説明

動作制御プログラム、情報処理装置、及び画像形成装置

【課題】操作者がプリント対象データを十分に管理できる状態を確保し、プライベートプリント時のメモリー空き容量不足に起因したジョブエラー発生を防止する。
【課題を解決するための手段】プライベートプリント指示受付部302にプライベートプリント実行指示が受け付けられたときに、表示制御部303が制限解除指示の入力を促すメッセージをPC31の表示部315に表示させ、通信部307は、制限解除指示受付部304に制限解除指示が受け付けられたときに、複合機1に対して、制限解除条件を付加したプライベートプリントを実行させる動作制御指示を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作制御プログラム、情報処理装置、及び画像形成装置に関し、特に、プリント対象データの画像形成を行うタイミングを制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置によるプリントを行う場合に、操作者のプライバシー保護のために、プライベートプリントと呼ばれる画像形成を行う画像形成装置が知られている。このプライベートプリントは、例えば、操作者が、プリントジョブの実行時に、ネットワーク接続されたパーソナルコンピューターから画像形成装置にプリント対象データを送信した場合、画像形成装置は、即座にはプリント対象データの画像形成を行わず、内蔵するメモリー等の記憶部にプリント対象データを一旦保留させておき、画像形成装置の操作部から操作者により画像形成指示が入力されることを条件として、保留させておいたプリント対象データの画像形成を、操作者の目前で行うものである。
【0003】
このプライベートプリントを行う場合、上記メモリーの空き容量がなくなると、プリント対象データを保留させることができない。このため、メモリーの空き容量不足に起因する画像データの取り扱い不備を解消する技術として、下記特許文献1には、画像形成装置におけるメモリーへのスキャンデータの一時記憶時に、当該メモリーに空き容量がなくなった場合、ネットワーク接続されているサーバーに、当該スキャンデータを転送することで、メモリーの空き容量不足に起因する画像データの取り扱い不備を解消する技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−171720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プライベートプリントを行う画像形成装置に対して、上記特許文献1に示された技術を適用して上記問題を解決しようとした場合、メモリーに保存できないプリント対象データを転送することにより、メモリー空き容量不足に起因するプリントジョブのエラー終了は解消できるが、操作者の意思に拘わらず、画像形成装置からサーバーにデータが送信されてしまうため、操作者は、プリント対象データの管理を十分に行うことができない。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、操作者がプリント対象データの管理を十分に行えることを確保しつつ、プライベートプリント時におけるメモリー空き容量不足に起因したジョブエラーの発生を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載の発明は、内蔵する記憶部に一時的に保留させたプリント対象データについて操作者からの画像形成指示の受付を条件として画像形成を許可するプライベートプリントを実行する画像形成装置に対して動作制御指示を送信するコンピューターを、
前記画像形成装置に前記プライベートプリントを実行させるプライベートプリント実行指示を受け付ける第1の指示受付部と、
前記プライベートプリントの実行中において前記記憶部に空き容量がなくなった場合に前記プリント対象データの保留を解除して前記プリント対象データの画像形成を行う制限解除条件を前記プライベートプリントに付加する制限解除指示の入力を促すメッセージを、前記第1の指示受付部に前記プライベートプリント実行指示が受け付けられたときに、前記コンピューターの表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部によって前記表示部に前記メッセージが表示されているときに、前記制限解除指示を受け付ける第2の指示受付部と、
前記第2の指示受付部に前記制限解除指示が受け付けられたときに、前記画像形成装置に対して、前記制限解除条件を付加したプライベートプリントを実行させる動作制御指示を送信する指示送信部と
して機能させる動作制御プログラムである。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、記憶部に一時的に保留させたプリント対象データについて操作者からの画像形成指示の受付を条件として画像形成を許可するプライベートプリントを実行する画像形成装置に対して動作制御指示を送信する情報処理装置であって、
前記画像形成装置に前記プライベートプリントを実行させるプライベートプリント実行指示を受け付ける第1の指示受付部と、
前記プライベートプリントの実行中において前記記憶部に空き容量がなくなった場合に前記プリント対象データの保留を解除して前記プリント対象データの画像形成を行う制限解除条件を前記プライベートプリントに付加する制限解除指示の入力を促すメッセージを、前記第1の指示受付部に前記プライベートプリント実行指示が受け付けられたときに、前記コンピューターの表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部によって前記表示部に前記メッセージが表示されているときに、前記制限解除指示を受け付ける第2の指示受付部と、
前記第2の指示受付部に前記制限解除指示が受け付けられたときに、前記画像形成装置に対して、前記制限解除条件を付加したプライベートプリントを実行させる動作制御指示を送信する指示送信部と
を備える情報処理装置である。
【0009】
これらの発明によれば、第1の指示受付部に上記プライベートプリント実行指示が受け付けられたときに、表示制御部が上記制限解除指示の入力を促すメッセージをコンピューターの表示部に表示させ、指示送信部は、第2の指示受付部に上記制限解除指示が受け付けられたときに、画像形成装置に対して、制限解除条件を付加したプライベートプリントを実行させる動作制御指示を送信するので、画像形成装置に、プライベートプリント時における記憶部の容量不足により画像形成が行われなくなる事態を回避させると共に、プリント対象データの保留を解除して当該プリント対象データを画像形成する場合に、上記制限解除指示を入力することで示される操作者の意思を反映させる。このため、メモリフルのために生じる不具合を解消するために操作者の意思とは無関係に、画像形成装置において、プライベートプリントにより保留中のプリント対象データを画像形成する場合よりも、情報が漏洩するおそれが少ない。また、記憶部に保留不可能なプリント対象データを画像形成装置から他の装置に送信することなく、プリント対象データの画像形成を完了できる。このため、操作者がプリント対象データの管理を十分に行えることを確保しつつ、プライベートプリント時におけるメモリー空き容量不足に起因したジョブエラーの発生を防止することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の動作制御プログラムであって、前記コンピューターを、
前記第1の指示受付部に前記プライベートプリント実行指示が受け付けられたときに、前記画像形成装置の前記記憶部の容量を示す容量情報を取得する容量情報取得部と、
前記容量情報取得部によって取得された容量情報の示す容量が予め定められた値に達しているか否かを判定する判定部として更に機能させ、
前記表示制御部が、前記判定部によって前記容量が前記予め定められた値に達していないと判定された場合に、前記制限解除指示の入力を促すメッセージを前記コンピューターの表示部に表示させるように機能させるものである。
【0011】
この発明によれば、判定部が、空き容量情報取得部によって取得された容量情報の示す容量が予め定められた値に達しているか否かを判定し、表示制御部は、判定部によって上記容量が上記予め定められた値に達していないと判定された場合に、上記制限解除指示の入力を促すメッセージをコンピューターの表示部に表示させるので、記憶部の容量が、上記プライベートプリントによるプリント対象データの保留に不十分である可能性が高い場合にのみ、コンピューターの表示部に、上記制限解除指示の入力を促すメッセージが表示される。このため、プライベートプリントによるプリント対象データの保留のために十分な容量が画像形成装置の記憶部にある場合には、操作者に、上記制限解除条件をプライベートプリントに付加するか否かの余計な検討をさせることなく、プライベートプリントの実行指示を入力可能な環境を提供可能となる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、プリント対象データを画像形成する画像形成部と、
前記プリント対象データを一時的に保留する記憶部と、
前記記憶部に一時的に保留されている前記プリント対象データの画像形成を行わせる画像形成指示を操作者から受け付ける画像形成指示受付部と、
前記画像形成指示受付部に前記画像形成指示が入力されたときに、前記保留されているプリント対象データの画像形成を前記画像形成部に行わせる制御部と、
前記記憶部に前記プリント対象データを保留する空き容量がなくなったときに、当該保留を解除して前記プリント対象データの画像形成を行わせる制限解除指示を受け付ける解除指示受付部とを備え、
前記制御部は、前記解除指示受付部に前記制限解除指示が受け付けられている場合には、前記記憶部に前記プリント対象データを保留する空き容量がなくなったときに、前記画像形成指示受付部による前記画像形成指示の受付を条件とせずに、当該保留を解除して前記プリント対象データの画像形成を前記画像形成部に行わせる画像形成装置である。
【0013】
この発明によれば、制御部は、指示受付部に上記制限解除指示が受け付けられている場合であって、記憶部にプリント対象データを保留するに足りる空き容量がなくなったとき、画像形成指示受付部による上記画像形成指示の受付を条件とすることなく、プライベートプリントによるプリント対象データの保留を解除して、当該プリント対象データの画像形成を画像形成部に行わせるので、プライベートプリント時における記憶部の容量不足により画像形成が行われなくなる事態が回避されると共に、プリント対象データの保留を解除して画像形成する場合には、上記制限解除指示を入力することによる操作者の意思が反映される。このため、メモリフルのために生じる不具合を解消するために操作者の意思とは無関係に、画像形成装置において、プライベートプリントにより保留中のプリント対象データを画像形成する場合よりも、情報が漏洩するおそれが少ない。また、記憶部に保留不可能なプリント対象データを画像形成装置から他の装置に送信することなく、プリント対象データの画像形成が完了される。このため、操作者がプリント対象データの管理を十分に行えることを確保しつつ、プライベートプリント時におけるメモリー空き容量不足に起因したジョブエラーの発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、操作者がプリント対象データの管理を十分に行えることを確保しつつ、プライベートプリント時におけるメモリー空き容量不足に起因したジョブエラーの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る画像形成システムをなす画像形成装置及びコンピューターについてのネットワーク構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置としてのPCが備える内部構成の概略を示すブロック図である。
【図3】複合機の内部構成の概略を示すブロック図である。
【図4】PCによるプリントジョブの実行処理を示すフローチャートである。
【図5】複合機によるプリントジョブの実行処理を示すフローチャートである。表示部の表示画面の例を示す図である。
【図6】表示部の表示画面の例を示す図である。
【図7】表示部の表示画面の例を示す図である。
【図8】PC及び複合機によるプリントジョブの実行処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図9】表示部の表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る動作制御プログラム、情報処理装置、画像形成装置、及び画像形成システムについて図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成システムをなす画像形成装置及びコンピューターについてのネットワーク構成を示す図である。
【0017】
画像形成システム10は、互いにLAN(Local Area Network)等のネットワークにより接続されたサーバー、コンピューター(本発明に係る情報処理装置の一例)、及び画像形成装置を備えている。本実施形態では、画像形成システム10は、本発明の一実施形態に係る装置として、コンピューター4台、複合機1台を有している。但し、本発明に係る画像形成システムに備えられるコンピューター及び画像形成装置の台数をこれに制限する趣旨ではない。
【0018】
画像形成装置の一実施形態に係る複合機1は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能等の機能を兼ね備えている。複合機1は、複合機1の内部記憶装置に記憶されているデータのプリントアウトや、サーバーSV2やPC31乃至34から送られてきたデータのプリントアウト等を行う。複合機1、サーバーSV2、各PC31乃至34は、相互にデータ通信が可能とされている。そして、複合機1は、サーバーSV2、各PC31乃至34から送信されてくるジョブを受信し、当該ジョブを実行する機能を有している。
【0019】
図2は本発明の一実施形態に係る情報処理装置としてのPC31が備える内部構成の概略を示すブロック図である。本発明において必要な構成は、PC31乃至34について同様であるので、以下については、PC31を例にして説明する。PC31は、制御ユニット300と、ROM312と、RAM313と、HDD314と、表示部315と、通信インターフェイス318と、入力部319とを備える。これら各部は、互いにCPUバスによりデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0020】
制御ユニット300は、CPU等からなり、PC31全体の動作制御を司る。ROM312は、PC31の基本動作についての動作プログラムを記憶する。RAM313は、制御ユニット300の動作領域等として使用される。
【0021】
HDD314は、その記憶領域の一部に、印刷の対象とする文書データ又は画像データ等の各種データを記憶する。HDD314には、本発明の一実施形態に係る画像形成プログラムが記憶されている。制御ユニット300は、当該画像形成プログラムに従って動作することで、後述する制御部301、プライベート指示受付部302、表示制御部303、制限解除指示受付部304、容量情報取得部305、判定部306、及び通信部307として機能する。なお、画像形成プログラムは、制御ユニット300を容量情報取得部305及び判定部306として機能させる性能については、後述する実施形態において必要な限りで有しているものとする。同様に、当該画像形成プログラムに基づいた動作により制御ユニット300が空き容量情報取得部305及び判定部306を有することについても、後述する実施形態において必要な限りで有しているものとする。但し、制御ユニット300の制御部301、プライベート指示受付部302、表示制御部303、制限解除指示受付部304、容量情報取得部305、判定部306、及び通信部307は、画像形成プログラムに基づく動作によらない場合、それぞれハード回路により構成されてもよい。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0022】
表示部315は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、各種データの内容、当該PC31を操作する操作者に対する操作案内等が表示される。通信インターフェイス318は、複合機1、他のPC32〜34、及びサーバーSV2等とのデータ通信を行うためのインターフェイスとして機能する。
【0023】
入力部319は、キーボードやマウス等から構成され、複合機1に対するジョブが操作者から入力される。例えば、入力部319には、プリントジョブとして、HDD314に記憶されているデータ又はPC31で実施されているアプリケーションにて作成されたデータ等の中からのプリント対象データの指定、プリントジョブの実行指示等が操作者から入力され、当該プリントジョブについて、例えば、原稿サイズ、原稿設定、原稿読取解像度、ファイル形式、カラー/モノクロ印刷、プライベートプリントの実行要否、制限解除印刷の実行要否等の各機能についての指示が操作者から入力される。但し、入力部319が操作者から受け付ける指示の種類をこれらに限定する趣旨ではない。
【0024】
制御ユニット300は、上述したように、制御部301、プライベートプリント指示受付部302、表示制御部303、制限解除指示受付部304、空き容量情報取得部305、判定部306、及び通信部307を備える。
【0025】
制御部301は、PC31全体の動作制御を司るものである。
【0026】
プライベート指示受付部(第1の指示受付部)302は、入力部319を介して操作者から入力されたプライベートプリントの実行指示を受け付ける。このプライベートプリントとは、例えば、操作者が、プリントジョブの実行時に、複合機1にネットワーク接続されているPC31等から複合機1にプリント対象データを送信したとき、複合機1は、即座には当該プリント対象データの画像形成を行わず、複合機1に備えられる画像メモリー120にプリント対象データを一旦保留させておき、複合機1の操作者により操作部20から画像形成指示が入力されることを条件として、保留させておいたプリント対象データの画像形成を操作者の目前で行うプリント方式である。
【0027】
表示制御部303は、表示部315の表示制御を司り、例えば、プリントジョブについての指示の入力を促すメッセージを有する案内を表示部315に表示させる。
【0028】
制限解除指示受付部(第2の指示受付部)304は、表示制御部303によって表示部315に上記プリントジョブについての指示の入力を促すメッセージが表示されているときに、制限解除付加を指示する制限解除指示を受け付ける。この制限解除付加とは、プライベートプリントの実行中において、複合機1の画像メモリー120(後述)に空き容量がなくなった場合に、画像メモリー120に保存されているプリント対象データの保留を解除して、当該プリント対象データの画像形成を行う制限解除条件を、プライベートプリントに付加することをいう。
【0029】
容量情報取得部305は、複合機1から画像メモリー120の容量を示す容量情報を取得する。容量情報取得部305は、複合機1に対する当該容量情報の送信要求と、複合機1からの当該容量情報の受信を、通信インターフェイス318を介して行う。
【0030】
判定部306は、容量情報取得部305によって取得された容量情報の示す容量が予め定められた値に達しているか否かを判定する。この予め定められた値としては、例えば、A4サイズの原稿を複合機1の画像読取部110により解像度200dpi×200dpiで50枚読み取った場合の画像データを記憶できるに足りる容量を示す値などが用いられる。但し、当該予め定められた値は、この値に限定されない。
【0031】
通信部(指示送信部)307は、複合機1、サーバーコンピュータSV2、他のPC32乃至34との間でデータの送受信に必要な処理を行う。例えば、通信部307は、複合機1に対して、プライベートプリント又は制限解除印刷による画像形成を実行させる旨の動作制御指示を送信する。通信部307は、当該データ送受信を、通信インターフェイス318を介して行う。
【0032】
図3は、複合機1の内部構成の概略を示すブロック図である。複合機1は、制御ユニット100と、画像読取部110と、画像メモリー120と、画像形成部130とを有する。
【0033】
画像読取部110は、原稿画像を読み取るスキャナ等からなる。
【0034】
画像メモリー(記憶部)120は、画像読取部110によって読み取られた原稿のデータ等を一時的に記憶したり、画像形成部130の印刷対象となるデータを一時的に保存する領域となる。画像メモリー120は、PC31等から送られてきたプリントジョブにおいて画像形成の対象とされるプリント対象データを一時的に記憶することにより、操作者により画像形成指示があるまで当該プリント対象データを保留するメモリーとして機能する。
【0035】
画像形成部130は、画像読取部110によって読み取られた原稿のデータや、サーバーコンピュータSV2やPC31等から送信されてきたデータ(画像メモリー120に保留されているプリント対象データを含む)等を画像形成する。
【0036】
また、複合機1は、ファクシミリ通信に必要な諸機能を実行し、公衆回線を通じて外部のファクシミリ装置から画像データを受信するファクシミリ通信部140と、画像形成又は送信スタートキー、テンキー及び短縮番号キー等からなり、操作者から各種操作指示(例えば、プライベートプリントのために画像メモリー120に一時的に保存されているプリント対象データについて画像形成を実行する指示等)の入力を受け付ける操作部20と、操作者への操作案内等を表示するLCD(LiquidCrystal Display)等からなる表示部150とを備える。なお、この表示部150がタッチパネル機能を備えることにより、操作者からの各種操作指示を受け付けるようにしてもよい。
【0037】
さらに、複合機1は、画像読取部110によって読み取られた原稿画像データ等を記憶する大容量の記憶領域を有するHDD(ハードディスク)170を有している。
【0038】
制御ユニット100は、CPU等からなり、複合機1の全体的な動作を司る。制御ユニット100は、画像形成指示受付部101と、制限解除指示受付部102と、制御部103と、容量検出部104と、通信部105とを備えている。なお、HDD170又は図略のROMに複合機1の動作制御プログラムが記憶されており、制御ユニット100は、当該動作制御プログラムに従って動作することにより、画像形成指示受付部101、制限解除指示受付部102、制御部103、容量検出部104、及び通信部105として機能する。但し、制御ユニット100の画像形成指示受付部101、制限解除指示受付部102、制御部103、容量検出部104、及び通信部105は、動作制御プログラムに基づく動作によらない場合、それぞれハード回路により構成されてもよい。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0039】
画像形成指示受付部101は、画像メモリー120に一時的に保留されているプリント対象データの画像形成を行わせる画像形成指示を、操作者による操作部20の操作を介して、当該操作者から受け付ける。
【0040】
制限解除指示受付部102は、上述した制限解除条件付きでのプライベートプリントによる画像形成を行わせる制限解除指示を、ネットワークインターフェイス160を介して、PC31等から受け付ける。
【0041】
制御部103は、複合機1の全体的な動作を司る。制御部103は、画像形成指示受付部101に、画像メモリー120に一時的に保留されているプリント対象データの画像形成を行わせる画像形成指示が受け付けられたときに、画像形成部130に画像形成を行わせる等の制御を行う。
【0042】
容量検出部104は、画像メモリー120の容量(画像メモリー120の全記憶容量)を検出する。例えば、容量検出部104は、複合機1に備えられるRAMの記憶領域のうち、画像メモリー120として用いられるように設定されている記憶領域の全容量を、当該画像メモリー120の容量として検出する。また、容量検出部104は、このように設定された画像メモリー120の空き容量も検出する。
【0043】
通信部105は、サーバーコンピュータSV2と、PC31乃至34との間でデータの送受信に必要な処理を行う。通信部105は、例えば、容量検出部104によって検出された画像メモリー120の容量を示す容量情報を、ネットワークインターフェイス160を介して、PC31等に送信する。
【0044】
さらに、複合機1は、画像読取部110が読み取った画像イメージデータ編集/加工(符/復号処理、拡大/縮小処理、圧縮/伸長処理)処理等を行う画像処理部190と、サーバーコンピュータSV2、PC31乃至34との間で各種データのやりとりを行うために用いられるネットワークインターフェイスとを有している。
【0045】
次に、画像形成システム10を構成する複合機1及びPC31等によるプリントジョブの実行処理の第一実施形態を説明する。図4はPC31等によるプリントジョブの実行処理を示すフローチャートである。図5は複合機1によるプリントジョブの実行処理を示すフローチャートである。図6及び図7は表示部の表示画面の例を示す図である。
【0046】
当該画像形成システム10では、PC31乃至34のいずれかにおいて操作者により複合機1のプリントジョブが操作者により入力されると、当該プリントジョブが入力されたPC(PC31乃至34のいずれか)から当該プリントジョブが複合機1に送信され、当該プリントジョブを受信した複合機1は、この受信したプリントジョブを実行する。以下、PC31から複合機1にプリントジョブを送信する場合を例にして、当該プリントジョブの実行処理を説明する。
【0047】
まず、図4を参照してPC31におけるプリントジョブの実行処理を説明する。PC31において操作者による入力部319の操作により、例えばワードプロセッサー等のアプリケーションの動作中に、プリントジョブ設定画面を表示させる指示が入力されると(S1でYES)、表示制御部303は、表示部315に、プリントジョブ設定画面を表示させる(S2)。
【0048】
例えば、プリントジョブ設定画面は、複数の設定画面を有し、操作者による入力部319の操作により、各設定画面を切り換えて、原稿サイズ、原稿設定、原稿読取解像度、ファイル形式、カラー/モノクロ印刷等の各機能についての指示の入力が可能とされている。なお、当該各画面の表示切換は、表示制御部303が行う。そして、図6に例を示すように、プリントジョブの設定を可能し、設定したプリントジョブの内容を保存可能とするジョブ保存画面D1では、ジョブ拡張機能としてのプライベートプリントの実行指示や、ジョブ名称の設定等が可能とされている。
【0049】
上記ジョブ保存画面D1の表示時に、操作者による入力部319の操作により、プライベートプリントの実行指示が入力されると(S3でYES)、プライベート指示受付部302にプライベートプリントの実行指示が受け付けられる(S4)。
【0050】
例えば、図6に示すジョブ保存画面D1において、操作者が、入力部319としてのマウスポインター等の操作により、「プライベートプリント」の表示部分のラジオボタンB1を指定し、「OKボタン」B2を押下することにより、プライベートプリントの実行指示が入力され、プライベート指示受付部302にプライベートプリントの実行指示が受け付けられる。
【0051】
このようにプライベート指示受付部302にプライベートプリントの実行指示が受け付けられると、表示制御部303は、図7に例を示すように、ジョブ保存画面D1内に、上述した制限解除の条件をプライベートプリントに付加するか否かの指示の入力を操作者に促す旨のメッセージを表示させる(S5)。
【0052】
表示部315が、ジョブ保存画面D1内に、上記制限解除の条件を付加するか否かの指示の入力を促す旨の上記メッセージを表示させているときに、操作者から制限解除の条件を付加する指示が入力されると(S6でYES)、制限解除指示受付部304に、制限解除条件を付加する制限解除指示が受け付けられる(S7)。当該制限解除指示は、例えば、操作者による入力部319としてのマウスポインター等の操作で、当該メッセージである「メモリフル時に保存解除しプリントする」の表示部分のラジオボタンB3を指定し、「OKボタン」B2を押下することにより入力され、制限解除指示受付部304に受け付けられる。
【0053】
制限解除指示受付部304による制限解除指示の受付後、通信部307が、複合機1に対して、制限解除条件を付加したプライベートプリントによる画像形成を実行させる指示を含むプリントジョブを送信する(S8)。
【0054】
一方、表示部315が、ジョブ保存画面D1内に、制限解除条件を付加するか否かの指示の入力を操作者に促す旨の上記メッセージを表示させているときに、操作者から制限解除指示が入力されない場合は(S6でNО)、通信部307は、複合機1に対して、プライベートプリント(制限解除条件の付加なし)による画像形成を実行させる指示を含むプリントジョブを送信する(S10)。例えば、操作者による入力部319としてのマウスポインター等の操作で、当該メッセージである「メモリフル時に保存解除しプリントする」の表示部分のラジオボタンB3が指定されることなく、「OKボタン」B2が押下されると、当該プライベートプリント(制限解除条件の付加なし)による画像形成を実行させる指示を含むプリントジョブが送信される。
【0055】
また、S3において、上記ジョブ保存画面D1の表示時に、操作者からプライベートプリントの実行指示が入力されなかった場合は(S3でNO)、通信部307は、複合機1に対して、通常プリント(すなわち、プライベートプリントによらない画像形成)により画像形成を実行させるプリントジョブを送信する(S9)。例えば、操作者による入力部319としてのマウスポインター等の操作で、「プライベートプリント」の表示部分のラジオボタンB1が指定されることなく、「OKボタン」B2が押下されると、通常プリントにより画像形成を実行させるプリントジョブが送信される。
【0056】
続いて、図5を参照して複合機1におけるプリントジョブの実行処理を説明する。
【0057】
複合機1では、通信部105が上記プリントジョブを受信すると(S21でYES)、制御部103が、当該プリントジョブが、通常プリント又はプライベートプリント(制限解除付のプライベートプリントを含む)のいずれによる画像形成を行うものであるかを判断する(S22)。
【0058】
ここで、制御部103が、当該プリントジョブが通常プリントを行うものであると判断した場合は(S22で「通常プリント」)、制御部103は、当該プリントジョブで画像形成の対象とされるプリント対象データを画像メモリー120に保留することなく、即座に画像形成部130に画像形成を行わせる(S29)。
【0059】
また、制御部103が、当該プリントジョブがプライベートプリントによる画像形成を行うものであると判断した場合は(S22で「プライベートプリント」)、制御部103は、当該プリントジョブで画像形成の対象とされるプリント対象データを画像メモリー120に一時保存して保留させる(S23)。
【0060】
このプリント対象データの画像メモリー120への保存開始後、容量検出部104は、画像メモリー120の空き容量の検出を開始する(S24)。
【0061】
ここで、容量検出部104により画像メモリー120の空き容量無しとして検出されることなく(S25でNO,さらにS26でNO)、上記プリント対象データの全てを画像メモリー120に保存が完了した場合は(S25でYES)、このようにプリント対象データが画像メモリー120に保留されている状態で、画像形成指示受付部101が、当該保留されているプリント対象データについて操作者からの画像形成指示の入力を待機する(S27)。
【0062】
この待機中に、操作者による操作部20の操作により、当該保留されているプリント対象データについての画像形成指示が入力され、画像形成指示受付部101が当該画像形成指示を受け付けると(S27でYES)、制御部103は、画像メモリー120に保留されているプリント対象データを読み出し、当該プリント対象データを画像形成部130に画像形成を行わせる(S28)。
【0063】
他方、上記プリント対象データを画像メモリー120に保存完了していない状態で(S25でNO)、容量検出部104により画像メモリー120の空き容量無しと検出された場合は(S26でYES)、制御部103は、S22で検出したプライベートプリントの指示が、制限解除付きのプライベートプリントであるか、又は制限解除無しのプライベートプリントであるかを判断する(S30)。
【0064】
制御部103が、S22で検出したプライベートプリントの指示が制限解除付のプライベートプリントであると判断した場合は(S30でYES)、上記プリントジョブにより画像形成の対象とされているプリント対象データのうち、この時点で画像メモリー120に保存が完了しているデータと、未だ画像メモリー120に保存が完了していないデータの両方について、画像形成部130に画像形成を行わせる(S31)。すなわち、制御部103は、画像メモリー120に保留されているプリント対象データを画像形成させる上述した画像形成実行指示が画像形成指示受付部101に受け付けられていなくても、画像メモリー120におけるプリント対象データの保留を解除して、画像メモリー120への保存が完了済及び未完了のプリント対象データを画像形成部130に画像形成を行わせる。
【0065】
一方、制御部103が、S22で検出したプライベートプリントの指示が制限解除無しのプライベートプリントであると判断した場合は(S30でNO)、制御部103は、画像メモリー120の完了済及び未完了のプリント対象データについて画像形成部130に画像形成を行わせることなく、処理を終了する。
【0066】
この第1実施形態によれば、表示制御部303が、プライベートプリント指示受付部302に上記プライベートプリントの実行指示が入力されたときに、上記制限解除条件をプライベートプリントに付加するか否かの指示の入力を促すメッセージを表示部315に表示させ、この状態において、制限解除指示受付部304が上記制限解除付加指示の入力を待機するので、プライベートプリント実行時における画像メモリー120の容量不足により複合機1において画像形成が行われない事態を回避させると共に、複合機1においてプライベートプリントに基づくプリント対象データの保留を解除して、画像メモリー120に保留しているプリント対象データを画像形成する場合には、上記制限解除指示を入力することで示される操作者の意思が反映される。このため、メモリフルのために生じる不具合を解消するために操作者の意思とは無関係に、複合機1において、プライベートプリントにより保留中のプリント対象データを画像形成する場合よりも、情報が漏洩するおそれが少ない。また、画像メモリー120の容量不足により画像メモリー120に保留不可能なプリント対象データが発生しても、複合機1から他の装置に送信することなく、操作者が入力したプリントジョブのプリント対象データの画像形成を完了できる。このため、操作者がプリント対象データの管理を十分に行えることを確保しつつ、プライベートプリント時におけるメモリー空き容量不足に起因したジョブエラーの発生を防止することができる。
【0067】
次に、画像形成システム10を構成する複合機1及びPC31等によるプリントジョブの実行処理の第2実施形態を説明する。図8はPC31及び複合機1によるプリントジョブの実行処理の第2実施形態を示すフローチャートである。図9は表示部の表示画面の例を示す図である。なお、第2実施形態の説明においては、第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。また、複合機1側の処理は、図8に示すもの以外は第1実施形態と同様である。
【0068】
第2実施形態では、プライベートプリント指示受付部302にプライベートプリントの実行指示が受け付けられたとき(S44)、容量情報取得部305が、通信インターフェイス318を介して、複合機1に対して、画像メモリー120の容量(画像メモリー120の全記憶容量)を示す容量情報の送信を要求する(S45)。
【0069】
このとき、複合機1において、通信部105が当該要求を受信すると(S61)、容量検出部104が画像メモリー120の容量を検出し(S62)、当該検出された容量を示す容量情報を通信部105がPC31に送信する(S63)。
【0070】
PC31の容量情報取得部305は、通信インターフェイス318を介して、複合機1から上記容量情報を受信して取得する(S46)。この取得後、判定部306が、当該取得された容量情報の示す容量が上述した予め定められた値に達しているか否かを判定する(S47)。
【0071】
なお、容量情報取得部305は、上記のように、プライベートプリント指示受付部302にプライベートプリントの実行指示が受け付けられたときに、複合機1から画像メモリー120の容量情報の送信を要求することに代えて(S43〜S46)、前もって画像メモリー120の容量情報を複合機1から取得しておき、判定部306は、プライベートプリントの実行指示が受け付けられたときに、当該取得しておいた画像メモリー120の容量情報の示す容量に基づいて上記判定を行うようにしてもよい。
【0072】
なお、PC31が、複合機1のデバイス設定を管理する機能を有している場合は、以下のようにして、容量情報取得部305が画像メモリー120の容量を記憶しておくようにしてもよい。PC31は、複合機1に備えられる上記RAMの記憶領域のうち、どの程度の容量の記憶領域を画像メモリー120として用いるかを設定する指示を受け付ける機能を有し、この指示を受け付けた場合に、複合機1に当該指示を送信して、複合機1の制御部103に当該指示により指定される容量からなるRAMの記憶領域を画像メモリー120として設定させる。そして、容量情報取得部305は、このように設定された画像メモリー120の容量を記憶しておく。
【0073】
例えば、図9に示すように、表示制御部303が表示部315に、設定画面D2を表示させ、上述したRAMの記憶領域のうち画像メモリー120として機能させる記憶領域を矢印ボタンB4,B5を、操作者が入力部319としてのマウスポインター等を操作すると、当該操作に対応する容量からなる記憶領域を画像メモリー120の記憶領域として受け付け、この受け付けた容量を通信部307が複合機1に送信する。複合機1の制御部103は、当該指示により指定される容量からなるRAMの記憶領域を画像メモリー120として設定する。
【0074】
ここで、判定部306が、当該取得された容量情報の示す容量が上記予め定められた値に達していないと判定した場合に(S47でNO)、表示制御部303は、ジョブ保存画面D1内に、制限解除条件を付加するか否かの指示の入力を操作者に促す旨のメッセージを表示させる(S48)。
【0075】
表示部315が、制限解除条件を付加するか否かの指示の入力を操作者に促す旨のメッセージを含むジョブ保存画面D1を表示部315に表示させているときに、操作者により制限解除印刷の実行指示が入力され(S49でYES)、制限解除指示受付部304に制限解除指示が受け付けられると(S50)、通信部307は、複合機1に対して、制限解除条件を付加したプライベートプリントによる画像形成を実行させる指示を含むプリントジョブを送信する(S51)。
【0076】
一方、表示制御部303が、制限解除条件を付加するか否かの指示の入力を操作者に促す旨の上記メッセージを含むジョブ保存画面D1を表示部315に表示させている状態において、操作者から制限解除指示が入力されない場合と(S49でNO)、S47において判定部306が、上記取得された容量情報の示す容量が上記予め定められた値に達していると判定した場合は(S47でYES)、通信部307は、複合機1に対して、プライベートプリント(制限解除条件の付加なし)による画像形成を実行させる指示を含むプリントジョブを送信する(S53)。
【0077】
この第2実施形態によれば、判定部306が、容量情報取得部305によって取得された容量情報の示す容量が上記予め定められた値に達していないと判定した場合に、表示制御部303が上記制限解除条件を付加するか否かの指示の入力を促すメッセージを表示部315に表示させるので、画像メモリー120の記憶容量が、上記プライベートプリントモードによるプリント対象データの保留を行うには不十分である可能性が高い場合にのみ、表示部315に、上記制限解除条件を付加するか否かの指示の入力を促すメッセージが表示される。このため、プライベートプリントでのプリント対象データの保留のために十分な容量を複合機1の画像メモリー120が有している場合には、操作者に、上記制限解除条件をプライベートプリントに付加するか否かの余計な検討をさせることなく、プライベートプリントでの画像形成指示が入力できる環境を提供できる。
【0078】
また、例えば、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置を複合機として説明しているが、本発明に係る画像形成装置はこれに限定されない。例えば、本発明に係る画像形成装置は、コピー機、ファクシミリ装置等であっても構わない。
【0079】
なお、図1乃至図9を用いて上記各実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0080】
10 画像形成システム
1 複合機
100 制御ユニット
101 画像形成指示受付部
102 制限解除指示受付部
103 制御部
104 容量検出部
105 通信部
120 画像メモリー
130 画像形成部
20 操作部
31〜34 パーソナルコンピューター
300 制御ユニット
301 制御部
302 プライベートプリント指示受付部
303 表示制御部
304 制限解除指示受付部
305 容量情報取得部
306 判定部
307 通信部
315 表示部
319 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵する記憶部に一時的に保留させたプリント対象データについて操作者からの画像形成指示の受付を条件として画像形成を許可するプライベートプリントを実行する画像形成装置に対して動作制御指示を送信するコンピューターを、
前記画像形成装置に前記プライベートプリントを実行させるプライベートプリント実行指示を受け付ける第1の指示受付部と、
前記プライベートプリントの実行中において前記記憶部に空き容量がなくなった場合に前記プリント対象データの保留を解除して前記プリント対象データの画像形成を行う制限解除条件を前記プライベートプリントに付加する制限解除指示の入力を促すメッセージを、前記第1の指示受付部に前記プライベートプリント実行指示が受け付けられたときに、前記コンピューターの表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部によって前記表示部に前記メッセージが表示されているときに、前記制限解除指示を受け付ける第2の指示受付部と、
前記第2の指示受付部に前記制限解除指示が受け付けられたときに、前記画像形成装置に対して、前記制限解除条件を付加したプライベートプリントを実行させる動作制御指示を送信する指示送信部と
して機能させる動作制御プログラム。
【請求項2】
前記コンピューターを、
前記第1の指示受付部に前記プライベートプリント実行指示が受け付けられたときに、前記画像形成装置の前記記憶部の容量を示す容量情報を取得する容量情報取得部と、
前記容量情報取得部によって取得された容量情報の示す容量が予め定められた値に達しているか否かを判定する判定部として更に機能させ、
前記表示制御部が、前記判定部によって前記容量が前記予め定められた値に達していないと判定された場合に、前記制限解除指示の入力を促すメッセージを前記コンピューターの表示部に表示させるように機能させる請求項1に記載の動作制御プログラム。
【請求項3】
記憶部に一時的に保留させたプリント対象データについて操作者からの画像形成指示の受付を条件として画像形成を許可するプライベートプリントを実行する画像形成装置に対して動作制御指示を送信する情報処理装置であって、
前記画像形成装置に前記プライベートプリントを実行させるプライベートプリント実行指示を受け付ける第1の指示受付部と、
前記プライベートプリントの実行中において前記記憶部に空き容量がなくなった場合に前記プリント対象データの保留を解除して前記プリント対象データの画像形成を行う制限解除条件を前記プライベートプリントに付加する制限解除指示の入力を促すメッセージを、前記第1の指示受付部に前記プライベートプリント実行指示が受け付けられたときに、前記コンピューターの表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部によって前記表示部に前記メッセージが表示されているときに、前記制限解除指示を受け付ける第2の指示受付部と、
前記第2の指示受付部に前記制限解除指示が受け付けられたときに、前記画像形成装置に対して、前記制限解除条件を付加したプライベートプリントを実行させる動作制御指示を送信する指示送信部と
を備える情報処理装置。
【請求項4】
プリント対象データを画像形成する画像形成部と、
前記プリント対象データを一時的に保留する記憶部と、
前記記憶部に一時的に保留されている前記プリント対象データの画像形成を行わせる画像形成指示を操作者から受け付ける画像形成指示受付部と、
前記画像形成指示受付部に前記画像形成指示が入力されたときに、前記保留されているプリント対象データの画像形成を前記画像形成部に行わせる制御部と、
前記記憶部に前記プリント対象データを保留する空き容量がなくなったときに、当該保留を解除して前記プリント対象データの画像形成を行わせる制限解除指示を受け付ける解除指示受付部とを備え、
前記制御部は、前記解除指示受付部に前記制限解除指示が受け付けられている場合には、前記記憶部に前記プリント対象データを保留する空き容量がなくなったときに、前記画像形成指示受付部による前記画像形成指示の受付を条件とせずに、当該保留を解除して前記プリント対象データの画像形成を前記画像形成部に行わせる画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−98723(P2013−98723A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239251(P2011−239251)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】