説明

動力ケリソン骨鉗子装置

患者に対して外科処置を行うために外科医によって使用されるケリソン骨鉗子装置の柄(18)内に動力ドリルが取り付けられている。このケリソン骨鉗子装置は、固定されている直立しているフット(24)とドリルビット(25)との間に位置決めされた骨を除去するために、回転ドリル(12)内に支持されているビット(25)を銃形状の柄(42)の遠位端部に取り付けられた固定の直立しているフット(24)に向かって動かすための機構を含んでいる。別の実施形態においては、ドリル(133)は、柄(126)内に取り外し可能に固定され、フット(120)はドリルビット(129)に対して動く。いずれの実施形態においても、外科医によって作動される引き金(22又は124)がフット(24又は120)/ドリル(12又は133)を起動させ、引き金(22又は124)はフット(24又は120)とドリルビット(25又は129)との間の空間を最大化するために付勢されている。フットの形状及び寸法は、所定の外科処置を行うように改造することができる。一つの実施形態においては、ドリルモーター解除機構は、柄(18)内の定位置に係止されたモーター(12)を解除する付加的な機能を果たすピニオンギヤ及びラック(72及び84)を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、ケリソン骨鉗子装置に関し、より特別には、動力切削端部を有するように改造されたケリソン骨鉗子装置(以下、PKS装置と称する)に関する。
【背景技術】
【0002】
医療技術においてよく知られているように、ケリソン骨鉗子装置は、脊柱の近くの骨を切削することが必要なある種の脊椎手術において使用される。例えば、椎弓切除術においては、脊髄管内を通っている神経に近接しているかも知れない骨の幾らかを切り取る必要があるかも知れず、ケリソン骨鉗子装置は、相対的に隔置されかつ他方に対して可動である一対の小さなエンドプレートを含んでいる細長い鋏型の器具と、前記エンドプレートのうちの一つを他方に対して動かす引き金状の器具とを含んでいる。前記プレートを動かす引き金を作動させているオペレータによる手動の力は、骨格構造を除去するために該骨格構造に切り込む。明らかに、エンドプレートは、切り込み動作を行うのに十分な強度を有するように比較的大きい。更に、器具の先端に配置されている部分であるエンドプレートの形状は鈍い形状とする必要がある。端部(しばしば、フットプレートと称される)の形状及び大きさは、骨への切り込みを行うために発生されなければならない強力な力に基いている。フットプレートは、当該フットプレートに対して動かされる他方のエンドプレートの力に適合する対抗力を発生しなければならない。この動作に似ているのは、相対的に動かされる切り刃を有する一対の鋏である。明らかに、鋏のサイズは、切り刃にかかる抵抗力に基づく。切り刃にかかる抵抗力が大きければ大きいほど、必要とされる鋏は益々大きくなる。縫い糸を切断するように設計されている鋏は、厚紙を切断するように設計されている鋏よりも遙かに小さく、同様に、床タイルを切断するための鋏は、厚紙を切断するための鋏よりも恐らく大きいであろう。更に、オペレータが必要とする力は、周囲環境の各々において異なり、切断されている材料が硬くなれば恐らくオペレータによって供給される力はより大きくなる必要があるであろう。
【0003】
我々は、端に取り付けられたフットプレートに対して動かすか又はその逆すなわち端部に取り付けられたフットプレートを回転カッターに対して動かす動力回転カッターによって器具を設計することによって、ケリソン骨鉗子又はその他の骨及び組織切り込み器具によってこれまでになされてきた切断又は削り取りのための外科手術のために使用する場合に必要とされる力の条件を排除することができる。本発明の器具は、以下に列挙されている以前から知られているケリソン骨鉗子装置よりも優れた多数の利点を提供する。
【0004】
下記の利点は単に例を示しているだけであり、本発明の範囲に対する限定とされるべきものではない。
1)フットプレート及びカッターがより小さく、作動端部の外径がより小さくて、外科医 がそこまで届くことができないか又は容易に届くことができなかった患者の解剖学的 構造領域に届くことができるようにし、
2)フットプレートの前縁を組織を骨から解放するために使用してPKS装置の使用を促 進することができるような構造とすることができ、
3)カッターを駆動するモーターが負荷の殆どを吸収するので、外科医によって必要とさ れる作業が大きく減じられ、
4)カッターをフットプレートに対して可動にすることによって、外科医は骨に対するカ ッターの位置決めに関する自分の感覚を増大させ、従って、外科医の手動感覚が改良 される。
【0005】
本発明は、実施形態のうちの一つにおいて、カッターを駆動するモーターの長手方向の動きのためにピニオン及びラックギヤ装置の使用を想定しており、ピニオンギヤは、それがPKS装置の主本体からのモーターへの侵入及びモーターからの出現のための軸としても機能するように取り付けられている。
【発明の開示】
【0006】
本発明の目的は、患者の骨及び組織を切り込むための改良されたケリソン骨鉗子装置を提供することである。
本発明の特徴は、フットプレートに対して可動であるモーター駆動カッターをPKS装置内に設けることである。本発明の代替的な実施形態は、固定のモーター/カッターと可動のフットプレートとである。
【0007】
カッターをフットプレートに対して位置決めするPKS装置のための本発明の別の特徴は、相補的なラックギヤを動かすように機能するピニオンギヤが、モーターをPKS装置から取り外したり挿入したりするための軸としても機能することである。
【0008】
本発明の別の特徴は、以前から知られているケリソン骨鉗子装置よりも小さい全体の外径によって設計されている回転カッターを有するPKS装置を提供することである。
本発明の別の特徴は、外科処置に関係するように設計された前縁を有する形状とされたフットプレートを備えた動力PKS装置を提供することである。
【0009】
本発明の更に別の特徴は、外科医の力の要件を緩和し及び/又は外科医に高い感覚を付与する動力PKS装置を提供することである。
本発明の上記及びその他の特徴は、以下の説明及び添付図面によって明らかとなるであろう。
【発明の詳細な説明】
【0010】
本発明は、好ましい実施形態においてはカッターに動力を付与するために空気駆動式モーターを使用しているが、カッターに動力を付与するために種々の手段を使用する如何なる外科用モーターも利用することができることは当業者に明らかであるはずである。更に、本発明は、本願の出願人から入手可能な製品であるMicro Max(登録商標)、Black Max(登録商標)及びeMax(登録商標)を使用して説明されており、本発明のためにこれら以外のタイプの液圧モーターを代用することができることは理解されるべきである。液圧駆動モーターに加えて、種々の手段によって駆動されるモーターもまた本発明において使用することもできる。本発明のPKS装置内に挿入することができ且つPKS装置と共に作動可能であるあらゆるモーターを採用することができることを言えば十分であり、本発明の範囲はこの好ましい実施形態に限定されない。
【0011】
本記載のこの部分は、モーター/カッターがフットプレートに対して位置決めされているPKS装置の実施形態に対するものであり、以下の説明部分は、フットプレートがモーター/カッターに対して動かされるPKS装置の実施形態に関している。図1に最も明確に見ることができるように、モーター/カッターを直線的に動かすためのPKS装置が図1に最も明確に示されている。図1は、全体が参照番号10によって示されており且つモーター12、鼻状スリーブ14、カッター16、ピストル形状部材又は銃18及びフットプレート支持部材20によって構成されているPKS装置10を示している分解図である。フットプレート支持部材20は、組み立てられたときに鼻状スリーブ14の周囲に嵌合する細長い筒状部材である。この実施形態においては液圧モーターであるモーター12、鼻状スリーブ14及びカッター16は、よく知られており且つ本出願人によって市販されている。銃18は、作動が容易なようにピストルの柄形状とされているけれども、他の形状も本発明の範囲内と考えられ且つ外科処置を行うときに外科医に良好な感覚を付与するはずである。以下により詳細に説明されるように、引き金22は、銃18内に摺動可能に取り付けられており且つモーター12を直線状に位置決めする。フットプレート支持部材20は、公知のチャック又は取り付け機構によって銃18の端部に適切に取り外し可能に取り付けられている。フットプレート24は、フットプレート支持部材20の端部に担持されており且つフットプレート支持部材20の軸方向軸線に対して角度が付けられて配置されており且つカッター16の端部と一直線状に向くように延びている。従って、組み立てられたときに、カッター16のドリルビット25はフットプレート24と調和し且つモーター12に取り付けられることによって引き金がモーターを直線状に配置したときにモーター12に対して動く。本発明により、フットプレート24は、種々の大きさ及び形状を必要とする外科処置に適合するように設計することができる。例えば、フットプレート支持部材20の軸線方向軸線に対する角度は30度(°)、45度(°)等とすることができる。
【0012】
PKS装置のアセンブリは、全てのアセンブリが容易に取り外し且つ交換することができることに注目して以下のようになされている。鼻状スリーブ14は、市販によって入手可能な取り付け機構26によって、モーター12の端部に適切に取り付けられる。カッター16の軸28は、鼻状スリーブ14内へと摺動し且つ軸受け(図示せず)によって回転可能に支持されており且つモーター12によって担持されている市販によって入手可能なチャック31(図示せず)内に嵌合している取り付け部30を含んでいる。上のパラグラフで述べたように、これらの構成部品は、本願出願人から市販によって入手可能である。
【0013】
モーター12、鼻状スリーブ14及びカッター16は、柄18の主本体32内に延びている軸線方向の孔内に嵌合しており、鼻状スリーブ14は、フットプレート支持部材20内に延びている中央通路が鼻状スリーブ14の外周上を摺動し且つビット25をフットプレート24に隣接して配置するように柄18内に延びている。柄18(図3)は、主本体32の下側を且つ引き金22を受け入れるための柄18の手保持部分42内へと延びている主本体40に設けられた軸線方向貫通孔38を含んでいる。上記から、モーターは孔38のより広い部分44内に嵌合し、鼻状スリーブ14のチャック部分26は孔38のより小さい直径部分46内に嵌合しており、可動の引き金22は孔40内に嵌合していることは明らかである。
【0014】
本開示の次の部分は、モーターを直線状に位置決めし且つモーターを定位置に係止するための引き金のための機構を説明している。図2、4、6及び6Aに最も良く見ることができるように、モーター支持機構50は、軸線方向の孔38のより広い直径部分44内に取り付けられ且つより広い直径部分44の端部に設けられた肩部56及びガイドスリーブ52の端部に隣接して取り付けられた前方ブッシュ60に対して当接しているコイルばね54によって一端が付勢されている。後方ブッシュ61がガイドスリーブ52の後端に取り付けられており且つ孔44内に挿入されたときに前方ブッシュ60と共にモーターを支持する。ガイドスリーブ52の底部に担持されているボス57は、以下に更に詳細に説明するモーター係止部材58を支持している。
【0015】
上記したように、引き金22は、孔40内に摺動可能に取り付けられており且つU字形状部分又は溝60、円形指用開口部62、上方に延びている部分64及び制限孔66を含んでいる。上方を向いている歯を備えたラックギヤ68が、溝60内に取り付けられており且つピン70によってその中に堅固に支持されている。ピニオンギヤ72は、銃18の主本体部分32内に形成されている直径の反対側の孔76内に嵌合している軸又はピン74によって回転可能に支持されている。ブシュ78は、回転が容易なようにピニオンギヤ72の中心孔80内に嵌合している。球状ボール82が、引き金22の動きを容易にするために、溝の底部に形成された孔内に嵌合している。相補的なラックギヤ84が、ラックギヤ68の歯に対して直径の反対側に歯を備えたモーター係止部材58の底面上に担持されている。コイルばね88が、肩部90と溝部分60の後方端縁92との間にサンドイッチされている。コイルばね88は、(カッタービットがフットプレートから最も遠いときに)ガイドスリーブ52の端部に作用してモーターをスタート位置に付勢するコイルばね54と協働して、引き金22をスタート位置に戻す役目を果たし、PKS装置にバランスがとられた力を付与して銃の取り扱い及びカッターの位置決めに関する良好な感覚をオペレータ又は外科医が有するのを確保する。
【0016】
上記したように、モーター係止部材58は、モーターを定位置に係止する役目を果たし且つ孔44内に形成された戻り止め43内に挿入されているときにモーターを自動的に係止し、引き金が所定の位置にあるときにモーター係止部材58の端部を押し込むことによって解放されるように設計されている。このことは、外科医が外科処置を行っているときにモーターが外れないことを確保する。本発明に従って、モーター係止部材58は、直立している平行アーム96を介して且つドエルピン98によってボス57に取り付けられている。コイルばね100は、ボス57の底部に形成されているドエルピン孔内に嵌合せしめられ且つ前方端部から遠い枢軸の一端においてモーター係止部材58の頂面102に対して当接している。傾斜面104がモーター係止部材58の後方端部上に設けられており且つ後端の薄い部分から傾斜面を形成しているより厚い部分まで続いていて、モーターが挿入され且つ銃の前方端部に向かって内方へ動かされると、モーターケース上のフランジ又は肩部45は、傾斜面の斜面を駆け上がり且つモーター係止部材58をピニオンギヤ72を軸にして動かし且つモーター12上の肩部45がモーター係止部材58上の傾斜面104の端部にある肩部106を通過し且つアーム96と傾斜面104の前端の端との間の凹部又は戻り止め110内に落ち込むまでばね100を圧縮する。ばねは、モーターを該モーターを定位置に係止する元の位置へと戻すようにモーター係止部材を付勢するであろう。本発明に従って、モーター係止部材58は、ピニオンギヤ72を軸にして動き、すなわち、ピニオンギヤ72はギヤと枢軸との両方の機能を果たすことが注目されるであろう。従って、引き金が引かれると、すなわち、カッターをフットプレートに向かって配置しストッパピン111が孔66の端部にあるときに、モーター係止部材58は枢動することができない(図A参照)。モーターを取り外すことができる唯一のときは、ピニオンギヤ72がラックギヤ84の前方端部に近くなったときであり、その結果、図6に示されているようにピニオンギヤ72を軸にして動くことができる。
【0017】
PKS装置を作動させるためには、外科医は、単に、患者から骨を除去するのに必要な位置にフットプレートを挿入し、カッターを回転させるためにドリルモーターに動力を与え、カッターをフットプレートに向けて位置決めするために柄を握るだけで良い。明らかに、外科医は、カッターが切断位置を突き止めるばかりでなく、所望ならば所定の経路をたどるようにカッターを摺動させ、長い経路に沿って切断するためにカッターが骨に曝されたときにPKS装置を動かすことができる。
【0018】
本明細書の次の部分は、モーターが固定されたままでありフットプレートがカッターに対して動かされる本発明の他の実施形態に関する。この実施形態においては、図7及び8に例示されているように、図1に図示されたフットプレートと形状が似ているフットプレート支持部材122に取り付けられたフットプレート120が引き金124に取り付けられて、引き金が柄126の方へ引かれるとフットプレート120はカッター135のドリルビット129に向かって動くであろう。柄126は、その外側寸法が図1に図示された柄と似ており且つ柄126の主要部分132内に延びている貫通孔を含んでいる。この貫通孔は、後方端部130に大径部分128を含んでおり且つ前方部分131に向かってより小径部分137へと段が付いており且つ更に前方部分134において再び直径が大きくなっている。モーター133は、図1に関して説明したモーターと同様に、柄126の後方部分に設置されており、適当な指用係止部材136が2つの位置でモーター133を係止したり係止を解除したりする。カッターは、当該技術において公知の一般的な形態でモーターに取り外し可能に取り付けられている。同様に、銃の柄の形状とされた柄126は、主要部分132から下方に延びている手保持部分140を含んでいる。フットプレート支持部材122を包囲しているのは円錐形状の鼻状部分141であり、この鼻状部分141は、引き金124の前方端部に隣接した小径部分142の外径に嵌合する公知の取り付け端部を含んでいてフットプレート支持部材122を係止する。引き金124の前方端部は、後方に延び且つ円錐形の孔150を形成しているドーナツ形状の端部148を含んでいる。この形状は、引き金が引かれたときに、フットプレートがドリルビット129を意図した距離だけ動かし且つモーター133のチャック端部に対して締結するのを確保している。ドリルビット129は、細長い管151内に支持されているカッター135に取り付けられている。
【0019】
引き金124は、柄126の手保持部分140の前方端部に形成されている孔158内に取り付けられたコイルばね156によって最も前方位置である第1の位置に付勢されている。コイルばね156は、孔158の端面160及び引き金124の孔166に嵌合しているタブ164を含んでいるピストン162に対して作用する。
【0020】
作動時に、外科医は、柄128を銃であるかのように引き金124及び柄126を握ることによって、上記した引き金機構を後方に動かしてフットプレート120をドリルビット129のより近くへと移動させ、モーターをオンさせて、外科医は意図する患者の骨を除去するのに必要な処置を行うことができる。図1に示された実施形態の場合のように、外科医は、骨を横方向に沿って除去するために器具を局部的な目標から横方向に動かすことができる。更に、PKS装置は、モーター及びドリルビットを使用しており且つ骨を除去するために強力な力によらないので、フットプレートは、本発明がなければこのタイプの処置のために利用できなかった体の領域に嵌入するために種々の形状及び角度に設計することができる。
【0021】
以上、本発明を、詳細な実施形態に関して示し且つ説明したけれども、特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく、形状及び詳細部に種々の変更を施すことができることは当業者にとって明らかであり且つ理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
これらの図面は、単に本発明を更に明確化し且つ図示する役目を果たすものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【図1】図1は、本発明の可動モーターを備えたPKS装置の主要構成部品を示している正面分解図である。
【図2】図2は、図1に図示された実施形態において示されているモーターを位置決めするための機構の詳細を示している斜視分解図である。
【図3】図3は、図1に図示された実施形態における柄の斜視図である。
【図4】図4は、図1に図示された本発明のPKS装置を部分的に断面で図示し且つ部分的には正規に図示した図である。
【図5】図5は、図1に図示された組み立て状態のPKS装置を示している立面側面図である。
【図6】図6は、柄及び図1に図示されたPKS装置のモーターを位置決めするための機構の図であり、第1の位置を図示している。
【図6A】図6Aは、引き金が第2の位置に配置されている状態の図6に示されたものと同じ図である。
【図7】図7は、引き金がフットプレートをモーター及びドリルビットに対して動かした状態の別の実施形態の断面図である。
【図8】図8は、図7に示された実施形態の頂面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具(10)であって、引き金機構(22)を有している柄(18)と、前記柄(18)内に取り付けられたモーター(12)と、前記柄(18)から遠位の端部に設けられた直立しているフット部分(24)を有している前記柄の一端に結合された細長い管(20)と、該細長い管(20)の中央貫通路内に回転動作するように前記モーター(12)に取り付けられたカッター(16,25)とを有し、前記引き金機構(22)は、前記モーター(12)と前記カッター(16,25)とを前記フット部分(24)に対して近接して位置決めするために直線動作によって移動可能であり、それによって、外科医が、外科処置を行うために切除しようとしている骨及び/又は組織を前記フット部分(24)と前記カッター(16,25)との間に配置することができるようになされた外科用器具。
【請求項2】
請求項1に記載の外科用器具(10)であって、
前記柄(18)が銃形状(42)とされており、前記モーター(12)が前記銃形状の柄(42)から取り外し可能であり、前記モーター(12)/カッター(16)を前記フット部分(24)に対して位置決めするために、前記引き金(22)と前記取り外し可能なモーター(12)との間において前記銃形状の柄(42)内に取り付けられたラック及びピニオンギヤ(68,74)を含んでいる外科用器具。
【請求項3】
請求項2に記載の外科用器具(10)であって、
前記銃形状の柄(42)内に形成された戻り止め(110)と、前記モーター(12)を前記銃形状の柄(42)内に係止するために前記戻り止め(110)内に嵌入するために前記モーター(12)上に設けられた肩部(45)と、前記戻り止め(110)を変位させるために前記ラックギヤ(84)を前記ピニオンギヤ(72)を軸にして動かさせ、それによって前記モーター(12)が前記銃形状の柄(42)から係止解除し且つ取り外し可能であるようにする手段とを含んでいる外科用器具。
【請求項5】
請求項3に記載の外科用器具(10)であって、
前記ラックギヤ(84)に取り付けられ且つ前記ラックギヤ(84)を前記ピニオンギヤ(72)を軸にして動かさせるように前記オペレータによって変位せしめられるようになされたレバーアーム(58)を含んでいる外科用器具。
【請求項6】
請求項5に記載の外科用器具(10)であって、
前記モーター(12)を受け入れるようになされたスリーブ(50)であって、該スリーブからボス(57)が延びており、前記レバーアーム(58)は前記ボス(57)に枢動可能に取り付けられており、前記レバーアーム(58)を係止位置内に付勢するために該レバーアーム(58)と前記ボス(57)との間に取り付けられたばね(100)を含み、それによって、前記モーター(12)は、前記スリーブ(50)内へと摺動可能であり且つ前記レバーアーム(58)と係合して前記肩部(45)を前記戻り止め(110)内に位置決めするように前記レバーアーム(58)を変位させ、前記ばね(100)は、前記モーター(12)を前記スリーブ(50)内に係止するために前記レバーアーム(58)を元の位置に位置決めするようになされている外科用器具。
【請求項7】
請求項6に記載の外科用器具(10)であって、
前記柄(18)を所定の位置へ付勢し、それによって前記カッター(16)が前記フット部分(24)から離れて位置決めされるようにするコイルばね(88)を含んでいる外科用器具。
【請求項8】
請求項1に記載の外科用器具(10)であって、
前記フット部分(24)が所定の外科処置のための寸法及び形状とされている外科用器具。
【請求項9】
外科用器具であって、
引き金機構(124)を有している柄(126)と、該柄(126)内に取り付けられたモーター(133)と、前記柄(126)の一端に結合され前記柄(126)から遠位の端部に設けられた直立しているフット部分(120)を有している細長い管(122)と、前記細長い管(122)の中心貫通路内に回転動作するように前記モーター(133)に取り付けられたカッター(135)とを含み、前記引き金機構(124)は、前記フット部分(120)を前記カッター(135)に対して近接して位置決めするために直線的な動作で移動可能であり、それによって、外科医が、外科処置を施すために切除することを意図している骨及び組織を前記フット部分(120)と前記カッター(135)との間に配置することができるようになされている外科用器具。
【請求項10】
請求項9に記載の外科用器具(10)であって、
前記柄(126)が銃形状(140)であり、前記モーター(133)が前記銃形状の柄(140)から取り外し可能であるようになされた外科用器具。
【請求項11】
請求項9に記載の外科用器具(10)であって、
前記フット部分(120)が所定の外科処置のための寸法及び形状とされている外科用器具。
【請求項12】
請求項10に記載の外科用器具(10)であって、
一端が前記引き金(124)に結合されたピストン(162)と、前記柄(126)内に取り付けられ且つ前記カッター(135)を所定の位置に位置決めして前記カッター(135)が前記フット部分(120)から最も遠くに配置されるようにするために一端が前記ピストン(162)に対して当接しているコイルばねとを含んでいる外科用器具。
【請求項13】
骨及び組織を切り込む器具(10)であって、
引き金機構(22)を有する柄(18)と、該柄(18)内に取り付けられたモーター(12)と、該モーター(12)に取り外し可能に取り付けられた鼻状スリーブ(14)と、前記柄(18)の一端に結合され且つ前記柄(18)から遠位の端部に直立しているフット部分を有し且つ前記鼻状スリーブ(14)と同心状で且つ該スリーブを包囲している細長い管(20)と、前記鼻状スリーブ(14)の中心貫通路内に取り付けられて回転動作するように前記モーター(12)に取り付けられたビット(25)を端部に有しているカッター(16)とを含み、前記引き金機構(22)が、前記モーター(12)と前記カッター(16)とを前記フット部分(24)に対して近接して位置決めするために直線動作によって移動可能であり、それによって、外科医が、外科処置を施すために切除することを意図している骨及び組織を前記フット部分(24)と前記カッター(16)の前記ビットとの間に配置することができるようになされた骨及び組織を切り込む器具。
【請求項14】
請求項13に記載の骨及び組織を切り込む器具であって、
前記柄(18)が銃形状(42)であり、前記モーター(12)が前記銃形状の柄(42)から取り外し可能であり、ラックギヤ(68,84)及びピニオンギヤ(72)が、前記銃形状の柄(42)内で前記引き金(22)と前記取り外し可能なモーター(12)との間に取り付けられており且つ前記モーター(12)/カッター(16)を前記フット部分(24)に対して位置決めするために前記引き金(22)に作動可能に結合されていることを特徴とする骨及び組織を切り込む器具。
【請求項15】
請求項14に記載の骨及び組織を切り込む器具であって、
前記銃形状の柄(42)内に形成された戻り止め(110)と、前記モーター(12)を前記銃形状の柄(42)内に係止するために前記戻り止め内に嵌合する前記モーター(12)上に設けられた肩部(45)と、前記戻り止め(110)を変位させるために前記ラックギヤ(84)のうちの一つを前記ピニオンギヤ(72)を軸にして動かさせ、それによって、前記モーター(12)が前記銃形状の柄(42)から係止解除され且つ取り外し可能であるようにする手段(58)とを含んでいる骨及び組織を切り込む器具。
【請求項16】
請求項15に記載の骨及び組織を切り込む器具であって、
前記ラックギヤ(84)のうちの一つに取り付けられ且つ前記ラックギヤ(84)を前記ピニオンギヤ(72)を軸にして動かさせるためにオペレータによって変位せしめられるようになされたレバーアーム(58)を含んでいる骨及び組織を切り込む器具。
【請求項17】
請求項16に記載の骨及び組織を切り込む器具であって、
前記モーター(12)を受け入れるために前記柄(18)内に取り付けられたスリーブ(50)であって、当該スリーブからボス(57)が延びており、前記レバーアーム(58)が前記ボス(57)に枢動可能に取り付けられているスリーブ(50)と、前記レバーアーム(58)を係止位置に付勢するために前記レバーアーム(58)と前記ボス(57)との間に取り付けられたばね(100)とを含み、それによって、前記モーター(12)は、前記スリーブ(50)内へと摺動し且つ前記レバーアーム(58)と係合して、前記肩部(45)を前記戻り止め(110)内に位置決めするために前記レバーアーム(50)を変位させるようになされており、前記ばね(100)は、前記モーター(12)を前記スリーブ(50)内に係止するために前記レバーアーム(58)を元の位置へと戻すように位置決めするようになされている、骨及び組織を切り込む器具。
【請求項18】
請求項17に記載の骨及び組織を切り込む器具であって、
前記引き金(22)を所定位置に付勢するコイルばね(88)を含み、それによって、前記カッター(16)の前記ビット(25)が前記フット位置(24)から離れた位置に位置決めされるようになされた骨及び組織を切り込む器具。
【請求項19】
請求項18に記載の骨及び組織を切り込む器具であって、
前記フット部分(24)が所定の外科処置のための寸法及び形状とされている骨及び組織を切り込む器具。
【請求項20】
動力ケリソン骨鉗子装置であって、
引き金機構(124)と、フットプレート支持部材(122)と、前記柄(126)内に取り付けられたモーター(133)と、前記フットプレート支持部材(122)と同心状で且つ該フットプレート支持部材内に取り付けられた細長い管(151)とを含んでおり、前記フットプレート支持部材(122)は前記引き金(124)から遠位の端部に直立しているフット部分(120)を有しており、更に、前記細長い管(151)内に取り付けられ且つ前記フットプレート支持部材(122)の細長い貫通路内で回転動作するように前記モーター(133)に取り付けられた切断ビット(129)を有しているカッター(135)を含んでおり、前記引き金機構(126)は、前記フット部分(120)を前記ビット(129)に対して近接させて位置決めするために直線動作で移動可能であり、それによって、外科医が、外科処置を施すために切除を意図している骨を前記フット部分と前記ビットとの間に配置することができるようになされた動力ケリソン骨鉗子装置。
【請求項21】
請求項20に記載の動力ケリソン骨鉗子装置であって、
前記柄(126)が銃形状であり、前記モーター(133)が前記銃形状の柄(126)から取り外し可能であるようになされた動力ケリソン骨鉗子装置。
【請求項22】
請求項21に記載の動力ケリソン骨鉗子装置であって、
前記フット部分(120)が所定の外科処置のための寸法及び形状とされている動力ケリソン骨鉗子装置。
【請求項23】
請求項22に記載の動力ケリソン骨鉗子装置であって、
一端が前記引き金機構(124)に結合されている銃(162)と、前記柄(126)内に取り付けられたコイルばね(160)とを含み、前記コイルばね(160)は、前記カッター(135)の前記ビット(129)を所定の位置に位置決めするために前記銃(162)に対して当接している一端を有しており、それによって、前記カッター(135)の前記ビット(129)が前記フット部分(120)から最も遠くに配置されるようになされている動力ケリソン骨鉗子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−507895(P2006−507895A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−557183(P2004−557183)
【出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/035894
【国際公開番号】WO2004/049956
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(500120473)ジ・アンスパッチ・エフォート・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】