説明

加湿機能付空気清浄装置

【課題】本発明は加湿機能付空気清浄装置に関するもので、通風抵抗を小さくし空気清浄空気、及び、加湿空気清浄空気の風量を多くすることができるものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、吸気口1と排気口2を有する本体ケース3内に設けられた空気清浄手段と加湿手段とを備え、吸気口1から本体ケース3内に吸気した空気を空気清浄手段、加湿フィルター6を順次介して排気口2へと送風する送風手段10を設け、加湿フィルター枠7の上部に空気清浄手段と送風手段10とを繋ぐバイパス風路11を設け、バイパス風路11内の空気清浄手段と加湿フィルター6との間に仕切り板13を備え、加湿フィルター6に対向した風路面に吸込口12を備え、吸込口12の周縁内部に整流手段14を備え、整流手段14は、吸込口12の上半分で、加湿フィルター6側に放射状に突起させた格子を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を浄化しながら加湿することのできる加湿機能付空気清浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の加湿機能付空気清浄装置の構成は以下のようになっていた。
【0003】
すなわち、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内で、前記吸気口から前記排気口に送風される送風路に空気清浄手段を設け、この空気清浄手段の前記送風路下流に加湿手段を設け、前記空気清浄手段と前記加湿手段との間に送風手段を設けた構成となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−197919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例における課題は、空気清浄風量、及び、加湿空気清浄風量が少ないということであった。
【0006】
すなわち、従来の物においては、送風手段によって吸気口から吸込まれた室内空気を、空気清浄手段および加湿手段を介し、排気口より室内に送風される。このように、加湿および空気清浄処理された加湿空気清浄空気が供給されるが、加湿手段は円筒形状の加湿フィルターで構成されているので、加湿手段に送風された空気は、まず加湿フィルターの外側から円筒形状の加湿フィルター内部に流れ、次に円筒形状の加湿フィルター内部から加湿フィルターの外側へ流れる。つまり、加湿フィルターを2回通過するので加湿手段での通風抵抗が大きくなる。
【0007】
また、加湿手段の上部に吸気口、送風手段、および排気口が位置するので、加湿手段の上部から送風された空気を円筒形状の加湿フィルター内部で方向転換し、円筒形状の加湿フィルター内部から上部の排気口に送風される。すなわち、加湿手段で空気の流れを約180度方向転換することとなり、通風抵抗が大きくなる。
【0008】
このように、通風抵抗が大きいので空気清浄風量、及び、加湿空気清浄空気の風量が小さくなる。
【0009】
そこで本発明は、通風抵抗を小さくし空気清浄風量、及び、加湿空気清浄空気の風量を多くすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そしてこの目的を達成するために本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた空気清浄手段と加湿手段とを備え、この加湿手段は円板状の加湿フィルターと、この加湿フィルターを固定し回転自在に設けられた加湿フィルター枠と、加湿フィルターの下部に設けた略椀状の水槽と、この水槽に一定量の水を供給する水タンクと、加湿フィルター枠を回転させる回転手段とから形成され、加湿フィルターの一部が水槽に供給された水に常時浸るように加湿フィルター枠を設けると共に、吸気口から本体ケース内に吸気した空気を空気清浄手段、加湿フィルターを順次介して排気口へと送風する送風手段を設け、この送風手段を加湿フィルターの風路下流側に備え、加湿フィルター枠の上部に空気清浄手段と送風手段とを繋ぐバイパス風路を設け、バイパス風路内の空気清浄手段と加湿フィルターとの間に板形状の仕切り板を備え、加湿フィルターに対向した風路面に送風手段の吸込口を備え、この吸込口の周縁内部に整流手段を備え、整流手段は、吸込口の中心部より上半分に備え、整流手段は、加湿フィルター側に放射状に突起させた格子を備えたものであり、これにより、初期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた空気清浄手段と加湿手段とを備え、この加湿手段は円板状の加湿フィルターと、この加湿フィルターを固定し回転自在に設けられた加湿フィルター枠と、前記加湿フィルターの下部に設けた略椀状の水槽と、この水槽に一定量の水を供給する水タンクと、前記加湿フィルター枠を回転させる回転手段とから形成され、前記加湿フィルターの一部が前記水槽に供給された水に常時浸るように前記加湿フィルター枠を設けると共に、前記吸気口から前記本体ケース内に吸気した空気を前記空気清浄手段、前記加湿フィルターを順次介して前記排気口へと送風する送風手段を設け、この送風手段を前記加湿フィルターの風路下流側に備え、前記加湿フィルター枠の上部に前記空気清浄手段と前記送風手段とを繋ぐバイパス風路を設け、前記バイパス風路内の前記空気清浄手段と加湿フィルターとの間に板形状の仕切り板を備え、前記加湿フィルターに対向した風路面に前記送風手段の吸込口を備え、この吸込口の周縁内部に整流手段を備え、この整流手段は、前記吸込口の中心部より上半分に備え、前記整流手段は、前記加湿フィルター側に放射状に突起させた格子を備えたことにより、通風抵抗を小さくし空気清浄空気、及び、加湿空気清浄空気の風量を多くすることができるものである。
【0012】
すなわち、吸込口の上半分に放射状の突起させた格子を備えることで、バイパス風路を通過した空気を均一に送風手段に流入させることができ、通風抵抗を小さくすることができるものである。
【0013】
これらの結果により、空気清浄空気、及び、加湿空気清浄空気の風量を多くすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1の加湿機能付空気清浄装置の斜視図
【図2】同実施の形態1の加湿機能付空気清浄装置の断面図
【図3】同実施の形態1の加湿機能付空気清浄装置の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1、図2および図3に示すように、本実施形態の加湿機能付空気清浄装置は、吸気口1と排気口2を有する本体ケース3と、この本体ケース3内に設けられた空気清浄手段と加湿手段とを備えている。本体ケース3の側面には吸気口1を設け、本体ケース3の天面には排気口2を備えている。
【0017】
空気清浄手段は蛇腹状に折られた濾材を額縁状の枠に固定された空気清浄フィルター5であり、吸気口1の近傍に設けられている。本体ケース3の吸気口1から吸い込まれた空気はまず、空気清浄フィルター5に流れ込むこととなる。
【0018】
加湿手段は放湿部分と、この放湿部分を回転させる回転手段とから形成されている。
【0019】
放湿部分は円板状の加湿フィルター6と、この加湿フィルター6を固定し回転自在に設けられた加湿フィルター枠7とから形成している。
【0020】
加湿フィルター6は水を吸水する性質を持っており、水を吸水した状態で加湿フィルター6に空気が通過することにより、水が気化し、高湿度の空気を排気口2から部屋中に吐出するものである。
【0021】
加湿フィルター枠7は、加湿フィルター6を挟み込んで固定するものである。また、加湿フィルター枠7は、水供給部分と放湿部分とを備えている。
【0022】
水供給部分は、加湿フィルター6の下部には略椀状の水槽8を設け、この水槽8に一定の水を供給する水タンク4を備えている。加湿フィルター6の一部は水槽8に供給された水に常時浸るように加湿フィルター枠7を設置し、加湿フィルター6を回転させる回転手段である電動機9を設けている。
【0023】
送風手段10によって吸気口1から本体ケース3内に吸気した空気は空気清浄手段である空気清浄フィルター5、放湿部分である加湿フィルター6を順次介して排気口2へと送風される。この送風手段10を加湿フィルター6の空気の流れ方向における風路下流側に備えたものである。
【0024】
このような構成における空気清浄および、加湿動作について説明する。水タンク4より水槽8に常時に一定の水位となるように水が供給される。この水に放湿部分である加湿フィルター6の一部が常時浸った状態となる。ここで回転手段である電動機9によって、加湿フィルター6が回転し、加湿フィルター6を湿らせるという動作となっている。
【0025】
本実施形態における特徴は、空気清浄手段と送風手段10とを繋ぐバイパス風路11を設け、加湿フィルター6とバイパス風路11を送風手段10の吸込口12に対向した位置に設けると共に、バイパス風路11内に板形状の仕切り板13を備えたことである。また、吸込口12の上流側の上半分に、送風手段10の吸込口12の中心から放射状に突起させた格子形状の整流手段14を備えたものである。
【0026】
すなわち、バイパス風路11は空気清浄手段と送風手段10とを加湿手段である加湿フィルター6を介さずに繋ぐものであり、吸気口1から本体ケース3内に吸気した空気は空気清浄手段である空気清浄フィルター5を通り、加湿手段である加湿フィルター6を介して送風手段10に送風される空気清浄加湿風路とは別に、空気清浄フィルター5からバイパス風路11を介して送風手段10に送風される空気清浄風路を備えたものである。また、仕切り板13は、バイパス風路11内に備え、その形は板形状である。また、吸込口12は段差形状であり、吸込口12の上半分が出っ張っている。
【0027】
このように、加湿手段である円板状の加湿フィルター6の下流側に送風手段10を備え、空気清浄フィルター5と送風手段10とを繋ぐバイパス風路11を設けると共に、加湿フィルター6とバイパス風路11を送風手段10の吸込口12に対向した位置に備えたので、吸気口1から吸気された空気は空気清浄フィルター5を介し、加湿フィルター6を通過し送風手段10に吸い込まれる空気と、バイパス風路11を通過し送風手段10により吸い込まれる空気との2経路の空気が送風手段10により排気口2から室内に排気される。
【0028】
結果として、加湿フィルター6を通過する回数は1回となると共に、加湿手段である加湿フィルター6で空気の流れは方向転換せずに送風することとなる。つまり、吸気口1から吸気され空気清浄フィルター5を介し加湿フィルター6を通過し送風手段10に吸い込まれる空気清浄加湿風路における加湿フィルター6での空気の流れが一直線となり、風路による通風抵抗を小さくすることができる。更に、加湿手段を介さないバイパス風路11を設けたので、空気清浄風路は加湿手段である加湿フィルター6の通風抵抗がなくなり、代わりにバイパス風路11の通風抵抗となるので、通風抵抗は小さくなる。また、バイパス風路11を通過した空気は、送風手段10の吸込口12の中心から放射状に突起させた格子形状の整流手段14により、送風手段10の吸込口12の周縁から送風手段へ入り込む空気の一部が、送風手段10の吸込口12の中心部へ流れ込み、吸込口12付近の風速分布が一様になって、通風抵抗が小さくなると考えられる。
【0029】
これらの結果により、空気清浄機空気、及び、加湿空気清浄空気の風量を多くすることができるものである。また、仕切り板13は、過剰に空気清浄風路に空気が流れるのを防ぎ、加湿空気清浄風路の風量を多くすることができるものである。また、仕切り板13は、送風手段から発生した騒音を遮音することができ、騒音を低減する効果を有する。
【0030】
また、整流手段14は、吸込口12に流入する風速分布を不均一にすることを防ぎ、風速分布を一様にすることができ、通風抵抗を小さくすることができるものである。また、吸込口12に流入する風速分布を一様にすることで、送風手段10から発生する騒音を小さくすることができるものである。
【0031】
また、仕切り板13の下端は、本体ケース3における前面から見て加湿フィルター6の上端に位置する構成としたものである。すなわち、仕切り板13の下端が加湿フィルター6の上端の位置にあるということは、空気が加湿フィルター6に流れやすくなる。その際、仕切り板13を備えることにより、過剰に空気清浄風路に空気が流れるのを防ぎ、加湿空気清浄風路の風量を多くすることができるものである。
【0032】
また、整流手段14は、吸込口12内において、中心に近づくほど多くなるように設けたものである。すなわち、整流手段14を多くすることにより、吸込口12に流入する風速分布を不均一にすることを防ぎ、風速分布を一様にすることができ、通風抵抗を小さくすることができると考えられる。また、結果として、送風手段10から発生する騒音を小さくすることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた空気清浄手段と加湿手段とを備え、この加湿手段は円板状の加湿フィルターと、この加湿フィルターを固定し回転自在に設けられた加湿フィルター枠と、前記加湿フィルターの下部に設けた略椀状の水槽と、この水槽に一定量の水を供給する水タンクと、前記加湿フィルター枠を回転させる回転手段とから形成され、前記加湿フィルターの一部が前記水槽に供給された水に常時浸るように前記加湿フィルター枠を設けると共に、前記吸気口から前記本体ケース内に吸気した空気を前記空気清浄手段、前記加湿フィルターを順次介して前記排気口へと送風する送風手段を設け、この送風手段を前記加湿フィルターの風路下流側に備え、前記加湿フィルター枠の上部に前記空気清浄手段と前記送風手段とを繋ぐバイパス風路を設け、前記バイパス風路内の前記空気清浄手段と加湿フィルターとの間に板形状の仕切り板を備え、前記加湿フィルターに対向した風路面に前記送風手段の吸込口を備え、この吸込口の周縁内部に整流手段を備え、前記整流手段は、前記吸込口の中心部より上半分に備え、前記整流手段は、前記加湿フィルター側に放射状に突起させた格子を備えたことにより、通風抵抗を小さくし空気清浄空気、及び、加湿空気清浄空気の風量を多くすることができるものである。
【0034】
すなわち、加湿手段である円盤状の加湿フィルターの下流側に送風手段を備え、空気清浄手段と送風手段とを繋ぐバイパス風路を設けると共に、加湿フィルターとバイパス風路を送風手段の吸込口に対向した位置に備えたので、吸気口から吸気された空気は空気清浄手段を介し、加湿フィルターを通過し送風手段に吸い込まれる空気と、バイパス風路を通過し送風手段により吸い込まれる空気との2経路の空気が送風手段により排気口から室内に排気される。結果として、加湿フィルターを通過する回数は1回と半減すると共に、加湿手段である加湿フィルターで空気の流れは方向転換せずに送風することとなる。更に、加湿フィルターを介さないバイパス風路を設けたので、通風抵抗は小さくなる。また、仕切り板を備えることで、加湿フィルター及びバイパス風路を通過する風量の割合を調節することができる。また、吸込口の上半分に放射状の突起させた格子を備えることで、バイパス風路を通過した空気を均一に送風手段に流入させることができ、通風抵抗を小さくすることができるものである。
【0035】
これらの結果により、空気清浄空気、及び、加湿空気清浄空気の風量を多くすることができるものである。
【0036】
従って、家庭用や事務所用などの、加湿機能付空気清浄装置として活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0037】
1 吸気口
2 排気口
3 本体ケース
4 水タンク
5 空気清浄フィルター
6 加湿フィルター
7 加湿フィルター枠
8 水槽
9 電動機
10 送風手段
11 バイパス風路
12 吸込口
13 仕切り板
14 整流手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた空気清浄手段と加湿手段とを備え、この加湿手段は円板状の加湿フィルターと、この加湿フィルターを固定し回転自在に設けられた加湿フィルター枠と、前記加湿フィルターの下部に設けた略椀状の水槽と、この水槽に一定量の水を供給する水タンクと、前記加湿フィルター枠を回転させる回転手段とから形成され、前記加湿フィルターの一部が前記水槽に供給された水に常時浸るように前記加湿フィルター枠を設けると共に、前記吸気口から前記本体ケース内に吸気した空気を前記空気清浄手段、前記加湿フィルターを順次介して前記排気口へと送風する送風手段を設け、この送風手段を前記加湿フィルターの風路下流側に備え、前記加湿フィルター枠の上部に前記空気清浄手段と前記送風手段とを繋ぐバイパス風路を設け、前記バイパス風路内の前記空気清浄手段と加湿フィルターとの間に板形状の仕切り板を備え、前記加湿フィルターに対向した風路面に前記送風手段の吸込口を備え、この吸込口の周縁内部に整流手段を備え、前記整流手段は、前記吸込口の中心部より上半分に備え、前記整流手段は、前記加湿フィルター側に放射状に突起させた格子を備えた加湿機能付空気清浄装置。
【請求項2】
整流手段は、吸込口内において、中心に近づくほど多くなるように設けた請求項1に記載の加湿機能付空気清浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−83368(P2013−83368A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221637(P2011−221637)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】