに、図示省略のハーフカット刃または打ち抜き刃を設けることも可能である。
【0035】
図8(a)に、前記エンボス加工方法により製造された加工対象シートSの一部を示す。かかる加工対象シートSは、中央に形成された水平部S1の上面と、第2エンボス加工部S4の上面とは、同等の高さに形成されている。しかしながら、傾斜部S3が傾斜していることは目視では認識し難く平面的に見え、しかも、段差部S5よりも段差部S2の方が高くなっているように認識される。
【0036】
この結果、加工対象シートSは、その周囲の加工されていないシート基材平面S6が最も低く見え、段差部S5により傾斜部S3が平面S6よりも高く見え、さらに、段差部S5の形成により傾斜部S3よりも水平部S1の方が高く見えることとなり、結果的に、加工対象シートSは、複数段(3段階)に高くエンボス加工されているように見える。
【0037】
また、前記加工対象シートSは、表裏反対にした場合には、中央の水平部S1が低くなっているように視認することが可能である。
【0038】
本実施の形態のフレキシブルダイ10a、10bは、それぞれフレキシブルベース12aに、同じ刃高の凸部13a、13b、14a、14bを形成する構成であるため、各フレキシブルダイ10a、10bの構造が簡単となり、製造も容易に行える。また、フレキシブルダイ10a、10bは、それぞれフレキシブルベース12aに、同じ刃高の凸部13a、13b、14a、14bを形成するにもかかわらず、加工対象シートSは、複数段にエンボス加工されているように見えることから、凸部13a、13b、14a、14bの高さを相違させる場合に比し、フレキシブルダイ10a、10bの厚さを薄くできる利点もあり、その結果、可撓性が損なわれず、フレキシブルダイ10a、10bとして最適である。
【0039】
しかも、かかるフレキシブルダイ10a、10bを使用することにより、加工対象シートSの凹凸量を最小に抑えることができ、加工対象シートSの延伸による強度低下も防止することができる。
【0040】
本実施の形態では、被加工面が3段階に高く見えるエンボス加工について例示したが、図8(b)に示すように、エンボス加工パターンP1、P2を3条の凸部13a〜13c(14a〜14b)を形成することにより、4段階に高く見えるエンボス加工を行うことができ、凸部をそれ以上に増加させることも可能である。
【0041】
また、エンボス加工の加工パターンP1、P2も矩形状に限定されるものではない。例えば、図9(a)に示すように星形状であっても。あるいは。図9(b)に示すように円形状であってもよい。
【0042】
また、図10に示すように加工対象シートSは、傾斜部S7と段差部S8とを交互に設けた波状に形成することも可能である。
【0043】
なお、本発明で使用される加工対象シートSは、紙、プラスチックシートなどの樹脂製シートをはじめ、裏面に剥離紙が貼着されたラベルなど種々のシートが使用できるものである。
【0044】
また、前記実施の形態では、ロータリ加工装置1に使用されるフレキシブルダイを例示したが、フレキシブルダイは、マグネットシリンダに装着して使用されるフレキシブルダイの他、マグネット(永久磁石)を備えていないローラに装着されるフレキシブルダイにも適用することができる。また、ローラにエンボス加工パターンP1、P2を形成したものであってもよい。また、ダイは平面的な一対の型であってもよい。
【0045】
また、加工対象シートSの高部側または底部側とは、かかる加工対象シートSを図1に示すように平面状態において便宜上表現したものであって、加工対象シートSを同図に対して90°回転させた直角方向においてエンボス加工することも可能である。かかる場合には、マグネットシリンダが垂直方向に平行に配置される。
【符号の説明】
【0046】
1 ロータリ加工装置
10a 一方のフレキシブルダイ
10b 他方のフレキシブルダイ
13a 第1凸部(エンボス加工刃)
13b 第2凸部(エンボス加工刃)
14a 第1凸部(エンボス加工刃)
14b 第2凸部(エンボス加工刃)
P1 エンボス加工パターン
P2 エンボス加工パターン
S 加工対象シート
S1 水平部分(第1エンボス部)
S2 段差部
S3 傾斜部
S4 第2エンボス部
S5 段差部
S6 平面
S7 傾斜部
S8 段差部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば紙シートやプラスチックシート(フィルム)などのシート材(加工対象シート)のエンボス加工方法およびエンボス加工に採用されるフレキシブルダイ(シート状刃板)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙シートやプラスチックシートなどの加工対象シートの表面にエンボスを加工する方法は従来周知である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、フレキシブルベース(強磁性体)の片面に、カッティングラインのパターンを有する加工用切断刃を有するフレキシブルダイを作製し、このフレキシブルダイを、ロータリ加工装置のマグネットシリンダに巻き付けて、加工対象シートを加工対象シートの打抜加工やハーフカット加工を行う方法も採用されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
最近では、エンボスを加工する方法においても、フレキシブルベースの片面に、エンボス形状に応じたパターンのエンボス加工用凹凸部を有するフレキシブルダイを作製し、このフレキシブルダイを、前記ロータリ加工装置のマグネットシリンダに巻き付けて、加工対象シートの表面にエンボス加工を行うという方法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−14405号公報
【特許文献2】特開2000−190284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に記載のエンボス加工方法は、図11に示すように、エンボス用凸部からなるエンボス加工刃100aを有する雄型100と、前記エンボス加工刃100aが嵌合する凹部101aを有する雌型101との協働により、加工対象シートSにエンボス加工を行うものである。このように、雄型100のエンボス加工刃100aを雌型101の凹部101aに嵌合させるため、加工対象シートSは、高いエンボス加工部分(高い部分)S1aと、低いエンボス加工部分(低い部分)S2aとが形成されることとなるが、高い部分S1aと、低い部分S2aとは、それぞれ平坦面で且つ互いに平行に加工される。
【0007】
この結果、高い部分S1aを複数形成する場合、各高い部分S1aは同等の高さに加工されることとなる。加工対象シートSの用途によっては、各高い部分S1aを装飾または文字等とする目的から複数段の高さにエンボス加工したい場合がある。仮に、加工対象シートSの高い部分S1aを複数段に加工する場合には、雄型100のエンボス加工刃100aの刃高さや、雌型101の凹部101aの深さが相違するダイを複数種類準備する必要があり、ダイの製造が複雑となるとともにコストが高くなる問題がある。単体のダイに深さの異なる凹凸部を形成する場合には、ダイが厚くなるため、特に前記マグネットシリンダに巻き付けて使用するフレキブルダイへの採用には適していない。
【0008】
また、加工対象シートの凹凸量(エンボス加工による突出量)が大きくなると、加工対象シートが延ばされてエンボス加工後の加工対象シートの強度が弱くなるおそれもある。
【0009】
本発明は、簡単な構成のダイにより、加工対象シートの凹凸量を大きくすることなく、あたかもエンボス加工部分に複数の段差が生じているように視認することができ、立体的な視覚効果が増大することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、本発明の加工対象シートのエンボス加工方法は、表面にエンボス加工刃が設けられた一対のダイを対向配置し、これら一対のダイにより加工対象シートを凹凸形成によるエンボス加工を行う加工対象シートのエンボス加工方法であって、前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接することにある。
【0011】
また、本発明の加工対象シートのエンボス加工方法は、表面にエンボス加工刃が設けられた一対のダイを、回転自在に対向配置し、これら一対のダイ間に加工対象シートを通過させて凹凸形成によるエンボス加工を行う加工対象シートのエンボス加工方法方法であって、前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接することにある。
【0012】
本発明のフレキシブルダイは、一対のローラにそれぞれ巻き付けられるフレキシブルベースと、互いに対向配置されるエンボス加工パターンとを備え、該エンボス加工パターン間に加工対象シートを通過させてエンボス加工を行うフレキシブルダイにおいて、前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接するエンボス加工刃を備えていることにある。
【0013】
前記フレキシブルダイにおいて、前記エンボス加工パターンに対応するエンボス加工刃は、環状凸部が内外に複数条形成されてなり、一方のフレキシブルベースに形成されたエンボス加工刃は、他方のフレキシブルベースに形成されたエンボス加工刃の外周面に対して間隔を有して嵌り合う構成である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、簡単な構成のダイにより、前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設することにより、加工対象シートの凹凸量を大きくすることなく、しかも、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接するため、エンボス段差部分に複数の段差が生じているように視認することができる。この結果、加工対象シートを立体的に見せることができ、立体的な視覚効果も増大する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のフレキシブルダイを使用して加工対象シートの加工をした状態を示す要部断面図である。
【図2】本発明の一方のフレキシブルダイを示し、(a)は背面図、(b)はパターンを示す要部断面図である。
【図3】本発明の他方のフレキシブルダイを示し、(a)は平面図、(b)はパターンを示す要部断面図である。
【図4】ロータリ加工装置の概略を示す斜視図である。
【図5】本発明のフレキシブルダイをローラに巻き付ける状態の斜視図である。
【図6】本発明のフレキシブルダイをローラに巻き付けた状態の斜視図である。
【図7】本発明の一対のフレキシブルダイを使用して加工対象シートをエンボス加工する概略側面図である。
【図8】(a)は本発明の加工済シートを示す斜視図、(b)はエンボス加工パターンを示す平面図である。
【図9】(a)および(b)は、本発明の他のエンボス加工パタ−ンをそれぞれ示す平面図である。
【図10】本発明のフレキシブルダイによりエンボス加工された加工対象シ−トの斜視図である。
【図11】従来のダイを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3に本発明に係るフレキシブルダイの一例を示し、図4に本実施形態のロータリ加工装置を示す。
【0017】
ロータリ加工装置1は、図4に示すように、装置フレーム2に上下一対の円筒状ローラとしてのマグネットシリンダ11a、11bが、互いに対向するように図示省略の軸受を介して回転自在に支持されている。マグネットシリンダ11a、11bには、フレキシブルダイ10a、10bがそれぞれ巻き付けられている。なお、マグネットシリンダ11a、11bは、図示省略のモータにより連動して所定速度で回転駆動するようになっている。
【0018】
また、マグネットシリンダ11a、11bとフレキシブルダイ10a、10bとにより、ダイロールが構成されている。
【0019】
両方のフレキシブルダイ10a、10bのフレキシブルベース12aの表面(互いに対向する面)には、図1〜図3に示すように、エンボス加工パターンP1、P2が、マグネットシリンダ巻き付け方向R(巻き付け方向R)およびその巻き付け方向Rと直交する方向とに所定の間隔をおいて複数個配列されている。なお、エンボス加工パターンP1、P2の配置および個数は、これに限らず任意に設定可能である。
【0020】
本実施の形態におけるエンボス加工パターンP1、P2は、矩形状のものを例示する。具体的には、図2に一方のフレキシブルダイ10aを示す。一方のフレキシブルダイ10aのフレキシブルベース12aに形成されたエンボス加工パターンP1は、環状凸部からなる内側の第1凸部(エンボス加工刃)13aと、この第1凸部13aと同心状で且つ所定の間隔を有するように相似形状に外側に形成された環状凸部からなる第2凸部(エンボス加工刃)13bとが内外複数条に形成されている。また、かかる第1凸部13aの刃高さL1と第2凸部13bの刃高さL2は、同等に設定されている。
【0021】
図3に他方のフレキシブルダイ10bを示す。他方のフレキシブルダイ10bのフレキシブルベース12bに形成されたエンボス加工パターンP2は、環状凸部からなる内側の第1凸部(エンボス加工刃)14aと、この第1凸部14aと同心状で且つ所定の間隔を有するように相似形状に外側に形成された環状凸部からなる第2凸部(エンボス加工刃)14bとが内外複数条に形成されている。また、かかる第1凸部14aの刃高さL3と、第2凸部14bの刃高さL4は、同等に設定されている。しかも、一方のフレキシブルダイ10aの第1凸部13aおよび第2凸部13bの高さL1、L2と、他方のフレキシブルダイ10bの第1凸部14aおよび第2凸部14bの高さL3、L4とは、同等に設定されているのが好ましい。
【0022】
そして、図1に示すように、一方のフレキシブルダイ10aの第1凸部13aに囲まれた領域内(内周面)に、他方のフレキシブルダイ10bの第1凸部14aの外周面が、所定間隙(クリアランス)を有して嵌合するようになっている。また、一方のフレキシブルダイ10aの第2凸部13bに囲まれた領域内に、他方のフレキシブルダイ10bの第2凸部14b外周面が、所定間隙を有して嵌合するようになっている。
【0023】
かかるフレキシブルダイ10a、10bは、金属板をエッチング加工したり、機械加工したりして製造することができる。なお、フレキシブルダイ10a、10bを、エッチング加工により形成した場合には、必要であれば、NC加工機等を使用して、さらに機械加工してもよい。
【0024】
次に、以上の構成からなるフレキシブルダイ10a、10bを備えたロータリ加工装置1を使用する場合について説明する。
【0025】
加工対象シートSをエンボス加工するに際して、先ず、一方のフレキシブルダイ10aを上方のマグネットシリンダ11aに巻き付ける。また、他方のフレキシブルダイ10bを下方のマグネットシリンダ11bに巻き付ける(図4〜図6参照)。
【0026】
このように、各フレキシブルダイ10a、10bをマグネットシリンダ11a、11bに装着することにより、それぞれのパターンP1、P2を対向させることができる。なお、各フレキシブルダイ10a、10bには、一対の位置決め孔21a、21bが形成されており(図2(a)および図3(a)参照)、この位置決め孔21a、21bをマグネットシリンダ11a、11bに設けられたピン(図示省略)に嵌合させることにより、各フレキシブルダイ10a、10bのマグネットシリンダ11a、11bに対する位置合わせを、正確且つ容易に行うことができる。
【0027】
さらに、マグネットシリンダ11a、11bを回転駆動させ、これら一対のマグネットシリンダ11a、11b間に、長尺状の加工対象シートSを通過させる(図7参照)。かかるマグネットシリンダ11a、11b間を通過することにより、加工対象シートSは連続的にエンボス加工される。
【0028】
具体的には、図1に示すように、一方のフレキシブルダイ10aの第1凸部13aと、他方のフレキシブルダイ10bの第1凸部14aとが、加工対象シートSに圧接される。このとき、加工対象シートSは、両方の第1凸部13a、14aに挟まれ圧接されることから、これら両方の第1凸部13a、14aの協働により、加工対象シートSが延伸された状態で凸部14a間にわたって掛け渡され、加工対象シートSに第1エンボス部としての水平部分S1を形成する。
【0029】
しかも、一方のフレキシブルダイ10aの第1凸部13aは、他方のフレキシブルダイ10bの第1凸部14a間にわたって掛け渡された加工対象シートSを下方に押圧する。この第1凸部13aの押圧により水平部分S1の周囲に、下向きの段差部S2を形成することとなる。
【0030】
また、一方のフレキシブルダイ10aの第2凸部13bと、他方のフレキシブルダイ10bの第2凸部14baとが、シートSに圧接される。すなわち、加工対象シートSは両方の第2凸部13b、14b間に挟まれ圧接される。前記のように第1凸部13aは加工対象シートSを上方から下向きに押圧するが、凸部14bは加工対象シートSを下方から上向きに押圧することとなるため、互いに隣り合う凸部13aと凸部14bとの間は、加工対象シートSに傾斜部S3を形成する。
【0031】
しかも、一方のフレキシブルダイ10aの凸部13bは、他方のフレキシブルダイ10bの凸部14bによって上向きに架設された加工対象シートSを下方に押圧する。この凸部13bの押圧により傾斜部S3の上端部から延設された第2エンボス加工部S4の周囲(高部側)に、下方向に突出する段差部S5を形成することができる。
【0032】
この結果、互いに隣り合う水平部分S1と第2エンボス加工部S4は、同等の高さに突設されるとともに、水平部分S1の底部側と第2エンボス加工部S4の高部側との間には、水平部分S1から第2エンボス加工部S4に向けて次第に高くなる傾斜部S3が、環状に形成されることとなる。なお、傾斜部S3は、その傾斜角度が実際には小さいため、目視において傾斜面として確認し難くなっている。
【0033】
ここで、嵌合する凸部間のクリアランス、すなわち、一方のフレキシブルダイ10aの凸部13a、13bの内周面に対する他方のフレキシブルダイ10bの凸部14a、14bの外周面の間隔は、加工対象シートSの厚さの20%〜200%の範囲に設定されているのが好ましい。
【0034】
以上のように、エンボス加工された加工対象シートSは、例えば適宜工程で所定形状にハーフカットされたり、打ち抜き加工されたりする。なお、フレキシブルダイ10a、10bに、図示省略のハーフカット刃または打ち抜き刃を設けることも可能である。
【0035】
図8(a)に、前記エンボス加工方法により製造された加工対象シートSの一部を示す。かかる加工対象シートSは、中央に形成された水平部S1の上面と、第2エンボス加工部S4の上面とは、同等の高さに形成されている。しかしながら、傾斜部S3が傾斜していることは目視では認識し難く平面的に見え、しかも、段差部S5よりも段差部S2の方が高くなっているように認識される。
【0036】
この結果、加工対象シートSは、その周囲の加工されていないシート基材平面S6が最も低く見え、段差部S5により傾斜部S3が平面S6よりも高く見え、さらに、段差部S5の形成により傾斜部S3よりも水平部S1の方が高く見えることとなり、結果的に、加工対象シートSは、複数段(3段階)に高くエンボス加工されているように見える。
【0037】
また、前記加工対象シートSは、表裏反対にした場合には、中央の水平部S1が低くなっているように視認することが可能である。
【0038】
本実施の形態のフレキシブルダイ10a、10bは、それぞれフレキシブルベース12aに、同じ刃高の凸部13a、13b、14a、14bを形成する構成であるため、各フレキシブルダイ10a、10bの構造が簡単となり、製造も容易に行える。また、フレキシブルダイ10a、10bは、それぞれフレキシブルベース12aに、同じ刃高の凸部13a、13b、14a、14bを形成するにもかかわらず、加工対象シートSは、複数段にエンボス加工されているように見えることから、凸部13a、13b、14a、14bの高さを相違させる場合に比し、フレキシブルダイ10a、10bの厚さを薄くできる利点もあり、その結果、可撓性が損なわれず、フレキシブルダイ10a、10bとして最適である。
【0039】
しかも、かかるフレキシブルダイ10a、10bを使用することにより、加工対象シートSの凹凸量を最小に抑えることができ、加工対象シートSの延伸による強度低下も防止することができる。
【0040】
本実施の形態では、被加工面が3段階に高く見えるエンボス加工について例示したが、図8(b)に示すように、エンボス加工パターンP1、P2を3条の凸部13a〜13c(14a〜14b)を形成することにより、4段階に高く見えるエンボス加工を行うことができ、凸部をそれ以上に増加させることも可能である。
【0041】
また、エンボス加工の加工パターンP1、P2も矩形状に限定されるものではない。例えば、図9(a)に示すように星形状であっても。あるいは。図9(b)に示すように円形状であってもよい。
【0042】
また、図10に示すように加工対象シートSは、傾斜部S7と段差部S8とを交互に設けた波状に形成することも可能である。
【0043】
なお、本発明で使用される加工対象シートSは、紙、プラスチックシートなどの樹脂製シートをはじめ、裏面に剥離紙が貼着されたラベルなど種々のシートが使用できるものである。
【0044】
また、前記実施の形態では、ロータリ加工装置1に使用されるフレキシブルダイを例示したが、フレキシブルダイは、マグネットシリンダに装着して使用されるフレキシブルダイの他、マグネット(永久磁石)を備えていないローラに装着されるフレキシブルダイにも適用することができる。また、ローラにエンボス加工パターンP1、P2を形成したものであってもよい。また、ダイは平面的な一対の型であってもよい。
【0045】
また、加工対象シートSの高部側または底部側とは、かかる加工対象シートSを図1に示すように平面状態において便宜上表現したものであって、加工対象シートSを同図に対して90°回転させた直角方向においてエンボス加工することも可能である。かかる場合には、マグネットシリンダが垂直方向に平行に配置される。
【符号の説明】
【0046】
1 ロータリ加工装置
10a 一方のフレキシブルダイ
10b 他方のフレキシブルダイ
13a 第1凸部(エンボス加工刃)
13b 第2凸部(エンボス加工刃)
14a 第1凸部(エンボス加工刃)
14b 第2凸部(エンボス加工刃)
P1 エンボス加工パターン
P2 エンボス加工パターン
S 加工対象シート
S1 水平部分(第1エンボス部)
S2 段差部
S3 傾斜部
S4 第2エンボス部
S5 段差部
S6 平面
S7 傾斜部
S8 段差部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にエンボス加工刃が設けられた一対のダイを対向配置し、これら一対のダイにより加工対象シートを凹凸形成によるエンボス加工を行う加工対象シートのエンボス加工方法であって、
前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接することを特徴とする加工対象シートのエンボス加工方法。
【請求項2】
表面にエンボス加工刃が設けられた一対のダイを、回転自在に対向配置し、これら一対のダイ間に加工対象シートを通過させて凹凸形成によるエンボス加工を行う加工対象シートのエンボス加工方法方法であって、
前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接することを特徴とする加工対象シートのエンボス加工方法。
【請求項3】
一対のローラにそれぞれ巻き付けられるフレキシブルベースと、互いに対向配置されるエンボス加工パターンとを備え、該エンボス加工パターン間に加工対象シートを通過させてエンボス加工を行うフレキシブルダイにおいて、
前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接するエンボス加工刃を備えていることを特徴とするフレキシブルダイ。
【請求項4】
前記請求項3に記載のフレキシブルダイにおいて、前記エンボス加工パターンに対応するエンボス加工刃は、環状凸部が内外に複数条形成されてなり、一方のフレキシブルベースに形成されたエンボス加工刃は、他方のフレキシブルベースに形成されたエンボス加工刃の外周面に対して間隔を有して嵌り合う構成であることを特徴とするフレキシブルダイ。
【請求項1】
表面にエンボス加工刃が設けられた一対のダイを対向配置し、これら一対のダイにより加工対象シートを凹凸形成によるエンボス加工を行う加工対象シートのエンボス加工方法であって、
前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接することを特徴とする加工対象シートのエンボス加工方法。
【請求項2】
表面にエンボス加工刃が設けられた一対のダイを、回転自在に対向配置し、これら一対のダイ間に加工対象シートを通過させて凹凸形成によるエンボス加工を行う加工対象シートのエンボス加工方法方法であって、
前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接することを特徴とする加工対象シートのエンボス加工方法。
【請求項3】
一対のローラにそれぞれ巻き付けられるフレキシブルベースと、互いに対向配置されるエンボス加工パターンとを備え、該エンボス加工パターン間に加工対象シートを通過させてエンボス加工を行うフレキシブルダイにおいて、
前記加工対象シートに、少なくとも互いに隣り合う第1エンボス部と第2エンボス部とを同等高さに突設するとともに、第1エンボス部の低部側と第2エンボス部の高部側とを傾斜部で連接するエンボス加工刃を備えていることを特徴とするフレキシブルダイ。
【請求項4】
前記請求項3に記載のフレキシブルダイにおいて、前記エンボス加工パターンに対応するエンボス加工刃は、環状凸部が内外に複数条形成されてなり、一方のフレキシブルベースに形成されたエンボス加工刃は、他方のフレキシブルベースに形成されたエンボス加工刃の外周面に対して間隔を有して嵌り合う構成であることを特徴とするフレキシブルダイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−188608(P2010−188608A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35118(P2009−35118)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(391002568)株式会社塚谷刃物製作所 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(391002568)株式会社塚谷刃物製作所 (14)
【Fターム(参考)】
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