説明

加湿器

【課題】給水が必要な状態であることをユーザーに確実に知らせる。
【解決手段】空気調和機は、水を貯留する貯水容器と、貯水容器内の水面高さを検知する検知部と、給水すべき給水必要状態であることを報知する報知部と、検知部による検知結果に基づいて報知部を制御する制御部と、加湿運転を自動的に開始する予約開始時間を設定する予約手段とを備える。制御部は、予約開始時間の設定時に、検知部により検知される貯水容器内の水面高さが所定高さ未満の場合に、給水必要状態を報知するように報知部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿運転を開始する時間を予約できる加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、貯水容器に溜められた水を利用して、室内の加湿を行う加湿器がある。例えば、特許文献1(特開2003−97829号公報)に開示されている加湿器では、水槽部(貯水容器)に着脱可能な給水タンクから水槽部に水が供給され、水槽部内の水に浸された気化フィルタを空気が通過することで加湿空気が生成され、この生成された加湿空気によって室内が加湿される。水槽部内には、水面高さを検知する検知手段が設けられており、水槽部内の水面高さが所定高さ未満であることが検知されると、ブザーやランプによってユーザに給水が必要な状態であることを知らせるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−97829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来から、加湿器には、加湿運転を開始する時間を予約できるタイマー機能を有するものがある。この加湿器では、設定された予約開始時間になると、水槽部内の水面高さに応じて、ユーザに給水が必要な状態であることを報知する。
【0005】
しかしながら、設定された予約開始時間には、ユーザーが加湿器のそばにいない場合がある。この場合、ユーザーがブザーやランプに気付かず、給水が行われないため、加湿運転が開始されないという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、給水が必要な状態であることをユーザーに確実に知らせることができる加湿器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る加湿器は、水を貯留する貯水容器と、前記貯水容器内の水面高さを検知する検知手段と、給水すべき給水必要状態であることを報知する報知手段と、前記検知手段による検知結果に基づいて前記報知手段を制御する制御手段と、加湿運転を自動的に開始する予約開始時間を設定する予約手段とを備え、前記制御手段は、予約開始時間の設定時に、前記検知手段により検知される前記貯水容器内の水面高さが所定高さ未満である場合に、給水必要状態を報知するように前記報知手段を制御することを特徴とする。
【0008】
この加湿器では、予約開始時間を設定するときに、給水必要状態を報知するため、予約開始時間になったときに給水必要状態を報知する場合に比べて、ユーザーに給水が必要なことを確実に知らせることができる。
【0009】
第2の発明に係る加湿器は、第1発明において、前記制御手段は、予約開始時間の設定時に給水必要状態を報知するように前記報知手段を制御した後、予約開始時間になるまでの間に、前記貯水容器内の水面高さが所定高さ以上になった場合に、給水必要状態の報知を停止するように前記報知手段を制御することを特徴とする。
【0010】
この加湿器では、予約開始時間になるまでに給水が行われた場合に、給水必要状態の報知を停止できる。
【0011】
第3の発明に係る加湿器は、第1または第2の発明において、前記報知手段は、給水必要状態を音声で報知する音声報知手段を有することを特徴とする。
【0012】
この加湿器では、給水必要状態を音声で報知するため、ユーザーが加湿器を見ていなくても、ユーザーに給水必要状態であることを知らせることができる。
【0013】
第4の発明に係る加湿器は、第3の発明において、前記制御手段は、運転中に給水必要状態を音声で報知した後において音声ガード時間が経過するまでは給水必要状態を音声で報知させないように、前記音声報知手段を制御するガード時間モードを有し、給水必要状態を音声で報知した後で音声ガード時間が経過するまでに予約開始時間が設定される場合、前記ガード時間モードを解除することを特徴とする。
【0014】
この加湿器では、ガード時間モードを有することで、運転中に、給水必要状態が音声で報知された後、音声ガード時間が経過するまでの間は、再度、給水必要状態を音声で報知されるのを防止できる。したがって、例えば手動で風量タップが変更された場合に、ファン風量の増減によって、貯水容器内の水面高さが上下して給水必要状態が音声で何度も報知されるのを防止できる。
また、運転中に予約開始時間を設定する場合には、ガード時間モードが解除されるため、予約設定時にユーザーに給水必要状態であることを知らせることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0016】
第1の発明では、予約開始時間を設定するときに、給水必要状態を報知するため、予約開始時間になったときに給水必要状態を報知する場合に比べて、ユーザーに給水が必要なことを確実に知らせることができる。
【0017】
第2の発明では、予約開始時間になるまでに給水が行われた場合に、給水必要状態の報知を停止できる。
【0018】
第3の発明では、給水必要状態を音声で報知するため、ユーザーが加湿器を見ていなくても、ユーザーに給水必要状態であることを知らせることができる。
【0019】
第4の発明では、ガード時間モードを有することで、運転中に、給水必要状態が音声で報知された後、音声ガード時間が経過するまでの間は、再度、給水必要状態を音声で報知されるのを防止できる。したがって、例えば手動で風量タップが変更された場合に、ファン風量の増減によって、貯水容器内の水面高さが上下して給水必要状態が音声で何度も報知されるのを防止できる。
また、運転中に予約開始時間を設定する場合には、ガード時間モードが解除されるため、予約設定時にユーザーに給水必要状態であることを知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る空気清浄機の外観斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る空気清浄機の外観斜視図である。
【図3】ケーシング内部を説明するための空気清浄機の斜視図である。
【図4】水トレイの本体への収納状態を説明するための斜視図である。
【図5】水トレイの本体への収納状態を説明するための斜視図である。
【図6】加湿ユニットの正面図である(水タンク及びロータ駆動部は省略)。
【図7】水トレイにおける水面高さの検知を説明するための空気清浄機の断面図である。
【図8】水トレイが本体に収納されている時の検知部の状態を説明するための断面図である。
【図9】水トレイが本体に収納されていない時の検知部の状態を説明するための断面図である。
【図10】空気清浄機の制御部の制御ブロック図である。
【図11】運転停止中に入タイマを設定した場合における空気清浄機の制御の一例を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る空気清浄機において、加湿運転開始時における動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2実施形態に係る空気清浄機において、加湿運転開始から所定時間が経過した後の加湿運転時における動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2実施形態に係る空気清浄機において、空気清浄機の制御の一例を示す図である。
【図15】加湿運転中に入タイマを設定した場合における空気清浄機の制御の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
以下、本発明が適用される加湿器の一例として、加湿機能を持つ空気清浄機1について説明する。なお、本発明は、空気清浄機能を必須の構成要素とするものではなく、空気清浄機能のない加湿器にも適用することができるものである。
【0022】
(1)空気清浄機の全体構成
本発明の第1実施形態に係る空気清浄機1の全体構成の概要を図1及び図2に示す。図1は、空気清浄機1の背面に向かって左上方から見た斜視図である。図2は、図1の空気清浄機1において、水タンク31が取り外される様子を示す図である。この空気清浄機1は、加湿機能及び空気清浄機能を有しており、加湿を行わずに空気清浄のみを行う空気清浄運転と、加湿と空気清浄とを同時に行う加湿運転とが可能である。
【0023】
空気清浄機1は、本体20と、必要に応じて本体20から取り外すことが可能な加湿ユニット30とを備えている。また、空気清浄機1は、水トレイ40内の水面高さを検知する検知部70を有する。この空気清浄機1は、本体20の所定位置に水タンク31及び水トレイ40が収納されることで、図1に示すように、一体性のあるコンパクトな構成となっている。また、本体20は、主に、ケーシング21、空気清浄ユニット25、送風機26及び制御部60(図10参照)を有している。以下に、空気清浄機1を構成する各部材について説明する。
【0024】
(2−1)ケーシング
ケーシング21は、本体20の外郭を構成している。また、ケーシング21には、本体20の有する各構成部材及び制御部60が収納されている。さらに、ケーシング21は、後述するファンケーシング29と共に、タンク用収納部S1と、トレイ用収納部S2とを構成している。タンク用収納部S1は、本体20から着脱可能な水タンク31を収納するための空間である。トレイ用収納部S2は、本体20から着脱可能な引き出し式の水トレイ40を収納するための空間である。
【0025】
ケーシング21の上部には、操作パネル80が設けられている。操作パネル80には、「運転入/切」スイッチと、「運転切換」スイッチと、「入タイマー」スイッチなどが設けられている。
【0026】
本実施形態の空気清浄機1は、加湿運転を行うモードと、空気清浄運転を行うモードと、水トレイ40内の水面高さに基づいて加湿運転と空気清浄運転とが自動的に切り換わる自動運転モードと有している。「運転切換」スイッチは、これら3つの運転モードを切り換えるためのものである。
【0027】
「入タイマー」スイッチは、加湿運転または空気清浄運転を自動的に開始する予約開始時間を設定するためのものである。例えば、「入タイマー」スイッチを押す回数によって、予約運転を開始するまでの時間を、複数の選択枝(例えば2時間、4時間、6時間)から選択できるようになっている。予約開始時間を設定(以下、入タイマー設定という)した後、「入タイマー」スイッチを操作することえで、予約運転開始時間を変更できる。予約開始時間になると開始されるタイマー運転の運転モードは、タイマー運転の直前の運転モードと同じである。また、入タイマー設定は、運転停止中だけでなく運転中でも可能である。
【0028】
また、ケーシング21には、図1に示すように、水タンク31への給水が必要な状態(給水必要状態)であることをユーザに報知するための報知部90が設けられている。報知部90は、点灯することで給水必要状態を報知するLEDと、音声で給水必要状態を報知するブザー(音声報知手段)とを有している。
【0029】
(2−2)空気清浄ユニット
空気清浄ユニット25は、主として、プレフィルタと、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタと、脱臭エレメントとを有している。また、これらは、空気の流れ方向に、プレフィルタ、HEPAフィルタ、脱臭エレメントの順に並んで配置されている。これにより、空気清浄ユニット25では、まず、プレフィルタによって大きな塵埃が取り除かれる。次に、HEPAフィルタによって、さらに微細な塵埃が取り除かれる。さらに、HEPAフィルタを通過した空気は、活性炭などを含む脱臭エレメントによって、ホルムアルデヒドや臭い成分等が分解されたり吸着されたりする。
【0030】
(2−3)送風機
図3は、図1から、ケーシング21(操作パネル80を除く)と、水タンク31と、空気清浄ユニット25とを取り除いた状態の空気清浄機1を示している。図4及び図5は、図3から、更に、加湿ロータ50と操作パネル80とを取り除いた状態の空気清浄機1を示している。なお、図4は、本体20に水トレイ40が収納されている時の水トレイ40とファンケーシング29との位置関係を示している。
【0031】
送風機26は、送風機駆動モータ27(図10参照)により駆動されるファン28と、ファンケーシング29とを備えるシロッコファンであって、吸い込み口21aから吹き出し口21bに至る空気の流れを生成する(図3、図4及び図5参照)。例えば、空気清浄機1が加湿運転を行っている場合には、吸い込み口21aから吸い込まれた室内空気は、空気清浄ユニット25で塵埃や臭い成分等が取り除かれた後に加湿ユニット30で加湿され、加湿された清浄な空気が、送風機26から吹き出し口21bを介して室内に吹き出される。なお、送風機駆動モータ27の駆動は、後述する制御部60によって制御される。
【0032】
(2−4)加湿ユニット
加湿ユニット30は、主として、水タンク31と、水トレイ40と、加湿ロータ50と、ロータ駆動部38とを備えている。また、加湿ロータ50は水トレイ40の所定位置に配置されているため、水トレイ40が本体20から引き出されると、加湿ロータ50も同様に、本体20から引き出されることになる。
【0033】
(2−4−1)水タンク
水タンク31は、本体20から着脱可能であり(図1及び図2参照)、本体20に装着される場合には本体20のタンク用収納部S1に収納される。また、水タンク31の下部には注水口(図示せず)が設けられており、水トレイ40内の水面高さの低下により、水タンク31内の水が注水口を介して水トレイ40内に流出する。
【0034】
(2−4−2)水トレイ
図6は、空気清浄機1を正面から見た時の加湿ユニット30の正面図であって、加湿ユニット30から水タンク31及びロータ駆動部38を省略した図である。図7(a)は、水トレイ40が本体20に収納されている時の空気清浄機1の部分縦断面図であって、水トレイ40の備えるフロート45が水に浮いている状態、すなわち、水トレイ40内の水が不足していない時のフロート45の状態を示す図である。図7(b)は、水トレイ40が本体20に収納されている時の空気清浄機10の部分縦断面図であって、水トレイ40内の水が不足している時のフロート45の状態を示す図である。
【0035】
水トレイ40は、加湿ロータ50を通過する空気に供給する水を貯留する。なお、水トレイ40内に貯留される水の供給源は、上述の水タンク31である。
【0036】
水トレイ40は、図4、図5、図6及び図7に示すように、水受け部41と、ロータ浸漬部42と、仕切壁43と、軸受部44と、フロート45とを備えている。
【0037】
水受け部41は、水タンク31の下に配置されている。ロータ浸漬部42は、加湿ロータ50の下部に配置されており、ロータ浸漬部42内に溜められている水が後述する限界水位以上である場合には、加湿ロータ50の下部がロータ浸漬部42内の水に浸漬される。また、水受け部41とロータ浸漬部42とは、水トレイ40に貯留される水を仕切る仕切壁43で仕切られている。仕切壁43の下部には、水受け部41からロータ浸漬部42に通じる開口(図示せず)が設けられており、水タンク31から水受け部41に供給された水が、開口を介してロータ浸漬部42に供給される。これにより、水受け部41の水面高さとロータ浸漬部42との水面高さとは、略同一となる。
【0038】
軸受部44は、ロータ浸漬部42の側壁から上方に延びており、加湿ロータ50の回転軸50aを受けるように設けられている。
【0039】
フロート45は、水トレイ40の水受け部41内に配置されており、水受け部41内に溜められた水に浮くことができる。また、フロート45は、一方の端部45aが水受け部41内に支持軸46で回動可能に支持されており、水受け部41内の水面高さに応じて、支持軸46を中心に回動する。このため、フロート45において、支持軸46で支持されている端部45aとは反対側の端部45bが、水受け部41内の水面高さに応じて、上下方向に移動することとなる(図7参照)。
【0040】
(2−4−3)加湿ロータ
加湿ロータ50は、水トレイ40から供給される水を空気中通過する空気に供給する機能を有する。これにより、吸い込み口21aから吸い込まれ、空気清浄ユニット25で清浄された空気が加湿ロータ50を通過することによって、室内に加湿された清浄な空気を供給することができる。本実施形態では、脱臭エレメントを通過した空気が加湿ロータ50を通過する際に、加湿ロータ50から空気中に水分が放出されることで、空気が加湿されている。
【0041】
また、加湿ロータ50は、その中心部に位置する回転軸50aを介して、軸受部44に着脱可能かつ回転可能に支持されている。なお、本実施形態では、空気清浄機1において加湿運転が行われている場合にのみ、加湿ロータ50が回転される。すなわち、空気清浄機10において空気清浄運転が行われている場合には、加湿ロータ50の回転は停止しており、加湿ロータ50に水トレイ40から水が供給されなくなる。このため、加湿ロータ50の回転停止後には、加湿ロータ50が吸着していた水が気化して、加湿ロータ50が乾燥する。
【0042】
加湿ロータ50は、図6に示すように、気化フィルタ51と、フレーム52とを備えており、回転することによって水トレイ40内に溜められている水を汲み上げることができる。
【0043】
フレーム52は、円形状の枠体53と、複数の水供給部54を有している。枠体53には、水供給部54が設けられている位置と一致する位置に、開口(図示せず)が設けられている。水供給部54は、枠体53の外縁部に設けられている。また、複数の水供給部54は、それぞれ、枠体53の外縁部に等間隔に配置されている。さらに、水供給部54は、内部に水を溜めることが可能なように凹状に形成されており、加湿ロータ50の回転により、それぞれの水供給部54が順次水トレイ40内に浸水した後上昇し、また、浸水するといった動作を繰り返すことになる。水供給部54が浸水することで水供給部54内に水が流入し、水供給部54が上昇することで水供給部54内に溜まった水が、枠体53に形成されている開口を介して気化フィルタ51に向かって流れる。これにより、気化フィルタ51に水が供給される。
【0044】
気化フィルタ51は、円形状のハニカム構造体であり、水供給部54によって供給される水を吸着する。また、気化フィルタ51の外側には、フレーム52に設けられている回転軸50aが気化フィルタ51の中心部に位置するように、フレーム52が配置されている。なお、加湿ロータ50の回転軸50aが軸受部44に支持されている状態で、気化フィルタ51の最下部は水トレイ40内の水の満水位置よりも上方に位置している。このように、気化フィルタ51は、水トレイ40内に浸水しないように設計されている。
【0045】
(2−4−4)ロータ駆動部
ロータ駆動部38は、ロータ駆動モータ32(図10参照)と駆動ギア(図示せず)とを有しており、上述のように、本体20側に配置されている。具体的には、ロータ駆動モータ32と駆動ギアは、ファンケーシング29の所定位置に固定されている。ロータ駆動モータ32は、後述する制御部60によって駆動制御される。また、駆動ギアは、ロータ駆動モータ32の駆動によって、回転される。なお、駆動ギアは、水トレイ40がケーシング21のトレイ用収納部S2に収納されている状態で、駆動ギアの歯と枠体53の外周に設けられているギアの歯53a(図3参照)とが噛み合う位置に配置されている。このため、加湿ロータ50は、ロータ駆動モータ32の駆動によって駆動ギアが回転することで、回転軸50aを中心に回転するようになっている。
【0046】
(2−5)検知部
検知部70は、水トレイ40内の水面高さを検知するとともに、本体20に対する水トレイ40の着脱状態を検知する。検知部70は、図6に示すように、水トレイ40の移動に伴って移動する移動体71と、本体20の所定位置に固定されている検知素子72とを有する。
【0047】
図8は、空気清浄機1の縦断面図であって、水トレイ40が本体20に収納されている時の検知素子72と移動体71との位置関係を示している。図9は、空気清浄機1の縦断面図であって、水トレイ40が本体20に収納されていない時の検知素子72と移動体71との位置関係を示している。なお、図8及び図9では、水トレイ40の収納状態と、検知素子72及び移動体71の位置関係とを説明しやすくするため、水トレイ40と本体20(ファンケーシング29)との2箇所の断面を示している。
【0048】
移動体71は、磁石であって、フロート45の端部45bに固定されている。これにより、本体20に対する水トレイ40の位置が変化することで、検知素子72に対する移動体71の位置が変化するとともに、水トレイ40内の水面高さが下がることによってフロート45の端部45bの位置が変化することで、検知素子72に対する移動体71の位置が変化する。
【0049】
検知素子72は、移動体71からの距離に依拠して移動体71の検知を行うリードスイッチであって、移動体71からの磁界の影響を受けてオン・オフする接点部(図示せず)を含む。また、検知素子72は、本体20において、本体20のトレイ用収納部S2に水トレイ40が収納された状態で、フロート45が水に浮いた状態にある場合には移動体71を検知可能であり(図7(a)参照)、フロート45の端部45bが下がった状態にある場合には移動体71を検知できない位置(図7(b)参照)に配置されている。さらに、検知素子72は、本体20において、水トレイ40がトレイ用収納部S2に収納されていない状態である場合には、移動体71を検知できない位置に配置されるように設計されている(図9参照)。なお、図7、図8及び図9では、検知素子72が、移動体71を検知可能な領域の境界部分を一点鎖線で示している。
【0050】
このような構成によって、検知素子72は、本体20のトレイ用収納部S2に水トレイ40が収納された状態で、水トレイ40内の水面高さが所定高さ以上の場合には、オン信号を制御部60に送信し、水トレイ40内の水面高さが所定高さ未満の場合、または、本体20のトレイ用収納部S2に水トレイ40が収納されていない状態である場合には、オフ信号を制御部60に送信する。
【0051】
(2−6)制御部
制御部60は、複数の電装品から構成されており、空気清浄運転や加湿運転が行われるように、空気清浄機1の備える各種機器の動作を制御する。具体的には、制御部60は、操作パネル80を介して入力される制御信号に基づいて、ファン28及び加湿ロータ50等の駆動を制御する。制御部60は、図10に示すように、判断部61と、駆動制御部62とを備えている。
【0052】
判断部61は、加湿運転中および加湿運転を開始しようとするときに、検知部70(検知素子72)から送信されるオン・オフ信号に基づいて、給水必要状態を報知するか否かを判断する。具体的には、判断部61は、検知部70からのオフ信号が所定時間(例えば20秒)継続した場合に、給水必要状態を報知すると判断し、検知部70からのオン信号が所定時間(例えば20秒)継続した場合に、給水必要状態の報知を解除すると判断する。
【0053】
また、判断部61は、入タイマー設定時に、検知部70(検知素子72)から送信されるオン・オフ信号に基づいて、ユーザに対して給水すべき給水必要状態であることを報知するか否かを判断する。具体的には、判断部61は、検知部70からのオフ信号が、入タイマー設定時から所定時間T1(例えば20秒)継続した場合に、給水必要状態を報知すると判断する。また、判断部61は、検知部70からのオン信号が所定時間T2(例えば20秒)継続した場合に、給水必要状態の報知を解除すると判断する。
なお、上述の判断部61の判断は、運転停止中に入タイマーを設定するときはもちろん、既に入タイマーが設定された状態で入タイマーを設定し直すときや、加湿運転中または空気清浄運転中に入タイマーを設定するときにも行われる。
【0054】
駆動制御部62は、空気清浄機1において空気清浄運転や加湿運転が行われるように、送風機26(ファン28)及び加湿ユニット30(加湿ロータ50)の駆動を制御する。
【0055】
また、駆動制御部62は、判断部61による判断に基づいて、報知部90を制御する。報知部90は、判断部61において給水必要状態を報知すると判断された場合に、LEDを点灯させることによって給水必要状態を報知すると共に、ブザーによる音声によって給水必要状態を報知する。
【0056】
以下、運転停止中に入タイマーを設定した場合の一例における空気清浄機1の動作を、図11を用いて説明する。
【0057】
時刻t1において、入タイマーが設定されると、判断部61は、検知部70からのオン・オフ信号に基づいて給水必要状態を報知するか否か判断する。図8では、判断部61は、時刻t1から所定時間T1だけ継続して、検知部70からのオフ信号を受けるため、給水必要状態を報知すると判断する。そして、時刻t2(t2=t1+T1)において、報知部90によって給水必要状態が報知される。
【0058】
また、図8では、時刻t3において、ユーザによってタンクへの給水が行われており、時刻t4において、検知部70はオン信号を出力するようになる。判断部61は、検知部70からのオン信号を、時刻t3から所定時間T2だけ継続して受けるため、時刻t5(t5=t4+T2)において、給水必要状態の報知が解除される。その後、予約開始時間である時刻t6になると、加湿運転または空気清浄運転が開始される。
【0059】
<本実施形態の空気清浄機の特徴>
本実施形態の空気清浄機1では、予約開始時間を設定するときに、給水必要状態を報知するため、予約開始時間になったときに給水必要状態を報知する場合に比べて、ユーザーに給水が必要なことを確実に知らせることができる。
【0060】
また、本実施形態では、入タイマー設定時に給水必要状態を報知した後、予約開始時間になるまでの間に、水トレイ40内の水面高さが所定高さ以上になった場合には、給水必要状態の報知が停止される。したがって、予約開始時間になるまでに給水が行われた場合に、給水必要状態の報知を停止できる。
【0061】
また、本実施形態では、給水必要状態をLEDとブザー音で報知している。音声で報知することによって、ユーザーが加湿器を見ていなくても、ユーザーに給水必要状態であることを知らせることができる。
【0062】
水トレイ40内の水面高さが所定高さ未満であって、ユーザーにより水タンク31への給水が行われた直後に、入タイマー設定を行った場合、入タイマー設定した時点では、水トレイ40内の水面高さが所定高さに達していない場合がある。本実施形態では、判断部61が入タイマー設定時から所定時間T1だけ継続して検知部70からのオフ信号を受けたときに、給水必要状態を報知するようになっているため、給水必要状態であることを正確に判断できる。
【0063】
また、本実施形態では、判断部61が所定時間T2だけ継続して検知部70からのオン信号を受けたときに、給水必要状態の報知を解除するようになっているため、給水必要状態でなくなったことを正確に判断できる。
【0064】
また、本実施形態では、検知部70によって、本体20に対する水トレイ40の着脱状態を検知することができるため、水トレイ40が本体20に収納されてない状態で加湿運転を行うのを防止できる。
【0065】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
【0066】
本実施形態の空気清浄機は、制御部の構成が第1実施形態の制御部60と異なっており、その他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0067】
本実施形態の判断部は、給水必要状態を報知することを判断する場合、加湿運転開始時(加湿運転開始から所定時間(例えば1分)が経過するまで)と、加湿運転時(加湿運転開始から所定時間が経過した後)で、異なる判断を行う。すなわち、加湿運転開始時において、判断部は、検知部70からのオフ信号が第1判断時間T3(例えば20秒)だけ継続した場合に、給水必要状態を報知すると判断する。また、加湿運転開始から所定時間が経過した後の加湿運転時(以下、所定時間経過後の加湿運転時という)において、判断部は、検知部70からのオフ信号が第1判断時間T3よりも長い第2判断時間T4(例えば5分)だけ継続した場合に、給水必要状態を報知すると判断する。このように、判断部は、所定時間経過後の加湿運転時において、加湿運転開始時と比べて、検知部70からのオフ信号が長い時間だけ継続した場合に、給水必要状態を報知すると判断する。
【0068】
一方、判断部は、給水必要状態の報知を解除することを判断する場合には、上記第1実施形態と同様に、加湿運転開始時と、所定時間経過後の加湿運転時で、同一の判断を行う。すなわち、加湿運転開始時及び所定時間経過後の加湿運転時において、判断部は、検知部70からのオン信号が第3判断時間T5(例えば20秒)だけ継続した場合に、給水必要状態の報知を解除すると判断する。
【0069】
また、入タイマー設定時の判断部の判断は、第1実施形態と同じである。
【0070】
本実施形態の空気清浄機は、第1実施形態と同様に自動運転モードを有しており、自動運転モードでは、加湿運転と加湿が行われない空清運転とが、検知部70で検知された水トレイ40内の水位に基づいて切り換えられる。すなわち、空気清浄機1が自動運転モードで運転されている場合、加湿運転時に給水必要状態が報知された場合に空清運転に切り換わると共に、その後、空清運転時に給水状態が解除された場合に加湿運転に切り換わる。そして、空気清浄機1では、加湿運転時のファン回転数と空清運転時のファン回転数とが設定されているが、加湿運転時のファン回転数の方が、空清運転時のファン回転数より大きく設定されている。したがって、例えばファン28の回転数として第1タップから第5タップに対応した回転数が設定され、第1タップの回転数が最も大きく、第2タップ、第3タップ、第4タップ、第5タップの順に回転数が小さくなる場合において、加湿運転時のファン回転数として、第2タップが設定されており、空清運転時のファン回転数として、第3タップから第5タップのいずれかの回転数が設定されている。
【0071】
したがって、駆動制御部は、加湿運転時においては、第2タップ(加湿運転時の回転数)にファン28の回転数を制御すると共に、空清運転時においては、第3タップから第5タップのいずれか(空清運転時の回転数)にファン28の回転数を制御する。ここで、駆動制御部は、加湿運転時に給水必要状態が報知されて空清運転に切り換わるときに、加湿運転時のファン回転数を空清運転時のファン回転数に切り換える。また、駆動制御部は、空清運転時に給水必要状態が解除されて加湿運転に切り換わるときに、給水必要状態が解除された後において、あらかじめ設定されたファンガード時間T6(例えば3分)が経過したとき、空清運転時のファン回転数を加湿運転時のファン回転数に切り換える。すなわち、駆動制御部は、空清運転時に給水状態が解除されて加湿運転に切り換わるときに、ファンガード時間T6が経過するまでは空清運転時のファン回転数を加湿運転時のファン回転数に切り換えない。
【0072】
また、駆動制御部は、加湿運転が開始された後で検知部70からオン信号を受けた場合に加湿ロータ50を回転させ、加湿運転時に検知部70からオフ信号を受けた場合に加湿ロータ50の回転を停止する。また、駆動制御部は、オフ信号を受けて加湿ロータ50の回転が停止された後において水トレイ40内の水面高さが所定高さ以上になった場合に加湿ロータ50を回転させる。
【0073】
また、駆動制御部は、第1実施形態と同様に、判断部による判断に基づいて、報知部90を制御する。
【0074】
以下に、空気清浄機1の動作について、図12、図13及び図14を用いて説明する。
【0075】
加湿運転開始時の動作の一例について、図12と図14を用いて説明する。
【0076】
時刻t1において、加湿運転が開始される(ステップS101)と、ファン28の回転が開始される(ステップS102)。そして、検知部70からのオフ信号を受けたか否かが判断される(ステップS103)。ここで、検知部70からのオフ信号を受けなかった場合は、加湿ロータ50の回転が開始される(ステップS110)。一方、図14に示すように、検知部70からのオフ信号を受けた場合は、そのオフ信号が第1判断時間T3だけ継続されたか否かが繰り返し判断される(ステップS104)。
【0077】
そして、時刻t2において、検知部70からのオフ信号を第1判断時間だけ継続して受けた場合は、報知部90によって給水必要状態が報知され(ステップS105)、ファン28の回転数が減少するように変更される(ステップS106)。その後、検知部70からのオン信号を受けたか否かが繰り返し判断される(ステップS107)。そして、検知部70からのオン信号を受けた場合は、加湿ロータ50の回転が開始される(ステップS108)。ここで、図14では、時刻t3において、ユーザによってタンクへの給水が行われると、時刻t4において、検知部70からの信号が、オフ信号からオン信号に変化し、例えば時刻t4から2秒後の時刻t5において、加湿ロータ50の回転が開始されている。
【0078】
その後、検知部70からのオン信号が第3判断時間T5だけ継続して受けたか否かが繰り返し判断される(ステップS109)。そして、図14では、時刻t6において、検知部70からのオン信号を第3判断時間T5だけ継続して受けた場合は、給水必要状態の報知が解除される(ステップS110)。そして、給水必要状態の報知が解除された後において、ファンガード時間T6が経過したか否かが判断される(ステップS111)。ここで、時刻t7において、ファンガード時間T6が経過した場合は、ファン28の回転数が増加するように変更される(ステップS112)。
【0079】
所定時間経過後の加湿運転時の動作の一例について、図13と図14を用いて説明する。
【0080】
所定時間経過後の加湿運転時には、加湿ロータ50が回転すると共に、ファン28が回転している(ステップS201)。そして、検知部70からのオフ信号を受けたか否かが繰り返し判断される(ステップS202)。ここで、図14に示すように、時刻t8において、検知部70からのオフ信号を受けた場合は、時刻t9において、加湿ロータ50の回転が停止される(ステップS203)。そして、そのオフ信号が第2判断時間T4だけ継続されたか否かが繰り返し判断される(ステップS104)。
【0081】
そして、時刻t10において、検知部70からのオフ信号を第2判断時間T4だけ継続して受けた場合は、報知部90によって給水必要状態が報知され(ステップS205)、ファン28の回転数が減少するように変更される(ステップS206)。その後、検知部70からのオン信号を受けたか否かが繰り返し判断される(ステップS207)。そして、検知部70からのオン信号を受けた場合は、加湿ロータ50の回転が開始される(ステップS208)。ここで、図14では、時刻t10において、ファン28の回転数が低下することによって、時刻t11において、検知部70からの信号が、オフ信号からオン信号に変化し、時刻t12において、加湿ロータ50の回転が開始されている。
【0082】
その後、検知部70からのオン信号が第3判断時間T5だけ継続して受けたか否かが繰り返し判断される(ステップS209)。ここで、図14では、時刻t13において、検知部70からのオン信号を第3判断時間T5だけ継続して受けた場合は、給水必要状態の報知が解除される(ステップS210)。そして、給水必要状態の報知が解除された後において、ファンガード時間T6が経過したか否かが判断される(ステップS211)。ここで、時刻t14において、ファンガード時間T6が経過した場合は、ファン28の回転数が増加するように変更される(ステップS212)。
【0083】
所定時間経過後の加湿運転時の動作の他の例について、図15を用いて説明する。
【0084】
図15は、時刻t1から時刻t9までの動作は、図14と同じである。図15では、検知部70がオフ信号の出力を開始する時刻t8から第2判断時間T4が経過する前の時刻t10において、入タイマー設定が行われている。入タイマー設定時から所定時間T1だけ継続して検知部70からのオフ信号を受けると、報知部90によって給水必要状態が報知され、ファン28の回転数が減少するように変更される。その後、時刻t11において、検知部70からのオン信号を受けた場合は、加湿ロータ50の回転が開始される。図15では、時刻t11において、ファン28の回転数が低下することによって、時刻t12において、検知部70からの信号が、オフ信号からオン信号に変化し、時刻t13において、加湿ロータ50の回転が開始されている。
【0085】
その後、検知部70からのオン信号が第3判断時間T5だけ継続して受けると、時刻t14において、給水必要状態の報知が解除される。そして、給水必要状態の報知が解除されてからファンガード時間T6経過後の時刻t15において、ファン28の回転数が増加するように変更される。
【0086】
<本実施形態の空気清浄機の特徴>
本実施形態の空気清浄機では、加湿運転開始から所定時間が経過した後は、加湿運転開始時と比べて、水トレイ40内の水面高さが所定高さ未満である状態が長い時間が継続した場合に給水必要状態が報知される。したがって、水トレイ40内の水面高さが所定高さ未満になった後、給水必要状態が報知されるまでの間に、加湿ロータ50に吸収された水が気化されるので、給水必要状態を報知して加湿運転を停止した場合でも、加湿ロータ50からの覆水により給水必要状態が解除されるのを防止できる。
【0087】
また、本実施形態では、加湿運転時に給水必要状態が報知されたときに加湿運転が停止された後において水トレイ40内の水面高さが所定高さ以上になった場合に、加湿運転を自動的に開始される場合でも、加湿ロータ50からの覆水により給水必要状態の報知と解除とが繰り返されるのを防止できる。
【0088】
また、本実施形態では、加湿運転時に回転駆動される加湿ロータ50を備えており、水トレイ40が本体20に収納されてない状態において加湿ロータ50の回転を停止すると共に、水トレイ40が本体20に収納された状態において加湿ロータ50を回転させることができる。したがって、水トレイ40が本体20に収納されてない状態において加湿ロータ50を回転させるギア部の回転をとめ、ユーザーがギア部を触って怪我をするのを防止できる。
【0089】
また、本実施形態では、加湿運転時に給水必要状態を報知して空清運転に切り換えた後において、給水必要状態が解除されて加湿運転に切り換わるときに、給水必要状態が解除された後、ファンガード時間T6が経過するまで、ファン28の回転数を増加しない。したがって、給水必要状態が解除されて、空清運転から加湿運転に切り換える場合に、加湿運転が停止されるのを抑制し、気化部材に吸収された水を効率よく気化させることができる。
【0090】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0091】
例えば、第1および第2実施形態では、判断部61は、入タイマー設定時から所定時間(例えば20秒後)継続して検知部70からのオフ信号を受けた場合に、給水必要状態を報知すると判断しているが、所定時間は、20秒に限定されるものではない。例えば、5〜60秒が好ましく、特に10〜30秒が好ましい。
【0092】
また、第1および第2実施形態では、判断部61は、入タイマー設定時から所定時間だけ継続して検知部70からのオフ信号を受けた場合に、給水必要状態を報知すると判断しているが、入タイマー設定時に検知部70からのオフ信号を受けた場合に、給水必要状態を報知すると判断してもよい。
【0093】
駆動制御部62は、運転中に給水必要状態を音声で報知した後において、予め設定された音声ガード時間が経過するまでは、給水必要状態を音声で報知させないように、報知部90を制御するガード時間モードを有していてもよい。手動または自動でファン28の風量が変更される場合、本体20内の負圧が増減することで、水トレイ40内の水面高さが上下して、給水必要状態とその解除が繰り返されて、何度もブザー音が鳴る場合があるが、この変更例では、給水必要状態が音声で報知された後、音声ガード時間が経過するまでの間は、給水必要状態を音声で報知させないため、たとえファン28の風量が変動しても、給水必要状態が音声で何度も報知されるのを防止できる。
【0094】
上述の変更例において、給水必要状態を音声で報知した後で音声ガード時間が経過するまでに入タイマー設定が行われた場合には、ガード時間モードを解除して、音声ガード時間に関わらず、入タイマー設定時(詳細には、入タイマー設定時から所定時間T1経過後)に、給水必要状態を報知することが好ましい。これにより、入タイマー設定時に、ユーザーに給水必要状態であることを知らせることができる。
【0095】
また、第2実施形態では、加湿運転と空清運転とが水トレイ40内の水面高さに基づいて切り換えられる自動運転モードにおいて、所定時間経過後の加湿運転時に、空清運転時に給水状態が解除されて加湿運転に切り換わるときに、ファンガード時間が経過するまでは空清運転時のファン回転数を加湿運転時のファン回転数に切り換えない場合について説明したが、これに限定されない。したがって、空清運転時に給水状態が解除されて加湿運転に切り換わるときに、ファンガード時間が経過するまでに、空清運転時のファン回転数を加湿運転時のファン回転数に切り換えてもよい。
【0096】
また、第2実施形態では、加湿運転開始時も同様に、空清運転時に給水状態が解除されて加湿運転に切り換わるときに、ファンガード時間が経過するまでは空清運転時のファン回転数を加湿運転時のファン回転数に切り換えない場合について説明しているが、空清運転時に給水状態が解除されて加湿運転に切り換わるときに、空清運転時のファン回転数を加湿運転時のファン回転数に切り換えてもよい。
【0097】
また、第2の実施形態では、判断部61が、給水必要状態の報知を解除することを判断する場合、加湿運転開始時と所定時間経過後の加湿運転時で同一の判断を行う場合について説明したが、加湿運転開始時と所定時間経過後の加湿運転時で異なる判断をしてもよい。したがって、加湿運転開始時の第3判断時間と、所定時間経過後の加湿運転時の第3判断時間が異なってもよい。
【0098】
また、第1および第2実施形態では、タイマー運転の運転モードが加湿運転であっても空清運転であっても、入タイマー設定時に給水状態を報知するようになっているが、運転モードが加湿運転の場合にのみ、入タイマー設定時に給水状態を報知するように構成されていてもよい。
【0099】
また、第1および第2実施形態では、報知部90が、点灯することで給水必要状態を報知するLEDと、音声で給水必要状態を報知するブザーとを有する場合について説明したが、これに限定されない。したがって、報知部が、点灯することで給水必要状態を報知するLEDだけを有していてもよいし、音声で給水必要状態を報知するブザーだけを有していてもよい。
【0100】
また、第1および第2実施形態では、検知部70が、水トレイ40内の水面高さの変化にともなって移動する移動体71と、移動体71からの距離に基づいて移動体71を検知する検知素子72とで構成された場合について説明したが、検知部は、水トレイ40内の水面高さを検知できるものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明を利用すれば、給水が必要な状態であることをユーザーに確実に知らせることができる。
【符号の説明】
【0102】
1 空気清浄機(加湿器)
40 水トレイ(貯水容器)
60 制御部(制御手段)
70 検知部(検知手段)
80 操作パネル(予約手段)
90 報知部(報知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯留する貯水容器と、
前記貯水容器内の水面高さを検知する検知手段と、
給水すべき給水必要状態であることを報知する報知手段と、
前記検知手段による検知結果に基づいて前記報知手段を制御する制御手段と、
加湿運転を自動的に開始する予約開始時間を設定する予約手段とを備え、
前記制御手段は、予約開始時間の設定時に、前記検知手段により検知される前記貯水容器内の水面高さが所定高さ未満である場合に、給水必要状態を報知するように前記報知手段を制御することを特徴とする加湿機。
【請求項2】
前記制御手段は、予約開始時間の設定時に給水必要状態を報知するように前記報知手段を制御した後、予約開始時間になるまでの間に、前記貯水容器内の水面高さが所定高さ以上になった場合に、給水必要状態の報知を停止するように前記報知手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の加湿機。
【請求項3】
前記報知手段は、給水必要状態を音声で報知する音声報知手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の加湿機。
【請求項4】
前記制御手段は、給水必要状態を音声で報知した後において音声ガード時間が経過するまでは給水必要状態を音声で報知させないように、前記音声報知手段を制御するガード時間モードを有し、給水必要状態を音声で報知した後で音声ガード時間が経過するまでに予約開始時間が設定される場合、前記ガード時間モードを解除することを特徴とする請求項3に記載の加湿機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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