説明

勃起機能の回復方法

対象における勃起障害(ED)を改善する方法であって、身体組織内で一酸化窒素の生成を増加させることができる細胞集団を注射し、一酸化窒素の局所的組織濃度を増加させる細胞を生体内で維持することによって、海綿体内圧を刺激下で改善することができる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、勃起障害の治療に関する組成物および方法に関し、特に内皮前駆細胞(EPC)を対象の体に投与する方法および組成物に関するものである。
【0002】
600,000人以上の中高年の米国男性が、毎年ある程度の勃起障害(ED)または勃起性インポテンスを経験し、その結果、約2000〜3000万人の米国人男性が生涯のある時点でEDとなる。医師たちは、最大85%のED対象が、糖尿病、高血圧、血管疾患、前立腺および泌尿器系の手術、脊髄損傷、多発性硬化症、内分泌疾患、薬物治療等の内科的または身体的問題によって生じると推定する。例えば、真性糖尿病を有する男性の約35〜75%がEDに苦しみ、これは、合衆国におけるED対象の約30%の割合を占める。
【0003】
EDの治療に現在用いられている方法には、外部装置、セックスセラピー、内部プロテーゼの外科的移植、ペニス内への直接的な薬品注射、経口薬(例えば、シルデナフィル、フェノタールアミン、アルプロスタジル)および典型的な適用薬がある。これらの方法のいずれもが完全に効果があるわけではなく、頭痛、下痢、顔面紅潮、色覚異常、鎮痛、または)機能障害等の様々な副作用を有する。加えて、この治療を用いると、投与と同時に一時的な勃起を誘発し、EDの一時的な安心感だけを提供する。さらに、EDに対して現在入手可能な経口薬の使用は、その薬が高血圧に影響を与えるため、心疾患を患う男性には危険である。米国心臓協会によると、II型糖尿病を伴う男性におけるEDは、心臓疾患の初期兆候であるかもしれない。したがって、EDに苦しむ多くの男性もまた、心臓疾患を有し、経口薬を服用する危険性を理解していないかもしれない。
【0004】
したがって、EDを改善する改良された方法が必要である。特に、最小限の副作用で長時間のED治療が必要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、内皮前駆細胞を用いた勃起障害を改善する方法および組成物を提供することである。特に、海綿体内圧を維持し、真性糖尿病から誘発した勃起障害を改善する方法を開示するものである。
【0006】
機能障害の内皮細胞は、身体組織内への動脈流入の減少を導く一酸化窒素の放出を減少させる。本発明は、末梢血液から得た内皮前駆細胞(EPC)を、疾患体に注入して治療上の内皮細胞を得るために用いることができ、この細胞は糖尿病型における正常な勃起機能を回復させることができることを立証する。この細胞に基づく技術を、勃起障害を患う糖尿病対象に対する治療法として用いることができる。
【0007】
一態様において、本発明は、必要がある対象の勃起障害(ED)を改善する方法であって、内皮細胞を単離して、内皮細胞を身体組織内に注射して、この細胞を組織内に組み込んで一酸化酸素の局所的組織濃度を高めて、生体内にその細胞を維持して刺激における海綿体の圧力を改善するものである。EPCは、末梢血液または骨髄から単離することができる。この細胞は同種異系である。いくつかの好ましい実施形態において、その細胞は自己由来である。内皮前駆細胞は、生体外で分化して、内皮細胞を生成する。この内皮細胞を、単離して培養で増殖する。増殖した細胞は、海綿体内に直接注射する。約10〜約1000万の細胞を一注射あたりで注入する。用いた細胞の濃度は、対象におけるEDの程度に依存して変化させる。注射は必要があれば繰り返すことができる。
【0008】
この方法は、真性糖尿病またII型糖尿病を有する対象に用いることができる。細胞療法の最大限の効果を維持するために、対象もグルコースの血中濃度を管理するように相談することができる。理想的には、血中グルコース濃度は、対象の正常範囲内を維持する。
【0009】
いくつかの実施形態において、平滑筋細胞を用いて平滑筋機能を回復する。他の実施形態において、EPCおよび筋肉前駆細胞(MPC)は、結合して、身体組織に注入し、身体組織機能を向上させる。EPCおよびMPCは共に末梢血液から単離する。細胞は、体細胞または幹細胞から得ることができる。
【0010】
本発明の他の態様において、対象内に注射する所望の細胞集団は、末梢血液等の体液から単離し、所望の細胞集団の少なくとも1つの物理的特性または少なくとも1つの特異的親和性部分を用いる。物理的特性には、大きさの濾過または蛍光標識もしくは磁気標識による活性細胞分類を含むことができる。所望の細胞集団を得るのに役立つ親和部分には、例えば、抗体、タンパク質リガンド、核酸またはペプチドを含むことができる。好ましい実施形態において、細胞の特異的親和部分には、細胞の特異的抗体を含む。いくつかの実施形態において、前駆細胞は、本発明の方法を用いて単離することができる。例えば、親和部分は、CD133,CD31,CD34,sca−1,フォンウィルブランド因子(vWF) またはc−kit等の特異的前駆細胞表面マーカーに対して相当な親和性を有するように選択することができる。これによって、対象に投与する前の増殖および/または分化のために多量の末梢前駆細胞の精製が可能になる。細胞単離技術のさらなる詳細は、共同出願で、出願中の特許文献1で明らかにすることができ、そして、完全に本願明細書に引用したものとする。
【0011】
本発明のさらに他の態様において、身体組織に投与すべき細胞集団を、カプセル化することができる。一つの実施形態において、カプセル化は、例えば、アルギン酸−ポリ−L−リジンカプセルのミクロスフェアの形態であり、これは養分を免疫保護した細胞に到達させることを可能にする一方、血管形成の調整剤のタンパク質を、周囲の組織内に拡散した細胞から分泌する。ミクロスフェアは、宿主免疫環境から被覆細胞を保護する。しかも、上述したように、細胞も、一酸化酸素の生成をさらに向上、および/または、血中グルコース濃度を調節する要因を生じるように操作することができる。細胞単離技術のさらなる詳細は、共同出願で、出願中の特許文献2で明らかにすることができ、そして、完全に本願明細書に引用したものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許仮出願第61/0222028号明細書(2008年1月18日に出願、発明の名称「治療用の細胞の単離および精製方法」)
【特許文献2】米国特許第20050002951号明細書(2004年1月28日出願(米国公開番号2005-0002915)、発明の名称「成長因子の生成を操作した細胞を使用する移植で血管形成の向上」)
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、正常な勃起機能の生理学を概略的に示す図である。
【図2】図2は、前駆細胞由来の内皮細胞療法が勃起障害を治療するのに用いることができることを示す実施例において説明する全体の研究設計を概略的に示す図である。
【図3】図3は、糖尿病群と細胞療法群との間の比較を経時的に示す血中グルコースのグラフを示す図である。
【図4】図4Aは、正常なラットにおける海綿体の圧力を示す海綿体内圧測定結果のグラフを示す図である。図4Bは、糖尿病のラットにおける海綿体の圧力を示す海綿体内圧測定結果のグラフを示す図である。図4Cは、勃起障害細胞に12週間細胞療法後の糖尿病のラットにおける海綿体の圧力を示す海綿体内圧測定結果のグラフを示す図である。
【図5】図5は、糖尿病誘発の4週間後、糖尿病群(DB)、内皮細胞で細胞療法を施した糖尿病群(CT)、インスリン治療を施した糖尿病群(インスリン)、並びに、内皮前駆細胞で細胞療法およびインスリン治療を施した糖尿病群(CT+インスリン)の海綿体の圧力を経時的に比較するICP(海綿体内圧)/MAP(平均動脈圧)の比のグラフを示す図である。
【図6】図6は、糖尿病誘発8週間後、糖尿病群および正常群の海綿体測定結果を比較して、神経刺激に対してMAP(平均動脈圧)/ICP(海綿体内圧)の比のグラフを示す図である。
【図7】図7は、糖尿病誘導8週間後、糖尿病群(DB)、内皮前駆細胞を用いた細胞療法を施した糖尿病群(DB+CT)の海綿体測定結果を比較して、MAP(平均動脈圧)/ICP(海綿体内圧)の比の経時グラフを示す図である。
【図8】図8は、正常なラット、糖尿病のラット(DM)、および内皮前駆細胞を用いた細胞療法を12週間施した糖尿病のラット(DM+CT)の結果を比較して、ICP(海綿体内圧)/MAP(平均動脈圧)の比のグラフを示す図である。
【発明の詳細な説明】
【0014】
まず、本発明をより簡単に理解するため、特定の用語を最初に規定する。
【0015】
本願明細書で用いる用語「単離する」または「単離した」は、細胞を分化するプロセスまたは細胞成分を得ることができる亜細胞に分化した細胞を示すものとする。これはまた、細胞培養の当業者が用いる細胞分離の標準的な技術を用いて達成することができる。
【0016】
本願明細書で用いる用語「分化」または「分化した」は、前駆細胞の成熟または誘導した前駆細胞より成熟した細胞を示すものとする。
【0017】
本願明細書で用いる用語「対象」は、免疫反応を誘導する生体を含むことを意味するものとする。好ましい対象は、哺乳動物である。対象の例は、限定することはないが、ヒト、サル、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギおよびヒツジがある。
【0018】
I.勃起障害(ED)
EDは、性行為に十分な勃起を達成または維持することが持続的に不可能であることである。安静状態において、拡張体の内外の血流間でバランスが存在する。正常な勃起機能は、一連の複雑な動的神経および血管の相互作用が必要である。陰茎の勃起は、多重機構(例えば、主要な心因性および反射発生機構)によって誘発する。これらの機構は、正常の性的行為時に相互作用する。心因性刺激には、聴覚、視覚、嗅覚または想像上の刺激を含み、また、反射発生刺激には、身体および副交感神経の導出作用を引き起こすペニスでの感覚受容体を含む。
【0019】
性的刺激の際、副交感神経活性は、一酸化窒素の放出で開始し、細胞内媒介物質である環状グアノシン一リン酸(cGMP)の濃度上昇で終了する一連の現象を引き起こす。cGMPの上昇は、陰茎血管および柱状平滑筋の弛緩を引き起こし、海綿体内への血流増加を導く。海綿体腔の急速充満が、小静脈を圧迫し、その結果、静脈の流出量を減少させる(例えば、身体的な静脈閉塞機構)。流入増加および流出減少の組み合わせが素早く海綿体内圧を上昇させ、その結果、進行性のペニス硬直および完全勃起が起こる。正常な勃起機能の概略図を図1に示す。
【0020】
EDは、心因性または器質的原因のいずれかを有し、大部分の場合、血管性、神経性およびホルモンの原因のような、少なくともいくつかの器質的原因を有する。真性糖尿病を患う約35〜75%の男性は、EDに苦しみ、これは合衆国におけるEDの場合の約30%もの割合を占める。糖尿病の男性におけるEDは、多因的な病因を有し、内皮細胞機能不全、神経障害、血管疾患、内分泌疾患、糖尿病管理および投薬に関連する。特異的機構および関連する機能障害には、例えば、弾性線維の糖化および海綿体の弛緩障害を導く高血糖と、一酸化窒素放出の減少および血管拡張不全を引き起こす類洞内皮細胞の内皮機能不全と、動脈および細動脈流入の減少を引き起こす末梢血液疾患とがある。
【0021】
本発明の一態様において、細胞療法を用いたEDの改善方法を開示する。身体組織内に注射する内皮前駆細胞(EPC)は、EDを改善する長期間の効果を有することを示す。本発明の方法は、局所的な一酸化窒素濃度を上昇させるのに用いることができる。EPCは末梢血液、好ましくは治療すべき対象から得ることができる。他の実施形態において、間充織幹細胞を用いることができる。さらに他の実施形態において、異なる細胞種の組み合わせを身体組織内に注射する。例えば、EPCおよび平滑筋細胞を以下のように用いることができる。さらに他の実施形態において、細胞は、血管内皮成長因子(VEGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、形質転換成長のαおよびβ因子、(TGF)、並びに、血小板由来成長因子(PDGF)のような成長因子と組み合わせて使用することができる。
【0022】
本発明の方法は、EDを伴う男性のための長期的な治療を提供する。例えば、細胞療法後に最長で12週間の改善が見られた。糖尿病の対象において、本発明の細胞療法は、血中グルコースを(例えば、インスリン等の投薬、食事および運動を通して)制御する場合にはより長期的な効果を示す。
【0023】
注射した細胞量は、治療すべき対象の、疾患の程度、状態および体重に基づいて異なるだろう。例えば、注射当たり約30〜約1000万個の細胞を海綿体内に注射する。注射は、必要があれば繰り返し行うことができる。
【0024】
II.細胞培養
内皮細胞を、同種由来の同種異系細胞集団または、対象自身の組織に由来する自己生産細胞集団から単離することができる。細胞はまた、異種でもよく、その場合細胞集団は、対象と異なる哺乳動物種に由来するものとする。例えば、組織細胞は、サル、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギおよびヒツジのような哺乳動物に由来することができる。
【0025】
単離した細胞は、好ましくは、対象自身の組織からの、末梢血液サンプルまたは生検材料から得る。生検材料は、局所麻酔下で生検針を用いて得ることができ、手順を早く容易にする。その後、少量の生検材料を、培養で分化および増殖させ、組織細胞を得ることができる。親族または同種の他のドナーからの細胞も、適切な免疫抑制を行って用いることができる。
【0026】
細胞の単離および培養の方法は、Freshneyによって提案されている(Culture of Animal Cells. A Manual of Basic Technique, 2d Ed., A. R. Liss, Inc., New York, 1987, Ch. 9, pp. 107-126)。細胞は、当業者に既知の技術を用いて単離することができる。例えば、組織は、切断、機械的に分散、並びに/または、隣接する細胞間の結合を弱くし、組織が大量の細胞破砕することなく個々の細胞の懸濁液内に分散させることができる消化酵素および/もしくはキレート剤を用いて処理することができる。必要があれば、酵素分解は、組織を分割し、分割した組織を多くの消化酵素のみまたは組み合わせて処理することによって、達成することができる。これらには、限定することはないが、トリプシン、キモトリプシン、コラゲナーゼ、エラスターゼおよび/またはヒアルロニダーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)、プロナーゼ並びにディスパーゼがある。機械的な破砕はまた、限定することはないが、組織表面の解体、ほんの数例を挙げれば、グラインダー、ミキサー、ふるい、ホモジナイザー、圧力セル、またはインソネーターの使用を含む多くの方法によって達成することができる。
【0027】
細胞型は、限定することはないが、ヒト内皮細胞等の内皮細胞、異なる細胞に分化するように誘導する末梢血液または骨髄から単離した前駆細胞、幹細胞、関係幹細胞、および/または分化細胞を用いることができる。好ましい実施形態において、内皮前駆細胞は末梢血液に同系的に由来する。
【0028】
また、作成した組織または臓器の種類によって、特定の関係幹細胞型を用いることができる。例えば、筋芽細胞を用いて様々な筋構造を作成することができる。他の関係幹細胞型を用いて、心臓、腎臓、肝臓、膵臓、脾臓、膀胱、尿管および尿道等の臓器または臓器のような組織を作成することができる。他の細胞には、限定することはないが、内皮細胞、筋細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、骨芽細胞、筋芽細胞、神経芽細胞、線維芽細胞、グリア芽細胞;胚細胞、肝細胞、軟骨細胞、ケラチン生成細胞、心筋細胞、結合組織細胞、上皮細胞、内皮細胞、ホルモン分泌細胞、免疫系細胞、神経細胞、心臓、腎臓、肝臓、膵臓、脾臓、膀胱、尿管および尿道からの細胞などがある。いくつかの実施形態において、多くの幹細胞型は、所定の臓器に一度誘導した臓器特異のパターンにおいて分化を誘導することができるため、用いるべき幹細胞型を予め選択する必要がない。例えば、肝臓に到達する幹細胞は、肝臓の生化学的環境内で幹細胞を簡単に置換することによって肝細胞となるように誘導することができる。
【0029】
実施例にはまた、遺伝子操作した細胞、形質転換細胞、および不死化細胞がある。本発明で有効な遺伝子操作細胞の一例は、一個以上の所望の分子を作成または分泌する遺伝子操作細胞である。遺伝子操作細胞を臓器に移植するとき、誘導した分子は、局所的効果または組織的効果を生じ、上述の可能な物質と同一の分子を含むことができる。
【0030】
細胞は、炎症を抑制または刺激、治療を促進、免疫拒絶反応に対抗、ホルモン交換を提供、神経伝達物資を置換、癌細胞を抑制または破壊、細胞成長を促進、血管形成を抑制または刺激、組織を増強、および、次の組織、神経、皮膚、滑液、腱、軟骨、靭帯、骨、筋肉、臓器、硬膜、血管、骨髄、および細胞外マトリックスを補足または置換する物質を生成する。他の因子および分化誘導因子は、特異的な細胞型の成長を促進するように培養することを加えることできる。
【0031】
組織が個々の細胞の縣濁液まで一度減少したら、縣濁液は、細胞要素を得ることができる亜集団内に分化する。これはまた、細胞分離の標準的な技術を用いて達成することができ、その技術には、限定することはないが、特異な細胞型のクローニングおよび選択、不要な細胞の選択的破壊(ネガティブ選択)、混合集団における分化細胞接着に基づく分離、凍結融解、混合集団における細胞の分化接着特性、濾過、従来のゾーン遠心分離法、遠心分離洗浄(逆流遠心分離)、単位重力分離、向流分配、電気泳動および蛍光活性化セルソーターがある(例えば、Freshney(1987) Culture of Animal Cells. A Manual of Basic Techniques, 2d Ed., A. R. Liss, Inc., New York, Ch. 11 and 12, pp. 137-168参照)。例えば、唾液腺細胞は、蛍光活性化セルソートによって濃縮することができる。磁性分類も用いることができる。
【0032】
細胞分化も、例えば、ドナーが癌または腫瘍等の疾患を有するときに望ましい。細胞集団を分類して、正常の非癌性細胞から癌または腫瘍細胞を分離する。そして一個以上の分類技術によって分離した正常の非癌性細胞は、組織再構成に用いることができる。
【0033】
成長因子および調節因子を培地に加えて、単離細胞培養で増殖、細胞成熟および分化を強化、変更または調節することができる。培養中の細胞の成長および活性は、成長ホルモン、ソマトメジン、コロニー刺激因子、赤血球生成促進因子、肝臓赤血球生成因子(ヘパトポイエチン)等の様々な成長因子によって影響を受けることができる。増殖および/または分化を制御する他の因子には、プロスタグランジン、インターロイキンおよび自然発生のケイロンを含む。
【0034】
分化細胞は、生体内で培養して、注射に利用できる細胞の数を増加させることができる。拡大した分化細胞もさらなる単離工程を行って、一個以上の細胞集団を得ることができる。細胞移植後の免疫反応を妨げるため、対象は、シクロスポリンまたはFK506等の免疫抑制剤で処置することができる。
【0035】
分化細胞は、核酸配列に核酸導入することができる。有効な核酸配列は、例えば、宿主における免疫反応を減少または除去する遺伝子配列である。例えば、クラスIおよびクラスIIの組織適合抗原等の細胞表面抗原の発現を抑制することができる。加えて、核酸導入も、遺伝子導入に用いることができる。細胞は、生体適合性基質に接種する前に特異的な遺伝子に核酸導入することができる。したがって、培養細胞を設計して、特定の疾患を改善するのを助ける所望のタンパク質を生成する遺伝子産物を発現させることができる。
【0036】
成長した細胞は、遺伝子操作して、移植に有益な遺伝子産物、例えば、抗炎症因子、抗GM−CSF,抗TNF,抗IL−1および抗IL−2を生成する。代案として、内皮細胞は、遺伝子操作して、例えばGM−CSF,TNF,IL−1,IL−2等の炎症を促進する天然の遺伝子産物の発現を「不活性化」する、または、拒絶の危険性を低くするため、MHCの発現を「不活性化」することができる。
【0037】
例えば、レトロウィルスベクター、アデノウィルスベクター、アデノ関連ウィルスベクター、ポリエチレングリコール、または当業者に既知である他の方法で遺伝子操作した細胞に関する方法を用いることができる。これらは、細胞における核酸分子を輸送および発現する発現ベクターを用いることを含む(Genoddel;Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, CA(1990)参照)。
【0038】
ベクターDNAを、原核細胞または真核細胞内に従来の転換または核酸導入技術を介して導入する。宿主細胞へ転換または核酸導入する最適な方法を、SambrookらのMolecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory press(1989) および他の研究書で調べることができる。
【0039】
本発明の細胞は、様々な用途で用いることができる。例えば、内皮細胞を、対象内に移植して、存在する組織を置換または拡大させることができる。対象は、疾患を改善するため、内皮細胞を移植後観察することができる。
【0040】
細胞は、体外で用いて多様な組成物を、医薬品、化学剤、成長/調節因子の有効性および細胞毒性に関して検査することができる。培養は、体外で維持し、試験すべき組成物に露出させることができる。細胞毒性化合物の活性は、培養中に細胞を損傷または殺す能力によって測定することができる。これは、生体染色技術によって容易に評価できる。成長/調節因子の効果は、注射後の細胞含有物、例えば、全細胞数および分化細胞数を分析することによって評価することができる。これは、特異型の細胞性抗原を規定する抗体を用いる免疫細胞科学的技術の使用を含む標準的な細胞学および/または組織学技術を用いて達成することができる。人工組織で培養した正常細胞における様々な薬品の効果を評価することができる。
【0041】
本発明の他の実施形態および用途は、ここで開示する本発明の明細書および実施を考慮することで当行者には明らかになるだろう。ここで挙げたすべての米国特許および他の参考文献は、理由の如何を問わず参照として参考として組み込むものとする。明細書および実施例は、添付した請求項を本発明の精神と範囲でのみ典型的に考慮すべきである。
【実施例】
【0042】
材料
特に言及しない限り、全ての化学物質をシグマ社(St. Louis, MO)から購入した。ECL緩衝液および125Iナトリウムを、パーキンエルマーNEN社(Boston, MA)から購入した。II型コラゲナーゼ(1mg/ml)を、ベーリンガーマンハイム社(Mannheim, Germary)から購入した。内皮培地(EBM−2)を、カムブレックスバイオサイエンス社(Walkersville, MD)から購入した。PCR試薬およびプライマー、M199培地、ウシ胎仔血清(FBS)およびペニシリンを、ライフテクノロジー社(Gaithersburg, MD)から購入した。基本的な繊維芽細胞成長因子(bFGF)は、Judith Abraham(Scios Nova, CA)からの贈与であった。FITC−標識モノクローナル抗ヒトCD31抗体を、サンタクルス社(Santa Cruz, CA)から購入した。ウサギポリクローナル抗フォンヴィレブランド因子(vWF)、抗平滑筋アクチン抗体およびFITC標識抗ウサギIgG抗体を、DAKO社(Glostrup, Denmark)から購入した。モノクローナル抗ヒトCD31、ヤギポリクロ―ナル抗VEカドヘリン(VE−Cad)、ヤギ抗vWFおよびウサギポリクロ―ナル抗Flk−1抗体を、サンタクルス社(Santa Cruz, CA)から購入した。FITCおよびビオチン標識Ulex europeaus Iレクチンを、シグマ社(St. Louis, MO)から購入した。ビオチン標識ヤギ抗マウスIgGおよびビオチン標識マウス抗ヤギIgGを、サンタクルス社(Santa Cruz, CA)から購入した。抗CD105抗体を、BDファーミンゲン社(San Diego, CA)から購入した。FITC−複合アビジンを、ベクターラボラトリー社(Burlingame, CA)から購入した。
【0043】
勃起障害を改善するための内皮前駆細胞の注射
本研究は、末梢血液から得たEPCが成熟内皮細胞を達成するために用いることができることを証明する。病気の体内に注入した内皮細胞は、糖尿病のラットモデルにおける正常な勃起機能を回復させることができる。この細胞に基づく技術は、機能不全の糖尿病対象に対して実行可能な治療であることができる。
【0044】
糖尿病のモデルは、ストレプトゾシン(50mg/Kg)を腹腔内に注射することによって作成した。血中グルコース濃度が300mg/dl以上であるこれらの動物を、糖尿病としてみなし、本研究に用いた。EPCを、ドナーラットの末梢血液から単離した。細胞を、内皮細胞系へ成長、増殖および誘導した。細胞を、細胞特異のマーカー(CD31,CD34,vWF,CD133)を用いて特徴付けた。培養増殖した内皮細胞を、赤色蛍光染色(PKH26)で標識化し、機能不全の身体内に直接注射し、動物を最長12時間観察した。勃起障害を、海綿体内圧によって評価し、身体組織を、組織化学的および免疫組織化学的分析のために回復させた。図2は、全体的な研究設計の概略図を示す図である。
【0045】
(i)糖尿病の誘導、治療および改善
約200〜250g程度の84匹のオスのルイスラットを、ウェイクフォレスト大学で飼育した。動物は、食物および水を自由に摂取し、糖尿病の動物には特別な処理を施した。すべての実験手順は、ウェイクフォレスト大学の動物処理および使用委員会(IACUC)によって審査および承認され、動物保護法および実験動物の処理および使用に関するガイドに従って行った。動物を、12時間の短いサイクルでウェイクフォレスト大学の動物の施設に収容した。
【0046】
糖尿病を、リン酸ナトリウム0.2Mおよびクエン酸0.1Mの滅菌緩衝液内で溶解した50mg/Kgの腹腔内ストレプトゾトシン(STZ)によって誘導した。
【0047】
注射する前に、尾部の血中グルコースを測定して基礎値を得た。注射後、尾部の血中グルコースを、高血糖を確認するために3日間連続で測定した。ラットが最初のSTZ注射後に糖尿病になっていない場合には、これらのラットは、次の週に2回目のSTZ注射を行う。300mg/dL以上の血中グルコース濃度を有する動物を糖尿病として考慮し、次の実験のために使用した。血中グルコース濃度および体重を8−11週間の毎週、グルコーステストキットを使用して測定し、これらの糖尿病ネズミを4つの群に分類した。
群I:糖尿病ルイスラット(n=20)
群II:細胞療法を施した糖尿病ルイスラット(n=20)
群III:インスリン治療を施した糖尿病ルイスラット(n=20)
群IV:インスリン治療および細胞療法を施した糖尿病ルイスラット(n=20)
【0048】
加えて、10歳に適合したルイスラットを正常なコントロールとして用いた。全ての動物は、次の12週間各群に対して確認するための治療を施した。図3は、糖尿病群および細胞療法を施した糖尿病群に対して、経時の血中グルコースのグラフを示す糖尿病標準化曲線である。
【0049】
(ii)EPCの単離
単核細胞を、同系のドナールイスラットの末梢血液10mLから、ヒストパク1077(シグマ社)を用いた密度勾配遠心分離機によって単離した。単離した後すぐに、単核細胞を、ヒトフィブロネクチン(シグマ社)で被覆した6ウェルの培養皿上にそれぞれ5×10細胞濃度で固定し、2%のウシ胎仔血清、ヒトVEGF−1、ヒト繊維芽細胞成長因子2(FGF−2)、ヒト上皮成長因子(EGF)、インスリン様成長因子(IGF−1)およびアスコルビン酸を含むEGM SingleQuotsで付加した内皮基礎培地(EBM,CellSystems)内で保持し、2日間37°Cで5%CO、95%以上の湿度で培養した。2日後、非接着の細胞を採取し、フィブロネクチンコートの24ウェル培養皿上に1×10細胞濃度で培養し、さらに3日間、内皮コロニーを形成させるために培養した。
【0050】
これらの生体外で増殖した細胞の大部分は、内皮系であり、生体外増殖EPC濃縮分化を構成した。
【0051】
細胞は、移植に十分な細胞数が得られるまで、単離、成長、分化および増殖させた(8週間)。移植した細胞は、7,8および9代継代したものであった。
【0052】
(iii)生体外試験
細胞の特徴を、細胞表面マーカーCD31,CD34,vWFおよびCD133の発現試験を1:20の希釈で行った。免疫標識を、アビジン−ビオチン検出キット(Vactastain elite ABC, Vector Laboratories Inc, Bulingame, CA)を用いて、第二抗体に対して1:200の希釈で免疫蛍光によって行った。
【0053】
(iv)PKH26を用いた標識化
EC’sを、赤色蛍光PKH26−redで、製造ガイドラインに従って細胞リンカーキット(PKH26, Sigma, Saint Louis, MI)を用いて標識化した。簡潔には、PBS内の細胞を10uMの染色溶液に加え、静かに混合した。5分間25°Cで培養後、FBSを加えて、染色反応を停止させた。染色溶液を、PBSで繰り返し洗浄することによって除去した。顕微鏡によって蛍光を確認後、細胞を注射するまで氷上に置いた。
【0054】
(v)EPCの移植
ラットを、麻酔工程(VetEquip, Inc. Pleasanton, CA)を用いて、3L/分のOと混合した1〜2%の吸入イソフルレン(Abbott)で麻酔した。ラットを、体温調節された手術台上で仰臥位に配置した。前面腹壁および会陰部を、電気かみそりで剃り、ベタジンで洗浄した。滅菌技術を用いることによって、会陰部内の正中切開を行った。海綿体を、ありのままの解剖によって切開し、露出した。マイクロリットルシリンジに付けた30ゲージの針を用いることによって、20μlのEGM−2内に希釈した1〜2×10個の細胞を海綿体に注射した。糖尿病のコントロール群(群I)のラットは、賦形剤として0.2mLのEGM−2のみを注射した。
【0055】
(vi)インスリンを用いた治療
群IIIおよびIVの糖尿病ラットを、5〜10Ulのインスリン(Eli Lilly, Indianapolis, IN, U.S.A)を、グルコース血中濃度を正常範囲内に維持するために、皮下に毎日注射した治療を施した。
【0056】
(vii)結果
正常および糖尿病のラットにおける海綿体内圧
海綿体内圧を評価する手術法に関して、治療後4,8および12週間で、各群の5匹のラットを、ペントバルビタールナトリウムを腹腔内注射(35mg/kg)して麻酔した。麻酔を、必要に応じて45〜60分毎にペントバルビタールをその後注射(5〜10mg/kg)して、必要があれば実験計画の間(2〜3時間)維持した。頚部、腹壁および海綿体を、電気かみそりで剃り、ベタジンで洗浄した。
【0057】
頚動脈を、頚部前正中線切開を通して露出し、生理食塩水で満たしたポリエチレンカテーテル19frでカニューレを挿入し、圧力磁器増幅器に接続して、平均動脈圧(MAP)を連続的に測定した。
【0058】
圧力変換器を、それぞれの実験前にcmHOで調整した。下腹正中線を、下腹部を通って作成し、膀胱および前立腺を特定した。下下腹神経叢(すなわち、骨盤神経叢または骨盤神経節)、骨盤神経および海綿体神経は、両側の前立腺に対して後外側で特定し、ステンレス製の双極性ワイヤー電極を電気刺激するこれらの組織の周りに配置した。ラットの「勃起」の決定は、海綿体内圧の測定で行う。ヒトおよび動物において、内圧は、最初は非常に低く(約5〜10mmHg)、勃起の間、全身血圧の60〜90%まで上昇する(種類および注射針の位置に依存する)。
【0059】
その後、ペニスを、皮膚から剥離する、すなわち、下腿(海綿体)を、坐骨海綿体筋の覆う部分を除去することによって露出した。ICPを測定するため、20−Gカニューレを250U/mLのヘパリン溶液で満たし、ポリエチレン50管(Intramedic, Becton Dickinson, CA, USA)に接続し、右側の海綿体内に挿入した。圧力変換器を、それぞれの実験前にcmHOにおいて調整した。
【0060】
両方の圧力管路は、圧力変換器に、変換増幅器(ETH401)を介して、実時間表示およびICP記録を示すデータ取得ボードに接続した(PowerLab. Chart 5, ADInstruments)。
【0061】
海綿体神経は、多関節クランプに取り付けた微細なステンレス製双極性フック電極を用いて前述したように直接的に電気刺激した。各プローブは、直径0.2mmであり、二極は1mm間隔をおいた。単相方形パルスは、信号発生器(特別注文であり、積分定電流増幅器を有する)によって送達した(Grass, Astro Med, Inc. W. Warwick, RI, U.S.A)。刺激パラメータは、20Hzで、パルス幅は0.22ms、持続時間1分間であり、1,2,4および6mAの増加電流を用いた。刺激間隔は、10分間とした。これらのパラメータは、ポリグラフ上に記録し、送達したパラメータのデータ取得および計算を、ソフトウェアコンピュータシステムを用いて行った(図4A〜C参照、上図:平均動脈圧(MAP)、下図:海綿体内圧(ICP))。
【0062】
図5は、糖尿病を誘導後4週間の、糖尿病群(DB)、内皮細胞を用いた細胞療法を施した糖尿病群(CT)、インスリン治療を施した糖尿病群(インスリン)および、内皮前駆細胞を用いた細胞療法およびインスリン治療を施した糖尿病群(CT+インスリン)の4群すべての海綿体内圧を比較するICP(海綿体内圧)/MAP(平均動脈圧)の比の経時グラフである。
【0063】
図6は、糖尿病を誘発して8週間後の、糖尿病群および正常群の海綿体測定結果を比較するMAP(平均動脈圧)/ICP(海綿体内圧)の比と神経刺激のグラフである。
【0064】
図7は、糖尿病を誘導後8週間の、糖尿病群(DB)、内皮前駆細胞を用いた細胞療法を施した糖尿病群(DB+CT)の海綿体測定結果を比較するMAP/ICPの比の経時グラフである。細胞療法群におけるMAP/ICPは、注射後最長12週間の連続的な改善を有し、長期的な治療効果を示した。
【0065】
研究の最後(EPC注射後12週間)で、異なる量の神経刺激を施したICP/MAPの比を、図8で示すように、正常群、糖尿病群(DM)、および細胞療法を施した糖尿病群(DM+CT)を比較した(結果を、平均値±標準誤差*p<0.05対正常群で示す)。細胞療法12週間後、DM+CTは、正常群の結果に非常に近くなった。その結果は、内皮前駆細胞療法の長期的な効果を示す。
【0066】
組織構造および免疫蛍光法
空洞切開後、ペニスを根元で切除し、陰茎亀頭および骨幹の周りの結合組織を、組織構造を検討するために除去した。回収した組織サンプルを、Tissue−Tek(登録商標)O.C.T.Compound4583(Sakura(登録商標))に配置し、液体窒素内で凍結した。凍結ブロックを、低温恒温槽(Model CM 1850, Leica Microsystems, Bannockburn, IL)を用いて6μm切片に解体した。切片は、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で固定および染色した。
【0067】
PKH26標識化細胞を、550nmの励起波長を用いて蛍光顕微鏡検査法によって特定した。デジタル画像を様々な倍率で得た(Zeiss Axio Imager M1 Microscope, Carl Zeiss, Thornwood, NY)。PKH26で標識化した移植細胞を、4,8および12週間後の身体組織で検出でき、細胞の長期的生存を示した。
【0068】
EPC由来の内皮細胞を上手に単離、成長、増殖させた。前駆および分化した内皮細胞表現型を、細胞特異の抗体で免疫組織化学を用いて確認した。細胞を注射した動物は、海綿体内圧において相当な改善を示し、それらの勃起機能は、正常レベルまで回復した。組織学的に、蛍光染色トレーサーPKH26で標識化した移植細胞は、生存し、注射部位で身体組織内に組み込まれた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における勃起障害(ED)を改善する方法であって、
身体組織内に一酸化窒素生成を増加させることができる細胞集団を注射し、
一酸化窒素の局所的組織濃度を増加させる細胞を生体内で維持することで、
海綿体内圧を刺激下で改善する方法。
【請求項2】
前記細胞集団は内皮細胞を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記細胞集団はさらに平滑筋細胞を有する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記細胞集団は内皮前駆細胞を有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記細胞集団はさらに平滑筋前駆細胞を有する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記細胞を前記身体組織に組み込むことをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記細胞をサンプルから単離する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記細胞を末梢血液のサンプルから単離する工程をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記細胞が自己移植である請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前駆細胞を単離する工程をさらに有する請求項7に記載の方法。
【請求項11】
内皮前駆細胞を単離する工程をさらに有する請求項7に記載の方法。
【請求項12】
平滑筋前駆細胞を単離する工程をさらに有する請求項7に記載の方法。
【請求項13】
注射前に生体外で前記単離した細胞を増殖する工程をさらに有する請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記単離した細胞を分化する工程をさらに有する請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記単離した細胞を内皮細胞内に分化する工程をさらに有する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記単離した細胞を平滑筋細胞内に分化する工程をさらに有する請求項14に記載の方法。
【請求項17】
注射前に生体外で前記分化した細胞を増殖する工程をさらに有する請求項14に記載の方法。
【請求項18】
細胞を海綿体内に注射する工程をさらに有する請求項1に記載の方法。
【請求項19】
一注射当たり約30〜約1000万の細胞数の範囲で細胞を注射する工程をさらに有する請求項1に記載の方法。
【請求項20】
対象が糖尿病である請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記対象の血中グルコース濃度を管理する工程をさらに有する請求項1に記載の方法。
【請求項22】
効果的な量のインスリンを投与する工程をさらに有する請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−529895(P2010−529895A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512389(P2010−512389)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/066944
【国際公開番号】WO2008/157368
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(304041633)ウェイク フォーレスト ユニバーシティ ヘルス サイエンシーズ (4)
【Fターム(参考)】