説明

動作玩具及び可動部材

【課題】 種々の音声等の演出を楽しめると共に、使用者が自らの操作により演出を発生させることができる面白い玩具を提供する。
【解決手段】 取付け部23A〜23Dを有する玩具本体20と、取付け部23A〜23Dに着脱可能に取付けられる機能スイッチ31A〜31Dと、玩具本体20に設けられ、機能スイッチ31A〜31Dが取付け部23A〜23Dに取付けられたことを検知する検知手段と、玩具本体20に設けられ、光または音声による演出を行う演出部12と、玩具本体20に設けられる制御部と、を備える。制御部は、検知手段により、機能スイッチ31A〜31Dが玩具本体20に取付けられたことを検知したとき、演出部12により第1の演出を行い、押しボタン部36Aが操作されたとき、演出部12により第2の演出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作玩具及び可動部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
読み取られた識別情報に基づいて音声等の演出を行う各種の玩具が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、トレーディングカードまたはフィギュア等の物品に、物品を特定するデータであるIDや、物品が単体で存在するとき再生する音声データや、他の物品と複合形態で存在するときに再生する音声データ等を記憶する記憶手段として非接触ICタグを設け、タグリーダで非接触ICタグに記憶されているデータを読み込む。そして、読み込まれたIDや音声再生ルールに基づいて、音声を発生する。
【0004】
これにより、再生ルールや音声データの内容によって発生する音声を種々に変化させて、リアリティ性、ストーリ性、ゲーム性、等の趣向を持たせることができる。
【0005】
ところで、使用者が自ら操作を行い、演出を発生させる玩具のニーズが高まる中、簡単な操作で種々の音声等の演出を発生することができる技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−123276号公報(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述したような特許文献1の玩具においては、発生する音声を種々に変化させることは可能であるものの、使用者の操作により、演出が発生するものではない。従って、自らの操作で演出のタイミングを決め、よりリアルな演出を楽しみたい使用者には、面白みに欠ける。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、種々の音声等の演出を楽しめると共に、使用者の操作により演出を発生させることができる面白い玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の動作玩具は、少なくとも1つの取付け部を有する玩具本体と、前記玩具本体に設けられ、前記取付け部に着脱可能に取付けられる可動部材が前記取付け部に取付けられたことを検知する検知手段と、前記玩具本体に設けられ、光または音声による演出を行う演出部と、前記玩具本体に設けられる制御部と、を備え、前記制御部は、前記検知手段により、前記可動部材が前記玩具本体に取付けられたことを検知したとき、前記演出部により第1の演出を行い、さらに前記可動部材の第1の操作部が操作されたとき、前記演出部により第2の演出を行う。
【0010】
また、本発明の動作玩具において、前記取付け部に着脱可能に取付けられる前記可動部材を有し、前記可動部材に、当該可動部材の種別を識別するための識別部を設け、前記玩具本体に、前記識別部から可動部材の種別を識別する識別情報を取得する取得手段を設け、前記制御部は、前記取得手段で得た前記識別情報に基づいて、前記第1の演出を行うことが好ましい。また、前記第1の操作部が設けられ、前記取付け部に着脱可能に取付けられる前記可動部材を有し、前記制御部は、前記可動部材の第1の操作部が操作されたときに前記第2の演出を行う
【0011】
また、本発明の動作玩具において、前記玩具本体に、第2の操作部を設け、前記制御部は、前記第1の演出を行った後、前記第2の操作部が操作されたとき、前記演出部により第3の演出を行うことが好ましい。
【0012】
また、本発明の動作玩具において、前記玩具本体に、第3の操作部を設け、前記制御部は、前記第2の演出を行った後、前記第3の操作部が操作されたとき、前記演出部により第4の演出を行うことが好ましい。
【0013】
また、本発明の動作玩具において、前記玩具本体に、複数の前記取付け部を各々異なる位置に設けると共に、前記演出部を構成する表示部を設け、前記制御部は、前記可動部材が操作されたとき、前記可動部材の位置に対応する前記表示部の部位の表示を変化させることが好ましい。
【0014】
また、本発明の動作玩具において、前記玩具本体は、ベルトにより、使用者の腹部に装着されるものであり、前記表示部に人の体を模した画像を表示させ、前記複数の取付け部を少なくとも4箇所以上設けると共に、4箇所の取付け部に取付けられる4個の前記可動部材をそれぞれ、前記画像の左右の脚部および左右の腕部からなる4つの部位の表示変化に対応させ、前記表示部を使用者から見て中央に配置し、右脚用可動部材を、使用者から見て前記表示部の右側に配置し、右腕用可動部材を、前記右脚用可動部材の右側に配置する一方、左脚用可動部材を、使用者から見て前記表示部の左側に配置し、前記左腕用可動部材を、左脚用可動部材の左側に配置し、さらに、前記少なくとも4箇所の取付け部を円弧状に配列することにより、前記右腕用可動部材および前記左腕用可動部材を、使用者側に寄せるようにすることが好ましい。
【0015】
また、本発明の動作玩具において、前記玩具本体は、ベルトにより、使用者の腹部に装着されるものであり、前記玩具本体の上面を、使用者から見て前下方に傾斜させ、前記上面に、少なくとも4箇所の取付け部および前記表示部を設けることが好ましい。
【0016】
また、本発明の可動部材は、少なくとも1つの取付け部を有する玩具本体の前記取付け部に着脱可能に取り付けられる可動部材であり、前記可動部材は、使用者により操作可能な操作部と、前記玩具本体に設けられた検知手段において、前記取付け部に前記可動部材が取り付けられたことを検知するための第1の識別部と、前記玩具本体に設けられた制御部において前記操作部の操作を認識可能とする第2の識別部と、を有する。また、本発明の可動部材において、前記第2の識別部は前記操作部の操作により突出動作するものであり、前記玩具本体に設けられた制御部において当該突出動作の認識が行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、種々の演出を楽しめると共に、使用者が自らの操作により演出を発生させることができる面白い玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる実施形態の玩具とその使用態様を示す図である。
【図2】玩具の斜視図である。
【図3】玩具の平面図である。
【図4】玩具の正面図である。
【図5】右腕用スイッチの構成を説明する図であり、(A)は斜視図、(B)は側面図、(C)は(B)のC−C線断面図である。
【図6】右脚用スイッチの構成を説明する図であり、(A)は斜視図、(B)は側面図、(C)は(B)のC−C線断面図である。
【図7】左脚用スイッチの構成を説明する図であり、(A)は斜視図、(B)は側面図、(C)は(B)のC−C線断面図である。
【図8】左腕用スイッチの構成を説明する図であり、(A)は斜視図、(B)は側面図、(C)は(B)のC−C線断面図である。
【図9】機能スイッチを底面側から見た斜視図である。
【図10】機能スイッチの取付け形態を示す取付け部の断面図である。
【図11】玩具本体の内部構成を示すブロック図である。
【図12】第1の演出および第2の演出を示すフローチャートである。
【図13】第3の演出および第4の演出を示すフローチャートである。
【図14】第2の演出および第4演出の他の態様を示すフローチャートである。
【図15】機能スイッチの配置による作用を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。また、前後・左右は、使用者側から見た前後・左右とする。
【0020】
図1および図2に示すように、本実施形態にかかる玩具10は、使用者の腰に巻かれるベルト11により、使用者1の腹部に装着されるものである。玩具10には、光や音を発する演出部12が設けられていて、演出部12には、表示部13が設けられる。表示部13には、人を模した画像(ここでは、キャラクターの画像)14が表示可能である。
【0021】
使用者1は、キャラクターの動作、たとえば、体の全部または一部を別の形態に変化(いわゆる変身やフォームチェンジ)させたり、変化した腕や脚で機能(いわゆる技)を発動したりする動作を、各種のスイッチを操作することにより画像14や音声を変化させ、擬似体験することができる。
【0022】
このような玩具10の全体構成を図3および図4に基づいて詳細に説明する。図3および図4に示すように、玩具本体20は、人の腹部に沿うように円弧(図3中、符号21)状に湾曲した本体基部22と、本体基部22から前方に突出する5つの取付け部23A、23B、23C、23D、23Eとからなる。
【0023】
取付け部23A〜23Eの上面は、前下方に傾斜している。また、取付け部23A〜23Dは、円弧21に沿うように配列され、取付け部23A、23Bは、使用者から見て右側に配置され、取付け部23C、23Dは、左側に配置される。
【0024】
取付け部23Eの上面には、液晶の表示部13が設けられる。表示部13は、複数のLEDなどにより多色の発光が可能である。表示部13の画像14は、直立したキャラクターとして表示され、正面から見ると、使用者と同じ方向を向いて立つように見える。
【0025】
スイッチ類は、3種に大別され、画像14の部位(右腕、右脚、左脚、左腕)に対応する4個の機能スイッチ31A、31B、31C、31Dと、変身前の演出のための4個の変身スイッチ32と、変身および技の演出を決定する決定スイッチ33とからなる。
【0026】
機能スイッチ31A〜31Dは、画像14の部位に対応するように、右腕用スイッチ31A、右脚用スイッチ31B、左脚用スイッチ31C、左腕用スイッチ31Dで構成され、それぞれ、○記号、×記号、△記号、□記号を印象付ける形状である。これにより、4個の機能スイッチ31A〜31Dは、視覚的に区別がつき易くなっている。
【0027】
なお、以下の説明において、機能スイッチ31A〜31Dは、体の部位に関連付けて説明する場合、右腕用スイッチ31A、右脚用スイッチ31B、左脚用スイッチ31Cおよび左腕用スイッチ31Dと記載する。
【0028】
一方、画像14においても、各部位に○、×、△、□の記号が印される。これにより、図3において破線の矢印で示すように、画像14の部位と、機能スイッチ31A〜31Dとの関係が認識しやすい構成とされている。
【0029】
また、4個の機能スイッチ31A〜31Dは、各々、取付け部23A〜23Dの上面に設けられており、円弧21に沿って配列される。右脚用スイッチ31Bは、表示部13の右側に配置され、右腕用スイッチ31Aは、右脚用スイッチ31Bの右側に配置される。一方、左脚用スイッチ31Cは、表示部13の左側に配置され、左腕用スイッチ31Dは、左脚用スイッチ31Cの左側に配置される。
【0030】
さらに、機能スイッチ31A〜31Dは、取付け部23A〜23Dに対して着脱自在であり、各々、交換可能である。たとえば、右腕用スイッチ31Aの場合、使用中の右腕用スイッチ31Aを取外し、別の右腕用スイッチ(図4中、符号41A)を取付けることができる。本実施形態では、同じ部位同士(たとえば、右脚用スイッチと別の右脚用スイッチ)であれば交換可能であるが、異なる部位同士(たとえば、右脚用スイッチと左脚用スイッチ)では交換できない設定である。
【0031】
4個の変身スイッチ32は、取付け部23A〜23Dの先端部に設けられる。変身スイッチ32は、取付け部23A〜23Dの先端開口部26にて回動自在に支持される基部32aと、基部32aから先方に突出する操作部32bとからなる。操作部32bは、上下方向(図4中、矢印(1))に回動可能であり、使用者は、操作部32bを操作して、変身スイッチ32をON・OFFする。
【0032】
決定スイッチ33は、本体基部22の側部(ここでは、右腕用スイッチ31Aの右側)に配置される。決定スイッチ33は、本体基部22に回動自在に設けられる基部33aと、基部33aから湾曲しながら上に延びるレバー型の操作部33bとからなる。操作部33bは、使用者から見て手前(図3中、矢印(2))に回動可能であり、使用者は、操作部33bを操作して、決定スイッチ33をON・OFFする。
【0033】
次に、4個の機能スイッチ(右腕用スイッチ31A、右脚用スイッチ31B、左脚用スイッチ31Cおよび左腕用スイッチ31D)の構成を図5〜図8に基づいて詳細に説明する。
【0034】
図5(A)に示すように、右腕用スイッチ31Aは、取付け部23Aに差込まれる差込み部34Aと、差込み部34Aの上端に設けられる蓋部35Aと、蓋部35Aの上に配置される押しボタン部36Aと、差込み部34Aの下端から突出する左右の端子37と、差込み部34Aの後下部に設けられる係合部38とからなる。係合部38には、左右方向に延びる断面コの字状の係合溝38aが形成される。
【0035】
図5(B)に示すように、押しボタン部36Aは、上下方向(図中、矢印(3))に移動可能であり、使用者は、押しボタン部36Aを操作することで右腕用スイッチ31AをON・OFFする。また、蓋部35Aの上面は、前傾している。また、図5(C)に示すように、差込み部34Aの外形は、○記号(図3参照)に対応するように略円形に形成される。
【0036】
図6(A)に示すように、右脚用スイッチ31Bは、取付け部23Bに差込まれる差込み部34Bと、差込み部34Bの上端に設けられる蓋部35Bと、蓋部35Bの上に配置されるハンドル部36Bと、差込み部34Bの下端から突出する左右の端子37と、差込み部34Bの後下部に設けられる係合部38とからなる。
【0037】
図6(B)に示すように、ハンドル部36Bは、前後方向(図中、矢印(4))に移動可能であり、使用者は、ハンドル部36Bを操作することで右脚用スイッチ31BをON・OFFする。また、蓋部35Bの上面は、前傾している。また、図6(C)に示すように、差込み部34Bの外形は、×記号(図3参照)に対応するようにX字を模した形状に形成される。
【0038】
図7(A)および(B)に示すように、左脚用スイッチ31Cは、取付け部23Cに差込まれる差込み部34Cと、差込み部34Cの上端に設けられる蓋部35Cと、蓋部35Cの上に配置されるダイヤル部36Cと、差込み部34Cの下端から突出する左右の端子37と、差込み部34Cの後下部に設けられる係合部38とからなる。
【0039】
ダイヤル部36Cは、鉛直軸周り(図中、矢印(5))に回動可能であり、使用者は、ダイヤル部36Cを操作することで左脚用スイッチ31CをON・OFFする。また、蓋部35Cの上面は、前傾している。また、図7(C)に示すように、差込み部34Cの外形は、△記号(図3参照)に対応するように概略三角形状を呈する。
【0040】
図8(A)に示すように、左腕用スイッチ31Dは、取付け部23Dに差込まれる差込み部34Dと、差込み部34Dの上端に設けられる蓋部35Dと、差込み部34Dに回動自在に支持され上半部を蓋部35Dから露出したホイール部36Dと、差込み部34Dの下端から突出する左右の端子37と、差込み部34Dの後下部に設けられる係合部38とからなる。
【0041】
図8(B)に示すように、ホイール部36Dは、水平軸周り(図中、矢印(6))に回動可能であり、使用者は、ホイール部36Dを操作することで左腕用スイッチ31DをON・OFFする。また、蓋部35Dの上面は、前傾している。また、図8(C)に示すように、差込み部34Dの外形は、□記号(図3参照)に対応するように略正方形に形成される。
【0042】
次に、機能スイッチ31A〜31Dの底部構造を図9に基づいて説明する。図9に示すように、機能スイッチ31A〜31Dの各々の底面42には、識別部43および識別部44が設けられる。
【0043】
識別部43は、複数(ここでは4箇所)の識別箇所43aを有する。各識別箇所43aは、凸部43bが形成されるか、または、凸部43bが形成されないかのいずれかの構成を有する。すなわち、識別部43は、凸部43bの有無と識別箇所43aの個数との組合せを識別情報として有し、本実施の形態では、可動部材の種別を識別する識別情報を有している。たとえば、右腕用スイッチ31Aにおいて、4個の識別箇所43aを設けた場合、2=16(種類)の識別情報を得ることができる。これにより、異なる識別情報が付与された16種類の右腕用スイッチ31Aを得ることができ、さらに4個の機能スイッチ31A〜31Dを組合せれば、16通りの情報が得られる。なお、本実施の形態では、識別部43は、凸部43bの有無と識別箇所43aの個数との組合せで識別情報を判断するようになっているが、これに限られるものではない。例えば、IDタグ等に識別情報を記憶し、玩具本体において該識別情報を読み取る構成としてもよい。しかしながら、本実施の形態の構成にすることにより、より簡単な構成で識別部の識別情報を玩具本体に伝えることが可能である。
【0044】
識別部44は、機能スイッチ31A〜31Dの操作部(押しボタン部36A、ハンドル部36B、ダイヤル部36C、ホイール部36D)の操作に連動して、上下方向(図9中、矢印(7))に動作する。本実施の形態では、機能スイッチ31A〜31Dの操作部(押しボタン部36A、ハンドル部36B、ダイヤル部36C、ホイール部36D)を操作することにより、識別部44が突出し、機能スイッチ31A〜31DがONされるように設定されている。すなわち、識別部44の動作は、ON・OFFの信号として検知され、制御部(後述)に送られる。なお、本実施の形態では、識別部44は、可動部材の操作部が操作されると突出し、玩具本体においてON・OFFの信号として検知され、制御部に送られるようになっているが、これに限られるものではない。例えば、識別部を発光部や信号出力部とし、操作部が操作されると発光や信号が出力されるようにしてもよい。しかしながら、本実施の形態の構成にすることにより、より簡単な構成で可動部材の操作部の操作を玩具本体に伝えることが可能である。
【0045】
次に、機能スイッチ31A〜31Dの取付け形態を図10に基づいて説明する。ここでは、右腕用スイッチ31Aの取付け形態を説明するが、右脚用スイッチ31B、左脚用スイッチ31Cおよび左腕用スイッチ31Dについては、差込み穴の内形以外の構成は、右腕用スイッチ31Aの場合と同様であるため、説明を省略する。
【0046】
図10に示すように、取付け部23Aの上部には、鉛直方向に軸線を有する差込み穴27が設けられる。差込み穴27の内形は、右腕用スイッチ31Aの差込み部34Aの外形(図5(c)参照)と同様の形状に形成される。従って、右腕用スイッチ31Aが取付けられる差込み穴27には、他の機能スイッチ31B〜31Dは差込めない。すなわち、差込み穴27は、右腕用スイッチ31A専用の穴であり、他の機能スイッチ31B〜31Dの差込み穴についても同様に専用の差込み穴が設けられる。
【0047】
差込み穴27の後下部には、圧縮コイルばね28で前方に付勢された突起体29が出没可能に設けられる。右腕用スイッチ31Aが差込まれると、係合溝38aに突起体29の先端が嵌るため、差込み穴27に右腕用スイッチ31Aがしっかりと嵌る。右腕用スイッチ31Aが取付けられたとき、蓋部35Aの上面は、取付け部23Aの上面と略同じ傾斜角で前傾している。
【0048】
次に、玩具本体の内部構成を図11に基づいて説明する。図11に示すように、玩具本体20の内部には、制御部45および電池46が設けられる。制御部45と電池46は、電源スイッチ47を介して接続される。従って、電源スイッチ47をONにすると、制御部45に電流が流れて制御を開始する。
【0049】
制御部45には、第1検知手段48、第2検知手段49および取得手段51が接続される。第1検知手段48は、機能スイッチ31A〜31Dの着脱を検知し、検知した情報を制御部45に送る。第1検知手段48として、突起体29(図10参照)を用いてもよい。取得手段51は、機能スイッチ31A〜31Dの識別部43の形状を読み取り、識別情報として制御部45に送る。第2検知手段49は、識別部44の動作から機能スイッチ31A〜31Dの操作の有無を検知し、検知した情報を制御部45に送る。また、制御部45には、変身スイッチ32、決定スイッチ33が接続され、変身スイッチ32、決定スイッチ33のON・OFFの情報が制御部45に送られる。また、制御部45には、メモリ52が接続されており、予め、所定の識別情報およびこれらの組合せに対する動作が設定されている。また、取得された識別情報を一時的に記憶する。さらに、制御部45には、演出部12が接続されており、演出部12には、表示部13、発音部15が接続されている。なお、発音部15は、表示部13の近傍が好適であるが、玩具本体20において、取付け位置は任意である。
【0050】
次に、玩具の動作を図12〜図13に基づいて説明する。先ず、図12に基づいて、本発明にかかる第1・第2の演出を説明する。第1・第2の演出では、機能スイッチ(右腕用スイッチ31A、右脚用スイッチ31B、左脚用スイッチ31Cおよび左腕用スイッチ)を交換するとき、別の形態や色への変化を演出する。
【0051】
図12に示すように、スタートしたら(ステップSAS)、取外したい機能スイッチ31A〜31DをOFFにすると(ステップSA1)、発音部15は、OFFされたことを知らせる効果音を発する(ステップSA2)。機能スイッチを取外し(ステップSA3)、別の機能スイッチを取付けると(ステップSA4)、第1検知手段48が取付けを検知し、取得手段51が機能スイッチの識別情報を取得する(ステップSA5)。取得した識別情報に基づき、第1の演出として、発音部15がガイダンス音、待機音を発し(ステップSA6)、別の機能スイッチが備えられたことを知らせる。たとえば、白色という情報を有する機能スイッチから、赤色という情報を有する機能スイッチへ交換した場合、「レッド・・・」などの色のガイダンスを発した後、待機音を発する。そして、機能スイッチが取付けられてから所定時間内に機能スイッチがONにされると(ステップSA7)、識別情報に基づいて、フォームチェンジ音を発すると共に、画像14の該当部位(たとえば、右腕用スイッチ31Aが交換されたときは画像14の右腕の部位)を点灯、点滅あるいは変色する演出を行い(ステップSA8)、演出完了となる(ステップSA9)。一方、ステップSA7で、機能スイッチを取付けてから所定時間内に機能スイッチがONにされないときは、演出を完了する(ステップSA9)。なお、本実施の形態では、機能スイッチを交換する場合について説明したが、必ずしも限られるものではなく、機能スイッチが取り付けられていない状態の玩具本体に機能スイッチを取り付けてもよい。その場合、本実施形態のステップSA4の工程以下の流れで第1の演出、第2の演出を行わせることができる。
【0052】
次に、図13に基づいて、本発明にかかる第3・第4の演出を説明する。ここでは、画像全身の変身を演出する。図13に示すように、機能スイッチの交換を完了し(ステップSB1)、4個の変身スイッチ32の全てをONにすると(ステップSB2)、4個の機能スイッチ31A〜31Dの識別情報および組合せに基づき、第3の演出として、発音部15は、変身スイッチ32が操作されたことを知らせる効果音(たとえば、「ピコン・ピコン・ピコンピコン」)、および、これから変身が行われることを知らせる変身待機音(たとえば、スリー、ツー、ワン・・・などのカウントダウン音)を発する(ステップSB3)。次に、操作効果音の発生から所定時間内に決定スイッチ33がONにされると(ステップSB4)、識別情報および組合せに基づき、第4の演出として、発音部15が変身音(たとえば、「オレンジ、ブラック・・・」など)を発すると共に、画像14が変化し(ステップSB5)、変身の演出が完了する(ステップSB6)。一方、効果音の発生から所定時間内に決定スイッチ33がONにされないときは、終了する(ステップSB7)。
【0053】
次に、図14に基づいて、第2の演出および第4の演出の他の態様を説明する。ここでは、機能を発動して技を決める演出を行う。
【0054】
図14に示すように、機能スイッチの交換を完了し(ステップSC1)、少なくとも1個の機能スイッチをONにすると(ステップSC2)、機能スイッチの識別情報および組合せに基づき、第2の演出として、発音部15は、機能が発動されたことを知らせる機能発動音(たとえば、「レッドミサイル・・・」など)を発し、同時に、表示部13は、画像14の該当部位(たとえば、左腕用スイッチがONされたときは画像の左腕の部位)を点灯、点滅あるいは変色させる(ステップSC3)。機能発動音が発生してから所定時間内に決定スイッチ33がONにされると(ステップSC4)、ステップSC5に進む。一方、機能発動音が発生してから所定時間内に決定スイッチ33がONにされないときは(ステップSC4)、終了する(ステップSC11)。
【0055】
ステップSC5では、4個の機能スイッチ31A〜31Dの全てがONにされたか否かを判断する。4個の機能スイッチ31A〜31Dの全てがONであるときは、ステップSC6に進み、識別情報および組合せに基づいて、第4の演出として、発音部15が特殊な必殺技音を発し、表示部13が特殊な画像14の変化を行い、演出を完了する(ステップSC8)。一方、全ての機能スイッチ31A〜31DがONでないときは、ステップSC7に進み、第4の演出として、機能スイッチ31A〜31Dの組合せに応じた通常の必殺技音を発し、通常の画像の変化を行い、演出を完了する(ステップSC8)。
【0056】
以上に述べた本実施形態によれば、使用者は、機能スイッチ31A〜31Dの取り付けや交換を認識したときに演出される第1の演出を楽しむことができると共に、機能スイッチ31A〜31Dを自ら操作して、好きなタイミングで、第2の演出を楽しむことができる。
【0057】
また、変身スイッチ32および決定スイッチ33を操作して、第3の演出および第4の演出を楽しみながら、機能の発動や変身という疑似体験を楽しむことができる。
【0058】
また、機能スイッチ31A〜31Dは、個別の識別情報を有するため、使用者は、機能スイッチ31A〜31Dの各々について、複数のスイッチを集め、これらを自由に組合せて、種々のパターンの演出を楽しむことができる。
【0059】
さらに、図16に示すように、機能スイッチ31A〜31Dを円弧状に配列することにより、左腕用スイッチ31Dおよび右腕用スイッチ31Aを、使用者側に寄せ、左脚用スイッチ31Cおよび右脚用スイッチ31Bを、左腕用スイッチ31Dおよび右腕用スイッチ31Aに対して使用者から離れる側に構成にしたので、使用者が玩具10を上から見たときに、使用者の右腕2、右脚3、左脚4、左腕5の位置と、機能スイッチ31A、31B、31C、31Dの位置と、画像の各部位の位置とが、類似する。これにより、4個の機能スイッチ31A〜31Dが、画像14のどの部位に対応しているのかを認識しやすくなる。従って、変化させたい画像14の部位に対応する機能スイッチ31A〜31Dを容易に操作することができる。
【0060】
加えて、玩具本体20の前傾した上面に、表示部13、機能スイッチ31A〜31Dを配置したので、図4に示すように、表示部13、機能スイッチ31A〜31Dが、正面からよく見える。従って、使用者以外の人も、画像14の変化やスイッチの操作を見て楽しむことができる。
【0061】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0062】
10 玩具
11 ベルト
12 演出部
13 表示部
14 画像
15 発音部
20 玩具本体
21 円弧
23A〜23E 取付け部
31A 右腕用スイッチ(可動部材)
31B 右脚用スイッチ(可動部材)
31C 左腕用スイッチ(可動部材)
31D 左脚用スイッチ(可動部材)
32 変身スイッチ(第2の操作部)
33 決定スイッチ(第3の操作部)
43 識別部
48 第1検知手段(検知手段)
51 取得手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの取付け部を有する玩具本体と、
前記玩具本体に設けられ、前記取付け部に着脱可能に取付けられる可動部材が前記取付け部に取付けられたことを検知する検知手段と、
前記玩具本体に設けられ、光または音声による演出を行う演出部と、
前記玩具本体に設けられる制御部と、を備え、
前記制御部は、前記検知手段により、前記可動部材が前記玩具本体に取付けられたことを検知したとき、前記演出部により第1の演出を行い、さらに前記可動部材の第1の操作部が操作されたとき、前記演出部により第2の演出を行う動作玩具。
【請求項2】
請求項1において、
前記取付け部に着脱可能に取付けられる前記可動部材を有し、
前記可動部材に、当該可動部材の種別を識別するための識別部を設け、
前記玩具本体に、前記識別部から可動部材の種別を識別する識別情報を取得する取得手段を設け、
前記制御部は、前記取得手段で得た前記識別情報に基づいて、前記第1の演出を行う動作玩具。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記第1の操作部が設けられ、前記取付け部に着脱可能に取付けられる前記可動部材を有し、
前記制御部は、前記可動部材の第1の操作部が操作されたときに前記第2の演出を行う動作玩具。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記玩具本体に、第2の操作部を設け、
前記制御部は、前記第1の演出を行った後、前記第2の操作部が操作されたとき、前記演出部により第3の演出を行う動作玩具。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記玩具本体に、第3の操作部を設け、
前記制御部は、前記第2の演出を行った後、前記第3の操作部が操作されたとき、前記演出部により第4の演出を行う動作玩具。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
前記玩具本体に、複数の前記取付け部を各々異なる位置に設けると共に、前記演出部を構成する表示部を設け、
前記制御部は、前記可動部材が操作されたとき、前記可動部材の位置に対応する前記表示部の部位の表示を変化させる動作玩具。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
前記玩具本体は、ベルトにより、使用者の腹部に装着されるものであり、
前記表示部に人の体を模した画像を表示させ、
前記複数の取付け部を少なくとも4箇所以上設けると共に、4箇所の前記取付け部に取付けられる4個の前記可動部材をそれぞれ、前記画像の左右の脚部および左右の腕部からなる4つの部位の表示変化に対応させ、
前記表示部を使用者から見て中央に配置し、
右脚用可動部材を、使用者から見て前記表示部の右側に配置し、右腕用可動部材を、前記右脚用可動部材の右側に配置する一方、
左脚用可動部材を、使用者から見て前記表示部の左側に配置し、前記左腕用可動部材を、左脚用可動部材の左側に配置し、
さらに、前記少なくとも4箇所の取付け部を円弧状に配列することにより、前記右腕用可動部材および前記左腕用可動部材を、使用者側に寄せるようにした動作玩具。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、
前記玩具本体は、ベルトにより、使用者の腹部に装着されるものであり、
前記玩具本体の上面を、使用者から見て前下方に傾斜させ、
前記上面に、前記少なくとも4箇所の取付け部および前記表示部を設けた動作玩具。
【請求項9】
少なくとも1つの取付け部を有する玩具本体の前記取付け部に着脱可能に取り付けられる可動部材であり、
前記可動部材は、
使用者により操作可能な操作部と、
前記玩具本体に設けられた検知手段において、前記取付け部に前記可動部材が取り付けられたことを検知するための第1の識別部と、
前記玩具本体に設けられた制御部において前記操作部の操作を認識可能とする第2の識別部と、
を有する可動部材。
【請求項10】
請求項9において、
前記第2の識別部は前記操作部の操作により突出動作するものであり、前記玩具本体に設けられた制御部において当該突出動作の認識が行われる可動部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−13631(P2013−13631A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149577(P2011−149577)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【特許番号】特許第4932953号(P4932953)
【特許公報発行日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】