説明

加熱炉用の燃焼装置

【課題】オイル式の加熱炉用の燃焼装置の変更に用いる場合等において、燃焼ガスのクリーン化並びに高効率化を的確に図ることが可能となる加熱炉用の燃焼装置を提供する。
【解決手段】燃料噴出体Bにおける先端側でかつ炉内に対向する周壁部分に、ガス燃料流路20から供給されるガス燃料を炉内側に向けて噴出する複数の噴出孔9aを酸素含有ガス供給路における供給路横幅方向に並べる状態で備えるガス燃料噴出ノズル9を設け、ガス燃料噴出ノズル9が、火炎形成範囲が供給路横幅方向の一方側を他方側よりも大きく拡がる状態となる火炎を形成するようにガス燃料を噴出する状態に構成して、火炎形成範囲が供給路横幅方向に拡がる扇形状となる火炎を形成するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基端側から先端側に向けてガス燃料を通流させるガス燃料流路を内部に備えた上下方向に沿う姿勢で長尺状の燃料噴出体が、加熱炉側壁部の供給口を通して炉内に燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給路内に突入させる状態で設けられ、前記燃料噴出体における先端側でかつ炉内に対向する周壁部分に、前記ガス燃焼流路から供給されるガス燃料を炉内側に向けて噴出する複数の噴出孔を前記酸素含有ガス供給路における供給路横幅方向に並べる状態で備えるガス燃料噴出ノズルが設けられて、火炎形成範囲が前記供給路横幅方向に拡がる扇形状となる火炎を形成するように構成された加熱炉用の燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる加熱炉用の燃焼装置(以下、単に燃焼装置と略記する場合がある)は、酸素含有ガス供給路内に突入させる状態に燃料噴出体を設け、その燃料噴出体のガス燃料噴出ノズルからガス燃料を炉内側に向けて噴出させて、火炎形成範囲が供給路横幅方向に拡がる扇形状となる火炎を形成するように構成されており、例えば、ガラス原料を溶解させる溶解層の上方に扇形状の火炎を形成して、溶解槽を加熱するものである。
そして、このような加熱炉用の燃焼装置において、従来では、ガス燃料噴出ノズルが、火炎形成範囲が供給路横幅方向の一方側と他方側とに同じように拡がる状態となる火炎を形成するようにガス燃料を噴出する状態に構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−346174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、低CO2化を図る等のために、オイル燃料噴出ノズルを備えた燃料噴出体にてオイル燃料を炉内側に向けて噴出させるオイル式の加熱炉用の燃焼装置を、ガス燃料噴出ノズルを備えた燃料噴出体にてガス燃料を炉内側に向けて噴出させるガス式の加熱炉用の燃焼装置に変更する場合があり、このようにオイル式の加熱炉用の燃焼装置をガス式の加熱炉用燃焼装置に変更する際には、酸素含有ガス供給路の底壁部には、オイル式用の燃料噴出体を突入させるための孔が形成されているので、この孔を利用してガス式用の燃料噴出体を設けることになる。
【0005】
つまり、オイル式の加熱炉用の燃焼装置において、酸素含有ガス供給路に対して、燃料噴出体を給路横幅方向の中央位置よりも一方側に偏った位置と他方側に偏った位置との夫々に設けていた場合には、酸素含有ガス供給路の底壁部には、オイル式用の燃料噴出体を突入させるための孔が2箇所形成されているので、ガス式の加熱炉用の燃焼装置に変更する際には、2箇所に形成された孔の夫々に、ガス燃料噴出ノズルを備えた燃料噴出体を設け、図19に示すように、それら2本の燃料噴出体の夫々からガス燃料を噴出させるようして、ガス式の加熱炉用の燃焼装置に変更させていた。
ちなみに、2本の燃料噴出体の夫々からガス燃料を噴出させるようしたガス式の加熱炉用の燃焼装置では、酸素含有ガス供給路の供給路横幅方向の中央位置よりも一方側と他方側との夫々に、火炎形成範囲が供給路横幅方向に拡がる扇形状となる火炎が形成される。
【0006】
ところで、加熱炉用の燃焼装置においては、加熱対象物の加熱のために適正長さの火炎を形成しながらも、燃焼ガスのクリーン化並びに高効率化を向上させることが望まれるものであるが、従来の加熱炉用の燃焼装置は、上述の如く、オイル式の加熱炉用の燃焼装置の変更に用いる場合等において、燃焼ガスのクリーン化並びに高効率化を的確に向上し難いことがあり、改良が望まれている。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、オイル式の加熱炉用の燃焼装置の変更に用いる場合等において、燃焼ガスのクリーン化並びに高効率化を的確に図ることが可能となる加熱炉用の燃焼装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる加熱炉用の燃焼装置は、基端側から先端側に向けてガス燃料を通流させるガス燃料流路を内部に備えた上下方向に沿う姿勢で長尺状の燃料噴出体が、加熱炉側壁部の供給口を通して炉内に燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給路内に突入させる状態で設けられ、前記燃料噴出体における先端側でかつ炉内に対向する周壁部分に、前記ガス燃料流路から供給されるガス燃料を炉内側に向けて噴出する複数の噴出孔を前記酸素含有ガス供給路における供給路横幅方向に並べる状態で備えるガス燃料噴出ノズルが設けられて、火炎形成範囲が前記供給路横幅方向に拡がる扇形状となる火炎を形成するように構成されたものであって、その第1特徴構成は、
前記ガス燃料噴出ノズルが、前記火炎形成範囲が前記供給路横幅方向の一方側を他方側よりも大きく拡がる状態となる火炎を形成するように燃料を噴出する状態に構成されている点にある。
【0009】
すなわち、ガス燃料噴出ノズルが、火炎形成範囲が供給路横幅方向の一方側を他方側よりも大きく拡がる状態となる火炎を形成するようにガス燃料を噴出する状態に構成されているから、火炎形成範囲が供給路横幅方向の一方側を他方側よりも大きく拡がる扇形状となる火炎を形成することができる。
そして、オイル式の加熱炉用の燃焼装置の変更に用いる場合等において、例えば、燃料噴出体を、酸素含有ガス供給路の供給路横幅方向の中央位置よりもいずれか一方に偏った位置に設けるようにすれば、その燃料噴出体にて、燃料噴出体を設けていない側を一方側、燃料噴出体を設けた側を他方側として、火炎形成範囲が供給路横幅方向の一方側を他方側より大きく拡がる状態となる火炎を形成することにより、酸素含有ガス供給路に対して適切な火炎を形成することができる。
このように、酸素含有ガス供給路の供給路横幅方向の中央位置から一方側に偏った位置に燃料噴出体を1本設けた場合において、酸素含有ガス供給路の供給路横幅方向の中央位置の両側の夫々に燃料噴出体を設けた場合に比べて、2本の燃料噴出体に分けて供給するガス燃料を1本の燃料噴出体に集約して供給することができるため、火炎の幅広化が可能となり、また、火炎長を同じ長さとしながらも、ガス燃料の噴出速度を遅くすることができるため、燃焼ガスのクリーン化並びに高効率化を的確に図ることが可能となる。
説明を加えると、酸素含有ガス供給路の供給路横幅方向の中央位置から一方側に偏った位置に燃料噴出体を1本設けた場合では、酸素含有ガス供給路の供給路横幅方向の中央位置の両側の夫々に燃料噴出体を設けた場合に比べて、図18に示すように、火炎長を同じ長さとし、且つ、図14、図16及び図17に示すように、火炎の幅広化により同様の温度分布としながらも、ガス燃料の噴出速度を遅くすることにより緩慢燃焼が図られるため、図15に示すように、煙道の温度を低下させて高効率化を図ることができ、また、図19に示すように、NOの排出量を減らして燃焼ガスのクリーン化を図ることができるものであることが、実験結果からも判明した。尚、この実験の内容については後述する。
【0010】
よって、ガス燃料噴出ノズルが、火炎形成範囲が供給路横幅方向の一方側を他方側よりも大きく拡がる状態となる火炎を形成するようにガス燃料を噴出する状態に構成されているから、オイル式の加熱炉用の燃焼装置の変更に用いる場合等において、酸素含有ガス供給路の供給路横幅方向の中央位置から一方側に偏った位置に燃料噴出体を1本設けるようにすることにより、酸素含有ガス供給路に対して適切な火炎を形成しながらも、つまり、加熱対象物の加熱のために適正長さの火炎を形成しながらも、燃焼ガスのクリーン化並びに高効率化を図ることが可能となる。
従って、オイル式の加熱炉用の燃焼装置の変更に用いる場合等において、燃焼ガスのクリーン化並びに高効率化を的確に図ることが可能となる加熱炉用の燃焼装置を提供することができるに至った。
【0011】
本発明にかかる加熱炉用の燃焼装置の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記ガス燃料噴出ノズルにおける複数の噴出孔が、放射状に形成されている点にある。
【0012】
すなわち、ガス燃料噴出ノズルにおける複数の噴出孔が、放射状に形成されているから、ガス燃料を炉内側に向けて火炎形成範囲の全体に亘って噴出させることができるため、火炎形成範囲の全体に亘って均一な状態で燃焼する火炎を形成し易い。
従って、火炎形成範囲の全体に亘って均一な状態で燃焼する火炎を形成し易い加熱炉用の燃焼装置を提供することができるに至った。
【0013】
本発明にかかる加熱炉用の燃焼装置の第3特徴構成は、第2特徴構成において、前記ガス燃料噴出ノズルが、外周面及び内周面の夫々を同心の円弧状とする円弧状体に形成されている点にある。
【0014】
すなわち、ガス燃料噴出ノズルが、外周面及び内周面の夫々を同心の円弧状とする円弧状体に形成されているから、ガス燃料噴出ノズルを、燃料噴出体の外周面からの突出量を極力少なくするように又は燃料噴出体の外周面から突出しないようにして、ガス燃料噴出ノズルの過熱を防止してガス燃料噴出ノズルの耐久性を向上させることが可能となり、また、複数の噴出孔の長さの均等化により、噴出孔の抵抗の均一化を図れるため、火炎形成範囲の全体に亘って一層均一な状態で燃焼させ易いものとなる。
従って、ガス燃料ノズルの耐久性を向上させ且つ火炎形成範囲の全体に亘って一層均一な状態で燃焼させ易い加熱炉用の燃焼装置を提供することができるに至った。
【0015】
本発明にかかる加熱炉用の燃焼装置の第4特徴構成は、第3特徴構成において、前記ガス燃料噴出ノズルが、前記燃料噴出体に対して左右対称となる状態で装着され、前記複数の噴出孔が、前記燃料噴出体の前記供給路横幅方向における中央位置よりも、前記火炎形成範囲を大きく拡げる側とは反対側に偏った位置を中心とする放射状に形成されている点にある。
【0016】
すなわち、ガス燃料噴出ノズルが、燃料噴出体に対して左右対称となる状態で装着され、このように装着されたガス燃料噴出ノズルの複数の噴出孔が、燃料噴出体の供給路横幅方向における中央位置よりも、火炎形成範囲を大きく拡げる側とは反対側に偏った位置を中心とする放射状に形成されているから、ガス燃料噴出ノズルを、火炎形成方向が供給路横幅方向の一方側を他方側よりも大きく拡がる状態となる火炎を形成するようにガス燃料を噴出するように構成することができる。
つまり、一般的に、燃料噴射体は、ガス燃料噴射ノズルを左右対称となる状態で装着するように構成されているから、複数の噴出孔を、燃料噴出体の供給路横幅方向における中央位置よりも、火炎形成範囲を大きく拡げる側とは反対側に偏った位置を中心とする放射状に形成することにより、ガス燃料噴出ノズルを、火炎形成範囲が供給路横幅方向の一方側を他方側よりも大きく拡がる状態となる火炎を形成するようにガス燃料を噴出する状態に構成することができる。
従って、オイル式の加熱炉用の燃焼装置を変更して用いる場合等において、そのオイル式の加熱炉用の燃焼装置の取付構成を利用しながら、ガス燃料噴出ノズルを備えた燃料噴出体を取り付けることが可能となって一層便利に使用できる加熱炉用の燃焼装置を提供することができるに至った。
【0017】
本発明にかかる加熱炉用の燃焼装置の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成のいずれか1つにおいて、前記燃料噴出体が、前記酸素含有ガス供給路に対して、前記供給路横幅方向の中央位置よりも、前記火炎形成範囲を大きく拡げる側とは反対側に偏った位置に設けられている点にある。
【0018】
すなわち、燃料噴出体が、酸素含有ガス供給路に対して、供給路横幅方向の中央位置よりも、火炎形成範囲を大きく拡げる側とは反対側に偏った位置に設けられているから、火炎形成範囲が供給路横幅方向の酸素含有ガス供給路の中央位置側を他方側よりも大きく拡がる状態となる火炎を形成することができるため、酸素含有ガス供給路に対して適した火炎を形成することができる。
従って、オイル式の加熱炉用の燃焼装置を変更して用いる場合等において、酸素含有ガス供給路に対して適した火炎を形成することができる加熱炉用の燃焼装置を提供することができるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明を加熱炉用の燃焼装置の一例であるガラス溶解炉用の燃焼装置に適用した場合の実施形態を説明する。
図6及び図7に示すように、ガラス溶解炉は、溶解槽2を下部に備えると共にアーチ型の天井を備えた炉本体1を中央に設け、溶解槽2の一端からガラス原料を投入し、他端から溶融ガラスを取り出すように構成し、ガラス原料の移送方向Tに対して、炉本体1の左右夫々に、蓄熱室3を原料移送方向Tに沿って延設し、炉本体1の溶解炉側壁部としての左右の炉壁4夫々の上部に、4つの空気口(所謂ポートであり、供給口に相当する)5を原料移送方向Tに沿って並設し、蓄熱室3と各空気口5とを空気供給路6にて連通させて、所謂サイドポート式に構成してある。
尚、空気供給路6は、左右の炉壁4の空気口5を通して炉内7に燃焼用空気を燃焼用酸素含有ガスとして供給するように構成してあり、酸素含有ガス供給路に相当する。
【0020】
次に、ガラス溶解炉について説明を加える。
炉本体1の炉壁4に投入口4iを形成し、投入口4iを形成した炉壁4と対面する炉壁4の外部に作業槽8を設けると共に、その作業槽8を溶解槽2に連通させる取り出し孔4eを炉壁4に形成して、投入口4iから投入したガラス原料を、溶解槽2にて溶融させて作業槽8に向かって流動させ、取り出し孔4eを通じて、清浄な溶融ガラスを作業槽8に導くように構成してある。
【0021】
図6にも示すように、ガス燃料Gを炉内7側に向けて噴出するガス燃料噴出ノズル9を先端側に備えた横断面形状が円筒状の長尺状の燃料噴出体Bを、炉本体1の右側に備えられた4つの空気供給路6と左側に備えられた4つの空気供給路6との夫々に対して、その内部に下方側から上方に向かって突入する状態で設けて、所謂スルーポート式に構成してある。
【0022】
左側の燃料噴出体Bと右側の燃料噴出体Bとは、一定時間(例えば、約15〜30分)毎に交互に、ガス燃料Gの噴出と噴出停止を繰り返し、また、ガス燃料Gを噴出している燃料噴出体B側の空気口5からは、蓄熱室3を通って高温(1000〜1200°C程度)に予熱された燃焼用空気Aが炉内7に供給され、ガス燃料Gの噴出を停止している燃料噴出体Bの側の空気口5からは炉内7の燃焼ガスEを排出させるようにして、右側の燃料噴出体B及び左側の燃料噴出体Bにて交互に燃焼させる、所謂交番燃焼を行わせるようにしてある。尚、図6及び図7は、左側の燃料噴出体Bにて燃焼させている状態を示している。
【0023】
燃料噴出体Bのガス燃料噴出ノズル9から噴出されたガス燃料Gの周囲に、その噴出方向に沿って、そのガス燃料Gを噴出している燃料噴出体Bが設けられている空気口5から燃焼用空気Aが供給されて、ガス燃料Gと燃焼用空気Aとが接触して拡散燃焼して、所謂、緩慢燃焼し、高輝度の火炎(輝炎)Fが形成され、その火炎Fの輻射熱により、溶解槽2内のガラス原料を溶解する。炉本体1のアーチ状の天井は、火炎Fの輻射熱を反射させる。
炉内7の燃焼ガスEは、ガス燃料Gの噴出を停止している燃料噴出体Bの側の空気口5から、蓄熱室3に流入し、蓄熱材を通過して、蓄熱材に排熱が回収された後、排気される。
蓄熱室3においては、燃焼ガスEを排出させる状態のときに、燃焼ガスEから排熱を蓄熱材に回収して蓄熱し、燃焼用空気Aを供給する状態のときには、蓄熱材の蓄熱により燃焼用空気Aを予熱する。そして、そのように予熱された燃焼用空気Aが、空気供給路6を通流して空気口5から炉内7に供給されるのである。
【0024】
以下、図1ないし図4に基づいて、燃焼装置について説明を加える。
燃料噴出体Bは、基端側から先端側に向けてガス燃料Gを通流させるガス燃料流路20を内部に備えた長尺状に形成してあり、先端側を空気供給路6内に突入させる状態で設けてある。
そして、前記燃料噴出体Bにおける先端側でかつ炉内7に対向する周壁部分に、前記ガス燃料流路20から供給されるガス燃料Gを炉内7側に向けて噴出する複数の噴出孔9aを前記空気供給路6における供給路横幅方向に並べる状態で備えるガス燃料噴出ノズル9を設けて、火炎形成範囲を前記供給路横幅方向に拡がる扇形状となる火炎Fを形成するように構成してある。
【0025】
前記燃料噴出体Bを、前記空気供給路6に対して、前記供給路横幅方向の中央位置よりも前記火炎形成範囲を大きく拡げる側とは反対側に偏った位置に設けてある。
具体的には、ガラス原料の移送方向Tに沿って並ぶ4つの空気供給路6のうち、投入口4i側から1つ目と3つ目の空気供給路6には、空気供給路6に対して供給路横幅方向の中央位置よりも投入口4i側に偏った位置に燃料噴出体Bを1本設け、これら1つ目と3つ目の空気供給路6における燃料噴出体Bに設けられたガス燃料噴出ノズル9を、取り出し口4e側を一方側とし、投入口4i側を他方側として、火炎形成範囲が上述の如く供給路横幅方向に拡がる扇形状で且つ供給路横幅方向の一方側を他方側よりも大きく拡がる状態となる火炎Fを形成するようにガス燃料Gを噴出する状態に構成してある。
また、投入口4i側から2つめと4つめの空気供給路6には、空気供給路6に対して供給路横幅方向の中央位置よりも取り出し口4e側に偏った位置に燃料噴出体Bを1本設け、これら2つ目と4つ目の空気供給路6における燃料噴出体Bに設けられたガス燃料噴出ノズル9を、投入口4i側を一方側とし、取り出し口4e側を他方側として、火炎形成範囲が供給路横幅方向の一方側を他方側よりも大きく拡がる状態となる火炎を形成するようにガス燃料Gを噴出する状態に構成してある。
【0026】
換言すると、投入口4iや取り出し口4eを形成する炉壁4と隣接する空気供給路6(1つ目と4つ目の空気供給路6)には、燃料噴出体Bを空気供給路6に対して供給路横幅方向の中央位置よりも隣接する炉壁4側に偏った位置に設け、これら炉壁4と隣接する空気供給路6における燃料噴出体Bに設けられたガス燃料噴出ノズル9を、隣接する炉壁4から離れる側を一方側とし、隣接する炉壁4側を他方側として、火炎形成範囲が供給路横幅方向の一方側を他方側よりも大きく拡がる状態となる火炎Fを形成するようにガス燃料Gを噴出する状態に構成してある。
【0027】
ガス燃料噴出ノズル9は、燃料噴出体Bの側周壁の先端側に形成したノズル嵌め込み用開口10に嵌め込み状態で装着してあり、ガス燃料流路20から供給されるガス燃料Gを噴出する噴出孔9aを、ノズル嵌め込み用開口10より露出するガス燃料噴出側の前面9cと燃料噴出体Bの内部に位置する内面における後面9dとの間に亘る状態で形成してある。
【0028】
次に、燃料噴出体Bについて説明を加えるが、左側の4つの空気供給路6のうちの最も投入口4i側の空気供給路6に設けた燃料噴出体Bとその他の燃料噴出体Bとは、同じ又は左右勝手違いに構成されているものであるため、左側の4つの空気供給路6のうちの最も投入口4i側の空気供給路6に設けた燃料噴出体Bについて説明を加え、その他の燃料噴出体Bの説明は省略する。
【0029】
図1ないし図4に示すように、燃料噴出体Bは、それぞれ横断面形状が円筒状の外筒体11とこれより短い内筒体12とを略同軸芯状に配置して、外筒体11及び内筒体12の基端部を、底板13にて閉塞し、内筒体12の先端は外筒体11の先端よりも引退させて、その外筒体11の先端部を半球形状のキャップ14にて閉塞して構成してある。つまり、横断面形状が円筒状の燃料噴出体Bの周壁部分は、外筒体11及び内筒体12から構成されている。
【0030】
そして、燃料噴出体Bの先端側において、内筒体12の上端箇所に周方向における略半分にわたる切り欠きを形成し、外筒体11の上端から間隔を隔てた箇所に周方向における略半分にわたる切り欠きを形成して、その切り欠き部分における外筒体11と内筒体12との間を、その切り欠き部分の上部に位置する上部閉じ板15、切り欠き部分の下部に位置する下部閉じ板16、切り欠き部分の左右両側に夫々位置する一対の側方閉じ板17により閉じることにより、燃料噴出体Bの側周壁の先端側に略半周にわたって凹入する凹入部を形成して、その凹入部をノズル嵌め込み用開口10としてある。
【0031】
前記上部閉じ板15は、外径が内筒体12の外径と略同一の円状部と内径が内筒体12の外形と略同一で且つ外径が外筒体11の外径と略同一の円弧状部を備えた形状に形成して、燃料噴出体Bの径方向に沿う姿勢で設けた上部閉じ板15により、内筒体12の上端開口の全体、及び、前記切り欠き部分における上部部分の内筒体12と外筒体11との間を閉塞してある。
前記下部閉じ板16は、内径が内筒体12の外形と略同一で且つ外径が外筒体11の外径と略同一の円弧状に形成して、燃料噴出体Bの径方向に沿う姿勢で設けた下部閉じ板16により、前記切り欠き部分における下部部分の内筒体12と外筒体11との間を閉塞してある。
前記側方閉じ板17は、長方形状に形成して、燃料噴出体Bの長手方向に沿う姿勢で設けた一対の側方閉じ板17により、前記切り欠き部分における左右夫々の側の部分の内筒体12と外筒体11との間を閉塞してある。
【0032】
更に、左右夫々の側方閉じ板17の炉内7側に向く板面には、燃料噴出体Bの長手方向に沿う姿勢のノズル装着用柱18を取り付けてあり、各ノズル装着用柱18には、横幅方向に貫通するようにネジ挿通孔18bを形成してある。
【0033】
そして、前記上部閉じ板15、前記下部閉じ板16及び前記一対のノズル装着用柱18によりノズル9の装着部Bn(以下、ノズル装着部と記載する場合がある)を構成してある。
【0034】
図3及び図4に示すように、内筒体12の内部を、基端側から先端側に向けてガス燃料Gを通流させるガス燃料流路20とし、底板13に燃料流路20に連通する状態でガス燃料供給管19を接続して、このガス燃料供給管19を通してガス燃料Gが燃料流路20に供給されるように構成してある。
【0035】
又、外筒体11と内筒体12との間に形成された閉塞空間を、冷却水を通流させる冷却ジャケット21とし、外筒体11の下部に冷却ジャケット21に連通する状態で冷却水供給管22を接続して、この冷却水供給管22を通して冷却水が冷却ジャケット21に供給され、また、キャップ14の上端部に冷却ジャケット21に連通する状態で冷却水排水管23を接続して、この冷却水排水管23を通して冷却ジャケット21の冷却水が排出されるように構成してある。
【0036】
図1ないし図4に示すように、ガス燃料噴出ノズル9をノズル嵌め込み用開口10に挿入して、前記ガス燃料流路20のガス燃料通流方向において上手側に位置する下面9fの前記前面9c側に隣接する部分を前記下部閉じ板16に接触させ、前記ガス燃料通流方向において下手側に位置する上面9eを前記上部閉じ板15に接触させ、前記燃料噴出体Bの長手方向視にて両端側に位置する両端側部分夫々を各ノズル装着用柱18に接触させた状態で、燃料噴出体Bに嵌め込み状態で装着するように構成してある。
更に、各ノズル装着用柱18のネジ挿通孔18bに外れ止め用ネジ25を挿通してガス燃料噴出ノズル9の取付板24に螺入することにより、ガス燃料噴出ノズル9の外れを止めるように構成してある。
【0037】
ガス燃料噴出ノズル9は、外周面9c及び内周面9d等で形成される外形が前記燃料噴出体Bに対して左右対称となる状態で装着されて、前記火炎形成範囲が前記供給路横幅方向の一方側を他方側よりも大きく拡がる状態となる火炎Fを形成するようにガス燃料Gを噴出する状態に構成してある。
ちなみに、上述の如くガス燃料噴出ノズル9が燃料噴出体Bに装着されることにより、ガス燃料噴出ノズル9は、その外周面9cの周方向の中心箇所が空気口5と対向している。また、ガス燃料噴出ノズル9が燃料噴出体Bに対して左右対称となる状態とは、ガス燃料噴出ノズル9が供給路横幅方向に対称となる状態である。
【0038】
次に、図1ないし図4に基づいて、前記ガス燃料噴出ノズル9について説明を加える。
ガス燃料噴出ノズル9は、燃料噴出体Bの長手方向視にて、ガス燃料噴出ノズル9の外周面9cを外筒体11の外形(燃料噴出体Bの外周面)に沿う円弧状に形成し、ガス燃料噴出ノズル9の内周面9dを内筒体12の外形(燃料噴出体の内周面)に沿う円弧状に形成して、外周面9c及び内周面9dを同心の円弧状とする円弧状体に形成してある。
また、ガス燃料噴出ノズル9は、燃料噴出体Bの長手方向に並ぶ上面9e及び下面9fを互いに平行で且つ前記外周面9cに直交する平面状に形成してあり、周方向の両端部夫々には、取付板24をガス燃料噴出ノズル9の内周面9dから炉内7側とは反対側に延びる状態で突設してある。
ちなみに、ガス燃料噴出ノズル9は、その外周面9cを燃料噴出体Bの周方向の略半周にわたる円弧状体としてある。
【0039】
図5に示すように、前記複数の噴出孔9aとしての5個の噴出孔9aを、前記燃料噴出体Bの前記供給路横幅方向における中央位置(ガス燃料噴出ノズル9の横幅方向における中央位置)よりも、前記火炎形成範囲を大きく拡げる側とは反対側に偏った位置を中心とする放射状に形成してある。
具体的には、ガス燃料噴出ノズル9には、燃料噴出体Bの周方向に並ぶ状態で5個の噴出孔9aが放射状に形成されており、これら5個の噴出孔9aを、燃料噴出体Bの平面視にて、時計回りの順に第1〜第5の噴出孔9aとして、第4の噴出孔との広がり角度が、第5の噴出孔は15°、第3の噴出孔は18.33°、第2の噴出孔は36.66°、第1の噴出孔は55°として、燃料噴出体Bの供給路横幅方向における中央位置よりも、火炎形成範囲を大きく拡げる側とは反対側に偏った位置を中心とする放射状に形成してある。
また、上述の放射状に形成される5個の噴出孔9aは、燃料噴出体Bの長手方向に2列形成してあり、ガス燃料噴出ノズル9には計10個の噴出孔9aを形成してある。
【0040】
ちなみに、第4の噴出孔9aは、ガス燃料噴出ノズル9における横幅方向の中央位置よりも、火炎形成範囲を大きく拡げる側とは反対側に偏った箇所に形成されており、燃料噴出体の平面視にて、空気供給路6の長手方向に沿った姿勢に形成してある。
また、第1〜第3の噴出孔9a、及び、第5の噴出孔9aは、燃料噴出体9の平面視にて、空気供給路6の長手方向に対して傾いた姿勢に形成されており、第1〜第3の噴出孔9aは、外周面9c側の開口が内周面9d側の開口よりも、火炎形成範囲を大きく拡げる側に偏った箇所となる姿勢に形成してあり、第5の噴出孔9aは、外周面9c側の開口が内周面9d側の開口よりも、火炎形成範囲を大きく拡げる側とは反対側に偏った箇所となる姿勢に形成してある。
尚、第3の噴出孔9aを、ガス燃料噴出ノズル9における横幅方向の中央位置に形成してある。また、第1の噴出孔9aと第2の噴出孔9aとは、内周面9d側の端部において互いに連通させてある。
【0041】
燃料噴出体Bの径方向に沿う径方向視にて、各噴出孔9aの噴出方向は燃料噴出体Bの軸心に直交する方向になるように構成してある。
又、複数の噴出孔9aの夫々は、孔の長さが孔の直径の2倍以上になるように形成してある。
【0042】
次に、上述のように構成した加熱炉用の燃焼装置の性能を検証した結果を説明する。
図11〜図13に示すように、検証試験においては、上述した従来のように供給路横幅方向の中央位置の両側の夫々に燃料噴出体Bを設けた場合(2本燃焼と称する)と、上記実施の形態のように供給路横幅方向の中央位置から一方側に偏った位置に燃料噴出体Bを1本設けた場合(1本燃焼と称する)とを比較した。
検証試験に用いたテスト炉の寸法(外寸)は、燃料噴出体Bから噴出されるガス燃料の噴出方向に沿う縦幅が8.8m、横幅が1.8m、高さが1.5mである。燃焼装置の燃焼量は900kW、予熱された後の燃焼用空気の温度は1000°C、燃焼ガス中の酸素濃度は約2.5%、床面より1.5m地点の炉圧は5Pa前後、火炎の長さは3m前後(図17参照)である。
また、詳細な図示は省略するが、1本燃焼及び2本燃焼のガス燃料噴出ノズルには、5個の噴出孔を放射状に形成し、これら5個の噴出孔を、燃料噴出体Bの長手方向に3列形成して、ガス燃料噴出ノズル9には計15個の噴出孔9aを形成してある。
そして、1本燃焼の噴出孔の直径を7mm、火炎幅角度を50°に設定し、2本燃焼の噴出孔の直径を4mm、火炎角度を10°に設定してある。
【0043】
テスト炉には、天井における横幅方向中央箇所の温度分布を計測するための複数の天井用熱電対31、床面における横幅方向中央箇所の温度分布を計測するための複数の床面中央用熱電対32、及び、床面おける横幅方向の中央よりも火炎形成範囲を大きく拡げる側(右側)とは反対側に偏った箇所の温度分布を計測するための複数の床面右側用熱電対33の夫々を、縦幅方向に沿って設けてある。
また、テスト炉における縦幅方向の空気供給路6が備えられた側とは反対側の天井には、煙道が形成されており、その煙道には、煙道の燃焼ガスを採取する取出口34を設けてある。
そして、空気供給路6の炉内側の端部から2250mm離れた床面の中央温度が、1000°Cに達してから28分24秒経過した後のデータを測定した結果を図14〜19に示す。ちなみに、図14は、天井における横幅方向中央箇所の温度分布を示す図、図15は、煙道での燃焼ガスの温度を示す図、図16は、床面における横幅方向中央箇所の温度分布を示す図、図17は、床面おける横幅方向の中央よりも右側箇所の温度分布を示す図、図18は、火炎長を示す図、図19は、燃焼ガスのNO量を示す図である。
【0044】
図14、図16、図17に示すように、路内温度分布を比較した場合、火炎長の2/3付近(約2m)を境に、1本燃焼と2本燃焼とで顕著な違いが見られる。
つまり、1本燃焼は、2本燃焼に比べて、火炎長の2/3付近(約2m)より空気供給路6側では温度が高く、空気供給路6とは反対側では温度が低くなり、結果として図15に示すように、煙道での燃焼ガスの温度を約20°C低減させることができた。
また、図19に示すように、NOについては、1本燃焼は、2本燃焼に比べて、1割弱削減することができた。これは、1本燃焼は、2本燃焼に比べて、燃焼ガスと燃焼用空気との混合促進が抑制され、火炎のヒートスポットが低減されているためだと考えられる。
従って、1本燃焼では、2本燃焼に比べて、煙道の燃焼ガスの温度が低減し、NOが削減されるため、環境及び効率の良い加熱炉用の燃焼装置を得ることができる。
【0045】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、ガス燃料噴出ノズル9における複数の噴出孔9aを、放射状に形成したが、放射状以外に、例えば、第1〜第3の噴出孔9aを、燃料噴出体Bの平面視にて、空気供給路6の長手方向に対して傾けた姿勢に形成し、第4〜第5の噴出孔9aを、燃料噴出体Bの平面視にて、空気供給路6の長手方向に沿った姿勢に形成する等、放射状以外に形成してもよい。
【0046】
(2) 上記実施の形態では、ガス燃料噴出ノズル9を、外周面9c及び内周面9dの夫々を同心の円弧状とする円弧状体に形成したが、外周面9cを円弧状に形成し且つ内面(内周面9d)を直線状とする半円状体に形成してもよい
【0047】
(3) 上記実施の形態では、ガス燃料噴出ノズル9を、燃料噴出体Bに対して左右対称となる状態、つまり、外周面9cの周方向の中心箇所が炉内7に最も近い状態で装着したが、ガス燃料噴出ノズル9を、その外周面9cの周方向の中心箇所から周方向に偏った箇所が炉内7に最も近い状態として、燃料噴出体Bに対して左右非対称となる状態で装着してもよい。
この場合、複数の噴出孔9aを、ガス燃料噴出ノズル9の横幅方向における中央位置を中心とする放射状に形成するとよい。
【0048】
(4) 上記実施の形態では、燃料噴出体Bを、空気供給路6に対して、供給路横幅方向の中央位置よりも、火炎形成範囲を大きく拡げる側とは反対側に偏った位置に設けたが、燃料噴出体Bを、空気供給路6に対して、供給路横幅方向の中央位置よりも、火炎形成範囲を大きく拡げる側に偏った位置に設けてもよく、また、燃料噴出体Bを、空気供給路6に対して、供給路横幅方向の中央位置に設けてもよい。
【0049】
(5) 上記の実施の形態では、サイドポート式のガラス溶解炉に適用したが、図8及び図9に示すように、所謂エンドポート式のガラス溶解炉の燃焼装置にも適用することができる。
以下、エンドポート式のガラス溶解炉について説明する。
炉体1の一側面を形成する炉壁4の外側に、2室の蓄熱室3を設けると共に、その炉壁4に、各蓄熱室3に対応させて空気口5を形成し、各蓄熱室3と各空気口5とを空気供給路6にて連通させて、各空気供給路6に対して、上記の実施の形態と同様の燃料噴出体Bを上記の実施の形態と同様に設けて、左右の燃料噴出体Bを用いて交番燃焼を行わせるように構成してある。
燃料噴出体Bを設けた側面に隣接する側面を形成する炉壁4における燃料噴出体Bの側の端部に、ガラス原料の投入口4iを設け、燃料噴出体Bを設けた側面に対向する側面を形成する炉壁4の外部に作業槽8を設けると共に、その作業槽8と溶解槽2との間の炉壁4には、溶解槽2と作業槽8とを連通させる取り出し孔4e形成してある。
つまり、投入口4iからガラス原料を溶解槽2に投入して、そのガラス原料を、取り出し孔4eの側に向かって蛇行状に流動させながら溶融させ、取り出し孔4eを通じて、清浄な溶融ガラスを作業槽8に導くように構成してある。
【0050】
(6) 上記実施の形態では、燃料噴出体Bを、空気供給路6の夫々に1本設けたが、燃料噴出体Bを、空気供給路6の夫々に2本以上設けてもよい。
つまり、例えば、燃料噴出体Bを、空気供給路6の夫々に2本設ける場合は、図10に示すように、燃料噴出体Bを、空気供給路6に対して、供給路横幅方向の中央位置よりも、一方側に偏った位置と他方側に偏った位置との夫々に設ける。
【0051】
(7) 上記実施の形態では、ガス燃料噴出ノズル9に複数の噴出孔9aとして5個の噴出孔9aを備えたが、ガス燃料噴出ノズル9に複数の噴出孔9aとして2個〜4個の噴出孔9aを備えてもよく、また、ガス燃料噴出ノズル9に複数の噴出孔9aとして6個以上の噴出孔9aを備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】加熱炉用の燃焼装置における燃料噴出体の要部の分解斜視図
【図2】加熱炉用の燃焼装置における燃料噴出体の要部の斜視図
【図3】加熱炉用の燃焼装置における燃料噴出体の縦断側面図
【図4】加熱炉用の燃焼装置における燃料噴出体の横断面図
【図5】加熱炉用の燃焼装置のノズルを示す平面図
【図6】加熱炉用の燃焼装置を備えたガラス溶解炉の縦断側面図
【図7】図6のVII−VII矢視図
【図8】別実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置を備えたガラス溶解炉の縦断面図
【図9】図8のIX−IX矢視図
【図10】別実施形態にかかる加熱炉用の燃焼装置を備えたガラス溶解炉の縦断面図
【図11】テスト炉の縦断側面図
【図12】燃料噴出体を2本設けたテスト炉の縦断側面図
【図13】燃料噴出体を1本設けたテスト炉の縦断側面図
【図14】天井における横幅方向中央箇所の温度分布を示す図
【図15】煙道での燃焼ガスの温度を示す図
【図16】床面における横幅方向中央箇所の温度分布を示す図
【図17】床面おける横幅方向の中央よりも右側箇所の温度分布を示す図
【図18】火炎長を示す図
【図19】燃焼ガスのNO量を示す図
【図20】従来の加熱炉用の燃焼装置を備えたガラス炉用の横断平面図
【符号の説明】
【0053】
4 加熱炉側壁部
5 供給口
6 酸素含有ガス供給路
9 ガス燃料噴出ノズル
9a 噴出孔
20 ガス燃料流路
B 燃料噴出体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端側から先端側に向けてガス燃料を通流させるガス燃料流路を内部に備えた上下方向に沿う姿勢で長尺状の燃料噴出体が、加熱炉側壁部の供給口を通して炉内に燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給路内に突入させる状態で設けられ、
前記燃料噴出体における先端側でかつ炉内に対向する周壁部分に、前記ガス燃料流路から供給されるガス燃料を炉内側に向けて噴出する複数の噴出孔を前記酸素含有ガス供給路における供給路横幅方向に並べる状態で備えるガス燃料噴出ノズルが設けられて、火炎形成範囲が前記供給路横幅方向に拡がる扇形状となる火炎を形成するように構成された加熱炉用の燃焼装置であって、
前記ガス燃料噴出ノズルが、前記火炎形成範囲が前記供給路横幅方向の一方側を他方側よりも大きく拡がる状態となる火炎を形成するようにガス燃料を噴出する状態に構成されている加熱炉用の燃焼装置。
【請求項2】
前記ガス燃料噴出ノズルにおける複数の噴出孔が、放射状に形成されている請求項1記載の加熱炉用の燃焼装置。
【請求項3】
前記ガス燃料噴出ノズルが、外周面及び内周面の夫々を同心の円弧状とする円弧状体に形成されている請求項2記載の加熱炉用の燃焼装置。
【請求項4】
前記ガス燃料噴出ノズルが、前記燃料噴出体に対して左右対称となる状態で装着され、
前記複数の噴出孔が、前記燃料噴出体の前記供給路横幅方向における中央位置よりも、前記火炎形成範囲を大きく拡げる側とは反対側に偏った位置を中心とする放射状に形成されている請求項3記載の加熱炉用の燃焼装置。
【請求項5】
前記燃料噴出体が、前記酸素含有ガス供給路に対して、前記供給路横幅方向の中央位置よりも、前記火炎形成範囲を大きく拡げる側とは反対側に偏った位置に設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱路用の燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−243853(P2009−243853A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−93789(P2008−93789)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】