説明

効率的な電子輸送をもつタンデム式白色OLED

間隔を置いて配置されたアノード及びカソードを有するタンデム式白色発光OLED装置であって:前記アノードと前記カソードとの間に配置される第1発光ユニット及び第2発光ユニットと;前記第1発光ユニットと前記第2発光ユニットとの間に配置される、n型層及びp型層を含む中間接続層と;前記中間接続層の前記n型層に隣接し、且つフルオランテン核に環化する芳香環を有さない7,10−ジアリール置換フルオランテン化合物を少なくとも25%含むフルオランテン含有電子輸送層とを含むタンデム式白色発光OLED装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
参照は、同一出願人による、「電子輸送物質をもつOLED装置」と題されたべクレイ(Begley)による2007年10月26日に出願された米国特許出願第11/924,631号に対してなされ、それらの開示は参照することにより本明細書に援用される。
[発明の分野]
本発明は、大型ディスプレイに適切な広帯域発光OLEDディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード装置は、OLEDとも称され、アノード、カソード、及びアノードとカソードとの間に挟まれた有機エレクトロルミネッセンス(EL)ユニットを一般に含む。有機ELユニットは、少なくとも1つの正孔輸送層(HLT)、発光層(LEL)、及び電子輸送層(ETL)を含む。OLEDは、低駆動電圧、高輝度、広視野角、並びにフルカラーディスプレイ及び他の用途の可能性の観点から魅力的である。タン(Tang)らは、米国特許第4,769,292号及び同第4,885,211号において多層OLEDを記載している。
【0003】
OLEDは、そのLELの発光特性に応じて種々の色(例えば、赤、緑、青又は白)の光を発生させることができる。近年、半導体の光源、カラーディスプレイ、又はフルカラーディスプレイのような様々な用途に組み入れられるべき広帯域OLEDに対する要求が増大している。広帯域の発光とは、光がフィルター又は色変化モジュールと共に使用されて少なくとも2つの異なる色を有する表示又はフルカラー表示を生成することができるように、OLEDが可視スペクトル全体にわたる幅のある光を十分に発光するということを意味する。特に、スペクトルの赤色領域、緑色領域及び青色領域の実質的な発光がある広帯域発光OLED(又は広帯域OLED)、すなわち、白色発光OLED(白色OLED)が必要とされている。カラーフィルターを白色OLEDと共に使用することで、別個にパターン化された赤色エミッタ、緑色エミッタ及び青色エミッタを有するOLEDよりもより簡素化された製造プロセスが提供される。このことは、より高い処理能力、生産量の増大及びコスト削減につながり得る。白色OLEDは、例えば、Kido et al., Applied Physics Letters, 64, 815 (1994)、J. Shiらの米国特許第5,683,823号、Satoらの特開平07−142169号公報、Deshpande et al., Applied Physics Letters, 75, 888 (1999)及びTokito et al., Applied Physics Letters, 83, 2459 (2003)によって報告されている。
【0004】
OLEDからの広帯域発光を達成するために、2種類以上の分子が励起されなければならない。これは、各種類の分子が標準状態では比較的狭いスペクトルの光しか発光しないためである。ホスト材料と1つ以上の発光ドーパントとを有する発光層は、ホスト材料からドーパントへのエネルギー移動が不完全である場合、可視スペクトルにおける広帯域発光につながるホスト及びドーパント両方からの発光を達成し得る。単一の発光層を有する白色OLEDを達成するためには、発光ドーパントの濃度を慎重に制御しなければならない。このことは、製造の困難性を引き起こす。2つ以上の発光層を有する白色OLEDは、単一の発光層を有する装置よりも優れた色調及び優れた発光効率を有することができ、ドーパント濃度に対する変動許容量がより高くなる。2つの発光層を有する白色OLEDが、単一の発光層を有するOLEDよりも典型的により安定であるということも分かっている。しかしながら、スペクトルの赤色領域、緑色領域及び青色領域において強い強度の発光を達成することは困難である。2つの発光層を有する白色OLEDは、2つの強い発光ピークを典型的に有する。
【0005】
タンデム式OLED構造(積層式OLED又はカスケード式OLEDと呼ばれることがある)が、Jonesらの米国特許第6,337,492号、Tanakaらの米国特許第6,107,734号、Kidoらの特開2003−045676号公報及び米国特許出願公開第2003/0189401号、並びにLiaoらの米国特許第6,717,358号及び米国特許出願公開第2003/0170491号により開示されている。このタンデム式OLEDは、いくつかの別個のOLEDユニットを垂直に積層することによって製造され、単一の電源を用いてその積層体を駆動する。発光効率、寿命又はその両方が増大されるという利点がある。しかしながら、タンデム構造は、一緒に積層されるOLEDユニットの数に概ね比例して駆動電圧を増大させる。
【0006】
Matsumoto及びKidoらは、SID 03 Digest, 979(2003)において、装置中で緑がかった青色ELユニットと橙色ELユニットとを接続することによってタンデム式白色OLEDを構成し、単一電源を用いてこの装置を駆動することによって白色発光を達成したことを報告した。発光効率は増大するが、このタンデム式OLED装置は、スペクトルにおいて緑色及び赤色成分が弱い。米国特許出願公開第2003/0170491号において、Liaoらは、装置中で、赤色ELユニット、緑色ELユニット及び青色ELユニットを順番に接続することによるタンデム式白色OLED構造を記載している。このタンデム式白色OLEDは、単一の電源によって駆動され、赤色ELユニット、緑色ELユニット及び青色ELユニットからのスペクトルの組み合わせによって白色発光が形成される。
【0007】
これら発展にもかかわらず、効率及び良好な広帯域発光を維持しつつ、OLED装置の駆動電圧を改善する必要性が残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[発明の概要]
効率及び良好な広帯域発光を維持しつつ、OLED装置の駆動電圧を改善する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、間隔を置いて配置されたアノード及びカソードを有するタンデム式白色発光OLED装置であって、
(a)前記アノードと前記カソードとの間に配置される第1発光ユニット及び第2発光ユニットと、
(b)前記第1発光ユニットと前記第2発光ユニットとの間に配置される、n型層及びp型層を含む中間接続層と、
(c)前記中間接続層の前記n型層に隣接し、且つフルオランテン核に環化する芳香環を有さない7,10−ジアリール置換フルオランテン化合物を少なくとも25%含むフルオランテン含有電子輸送層と
を含むタンデム式白色発光OLED装置によって達成される。
【発明の効果】
【0010】
良好な色発光及び低駆動要件を維持しつつ、増大した効率をもつディスプレイを与え得ることがこの発明の利点である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明に従う1つの実施形態のタンデム式OLED装置の断面図である。
【図2】この発明に従う他の実施形態のタンデム式OLED装置の断面図である。層厚のような装置構成寸法はしばしばサブミクロン領域であるので、これらの図は、寸法の正確さよりも視覚化の容易さのために拡大されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
「OLED装置」という用語は、画素としての有機発光ダイオードを備えるディスプレイ装置であると当該技術分野において認められている意味で用いられる。それは、単一の画素を有する装置を意味し得る。「タンデム式OLED装置」及び「積層式OLED装置」という用語は、垂直に積層された2つ以上の発光ユニットを含むOLED装置を意味し、各発光ユニットは、他と独立して発光することができる。各発光ユニットは、正孔輸送層、発光層、及び電子輸送層を少なくとも含む。これらの発光ユニットは、中間接続層によって分離されている。本明細書で使用される場合、「OLEDディスプレイ」という用語は、様々な色からなり得る複数の画素を含むOLED装置を意味する。カラーOLED装置は、少なくとも1つの色の光を発光する。「マルチカラー」という用語は、異なる領域で異なる色調の光を発光することができるディスプレイパネルを説明するのに用いられる。特に、それは、異なる色の画像を表示することができるディスプレイパネルを説明するのに用いられる。これらの領域は、必ずしも隣接しているわけではない。「フルカラー」という用語は、可視スペクトルの赤色領域、緑色領域及び青色領域に発光することができ且つ色調の任意の組み合わせで画像を表示することができるマルチカラーディスプレイパネルを説明するのに用いられる。赤色、緑色及び青色は、適当な混ぜ合わせにより他の全ての色を生成できる三原色を構成する。「色調」という用語は、可視スペクトル範囲内の発光の強度分布を意味し、異なる色調は、視覚的に識別できる色の違いを示す。「画素」という用語は、ディスプレイパネルのある領域であって、刺激する(stimulate)ことによって他の領域とは独立に発光する領域を示すのに当該技術分野において認められている用法で用いられる。フルカラー系では、色の異なるいくつかの画素が一緒に用いられて広範囲の色を生じさせると認識されており、観察者はかかる集合体を単一画素と称し得る。この議論の目的のために、かかる集合体は、いくつかの異なる色の画素と見なされるであろう。
【0013】
本開示によれば、広帯域発光は、可視スペクトルの複数領域において有意な構成要素、例えば、青色及び緑色を有する光である。広帯域発光は、白色光を生成するために光がスペクトルの赤色領域、緑色領域及び青色領域に発せられた状態も含み得る。白色光は、使用者によって白色を有するものとして認識される光であるか、又はカラーフィルターと共に使用されて実用的なフルカラー表示を生成させるのに十分な発光スペクトルを有する光である。電力消費を低くするには、白色発光OLEDの色度をCIE標準の光D65、すなわち、CIEx=0.31及びCIEy=0.33の色度座標(1931年、国際照明委員会)に近づけることがしばしば有効である。これは、特に、赤色画素、緑色画素、青色画素及び白色画素を有するいわゆるRGBWディスプレイの場合である。約0.31、0.33のCIEx、CIEy座標は状況によっては理想的であるが、実際の座標は著しく変わり得るし、未だ非常に有益である。本明細書で用いられる「白色発光」という用語は、観察される前に白色光の一部がカラーフィルターによって除去され得ることがあるとしても、内部で白色光を生成する装置を意味する。
【0014】
次に図1を見ると、本発明の1つの実施形態によるタンデム式白色発光OLED10の画素の断面図が示されている。OLED装置10は、基板20と、アノード30及びカソード90である間隔を置いて配置された2つの電極と、カソード90とアノード30との間にそれぞれ配置される第1発光ユニット80及び第2発光ユニット75と、第1発光ユニット80と第2発光ユニット75との間に配置される中間接続層55とを含む。中間接続層55は、n型層65及びp型層95を含む。ハットワー(Hatwar)らは、米国特許第7,332,860号において、このタイプのいわゆるタンデム式配置において、多数の発光ユニットの使用を記載している。この実施形態において、第1発光ユニット80は、500nmよりも長い波長(例えば、可視スペクトルの緑色、黄色及び赤色領域)で多数のピークを有する光を発光する。第1発光ユニット80は、青色発光を実質的に生じず、これは、480nmよりも短い波長での発光強度が最大発光強度の10%未満であり、且つ490nmで50%以下であることを意味する。この実施形態において、第1発光ユニット80は、第1発光層(例えば、緑色発光化合物を含み、緑色発光を生じる緑色発光層50g)を含む。第1発光ユニット80は、第2発光層(例えば、黄色発光化合物を含み、可視スペクトルの黄色部分〜赤色部分において発光を生じる黄色発光層50y)をさらに含む。本明細書で使用される場合、「黄色発光化合物」という用語は、黄色領域〜赤色領域(すなわち、約570nm〜700nm)に主要な発光を有する物質のことを言う。第2発光ユニット75は、500nmよりも短い波長、すなわち、可視スペクトルの青色領域において実質的に発光する。第2発光ユニット75は、他の波長でも同様に発光することができる。この実施形態において、第2発光ユニット75は、青色発光層(例えば、青色発光化合物を含む青色発光層50b)を含む。当該技術分野において知られるタンデム式OLED装置の他の実施形態も本発明で使用することができる。また、OLED装置10は、電子輸送層85、正孔輸送層40及び45、並びに正孔注入層35を含む。
【0015】
タンデム式OLED装置10は、発光ユニットの間に配置される中間接続層(例えば、n型層65及びp型層95を含む中間接続層55)をさらに含む。中間接続層55は、隣接するELユニットに効果的なキャリア注入を与える。金属、金属化合物又は他の無機化合物は、p型層95に効果的であり得る。しかしながら、これらの材料はしばしば、低抵抗率を有し、画素クロストークをもたらし得る。また、中間接続層を構成する層の光透過性は、ELユニットに生じる放射を装置に放出することができるようにできるだけ高くすべきである。したがって、中間接続層中で主に有機物質を使用することがしばしば好ましい。p型層及びその構成において使用される物質の例は、ハットワー(Hatwar)らによる米国特許出願公開第2007/0001587号において詳細に記載されており、その開示は参照することによって本明細書に援用される。p型層のいくつかの更なる非制限的な例が、米国特許第6,717,358号及び同第6,872,472号、並びに米国特許出願公開第2004/0227460号に記載されている。また、下記に記載される電子輸送層のための多くの物質もp型層に適している。
【0016】
n型層65は、オキシン自体のキレートを含む金属キレート化オキシノイド(oxinoid)化合物(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリンとも称される)を1つ以上含有することができる。他のn型物質は、米国特許第4,356,429号に開示されているような各種ブタジエン誘導体や、米国特許第4,539,507号に開示されているような各種複素環光学的増白剤が挙げられる。ベンザゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、ピリジンチアジアゾール、トリアジン、フェナントロリン誘導体、及びいくつかのシロール誘導体もまた、有用なn型物質である。この発明については、n型層65がリチウムドープ層であることが有用である。
【0017】
OLED装置10は、中間接続層55のn型層65に隣接し、且つフルオランテン核に環化する芳香環を有さない7,10−ジアリール置換フルオランテン化合物を少なくとも25%含むフルオランテン含有電子輸送層60をさらに含む。かかる化合物は、上記で引用した米国特許出願第11/921,631号においてベグレイ(Begley)によって記載されており、その開示は参照することによって本明細書中に援用される。フルオランテン核は、環系の一部としてヘテロ原子を含有せず、4つの環化した環のみを含有する。その環の番号付けの順序を下記に示す:
【0018】
【化1】

【0019】
この発明に有用なフルオランテンは、フルオランテン核のフェニル又はナフチル環のいずれかに環化した追加の環を含有しない。核に環化した追加の環系をもつフルオランテンは、この発明において有用でない。環化した環は、フルオランテン核の任意の2つの炭素原子間の共通の環結合を共有する環である。
【0020】
適切には、この発明に有用な7,10−ジアリールフルオランテン化合物は、式(I)に従う。
【0021】
【化2】

【0022】
式中、各Arは、フルオランテン核に結合した6〜24個の炭素原子を含有する芳香環であり、それらは同一でも異なっていてもよく;R1〜R8は、水素、及び6〜24個の炭素原子を含有する芳香環基から個別に選択され、ただし、2つの隣接するR1〜R8置換基は結合してフルオランテン核に環化する芳香環系を形成することができない。
【0023】
式(I)において、Ar基(複数可)は、複素環であり得るが、好ましくは炭素環基である。Ar基(複数可)は、フルオランテン核と縮合することができず、1つの単結合によってのみ接続される。好ましいAr基は、フェニル又はナフチルであり、フェニルが特に好ましい。Ar基が同じである化合物もまた望ましい。
【0024】
この発明に有用なより好ましい化合物は、式(II)に従う。
【0025】
【化3】

【0026】
式中、R1、R2、R3及びR4は独立して、水素、又は6〜24個の炭素原子を含有する芳香族基であり、ただし、隣接するR1〜R4は結合して環化した芳香環系の一部を形成せず;Rは、水素又は任意の置換基であり;n及びmは独立して1〜5である。
【0027】
この発明に有用な最も好ましいフルオランテンは、式(III−a)又は(III−b)に従う。
【0028】
【化4】

【0029】
式中、R2及びR4は独立して、水素、又は6〜24個の炭素原子を含有する芳香族基であり、ただし、R2及びR4は、両方が水素であることができず、またR2がRと結合して環を形成することもできず;Rは、水素又は任意の置換基であり;n及びmは独立して1〜5である。
【0030】
式(II)及び(III)において、最も好ましいR1、R2、R3及びR4基は、フェニル又はナフチルであり、それらはさらに置換されていてもよい。特に好ましい置換フェニル基は、ビフェニルである。ビフェニルは、オルト(o)、メタ(m)又はパラ(p)置換ビフェニルであることができ、p−ビフェニルが特に好ましい。アントラセン、フェナントレン、フェナントロリン、及びペリレン等の他の芳香環系もまた、これらの置換基として適している。典型的に、R置換基(複数可)は、水素であるが、分子特性を改良するために選択された任意の適切な基であることができる。また、この発明に有用なフルオランテンは、1つよりも多い離れたフルオランテン核を含み得ることも予期される。すなわち、2つ以上のフルオランテン基は、単結合を介して結合することができ、一緒に環化しない。
【0031】
しかしながら、本発明で用いられるフルオランテン誘導体は、ポリマー骨格に共有結合した多数のフルオランテン基、又はフルオランテン核がポリマー鎖の直接一部である化合物を含まない。この発明で有用なフルオランテンは、典型的に1500未満、好ましくは1000未満の分子量をもつ小さな分子である。
【0032】
また、本発明で用いられるフルオランテン化合物は、フルオランテン核に直接結合したいかなるアミノ置換基を有しない。従って、式(I)、(II)又は(III)におけるR1〜R3は、ジアリールアミン等のアミノ基であることができない。しかしながら、R1〜R8の6〜24個の炭素原子を含有する芳香環がアミノ基でさらに置換され得ることが可能である。しかしながら、この発明で有用なフルオランテン化合物は、完全に炭化水素であること、すなわち、置換基としてか、又は置換基内に含有されるヘテロ原子を含有しないことが好ましい。
【0033】
この発明で有用なフルオランテン発光物質の具体例は以下の通りである。
【0034】
【化5】

【0035】
【化6】

【0036】
【化7】

【0037】
【化8】

【0038】
【化9】

【0039】
【化10】

【0040】
【化11】

【0041】
次に図2を見ると、本発明に従う他の実施形態のタンデム式白色発光OLED装置15の画素の断面図が示されている。OLED装置15は、上記のOLED装置10含まれる構成要素を含む。タンデム式OLED装置15は、カソード90に隣接する電子輸送層85に隣接する第2フルオランテン含有電子輸送層70(例えば、発光ユニット82)をさらに含む。フルオランテン含有電子輸送層70は、上記のフルオランテン含有電子輸送層60と同じ物資を含むことができる。
【0042】
本明細書に記載されるような発光層は、電子−正孔再結合に応じて光を生じる。所望の有機発光物質は、蒸発、スパッタリング、化学気相蒸着、電気化学蒸着、又はドナー物質からの放射熱転写(radiation thermal transfer)等の任意の適切な方法によって堆積され得る。有用な有機発光物質はよく知られている。米国特許第4,769,292号及び米国特許第5,935,721号に更に十分に記載されるように、OLED装置の発光層は、発光物質又は蛍光物質を含み、その領域における電子−正孔対の再結合の結果としてエレクトロルミネッセンスがそこで生成される。発光層は、単一の物質を含み得るが、通常はゲスト化合物又はドーパントがドープされたホスト物質(そこでは、発光がドーパントから主に生じる)を含む。ドーパントは、特定のスペクトルを有する色光を生成するように選択される。発光層中のホスト物質は、電子輸送物質、正孔輸送物質又は正孔−電子の再結合を支持する他の物質であり得る。ドーパントは、一般に一重項発光化合物(すなわち、それらは、励起一重項状態から発光する)である強い蛍光染料から選択されることが多い。しかしながら、一般に三重項発光化合物(すなわち、それらは励起三重項状態から発光する)であるリン光化合物、例えば、国際公開第98/55561号、国際公開第00/18851号、国際公開第00/57676号及び国際公開第00/70655号に記載されるような遷移金属錯体も有用である。ドーパントは、典型的には0.01重量%〜10重量%でホスト物質にコーティングされる。有用であることが知られているホスト及び発光分子としては、米国特許第4,768,292号、米国特許第5,141,671号、米国特許第5,150,006号、米国特許第5,151,629号、米国特許第5,294,870号、米国特許第5,405,709号、米国特許第5,484,922号、米国特許第5,593,788号、米国特許第5,645,948号、米国特許第5,683,823号、米国特許第5,755,999号、米国特許第5,928,802号、米国特許第5,935,720号、米国特許第5,935,721号、及び米国特許第6,020,078号に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。青色発光層50bは、ホスト物質及び青色発光ドーパントを含む。青色発光ドーパントは、一重項発光化合物又は三重項発光化合物であることができる。第1発光ユニット80及び82の発光層(例えば、発光層50g及び50y)は、ドーパントとして、一重項発光化合物又は三重項発光化合物を含むことができる。
【0043】
8−ヒドロキシキノリン及び類似の誘導体の金属錯体(式A)は、エレクトロルミネッセンスを支持することが可能な、有用な電子輸送ホスト物質の1種を構成し、500nmより長い波長(例えば、緑色、黄色、橙色、及び赤色)の発光に特に好適である。
【0044】
【化12】

【0045】
式中、Mは一価、二価又は三価の金属を表し;nは1〜3の整数であり;それぞれ存在するZは、少なくとも2つの縮合芳香環を有する核(nucleus)を完成させる原子を独立して表す。
【0046】
Zは、少なくとも2つの縮合芳香環(そのうち少なくとも1つはアゾール環又はアジン環である)を含有する複素環の核を完成させる。必要に応じて、追加の環(脂環及び芳香環の両方を含む)を、2つの所要の環と縮合させてもよい。機能が改善されることなく多量の分子が付加されることを回避するために、環原子の数は通常18以下に維持される。
【0047】
ベンザゾール誘導体は、エレクトロルミネッセンスを支持し得る有用なホスト物質の別の種類を構成し、400nmより長い波長(例えば、青色、緑色、黄色、橙色又は赤色)の発光に特に適している。有用なベンザゾールの一例は、2,2’,2’’−(1,3,5−フェニレン)トリス[1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール]である。
【0048】
本発明の1つ以上の発光層中のホスト物質は、炭化水素置換基又は置換炭化水素置換基を9位及び10位に有するアントラセン誘導体を含み得る。例えば、9,10−ジアリールアントラセン(式B)の特定の誘導体は、エレクトロルミネッセンスを支持し得る有用なホスト物質の群を構成することが知られており、400nmより長い波長(例えば、青色、緑色、黄色、橙色又は赤色)の発光に特に適している。
【0049】
【化13】

【0050】
式中、R1、R2、R3及びR4は、各環における1つ以上の置換基を表し、各置換基は下記の群からそれぞれ選択される。
第1群:水素、又は1〜24個の炭素原子を有するアルキル
第2群:5〜20個の炭素原子を有するアリール又は置換アリール
第3群:アントラセニル、ピレニル又はペリレニルの縮合芳香環を完成するのに必要な4〜24個の炭素原子
第4群:フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル又は他の複素環系の縮合芳香族複素環を完成するのに必要な5〜24個の炭素原子を有するヘテロアリール又は置換ヘテロアリール
第5群:1〜24個の炭素原子を有するアルコキシルアミノ、アルキルアミノ又はアリールアミノ
第6群:フッ素、塩素、臭素又はシアノ
【0051】
特に有用なのは、R1及びR2が付加(additional)芳香環を表す化合物である。発光層中のホストとして用いるのに有用なアントラセン物質の具体例は、以下が挙げられる。
【0052】
【化14】

【0053】
【化15】

【0054】
発光層中のホストとして有用な正孔輸送物質は、芳香族第3級アミン等の化合物を含むことが公知であり、芳香族第3級アミンは、炭素原子のみに結合した少なくとも1つの3価窒素原子を含有し、その少なくとも1つが芳香環の一部である化合物であると理解される。1つの形態において、芳香族第3級アミンは、モノアリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、又は高分子アリールアミン(polymeric arylamine)等のアリールアミンであり得る。典型的なモノマートリアリールアミン(monomeric triarylamine)は、米国特許第3,180,730号においてKlupfelらによって説明されている。1つ以上のビニル基で置換された、又は少なくとも1つの活性水素含有基を含む他の適切なトリアリールアミンは、米国特許第3,567,450号及び米国特許第3,658,520号においてBrantleyらによって開示されている。
【0055】
より好ましい種類の芳香族第三級アミンは、米国特許第4,720,432号及び米国特許第5,061,569号に記載されるような、少なくとも2つの芳香族第三級アミン部分を含むものである。かかる化合物としては、構造式Cによって表されるものが挙げられる。
【0056】
【化16】

【0057】
式中、Q1及びQ2は、独立して選択される芳香族第三級アミン部分であり;Gは炭素−炭素結合の連結基(例えば、アリーレン基、シクロアルキレン基、又はアルキレン基)である。
【0058】
1つの実施形態において、Q1又はQ2の少なくとも一方は、多環式縮合環構造(例えば、ナフタレン)を含有する。Gがアリール基である場合には、Q1又はQ2の少なくとも一方は、フェニレン部分、ビフェニレン部分、又はナフタレン部分であることが好都合である。
【0059】
構造式Cを満たし、且つ2つのトリアリールアミン部分を含有する、有用な種類のトリアリールアミンは、構造式Dで表される。
【0060】
【化17】

【0061】
式中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、アリール基、若しくはアルキル基を表すか、又はR1及びR2は共にシクロアルキル基を完成させる原子を表し;R3及びR4は、各々独立してアリール基を表すが、このアリール基は、構造式Eに示されるように、ジアリール置換アミノ基によって順に置換されている。
【0062】
【化18】

【0063】
式中、R5及びR6は、独立して選択されるアリール基である。1つの実施形態において、R5又はR6の少なくとも一方は、多環式縮合環構造(例えば、ナフタレン)を含有する。
【0064】
別の種類の芳香族第三級アミンは、テトラアリールジアミンである。望ましいテトラアリールジアミンは、式Eに示されるもののような、アリーレン基を介して連結した2つのジアリールアミノ基を含む。有用なテトラアリールジアミンとしては、式Fで表されるようなものが挙げられる。
【0065】
【化19】

【0066】
式中、各Areは、独立して選択されるアリーレン基(例えば、フェニレン部分又はアントラセン部分)であり;nは1〜4の整数であり;Ar、R7、R8及びR9は、独立して選択されるアリール基である。
【0067】
典型的な実施形態において、Ar、R7、R8及びR9のうち少なくとも1つは多環式縮合環構造(例えば、ナフタレン)である。
【0068】
上記の構造式C、D、E及びFの様々なアルキル部分、アルキレン部分、アリール部分、及びアリーレン部分は、各々順に置換されていてもよい。典型的な置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、及びハロゲン(例えば、フッ化物、塩化物、及び臭化物)が挙げられる。様々なアルキル部分及びアルキレン部分は、約1個〜6個の炭素原子を典型的に含有する。シクロアルキル部分は、3個〜約10個の炭素原子を含有することができるが、典型的には5個、6個、又は7個の炭素原子を含有する(例えば、シクロペンチル環構造、シクロヘキシル環構造、及びシクロヘプチル環構造)。アリール部分及びアリーレン部分は、通常、フェニル部分及びフェニレン部分である。
【0069】
上記したホスト物質に加えて、緑色発光層50gは、緑色発光ドーパントも含む。一重項緑色発光ドーパントとしては、キナクリドン化合物、例えば、下記の構造の化合物を挙げることができる。
【0070】
【化20】

【0071】
式中、置換基R1及びR2は独立して、アルキル、アルコキシル、アリール又はヘテロアリールであり;置換基R3〜R12は独立して、水素、アルキル、アルコキシル、ハロゲン、アリール又はヘテロアリールであり、隣接する置換基R3〜R10は、任意に接続して1つ以上の環系(縮合芳香環及び縮合芳香族複素環を含む)を形成することができ、ただし、置換基は、510nm〜540nmの間の最大発光を与えるように選択される。アルキル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、縮合芳香環、縮合芳香族複素環置換基は、更に置換されていてもよい。有用なキナクリドンのいくつかの例としては、米国特許第5,593,788号及び米国特許出願公開第2004/0001969号に開示されているものが挙げられる。
【0072】
有用なキナクリドン緑色ドーパントの例としては、以下のものが挙げられる。
【0073】
【化21】

【0074】
また、一重項緑色発光ドーパントとしては、以下の式によって表されるような2,6−ジアミノアントラセン発光ドーパントも挙げられる。
【0075】
【化22】

【0076】
式中、d1、d3−d5及びd7−d8は同一でも異なっていてもよく、水素又は独立して選択された置換基をそれぞれ表し、各hは同一でも異なっていてもよく、独立して選択された1つ以上の置換基をそれぞれ表し、ただし、2つの置換基が結合して環基(ring group)を形成することができ、a−dは独立して0〜5である。
【0077】
緑色発光層50gは、安定剤として、少量の青色発光化合物を任意に含み得る。より高いエネルギーのドーパントである青色発光化合物の存在は、緑色発光ドーパントの効率を良好に維持しながら、2,6−ジアミノアントラセンドーパントの緑色発光に対してより高い輝度安定性を与える。青色発光化合物は、青色発光層50bについて以下に記載されているものであり得る。
【0078】
一重項赤色発光化合物は、黄色発光層50yにおいて任意に使用することができ、下記の構造Jのジインデノペリレン化合物を含むことができる。
【0079】
【化23】

【0080】
式中、X1〜X16は、水素、又は1〜24個の炭素原子を有するアルキル基、5〜20個の炭素原子を有するアリール又は置換アリール基、1つ以上の縮合芳香環又は環系(ring system)を完成させる、4〜24個の炭素原子を含有する炭化水素基、又はハロゲン等の置換基から独立して選択され、ただし、置換基は560nm〜640nmの間の最大発光を与えるように選択される。
【0081】
この種の有用な赤色ドーパントの具体例は、Hatwarらの米国特許第7,247,394号に示されており、その開示は参照することによって本明細書に援用される。
【0082】
本発明において有用な他の一重項赤色ドーパントは、式Kによって表される染料のDCM類(DCM class)に属する。
【0083】
【化24】

【0084】
式中、Y1〜Y5は、水素(hydro)、アルキル、置換アルキル、アリール、又は置換アリールから独立して選択される1つ以上の基を表し;Y1〜Y5は、アクリル基を独立して含むか、又は一対で結合して(joined pairwise)1つ以上の縮合環を形成することができ;ただし、Y3及びY5は一緒になって縮合環を形成しない。
【0085】
赤色発光をもたらす有用で且つ使い易い実施形態において、式KのY1〜Y5は、水素、アルキル及びアリールから独立して選択される。DCM類の特に有用なドーパントの構造は、米国特許第7,252,893号においてRicksらによって示されており、その開示は参照することによって本明細書に援用される。
【0086】
黄色発光層50yにおいて用いられるような一重項黄色発光化合物としては、以下の構造の化合物を挙げることができる。
【0087】
【化25】

【0088】
式中、A1〜A6及びA’1〜A’6は、各環における1つ以上の置換基を表し、各置換基は、以下の群の1つから個別に選択される。
第1群:水素、又は1〜24個の炭素原子を有するアルキル
第2群:5〜20個の炭素原子を有するアリール又は置換アリール
第3群:縮合芳香環又は環系を完成する、4〜24個の炭素原子を含有する炭化水素
第4群:単結合を介して結合されるか、又は縮合芳香族複素環系を完成する、チアゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル又は他の複素環系等の5〜24個の炭素原子を有するヘテロアリール又は置換へテロアリール
第5群:1〜24個の炭素原子を有するアルコキシルアミノ、アルキルアミノ又はアリールアミノ
第6群:フルオロ、クロロ、ブロモ又はシアノ
【0089】
特に有用な黄色ドーパントの例は、Rickeらによって示されている。
【0090】
有用な一重項黄色ドーパントの別の種類は、米国特許第6,818,327号に記載されており、且つ式L3に従う。
【0091】
【化26】

【0092】
式中、A’’1〜A’’4は、各環における1つ以上の置換基を表し、各置換基は、以下の群の1つから個別に選択される。
第1群:水素、又は1〜24個の炭素原子を有するアルキル
第2群:5〜20個の炭素原子を有するアリール又は置換アリール
第3群:縮合芳香環又は環系を完成する、4〜24個の炭素原子を含有する炭化水素
第4群:単結合を介して結合されるか、又は縮合芳香族複素環系を完成する、チアゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル又は他の複素環系等の5〜24個の炭素原子を有するヘテロアリール又は置換へテロアリール
第5群:1〜24個の炭素原子を有するアルコキシルアミノ、アルキルアミノ又はアリールアミノ
第6群:フルオロ、クロロ、ブロモ又はシアノ
【0093】
特に有用な例は、A’’1及びA’’3が水素であり且つA’’2及びA’’4が第5群から選択されるものである。
【0094】
青色発光層50bにおいて用いられ得る青色発光ドーパントとしては、構造Mのビス(アジニル)アゼンボロン錯体化合物を挙げることができる。
【0095】
【化27】

【0096】
式中、A及びA’は、少なくとも1つの窒素を含有する6員芳香環系に相当する独立したアジン環系を表し;(Xan及び(Xbmは、1つ以上の独立して選択された置換基を表し、且つアクリル置換基を含むか、又は結合してA又はA1と縮合した環を形成し;m及びnは独立して0〜4であり;Za及びZbは、独立して選択された置換基であり;1、2、3、4、1’、2’、3’及び4’は、炭素又は窒素原子のいずれかとして独立的に選択され;ただし、Xa、Xb、Za及びZb、1、2、3、4、1’、2’、3’及び4’は、青色発光を与えるように選択される。
【0097】
上記種類のドーパントのいくつかの例は、米国特許第7,252,893号においてRicksらによって開示されている。
【0098】
別の種類の一重項青色ドーパントは、ペリレン類である。ペリレン類の特に有用な青色ドーパントとしては、ペリレン及びテトラ−t−ブチルペリレン(TBP)が挙げられる。
【0099】
この発明において特に有用な別の種類の一重項青色ドーパントとしては、米国特許第5,121,029号及び米国特許出願公開第2006/0093859においてHelberらによって記載された化合物を含む、ジスチリルベンゼン、スチリルビフェニル及びジスチリルビフェニル等のスチリルアレンやジスチリルアレンの青色発光誘導体が挙げられる。青色発光を与えるこれらの誘導体の中でも、特に有用なのは、ジアリールアミノ基で置換されたものである。例としては、以下に示される一般構造N1のビス[2−[4−[N,N−ジアリールアミノ]フェニル]ビニル]−ベンゼン:
【0100】
【化28】

【0101】
以下に示される一般構造N2の[N,N−ジアリールアミノ][2−[4−[N,N−ジアリールアミノ]フェニル]ビニル]ビフェニル:
【0102】
【化29】

【0103】
及び以下に示される一般構造N3のビス[2−[4−[N,N−ジアリールアミノ]フェニル]ビニル]ビフェニルである。
【0104】
【化30】

【0105】
式N1〜N3において、X1〜X4は同一でも異なっていてもよく、アルキル、アリール、縮合アリール、ハロ(halo)又はシアノ等の1つ以上の置換基をそれぞれ表す。好ましい実施形態において、X1〜X4はそれぞれ、1〜約10個の炭素原子をそれぞれ含有するアルキル基である。この種の特に好ましい青色ドーパントは米国特許第7,252,893号においてRicksらによって開示されている。
【0106】
一重項発光ドーパントに加えて、三重項発光ドーパントも本発明(特に、緑色発光層50g及び黄色発光層50y)に有用であり得る。この発明に有用な三重項発光ドーパントは、米国特許出願公開第2008/0286610号及び米国特許出願公開第2008/0284318号においてDeatonらによって記載されており、それらの開示は、参照することによって本明細書中に援用される。
【0107】
この本発明で用いられ得る他のOLED装置用の層は、従来技術に十分記載されており、OLED装置10及び15、並びに本明細書に記載されたその他の装置は、かかる装置に一般に用いられる層を備え得る。OLED装置は、基板、例えばOLED用基板20上に一般に形成される。その基板は、従来技術に十分記載されている。底面電極は、OLED用基板20の上方に形成され、この発明の実施はこの構成に限定されないが、アノード30として最も一般に構成される。EL発光がアノードを通して見られる場合、重要な発光のために、アノードは透明又は実質的に透明でなければならない。本発明で使用される一般的な透明アノード物質は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)及び酸化スズであるが、他の金属酸化物(アルミニウム又はインジウムドープ酸化亜鉛、マグネシウムインジウム酸化物及びニッケルタングステン酸化物が挙げられるが、これらに限定されない)が有効であり得る。これらの酸化物に加えて、窒化ガリウム等の金属窒化物、セレン化亜鉛等の金属セレン化物、硫化亜鉛等の金属硫化物が、アノードとして使用される。EL発光がカソード電極を通してのみ見られる応用に関しては、アノードの透過特性は重要ではなく、それが透明、不透明又は反射性(reflective)であるかに関らず、任意の導電性物質が使用される。本発明のための導電性物質(conductor)の例としては、金、イリジウム、モリブデン、パラジウム及び白金が挙げられるが、これらに限定されない。透過性又は他の場合の典型的なアノード物質は、4.0eV以上の大きな仕事関数を有する。所望のアノード物質は、蒸発、スパッタリング、化学気相蒸着、又は電気化学蒸着等の任意の適切な方法によって堆積され得る。アノード物質は、公知のフォトリソグラフィープロセスを用いてパターン化され得る。
【0108】
正孔注入層40は、アノードの上方に形成され且つ配置され得る。他の正孔輸送層(例えば、45)は、上記したような他の発光ユニットで使用し得る。所望の正孔輸送物質は、蒸発、スパッタリング、化学気相蒸着、電気化学蒸着、熱転写、又はドナー材料からのレーザー熱転写等の任意の適切な方法によって堆積され得る。正孔輸送層に有用な正孔輸送物質としては、発光ホストとして上記した正孔輸送化合物が挙げられる。
【0109】
電子輸送層(例えば、85)は、オキシン自体のキレートを含む1種以上の金属キレート化オキシノイド(oxinoid)化合物(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリンとも称される)を含み得る。他の電子輸送物質としては、米国特許第4,356,429号に開示されているような様々なブタジエン誘導体、及び米国特許第4,539,507号に記載されるような様々な複素環光学的増白剤が挙げられる。ベンザゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、ピリジンチアジアゾール、トリアジン、フェナントロリン誘導体、及びいくつかのシロール誘導体も有用な電子輸送物質である。この発明に関しては、電子輸送層がリチウムドープ層であることが有用である。
【0110】
カソード90として最も一般に構成される上部電極は、電子輸送層の上方に形成される。装置が表面発光型(トップエミッション)である場合、電極は、透明であるか、又は殆ど透明でなければならない。かかる用途に関して、金属は、薄く(好ましくは25nm未満)なければならないか、又は透明な導電性酸化物(例えば、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物)若しくはこれらの物質の組み合わせを使用しなければならない。光学的に透明なカソードは、米国特許第5,776,623号により詳細に記載されている。装置が底面発光型(ボトムエミッション)である場合(すなわち、EL発光がアノード電極を通してのみ見られる場合)、カソードの透過特性は重要ではなく、任意の導電性物質が使用される。カソード物質は、蒸発、スパッタリング、又は化学気相蒸着によって堆積され得る。必要に応じて、多くの既知の方法(スルーマスク蒸着、米国特許第5,276,380号及び欧州特許第0732868号に記載されるような一体化シャドーマスキング(integral shadow masking)、レーザーアブレーション、及び選択的化学蒸着が挙げられるが、これらに限定されない)によってパターニングが達成され得る。
【0111】
本明細書に記載されるようなOLED装置では、間隔を置いて配置された電極のうちの1つが、可視光に対して必ずしも透過性ではない。別の電極は反射性であり得る。例えば、図2では、カソードは反射性であり得るものの、アノードは透過性である。かかる構造では、発光ユニット82が、発光ユニット75よりも反射性電極の近くに配置される。Borosonらの米国特許出願公開第2007/0001588号によって記載されるように、赤色〜緑色の発光ユニット(例えば、発光ユニット82)を反射性電極から60〜90nmの範囲内に配置し、且つ青色発光ユニット(例えば、発光ユニット75)を反射性電極から150〜200nmの範囲内に配置することが特に有用であり得る。
【0112】
OLED装置10及び15は、別の層を更に備え得る。例えば、米国特許第4,720,432号、米国特許第6,208,075号、欧州特許第0891121号及び欧州特許第1029909号に記載されるように、正孔注入層35がアノードの上方に形成され得る。アルカリ若しくはアルカリ土類金属、ハロゲン化アルカリ塩又はアルカリ若しくはアルカリ土類金属がドープされた有機層のような電子輸送層もカソードと電子輸送層との間に存在し得る。
【実施例】
【0113】
本発明及びその利益が、以下の比較の例によって、より良く理解され得る。第1のセットにおいて、例1及び2は、比較目的のための本発明でないタンデム式OLED例であるのに対し、例3及び4は、この発明の代表的な例である。真空蒸着されると記載される層は、約10-6Torrの真空下で加熱ボートからの気化によって蒸着させた。OLED層の蒸着の後、カプセル化のために各装置をドライボックスに移した。OLEDは、10mm2の発光領域を有する。電極間に20mA/cm2の電流を適用することによって装置を試験した。例1〜4の結果をテーブル1に示す。
【0114】
<例1(比較)>
(1)スパッタリングによりインジウムスズ酸化物(ITO)を清浄なガラス基板に堆積させ、60nmの厚さの透明電極を形成した。
(2)上記で調製したITO表面をプラズマ酸素エッチングによって処理した。
(3)上記で調製した基板を、正孔注入層(HIL)としてヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン(CHATP)の10nm層を真空蒸着することによって更に処理した。
【0115】
【化31】

【0116】
(4)上記で調製した基板を、正孔輸送層(HTL)として4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)の150nm層を真空蒸着することによって更に処理した。
(5)上記で調製した基板を、95%の9−(1−ナフチル)−10−(2−ナフチル)アントラセン(NNA)ホストと共に、青色発光ドーパントとして5%のBED−1を含む30nmの青色発光層を真空蒸着することによって更に処理した。
【0117】
【化32】

【0118】
(6)49%の4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソフェン又はBphenとしても知られる)、共ホストとしての49%のリチウムキノリノレート(LiQ)と共に、2%のLi金属を含む40nmの混合リチウムドープn型層を真空蒸着した。
(7)上記で調製した基板を、p型層としてCHATPの10nm層を真空蒸着することによって更に処理した。
(8)上記で調製した基板を、HTLとしてNPBの11nm層を真空蒸着することによって更に処理した。
(9)上記で調製した基板を、ホストとしての97%のNPBと共に、3%の橙黄色発光ドーパントであるジフェニルテトラ−t−ブチルルブレン(PTBR)を含む20nmの黄色発光層を真空蒸着することによって更に処理した。
【0119】
【化33】

【0120】
(10)上記で調製した基板を、ホストとしての95%の2−フェニル−9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(PBNA)と共に、緑色発光ドーパントとしての5%の2,6−ビス(ジフェニルアミノ)−9,10−ジフェニルアントラセンを含む40nmの緑色発光層を真空蒸着することによって更に処理した。
(11)49%のBphen、共ホストとしての49%のLiQと共に、2%のLi金属を含む34nmの混合リチウムドープ電子輸送層を真空蒸着した。
(12)基板上に100nmのアルミニウム層を蒸発によって堆積させ、カソード層を形成した。
【0121】
<例2(比較)>
工程(10)の後に工程(10a)を加え、全体の装置厚さを同じに維持するために工程(11)を以下のように修正したこと以外は、実施例1で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
(10a)上記で調製した基板を、フルオランテン含有電子輸送層を形成するために、3,7,10−トリフェニル−8−(4−ビフェニル)フルオランテン(上記したようなETM−2)の10nmの層を真空蒸着することによって更に処理した。
(11)49%のBphen、共ホストとしての49%のLiQと共に、2%のLi金属を含む24nmの混合リチウムドープ電子輸送層を真空蒸着した。
【0122】
<例3(本発明)>
工程(5)の後に工程(5a)を加え、全体の装置厚さを同じに維持するために工程(6)を以下のように修正したこと以外は、実施例1で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
(5a)上記で調製した基板を、フルオランテン含有電子輸送層を形成するために、ETM−2の10nmの層を真空蒸着することによって更に処理した。
(6)49%のBphen、共ホストとしての49%のLiQと共に、2%のLi金属を含む30nmの混合リチウムドープn型層を真空蒸着した。
【0123】
<例4(本発明)>
工程(5)の後に工程(5a)を加え、工程(10)の後に工程(10a)を加え、全体の装置厚さを同じに維持するために工程(6)及び(11)を以下のように修正したこと以外は、実施例1で上記した通りにしてOLED装置を作製した。

(5a)上記で調製した基板を、フルオランテン含有電子輸送層を形成するために、ETM−2の10nmの層を真空蒸着することによって更に処理した。
(6)49%のBphen、共ホストとしての49%のLiQと共に、2%のLi金属を含む30nmの混合リチウムドープn型層を真空蒸着した。
(10a)上記で調製した基板を、フルオランテン含有電子輸送層を形成するために、ETM−2の10nmの層を真空蒸着することによって更に処理した。
(11)49%のBphen、共ホストとしての49%のLiQと共に、2%のLi金属を含む24nmの混合リチウムドープ電子輸送層を真空蒸着した。
これらの例の結果を、下記のテーブル1に示す。
【0124】
【表1】

【0125】
テーブル1は、この発明に従うディスプレイによって改善された効率が得られたことを示す。本発明の例は、例1と比較して、改善された量子効率及び発光効率と共に、良好な色及び良好な電圧要件を示す。上記で引用されたベグレイに従う比較例である例2は、例1に比べて改善を示す。しかしながら、中間接続層及び上部の電子輸送層とそれぞれ接触する2つの追加の電子輸送層を有する例4は、最も大きな改善を示す。これはまた、安定性の結果でも見られる。高電流寿命(80ma/cm2でのT50)は、本発明の例に関しては短くなったが、一定の発光での寿命(1000cd/m2でのT50)は、増大した効率、従ってこの装置の低消費要件のために長くなった。
【0126】
例5〜7は、この種類の構造のいくつかの追加の例である。例5〜7の結果はテーブル2に与えられる。
【0127】
<例5(本発明)>
例4で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
【0128】
<例6(本発明)>
工程(5a)を以下のように修正したこと以外は、例4で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
(5a)上記で調製した基板を、フルオランテン含有電子輸送層を形成するために、7,10−ジフェニル−8−(4−ビフェニル)フルオランテン(上記したようなETM−1)の10nmの層を真空蒸着することによって更に処理した。
【0129】
<例7(本発明)>
工程(5a)及び(10a)を以下のように修正したこと以外は、例4で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
(5a)上記で調製した基板を、フルオランテン含有電子輸送層を形成するために、ETM−1の10nmの層を真空蒸着することによって更に処理した。
(10a)上記で調製した基板を、フルオランテン含有電子輸送層を形成するために、ETM−1の10nmの層を真空蒸着することによって更に処理した。
これらの例の結果を以下のテーブル2に示す。
【0130】
【表2】

【0131】
テーブル2は、この発明において、良好な効果を得るために他のフルオランテンが使用され得ることを示す。本発明の例は、改善された量子効率及び発光効率と共に、良好な色及び良好な電圧要件を示す。
【0132】
例8〜14は、他の電子輸送物質を、この発明のフルオランテンと比較する。例8〜14の結果は、テーブル3に与えられる。
【0133】
<例8(本発明)>
例4で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
【0134】
<例9〜14(比較)>
工程(5a)が下記の物質の10nmの層を含んでいたこと以外は、例4で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
【0135】
【表3】

【0136】
【化34】

【0137】
これらの例の結果を以下のテーブル3に示す。
【0138】
【表4】

【0139】
テーブル3は、電子輸送物質として使用されることが多い他の物質が、第2電子輸送層において有効でないことを示す。いくつか(例9、10及び14)は、増大した電圧要件を示す。大部分は、望ましくない(例12及び13)〜許容できない(例9〜11)の範囲にある、弱電流及び大電流における発光の間の色シフトを示す。本発明の例8だけは、全ての測定にわたって良好な結果を示す。例14は、フルオランテン核に追加の芳香環が環化した本発明でないフルオランテンである。
【0140】
次のセットの例に関して、例15は、本発明の例である。例16〜18は、第2電子輸送層の1つ又は両方を異なる物質で置換することの悪影響を示す。例19及び20は、電子輸送層又はn型層からリチウムドープを除去することの悪影響を示す。例15〜20の結果は、テーブル4に与えられる。
【0141】
<例15(本発明)>
例4で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
【0142】
<例16(比較)>
工程(10a)が、NNAの10nmの層を含んでいたこと以外は、例4で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
【0143】
<例17(比較)>
工程(5a)が、NNAの10nmの層を含んでいたこと以外は、例4で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
【0144】
<例18(比較)>
工程(5a)及び工程(10a)がそれぞれ、NNAの10nmの層を含んでいたこと以外は、例4で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
【0145】
<例19(比較)>
工程(11)を以下のように修正したこと以外は、例4で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
(11)50%のBphen及び50%のLiQを含む24nmの混合電子輸送層を真空蒸着した。
【0146】
<例20(比較)>
工程(6)を以下のように修正したこと以外は、例4で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
(6)50%のBphen及び50%のLiQを含む30nmの混合n型層を真空蒸着した。
【0147】
これらの例の結果を、下記のテーブル4に示す。
【0148】
【表5】

【0149】
テーブル4において、例16〜18は、本明細書中に記載されるフルオランテンの代わりに他の物質を使用することが、装置を駆動するのに要求される電圧の望ましくない増加を示す。例19及び20は、接続層の電子輸送層又はn型層におけるリチウムドームの除去が、所要の駆動電圧の大きく、そして許容できない増大を示す。
【0150】
例21〜23は、フルオランテンが他の電子輸送層物質(リチウムキノレート)と混合される、この種類の構造のいくつかの追加例である。例21〜23の結果は、テーブル5に与えられる。
【0151】
<例21(本発明)>
例7で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
【0152】
<例22(本発明)>
工程(5a)を以下のように修正したこと以外は、例21で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
(5a)上記で調製した基板を、フルオランテン含有電子輸送層を形成するために、50%のETM−1及び50%のLiQからなる10nmの層を真空蒸着することによって更に処理した。
【0153】
<例23(本発明)>
工程(5a)を以下のように修正したこと以外は、例21で上記した通りにしてOLED装置を作製した。
(5a)上記で調製した基板を、フルオランテン含有電子輸送層を形成するために、25%のETM−1及び75%のLiQからなる10nmの層を真空蒸着することによって更に処理した。
【0154】
これらの例の結果を、下記のテーブル5に示す。
【0155】
【表6】

【0156】
テーブル5において、例22は、フルオランテン層を50%のリチウムキノレートと混合することが、安定性を改善し、且つ高効率を維持することを示す。例23において、リチウムキノレートの百分率をさらに75%まで増大させると、安定性の更なる増大を示すが、効率の低下及び電圧要件の増大との代償を示す。
【0157】
本発明は、それらの特定の好ましい実施形態に特に関連して詳細に説明されたが、本発明の精神及び範囲内で変更及び改良がなされ得ることが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0158】
10 OLED装置
15 OLED装置
20 基板
30 アノード
35 正孔注入層
40 正孔輸送層
45 正孔輸送層
50b 青色発光層
50y 黄色発光層
50g 緑色発光層
55 中間接続層
60 フルオランテン含有電子輸送層
65 n型層
70 フルオランテン含有電子輸送層
75 発光ユニット
80 発光ユニット
82 発光ユニット
85 電子輸送層
90 カソード
95 p型層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を置いて配置されたアノード及びカソードを有するタンデム式白色発光OLED装置であって、
a.前記カソードと前記アノードとの間に配置される第1発光ユニット及び第2発光ユニットと、
b.前記第1発光ユニットと前記第2発光ユニットとの間に配置される、n型層及びp型層を含む中間接続層と、
c.前記中間接続層の前記n型層に隣接し、且つフルオランテン核に環化する芳香環を有さない7,10−ジアリール置換フルオランテン化合物を少なくとも25%含むフルオランテン含有電子輸送層と
を含むタンデム式白色発光OLED装置。
【請求項2】
前記n型層がリチウムドープ層である請求項1に記載のタンデム式OLED装置。
【請求項3】
前記カソードに隣接する電子輸送層と、前記電子輸送層に隣接するフルオランテン含有電子輸送層とをさらに含む請求項1に記載のタンデム式OLED装置。
【請求項4】
前記n型層若しくは前記電子輸送層、又は両方が、リチウムドープされている請求項3に記載のタンデム式OLED装置。
【請求項5】
前記フルオランテン化合物が、式(I):
【化1】

(式中、各Arは、フルオランテン核に結合した6〜24個の炭素原子を含有する芳香環であり、それらは同一でも異なっていてもよく;R1〜R8は、水素、及び6〜24個の炭素原子を含有する芳香環基から個別に選択され、ただし、2つの隣接するR1〜R8置換基は結合して前記フルオランテン核に環化する芳香環系を形成することができない)に従う請求項1に記載のタンデム式OLED装置。
【請求項6】
前記フルオランテン化合物が、式(II):
【化2】

(式中、R1、R2、R3及びR4は独立して、水素、又は6〜24個の炭素原子を含有する芳香族基であり、ただし、隣接するR1〜R4は結合して環化した芳香環系の一部を形成せず;Rは、水素又は置換基であり;n及びmは独立して1〜5である)に従う請求項5に記載のタンデム式OLED装置。
【請求項7】
前記フルオランテン化合物が、式(III−a)又は(III−b):
【化3】

(式中、R2及びR4は独立して、水素、又は6〜24個の炭素原子を含有する芳香族基であり、ただし、R2及びR4は、両方が水素であることができず、またR2がRと結合して環を形成することもできず;Rは、水素又は任意の置換基であり;n及びmは独立して1〜5である)に従う請求項6に記載のタンデム式OLED装置。
【請求項8】
前記発光ユニットの1つが、可視スペクトルの青色領域にある光を発光し、他の発光ユニットが、可視スペクトルの赤色〜緑色領域にある光を発光する請求項1に記載のタンデム式OLED装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−523090(P2012−523090A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503507(P2012−503507)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/028436
【国際公開番号】WO2010/114749
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(510048417)グローバル・オーエルイーディー・テクノロジー・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (95)
【氏名又は名称原語表記】GLOBAL OLED TECHNOLOGY LLC.
【住所又は居所原語表記】13873 Park Center Road, Suite 330, Herndon, VA 20171, United States of America
【Fターム(参考)】