説明

加硫済トレッド

【課題】加硫済トレッドを台タイヤに接合するタイヤ製造方法における製造過程において成形不良の発生を防止する。
【解決手段】加硫済トレッド11の表面11Aに形成された周方向溝31,32は、表面11Aから貼着面11Bに向かって窪んでおり、表面11Aよりも貼着面11B側の底部31B,32Bを有する。表面11Aから底部31Bまでのタイヤ径方向の深さD1は、表面11Aから底部32Bまでのタイヤ径方向の深さD2よりも浅い。D1,D2は、1.005D1≦D2≦1.05D1を満たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレッドパターンが形成され加硫された、プレキュア方式のタイヤ製造方法に適用される加硫済トレッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め加硫されたトレッド部(加硫済トレッドという)と、トレッド部を除くタイヤ基本構造部分(台タイヤという)とを別々に製造した後、接着用の未加硫ゴムを介して加硫済トレッドと台タイヤとを貼着し、未加硫ゴムを加硫することにより加硫済トレッドと台タイヤとを接合するタイヤ製造方法(プレキュア方式という)がある(特許文献1参照)。プレキュア方式によるタイヤ製造方法は、使用済みタイヤの更生処理に適用できるため、近年、注目されている。特に、バス、トラックのようにタイヤ交換の頻度が比較的高い大型車両タイヤの更生処理に利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−104108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プレキュア方式のタイヤ製造方法では、加硫済トレッドは、トレッド幅方向及びタイヤ径方向断面において湾曲したクラウン部の表面に接着される。このため、加硫済トレッドは、台タイヤに接着される際に、クラウン部の湾曲に沿って変形する。この場合、周方向に延びる溝では、溝の開口部がトレッド幅方向に広がるような変形が起こる。溝の開口部が広がると、互いに向き合う溝壁面のトレッド幅方向線に対する角度(溝壁角度)が大きくなるため、接地面から溝底部までの溝深さが浅くなる。台タイヤの表面の曲率は、トレッド幅方向外側ほど増しているため、ショルダー側に形成される溝ほど変形が顕著になる。
【0005】
これにより、溝の開口部の変形によって傾斜した溝壁面を自身の一部に有するブロック又はリブの剛性は、変形しないブロック又はリブに比べて高くなり、トレッド部の踏面内において剛性の偏りが生じることがあった。
【0006】
タイヤの溝壁角度、溝深さ、ブロック剛性などは、偏摩耗に対する耐久性などを考慮して設計されている。しかし、プレキュア方式のタイヤでは、台タイヤに貼着する加硫済タイヤに上述のような変形が生じるため、加硫済タイヤをタイヤの完成後の寸法(設計値)に基づいて製造すると、完成後のタイヤの溝壁角度、溝深さ、ブロック剛性などが設計値と異なる場合があった。
【0007】
そこで、本発明は、加硫済トレッドを台タイヤに接合するタイヤ製造方法の製造過程に起因した偏摩耗を抑制できる加硫済トレッドの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明の特徴は、台タイヤ(台タイヤ12)に貼着される貼着面(貼着面11B)と、路面に接地する接地面とを有し、予め加硫された加硫済トレッド(加硫済トレッド11)であって、前記接地面には、前記接地面から前記貼着面に向かって窪み、前記加硫済トレッドの長手方向に延びる複数の溝が形成され、複数の前記溝は、前記台タイヤに貼着された状態において、前記長手方向に直交するタイヤ幅方向交差方向の中央を含む中央領域を通る第1溝(周方向溝31)と、前記タイヤ幅方向において前記第1溝よりも一方の端部側に形成される第2溝(周方向溝32)とを含み、前記接地面から前記第1溝の底部までの深さD1、前記接地面から前記第2溝の底部までの深さD2とするとき、1.005D1≦D2≦1.05D1を満たすことを要旨とする。
【0009】
本発明の特徴によれば、変形によって浅くなる分の溝深さを予め深く設計しておくことで、変形が生じた後で設計値にすることができる。第1溝及び第2溝の深さの差を0〜−1.5%以内にすることにより、摩耗が進んでいるようにみえる視覚効果が現れない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、加硫済トレッドを台タイヤに接合するタイヤ製造方法の製造過程に起因した偏摩耗を抑制できる加硫済トレッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施形態に係る加硫済トレッドを用いて製造されるタイヤのトレッド幅方向及びタイヤ径方向の断面図である。
【図2】図2は、実施形態に係る加硫済トレッドの一部を拡大した拡大図である。
【図3】図3は、実施形態に係る加硫済トレッドのタイヤ赤道線よりも一方側のタイヤ径方向及びトレッド幅方向断面図である。
【図4】図4は、実施形態に係る加硫済トレッドを用いたタイヤ製造方法を説明する流れ図である。
【図5】図5は、図2のA−A線における断面図である。
【図6】図6は、加硫済トレッドの変形例の断面図である。
【図7】図7は、加硫済トレッドの変形例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る加硫済トレッドの実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)タイヤの概略構成の説明、(2)周方向溝の構成、(3)タイヤ製造方法の説明、(4)作用・効果、(5)変形例、(6)その他の実施形態について説明する。
【0013】
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。
【0014】
(1)タイヤの概略構成の説明
実施形態に係る加硫済トレッドを用いて製造されるタイヤ1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、タイヤ1のトレッド幅方向及びタイヤ径方向の断面図である。図2は、タイヤ1を構成する加硫済トレッドの一部を拡大した拡大図である。
【0015】
タイヤ1は、トレッド部11と、台タイヤ12と、トレッド部11と台タイヤ12とを接着するクッションゴム13とを備える。タイヤ1は、予め形成された加硫済トレッドと台タイヤとを未加硫ゴムを介して貼着し、未加硫ゴムを加硫することによって加硫済トレッドと台タイヤとを接合する、いわゆるプレキュア方式によって製造される。
【0016】
トレッド部11は、通常のタイヤに使用されるゴム材料で形成されており、トレッドパターンが形成された表面11Aと、台タイヤ12に貼着する貼着面11Bとを有する。トレッド部11は、表面11Aにトレッドパターンが形成されて加硫処理が施されているため、以降、加硫済トレッド11という。表面11Aは、路面に接地する接地面を構成する。
【0017】
加硫済トレッド11の表面11Aには、少なくとも表面11Aから貼着面11Bに向かって窪み、所定方向に延びる溝31,32が形成されている。ここで、所定方向とは、加硫済トレッド11が台タイヤ12に貼着された状態におけるタイヤ周方向である。すなわち、加硫済トレッド11は、溝31,32の延びる方向が台タイヤ12のタイヤ周方向に一致するように、台タイヤ12のクラウン部12Aに接着される。溝31,32は、周方向溝31,32と記載する。また、実施形態において、周方向溝31,32は、第1溝、第2溝を構成する。
【0018】
また、加硫済トレッド11には、溝31,32が延びる方向に直交する直交方向に沿った溝41,42が形成される。直交方向とは、加硫済トレッド11に台タイヤ12に貼着された状態におけるトレッド幅方向である。
【0019】
台タイヤ12は、クラウン部12Aと、タイヤ側面を構成するサイドウォール部12Bと、リムホイルに当接するビード部12Cとを有する。台タイヤ12は、一対のビードコア21と、台タイヤ12の骨格となるカーカス層22とを有する。カーカス層22のタイヤ径方向内側には、チューブに相当する気密性の高いゴム層であるインナーライナー23が設けられている。カーカス層22の両端は、一対のビードコア21によって支持される。カーカス層22のタイヤ径方向外側には、ベルト層24が配置されている。ベルト層24は、スチールコードをゴムにより被覆した第1ベルト層24aと第2ベルト層24bとを有する。台タイヤ12のクラウン部12AのクラウンRは、実施形態では、R500〜R1000mmとすることができる。
【0020】
(2)周方向溝の構成
次に、周方向溝の構成を説明する。図3は、実施形態に係る加硫済トレッドのタイヤ赤道線CLの一方側のタイヤ径方向及びトレッド幅方向断面図である。加硫済トレッド11の表面11Aに形成された周方向溝31,32は、表面11Aから貼着面11Bに向かって窪んでおり、表面11Aよりも貼着面11B側の底部31B,32Bを有する。表面11Aから底部31Bまでのタイヤ径方向の深さD1は、表面11Aから底部32Bまでのタイヤ径方向の深さD2よりも浅い。D1,D2は、1.005D1≦D2≦1.05D1を満たす。すなわち、ショルダー側に形成される溝32の深さD2は、タイヤ赤道線側に形成される溝31の深さD1よりも、0.5〜5.0%深い。
【0021】
なお、実施形態において、D1は、15mm≦D1≦22mmである。貼着面11Bから底部32Bまでの厚みは、1.5〜4.0mmである。加硫済トレッド11の厚みは、16.5〜26mmである。
【0022】
(3)タイヤ製造方法の説明
図4は、実施形態に係る加硫済トレッド11を用いたタイヤ製造方法を説明する流れ図である。実施形態に係るタイヤ製造方法は、いわゆるプレキュア方式によるタイヤ製造方法である。台タイヤ12を製造する工程(S1)と、トレッド部を構成するゴム材料にトレッドパターンを形成し、加硫することにより、加硫済トレッド11を製造する工程(S2)とを有する。
【0023】
次に、それぞれ別々の工程によって製造された加硫済トレッド11と台タイヤ12とを貼り合わせる。まず、クッションゴム配置工程(S3)が実行される。クッションゴム配置工程では、台タイヤ12のクラウン部12Aに未加硫ゴム(クッションゴム13)を配置する。続いて、台タイヤ12にクッションゴム13を介して加硫済トレッド11が貼着される(S4)。
【0024】
続いて、加硫済トレッド11が貼着された台タイヤ12をゴム製袋に封入する封入工程が実行される。封入工程では、台タイヤ12は、ゴム製袋に封入されてパッキングされる(S5)。
【0025】
次に、加硫工程が実行される。加硫工程では、ゴム製袋にパッキングされた加硫済トレッド11が貼着された台タイヤ12が所定の温度/圧力条件において加硫される(S6)。加硫工程によって、クッションゴム13が加硫されることにより、加硫済トレッド11と台タイヤ12とが接合され、タイヤ1が製造される。
【0026】
最終検査工程(S7)において、加硫後のタイヤ1の傷などの不良の有無、耐圧性などが検査される。最終検査工程において、一定基準を満たしたタイヤが製品になる。
【0027】
このタイヤ製造方法を使用済みタイヤの更生処理に適用する場合には、台タイヤを製造する工程(S1)に替えて、回収した使用済みタイヤを更生可能か否か検査する工程と、使用済みタイヤからトレッド部を削り取る工程などが実行される。使用済みタイヤからトレッド部が削り取られた台タイヤに、クッションゴム配置工程(S3)以降の工程を施す。これにより、更生タイヤを製造することができる。
【0028】
(4)作用・効果
図5は、加硫済トレッド11の周方向溝32のタイヤ周方向に交差するトレッド幅方向における断面図(図2のA−A線断面)であり、点線は、加硫済トレッド11の製造後の形状を表し、実線は、クラウン部12Aに宛がわれたときの形状を表す。なお、図5において、接着層は省略している。クラウン部12Aの表面は、厳密には平坦ではなく、表面から台タイヤ12の回転軸までのタイヤ径方向の長さは、タイヤ赤道線CLにおいて最も長く、トレッド幅方向外側(ショルダー側)に向かうに連れて短い形状になっている。つまり、クラウン部12Aの表面は、トレッド幅方向及びタイヤ径方向断面において湾曲している。
【0029】
このため、加硫済トレッド11は、クッションゴム13によって台タイヤ12のクラウン部12Aに接着される際に、クラウン部12Aの湾曲に沿って変形する。特に、加硫済トレッド11の厚みが薄い周方向溝32において、周方向溝32の開口32Aがトレッド幅方向Wに広がるような変形が起こる(図5における矢印参照)。
【0030】
周方向溝32の開口32Aがトレッド幅方向Wに広がると、溝壁面32aが傾斜するとともに、開口32Aの端部32eから底部32Bまでの溝深さDaが、設計値よりもΔD浅くなる傾向がある。このため、開口32Aの変形によって傾斜した溝壁面32aを自身の一部とするブロック又はリブの剛性は、変形しないブロック又はリブに比べて高くなり、表面11A(トレッド部の踏面内)において剛性の偏りが生じる。
【0031】
これに対して、実施形態では、表面11Aから周方向溝31の底部31Bまでの深さD1、表面11Aから底部32Bまでの深さD2が、1.005D1≦D2≦1.05D1を満たすように形成することにより、加硫済トレッド11を用いて製造されたタイヤ1におけるセンター側の周方向溝31とショルダー側の周方向溝32との深さの差を加硫済トレッドを用いて製造されたタイヤにおける、0〜−1.5%以内にすることができ、トレッド幅方向外側の剛性の高まりを防止し、偏摩耗の発生を抑制できる。
【0032】
(5)変形例
(5.1)変形例1
図6は、変形例として示す加硫済トレッド111の断面図である。加硫済トレッド111の表面111Aに形成された周方向溝131,132は、表面111Aから貼着面111Bに向かって窪んでおり、表面111Aよりも貼着面111B側の底部131B,132Bを有する。周方向溝131の延びる方向に沿った溝中心線は、タイヤ赤道線CLに一致する。表面111Aから底部131Bまでのタイヤ径方向の深さD11は、表面111Aから底部132Bまでのタイヤ径方向の深さD12よりも浅い。D11,D12は、1.005D11≦D12≦1.05D11を満たす。すなわち、ショルダー側に形成される周方向溝132の深さD12は、タイヤ赤道線に一致する周方向溝131の深さD11よりも、0.5〜5.0%深い。
【0033】
これにより、加硫済トレッド111を用いて製造されたタイヤにおけるタイヤ赤道線に一致するセンター側の周方向溝131とショルダー側の周方向溝132との深さの差を0〜−1.5%以内にすることができ、トレッド幅方向外側の剛性の高まりを防止し、偏摩耗の発生を抑制できる。
【0034】
(5.2)変形例2
図7は、変形例として示す加硫済トレッド211の断面図である。加硫済トレッド211の表面211Aには、周方向溝231,232,233が形成されている。周方向溝231,232,233は、表面211Aから貼着面211Bに向かって窪んでおり、表面211Aよりも貼着面211B側の底部231B,232B,233Bを有する。
【0035】
周方向溝231の延びる方向に沿った溝中心線は、タイヤ赤道線CLに一致する。表面211Aから底部231Bまでのタイヤ径方向の深さD31、表面211Aから底部232Bまでのタイヤ径方向の深さD32、表面211Aから底部233Bまでの深さD33は、D33<D32<D31を満たす。実施形態において、周方向溝232は、中間溝を構成する。深さD32は、Dmに相当する。深さD33は、1.005D33≦D31≦1.05D33を満たす。すなわち、ショルダー側に形成される周方向溝233の深さD33は、タイヤ赤道線上に形成される周方向溝231の深さD31よりも、0.5〜5.0%深い。
【0036】
これにより、加硫済トレッド211を用いて製造されたタイヤにおけるタイヤ赤道線に一致するセンター側の周方向溝231とショルダー側の周方向溝232,233との深さの差を0〜−1.5%以内にすることができ、トレッド幅方向外側の剛性の高まりを防止し、偏摩耗の発生を抑制できる。
【0037】
(6)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例が明らかとなる。例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
【0038】
タイヤ赤道線CLに対して一方側に2本(すなわちトレッド全体において4本)、或いはトレッド全体において5本の周方向溝が形成される実施形態について説明した。しかし、周方向溝の本数は、4〜5本に限定されない。
【0039】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【実施例】
【0040】
図6に示す加硫済トレッド111のように、タイヤ赤道線CLと周方向溝とが一致するタイプの加硫済トレッドにおいて、厚み、周方向溝の本数、タイヤサイズの異なる加硫済トレッド(比較例1,2、実施例1〜6)を作製し、加硫済トレッドにおける溝の深さと、完成後のタイヤの溝の深さとを比較した。比較例1,2では、センターの周方向溝(タイヤ赤道線に一致する周方向溝)の深さを、ショルダー側に形成される周方向溝の深さと同じに形成した。
【0041】
実施例1〜6では、タイヤの接地面からタイヤ赤道線CLに形成された周方向溝の深さD1に対して、ショルダー側に形成された周方向溝の深さD2を変更した。結果を表1に示す。
【表1】

【0042】
結果によれば、実施例1〜6のように、ショルダー側に形成される周方向溝の深さを深く形成することにより、完成後のタイヤのタイヤ赤道線CLに形成される周方向溝の深さと、ショルダー側に形成される周方向溝の深さとが同等にできることが判った。
【符号の説明】
【0043】
1…タイヤ、 11…加硫済トレッド(トレッド部)、 11A…表面、 11B…貼着面、 12…台タイヤ、 12A…クラウン部、 12B…サイドウォール部、 12C…ビード部、 13…クッションゴム、 21…ビードコア、 22…カーカス層、 23…インナーライナー、 24…ベルト層、 24a…第1ベルト層、 24b…第2ベルト層、 31,32…周方向溝、 31B,32B…底部、 111…加硫済トレッド、 111A…表面、 111B…貼着面、 132…周方向溝、 211…加硫済トレッド、 211A…表面、 211B…貼着面、 232…周方向溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台タイヤに貼着される貼着面と、路面に接地する接地面とを有し、予め加硫された加硫済トレッドであって、
前記接地面には、前記接地面から前記貼着面に向かって窪み、前記加硫済トレッドの長手方向に延びる複数の溝が形成され、
複数の前記溝は、
前記台タイヤに貼着された状態において、前記長手方向に直交するタイヤ幅方向交差方向の中央を含む中央領域を通る第1溝と、
前記タイヤ幅方向において前記第1溝よりも一方の端部側に形成される第2溝とを含み、
前記接地面から前記第1溝の底部までの深さD1、前記接地面から前記第2溝の底部までの深さD2とするとき、
1.005D1≦D2≦1.05D1
を満たす加硫済トレッド。
【請求項2】
前記第1溝と前記第2溝との間には、前記接地面から前記貼着面に向かって窪み、長手方向に延びる中間溝が形成されており、前記接地面から前記中間溝の底部までの深さDmとするとき、D1<Dm<D2を満たす
ことを特徴とする請求項1に記載の加硫済トレッド。
【請求項3】
路面に接地する接地面にトレッドパターンが形成され予め加硫された加硫済トレッドと、台タイヤとを未加硫ゴムを介して貼着する工程と、前記加硫済トレッドが貼着された前記台タイヤをゴム製袋に封入する封入工程と、前記未加硫ゴムを加硫する加硫工程と有するタイヤ製造方法であって、
前記加硫済トレッドとして、
前記接地面には、前記接地面から前記貼着面に向かって窪み、前記加硫済トレッドの長手方向に延びる複数の溝が形成され、
複数の前記溝が、
前記台タイヤに貼着された状態において、前記長手方向に直交するタイヤ幅方向交差方向の中央を含む中央領域を通る第1溝と、
前記タイヤ幅方向において前記第1溝よりも一方の端部側に形成される第2溝とを含み、
前記接地面から前記第1溝の底部までの深さD1、前記接地面から前記第2溝の底部までの深さD2とするとき、
1.005D1≦D2≦1.05D1
を満たす加硫済トレッド
を使用する
ことを特徴とするタイヤ製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−91589(P2012−91589A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238902(P2010−238902)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】