説明

加湿装置

【課題】本体の小型化を実現するとともに、加湿効率を高く、騒音及び消費電力を低減した加湿装置を提供する。
【解決手段】空気浄化装置100は、空気を吸い込み、この空気を外部に供給する送風手段11と、送風手段11の外周の少なくとも一部を取り囲むように構成され、送風手段11の周辺を可動する板材加湿エレメント24と、板材加湿エレメント24の一部を浸漬させる貯水容器9とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気の湿度を高める加湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、加湿エレメントの上方に送風機を配置して加湿エレメントに気流をあてるとともに、貯水容器内の水を加熱することにより空気の湿度を高める加湿装置が存在する。そのようなものとして、「貯留容器内の水に対して入出運動を行いうる設けた補助手段と、前記水から露出する前記補助手段の表面を介して、気体の流れを生ぜしめる送風機と、前記貯留容器内の水を加熱する加熱手段と、を有し、かつ、前記送風機による送風を停止又は弱めた状態で前記貯留容器内の水を50℃以上に加熱し、当該水の殺菌を行いうるように構成した空調器」が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−121109号公報(第6頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の加湿装置は、加湿エレメントの外部に送風機を設け、送風機からの気流が加湿エレメントの外側から入り、別の異なる外側へ出て行くようになっている。このような気流の流れでは、加湿エレメントを通過する際における気流の分布に偏りができ、加湿エレメントに気流が十分に接触しない部分ができてしまうことがあった。したがって、このような加湿装置では、加湿エレメントの加湿性能を十分に発揮させることができないという課題があった。
【0005】
また、風路を屈曲させなければならず、風路長を長くしていた。このように、風路を屈曲させたり、風路長を長くしたりしてしまうと、風路での圧力損失が大きくなり、騒音の増加や送風機の負荷増加に繋がってしまうことになっていた。送風機の負荷を増加するには、送風機を大型化しなければならず、加湿装置本体の大型化に繋がり、加湿装置の消費電力も増大してしまうという課題があった。
【0006】
さらに、加湿エレメントの外部に送風機を設ける構成となっているため、送風機と加湿エレメントとの間に無駄な風路空間が必要になってしまったり、加湿エレメント内の気流分布の偏りによる加湿効率の低下に伴い大きな加湿エレメントが必要となり、加湿装置本体を大きくしなければならなかったり、送風機の能力や加湿エレメントの容積に制約を受けることから加湿性能が低く、騒音が大きくなってしまったりといった課題があった。
【0007】
また、加湿エレメントの外部に送風機を設けるため、不要な風漏れ等による加湿エレメントを通過しない無駄な送風が生じることがあり、それに伴って加湿性能が低下したり、騒音が増加したり、消費電力が増加したりといった課題があった。さらに、貯水容器内の水を加熱するため、水温が高くなるまで十分な加湿性能が得られず、貯水容器から周囲への熱の漏れにより消費電力が大きくなるといった課題もあった。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、本体の小型化を実現するとともに、加湿効率を高く、騒音及び消費電力を低減した加湿装置を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、第1の目的に加えて、加湿装置及び加湿装置より供給される空気の清潔性及び清浄性を高めた加湿装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る加湿装置は、空気を吸い込み、この空気を外部に供給する送風手段と、前記送風手段の外周の少なくとも一部を取り囲むように構成され、前記送風手段の周辺を可動する加湿エレメントと、前記加湿エレメントの一部を浸漬させる貯水容器とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る加湿装置は、加湿エレメントを送風手段の外周の少なくとも一部を取り囲むようにしているので、加湿装置の実装密度を高め、本体寸法を小型化できる。また、加湿エレメントの形状の自由度を高め、加湿量を多くする効果がある。さらに、加湿装置の内部の風路圧力損失を低減することができ、加湿量を多く、騒音を低く、消費電力を少なくすることが可能になる。
【0011】
本発明に係る加湿装置は、組立性及び分解性を向上させているので、加湿エレメント及び加湿装置の清掃やメンテナンスが容易に実行できる。したがって、加湿装置の清潔性を向上するとともに、加湿空気の清浄性を高めることもできる。また、加湿エレメントの保水性及び加湿量の低減を抑制でき、加湿エレメントの能力を維持することができる。さらに、加湿エレメントへの添加剤を工夫することで、抗菌性、防カビ性又は脱臭性を高めることができる。なお、加湿装置使用後の加湿エレメントの乾燥を早めるようにすれば、加湿装置の清潔性及び加湿空気の清浄性を更に高めることも期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る加湿装置100の全体構成を示す斜視図である。また、図2は、加湿装置100の分解した状態を示す分解斜視図である。図1及び図2に基づいて、実施の形態1に係る加湿装置100の全体構成について説明する。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。この加湿装置100は、室内等に置かれ、その室内等の湿度を高めるために利用されるものである。図1に示すように、加湿装置100は、本体1と、本体1の前面側に設けられた前面パネル2と、本体1の前面側上面に設けられた上面パネル4と、本体1の背面側上面に設けられた給水タンク6とで構成されている。
【0013】
前面パネル2には、複数の吸込口3が開口形成されており、この吸込口3から乾燥空気を吸い込むようになっている。また、上面パネル4には、複数の吹出口5が開口形成されており、この吹出口5から加湿空気を吹き出すようになっている。つまり、本体1の内部背面側に設けられているターボファンやプロペラファン等で構成された送風機11aによって、乾燥空気を吸込口3から吸い込んで、加湿空気を吹出口5から外部に供給するのである。さらに、給水タンク6は、図2に示すように本体1の背面側で上方に着脱自在に設けられており、内部に水が貯留できるようになっている。
【0014】
前面パネル2には、下部に保持部材8が設けられており、この保持部材8で貯水容器9が保持されるようになっている。また、貯水容器9は、加湿部材10を支持するようになっている。この貯水容器9の外側背面には、給水タンク6からの水を受ける給水部25が設けられている。なお。前面パネル2、保持部材8、貯水容器9及び加湿部材10で吸込側ユニット7を構成するようになっている。そして、この吸込側ユニット7は、本体1の前面方向に一体的に着脱可能な構造となっている。加湿部材10は、吸込面側板16と、背面側板23と、吸込面側板16と背面側板23とに挟持された板材加湿エレメント24とで構成されており、背面側板23及び板材加湿エレメント24には送風機11aの外径よりも大きな開口部が形成されている。
【0015】
つまり、加湿部材10は周状(リング状)に構成されているのである。背面側板23及び板材加湿エレメント24に送風機11aの外径よりも大きな開口部を設けることによって、送風機11aと干渉することなく吸込側ユニット7を本体1に着脱できるようになっている。また、吸込側ユニット7を本体1に取り付けた状態においては、送風機11aがリング状に構成された加湿部材10の開口部から内側に挿入され、板材加湿エレメント24の内周と送風機11aの外周とが重なるように収容される配置となっている。
【0016】
図3は、吸込側ユニット7の分解した状態を示す分解斜視図である。図3に基づいて、吸込側ユニット7の詳細な構成について説明する。貯水容器9及びこの貯水容器9に支持される加湿部材10は、本体1の背面側にスライドさせて保持部材8から着脱自在な構造となっている。保持部材8には、仕切板12が前面パネル2と平行となるように設けられている。この仕切板12には、加湿部材10の開口部に対応するように開口形成された風路13が設けられている。そして、風路13の前面側には、空気加熱手段14が設けられている。
【0017】
また、仕切板12には、加湿部材10を駆動する、つまり回転力を発生させる駆動手段15が設けられている。この駆動手段15には、駆動歯車18が設けられている。加湿部材10の吸込面側板16には、駆動手段15からの回転力が伝達され、加湿部材10を回転移動させる従動手段17が設けられている。この従動手段17には、従動歯車19が設けられている。そして、駆動歯車18は、従動歯車19の回転中心よりも下側となるように設置されている。吸込側ユニット7を組み立てた状態においては、駆動手段15の駆動歯車18と従動手段17の従動歯車19とが噛合い、駆動手段15の駆動力が従動手段17に伝達されるようになっている。
【0018】
貯水容器8内部の上方には、前面の壁面と背面の壁面とを渡すように、2本の支持手段20が設けられている。この支持手段20は、貯水容器9内の両側に配置され、着脱自在に係合されて設けられている。また、この支持手段20は、貯水容器8内に取り付けられた状態においても回転自在となっている。つまり、加湿部材10は、回転自在な支持手段20を介して貯水容器9に回転移動自在、かつ、着脱自在に支持されているのである。
【0019】
図4は、加湿部材10を貯水容器9から取り外した状態を示す斜視図である。図4に基づいて、加湿部材10を貯水容器9から取り外した状態について説明する。図4に示すように、加湿部材10は、保持部材8に貯水容器9が保持された状態においても、駆動歯車18が従動歯車19の回転中心よりも下側に設けられることから、上方に着脱可能になっている(図6で詳細を説明する)。
【0020】
図5は、加湿装置100の本体1の断面構成を側面から見た状態を示す縦断面図である。図5に基づいて、加湿装置100の本体1の側面から見た断面構成について説明する。なお、図5では、貯水容器9に水が貯水されている状態を示している。図5に示すように、前面パネル2の吸込口3には、空気清浄フィルター21が設けられている。この実施の形態1では、吸込口3に空気清浄フィルター21を設けている場合を例に示しているが、吹出口5の内部側に空気清浄フィルター21を設けるようにしてもよい。加湿部材10の吸込面側板16には、リング状の加湿部材吸込口22が設けられており、この加湿部材吸込口22の外周はベルマウス形状として形成されている。
【0021】
そして、リング状の加湿部材吸込口22の中心、送風機11aの回転中心、及び、加湿部材10の回転移動の中心は、略同一の中心となるよう配置されるようになっている。なお、ここでは、送風機11aの回転中心と、加湿部材10の回転移動の中心とを略同一とした場合を例に説明するが、これに限定するものではない。つまり、加湿部材10を構成する板材加湿エレメント24が、送風機11aの外周の少なくとも一部を取り囲むように周状に構成され、送風機11aの周辺を可動するようになっていればよいのである。たとえば、板材加湿エレメント24が送風機11aの周辺を回転移動したり、板材加湿エレメント24が変形しながら送風機11aの周辺を移動したりできればよい。
【0022】
また、板材加湿エレメント24は周状に構成されていればよく、一体的な板材加湿エレメントを使用して形成されている場合に限らず、複数個に分割された板材加湿エレメントを周状に連結して形成してもよい。さらに、複数個の分割された板材加湿エレメントを連結して板材加湿エレメント24を形成した場合には、各板材加湿エレメントの連結部分を可動可能にすることによって、板材加湿エレメント24が変形しながら送風機11aの周辺を移動することができる。
【0023】
また、図5に示すように、送風手段11は、ターボファンやプロペラファン等で構成された送風機11aと送風機11aを駆動するモータ等の駆動部11bとで構成されている。なお、送風手段11を構成する送風機11aと駆動部11bの位置関係を逆にして、加湿部材10を構成する板材加湿エレメント24が駆動部11bの外周の少なくとも一部を取り囲むようにしてもよい。このような配置とする場合には、加湿装置100に取り込む空気を、板材加湿エレメント24の外側から内側に取り込み、送風機11aに吸引されるようにすることも可能である。つまり、板材加湿エレメント24を通過する空気の流れが逆になったとしても、同様の効果を得ることができるのである。この構成により、板材加湿エレメント24の内周には納まらない大型の送風機や、内周には納めにくい、ケーシングを有するシロッコファン等の送風機を組合せることができ、送風能力を高める効果を得ることができる。
【0024】
仕切板12に設けられている風路13は、加湿部材吸込口22に略同一形状で連通するような風路断面となっている。給水タンク6からの水は、貯水容器9に設けられている給水部25で受け取られ、水路26を通して貯水容器9に貯水されるようになっている。リング状の板材加湿エレメント24は、加湿部材10の回転移動に伴って回転移動するが、板材加湿エレメントの一部は、常に貯水容器9内の水の水面28同等かそれよりも低い位置に配置され浸漬されるようになっている。
【0025】
図6は、加湿装置100の本体1の断面構成を前面(正面)から見た状態を示す縦断面図である。図6に基づいて、加湿装置100の本体1の前面から見た断面構成について説明する。なお、図6では、図5と同様に貯水容器9に水が貯水されている状態を示している。図6に示すように、駆動手段15を構成する駆動歯車18は、従動手段17の従動歯車19と噛合うことによって従動歯車19に駆動力を伝達している。また、駆動手段15及び従動手段17は、水面28よりも上方となるように配置されている。
【0026】
さらに、図4で説明したように、駆動手段15を構成する駆動歯車18の回転中心は、従動手段17を構成する従動歯車19の回転中心よりも下側となるよう配置されている。したがって、加湿部材10を着脱する際に、駆動手段15が妨げにならないようになっているのである。加湿部材10は、貯水容器9に着脱自在に設けられ、回転自在な支持手段20で下側2ヶ所が回転移動自在に支持されている。支持手段20は、水面28よりも上方となるように配置されている。
【0027】
図7は、加湿部材10を構成部品に分解した状態を示す分解斜視図である。図7に基づいて、加湿部材10の構成について詳細に説明する。図7に示すように、加湿部材10の背面側板23には、複数の連結部材29が設けられている。また、板材加湿エレメント24は、リング状に形成されており、通過する気流の温度の影響を受けても形状が保てるように樹脂材料により成型されているものとする。たとえば、板材加湿エレメント24を樹脂材料であるABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)や、AS(アクリロニトリル・スチレン)、PS(ポリスチレン)等で成型するとよい。
【0028】
この板材加湿エレメント24は、所定の間隔で積層された複数枚の板材(板材加湿エレメント24)の積層構造となっている。板材加湿エレメント24には、背面側板23に設けられている連結部材29を貫通させるための組立穴30が連結部材29の配置位置に応じて複数設けられている。また、吸込面側板16にも、連結部材29を貫通させるための組立穴30が連結部材29の配置位置に応じて複数設けられている。さらに、背面側板23、板材加湿エレメント24及び吸込面側板16の間にはスペーサ31が設けられ、連結部材29が貫通するようになっている。
【0029】
そして、吸込面側板16の組立穴30を貫通した連結部材29は、その先端が締結部材32によって吸込面側板16の前面側で着脱自在に固定されるようになっている。なお、ここでは、板材加湿エレメント24を樹脂材料で成型した場合を例に説明するが、これに限定するものではない。たとえば、板材加湿エレメント24を耐熱性等の特性を高めるために金属材料で成型してもよい。また、板材加湿エレメント24を構成する各板材加湿エレメント24の間にもスペーサ31が設けられている。
【0030】
図8は、加湿部材10の断面構成を側面から見た状態を拡大して示す縦断面図である。図8に基づいて、板材加湿エレメント24の積層構造について説明する。図7で説明したように、板材加湿エレメント24は、複数枚の板材加湿エレメント24の積層構造を特徴としている。そして、各板材加湿エレメント24の間には、スペーサ31が介在し、このスペーサ31の厚さにより、板材加湿エレメント24の間隔は調整されるようになっている。
【0031】
次に、加湿装置100の加湿動作について説明する。
上述したように構成された加湿装置100においては、まず、給水タンク6に貯留されている水が貯水容器9に給水される。つまり、給水タンク6から給水される水は、給水部25で受け取られ、水路26を経て貯水容器9内に貯水されるようになっているのである。このとき、貯水容器9内における貯水量は、水面28の水位となるよう調整される。また、加湿部材10の板材加湿エレメント24は、リング状の一部が貯水容器9内の水面28よりも下方に位置しているため、その一部が水に浸漬されている。
【0032】
そして、加湿部材10は、駆動手段15の駆動力により、駆動歯車18から従動手段17の従動歯車19に駆動力が伝達されて回転する。加湿部材10が回転することによって、板材加湿エレメント24は、貯水容器9内の水で周期的に保水及び洗浄されることになる。また、送風機11aがリング状に構成された加湿部材10の開口部から内側に挿入されているために、加湿部材10は、送風機11aの外周に沿って回転移動することになる。
【0033】
一方、加湿装置100内の気流の流れは、ターボファン等の送風機11aが回転することによって生じる。この気流は、吸込口3より吸い込まれ、空気清浄フィルター21を経て、空気加熱手段14により加熱される。加熱された気流は、風路13を通過して外周がベルマウス形状の加湿部材吸込口22で整流され、送風機11aに吸引される。送風機11aに吸引された気流は、この送風機11aの外周から板材加湿エレメント24の内周に向かって吹き出される。
【0034】
つまり、送風機11aの外周及び板材加湿エレメント24の内周は、重なるように配置されていることから、送風機11aから吹き出される気流は、余計な風路を通過することなく直に板材加湿エレメント24に送風されることになる。この送風された空気が板材加湿エレメント24の間を通過する過程で板材加湿エレメント24に保水された水分が気化される。そして、空気が加湿されることになる。この加湿された空気は、加湿部材10の外周から吹出口5を経て、本体1から吹き出される。
【0035】
なお、ここでは、送風機11aの外周及び板材加湿エレメント24の内周が重なるように配置されている場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、送風手段11を構成する送風機11aと駆動部11bの位置関係を逆にし、駆動部11bの外周及び板材加湿エレメント24の内周が重なるように配置してもよい。また、送風機11aによる空気の流れを逆にしても、つまり板材加湿エレメント24の外側から空気を通過させるようにしても、板材加湿エレメント24の内側から空気を通過させる場合と同様の効果を得ることができる。
【0036】
以上のような構成の加湿装置100においては、加湿部材10の回転動作によって、板材加湿エレメント24が貯水容器9内に貯水されている水に周期的に出入りすることが可能になっている。つまり、板材加湿エレメント24は、貯水容器9内に貯水されている水で周期的に保水されるようになっており、加湿量を向上させることができるとともに、空気の加湿を安定的に行なうことが可能になる。
【0037】
また、板材加湿エレメント24は、貯水容器9内に貯水されている水で周期的に出入りすることで洗浄されるようになっている。したがって、板材加湿エレメント24への水あか(たとえば、CaやMg等の化合物)の付着を抑制することができ、加湿性能の低下を抑制でき、安定的な加湿を行なうことができる。さらに、板材加湿エレメント24は、空気の接触により付着した塵埃や水溶性の臭気物質を貯水容器9内に貯水されている水で洗い流すことができ、清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。なお、加湿部材10の回転数を変更調整することにより、板材加湿エレメント24に保水される水分の量を調整でき、加湿量の増減が可能となる。
【0038】
送風機11aの外周及び板材加湿エレメント24の内周が重なるように配置されているので、実装密度を高めることが可能になり、加湿装置100の小型化を実現することができる。また、本体1内に余分な風路が不要となり圧力損失を低くでき、送風機11aの小型化、騒音低減及び低消費電力化を実現できる。さらに、板材加湿エレメント24を通過する気流が均一化され、加湿量を増加することができる。加えて、送風機11aの外周にリング状の板材加湿エレメント24を配置することにより、板材加湿エレメント24の内周を長くすることができ、板材加湿エレメント24の気流流入側(内周側)の端部は熱伝達が多く、加湿量を更に増加させることができる。
【0039】
空気加熱手段14を設けることにより、板材加湿エレメント24に接触させる空気の温度を上昇させることができ、加湿量の増加及び本体1の小型化を実現できる。また、空気加熱手段14の加熱量を変更調整することにより、加湿量の増減の調整が可能となる。さらに、送風機11aにターボファンを用いることにより、リング状の板材加湿エレメント24の内周全体に送風することが容易となる。したがって、板材加湿エレメント24全体を加湿に寄与させることが可能になるとともに、送風能力が高まり板材加湿エレメント24の間を流れる気流の流速を速くすることができ、加湿量を増加させることができる。
【0040】
加えて、加湿部材10を構成する板材加湿エレメント24を、複数枚のリング状の板材加湿エレメント24をスペーサ31を介在させて積層した構造とすることによって、空気との接触面積を増加できるとともに、十分な保水量を確保することができる。その結果として、加湿量を増加することができる。また、スペーサ31を各板材加湿エレメント24の間に介在させることによって、空気の流れる風路スペースが確保され、圧力損失を低くすることができる。
【0041】
加湿部材10は、吸込面側板16と背面側板23とを連結部材29及び締結部材32によって締結していることから、吸込面側板16と背面側板23との間に積層される板材加湿エレメント24の外径を、吸込面側板16及び背面側板23の外径よりも小さくすることができる。なお、加湿部材10の回転移動において、送風機11aに接触しないような形状、つまり送風機11aを内部に収容可能な形状であれば、それ以外の形状を特に限定するものではない。したがって、加湿部材10の形状を変更すれば、保水性を更に高めることや、圧力損失を更に低減することが可能となる。
【0042】
加湿部材10の吸込面側板16の加湿部材吸込口22をベルマウス形状としたことによって、圧力損失を低減できるとともに、送風機11aへ流入する気流を整流でき、低騒音化を実現できる。また、加湿部材10を吸込面側板16に従動手段17及び従動歯車18を設けたことにより、駆動力の伝達が容易かつ安定して行えることから、板材加湿エレメント24が送風機11aの外周を安定して移動ができるため、安定した加湿運転を実現できる。
【0043】
加湿部材10を吸込面側板16に設けた従動手段17及び従動歯車18は、貯水容器9内に貯水されている水面28よりも上方に配置されることから、貯留容器9に貯水されている水と不用意に接触することがない。したがって、駆動力の伝達を阻害する要因となる水あかの従動手段17及び従動歯車18への付着を抑制することができ、加湿部材10の動作を支障なく行なうことができ、安定した加湿運転を実現できる。
【0044】
同様に、駆動手段15及び駆動歯車18は、貯水容器9内に貯水されている水面28よりも上方に配置されることから、貯留容器9に貯水されている水と不用意に接触することがない。したがって、駆動力の伝達を阻害する要因となる水あかの駆動手段15及び駆動歯車18への付着を抑制することができ、加湿部材10の動作を支障なく行なうことができ、安定した加湿運転を実現できる。
【0045】
加湿部材10が回転自在に移動可能であるとともに、着脱自在に支持される支持手段20を貯留容器9に設けることから、板材加湿エレメント24が安定して送風機11aの外周を移動可能となり、安定した加湿性能を得ることができる。また、支持手段20が貯水容器9に貯水されている水面28よりも上方に配置されることから、貯留容器9に貯水されている水と不要に接触することがない。したがって、支持手段20への水あかの付着を抑制することができる。さらに、支持手段30の回転及び加湿部材10の支持に不要な抵抗等の増加を軽減でき、加湿部材10の動作に支障をきたすことなく、安定した加湿運転を実現できる。
【0046】
次に、板材加湿エレメント24の保水、抗菌及び防カビについて説明する。
板材加湿エレメント24を構成する素材に親水性付与添加剤を添加することにより、表面の親水性を高くでき、保水量を増加させ、保水性を向上させることができる。この親水性付与添加剤としては、たとえばグリセリン脂肪酸エステルや、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ノニオン界面活性剤等がある。
【0047】
また、板材加湿エレメント24を構成する素材に抗菌剤を添加することにより、抗菌性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれる菌や、空気の接触により付着する菌の繁殖を抑制することができる。この抗菌剤としては、たとえば銀や銅、亜鉛等の金属イオンを溶出する無機化合物がある。その他の例としては、銀や銅、亜鉛等の金属微粒子、銀ゼオライト、銀含有リン酸ジルコニウム、ヨウ素化合物類、フェノール類、第4級アンモニウム塩類、イミダゾール化合物類、安息香酸類、過酸化水素、クレゾール、クロルヘキシジン、イルガサン、アルデヒド類、ソルビン酸等の薬剤等がある。更に他の例としては、リゾチームやセルラーゼ、プロテアーゼ等の酵素製剤や、カテキン類、竹抽出物、ヒノキ抽出物、わさび抽出物、からし抽出物等の天然成分抽出物等がある。
【0048】
さらに、板材加湿エレメント24を構成する素材に防カビ剤を添加することにより、防カビ性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれるカビや、空気の接触により付着するカビの繁殖を抑制することができる。この防カビ剤としては、たとえば有機窒素化合物や硫黄系化合物、有機酸エステル類、有機ヨウ素系イミダゾール化合物、ベンザゾール化合物等がある。
【0049】
更にまた、板材加湿エレメント24を構成する素材に脱臭触媒や吸着剤を添加することにより、加湿部材10を通過する空気の脱臭が可能となる。この脱臭触媒としては、たとえばCrや、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等から選ばれる少なくとも1つ以上の金属を含む化合物がよく、更にPt、Ru、Pd、Rdから選ばれる少なくとも1つ以上の貴金属を含めるようにすればなお効果が高くなる。また、吸着剤としては、たとえば活性炭やゼオライト等がある。
【0050】
一方、板材加湿エレメント24の表面に膜を形成し、その膜に親水性の無機化合物や抗菌剤、防カビ剤、脱臭触媒、吸着剤を含めるように構成してもよい。つまり、板材加湿エレメント24の表面に親水性の無機化合物を含む膜を形成するようにすれば、板材加湿エレメント24の保水性を高めることができる。この無機化合物としては、たとえばシリカやコロイダルシリカ、シリカゲル、タルク、セピライト、ゼオライト等がある。
【0051】
また、板材加湿エレメント24の表面に抗菌剤を含む膜を形成するようにすれば、抗菌性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれる菌や空気の接触により付着する菌の繁殖を抑制することができる。この抗菌剤としては、たとえば銀や銅、亜鉛等の金属イオンを溶出する無機化合物がある。その他の例としては、銀や銅、亜鉛等の金属微粒子、銀ゼオライト、銀含有リン酸ジルコニウム、ヨウ素化合物類、フェノール類、第4級アンモニウム塩類、イミダゾール化合物類、安息香酸類、過酸化水素、クレゾール、クロルヘキシジン、イルガサン、アルデヒド類、ソルビン酸、等の薬剤等がある。更に他の例としては、リゾチームやセルラーゼ、プロテアーゼなどの酵素製剤や、カテキン類、竹抽出物、ヒノキ抽出物、わさび抽出物、からし抽出物等の天然成分抽出物などがある。
【0052】
さらに、板材加湿エレメント24の表面に防カビ剤を含む膜を形成するようにすれば、防カビ性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれるカビや空気の接触により付着するカビの繁殖を抑制することができる。この防カビ剤としては、たとえば有機窒素化合物や硫黄系化合物、有機酸エステル類、有機ヨウ素系イミダゾール化合物、ベンザゾール化合物などがある。
【0053】
更にまた、板材加湿エレメント24の表面に脱臭触媒や吸着剤を含む膜を形成するようにすれば、加湿部材10を通過する空気の脱臭が可能となる。この脱臭触媒としては、たとえばCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選ばれる少なくともひとつ以上の金属を含む化合物がよく、更にPt、Ru、Pd、Rdから選ばれる少なくともひとつ以上の貴金属を含めるようにすればなお効果が高くなる。また、吸着剤としては、たとえば活性炭やゼオライト等がある。
【0054】
ところで、駆動手段15の駆動を止め、板材加湿エレメント24の移動を停止した状態で、送風機11aを動作させて送風を行ない、板材加湿エレメント24に保水されている水分を気化させれば、板材加湿エレメント24を乾燥させることができ、板材加湿エレメント24の抗菌性・防カビ性を高めることができる。また、駆動手段15の駆動を止め、板材加湿エレメント24の移動を停止した状態で、空気加熱手段14で加熱した空気を送風機11aを動作させて送風させれば、板材加湿エレメント24に保水されている水分の気化を早めることができ、板材加湿エレメント24を早く乾燥させることができるため、板材加湿エレメント24の抗菌性・防カビ性が更に高めることができる。
【0055】
以上のような構成の加湿装置100においては、板材加湿エレメント24を構成する素材に親水性付与添加剤を添加することにより、表面の親水性を高くでき、保水量を増加させて保水性を高めることができる。また、加湿量を多くすることができるとともに、加湿性能の低下を抑制でき、安定的な加湿量を得ることができる。これにより、加湿部材10及び送風機11aの小型化や、送風機11aの風量の低減ができ、加湿装置100の本体1の小型化や低消費電力化、低騒音化を実現できる。
【0056】
板材加湿エレメント24を構成する素材に抗菌剤を添加すれば、抗菌性を付与することができ、表面に保水した水に含まれる菌や空気の接触により付着する菌の繁殖を抑制することができ、加湿部材10の清潔性を高めることができ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を向上できる。また、板材加湿エレメント24を構成する素材に防カビ剤を添加すれば、防カビ性を付与することができ、表面に保水した水に含まれるカビや空気の接触により付着するカビの繁殖を抑制することができ、加湿部材10の清潔性を高めることができ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を向上できる。さらに、板材加湿エレメント24を構成する素材に脱臭触媒や吸着剤を添加すれば、加湿部材10を通過する空気の脱臭が可能となり、加湿空気の清浄性を向上できる。
【0057】
一方、板材加湿エレメント24の表面に親水性の無機化合物を含む膜を形成すれば、板材加湿エレメント24の保水性を高めることができ、加湿量を多くするとともに加湿量の低下を抑制でき安定的な加湿量を得ることができる。これにより、加湿部材10及び送風機11aの小型化、送風機11aの風量の低減ができ、加湿装置100の小型化及び低消費電力化、低騒音化ができる。また、板材加湿エレメント24の表面に抗菌剤を含む膜を形成すれば、抗菌性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれる菌や空気の接触により付着する菌の繁殖を抑制することができ、加湿部材10の清潔性を高めることができ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0058】
さらに、板材加湿エレメント24の表面に防カビ剤を含む膜を形成すれば、防カビ性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれるカビや空気の接触により付着するカビの繁殖を抑制することができ、加湿部材10の清潔性が保たれ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。更にまた、板材加湿エレメント24の表面に脱臭触媒や吸着剤を含む膜を形成すれば、加湿部材10を通過する空気の脱臭が可能となり加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0059】
加えて、駆動手段15の駆動を止め、板材加湿エレメント24の移動を停止した状態で、送風機11aを動作させて送風を行ない、板材加湿エレメント24に保水される水分を気化させ、板材加湿エレメント24を乾燥させることにより、板材加湿エレメント24の抗菌性及び防カビ性を向上できる。したがって、加湿部材10の清潔性が保たれ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0060】
また、駆動手段15の駆動を止め、板材加湿エレメント24の移動を停止した状態で、空気加熱手段14で加熱した空気を送風機11aを動作させて送風させれば、板材加湿エレメント24に保水される水分の気化を早めることができ、板材加湿エレメント24を早く乾燥させることができる。したがって、板材加湿エレメント24の抗菌性・防カビ性を更に高めることができ、加湿部材10の清潔性が保たれ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0061】
次に、加湿装置100の本体1のメンテナンスについて説明する。
図2に示したように、加湿装置100の本体1の背面側上面に配置されている給水タンク6は、上方に取り外すことができる。また、吸込側ユニット7は、前面側にスライドさせることで、本体1から取り外すことができる。このとき、加湿部材10を構成する背面側板23及び板材加湿エレメント24には、送風機11aの外径よりも大きな開口部が形成されており、送風機11aと干渉することなく吸込側ユニット7を本体1から取り外すことができる。このような形状及び配置となっていることから、本体1から吸込側ユニット7を分離でき、吸込側ユニット7の貯水容器9及び加湿部材10へのアクセスが可能となる。
【0062】
それから、図3に示したように、吸込側ユニット7の貯水容器9を背面側に引き出せば、貯水容器9を保持部材8から取り外すことができる。このとき、駆動手段15の駆動歯車18と、従動手段17の従動歯車19との噛合いが、駆動歯車18及び従動歯車19の回転軸方向にスライドして解除され、貯水容器9と貯水容器9に支持される加湿部材10とを一体的に取り外すことができる。したがって、本体1の全体を持ち運ぶことなく、貯水容器9と加湿部材10とのみを洗面所等の水回りへ持って行くことができる。つまり、貯水容器9及び加湿部材10の清掃に要する手間を低減することができるのである。
【0063】
また、加湿部材10は、貯水容器9の上方に着脱自在に設けられている支持手段20で支持されていることから、貯水容器9より上方に引き上げることにより容易に分離でき、清掃することが可能となる。さらに、吸込側ユニット7から加湿部材10のみを上方に引き上げることによって、加湿部材10は支持手段20で支持されていること、駆動歯車18の回転中心が従動歯車19の回転中心よりも下側に設けられることから、従動歯車19が回転しながら駆動歯車18との噛合いを容易に解除でき、加湿部材10のみを取り外すことも容易にできる。したがって、加湿部材10のみを取り外して、清掃することも可能である。
【0064】
加湿部材10は、図7に示したように、締結部材32を連結部材29から取り外すことによって、吸込面側板16、板材加湿エレメント24、背面側板23及びスペーサ31を個別に分離することができる。したがって、これらの各構成部品を個別に清掃やメンテナンスできる。加湿部材10の各構成部品が一体の状態では、各板材加湿エレメント24の間隔が狭く清掃やメンテナンスがしにくいが、各構成部品が個別に分離した状態では、各板材加湿エレメント24の表面の清掃やメンテナンスが容易にできる。さらに、貯水容器9の内部に取り付けられた支持手段30は、上方に取り外すことができ、貯水容器9の内側の清掃やメンテナンスが容易に実行できるとともに、取り外した支持手段30の清掃やメンテナンスも容易に実行できる。
【0065】
以上のような構成の加湿装置100においては、吸込側ユニット7を前面、つまり水平方向(送風機11aの回転軸方向)にスライドさせると、背面側板23と板材加湿エレメント24とには送風機11aの外径よりも大きな開口部が形成されているために、吸込側ユニット7を取り外す際に送風機11aと干渉しない構成となっている。したがって、本体1から吸込側ユニット7を容易に分離でき、吸込側ユニット7の貯水容器9及び加湿部材10の清掃やメンテナンスが容易に実行でき、加湿量の低下を抑制し、安定した加湿量を得ることができるとともに、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0066】
また、貯水容器9を背面側に水平に引き出すことにより、保持部材8及び貯水容器9が水平方向にスライドさせることにより着脱自在に保持される形状に形成されていること、駆動歯車18と従動歯車19との噛合いが(駆動歯車18及び従動歯車19の回転軸方向)に着脱自在に配置されることから、貯水容器9と貯水容器9に支持される加湿部材10とを一体的に取り外すことで分離できる。したがって、本体1全体を持ち運ぶことなく、貯水容器9及び加湿部材10のみを洗面所等の水回りへ持ち運ぶことができるため清掃やメンテナンスが容易に実行でき、加湿量の低下を抑制し、安定した加湿量を得ることができるとともに、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0067】
さらに、加湿部材10は、支持手段20で支持されていることから、貯水容器9より上方に引き上げることにより工具等が不要で容易に取り外すことができるため、加湿部材10の清掃やメンテナンスが容易に実行でき、加湿量の低下を抑制し、安定した加湿量を得ることができるとともに、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0068】
更にまた、吸込側ユニット7から加湿部材10のみを上方に引き上げると、加湿部材10が貯水容器9の上方に着脱自在に支持されていること、駆動歯車18の回転中心が従動歯車19の回転中心よりも下側にあることから、従動歯車19が回転しながら駆動歯車18との噛合いを容易に解除でき、加湿部材10のみを取り外すことも容易にできる。したがって、加湿部材10のみを取り外して、清掃やメンテナンスすることが容易に実行でき、加湿量の低下を抑制し、安定した加湿量を得ることができるとともに、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0069】
締結部材32を連結部材29から取り外すことによって、加湿部材10を構成する各構成部品である吸込面側板16、板材加湿エレメント24、背面側板23及びスペーサ31を個別に分離することができ、各構成部品を個別に清掃やメンテナンスできる。したがって、加湿部材10の各構成部品が一体の状態ではメンテナンスしにくい板材加湿エレメント24の表面の清掃やメンテナンスを容易にすることができ、加湿量の低下を抑制し、安定した加湿量を得ることができるとともに、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0070】
また、貯水容器9内に着脱自在に設けられている2本の支持手段30は、上方に容易に取外すことができるために、貯水容器9の内側の清掃やメンテナンスが容易に実行できる。さらに、取り外した支持手段30の清掃やメンテナンスも容易に実行することができる。したがって、各構成部品に分解した状態で、各構成部品の清掃やメンテナンスを実行できるので、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を更に高めることができる。
【0071】
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2に係る加湿部材10aの構成を示す斜視図である。図9に基づいて、実施の形態2に係る加湿部材10aの構成について説明する。なお、この実施の形態2では上述した実施の形態1との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。この加湿部材10aは、実施の形態1に係る板材加湿エレメント24の代わりに、不織布加湿エレメント33を備えていることを特徴としている。
【0072】
図9に示すように、加湿部材10aは、吸込面側板16と背面側板23との間に周状の不織布加湿エレメント33が保持されている。そして、連結部材29を介して着脱自在の締結部材32で一体的に構成されている。つまり、実施の形態1では、複数枚の板材加湿エレメント24の積層構造が吸込面側板16と背面側板23との間に保持されていたが、実施の形態2では、1つの周状の不織布加湿エレメント33が吸込面側板16と背面側板23との間に保持されているのである。なお、不織布加湿エレメント33の表面には、多数の通気穴35がメッシュ状に開口形成されている。
【0073】
図10は、加湿部材10aの断面構成を前面から見た状態を示す縦断面図である。図10に基づいて、不織布加湿エレメント33の形状について説明する。不織布加湿エレメント33は、背面側板23に設けられている連結部材29により保持されている。この不織布加湿エレメント33は、帯状の不織布を折り目が所定の角度を有するように山折り、谷折りを交互に複数回繰り返し、送風機11aの外周を取り囲むように、その両端を繋ぎ合わせて構成されている。つまり、不織布加湿エレメント33は、連結部材29の位置に応じ、周方向に山折り又は谷折りが交互に繰り返されて構成されているのである。
【0074】
したがって、不織布加湿エレメント33は、連結部材29の位置に応じた位置に山折り又は谷折りの頂点が配置されるようになっているために、この連結部材29が不織布加湿エレメント33の変形を抑制する補強材としての機能も果たすようになっている。このように不織布加湿エレメント33を構成することで、背面側板23の外周に納まる範囲内において表面積を多く確保することができるようになっている。なお、山折り及び谷折りの折り曲げ回数を特に限定するものではなく、背面側板23の外周の大きさや連結部材29の設置本数に基づいて折り曲げ回数を決定するとよい。また、折り目の角度も特に限定するものではない。さらに、不織布加湿エレメント33自体に形状を維持できる強度があれば、すべての折り目に連結部材29を設ける必要はない。
【0075】
図11は、加湿部材10aを分解した状態を示す分解斜視図である。図11に基づいて、加湿部材10aの詳細な構成について説明する。図11に示すように、背面側板23に設けられている連結部材29には、段差34が設けられている。連結部材29に段差34を設けることで、組立時に吸込面側板16の組立穴30に連結部材29を挿入すると、段差34で引っ掛り(係止し)、吸込面側板16と背面側板23との間隔を所定の距離に保つことができる。
【0076】
以上のような構成の加湿装置10aにおいては、吸水性の良い不織布加湿エレメント33を使用することにより保水性を向上させるとともに、メッシュ状に開口形成された通気穴35を設けることで通気性を確保できる。そのために、圧力損失を低減することができ、加湿量を多くし、加湿量の低下を抑制できる。また、送風機11aに大きな送風能力を要求せずに済むことから、送風機11a及び本体1の寸法を小型化でき、その結果として低騒音化や消費電力の低減が実現できる。
【0077】
また、加湿部材10aは、吸込面側板16と背面側板23とを連結部材29及び締結部材32で締結していることから、吸込面側板16と背面側板23との間に保持される不織布加湿エレメント33の形状を背面側板23の外径の範囲内に納まっていれば自由な形状とすることができ、表面積を増やすことで保水性を高めたり、圧力損失を更に低減したりすることが可能となる。
【0078】
加湿部材10aの吸込面側板16の加湿部材吸込口22をベルマウス形状としたことによって、圧力損失を低減できるとともに、送風機11aへ流入する気流を整流でき、低騒音化を実現できる。また、締結部材32を連結部材29から取り外すことによって、加湿部材10aを構成する各構成部品である吸込面側板16、不織布加湿エレメント33、背面側板23及びスペーサ31を個別に分離することができ、各構成部品を個別に清掃やメンテナンスできる。したがって、加湿部材10aの各構成部品が一体の状態ではメンテナンスしにくい不織布加湿エレメント33の内周面の清掃やメンテナンスを容易にすることができ、加湿量の低下を抑制し、安定した加湿量を得ることができるとともに、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0079】
また、連結部材29に段差34を設けたことにより、組立時に吸込面側板16と背面側板23との間隔を所定の距離に保つことができるため、不織布加湿エレメント33の変形を防止でき、安定した加湿量を得ることができる。不織布加湿エレメント33の繊維素材に親水性付与添加剤を添加すれば、不織布加湿エレメント33の表面の親水性が高くなり、保水量を増加させ、保水性を向上させることができる。したがって、加湿量を増加するとともに、加湿量の低下を抑制でき、安定的な加湿量を得ることができる。これにより、加湿部材10a及び送風機11aの小型化、送風機11aの風量の低減を図ることができ、加湿装置100の小型化、低消費電力化及び低騒音化が実現できる。
【0080】
不織布加湿エレメント33の繊維素材に抗菌剤を添加すれば、抗菌性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれる菌や空気の接触により付着する菌の繁殖を抑制することができる。したがって、加湿部材10aの清潔性を高めることができ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。また、不織布加湿エレメント33の繊維素材に防カビ剤を添加すれば、防カビ性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれるカビや空気の接触により付着するカビの繁殖を抑制することができる。したがって、加湿部材10aの清潔性を高めることができ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0081】
不織布加湿エレメント33の繊維素材に脱臭触媒や吸着剤を添加すれば、加湿部材10aを通過する空気の脱臭が可能となり加湿空気の清浄性を高めることができる。また、不織布加湿エレメント33の表面に親水性の無機化合物を含む膜を形成すれば、不織布加湿エレメント33の保水性を高めることができ、加湿量を多くするとともに加湿量の低下を抑制でき、安定的な加湿量を得ることができる。これにより、加湿部材10a及び送風機11aの小型化、送風機11aの風量の低減を図ることができ、加湿装置100の小型化、低消費電力化及び低騒音化が実現できる。
【0082】
不織布加湿エレメント33の表面に抗菌剤を含む膜を形成すれば、抗菌性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれる菌や空気の接触により付着する菌の繁殖を抑制することができ、加湿部材10aの清潔性を高めることができ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。また、不織布加湿エレメント33の表面に防カビ剤を含む膜を形成すれば、防カビ性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれるカビや空気の接触により付着するカビの繁殖を抑制することができ、加湿部材10aの清潔性が保たれ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。さらに、不織布加湿エレメント33の表面に脱臭触媒や吸着剤を含む膜を形成すれば、加湿部材10aを通過する空気の脱臭が可能となり加湿空気の清浄性を向上できる。
【0083】
なお、この実施の形態2では、不織布加湿エレメント33が変形せずに加湿部材10aごと送風機11aの周辺を回転移動する場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、不織布加湿エレメント33の有する柔軟性を利用して、不織布加湿エレメント33自体が変形しながら、送風機11aの周辺を移動するようにしてもよい。また、不織布加湿エレメント33は周状に構成されていればよく、折り目を付けて折り曲げた形状に限定するものではない。たとえば、不織布加湿エレメント33をリング状としてもよく、うねるように折り曲げた形状としてもよい。
【0084】
また、不織布加湿エレメント33は周状に構成されていればよく、一体的な不織布加湿エレメントを使用して形成されている場合に限らず、複数個に分割された不織布加湿エレメントを周状に連結して形成してもよい。さらに、複数個の分割された板材加湿エレメントを連結して不織布加湿エレメント33を形成した場合には、各不織布加湿エレメントの連結部分を可動可能にすることによって、不織布加湿エレメント33が変形しながら送風機11aの周辺を移動することができる。
【0085】
実施の形態3.
図12は、本発明の実施の形態3に係る加湿部材10bの構成を示す斜視図である。図12に基づいて、実施の形態3に係る加湿部材10bの構成について説明する。なお、この実施の形態3では上述した実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1及び実施の形態2と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。この加湿部材10bは、実施の形態1に係る板材加湿エレメント24や実施の形態2に係る不織布加湿エレメント33の代わりに、発泡基材加湿エレメント36を備えていることを特徴としている。
【0086】
図12に示すように、加湿部材10bは、吸込面側板16と背面側板23との間に周状の発泡基材加湿エレメント36が保持されている。そして、連結部材29を介して着脱自在の締結部材32で一体的に構成されている。つまり、実施の形態1では、複数枚の板材加湿エレメント24の積層構造が吸込面側板16と背面側板23との間に保持されていたが、実施の形態3では、実施の形態2と同様に、1つの周状の発泡基材加湿エレメント36が吸込面側板16と背面側板23との間に保持されているのである。
【0087】
図13は、加湿部材10bの断面構成を前面から見た状態を示す縦断面図である。図13に基づいて、発泡基材加湿エレメント36の形状について説明する。発泡基材加湿エレメント36は、背面側板23に設けられている連結部材29により保持されている。この発泡基材加湿エレメント36は、発泡基材が波形となるように交互に複数回曲げて、送風機11aの外周を取り囲むように、その両端を繋ぎ合わせるように構成されている。つまり、発泡基材加湿エレメント36は、連結部材29の位置に応じ、周方向に交互にうねるように曲げられて、断面形状が直線と曲線とを組み合わせながら構成されているのである。
【0088】
したがって、発泡基材加湿エレメント36は、連結部材29の位置に応じた位置に山折り又は谷折りの頂点が配置されるようになっているために、この連結部材29が発泡基材加湿エレメント36の変形を抑制する補強材としての機能も果たすようになっている。このように発泡基材加湿エレメント36を構成することで、背面側板23の外周に納まる範囲内において表面積を多く確保することができるようになっている。なお、山折り及び谷折りの折り曲げ回数を特に限定するものではなく、背面側板23の外周の大きさや連結部材29の設置本数に基づいて折り曲げ回数を決定するとよい。また、発泡基材加湿エレメント36自体に形状を維持できる強度があれば、すべての折り目に連結部材29を設ける必要はない。
【0089】
図14は、加湿部材10bを分解した状態を示す分解斜視図である。図14に基づいて、加湿部材10bの詳細な構成について説明する。図14に示すように、背面側板23に設けられている連結部材29には、段差34が設けられている。連結部材29に段差34を設けることで、組立時に吸込面側板16の組立穴30に連結部材29を挿入すると、段差34で引っ掛り、吸込面側板16と背面側板23との間隔を所定の距離に保つことができる。
【0090】
以上のような構成の加湿装置10bにおいては、空隙率97%以上、気泡数4〜25個/25mmの3次元骨格構造の発泡基材加湿エレメント36を使用することにより、内部の表面積を多く確保でき、保水性を向上できるとともに、空気の流通が良好にすることができる。そのために、圧力損失を低減でき、加湿量を多くし、加湿量の低下を抑制できる。また、送風機11aに大きな送風能力を要求せずに済むことから、送風機11a及び本体1の寸法を小型化でき、その結果として低騒音化や消費電力の低減が実現できる。
【0091】
また、加湿部材10bは、吸込面側板16と背面側板23とを連結部材29及び締結部材32で締結していることから、吸込面側板16と背面側板23との間に保持される発泡基材加湿エレメント36の形状を背面側板23の外径の範囲内に納まっていれば自由な形状とすることができ、表面積を増やすことで保水性を高めたり、圧力損失を更に低減したりすることが可能となる。
【0092】
加湿部材10bの吸込面側板16の加湿部材吸込口22をベルマウス形状としたことによって、圧力損失を低減できるとともに、送風機11aへ流入する気流を整流でき、低騒音化を実現できる。また、締結部材32を連結部材29から取り外すことによって、加湿部材10bを構成する各構成部品である吸込面側板16、発泡基材加湿エレメント36、背面側板23及びスペーサ31を個別に分離することができ、各構成部品を個別に清掃やメンテナンスできる。したがって、加湿部材10bの各構成部品が一体の状態ではメンテナンスしにくい発泡基材加湿エレメント36の内周面等の清掃やメンテナンスを容易にすることができ、加湿量の低下を抑制し、安定した加湿量を得ることができるとともに、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0093】
また、連結部材29に段差34を設けたことにより、組立時に吸込面側板16と背面側板23との間隔を所定の距離に保つことができるため、発泡基材加湿エレメント36の変形を防止でき、安定した加湿量を得ることができる。発泡基材加湿エレメント36の繊維素材に親水性付与添加剤を添加すれば、発泡基材加湿エレメント36の表面の親水性が高くなり、保水量を増加させ、保水性を向上させることができる。したがって、加湿量を増加するとともに、加湿量の低下を抑制でき、安定的な加湿量を得ることができる。これにより、加湿部材10b及び送風機11aの小型化、送風機11aの風量の低減を図ることができ、加湿装置100の小型化、低消費電力化及び低騒音化が実現できる。
【0094】
発泡基材加湿エレメント36の繊維素材に抗菌剤を添加すれば、抗菌性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれる菌や空気の接触により付着する菌の繁殖を抑制することができる。したがって、加湿部材10bの清潔性を高めることができ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。また、発泡基材加湿エレメント36の繊維素材に防カビ剤を添加すれば、防カビ性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれるカビや空気の接触により付着するカビの繁殖を抑制することができる。したがって、加湿部材10bの清潔性を高めることができ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0095】
発泡基材加湿エレメント36の繊維素材に脱臭触媒や吸着剤を添加すれば、加湿部材10bを通過する空気の脱臭が可能となり加湿空気の清浄性を高めることができる。また、発泡基材加湿エレメント36の表面に親水性の無機化合物を含む膜を形成すれば、発泡基材加湿エレメント36の保水性を高めることができ、加湿量を多くするとともに加湿量の低下を抑制でき、安定的な加湿量を得ることができる。これにより、加湿部材10b及び送風機11aの小型化、送風機11aの風量の低減を図ることができ、加湿装置100の小型化、低消費電力化及び低騒音化が実現できる。
【0096】
発泡基材加湿エレメント36の表面に抗菌剤を含む膜を形成すれば、抗菌性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれる菌や空気の接触により付着する菌の繁殖を抑制でき、加湿部材10bの清潔性を高めることができ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。また、発泡基材加湿エレメント36の表面に防カビ剤を含む膜を形成すれば、防カビ性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれるカビや空気の接触により付着するカビの繁殖を抑制することができ、加湿部材10bの清潔性が保たれ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。さらに、発泡基材加湿エレメント36の表面に脱臭触媒や吸着剤を含む膜を形成すれば、加湿部材10bを通過する空気の脱臭が可能となり加湿空気の清浄性を向上できる。
【0097】
なお、この実施の形態3では、発泡基材加湿エレメント36が変形せずに加湿部材10bごと送風機11aの周辺を回転移動する場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、発泡基材加湿エレメント36の有する柔軟性を利用して、発泡基材加湿エレメント36自体が変形しながら、送風機11aの周辺を移動するようにしてもよい。また、発泡基材加湿エレメント36は周状に構成されていればよく、うねるような形状に限定するものではない。たとえば、発泡基材加湿エレメント36をリング状としてもよく、折り目をつけるように折り曲げた形状としてもよい。
【0098】
また、発泡基材加湿エレメント36は周状に構成されていればよく、一体的な発泡基材加湿エレメントを使用して形成されている場合に限らず、複数個に分割された発泡基材加湿エレメントを周状に連結して形成してもよい。さらに、複数個の分割された発泡基材加湿エレメントを連結して発泡基材加湿エレメント36を形成した場合には、各発泡基材加湿エレメントの連結部分を可動可能にすることによって、発泡基材加湿エレメント36が変形しながら送風機11aの周辺を移動することができる。
【0099】
実施の形態4.
図15は、本発明の実施の形態4に係る加湿部材10cの断面構成を前面から見た状態を示す縦断面図である。図15に基づいて、実施の形態4に係る加湿部材10cの構成について説明する。なお、この実施の形態4では上述した実施の形態1〜実施の形態3との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1〜実施の形態3と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。この加湿部材10cは、実施の形態3に係る発泡基材加湿エレメント36と異なる形状の発泡基材加湿エレメント36aを備えていることを特徴としている。
【0100】
発泡基材加湿エレメント36aは、背面側板23に設けられている連結部材29により保持されている。この発泡基材加湿エレメント36aは、帯状の発泡基材をリング状にした外径の異なる2つの発泡基材加湿エレメントで構成されている。そして、各発泡基材加湿エレメントは、複数本の連結部材29で内周側が支持されているために、この連結部材29が各発泡基材加湿エレメントの変形を抑制する補強材としての機能も果たすようになっている。
【0101】
このように2つのリング状の発泡基材加湿エレメントで発泡基材加湿エレメント36aを構成することで、背面側板23の外周に納まる範囲内において表面積を多く確保することができるようになっている。なお、この実施の形態4では、発泡基材加湿エレメント36を2つの発泡基材加湿エレメントで構成した場合を例に示したが、これに限定するものではない。たとえば、発泡基材加湿エレメント36aを1つの発泡基材加湿エレメントで構成してもよく、3つ以上の発泡基材加湿エレメントで構成してもよい。
【0102】
以上のような構成の加湿装置10cにおいては、空隙率97%以上、気泡数4〜25個/25mmの3次元骨格構造の発泡基材加湿エレメント36aを使用することにより、内部の表面積を多く確保でき、保水性を向上できるとともに、空気の流通が良好にすることができる。そのために、圧力損失を低減でき、加湿量を多くし、加湿量の低下を抑制できる。また、送風機11aに大きな送風能力を要求せずに済むことから、送風機11a及び本体1の寸法を小型化でき、その結果として低騒音化や消費電力の低減が実現できる。
【0103】
また、加湿部材10cは、吸込面側板16と背面側板23とを連結部材29及び締結部材32で締結していることから、吸込面側板16と背面側板23との間に保持される発泡基材加湿エレメント36aの形状を背面側板23の外径の範囲内に納まっていれば厳密なリング形状でなくともよく、表面積を増やすことで保水性を高めたり、圧力損失を更に低減したりすることが可能となる。
【0104】
加湿部材10cの吸込面側板16の加湿部材吸込口22をベルマウス形状としたことによって、圧力損失を低減できるとともに、送風機11aへ流入する気流を整流でき、低騒音化を実現できる。また、締結部材32を連結部材29から取り外すことによって、加湿部材10bを構成する各構成部品である吸込面側板16、発泡基材加湿エレメント36a、背面側板23及びスペーサ31を個別に分離することができ、各構成部品を個別に清掃やメンテナンスできる。したがって、加湿部材10cの各構成部品が一体の状態ではメンテナンスしにくい発泡基材加湿エレメント36aの内周面等の清掃やメンテナンスを容易にすることができ、加湿量の低下を抑制し、安定した加湿量を得ることができるとともに、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0105】
また、連結部材29に段差34を設けたことにより、組立時に吸込面側板16と背面側板23との間隔を所定の距離に保つことができるため、発泡基材加湿エレメント36aの変形を防止でき、安定した加湿量を得ることができる。発泡基材加湿エレメント36aの繊維素材に親水性付与添加剤を添加すれば、発泡基材加湿エレメント36aの表面の親水性が高くなり、保水量を増加させ、保水性を向上させることができる。したがって、加湿量を増加するとともに、加湿量の低下を抑制でき、安定的な加湿量を得ることができる。これにより、加湿部材10c及び送風機11aの小型化、送風機11aの風量の低減を図ることができ、加湿装置100の小型化、低消費電力化及び低騒音化が実現できる。
【0106】
発泡基材加湿エレメント36aの繊維素材に抗菌剤を添加すれば、抗菌性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれる菌や空気の接触により付着する菌の繁殖を抑制することができる。したがって、加湿部材10cの清潔性を高めることができ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。また、発泡基材加湿エレメント36aの繊維素材に防カビ剤を添加すれば、防カビ性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれるカビや空気の接触により付着するカビの繁殖を抑制することができる。したがって、加湿部材10cの清潔性を高めることができ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【0107】
発泡基材加湿エレメント36aの繊維素材に脱臭触媒や吸着剤を添加すれば、加湿部材10cを通過する空気の脱臭が可能となり加湿空気の清浄性を高めることができる。また、発泡基材加湿エレメント36aの表面に親水性の無機化合物を含む膜を形成すれば、発泡基材加湿エレメント36aの保水性を高めることができ、加湿量を多くするとともに加湿量の低下を抑制でき、安定的な加湿量を得ることができる。これにより、加湿部材10c及び送風機11aの小型化、送風機11aの風量の低減を図ることができ、加湿装置100の小型化、低消費電力化及び低騒音化が実現できる。
【0108】
発泡基材加湿エレメント36aの表面に抗菌剤を含む膜を形成すれば、抗菌性を付与することができ、表面に保水した水分に含まれる菌や空気の接触により付着する菌の繁殖を抑制でき、加湿部材10cの清潔性を高めることができ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。また、発泡基材加湿エレメント36aの表面に防カビ剤を含む膜を形成すれば、防カビ性を付与でき、表面に保水した水分に含まれるカビや空気の接触により付着するカビの繁殖を抑制することができ、加湿部材10cの清潔性が保たれ、加湿装置100の清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。さらに、発泡基材加湿エレメント36aの表面に脱臭触媒や吸着剤を含む膜を形成すれば、加湿部材10bを通過する空気の脱臭が可能となり加湿空気の清浄性を向上できる。
【0109】
なお、この実施の形態4では、発泡基材加湿エレメント36aが変形せずに加湿部材10cごと送風機11aの周辺を回転移動する場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、発泡基材加湿エレメント36aの有する柔軟性を利用して、発泡基材加湿エレメント36a自体が変形しながら、送風機11aの周辺を移動するようにしてもよい。また、発泡基材加湿エレメント36aは周状に構成されていればよく、リング状に限定するものではない。たとえば、発泡基材加湿エレメント36aを折り目をつけて折り曲げた形状としてもよく、うねるように折り曲げた形状としてもよい。
【0110】
また、発泡基材加湿エレメント36aは周状に構成されていればよく、一体的な発泡基材加湿エレメントを使用して形成されている場合に限らず、複数個に分割された発泡基材加湿エレメントを周状に連結して形成してもよい。さらに、複数個の分割された発泡基材加湿エレメントを連結して発泡基材加湿エレメント36aを形成した場合には、各発泡基材加湿エレメントの連結部分を可動可能にすることによって、発泡基材加湿エレメント36aが変形しながら送風機11aの周辺を移動することができる。
【0111】
実施の形態5.
図16は、本発明の実施の形態5に係る加湿装置100aの本体1の断面構成を側面から見た状態を示す縦断面図である。図16に基づいて、実施の形態5に係る加湿装置100aの構成及び動作について説明する。なお、この実施の形態5では上述した実施の形態1〜実施の形態4との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1〜実施の形態4と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。この加湿装置100aは、空気加熱手段14が省かれ、光触媒励起手段37が追加されている点で、実施の形態1〜実施の形態4に係る加湿装置100と異なっている。
【0112】
本体1の内部には、加湿部材10を照射するように、光触媒励起手段37を加湿部材10の内側及び外側に設けている。つまり、図16に示すように、光触媒励起手段37は、本体1の給水タンク6側の壁面の上部であって、加湿部材10の外側と、加湿部材10の内側(つまり、開口部内)とに設けられた2つの光触媒励起手段で構成されているのである。なお、2つの光触媒励起手段のいずれかで加湿部材10を照射してもよく、2つの光触媒励起手段で加湿部材10を照射してもよい。
【0113】
また、加湿部材10の板材加湿エレメント24の表面には、光触媒を含む膜が形成されており、加湿部材10が回転により板材加湿エレメント24は移動しながら、光触媒励起手段37により光が周期的に照射されることにより、光触媒活性を常時確保することができる。この光触媒としては、たとえば酸化チタン等がある、また、光触媒励起手段37としては、たとえばUVLEDや、ブラックライト等などがある。さらに、光触媒の代わりとして、ゼオライトやシリカゲルに銀を担持させた膜を形成し、光を照射することにより、水中の塩素との光化学反応を起こさせ、抗菌性を持つ塩化銀を精製するようにしてもよい。
【0114】
次に、加湿装置100の加湿動作について説明する。
加湿装置100a内の気流の流れは、ターボファン等の送風機11aが回転することによって生じる。この気流は、吸込口3より吸い込まれ、風路13を通過して外周がベルマウス形状の加湿部材吸込口22で整流され、送風機11aに吸引される。送風機11aに吸引された気流は、この送風機11aの外周から板材加湿エレメント24の内周に向かって吹き出される。
【0115】
つまり、送風機11aの外周及び板材加湿エレメント24の内周は、重なるように配置されていることから、送風機11aから吹き出される気流は、余計な風路を通過することなく直に板材加湿エレメント24に送風されることになる。この送風された空気が板材加湿エレメント24の間を通過する過程で板材加湿エレメント24に保水された水分が気化される。そして、空気が加湿されることになる。この加湿された空気は、加湿部材10の外周から吹出口5を経て、本体1から吹き出される。
【0116】
このとき、本体1の内部では、光触媒励起手段37によって加湿部材10が照射されている。また、加湿部材10の板材加湿エレメント24の表面には、光触媒を含む膜が形成されているために、加湿部材10が回転により板材加湿エレメント24は移動しながら、光触媒励起手段37により光が周期的に照射され、光触媒活性を常時確保することができるようになっている。
【0117】
この実施の形態5においては、板材加湿エレメント24の表面には光触媒を含む膜を形成しているが、板材加湿エレメント24の素材に光触媒を添加してもよい。また、この実施の形態5では、板材加湿エレメント24を使用した場合を例に示しているが、実施の形態2に係る不織布加湿エレメント33や実施の形態3に係る発泡基材加湿エレメント36、実施の形態4に係る発泡基材加湿エレメント36aを使用してもよい。そうすれば、実施の形態5と同様の効果を得ることが可能になる。
【0118】
以上のような構成の加湿装置100aにおいては、空気加熱手段を使用せずに、吸引した空気の熱を利用して加湿することから消費電力を低減でき、省エネ性を更に向上させることができる。また、加湿部材10に光触媒を含む板材加湿エレメント24を使用し、光触媒励起手段37の光の照射による光触媒活性により、板材加湿エレメント24の表面に保水した水分に含まれる菌やカビや空気の接触により付着する菌やカビの繁殖を抑制することができるとともに、表面に保水した水分に含まれる臭気成分や空気の接触により吸着される臭気成分を分解することができる。したがって、加湿部材10の清潔性が保たれ、加湿装置100aの清潔性及び加湿空気の清浄性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】実施の形態1に係る加湿装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】加湿装置の分解した状態を示す分解斜視図である。
【図3】吸込側ユニットの分解した状態を示す分解斜視図である。
【図4】加湿部材を貯水容器から取り外した状態を示す斜視図である。
【図5】加湿装置の本体の断面構成を側面から見た状態を示す縦断面図である。
【図6】加湿装置の本体の断面構成を前面から見た状態を示す縦断面図である。
【図7】加湿部材を構成部品に分解した状態を示す分解斜視図である。
【図8】加湿部材の断面構成を側面から見た状態を拡大して示す縦断面図である。
【図9】実施の形態2に係る加湿部材の構成を示す斜視図である。
【図10】加湿部材の断面構成を前面から見た状態を示す縦断面図である。
【図11】加湿部材を分解した状態を示す分解斜視図である。
【図12】実施の形態3に係る加湿部材の構成を示す斜視図である。
【図13】加湿部材の断面構成を前面から見た状態を示す縦断面図である。
【図14】加湿部材を分解した状態を示す分解斜視図である。
【図15】実施の形態4に係る加湿部材の断面構成を前面から見た状態を示す縦断面図である。
【図16】実施の形態5に係る加湿装置の本体1の断面構成を側面から見た状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0120】
1 本体、2 前面パネル、3 吸込口、4 上面パネル、5 吹出口、6 給水タンク、7 吸込側ユニット、8 保持部材、9 貯水容器、10 加湿部材、10a 加湿部材、10b 加湿部材、10c 加湿部材、11 送風手段、11a 送風機、11b 駆動部、12 仕切板、13 風路、14 空気加熱手段、15 駆動手段、16 吸込面側板、17 従動手段、18 駆動歯車、19 従動歯車、20 支持手段、21 空気清浄フィルター、22 加湿部材吸込口、23 背面側板、24 板材加湿エレメント、25 給水部、26 水路、28 水面、29 連結部材、30 組立穴、31 スペーサ、32 締結部材、33 不織布加湿エレメント、34 段差、35 通気穴、36 発泡基材加湿エレメント、37 光触媒励起手段、100 加湿装置、100a 加湿装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吸い込み、この空気を外部に供給する送風手段と、
前記送風手段の外周の少なくとも一部を取り囲むように構成され、前記送風手段の周辺を可動する加湿エレメントと、
前記加湿エレメントの一部を浸漬させる貯水容器とを備えた
ことを特徴とする加湿装置。
【請求項2】
前記加湿エレメントを、所定の間隔で積層された複数枚の板材で構成した
ことを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
【請求項3】
前記加湿エレメントを、帯状の不織布で構成した
請求項1に記載の加湿装置。
【請求項4】
前記不織布を、周方向に山折り、谷折りを交互に複数回繰り返して周状に構成した
ことを特徴とする請求項3に記載の加湿装置。
【請求項5】
前記加湿エレメントを、発泡基材で構成した
ことを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
【請求項6】
前記発泡基材を、周方向にうねるように交互に曲げて周状に構成した
ことを特徴とする請求項5に記載の加湿装置。
【請求項7】
前記発泡基材を、外径の異なる複数個で構成した
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の加湿装置。
【請求項8】
前記送風手段によって吸い込まれた空気を加熱する空気加熱手段を前記加湿エレメントの上流側に設けた
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項9】
送風手段に、
ターボファン又はプロペラファンのいずれかを設けた
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項10】
前記加湿エレメントを挟持する吸込面側板及び背面側板を設け、
前記吸込面側板及び前記背面側板の少なくとも一方に前記送風手段の外径よりも大きな開口部を形成した
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項11】
前記吸込面側板及び前記背面側板を連結部材を介し、締結部材で締結することによって前記加湿エレメントを保持した
ことを特徴とする請求項10に記載の加湿装置。
【請求項12】
前記締結部材の着脱に応じて、
前記加湿エレメント、前記吸込面側板及び前記背面側板を分離自在とした
ことを特徴とする請求項11に記載の加湿装置。
【請求項13】
前記不織布を、山折り、谷折りを交互に繰り返した形状とし、前記連結部材を山折り及び谷折りの少なくとも一部に挿入される位置に配置した
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の加湿装置。
【請求項14】
前記発泡基材を、うねるように交互に繰り返し曲げた形状とし、前記連結部材を繰り返し曲げた形状の曲がり部の少なくとも一部に挿入される位置に配置した
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の加湿装置。
【請求項15】
前記連結部材の先端に段差を設け、
前記段差によって前記吸込面側板の前記連結部材が挿入される穴部を係止し、
前記吸込面側板と前記背面側板との間隔を所定の距離で保つ構成とした
ことを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項16】
前記加湿エレメントの吸込面側板の開口部をベルマウス形状とした
ことを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項17】
回転力を発生させる駆動手段と、
前記駆動手段からの回転力が伝達され、前記加湿エレメントを回転移動させる従動手段とを設け、
前記従動手段を前記吸込面側板又は背面側板の少なくともいずれかに設けた
ことを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項18】
前記駆動手段及び前記従動手段を、前記貯留容器に貯留される水面よりも上方に配置した
ことを特徴とする請求項17に記載の加湿装置。
【請求項19】
前記駆動手段を、前記加湿エレメントの回転中心よりも下方に配置した
ことを特徴とする請求項17又は18に記載の加湿装置。
【請求項20】
前記加湿エレメントを回転自在かつ着脱自在に支持する支持手段を設けた
ことを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項21】
前記支持手段を前記貯水容器内に着脱自在に設けた
ことを特徴とする請求項20に記載の加湿装置。
【請求項22】
前記支持手段を、前記貯水容器に貯留される水面よりも上方に配置した
ことを特徴とする請求項21に記載の加湿装置。
【請求項23】
前記支持手段を少なくとも2本以上、回転自在に設けた
ことを特徴とする請求項20〜22のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項24】
少なくとも前記加湿エレメント、前記貯留容器及び前記貯水容器を保持する保持部材で吸込側ユニットを構成し、
前記吸込側ユニットを、前記送風手段の回転軸方向にスライド移動して前記送風機と分離可能とした
ことを特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項25】
前記保持部材から、
前記貯留容器及び前記加湿エレメントを一体的に水平方向にスライド移動して着脱自在とした
ことを特徴とする請求項23又は24に記載の加湿装置。
【請求項26】
前記貯留容器から、
前記加湿エレメントのみを上方に移動して分離可能とした
ことを特徴とする請求項23〜25のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項27】
前記加湿エレメントに親水性付与添加剤を添加した
ことを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項28】
前記加湿エレメントに抗菌剤を添加した
ことを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項29】
前記加湿エレメントに防カビ剤を添加した
ことを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項30】
前記加湿エレメントに脱臭触媒を添加した
ことを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項31】
前記加湿エレメントの表面に親水性の無機化合物を含む膜を形成した
ことを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項32】
前記無機化合物が、シリカ、コロイダルシリカ、シリカゲル、タルク、セピライト又はゼオライトのすくなくともいずれか一つを含む
ことを特徴とする請求項31に記載の加湿装置。
【請求項33】
前記加湿エレメントの表面に光触媒を含む膜を形成し、前記加湿エレメントを照射する光触媒励起手段又は外光の取込み手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項34】
前記加湿エレメントの表面に抗菌剤を含む膜を形成した
ことを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項35】
前記加湿エレメントの表面に防カビ剤を含む膜を形成した
ことを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項36】
前記加湿エレメントの表面に脱臭触媒を含む膜を形成した
ことを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項37】
前記加湿エレメントの移動を停止させ、前記送風手段からの気流によって前記加湿エレメントを乾燥させる
ことを特徴とする請求項1〜36のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項38】
前記加湿エレメントの移動を停止させ、前記送風手段からの気流を前記空気加熱手段で加熱してから前記加湿エレメントを乾燥させる
ことを特徴とする請求項8〜37のいずれかに記載の加湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−180397(P2008−180397A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12277(P2007−12277)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】