説明

加工木材反転装置

【課題】 従来の木材反転装置では、重い加工木材Bが回転する時の振動で落下して危険であるとともに、構成が複雑であるという問題があった。
【解決手段】 第1のローラ搬送装置1は被加工木材を加工して、下面に印字された加工木材が搬送され、チェイン4aは第1のローラ搬送装置1を直角方向に横切るように移動する第1の横移動装置4が装着され、この第1の横移動装置4のチェインに突出部4bが固着され、又、第1のローラ搬送装置1の側部に支持部材5で支持された回転軸6に複数の半回転部材7が間隔を開けてそれぞれ固着され、半回転部材7の下部に、半回転部材7の回転円弧より僅かに大きい円弧からなる反転搬送装置13が装着され、この反転搬送装置13は両端に装着されたプーリー13a、13bに掛けられたベルト13cが第3のモータ14で駆動されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工された木材を180度反転する加工木材反転装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、加工装置で加工した後に、加工木材をコンベアで搬送して印字する場合、コンベア上に載置された加工木材の下面に印字しているが、この印字された加工木材の印字を見やすくするために、天地反転をしなければならないが、重い加工材を反転する天地反転作業は非常に重労働であり、加工機があるために足場も悪く、作業が困難であるという問題があり、従来の加工木材反転装置としては、図6に示すように、コンベアAで搬送された加工木材Bを回転軸Cに背中合わせに装着された回転爪部D、Eで持ち上げ、モータGを駆動することにより回転軸Cを回転して回転爪部D、Eを回転し、加工木材Bを反転して搬出コンベアFから搬出するように構成している。
【0003】
しかしながら、この従来の木材反転装置では、回転爪部D、Eで加工木材B反転する場合、回転爪部D、Eに加工木材Bを単に載置しているだけであるので、重い加工木材Bが回転する時の振動で落下して危険であるとともに、構成が複雑であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−161415号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、従来の木材反転装置では、重い加工木材Bが回転する時の振動で落下して危険であるとともに、構成が複雑であるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、加工木材を搬送する第1の搬送装置と、該第1の搬送装置で搬送された前記加工木材を前記第1の搬送装置に直交する方向に移動する第1の横移動装置と、前記第1の搬送装置の側面に装着された支持部材によって支持され、前記第1の横移動装置により搬送された前記加工木材を載置した状態で半回転する半回転部材と、該半回転部材の下方に前記半回転部材と間隙を開けて前記半回転部材の中心を中心とする円弧にローラを設けた円弧搬送部材とからなり、前記第1の搬送装置で搬送された加工木材を前記第1の横移動装置で前記半回転部材に載置すると、前記半回転部材が回動し、前記半回転部材に載置された加工木材が下降することによって、前記加工木材の側面が前記円弧搬送部材の前記ローラ面に接触して、前記加工木材を180度回動して搬送するものであり、又、前記第1の搬送装置と並行に第2の搬送装置及び第2の横移動装置を装着し、前記第1の搬送装置及び前記第1の横移動装置によって搬送された下降木材と、前記第2の搬送装置及び前記第2の横移動装置によって搬送された下降木材とを前記円弧搬送部材によって適宜180度反転して搬送するものであり、さらに 前記円弧搬送部材に前記第1の搬送部材とほぼ同じ高さに搬出する第3の搬送装置を連結するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、第1の搬送装置で搬送された加工木材は第1の横移動部材で半回転部材上に搬送され、半回転部材上に搬送された加工木材は、半回転部材が回動することによって180度回動して落下するので、落下した加工木材は円弧搬送部材で搬送されるので、回動する時間が短くなり、作業効率が向上するという利点があり、さらに、円弧搬送部材を夾んで第2の搬送装置及び第2の横移動部材を設けることにより、第1、第2の搬送装置及び第1,第2の横移動部材によって搬送された加工木材は1つの半回転部材で落下され、円弧搬送部材で搬送されるので、加工木材の反転及び搬送を効率よく行うことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は本発明の実施例の加工木材反転装置の平面図である。
【図2】図2は図1の実施例の加工木材反転装置の側面図である。
【図3】図3は図1及び図2の実施例の動作説明図である。
【図4】図4は図3の実施例の加工木材反転装置の側面図である。
【図5】図5は図4の他の実施例の加工木材反転装置の側面図である。
【図6】図6は従来のNCルータの加工装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明では、第1の搬送装置で搬送された加工木材を第1の搬送装置と直交する方向に第1の横移動装置で移動し、第1の搬送装置の側面に装着された支持部材によって支持され、第1の横移動装置により搬送された前記加工木材を載置した状態で半回転部材を半回転することによって加工木材を半回転し、半回転部材の下方に半回転部材と間隙を開けて前記半回転部材の中心を中心とする円弧にローラを設けた円弧搬送部材で加工木材を搬送するものである。
【実施例】
【0010】
図1は本発明の実施例の加工木材反転装置の平面図、図2は図1の加工木材反転装置の側面図で、複数のローラ1aが回転される第1のローラ搬送装置1は被加工木材を加工して、下面に印字された加工木材が搬送され、第1のローラ搬送装置1の側部に固着された支持部材2に第1のモータ3が支持され、この第1のモータ3の回転軸にチェイン4aが連結され、このチェイン4aが第1のローラ搬送装置1を直角方向に横切るように移動する第1の横移動装置4が装着され、この第1の横移動装置4のチェイン4aに突出部4bが固着され、又、第1のローラ搬送装置1の側部(図1の平面図右側)に支持部材5で支持された回転軸6に複数の半回転部材7が間隔を開けてそれぞれ固着され、この半回転部材7は上面の一端にストッパ7aが突出して固着され、又、半回転部材7の下面半回転部材の対向する端部にストッパ7bが突出して固着され、この半回転部材7の回転軸8にプーリー9が固着され、このプーリー9にベルト10が掛けられ、このベルト10は第2のモータ11の回転軸に固着されたプーリー12に掛けられ、さらに、半回転部材7の下部に、半回転部材7の回転円弧より僅かに大きい円弧からなる反転搬送装置13が装着され、この反転搬送装置13は両端に装着されたプーリー13a、13bに掛けられ、プーリー13aの回転軸14aにプーリー14bが固着され、このプーリー14bにかけられたベルト14cが第3のモータ14で駆動され、さらに、反転搬送装置13に第1のローラ搬送装置1の高さに加工木材を搬送する複数列の第1の搬出装置15が連結され、この第1の搬出装置15は両端に装着されたプーリー15a、15bにベルト15cが掛けられ、プーリー15bの回転軸15dが第4のモータ16で駆動され、又、複数列の第1の搬出装置15のそれぞれに第2の搬出装置17が連結され、この第2の搬出装置は複数のローラ18上を順次搬送された加工木材で押し出すように搬出される。
【0011】
このように構成された本発明の加工木材の反転装置では、まず、被加工木材を加工して、下面に印字された加工木材19が第1のローラ搬送装置1で搬送され、さらに、第1のサーボモータ3の駆動により第1のローラ搬送装置1を横切る第1の横移動装置4で駆動して、図3(a)に示すように、半回転部材7の図の左端に載置されると、半回転部材7は第2のモータ11の駆動により回転を初め、図3(b)に示すように、半回転部材7が傾斜すると、加工木材19が滑って半回転部材7の右端に移動し、半回転部材7のストッパ7aで停止し、さらに、半回転部材7が回転すると、図3(c)に示すように、加工木材19は半回転部材7の上に載置されたまま回転し、さらに半回転部材7が回転して、図3(d)、図3(e)に示すように、加工木材19の半回転部材7のストッパ7aの上に載置されたまま回動し、図3(f)に示すように、加工木材19が半回転部材7のストッパ7aから外れると、加工木材19の上部が反転装置13の上に落下し、図3(g)に示すように、加工木材19は反転搬送装置13の上を搬送され、半回転部材7はさらに回転して図3(a)の状態に戻るが、半回転部材7は上下が反対の状態になる。
【0012】
本発明は、このように、第1のローラ搬送装置1で搬送された加工木材19は、第1の横移動装置4で半回転部材7の上に載置され、半回転部材7の回転で加工木材19の上面が反転搬送装置13の搬送面に接触されるので、反転搬送装置13で搬送された加工木材19は底面が上面に向けられるので、底面の印字が見易くなるという利点がある。
【0013】
図3は本発明の他の実施例の加工木材反転装置の平面図、図4は図1の加工木材反転装置の側面図で、1は第1のローラ搬送装置、2は支持部材、3は第1のサーボモータ、4は第1の横移動装置、5は支持部材、6は回転軸、7は半回転部材、8は回転軸、9はプーリー、10はベルト、11は第2のサーボモータ、12はプーリー、13は反転搬送装置、14は第3のモータ、15は第1の搬出装置、16は第4のモータ、17は第2の搬出装置、18はローラ、19は加工木材であり、これらの構成は上記実施例と同じであるので説明は省略するが、本実施例では、このように、第1のローラ搬送装置1に並行に複数のローラ20aを回転して搬送する第2のローラ搬送装置20が装着され、第2のローラ搬送装置20の側部に固着された支持部材21に第5のモータ22が支持され、この第5のモータ22の回転軸に連結された回転軸23にチェイン24aが連結され、このチェイン24aは第2のローラ搬送装置20を直角方向に横切るように移動する第2の横移動装置24が装着され、この第2の横移動装置24のチェイン24aに突出部24bが固着されている。
【0014】
このように構成した本実施例では、第1のローラ搬送装置1で搬送された加工木材と第2のローラ搬送装置20で搬送された加工木材を反転搬送装置13で順次搬送できるので、非常に効率が良いという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0015】
なお、上記実施例では、プレカットした加工木材の番付を見易いように反転して搬送するので、搬送された加工木材を簡単に仕分けすることができる。。
【符号の説明】
【0016】
1 第1のローラ搬送装置
2 支持部材
3 第1のモータ
4 第1の横移動装置
5 支持部材
6 回転軸
7 半回転部材
8 回転軸
9 プーリー
10 ベルト
11 第2のモータ
12 プーリー
13 反転搬送装置
14 第3のモータ
15 第1の搬出装置
16 第4のモータ
17 第2の搬出装置
18 ローラ
19 加工木材
20 第2のローラ搬送装置
21 支持部材
22 第5のモータ
23 第2の横移動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工木材を搬送する第1のローラ搬送装置と、該第1のローラ搬送装置で搬送された前記加工木材を前記第1のローラ搬送装置と直交する方向に移動する第1の横移動装置と、前記第1のローラ搬送装置の側面に装着された支持部材によって支持され、前記第1の横移動装置により搬送された前記加工木材を載置した状態で半回転する半回転部材と、該半回転部材の下方に前記半回転部材と間隙を開けて前記半回転部材の中心を中心とする円弧にローラを設けた円弧搬送部材とからなり、前記第1の搬送装置で搬送された加工木材を前記第1の横移動装置で前記半回転部材に載置すると、前記半回転部材が回動し、前記半回転部材に載置された加工木材が下降することによって、前記加工木材の上面が前記円弧搬送部材の前記ローラ面に接触して、前記加工木材を180度回動して搬送すること特徴とする加工木材反転装置。
【請求項2】
前記第1のローラ搬送装置と並行に第2のローラ搬送装置及び第2の横移動装置を装着し、前記第1のローラ搬送装置及び前記第1の横移動装置によって搬送された加工木材と、前記第2のローラ搬送装置及び前記第2の横移動装置によって搬送された加工木材とを前記円弧搬送部材によって適宜180度反転して搬送することを特徴とする請求項1記載の加工木材反転装置。
【請求項3】
前記円弧搬送部材に前記第1のローラ搬送部材とほぼ同じ高さに搬出する第1の搬出装置を連結することを特徴とする請求項1又は2記載の加工木材反転装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−20835(P2011−20835A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169443(P2009−169443)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000154624)株式会社平安コーポレーション (20)
【Fターム(参考)】